Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
OCCUPANT PROTECTION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096486
Kind Code:
A1
Abstract:
An occupant protection device (airbag ECU (1)) has an input signal acquisition section (11) for acquiring an acceleration signal or an angular velocity signal from a vehicle-mounted sensor, a digital signal processing section (12) for creating, in a time series of an acceleration signal or an angular speed signal consisting of continuous first, second, and third sections, an output signal by varying the multiplication coefficient of a second section while comparing it with the first and third sections, a state judgment section (13) for judging a collision or a rollover of a vehicle based on the output signal, and an airbag drive circuit (14) for igniting a squib (32).

Inventors:
YAMASHITA TOSHIYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/071328
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
November 01, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
YAMASHITA TOSHIYUKI (JP)
International Classes:
B60R21/16; B60R21/00; G01P5/00
Domestic Patent References:
WO2004036746A12004-04-29
Foreign References:
JPH04146847A1992-05-20
JP2005191895A2005-07-14
JPH07291089A1995-11-07
Attorney, Agent or Firm:
TAZAWA, Hideaki et al. (Sanno Akasaka Sanno Center Bldg. 5F12-4, Nagata-cho 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 14, JP)
Download PDF:
Claims:
 車両に搭載されたセンサから加速度信号もしくは角速度信号を取得する入力信号取得部と、
 連続する第1と第2と第3の区間からなる前記加速度信号もしくは角速度信号の時系列において、前記第1と第3の区間に比較して前記第2の区間における乗算係数を変化させて出力信号を生成するデジタル信号処理部と、
 前記出力信号に基づき車両の衝突もしくは横転判定を行う状態判定部と、
を備えたことを特徴とする乗員保護装置。
 前記デジタル信号処理部は、
 前記第2の区間を境に、前記第1と第3の区間の乗算係数を対称とするFIRフィルタで構成されることを特徴とする請求項1記載の乗員保護装置。
 前記デジタル信号処理部は、
 前記第2の区間における乗算係数を、前記第1、第3の区間における乗算係数より大きな値を設定することを特徴とする請求項2記載の乗員保護装置。
 前記デジタル信号処理部は、
 前記第1の区間から第3の区間における乗算係数の設定値を1:2:1とすることを特徴とする請求項3記載の乗員保護装置。
 前記状態判定部は、
 前記デジタル信号処理部が、前記第2の区間における乗算係数を前記第1、第3の区間における乗算係数より小さな値に設定することにより生成される出力信号を積分し、前記積分して得られる出力信号が所定の値以上となった場合に前記車両の衝突もしくは横転判定を行うことを特徴とする請求項1記載の乗員保護装置。
 前記デジタル信号処理部は、
 前記第1の区間から第3の区間における乗算係数を全て同一極性に設定することを特徴とする請求項1記載の乗員保護装置。
 前記デジタル信号処理部は、
 前記第1の区間から第3の区間における乗算係数の総和を1に設定することを特徴とする請求項2記載の乗員保護装置。
 前記デジタル信号処理部は、
 前記加速度信号もしくは角速度信号の複数の区間平均処理を行い、前記区間平均処理結果を組み合わせて前記第1と第3の区間に比較して前記第2の区間の乗算係数を変化させて出力信号を生成することを特徴とする請求項1記載の乗員保護装置。
 前記デジタル信号処理部は、
 比較的短期の区間平均を所定時間遅延させた出力と、前記区間よりは長期の区間平均出力とを加算して出力信号を生成することを特徴とする請求項8記載の乗員保護装置。
 前記状態判定部は、
 前記デジタル信号処理部が、短期の区間平均を所定時間遅延させた出力を長期の区間平均出力から減算することにより生成される出力信号を積分し、前記積分して得られる出力信号が所定の値以上となった場合に前記車両の衝突もしくは横転判定を行うことを特徴とする請求項8記載の乗員保護装置。
 前記状態判定部は、
 前記デジタル信号処理部により生成される出力信号の振幅が所定値以下の成分を除去して積分を行なうことを特徴とする請求項5記載の乗員保護装置。
 前記デジタル信号処理部は、
 前記遅延時間を、前記長期の区間平均の半分に設定することを特徴とする請求項9記載の乗員保護装置。
Description:
乗員保護装置

 この発明は、特に、車両に搭載されたエ バッグの展開制御に用いて好適な、乗員保 装置に関するものである。

 乗員保護装置として、例えば、車両の衝 時にエアバッグを展開することにより乗員 保護するエアバッグ装置が知られている。 両の各部に配置されたGセンサにより車両に 加わる衝撃が測定されると、このエアバッグ 装置は、その結果得られた測定値をデジタル 信号に変換してエアバッグECU(電子制御ユニ ト)に送信し、エアバッグECUが、受信した衝 加速度に基づいて衝突の有無を判定するこ によりフロントエアバッグやサイドエアバ グの駆動制御を行なう。

 このため、車両に搭載されたエアバッグ 駆動要否を判定する上で、振動成分と衝突 分とを識別することが重要である。例えば 前面衝突の成分の中では悪路走行時に発生 る振動成分に対して乗員保護装置の駆動が 要であり、また、側面衝突の成分の中でも アの強閉時に乗員保護装置の駆動が不要な 動成分が発生するため、これらを演算によ 除去することが望まれる。同様に、横転に しても悪路走行時に不要な角速度成分が発 するため、振動成分と横転による衝突成分 を識別することが必要になる。したがって 員保護装置の起動は不要成分に対して誤動 することなく、かつ、衝突開始から数十ms 内の早期タイミングで判定する必要がある

 上記した要望に応えるため、従来、車両 Gセンサを搭載し、Gセンサにより検出され 加速度成分に対して積分を実施し、積分値 一定値を超えた場合に乗員保護装置を起動 る方法が採られている。また、IIR(Infinite Imp ulse Response)型の数次線形フィルタを用いて衝 突判定を行い、乗員保護装置を起動する方式 も提案されている(例えば、特許文献1参照)。

特開平4-146847号公報

 上記した従来技術によれば、高周波成分を 去するLPF(ローパスフィルタ)を設定する場 、振動成分を減衰させるために、LPFのカッ オフ周波数を低く、あるいは次数を高く設 する必要があり、一方で、衝突成分を遅延 せないために、LPFのカットオフ周波数を高 、あるいは次数を低く設定する必要がある いった、それぞれ相反する課題を満足させ 必要がある。
 また、特許文献1に開示された技術によれば 、積分を実施する判定方式より判定に要する 時間が短く、したがって適正なタイミングで エアバッグの展開制御が可能であるが、振動 成分と衝突成分の入力レベルが同じ場合、出 力値に差異が生じないため、振動成分と衝突 成分との正確な識別が困難であるといった課 題がある。

 この発明は上記した課題を解決するため なされたものであり、衝突成分に対して遅 時間を制御して振動成分を減衰させ、車両 搭載されたエアバッグ等を正確に、適正な イミングで駆動することのできる乗員保護 置を得ることを目的とする。

 上記した課題を解決するために、この発 の乗員保護装置は、車両に搭載されたセン から加速度信号もしくは角速度信号を取得 る入力信号取得部と、連続する第1と第2と 3の区間からなる前記加速度信号もしくは角 度信号の時系列において、前記第1と第3の 間に比較して前記第2の区間の乗算係数を変 させて出力信号を生成するデジタル信号処 部と、前記出力信号に基づき車両の衝突も くは横転判定を行う状態判定部と、を備え ものである。

 この発明によれば、衝突成分に対して遅 時間を制御して振動成分を減衰させるとと に、車両に搭載されたエアバッグ等を正確 、適正なタイミングで駆動することのでき 乗員保護装置を得ることができる。

車両に搭載されるエアバッグシステム 一例を示す図である。 図1に示したエアバッグシステムのシス テム構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るデジタル 信号処理部12の内部構成をブロック線図で示 たものである。 図3に示した各関数演算器に設定するFIR フィルタのパラメータ構成を説明するために 示した図である。 この発明の実施の形態1に係るデジタル 信号処理部の動作を説明するために示した図 である。 この発明の実施の形態1に係るデジタル 信号処理部に設定されるパラメータ毎の出力 特性を説明するために示した図である。 この発明の実施の形態1に係るデジタル 信号処理部に設定されるパラメータ毎の出力 特性を説明するために示した図である。 この発明の実施の形態1に係るデジタル 信号処理部に設定されるパラメータ毎の出力 特性を説明するために示した図である。 この発明の実施の形態1に係るデジタル 信号処理部に設定されるパラメータ毎の出力 特性を説明するために示した図である。 この発明の実施の形態1に係るデジタ 信号処理部に設定されるパラメータ毎の出 特性を説明するために示した図である。 この発明の実施の形態2に係るデジタ 信号処理部の内部構成をブロック線図で示 たものである。 この発明の実施の形態2で用いられる レベル成分除去回路の入出力の関係式を示 図である。 この発明の実施の形態2に係るデジタ 信号処理部の動作を説明するために示した である。 この発明の実施の形態3に係るデジタ 信号処理部の内部構成をブロック線図で示 たものである。 この発明の実施の形態4に係るデジタ 信号処理部の内部構成をブロック線図で示 たものである。

 以下、この発明をより詳細に説明するため 、この発明を実施するための最良の形態に いて、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
 図1は、車両に搭載されるエアバッグシステ ムの一例を示す図である。図1に示されるよ に、車両が前面衝突、側面衝突、あるいは 転した場合に乗員を保護するエアバッグシ テムは、車両の略中央部に設置され、エア ッグの展開制御を行うエアバッグコントロ ルユニット1(以下、エアバックECU1という)と 乗員を保護するフロントエアバッグ2と、サ イドエアバッグ3とにより構成される。
 フロントエアバッグ2、サイドエアバッグ3 駆動は、エアバックECU1が、車両に搭載され 加速度センサやジャイロセンサによって計 される加速度や角速度を電圧信号に変換し 当該電圧信号を内蔵するマイクロコンピュ タにより計算することで、衝突や横転の際 大小を演算することにより実現される。そ て、この演算値があらかじめ設定した閾値 越えた場合、駆動回路から点火信号が出力 れエアバッグが起動される。

 図2は、図1に示したエアバッグシステム システム構成を示す図であり、エアバッグEC U1と、エアバッグユニット30とにより構成さ る。

 エアバッグECU1は、入力信号取得部11と、 ジタル信号処理部12と、状態判定部13と、エ アバッグ駆動回路14と、加速度を計測するGセ ンサ15と、ジャイロセンサ16と、当該Gセンサ1 5、およびジャイロセンサ16により計測される 、加速度信号成分、角速度信号成分のそれぞ れをデジタル信号に変換するA/Dコンバータ17 を有する。また、エアバッグユニット30は エアバッグ本体31と、スクイブ(起爆剤)32と 有する。

 入力信号取得部11は、A/Dコンバータ17から 加速度信号もしくは角速度信号を取得してデ ジタル信号処理部12へ供給する。デジタル信 処理部12は、連続する第1と第2と第3の区間 らなる加速度信号もしくは角速度信号の時 列において、第1と第3の区間に比較して第2 区間の乗算係数を変化させて出力信号を生 し、状態判定部13へ供給する。上記した区間 については図4を用いて後述する。状態判定 13は、デジタル信号処理部12により生成され 出力信号に基づき車両の衝突もしくは横転 定を行い、エアバッグ駆動回路14を制御す 。

 図3は、この発明の実施の形態1に係るデジ ル信号処理部12の内部構成をブロック線図で 示したもので、サンプリングの対象となる、 連続する第1と第2と第3の区間からなる加速度 信号もしくは角速度信号の時系列(A/Dコンバ タ17の出力)は、関数演算器(K 1 )122 -1 、および遅れ要素(Z -1 )121 -1 に入力される。サンプリング値となるZ -1 は後段に順次伝播され、各Z -1 の出力に接続されるそれぞれの関数演算器122 -2 ~122 -n は、各々に設定されたパラメータ(乗算係数K 1 ~K 2N+N )に基づき、伝播される各Z -1 に対して関数演算を施してFIR(Finite Impulse Res ponse)フィルタ処理を施す。また、各関数演算 器122 -1 ~122 -n の出力は加算器123により加算され、状態判定 部13としての比較器124に供給される。比較器1 24は、入力値である加算器123の出力に対してF IRフィルタ処理された値が閾値(THR)を超える 否かにより衝突判定を行い、加算器123の出 がTHRを超えた場合にエアバッグユニット30を 展開する起動信号を出力する構成になってい る。

 図4は、図3に示した各関数演算器122 -1 ~122 -n に設定するFIRフィルタのパラメータ構成を説 明するために示した図である。横軸にサンプ リング時間[ms]を、縦軸に各関数演算器122 -1 ~122 -n に設定される乗算係数を示す。ここでは、サ ンプリング時間0~Tの区間(関数演算器K 1 ~K N' )を第1の区間、T~2Tの区間(関数演算器K N'+1 ~K N'+N )を第2の区間、2T~3Tの区間(関数演算器K N'+N+1 ~K 2N'+N )を第3の区間と称している。
 図4から明らかなように、デジタル信号処理 部12は、第2の区間中央を境に、第1と第3の区 の乗算係数を対称とするFIRフィルタで構成 れる。すなわち、第1と第3の区間における 定値をA1、第2の区間における設定値を、第1 第3の区間における設定値より大きな設定値 A2とし、ここでは、第1の区間と、第2の区間 、第3の区間における乗算係数の設定値の比 (重み付け)を1:2:1としている。理由は後述す る。なお、上記したパラメータは、エアバッ グECU1内蔵のメモリ(データテーブル)に最適な 値が書き込まれているものとする。

 図5は、この発明の実施の形態1に係るデジ ル信号処理部の動作を説明するために示し 図であり、具体的には、入力レベルが同じ 動成分と衝突成分に関して、図4に示す乗算 数が設定されたFIRフィルタを通過させた場 の出力例を示す図である。
 図5(a)は悪路走行における振動成分を、図5(b )は単発入力における衝突成分を、図5(c)は、F IRフィルタの出力特性を示し、いずれも、横 に時間を、縦軸にGを示している。振動成分 と、衝突成分の入力レベルが同じ場合であっ ても、図5(c)の出力特性に示されるように出 値に大小関係が生じ、振動成分は点線で示 閾値(THR)以下であるためエアバッグ展開信号 を出力せず、衝突成分のみTHRを超えるため、 FIRフィルタによりエアバッグ展開信号を出力 するような制御が可能になる。

 図6~図10は、この発明の実施の形態1に係る ジタル信号処理部12(FIRフィルタ)に設定され パラメータ毎の出力特性を説明するために した図である。ここでは、Nを一定としてN を変動(α=N’/N)させ、それぞれ、αを、0.2(図 6)、0.4(図7)、0.6(図8)、0.8(図9)、1.0(図10)とした 場合の出力特性をシミュレーションしたもの である。
 図6~図10のいずれも、(a)はパラメータを、(b) は悪路走行時に100Hzの振動成分が入力される うなケースを想定してその周波数成分をカ トするゲイン特性を、(c)は振動成分と衝突 分との出力比較を、(d)はその積分比較を示 、また、(c)(d)において、細線は振動成分を 太線は衝突成分を示す。

 図6(a)、図7(a)と、図8(a)~図10(a)とを比較して らかなように、第1と第3の区間における乗 係数の設定値が、第2の区間の設定値より小 いケース(α=0.6~1.0)では、図6(c)、図7(c)と、 8(c)~図10(c)とを比較して明らかなように、衝 波形と振動波形とに対応した出力値に差違 生じるため、図8(d)~図10(d)に示される積分等 、識別のための追加演算が不要になる。
 特に、図10(c)に示すα=1.0とした場合の出力 性は、振動成分と衝突成分にほぼ2倍の差が らわれ、したがって識別が容易になる他、 の波形に相違があらわれるタイミングが最 はやいことがわかる。このときの入力にお る第1の区間と、第2の区間と、第3の区間の 算係数の設定値の比率(重み付け)は、図10(a) 示されるように、ほぼ、1(0.025):2(0.05):1(0.025) なっている。

 上記した実施の形態1によれば、車両に搭載 されたセンサから得られる過去の一定時間の データに対し、区間毎に乗算係数の重み付け を調整したパラメータ構成を持つフィルタ処 理を行うことで、衝突波形と振動波形それぞ れに対して行われる単純な係数の乗算によっ て、出力される値(あるいは積分値)に差違が じるため、その大小による識別が可能とな 。また、FIRフィルタにより、K 1 ~K N' とK N'+N+1 ~K 2N'+N を同数、同値とすれば、入力波形が正負で対 称な場合、出力も対称となる。更に、正負の 入力順序によらず、確実に出力レベルを決定 することが可能になる。
 このように、振動入力と単発入力との識別 を改善し、また、早いタイミングで識別が 能になるため、悪路走行、ドア強閉、ハン リング、衝突時の部材の共振等により発生 る振動成分を減衰させ、衝突時の減速量に 結する成分を正確、迅速に抽出することが きる。したがって、このフィルタの出力に づき車両の横転・衝突判定を行うことで、 両に搭載されたエアバッグ等を正確に、適 なタイミングで駆動することができる。

 なお、N=N’、すなわち、α=1.0の場合の乗算 数の第1の区間と第2の区間と、第3の区間に ける設定値の比率を1:2:1とすることにより 正弦波以外の周期性のある振動波形に対し も振動成分を減衰させられるといった効果 得られる。
 また、乗算係数K 1 ~K 2N'+N は全て同極性としている。これは、FIRフィル タのパラメータを全てプラスとすることで実 現される。マイナスのパラメータを含むFIRフ ィルタや高次のIIRフィルタでは負成分の入力 に対し正の出力が発生するが、閾値が小さく 、入力Gが過大なケース(オーバーシュート)で は誤判定する可能性があり、逆極性の成分を 出力しないようにすることでこれを防止でき る。更に、ここでは乗算係数K 1 ~K 2N'+N の総和を1としている。入力波形の最終積分 (DC成分)を保持するためにLPFを使うが、FIRフ ルタのパラメータの総和が1となるように設 定することで積分波形に含まれる不安定な高 周波成分のみを除去することで衝突速度を保 持することができる。

実施の形態2.
 図11は、この発明の実施の形態2に係るデジ ル信号処理部12の内部構成をブロック線図 示したものである。
 図3に示す実施の形態1との差異は、加算器12 3と、比較器124との間に、低レベル成分除去 路125と、積分器126とを付加したことにある

 すなわち、図3を用いて説明したFIRフィルタ による加算器123出力に対し、積分器126で積分 演算を施し、比較器124で算出された積分値が 一定値(THR)を超えたと判定された場合にエア ッグの展開信号を出力する。単発入力のみ はエアバッグの展開判定が不十分なケース 対しても、累積することでより正確な展開 定が可能となる。
 なお、低レベル成分除去回路125は、振動成 に含まれるFIRフィルタで減衰された絶対値 小さい出力成分を除去して積分器126に出力 る。低レベル成分除去の方式としては、図1 2に示す入出力の関係式を用いて絶対値の小 い成分の除去を実施する。

 図12(a)によれば、入力>G0の場合、出力 入力を同じとし、入力の絶対値<G0の場合 出力は0とし、入力<-G0の場合、出力と入力 を同じとすることにより、低レベル成分の除 去を行なう。また、図12(b)によれば、入力> G0の場合、出力は、入力からG0を減算した値 出力し、入力の絶対値<G0の場合、出力を0 し、入力<-G0の場合、出力を入力+G0とする ことにより、低レベル成分の除去を行なう。

 図13は、この発明の実施の形態2に係るデジ ル信号処理部の動作を説明するために示し 図であり、具体的には、入力レベルが同じ 動成分と衝突成分に関し、図11に示したFIR ィルタを通した場合の判定例を説明するた に示した図である。
 図13(a)は、悪路走行時におけるエアバッグ 開不要の振動成分波形と、エアバッグ展開 の衝突成分波形を、図13(b)は、加算器123の出 力であるFIRフィルタを通した振動成分波形と 衝突成分波形を、図13(c)は、加算器123の出力 ら低レベル成分除去回路125により低レベル 分を除去した振動成分波形と衝突成分波形 、図13(d)は、更に積分器126を介して比較器12 4に入力される振動成分波形と衝突成分波形 それぞれを示す。なお、図13中、点線は、閾 値レベル(THR)を示す。図13(c)に示されるよう 、FIRフィルタにより出力された成分に対し 、低レベル成分除去を実施し、図13(d)に示さ れるように衝突成分のみが積分されることが わかる。

 上記した実施の形態2によれば、積分器126に より、FIRフィルタ通過後の検出値の大きさが 一定値以下の成分を除外して積分し、この積 分器126からの出力が所定値以上の場合には横 転・衝突が発生したものとみなしてエアバッ グを展開させることにより、減衰された振動 成分を積分対象外として積分することで、車 両の衝突成分と振動成分との識別性が向上す る。また、単発入力のみでは十分に閾値に到 達しない要件に対しても衝突成分の累積によ りエアバッグの展開制御が可能になる。
 更に、低レベル成分除去回路125により、FIR ィルタ通過後の不要な低出力成分を除去し 検出値に積分を実施することで衝突成分の の抽出が可能となる。また、抽出した衝突 分の大小を判定することで、誤動作するこ なく適切なタイミングでエアバッグを起動 せることが可能となる。

実施の形態3.
 図14は、この発明の実施の形態3に係るデジ ル信号処理部12の内部構成をブロック線図 示したものである。
 この発明の実施の形態3に係るデジタル信号 処理部12は、長期区間平均演算器127と、乗算 128と、短期区間平均演算器129と、ディレイ 路130と、乗算器131と、加算器123とにより構 され、加算器123の出力は、図3に示す実施の 形態1、図11に示す実施の形態2同様、比較器12 4に供給され、ここで、衝突判定がなされエ バッグの展開制御を行なう構成になってい 。

 具体的には、実施の形態3に係るデジタル信 号処理部12は、車両に搭載されたセンサユニ ト20からの信号に対して、長期区間平均演 器127と、短期区間平均演算器129による長期 区間平均と短期の区間平均処理とを組み合 せ、第1と第3の区間に比べ、第2の区間に対 て乗算係数の重み付けを変化させている。 に詳しくは、ディレイ回路130により短期の 間平均を所定時間だけ遅らせた出力と、長 の区間平均の出力とをそれぞれ乗算器128でα 倍、乗算器131でβ倍した結果を、加算器123で 算することによりFIRフィルタ処理を行う構 としている。
 なお、ここで、ディレイ回路130による遅延 間は、長期の区間平均の半分としている。 間積分を組み合わせることで特定の遅延時 を設定することにより、実施の形態1で示し たデジタル信号処理部12と同じ効果が得られ 。入力波形が正負で対称な場合出力も対称 なる。更に、正負の入力順序によらず、確 に出力レベルを決定することが可能になる

 上記した実施の形態3によれば、区間平均 の組み合わせにより、実施の形態1で示した ジタル信号処理部12と同様の効果が得られ、 更に、実施の形態1で必須のFIRフィルタへパ メータを設定するために必要なデータテー ルを持つ必要がない。

実施の形態4.
 図15は、この発明の実施の形態4に係るデジ ル信号処理部12の内部構成をブロック線図 示したものである。
 図14に示す実施の形態3との差異は、加算器1 23と、比較器124との間に、低レベル成分除去 路125と、積分器126とを付加し、更に、ディ イ回路130により短期の区間平均を所定時間 け遅らせた出力を、長期の区間平均の出力 ら加算器123で減算して低レベル成分除去回 125に供給することにある。すなわち、図14 用いて説明したFIRフィルタによる加算器123 出力に対し、積分器126で積分演算を施し、 較器124で算出された積分値が一定値(THR)を超 えたと判定された場合にエアバッグの起動信 号を出力する。単発入力のみではエアバッグ の展開判定が不十分なケースに対しても衝突 成分を累積することでより正確な展開判定が 可能となる。

 上記した実施の形態4によれば、短期の区間 平均を所定時間遅らせた出力を長期の区間平 均の出力から減算する構成とし、減衰された 振動成分を積分対象外として積分することで 、車両の衝突成分と振動成分との識別性が向 上する。また、単発入力のみでは十分に閾値 に到達しない要件に対しても衝突成分の累積 によりエアバッグの展開制御が可能になる。
 更に、低レベル成分除去回路125により、FIR ィルタ通過後の不要な低出力成分を除去し 後に積分を実施することで衝突成分のみの 出が可能となる。また、抽出した衝突成分 大小を判定することで、誤動作することな 適切なタイミングでエアバッグを起動させ ことが可能となる。なお、図14に示した実 の形態3と同様、区間平均の組み合わせによ 実施の形態1で示したデジタル信号処理部12 同様の効果が得られ、実施の形態1で必須の FIRフィルタへパラメータを設定するために必 要なデータテーブルを持つ必要がない。

 以上説明のようにこの発明によれば、FIRフ ルタのパラメータを適切に設定することに り、不要な振動成分を除去し、衝突や横転 の減速成分を抽出することができ、正確に かつ適正なタイミングでエアバッグを駆動 ることができる。
 なお、図2に示すエアバッグECU1を構成する 入力信号取得部11と、デジタル信号処理部12 、状態判定部13と、エアバック駆動回路32の それぞれが持つ機能は、具体的には、エアバ ッグECU1内蔵のマイクロコンピュータが内蔵 メモリに記録されたプログラムを逐次読み し実行することにより実現されるものとす 。また、上記したエアバッグECU1が持つ各構 ブロックの機能は、上記のように全てをソ トウエアによって実現しても、あるいはそ 少なくとも一部をハードウエアで実現して よい。例えば、デジタル信号処理部12や、 態判定部13における処理は、1または複数の ログラムによりコンピュータ上で実現して よく、また、その少なくとも一部をハード エアで実現してもよい。

 以上のように、この発明に係る乗員保護 置は、衝突成分に対して遅延時間を制御し 振動成分を減衰させることで、車両に搭載 れたエアバック等を正確に、適正なタイミ グで駆動することのできる乗員保護装置と たので、車両に搭載されたエアバック等を 動させる乗員保護装置などに用いるのに適 ている。