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Patent Searching and Data


Title:
OPERATION CONTROLLER AND OPERATION CONTROL METHOD OF GAS TURBINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/060889
Kind Code:
A1
Abstract:
An operation controller and an operation control method of a gas turbine capable of lowering a turbine inlet temperature and satisfying request response for an axial output. In such a case where an output of a power generator (150) is in a high load band at a predetermined value or higher, an IGV emergency full open flag is effective. When the IGV emergency full open flag is effective, opening of an inlet guide blade (104) is set to a prespecified opening, temperature control is switched over depending on the opening of the inlet guide blade (104), and an exhaust gas temperature set value or a blade path temperature set value of a turbine (101) is generated for controlling a fuel supply quantity of a combustor (103) based on the temperature control setting.

Inventors:
SONODA TAKASHI (JP)
SAITO AKIHIKO (JP)
NAKAMURA SHINSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070188
Publication Date:
May 14, 2009
Filing Date:
November 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
SONODA TAKASHI (JP)
SAITO AKIHIKO (JP)
NAKAMURA SHINSUKE (JP)
International Classes:
F02C9/54; F02C9/00; F02C9/20; F02C9/28; F02C9/46
Foreign References:
JP2004027848A2004-01-29
JPH11303654A1999-11-02
JP2001200730A2001-07-27
Other References:
See also references of EP 2187024A4
Attorney, Agent or Firm:
FUJITA, Takaharu et al. (3-1 Minatomirai 3-chome, Nishi-ku, Yokohama-sh, Kanagawa 12, JP)
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Claims:
 前段に入口案内翼を備える圧縮機からの圧縮空気と燃料とを燃焼器に供給して該燃焼器で発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するガスタービンの運転制御装置であって、
 系統周波数が所定閾値以下となり、且つ、前記発電機の出力が所定値以上の高負荷帯にある場合、または、系統周波数が所定閾値以下となり、且つ、前記入口案内翼の開度が標準全開の状態にある場合に、IGV緊急時全開フラグを有効とするIGV制御フラグ生成部と、
 前記IGV緊急時全開フラグが有効の場合に、前記入口案内翼の開度を予め設定された開度に設定する入口案内翼開度設定部と、
 温調設定を前記入口案内翼の開度に応じて切り替えて設定し、該温調設定に基づき前記タービンの排ガス温度設定値またはブレードパス温度設定値を生成する温度制御部と、
 前記排ガス温度設定値または前記ブレードパス温度設定値に基づき、前記燃焼器への燃料供給量を制御する燃料制御部と
 を具備するガスタービンの運転制御装置。
 前記燃料制御部が、前記発電機の出力に基づき前記燃料供給量を定めるロードリミット設定値を生成するロードリミット制御部、または、前記ガスタービンの回転数に基づき前記燃料供給量を定めるガバナ設定値を生成するガバナ制御部を有し、前記ロードリミット設定値、前記ガバナ設定値、前記排ガス温度設定値または前記ブレードパス温度設定値に基づき、前記燃焼器への燃料供給量を制御するガスタービンの運転制御装置であって、
 前記IGV緊急時全開フラグが有効の場合に、前記ロードリミット制御部または前記ガバナ制御部における前記発電機出力の上限設定と変化率設定を予め設定された値に設定する請求項1に記載のガスタービンの運転制御装置。
 前記温度制御部は、前記入口案内翼の開度の変化率を算出して該変化率に応じた補正量を算出し、前記入口案内翼の開度に応じて切り替えて設定した温調設定を補正する第1補正部を有する請求項1または請求項2に記載のガスタービンの運転制御装置。
 前記温度制御部は、前記入口案内翼の開度の変化率を算出して該変化率に応じた補正量を算出し、前記温調設定に基づき生成した前記タービンの排ガス温度設定値またはブレードパス温度設定値を補正する第2補正部を有する請求項1または請求項2に記載のガスタービンの運転制御装置。
 前記第1補正部または前記第2補正部は、前記入口案内翼の開度が所定範囲にある場合に作動する請求項3または請求項4に記載のガスタービンの運転制御装置。
 前記温度制御部は、前記温調設定に基づく目標値と計測した排ガス温度またはブレードパス温度との偏差に基づき比例積分制御を行って前記タービンの排ガス温度設定値またはブレードパス温度設定値を生成するPI制御部を有し、前記IGV緊急時全開フラグが有効の場合に、該PI制御部における制御パラメータを予め設定された値に設定する請求項3から請求項5のいずれかに記載のガスタービンの運転制御装置。
 前記IGV制御フラグ生成部は、前記温度制御部に基づく温調運転中であり、前記発電機の出力が上昇中であり、且つ前記発電機の出力が所定値以上の高負荷帯にある場合、または、前記温度制御部に基づく温調運転中であり、前記発電機の出力が上昇中であり、且つ前記入口案内翼の開度が標準全開の状態にある場合に、IGV標準全開以上フラグを有効とし、
 前記入口案内翼開度設定部は、前記IGV緊急時全開フラグまたは前記IGV標準全開以上フラグが有効の場合に、前記入口案内翼の開度を予め設定された開度に設定する請求項1から請求項6のいずれかに記載のガスタービンの運転制御装置。
 前記IGV制御フラグ生成部は、前記IGV標準全開以上フラグの生成条件が有効から無効に切り替わるとき、一定の遅延を持たせて該IGV標準全開以上フラグを無効とする請求項7に記載のガスタービンの運転制御装置。
 前記IGV制御フラグ生成部は、前記温調運転中の判断を、前記温度制御部の温調設定に基づく目標値と計測した排ガス温度またはブレードパス温度との偏差が所定値以下となったときに行う請求項7または請求項8に記載のガスタービンの運転制御装置。
 前記IGV制御フラグ生成部は、前記温調運転中の判断を、前記タービンの入口温度が所定範囲にあるときに行う請求項7または請求項8に記載のガスタービンの運転制御装置。
 前段に入口案内翼を備える圧縮機からの圧縮空気と燃料とを燃焼器に供給して該燃焼器で発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するガスタービンの運転制御方法であって、
 系統周波数が所定閾値以下となり、且つ、前記発電機の出力が所定値以上の高負荷帯にある場合、または、系統周波数が所定閾値以下となり、且つ、前記入口案内翼の開度が標準全開の状態にある場合に、IGV緊急時全開フラグを有効とするIGV制御フラグ生成ステップと、
 前記IGV緊急時全開フラグが有効の場合に、前記入口案内翼の開度を予め設定された開度に設定する入口案内翼開度設定ステップと、
 温調設定を前記入口案内翼の開度に応じて切り替えて設定し、該温調設定に基づき前記タービンの排ガス温度設定値またはブレードパス温度設定値を生成する温度制御ステップと、
 前記排ガス温度設定値または前記ブレードパス温度設定値に基づき、前記燃焼器への燃料供給量を制御する燃料制御ステップと
 を有するガスタービンの運転制御方法。
Description:
ガスタービンの運転制御装置お び運転制御方法

 本発明は、ガスタービンの運転制御装置 よび運転制御方法に関し、特に周波数変動 対して、タービン入口温度をオーバシュー 制限範囲内に抑えることができると共に、 出力についてもGrid Code要求レスポンスを満 足させ得るガスタービンの運転制御装置およ び運転制御方法に関するものである。

 一般に、発電所等で用いられているガスタ ビンは、圧縮機において圧縮された空気に 料を噴射して燃焼させ、この結果得られる 温高圧の燃焼ガスをタービンに導いて出力 取出している。図14に、このガスタービン 基本的な構成を示す。ガスタービン100は、 縮機102、燃焼器103およびタービン101を備え いる。燃焼器103には、圧縮機102で圧縮され 空気並びに、負荷に応じて開度調整される 料流量調整弁105により流量調整された燃料 スが供給される。燃焼器103において、燃焼 れた高温の燃焼ガスはタービン101へ供給さ 膨張し、タービン101を駆動する。この駆動 は発電機150に伝達されて発電が行われると もに、圧縮機102に伝達されることにより圧 機を駆動する。
 なお、1軸型複合サイクル発電プラントの場 合には、ガスタービン100、発電機150および蒸 気タービン160のそれぞれの回転軸が一体に結 合されている。

 また、圧縮機102の第1段の翼の前側には入 口案内翼(Inlet Guide Vane:IGV)104が設けられてい る。この入口案内翼104は、圧縮機入り口の案 内翼の開度を操作することにより、圧縮機102 の動翼との間を流れて燃焼器103へ流入する空 気量を変化させ、ガスタービン100の排ガス温 度を目標値に制御するためのものである。吸 気は入口案内翼104により周方向の速度が与え られ圧縮機102に導入される。圧縮機102では、 導入された空気は多段の動翼と静翼とを通っ てエネルギーが与えられて圧力が上昇する。

 なお、入口案内翼104は、周方向に多数枚 けられた可動翼がそれぞれ可動可能に支持 れて構成され、制御部110からの駆動信号に ってアクチュエータが作動してこれら可動 が可動されて、吸気流量、燃焼温度を調整 ている。

 より具体的には、制御部110は、入口案内 104のアクチュエータへのIGV開度指令115を生 するために、図15に示すような構成を備え いる。すなわち、乗算器11、テーブル関数器 (FX1)12、リミッタ13、補正関数器(FX2)14および 限関数器(FX3)15を備えた構成である。基本的 、発電機出力(GT出力)に応じて、図16Aに示す ような関数に従ってIGV開度を設定するが、補 正関数器(FX2)14により図16Bに示すような圧縮 入口温度に対応した関係に基づきGT出力補正 係数K2を生成して、乗算器11でGT出力にこの補 正係数K2を掛け合わせることで、テーブル関 を参照するGT出力値を補正している。また 制限関数器(FX3)15により図16Cに示すような圧 機入口温度に対応した関係に基づきIGV最大 度M1を生成して、リミッタ13により、テーブ ル関数器(FX1)12で生成されたIGV開度がIGV最大 度M1を超えないように制限している。

 このようにガスタービン100の入口案内翼1 04を制御する先行技術としては、例えば、特 2003-206749号公報(特許文献1)、特開2001-200730号 公報(特許文献2)が知られている。特許文献1 は、IGVの開度領域が低い場合には少しの開 変化で吸気流量が大きく変化し、IGVの開度 域が高い場合には少しの開度変化で吸気流 がほとんど変化しないように開度領域によ て吸気流量が大きく変化するが、このよう 開度領域によって吸気流量が大きく変化す 場合であっても、出力に対して所定の吸気 量が確保できる運転方法が示されている。 た、特許文献2には、ガスタービン実出力が 力計画値に対して余裕がある場合や、部分 荷運転時の場合に、空気圧縮機入口温度を 力として空気圧縮機に吸入される空気量を 御するIGVの開度上限値を制御する運転方法 示されている。

 また、制御部110内の燃料制御部からの制 信号116により燃料流量調整弁105の開度制御 行って、燃料流量制御によって負荷調整が われているが、燃料制御部では、ブレード ス温度制御におけるブレードパス温度設定 、排ガス温度制御における排ガス温度設定 、ガバナ制御におけるガバナ設定値、また ロードリミット制御におけるロードリミッ 設定値に基づき、これらの内の最も低い値 ものを燃料流量調整弁105に対する最終的な 御信号として使用している。

 ブレードパス温度制御では、ブレードパ 温度(タービン101最終段直後の排気ガス温度 )を計測し、これと温調設定に基づく目標値 を比較し、比例積分(PI)制御によりブレード ス温度設定値を生成する。また、排ガス温 制御では、排ガス温度(タービン101最終段よ りも後流の排気ダクトでの排気ガス温度)を 測し、これと温調設定に基づく目標値とを 較し、比例積分(PI)制御により排ガス温度設 値を生成する。

 図17には、ブレードパス温度制御および ガス温度制御で用いられる温調設定EXREFを生 成する部分の構成図を示す。車室圧力Pcsに基 づき温調設定関数器(FX10)30を参照し、その出 に信号発生器(SG21)38による定数を加算器37に より加えて、温調設定EXREFを生成している。

 また、ガバナ制御では定格速度域におけ 速度制御を行うが、タービン101(タービン101 に連結された発電機150)の回転速度と目標値 を比較し、比例(P)制御または比例積分(PI)制 によりガバナ設定値を生成する。また、ロ ドリミット制御では負荷運転中の最大出力 ミット制御を行うが、発電機150の出力と目 値とを比較し、比例積分(PI)制御によりロー ドリミット設定値を生成する。

 図18には、ロードリミット制御を行う部 の構成図を示す。信号発生器(SG5)41,(SG6)49お び(SG8)52、加算器42、減算器43、関数器(FX21)44 低値選択器45並びにレートリミッタ46により 目標値LDREFを生成し、減算器47により発電機15 0の出力と目標値LDREFとを比較し、PI制御器48 よる比例積分制御によりロードリミット設 値LDCSOを生成している。

 また図14に示すような構成では、タービン10 1回転軸と発電機150とが連結されているため 系統周波数の変動に応じて発電設備の負荷 変動することになる。例えば、系統周波数 低下した場合には回転数も降下することに り、規定の回転数を維持するために、ガス ービン発電設備では、供給燃料量を増加す 必要がある。このように周波数変動に対応 た運転制御を行う先行技術としては、例え 、特開2004-27848号公報(特許文献3)、特開2003-23 9763号公報(特許文献4)が知られている。特許 献3には、系統周波数の異常が検出されたと 、通常制御と相違した系統周波数の回復を 体とした制御に切り替える技術が示されて る。また、特許文献2には、系統周波数の変 化率が制限内となるように調整するガバナフ リー制御の手法が示されている。

特開2003-206749号公報

特開2001-200730号公報

特開2004-27848号公報

特開2003-239763号公報

 ところで、近年、欧州地区におけるGrid C ode(系統運用規則)として、系統周波数の変動 対する負荷追従性が100%負荷または(100%+α)負 荷まで要求されてきており、また国内でも同 様の動きがある。ガバナフリー運用で高負荷 で周波数が低下した場合の調定率に従った負 荷上昇に対して、或いは負荷増加指令に対し て、従来技術では、ガスタービン100は燃料を 増加させるが、一方で燃焼温度(タービン入 温度)の上昇による機器損傷といった機器保 の観点から温調動作するため、所望の負荷 得られないことが懸念される。

 つまり、図19の(a)に示すような系統周波 の低下に対して、従来技術では、高負荷の 合、ガスタービン100の入口案内翼104の開度 変化せず(図19の(b)参照)、燃料制御によって み対応していたために、図19の(c)に示すよ な軸出力についてのGrid Code要求レスポンス 満足させるためには、図19の(e)に示すよう 、タービン入口温度のオーバシュート制限 を超えて機器保護の制約をも超える可能性 あった。

 また一方で、機器保護の観点からタービ 入口温度のオーバシュートを許容しない場 には、図19の(c)に示す軸出力についてのGrid Code要求レスポンスを満足させることができ い可能性があった。特に、ガスタービン100 蒸気タービン160とが同軸の1軸型複合サイク ル発電プラントの場合には、図19の(d)に示す うに、蒸気タービン160の出力(ST出力)の増加 が遅れるため、Grid Codeで規定された軸出力 満足するためには、蒸気タービン160の出力 足をガスタービン100の過負荷運転で補う必 がある。

 本発明は、周波数変動に対して、タービ 入口温度をオーバシュート制限範囲内に抑 ることができると共に、軸出力についてもG rid Code要求レスポンスを満足させ得るガスタ ービンの運転制御装置および運転制御方法を 提供することを目的とする。

 本発明の第1の態様は、前段に入口案内翼 を備える圧縮機からの圧縮空気と燃料とを燃 焼器に供給して該燃焼器で発生する燃焼ガス によってタービンを回転させて発電機を駆動 するガスタービンの運転制御装置であって、 系統周波数が所定閾値以下となり、且つ前記 発電機の出力が所定値以上の高負荷帯にある 場合、または、系統周波数が所定閾値以下と なり、且つ前記入口案内翼の開度が標準全開 の状態にある場合に、IGV緊急時全開フラグを 有効とするIGV制御フラグ生成部と、前記IGV緊 急時全開フラグが有効の場合に、前記入口案 内翼の開度を予め設定された開度に設定する 入口案内翼開度設定部と、温調設定を前記入 口案内翼の開度に応じて切り替えて設定し、 該温調設定に基づき前記タービンの排ガス温 度設定値またはブレードパス温度設定値を生 成する温度制御部と、前記排ガス温度設定値 または前記ブレードパス温度設定値に基づき 、前記燃焼器への燃料供給量を制御する燃料 制御部とを有するガスタービンの運転制御装 置である。

 本態様によれば、発電機の出力が所定値 上の高負荷帯にある場合、または入口案内 の開度が標準全開の状態にあって、系統周 数が低下し所定閾値以下となって周波数低 号が有効となった場合に、入口案内翼の開 を強制的に緊急時全開状態として圧縮機の 気流量を増加させるので、タービン入口温 をオーバシュート制限範囲内に抑えること できると共に、風量増加により軸出力につ てもGrid Code要求レスポンスを満足させるこ とができる。また、温度制御部で入口案内翼 の開度に見合った温調設定に緩和できるので 、温調動作で引き戻されることがなく、負荷 即応性を向上させることができる。

 上記ガスタービンの運転制御装置において 前記燃料制御部が、前記発電機の出力に基 き前記燃料供給量を定めるロードリミット 定値を生成するロードリミット制御部、ま は、前記ガスタービンの回転数に基づき前 燃料供給量を定めるガバナ設定値を生成す ガバナ制御部を有し、前記ロードリミット 定値、前記ガバナ設定値、前記排ガス温度 定値または前記ブレードパス温度設定値に づき、前記燃焼器への燃料供給量を制御す こととしてもよく、前記IGV緊急時全開フラ が有効の場合に、前記ロードリミット制御 または前記ガバナ制御部における前記発電 出力の上限設定と変化率設定を予め設定さ た値に設定することとしてもよい。
 これにより、系統周波数の変動に対する負 即応性を向上させることができる。

 上記ガスタービンの運転制御装置において 前記温度制御部は、前記入口案内翼の開度 変化率を算出して該変化率に応じた補正量 算出し、前記入口案内翼の開度に応じて切 替えて設定した温調設定を補正する第1補正 部を有することとしてもよい。
 これにより、排ガス温度設定値またはブレ ドパス温度設定値の追従性を速めて、温度 定の逃がしを過渡的に速くでき、系統周波 の変動に対する負荷即応性を向上させるこ ができる。

 上記ガスタービンの運転制御装置におい 、前記温度制御部は、前記入口案内翼の開 の変化率を算出して該変化率に応じた補正 を算出し、前記温調設定に基づき生成した 記タービンの排ガス温度設定値またはブレ ドパス温度設定値を補正する第2補正部を有 することとしてもよい。

 これにより、排ガス温度設定値またはブ ードパス温度設定値の動きを直接的に先行 せ、より追従性を速めて、温度設定の逃が を過渡的に速くでき、系統周波数の変動に する負荷即応性を向上させることができる

 上記ガスタービンの運転制御装置において 前記第1補正部または前記第2補正部は、前 入口案内翼の開度が所定範囲にある場合に 動することとしてもよい。
 これにより、よりきめ細かな制御が可能と る。

 上記ガスタービンの運転制御装置におい 、前記温度制御部は、前記温調設定に基づ 目標値と計測した排ガス温度またはブレー パス温度との偏差に基づき比例積分制御を って前記タービンの排ガス温度設定値また ブレードパス温度設定値を生成するPI制御 を有し、前記IGV緊急時全開フラグが有効の 合に、該PI制御部における制御パラメータを 予め設定された値に設定することとしてもよ い。

 これにより、ブレードパス温度設定値ま は排ガス温度設定値の動きを速めることが き、系統周波数の変動に対する負荷即応性 向上させることができる。

 上記ガスタービンの運転制御装置におい 、前記IGV制御フラグ生成部は、前記温度制 部に基づく温調運転中であり、前記発電機 出力が上昇中であり、且つ前記発電機の出 が所定値以上の高負荷帯にある場合、また 、前記温度制御部に基づく温調運転中であ 、前記発電機の出力が上昇中であり、かつ 前記入口案内翼の開度が標準全開の状態に る場合に、IGV標準全開以上フラグを有効と 、前記入口案内翼開度設定部は、前記IGV緊 時全開フラグまたは前記IGV標準全開以上フ グが有効の場合に、前記入口案内翼の開度 予め設定された開度に設定することとして よい。

 これにより、系統周波数が変動していな 負荷上昇時にも、温度制御部に基づく温調 転状態から脱却することができ、負荷即応 (追従性)を向上させることができる。また 蒸気タービンの出力不足をガスタービンの 負荷運転で補うことができる。

 上記ガスタービンの運転制御装置において 前記IGV制御フラグ生成部は、前記IGV標準全 以上フラグの生成条件が有効から無効に切 替わるとき、一定の遅延を持たせて該IGV標 全開以上フラグを無効とすることとしても い。
 これにより、入口案内翼の緊急時全開状態 らの戻りによる出力低下を防止することが きる。

 上記ガスタービンの運転制御装置において 前記IGV制御フラグ生成部は、前記温調運転 の判断を、前記温度制御部の温調設定に基 く目標値と計測した排ガス温度またはブレ ドパス温度との偏差が所定値以下となった きに行うこととしてもよい。
 これにより、先行してIGV標準全開以上フラ を有効とし、入口案内翼の緊急時全開状態 の移行を早めることにより、負荷即応性(追 従性)をより向上させることができる。

 上記ガスタービンの運転制御装置において 前記IGV制御フラグ生成部は、前記温調運転 の判断を、前記タービンの入口温度が所定 囲にあるときに行うこととしてもよい。
 これにより、よりきめ細かな制御が可能と る。

 本発明の第2の態様は、前段に入口案内翼 を備える圧縮機からの圧縮空気と燃料とを燃 焼器に供給して該燃焼器で発生する燃焼ガス によってタービンを回転させて発電機を駆動 するガスタービンの運転制御方法であって、 系統周波数が所定閾値以下となり、且つ前記 発電機の出力が所定値以上の高負荷帯にある 場合、または、系統周波数が所定閾値以下と なり、且つ前記入口案内翼の開度が標準全開 の状態にある場合に、IGV緊急時全開フラグを 有効とするIGV制御フラグ生成ステップと、前 記IGV緊急時全開フラグが有効の場合に、前記 入口案内翼の開度を予め設定された開度に設 定する入口案内翼開度設定ステップと、温調 設定を前記入口案内翼の開度に応じて切り替 えて設定し、該温調設定に基づき前記タービ ンの排ガス温度設定値またはブレードパス温 度設定値を生成する温度制御ステップと、前 記排ガス温度設定値または前記ブレードパス 温度設定値に基づき、前記燃焼器への燃料供 給量を制御する燃料制御ステップとを有する ガスタービンの運転制御方法である。

 本発明によれば、発電機の出力が所定値 上の高負荷帯にある場合、または入口案内 の開度が標準全開の状態にあって、系統周 数が低下し所定閾値以下となって周波数低 号が有効となった場合に、入口案内翼の開 を強制的に緊急時全開状態として圧縮機の 気流量を増加させるので、タービン入口温 をオーバシュート制限範囲内に抑えること できると共に、風量増加により軸出力につ てもGrid Code要求レスポンスを満足させるこ とができ、また、温度制御部で入口案内翼の 開度に見合った温調設定に緩和できるので、 負荷即応性を向上させることができるという 効果を奏する。

本発明の第1の実施形態に係るガスター ビンの運転制御装置の構成図である。 IGV制御フラグ生成部の具体的な構成図 ある。 IGV制御部の具体的な構成図である。 温度制御部において温調設定を生成す 部分の構成図である。 温度制御部の各種関数器が持つ関数を 説明する説明図である。 温度制御部の各種関数器が持つ関数を 説明する説明図である。 燃料制御部内のロードリミット制御を う部分の構成図である。 燃料制御部内のガバナ制御を行う部分 構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る温度制御 部における温調設定を生成する部分の構成図 である。 温調設定の切り替えを説明する説明図 である。 温調設定の切り替えを説明する説明図 である。 温調設定の切り替えを説明する説明図 である。 本発明の第3の実施形態に係る温度制 部におけるブレードパス温度制御部の構成 である。 本発明の第4の実施形態に係る温度制 部におけるブレードパス温度制御部の構成 である。 本発明の第5の実施形態に係るIGV制御 ラグ生成部の具体的な構成図である。 本発明の第5の実施形態に係るIGV制御 の具体的な構成図である。 本発明の第6の実施形態に係るIGV制御 ラグ生成部の具体的な構成図である。 従来のガスタービンの運転制御装置の 構成図である。 従来例における制御部のIGV制御部の具 体的な部分構成図である。 従来例における制御部の各種関数器 持つ関数を説明する説明図である。 従来例における制御部の各種関数器 持つ関数を説明する説明図である。 従来例における制御部の各種関数器 持つ関数を説明する説明図である。 従来例における制御部の温調設定を生 成する部分の構成図である。 従来例における制御部のロードリミッ ト制御を行う部分の構成図である。 従来例において系統周波数が低下した ときの各種緒量のタイムチャートである。

符号の説明

100 ガスタービン
101 タービン
102 圧縮機
103 燃焼器
104 入口案内翼
105 燃料流量調整弁
111 制御部
112 燃料制御部
113 IGV制御部
114 温度制御部
115 IGV制御フラグ生成部
116 制御信号
117 IGV開度指令
121 吸気状態検出器
122 車室内圧力センサ
123 ブレードパス温度検出器
124 排ガス温度検出器
150 発電機
160 蒸気タービン
200 先行信号生成部(第1補正部)
400 先行信号生成部(第2補正部)

 以下、本発明のガスタービンの運転制御 置および運転制御方法の実施形態について 図面を参照して詳細に説明する。

〔第1の実施形態〕
 本発明の第1の実施形態に係るガスタービン の運転制御装置および運転制御方法について 、図1~図7を参照して説明する。ここで、図1 、本発明の第1の実施形態に係るガスタービ の運転制御装置の構成図であり、同図にお て、図14(従来例)と重複する部分には同一の 符号を付する。また、図2は第1の実施形態に けるIGV制御フラグ生成部の具体的な構成図 ある。図3はIGV制御部の具体的な構成図であ る。図4は温度制御部においてブレードパス 度制御および排ガス温度制御で用いられる 調設定EXREFを生成する部分の構成図である。 図5A及び図5Bは温度制御部の各種関数器が持 関数を説明する説明図である。図6は燃料制 部内のロードリミット制御を行う部分の構 図である。図7は燃料制御部内のガバナ制御 を行う部分の構成図である。

 図1において、ガスタービン100は圧縮機102、 燃焼器103およびタービン101を備える。圧縮機 102で圧縮された空気、及び燃料流量調整弁105 により流量調節された燃料は、燃焼器103に供 給され、ここで混合・燃焼されることにより 高圧の燃焼ガスが生成される。高温の燃焼ガ スはタービン101に供給され、膨張することに よりタービンを駆動する。この駆動力は、圧 縮機及び発電機に伝達され発電等が行われる 。
 上記燃料流量調整弁105は、制御部111の燃料 御部112からの制御信号116によって作動され 。この燃料流量調整弁105は、上述したよう 燃料ガスの燃料流量を制御することにより 負荷、さらには排ガス温度を調整している なお、1軸型複合サイクル発電プラントの場 合には、ガスタービン100、発電機150および蒸 気タービン160のそれぞれの回転軸が一体に結 合されている。

 圧縮機102の第1段の翼の前側には入口案内 翼(Inlet Guide Vane:IGV)104が設けられている。吸 気は入口案内翼104により周方向の速度が与え られ圧縮機102に導入される。圧縮機102では導 入された空気は多段の動翼と静翼とを通って エネルギーが与えられて圧力が上昇する。ま た、入口案内翼104は、周方向に多数枚設けら れた可動翼がそれぞれ回動可能に支持されて 構成され、制御部111のIGV制御部113からのIGV開 度指令117によって入口案内翼104のアクチュエ ータが作動してこれら可動翼が可動させられ 、吸気流量、燃焼温度を調整している。

 タービン101の最終段部には最終段のブレ ドを通過したガスの温度を検出するブレー パス温度検出器123が設けられ、また、該ブ ードパス温度検出器123の配置位置より下流 の排気通路には排ガスの温度を検出する排 ス温度検出器124が設けられている。また、 気状態を検出する吸気状態検出器121が設け れ、吸気温度と吸気圧力が検出されている 燃焼器103の車室内の圧力が車室内圧力セン 122によって検出されている。さらに、ター ン101の負荷状態を検出するために発電機出 センサ(図示せず)が設けられている。

 そして、これらブレードパス温度検出器1 23、排ガス温度検出器124、吸気状態検出器121 車室内圧力センサ122および発電機出力セン によって検出された検出信号が制御部111に 力される。この制御部111は、燃料の供給制 を行う燃料制御部112と、ブレードパス温度 御および排ガス温度制御を行う温度制御部1 14と、入口案内翼104の開度制御を行うIGV制御 113と、IGV緊急時全開フラグFLGを生成するIGV 御フラグ生成部115とを備えている。

 まず、IGV制御フラグ生成部115は、図2に示 すように、系統周波数が所定閾値α以下とな て周波数低信号が有効となり、且つ発電機1 50の出力が所定値以上の高負荷帯にある場合 または、入口案内翼104の開度が標準全開の 態にある場合に、ANDゲート1によりIGV緊急時 全開フラグFLGを有効として生成する。ここで 、発電機150の出力が所定値(例えば98[%])以上 場合に高負荷帯にあるとし、また、通常運 (部分負荷運転等)時における入口案内翼104の 開度全開状態(例えば0[度]または-4[度])を標準 全開の状態とする。

 次に、IGV制御部113は図3に示すように構成 されている。図3において、乗算器11、テーブ ル関数器(FX1)12、リミッタ13、補正関数器(FX2)1 4および制限関数器(FX3)15は、従来(図15参照)と 同等の構成である。本実施形態のIGV制御部113 では、この従来のIGV開度指令に対して、IGV緊 急時全開フラグFLGに基づく加算量を加える構 成と、IGV開度の変化率を制限する構成が付加 されている。

 加算量を加える構成では、信号発生器(SG1 )17および(SG2)18をIGV緊急時全開フラグFLGに応 て信号切換器19で切り換え、レートリミッタ 20を介して、加算器16で通常運転時におけるIG V開度指令に加算している。例えば、信号発 器(SG1)17に「0」を、信号発生器(SG2)18に「-8; 急時全開状態」を設定しておき、IGV緊急時 開フラグFLGが有効になったときには、通常 転時のIGV開度指令に信号発生器(SG2)18の値を 算して、強制的に緊急時全開状態となるよ にしている。

 また、IGV開度の変化率を制限する構成は 信号発生器(SG3)23および(SG4)24を、負荷遮断 ラグとIGV緊急時全開フラグFLGとをORゲート22 論理和をとった信号に応じて信号切換器25 切り換え、これを変化率制限器21に供給して IGV開度の変化率制限値を変える構成である。 ここで、信号発生器(SG3)23には通常時の変化 制限値(例えば、400[%/分])が、また信号発生 (SG4)24には負荷遮断時の変化率制限値(例えば 、3000[%/分])が、それぞれ設定されている。す なわち、IGV緊急時全開フラグFLGが有効になっ た時には、負荷遮断時の変化率制限値が適用 されることとなる。上記レートリミッタ20は この変化率制限器21にその機能を持たせて 削除しても良い。

 次に、温度制御部114において、ブレード ス温度制御部では、ブレードパス温度検出 123からのブレードパス温度(タービン101最終 段直後の排気ガス温度)計測値と温調設定に づく目標値とを比較し、比例積分(PI)制御に りブレードパス温度設定値を生成する。ま 、排ガス温度制御部では、排ガス温度検出 124からの排ガス温度(タービン101最終段より も後流の排気ダクトでの排気ガス温度)計測 と温調設定に基づく目標値とを比較し、比 積分(PI)制御により排ガス温度設定値を生成 る。

 本実施形態の温度制御部114では、図4に示 すように、ブレードパス温度制御および排ガ ス温度制御における温調設定EXREFを、入口案 翼104の開度指令値IGVに応じて切り替えて設 するようにしている。

 例えば、温調設定EXREFを生成する部分の 成は、関数器(FX11)31,(FX12)32,(FX13)33および(FX14) 34と、乗算器35および36と、加算器37とを備え 構成である。関数器(FX11)31および(FX13)33は、 図5Aに示すように、通常運転時における車室 力-温調設定関数と、入口案内翼104の開度が 緊急時全開状態のときの車室圧力-温調設定 数とがそれぞれ設定されている。また、関 器(FX12)32および(FX14)34は、図5Bに示すように 互いに0信号と1信号とが逆となる2変数関数 機能が設定されている。つまり、入口案内 104の開度指令値IGVが例えば0[度]以上の通常 転時には関数器(FX11)31に基づく温調設定EXREF 生成され、入口案内翼104の開度指令値IGVが えば-8[度]未満の緊急時全開状態時には関数 器(FX13)33に基づく温調設定EXREFが生成される

 図5Aに示すように、緊急時全開状態時に 択される関数器(FX13)33の関数は、通常運転時 に選択される関数器(FX11)31の関数に比べて、 一車室圧力に対してより高い温調設定とな ている。入口案内翼104の開度が緊急時全開 なる状況では車室圧力は上昇し、そのまま 常運転時に選択される関数器(FX11)31を用い ば温調設定を下げることになってしまうの 、関数器(FX13)33に切り替え、入口案内翼104の 開度に見合ったより高い温調設定となるよう にしている。

 次に、燃料制御部112は、制御信号116によ 燃料流量調整弁105の開度制御を行って、燃 流量制御によって負荷調整を行うが、燃料 御部112では、ブレードパス温度制御部にお るブレードパス温度設定値、排ガス温度制 部における排ガス温度設定値、ロードリミ ト制御部におけるロードリミット設定値、 たはガバナ制御部におけるガバナ設定値に づき、これらの内の最も低い値のものを燃 流量調整弁105に対する最終的な制御信号と て使用する。

 ロードリミット制御部では、負荷運転中 最大出力リミット制御を行うが、発電機150 出力と目標値とを比較し、比例積分(PI)制御 によりロードリミット設定値を生成する。ロ ードリミット制御部は図6に示すように構成 れている。

 図6において、従来(図18参照)と同様に、 標値LDREFを生成する基本的部分に、信号発生 器(SG5)41,(SG6)49および(SG8)52、加算器42、減算器 43、関数器(FX21)44、アナログメモリ45並びにレ ートリミッタ46を備え、減算器47により発電 150の出力と目標値LDREFとを比較し、PI制御器4 8による比例積分制御によりロードリミット 定値LDCSOを生成するが、低値選択器45におけ 負荷上限値と、レートリミッタ46における 荷変化レートを、IGV緊急時全開フラグFLGに じて切り替える点が従来とは異なる。アナ グメモリ45は、関数器(FX21)のインクデックに 応じた値を自身の値から加減算する要素であ る。

 例えば、負荷上限値は、信号発生器(SG6)49 および(SG7)50をIGV緊急時全開フラグFLGに応じ 信号切換器51で切り換えて生成する。ここで 、信号発生器(SG6)49には通常時の負荷上限値( えば、100[%]に相当するGT出力[MW])が、また信 号発生器(SG7)50には緊急時全開状態時の負荷 限値(例えば、105[%]に相当するGT出力[MW])が、 それぞれ設定されている。すなわち、IGV緊急 時全開フラグFLGが有効になった(周波数変動) には、105[%]に相当するGT出力[MW]が負荷上限 とされる。

 また、負荷変化レートは、信号発生器(SG8 )52および(SG9)53をIGV緊急時全開フラグFLGに応 て信号切換器51で切り換えて生成する。ここ で、信号発生器(SG8)52には通常時の負荷変化 ートが、また信号発生器(SG9)53には緊急時全 状態時の負荷変化レート(例えば、通常時の 約100倍)が、それぞれ設定されている。すな ち、IGV緊急時全開フラグFLGが有効になった( 波数変動)時には、通常時の約100倍に相当す る負荷変化レートとされる。

 また、ガバナ制御部では定格速度域にお る速度制御を行うが、タービン101(タービン 101に連結された発電機150)の回転数と目標値 を比較し、比例(P)制御によりガバナ設定値GV CSOを生成する。ガバナ制御部は図7に示すよ に構成されている。

 図7において、ガバナ制御部は、信号発生 器(SG13)77,(SG14)78,(SG10)67,(SG)68,(SG11)73および(SG12) 75、信号切換器79、レートリミッタ66、加算器 61,69および74、減算器62および71、比例制御器6 3,70および72、関数器(FX22)64並びにアナログメ リ65、低値選択器76を備えた構成である。

 従来の構成(図示せず)に、信号発生器(SG13 )77および(SG14)78、信号切換器79、レートリミ タ66並びに加算器61を付加した構成であり、 号発生器(SG13)77には通常時の負荷増分(例え 、0[%])に相当するGT出力(0[MW])が、また信号 生器(SG14)78には緊急時全開状態時の負荷変化 増分(例えば、5[%])に相当するGT出力[MW]がそれ ぞれ設定され、IGV緊急時全開フラグFLGが有効 になった(周波数変動)ときには、最大105[%]に 当する出力設定ALRSET[MW]が設定される。なお 、関数器(FX22)64では、燃料制御部112において バナ設定値GVCSO以外のパラメータが選択さ ている時には増加させない(常に0を出力)よ になっている。

 次に、本実施形態のガスタービンの運転制 装置による運転制御について説明する。こ では、系統周波数がδfだけ低下した場合(図 19の(a)参照)を例に説明する。
 発電機150の出力が所定値以上の高負荷帯に る場合、または、入口案内翼104の開度が標 全開の状態にあって、系統周波数がδf低下 所定閾値α以下となって周波数低信号が有 となった場合には、IGV制御フラグ生成部115 よりIGV緊急時全開フラグFLGが有効として生 されることになる。

 これを受けてIGV制御部113では、IGV開度指 117が強制的に緊急時全開状態の値に設定さ 、入口案内翼104の開度は緊急時全開状態と る。また、温度制御部114では、IGV開度指令1 17が緊急時全開状態の値になった時には、入 案内翼104の開度に見合ったより高い温調設 EXREFとして温調設定を緩和し、さらに、ロ ドリミット制御およびガバナ制御における 電機150出力の上限設定と変化率の設定を、IG V緊急時全開フラグFLGが有効時に予め設定さ る上限設定と変化率の設定に緩和される。

 一般に、タービン入口温度は燃空比(燃料 量/燃焼空気量の比)に比例することから、入 案内翼104が開く方向にIGV開度を変化させれ 、圧縮機102の吸気流量は増加し燃焼空気量 増加するので、燃空比、即ちタービン入口 度は低下する。また一方、「タービン出力= タービン通過流量×タービン熱落差×効率」 関係があり、入口案内翼104が開く方向にIGV 度を変化させれば、圧縮機102の吸気流量が 加してタービン通過流量も増加するので、 ービン入口温度低下による熱落差以上にタ ビン通過流量の増大が寄与すれば発電機150 出力は増加することになる。

 したがって、タービン入口温度をオーバ ュート制限範囲内に抑えると共に、軸出力 ついてもGrid Code要求レスポンスを満足させ ることができる。また特に、ガスタービン100 と蒸気タービン160が同軸の1軸型複合サイク 発電プラントの場合には、蒸気タービン160 出力(ST出力)の増加が遅れるため、Grid Codeで 規定された軸出力を満足するためには、蒸気 タービン160の出力不足をガスタービン100の過 負荷運転で補う必要があるが、本実施形態で は高い負荷即応性により十分に対応可能とな る。

 なお、ガバナフリー時の周波数変動に対 ては、周波数変動量に応じたIGV開度を算出 てIGV開度指令117を補正する手法も考えられ が、周波数変動量によっては、IGV開度が標 全開時の開度と緊急時全開時の開度との中 に止まり、IGV制御部113と燃料制御部112との 渉により運転制御が不安定となることが懸 される。このような場合でも、本実施形態 は、IGV開度を強制的に緊急時全開状態とす ので、安定した運転制御が可能となり、所 の出力を長期的に安定して供給することが きる。

 以上説明したように、本実施形態のガス ービンの運転制御装置および運転制御方法 おいては、発電機150の出力が所定値以上の 負荷帯にある場合、または、入口案内翼104 開度が標準全開の状態にあって、系統周波 がδf低下し所定閾値α以下となって周波数 信号が有効となった場合には、入口案内翼10 4の開度を強制的に緊急時全開状態として圧 機102の吸気流量を増加させるので、タービ 入口温度をオーバシュート制限範囲内に抑 ることができると共に、風量増加により軸 力についてもGrid Code要求レスポンスを満足 せることができる。また、温度制御部114で 、入口案内翼104の開度に見合ったより高い 調設定EXREFに緩和されるので、負荷即応性 向上させることができる。

 また、本実施形態のガスタービンの運転 御装置および運転制御方法では、IGV緊急時 開フラグが有効の場合に、ロードリミット 御部またはガバナ制御部における発電機150 力の上限設定と変化率設定を予め設定され 値に設定するので、系統周波数の変動に対 る負荷即応性を向上させることが可能とな 。

〔第2の実施形態〕
 次に、本発明の第2の実施形態に係るガスタ ービンの運転制御装置および運転制御方法に ついて、図8および図9を参照して説明する。 こで、図8は本発明の第2の実施形態の温度 御部114における温調設定EXREFを生成する部分 の構成図であり、図9A乃至図9Cは温調設定EXREF の切り替えを説明する説明図である。

 なお、本実施形態は、第1の実施形態の温 度制御部114の構成に対して、入口案内翼104の 開度の変化率を算出して該変化率に応じた補 正量を算出し、入口案内翼104の開度に応じて 切り替えて設定した温調設定EXREFを補正する 行信号生成部(第1補正部)200を付加した点に 徴があり、ガスタービンの運転制御装置の 体構成、IGV制御部113の構成、並びに燃料制 部112の構成は第1の実施形態(図1、図2、図6 よび図7)と同等であり、各構成要素の説明を 省略する。また、温度制御部114の温調設定EXR EFを生成する部分の構成についても、図8にお いて第1の実施形態(図3)と同等な構成要素に 一の符号を付して説明を省略する。

 図8において、温度制御部114の温調設定EXR EFを生成する部分は、関数器(FX11)31,(FX12)32,(FX1 3)33および(FX14)34と、乗算器35および36と、加 器37および210と、先行信号生成部200とを備え た構成である。また、先行信号生成部200は、 1次遅れフィルタ202,203、減算器204、関数器(FX1 6)205、関数器(FX15)201、乗算器206およびレート ミッタ207を備えた構成である。1次遅れフィ ルタ202,203は、1個(例えば202のみ)でも3個でも まわない。

 先行信号生成部200では、まず、減算器204 よりIGV開度指令値を1次遅れフィルタ202,203 遅延した信号と遅延していない信号との偏 を求め、この偏差をIGV開度指令値の変化率( 似微分値)として得る。そして、関数器(FX16) 205において、このIGV開度指令値の変化率の大 きさ(擬似微分値)に応じて温調設定EXREFへの 正量(先行信号)を設定する。

 また、関数器(FX15)201は、先行信号生成部2 00の作動範囲を入口案内翼104の開度が所定範 にある場合のみとするものであり、例えば 関数FX15として、IGV開度が標準全開時の開度 近傍から緊急時全開時の開度近傍までの範囲 を「1」とし、それ以外を「0」とするような 数を使用し、これを乗算器206で掛け合わせ ことにより、温調設定EXREFの切り替えが行 れる範囲でのみ先行信号生成部200による補 (先行信号)を有効とすることができる。

 また、レートリミッタ207は、得られる温調 定EXREFへの補正量、即ち先行信号の時間変 率を制限するもので、該レートリミッタ207 介した補正量が加算器210により加算され、 調設定EXREFとして生成される。
 図9Aに示すように、入口案内翼104の開度が 急時全開となる状況では車室圧力は上昇し そのまま関数器(FX11)31による関数IGV1を用い ば温調設定を(AからBへ)下げることになって まうので、関数器(FX13)33による関数IGV2に切 替え、入口案内翼104の開度に見合ったより い温調設定(AからCへ)となるようにしている 。

 このときの温調設定EXREFの時間的推移は 9BのT1に示すようになるが、実際のブレード ス温度または排ガス温度は、温度の計測遅 があるので図9BのT0に示すようにゆっくりと した変化となる。そこで、本実施形態では、 図9Cに示すような先行信号生成部200による補 量(先行信号)を加算することにより、温調 定EXREFの時間的推移を図9BのT2に示すように 、実際のブレードパス温度または排ガス温 の追従性をより速くなるようにしている。

 このように、本実施形態では、先行信号 成部(第1補正部)200により、入口案内翼104の 度の変化率を算出して該変化率に応じた補 量を算出し、入口案内翼104の開度に応じて り替えて設定した温調設定EXREFを補正する で、ブレードパス温度設定値や排ガス温度 定値の追従性を速めて、温度設定の逃がし 過渡的に速くでき、系統周波数の変動に対 る負荷即応性を向上させることができる。

〔第3の実施形態〕
 次に、本発明の第3の実施形態に係るガスタ ービンの運転制御装置について、図10を参照 て説明する。ここで、図10は本発明の第3の 施形態の温度制御部114におけるブレードパ 温度制御部の構成図であり、温調設定EXREF 生成する部分については、第1の実施形態ま は第2の実施形態の構成を使用するものとし て省略している。また、ガスタービンの運転 制御装置の全体構成、IGV制御部113の構成、並 びに燃料制御部112の構成は第1の実施形態(図1 、図2、図6および図7)と同等であり、各構成 素の説明を省略する。

 図10において、本実施形態の温度制御部11 4におけるブレードパス温度制御部は、信号 生器(SG15)301,(SG16)303,(SG17)308,(SG18)309,(SG19)311お び(SG20)312、信号切換器310および313、加算器3 02、減算器305および306、低値選択器304、並び PI制御器307を備えた構成である。

 加算器302で温調設定EXREFに所定値SG15を加算 た値と、所定値SG16との間でより低値となる 値を低値選択器304により選択してこれを目標 値BPREFとし、該目標値BPREFとブレードパス温 検出器123からのブレードパス温度計測値BPT の偏差を減算器305により求め、該偏差に基 く比例積分制御をPI制御器307により行ってブ レードパス温度設定値BPCSOを生成する。
 PI制御器307における上限値は、減算器305に る偏差と待機値RCSOとの偏差としている。ま 、本実施形態のブレードパス温度制御部は IGV緊急時全開フラグFLGが有効の場合に、PI 御307における制御パラメータを予め設定さ た値に設定する点に特徴があるが、ここで 、比例ゲインおよび時定数をIGV緊急時全開 ラグFLGに応じて切替設定している。

 すなわち、比例ゲインは、信号発生器(SG1 7)308および(SG18)309をIGV緊急時全開フラグFLGに じて信号切換器310で切り換えて生成する。 こで、信号発生器(SG17)308には通常時の比例 インが、また信号発生器(SG18)309には緊急時 開状態時の比例ゲインが、それぞれ設定さ ている。また、時定数は、信号発生器(SG19)3 11および(SG20)312をIGV緊急時全開フラグFLGに応 て信号切換器313で切り換えて生成する。こ で、信号発生器(SG19)311には通常時の時定数 、また信号発生器(SG20)312には緊急時全開状 時の時定数が、それぞれ設定されている。 お、安定性の観点からは比例ゲインおよび 定数をより小さい値とするのが良いが、IGV 度を緊急時全開状態とするときは緊急性が り追従性を優先することとして、比例ゲイ および時定数を通常時よりも大きい値とす のが望ましい。

 このように、本実施形態の温度制御部114 おけるブレードパス温度制御部(排ガス制御 部も同様)では、温調設定EXREFに基づく目標値 BPREFと計測したブレードパス温度BPTとの偏差 基づきPI制御器307による比例積分制御を行 てタービンのブレードパス温度設定値BPCSOを 生成するが、IGV緊急時全開フラグFLGが有効の 場合に、PI制御器307における制御パラメータ( 比例ゲインおよび時定数)を予め設定された に設定するので、ブレードパス温度設定値BP CSOの動きを速めることができ、系統周波数の 変動に対する負荷即応性を向上させることが できる。

〔第4の実施形態〕
 次に、本発明の第4の実施形態に係るガスタ ービンの運転制御装置について、図11を参照 て説明する。ここで、図11は本発明の第4の 施形態の温度制御部114におけるブレードパ 温度制御部の構成図である。また、ガスタ ビンの運転制御装置の全体構成、IGV制御部1 13の構成、並びに燃料制御部112の構成は第1の 実施形態(図1、図2、図6および図7)と同等であ り、各構成要素の説明を省略する。

 図11において、本実施形態の温度制御部11 4におけるブレードパス温度制御部は、第1の 施形態(図4参照)における温調設定EXREFを生 する部分の構成と、信号発生器(SG15)301およ (SG16)303と、加算器302および410と、減算器305 よび306と、低値選択器304と、PI制御器307と、 先行信号生成部400とを備えた構成である。

 加算器302で温調設定EXREFに所定値SG15を加 した値と、所定値SG16との間でより低値とな る値を低値選択器304により選択してこれを目 標値BPREFとし、該目標値BPREFとブレードパス 度検出器123からのブレードパス温度計測値BP Tとの偏差を減算器305により求め、該偏差に づく比例積分制御をPI制御器307により行って ブレードパス温度設定値BPCSOを生成する。な 、PI制御器307における上限値は、減算器305 よる偏差と待機値RCSOとの偏差としている。

 本実施形態の温度制御部114におけるブレ ドパス温度制御部は、入口案内翼104の開度 変化率を算出して該変化率に応じた補正量 算出し、温調設定EXREFに基づき生成したブ ードパス温度設定値BPCSOを補正する先行信号 生成部(第2補正部)400を付加した点に特徴があ る。先行信号生成部400は、1次遅れフィルタ40 2,403、減算器404、関数器(FX18)405、関数器(FX17)4 01、乗算器406およびレートリミッタ407を備え 構成である。1次遅れフィルタは、1個でも3 でも良い。

 先行信号生成部400では、まず、減算器404 よりIGV開度指令値を1次遅れフィルタ402,403 遅延した信号と遅延していない信号との偏 を求め、この偏差をIGV開度指令値の変化率( 似微分値)として得る。そして、関数器(FX18) 405において、このIGV開度指令値の変化率の大 きさ(擬似微分値)に応じてブレードパス温度 定値BPCSOへの補正量(先行信号)を設定する。

 また、関数器(FX17)401は、先行信号生成部4 00の作動範囲を入口案内翼104の開度が所定範 にある場合のみとするものであり、例えば 関数FX17として、IGV開度が標準全開時の開度 近傍から緊急時全開時の開度近傍までの範囲 を「1」とし、それ以外を「0」とするような2 変数関数を使用し、これを乗算器306で掛け合 わせることにより、温調設定EXREFの切り替え 行われる範囲でのみ先行信号生成部400によ 補正(先行信号)を有効とすることができる

 また、レートリミッタ407は、ブレードパ 温度設定値BPCSOへの補正量、即ち先行信号 時間変化率を制限するもので、該レートリ ッタ407を介した補正量が加算器410により加 され、ブレードパス温度設定値BPCSOとして生 成される。

 このように、本実施形態では、先行信号 成部400により、入口案内翼104の開度の変化 を算出して該変化率に応じた補正量を算出 、ブレードパス温度設定値BPCSOに直接補正 (先行信号)を加算して補正するので、ブレー ドパス温度設定値BPCSOの動きを直接的に先行 せ、より追従性を速めて、温度設定の逃が を過渡的に速くでき、系統周波数の変動に する負荷即応性を向上させることができる

〔第5の実施形態〕
 次に、本発明の第5の実施形態に係るガスタ ービンの運転制御装置について、図12A及び図 12Bを参照して説明する。ここで、図12Aは第5 実施形態のIGV制御フラグ生成部115の具体的 構成図であり、図12BはIGV制御部113の具体的 構成図である。また、ガスタービンの運転 御装置の全体構成、温度制御部114の構成、 びに燃料制御部112の構成は第1の実施形態~第 4の実施形態(図1、図3、図6および図7等)と同 であり、各構成要素の説明を省略する。

 IGV制御フラグ生成部115では、第1の実施形態 と同様(図2参照)に、ANDゲート1によりIGV緊急 全開フラグFLGを生成すると共に、図12Bに示 ように、ANDゲート3によりIGV標準全開以上フ グFLG2を生成する。
 すなわち、温度制御部114に基づく温調運転 であり、発電機150の出力が上昇中であり、 つ発電機150の出力が所定値以上の高負荷帯 ある場合、または、温度制御部114に基づく 調運転中であり、発電機150の出力が上昇中 あり、且つ入口案内翼104の開度が標準全開 状態にあるとき、ANDゲート3によりIGV標準全 開以上フラグFLG2を有効として生成する。

 ここで、温調運転中の判断は、燃料制御部1 12においてブレードパス温度設定値BPCSOまた 排ガス温度設定値が燃料流量調整弁105に対 る最終的な制御信号として使用されている きに温調運転中として判断される。
 また、発電機150の出力が上昇中の判断は、 えば、出力設定[MW]について1次遅れフィル で遅延した信号と遅延していない信号との 差を求め、この偏差が正値で且つ所定値以 である時に有効とする負荷上昇中フラグを いる。

 また、発電機150の出力が所定値(例えば98[ %])以上の場合に高負荷帯にあるとし、また、 通常運転(部分負荷運転等)時における入口案 翼104の開度全開状態(例えば0[度]または-4[度 ])を標準全開の状態とする。

 次に、IGV制御部113は図12Bに示すように構 されている。すなわち、第1の実施形態の構 成(図3参照)に、ORゲート26が付加された構成 ある。つまり、従来のIGV開度指令に対して IGV緊急時全開フラグFLGまたはIGV標準全開以 フラグFLG2に基づく加算量を加える構成と、I GV緊急時全開フラグFLGに基づきIGV開度の変化 を制限する構成が付加されている。

 加算量を加える構成では、信号発生器(SG1 )17および(SG2)18をIGV緊急時全開フラグFLGまた IGV標準全開以上フラグFLG2に応じて信号切換 19で切り換え、レートリミッタ20を介して、 加算器16で従来のIGV開度指令、即ち通常運転 におけるIGV開度指令に加算している。例え 、信号発生器(SG1)17に「0」を、信号発生器(S G2)18に「-8;緊急時全開状態」を設定しておき IGV緊急時全開フラグFLGまたはIGV標準全開以 フラグFLG2が有効になった時には、通常運転 時のIGV開度指令に信号発生器(SG2)18の値を加 して、強制的に緊急時全開状態となるよう している。

 上述した第1の実施形態~第4の実施形態の スタービンの運転制御装置では、発電機150 出力が所定値以上の高負荷帯にある場合、 たは、入口案内翼104の開度が標準全開の状 にあって、系統周波数が低下し所定閾値α 下となって周波数低信号が有効となった場 に、IGV緊急時全開フラグFLGを有効とし、該IG V緊急時全開フラグFLGが有効の場合に入口案 翼104の開度を強制的に緊急時全開状態とし 圧縮機102の吸気流量を増加させ、タービン 口温度をオーバシュート制限範囲内に抑え と共に、風量増加により軸出力についてもGr id Code要求レスポンスを満たすようにした。

 系統周波数が変動していない場合であっ も、負荷上昇時には蒸気タービン160の出力( ST出力)の遅れと、発電機150出力の温調運転に よる上限とから、GTCCでは高負荷時に負荷即 性(追従性)が悪い状況となっていた。本実施 形態では、このような状況にあることをIGV標 準全開以上フラグFLG2を用いて判断し、該IGV 準全開以上フラグFLG2が有効の場合に入口案 翼104の開度を強制的に緊急時全開状態とし 、同等の効果を得ることとしている。

 例えば、本実施形態のガスタービンの運 制御装置では、IGV制御フラグ生成部115にお て、温度制御部114に基づく温調運転中であ 、発電機150の出力が上昇中であり、且つ発 機150の出力が所定値以上の高負荷帯にある 合、または、入口案内翼104の開度が標準全 の状態にあるとき、IGV標準全開以上フラグF LG2を有効とし、IGV制御フラグ生成部115におい て、IGV緊急時全開フラグFLGまたはIGV標準全開 以上フラグFLG2が有効の場合に、入口案内翼10 4の開度を予め設定された開度(緊急時全開状 の開度)に設定する。これにより、系統周波 数が変動していない負荷上昇時にも、温度制 御部114に基づく温調運転状態から脱却するこ とができ、負荷即応性(追従性)を向上させる とができる。また、蒸気タービン160の出力 足をガスタービン100の過負荷運転で補うこ ができる。

〔第6の実施形態〕
 次に、本発明の第6の実施形態に係るガスタ ービンの運転制御装置について、図13を参照 て説明する。ここで、図13は本発明の第6の 施形態のIGV制御フラグ生成部115の具体的な 成図である。また、ガスタービンの運転制 装置の全体構成および燃料制御部112の構成 第1の実施形態~第4の実施形態(図1、図2、図6 、および図7等)と、またIGV制御部113の構成は 5の実施形態(図12B)と同等であり、各構成要 の説明を省略する。

 IGV制御フラグ生成部115では、第5の実施形 態と同様に、ANDゲート1によりIGV緊急時全開 ラグFLGを、ANDゲート3によりIGV標準全開以上 ラグFLG2をそれぞれ生成するが、図13に示す うに、ANDゲート3の出力にオフディレイ5が 加された構成となっている。

 このオフディレイ5により、IGV標準全開以 上フラグFLG2の生成条件が有効から無効に切 替わるとき、一定の遅延を持たせて該IGV標 全開以上フラグFLG2を無効とすることができ 。これにより、第5の実施形態の効果と同等 の効果を奏すると共に、IGV緊急時全開状態か らの戻りによる出力低下等の影響を防止する ことができる。

〔変形例〕
 以上、本発明の実施形態について図面を参 して詳述してきたが、具体的な構成はこれ の実施形態に限られるものではなく、本発 の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含 れる。

 第5の実施形態および第6の実施形態にお ては、温調運転中の判断を、燃料制御部112 おいてブレードパス温度設定値BPCSOまたは排 ガス温度設定値が燃料流量調整弁105に対する 最終的な制御信号として使用されているか否 かで判断したが、これをブレードパス温度目 標値BPREFとブレードパス温度計測値BPTとの偏 、若しくは排ガス温度目標値と排ガス温度 測値との偏差に基づいて判断しても良い。

 例えば、ブレードパス温度計測値BPTが上 しており、ブレードパス温度目標値BPREFに づきつつあるときには、いずれ温調運転に ることが予想されるが、ブレードパス温度 標値BPREFとブレードパス温度計測値BPTとの偏 差が所定値未満となった時に温調運転中と判 断すれば、先行してIGV標準全開以上フラグFLG 2を有効とし、入口案内翼104の緊急時全開状 への移行を早めることにより、負荷即応性( 従性)をより向上させることができる。

 また、温調運転中の判断をタービンの入 温度を用いて行っても良い。なお、タービ 入口温度は直接計測していないため、これ 代わる指標を用いる。より具体的には、例 ば、特開2007-77867号公報の「ガスタービンの 燃焼制御装置」には、タービン入口温度に比 例する燃焼負荷指令値(CLCSO)を、ガスタービ 出力と、入口案内翼104の開度と、圧縮機102 吸気温度とに基づき算出する技術が開示さ ており、この燃焼負荷指令値(CLCSO)を代用指 として用いることができる。例えば、燃焼 荷指令値(CLCSO)が所定値(例えば98[%])以上の 合に温調運転中の判断を行うようにする。

 このようにタービン入口温度(または代用 指標)を用いて、タービン入口温度が厳しい イントで入口案内翼104を緊急時全開状態に るといった運用が可能となり、よりきめ細 な制御が可能となる。