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Title:
NOVEL SULFONATED SUGAR DERIVATIVE, AND USE THEREOF FOR MEDICINAL AGENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/014101
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a sulfoquinovosyl acyl propanediol derivative represented by the general formula (I) or a pharmaceutically acceptable salt thereof. (I) wherein R1 represents an acyl residue of a fatty acid; and M represents a hydrogen ion or a metal ion.

Inventors:
OHTA KEISUKE (JP)
MIURA MASAHIKO (JP)
SAKAGUCHI KENGO (JP)
SUGAWARA FUMIO (JP)
SATO NORIYUKI (JP)
SAHARA HIROEKI (JP)
TAKAHASHI NOBUAKI (JP)
MORI YOKO (JP)
YAMAZAKI TAKAYUKI (JP)
MASAKI KAZUYOSHI (JP)
MURATA HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063056
Publication Date:
January 29, 2009
Filing Date:
July 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYO SUISAN KAISHA (JP)
OHTA KEISUKE (JP)
MIURA MASAHIKO (JP)
SAKAGUCHI KENGO (JP)
SUGAWARA FUMIO (JP)
SATO NORIYUKI (JP)
SAHARA HIROEKI (JP)
TAKAHASHI NOBUAKI (JP)
MORI YOKO (JP)
YAMAZAKI TAKAYUKI (JP)
MASAKI KAZUYOSHI (JP)
MURATA HIROSHI (JP)
International Classes:
C07H15/06; A61K31/7028; A61K41/00; A61P35/00; C07H15/10
Domestic Patent References:
WO2006001374A12006-01-05
WO2000051622A12000-09-08
Foreign References:
JP2000143516A2000-05-23
JP2002338474A2002-11-27
JPH05501105A1993-03-04
JP2004374445A
Other References:
See also references of EP 2130834A4
ERIC J. HALL ET AL.: "Radiobiology for the Radiologist", J. B. LIPPINCOTT COMPANY
"Houshasennkainotameno Hoshasenseibutsugaku", SHINOHARASHINSHA. INC.
Attorney, Agent or Firm:
SUZUYE, Takehiko et al. (1-12-9 Toranomon,Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
一般式(I);
(式中、R 1 は、脂肪酸のアシル残基であり、Mは水素イオンまたは金属イオンを示す)により表されるスルホキノボシルアシルプロパンジオール誘導体またはその薬学的に許容される塩。
請求項1に記載される一般式(I)で表されるスルホキノボシルアシルプロパンジオール誘導体およびその薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する医薬。
放射線増感剤である請求項2に記載の医薬。
抗悪性新生物剤である請求項2に記載の医薬。
Description:
新規なスルホン酸化糖誘導体お びその医薬としての使用

 本発明は、新規なスルホン酸化糖誘導体 よびそれを含有する医薬に関する。

 現在、我が国においては、悪性腫瘍、心 患および脳血管疾患が死因の約6割を占めて いる。このうち、悪性腫瘍は死因のトップに 位置するとともに、増加の傾向にある。悪性 腫瘍に対する治療法には、手術療法、化学療 法および放射線療法が三大治療法として知ら れている。近年、患者の生活の質(QOL)が重視 れており、放射線療法が注目されてきてい 。

 現在、放射線療法において放射線と同時 投与されたとき、その治療効果を強める化 的または薬学的物質、すなわち放射線増感 として臨床的に実用化し得る増感剤として 、ハロゲン化ピリミジンと低酸素細胞増感 の2種類が知られている(例えば、Radiobiology  for the Radiologist (Fourth Edition)、Eric J. Hall他 、J.B. Lippincott Company(「放射線科医のための 射線生物学」、浦野 宗保訳、(株)篠原出版 新社)参照)。ハロゲン化ピリミジンとしては 5-ヨード・デオキシ・ウリジン等が知られ いる。また、低酸素細胞増感剤としては、 ソニダゾール等が知られている。しかしな ら、これらの既知の放射線増感剤には、胃 障害・末梢神経毒性、その他の副作用の問 等、解決すべき問題があり、ほとんど実用 には至っていない。

 一方、新規な放射線増感剤を提供するた にスルホピラノシルアシルグリセロールま はその塩からなる放射線増感剤が出願され いる(特願2004-374445号)。しかしながら、この スルホピラノシルアシルグリセロールは、グ リセロール部位の2位の炭素原子が不斉炭素 あり、そのため、特願2004-374445号に記載の合 成工程のようにアリル基の末端二重結合をジ ヒドロキシル化してグリセロール骨格を構築 する比較的安価で簡便な合成方法では立体構 造制御が出来ず、R/Sジアステレオ異性体がほ ぼ1:1の割合で生成してしまう。この問題点を 解決するために、それぞれのジアステレオ異 性体を別々に合成することは可能ではあるが 、立体構造が確定しているグリセロール誘導 体を合成途中で糖誘導体と結合させなければ ならず、工程が煩雑でコスト的にも莫大なも のとなってしまうという更なる問題点が生じ る。

 また、スルホピラノシルアシルグリセロ ル誘導体はグリセロール部位の2位でのR/Sジ アステレオ異性体だけでなく、分子間および /または分子内でグリセロールの1位のアシル が2位に転移した構造異性体(2-アシル体)も %生成する。また、これら2-アシル体は、合 中および溶液での保存中にも生成するため 例えジアステレオ異性体を別々に作り分け としても、純度の高いスルホピラノシルア ルグリセロール誘導体を供給することは非 に困難である。

 スルホピラノシルアシルグリセロール誘 体は顕著な放射線増感効果を有するにも拘 らず、このような合成面および物性面での 題点から、医薬品として開発を進めていく は非常に困難な状況が予想される。

 本発明は、上記問題点に鑑みてなされた のであり、本発明の目的は、実用可能な新 なスルホン酸化糖誘導体およびその医薬を 供することである。特に、簡便な合成方法 よって高純度で得られるスルホン酸化糖誘 体およびその医薬を提供することである。

 本発明者らの鋭意研究の結果、上記課題を 決する手段が見出された。即ち、
(1) 一般式(I);

(式中、R 1 は、脂肪酸のアシル残基であり、Mは水素原 または金属イオンを示す)により表されるス ホキノボシルアシルプロパンジオール誘導 またはその薬学的に許容される塩;
(2) 前記(1)に記載される一般式(I)で表される ルホキノボシルアシルプロパンジオール誘 体およびその薬学的に許容される塩からな 群より選択される少なくとも一種を有効成 として含有する医薬;
(3) 放射線増感剤である前記(2)に記載の医薬;
である。

 本発明によって、実用可能な新規なスル ン酸化糖誘導体およびその医薬が提供され 。特に、簡便な合成方法によって高純度で られる新規なスルホン酸化糖誘導体および の医薬が提供された。

 本発明の利点は、以下に続く明細書にお て示され、一部分においては、当該明細書 ら明白となるであろうし、または本発明を 施することによっても明らかになるであろ 。本発明の利点は、図面および後述で特に 摘される組み合わせによって理解され、ま 得られ得るであろう。

図1は、αSQAP C18:0を分析した結果を示 クロマトグラムである。 図2は、αSQMG C18:0を分析した結果を示 クロマトグラムである。 図3は、腫瘍体積増加に対する被検物質 の効果について示すグラフである。 図4は、腫瘍体積増加に対する被検物質 の効果について示すグラフである。 図5は、腫瘍体積増加に対する被検物質 の効果について示すグラフである。 図6は、腫瘍体積増加に対する被験物質 の効果について示すグラフである。 図7は、腫瘍体積増加に対する被験物質 の効果について示すグラフである。 図8は、腫瘍体積増加に対する被験物質 の効果について示すグラフである。 図9は、腫瘍体積増加に対する被験物質 の効果について示すグラフである。 図10は、管腔形成に対する被験物質の 果について示すグラフである。

 本発明の一態様に従うと以下の
一般式(I);

(式中、R 1 は、脂肪酸のアシル残基であり、Mは水素イ ンまたは金属イオンを示す)
で示されるスルホキノボシルアシルプロパン ジオール誘導体またはその薬学的に許容され る塩が提供される。

 本発明における「R 1 」が脂肪酸のアシル残基の場合、そこに含ま れる炭素の数は26以下1以上であればよく、好 ましくは22以下であればよい。また、本発明 従う脂肪酸のアシル残基を提供する脂肪酸 、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和 肪酸であってもよい。

 また、本発明に従うスルホキノボシルア ルプロパンジオール誘導体に含まれるキノ ース環は、舟形であってもイス形であって その混合であってもよいが、一般的にイス の方が安定であるので好ましい。また、当 キノボース環へのプロパンジオール部位の 体配置はαアノマーでもβアノマーでもその 混合物であってもよい。

 またここでは、本発明に従うスルホキノボ ルアシルプロパンジオール誘導体を、「SQAP 」または「SQAP誘導体」とも記す。また、「α SQAP Cm:n」と記載した場合、「α」はαアノマ を表し、「Cm:n」はSQAPのR 1 基に含まれる炭素の数が「m」であり、二重 合が「n」であることを示す。ここで、「m」 は1以上の整数であり、「n」は0以上の整数で ある。従って、例えば、「αSQAP C18:0」と記 された場合には、αアノマーで当該脂肪酸の アシル残基中の炭素の数が18で、二重結合の が0のスルホキノボシルアシルプロパンジオ ールであることを示す。

 本発明に従うスルホキノボシルアシルプロ ンジオール誘導体を製造する方法は、これ 限定するものではないが、例えば以下のよ な方法であってもよい。本発明に従うスル キノボシルアシルプロパンジオール誘導体 、その合成過程で新たな不斉炭素を発生し いため、容易に、簡便且つ高い純度で製造 ることが可能であり、更に、R 1 基の近傍に転移を起こしやすい水酸基が存在 しないため構造的に安定した状態で保存する ことも可能である。

 ここで、「Ph」はフェニル基を表す。「Bn」 はベンジル基を表す。「Ts」はトシル基を表 。「SAc」はアセチルチオ基を表す。「M」は 水素イオンまたは金属イオンを示す。

 A) A-1. アリルアルコール、トリフルオロメ タンスルホン酸、80℃、48時間;
    A-2. ベンズアルデヒドジメチルアセタ ル、p-トルエンスルホン酸一水和物、アセ ニトリル、40℃、4時間:
 B) ベンジルブロミド、水酸化ナトリウム、 N,N-ジメチルホルムアミド、室温、24時間:
 C) 水素化リチウムアルミニウム、塩化アル ミニウム、ジクロロメタン、ジエチルエーテ ル、加熱還流、4時間:
 D) p-トルエンスルホニルクロリド、4-ジメ ルアミノピリジン、ピリジン、室温:
 E) 9-ボラビシクロノナン、テトラヒドロフ ン、室温、10時間;水、水酸化ナトリウム、 酸化水素水、室温、12時間:
 F) チオ酢酸カリウム、N,N-ジメチルホルム ミド、90℃、3時間:
 G) 脂肪酸誘導体、ピリジン、ジクロロメタ ン、室温、2時間:
 H) オキソン、酢酸、酢酸カリウム、室温、 48時間:
 I) パラジウム活性炭素、水素ガス、エタノ ール、ジクロロメタン、室温、48時間。

 また、上記の工程A~Fまでの経路により(7)の 合物を製造した後に、以下のような工程を ることにより目的とする化合物(10)を得るこ とも可能である。

 J) オキソン、酢酸、酢酸カリウム、室温、 48時間;
 K) パラジウム活性炭素、水素ガス、メタノ ール、ジクロロメタン、室温、16時間;
 L) 脂肪酸、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプ ピル)カルボジイミド塩酸塩、4-ジメチルア ノピリジン、N,N-ジメチルホルムアミド、0 から室温、18時間。

 或いは、本発明に従うスルホキノボシル シルプロパンジオール誘導体を製造する方 は、これらに限定するものではなく、例え 以下のような方法であってもよい。

 ここで、「Ac」はアセチル基を表す。「MP」 はp-メトキシフェニル基を表す。「PMB」はp- トキシベンジル基を表す。「Ts」はトシル基 を表す。「SAc」はアセチルチオ基を表す。「 M」は水素イオンまたは金属イオンを示す。

 A’) 無水酢酸、酢酸ナトリウム、加熱沸騰 ;
 B’) 臭化水素酸・酢酸溶液、ジクロロメタ ン、室温、6時間;
 C’) アリルアルコール、シアン化水銀、ジ クロロメタン、室温、16時間;
 D’) D'-1. ナトリウムメトキシド、メタノ ル、室温、4時間;
    D'-2. p-アニスアルデヒドジメチルアセ ール、p-トルエンスルホン酸一水和物、ア トニトリル、40℃、16時間;
 E’) p-メトキシベンジルクロリド、水酸化 トリウム、N,N-ジメチルホルムアミド、室温 、16時間;
 F’) 水素化リチウムアルミニウム、塩化ア ルミニウム、ジクロロメタン、ジエチルエー テル、0℃、1時間;
 G’) p-トルエンスルホニルクロリド、4-ジ チルアミノピリジン、ピリジン、室温、16時 間;
 H’) 9-ボラビシクロノナン、テトラヒドロ ラン、室温、16時間;水、水酸化ナトリウム 過酸化水素水、室温、4時間;
 I’) 亜硫酸ナトリウム、エタノール、水、 加熱還流、72時間;
 J’) 脂肪酸誘導体、4-ジメチルアミノピリ ン、ピリジン、ジクロロメタン、加熱還流 16時間;
 K’) 2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキ ン、ジクロロメタン、メタノール、水、室 、4時間。

 或いは、それ自体当業者に公知の何れか 手順を組み合わせて本発明の態様に従うス ホキノボシルアシルプロパンジオール誘導 およびその薬学的に許容される塩を製造し もよい。このような製造方法も本発明の範 に含まれる。

 本発明に従う一般式(I)で表されるスルホ ノボシルアシルプロパンジオール誘導体の 学的に許容される塩には、例えば、ナトリ ムおよびカリウムのような一価の陽イオン 塩、カルシウムおよびマグネシウム二価の イオンの塩などが含まれるが、これらに限 されるものではない。

 本発明に従う当該塩は、上述した合成方 において、または合成方法を改変した方法 より製造することが可能であり、また、当 方法により合成した後に目的とする塩に応 たそれ自身公知のイオン交換処理を行うこ により得ることが可能である。これらの本 明に従う塩の合成方法も本発明の範囲に含 れる。

 本発明に従うスルホキノボシルアシルプ パンジオール誘導体およびその薬学的に許 される塩は、顕著な薬理効果、例えば、放 線増感作用および抗悪性新生物作用などを する。

 従って、本発明の更なる態様に従うと、 該スルホキノボシルアシルプロパンジオー 誘導体およびその薬学的に許容される塩は その薬理作用を利用して医薬として提供さ てもよい。

 本発明の態様に従うと、当該スルホキノ シルアシルプロパンジオール誘導体および の薬学的に許容される塩は、第一の薬理作 として放射線増感作用を有する。従って、 該スルホキノボシルアシルプロパンジオー 誘導体およびその薬学的に許容される塩は 放射線増感剤として提供されてもよい。

 本発明に従う放射線増感剤は、悪性新生 を治療するために使用することが可能であ 。悪性新生物とは、例えば、脳腫瘍等を含 神経原性腫瘍、扁平上皮癌や腺癌等の癌腫 分類される以下の癌(頭頚部癌、皮膚癌、食 道癌、甲状腺癌、胃癌、肺癌、胆のう癌、胆 道癌、膵臓癌、肝臓癌、前立腺癌、子宮癌、 卵巣癌、乳癌、腎癌、膀胱癌、大腸癌等)、 色腫、骨・軟部腫瘍、並びにリンパ腫、白 病、骨髄腫などが含まれるがこれらに限定 れるものではない。ここで使用される「治 」とは、上記のような悪性新生物を縮小す こと、消失することおよび/または増大化を 制することをいう。

 本発明に従う放射線増感剤は、上述した一 式(I)で表されるスルホキノボシルアシルプ パンジオール誘導体およびその薬学的に許 される塩からなる群から選択される1種また はそれ以上の有効量を活性成分として含有し てもよい。また、当該放射線増感剤は、一般 式(I)において、置換基R 1 の異なる複数種類の化合物を含有することも 可能である。さらに、当該放射線増感剤は、 その活性に悪影響を及ぼさない限り、他の放 射線増感剤や、抗腫瘍剤若しくはその他の薬 理学的活性を有する物質および/または薬学 活性を有する物質と組み合わせて使用され もよい。

 以下、本発明に従う一般式(I)で表される ルホキノボシルアシルプロパンジオール誘 体およびその薬学的に許容される塩からな 群の化合物を「本発明の放射線増感物質」 もいう。

 本発明の放射線増感物質は、例えば、経 投与、非経口投与することができる。本発 の放射線増感物質は、これらの投与経路に じて、適切な薬学的に許容される賦形剤ま は希釈剤等の医薬品添加物と組み合わせる とにより薬学的製剤にすることができる。 発明に従う放射線増感剤は、本発明の放射 増感物質を有効量で含めばよく、前記の薬 的製剤として提供されてもよい。

 経口投与に適した剤型としては、固体、 固体、液体または気体等の状態のものが含 れ、具体的には、錠剤、カプセル剤、粉末 、顆粒剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、 リキシル剤およびエアロゾル剤等を挙げる とができるが、これらに限定されるもので ない。

 本発明の放射線増感物質を非経口投与す 場合、例えば、注射、経皮投与、直腸投与 および眼内投与等により投与されてもよい

 注射による投与としては、皮下、皮内、 脈内、筋肉内等に投与することができる。

 本発明の放射線増感物質の投与条件(例え ば、投与量、投与回数、投与間隔など)は、 与形態、投与経路、対象とする疾患、例え 、悪性新生物の状態(例えば、種類、存在位 、進行段階など)、併用する薬剤などの条件 (例えば、併用薬の有無、種類、量、回数、 用を行う時期と本発明の放射線増感物質を 与する順序など)、放射線との併用の仕方(例 えば、併用を行う時期と本発明の放射線増感 物質を投与する順序)など、また治療を受け 対象の状態(例えば、体重、性別、年齢など) に応じて適宜設定、調節することができる。

 一例を挙げると、経口投与する場合は、 射線増感物質として、0.001~100mg/kg体重/日、 射剤として投与する場合は、放射線増感物 として、0.001~50mg/kg体重/日、経皮投与する 合は、放射線増感物質として、0.001~100mg/kg体 重/日、直腸投与する場合は、放射線増感物 として、0.001~50mg/kg体重/日、眼内投与の場合 は、放射線増感物質として、0.001~3%程度の溶 を1日数回に分けて点眼するなどに設定する ことができるが、これらに限定されるもので はない。

 一方、放射線治療では、照射する放射線 種類、量、回数は、従来行われている放射 治療と同様の条件とすることができる。従 行われているヒトへの放射線照射の例とし 、具体的には、医療用放射線、たとえばX線 、γ線、電子線、β線のほかπ-中間子、中性 やその他の重粒子などの粒子線を、1回あた 約0.1~100Gyの照射量で、合計照射量が約10~500G yとなるように、1週間~6ヶ月の期間にわたっ 照射するものが挙げられる。代表的なヒト の照射例としては、X線を、1回2Gyを週5回照 し、約6週間かけて合計60Gyを照射するものを 挙げることができるが、それに限定されるも のではない。例えば、照射量や照射回数を減 らすこともできる。また、照射方法も原体照 射、悪性新生物の病巣をピンポイントで狙い 撃ちする定位照射、さらには強度変調放射線 照射等により行うことができる。加えて、密 封小線源による照射、遠隔γ線照射、粒子線 用いた照射により行うこともできる。なお 内照射により、1回あたりの照射量の増大、 および照射期間の短縮化が可能である。

 放射線照射と本発明の放射線増感剤の投 とは、同時期であっても、いずれかを他方 先行させて行うこともできる。この場合、 発明の放射線増感剤は、放射線照射と併用 れる抗悪性新生物剤としてはたらくことが 待される。従って、本発明の更なる側面に れば、本発明に従う新規スルホキノボシル シルプロパンジオール誘導体またはその薬 的に許容される塩は、放射線照射と併用さ る抗悪性新生物剤として提供されてもよい

 上述の放射線の照射条件と本発明の放射 増感剤の投与条件は、放射線治療の分野で 知のとおり、放射線源の種類、照射方法、 射部位および照射期間;増感剤の種類、投与 ルートおよび投与時期;治療すべき疾患の種 および疾患の重症度;照射される被検体の年 、体重、健康状態、病歴などに依存して、 療従事者その他の専門家により適宜選択す ことができる。

 また、本発明の更なる態様に従うと、当 放射線増感物質の有効量を、それを必要と る対象に対して投与することを具備する放 線照射が有益な疾患の治療方法も提供され 。ここで、「放射線照射が有益な疾患」と 、上述したような悪性新生物などの放射線 射がその治療に有益である疾患をいう。当 放射線増感物質についての詳細並びに投与 法および投与条件などは上述した通りであ てよい。

 また、本発明に従う当該治療方法は、当 放射線増感物質の有効量を、それを必要と る対象に対して放射線照射と同時に、また 放射線照射の前後に投与することを具備し よい。

 本発明の更なる態様に従うと、当該スル キノボシルアシルプロパンジオール誘導体 よびその薬学的に許容される塩は、第二の 理効果として抗悪性新生物作用を有する。 ち、放射線の効果を相乗的に促進するのみ はなく、単独で使用することにより悪性新 物を抑制することも可能である。従って、 該スルホキノボシルアシルプロパンジオー 誘導体およびその薬学的に許容される塩は 抗悪性新生物剤として提供されてもよい。

 当該スルホキノボシルアシルプロパンジ ール誘導体およびその薬学的に許容される が、抗悪性新生物剤として使用される場合 例えば、放射線照射と併用しないこと以外 上述したような放射線増感剤として使用さ る場合と同様に用いられてよい。

 また、この場合の当該スルホキノボシル シルプロパンジオール誘導体の投与条件(例 えば、投与量、投与回数、投与間隔など)は 投与形態、投与経路、対象とする疾患、例 ば、悪性新生物の状態(例えば、種類、存在 置、進行段階など)、併用する薬剤などの条 件(例えば、併用薬の有無、種類、量、回数 併用を行う時期と当該抗悪性生物剤を投与 る順序など)など、また治療を受ける対象の 態(例えば、体重、性別、年齢など)に応じ 適宜設定、調節することができる。


 以下、本発明の実施例を説明するが、本発 はこれに限定されるものではない。

 <合成例>
 [例I]
 本発明に従うスルホキノボシルアシルプロ ンジオール誘導体の製造工程を、α-スルホ ノボシルステアロイルプロパンジオールの トリウム塩の例で説明する。

 A) A-1. アリルアルコール、トリフルオロメ タンスルホン酸、80℃、48時間;
   A-2. ベンズアルデヒドジメチルアセター ル、p-トルエンスルホン酸一水和物、アセト トリル、40℃、4時間、20.2%:
 B) ベンジルブロミド、水酸化ナトリウム、 N,N-ジメチルホルムアミド、室温、24時間、84. 4%:
 C) 水素化リチウムアルミニウム、塩化アル ミニウム、ジクロロメタン、ジエチルエーテ ル、加熱還流、4時間、90.2%:
 D) p-トルエンスルホニルクロリド、4-ジメ ルアミノピリジン、ピリジン、室温、16時間 、87.9%:
 E) 9-ボラビシクロノナン、テトラヒドロフ ン、室温、10時間;水、水酸化ナトリウム、 酸化水素水、室温、12時間、94.4%:
 F) チオ酢酸カリウム、N,N-ジメチルホルム ミド、90℃、3時間、90.8% :
 G) ステアロイルクロリド、ピリジン、ジク ロロメタン、室温、2時間、97.4%:
 H) オキソン、酢酸、酢酸カリウム、室温、 48時間、88.6%:
 I) パラジウム活性炭素、水素ガス、エタノ ール、ジクロロメタン、室温、48時間、79.4%

 本発明の一態様であるα-スルホキノボシ ステアロイルプロパンジオールのナトリウ 塩を最終産物として得るための手順を、上 のスキーム中のA~Iまでの経路に従って行っ 。

 例I-1
 経路A;1-O-アリル-4,6-O-ベンジリデン-α-D-グル コピラノシド (2)
 出発物質である化合物(1) (100g, 555mmol)のア ルアルコール(500ml)懸濁液に、トリフルオロ メタンスルホン酸(1.00ml)を0℃で加え、反応液 を80℃にて48時間激しく撹拌した。反応が充 進行したことを確認した後、トリエチルア ン(3ml)を添加して反応を停止し減圧濃縮した 。次いで、残渣を無水アセトニトリル(500ml) 懸濁し、ベンズアルデヒドジメチルアセタ ル(127g, 1.5当量)およびp-トルエンスルホン酸 一水和物(5.28g, 0.05当量)を加えた。反応液を4 0℃で4時間攪拌後、トリエチルアミン(10ml)を 加して反応を停止し減圧濃縮した。残渣を キサン(2000ml)および水(500ml)中に注ぎ、混合 を激しく撹拌した。生じた沈殿物を濾別し 水およびヘキサンでリンスした。沈殿物を エタノールから2回結晶化させることにより 、無色針状結晶として標題化合物(2)を得た{34 .5g (112mmol), 20.2%}。

 [α] 23 D  +97.5° (c1.00 CH 3 OH), LRMS 331m/z (M+Na) + , mp 139-141℃
  1 H NMR (400MHz, CD 3 OD); δ 7.51-7.47 (m, 2H, ArH), 7.37-7.32 (m, 3H, A rH), 5.99 (dddd, 1H, J=17.2, 10.5, 6.08, 5.32Hz, H2) , 5.56 (s, 1H, PhCH), 5.36 (dq, 1H, J=17.3, 1.68Hz,  H3a), 5.20 (ddt, 1H, J=10.4, 1.80, 1.28Hz, H3b), 4 .88 (d, 1H, J=3.86Hz, H1'), 4.25-4.18 (m, 2H, H1a & amp; H6'a), 4.07 (ddt, 1H, J=13.0, 6.10, 1.36Hz, H1b ), 3.85 (t, 1H, J=9.38Hz, H3'), 3.81-3.71 (m, 2H, H 5' & H6'b), 3.52 (dd, 1H, J=9.38, 3.86Hz, H2'), 3.45 (t, 1H, J=9.24Hz, H4')。

  13 C NMR (100MHz, CD 3 OD); δ 139.1 (Ar-ipso), 135.4 (C2), 129.9 (Ar), 129 .0 (Ar), 127.5 (Ar), 117.8 (C3), 103.0 (PhCH), 100.0  (C1’), 82.9 (C4’), 74.0 (C2’), 72.0 (C3’),  69.9 (C6’), 69.7 (C1), 64.1 (C5)。

 例I-2
 経路B;1-O-アリル-2,3-ジ-O-ベンジル-4,6-O-ベン リデン-α-D-グルコピラノシド (3)
 化合物(2)(30.0g, 97.3mmol)の無水N,N-ジメチルホ ルムアミド(DMF, 300ml)溶液に、ベンジルブロ ド(41.6g, 2.5当量)および水酸化ナトリウム(11. 7g, 3.0当量)を加え、反応液を室温にて24時間 しく撹拌した。反応が充分進行しているこ を確認した後、反応液を冷水(900ml)に注ぎ、 酢酸エチル(3×300ml)で抽出した。有機層を合 せ飽和食塩水(2 x 100ml)で洗浄、硫酸ナトリ ムで乾燥、濾過後、減圧濃縮した。得られ 残渣を熱エタノールから2回結晶化させるこ とにより、無色針状結晶として標題化合物(3) を得た(33.5g)。濾液を濃縮し、シリカゲルク マトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル, 15:1 10:1→8:1)で精製後、熱エタノールから結晶化 させることにより同化合物(3)を得た(6.63g)。{ 40.1g (82.1mmol), 84.4%}。

 [α] 26 D  -1.46°(c1.03 CHCl 3 ), LRMS 511m/z (M+Na) + , mp 86-87℃。

  1 H NMR (400MHz, CDCl 3 ); δ 7.50-7.47 (m, 2H, ArH), 7.40-7.24 (m, 13H, Ar H), 5.94 (dddd, 1H, J=17.0, 10.4, 6.70, 5.24Hz, H2),  5.56 (s, 1H, PhCH), 5.33 (dq, 1H, J=17.2, 1.56Hz, H3a), 5.24 (ddt, 1H, J=10.3, 1.56, 1.12Hz, H3b), 4. 92 (d, 1H, J=11.2Hz, ArCH 2 ), 4.84 (d, 1H, J=11.2Hz, ArCH 2 ), 4.83 (d, 1H, J=12.1Hz, ArCH 2 ), 4.80 (d, 1H, J=3.76Hz, H1'), 4.68 (d, 1H, J=12.1 Hz, ArCH 2 ), 4.26 (dd, 1H, J=10.2, 4.84Hz, H6'a), 4.18 (ddt,  1H, J=12.9, 5.18, 1.40Hz, H1a), 4.79 (t, 1H, J=9.30H z, H3'), 4.03 (ddt, 1H, J=12.9, 6.68, 1.20Hz, H1b), 3.89 (dt, 1H, J=9.96, 4.80Hz, H5'), 3.70 (t, 1H, J =10.3Hz, H6'b), 3.61 (t, 1H, J=9.44Hz, H4'), 3.57 (d d, 1H, J=8.72, 3.80Hz, H2')。

  13 C NMR (100MHz, CDCl 3 ); δ 138.7 (Ar-ipso), 138.1 (Ar-ipso), 137.3 (Ar-ips o), 133.5 (C2), 128.9-127.5 (m, Ar), 126.0 (Ar), 118 .4 (C3), 101.2 (PhCH), 96.7 (C1’), 82.1 (C3’), 7 9.1 (C2’), 78.6 (C4’), 75.3 (ArCH 2 ), 73.6 (ArCH 2 ), 69.0 (C6’), 68.4 (C1), 62.5 (C5’)。

 例I-3
 経路C;1-O-アリル-2,3,4-トリ-O-ベンジル-α-D-グ ルコピラノシド (4)
 水素化リチウムアルミニウム(2.02g, 1.3当量) が懸濁している無水ジクロロメタン(100ml)-無 ジエチルエーテル(100ml)混合溶液に化合物4  (20.0g, 40.9mmol)を加えた。次いで反応液に塩化 アルミニウム(7.09g, 1.3当量)の無水ジエチル ーテル溶液200mlを加えて、加熱還流下、4時 攪拌した。反応が充分進行していることを 認した後、水(10ml)をゆっくりと滴下し、一 後沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルで沈 をリンスした。濾液を水(2 x 100ml)で洗浄し 水層を合わせてジエチルエーテル(2 x 100ml) で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(2 x 200ml)で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、濾 後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカ ルクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル , 5:1→4:1→3:1→2:1)で精製し、無色油状物と て標題化合物4を得た{18.1g (36.9mmol), 90.2%}。

 [α] 22 D  +45.0° (c1.21 CHCl 3 ), LRMS 513m/z (M+Na) +

  1 H NMR (400MHz, CDCl 3 ); δ 7.37-7.26 (m, 15H, ArH), 5.92 (dddd, 1H, J=17 .1, 10.4, 6.66, 5.24Hz, H2), 5.31 (dq, 1H, J=17.2,  1.52Hz, H3a), 5.22 (ddt, 1H, J=10.3, 1.46, 1.10Hz, H 3b), 5.00 (d, 1H, J=10.9Hz, ArCH 2 ), 4.89 (d, 1H, J=11.0Hz, ArCH 2 ), 4.84 (d, 1H, J=10.9Hz, ArCH 2 ), 4.77 (d, 1H, J=12.0Hz, ArCH 2 ), 4.77 (d, 1H, J=3.60Hz, H1'), 4.65 (d, 1H, J=12.1 Hz, ArCH 2 ), 4.64 (d, 1H, J=11.0Hz, ArCH 2 ), 4.14 (ddt, 1H, J=12.9, 5.22, 1.34Hz, H1a), 4.04  (t, 1H, J=9.36Hz, H3'), 3.99 (ddt, 1H, J=12.9, 6.64,  1.08Hz, H1b), 3.79-3.66 (m, 3H, H5' & H6'a &am p; H6'b), 3.54 (t, 1H, J=9.28Hz, H4'), 3.51 (dd, 1H , J=9.60, 3.64Hz, H2'), 1.69 (t, 1H, J=12.0Hz, 6'-OH )。

  13 C NMR (100MHz, CDCl 3 ); δ 138.7 (Ar-ipso), 138.1 (Ar-ipso), 138.1 (Ar-ips o), 133.6 (C2), 128.4-127.6 (m, Ar), 118.3 (C3), 95. 6 (C1’), 81.9 (C3’), 79.9 (C2’), 77.3 (C4’), 75.7 (ArCH 2 ), 75.0 (ArCH 2 ), 73.2 (ArCH 2 ), 70.8 (C5’), 68.2 (C1), 61.7 (C6’)。

 例I-4
 経路D;1-O-アリル-2,3,4-トリ-O-ベンジル-6-O-ト ル-α -D-グルコピラノシド (5)
 化合物(4)(25.1g, 51.2mmol)の無水ピリジン(250ml) 溶液に、p-トルエンスルホニルクロリド(14.6g,  1.5当量)および4-ジメチルアミノピリジン(626 mg, 0.1当量)を加え、反応液を室温にて16時間 拌した。反応が充分進行していることを確 した後、水(10ml)を加えて反応を止め、反応 を減圧濃縮した。少量の酢酸エチルで懸濁 せた残渣を0.5M塩酸(200ml)に注ぎ、酢酸エチ (3×200ml)で抽出した。有機層を合わせ飽和炭 水素ナトリウム水(2 x 100ml)および飽和食塩 水(2 x 100ml)で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥 濾過後、減圧濃縮した。得られた残渣を熱 タノールから2回結晶化させることにより、 色針状結晶として標題化合物(5)を得た(25.0g) 。濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフ ィー(ヘキサン-酢酸エチル, 5:1→4:1→3:1)で精 製し、同化合物(5)を得た(4.00g)。{計29.0g (45.0m mol), 87.9%}。

 [α] 25 D  +32.1°(c1.02 CHCl 3 ), LRMS 667m/z (M+Na) + , mp 86-87℃。

  1 H NMR (400MHz, CDCl 3 ); δ 7.76 (ddd, 2H, J=8.32, 1.96, 1.76Hz, ArH), 7. 35-7.26 (m, 15H, ArH), 7.17-7.12 (m, 2H, ArH), 5.88 (dddd, 1H, J=17.2, 10.3, 6.62, 5.24Hz, H2), 5.28 (d q, 1H, J=17.2, 1.56Hz, H3a), 5.20 (ddt, 1H, J=10.3, 1.60, 1.12Hz, H3b), 4.99 (d, 1H, J=10.9Hz, ArCH 2 ), 4.82 (d, 1H, J=10.6Hz, ArCH 2 ), 4.78 (d, 1H, J=10.8Hz, ArCH 2 ), 4.74 (d, 1H, J=12.1Hz, ArCH 2 ), 4.72 (d, 1H, J=3.58Hz, H1'), 4.62 (d, 1H, J=12.1 Hz, ArCH 2 ), 4.42 (d, 1H, J=10.6Hz, ArCH 2 ), 4.22 (dd, 1H, J=10.5, 4.20Hz, H6'a), 4.16 (dd, 1 H, J=10.5, 2.12Hz, H6'b), 4.07 (ddt, 1H, J=12.9, 5.2 4, 1.40Hz, H1a), 3.98 (t, 1H, J=9.24Hz, H3'), 3.93  (ddt, 1H, J=12.9, 6.64, 1.16Hz, H1b), 3.81 (ddd, 1H,  J=10.1, 4.12, 2.04Hz, H5'), 3.48 (dd, 1H, J=9.62,  3.58Hz, H2’), 3.45 (dd, 1H, J=10.0, 8.90Hz, H4’),  2.39 (s, 3H, Ts-Me)。

  13 C NMR (100MHz, CDCl 3 ); δ 144.8 (Ar-ipso), 138.5 (Ar-ipso), 137.9 (Ar-ips o), 137.7 (Ar-ipso), 133.4 (C2), 132.8 (Ar-ipso), 129 .8 (Ar), 128.4-127.6 (m, Ar), 118.4 (C3), 95.4 (C1 ), 81.8 (C3’), 79.6 (C2’), 76.9 (C4’), 75.7 ( ArCH 2 ), 75.0 (ArCH 2 ), 73.2 (ArCH 2 ), 68.6 (C5’), 68.5 (C6’), 68.3 (C1), 21.6 (Ts-M e)。

 例I-5
 経路E;1-O-(2,3,4-トリ-O-ベンジル-6-O-トシル-α- D-グルコピラノシル)-プロパン-1,3-ジオール ( 6)
 化合物(5) (29.0g, 45.0mmol)の無水テトラヒド フラン(THF, 150ml)溶液に、アルゴン雰囲気下 0℃で、0.5M 9-ボラビシクロ[3,3,1]ノナン(9-BBN )のテトラヒドロフラン溶液(180ml, 90.0mmol)を えた。1時間後、反応液を室温に戻し、引き き10時間撹拌した。反応液を再び0℃に冷却 、まず水(20ml)を加え、次に3M水酸化ナトリ ム溶液(70ml)および35%過酸化水素水(70ml)を順 加え、1時間後室温に戻し、12時間攪拌した 反応が充分進行していることを確認した後 この溶液を酢酸エチル(3 x 100ml)で抽出し、 機層を合わせて飽和食塩水(2 x 100ml)で洗浄 、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、減圧濃縮 した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグ ラフィー(ヘキサン-酢酸エチル, 3:2→1:1→2:3) で精製し、無色油状物として標題化合物(6)を 得た{28.2g (42.5mmol), 94.4%}。

 [α] 24 D  +26.6° (c1.02 CHCl 3 ), LRMS 685m/z (M+Na) +

  1 H NMR (400MHz, CDCl 3 ); δ 7.76-7.74 (m, 2H, ArH), 7.35-7.26 (m, 15H, Ar H), 7.16-7.12 (m, 2H, ArH), 4.94 (d, 1H, J=10.9Hz,  ArCH 2 ), 4.82 (d, 1H, J=10.7Hz, ArCH 2 ), 4.77 (d, 1H, J=10.9Hz, ArCH 2 ), 4.75 (d, 1H, J=12.0Hz, ArCH 2 ), 4.61 (d, 1H, J=12.0Hz, ArCH 2 ), 4.61 (d, 1H, J=3.64Hz, H1'), 4.43 (d, 1H, J=10.7 Hz, ArCH 2 ), 4.20-4.13 (m, 2H, H6'a & H6'b), 3.92 (t, 1H,  J=9.24Hz, H3'), 3.84-3.74 (m, 4H, H1a & H3a &a mp; H3b & H5'), 3.48-3.40 (m, 3H, H1b & H2'  & H4'), 2.52 (t, 1H, J=4.74Hz, 3-OH), 2.39 (s,  3H, Ts-Me), 1.88-1.75 (m, 2H, H2a & H2b)。

  13 C NMR (100MHz, CDCl 3 ); δ 144.8 (Ar-ipso), 138.4 (Ar-ipso), 137.9 (Ar-ips o), 137.6 (Ar-ipso), 132.7 (Ar-ipso), 129.8 (Ar), 128 .5-127.6 (m, Ar), 97.1 (C1’), 81.8 (C3’), 79.5 ( C2’), 76.8 (C4’), 75.6 (ArCH 2 ), 75.0 (ArCH 2 ), 73.4 (ArCH 2 ), 68.7 (C5’), 68.6 (C6’), 67.5 (C1), 61.5 (C3),  31.5 (C2), 21.6 (Ts-Me)。

 例I-6
 経路F;1-O-(2,3,4-トリ-O-ベンジル-6-チオアセチ ル-α-D-キノボピラノシル)-プロパン-1,3-ジオ ル (7)
 化合物(6)(28.2g, 42.5mmol)の無水DMF (300ml)溶液 、チオ酢酸カリウム(7.28g, 1.5当量)を加え、 90℃で3時間攪拌した。反応が充分進行してい ることを確認した後、反応液を冷水(900ml)に ぎ、酢酸エチル(3 x 300ml)で抽出した。有機 を合わせて飽和食塩水(2 x 200ml)で洗浄し、 硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後、減圧濃縮 した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグ ラフィー(ヘキサン-酢酸エチル, 2:1→3:2→1:1 2:3)で精製し、淡褐色油状物質として標題化 合物(7)を得た{21.9g (38.6mmol ), 90.8%}。

 [α] 23 D  +33.0°(c1.02 CHCl 3 ), LRMS 584m/z (M+Na) +  。

  1 H NMR (400MHz, CDCl 3 ); δ 7.37-7.24 (m, 15H, ArH), 4.95 (d, 1H, J=10.8H z, ArCH 2 ), 4.89 (d, 1H, J=10.6Hz, ArCH 2 ), 4.80 (d, 1H, J=10.8Hz, ArCH 2 ), 4.77 (d, 1H, J=12.1Hz, ArCH 2 ), 4.63 (d, 1H, J=12.0Hz, ArCH 2 ), 4.63 (d, 1H, J=3.52Hz, H1'), 4.61 (d, 1H, J=10.7 Hz, ArCH 2 ), 3.94 (t, 1H, J=9.22Hz, H3'), 3.88 (ddd, 1H, J=9. 86, 6.10, 4.88Hz, H1a), 3.83-3.73 (m, 3H, H3a & H3b & H5'), 3.50 (dd, 1H, J=9.60, 3.64Hz, H2'),  3.45 (ddd, 1H, J=9.92, 5.24, 2.28Hz, H1b), 3.41 (d d, 1H, J=13.6, 3.00Hz, H6'a), 3.30 (dd, 1H, J=9.54, 9.06Hz, H4'), 3.02 (dd, 1H, J=13.7, 7.64Hz, H6’b),  2.67 (br, 1H, 3-OH), 2.32 (s, 3H, SAc-Me), 1.92-1. 78 (m, 2H, H2a & H2b)。

  13 C NMR (100MHz, CDCl 3 ); δ 195.0 (SAC-C=O), 138.5 (Ar-ipso), 137.9 (Ar-ips o), 137.8 (Ar-ipso), 128.5-127.6 (m, Ar), 96.9 (C1’ ), 81.8 (C3’), 80.4 (C4’), 79.8 (C2’), 75.7 (A rCH 2 ), 75.2 (ArCH 2 ), 73.4 (ArCH 2 ), 69.5 (C5’), 67.2 (C1), 61.5 (C3), 31.5 (C2), 3 0.8 (C6’), 30.5 (SAc-Me)。

 例I-7
 経路G;3-O-(2,3,4-トリ-O-ベンジル-6-チオアセチ ル-α-D-キノボピラノシル)-1-O-ステアロイル- ロパン-1,3-ジオール (8)
 化合物(7)(21.9g, 38.6mmol)の無水ジクロロメタ (200ml)溶液に、ステアロイルクロリド(15.2g,  1.3当量)および無水ピリジン(5ml)を加え、室温 で2時間攪拌した。反応が充分進行している とを確認した後、メタノール(5ml)を添加して 反応を停止し、減圧濃縮した。少量の酢酸エ チルで懸濁させた残渣を水(200ml)に注ぎ、酢 エチル(3×100ml)で抽出した。有機層を合わせ 和食塩水(2 x 100ml)で洗浄し、硫酸ナトリウ ムで乾燥し、濾過後、減圧濃縮した。得られ た残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘ サン-酢酸エチル, 10:1→8:1→6:1)で精製し、 色油状物質として標題化合物(8)を得た{31.3g  (37.6mmol ), 97.4%}。

 [α] 23 D  +29.5°(c1.01 CHCl 3 ), LRMS 855m/z (M+Na) +

  1 H NMR (400MHz, CDCl 3 ); δ 7.35-7.25 (m, 15H, ArH), 4.98 (d, 1H, J=10.8H z, ArCH 2 ), 4.89 (d, 1H, J=10.6Hz, ArCH 2 ), 4.80 (d, 1H, J=10.8Hz, ArCH 2 ), 4.76 (d, 1H, J=12.0Hz, ArCH 2 ), 4.66 (d, 1H, J=3.60Hz, H1'), 4.63 (d, 1H, J=12.1 Hz, ArCH 2 ), 4.62 (d, 1H, J=10.7Hz, ArCH 2 ), 4.23-4.14 (m, 2H, H1a & H1b), 3.96 (t, 1H,  J=9.20Hz, H3'), 3.78 (ddd, 1H, J=9.68, 7.56, 2.92Hz, H5'), 3.72 (dt, 1H, J=10.0, 6.40Hz, H3a), 3.50 (dd,  1H, J=9.64, 3.60Hz, H2'), 3.43 (dt, 1H, J=9.72, 6. 36Hz, H3b), 3.41 (dd, 1H, J=13.6, 2.96Hz, H6'a), 3.3 1 (t, 1H, J=9.24Hz, H4'), 3.05 (dd, 1H, J=13.6, 7.5 6Hz, H6'b), 2.33 (s, 3H, SAc-Me), 2.29 (t, 2H, J=7. 68Hz, COCH 2 ), 1.95 (f, 2H, J=6.40Hz, H2a & H2b), 1.61 (f, 2H, J=7.24Hz, COCH 2 CH 2 ), 1.25 (br, 28H, -CH 2 -), 0.88 (t, 3H, J=6.84Hz, Me)。

  13 C NMR (100MHz, CDCl 3 ); δ 194.8 (SAc-C=O), 173.8 (C=O), 138.6 (Ar-ipso), 138.1 (Ar-ipso), 137.8 (Ar-ipso), 128.4-127.6 (m, Ar) , 96.8 (C1’), 81.7 (C3’), 80.4 (C4’), 80.1 (C2 ’), 75.7 (ArCH 2 ), 75.2 (ArCH 2 ), 73.2 (ArCH 2 ), 69.4 (C5’), 64.6 (C3), 61.2 (C1), 34.3 (COCH 2 ), 31.9 (-CH 2 -), 30.9 (C6’), 30.5 (SAc-Me), 29.7-29.2 (m, -CH 2 -), 28.7 (C2), 25.0 (COCH 2 CH 2 ), 22.7 (-CH 2 -), 14.1 (Me)。

 例I-8
 経路H;3-O-(2,3,4-トリ-O-ベンジル-6-スルホ-α-D- キノボピラノシル)-1-O-ステアロイル-プロパ -1,3-ジオール ナトリウム塩 (9)
 化合物(8)(31.3g, 37.6mmol)の酢酸(450ml)溶液に、 オキソン(46.2g)および酢酸カリウム(11.3g)を加 、室温で48時間激しく攪拌した。反応が充 進行していることを確認した後、反応液を 7.5M水酸化ナトリウム(1000ml)溶液に注ぎ、酢 エチル(4×200ml)で抽出した。有機層を合わせ 和炭酸水素ナトリウム水(2 x 200ml)および飽 和食塩水(2 x 200ml)で洗浄、硫酸ナトリウム 乾燥し、濾過後、減圧濃縮した。得られた 渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロ メタン-メタノール, 15:1→10:1→8:1)で精製し 、無色ワックス状物質として標題化合物(9)を 得た{28.7g (33.3mmol ), 88.6%}。

 [α] 23 D  +29.0°(c1.16 CHCl 3 ), LRMS 837m/z (M-Na) -

  1 H NMR (400MHz, DMSO-d 6 ); δ 7.36-7.22 (m, 15H, ArH), 4.85 (d, 1H, J=11.2H z, ArCH 2 ), 4.81 (d, 1H, J=3.72Hz, H1'), 4.79 (d, 1H, J=11.4 Hz, ArCH 2 ), 4.69 (d, 1H, J=11.2Hz, ArCH 2 ), 4.65 (d, 1H, J=12.0Hz, ArCH 2 ), 4.61 (d, 1H, J=12.0Hz, ArCH 2 ), 4.58 (d, 1H, J=11.4Hz, ArCH 2 ), 4.19-4.10 (m, 2H, H1a & H1b), 4.05-3.96 (m,  2H, H3a & H5'), 3.79 (t, 1H, J=9.14Hz, H3'), 3. 47 (dd, 1H, J=9.56, 3.60Hz, H2'), 3.38 (dt, 1H, J=1 0.1, 6.20Hz, H3b), 3.20 (dd, 1H, J=9.80, 9.00Hz, H4' ), 2.94 (dd, 1H, J=13.9, 1.16Hz, H6'a), 2.63 (dd, 1 H, J=14.0, 9.06Hz, H6'b), 2.29 (t, 2H, J=7.38Hz, COC H 2 ), 1.86 (f, 2H, J=6.36Hz, H2a & H2b), 1.52 (f, 2H, J=7.12Hz, COCH 2 CH 2 ), 1.23 (br, 28H, -CH 2 -), 0.85 (t, 3H, J=6.84Hz, Me)。

  13 C NMR (100MHz, DMSO-d 6 ); δ 172.9 (C=O), 138.9 (Ar-ipso), 138.6 (Ar-ipso), 138.6 (Ar-ipso), 128.2-127.3 (m, Ar), 95.0 (C1’),  81.4 (C3’), 80.5 (C4’), 80.0 (C2’), 74.4 (ArCH 2 ), 73.7 (ArCH 2 ), 71.4 (ArCH 2 ), 67.3 (C5’), 63.4 (C3), 61.5 (C1), 52.8 (C6’),  33.6 (COCH 2 ), 31.3 (-CH 2 -), 29.0-28.4 (m, C2 & -CH 2 -), 24.5 (COCH 2 CH 2 ), 22.1 (-CH 2 -), 13.9 (Me)。

 例I-9
 経路I;3-O-(6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1- O-ステアロイル-プロパン-1,3-ジオール ナト ウム塩 (10)
 化合物(9)(28.7g, 33.3mmol)のエタノール(400ml)お よびジクロロメタン(150ml)溶液に、10%パラジ ム活性炭素(7.00g)を加え、水素ガス雰囲気下 室温で48時間攪拌した。反応が充分進行し いることを確認した後、パラジウム活性炭 を濾別し、濾液を減圧濃縮した。得られた 渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロ メタン-メタノール, 10:1→5:1→3:1→2:1→1:1) 精製後、98%熱エタノールから沈殿させるこ により、無色粉末物質として標題化合物(10) を得た{15.6g (26.4mmol ), 79.4%}。

 [α] 22 D  +49.6° (c1.00 H 2 O), LRMS 567m/z (M-Na) - , HRMS calcd for C 27 H 51 O 10 S (M-Na) 567.3208, found 567.3210。

  1 H NMR (400MHz, DMSO-d 6 ); δ 5.40 (d, 1H, J=3.48Hz, 4’-OH), 4.58 (d, 1H,  J=4.64Hz, 3’-OH), 4.56 (d, 1H, J=3.72Hz, H1'), 4. 45 (d, 1H, J=6.52Hz, 2'-OH), 4.15-4.06 (m, 2H, H1a  & H1b), 3.84-3.78 (m, 2H, H3a & H5'), 3.42-3 .34 (m, 2H, H3b & H3'), 3.19 (ddd, 1H, J=9.62, 6.50, 3.76Hz, H2'), 2.98-2.91 (m, 2H, H4' & H6' a), 2.63 (dd, 1H, J=14.0, 6.00Hz, H6'b), 2.28 (t, 2 H, J=7.40Hz, COCH 2 ), 1.86-1.80 (m, 2H, H2a & H2b), 1.55-1.48 (m,  2H, COCH 2 CH 2 ), 1.24 (br, 28H, -CH 2 -), 0.86 (t, 3H, J=6.84Hz, Me)。

  13 C NMR (100MHz, DMSO-d 6 ); δ 172.8 (C=O), 98.2 (C1’), 74.7 (C4’), 73.1 (C3’), 71.8 (C2’), 68.2 (C5’), 63.4 (C3), 61.2  (C1), 55.1 (C6’), 33.4 (COCH 2 ), 31.2 (-CH 2 -), 28.9-28.4 (m, C2 & -CH 2 -), 24.4 (COCH 2 CH 2 ), 22.0 (-CH 2 -), 13.8 (Me)。

 3-O-(6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-ス テアロイル-プロパン-1,3-ジオール ナトリウ 塩2.15gを60mlの水に溶解し、ワコーゲル100C18( 和光純薬製)カラムに吸着させ、1%塩化カルシ ウム溶液500mlをカラムに流して置換した後、 留水500mlで洗浄し、その後、50%、80%、100%の タノール各200mlで順次溶出させた後、再度98 %熱エタノールから沈殿させることにより3-O-( 6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-ステアロ ル-プロパン-1,3-ジオール カルシウム塩1.47g を得た。

 また、実施例には示さないが、同様のカ ム処理において、塩化マグネシウム溶液、 化カリウム溶液でそれぞれ置換することに り、マグネシウム塩、カリウム塩を得るこ もできる。

 [例II]
 α-スルホキノボシルアシルプロパンジオー 誘導体の更なる例として、αアノマーで当 脂肪酸のアシル残基中の炭素の数が22、14、1 0、6、2および1の化合物について以下に説明 る。

 例II-1
 3-O-(6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-デカ ノイル-1,3-ジオール ナトリウム塩
 経路Gにおいて使用される脂肪酸誘導体とし て、デカノイルクロリドを使用した以外は[ I]と同様の手順により、表題化合物を合成し た。

 [α] 22 D  +57.9° (c 0.76, H 2 O), LRMS 455m/z (M-Na) - , HRMS calcd for C 19 H 35 O 10 S (M-Na) -  455.1956, found 455.1954。

  1 H NMR (400MHz, DMSO-d 6 ) ; δ 5.40 (d, 1H, J=3.1Hz, 4’-OH), 4.65 (d, 1H , J=4.7Hz, 3’-OH), 4.56 (d, 1H, J=3.7Hz, H1’), 4 .52 (d, 1H, J=6.48Hz, 2’-OH), 4.14-4.08 (m, 2H, H1 a & H1b), 3.84-3.78 (m, 2H, H3a & H5’), 3 .41-3.33 (m, 2H, H3b & H3’), 3.21-3.16 (m, 1H,  H2’), 2.97-2.92 (m, 2H, H4’ & H6’a), 2.61  (dd, 1H, J=14.0, 6.2Hz, H6’b), 2.29 (t, 2H, J=7. 4Hz, COCH 2 ), 1.84-1.81 (m, 2H, H2a & H2b), 1.53-1.50 (m,  2H, COCH 2 CH 2 ), 1.25 (br, 12H, -CH 2 -), 0.86 (t, 3H, J=6.8Hz, Me)。

  13 C NMR (100MHz, DMSO-d 6 ); δ 173.1 (C=O), 98.4 (C1’), 74.8 (C4’), 73.2 (C3’), 71.9 (C2’), 68.4 (C5’), 63.5 (C3), 61.4  (C1), 55.2 (C6’), 33.6 (COCH 2 ), 31.4 (-CH 2 -), 29.0-28.6 (m, C2 & -CH 2 -), 24.6 (COCH 2 CH 2 ), 22.2 (-CH 2 -), 14.1 (Me) 
 例II-2
 3-O-(6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-ミリ ストイル-1,3-ジオール ナトリウム塩
 経路Gにおいて使用される脂肪酸誘導体とし て、ミリストイルクロリドを使用した以外は [例I]と同様の手順により、表題化合物を合成 した。

 [α] 23 D  +49.7° (c 0.67, H 2 O), LRMS 511m/z (M-Na) - , HRMS calcd for C 23 H 43 O 10 S (M-Na) -  511.2582, found 511.2596。

  1 H NMR (400MHz, DMSO-d 6 ) ; δ 5.41(br, 1H , 4’-OH), 4.63-4.61(m, 1H, 3 -OH), 4.55 (d, 1H, J=3.7Hz, H1’), 4.50-4.48 (m, 1 H, 2’-OH), 4.13-4.07 (m, 2H, H1a & H1b), 3.83- 3.77 (m, 2H, H3a & H5’), 3.41-3.33 (m, 2H, H3 b & H3’), 3.20-3.15 (m, 1H, H2’), 2.98-2.91  (m, 2H, H4’ & H6’a), 2.64-2.59 (m, 1H, H6’ b), 2.28 (t, 2H, J=7.4Hz, COCH 2 ), 1.86-1.79 (m, 2H, H2a & H2b), 1.53-1.49 (m,  2H, COCH 2 CH 2 ), 1.24 (br, 20H, -CH 2 -), 0.85 (t, 3H, J=6.8Hz, Me)。

  13 C NMR (100MHz, DMSO-d 6 ); δ 173.0 (C=O), 98.4 (C1’), 74.8 (C4’), 73.2 (C3’), 71.9 (C2’), 68.4 (C5’), 63.5 (C3), 61.4  (C1), 55.3 (C6’), 33.6 (COCH 2 ), 31.4 (-CH 2 -), 29.1-28.6 (m, C2 & -CH 2 -), 24.6 (COCH 2 CH 2 ), 22.2 (-CH 2 -), 14.0 (Me)。

 例II-3
 3-O-(6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-ベヘ ノイル-1,3-ジオール ナトリウム塩
 経路Gにおいて使用される脂肪酸誘導体とし て、ベヘノイルクロリドを使用した以外は[ I]と同様の手順により、表題化合物を合成し た。

 [α] 23 D  +46.3° (c 0.51, CHCl 3 :MeOH:H 2 O=30:15:2), LRMS 623m/z (M-Na) - , HRMS calcd for C 21 H 59 O 10 S (M-Na) -  623.3834, found 623.3835。

  1 H NMR (400MHz, DMSO-d 6 ) ; δ 5.38-5.37 (m, 1H, 4’-OH), 4.78-4.77 (m, 1H , 3’-OH), 4.63 (d, 1H, J=6.52Hz, 2’-OH), 4.56 (d , 1H, J=3.72Hz, H1’), 4.14-4.07 (m, 2H, H1a & H1b), 3.86-3.78 (m, 2H, H3a & H5’), 3.43-3.32 (m, 2H, H3b & H3’), 3.22-3.17 (m, 1H, H2’),  2.98-2.90 (m, 2H, H4’ & H6’a), 2.60 (dd, 1 H, J=14.0, 6.7Hz, H6’b), 2.28 (t, 2H, J=7.22Hz, CO CH 2 ), 1.86-1.79 (m, 2H, H2a & H2b), 1.52-1.49 (m,  2H, COCH 2 CH 2 ), 1.23 (br, 36H, -CH 2 -), 0.85 (t, 3H, J=6.1Hz, Me)。

  13 C NMR (100MHz, DMSO-d 6 ); δ 173.4 (C=O), 98.5 (C1’), 74.7 (C4’), 73.4 (C3’), 72.2 (C2’), 68.6 (C5’), 63.6 (C3), 61.8  (C1), 55.0 (C6’), 33.9 (COCH 2 ), 31.7 (-CH 2 -), 29.4-28.8 (m, C2 & -CH 2 -), 24.9 (COCH 2 CH 2 ), 22.5 (-CH 2 -), 14.3 (Me)。

 例II-4
 3-O-(6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-ヘキ サノイル-プロパン-1,3-ジオール カルシウム  (10)
 経路Gにおいて使用される脂肪酸誘導体とし て、ヘキサノイルクロリドを使用した以外は [例I]と同様の手順によりナトリウム塩を合成 した。

 LRMS 399m/z (M-Na) -
1 H NMR (400MHz, DMSO-d 6 ) ; δ 5.34 (br, 1H, 4’-OH), 4.56 (d, 1H, J=4.0H z, H1’), 4.53 (br, 1H, 3’-OH), 4.41 (d, 1H, J=6 .4Hz, 2’-OH), 4.10 (t, 2H, J=6.6Hz, H1a & H1b) , 3.83-3.77 (m, 2H, H3a & H5’), 3.41-3.33 (m, 2H, H3b & H3’), 3.21-3.16 (m, 1H, H2’), 2.9 8-2.92 (m, 2H, H4’ & H6’a), 2.63 (dd, 1H, J =14.0, 6.0Hz, H6’b), 2.27 (t, 2H, J=7.2Hz, COCH 2 ), 1.82 (tt, J=6.4, 6.4Hz, 2H, H2a & H2b), 1.52  (tt, J=7.2, 6.8Hz, 2H, COCH 2 CH 2 ), 1.30-1.26 (m, 4H, -CH 2 -), 0.85(t, 3H, J=6.6Hz, Me)。

13 C NMR (100MHz, DMSO-d 6 ); δ 173.0 (C=O), 98.3 (C1’), 74.7 (C4’), 73.2 (C3’), 71.9 (C2’), 68.3 (C5’), 63.5 (C3), 61.3  (C1), 55.2 (C6’), 33.5 (COCH 2 ), 30.7 (-CH 2 -), 28.6 (C2), 24.1 (COCH 2 CH 2 ), 21.7 (-CH 2 -), 13.7 (Me)。

 更に、イオン交換の操作を行うことによ 表題化合物を得た。

 例II-5
 3-O-(6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-アセ チル-プロパン-1,3-ジオール カルシウム塩 
 経路Gにおいて使用される脂肪酸誘導体とし て、アセチルクロリドを使用した以外は[例I] と同様の手順によりナトリウム塩を合成した 。

 LRMS 343m/z (M-Na) -
1 H NMR (400MHz, DMSO-d 6 ) ; δ 5.47-5.46 (m, 1H, 4’-OH), 4.57 (d, 1H, J= 3.6Hz, H1’), 4.50-4.49 (br, 1H, 3’-OH), 4.39-4.38( br, 1H, 2’-OH), 4.10 (t, 2H, J=6.8Hz, H1), 3.83-3. 76 (m, 2H, H3a & H5’), 3.42-3.34 (m, 2H, H3b & H3’), 3.20-3.16 (m, 1H, H2’), 2.98 (ddd,  1H, J=9.0, 9.0, 3.2Hz, H4’), 2.88 (dd, 1H, J=13.6,  5.6Hz, H6’a), 2.62 (dd, 1H, J=14.0, 5.6Hz, H6’b ), 2.00 (s, 3H, Me), 1.835 (tt, 1H, J=6.4, 6.4Hz,  H2)。 
13 C NMR (100MHz, DMSO-d 6 ); δ 170.4 (C=O), 98.3(C1’), 74.6(C4’), 73.2 (C3 ’), 71.9 (C2’), 68.3(C5’), 63.5 (C3), 61.5 (C1) , 55.0 (C6’), 28.5 (C2), 20.7(Me)。 
 更に、イオン交換の操作を行うことにより 題化合物を得た。

 例II-6
 3-O-(6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-フォ ルニロキシ-プロパン-1,3-ジオール ナトリウ 塩 (10)
 経路A-1からFまでは、[例I]と同様の手順を行 い、更に以下の経路JからLを経ることにより 題化合物を得た。

 経路J;3-O-(2,3,4-トリ-O-ベンジル-6-スルホ-α-D- キノボピラノシル)-プロパン-1,3-ジオール ナ トリウム塩(8”)
 化合物(7)(542mg, 956μmol)の酢酸(5.5g)溶液に、 キソン(1.8g)および酢酸カリウム(68mg)を加え 室温で48時間激しく攪拌した。反応が充分 行していることを確認した後、反応液を冷7. 5M水酸化ナトリウム(13ml)溶液に注ぎ、酢酸エ ル(3×10ml)で抽出した。有機層を合わせて飽 炭酸水素ナトリウム水(2×10ml)および飽和食 水(2×10ml)で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し 濾過後、減圧濃縮した。濃縮した残渣をシ カゲルクロマトグラフィー(クロロホルム- タノール, 10:1→8:1→6:1→4:1→2:1→1:1)で精製 し、無色ワックス状物質として標題化合物8 を得た[401mg (675 mmol), 70.7%]。

 LRMS 571m/z (M-Na) -
1 H NMR (400MHz, CD 3 OD+CDCl 3 ) ; δ 7.37-7.26 (m, 15H, ArH), 4.96(d, 1H, J=11.2H z, ArCH 2 ), 4.89(d, 1H, J=11.2Hz, ArCH 2 ), 4.80(d, 1H, J=3.6Hz, H1’), 4.78(d, 1H, J=10.4Hz,  ArCH 2 ), 4.75(d, 1H, J=11.6Hz, ArCH 2 ), 4.66(d, 1H, J=11.6Hz, ArCH 2 ), 4.62(d, 1H, J=11.2Hz, ArCH 2 ), 4.24-4.19 (m, 1H, 5’), 4.09 (ddd, 1H, J=9.6, 8 .4, 5.2Hz, H1a), 3.97 (dd, 1H, J=9.2, 9.2Hz, H3’),  3.80 (ddd, 1H, J=11.3, 8.0, 4.0Hz, H3a),3.68-3.62 ( m, 1H, H3b), 3.56 (dd, 1H, J=9.6, 3.6Hz, H2’), 3. 46 (ddd, 1H, J=9.8, 5.4, 5.4Hz, H1b),3.32-3.23 (m, 2 H, H6’a & H4’), 2.93 (dd, 1H, J=14.0, 9.8Hz,  H6’b), 1.98-1.81 (m, 2H, H2a & H2b)。

13 C NMR (100MHz, CD 3 OD+CDCl 3 ); δ 139.0 (Ar-ipso), 138.5 (Ar-ipso), 138.4 (Ar-ips o), 128.9-128.1 (m, Ar), 96.8 (C1’), 82.4 (C3’), 81.0 (C4’), 80.6 (C2’), 76.1 (ArCH 2 ), 75.5 (ArCH 2 ), 73.6 (ArCH 2 ), 67.9 (C5’), 65.5 (C1), 59.6 (C3), 52.8 (C6’),  32.6 (C2) 。 

 経路K;3-O-(6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)- ロパン-1,3-ジオール ナトリウム塩(9”)
 化合物(8”)(534mg, 898μmol)のメタノール(20ml) よびクロロホルム(5.0ml)溶液に、10%パラジウ ム活性炭素(135mg)を加え、水素ガス雰囲気下 室温で16時間攪拌した。反応が充分進行して いることを確認した後、パラジウム活性炭素 を濾別し、濾液を減圧濃縮した。得られた残 渣にメタノール(20ml)及びトルエン(20ml)を加え 激しく攪拌した後、溶媒を減圧下留去し、無 色液状の混合物(320mg)を得た。LRMSにて混合物 に標題化合物の存在を確認した。得られた 題化合物9”を含む混合物をそのまま次の反 応に供した。

LRMS 301m/z (M-Na)

 経路L;3-O-(6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1- O-フォルニロキシ-プロパン-1,3-ジオール ナ リウム塩(10)
 化合物(9”)を含む混合物(70mg)、1-エチル-3-(3 -ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩 塩(EDCI・HCl)(93mg, 487μmol)および4-ジメチルア ミノピリジン (12mg, 97μmol)を無水N,N-ジメチ ホルムアミド(DMF, 10ml)に溶解し、氷冷下、 酸(14mg, 259μmol)を溶液に滴下し、室温にて18 間反応した。反応が充分進行していること 確認し、反応液に水(1.0ml)を注ぎ、反応を停 止した後、溶液を減圧濃縮した。得られた残 渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロ ルム-メタノール-水, 3:1:0.1→2:1:0.1→1:1:0.1) 精製し、無色油状物質として標題化合物10を 得た[12mg (33μmol ), 16.7%]。

 LRMS 329m/z (M-Na) -
1 H NMR (400MHz, DMSO-d 6 ) ; δ 8.18 (s, 1H, O=CH), 4.56 (d, 1H, J=3.6Hz,  H1’), 4.20 (t, 2H, J=6.8Hz, H1a & H1b), 3.86-3 .78 (m, 2H, H3a & H5’), 3.41-3.31 (m, 2H, H3b  & H3’), 3.18 (dd, 1H, J=9.6, 4.0Hz, H2’),  3.03-2.90 (m, 2H, H4’ & H6’a), 2.63-2.58 (m, 1H, H6’b), 1.86 (tt, J=6.4, 6.4Hz, 2H, H2a & H2b)
13 C NMR (100MHz, DMSO-d 6 ); δ 162.2 (C=O), 98.4 (C1’), 74.7 (C4’), 73.2 (C3’), 71.9 (C2’), 68.4 (C5’), 63.3 (C3), 61.2  (C1), 55.1 (C6’), 26.1 (C2) 。

 [例III]
 本発明に従うβ-スルホキノボシルアシルプ パンジオール誘導体の製造工程の例を以下 説明する。

 例III-1
 3-O-(6-スルホ-β-D-キノボピラノシル)-1-O-オレ オイル-プロパン-1,3-ジオール ナトリウム塩
 以下のスキームの通りの手順により表題化 物を合成した。

 A') 無水酢酸、酢酸ナトリウム、加熱沸騰 55.3%;
 B') 臭化水素酸・酢酸溶液、ジクロロメタ 、室温、6時間、58.5%;
 C') アリルアルコール、シアン化水銀、ジ ロロメタン、室温、16時間、64.4%;
 D') D’-1. ナトリウムメトキシド、メタノ ル、室温、4時間;
    D’-2. p-アニスアルデヒドジメチルア タール、p-トルエンスルホン酸一水和物、ア セトニトリル、40℃、16時間、95.3%;
 E') p-メトキシベンジルクロリド、水酸化ナ トリウム、N,N-ジメチルホルムアミド、室温 16時間、92.0%;
 F') 水素化リチウムアルミニウム、塩化ア ミニウム、ジクロロメタン、ジエチルエー ル、0℃、1時間、73.3%;
 G') p-トルエンスルホニルクロリド、4-ジメ ルアミノピリジン、ピリジン、室温、16時 、85.9%;
 H') 9-ボラビシクロノナン、テトラヒドロフ ラン、室温、16時間;水、水酸化ナトリウム、 過酸化水素水、室温、4時間、93.5%;
 I') 亜硫酸ナトリウム、エタノール、水、 熱還流、72時間、90.2%;
 J') オレイン酸無水物、4-ジメチルアミノピ リジン、ピリジン、ジクロロメタン、加熱還 流、16時間、67.6%;
 K') 2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノ ン、ジクロロメタン、メタノール、水、室温 、4時間、55.9%。

 [α] 21 D  -3.1° (c1.00 CH 3 OH), LRMS 565m/z (M-Na) - , HRMS calcd for C 27 H 49 O 10 S (M-Na) 565.3051, found 565.3059。

  1 H NMR (400MHz, CD 3 OD);δ5.37-5.30 (m, 2H, -CH=CH-), 4.27 (d, 1H, J=7.84 Hz, H1’), 4.23-4.13 (m, 2H, H1a & H1b), 4.01-3 .96 (m, 1H, H3a), 3.72 (ddd, 1H, J=9.64, 8.62, 2.20 Hz, H5’), 3.68-3.62 (m, 1H, H3b), 3.38 (dd, 1H, J =14.4, 2.20Hz, H6’a), 3.36 (t, 1H, J=9.08Hz, H3’) , 3.19 (dd, 1H, J=9.20, 7.88Hz, H2’), 3.13 (t, 1H , J=9.28Hz, H4’), 2.98 (dd, 1H, J=14.4, 8.62Hz, H6 ’b), 2.31 (t, 2H, J=7.46Hz, COCH 2 ), 2.04-2.00(m, 4H, -CH 2 CH=CHCH 2 -), 1.97-1.90 (m, 2H, H2a & H2b), 1.62-1.56 (m, 2H, COCH 2 CH 2 ), 1.31-1.29 (br, 20H, -CH 2 -), 0.89 (t, 3H, J=6.84Hz, Me)。

  13 C NMR (100MHz, CD 3 OD); δ175.7 (C=O), 130.9 (-CH=CH-), 130.8 (-CH=CH-), 104.2 (C1’), 77.9 (C3’), 75.1 (C2’), 74.7 (C4 ), 73.7 (C5’), 67.3 (C3), 62.8 (C1), 54.3 (C6’ ), 35.1 (COCH 2 ), 33.1 (-CH 2 -), 30.8-30.1 (m, C2 & -CH 2 -), 28.1 (-CH 2 CH=CHCH 2 -), 26.1 (COCH 2 CH 2 ), 23.8 (-CH 2 -), 14.5 (Me)。

 例III-2
 3-O-(6-スルホ-β-D-キノボピラノシル)-1-O-ステ アロイル-プロパン-1,3-ジオール ナトリウム  
 オレイン酸無水物に代えてステアロイルク リドを用いたこと以外は[例III-1]と同様な手 順により表題化合物を合成した。

 [α] 22 D  -4.7° (c1.00 H 2 O), LRMS 567m/z (M-Na) - , HRMS calcd for C 27 H 51 O 10 S (M-Na) 567.3208, found 567.3211。

  1 H NMR (400MHz, DMSO-d 6 ); δ 5.56 (d, 1H, J=3.16Hz, 4’-OH), 4.81 (d, 1H,  J=4.92Hz, 2’-OH), 4.74 (d, 1H, J=4.64Hz, 3’-OH),  4.09 (d, 1H, J=7.76Hz, H1’), 4.07 (t, 2H, J=6.60 Hz, H1a & H1b), 3.77 (dt, 1H, J=10.2, 6.27Hz, H 3a), 3.54-3.45 (m, 2H, H3b & H5’), 3.13 (dt,  1H, J=8.80, 4.68Hz, H3’), 2.99 (dt, 1H, J=9.14, 3. 08Hz, H4’), 2.97-2.91 (m, 2H, H2’ & H6’a), 2.68 (dd, 1H, J=13.9, 5.24Hz, H6’b), 2.27 (t, 2H,  J=7.40Hz, COCH 2 ), 1.86-1.78 (m, 2H, H2a & H2b), 1.54-1.47 (m,  2H, COCH 2 CH 2 ), 1.24 (br, 28H, -CH 2 -), 0.86 (t, 3H, J=6.88Hz, Me)。

  13 C NMR (100MHz, DMSO-d 6 ); δ 172.9 (C=O), 102.8 (C1’), 76.1 (C3’), 74.6  (C4’), 73.4 (C2’), 72.5 (C5’), 65.2 (C3), 61. 2 (C1), 55.6 (C6’), 33.6 (COCH 2 ), 31.3 (C2), 29.0-28.5 (m, -CH 2 -), 24.5 (COCH 2 CH 2 ), 22.1 (-CH 2 -), 13.9 (Me)。

 <分析>
 [例IV]
 例IV-1.高速液体クロマトグラフィーおよび 量分析計を用いた分析
 高速液体クロマトグラフィーおよびエレク ロイオンスプレー質量分析計により、3-O-(6- スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-ステアロイ ル-プロパン-1,3-ジオール ナトリウム塩と3-O- (6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-ステアロ イル-グリセロール ナトリウム塩の分離およ び検出を行った。

 被検物質を5%アセトニトリル、5mmol/lの酢 アンモニウム水溶液に溶解し、同溶媒にて 意の濃度に希釈後、CapCellPak C18MG(カラムサ ズ;2.0x50mm、資生堂)を装着した高速液体クロ マトグラフィーにて分析を行った。分離条件 はカラム温度40℃、流速は1分当たり0.2ml、溶 液は前記の溶媒に対してアセトニトリル濃 50%から70%まで20分間の直線濃度勾配により 出した。

 溶離した被検物質の検出は Bruker Esquire  3000plus イオントラップ型質量分析計にて行 、検出イオンモードは全イオン検出モード(T IC;Total Ion Chromatography)、検出質量範囲はm/z=10 0~1000で行った。

 被検物質のクロマトグラフィーを図1およ び図2に示す。

 分析結果から、図1に示すように3-O-(6-ス ホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-ステアロイル- ロパン-1,3-ジオール ナトリウム塩は単一の ピークを示しているのに対し、図2に示す3-O-( 6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-ステアロ ル-グリセロール ナトリウム塩ではグリセ ール部位1位および2位間でアシル転移した とを示唆する構造異性体が6.8min(ピークNo.1) よび7.3min(ピークNo.2)にマイナーピークとし 、αSQMG C18;0のジアステレオ異性体が7.6min(ピ ーク No.3)および7.8min(ピーク No.4)にメジャー ピークとして検出された。

 この結果から、本発明に従う本発明の一 様である3-O-(6-スルホ-α-D-キノボピラノシル )-1-O-ステアロイル-プロパン-1,3-ジオール ナ リウム塩は、従来公知の化合物である3-O-(6- スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-ステアロイ ル-グリセロール ナトリウム塩に比較して非 常に純度が高いことが明らかになった。

 例IV-2.溶解性の測定
 3-O-(6-スルホ-α-D-キノボピラノシル)-1-O-ステ アロイル-プロパン-1,3-ジオールのナトリウム 塩およびカルシウム塩の各々1gを注射用水(大 塚製薬社製)5mlに入れ、25℃で強く振り混ぜた ところ、速やかに溶解することを確認した。 このことから、本物質は、日本薬局方の通則 に記載される基準のうち「溶け易い」と評価 される物質であるといえる。

 この結果より、αSQAPは、非常に溶解度が いことが明らかになった。また、ここには さないが、3-O-(6-スルホ-α-D-キノボピラノシ ル)-1-O-ステアロイル-プロパン-1,3-ジオールの 各塩以外の本発明に従うSQAPシリーズも同様 高い溶解度を有する。このような高い溶解 により、少ない溶媒量に当該物質の必要量 容易に溶解することが可能である。これに り、例えば、注射液として対象に投与する 合などにおいて、その調製が容易である。 た、このように高い水溶性を有することは 注射液ばかりではなく、他の種々の製剤を 造する場合において、例えば、経口投与剤 製造する場合においても有利である。

 <薬理学的試験>
 本発明に従うスルホキノボシルアシルプロ ンジオール誘導体の薬理学的活性について 験した。

 [例V]
 放射線増感効果試験
 担癌マウス実験により放射線増感効果につ て試験した。

 例V-1.ヒト食道扁平上皮癌(その1)
 ヒト食道扁平上皮癌細胞TE-8の1 x 10 6 個/匹をKSNヌードマウス右大腿部に移植した その後、約14日間飼育して、各個体に約150mm 3 の腫瘍塊を形成させた。その後、以下の(1)~(4 )の4群に対して4個体ずつを割り当てた;
 (1)薬剤未投与、放射線未処理群(図3中では 四角で示す)
 (2)薬剤未投与、放射線処理群(図3中では白 角で示す)
 (3)αSQAP C18:0投与、放射線未処理群(図3中で 黒丸で示す)
 (4)αSQAP C18:0投与、放射線処理群(図3中では 菱型で示す)。

 薬剤は1日目から5日目まで、1日1回、2mg/kgを 投与した。また、放射線はX線発生装置(HS-225: 島津製作所(株)製)により1日目と4日目に各々2 Gy照射した。腫瘍体積は、計算式=(短径) 2  x 長径 x 0.5により算出した。結果は図3に した。

 腫瘍体積は何れの群においても試験開始 から終了時まで増加し続けた。しかしなが 10日目辺りから(1)薬剤未投与、放射線未処 群よりも、他の何れの群も腫瘍体積の増加 大きさが小さくなった。また、(2)薬剤未投 、放射線処理群と(3)αSQAP C18:0投与、放射線 処理群は同様に腫瘍体積の増加を抑制した (4)αSQMG C18:0投与、放射線処理群は、他の群 に比べて腫瘍体積の増加を最も抑制した。

 例V-2.ヒト食道扁平上皮癌(その2)
 1日1回で、1日目から5日目まで投与された薬 剤投与量が1回1mg/kgであること、および照射 た放射線が各々4Gyである以外は、例V-1に記 の方法と同じ方法により実験を行ない腫瘍 積を測定した。結果は図4に示す。

 各群の割り当ては以下の通りであった;
 (1)薬剤未投与、放射線未処理群(図4中黒菱 で示す)
 (2)薬剤未投与、放射線処理群(図4中黒四角 示す)
 (3)αSQAP C18:0投与、放射線未処理群(図4中白 形で示す)
 (4)αSQAP C18:0投与、放射線処理群(図4中白四 で示す)。

 その結果、何れの群も時間の経過と共に 瘍体積が増大した。(1)薬剤未投与、放射線 処理群に比較して、何れの群も腫瘍体積の 加の大きさが小さくなった。また、(4)αSQAP C18:0投与、放射線処理群は他の群に比べて腫 瘍体積の増加を最も強く抑制した。

 例V-3.ヒト結腸腺癌
 ヒト結腸腺癌細胞SW480の1 x 10 6  個/匹をKSNヌードマウス右大腿部に移植した 。その後、約14日間飼育し、各個体に約150mm 3 の腫瘍塊を形成させた。

 その後、以下の(1)~(4)の3群に対して4個体ず を割り当てた;
 (1)薬剤未投与、放射線未処理群(図5中白菱 で示す)
 (2)薬剤未投与、放射線処理群(図5中黒四角 示す)
 (3)αSQAP C18:0投与、放射線処理群(図5中黒三 で示す)。

 薬剤は1日目から5日目まで、1日1回、2mg/kgを 投与した。また、放射線はX線発生装置(HS-225: 島津製作所(株)製)により1日目と4日目に各々2 Gy照射した。腫瘍体積は、計算式=(短径) 2  x 長径 x 0.5により算出した。結果は図5に した。

 その結果、何れの群も時間の経過と共に 瘍体積が増大した。しかしながら(1)薬剤未 与、放射線未処理群および(2)薬剤未投与、 射線処理群共に腫瘍体積の増大が同様であ たのに対して、(3)αSQAP C18:0投与、放射線処 理群だけは、実験初期より腫瘍体積の増加が 抑制される傾向が示され、且つ全体として顕 著に腫瘍体積の増加を抑制した。

 以下の例V-4、5、6および例VI~VIIIはイオン 換の処理を行うことによりカルシウム塩に 換したSQAP誘導体を用いて行った。

 例V-4.ヒト食道扁平上皮癌
 ヒト結腸腺癌細胞SW480の2 x10 6 個/匹をKSNヌードマウス右大腿部に移植した 各個体に約50mm 3 の腫瘍塊を形成させた時点で、以下の(1)~(4) 4群に対して4個体ずつを割り当てた;
(1)薬剤未投与、放射線未処理群(図6中では黒 で示す)
(2)薬剤未投与、放射線処理群(図6中では黒四 で示す)
(3)αSQAP C18:0投与、放射線未処理群(図6中では 白三角で示す)
(4)αSQAP C18:0投与、放射線処理群(図6中では白 四角で示す)。

 薬剤は1日目から5日目まで、1日1回、1mg/kg を尾静脈より投与した。また放射線はX線発 装置(HS-225:島津製作所(株)製)により、1日目 4日目に、各々2Gy照射した。

 結果を図6に示す。その結果、何れの群も 時間の経過とともに腫瘍体積が増大した。し かしながら(4)αSQAP C18:0投与、放射線処理群 、他の群に比べて腫瘍体積の増加を最も抑 した。

 例V-5.ヒト食道扁平上皮癌
 ヒト食道扁平上皮癌細胞TE-8の1 x10 6 個/匹をKSNヌードマウス右大腿部に移植した 各個体に50mm 3 の腫瘍塊を形成させた時点で、以下の(1)~(4) 4群に対して4個体ずつを割り当てた;
(1)薬剤未投与、放射線未処理群(図7中黒菱形 示す)
(2)薬剤未投与、放射線処理群(図7中黒丸で示 )
(3)αSQAP C10:0投与、放射線未処理群(図7中白三 角で示す)
(4)αSQAP C10:0投与、放射線処理群(図7中白四角 で示す)。

 薬剤は1日目から5日目まで、1日1回、1mg/kg を腹腔内に投与した。また放射線はX線発生 置(HS-225:島津製作所(株)製)により、1日目と4 目に、各々4Gy照射した。

 結果を図7に示す。その結果、何れの群も 時間の経過とともに腫瘍体積が増大した。し かしながら(4)αSQAP C10:0投与、放射線処理群 、他の群に比べて腫瘍体積の増加を最も抑 した。

 例V-6.ヒト食道扁平上皮癌
 ヒト食道扁平上皮癌細胞TE-8の1 x10 6 個/匹をKSNヌードマウス右大腿部に移植した 各個体に50mm 3 の腫瘍塊を形成させた時点で、以下の(1)~(4) 4群に対して4個体ずつを割り当てた;
(1)薬剤未投与、放射線未処理群(図8中黒菱形 示す)
(2)薬剤未投与、放射線処理群(図8中黒四角で す)
(3)αSQAP C18:0投与、放射線未処理群(図8中白四 角で示す)
(4)αSQAP C18:0投与、放射線処理群(図8中白丸で 示す)。

 薬剤は1日目から5日目まで、1日1回、1mg/kg を腹腔内に投与した。また放射線はX線発生 置(HS-225:島津製作所(株)製)により、1日目と4 目に、各々4Gy照射した。

 結果を図8に示す。その結果、何れの群も 時間の経過とともに腫瘍体積が増大した。し かしながら(4)αSQAP C18:0投与、放射線処理群 、他の群に比べて腫瘍体積の増加を最も抑 した。

 [例VI]
 抗悪性新生物効果の試験
 ヒト結腸腺癌細胞SW480の2 x10 6 個/匹をKSNヌードマウス右大腿部に移植した 各個体に約50mm 3 の腫瘍塊を形成させた時点で、以下の(1)、(2) の2群に対して4個体ずつを割り当てた;
(1)薬剤未投与(図9中白四角で示す)
(2)αSQAP C18:0投与(図9中黒四角で示す)。

 薬剤は1日目から14日目まで、1日1回、20mg/ kgを腹腔内に投与した。

 結果を図9に示す。その結果、薬剤未投与 群と比較してαSQAP C18:0投与群では腫瘍体積 増加が顕著に抑制された。

 [例VII]
 血管内皮細胞-繊維芽細胞共培養系による管 腔形成阻害試験
 ヒト血管内皮細胞とヒト繊維芽細胞の共培 系であるクラボウ社製血管新生キット(KZ-100 0)を用いて、αSQAP C10:0、αSQAP C14:0、αSQAP C18 :0、αSQAP C22:0、βSQAP C18:0、βSQAP C18:1の管腔 成に対する効果を試験した。当該キットに る管腔形成のための培養は製造者のマニュ ルに従って行った。

 終濃度10ng/ml のVEGF-Aを含む血管新生専用 地を用いて、各SQAP誘導体を所定濃度に調製 した。当該細胞培養の第一日目に各濃度のSQA P誘導体およびDMSO(陰性対照)をそれぞれに含 専用培地を当該培養系に添加した。これを30 分間培養した後に、コバルト60を2Gy照射した その後、培養第4日目、7日目、10日目に各SQA PまたはDMSOを含む専用培地を新たに調製し、 れを使用して培地交換を行った。培養第11 目に培地を除去し、70%エタノールで固定し 後、抗ヒトCD31抗体にて、形成された管腔を 色した。染色像は、光学顕微鏡下にて写真 影し、映像解析により管腔形成量を算定し 。血管新生指数は、製造者のマニュアルに って算出した。

 結果を図10に示す。当該SQAP誘導体および/ または放射線照射を施さなかったコントロー ル群に比べて、放射線単独(2Gy)および/または 各SQAP誘導体で処理した群の血管新生指数は い値であった。図中の「RT」は、放射線照射 の略である。更に、各SQAP誘導体については 2Gyの放射線単独と比べて低い値であった。 た、2Gyの放射線との併用において、終濃度5 10および20μMのαSQAP C10:0、5、10および20μMの αSQAP C14:0、5、10および20μMのαSQAP C18:0、5、1 0および20μMのαSQAP C22:0、5および10μMのβSQAP  C18:0、並びに5および10μMのβSQAP C18:1は、いず れの場合においても濃度依存的に管腔形成を 阻害した。

 [例VIII]
 毒性試験
 VIII-1.エームス試験
 αSQAP C18:0を用いて復帰突然変異試験(エー ス試験)を実施した。

 塩基対置換型変異株であるSalmonella typhimu riumの2菌株とEscherichia coliの1菌株、並びにフ ームシフト型変異株であるSalmonella typhimuriu mの2菌株の計5菌株を指標菌株として用いた。 これらの菌株に対してαSQAP C18:0を加えて前 養した後、寒天プレートに移して48時間培養 し、プレート上の復帰突然変異コロニーの数 をカウントした。なお、αSQAP C18:0の添加量 、寒天プレート当たり2μg、7μg、21μg、62μg 185μg、556μg、1667μg、5000μgとなるように設定 した。前培養時に添加するS9 mix(ここで、S9  mixは、フェノバルビタールおよび5,6-ベンゾ ラボンで前処理した雄性ラットの肝臓から 製した肝ホモジネートの上清画分にコファ ター-1を加えた溶液である)の有無にかかわ ず、いずれの菌株においても復帰突然変異 ロニーの数の増加はなかった。このことか 本物質の変異原性は陰性であると判定され 。

 VIII-2.小核試験
 αSQAP C18:0カルシウム塩を用いてラット静脈 内投与による小核試験を実施した。

 雄性SDラットを以下の(1)~(6)の6群に対して 各々5個体ずつ割り当てた。

(1)薬剤未投与群
(2)25mg/kg αSQAP C18:0 投与群
(3)50mg/kg αSQAP C18:0 投与群
(4)100mg/kg αSQAP C18:0 投与群
(5)200mg/kg αSQAP C18:0 投与群
(6)陽性対照群(2mg/kg マイトマイシンC投与群)

 (1)~(5)の各被験液は、10%のクレモホールEL 有生理食塩水を溶媒として用い、上記の用 を2日連続で計2回をラットに投与した。陽 対照群は上記用量を1回投与した。

 投与後、約24時間後に骨髄塗末標本を作 し、各個体毎に幼若赤血球を2000個カウント 、その中に含まれる小核を有する幼若赤血 の出現率を算出した。また、骨髄増殖抑制 指標として、全赤血球1000個中に含まれる幼 若赤血球の割合を算出した。その結果、薬剤 未投与群と比較して、被験物質投与群の小核 出現率に有意な増加は見られなかった。また 、被験物質投与群の骨髄増殖抑制への影響も 見られなかった。このことから、本物質はラ ット骨髄細胞染色体に異常を誘発する作用が ないと判断された。

 VIII-3.単回毒性試験
 αSQAP C18:0を用いて、ラットに対する急性毒 性試験を実施した。5~6週齢のSDラットを以下 (1)~(7)群に雌雄各5個体ずつ割り当てた。

(1)薬剤未投与群
(2)25mg/kg αSQAP C18:0 投与群
(3)50mg/kg αSQAP C18:0 投与群
(4)100mg/kg αSQAP C18:0 投与群
(5)200mg/kg αSQAP C18:0 投与群
(6)400mg/kg αSQAP C18:0 投与群
(7)800mg/kg αSQAP C18:0 投与群。

 (1)および(4)~(7)の被験液は10%クレモホール ELを含有する生理食塩水、(2)の被験液は2.5%の クレモホールELを含有する生理食塩水、(3)の 験液は5%クレモホールELを含有する生理食塩 水を溶媒として用いた。

 各被験液をラット尾静脈から投与し、投 日を含めて2日間一般状態を観察した。試験 期間中に死亡する個体はなく、概略の致死量 は800mg/kgよりも高いと判断された。

 更なる利点および改変は当業者であれば 易に予測できるであろう。従って、そのよ 広い側面における本発明は、ここで示され また記載された特定の詳細且つ代表的な態 に限定されるものではないことは明らかで る。従って、添付のクレームおよびそれら 均等物により明らかにされる一般的な本発 の精神または範囲から逸脱することなく、 々の変更がなされ得る。

 本発明の化合物は新規物質であり、上述 たように、顕著な放射線増感効果および抗 性新生物に対する効果を有する。本発明の 合物は、簡便な合成方法により高純度で得 ことが可能である。更に、本発明の化合物 構造的にも安定であり、水溶性が高い。従 て、当該化合物の製造および医薬品として 用する際の製剤化において有利であり、ま 、化合物および医薬品として貯蔵された後 使用される場合においても有利である。ま 、当該化合物は、毒性が低いという利点も する。従って、ヒトやヒト以外の動物に対 て短期または長期に投与するための医薬品 しても非常に有利である。

 本発明は、文部科学省科学技術振興調整 によるものである。




 
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