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Patent Searching and Data


Title:
NOVEL NUCLEIC ACID DERIVATIVE INTO WHICH GIVEN COMPOUND HAS BEEN INTRODUCED AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/019901
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a nucleic acid derivative into which a given compound has been introduced in a manner specific to a base of a nucleic acid. A DNA, an RNA or a nucleic acid molecular weight marker, characterized in that a given compound (R) selected from compounds capable of specifically binding to a dye, a fluorescent dye, an RI-labeled substance, and another compound via a vinylsulfone group or a sulfatoethylsulfone group has been introduced at the N-3 position of a thymine base or a uracil base in which (R') at the 1-position is other than a hydrogen atom.

Inventors:
KATO TOSHIYUKI (JP)
NAGAHORA HITOSHI (JP)
ONDA MASAAKI (JP)
TANAKA SHINGO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052993
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
February 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BIODYNAMICS LAB INC (JP)
KATO TOSHIYUKI (JP)
NAGAHORA HITOSHI (JP)
ONDA MASAAKI (JP)
TANAKA SHINGO (JP)
International Classes:
C07D221/22; C09B69/00; C07D239/54; G01N33/58
Foreign References:
JP3142874B22001-03-07
Other References:
MAG, M. ET AL.: "Synthesis and structure assignments of amide protected nucleosides and their use as phosphoramidites in deoxyoligonucleotide synthesis", NUCLEIC ACIDS RESEARCH, vol. 16, no. 8, 1988, pages 3525 - 3543, XP055353520, ISSN: 0305-1048
STEVE ADKINS; MARGIT BURMEISTER: "Visualization of DNA in Agarose Gels as Migrating Colored Bands: Applications for Preparative Gels and Educational Demonstrations", ANALYTICAL BIOCHEMISTRY, vol. 240, 1996, pages 17 - 23
SMITH ET AL.: "Adenine and Thymine Grafts on Polyethyleneimine", JOURNAL OF POLYMER SCIENCE: PART A: POLYMER CHEMISTRY, vol. 27, no. 2, 1989, pages 575 - 582
See also references of EP 2189503A4
Attorney, Agent or Firm:
YAGUCHI, Taro et al. (8th Floor Ichibancho Central Bldg.22-1 Ichibancho, Chiyoda-ku, Tokyo 82, JP)
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Claims:
 下記構造式(I)
で表される、1位の(R')が水素原子以外のチミン塩基或いはウラシル塩基のN-3位に、下記構造式(II)で表わされるビニルスルフォン基、
若しくは下記構造式(III)で表されるスルファトエチルスルフォン基
を介して任意の化合物(R)が導入されていることを特徴とする核酸誘導体。
 請求項1記載の核酸誘導体において、
 前記任意の化合物(R)は、他の化合物と特異的に結合することができる化合物から成ることを特徴とする核酸誘導体。
 請求項1記載の核酸誘導体において、
 前記任意の化合物(R)は、色素、蛍光色素、RI標識物から成る群から選択されることを特徴とする核酸誘導体。
 請求項3記載の核酸誘導体において、
 前記色素は、ニトロ、アゾ、スチルベン、カルボニウム、キノリン、メチン、アントラキノンから成る群から選択される化合物を発色団として含むことを特徴とする核酸誘導体。
 請求項1記載の核酸誘導体において、
 前記核酸誘導体は、核酸分子量マーカーとして用いることを特徴とする核酸誘導体。
 下記構造式(IV)
で表される、1位の(R')が水素原子以外のチミン塩基及びウラシル塩基のN-3位に、下記構造式(V)で表わされるビニルスルフォン基、
若しくは下記構造式(VI)で表わされるスルファトエチルスルフォン基
を介して任意の化合物(R)が結合されているDNA或いはRNAであることを特徴とする核酸分子量マーカー。
 請求項6記載の核酸分子量マーカーにおいて、
 前記任意の化合物(R)は、他の化合物と特異的に結合することができる化合物から成ることを特徴とする核酸分子量マーカー。
 請求項6記載の核酸分子量マーカーにおいて、
 前記任意の化合物(R)は、色素、蛍光色素、RI標識物から成る群から選択されることを特徴とする核酸分子量マーカー。
 請求項8記載の核酸分子量マーカーにおいて、
 前記色素は、ニトロ、アゾ、スチルベン、カルボニウム、キノリン、メチン、アントラキノンから成る群から選択される化合物を発色団として含むことを特徴とする核酸分子量マーカー。
 請求項8記載の核酸分子量マーカーにおいて、
 前記蛍光色素は、励起光により励起された発色団がエネルギーを放出する過程で発光することができることを特徴とする核酸分子量マーカー。
 任意の化合物(R)が導入された核酸誘導体を製造する方法であって、
 所定の核酸を準備する工程と、
 前記核酸のチミン塩基或いはウラシル塩基のN-3位に、下記構造式(VII)で表わされるビニルスルフォン基、
若しくは下記構造式(VIII)で表されるスルファトエチルスルフォン基
を介して任意の化合物(R)を結合させる工程と
 を有することを特徴とする方法。
 請求項11記載の方法において、
 前記任意の化合物(R)は、他の化合物と特異的に結合することができる化合物から成ることを特徴とする方法。
 請求項11記載の方法において、
 前記任意の化合物(R)は、色素、蛍光色素、RI標識物から成る群から選択されることを特徴とする方法。
 請求項13記載の方法において、
 前記色素は、ニトロ、アゾ、スチルベン、カルボニウム、キノリン、メチン、アントラキノンから成る群から選択される化合物を発色団として含むことを特徴とする方法。
 請求項13記載の方法において、
 前記蛍光色素は、励起光により励起された発色団がエネルギーを放出する過程で発光することができることを特徴とする方法。
 請求項11記載の方法において、
 前記核酸誘導体は、核酸分子量マーカーとして用いることを特徴とする方法。
 目的核酸の分子量を測定する方法であって、
 請求項1記載の核酸誘導体を核酸分子量マーカーとして準備する工程と、
 前記目的核酸を準備し、前記目的核酸のチミン塩基或いはウラシル塩基のN-3位に、下記構造式(IX)で表わされるビニルスルフォン基、
若しくは下記構造式(X)で表されるスルファトエチルスルフォン基
を介して任意の化合物(R)を結合させる工程と、
 前記目的核酸と、核酸分子量マーカーとをゲル電気泳動に供する工程と、
 前記目的核酸の位置と前記核酸分子量マーカーの位置とを比較し、前記目的核酸の分子量を決定する工程と
 を有することを特徴とする方法。
 目的核酸の分子量を測定する方法であって、
 請求項6記載の核酸分子量マーカーを準備する工程と、
 前記目的核酸を準備し、前記目的核酸のチミン塩基或いはウラシル塩基のN-3位に、下記構造式(XI)で表わされるビニルスルフォン基、
若しくは下記構造式(XII)で表されるスルファトエチルスルフォン基
を介して任意の化合物(R)を結合させる工程と、
 前記目的核酸と、前記核酸分子量マーカーとをゲル電気泳動に供する工程と、
 前記目的核酸の位置と前記核酸分子量マーカーの位置とを比較し、前記目的核酸の分子量を決定する工程と
 を有することを特徴とする方法。
Description:
任意の化合物が導入された新規 酸誘導体、及びその製造方法

 本発明は、任意の化合物が導入された核 誘導体とその製造方法、更にはその使用に するものである。

 従来、核酸誘導体は、抗癌剤や抗ウイル 剤、脳代謝改善薬などの核酸医薬として幅 く応用されてきた。この核酸誘導体は、機 を持つ任意の化合物を導入するまたは他の 能基などで置換することによって改変され 核酸であり、導入する化合物や官能基によ て多様な機能を有する核酸分子を合成でき り、目的の塩基配列に特異的な機能性核酸 子を効率良く設計できる、といったメリッ を有している。そして現在、これらの核酸 導体のメリットを利用して、核酸分子量マ カーや核酸プローブなどの基礎生物学実験 術、DNAマイクロアレイなどのトランスクリ トーム解析技術における応用が検討されて る。

 一方、生物学実験などにおいて、試料核 の存在や分子量を確認するために、前記試 核酸を可視化することが必要となる場合が る。このような可視化の方法としては、試 核酸をゲル電気泳動に供し、そのゲルをエ ジウムブロマイド(EtBr)などのインターカレ ト型の染色剤を用いて染色を行った後、UV( 外線)を照射する方法が一般的である。

 このような可視化の方法は、試料核酸の 製、ゲル電気泳動、染色、可視化という4つ の工程を順に経る必要があり、実験結果を得 るまでに時間がかかっていた。また、可視化 するためのUV照射器具、及び実験者の皮膚や を保護するための設備を用意していなくて ならないためコストもかかる。また、イン ーカレート型の染色剤は発癌性が強いと言 れており、取扱いに注意を要する。

 さらに、EtBrを用いた方法では、ゲル電気 泳動を停止後に染色を行う目的の試料核酸の 移動度をリアルタイムで観察するためには、 ゲルの染色とUV照射を同時に行うことができ 機能を有する専用機材が必要となる。そこ 、実験の効率を高めるために短時間での可 化を可能にし、簡便且つ安全性の高い核酸 可視化方法が望まれている。

 これに対して、現在、試料核酸に標識化 質を結合させて可視化する方法が種々提案 れている。例えば、非特許文献1では、有色 染色剤であるナイルブルーやメチルグリーン 等を予め試料核酸に結合させて、試料核酸を 可視化している。

Steve Adkins and Margit Burmeister,"Visualization of DNA in Agarose Gels as Migrating Colored Bands:A pplications for Preparative Gels and Educational Demon strations",Analytical Biochemistry 240, 17-23(1996).

 しかしながら、核酸を可視化するために 上記した方法でも未だ解決すべき課題が残 れている。例えば、非特許文献1の方法では 、試料核酸と有色染色剤とが弱い静電気的相 互作用で結合しているため、ゲル電気泳動の みの使用に限定されており、他の核酸検出方 法での使用には適していない。また、複数種 類の染色剤とそれぞれ結合させた試料核酸を 混合すると各染色剤が混ざってしまい、試料 核酸毎に色を染め分けることはできない。

 これらの問題に対して、本発明者らは、 酸を様々な場面で効率的且つ安価に可視化 るために、試料核酸に標識化物質などの任 の化合物を特異的な付加反応で導入した核 誘導体を利用することが有効であると考え 。

 本発明は上述のような課題に鑑みてなさ たものであり、核酸の構成成分であるチミ 塩基或いはウラシル塩基特異的に任意の化 物が導入された核酸誘導体とその製造方法 更にはその使用方法を提供することを目的 するものである。 

 核酸誘導体は、代謝拮抗剤である抗ガン や抗ウイルス剤として広く知られており、 の有用性より新規核酸誘導体の研究開発が んに行われてきた。例えば、特許第3142874号 においては、抗腫瘍剤として使用できる、核 酸の糖部分の3位を置換されたヌクレオシド 酸誘導体が開示されている。

 一方、塩基に任意の分子を導入する若し は官能基で置換する方法としては、以前Smit hら("Adenine and Thymine Grafts on Polyethyleneimine", Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,27( 2)575-582(1989))によって、ジメチルホルムアミ 中でトリエチルアミンを用い、チミンN-1位 ビニルスルフォン基を導入する方法が開示 れていた。しかしこの方法は、チミン塩基 N-1位が水素原子である無水系溶媒(有機溶媒) 中で行われており、N-1位に糖が結合している DNA及びRNA(核酸)の構成成分としてのチミン塩 への修飾は不可能であった。

 本発明者らは、水系溶媒において、核酸 構成成分である塩基特異的に結合する官能 の検索を行い、ビニルスルフォン基及びビ ルスルフォン基の前駆体であるスルファト チルスルフォン基が、核酸のチミン塩基及 ウラシル塩基のN-3位に特異的に結合すると う新たな知見を得、鋭意検討、実験を重ね 結果、本発明を成すに至ったものである。

 すなわち、本発明の第1の主要な観点によれ ば、下記構造式(I)
で表される、1位の(R')が水素原子以外のチミ 塩基或いはウラシル塩基のN-3位に、下記構 式(II)で表わされるビニルスルフォン基、
若しくは下記構造式(III)で表されるスルファ エチルスルフォン基
を介して任意の化合物(R)が導入されているこ とを特徴とする核酸誘導体が提供される。

 なお、このビニルスルフォン基は元来、 維と染料とが化学的に反応結合する反応染 において、特にセルロース繊維用の染料と て使用されていたが、核酸の塩基のN-3位に 異的に結合することは今まで知られていな った。

 さらに、このようにして得られた本発明 核酸誘導体は、任意の化合物(R)を目的に応 て変更することによって、様々な機能を有 る機能性核酸誘導体として使用することが きる。

 本発明の1実施形態によれば、前記任意の 化合物(R)は、他の化合物と特異的に結合する ことができる化合物から成ることを特徴とす る核酸誘導体が提供される。また他の実施形 態によれば、前記任意の化合物(R)は、色素、 蛍光色素、RI標識物から成る群から選択され ことを特徴とする核酸誘導体が提供される 好ましくは、前記色素は、ニトロ、アゾ、 チルベン、カルボニウム、キノリン、メチ 、アントラキノンから成る群から選択され 化合物を発色団として含むものである。ま 別の実施形態によれば、前記核酸誘導体は 核酸分子量マーカーとして用いるものであ 。このような構成によれば、核酸を可視化 ることができる。

 また、本発明の第2の主要な観点によれば、 下記構造式(IV)
で表される、1位の(R')が水素原子以外のチミ 塩基及びウラシル塩基のN-3位に、下記構造 (V)で表わされるビニルスルフォン基、
若しくは下記構造式(VI)で表わされるスルフ トエチルスルフォン基
を介して任意の化合物(R)が結合されているDNA 或いはRNAであることを特徴とする核酸分子量 マーカーが提供される。

 本発明の1実施形態によれば、前記任意の 化合物(R)は、他の化合物と特異的に結合する ことができる化合物から成ることを特徴とす る核酸分子量マーカーが提供される。また他 の実施形態によれば、前記任意の化合物(R)は 、色素、蛍光色素、RI標識物から成る群から 択されることを特徴とする核酸分子量マー ーが提供される。好ましくは、前記色素は ニトロ、アゾ、スチルベン、カルボニウム キノリン、メチン、アントラキノンから成 群から選択される化合物を発色団として含 ものである。また好ましくは、前記蛍光色 は、励起光により励起された発色団がエネ ギーを放出する過程で発光することができ ものである。このような構成によれば、従 のEtBr染色のような染色工程が不要となり、 安全性や簡便性の面で非常に優れた可視化さ れた核酸分子量マーカーを提供できる。

 本発明の第3の主要な観点によれば、任意の 化合物(R)が導入された核酸誘導体を製造する 方法であって、所定の核酸を準備する工程と 、前記核酸のチミン塩基或いはウラシル塩基 のN-3位に、下記構造式(VII)で表わされるビニ スルフォン基、
若しくは下記構造式(VIII)で表されるスルファ トエチルスルフォン基
を介して任意の化合物(R)を結合させる工程と を有することを特徴とする方法が提供される 。例えば、本発明の方法によってビニルスル フォン基を介してチミン及びウラシル塩基N-3 位へ任意の化合物(R)を結合させた場合、下記 のような構造式となる。

 さらに、本発明の1実施形態によれば、前 記任意の化合物(R)は、他の化合物と特異的に 結合することができる化合物から成ることを 特徴とする方法が提供される。また他の実施 形態によれば、前記任意の化合物(R)は、色素 、蛍光色素、RI標識物から成る群から選択さ ることを特徴とする方法が提供される。好 しくは、前記色素は、ニトロ、アゾ、スチ ベン、カルボニウム、キノリン、メチン、 ントラキノンから成る群から選択される化 物を発色団として含むものである。また好 しくは、前記蛍光色素は、励起光により励 された発色団がエネルギーを放出する過程 発光することができるものである。また別 実施形態によれば、前記核酸誘導体は、核 分子量マーカーとして用いるものである。 のような構造によれば、可視化された核酸 子量マーカーとして用いることができる核 誘導体を製造することが可能となる。

 さらに本発明の第4の主要な観点によれば、 目的核酸の分子量を測定する方法であって、 本発明の核酸誘導体を核酸分子量マーカーと して準備する工程と、前記目的核酸を準備し 、前記目的核酸のチミン塩基或いはウラシル 塩基のN-3位に、下記構造式(IX)で表わされる ニルスルフォン基、
若しくは下記構造式(X)で表されるスルファト エチルスルフォン基
を介して任意の化合物(R)を結合させる工程と 、前記目的核酸と、核酸分子量マーカーとを ゲル電気泳動に供する工程と、前記目的核酸 の位置と前記核酸分子量マーカーの位置とを 比較し、前記目的核酸の分子量を決定する工 程とを有することを特徴とする方法が提供さ れる。

 さらに、本発明の第5の主要な観点によれば 、目的核酸の分子量を測定する方法であって 、本発明の核酸分子量マーカーを準備する工 程と、前記目的核酸を準備し、前記目的核酸 のチミン塩基或いはウラシル塩基のN-3位に、 下記構造式(XI)で表わされるビニルスルフォ 基、
若しくは下記構造式(XII)で表されるスルファ エチルスルフォン基
を介して任意の化合物(R)を結合させる工程と 、前記目的核酸と、前記核酸分子量マーカー とをゲル電気泳動に供する工程と、前記目的 核酸の位置と前記核酸分子量マーカーの位置 とを比較し、前記目的核酸の分子量を決定す る工程とを有することを特徴とする方法が提 供される。このような構成によると、目的核 酸の移動度をリアルタイムで見ることができ る。

 この発明の更なる特徴及び顕著な効果は 次に記載する発明の最良の実施形態の項の 載から当業者にとって明らかになるもので る。

 上述したように、本発明によれば、核酸 構成成分であるチミン塩基或いはウラシル 基特異的に任意の化合物が導入された核酸 導体とその製造方法、更にはその使用方法 提供される。

 また、このようにして得られた本発明の 酸誘導体は、任意の化合物を目的に応じて 更することによって、様々な機能を有する 能性核酸誘導体として使用することができ 。

 本発明の任意の化合物(R)は、色素、蛍光 素、RI標識物、及び他の化合物と特異的に 合することができる化合物のいずれかから 択されるが、これに限定されるものではな 。例えば、蛍光色素としては、Cy(商標)3、Cy( 商標)5、FITC等でも良く、また他の化合物と特 異的に結合することができる化合物としては 、ビオチン標識、DIG標識等でも良い。好まし くは、前記任意の化合物は、色素及び/若し は蛍光色素であり、これによって本発明の 的の一つである可視化された核酸誘導体を 造することができる。

 より具体的には、本発明の任意の化合物 して有色色素などの色素を選択した場合、 視化された核酸分子量マーカーとして使用 ることができる。このような構成によれば 従来のEtBr染色のような染色工程が不要とな り、安全性や簡便性の面で非常に優れた可視 化された核酸分子量マーカーが提供できる。 また、本発明の核酸分子量マーカーは、目的 核酸の移動度をリアルタイムで見ることがで きるため、実験条件を予め設定する必要がな く、目的核酸に応じた電気泳動時間の調節が できるため、実験時間の短縮が可能となる。 さらに、前記色素は特異的且つ強固にチミン 塩基及び/若しくはウラシル塩基に結合して るため、複数の核酸断片毎に色素の種類を 更した核酸分子量マーカーを製造すること でき、簡便で明確に分子量を判定すること 可能となる。

 重要な生体高分子である蛋白質、DNA、及 RNAを検出する方法として、いずれもゲル電 泳動後、ニトロセルロース膜やナイロン膜 電気的あるいは浸透的に転写し、特異的プ ーブによって、目的分子を高感度で検出す 、ウエスタンブロット法、サザンブロット 、及びノーザンブロット法と、方位を示す 称で命名された分子生物学研究において重 かつ頻繁に行われる実験操作がある。しか 、この中で可視光下条件においてその電気 動の状況や膜転写の状況をリアルタイムで 認できる分子量マーカーは、蛋白質のウエ タンブロット法のみに存在し、DNAとRNAには 気泳動の状況あるいは膜への転写状況を可 光下で直接観察できる分子量マーカーは存 しなかった。

 膜転写の実験の場合、分子量により転写 効率は大きく左右されることが知られてい が、今までは、転写後にゲル側に残存するD NAやRNAを染色して、間接的に転写の効率を確 めていた。しかし、本発明により、ゲル電 泳動時に、電気泳動を中断することなく容 に、電気泳動の進行状態を可視光下で確認 ることが可能となり、更に着色したDNAがノ ザンブロットあるいはサザンブロット等の 転写時に、未修飾DNAやRNAと同様に膜へ転写 れかつ強固に膜に固定されることが可能と る。これにより、膜への転写状況を可視光 で容易に観察し確認できるようになる。更 、本発明による転写された着色済みDNA用あ いはRNA用分子量マーカーは、プローブとハ ブリダイズすることなく、バックグランド なることはなく、本来のハイブリダイゼー ョンによる検出を妨害することもないこと 見出だされている。

 本発明により、ウエスタンブロット法、 ザンブロット法そしてノーザンブロット法 全てのブロッティング法に可視光下で視認 能な、分子量マーカーがそろうことになる

 また、前記任意の化合物として蛍光色素 選択した場合、細胞内(in situ)での目的核酸 の存在や位置を確認するために使用できる核 酸プローブを製造することができる。

 さらに、本発明の核酸誘導体は、可視化 れた核酸としてだけでなく、前記ビニルス フォン基及び/若しくはスルファトエチルス ルフォン基を介して本発明の核酸誘導体を固 定層と連結させ、目的核酸の特異的塩基配列 を検出するためのハイブリッド形成法にも利 用できる。

 また、本発明で使用する核酸は、DNA、dsDN A、ssDNA、cDNA、RNA、dsRNA、ssRNA、mRNA、hnRNA、tRNA 、rRNA、miRNA、siRNAなど、特に限定されるもの はなく、当業者が用途に応じて適宜選択す ものである。

 また、本発明で使用する核酸の長さは、 業者が用途に応じて適宜変更することがで る。例えば、本発明の核酸分子量マーカー 使用する核酸の長さは、低分子量測定用の 合は50~1,000bp、高分子量測定用の場合は300~10 ,000bpである。

 本発明の核酸誘導体の製造方法は、チミ 塩基のN-1位が水素原子以外である水系溶媒 おいて行われるものである。これにより、 然(生体)に近い実験状態で目的核酸の分子 を決定することができる。また、水系溶媒 用いることで、環境にやさしく、局所排気 置などの特別な設備が要らないという利点 ある。更に、高分子DNA及び高分子RNAは、有 溶媒に不溶であり、本方法による水系にお る反応により化合物導入が容易となるとい 利点もある。水系溶媒としては、水、炭酸 リウム-塩化カリウム溶液が挙げられるがこ に限定されるものではない。

 本発明の試料核酸は、当業者において公 の方法、例えばPCR、化学合成、生体からの 出などを用いて準備されるものである。

 本発明で使用されるゲル電気泳動は、目 の核酸に応じて当業者が適宜選択すること できるものであり、例えば、変性アクリル ミドゲル電気泳動、アガロースゲル電気泳 、変性アガロースゲル電気泳動などである また、各種ゲル電気泳動法は、当業者に公 の手順・方法であれば特に限定されるもの はない。

 次に、本発明の効果に関して実施例を示 て説明する。しかし、本発明は以下に記載 れた実施例に限定されるものではなく、様 な変更及び修飾は当業者によって容易にな れることが理解されるであろう。

 (実施例)
 後述する実施例1及び2は、以下の材料及び 法に従って実験した。
(1)DNAの定量
 適当なH 2 Oもしくは1xTEに溶解しているDNA溶液の260nmのUV 吸収を測定した。分光光度計は日立社製U-2800 を用いた。
(2)変性アクリルアミドゲル電気泳動
 変性アクリルアミドゲルは7.5M Urea入り10%、 12.5%および15%ポリアクリルアミドゲルを用い 泳動バッファーは1x TBEを用いた。サンプル バッファーはバイオダイナミクス社製 Loading  Buffer PAを用い、80℃、5分間加熱変性し、電 気泳動に供した。泳動時間は200VでBPBが適当 位置に泳動してくるまでとした。
(3)アガロースゲル電気泳動
 アガロースゲル電気泳動は0.8% アガロース ルを用いた。泳動バッファーは1x TAEおよび 1xTBEを用いた。サンプルバッファーはバイオ イナミクス社製6xBPBを用い、75℃、3分間加 変性し、電気泳動に供した。泳動時間は5cm/V でBPBが適当な位置に泳動してくるまでとした 。
(4)変性アガロースゲル電気泳動
 変性アガロースゲル電気泳動は2.2M ホルム ルデヒド入り1.0%および1.5%のアガロースゲ を用いた。泳動バッファーは1x TBEを用いた サンプルバッファーはバイオダイナミクス 製Loading Buffef AG+ を用いた。泳動時間は5cm /VでBPBが適当な位置に泳動してくるまでとし 。
(5)電気泳動後の確認
 電気泳動したポリアクリルアミドゲルおよ アガロースゲルは、エチヂウムブロマイド( EtBr)水溶液もしくはクリスタルバイオレット( CV)水溶液で染色を行った。EtBr染色は7μg/mlのE tBr水溶液にゲルを15分間浸した後、トランス ルミネーター上でUV照射により蛍光発色を 察した。CV染色は20μg/mlのCV水溶液にゲルを30 分間浸した後、可視光下で目視により観察し た。
(6)染料の除去
 DNA染色反応時の未反応染料の除去にはGE-Heal thcare Bioscience社製G25 spin columnを用いた。未 用スピンカラムを2700xg、1分間遠心分離し、 余剰バッファーを除去後、カラムに染色反応 液を50~100μl程度アプライし、2700xg、2分間遠 溶出を行った。
(7)薄層クロマトグラフィー
 薄層クロマトグラフィー(TLC)はMERCK社製Silica -Gel-60F254を用いた。TLCのスポット検出は254nm 波長で行った。発色試薬にはモリブデン酸 ンモニウム-セリウム明礬液を用いた。
(8)核磁気共鳴スペクトル
 核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、日本電子製 ECA-500 FT-NMRを用い、 1 H-NMRを500MHzで測定した。測定溶媒には重水素 クロロホルムを使用した。基準物質には、 リメチルシラン(TMS)を用いた。
(9)質量スペクトル
 質量スペクトル(MS)には日立製、M-2500 ガス ロ質量分析計を用いた。測定には直接導入E I法を用いた。

 この実施例においては、ビニルスルフォ 基およびスルファトエチルスルフォン基を いて任意の化合物を導入する実験を行った

 (1)スルファトエチルスルフォン基を有す 色素の30mer poly-dA、dG、dT、dCおよびdUへの導 入

(方法)
 化学合成したDNA Oligomer(Poly-dA、dG、dT、dCお びdU)(表1)をH 2 Oでそれぞれ0.4μg/μlになるように溶解したDNA 液12.5μlに、

スルファトエチルスルフォン基を有する下記 5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-3-[2-ヒドロキシ- 4-(スルホキシ)-スルホニル]-フェニルアゾ}-2,7 -ナフタレンジスルホン酸銅複合体(5-Acetamido-4 -hydroxy-3-[2-hydroxy-4-(sulfoxyethyl)-sulfonyl]-phenylazo}- 2,7-naphthalenedisulfonic acid copper complex)を0.2M K 2 CO 3 -0.8M KCl pH12 で20μg/μlとなるように溶解した 染料溶液12.5μlを加え、ヒートブロック上で70 ℃、1.5時間反応させた。

 反応液をG25 spin column(GE Healthcare Bioscienc e社)にて精製を行い、溶出溶液を凍結乾燥に り濃縮乾固した。得られたペレットに1x TE( pH8)バッファーを加え再溶解後、変性アクリ アミドゲルを用いた電気泳動により確認を った。

(結果)
 以上の実験により、スルファトエチルスル ォン基を有する反応性染料分子である5-ア トアミド-4-ヒドロキシ-3-[2-ヒドロキシ-4-(ス ホキシ)-スルホニル]-フェニルアゾ}-2,7-ナフ タレンジスルホン酸銅複合体はPoly-dTおよびPo ly-dUのみを染め、Poly-dA、Poly-dGおよびPoly-dCを 色しないことを確認した(図1)。

 このことからスルファトエチルスルフォ 基はチミンあるいはウラシル塩基部分に特 的に付加反応し、アデニン塩基、グアニン 基、シスチン塩基さらにはデオキシリボー やリン酸部分とは付加反応しないことがわ る。このことはスルファトエチルスルフォ 基とチミン塩基およびウラシル塩基との特 的付加反応により、これら塩基を含む任意 分子、たとえば天然のDNAやRNAなどに、任意 化合物を導入できることを示す。

 (2)ビニルスルフォン基を有する蛍光色素 天然由来二本鎖DNAへの導入

(方法)
 プラスミドDNA、pBluescriptII SK(+)のEcoRV消化物 である2961塩基対の天然由来直線状二本鎖DNA H 2 Oで1μg/μlになるように溶解したDNA溶液5μlに ニルスルフォン基を有する反応性蛍試薬で る下記4-アミノ-N-(3-[ビニルスルフォニル]フ ニル)ナフタルイミド-3,6-ジスルホネートダ リチウム塩(4-Amino-N-(3-[vinylsulfonyl]phenyl)naphtha limide-3,6-disulfonate dilithium salt)を0.2M K 2 CO 3 、 0.8M KCl(pH12)で40μg/μlとなるように溶解し 染料溶液5μlを加えヒートブロック上で65℃ 3時間反応させた。

 3時間後1N Tris-HCl(pH9)を5μl加え反応を停止 し、反応液をG25 spin column(GE Healthcare Bioscien ce社)にて精製を行った。溶出溶液を0.1μg DNA/ μlとなるようにH2Oを加え、5μlもしくは1μlを ガロースゲルで電気泳動を行った。

(結果)
 以上の実験により、ビニルスルフォン基を する反応性蛍光試薬4-アミノ-N-(3-[ビニルス フォニル]フェニル)ナフタルイミド-3,6-ジス ルホネートダイリチウム塩とDNA中のチミン塩 基との本方法によるビニルスルフォン基を介 した特異的付加反応によって天然のDNAも蛍光 染色できることがわかる。本方法によるビニ ルスルフォン基とチミン塩基との特異的付加 反応が、天然のDNAに蛍光試薬など、新たな任 意の化合物を導入する方法として有用である ことを示している。

 また、本方法で蛍光修飾されたDNAはアガ ースゲル電気泳動上で未修飾時のインタク なDNAとほぼ同じ約3000塩基の位置に電気泳動 されている(図2)。

 (3)ビニルスルフォン基を持つ物質のチミ 塩基への導入

(方法)
 DNAおよびRNAの構成成分であるチミン塩基、 ラシル塩基のモデルとして以下の構造式で す1-メチルチミン(1-Metylthymine)を用い、
また、ビニルスルフォン基を持つ化合物とし て、以下の構造式で表すp-トリルビニルスル ォン(p-Tolyl vinylsulfone)を用いた。

 20.5mgの1-メチルチミン(MW=140.14)を0.1M K 2 CO 3 -0.4M KCl(pH12)に懸濁し、40.0mgのp-トリルビニル スルフォン(MW=182.24)を加え、ヒートブロック で70℃、1hr反応させた。反応終了後クロロ ルムを加え攪拌後、有機層を分離した。水 はクロロホルムで1回抽出し、得られた有機 は0.1N HCl水溶液、水、飽和食塩水で洗浄後 無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下濃縮 た。得られた結晶は薄層シリカゲルクロマ グラフィーで(Et 2 O:AcONa=1:1)で精製し、目的物である以下の構造 式の(1-メチル-3-(p-トリルスルフォニルエチル )チミン(1-Methyl-3-(p-tolyl sulfonylethyl)thymine)Rf=0.3 6 Et 2 O:AcONa=1:1)を35.2mg、収率75%で得た。

 得られた結晶について、 1 H-NMRおよびMSスペクトルにより構造決定した
(結果)
 以上の実験により、1-メチル-3-(p-トリルス フォニルエチル)チミンは、MSスペクトルでm/ z=322に[M] + が観測されたこと、表2に示すように 1 H-NMRで1.84ppm、2.42ppm、3.30ppm付近に3つのメチル 基のシグナルが観測されたこと、3.45ppmおよ 4.25ppm付近に相関関係にある2つのメチレンの シグナルが観測されたことが示された。8.25pp m付近の1-メチルチミン由来のN-3位プロトンの ブロードなシグナルが消失していることによ り、得られた物質は1-メチルチミンとp-トリ ビニルスルフォンがカップリングしたもの あり、その結合様式は1-メチルチミンのN-3位 にエチルスルフォンを介してp-トリル基が結 しているものと決定した。

 この反応はチミン塩基とスルファトエチ スルフォン基を有するビニルスルフォン系 応染料もしくは、ビニルスルフォン基を有 る蛍光色素の結合様式の模式であり、DNAお びPoly-dT、Poly-dUの可視化あるいは蛍光の染 は、反応染料のビニルスルフォン基が、チ ン塩基および反応点の構造が類似している ラシル塩基のN-3位へ付加することによって こることを示している。

 本方法が、チミンあるいは類似の構造で るウラシル塩基を有する任意の物質に温和 条件で高収率かつ高い特異性をもって、エ ルスルフォンを介して任意の化合物を導入 る有用な方法であることを示している。

 この実施例においては、ゲル電気泳動上 の分子量の指標としての染色核酸鎖の有用 を検証した。

 (1)化学合成Poly-dTを用いた可視化DNAラダー の作製

(方法)
 化学合成したPoly-dT鎖(50、40、30および20塩基 )(表3)をH 2 Oでそれぞれ1μg/μlになるように溶解した溶液 5μlに、

下記2-アントラセン-スルホン酸,1-アミノ-9,10- ジヒドロ-9,10-ジオキソ-4-((3-((2-(スルホキシ) チル)スルホニル)フェニル)アミノ)-,ジナト ウム塩(2-anthracene-sulfonic acid,1-amino-9,10-dihydro- 9,10-dioxo-4-((3-((2-(sulfoxy)ethyl)sulfonyl)phenyl)amino)-, disodium salt)を0.2M K 2 CO 3 (pH12)で20μg/μlとなるように溶解した溶液5μl 加え、ヒートブロック上で70℃に加熱した。

 30分後さらに0.1M K 2 CO 3 (pH12)で20μg/μlとなるように溶解した染料溶液 5μlを加え30分加熱した。これを2回繰り返し 合計1.5hr反応させた。反応後、反応液をG25 s pin columnにて精製を行った。溶出溶液を凍結 燥により濃縮乾固し、得られたペレットに2 .8μg DNA/μl となるように1x TE (pH8) バッフ ーを加え再溶解後、下記(表4)の組成で混合 、変性アクリルアミドゲルを用いた電気泳 により確認を行った(図3)。

(結果)
 以上の実験により、染色Poly-dTラダー(50、40 30および20 塩基)の見かけ分子量はポリアク リルアミドゲル濃度非依存的であり、一本鎖 RNAマーカー(バイオダイナミクス社製、DynaMark er RNA Low)の各バンドとの相対的位置関係は とんど変化していないことが示された。こ ことはチミン塩基を含む一本鎖核酸が、本 法によりスルファトエチルスルフォン基を した色素導入によって、一本鎖であるRNAの 視光下で視認可能な、またはであるところ 電気泳動用分子量マーカーとなることを示 ている。

 (2)プラスミドDNAを用いた可視化DNAラダー 作製

(方法)
 プラスミド由来の制限酵素消化物(3000、1500 よび700塩基対)をH 2 Oで1μg/μlになるように溶解したDNA溶液5μlに 下記2,7-ナフタレンジスルホン酸,3,6-(ビス(4-( (2-ヒドロキシエチル)スルホニル)フェニル)ビ ス(アゾ))-5-アミノ-4-ヒドロキシ-,ジ(硫酸水素 塩)エステル,テトラナトリウム塩(2,7-Naphthalene disulfonic acid,3,6-(bis(4-((2-hydroxyethyl)sulfonyl)phenyl )bis(azo))-5-amino-4-hydroxy-,di(hydrogen sulfate)ester,tet rasodium salt)(図13)を0.2M K 2 CO 3 、0.8M KCl(pH12)で40μg/μlとなるように溶解した 染料溶液5μlを加えヒートブロック上で70℃、 3時間反応させた。

 3時間後反応液をG25 spin columnにて精製を った。溶出溶液を凍結乾燥により濃縮乾固 、得られたペレットに2.0μg DNA/μlとなるよ に1xTE バッファーを加え再溶解した。染色 たそれぞれのDNAフラグメントおよびバイオ イナミクス社製 Loading Buffer AG+を以下の表 5のように混合し、3000、1500、700塩基の染色ラ ダーを作製した。これを変性アガロースゲル でバイオダイナミクス社製RNAマーカー(DynaMark er RNA High)と泳動比較した(図4)。

(結果)
 以上の実験により、スルファトエチルスル ォン基を有する反応性色素2,7-ナフタレンジ スルホン酸,3,6-(ビス(4-((2-ヒドロキシエチル) ルホニル)フェニル)ビス(アゾ))-5-アミノ-4- ドロキシ-,ジ(硫酸水素塩)エステル,テトラナ トリウム塩と天然由来DNA中のチミン塩基との 本方法によるスルファトエチルスルフォン基 を介した特異的付加反応によって、天然由来 のDNAにも可視光色素が導入できることがわか る(図4)。

 スルファトエチルスルフォン基とチミン 基との本方法による特異的付加反応が、天 のDNAに可視光色素など、新たな任意の化合 を導入する手法として有用であることが示 れた。

 しかも、可視光色素を導入した天然由来 3000、1000、700塩基の染色DNAラダーは見かけ 子量がアガロースゲル濃度非依存的であり 一本鎖RNAマーカー(バイオダイナミクス社製 DynaMarker RNA High)と泳動比較すると、その見 かけ分子量は常に一本鎖RNAの対応する3000、10 00、700塩基の位置と同じである。前述の化学 成Poly-dT染色DNAラダーにおける実験結果から 見ても、本方法で得られる染色DNAラダーは電 気泳動における分子量の指標として機能する 。

図1は、Poly-dA、dT、dG及びdCの5-アセトア ミド-4-ヒドロキシ-3-[2-ヒドロキシ-4-(スルホ シ)-スルホニル]-フェニルアゾ}-2,7-ナフタレ ジスルホン酸銅複合体染色物の電気泳動像 示したものである。 図2は、pBlurscriptII SK(+)のEcoRV消化物(2961 塩基対)の4-アミノ-N-(3-[ビニルスルフォニル] ェニル)ナフタルイミド-3,6-ジスルホネート イリチウム塩染色を示したものである。 図3は、染色ラダーのRNAマーカーとの泳 動比較を示したものである。 図4は、天然由来染色DNAラダーと一本鎖 RNAマーカーとの泳動比較を示したものである 。