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Title:
ONE-WAY CLUTCH AND METHOD OF MANUFACTURING ONE-WAY CLUTCH
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139805
Kind Code:
A1
Abstract:
A one-way clutch (11) comprises a shell outer ring (12) having a notch (15) formed at the axial end and a side plate (19) having a ring part (19a) fitted onto the end of the shell outer ring (12) at which the notch (15) is provided and a rotation stop part (19b) extending from the outer peripheral surface of the ring part (19a) through the notch (15) and positioned on the radially outward side from the outer diameter surface of the shell outer ring (12).

Inventors:
KAWAI HIROMITSU (JP)
OBAYASHI KOUSUKE (JP)
YAMASHITA TAKAHIRO (JP)
ABE KATSUFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057179
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
April 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
KAWAI HIROMITSU (JP)
OBAYASHI KOUSUKE (JP)
YAMASHITA TAKAHIRO (JP)
ABE KATSUFUMI (JP)
International Classes:
F16D41/06
Foreign References:
JPS63132130U1988-08-30
JP2005299892A2005-10-27
JP2005334995A2005-12-08
JP2004222342A2004-08-05
JP2003056601A2003-02-26
JP2004028268A2004-01-29
JPH0561530U1993-08-13
JPH07279997A1995-10-27
JPH0716559U1995-03-17
Attorney, Agent or Firm:
ITOH, Hidehiko et al. (Oriental Sakaisuji Bldg.21-19, Shimanouchi 1-chome,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka, JP)
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Claims:
 軸方向端部に切欠き部を有するシェル外輪と、
 前記シェル外輪の切欠き部を有する側の端部に嵌まり込むリング部、および前記リング部の外周面から前記切欠き部を通って前記シェル外輪の外径面よりも径方向外側に位置する廻り止め部を含む側板とを備える、一方向クラッチ。
 前記廻り止め部は、前記シェル外輪の外径面に沿って軸方向に延びている、請求項1に記載の一方向クラッチ。
 前記切欠き部は、前記廻り止め部を受け入れる幅広部と、開口側端部に位置する幅狭部とを含み、
 前記幅広部の円周方向幅寸法をx、前記幅狭部の円周方向幅寸法をy、前記廻り止め部の円周方向幅寸法をzとすると、
 x>z>yを満たす、請求項1に記載の一方向クラッチ。
 前記シェル外輪は、前記切欠き部を有する側の端部から前記側板を軸方向外側から覆うように径方向内側に突出する鍔部を有する、請求項1に記載の一方向クラッチ。
 前記シェル外輪は、その内径面に軸方向に延びる複数のカム面を有し、
 前記一方向クラッチは、前記カム面の径方向内側の円周方向一方側と他方側とで径方向の隙間が異なる楔空間に配置されるころをさらに備える、請求項1に記載の一方向クラッチ。
 前記一方向クラッチは、総ころ形式である、請求項5に記載の一方向クラッチ。
 前記一方向クラッチは、円弧形状の弾性部材をさらに有し、
 前記シェル外輪は、前記切欠き部に連なって軸方向に延びる係合部をさらに有し、
 前記弾性部材は、弾性縮径された状態で一端が前記係合部に係合し、他端が隣接する前記ころの間の空間に位置し、前記ころを前記楔空間の径方向隙間が減少する方向に付勢する、請求項6に記載の一方向クラッチ。
 前記一方向クラッチは、隣接する前記ころの間隔を保持する保持器をさらに備える、請求項5に記載の一方向クラッチ。
 内径面に軸方向に延びる複数のカム面、および軸方向端部に切欠き部を有するシェル外輪と、前記シェル外輪の切欠き部を有する側の端部に嵌まり込むリング部、および前記リング部の外周面から前記切欠き部を通って前記シェル外輪の外径面よりも径方向外側に位置する廻り止め部を含む側板とを備える一方向クラッチの製造方法であって、
 打ち抜き加工によって鋼板から円盤を得る工程と、
 絞り加工によって前記円盤をカップ状部材に成形すると共に、前記カップ状部材の内側壁に深さ方向に延びる前記カム面を形成する工程と、
 打ち抜き加工によって前記カップ状部材の底壁を除去する工程と、
 前記カップ状部材の開放側端部に前記切欠き部を形成する工程と、
 前記廻り止め部が前記切欠き部に嵌まり込む位置関係で前記側板を前記シェル外輪の開放側端部に嵌め込む工程とを含む、一方向クラッチの製造方法。
Description:
一方向クラッチおよび一方向ク ッチの製造方法

 この発明は、一方向クラッチに関し、特 プレス加工によって形成されたシェル外輪 備える一方向クラッチに関するものである

 一方向クラッチは、ハウジングに固定さ る外輪と、外輪と回転軸との間に形成され 環状空間に配置される複数のころとを主に える。外輪の内径面にはカム面が形成され おり、外輪の内径面と回転軸との間の径方 の隙間は連続的に変化している。そして、 転軸が一方方向へ回転した場合、ころが空 して回転軸の回転を許容する。一方、回転 が他方方向へ回転した場合、ころが狭小部 噛み合って回転軸の回転を阻止するという 能を有する。

 しかし、外輪が嵌め合いのみによってハ ジングに固定されている場合において、ロ ク時の伝達トルクが大きいと、外輪がハウ ングの内部で滑り、回転軸の回転を確実に 止できないという問題が生じる。

 そこで、このような問題を解決した一方 クラッチが、例えば、特開2000-213566号公報 よび特開2003-56601号公報に記載されている。 記の各公報には、外輪の外径面に隆起部を ハウジングの内径面に隆起部を受け入れる をそれぞれ形成し、隆起部と溝とを係合さ ることによって外輪がハウジングの内部で るのを防止することができると記載されて る。

 特開2000-213566号公報では引き抜き加工に って、特開2003-56601号公報ではブローチ加工 よって、それぞれ外輪の外径面に隆起部を 成している。これらの加工方法は、作業工 および作業コストが非常に高いので、結果 して製品コストの増大を招く。

 そこで、この発明の目的は、シェル外輪 ハウジング内での滑りを有効に防止すると に、製品コストを抑えた一方向クラッチ、 よびこのような一方向クラッチの製造方法 提供することである。

 この発明に係る一方向クラッチは、軸方 端部に切欠き部を有するシェル外輪と、シ ル外輪の切欠き部を有する側の端部に嵌ま 込むリング部、およびリング部の外周面か 切欠き部を通ってシェル外輪の外径面より 径方向外側に位置する廻り止め部を含む側 とを備える。

 一実施形態として、廻り止め部はシェル 輪の外径面に沿って軸方向に延びている。

 上記構成の一方向クラッチは、ハウジン に圧入されると共に、廻り止め部がハウジ グに設けられた溝部に係合する。これによ 、シェル外輪の耐クリープ力を大幅に向上 ることができる。また、シェル外輪の軸方 端部に側板を設けたことにより、シェル外 の内部に配置される構成部品の軸方向への けを有効に防止することができる。さらに このシェル外輪は、プレス加工によって製 可能であるので、製造工数および製造コス を大幅に削減することができる。なお、本 細書における「ハウジング」とは、内部に 方向クラッチを受け入れる空間を有するあ ゆる部材を含むものとする。

 好ましくは、切欠き部は、廻り止め部を け入れる幅広部と、開口側端部に位置する 狭部とを含む。そして、幅広部の円周方向 寸法をx、幅狭部の円周方向幅寸法をy、廻 止め部の円周方向幅寸法をzとすると、x>z& gt;yを満たす。または、シェル外輪は切欠き を有する側の端部から側板を軸方向外側か 覆うように径方向内側に突出する鍔部を有 る。上記のような方法によれば、シェル外 と側板とをより強固に一体化することがで る。

 一実施形態として、シェル外輪は、その 径面に軸方向に延びる複数のカム面を有す 。一方向クラッチは、カム面の径方向内側 円周方向一方側と他方側とで径方向の隙間 異なる楔空間に配置されるころをさらに備 る。

 一実施形態として、一方向クラッチは総 ろ形式である。

 好ましくは、一方向クラッチは円弧形状 弾性部材をさらに有する。シェル外輪は、 欠き部に連なって軸方向に延びる係合部を らに有する。そして、弾性部材は、弾性縮 された状態で一端が係合部に係合し、他端 隣接するころの間の空間に位置し、ころを 空間の径方向隙間が減少する方向に付勢す 。これにより、ころの遊度が小さくなるの 、回転軸の逆転を敏速に停止させることが 能となる。

 他の実施形態として、一方向クラッチは 接するころの間隔を保持する保持器をさら 備える。

 この発明に係る一方向クラッチの製造方 は、内径面に軸方向に延びる複数のカム面 および軸方向端部に切欠き部を有するシェ 外輪と、シェル外輪の切欠き部を有する側 端部に嵌まり込むリング部、およびリング の外周面から切欠き部を通ってシェル外輪 外径面よりも径方向外側に位置する廻り止 部を含む側板とを備える一方向クラッチを 造する方法である。

 具体的には、打ち抜き加工によって鋼板 ら円盤を得る工程と、絞り加工によって円 をカップ状部材に成形すると共に、カップ 部材の内側壁に深さ方向に延びるカム面を 成する工程と、打ち抜き加工によってカッ 状部材の底壁を除去する工程と、カップ状 材の開放側端部に切欠き部を形成する工程 、廻り止め部が切欠き部に嵌まり込む位置 係で側板をシェル外輪の開放側端部に嵌め む工程とを含む。

 上記の製造方法のように、廻り止め部を するシェル外輪をプレス加工によって形成 れば、従来の引き抜き加工やブローチ加工 比較して製造工数および製造コストを大幅 削減することができる。その結果、低廉で クリープ力の優れた一方向クラッチを得る とができる。

 この発明によれば、廻り止め部を有する 板をシェル外輪に取り付けたので、製造コ トを抑えることができる。その結果、低廉 耐クリープ力の優れた一方向クラッチを得 ことができる。

この発明の一実施形態に係る一方向ク ッチを回転軸線に平行な平面で切断した断 図である。 図1の矢印IIの方向から見た矢視図であ 。 図1のIII-IIIにおける断面図である。 C形ばねを径方向から見た図である。 C形ばねを軸方向から見た図である。 側板を軸方向から見た図である。 図6のVII-VIIにおける断面図である。 この発明の一実施形態に係る一方向ク ッチの製造方法の主な工程を示すフロー図 ある。 図8の第1の工程で得られた円盤の形状 示す図である。 図8の第2の工程で得られたカップ状部 を回転軸線に平行な平面で切断した断面図 ある。 図10のXI-XIにおける断面図である。 図8の第3の工程終了後のカップ状部材 形状を示す断面図である。 図8の第4の工程終了後のカップ状部材 形状を示す断面図である。 図13の矢印XIVの方向から見た矢視図で る。 図13の矢印XVの方向から見た矢視図で る。 図8の第6の工程の途中における一方向 ラッチの状態を示す図である。 図8の第6の工程終了後の一方向クラッ の状態を示す図である。 図17の矢印XVIIIの方向から見た矢視図 ある。 この発明の他の実施形態に係る一方向 クラッチを回転軸線に平行な平面で切断した 断面図である。 図19の矢印XXの方向から見た矢視図で る。 図8の第6の工程終了後の一方向クラッ の状態を示す図である。

 図1~図7を参照して、この発明の一実施形 に係る一方向クラッチ11を説明する。なお 図1は一方向クラッチ11を回転軸線と平行な 面で切断した断面図、図2は図1の矢印IIの方 から見た矢視図、図3は図1のIII-IIIにおける 面図、図4および図5はC形ばね18の形状を示 図、図6および図7は側板19の形状を示す図で る。

 まず、図1~図3を参照して、一方向クラッ 11は、シェル外輪12と、シェル外輪12の内径 に沿って配置される複数のころ17と、弾性 材としてのC形ばね18と、シェル外輪12の軸方 向一方側端部に配置される側板19とを備える なお、この実施形態における一方向クラッ 11は総ころ形式である。

 シェル外輪12は、内径面に軸方向に延び 複数のカム面13と、軸方向一方側端部から径 方向内側に突出する円環形状の鍔部14と、軸 向他方側端部に切欠き部15と、切欠き部15に 連なって軸方向に延びる係合部16とを有する この実施形態においては、切欠き部15を円 方向の4箇所に90°間隔で設け、係合部16を切 き部15の1つに軸方向に連ねて設けている。 た、この実施形態における係合部16は、シ ル外輪12を厚み方向に貫通する例を示したが 、これに限ることなく、シェル外輪12の内径 に設けられた不貫通凹部であってもよい。

 カム面13は、シェル外輪12の内径面の複数 箇所に形成されている。このカム面13の径方 内側には、円周方向一方側と他方側とで径 向の隙間が異なる楔空間が形成されている この実施形態においては、反時計回り方向( 図3中の矢印イの方向)に向かって径方向の隙 が増加(「拡大方向」という)し、時計回り 向(図3中の矢印ロの方向)に向かって径方向 隙間が減少している(「狭小方向」という)。 そして、各楔空間には、ころ17が配置されて る。

 鍔部14は、シェル外輪12の軸方向一方側端 部に位置する円環形状の部分である。この鍔 部14は、シェル外輪12の内部に収容される構 部品(例えば、「ころ17」、「C形ばね18」等 指す)の軸方向への抜けを防止する。

 図4および図5を参照して、C形ばね18は、 弧形状のC形部18aと、C形部18aの一方側および 他方側端部にC形部18aと交差(この実施形態で 「直交」)する方向に延びる係合突起18b,18c を有する。

 このC形ばね18は、一方向クラッチ11に挿 する回転軸2とシェル外輪12との間に形成さ る環状空間に弾性縮径された状態で配置さ る。そして、一方側端部の係合突起18bは係 部16に係合し、他方側端部の係合突起18cは隣 接するころ17の間の空間(PCDより外側の空間) 配置される。

 図6および図7を参照して、側板19は、円環 形状のリング部19aと、リング部19aの外周面か ら径方向に突出すると共に、外縁部を厚み方 向に折り曲げて形成した廻り止め部19bとを備 える。この廻り止め部19bは、切欠き部15に対 する位置、すなわち、リング部19aの外周面 4箇所に90°の間隔で設けられている。

 なお、リング部19aの外径寸法は、シェル 輪12の内径寸法より僅かに小さく設定され 厚み方向に屈曲した廻り止め部19bの内径寸 は、シェル外輪12の外径寸法より僅かに大き く設定されている。

 そして、リング部19aは、廻り止め部19bが 欠き部15に嵌まり込む位置関係でシェル外 12の軸方向他方側端部(鍔部14と反対側の端部 を指す)に嵌まり込む。廻り止め部19bは、そ ぞれ切欠き部15を通ってシェル外輪12の外径 に沿って軸方向に延びている。

 この廻り止め部19bは、ハウジング1の内径 面に設けられる溝部1aに係合して、シェル外 12がハウジング1の内部で滑るのを防止する したがって、回転軸2のロック時に廻り止め 部19bに負荷される荷重を分散する観点からは 、廻り止め部19bの軸方向に延びる部分の長さ Lは長いほうが望ましい。一方、長さLをシェ 外輪12の軸方向幅寸法より長くすれば、一 向クラッチ11を受け入れるハウジング1の軸 向のスペースも大きくする必要が生じる。 たがって、ハウジング1の一方向クラッチ11 受け入れる部分のスペースをコンパクト化 る観点からは、廻り止め部19bの先端がシェ 外輪12の外径面上に位置するように長さLを 定するのが望ましい。

 上記構成の一方向クラッチ11は、例えば 内径面に回転軸2を受け入れると共に、ハウ ング1に圧入される。ハウジング1は廻り止 部19bを受け入れる溝部1aを有している。そし て、廻り止め部19bと溝部1aとが係合するよう 位置関係で一方向クラッチ11をハウジング1 嵌め込む。

 そして、回転軸2の回転に伴ってころ17は 転運動すると共に楔空間内を移動する。回 軸2が一方方向(図3中の矢印イの方向)に回転 するとき、ころ17は楔空間の拡大方向に移動 、空転する。すなわち、回転軸2の回転が許 容される。一方、回転軸2が他方方向(図3中の 矢印ロの方向)に回転するとき、ころ17は楔空 間の狭小方向に移動し、シェル外輪12と回転 2との間に噛み合う。すなわち、回転軸2の 転が阻止される。

 ここで、シェル外輪12とハウジング1とは 嵌め合いによって固定されていると共に、 り止め部19bと溝部1aとが係合している。こ により、回転軸2がロックしたときの伝達ト クが大きくても、シェル外輪12がハウジン 1の内部で滑るのを確実に防止することがで る。この発明は、ハウジング1が樹脂等の比 較的剛性の低い材料で形成されている場合に 、特に有利な効果を奏する。

 また、C形ばね18は、一方側端部が係合部1 6に係合した状態で拡径しようとして(元の状 に復帰しようとして)、ころ17を狭小方向(図 3中の矢印ロの方向)に付勢する。これにより ころ17の遊度が小さくなるので、回転軸2の 転を敏速に停止させることが可能となる。 お、弾性部材は、図4および図5に示すC形ば 18に限らず、ころ17を狭小方向に付勢可能な あらゆる形態を採用することができる。

 また、シェル外輪12の軸方向一方側端部 鍔部14を、軸方向他方側端部に側板19をそれ れ設けたことにより、ころ17やC形ばね18等 軸方向への抜けを防止することができる。

 なお、C形ばね18に代えて、隣接するころ1 7の間隔を保持する保持器を組み込んでもよ 。ただし、保持器を組み込んだ場合、総こ 形式と比較して収容可能なころ17の本数が減 少するので、一方向クラッチの負荷容量が低 下する。したがって、高荷重環境下で使用す る場合には、図1~図3に示した総ころ形式の一 方向クラッチ11が適しているといえる。

 また、上記の実施形態では、回転軸2の反 時計回り方向の回転のみを許容し、時計回り 方向の回転を阻止した例を示したが、これに 限ることなく、回転軸2の時計回り方向の回 のみを許容し、反時計回り方向の回転を阻 することもできる。この場合、楔空間の時 回り方向が拡大方向、反時計回り方向が狭 方向となるようにカム面13を形成すればよい 。

 また、この一方向クラッチ11は、ハウジ グ1を駆動部材とし、回転軸2を拘束(非回転) ても動作させることができる。この場合、 ウジング1の回転に伴ってシェル外輪12も一 回転する。そして、シェル外輪12が一方方 (図3中の矢印イの方向)に回転するとき、こ 17は楔空間の狭小方向に移動し、シェル外輪 12と回転軸2との間に噛み合う。すなわち、ハ ウジング1の回転が阻止される。一方、シェ 外輪12が他方方向(図3中の矢印ロの方向)に回 転するとき、ころ17は楔空間の拡大方向に移 し、空転する。すなわち、ハウジング1の回 転が許容される。

 次に、図8~図18を参照して、この発明の一 実施形態に係る一方向クラッチ11の製造方法 説明する。なお、図8は一方向クラッチ11の 造方法の主な工程を示すフロー図、図9~図18 は各工程におけるシェル外輪12の形状を示す である。

 まず、図8および図9を参照して、第1の工 では、打ち抜き加工によって鋼板から円盤2 1を得る(S11)。

 次に、図8、図10、および図11を参照して 第2の工程では、絞り加工によって円盤21を ップ状部材22に成形すると共に、カップ状部 材22の内側壁に深さ方向に延びるカム面13を 成する(S12)。具体的には、内径寸法がシェル 外輪12の外径寸法に一致するダイス(図示省略 )に円盤21を載置し、外径面の形状がシェル外 輪12の内径面の形状に対応するポンチ(図示省 略)によって絞り加工を行う。なお、1度の絞 加工によってカップ状部材22を得てもよい 、複数回の絞り加工を経てカップ状部材22を 形成してもよい。

 次に、図8および図12を参照して、第3の工 程では、打ち抜き加工によって鍔部14を残し 、カップ状部材22の底壁22aを除去する(S13)。

 次に、図8、および図13~図15を参照して、 4の工程では、切欠き部15を形成する(S14)。 15を参照して、切欠き部15は、廻り止め部19b 受け入れる幅広部15aと、幅広部15aの開口端 に廻り止め部19bの抜けを防止する幅狭部15b を含む。すなわち、幅広部15aの円周方向幅 法をx、幅狭部15bの幅寸法をy、廻り止め部19 bの幅寸法をz(図18参照)とすると、x>z>yを たすような寸法関係となる。

 また、切欠き部15の形成と同時に係合部16 を形成してもよい。係合部16の位置は特に限 されないが、図15に示すように切欠き部15の 1つに軸方向に連ねて形成してもよい。

 次に、図8を参照して、第5の工程では、 ェル外輪12に必要な機械的性質を得るために 、カップ状部材22に熱処理を施す(S15)。熱処 としては、例えば、浸炭窒化処理や浸炭焼 れ処理を施す。これにより、表面は硬く、 部は軟らかく靭性の高い性質が得られる。 らに、上記の熱処理によって生じた残留応 や内部ひずみを低減し、靭性の向上や寸法 安定化させるために、上記の熱処理の後に 戻を行う。

 次に、図8、図16~図18を参照して、第6の工 程では、一方向クラッチ11の組立を行う(S16) 具体的には、図16に示すようにシェル外輪12 内部に複数のころ17およびC形ばね18を組み む。さらに、図17および図18に示すように側 19を切欠き部15の幅狭部15bを弾性変形させな がらかち込む。

 なお、側板19をシェル外輪12に組み込む前 に、図7に示すように廻り止め部19bを側板19の 厚み方向に折り曲げておいてもよい。または 、廻り止め部19bは、シェル外輪12の外径面よ も径方向外側に位置していればよく、必ず もシェル外輪12の外径面に沿って折り曲げ 必要はない。すなわち、図17および図18に示 状態でもシェル外輪12の滑りを防止するこ ができる。

 また、第4の工程(S14)において幅狭部15bを 成せず(x=y>z)、側板19を組み込んだ後に切 き部15の開放端部に加締め加工を施して幅 部15b(「加締め部」ともいう)を形成してもよ い。これにより、側板19の組込み性が向上す と共に、シェル外輪12と側板19とをより強固 に一体化することができる。

 上記の各工程を経て、図1および図2に示 たような一方向クラッチ11を得ることができ る。このように、廻り止め部19bを有する側板 19をシェル外輪12に取り付けたので、従来の き抜き加工やブローチ加工等によって外輪 廻り止め加工を施す場合と比較して、作業 数および作業コストを削減することができ 。その結果、低廉な一方向クラッチ11を得る ことができる。

 なお、図8に示した製造工程は、一方向ク ラッチ11の製造方法の一部であって、さらに 程を追加してもよいし、各工程をさらに細 化してもよい。また、一部の工程について 順序を相互に入れ替えることもできる。

 次に、図19~図21を参照して、この発明の の実施形態に係る一方向クラッチ31およびそ の製造方法を説明する。なお、図19は一方向 ラッチ31を回転軸線に平行な平面で切断し 断面図、図20は図19の矢印XXの方向から見た 視図、図21は図8の第6の工程(S16)終了後の状 を示す図である。また、一方向クラッチ11と の共通部分の説明は省略し、相違点を中心に 説明する。

 まず、図19および図20を参照して、一方向 クラッチ31は、シェル外輪32と、複数のころ37 と、C形ばね38と、側板39とを主に備える。シ ル外輪32は、内径面に軸方向に延びる複数 カム面(図示省略)と、軸方向両端部に鍔部33, 34と、切欠き部35と、係合部36とを備える。

 シェル外輪32の軸方向一方側端部には、 方向内側に突出する円環形状の鍔部33が設け られている。一方、軸方向他方側端部には、 側板39を軸方向外側から覆うように径方向内 に突出する円弧形状の鍔部34a,34b,34c,34d(これ らを総称して「鍔部34」という)が4箇所に設 られている。切欠き部35は、隣接する鍔部34 間にそれぞれ設けられている。

 上記構成の一方向クラッチ31の製造方法 、図8に示す工程と共通する。ただし、第1の 工程(S11)において得られる円盤21の直径は、 部34の分だけ大きくなる。また、第4の工程(S 14)において形成する切欠き部35には幅狭部を ける必要がない(x=y>z)。

 そして、図21を参照して、第7の工程(図8 は図示省略)では、曲げ加工によってシェル 輪32の開放側端部を径方向内側に折り曲げ 鍔部34を形成する。なお、この工程に先立っ て、鍔部34となる部分に部分焼鈍しを施して くのが望ましい。これにより、容易に曲げ 工を行うことができる。

 なお、上記の各実施形態においては、シ ル外輪12,32の内径面にころ17,37を配置した一 方向クラッチ11,31の例を示したが、この発明 一実施形態に係るシェル外輪12,32は、他の 方向クラッチにも適用することができる。 えば、スプラグタイプの一方向クラッチに 適用することができる。

 また、上記の実施形態においては、一方 クラッチ11を駆動部材の一方方向への回転 みを許容し、他方方向への回転を阻止する 転防止機構とした例を説明したが、これに ることなく、動力伝達装置として用いるこ もできる。

 例えば、回転軸2を駆動部材とし、ハウジ ング1を従動部材とすれば、回転軸2の一方方 (図3中の矢印ロの方向)の回転のみをハウジ グ1に伝達し、他方方向(図3中の矢印イの方 )の回転をハウジング1に伝達しない。また ハウジング1を駆動部材とし、回転軸2を従動 部材とすれば、ハウジング1の一方方向(図3中 の矢印イの方向)の回転のみを回転軸2に伝達 、他方方向(図3中の矢印ロの方向)の回転を 転軸2に伝達しない。

 以上、図面を参照してこの発明の実施形 を説明したが、この発明は、図示した実施 態のものに限定されない。図示した実施形 に対して、この発明と同一の範囲内におい 、あるいは均等の範囲内において、種々の 正や変形を加えることが可能である。

 この発明は、一方向クラッチに有利に利 される。