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Patent Searching and Data


Title:
NOZZLE MECHANISM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081749
Kind Code:
A1
Abstract:
A nozzle mechanism that is fitted to a compression molding machine capable of compressing a powder charged in a mortar by means of a pestle to thereby obtain a compression molded item and adapted to spout a lubricant toward at least the distal end of the pestle prior to the charging of the powder. The nozzle mechanism comprises a guide passageway for guiding of a lubricant and a spout part for spouting of the lubricant guided by the guide passageway so as to substantially agree with at least a given single straight line intersecting with the direction of relative movement of the pestle, the spout part disposed at the distal end of the guide passageway so as to be in communication with the interior of the guide passageway.

Inventors:
ONEDA YOSHITSUGU (JP)
KUBOTA MAKOTO (JP)
MATSUNO MITSUTOSHI (JP)
TOYODA TOSHITADA (JP)
IMAMOTO CHIEKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074653
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 21, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SHIONOGI & CO (JP)
KIKUSUI SEISAKUSHO LTD (JP)
ONEDA YOSHITSUGU (JP)
KUBOTA MAKOTO (JP)
MATSUNO MITSUTOSHI (JP)
TOYODA TOSHITADA (JP)
IMAMOTO CHIEKO (JP)
International Classes:
B05B1/00; A61J3/10; B30B11/08
Domestic Patent References:
WO2005110726A12005-11-24
WO2003051621A12003-06-26
WO2005110726A12005-11-24
Foreign References:
JP2001205493A2001-07-31
Other References:
See also references of EP 2095806A4
Attorney, Agent or Firm:
AKAZAWA, Kazuhiro (6F 617, Manjuya-cho, Karasuma-dori Rokkaku Agaru, Nakagyo-ku, Kyoto-sh, Kyoto 61, JP)
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Claims:
 臼内に充填した粉末を杵により圧縮して圧縮成形物を作る圧縮成形機において、粉末の充填に先だって少なくとも杵の先端に向けて滑沢剤を噴出するノズル機構であって、
 滑沢剤を案内する案内通路と、
 案内通路内に通じその先端に設けられて、案内通路により案内された滑沢剤を、少なくとも杵の相対移動方向に対して交差する所定の一本の直線にほぼ一致するように噴出する噴出部とを備えてなるノズル機構。
 噴出部が、杵の先端の幅より小なる幅で、かつ杵の先端の長さより大なる長さの溝と、その溝の底面のほぼ中央に開口して溝と案内通路とを連通させる貫通孔とからなる請求項1記載のノズル機構。
 案内通路が通路本体内に形成され、噴出部が板体に形成され、その板体が通路本体に取り外し可能に取り付けられる請求項1記載のノズル機構。
  噴出部の近傍において噴出される滑沢剤を帯電させる電界発生手段をさらに備えてなる請求項1、2又は3記載のノズル機構。
 電界発生手段が、噴出部の近傍の案内通路内に先端が露出する電極を備える請求項4記載のノズル機構。
 圧縮成形機が、フレームと、
 フレーム内に回転可能に設けられる立シャフトと、
 立シャフトに取り付けられる回転盤と、
 回転盤にその円周方向において所定の間隔で取り付けられる臼孔を有する複数の臼と、 それぞれの臼に対してその上下から臼孔に先端部が挿入可能に配置される上杵及び下杵と、
 杵先を臼孔内に挿入した上杵と下杵とが通過することにより臼孔に充填された粉末を圧縮する上ロール及び下ロールとを備えてなるものである請求項1記載のノズル機構。
 通路本体が、通路本体内にほぼ平行に形成される第一案内通路と第二案内通路とを備え、
 上杵に対して滑沢剤を噴出する第一噴出部が形成された第一板体が、第一案内通路に対応して通路本体に取り外し可能に取り付けられ、
 少なくとも下杵に対して滑沢剤を噴出する第二噴出部が形成された第二板体が、第二案内通路に対応して通路本体に取り外し可能に取り付けられ、
 電界発生手段が、第一噴出部の近傍の案内通路内に先端が露出する第一電極と、第二噴出部の近傍の案内通路内に先端が露出する第二電極を備える請求項5記載のノズル機構。
Description:
ノズル機構

 本発明は、粉末を圧縮して例えば医薬品 錠剤や食品などの製品を製造する圧縮成形 において使用されるノズル機構に関するも である。

 従来、錠剤などを製造する回転式粉末圧 成形機において、例えば特許文献(国際公開 第WO2005/110726号パンフレット)に記載のものの うに、粉末滑沢剤を杵や臼の内部に付着さ るように、粉末滑沢剤の噴射ノズルを備え ものが知られている。この特許文献に記載 回転式粉末圧縮成形機では、噴射ノズルか 噴出される粉末滑沢剤の帯電状態を異なら て、上杵及び下杵と臼に粉末滑沢剤を付着 せている。

 粉末滑沢剤を噴射させるノズルは、三次 曲面により形成される凹部を備えるととも 、その凹部内に突出する電極を備えている 粉末滑沢剤は、加圧気体により凹部内に供 され、凹部内において電極に印加された直 電圧によって帯電された後に、凹部の三次 曲面に沿って例えば上杵の方向に案内され 。

 ところが、このような構成のものである 、粉末滑沢剤が、目的とする部位以外に付 する可能性も大きいため、使用効率が低下 るものである。つまり、上述した凹部を備 るノズルにあっては、三次元曲面に沿って 末滑沢剤が噴出されることになるため、比 的広範囲に粉末滑沢剤が拡散する。このた 、噴出されて目的の部位に付着した以外の 末滑沢剤の量、言い換えれば、製品を成形 ることに関与しない粉末滑沢剤が多くなり よって粉末滑沢剤の使用効率が低下する。

 そこで本発明は、このような不具合を解 することを目的としている。

 すなわち、本発明のノズル機構は、臼内 充填した粉末を杵により圧縮して圧縮成形 を作る圧縮成形機において、粉末の充填に だって少なくとも杵の先端に向けて滑沢剤 噴出するノズル機構であって、滑沢剤を案 する案内通路と、案内通路内に通じその先 に設けられて、案内通路により案内された 沢剤を、少なくとも杵の相対移動方向に対 て交差する所定の一本の直線にほぼ一致す ように噴出する噴出部とを備えてなること 特徴とする。

 このような構成によれば、噴出部は、相 移動する杵に対して、一本の直線にほぼ一 するように滑沢剤を噴出する。このため、 射状に滑沢剤を噴射する場合に比較して、 なくとも杵に付着する滑沢剤以外の滑沢剤 量が低減する。したがって、滑沢剤の使用 率を向上させることが可能になる。

 本発明における滑沢剤とは、粉末圧縮成 機において例えば錠剤を圧縮成形する場合 、粉末である薬剤原料が臼孔内や上下杵の 端に付着することを抑制するためのもので る。滑沢剤特に粉末滑沢剤としては、具体 には例えば、ステアリン酸、ステアリン酸 (Al,K,Na,Ca,Mg等の金属塩)、あるいはラウリル 酸ナトリウム等の撥水性を有するものが挙 られる。

 圧縮成形した製品の形状にかかわらず汎 性を高くするためには、杵の先端の幅より なる幅で、かつ杵の先端の長さより大なる さの溝と、その溝の底面のほぼ中央に開口 て溝と案内通路とを連通させる貫通孔とか なるものが好ましい。

 製造を容易にするためには、案内通路が 路本体内に形成され、噴出部が板部材に形 され、その板部材が通路本体に取り外し可 に取り付けられるものが好ましい。

 効果的に滑沢剤を目標となる部位に付着 せるためには、噴出部の近傍において噴出 れる滑沢剤を帯電させる電界発生手段をさ に備えてなるものが好ましい。このような 界発生手段において滑沢剤を効率よく帯電 せるためには、電界発生手段が、噴出部の 傍の案内通路内に先端が露出する電極を備 るものが挙げられる。

 本発明を適用する圧縮成形機としては、 レームと、フレーム内に回転可能に設けら る立シャフトと、立シャフトに取り付けら る回転盤と、回転盤にその円周方向におい 所定の間隔で取り付けられる臼孔を有する 数の臼と、それぞれの臼に対してその上下 ら臼孔に先端部が挿入可能に配置される上 及び下杵と、杵先を臼孔内に挿入した上杵 下杵とが通過することにより臼孔に充填さ た粉末を圧縮する上ロール及び下ロールと 備えてなるものが好ましい。

 このような回転式粉末圧縮成形機におい 、上杵と下杵とに対する滑沢剤の付着精度 高くするためには、通路本体が、通路本体 にほぼ平行に形成される第一案内通路と第 案内通路とを備え、上杵に対して滑沢剤を 出する第一噴出部が形成された第一板体が 第一案内通路に対応して通路本体に取り外 可能に取り付けられ、少なくとも下杵に対 て滑沢剤を噴出する第二噴出部が形成され 第二板体が、第二案内通路に対応して通路 体に取り外し可能に取り付けられ、電界発 手段が、第一噴出部の近傍の案内通路内に 端が露出する第一電極と、第二噴出部の近 の案内通路内に先端が露出する第二電極を えるものが好ましい。

 本発明は、以上説明したような構成であ 、放射状に滑沢剤を噴射する場合に比較し 、少なくとも杵に付着する滑沢剤以外の滑 剤の量を低減させることができ、したがっ 、滑沢剤の使用効率を向上させることがで る。

本発明の実施形態のノズル機構を備え 回転式粉末圧縮成形機の断面図。 同実施形態の回転盤の上側における機 区分を示す平面図。 同実施形態の平面図。 図3におけるIV‐IV線に沿った断面図。 同実施形態のノズル機構の底面図。 図3におけるV‐V線に沿った断面図。 同実施形態の電界発生手段の構成を示 ブロック図。

 以下、本発明の一実施形態を、図面を参 して説明する。

 以下に説明する実施形態は、回転式粉末 縮成形機に適用されるものである。

 回転式粉末圧縮成形機は、図1に示すよう に、フレーム1と、フレーム1内に回転可能に けられる立シャフト2と、立シャフト2に取 付けられる回転盤3と、回転盤3にその円周方 向において所定の間隔で取り付けられる臼孔 41を有する複数の臼4と、それぞれの臼4に対 てその上下から臼孔に先端部が挿入可能に 置される上杵5及び下杵6と、杵先を臼孔41内 挿入した上杵5と下杵6とが通過することに り臼孔41に充填された粉末を圧縮する上ロー ル91、93及び下ロール92、94とを備えている。 た、回転式粉末圧縮成形機は、回転盤3の上 側に配置されるノズル部を含むノズル機構7 備えている。

 立シャフト2は、フレーム1に支持される 受け21に支持されて回転し得るものである。 立シャフト2の下端近傍には、ウォームホイ ル22が固定されている。そして、ウォーム23 びベルト24を介してモータ25の駆動力がウォ ームホイール22に伝達されることにより、立 ャフト2は回転する。

 立シャフト2に取り付けられる回転盤3は 平面視円板形状をしており、上側部分に設 られる上杵保持部32と、その下側に設けられ る臼部33とから構成される。上杵保持部32は 複数本の上杵5を上下方向に摺動可能に保持 るもので、上杵5を保持するための杵保持孔 が円周方向に所定間隔で上杵5の本数に対応 る数だけ設けてある。臼部33は、円周方向に 所定間隔で下杵6の本数に対応する数だけ設 られた杵保持孔により下杵6を上下方向に摺 可能に保持するもので、臼4を着脱可能に取 り付けるための臼取付孔が上杵5及び下杵6の 持位置に対応して円周方向に所定間隔で複 個設けられている。

 このような構造の回転式粉末圧縮成形機 、回転盤面をその機能により区分すると、 転盤3の回転方向に沿って順に、図2に示す うに、粉末充填部PFS、粉末摺り切り部PWS、 縮成形部PMS、製品取り出し部PES及び滑沢剤 射部LJSを備えている。各部について、以下 説明する。

 粉末充填部PFSにおいて、下杵6を最も下の 位置まで降下させた状態で、製品Qの原料で る粉末がそれぞれの臼4内にほぼ均等に順次 填される。この間、上杵5は、粉末の充填に 干渉しないように、高い位置に保持されてい る。

 粉末摺り切り部PWSでは、臼4内に充填され た粉末の量が、製品Qを製造するのに必要な となるように、下杵6を製品Q毎に設定された 所定位置まで上昇させる。そしてその結果、 臼4内から溢れた粉末を回転盤3上から排除し 、それぞれの臼4に充填した粉末の量をほぼ 均一にする。この粉末摺り切り部PWSにおいて も、上杵5は粉末充填部PFSと同様に高い位置 保持されている。

 圧縮成形部PMSでは、上杵5を圧縮の開始位 置まで降下させた後、上杵5及び下杵6を上下 圧縮ロール91,92の間を通過させて、臼4内に 填された粉末を予備的に圧縮する。この後 上下予圧縮ロール91,92を通過した際の位置 維持している上杵5及び下杵6を上下本圧縮ロ ール93,94の間を通過させて、予圧縮した粉末 さらに圧縮する。

 製品取り出し部PESでは、上杵5を上昇させ てその杵先を臼4内から抜き出し、その後、 杵6を上昇させて臼4内にある製品Qを臼4外に し出す。押し出された製品Qは、回転盤3に ばれて取り出し位置まで移動して収集され 。

 滑沢剤噴射部LJSでは、ノズルアセンブリ7 9の空気吹き出し口78dより下側に先端が位置 るまで上杵5を降下させるとともに、粉末の 填を開始する位置まで下杵6を降下させる。 つまり、上杵5は、その先端と第一噴出部72a の距離が最も短くなる位置まで降下させ、 方、下杵6は、粉末と接触することが予想さ る臼4の内壁の全て及び下杵6の先端に対し 粉末滑沢剤が付着する位置まで降下させる

 なお、上述の各部において、上杵5及び下 杵6の昇降は、従来の回転式粉末圧縮成形機 同様に、各種レール及びカムによりなされ ものである。したがって、詳細な説明及び 示を割愛する。

 ノズル機構7は、図3~6に示すように、粉末 滑沢剤を案内する案内通路71と、案内通路71 に通じその先端に設けられて、少なくとも 杵5及び下杵6の相対移動方向に対して交差す る所定の一本の直線にほぼ一致するように、 案内通路71により案内された粉末滑沢剤を噴 する噴出部72と、噴出部72の近傍において噴 出される粉末滑沢剤を帯電させる電界発生手 段8とを備えている。この実施形態のノズル 構7にあっては、第一噴出部72aが形成された 一板体74、第二噴出部72bが形成された第二 体75、案内通路71が形成された通路本体76、 内通路71に通じる接続管77及び通路本体76を 持するハウジング78によりノズルアセンブリ 79が構成される。このノズルアセンブリ79に 、電界発生手段8を構成する第一電極81及び 二電極82が取り付けられる。なお、電界発生 手段8を構成して第一電極81及び第二電極82に 流高圧電圧を供給する直流高圧供給装置は 例えば上述した特許文献に記載されている のを使用することができる。

 通路本体76は、例えばフッ素樹脂製の厚 のあるほぼ平板からなる。その中実の内部 ほぼ平行に、第一案内通路71aと第二案内通 71bとが相対位置関係が変わらない状態に形 してある。通路本体76は、中実でなくともよ いが、第一案内通路71aと第二案内通路71bとが 独立して動き得ない状態に形成する。また、 通路本体76には、第一電極81と第二電極82とを それぞれ別個に挿入する電極取付孔が、対応 する案内通路71にほぼ平行に設けてある。

 第一案内通路71aは、上杵5に対して粉末滑 沢剤を噴出するように、粉末滑沢剤を第一板 体74に案内するものである。このため、第一 内通路71aは、通路本体76の上面にほぼ平行 形成した後、その先端部分において、ほぼ 直に上側に方向を変えて形成してある。こ に対して、第二案内通路71bは、下杵6及び臼4 の内部つまり臼孔41の内壁面に対して粉末滑 剤を噴出するように、粉末滑沢剤を第二板 75に案内するものである。したがって、第 案内通路71bは、通路本体76の下面にほぼ平行 に形成した後、その先端部分において、ほぼ 垂直に下側に方向を変えて形成してある。こ のような第一案内通路71aと第二案内通路71bと の構造に対応して、それぞれの案内通路71a,71 bの先端に対応する通路本体76の上下面におけ る対応部位には、噴出部72を構成する第一板 74及び第二板体75を取り付けるための第一凹 部76c及び第二凹部76dが設けてある。

 それぞれの案内通路71a,71bに対して、粉末 滑沢剤の供給装置の供給管路を接続する接続 管77a,77bが接続される。接続管77a,77bはそれぞ 、通路本体76と同じく、例えばフッ素樹脂 で、棒形状をしており、その内部に第一及 第二案内通路71a,71bとほぼ同じ内径の接続通 77c,77dが形成されている。そして、接続管77a ,77bが、通路本体76にそれぞれの案内通路71a,71 bと中心軸を同じくして設けられた取付孔に 入されることによって、第一及び第二案内 路71a,71bと接続通路77c,77dとが接続される。ま た、接続管77a,77bの外側の端部には、供給管 を接続するために雄ねじが形成してある。 らに接続管77a,77bにはそれぞれ、接続通路77c, 77dにほぼ平行に、電界発生手段8を構成する 一及び第二電極81,82が貫通する貫通孔が設け てある。

 なお、粉末滑沢剤の供給装置は、この分 で広く知られているものを適用すればよい 具体的には、上述した特許文献に記載され 、微量例えば1時間当たり5~25gの粉末滑沢剤 、それぞれの案内通路71a,71bに対して連続的 に送出するものが挙げられる。そして、粉末 滑沢剤の流量を所定量にするために、例えば 光学的には低角度光拡散方式、電気的には静 電容量方式等によりその流量を検知し、その 検知した流量に基づく粉末滑沢剤の供給量と 、付着せずに回収された回収量との差を演算 する。その後、その演算結果に基づいて、粉 末滑沢剤の流量が所定量になるように、粉末 滑沢剤の供給量をフィードバック制御するも のである。

 第一板体74及び第二板体75は、通路本体76 第一凹部76c及び第二凹部76dに、ねじにより り外し可能に取り付けられる。第一板体74 は第一噴出部72aが、及び第二板体75には第二 噴出部72bがそれぞれ設けてある。第一噴出部 72aと第二噴出部72bとは同じ形状であり、取り 付けられた際に通路本体76の表面(上面及び下 面)とほぼ面一になる表面に形成される。第 噴出部72aと第二噴出部72bとはそれぞれ、溝74 a,75aと貫通孔74b,75bとにより構成される。

 溝74a,75aは、上下杵5,6の先端51,61の幅より なる幅と、上下杵5,6の先端51,61の長さより なる長さとを有し、例えば、その中央部分 最も深くなる形状をして、板体74,75の表面に 開口している。溝74a,75aの深さは、中心から ざかるほど浅くなるものである。溝74a,75aは ノズル機構7がフレーム1に取り付けられた に、臼4の中心の軌跡100に対してその長手方 がほぼ直角に交差するように、それぞれの 体74,75に形成される。

 貫通孔74b,75bは、このような溝74a,75aの内 と連通するもので、溝74a,75aが形成される表 とは反対の表面、つまり第一及び第二凹部7 6c,76dの底面に接触する表面から溝74a,75a内に 通している。貫通孔74b,75bは、第一及び第二 内通路71a,71bとほぼ同じ内径をしており、第 一及び第二板体74,75を凹部76c,76dに取り付けた 際に第一及び第二案内通路71a,71bに連通する うに形成してある。この貫通孔74b,75bに対し その中心軸に直交する方向に、第一及び第 電極81,82が貫通する電極孔が形成してある そして、ノズルアセンブリ79が組み立てられ た場合に、その電極孔を貫通した第一及び第 二電極81,82の先端が、貫通孔74b,75bに露出する ものである。

 通路本体76をフレーム1に取り付けるため ハウジング78は、そのほぼ中央部分がくり かれ、そのくり抜き部78aにおいて通路本体76 が部分的に露出する構造を有している。具体 的には、ハウジング78は、通路本体76より厚 が大なるフッ素樹脂製の板体からなる。く 抜き部78aは、ハウジング78の上面において平 面視ほぼ平行四辺形形状に開口しており、そ の下面においては、第二板体75の第二噴射部7 2bに対応する部位に噴出用開口78b及びその近 の部位に離れて半長円形状の回収用開口78c 設けた構造である。なお、ハウジング78の 面におけるくり抜き部78aの開口は、通路本 76がハウジング78の側面に形成された開口か ハウジング78のくり抜き部78a内に挿入され 場合に、第一噴出部72aが完全に露出する形 であれば、その形状は限定されるものでは い。また、回収用開口78cは、噴出部用開口78 bから回転盤3上に噴出された粉末滑沢剤を回 するためのもので、回転盤3の回転方向にお ける後方に位置するものであれば、その形状 は限定されるものではない。

 そして、ハウジング78のくり抜き部78aの 開口を挟む位置に、空気吹き出し口78dと吸 口78eとが形成してある。空気吹き出し口78d 、第一噴出部72aから噴出されて上杵5に付着 なかった粉末滑沢剤が、上杵5の下端より上 方に拡散することを防ぐためのエアカーテン を形成するためのものである。空気吹き出し 口78dは、ハウジング78に通路本体76が組み込 れた状態で、平面的には、第一噴出部72aを ぼ中心としてその両側に延びるようにして ハウジング78の上面にほぼ平行に開口してい る。また、空気吹き出し口78dは、粉末滑沢剤 を上杵5に付着させる位置において、上杵5の 端より上側にエアカーテンが形成される高 になるように形成してある。この空気吹き し口78dに対向して、エアカーテンとハウジ グ78の上面との間に浮遊する余剰の粉末滑 剤を吸い込む吸入口78eが設けてある。吸入 78eは、空気吹き出し口78dより幅の広い開口 、空気吹き出し口78dとほぼ同じ高さからや 上に形成してある。

 回収用開口78c及び吸入口78eから吸い込ま た粉末滑沢剤は、吸塵用管路73を介して図 しない吸塵機により回収される。このよう 、回収用開口78c及び吸収口78eを介して回収 る粉末滑沢剤が通過する回収通路73bが、ハ ジング78に形成してある。

 電界発生手段8は、図7に示すように、上 した第一電極81及び第二電極82を含んで、電 部83、第一高電圧発生器84、第二高電圧発生 器85、及び電圧制御部86を含んで構成される 電源部83は、直流電圧を発生する。第一高電 圧発生器84及び第二高電圧発生器85は、電源 83に電気的に接続されて、電源部83が出力す 直流電圧を高電圧に変換する。電圧制御部8 6は、第一高電圧発生器84及び第二高電圧発生 器85が出力する出力電圧値を独立に制御する そして、電圧制御部86により制御された第 高電圧発生器84及び第二高電圧発生器85が出 する負の直流高電圧つまり第一直流高電圧 び第二直流高電圧が、第一電極81及び第二 極82に印加される。これに対応して、正の直 流高電圧は、基準電位を保持するフレーム1 印加される。フレーム1を基準電位に保持す つまり地絡させることにより、粉末滑沢剤 付着させる上下杵5,6及び臼4は地絡されるも のとなる。

 第一高電圧発生器84が出力する第一直流 電圧と、第二高電圧発生器85が出力する第二 直流高電圧とは、異なる出力電圧値を示すも のである。第一直流高電圧の電圧値は、第二 直流高電圧の電圧値より低く設定してある。 これは、第一噴出部72aから噴出される粉末滑 沢剤は、上杵5の先端にのみ付着するもので るが、第二噴出部72bから噴出される粉末滑 剤は、下杵6の先端及び臼4の内周壁に付着す る必要がある。このため、第二直流高電圧の 電圧値を第一直流高電圧のそれより高くして 、粉末滑沢剤の要部への付着量が増加するよ うに、粉末滑沢剤を帯電させるものである。 なお、電圧制御部86による第一高電圧発生器8 4及び第二高電圧発生器85の制御は、上記特許 文献のものと同じであってよい。

 このような構成において、ノズルアセン リ79は、図2に示したように、回転式粉末圧 成形機の粉末充填部PFSと製品取り出し部PES の間の位置に取り付けられる。この位置に いて、ノイズアセンブリ79は、滑沢剤噴射 LJSにおいて回転盤3の上面にハウジング78の 面が部分的に接触して、回転盤3の近傍に取 付けられる。この場合に、第一噴出部72aと 二噴出部72bとのそれぞれの貫通孔74b,75bの中 心が、臼4の中心の軌跡100の延長線上に一致 るように、ノズルアセンブリ79を取り付ける ものである。ノズルアセンブリ79をフレーム1 に取り付けた後、粉末滑沢剤の供給管路を接 続管77a,77bに接続するとともに、エアカーテ のための高圧空気を供給するための空気供 管路をノズルアセンブリ79に設けられた接続 端に接続する。

 回転式粉末圧縮成形機が運転されると、 末滑沢剤がノズルアセンブリ79に対して供 されるとともに、電界発生手段8が電界を形 する。接続管77a,77bを介して空気流により搬 送された粉末滑沢剤は、それぞれの案内通路 71a,71bを通ってそれぞれの噴出部72a,72bの貫通 74b,75bに到達する。そして、それぞれの貫通 孔74b,75bを通過することにより粉末滑沢剤は 電し、それぞれの溝74a,75a内に拡散する。そ ぞれの溝74a,75aの幅寸法は、例えば上杵5の 端51の直径に比較して小さい。またそれぞれ の溝74a,75aの長さは、上杵5の先端51の長さよ 長い。したがって、粉末滑沢剤は、上杵5、 杵6及び臼孔41に対して円形ではなくほぼ直 状にそれぞれの噴出部72a,72bから噴出する。

 このようにしてそれぞれの噴出部72a,72bか ら粉末滑沢剤が常時噴出している状態におい て、粉末滑沢剤が噴射された領域を上杵5の 端面,下杵6の上端面及び臼孔41が通過する。 末滑沢剤は直線状に噴出しているが、上杵5 、下杵6及び臼孔41がその直線状の粉末滑沢剤 を通過することにより、上杵5の下端面、下 の上端面6及び臼孔41の内周面それぞれの全 に対して、粉末滑沢剤を噴出したことにな 。そして、粉末滑沢剤は帯電しているので 反対極性に帯電している上杵5、下杵6及び臼 孔41に引きつけられてほぼ均一に付着する。 着した状態では、静電気の吸引力が粉末滑 剤と付着面との間に作用しているので、粉 滑沢剤が付着面から容易には剥がれること ない。 この実施形態にあっては、通路本 76に、第一案内通路71aと第二案内通路71bとを 形成し、その第一案内通路71aに第一噴出部72a を、第二案内通路71bに第二噴出部72bをそれぞ れ連通させているので、第一噴出部72aと第二 噴出部72bとの相対位置がずれることがない。 また、従来のような棒状のノズルを取り付け るものでは、取り付け方によっては、粉末滑 沢剤の噴出方向が設定された方向と異なる場 合が生じたが、この実施形態にあっては、通 路本体76を厚手のある板体により形成すると もに、第一噴出部72aと第二噴出部72bとを板 に形成することにより、そのような不具合 発生を防いでいる。したがって、確実に上 5、下杵6及び臼4内部に粉末滑沢剤を付着さ ることができる。

 しかも、粉末滑沢剤は、上述したように 第一及び第二噴出部72a,72bの溝74a,75aにより 貫通孔74b,75bの出口を中心にして平面視放射 に拡散することを規制されるため、付着せ に回収される量が従来のものに減少する。 たがって、粉末滑沢剤の使用効率を向上さ ることができる。これに加えて、ノズルア ンブリ79に対して上杵5、下杵6及び臼4が移 することを利用して、直線状に噴出する粉 滑沢剤を付着すべき部位に付着させるので 円形、楕円形、あるいは長円形といった杵 の形状、言い換えれば製品Qの形状が異なっ も、一種類の噴出部形状によりそれら各種 形状に対応して粉末滑沢剤を付着させるこ ができる。さらに、この実施形態では、そ ぞれの案内通路71a,71bとそれぞれの噴出部72a ,72bとを取り外しし得るように構成している で、容易にそれぞれの噴出部72a,72bを取り外 ことができ、上記形状に応じた噴出部72a,72b を用意することも可能である。

 以上の構造を有する回転式粉末圧縮成形 において、粉末滑沢剤としてステアリン酸 グネシウムを使用した場合の、粉末滑沢剤 付着評価試験の結果を説明する。この付着 価試験は、上下杵5,6や臼4に付着した粉末滑 沢剤の量を直接に計測することは困難が多い ので、所定時間、具体的には5時間にわたっ 製品Qの成形を継続し、その間に製品Qに付着 した粉末滑沢剤の量により、付着の程度を評 価するものにした。

 付着評価試験に際して、回転式粉末圧縮 形機(以下、本機と称する)の回転盤3の回転 を40rpm(回転/分)、粉末滑沢剤の噴霧風量を12 l/min(リットル/分)、粉末滑沢剤を吸引する際 風量であるパージ風量を12l/min、排気圧を500 Pa(パスカル)とするとともに、粉末滑沢剤は 時間当たり10gをノズル機構7に対して供給し 。なお、この付着評価試験では、第一電極8 1及び第二電極82に電圧を印加しなかった。ま た、比較のために、国際公開第WO2005/110726号 ンフレットに記載の回転式粉末圧縮成形機( 下、比較機と称する)を使用して、同じ条件 の下に付着評価試験を行った。

 まず、粉末滑沢剤を噴霧しながら、粉末 成形して製品Qとする通常の運転で、一時間 毎の製品Qを取り出し、取り出した製品Qに付 している粉末滑沢剤の量を測定した。その 果、製品Q一個に含まれる粉末滑沢剤は、一 個当たり0.01パーセントの重量で製品に付着 ていた。比較機においても、同じ結果を得 。

 次に、第一電極81と第二電極82間に電圧を 印加して、付着条件を変えた場合の付着評価 試験を説明する。この付着評価試験において 、印加する電圧を20kVにした場合と、40kVにし 場合との製品一個当たりの粉末滑沢剤の含 量を測定した。その結果、本機においては 20kV及び40kVともに粉末滑沢剤の含有量は、 個当たり0.04パーセントとなった。これに対 て、比較機は、粉末滑沢剤を帯電させるた に20kVの電圧を帯電用の電極に印加した場合 、粉末滑沢剤の含有量は、一個当たり0.01パ セントであり、40kVに昇圧した場合は、0.03パ ーセントに増加した。

 この結果から、本機は、同一の電圧設定 、付着効率を向上させることが判明した。

 なお、上述の実施形態においては、粉末 沢剤を帯電させる電界発生手段8を備えるも のを説明したが、電界発生手段8を備えない 成であってもよい。すなわち、粉末滑沢剤 帯電させることなく噴出させる構成であっ もよい。上述の実施形態の構成を採用する 合、通路本体76の電極取付孔は不要となるこ とは言うまでもない。

 また、上述の実施形態では、それぞれの 内通路71a,71bが中実の通路本体76に形成され 、その通路本体76に噴出部72a,72bが形成され 板体74,75を取り付けたものを説明したが、 記特許文献に記載のもののように、それぞ 独立したノズルとなる構造であってもよい すなわち、棒状もしくは筒状の部材に案内 路を形成し、その部材の先端に噴出部を形 した板体を取り付けて一つのノズルとする のであってもよい。

 さらに、上述の実施形態では、エアカー ンを形成するための空気吹き出し口78dを説 したが、噴き出された粉末滑沢剤の横方向 の拡散を抑制するために、空気吹き出し口7 8dより下側の所定位置にさらに別の空気吹き し口を設けるものであってもよい。具体的 は、第一噴出部72aの溝74aの幅方向の両側に アカーテンが形成されるように、例えばハ ジング78の上面に沿うように開口する、短 の、対をなす空気吹き出し口を設けるもの ある。あるいは、空気吹き出し口78dの両端 ら下側に、空気吹き出し口78dとほぼ同じ幅 開口を、ハウジング78の上面に達するまで形 成するものであってもよい。

 このようなエアカーテンのための空気吹 出し口の構造に対して、余剰の粉末滑沢剤 回収率を高めるために、余剰の粉末滑沢剤 吸い込むための吸入口を上述の吸入口78eと 別に設けてもよい。具体的には、例えば上 した追加の空気吹き出し口と対をなす形状 ある。

 その他、各部の具体的構成についても上 実施形態に限られるものではなく、本発明 趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能で る。

 本発明の活用例として、回転式粉末圧縮 形機に取り付ける場合を説明したが、回転 でなくとも、上下杵及び臼とノズル機構の ズルアセンブリとが相対的に移動する構成 粉末圧縮成形機であれば活用することがで る。