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Patent Searching and Data


Title:
OFFSET PRINTER AND METHOD, AND PRINTED MATTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128368
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an offset printer for printing the printing face of a running printing base with quick-drying ink through both a printing plate mounted on the outer circumference of a printing drum and a blanket mounted on the outer circumference of a blanket drum. A face-preparing roll is so arranged downstream of the printing drum and the blanket drum as to press the printing face, thereby preparing the surface of the quick-drying ink transferred to the printing face. At this time, the ink is composed of the quick-drying ink, and a compound agent capable of adjusting the viscosity of the ink is added. Moreover, a drying device for drying the ink is arranged downstream of the face-preparing roll.

Inventors:
MATSUBARA MASAHIRO
EDA MASAYUKI
OKAZAKI KATSUTOSHI
Application Number:
PCT/JP2009/057137
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
April 07, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
MATSUBARA MASAHIRO
EDA MASAYUKI
OKAZAKI KATSUTOSHI
International Classes:
B41F23/08; B41F7/02; B41F23/04; B41M1/06; B41M7/00
Foreign References:
JPS62144635U1987-09-11
JP2000158623A2000-06-13
JPS63262244A1988-10-28
JPS6052340A1985-03-25
JP2007090162A2007-04-12
JPH10278220A1998-10-20
JPS62144634U1987-09-11
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Hiroaki et al. (JP)
Hiroaki Sakai (JP)
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Claims:
 版胴外周に装備された刷版及びブランケット胴外周に装備されたブランケットを介して、走行する印刷基材の印刷面にインキを用いて印刷するオフセット印刷機であって、
 前記版胴及び前記ブランケット胴の下流に配置され、前記印刷面を押圧し前記印刷面に転写された前記インキの表面を整面する整面用ロールをそなえている
ことを特徴とする、オフセット印刷機。
 前記インキは、速乾インキである
ことを特徴とする、請求項1記載のオフセット印刷機。
 前記インキには、前記インキの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のオフセット印刷機。
 前記コンパウンド剤添加後の前記インキに含有される前記コンパウンド剤の含有量は、2~10%である
ことを特徴とする、請求項3記載のオフセット印刷機。
 前記インキに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第1添加報知手段をそなえた
ことを特徴とする、請求項3又は4記載のオフセット印刷機。
 前記整面用ロールの下流に、前記印刷面の前記インキを乾燥させる乾燥装置が配設されている
ことを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記インキは、紫外線を受けると硬化する紫外線硬化型インキであって、
 前記乾燥装置は紫外線を照射することにより前記紫外線硬化型インキを硬化させる紫外線照射装置である
ことを特徴とする、請求項6記載のオフセット印刷機。
 前記整面用ロールの上流に、前記印刷面の前記インキの温度を上昇させる加熱装置が配設されている
ことを特徴とする、請求項1~7の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記加熱装置は赤外線を照射することにより前記インキの温度を上昇させる赤外線照射装置である
ことを特徴とする、請求項8記載のオフセット印刷機。
 前記加熱装置が作動している旨報知する加熱報知手段をそなえた
ことを特徴とする、請求項8又は9記載のオフセット印刷機。
 前記整面用ロールの最外周に前記インキを弾く撥油性材料がコーティングされている
ことを特徴とする、請求項1~10の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記整面用ロールの外周には、少なくとも高剛性材料で形成された高剛性層が装備されている
ことを特徴とする、請求項1~11の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記整面用ロールの外周には、弾性体で形成された弾性層と、前記弾性層の外側に配置され前記弾性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層とが装備されている
ことを特徴とする、請求項12記載のオフセット印刷機。
 前記整面用ロールは、外周にブランケットを装備したブランケット胴と、前記ブランケットの外周に装着された水なし平版とから構成されている
ことを特徴とする、請求項1~13の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記整面用ロールは、外周にプレス版を装備したプレス胴で構成されている
ことを特徴とする、請求項1~13の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記整面用ロールは、前記印刷面に5~20kgf/cm2のプレス圧で圧接する
ことを特徴とする、請求項1~15の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記整面用ロールには、圧胴が対向して配設されており、
 前記整面用ロールは、前記印刷基材の厚さから前記整面用ロールおよび前記圧胴の間隙を引いたプレス距離が0.1mm~0.3mmとなるようなプレス圧で圧接する
ことを特徴とする、請求項1~15の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記プレス距離は、0.17mm~0.22mmである
ことを特徴とする、請求項17記載のオフセット印刷機。
 前記版胴及び前記ブランケット胴の下流で、且つ、前記整面用ロールの上流に、前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が配設されている
ことを特徴とする、請求項1~18の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記乾燥装置の下流に、前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が配設されている
ことを特徴とする、請求項6~18の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記ニス転写胴は、外周に刷版を装備された版胴と、外周にブランケットを装備されたニス用ブランケット胴とからなり、前記刷版のニス転写絵柄に対応して前記印刷面に部分的にニスを転写する
ことを特徴とする、請求項19又は20記載のオフセット印刷機。
 前記版胴及び前記ブランケット胴の下流に、前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が配設され、
 前記ニス転写胴は、外周にブランケットを装備されたニス用ブランケット胴を有し、前記ニス用ブランケット胴は、前記整面用ロールを兼ねている
ことを特徴とする、請求項1~18の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記整面用ロールは、前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、プレス版に巻き替えて構成される
ことを特徴とする、請求項22記載のオフセット印刷機。
 前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、前記プレス版に巻き替える旨報知する巻替報知手段をそなえた
ことを特徴とする、請求項23記載のオフセット印刷機。
 前記ニスには、前記ニスの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加され、
 前記ニスに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第2添加報知手段をそなえた
ことを特徴とする、請求項19~24の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記整面用ロールのプレス圧を変更する旨報知するプレス圧変更報知手段をそなえた
ことを特徴とする、請求項1~25の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記印刷基材は、印刷用紙である
ことを特徴とする、請求項1~26の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記印刷基材は、樹脂性シートである
ことを特徴とする、請求項1~26の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
 版胴外周に装備された刷版及びブランケット胴外周に装備されたブランケットを介して、走行する印刷基材の印刷面にインキを用いて印刷するオフセット印刷方法であって、
 前記インキを前記印刷面に転写した印刷工程後に、整面用ロールを前記印刷面に押圧し前記印刷面に転写された前記インキの表面を整面する整面工程をそなえている
ことを特徴とする、オフセット印刷方法。
 前記印刷工程において用いられる前記インキは、速乾インキである
ことを特徴とする、請求項29記載のオフセット印刷方法。
 前記印刷工程において用いられる前記インキには、前記インキの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加されている
ことを特徴とする、請求項29又は30記載のオフセット印刷方法。
 前記コンパウンド剤添加後の前記インキに含有される前記コンパウンド剤の含有量は、2~10%である
ことを特徴とする、請求項31記載のオフセット印刷方法。
 前記インキに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第1添加報知工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項31又は32記載のオフセット印刷方法。
 前記整面工程の直後に、前記印刷面の前記インキを乾燥させる乾燥工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項29~33の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記インキは、紫外線を受けると硬化する紫外線硬化型インキであって、
 前記乾燥工程は紫外線を照射することにより前記紫外線硬化型インキを硬化させる
ことを特徴とする、請求項34記載のオフセット印刷方法。
 前記整面工程の直前に、前記印刷面の前記インキの温度を上昇させる加熱工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項29~35の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記加熱工程は、赤外線を照射することにより前記インキの温度を上昇させる
ことを特徴とする、請求項36記載のオフセット印刷方法。
 前記加熱工程を行っている旨報知する加熱報知工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項36又は37記載のオフセット印刷方法。
 前記整面工程では、最外周に前記インキを弾く撥油性材料がコーティングされた前記整面用ロールを用いる
ことを特徴とする、請求項29~38の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記整面工程では、外周に少なくとも高剛性材料で形成された高剛性層が装備された前記整面用ロールを用いる
ことを特徴とする、請求項29~39の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記整面工程では、弾性体で形成された弾性層と、前記弾性層の外側に配置され前記弾性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層とが装備された前記整面用ロールを用いる
ことを特徴とする、請求項40に記載のオフセット印刷方法。
 前記整面工程では、外周にブランケットを装備したブランケット胴と、前記ブランケットの外周に装着された水なし平版とから構成された前記整面用ロールを用いる
ことを特徴とする、請求項29~41の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記整面工程では、外周にプレス版を装備したプレス胴で構成された前記整面用ロールを用いる
ことを特徴とする、請求項29~41の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記整面工程では、前記整面用ロールを前記印刷面に5~20kgf/cm2のプレス圧で圧接させる
ことを特徴とする、請求項29~43の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記整面工程では、前記整面用ロールに対し圧胴が対向して配設されており、前記整面用ロールを、前記印刷基材の厚さから前記整面用ロールおよび前記圧胴の間隙を引いたプレス距離が0.1mm~0.3mmとなるようなプレス圧で圧接させる
ことを特徴とする、請求項29~43の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記プレス距離は、0.17mm~0.22mmである
ことを特徴とする、請求項45記載のオフセット印刷方法。
 前記印刷工程後で、且つ、前記整面工程の前に、前記印刷面にニスを転写するニス転写工程が設けられている
ことを特徴とする、請求項29~46の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記乾燥工程の後に、前記印刷面にニスを転写するニス転写工程が設けられている
ことを特徴とする、請求項34~46の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記ニス転写工程では、外周に刷版を装備された版胴と、外周にブランケットが装備されたニス用ブランケット胴とを用いて、前記刷版のニス転写絵柄に対応して前記印刷面に部分的にニスを転写する
ことを特徴とする、請求項47又は48記載のオフセット印刷方法。
 前記印刷工程の後に、前記印刷面に前記ニスを転写するニス転写工程が設けられ、
 前記印刷工程後において、前記整面工程または前記ニス転写工程のいずれか一方を選択的に行う
ことを特徴とする、請求項29~46の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記ニス転写工程では、外周にブランケットが装備されたニス用ブランケット胴を用い、
 前記整面工程では、前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットをプレス版に巻き替えた前記整面用ロールを用いる
ことを特徴とする、請求項50記載のオフセット印刷方法。
 前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、前記プレス版に巻き替える旨報知する巻替報知工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項51記載のオフセット印刷方法。
 前記ニスには、前記ニスの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加され、
 前記ニスに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第2添加報知工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項47~52の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記整面用ロールのプレス圧を変更する旨報知するプレス圧変更報知工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項29~53の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記印刷基材として印刷用紙を用いる
ことを特徴とする、請求項29~54の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 前記印刷基材として樹脂性シートを用いる
ことを特徴とする、請求項29~54の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
 請求項29~56の何れか1項に記載のオフセット印刷方法によって印刷されたことを
特徴とする、印刷物。
Description:
オフセット印刷機及び方法並び 印刷物

 本発明は、紫外線硬化型インキを用いて フセット印刷を行なった印刷面にニスコー ィングする印刷物の製造に用いて好適のオ セット印刷機及び方法、並びに、その方法 より製造された印刷物に関する。

 例えば、オフセット印刷のように、印刷 のインキをブランケット表面から印刷基材( 例えば、印刷紙や樹脂フィルム)に転写して 刷を行なう場合、ブランケット表面のイン が全て印刷基材に転写されるわけではなく 図12に示すように、ブランケット1の表面に 着しているインキ膜3は、印刷基材2の表面に 接触すると、インキ膜3の一部が印刷基材2の 面に粘着して転写されるが、インキ膜3の一 部はブランケット1の表面に残り、インキ膜3 二分した状態で転写が行なわれる。

 この際、インキの粘性によってインキ膜3 が引き裂かれるように二分されるため、二分 した各インキ膜3a,3bは、けばだったような凹 の激しい表面状態になる。最も一般的に用 られる酸化重合型のインキの場合、酸化重 しながら乾燥するまである程度の時間を要 るため、図13に示すように、凹凸の激しい 面状態[図13(a)参照]から、時間の経過と共に ンキ膜のレベリング(平滑化)が進む[図13(b) 照]。

 図13(a)に示すように、インキ膜3bの表面の凹 凸が激しいと、光の乱反射が強まるので、外 観されるインキ色の濃度(光学濃度)が実質的 低下してしまう。
 また、光の乱反射が強まると、印刷された ンキの表面がぼやけたようになり光沢度が がったように見え、艶が無くなってしまう つまり、光沢性が低下してしまう。特に、 付加価値印刷として、インキを転写した後 、印刷面上にニスを塗って光沢を出す加工 あるが、凹凸が激しいインキ膜3bの表面に ニスを塗ると、鈍い光沢感になり、光沢性 向上が少なくなる。

 インキ膜3bの表面の凹凸が激しいと、素抜 を発生することもある。
 もちろん、酸化重合型のインキの場合には 時間の経過と共に、図13(b)に示すように、 ンキ膜のレベリングが進んで、凹凸が緩や に緩和されるので、インキ色の濃度の実質 な低下も少なく、ニスを塗った場合にも、 観される光沢性も確保される。
 しかしながら、例えば、上記のインキ転写 に印刷面上にニスを塗って光沢を出す加工 行なう場合など、印刷装置の下流にニスを 布する装置を装備し、印刷後連続的にニス 塗布するようにして生産性を高めることが なわれる。このばあい、ニスを塗布する際 インキ膜の表面をある程度乾燥させておく とが必要になるので、速やかに乾燥するイ キ(速乾性インキ)を用いて印刷を行なう必 がる。

 このような速乾性インキの代表例が、紫 線を受けると硬化する紫外線硬化型インキ( 所謂、UVインキ)である。通常、印刷面上にニ スを塗って光沢を出す加工を行なう場合、こ のようなUVインキを用いて、通常の印刷を行 って、直後に、印刷面上のUVインキに紫外 照射装置(UV装置)を用いて、紫外線(UV)照射し て、UVインキを速やかに乾燥させておいてニ を塗る。

 このように、インキを速く乾燥させると、 然ながらインキ膜表面のレベリングは進ま 、インキ膜表面の凹凸によって、インキ色 度の実質的な低下や、ニスを塗っても期待 る光沢感を得られないといった不具合を招 ことになる。
 この凹凸によって、インキ膜表面において は乱反射するために、表面がぼやけたよう なり光沢度が下がったように見え、艶が無 なってしまう。艶を出すにはできるだけ平 であることが望ましい。

 これに関する技術として、特許文献1には 、表面を十分に平滑に形成されたブランケッ トにニスを塗布して、一定時間後に印刷基材 へ転写することによって光沢性の改善を図る ものが記載されている。具体的には、ブラン ケットシリンダ上の、低エネルギで平滑なコ ーティング面を用いて、コーティング面と印 刷基材との接触中に圧力をかけて、また追加 的に温度を上げて、印刷基材上に、水性コー ティング混合物を堆積させることで、高い光 沢値を得るようにしている(段落0023)。

 また、特許文献2には、コーター部におい て、枚葉紙のインキ層の上に光沢層を形成す る際に、圧胴の軸を移動させることにより圧 胴と版胴とのプレス圧を従来の転写圧と比較 して3倍程度以上高くして、枚葉紙に光沢層 形成する透明樹脂材を転写することにより 光沢層の表面に十分なプレス圧を加えつつ 透明樹脂材の転写を行なう技術が記載され いる。この技術では、インキ層の表面は凹 を有していても、その表面上に透明樹脂材 光沢層の表面が比較的平坦に近い状態とな 、これにより光沢層の光沢値が上がること なる(段落0013)。

特表2003-507204号公報

特開2003-63159号公報

 しかしながら、特許文献1,2の何れの技術 、インキ自体の凹凸に対してはなんら処理 行なわず、インキ層の上に塗布するニスの 沢によって、インキ層表面の凹凸を目立た くする技術とも言え、インキ層表面にニス 等の透明な光沢層を設けることが前提とな 、インキ層表面の凹凸の改善にはならない インキ層表面の凹凸により、インキの素抜 が発生した場合には、なんら解消し得ない

 また、インキ層表面の凹凸は、その上に 布するニス層等の透明な光沢層に対しても 影響は免れない。つまり、インキ層表面に 明な光沢層を塗布した場合、光沢層の表面 らの光の反射と、インキ層と光沢層との境 面からの光の反射とがある。光沢層の表面 らの光の反射が大きいと、インキ層と光沢 との境界面からの光の反射の影響は小さく るが、印刷物を視認した際の印象は異なる のになり、視認した印象を重視する高付加 値印刷の立場では、インキ層と光沢層との 界面からの光が乱反射して光沢性を損なう けでなく、光学濃度も低下する点は無視で ない。

 また、特許文献1の技術では、ブランケット にニスを塗布し、一定時間後に基材へ転写す る技術も記載されているが、この場合、高速 運転には向かない。
 また、特許文献2の技術では、透明樹脂材を 転写する際に、圧胴と版胴とのプレス圧を増 大しているが、透明樹脂材の転写時に圧力を 掛けても、上記のインキの分裂現象と同様に 、透明樹脂材の分裂現象が発生する懸念があ る。また、特許文献2には、転写後にもう一 ローラで圧力を掛けるとも有るが、ローラ 面の材料,粗さなどが特定されておらず、た 圧力をかけるとインキが転移するだけで光 度の向上には寄与しないことも考えられる

 本発明はこのような課題に鑑み案出され もので、インキ層表面の凹凸による光学濃 の低下若しくは光沢性の低下を抑制するこ ができるようにした、オフセット印刷機及 方法並びにその方法により製造された印刷 を提供することを目的とする。

 上記目標を達成するため、本発明のオフ ット印刷機は、版胴外周に装備された刷版 びブランケット胴外周に装備されたブラン ットを介して、走行する印刷基材の印刷面 インキを用いて印刷するオフセット印刷機 あって、前記版胴及び前記ブランケット胴 下流に配置され、前記印刷面を押圧し前記 刷面に転写された前記インキの表面を整面 る整面用ロールをそなえていることを特徴 している(請求項1)。

 また、前記インキは、速乾インキであるこ が好ましい(請求項2)。
 さらに、前記インキには、前記インキの粘 を調整可能なコンパウンド剤が添加されて ることが好ましい(請求項3)。
 また、前記コンパウンド剤添加後の前記イ キに含有される前記コンパウンド剤の含有 は、2~10%であることが好ましい(請求項4)。
 そして、前記インキに前記コンパウンド剤 添加した旨報知する第1添加報知手段をそな えたことが好ましい(請求項5)。

 また、前記整面用ロールの下流に、前記印 面の前記インキを乾燥させる乾燥装置が配 されていることが好ましい(請求項6)。
 さらに、前記インキは、紫外線を受けると 化する紫外線硬化型インキであって、前記 燥装置は紫外線を照射することにより前記 外線硬化型インキを硬化させる紫外線照射 置であることが好ましい(請求項7)。

 また、前記整面用ロールの上流に、前記印 面の前記インキの温度を上昇させる加熱装 が配設されていることが好ましい(請求項8)
 さらに、加熱装置は赤外線を照射すること より前記インキの温度を上昇させる赤外線 射装置であることが好ましい(請求項9)。
 そして、前記加熱装置が作動している旨報 する加熱報知手段をそなえたことが好まし (請求項10)。

 また、前記整面用ロールの最外周に前記イ キを弾く撥油性材料がコーティングされて ることが好ましい(請求項11)。
 さらに、前記整面用ロールの外周には、少 くとも高剛性材料で形成された高剛性層が 備されていることが好ましい(請求項12)。
 また、前記整面用ロールの外周には、弾性 で形成された弾性層と、前記弾性層の外側 配置され前記弾性層よりも高剛性材料で形 された高剛性層とが装備されていることが ましい(請求項13)。

 さらに、前記整面用ロールは、外周にブラ ケットを装備したブランケット胴と、前記 ランケットの外周に装着された水なし平版 から構成されていることが好ましい(請求項 14)。
 また、前記整面用ロールは、外周にプレス を装備したプレス胴で構成されていること 好ましい(請求項15)。
 前記整面用ロールは、前記印刷面に5~20kgf/cm 2のプレス圧で圧接することが好ましい(請求 16)。

 また、前記整面用ロールには、圧胴が対向 て配設されており、前記整面用ロールは、 記印刷基材の厚さから前記整面用ロールお び前記圧胴の間隙を引いたプレス距離が0.1m m~0.3mmとなるようなプレス圧で圧接すること 好ましい(請求項17)。
 さらに、前記プレス距離は、0.17mm~0.22mmであ ることが好ましい(請求項18)。

 さらに、前記版胴及び前記ブランケット胴 下流で、且つ、前記整面用ロールの上流に 前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が 設されていることが好ましい(請求項19)。
 あるいは、前記乾燥装置の下流に、前記印 面にニスを転写するニス転写胴が配設され いることが好ましい(請求項20)。

 これらの場合、前記ニス転写胴は、外周 刷版を装備された版胴と、外周にブランケ トを装備されたニス用ブランケット胴とか なり、前記刷版のニス転写絵柄に対応して 記印刷面に部分的にニスを転写することが ましい(請求項21)。

 また、前記版胴及び前記ブランケット胴の 流に、前記印刷面にニスを転写するニス転 胴が配設され、前記ニス転写胴は、外周に ランケットを装備されたニス用ブランケッ 胴を有し、前記ニス用ブランケット胴は、 記整面用ロールを兼ねていることが好まし (請求項22)。
 さらに、前記整面用ロールは、前記ニス用 ランケット胴の外周に装備されたブランケ トを、プレス版に巻き替えて構成されるこ が好ましい(請求項23)。

 また、前記ニス用ブランケット胴の外周に 備されたブランケットを、前記プレス版に き替える旨報知する巻替報知手段をそなえ ことが好ましい(請求項24)。
 さらに、前記ニスには、前記ニスの粘性を 整可能なコンパウンド剤が添加され、前記 スに前記コンパウンド剤を添加した旨報知 る第2添加報知手段をそなえたことが好まし い(請求項25)。
 そして、前記整面用ロールのプレス圧を変 する旨報知するプレス圧変更報知手段をそ えたことが好ましい(請求項26)。

 前記印刷基材は、印刷用紙であってもよ (請求項27)、樹脂性シート(例えば、PET)であ てもよい(請求項28)。

 また、本発明のオフセット印刷方法は、 胴外周に装備された刷版及びブランケット 外周に装備されたブランケットを介して、 行する印刷基材の印刷面に速乾インキを用 て印刷するオフセット印刷方法であって、 記速乾インキを前記印刷面に転写した印刷 程後に、整面用ロールを前記印刷面に押圧 前記印刷面に転写された前記速乾インキの 面を整面する整面工程をそなえていること 特徴としている(請求項29)。

 また、前記印刷工程において用いられる前 インキは、速乾インキであることが好まし (請求項30)。
 さらに、前記印刷工程において用いられる 記インキには、前記インキの粘性を調整可 なコンパウンド剤が添加されていることが ましい(請求項31)。
 また、前記コンパウンド剤添加後の前記イ キに含有される前記コンパウンド剤の含有 は、2~10%であることが好ましい(請求項32)。
 そして、前記インキに前記コンパウンド剤 添加した旨報知する第1添加報知工程をそな えていることが好ましい(請求項33)。

 また、前記整面工程の直後に、前記印刷面 前記インキを乾燥させる乾燥工程をそなえ いることが好ましい(請求項34)。
 さらに、前記インキは、紫外線を受けると 化する紫外線硬化型インキであって、前記 燥工程は紫外線を照射することにより前記 外線硬化型インキを硬化させることが好ま い(請求項35)。

 また、前記整面工程の直前に、前記印刷面 前記インキの温度を上昇させる加熱工程を なえていることが好ましい(請求項36)。
 さらに、前記加熱工程は、赤外線を照射す ことにより前記インキの温度を上昇させる とが好ましい(請求項37)。
 そして、前記加熱工程を行っている旨報知 る加熱報知工程をそなえていることが好ま い(請求項38)。

 前記整面工程では、最外周に前記インキを く撥油性材料がコーティングされた前記整 用ロールを用いることが好ましい(請求項39) 。
 また、前記整面工程では、外周に少なくと 高剛性材料で形成された高剛性層が装備さ た前記整面用ロールを用いることが好まし (請求項40)。
 また、前記整面工程では、弾性体で形成さ た弾性層と、前記弾性層の外側に配置され 記弾性層よりも高剛性材料で形成された高 性層とが装備された前記整面用ロールを用 ることが好ましい(請求項41)。

 また、前記整面工程では、外周にブランケ トを装備したブランケット胴と、前記ブラ ケットの外周に装着された水なし平版とか 構成された前記整面用ロールを用いること 好ましい(請求項42)。
 さらに、前記整面工程では、外周にプレス を装備したプレス胴で構成された前記整面 ロールを用いることが好ましい(請求項43)。
 さらに、前記整面工程では、前記整面用ロ ルを前記印刷面に5~20kgf/cm2のプレス圧で圧 させることが好ましい(請求項44)。

 また、前記整面工程では、前記整面用ロー に対し圧胴が対向して配設されており、前 整面用ロールを、前記印刷基材の厚さから 記整面用ロールおよび前記圧胴の間隙を引 たプレス距離が0.1mm~0.3mmとなるようなプレ 圧で圧接させることが好ましい(請求項45)。
 さらに、前記プレス距離は、0.17mm~0.22mmであ ることが好ましい(請求項46)。

 前記印刷工程後で、且つ、前記整面工程の に、前記印刷面にニスを転写するニス転写 程が設けられていることが好ましい(請求項 47)。
 あるいは、前記乾燥工程の後に、前記印刷 にニスを転写するニス転写工程が設けられ いることが好ましい(請求項48)。
 前記ニス転写工程では、外周に刷版を装備 れた版胴と、外周にブランケットが装備さ たニス用ブランケット胴とを用いて、前記 版のニス転写絵柄に対応して前記印刷面に 分的にニスを転写することが好ましい(請求 項49)。

 また、前記印刷工程の後に、前記印刷面に 記ニスを転写するニス転写工程が設けられ 前記印刷工程後において、前記整面工程ま は前記ニス転写工程のいずれか一方を選択 に行うことが好ましい(請求項50)。
 さらに、前記ニス転写工程では、外周にブ ンケットが装備されたニス用ブランケット を用い、前記整面工程では、前記ニス用ブ ンケット胴の外周に装備されたブランケッ をプレス版に巻き替えた前記整面用ロール 用いることが好ましい(請求項51)。

 また、前記ニス用ブランケット胴の外周に 備されたブランケットを、前記プレス版に き替える旨報知する巻替報知工程をそなえ いることが好ましい(請求項52)。
 さらに、前記ニスには、前記ニスの粘性を 整可能なコンパウンド剤が添加され、前記 スに前記コンパウンド剤を添加した旨報知 る第2添加報知工程をそなえていることが好 ましい(請求項53)。
 そして、前記整面用ロールのプレス圧を変 する旨報知するプレス圧変更報知工程をそ えていることが好ましい(請求項54)。

 前記印刷基材としては、印刷用紙を用いて よく(請求項55)、樹脂性シートを用いてもよ い(請求項56)。
 また、本発明の印刷物は、請求項29~56の何 か1項に記載のオフセット印刷方法によって 刷されたことを特徴としている(請求項57)。

 本発明のオフセット印刷機(請求項1)及び 法(請求項29)並びに印刷物(請求項57)によれ 、印刷面に転写されたインキの表面を整面 ロールにより押圧し整面するので、インキ 表面のレベリングが進んでインキ層表面の 凸が抑えられて、光学濃度の低下や光沢性 低下を抑制することができる。また、イン の素抜けを抑制することもできる。これに え、印刷面に転写されたインキの表面を整 用ロールにより押圧することにより、印刷 のインキが伸びる。このため、例えば、刷 により印刷された網点が太る(ドットゲイン る)ことにより、インキの濃度が濃くなるた め、使用するインキ量を低減することができ る。

 また、インキとして速乾インキを用いる とにより、印刷面に印刷されたインキを速 乾燥させることができるため、例えば、印 直後の印刷面にニスを転写することが可能 なる(請求項2,30)。

 特に、UVインキ等の速乾性インキは、速 乾燥することからインキ膜表面のレベリン が進まず、インキ膜表面に形成される凹凸 よって、光沢度の低下やインキ色濃度の実 的な低下が避けられなかったが、速乾イン の表面の整面処理によって、このような不 合が解消され、速乾性インキを用いながら 光沢性の向上光学や濃度の向上を実現する とはでき、印刷物の商品性を高めることが きる。

 また、インキにコンパウンド剤を添加し インキの粘性を調整することで、印刷基材 印刷面に形成されるインキ層表面の凹凸を 制することができ、これにより、光学濃度 低下や光沢性の低下をさらに抑制すること できる(請求項3,31)。

 なお、インキに含有されるコンパウンド の含有量を2~10%とすることで、インキ層表 の凹凸を好適に抑制しつつ、印刷面への印 処理も好適に行うことができる(請求項4,32)

 また、オフセット印刷機のオペレータに インキにコンパウンド剤を添加した旨報知 ることができる(請求項5,33)。

 また、整面後に、インキを乾燥処理すれ 、インキ層表面の凹凸を軽減しつつインキ 乾燥を速めることができる。また、インキ 表面のレベリングが進むと、インキ層が均 に乾燥しやすくなり、乾燥処理の効果も高 なり、乾燥処理時間も短縮しうる。これに り、印刷速度の高速化や、乾燥区間の短縮 、即ち、装置の小型化や、さらに、乾燥装 の低容量化にも寄与しうる(請求項6,34)。

 インキが紫外線硬化型インキであれば、 外線を照射することにより、表面の凹凸を 減されたインキを、速やか且つ確実に紫外 硬化型インキを硬化させることができる(請 求項7,35)。

 また、整面前に、加熱装置によりインキを 熱処理することで、インキ層表面のレベリ グを促進することができる。このため、イ キ層表面の凹凸を抑制することができ、こ により、光学濃度の低下や光沢性の低下を らに抑制することができる(請求項8,36)。
 このとき、加熱装置として、赤外線照射装 を用いることで、インキの温度を好適に上 させることができる(請求項9,37)。
 また、オフセット印刷機のオペレータに、 熱装置が作動している旨報知することがで る(請求項10,38)。

 また、整面用ロールの最外周にインキを く撥油性材料がコーティングされていれば 離型性が確保され、整面用ロールにインキ 付着することがなくなるので、整面用ロー への新たなインキ粘着によるインキ層表面 新たな凹凸の発生やインキ層のインキ量の 少などを招くことがなく、インキ層表面の 凸の軽減及びこれを通じたインキ層の光学 度の向上を確実に行なうことができる(請求 項11,39)。

 また、整面用ロールの外周に、高剛性材料 形成された高剛性層が装備されることで、 刷基材の印刷面には高剛性層が当接し、こ により、インキ層表面を好適に平滑にする とができる(請求項12,40)。
 また、整面用ロールの外周に、弾性体で形 された弾性層と、その外側に配置された高 性層とを装備すれば、整面用ロールの印刷 へのプレス圧及びプレス幅を適切なものに やすく、インキ層や印刷基材を過剰に圧す ことなく表面の凹凸を軽減することができ (請求項13,41)。

 整面用ロールは、外周にブランケットを装 したブランケット胴と、ブランケットの外 に装着された水なし平版とから構成しても 離型性を確保しながら、整面用ロールの印 面へのプレス圧及びプレス幅を適切なもの しやすく、インキ層表面の凹凸の軽減及び れを通じたインキ層の光学濃度の向上を確 に行なうことができる(請求項14,42)。
 また、整面用ロールを、外周にプレス版を 備したプレス胴から構成しても、整面用ロ ルの印刷面へのプレス圧及びプレス幅を適 なものとすることができる(請求項15,43)。

 また、整面用ロールが印刷面に5~20kgf/cm2の レス圧で圧接するようにすれば、インキ層 印刷基材を過剰に圧することなく表面のイ キ層の凹凸を軽減することができる(請求項1 6,44)。
 また、プレス距離が0.1mm~0.3mmとなるような レス圧で、整面用ロールを印刷面に圧接す ようにすれば、インキ層や印刷基材を過剰 圧することなく表面のインキ層の凹凸を軽 することができる(請求項17,45)。
 なお、プレス距離は、0.17mm~0.22mmとなること が、好ましい(請求項18,46)。

 さらに、印刷物の上にニスを塗らなくて 、整面だけでも、光沢性が高められ且つイ キ層の光学濃度も高まるが、印刷後の整面 理の前に、或いは、インキ乾燥処理の後に 印刷面にニスを転写することで、透明のニ 表面による高い光沢性が得られるが、予め ンキ層の凹凸が軽減されているので、ニス とインキ層との境界面の光の乱反射も少な 、より光沢性が高められ、インキ層の光学 度も確保される(請求項19,20,47,48)。

 なお、ニス転写胴を、外周に刷版を装備 れた版胴と、外周にブランケットを装備さ たブランケット胴とから構成し、刷版のニ 転写絵柄に対応して印刷面に部分的にニス 転写すれば、光沢性の高い箇所と光沢性の い箇所とを形成することができ、例えば、 字部分は光沢性を抑えて文字の視認性を確 し、絵柄部分は光沢性を高めてより美観の いものにするなどでき、商品価値を高める とができる(請求項21,49)。

 また、ニス転写胴により、印刷後の印刷基 の印刷面に対し、整面を行うか、またはニ の転写を行うかを選択可能とすることで、 用性を高めることができる(請求項22,50)。
 さらに、ニス用ブランケット胴の外周に装 されたブランケットを、プレス版に巻き替 て整面用ロールとすることができる。この め、整面処理を行う場合には、整面用ロー とする一方、ニス転写処理を行う場合には ニス用ブランケット胴とすることで、印刷 に各種処理を好適に行うことができる(請求 項23,51)。
 また、オフセット印刷機のオペレータに、 ス用ブランケット胴の外周に装備されたブ ンケットを、プレス版に巻き替える旨報知 ることができる(請求項24,52)。

 また、オフセット印刷機のオペレータに、 スにコンパウンド剤を添加した旨報知する とができる(請求項25,53)。
 さらに、オフセット印刷機のオペレータに 整面用ロールのプレス圧を変更する旨報知 ることができる(請求項26,54)。

 また、印刷基材を、印刷用紙とすると、 常印刷を行なうことができ(請求項27,55)、樹 脂性シート(例えば、PET)とすると、整面用ロ ルによりインキ表面を押圧し整面した場合 、インキ層表面のレベリングがより進むよ になり、インキ層表面の凹凸がより一層抑 られて、光学濃度の低下や光沢性の低下を り抑制することができる(請求項28,56)。

図1は、本発明の第1実施形態にかかる フセット印刷機の構成を示す模式的な側面 である。 図2は、本発明の第1実施形態にかかる フセット印刷の工程を(a)~(c)の順に説明する 式的断面図である。 図3は、本発明の第1実施形態にかかる フセット印刷の手順(方法)を説明するフロー チャートであり、(a)は第1実施形態の基本手 を示し、(b)は第1実施形態のニス工程付加の 順を示し、(c)は第1実施形態の第1変形例の 順を示し、(d)は第1実施形態の第2変形例の手 順を示す。 図4は、本発明の第1実施形態にかかる フセット印刷による効果を説明する模式的 面図である。 図5は、本発明の第2実施形態にかかる フセット印刷機の構成を示す模式的な側面 である。 図6は、本発明の第3実施形態にかかる フセット印刷機の構成を示す模式的な側面 である。 図7は、本発明にかかるオフセット印刷 に関する試験の概要を説明するブロック図で ある。 図8は、本発明にかかるオフセット印刷 に関する各試験結果(光沢度)を(a)~(d)にそれぞ れ示すグラフである。 図9は、本発明にかかるオフセット印刷 に関する各試験結果(光学濃度)を示すグラフ ある。 図10は、本発明にかかるオフセット印 に関する試験結果を示す図面代用写真であ 。 図11は、本発明にかかるオフセット印 に関する試験結果を示す図面代用写真であ 。 図12は、本発明の課題を説明する模式 断面図である。 図13は、本発明の課題に関連する説明 る模式的断面図であって、(a)は印刷面の凹 の激しい状態を示し、(b)は印刷面の凹凸の ベリング(平滑化)が進んだ状態を示す。 図14は、本発明の第4実施形態にかかる オフセット印刷機の構成を示す模式的な側面 図である。 図15は、本発明の第4実施形態にかかる オフセット印刷機の整面ロールの断面図であ る。 図16は、本発明の第4実施形態にかかる オフセット印刷機の整面処理を行う場合にお ける一連の動作に関するフローチャートであ る。 図17は、本発明の第4実施形態にかかる オフセット印刷機のニス塗布処理を行う場合 における一連の動作に関するフローチャート である。 図18は、各種条件により変化する印刷 紙の光沢度および濃度を表したグラフであ 。 図19は、第1条件における印刷用紙の表 面の図面代用写真である。 図20は、第3条件における印刷用紙の表 面の図面代用写真である。 図21は、第5条件における印刷用紙の表 面の図面代用写真である。

 以下、図面により、本発明の実施の形態に いて説明する。
[第1実施形態]
 図1~図4は本発明の第1実施形態にかかるオフ セット印刷機及びオフセット印刷方法を説明 するものである。

<オフセット印刷機の構成>
 まず、本実施形態に係るオフセット印刷機 ついて説明する。
 図1に示すように、この印刷機は、印刷基材 としての印刷用紙を供給する給紙部10と、印 用紙の表面に有色通常のUVインキによりオ セット印刷をする印刷部(印刷装置)20と、整 ロール(プレスローラ)32により印刷された印 刷用紙の印刷面のインキ層表面を押圧して整 面する整面処理部(整面装置)30と、UVインキを 乾燥させる第1乾燥部(乾燥装置1)40と、印刷用 紙の表面にUVニス(透明の紫外線硬化型のOPニ 、UVOPニス)を塗布するニス塗布部(ニス塗布 置)50と、印刷用紙の表面に塗布されたUVニ を乾燥させる第2乾燥部(乾燥装置2)60と、排 部70と、を印刷用紙の走行する方向に順に備 えて構成される。図1中、二点鎖線で示す部 は、省略可能或いは追加可能な部材を示す

 なお、印刷基材としての印刷用紙を例示す が、印刷基材には、紙に限らず、例えば、P ET[ポリエチレンテレフタラート (Polyethylene t erephthalate)]等の樹脂シートをはじめ、種々の のを適用しうる。
 また、ここでは、印刷部20は、c(シアン,藍 ),m(マゼンタ,深紅色),y(イエロー,黄色),k(ブラ ック,黒)の4色のプロセスインキをそれぞれ用 いる印刷ユニット21,22,23,24を備えてカラー印 を行なえるように構成されている。

 印刷部20の各印刷ユニット21,22,23,24には、 版胴21a,22a,23a,24a及びブランケット胴21b,22b,23b, 24bが備えられ、版胴21a,22a,23a,24aには図示しな いインキ供給系統からそれぞれのインキが供 給され、それぞれに備えられた刷版の絵柄パ ターンに応じたインキが各ブランケット胴21b ,22b,23b,24bに転写されこれを介して印刷用紙の 表面(印刷面)に転写されるようになっている

 また、各ブランケット胴21b,22b,23b,24bに対 して、圧胴21c,22c,23c,24cが装備され、印刷用 が、各ブランケット胴21b,22b,23b,24bと各圧胴2 1c,22c,23c,24cとの間を走行しながら、各ブラン ット胴21b,22b,23b,24bから刷版の絵柄パターン 応じたそれぞれのインキを転写されるよう なっている。

 また、最上流の圧胴21cの上流、及び各圧胴2 1c,22c,23c,24cの相互間には、渡し胴25a~25dが介装 されており、渡し胴25a~25dを通じて、印刷用 が、その表面をブランケット胴21b,22b,23b,24b 方向(上方)に向けた状態で移動するように案 内される。
 また、印刷部20で使用されるインキは、有 不透明のUVインキ(紫外線硬化型インキ)であ が、本発明としてはUVインキのみを対象と ず、速やかに硬化する速乾性インキについ 広く適用対象とする。

 また、整面処理部30は、整面ロール32によ り印刷面のインキ層表面を押圧して整面する が、本実施形態では、整面ロール32に、印刷 20の各印刷ユニット21~24に用いるブランケッ ト胴21b~24bと同様な、外周にブランケットを 備したブランケット胴とこれに対向する圧 33とが用いられ、渡し胴25eを通じて送られた 印刷用紙の印刷面を加工する。ただし、図2(b )に示すように、整面ロール32のブランケット 32aの外周には、アルミニウム製の基板(アル 層)32b上にシリコーン層32cがコーティングさ てなる水なし平版が装着されている。

 この整面ロール(プレスローラ)32は、本実 施形態のように、通常の印刷機のブランケッ ト胴若しくはニスコータのブランケット胴に 、水なし平版のように、弾性体で形成された 弾性層と、この弾性層の外側に配置された弾 性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層 とからなる表面部材を装備することで構成す るほか、各シリンダ部分に別体の(専用の)整 ロール(プレスローラ)を取付けて、プレス 行なうように構成してもよい。

 また、整面ロール32の印刷面へのプレス圧( 体的には、ニップ圧)は、本実施携帯の条件 下では、ニップ幅10mm程度、換算すると10kgf/cm 2程度が好ましく、好適なニップ圧範囲とし は、5~20kgf/cm2を与えることができる。
 なお、この整面ロール32の構成は、最外周 インキを弾くシリコーン層32c等の撥油性材 の層がコーティングされていること、及び 整面用ロール33の外周には、ブランケット32a のように弾性体で形成された弾性層と、この 弾性層の外側に配置されて弾性層よりも高剛 性材料で形成されたアルミ層32bのような高剛 性層とが装備されていることが好ましく、撥 油性材料はシリコーンに限定されず、弾性体 もブランケット32aに限定されず、高剛性材料 もアルミニウムに限定されない。

 第1乾燥部40は、塗布された印刷用紙の表面 UVインキに紫外線を照射することにより非 触でUVインキの乾燥を行なうUV乾燥装置42を なえている。
 ニス塗布部50では、印刷部20の各印刷ユニッ ト21~24に用いる版胴21a~24a,ブランケット胴21b~2 4b及び圧胴21c~24cと同様な版胴51,ニス用ブラン ケット胴52及び圧胴53を用いて、渡し胴25fを じて送られた印刷用紙の印刷面にUVニスを塗 布する。ここでは、版胴21a~24aと同様に、版 51には刷版が装備され、印刷面に刷版の絵柄 に応じてUVニスを塗布する。

 なお、ニス塗布部50で使用されるニスは、 色透明のUVニス(紫外線硬化型ニス)であるが 本発明としては、塗布後速やかに硬化して 面の光沢が失われないものであれば種々の ス類を広く適用対象とする。また、有色透 のニスも適用対象とする。
 次に、第2乾燥部60は、塗布された印刷用紙 表面のUVニスに紫外線を照射することによ 非接触でUVニスの乾燥を行なうUV乾燥装置61 そなえている。

 なお、この乾燥部60では、ニス塗布部50の圧 胴53からこれに隣接する渡し胴25gを通じて移 された印刷用紙を乾燥用ロール62の外周に って走行させ、UV乾燥装置61からの紫外線を 印刷用紙の表面の凹凸模様を形成された透 樹脂に照射し乾燥させる。
 なお、UVインキやUVニスを用いずに、他の速 乾性インキを用いる場合は、乾燥部40のUV乾 装置42や乾燥部60のUV乾燥装置61に替えて、熱 風又は温風を印刷用紙の表面の透明樹脂に噴 きつけることにより非接触で透明樹脂の乾燥 を行なう熱風(又は温風)乾燥装置を用いたり 例えば乾燥部60の場合、圧胴33,53や乾燥用ロ ール62の周面に熱を供給して印刷用紙の裏面 加熱することにより透明樹脂を加熱乾燥す 加熱乾燥装置を用いたりしてもよい。ある は、UV乾燥装置42,61を含めて、これらの何れ か又は全てを組み合わせて用いても良い。

 排紙部70は、何れも図示しないが、上流か 、排紙胴、搬送チェーン、パイル昇降装置 そなえ、印刷され表面に塗布された透明樹 に凹凸模様を加工された印刷用紙を、搬送 ェーンに装備された図示しないくわえ爪に って係止しながら搬送し、パイル昇降装置 順次積重するようになっている。
 なお、例えば印刷機を高速運転する場合、 燥部60での乾燥処理では透明樹脂の乾燥が 分でない場合には、排紙胴の下流の搬送チ ーンに沿った印刷用シートの搬送ルートに 印刷用シートの印刷面を乾燥させる乾燥装 としてUVランプ(紫外線ランプ)等の乾燥装置 装備し、高速運転でも鏡面印刷用インキが やかに乾燥するように構成しても良い。

 また、前述の圧胴33や乾燥用ロール62の周面 に熱を供給して透明樹脂を加熱する加熱手段 しては、例えば、圧胴33や乾燥用ロール62の 部に、電熱線を組み込み電熱線への供給電 の調整により透明樹脂を所要の乾燥状態に 燥させる構成が考えられる。
 さらに、本実施形態では、ニス塗布部50を けているが、このニス塗布部50は必須ではな く、省略してもよい。ニス塗布部50を省略す 場合、版胴51,ニス用ブランケット胴52及び 胴53と共に渡し胴25fも省略することになり、 整面処理部30の圧胴33を乾燥部60の渡し胴25gに 隣接されることになり、UVインキはこの乾燥 60により乾燥させることができるため、乾 部40も省略することができる。

<オフセット印刷方法>
 本発明の第1実施形態にかかるオフセット印 刷機は上述のように構成されているので、以 下のような手法(本実施形態にかかるオフセ ト印刷方法)で、印刷物を製造することがで る。

 まず、最も基本的な例として、乾燥部40 びニス塗布部50を省略した場合を説明すると 、図3(a)に示すように、給紙部10から印刷部20 移送した印刷用紙に、印刷部20の各印刷ユ ット21,22,23,24でc,m,y,kの4色のプロセスインキ( UVインキ)を用いて通常のカラー印刷を行なう (ステップS10,印刷工程)。このとき、図2(a)に すように、ブランケット1の表面に付着して るインキ膜3は、印刷基材2の表面に接触す と、インキ膜3の一部が印刷基材2の表面に粘 着して転写され、インキ膜3の一部はブラン ット1の表面に残り、インキ膜3が二分した状 態で転写が行なわれる。インキの粘性によっ てインキ膜3が引き裂かれるように二分され ため、二分した各インキ膜3a,3bは、けばだっ たような凹凸の激しい表面状態になる。

 次に、印刷用紙を整面処理部30に移送し 整面ロール32により印刷された印刷用紙の印 刷面のインキ層表面を押圧して整面する(ス ップS20,整面工程)。このときには、図2(b)に すように、印刷用紙2の印刷面の激しい凹凸 状のインキ表面は、整面ロール32によって 圧されて整面されるので、平滑化(レベリン )される(符号3b´参照)。

 この際、整面ロール32最外周に、インキを くシリコーン層32cがコーティングされてい ので、整面ロール32にインキが付着すること がなくなるので、整面用ロール32への新たな ンキ粘着によるインキ層3b表面に新たな凹 が発生したり、インキ層3bのインキ量が減少 したりするなどの不具合も招かない。
 また、整面用ロール32の外周に、ブランケ ト32aで形成された弾性層と、その外側にア ミ層32bで形成された高剛性層とが装備され いるので、整面用ロール32の印刷面へのニッ プ圧及びニップ幅を、例えばニップ幅10mm程 、換算すると10kgf/cm2程度を中心とした、好 なニップ圧範囲5~20kgf/cm2を与えることができ 、インキ層や印刷用紙を過剰に圧することな く表面の凹凸を軽減することができる。

 次に、印刷用紙を、乾燥部60に移送し、渡 胴25g,乾燥用ロール62の外周に沿って走行さ ながら、UV乾燥装置61からの紫外線を、印刷 紙の表面のUVインキに照射し乾燥させる(ス ップS30,乾燥工程)。
 また、乾燥部40及びニス塗布部50を設置した 場合を説明すると、図3(b)に示すように、上 と同様に、印刷部20の各印刷ユニット21,22,23, 24でc,m,y,kの4色のプロセスインキ(UVインキ)を いて通常のカラー印刷を行なう(ステップS10 ,印刷工程)。次に、印刷用紙を整面処理部30 移送し、整面ロール32により印刷された印刷 用紙の印刷面のインキ層表面を押圧して整面 する(ステップS20,整面工程)。

 次に、印刷用紙を、乾燥部40に移送し、乾 部40において、UV乾燥装置42を用いて、整面 れた印刷用紙の表面に紫外線を照射するこ により、非接触でUVインキの乾燥を行なう( テップS30,乾燥工程1)。
 そして、インキを乾燥された印刷用紙を、 ス塗布部50に移送し、図2(c)に示すように、 色透明のUVニス4を塗布する(ステップS40,ニ 塗布工程)。ここでは、版胴51に装着された 版(ニス版)の絵柄に応じて印刷用紙にUVニス4 bが塗布される。

 次に、印刷用紙を、乾燥部60に移送し、渡 胴25g,乾燥用ロール62の外周に沿って走行さ ながら、UV乾燥装置61からの紫外線を、印刷 紙の表面のUVニスに照射し乾燥させる(ステ プS50,乾燥工程2)。
 なお、図1には示さないが、ニス塗布部50と 燥部60との間にも、整面処理部30と同様の整 面処理を設け、ニス塗布工程(ステップS40)と 燥工程2(ステップS50)との間に、第2の整面工 程(ステップS42,整面工程2)を設けてもよい。 の場合は、ステップS20は第1の整面工程(整面 工程1)となる。

<作用、効果>
 このように、本実施形態にかかるオフセッ 印刷機及びオフセット印刷方法並びに印刷 によれば、印刷面に転写されたUVインキ3の 面を整面用ロール32により押圧し整面する で、インキ層3b表面のレベリングが進んでイ ンキ層3b表面の凹凸が抑えられて、光学濃度 低下や光沢性の低下を抑制することができ 。

 つまり、UVインキ等の速乾性インキは、 く乾燥することからインキ膜表面のレベリ グが進まず、インキ膜表面に形成される凹 によって、光沢度の低下やインキ色濃度の 質的な低下が避けられなかったが、速乾イ キの表面の整面処理によって、このような 具合が解消され、速乾性インキを用いなが 、光沢性の向上や光学濃度の向上を実現す ことはでき、印刷物の商品性を高めること できるのである。

 また、図4に示すように、インキの素抜けを 抑制することもできる。
 しかも、かかる整面後に、速乾インキを乾 処理するので、インキ層3b表面の凹凸を軽 しつつインキの乾燥を速めることができる
 また、インキ層3b表面のレベリングが進む とは、インキ層3bを均一に乾燥しやすくなる ので、乾燥処理の効果も高くなって、乾燥処 理時間も短縮することが可能になる。これに より、印刷速度の高速化や、乾燥区間の短縮 化、即ち、装置の小型化や、さらに、乾燥装 置の低容量化にも寄与しうる。

 さらに、インキ乾燥処理の後に、印刷面に スを転写する場合、透明のニス4b表面によ 高い光沢性が得られるが、予めインキ3b層の 凹凸が軽減されているので、ニス層とインキ 層との境界面の光の乱反射も少なく、より光 沢性が高められ、インキ層の光学濃度も確保 される。
 さらに、ニス転写胴を、外周に刷版を装備 れた版胴51と、外周にブランケットを装備 れたニス用ブランケット胴52とから構成し、 ニス版のニス転写絵柄に対応して印刷面に部 分的にニスを転写することができるので、光 沢性の高い箇所と光沢性の低い箇所とを形成 することができ、例えば、文字部分は光沢性 を抑えて文字の視認性を確保し、絵柄部分は 光沢性を高めてより美観の高いものにするな どでき、商品価値を高めることができる。

 また、ニス転写の後にこのニスを乾燥処理 ることにより、ニスを速やかに乾燥させる とができ、ニスの表面の光沢性を失うこと く高速印刷を実施することができる。
 さらに、ニス転写の後のニスを乾燥処理す 前に、ニス表面に第2の整面工程(ステップS4 2)を実施することにより、ニスの表面のレベ ングも進み、ニスの表面の光沢性も向上す ことになり、印刷物の光沢性の向上効果を 進できる。また、光学濃度の向上にも寄与 得る。

 また、印刷基材を、樹脂性シート(例えば、 PET)とすると、整面用ロールによりインキ表 を押圧し整面した場合に、インキ層表面の ベリングがより進むようになり、インキ層 面の凹凸がより一層抑えられて、光学濃度 低下や光沢性の低下をより抑制することが きる。
 なお、本実施形態では、ニス塗布部50を整 処理部30の下流に設けている(つまり、整面 程の次にニス転写工程を備えている)が、ニ 塗布部50を整面処理部30の上流に設け、図3(c )に示すように、図3(b)において、整面工程1( テップS20)を省略し、印刷工程(ステップS10), 燥工程1(ステップS30),ニス塗布工程(ステッ S40),整面工程(ステップS42),乾燥工程2(ステッ S50)の順で処理し、インキの上に載ったニス の表面のみを整面処理するようにしてもよい 。

 この場合、ニスの表面自体のレベリングが み、併せて間接的にインキ層表面のレベリ グも進むようになり、特有の光沢性が得ら 、インキ層の光学濃度もある程度確保され 。
 また、この場合には、図1中に鎖線で示すよ うに、印刷部20の直下流にUV乾燥装置41等の乾 燥装置を設けて、あえてインキ層表面のレベ リング処理は行なわず、その後のニスの表面 についてのみ整面処理でレベリング処理を行 なうようにしてもよい。

 この場合、ニスを部分的に塗布したり、ニ を全面に塗布しながら整面処理については 分的に行なったりすることで、部分的に光 性を与えることが可能になる。
 さらに、図3(b)において、ニス転写工程と印 刷工程とを逆の順序で行なうことも考えられ る。つまり、図3(d)に示すように、ニス塗布 程(ステップA10),第1の整面工程(ステップA20, 面工程1),第1の乾燥工程(ステップA30,乾燥工 1),印刷工程(ステップA40),第2の整面工程(ステ ップA42,整面工程2),第2の乾燥工程(ステップA50 ,乾燥工程2)の順で処理するようにしてもよい 。

 この場合、図3(b)に示す処理とは微妙に異な った光沢性やインキ層の光学濃度特性が現出 し、印刷物の商品性を高めることができる。
 この場合、第2の整面工程(ステップA42,整面 程2)を省略すれば、インキの載った部分(印 部分)はレベリングが進まないまま乾燥する ため光沢性は低いが、インキの載らない地の 部分はニスのレベリングが進んでから乾燥す るため光沢性が高まり、やはり、特有の外観 が現出し、印刷物の商品性を高めることがで きる。

[第2実施形態]
 図5は本発明の第2実施形態にかかるオフセ ト印刷機及びオフセット印刷方法を説明す ものである。図5において、図1と同符号は同 様のものを示し、これらについては説明を省 略する。図5中、二点鎖線で示す部分は省略 能或いは追加可能な部材を示す。

 本実施形態では、各印刷ユニット21,22,23,24 ブランケット胴21b,22b,23b,24bの下流に、それ れ、整面用ロール34a~34dが備えられている。 たがって、第1実施形態の印刷部20から独立 た整面処理部30は省かれている。
 かかる構成でも、第1実施形態と同様の効果 を得られる上に、各インキ毎に整面されるの で、より整面効果を期待できる。

[第3実施形態]
 図6は本発明の第3実施形態にかかるオフセ ト印刷機及びオフセット印刷方法を説明す ものである。図6において、図1と同符号は同 様のものを示し、これらについては説明を省 略する。図6中、二点鎖線で示す部分は省略 能或いは追加可能な部材を示す。

 本実施形態では、各印刷ユニット21,22,23の 流の渡し胴25b~25dに対向して整面用ロール35a~ 35cが備えられ、印刷ユニット24の下流には、 1実施形態と同様の整面用ロール33が備えら る。
 整面用ロール35a~35cは、印刷面の裏側から印 刷基材を押圧するので、本実施形態では、印 刷面の表側に接する渡し胴25b~25d自体も整面 ロールとして機能する。そこで、渡し胴25b~2 5dは、整面用ロール33と同様の表面構造、つ り、外周には、弾性体で形成された弾性層 、前記弾性層の外側に配置され前記弾性層 りも高剛性材料で形成された高剛性層とが 備され、最外周にインキを弾く撥油性材料 コーティングされている。
 かかる構成でも、第1実施形態と同様の効果 を得られる上に、各インキ毎に整面されるの で、より整面効果を期待できる。

[試験例]
 かかる本発明に関し、図7に示すような処理 を行ない、光沢度及び光学濃度を測定した。
 つまり、UVインキ,UVニスを用いて、印刷面 UVインキ,UVニスを塗布した後、プレスありサ ンプルでは、本発明の水なし版を用いた押圧 による整面処理(プレス)をした後でUV硬化さ 、プレスなしサンプルでは、本発明の水な 版を用いた押圧による整面処理(プレス)を行 なうことなくUV硬化させた。
 印刷基材を種々用いて、光沢度及び光学濃 を測定した結果は、図8,図9に示すようにな た。

 図8(a)は、コート紙に墨で印刷した場合を、 図8(b)は、PETに墨で印刷した場合を、図8(c)は コート紙にニスを転写した場合を、図8(b)は 、PETにニスを転写した場合を、それぞれ示す 。いずれの場合も、整面処理(プレス)を行な ことにより、インキもレベリングし、光沢 が上がることが確認できた。
 図9は、PETに墨で印刷した場合を示すが、図 9に示すように、プレスによって光学濃度が きくなることが確認できた。

 このように、プレスによって光学濃度が増 ことから、より少ないインキで所定の光学 度を得ることができる可能性がある。これ よりUVインキの使用量を減らし、印刷物の コスト化を図ることができる可能性がある
 また、図10(a)はプレスなしのベタ部表面写 であり、表面粗さ:1.20μmとなっている。図10( b)はプレスありのベタ部表面写真であり、表 粗さ:0.85μmとなっている。プレスありの整 効果が明確に現れている。

 また、図11(a)はプレスする前のベタ部素 け写真であり、素抜け率:7.1%となっている。 図11(b)はプレス後のベタ部素抜け写真であり 素抜け率:3.0%となっている。プレスありの 抜け低減効果が明確に現れている。

[第4実施形態]
 次に、図14ないし図19を参照して、本発明の 第4実施形態にかかるオフセット印刷機及び フセット印刷方法について説明する。図14は 、本発明の第4実施形態にかかるオフセット 刷機の構成を示す模式的な側面図であり、 15は、本発明の第4実施形態にかかるオフセ ト印刷機の整面ロールの断面図である。ま 、図16は、整面処理を行う場合におけるオフ セット印刷機の一連の動作に関するフローチ ャートであり、図17は、ニス塗布処理を行う 合におけるオフセット印刷機の一連の動作 関するフローチャートである。さらに、図1 8は、各種条件により変化する印刷用紙の光 度および濃度を表したグラフである。そし 、図19は、第1条件における印刷用紙の表面 図面代用写真であり、図20は、第3条件にお る印刷用紙の表面の図面代用写真であり、 21は、第5条件における印刷用紙の表面の図 代用写真である。なお、図14において、図1 同符号は同様のものを示し、これらについ は説明を省略する。第4実施形態のオフセッ 印刷機100は、そのニス塗布部120が、整面処 部としての機能を有している。つまり、ニ 塗布部120は、整面処理部の機能を兼ねてい 。また、ニス塗布部120において、整面処理 行う場合、整面処理前に、加熱部110により 熱処理を行っている。以下、第4実施形態の オフセット印刷機100の構成について具体的に 説明する。

<オフセット印刷機の構成>
 図14に示すように、このオフセット印刷機10 0は、給紙部10と、印刷部20と、加熱部110と、 ス塗布部120と、第2乾燥部60と、排紙部70と を印刷用紙の走行する方向に順に備えて構 されている。なお、給紙部10、印刷部20、第2 乾燥部60および排紙部70の構成は、第1実施形 と同様であるため、説明を省略する。

 このオフセット印刷機100で使用されるイ キは、第1実施形態と同様に、UVインキ等の 乾性インキであるが、この速乾インキには 速乾インキの粘性を調整するコンパウンド が添加されている。コンパウンド剤は、例 ば、感光性樹脂、感光性モノマーおよび光 始剤で構成されており、その配合割合は、 光性樹脂が30%~40%、感光性モノマーが40%~60% 光開始剤が1%~10%となっている。そして、第4 施形態では、速乾インキに添加されるコン ウンド剤の割合が5%となるように、速乾イ キにコンパウンド剤を添加している。なお 本実施形態では、コンパウンド剤の割合を5% としたが、2%~10%の間であれば良い。

 加熱部110は、ニス塗布部120の上流側に配 されており、印刷用紙を乾燥させる赤外線 射装置115が設けられている。また、加熱部1 10には、印刷用紙を印刷部20からニス塗布部12 0へ受け渡す2つの渡し胴25h,25iが配設されてい る。そして、赤外線照射装置115は、渡し胴25i に対向するように配設されている。これによ り、加熱部110は、印刷用紙がニス塗布部120に 移送される前に、印刷用紙に転写された速乾 インキを加熱する。なお、加熱部110は、ニス 塗布部120により整面処理を行う場合に加熱処 理を行うが、一方で、ニス塗布処理を行う場 合に加熱処理を行わない。なお、加熱部110は 、赤外線照射装置115を用いて構成したが、こ れに限らず、例えば、ヒータ等を用いても良 い。

 ニス塗布部120は、第1実施形態と略同様に 構成されており、版胴121,ニス用ブランケッ 胴122及び圧胴123を用いて、渡し胴25jを通じ 送られた印刷用紙の印刷面にUVニスを塗布可 能となっている。また、このニス塗布部120は 、第1実施形態の整面処理部としての機能を しており、具体的には、ニス塗布部120のニ 用ブランケット胴122が、整面ロール125を兼 ている。つまり、ニス塗布部120は、UVニスを 塗布するニス転写工程、または印刷面を整面 する整面工程のいずれか一方を選択的に実行 可能に構成されている。

 ここで、ニス用ブランケット胴122は、シ ンダ130と、シリンダ130の外周に巻回された ランケット(図示省略)で構成されており、 ス用ブランケット胴122をニス転写工程で用 る場合、この状態において、印刷用紙の印 面にUVニスを塗布する。一方で、ニス用ブラ ンケット胴122を整面ロール125として機能させ て整面工程で用いる場合、シリンダ130の外周 に巻回されたブランケットを取り外すと共に 、シリンダ130の外周にプレス版131を巻回する ことにより、ニス用ブランケット胴122を整面 ロール125として機能させることができる。つ まり、図15に示すように、整面ロール125は、 リンダ130と、シリンダ130の外周に巻回され プレス版131で構成されている。なお、整面 程を行う場合、ニス塗布部120は、整面ロー 125へのUVニスの供給を停止させている。

 また、プレス版131は、その内側から、ス ーサ133と、アルミ層134と、シリコーン層135 で構成されている。スペーサ133は、例えば 紙で構成され、シリンダ130の外周とアルミ 134との間の距離を調整している。アルミ層1 34は、第1実施形態と同様に、高剛性層として 機能している。このとき、整面ロール125は、 印刷用紙の厚さから整面ロール125および圧胴 123の間隙を引いたプレス距離が0.1mm~0.3mmとな ようなプレス圧で、印刷用紙を圧接してい 。なお、プレス距離は、0.17mm~0.22mmとするこ とが、好ましく、0.22mmが最も好ましい。

 ここで、ニス塗布部120は、整面処理とニ 塗布処理とを選択的に実行するが、各処理 切り替え時において、オフセット印刷機100 、各部20,110,120に設けた各報知機器140,141,142, 143,144を作動させている。具体的に、各報知 器140,141,142,143,144としては、巻替用報知機器1 40、プレス圧用報知機器141、加熱用報知機器1 42、第1添加報知機器143および第2添加報知機 144があり、これら各報知機器140,141,142,143,144 、オフセット印刷機100のオペレータに対し で報知するアラームや、オペレータに対し 覚的に報知するランプ等で構成されている

 巻替用報知機器140は、ニス塗布部120に設 られており、ニス用ブランケット胴122から 面ロール125へ、また、整面ロール125からニ 用ブランケット胴122へ切り替えられるとき 、プレス版131またはブランケットを巻き替 る旨報知している。また、プレス圧用報知 器141は、ニス塗布部120に設けられており、 面ロール125と圧胴123とのプレス圧を最適な レス圧へ変更するときに、プレス圧を変更 る旨報知している。さらに、加熱用報知機 142は、加熱部110に設けられており、加熱部1 10を作動させたときに、加熱部110を作動させ いる旨報知している。

 第1添加報知機器143は、印刷部20に設けら ており、速乾インキにコンパウンド剤を添 したときに、速乾インキにコンパウンド剤 添加されている旨報知している。また、第2 添加報知機器144は、ニス塗布部120に設けられ ており、UVニスにコンパウンド剤を添加した きに、UVニスにコンパウンド剤が添加され いる旨報知している。

<オフセット印刷方法>
 本発明の第4実施形態にかかるオフセット印 刷機100は、上述のように構成されているため 、図16および図17に示すようなオフセット印 方法で、印刷物が製造される。以下の説明 は、先ず、図16を参照して、ニス塗布部120が 整面処理を行う場合におけるオフセット印刷 方法について説明する。なお、この場合も、 第1実施形態と重複する部分を省略して説明 る。

 先ず、給紙部10から印刷部20に印刷用紙が 搬送されると、印刷部20の各印刷ユニット21,2 2,23,24は、印刷用紙に対し、カラー印刷を行 (ステップS10,印刷工程)。このとき、各ブラ ケット胴21b,22b,23b,24bと印刷用紙との間のイ キ膜3は二分されるため、二分した各インキ 3a,3bは、凹凸形成される(図2(a)参照)。この 合、速乾インキには、コンパウンド剤が添 されているため、二分されるときの速乾イ キの伸長(速乾インキの糸引き)を抑制するこ とができ、これにより、コンパウンド剤を添 加しない場合に比して、インキ膜3b表面の凹 の形成を抑制することができる。

 この後、印刷後の印刷用紙は加熱部110に 送され、赤外線照射装置115により印刷面の 乾インキが加熱される(ステップS100,加熱工 )。これにより、印刷用紙の印刷面に凹凸形 状に形成された速乾インキは、その粘性が低 下することにより、平滑化(レベリング)する

 続いて、加熱後の印刷用紙はニス塗布部1 20に搬送され、ニス塗布部120は、印刷された 刷用紙の印刷面のインキ膜3b表面を、整面 ール125により押圧して整面する(ステップS110 ,整面工程)。このときにも、印刷用紙の印刷 において凹凸形状となったインキ表面は、 面ロール125によって押圧され整面されるこ により、平滑化される。そして、平滑とな た印刷用紙は第2乾燥部60に搬送され、第2乾 燥部60は、UV乾燥装置61からの紫外線を、印刷 用紙の表面の速乾インキに照射し乾燥させる (ステップS30,乾燥工程)。この後、乾燥された 印刷用紙は、排紙部70から排紙される。

 一方、図17を参照して、ニス塗布部120が ス塗布処理を行う場合のオフセット印刷方 について説明するに、先ず、給紙部10から印 刷部20に印刷用紙が搬送されると、ステップS 10の印刷工程と同様に、印刷部20の各印刷ユ ット21,22,23,24は、印刷用紙に対し、カラー印 刷を行う(ステップS10,印刷工程)。

 この後、印刷後の印刷用紙は加熱部110に 送されるが、加熱部110は作動停止している め、加熱されずに加熱部110を通過する。続 て、加熱部110を通過した印刷用紙は、ニス 布部120に搬送され、ニス塗布部120は、印刷 れた印刷用紙の印刷面のインキ膜3b表面を ニス用ブランケット胴122により押圧してUVニ スを塗布する(ステップS120,ニス転写工程)。 して、UVニスが塗布された印刷用紙は第2乾 部60に搬送され、第2乾燥部60は、UV乾燥装置6 1からの紫外線を、印刷用紙の表面のUVニスに 照射し乾燥させる(ステップS30,乾燥工程)。こ の後、乾燥された印刷用紙は、排紙部70から 紙される。

 次に、図18を参照して、上記したオフセ ト印刷機100およびオフセット印刷方法を用 て、各種処理を施した場合における印刷用 の光沢度および濃度の変化について説明す 。この図に示すように、印刷用紙は、6つの れぞれ異なった条件で印刷されている。な 、図18の左側縦軸は、印刷用紙の光沢度と っており、印刷用紙の光沢度は棒グラフと て表されている。図18の右側縦軸は、印刷用 紙の濃度となっており、印刷用紙の濃度は折 線グラフとして表されている。また、図18の 軸は、下記する第1条件から第6条件までの 刷用紙を順に並べたものとなっている。さ に、図18に示すLは、目標とする光沢度の目 レベルであり、具体的には、油性インキに り印刷した場合の印刷用紙の光沢度のレベ となっている。

 ここで、6つの異なる条件で印刷した印刷 用紙を、図示左側から順に説明するに、左か ら1つ目の第1条件で印刷した印刷用紙は、平 化するための処理を何も行わなかった場合 印刷用紙となっている。つまり、第1条件の 印刷用紙の光沢度および濃度は、比較対象の 基準となる標準の光沢度および濃度となって いる。左から2つ目の第2条件で印刷した印刷 紙は、印刷用紙に圧接する整面ロール125の レス圧のプレス距離を0.17mmとした場合の印 用紙となっている。左から3つ目の第3条件 適用した印刷用紙は、印刷用紙に圧接する 面ロール125のプレス圧のプレス距離を0.22mm した場合の印刷用紙となっている。左から4 目の第4条件を適用した印刷用紙は、第3条 において、使用される速乾インキにコンパ ンド剤を添加した場合の印刷用紙となって る。左から5つ目の第5条件を適用した印刷用 紙は、第4条件において、整面工程の直前に 熱工程を行った場合の印刷用紙となってい 。左から6つ目の第6条件を適用した印刷用紙 は、第5条件において、使用するインキの量 減少させた場合の印刷用紙となっている。

 この図から、第2条件および第3条件で印 用紙を印刷することにより、第1条件で印刷 れた印刷用紙に比して、印刷用紙の光沢度 上昇することが分かる。これにより、プレ 圧を調整することで、印刷用紙の光沢度を 上できることが分かる。また、第2条件に比 して、第3条件の印刷用紙の光沢度が高くな ていることから、プレス距離を長くしてプ ス圧を高くすれば、印刷用紙のインキ膜表 を平滑にできることが分かる。しかしなが 、プレス距離を長くし過ぎてしまうと、印 用紙を挟んで対向する整面ロール125と圧胴12 3とに加わる負荷が大きくなるため、プレス 離の最大は0.3mmとすることが好ましい。また 、プレス圧による平滑化の効果を得るために は、プレス距離を最小でも0.1mmとすることが ましい。

 また、第4条件で印刷用紙を印刷すること により、第3条件の印刷用紙に比して、印刷 紙の光沢度が上昇することが分かる。これ より、速乾インキにコンパウンド剤を添加 ることで、印刷用紙の光沢度を向上できる とが分かる。このとき、速乾インキに添加 れるコンパウンド剤の割合は、5%となってい る。なお、速乾インキにコンパウンド剤を過 剰に添加してしまうと、速乾インキの粘性が 過度に変化してしまい、これにより、印刷不 良が生じてしまう虞がある。このため、速乾 インキに添加されるコンパウンド剤の割合は 、最大10%とすることが好ましい。また、コン パウンド剤の添加による平滑化の効果を得る ためには、コンパウンド剤の割合を最小でも 2%とすることが好ましい。

 さらに、第5条件で印刷用紙を印刷するこ とにより、第4条件の印刷用紙に比して、印 用紙の光沢度が上昇することが分かる。こ により、整面工程の直前に加熱工程を行う とで、印刷用紙の光沢度を目標光沢度L近く で向上できることが分かる。このとき、第5 条件における印刷用紙の濃度は、第1条件に ける基準の印刷用紙の濃度に比して、ほぼ2 となっている。

 このため、第6条件で印刷用紙を印刷する ことにより、第5条件の印刷用紙に比して、 刷用紙の光沢度が僅かに低下したものの、 1条件における印刷用紙の濃度と、ほぼ同程 とすることができる。これにより、第6条件 では、印刷用紙の光沢度を維持しつつ、使用 する速乾インキの使用量を低減できることが 分かる。

 次に、図19ないし図21を参照して、第1条 、第3条件および第5条件における印刷用紙の 表面の写真について比較する。図19に示す第1 条件の印刷用紙の表面を基準とすると、図20 示す第3条件の印刷用紙の表面は、第1条件 印刷用紙の表面に比して素抜けが低減され おり、また、図21に示す第5条件の印刷用紙 表面は、第3条件の印刷用紙の表面に比して 抜けが低減されている。このため、素抜け 低減されると、印刷面において速乾インキ 密となるため、印刷用紙の濃度(光学濃度) 濃くなる。これにより、第5条件で印刷用紙 印刷すると共に、第1条件の基準の印刷用紙 の濃度とする場合、第6条件のように使用す 速乾インキの使用量を減らせば良い。なお この結果から推定される第6条件における速 インキの使用量は、第1条件における速乾イ ンキの使用量に比して、半減することができ る。

<作用、効果>
 以上の構成においても、印刷後の印刷用紙 表面にUVニスを転写しなくとも、印刷面に 写された速乾インキ3の表面を整面ロール125 より押圧し整面することにより、インキ層3 b表面のレベリングが進んでインキ層3b表面の 凹凸が抑えられる。このとき、整面ロール125 のプレス圧を好適なものとすることで、印刷 用紙の表面の平滑化を向上させることができ る。また、速乾インキにコンパウンド剤を添 加することで、印刷用紙の表面の平滑化をさ らに向上させることができる。そして、整面 工程S110の直前に加熱工程S100を行うことで、 刷用紙の表面の平滑化をさらに向上させる とができる。

 また、第6条件で印刷用紙を印刷すること で、印刷用紙の表面の濃度を基準濃度と同程 度とし、且つ印刷用紙の表面の光沢度を目標 光沢度近くにすることができ、使用する速乾 インキの使用量を低減することができる。な お、使用するインキの使用量を低減する場合 であれば、速乾インキに限らず、他のインキ であっても良い。

 さらに、各種報知機器140,141,142,143,144を各 部20,110,120に設けることで、オフセット印刷 100のオペレータに対し、各種報知事項に関 る認識性を向上させることができる。

[その他]
 以上、本発明の実施形態について説明した 、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で 上記の実施形態に対して種々変形を加えて 施することができる。

 2 印刷基材
 3,3a,3b,3b´ UVインキ(インキ層)
 4,4a,4b, UVニス(ニス層)
 10 給紙部
 20 印刷部(印刷装置)
 21,22,23,24 印刷ユニット
 21a,22a,23a,24a,51 版胴
 21b,22b,23b,24b,32,52 ブランケット胴
 21c,22c,23c,24c,33,53 圧胴
 25a~25g 渡し胴
 30 整面処理部(整面装置)
 32,34a~34d,35a~35c 整面ロール(プレスロール)
 32a ブランケット
 32b アルミニウム製の基板(アルミ層)
 32c シリコーン層
 41,42,61 UV乾燥装置
 50 ニス塗布部(ニス塗布装置)
 40,60 乾燥部(乾燥装置)
 61 UV乾燥装置
 62 乾燥用ロール
 70 排紙部
 100 オフセット印刷機(第4実施形態)
 110 加熱部
 115 赤外線照射装置
 120 ニス塗布部
 121 版胴
 122 ニス用ブランケット胴
 125 整面ロール
 130 シリンダ
 131 プレス版
 L 目標レベル