Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
OPTICAL AMPLIFIER, AND OPTICAL TRANSMISSION SYSTEM INCLUDING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/016695
Kind Code:
A1
Abstract:
An optical amplifier which is included in a relay station of an optical transmission system to amplify the optical signal and perform ALC of an output power by means of a VOA4. The optical amplifier receives the difference between the target output value and measured output value of an upstream optical amplifier as an expected control volume, and updates the target attenuation value for the VOA4 in accordance with the current target attenuation value being set to the VOA4 for ALC, the difference between its own target output value and measured output value, and the expected control volume, while updating the target attenuation value at intervals of time exceeding the ALC output convergence time and using the difference between its own target output value and measured output value as an expected control volume of a downstream optical amplifier. In an optical transmission system where each station performs ALC, therefore, a waiting time taken for ALC to be stabilized during the wavelength increment/decrement and signal startup time is shortened and variation in the level of the optical signal power during transition from AGC to ALC is reduced.

Inventors:
MORI SHOTA (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/064771
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 27, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
FUJITSU LTD (JP)
MORI SHOTA (JP)
International Classes:
G02F1/35; H01S3/10; H04B10/293
Foreign References:
JP2006202900A2006-08-03
JP2006166478A2006-06-22
Attorney, Agent or Firm:
SASAJIMA, Fujio (15-12 Toranomon 1-chom, Minato-ku Tokyo 01, JP)
Download PDF:
Claims:
 光伝送システムの中継局に備えられて信号光を増幅すると共に、可変光減衰器により出力パワーのALC(Automatic Level Control)を実行する光増幅装置において、
 上流の光増幅装置の出力目標値及び出力測定値の差分を制御予定量として受信し、
 ALCのために前記可変光減衰器に対し設定している現在の減衰量目標値と、自身の出力目標値及び出力測定値の差分と、前記制御予定量と、に基づいて、前記可変光減衰器に対する減衰量目標値を更新するようになっていると共に、該減衰量目標値の更新を、ALCによる出力収束時間以上の間隔で実行し、
 そして、前記自身の出力目標値及び出力測定値の差分を下流への制御予定量とすることを特徴とする光増幅装置。
 光伝送システムの送信局に備えられて信号光を増幅すると共に、可変光減衰器により出力パワーのALC(Automatic Level Control)を実行する光増幅装置において、
 ALCのために前記可変光減衰器に対し設定している現在の減衰量目標値と、自身の出力目標値及び出力測定値の差分と、に基づいて、前記可変光減衰器に対する減衰量目標値を更新するようになっていると共に、該減衰量目標値の更新は、ALCによる出力収束時間以上の間隔で実行し、
 そして、前記自身の出力目標値及び出力測定値の差分を制御予定量として下流へ送信することを特徴とする光増幅装置。
 光伝送システムの受信局に備えられて信号光を増幅すると共に、可変光減衰器により出力パワーのALC(Automatic Level Control)を実行する光増幅装置において、
 上流の光増幅装置の出力目標値及び出力測定値の差分を制御予定量として受信し、
 ALCのために前記可変光減衰器に対し設定している現在の減衰量目標値と、自身の出力目標値及び出力測定値の差分と、前記制御予定量と、に基づいて、前記可変光減衰器に対する減衰量目標値を更新するようになっていると共に、該減衰量目標値の更新は、ALCによる出力収束時間以上の間隔で実行することを特徴とする光増幅装置。
 信号断が発生した後の立ち上げ時に、前記減衰量目標値の初期値として、当該光増幅装置の入力ダイナミックレンジの上限パワーで信号光が入力されたときの減衰量目標値を設定することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の光増幅装置。
 当該光増幅装置の出力が停止したときに、その出力停止直前の前記減衰量目標値を保持し、該停止していた出力の再開時に、前記保持している減衰量目標値を初期値とすることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の光増幅装置。
 前記減衰量目標値が前記可変光減衰器の制御限界に到達している場合に、前記制御予定量を変化無しの値とすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光増幅装置。
 信号光を増幅すると共に、可変光減衰器により出力パワーのALC(Automatic Level Control)を実行する光増幅装置を送信局、中継局、及び受信局に備えた光伝送システムにおいて、
 前記送信局の光増幅装置は、
 ALCのために前記可変光減衰器に対し設定している現在の減衰量目標値と、自身の出力目標値及び出力測定値の差分と、に基づいて、前記可変光減衰器に対する減衰量目標値を更新するようになっていると共に、該減衰量目標値の更新は、ALCによる出力収束時間以上の間隔で実行し、
 そして、前記自身の出力目標値及び出力測定値の差分を制御予定量として下流へ送信し、
 前記中継局の光増幅装置は、
 上流の光増幅装置の出力目標値及び出力測定値の差分を制御予定量として受信し、
 ALCのために前記可変光減衰器に対し設定している現在の減衰量目標値と、自身の出力目標値及び出力測定値の差分と、前記制御予定量と、に基づいて、前記可変光減衰器に対する減衰量目標値を更新するようになっていると共に、該減衰量目標値の更新を、ALCによる出力収束時間以上の間隔で実行し、
 そして、前記自身の出力目標値及び出力測定値の差分を下流への制御予定量とし、
 前記受信局の光増幅装置は、
 上流の光増幅装置の出力目標値及び出力測定値の差分を制御予定量として受信し、
 ALCのために前記可変光減衰器に対し設定している現在の減衰量目標値と、自身の出力目標値及び出力測定値の差分と、前記制御予定量と、に基づいて、前記可変光減衰器に対する減衰量目標値を更新するようになっていると共に、該減衰量目標値の更新は、ALCによる出力収束時間以上の間隔で実行する
 ことを特徴とする光伝送システム。
 信号断が発生した後の立ち上げ時に、前記減衰量目標値の初期値として、自局の前記光増幅装置の入力ダイナミックレンジの上限パワーで信号光が入力されたときの減衰量目標値を設定することを特徴とする請求項7記載の光伝送システム。
 自局の前記光増幅装置の出力が停止したときに、その出力停止直前の前記減衰量目標値を保持し、該停止していた出力の再開時に、前記保持している減衰量目標値を初期値とすることを特徴とする請求項7記載の光伝送システム。
 前記減衰量目標値が前記可変光減衰器の制御限界に到達している場合に、前記制御予定量を変化無しの値とすることを特徴とする請求項7記載の光伝送システム。
 前記中継局及び前記受信局の入力段にラマン光増幅式の光増幅装置が備えられ、
 該光増幅装置は、
 上流の光増幅装置の出力目標値及び出力測定値の差分を制御予定量として受信し、
 ラマン励起光量を決定している現在の伝送路損失目標値と、自局の入力目標値及び入力測定値の差分と、前記制御予定量と、に基づいて、前記ラマン励起光量を決定するための伝送路損失目標値を更新するようになっていると共に、該伝送路損失目標値の更新を、自局の前記光増幅装置における減衰量目標値の更新間隔で実行し、
 そして、前記自局の入力目標値及び入力測定値の差分を下流への制御予定量とする
 ことを特徴とする請求項7記載の光伝送システム。
 信号断が発生した後の立ち上げ時に、前記伝送路損失目標値の初期値として、最小設定値のラマン励起光量を決定する伝送路損失目標値を設定することを特徴とする請求項11記載の光伝送システム。
 自局の前記光増幅装置の出力が停止したときに、その出力停止直前の前記伝送路損失目標値を保持し、該停止していた出力の再開時に、前記保持している伝送路損失目標値を初期値とすることを特徴とする請求項11記載の光伝送システム。
 いずれかの局に損失変動デバイスが含まれている場合に、該損失変動デバイスに対して可変光減衰器を縦列接続し、これら損失変動デバイス及び可変光減衰器を経た後の信号光パワーが一定となるように該可変光減衰器のALCを実行することを特徴とする請求項7記載の光伝送システム。
 前記損失変動デバイスと縦列接続した可変光減衰器のALCにおける減衰量目標値の算出に、上流の光増幅装置の制御予定量を適用することを特徴とする請求項14記載の光伝送システム。
 いずれかの局に損失変動デバイスが含まれている場合に、該損失変動デバイスの動作に伴う損失量を予め測定して記憶し、該損失変動デバイスの動作時に、前記記憶した損失量から、予測される前記損失量の変化分を計算し、該変化分を制御予定量として下流の光増幅装置へ送信することを特徴とする請求項7記載の光伝送システム。
Description:
光増幅装置とこれを含んだ光伝 システム

 本発明は、波長分割多重(Wavelength Division Multiplex:WDM)光伝送における光増幅の技術に関 し、特に、自動レベル制御(Automatic Level Contr ol:ALC)方式を採用した光増幅装置に関する。

 光伝送システムにおいては、光伝送路で 生する損失の変動を吸収するために、送信 、中継局、受信局に備えられる光増幅装置 出力パワーを一定に制御するALCが採用され 。このALCは、光増幅装置の出力パワーを監 し、その測定値が、目標とする所定値とな ように、フィードバック制御を行う制御方 である。ALCを用いることにより、一度運用 開始した後の光伝送システムにおいて、光 ァイバの曲げ損やコネクタ損失等の変動で 伝送路の損失が変動した場合でも光出力を 定値に戻すことができ、品質を維持するこ ができる。

 現在主流の光伝送システムはWDM方式を用 たもので、当該システムに広く用いられて る光増幅装置は、エルビウム添加光ファイ 増幅器(Erbium Doped Fiber Amplifier:EDFA)を採用 ている。このEDFAは、増幅利得を変化させる 利得の波長特性が変化するという特質をも ているので、上記のALCをEDFAの利得調整で実 行する仕組みにすると、WDM信号光の全波長領 域にわたって均一な利得特性を維持すること ができなくなる。そこで、最近の光増幅装置 においては、EDFAの利得は自動利得制御(Automat ic Gain Control:AGC)で波長特性が均一となるよ な一定値に保つようにし、可変光減衰器(Vari able Optical Attenuator:VOA)によって損失を調節す ることでALCを実行する技術が採用されている (特許文献1)。

 ALCの実施に際して、異なる波長の信号光 多重化したWDM信号光では、その全波長が均 のパワーになっていないと、波長毎の出力 ワーを一定に制御することにならない。し がって、WDM光伝送システムで波長の増減設 すなわち、未使用の波長の光信号の追加、 は、使用中の波長の光信号の削除があって 波長毎のレベル調整を行わなければならな 間は、ALCを実行することができず、全波長 パワーが均一に調整されるまで待つ必要が る。このために、波長数が確定している通 状態においてはVOAによるALCを実行する一方 波長増減設に際してはVOAを停止させてEDFAの AGCのみとし、そして、波長増減設後に全波長 のパワーが均一に調整された後にVOAによるALC を再開するという制御方式が提案されている (特許文献2)。

 このようなALCを採用した光増幅装置を中 局として備えた、長距離伝送を行う光伝送 ステムにおいて、波長増減設を行う際には 光パワー及び光SN比などの特性に極力変化 起きないことが必要とされる。この点につ て、VOAの減衰量制御の視点から考察してみ と、まず、波長増減設の開始時に、ALCの状 にある光増幅装置をAGCの状態へ切り換える には、光増幅装置においてVOAの減衰量目標 を、その切り換え直前の値で固定するだけ よいから、各波長のパワーに変動は起きず 大きな問題はない。

 一方、波長増減設の完了でAGCの状態からA LCを再開する際には、注意が必要である。す わち、増減設後の波長数におけるVOAの減衰 目標値が、増減設前の減衰量目標値と異な 値になる可能性があり、この場合には減衰 を変化させることになるため、波長パワー 変動する要因となり得るからである。

 光増幅装置においてEDFAの利得はAGCにより 一定に制御されており、VOAの減衰量以外に変 動要因がないので、入力パワーが一定であれ ば、出力パワーからフィードバック制御をか ければよい。しかし、入力パワーに変動があ ると、その影響を受けて出力パワーも変動し てしまうため、制御が不安定になってしまう 。したがって、VOAの減衰量制御にあたっては 、光増幅装置の入力パワーが安定していると いうことを担保する必要がある。この入力パ ワーの安定を担保するということから、多数 の中継局に配置された光増幅装置においてVOA の減衰量を変更する場合、つまりALCを実行す る場合、光伝送の上流から順にALCを実施して 、上流局の出力パワーが出力目標値に収束し て安定するまで待ってから、次局のALCに移る という順序制御を実行していかなければなら ない。

 この順序制御は、波長増減設時に限ったこ ではなく、信号断からの立ち上げ(復旧)時 も同じ事が言える。すなわち、信号断から 立ち上げ時にも、上流局から順にALCによる 出力を立ち上げていかなければならない。 流局では、上流局から信号光が出力される 自局の入力断が回復することになるが、こ ときに、上流局の光増幅装置においてVOAに るALCが安定していないと、出力パワー変動 要因となる。ALCによって出力パワーが出力 標値に安定するまでには時間がかかるので 上流局の光出力開始で直ちに下流局でもALC 再開されてしまうと、上流局の出力パワー つまり下流局の入力パワーがまだ不安定な での起動ということになり、波長パワーが 動する原因となる。そこで、波長増減設時 同じように、上流局におけるALCが安定する で下流局の立ち上げを待つという順序制御 必要である。

特許第3551418号公報

特開2000-196169号公報

 光増幅装置のVOAによるALCについて、制御 度の点を考えてみると、VOAの制御速度が速 れば速いほど、光伝送システム全体のパワ 安定化までにかかる所要時間が短くなるこ は当然である。しかし、次の理由があって ALCによるリアルタイム制御の高速化には限 がある。

 前述のように、利得の波長特性を一定に るため、EDFAにはAGCを実行する。EDFAは、そ 物理特性で決まる応答時間がms(ミリ秒)オー ーと比較的遅いため、AGCの制御速度は、そ 応答時間に制限される。EDFAのAGCとVOAのALCと は二重ループとして動作させており、これら 二つの制御速度が近くなると発振する可能性 があるので、ALCの制御速度は、AGCの制御速度 の100倍以上としなければならず、つまり0.1s ーダーより速くすることができない。

 また、信号断発生時のレベル変動も、ALC 速化の制限要因となる。波長チャンネルに 応した光源の故障や、波長多重部に接続す 光ファイバの断発生などで信号断が発生す と、これは突発事故なので、光増幅装置でA LC実行中に波長増減が生じてしまうことにな 。たとえば、10波長で運用している光伝送 ステムにおいて、9波長が信号断により消失 てしまった場合、WDM信号光のパワーが10分 1に減少するという急激な変動が発生する。 の場合、信号断が発生した局において電気 路による断検出が行われ、これをトリガと て、信号断が発生した局より下流の光増幅 置に対し、AGCへの遷移要求が通知される。 かし、伝送中の信号光は光速で伝わってい ので、信号断は、AGC遷移要求の通知よりも く下流局へ届き、このタイムラグの間は、 流局の光増幅装置においてALCの実行が維持 れる。すなわち、当該タイムラグの間にお て下流局の光増幅装置は、信号断により波 数が変動したことがわからないため、入力 ワーが下がったと判断して、出力パワーを1 0倍に高めるVOAの開放制御を実行してしまう 当該下流局の光増幅装置は、後にAGC遷移要 の通知を受信した時点でVOAの開放制御を停 するけれども、ALCの制御速度が速いと、信 光に素早く反応する分、タイムラグの間の 放制御時間が長くなるので、断にならずに っている波長のパワーに余計なレベル変動 発生する。

 この異常時のレベル変動量を小さく抑え ためにも、ALCを高速化することができない たとえば、信号断検出から監視制御用光制 チャンネル(Optical Supervisory Channel:OSC)の送 部にてAGC遷移要求を発信するまでの時間が30 ms、OSCにより下流局へ届いた通知信号を光電 換してそのペイロードからAGC遷移要求を取 出し、そして次の局へ向け再送信するまで 時間が1区間あたり1msであるとし、中継区間 数が10区間であるとすると、受信局までAGC遷 要求が到達するまでには、40msの時間を要す る。この間のレベル変動を0.05dB以下にするた めには、ALCの制御速度cs[dB/s]は、cs[dB/s]×40ms 0.05dB、つまりcs≦1.25[dB/s]とする必要がある

 以上のような条件に従って、ALCによるVOA リアルタイム制御の速度は、1dB/s程度に設 される。実際には、出力目標値との差分が きいときには制御速度を速くし、出力目標 に近づいたところで制御速度を遅くすると った工夫が行われるが、そのようなALCの制 速度の制限によって、VOAの減衰量制御が安 化するまでの出力収束時間には、10~20sを要 ることになっている。

 さらに、WDM光伝送システムにおいては、 伝送路における波長分散を補償するために 散補償ファイバ(Dispersion Compensating Fiber:DCF) を間に配置してその前後にEDFAを配置した二 構成の光増幅装置が多用される。この場合 その二段のそれぞれにVOAを内蔵してあると 一局あたり二個のVOAのALCが実行されるので 二倍の時間を要することになる。また、光SN 比を改善したり、中継局の間隔を拡大するた めに、光伝送路内における誘導ラマン散乱効 果を利用したラマン光増幅方式の光増幅装置 を、EDFAを利用した光増幅装置に併用する技 も用いられている。この場合、ラマン励起 を強くするとEDFAに対する入力パワーが高く るという関係があるため、ラマン光増幅装 においてもALCが実行される。したがって、 マン光増幅装置を含んだ光伝送システムの 合には、ラマン光増幅装置分のALCに関する 御時間がプラスされ、余計に時間がかかる

 このように、光増幅装置にDCFが採用され 且つラマン光増幅装置を併用した光伝送シ テムにおいて、ALCを上流から順に行う順次 御を実行すると、一中継局あたり30s~数分の 出力収束時間を要し、これに中継スパン数を かけただけの安定化待ち時間がかかることに なる。たとえば、一局あたりALCによる出力収 束時間が最大2分として、10中継である場合に は、システム全体で20分もの安定化待ち時間 かかり得る。

 波長増減設の作業や、波長チャンネル故 交換の作業では、作業完了指示を出した後 ALCが完了することで信号光の品質が保証さ るので、この後に、回線品質確認試験を実 する。このときに、ALCの安定化待ち時間に 十分も要していたのでは、作業効率が悪い さらに、大容量伝送の可能なWDM光伝送シス ムでは、回線の安定性や、停電などの障害 らの迅速な復旧が重要であり、信号断の時 は極力短いことが強く要求される。つまり 多数の局を備えた光伝送システムにおいて 、上記のように制御速度に制限のあるALCを 数分順に実施していくことによりかかる、 計の安定化待ち時間について、改善が望ま る。

 以上のALC安定化待ち時間の他、信号光の ベル変動についても改善点がある。これに いて、図4Aを参照して説明する。図示の例 おいては、送信局と受信局との間に設けら た三つの中継局が示されており、各中継局 、EDFA及びVOAを含んで構成されて上記のよう ALCを実行するものとする。そして、ALCによ 全局の波長出力パワーの出力目標値は0dBm/ch に設定されている。

 立ち上げ時等で各局ともAGCの状態にある きに、各出力測定値が、第1中継局=1dBm/ch、 2中継局=-1dBm/ch、第3中継局=0dBm/chであり、こ の状況からALCを実行すると仮定する。上述の ように、ALCに際しては上流局から順に制御を 開始していくので、まず最初に第1中継局のAL Cが実行される。第1中継局では、AGC中の出力 定値が出力目標値よりも1dB高いので、VOAの 衰量目標値を1dB増やしたALCが実行される。 のときの各下流中継局においては、VOAの減 量目標値が固定されている。継いで第1中継 局の出力収束時間の後、第2中継局のALCが実 されるが、このときには、第2中継局の出力 定値が第1中継局のALCの影響で-2dBm/chになる で、第2中継局では、VOAの減衰量目標値を2dB 減らしたALCが実行される。これに続いて、第 2中継局の出力収束時間の後、第3中継局のALC 実行されるが、このときの第3中継局の出力 測定値は第2中継局のALCの影響で1dBm/chになる で、第3中継局ではVOAの減衰量目標値を1dB増 やすことになる。

 このような中継局の順次ALC実行時に、受 局に到達する各波長のパワーは、1dB減った に2dB増え、そしてまた1dB減るというように 変動することになる。当該レベル変動によ て、特性に余裕のない受信局であると、エ ーを発生する可能性が出てくるので、なる くレベル変動を抑制することが望まれる。

 本発明は、上記のような技術背景に基づ たもので、各局でALCを実行する光伝送シス ムにおいて、波長増減設及び信号立ち上げ にかかるALCの安定化待ち時間を短縮するこ を目的とする。さらには、AGCからALCへ遷移 るときの信号光パワーのレベル変動を抑制 ることを目的とする。

 本発明の第1の態様による光増幅装置は、 光伝送システムの中継局に備えられて信号光 を増幅すると共に、VOA(可変光減衰器)により 力パワーのALCを実行する光増幅装置であり 上流の光増幅装置の出力目標値及び出力測 値の差分を制御予定量として受信し、ALCの めにVOAに対し設定している現在の減衰量目 値と、自身の出力目標値及び出力測定値の 分と、前記制御予定量と、に基づいて、VOA 対する減衰量目標値を更新するようになっ いると共に、該減衰量目標値の更新を、ALC よる出力収束時間以上の間隔で実行し、そ て、自身の出力目標値及び出力測定値の差 を下流への制御予定量とすることを特徴と る。

 本発明の第2の態様による光増幅装置は、 光伝送システムの送信局に備えられて信号光 を増幅すると共に、VOAにより出力パワーのALC を実行する光増幅装置であり、ALCのためにVOA に対し設定している現在の減衰量目標値と、 自身の出力目標値及び出力測定値の差分と、 に基づいて、VOAに対する減衰量目標値を更新 するようになっていると共に、該減衰量目標 値の更新は、ALCによる出力収束時間以上の間 隔で実行し、そして、自身の出力目標値及び 出力測定値の差分を制御予定量として下流へ 送信することを特徴とする。

 本発明の第3の態様による光増幅装置は、 光伝送システムの受信局に備えられて信号光 を増幅すると共に、VOAにより出力パワーのALC を実行する光増幅装置であり、上流の光増幅 装置の出力目標値及び出力測定値の差分を制 御予定量として受信し、ALCのためにVOAに対し 設定している現在の減衰量目標値と、自身の 出力目標値及び出力測定値の差分と、前記制 御予定量と、に基づいて、VOAに対する減衰量 目標値を更新するようになっていると共に、 該減衰量目標値の更新は、ALCによる出力収束 時間以上の間隔で実行することを特徴とする 。

 本発明によればさらに、上記のような光 幅装置を各局に備えた光伝送システムが提 される。すなわち、信号光を増幅すると共 、VOAにより出力パワーのALCを実行する光増 装置を送信局、中継局、及び受信局に備え 光伝送システムにおいて、送信局の光増幅 置は、ALCのためにVOAに対し設定している現 の減衰量目標値と、自身の出力目標値及び 力測定値の差分と、に基づいて、VOAに対す 減衰量目標値を更新するようになっている 共に、該減衰量目標値の更新は、ALCによる 力収束時間以上の間隔で実行し、そして、 身の出力目標値及び出力測定値の差分を制 予定量として下流へ送信することを特徴と る。また、中継局の光増幅装置は、上流の 増幅装置の出力目標値及び出力測定値の差 を制御予定量として受信し、ALCのためにVOA 対し設定している現在の減衰量目標値と、 身の出力目標値及び出力測定値の差分と、 記制御予定量と、に基づいて、VOAに対する 衰量目標値を更新するようになっていると に、該減衰量目標値の更新を、ALCによる出 収束時間以上の間隔で実行し、そして、自 の出力目標値及び出力測定値の差分を下流 の制御予定量とすることを特徴とする。さ に、受信局の光増幅装置は、上流の光増幅 置の出力目標値及び出力測定値の差分を制 予定量として受信し、ALCのためにVOAに対し 定している現在の減衰量目標値と、自身の 力目標値及び出力測定値の差分と、前記制 予定量と、に基づいて、VOAに対する減衰量 標値を更新するようになっていると共に、 減衰量目標値の更新は、ALCによる出力収束 間以上の間隔で実行することを特徴とする

 本発明に係る光増幅装置は、各局におけ VOAの減衰量目標値の更新間隔を、ALCによる 力収束時間以上の間隔とすることにより、 流局の出力パワー変動=自局の入力パワー変 動によるALCへの影響を抑制している。すなわ ち、前述のような理由からALCによる出力収束 時間には各局で十数秒~数分を要するけれど 、その間は目標値の更新が止められており 出力パワーの変動が減衰量目標値に反映さ ないので、自局の入力パワーに変動があっ もALCへの影響は抑止され、一定の出力目標 へ収束させることができる。

 また、上流局における出力目標値と出力 定値との差分を制御予定量として下流局に 知しているが、これは、減衰量目標値の次 更新時までの間に生じ得る上流局の出力パ ー変化予定量、つまり下流局の入力パワー 化予定量を表している。したがって、この 御予定量を下流局において受信し、次の更 時までの減衰量目標値に予め反映させてお ば、全体的に見ると各局のVOAが互いに変動 打ち消す方へ動作することになり、信号光 ワーのレベル変動が抑制される。すなわち 上流局から下流局へ、次の更新時の信号光 ワー変化量を通知する言わばフィードフォ ードが実施され、自局において、入力パワ の変化予定量を加味した減衰量目標値が設 されるので、大きなレベル変動が信号光に きない構成が提供される。

 したがって、各局で一斉にALCをスタート せても、出力収束時間相当の間は上流局のA LCによる出力変動の影響を受けずに済むので 上流から順に信号光パワーの安定化を待っ ALCを開始していく必要はない。全局一斉にA LCをスタートさせることができるため、安定 待ち時間は出力収束時間相当で済むことに り、且つ制御予定量の下流局通知によって 波長パワーのレベル変動も抑えられる。

本発明に係る光増幅装置の構成例を示 図。 減衰量目標値の更新間隔を説明する図 本発明に係る光伝送システムの安定化 ち時間について、従来技術と比較して説明 る図。分図Aが従来、分図Bが本発明を示す 本発明に係る光伝送システムのレベル 動抑制について、従来技術と比較して説明 る図。分図Aが従来、分図Bが本発明を示す 本発明に係るWDM光伝送システムの構成 を示す図。 OSC信号のフォーマット例。 損失変動デバイスに対してALCを実行す 構成例を示す図。

符号の説明

1,10 光増幅装置
2,3 EDFA
4 VOA(可変光減衰器)
5 出力パワーモニタ
6 利得制御部(AGC用制御部)
7 出力制御部(ALC用制御部)
20 光増幅装置(ラマン光増幅装置)
21 入力パワーモニタ
22 励起光量制御部(ALC用制御部)

 図1に、WDM光伝送システムに用いられる光 増幅装置の一例を示している。この例の光増 幅装置1は、EDFAを使用したもので、縦続とし 二段のEDFA2,3の間にVOA4を介在させた構成を し、EDFA3の出力パワーを、出力パワーモニタ 5で監視して出力測定値を得ている。

 上述のように、EDFAは増幅利得を変化させ ると利得の波長特性が変化する性質をもって いるので、EDFA2,3の利得に関しては、利得制 部6によってAGCを実行し、WDM信号光の波長特 が均一となるような一定値に保っている。 方、VOA4に対しては、出力制御部7によって 衰量を調整することで出力パワーを一定に つALCが実行される。この出力制御部7により 行されるALCについて説明する。

 まず初めに、当該光増幅装置1における出 力目標値の算定方式について例示する。出力 目標値は、すなわちWDM信号光全体での出力パ ワーであり、“出力目標値(dBm)=1波長あたり 出力パワー(dBm/ch)+10LOG[波長数](dB)+ASE発生量(d B)”によって算出可能である。式中、波長数 、信号光に多重化してある波長の数で、た えば多重化を行う送信局で管理している。1 波長あたりの出力パワーは、レベルを上げた 方が光SN比としては有利であるが、あまり高 すると光ファイバ伝送路の非線形応答によ て信号光の波形にひずみが生じ、必要な特 が得られなくなる、という要因があるため ファイバ種別毎に設定される固定パラメー である。ASE発生量は、EDFA等の光増幅器内で 発生するノイズ光のパワーが累積したものを 信号光に対する比としてdB換算した値で、光 幅器の特性に左右されるため、個別に測定 た雑音量を基に換算される。

 一例として、1波長あたりの出力パワーが 0dBm/ch、波長数が20波、ASE発生量が0.5dBとする 、出力目標値=0+10LOG[20]+0.5=13.5dBmになる。

 出力制御部7は、このように算出される出 力目標値を記憶しており、出力パワーモニタ 5から得られる出力測定値との差分を算出す 。そして、この差分に基づいて、VOA4に対し 定している現在の減衰量目標値を修正する とで、減衰量目標値を決定する。ただし、 信局、中継局、受信局のそれぞれで、その 出式が異なる。

 まず、送信局では、上流局が存在しない で、自局のALCだけを考えていればよい。す わち、減衰量目標値の決定式は、“減衰量 標値(dB)=現在の減衰量目標値-[出力目標値- 力測定値]”である。一方、中継局では、上 局の影響を受けるので、上流局における[出 力目標値-出力測定値]を制御予定量として受 し、これを加味して減衰量目標値を決定す 。すなわち、決定式は、“減衰量目標値(dB) =現在の減衰量目標値+制御予定量-[出力目標 -出力測定値]”である。また、受信局も、同 じく上流局の影響を受けるので、決定式は、 “減衰量目標値(dB)=現在の減衰量目標値+制御 予定量-[出力目標値-出力測定値]”である。 だし、受信局の場合は、自局の制御予定量 下流へ流す必要はない。

 つまり、上流局において、今後、制御予 量だけ出力パワーの変更が予定されている で、その分を加味して自局の減衰量目標値 決定し、結果として自局出力パワーを一定 保とうとするものである。このとき、中継 が下流局へ送信する制御予定量は、自局の[ 出力目標値-出力測定値]だけである。送信局 [出力目標値-出力測定値]をA1、その次の中 局の[出力目標値-出力測定値]をA2として説明 すると、送信局でA1だけ出力パワーを上げた 合、これを制御予定量として受信する中継 では、[A2-A1]だけ出力パワーを上げるように するので、結果として当中継局は、A1+A2-A1=A2 け出力を上げることが予定される。したが て、このA2を制御予定量として下流局へ送 するということになる。

 しかし、このように上流局の制御予定量 加味して自局の減衰量目標値を決定したと ても、上流局の出力パワーが安定しないう は自局の入力パワーが不安定であることに わりないため、上流局におけるALCによる出 収束時間を待つという不具合が解消されな 。そこで、出力制御部7は、VOA4に対する減 量目標値の更新を、出力収束時間以上の間 で実行する。これにより、上流局のALCの影 で入力パワーが不安定であっても、減衰量 標値には反映されず、VOA4の制御が不安定に らずに済む。

 たとえば、ALCの制御速度が1dB/sのオーダ である場合、出力収束時間の見込みを10sと えると、その間には10dB分の調整が実行され ので、十分に出力パワーが安定化すると考 られる。したがって、想定される出力収束 間以上の間隔で減衰量目標値を更新するこ により、各局でVOA4の減衰量が目標値に達し た頃合いに減衰量目標値が更新され、更新と 更新の間は出力測定値を無視してALCが実行さ れるので、入力パワーの変動の影響を受けず に、出力目標値への収束が実行される。なお 、このように出力収束時間は、実際に出力が 目標値に収束する(実際に出力パワーが安定 る)時間を厳密に採用する必要はなく、見込 の出力収束時間(収束すると考えられる時間 )でよい。

 この更新間隔について、図2に示している 。減衰量目標値の更新間隔を上記のように10s とすることで、減衰量目標値は10sごとに、上 記の決定式に従い更新される。この10sの更新 間隔の間は、出力パワーモニタ5による出力 定値を無視してVOA4の減衰量を目標値へ一致 せるALCが出力制御部7により実行されるので (図中実線のVOA減衰量)、入力パワーの変動の 響を受けることがない。

 この減衰量目標値の更新間隔については、 にあげる方式での設定が可能である。
1.各局で、たとえば共通のクロックからそれ れ更新間隔を計時する方式。
2.送信局をマスタ、中継局及び受信局をスレ ブとし、マスタの送信局から更新間隔ごと スレーブ局へ指令を出して更新させる方式
3.マスタは作らず、各局が隣の局と交信して 新を通知する方式。
4.上記A1について上流局から受信される値の 化を検出して記憶するようにし、各局にお て、更新間隔でA1及びA2を更新する方式。

 四つの中継局と送信局及び受信局とに、 1の光増幅装置1を備えて構成したWDM光伝送 ステムにおける安定化待ち時間の短縮効果 ついて、図3に、従来の場合と比較して示し いる。図3Aが従来、図3Bが本発明の場合を説 明している。図3Aでは、送信局に各波長の信 光を合波するマルチプレクサMUX及び従来型 光増幅装置OA、受信局に従来型の光増幅装 OA及びWDM信号光を分波するデマルチプレクサ DEMUX、そして各中継局に、従来型の光増幅装 OAを備えている。一方、図3Bでは、送信局に マルチプレクサMUX及び光増幅装置1を備え、 信局に光増幅装置1及びデマルチプレクサDEMU Xを備えている。そして、各中継局で、光増 装置1によりWDM信号光を増幅中継する。

 図3Aに示す従来技術の場合、上述したよ に、各局の光増幅装置OAにおいて減衰量目標 値がリアルタイム制御される。したがって、 波長増減設や信号断後の立ち上げ時に、上流 局のALC収束、つまり出力パワーの安定化を待 って、下流局でALCを開始する順序制御が必要 である。これにより、各局で要する十数秒か ら数分の安定化待ち時間が累積されるので、 最大で数十分もの安定化待ち時間が必要とな る。

 一方、図3Bに示す本発明の場合、各局に いて、光増幅装置1のVOA4に関する減衰量目標 値の更新間隔を、ALCによる出力収束時間以上 の間隔としているので、全局で一斉にALCを開 始することができる。すなわち、ALCによる出 力収束時間には各局で十数秒~数分を要する れども、その間は減衰量目標値の更新が止 られており、出力パワーの変動が減衰量目 値に反映されないので、自局の入力パワー( 流局の出力パワー)に変動があってもALCへの 影響は抑止され、一定の出力目標値へ収束さ せることができる。このように、全局一斉に ALCをスタートさせることができるため、安定 化待ち時間は出力収束時間相当の十数秒~数 で済むことになる。

 次に、信号光のレベル変動抑制効果につ て、図4に、同じく従来の場合と比較して示 している。図4Aに従来、図4Bに本発明の場合 説明してある。図示の例においては、送信 と受信局との間に設けられた三つの中継局 示されており、各中継局は、EDFA及びVOAを含 で構成されてALCを実行する。そして、ALCに る全局の波長パワーの出力目標値は0dBm/chに 設定されている。

 図4Aの従来技術の場合、上述したように 上流局から順にALCを開始していき、第1中継 では出力測定値が出力目標値よりも1dB高い で、VOAの減衰量目標値を1dB増やしたALCが実 される。継いで第1中継局の出力収束時間の 後、第2中継局のALCが実行され、このときに 第2中継局の出力測定値が第1中継局のALCの影 響で-2dBm/chになるので、第2中継局ではVOAの減 衰量目標値を2dB減らしたALCが実行される。こ れに続いて第2中継局の出力収束時間の後、 3中継局のALCが実行され、このときの第3中継 局の出力測定値は第2中継局のALCの影響で1dBm/ chになるので、第3中継局ではVOAの減衰量目標 値を1dB増やすことになる。このような中継局 の順次ALCにより、受信局に到達する各波長の パワーは、1dB減った後に2dB増え、そしてまた 1dB減るというように、変動することになる(Po wer3の波形参照)。

 一方、図4Bの本発明の場合、上流局から 御予定量を受信して減衰量目標値を算出し 全局一斉にALCを開始するので、第1中継局のV OA4は1dB減衰量を増やし、第2中継局のVOA4は2dB 衰量を減らし、第3中継局のVOA4は1dB増やす というALCが一斉に行われることになる。そ 結果、各局のVOA4が互いに変動を相殺する方 動作することになり且つVOA4の制御速度は全 局同じなので、信号光パワーの変動が抑制さ れる。つまり、各局が、自身の制御予定量( 更新時までに生じ得る上流局の出力パワー 変化予定量)を下流局へ通知する仕組みを導 したことで、自局において、入力パワーの 化予定量を加減算した減衰量目標値が設定 れ、大きな出力パワー変化が起きない構成 提供されている(Power3の波形参照)。

 以上のようなWDM光伝送システムにおいて 停電等で信号断が発生した後の立ち上げ時 は、減衰量目標値として初期値を与えてや 必要がある。波長増減設の場合は、システ 運用状態でALC→AGC→ALCと制御を移行しつつ 業を行えばよいので、ALCからAGCへ移行する きの減衰量目標値で固定しておいて、増減 後にAGCからALCへ移行するときにはその固定 から開始すればよい。しかし、信号断が発 した場合は、立ち上げ時に使用できる値が 憶されているとは限らない。そこで、この 合に備えて、初期値として与えられる値を め決めておく必要がある。

 信号断からの立ち上げ時には伝送路損失 未知数であるため、VOAを収束させる値がど ような値になるか、起動してみないとわか ない。そこで、自局の入力パワーがEDFA2の 力ダイナミックレンジ内の所定値となった きに、光増幅装置1の出力パワーが出力目標 となるようなVOA4の減衰量値を、初期値とし て設定する。ただし、当該初期値で起動した 際に出力パワーが高すぎてしまうと、これを 受信する光電変換部分でパワー超過となるこ とがあるので、できるだけ低めの出力パワー となるような初期値を設定するのが無難であ る。この点に鑑みて、減衰量目標値の初期値 としては、光増幅装置1の入力ダイナミック ンジの上限パワーで信号光が入力されたと に適用される減衰量目標値を設定するのが い。たとえば、入力ダイナミックレンジが-2 0~-10dBm/ch、出力目標値が0dBm/ch、EDFAの利得が 定値で22dBであるとした場合、入力ダイナミ クレンジの上限である-10dBm/chで出力パワー 0dBm/chとなるような12dBを、減衰量目標値と て設定する。

 このような減衰量目標値の初期値設定に えて、VOA駆動回路の初期値設定も考えるこ ができる。すなわち、VOA4の減衰量は、出力 パワーモニタ5による出力測定値を基にフィ ドバック制御されるが、フィードバックな で、EDFA2,3が稼働して光出力が発生した後で ければ機能しない。そこで、減衰量目標値 初期値相当の値を駆動回路において設定し おいた方が、早期に目標値に到達させられ 。VOA駆動回路は電流又は電圧によって制御 実行する構成であるので、予め電流又は電 とVOAの減衰量との関係を測定しておき、減 量目標値の初期値相当の電流又は電圧値を 期値として決めておくことができる。

 次に、当該光伝送システムにおいて一度 号光が疎通した後に、いずれかの局の電源 やファイバ断等によって光増幅装置1の出力 が停止し、これが復旧して再起動する場合に ついて説明する。この場合も、上記信号断時 同様の初期値による立ち上げとすることも可 能であるが、一度信号光が疎通した後の緊急 停止であるから、その疎通時の値を初期値と して記憶しておくことで、迅速に起動できる 。

 すなわち、上流局における電源断やファ バ断等に起因して自局の光増幅装置1の出力 が停止した場合、VOA4の減衰量目標値として その出力停止直前の値を保持する。光増幅 置1の出力が停止するとフィードバック制御 できなくなるので、このときにはフィード ックを停止し、VOA駆動回路の制御電流又は 圧をその停止直前の値にホールドすればよ 。そして、障害が復旧して再起動するとき は、当該保持値を適用しておいてEDFA2,3の励 起光を稼働させ、AGCを再開すれば、元の出力 パワーで復旧することができる。この後、各 局で上記のALCを再開して通常運転状態とすれ ばよい。この場合は、EDFA起動のAGCで立ち上 速度が決まり、1msのオーダーで目標値に収 可能である。

 なお、この出力停止直前値を保持する方 は、入力側の損失条件が出力停止の前後で 化していないことを前提とした処置である したがって、入力側の伝送路でファイバ交 等があって損失条件が変わる可能性のある 合は、予め決めておいた所定の初期値を使 する上述の方式の方が適している。この初 値選択の損失条件変化を判断するには、上 局から受信されるOSC(監視制御用光制御チャ ンネル)信号の断が発生しているか否かを判 基準とすることができる。OSC信号断がなけ ば入力側の伝送路ファイバは変わっておら 、損失条件に変化はないものとして、上記 直前値保持方式で立ち上げを行うことがで る。一方、OSC信号断が検出された場合は、 力側伝送路でファイバ交換があり、損失条 が変化したものとして、上述のように予め められた所定の初期値で立ち上げを行うこ ができる。自局の光増幅装置1に故障があっ 交換された場合には、当該交換に伴い損失 件が変化している可能性が高いので、上述 予め決められた所定の初期値で立ち上げを うのが好ましい。

 次に、間にDCF(分散補償ファイバ)を介在 せてEDFAによる光増幅段を二段縦続に設けた 増幅装置と、入力段のラマン光増幅式の光 幅装置と、を各局に備えた構成のWDM光伝送 ステムを図5に具体例として例示し、説明す る。

 この例のEDFAによる光増幅装置10は、第1の 光増幅段11及び第2の光増幅段12と、これらの に介装したDCF13と、を含んで構成されてい 。第1及び第2の光増幅段11,12はいずれも同じ 成とされ、それぞれ、図1同様縦列接続のEDF A2,3及びその間に介在させたVOA4と、EDFA2,3のAGC を実行する利得制御部6と、光パワーモニタ5 よる出力測定値を利用してALCを実行する出 制御部7と、を備えている。その出力制御部 7は、上述の更新間隔によるALCを実行し、算 した制御予定量を下流へ送信する。

 送信局は、各波長の信号光を合波するマ チプレクサMUXを備え、該マルチプレクサMUX ら出力されるWDM信号光を光増幅装置10で増 し、伝送路へ送出する。中継局は、入力段 ラマン光増幅式の光増幅装置20を備えており 、該ラマン光増幅装置20により増幅された信 光が、入力パワーモニタ21を通して光増幅 置10に入力される。受信局も同じく入力段に ラマン光増幅装置20を備えており、該ラマン 増幅装置20により増幅された信号光が、入 パワーモニタ21を通して光増幅装置10に入力 れる。受信局において光増幅装置10から出 されるWDM信号光は、デマルチプレクサDEMUXへ 入力され、各波長の信号光に分波される。

 中継局及び受信局のラマン光増幅装置20 、局間を接続する伝送路の光ファイバに対 て信号光の伝搬方向とは逆方向にラマン増 用の励起光を供給して後方励起を実行する そのラマン励起光量については、入力パワ モニタ21による入力測定値に基づいて、ラマ ン増幅されたWDM信号光のレベルを一定に制御 するALCを実行する励起光量制御部22によって 御される。ラマン光増幅装置20によるラマ 光増幅部分も、光増幅装置10のVOA4と同じく 変損失媒体なので、VOA4の減衰量目標値と同 のALCを実行することができる。

 ラマン光増幅装置20の場合は、伝送路の ファイバにおいてラマン光増幅を行い、信 光の損失を抑制するのが主な目的なので、VO Aの減衰量目標値同等のパラメータとして伝 路損失目標値が使用される。そして、その 力は自局の入力パワーとして入力パワーモ タ21で測定されるので、“伝送路損失目標値 (dB)=現在の伝送路損失目標値+制御予定量-[入 目標値-入力測定値]”によって伝送路損失 標値を決定する。入力目標値は、1波長あた の入力パワー最適値から、“入力目標値(dB) =1波長あたりの入力パワー最適値(dBm/ch)+10LOG[ 長数](dB)+ASE発生量(dB)”で算出される。入力 パワー最適値は、EDFAの特性で決まるパラメ タであり、EDFAは入力レベルに依存して光SN が変化するという特性をもっているため、 の最も良いポイント目指してラマン利得を 御するのが妥当である。ただし、そのポイ トにならなくても光SN比が少し劣化するだけ で、急激に信号エラーに至るというものでは ないので、最適制御のためのパラメータとい う位置付けとなる。

 この伝送路損失目標値は、自局の光増幅 置10におけるALCの減衰量目標値と同じ更新 隔で上式により更新され、そのときの制御 定量は、上流の光増幅装置10から受信される 値である。そして、[入力目標値-入力測定値] が制御予定量として下流へ送られる。

 図示のWDM光伝送システムにおいて、制御 定量は、送信局の光増幅装置10における第1 光増幅段11の出力制御部7から最初に発せら 、これが下流の第2の光増幅段12の出力制御 7へ送られる。すなわちここでは、第1の光 幅段11が上流で第2の光増幅段12が下流となっ て制御予定量が送られ、上記の式により減衰 量目標値が計算される。第2の増幅段12の出力 制御部7から送信される制御予定量は、OSC送 部30から伝送路へ送出され、中継局のOSC受信 部31に受信される。

 OSC受信部31に受信された上流の制御予定 は、ラマン光増幅装置20の励起光量制御部22 提供され、上記式により算出される伝送路 失目標値に従うALCによりラマン励起光量が 整される。そして、該励起光量制御部22の 御予定量は、下流の光増幅装置10の第1の光 幅段11における出力制御部7へ提供される。 出力制御部7による制御予定量は下流の第2の 光増幅段12の出力制御部7へ提供され、そして 、該出力制御部7による制御予定量は、OSC送 部30を通して受信局へ送出される。

 受信局のOSC受信部31に受信された制御予 量は、ラマン光増幅装置20の励起光量制御部 22に提供され、上記式の伝送路損失目標値に うALCによりラマン励起光量が調整される。 して、該励起光量制御部22の制御予定量は 下流の光増幅装置10の第1の光増幅段11におけ る出力制御部7へ提供され、該出力制御部7に る制御予定量は下流の第2の光増幅段12の出 制御部7へ提供される。

 このときに、OSCにより伝送される監視制 信号には、たとえば図6に示すようなフォー マットを使用することができる。AGC/ALCは、AG Cによる運用状態とALCによる運用状態とを切 換えるためのデータで、送信局から下流局 送信される。中継局は、当該データを転送 ることになる。上述のように、波長増減設 等はAGC、通常でALCである。AGCを指示するデ タを受信した局は、VOA及びラマン励起光のAL Cを即時停止する。一方、ALCを指示するデー が受信されれば、上記のような全局一斉ALC 開始される。更新トリガは、制御予定量を り込んで、減衰量目標値及び伝送路損失目 値を更新するトリガである。このデータを れることで、上流から下流へ更新間隔を指 して同期させることができる。伝送路出力 標値は、伝送路損失目標値の初期値を設定 る際に必要で、伝送路出力測定値は、ラマ 光増幅装置の制御に必要である。APSDは安全 制御のための自動シャットダウン要求、WDM AIS及びOSC AISは、上流局において発生したWDM 信号光断、OSC信号光断を下流へ伝えるための データである。

 以上のようにして、この例のWDM光伝送シ テムにおいては、ラマン光増幅装置20も含 て制御予定量が上流から下流へ送られて、 局一斉にALCを開始することができるので、 述のような安定化待ち時間の短縮及び信号 のレベル変動抑制といった利点を得ること できる。

 ラマン光増幅装置20についても、信号断 らの立ち上げにあたってはVOA4と同様に、伝 路損失目標値の初期値を考える必要がある 一例としてあげられるのは、上流局の出力 標値(dBm)-自局の入力目標値(dBm)とすること ある。ただし、VOAの場合は、制御電流ある は電圧に対する減衰量の特性を予め測定し おくことができ、該特性の敷設後の変化も ないが、ラマン光増幅装置の場合は、敷設 に利得が大きく変わる可能性があることに 意しておく必要がある。すなわち、敷設さ た光伝送路の損失係数(dB/km)、ラマン励起光 伝送路光ファイバに結合されるまでに通過 るコネクタ等で発生する損失などで、ラマ 光増幅装置の利得は変化するという特性が る。したがって、同じラマン励起光量で励 したとしてもその利得は、2dBから10dB程度ま で変化する可能性があり、ラマン励起光量と 利得との関係を予め一律に予測しておくこと が難しい。そこで、信号光パワーが高くなり すぎることによる光受信器の破損を最優先リ スクとして、伝送路損失目標値の初期値は、 設定可能な最小のラマン励起光量となる値と しておくのが好ましい。

 また、上流局のトラブルで、ラマン光増 装置20の出力が停止した場合、入力測定値 検出されなくなるので、やはりVOA4の場合と 様に、出力停止直前の伝送路損失目標値を 持するようにする。すなわち、その直前目 値に関するラマン励起光量の制御値をホー ドしておき、再起動時にはその値から出発 る。その後は、光増幅装置10のAGC→ALCに応 て制御を実行していけばよい。このときに 送路の光ファイバ交換があったかどうかに いては、上記同様、OSC信号断を検出するこ で対応することができる。

 WDM光伝送システムにおいては、上記のよ な構成要素の他に、分散量を調整すること できるVIPA(Virtually Imaged Phased Array)型可変 散補償器、WDM信号光の利得均一性を補償す 可変利得等化器(Active GEQ)、波長の分岐、挿 を実現するアド・ドロップフィルタなど、 作することで損失が変動してしまうような 失変動デバイスが使用され得る。このよう 損失変動デバイスに対しても、制御予定量 利用したALCを実行することができる。以下 VIPAデバイスを例にして説明する。

 図7に、概略回路構成を示している。VIPA 、薄板の平行平面に反射膜をコーティング た波長分散素子(VIPA板)及び反射ミラーを含 で構成された分散補償デバイスである(たと ば特開平09-043057号公報参照)。このデバイス は分散値を±1000ps/nm程度の範囲で調整するこ ができるが、その分散値を変化させたとき 挿入損失が変化してしまうという特性があ 。そこで、これに対しALCを実行するために 図7の例では、VIPAデバイス50の前段にVOA51を け、そして、VOA51の前に入力パワーモニタ52 、VIPAデバイス50の後に出力パワーモニタ53を けて入力測定値及び出力測定値を得ている なお、VOA51の位置は、VIPAデバイス50の後段 もよい。

 損失制御部54は、上流から制御予定量を 信し、上述の式“減衰量目標値(dB)=現在の減 衰量目標値+制御予定量-[出力目標値-出力測 値]”にて、VOA51に対する減衰量目標値を算 し、ALCを実行する。そして、自身の[出力目 値-出力測定値]を制御予定量として下流へ 信する。この減衰量目標値の更新間隔は、 記と同じく出力収束時間以上のタイミング しておくことができる。

 このような損失一定制御を導入すること より、VIPAデバイス50に関しては、その本来 目的である分散量のみの都合で制御を行う とができ、このときの損失変動については VIPAデバイス50+VOA51の合計損失が一定となる うにVOA51のALCを実行することで、吸収する とができる。

 また、当該損失変動デバイスがある場合 も、その動作に伴う損失変化量を予め予測 きるときには、次のような制御とすること 考えられる。すなわち、VIPAデバイスを例に とると、予め、VIPAデバイス単体で分散量対 失量を測定し記憶しておく。そして、VIPAデ イスの分散量を変化させるときに、その変 の前後で予測される損失量の差分(変化分) 、記憶している測定済み損失量から計算す 。当該差分を、制御予定量として下流へ流 ば、下流の光増幅装置のALCで使用すること できる。なお、この場合の損失量は予測値 あって測定値ではないので、現実にはずれ 発生が考えられるが、分散量の値が確定し しまえばその損失は固定となり、予測値と 誤差による影響はなくなるので、制御とし は安定する。

 以上の実施形態では、ALCの目標値に対し 収束可能である場合を説明してきたが、目 値に収束しない場合も生じ得るので、これ ついて考える。

 VOAによるALCの場合、VOAの減衰量を最小に ても出力パワーが出力目標値に到達しない 合があり得る。これには、入力パワーが低 ぎることに起因する場合と、光増幅装置内 損失増大に起因する場合と、が考えられる また、ラマン光増幅装置の場合は、伝送路 失が大きくてラマン励起光のパワーを最大 しても目標値に達しない場合と、逆に伝送 損失が小さくてラマン励起光のパワーを最 にしても利得を減らせない場合と、の二通 でALC目標値を外れることがあり得る。

 このように目標値が制御限界に到達して まっている条件において、上記の制御予定 を当て込んだALCを実行すると、ある局にお て実際には既に限界値まで達していて、そ 以上のパワー制御を実行することができな にも関わらず、下流に対しては制御予定量 通知し続けることになる。すると、下流の では、その制御予定量を見込んでALCを実行 続けるので、信号光パワーがいつまで経っ も目標値に到達しなくなる。そこで、どこ で制御限界に達したときには、下流に対し 制御予定量を変化無しの値、つまり“0”に 設定して送信するとよい。この“0”値の制 予定量を受信する下流局では、制御予定量 “0”となるから、VOAであれば、“減衰量目 値=現在の減衰量目標値-[出力目標値-出力測 定値]”の式により目標値を定めてALCを実行 ればよいことになる。そして、自局の[出力 標値-出力測定値]を制御予定量として下流 送信すればよい。

 この方式によると、ALC目標値に到達でき い個所では可能な範囲内で最大限の制御が 行され、当該個所で到達できなかった分は 正常な個所でリカバリーされるような運用 態を得ることができる。当該制御でも限界 超えて通信品質に影響するような事態であ ば、警報を発することにしておく。




 
Previous Patent: HOLOGRAM RECORDING APPARATUS

Next Patent: LIBRARY DEVICE