コニカミノルタオプト株式会社 (〒05 東京都八王子市石川町2970番地 Tokyo, 19285, JP)
| 溶液流延製膜法により熱可塑性樹脂のドープを無限移行する無端の支持体上に流延ダイから流延し、支持体上で溶媒を蒸発させて、ウェブを形成した後、ウェブを支持体から剥離し、剥離後のウェブを搬送して乾燥させ、得られたフィルムを巻き取る、光学フィルムの製造方法であって、ウェブを支持体から剥離する際のウェブの残留溶媒量を60~160質量%となし、ウェブを支持体から剥離した後のウェブ搬送ロールの表面に、プラズマまたはエキシマUVを照射して高エネルギー表面処理を施し、該搬送ロールの表面に、表面処理膜を形成することを特徴とする、光学フィルムの製造方法。 |
| プラズマ処理またはエキシマUV処理は、少なくとも前記溶媒の蒸気の存在下で照射し、表面処理膜を形成する処理であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光学フィルムの製造方法。 |
| プラズマ処理またはエキシマUV処理は、前記溶媒の蒸気、およびプラズマ処理またはエキシマUV処理に用いるガスの両方の存在下で照射し、搬送ロールの表面に表面処理膜を形成する処理であることを特徴とする、請求の範囲第1項または第2項に記載の光学フィルムの製造方法。 |
| 前記溶媒は、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸メチル及び塩化メチレンの中の少なくとも一種を含むことを特徴とする、請求の範囲第1項から第3項のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。 |
| 前記ウェブ搬送ロールと高エネルギー波照射装置との距離は、0.5~20mmであることを特徴とする、請求の範囲第1項から第4項のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。 |
| 熱可塑性樹脂のドープを無限移行する無端の支持体上に流延ダイから流延し、支持体上で溶媒を蒸発させて、ウェブを形成した後、ウェブを支持体から剥離し、剥離後のウェブを搬送して乾燥させ、得られたフィルムを巻き取る、光学フィルムの製造装置であって、ウェブを支持体から剥離する際のウェブの残留溶媒量を60~160質量%となし、ウェブを支持体から剥離した後のウェブ搬送ロールの表面に、プラズマを照射して高エネルギー表面処理を施すプラズマ照射装置、または同表面にエキシマUVを照射して高エネルギー表面処理を施すエキシマUV照射装置を具備することを特徴とする、光学フィルムの製造装置。 |
| 請求の範囲第1項から第5項のうちのいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法により製造されたことを特徴とする、光学フィルム。 |
| 請求の範囲第7項に記載の光学フィルムを偏光板用保護フィルムとして、偏光膜の両面のうちのいずれか少なくとも一方の面に有することを特徴とする、偏光板。 |
| 請求の範囲第8項に記載の偏光板を用いることを特徴とする、表示装置。 |
本発明は、液晶表示装置(LCD)に用いられ 偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、 野角拡大フィルム、プラズマディスプレイ 用いられる反射防止フィルムなどの各種機 フィルム等にも利用することができる光学 ィルム、その製造方法及び製造装置、光学 ィルムを用いた偏光板、並びに表示装置に するものである。
従来、液晶表示装置(LCD)は、低電圧かつ 消費電力でIC回路への直結が可能であり、し かも薄型化が可能であるから、ワードプロセ ッサーやパーソナルコンピュータ等の表示装 置として広く使用されている。
ところで、このLCDの基本的な構成は、液 セルの両側に偏光板を設けたものである。 光板は、一定方向の偏波面の光だけを通す で、LCDにおいては、電界による液晶の配向 変化を可視化させる重要な役割を担ってお 、偏光板の性能によってLCDの性能が大きく 右される。偏光板は偏光子と、偏光子の両 に積層された保護フィルムとよりなる。そ て、このような偏光板の保護フィルムとし 、セルロースエステルフィルム(以下、単に フィルムともいう)が広く用いられている。 晶表示装置には、偏光板保護フィルムのほ にも、位相差フィルムや視野角拡大フィル 、反射防止フィルムなどの光学フィルムを いることが知られているし、液晶表示装置 外の表示装置にも光学フィルムは用いられ いる。その光学フィルムの材料としては、 ルロースエステル以外の材料も知られてい 。
これらの光学フィルムは、専ら溶液流延 膜法によって製造されてきた。光学フィル を溶液流延製膜装置により製造する場合、 別して2つのドープ流延方式がある。その1 は、一対のドラム間に支持体としてのエン レスベルトを巻き掛けた構造のベルト流延 式であり、もう1つは回転ドラム自身を支持 とするドラム流延方式である。
本発明は、上記のベルト流延方式とドラ 流延方式の両方式による光学フィルムの製 方法に関わるものである。
最近の大画面化に伴って、フィルム幅が く、長い巻長のフィルム原反が要望されて る。従来から溶液流延製膜法による光学フ ルムの製造方法においては、ウェブに多量 溶媒が含有されているために非常に軟らか 、何らかの原因物による剥離直後のウェブ ロールから受けるダメージ(押され故障)や ロールの汚れのフィルムへの転写(転写故障) が溶融製膜などより受けやすいことが問題と なっていた。これらの故障が発生した光学フ ィルムを偏光板化すると、重大な欠陥になる ことが判っている。
一方、溶液流延製膜法において、流延時 皮膜、可塑剤飛散等による剥離近傍ロール 異物付着が発生することがある。従来から の原因物除去の努力がなされてきたが、未 充分ではない状況であり、その対策にいろ ろな試みが従来からなされていた。
ここで、従来の溶液流延製膜法におけるウ
ブを支持体から剥離した後の搬送ロールの
掃関連の特許文献には、つぎのようなもの
ある。
上記特許文献1~4に記載の従来法は、可塑 等をロールに付着しにくくするものである 、長期間にわたり溶液流延製膜を行なって ると、可塑剤等の析出を抑えきれずに、剥 近傍ロールの表面に若干の汚れが残ってし い、光学フィルムの品質が低下するという 題があった。そこで、堆積した有機物や無 物で汚れたロールを清掃するために、一旦 製膜ラインを止めてロールの汚れを拭き取 、付着物の除去を行なってきた。しかし、 のようなロール汚れの除去作業では、作業 率が悪く、光学フィルムの生産性の大幅な 減につながるという問題があった。
また、特許文献5~8記載の方法は、溶液流 製膜法ではなくて、溶融流延製膜法に関す ものであるが、ロールにプラズマやエキシ UVを照射することにより、ロール表面の付 物を除去しようとするものである。
しかしながら、ロールに異物や可塑剤等 添加剤が、ウェブの搬送ロールに一度付着 てしまうと、プラズマやエキシマUVを照射 ても、分解して除去するのに、非常に長い 間を要するため、同じく生産性の大幅な低 につながるという問題があった。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題 解決し、セルロースエステルフィルム等の 学フィルムの生産速度を大きくしても、ウ ブ搬送ロール表面の異物付着、及びこれに 因した光学フィルムの転写故障や、ウェブ 送ロール表面上の異物による光学フィルム 押され故障の発生を非常に少なくすること できて、品質の良い光学フィルムの高生産 化(生産量増大)が可能である、光学フィル の製造方法を提供しようとすることにある
上記の目的を達成するために、請求の範 第1項の発明は、溶液流延製膜法により熱可 塑性樹脂のドープを無限移行する無端の支持 体上に流延ダイから流延し、支持体上で溶媒 を蒸発させて、ウェブを形成した後、ウェブ を支持体から剥離し、剥離後のウェブを搬送 して乾燥させ、得られたフィルムを巻き取る 、光学フィルムの製造方法であって、ウェブ を支持体から剥離する際のウェブの残留溶媒 量を60~160質量%となし、ウェブを支持体から 離した後のウェブ搬送ロールの表面に、プ ズマまたはエキシマUVを照射して高エネルギ ー表面処理を施し、該搬送ロールの表面に、 表面処理膜を形成することを特徴としている 。
このプラズマは、常圧下で照射すること 好ましい。常圧であれば、製造工程の大幅 改造が不要であるからである。
請求の範囲第2項の発明は、請求の範囲第 1項に記載の光学フィルムの製造方法であっ 、プラズマ処理またはエキシマUV処理は、少 なくとも前記溶媒の蒸気の存在下で照射し、 表面処理膜を形成する処理であることを特徴 としている。
請求の範囲第3項の発明は、請求の範囲第 1項または第2項に記載の光学フィルムの製造 法であって、プラズマ処理またはエキシマU V処理は、前記溶媒の蒸気、およびプラズマ 理またはエキシマUV処理に用いるガスの両方 の存在下で照射し、表面処理膜を形成する処 理であることを特徴としている。
請求の範囲第4項の発明は、請求の範囲第 1項から第3項のいずれか一項に記載の光学フ ルムの製造方法であって、前記溶媒は、1,3- ジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチル エチルケトン、アセトン、酢酸メチル及び塩 化メチレンの中の少なくとも一種を含むこと を特徴としている。
請求の範囲第5項の発明は、請求の範囲第 1項から第4項のいずれか一項に記載の光学フ ルムの製造方法であって、前記ウェブ搬送 ールと高エネルギー波照射装置との距離は 0.5~20mmであることを特徴としている。
請求の範囲第6項の発明は、光学フィルム の製造装置であって、熱可塑性樹脂のドープ を無限移行する無端の支持体上に流延ダイか ら流延し、支持体上で溶媒を蒸発させて、ウ ェブを形成した後、ウェブを支持体から剥離 し、剥離後のウェブを搬送して乾燥させ、得 られたフィルムを巻き取る、光学フィルムの 製造装置であって、ウェブを支持体から剥離 する際のウェブの残留溶媒量を60~160質量%と し、ウェブを支持体から剥離した後のウェ 搬送ロールの表面に、プラズマを照射して エネルギー表面処理を施すプラズマ照射装 、または同表面にエキシマUVを照射して高エ ネルギー表面処理を施すエキシマUV照射装置 具備することを特徴としている。
請求の範囲第7項の光学フィルムの発明は 、請求の範囲第1項から第5項のうちのいずれ 一項に記載の光学フィルムの製造方法によ 製造されたことを特徴としている。
請求の範囲第8項の偏光板の発明は、請求 の範囲第7項に記載の光学フィルムを偏光板 保護フィルムとして、偏光膜の両面のうち いずれか少なくとも一方の面に有すること 特徴としている。
請求の範囲第9項の表示装置の発明は、請 求の範囲第8項に記載の偏光板を用いること 特徴としている。
請求の範囲第1項の発明は、溶液流延製膜 法による光学フィルムの製造方法であって、 ウェブを支持体から剥離する際のウェブの残 留溶媒量を60~160質量%となし、ウェブを支持 から剥離した後のウェブ搬送ロールの表面 、プラズマまたはエキシマUVを照射して高エ ネルギー表面処理を施し、ウェブから蒸発し た溶媒等を材料とする(すなわち溶媒等の分 物によって生じる)表面処理膜を該搬送ロー の表面に形成するものである。請求の範囲 1項の発明によれば、ロール表面に付着した 異物を除去できるだけでなく、ロール表面に 表面処理膜を形成することよって、ロール表 面への皮膜可塑剤等の付着を軽減することが できる。また、可塑剤あるいは不純物を含む 水によるコンデンスを防止することができ、 セルロースエステルフィルム等の光学フィル ムの生産速度を大きくしても、ウェブ搬送ロ ール表面の異物付着、及びこれに起因した光 学フィルムの転写故障や、ウェブ搬送ロール 表面上の異物による光学フィルムの押され故 障の発生を非常に少なくすることができて、 品質の良い光学フィルムの高生産性化(生産 増大)が可能であるという効果を奏する。
請求の範囲第2項の発明は、請求の範囲第 1項に記載の光学フィルムの製造方法であっ 、プラズマ処理またはエキシマUV処理は、少 なくとも溶媒の蒸気の存在下で照射し、表面 処理膜を形成する処理であるもので、請求の 範囲第2項の発明によれば、プラズマ、エキ マUVを、溶媒蒸気の存在下で照射させたとき 、フィルムの剥離性が向上(剥離力が低下)し 。また、処理後の金属支持体表面には、処 前と比較して、XPS(X線光電子分光計)にて炭 原子の増加が見られたことから、溶媒蒸気 原料とする純水接触角が小さくなるアモル ァス炭化水素のようなモノレイヤーの処理 が形成されることで、搬送ロール表面への 物等の付着力を低減させることができた、 考えられる。また、副次的な効果として、 留溶媒量が高いウェブは軟らかいため、そ 自身に粘着性を有し、搬送ロールに接触し 剥れるときに粘着力による応力がかかるた 、リタデーションなど光学特性のばらつき 大きくなり、それは高速搬送によってさら 増加傾向にある問題があったが、本方式に り、ウェブの搬送ロールに対する粘着力が さくなり、流延膜の剥離力を低減させ、そ ことにより、光学用薄膜フィルムを高速で 送するときも、フィルムにかかる剥離応力 小さくすることができたと、考えられる。
なお、このような溶媒蒸気の存在下で、 ラズマ装置、エキシマUV装置による表面処 膜の形成については、現時点では、そのメ ニズムは十分解明されていないが、非晶質 化水素の非常に薄い膜が形成されているも と考えられる。
金属支持体表面の物理的な形状が変化し 可能性については、SUS304やSUS316製等の、表 を超鏡面研磨加工した板に、プラズマ、エ シマUVを照射した前後で、表面粗さRaが走査 型原子間力顕微鏡(以下、AFMと言う)による測 で変化していないことから、金属体の表面 荒れたり、反対に金属体の平滑化して、フ ルムの剥離性が変化した可能性は低いもの 考えられる。
請求の範囲第3項の発明は、請求の範囲第 1項または第2項に記載の光学フィルムの製造 法であって、プラズマ処理またはエキシマU V処理は、溶媒の蒸気、およびプラズマ処理 たはエキシマUV処理に用いるガスの両方の存 在下で照射し、表面処理膜を形成する処理で あるもので、請求の範囲第3項の発明によれ 、同様に、流延膜の剥離力を低減させ、そ ことにより、光学用薄膜フィルムを高速で 送するときも、フィルムにかかる剥離応力 小さくすることができるという効果を奏す 。
請求の範囲第4項の発明は、請求の範囲第 1項から第3項のいずれか一項に記載の光学フ ルムの製造方法であって、溶媒は、1,3-ジオ キソラン、テトラヒドロフラン、メチルエチ ルケトン、アセトン、酢酸メチル及び塩化メ チレンの中の少なくとも一種を含むもので、 請求の範囲第4項の発明によれば、プラズマ 理またはエキシマUV処理により効果的に表面 処理膜を形成することができ、流延膜の剥離 力を低減させ、そのことにより、光学用薄膜 フィルムを高速で搬送するときも、フィルム にかかる剥離応力を小さくすることができる という効果を奏する。
請求の範囲第5項の発明は、請求の範囲第 1項から第4項のいずれか一項に記載の光学フ ルムの製造方法であって、ウェブ搬送ロー と高エネルギー波照射装置との距離は、0.5~ 20mmであるもので、請求の範囲第5項の発明に れば、ウェブ搬送ロールと高エネルギー波 射装置とが接触しウェブ搬送ロール表面が 傷する危険が無く、また、離しすぎて搬送 ール表面の改質の効果が弱まることもない で、光学フィルムの高品質化の要求に応え ことができるとともに、連続かつ安定な高 産性化が可能となるという効果を奏する。
請求の範囲第6項の発明は、光学フィルム の製造装置であって、熱可塑性樹脂のドープ を無限移行する無端の支持体上に流延ダイか ら流延し、支持体上で溶媒を蒸発させて、ウ ェブを形成した後、ウェブを支持体から剥離 し、剥離後のウェブを搬送して乾燥させ、得 られたフィルムを巻き取る、光学フィルムの 製造装置であって、ウェブを支持体から剥離 する際のウェブの残留溶媒量を60~160質量%と し、ウェブを支持体から剥離した後のウェ 搬送ロールの表面に、プラズマを照射して エネルギー表面処理を施すプラズマ照射装 、または同表面にエキシマUVを照射して高エ ネルギー表面処理を施すエキシマUV照射装置 具備するもので、請求の範囲第6項の発明に よれば、セルロースエステルフィルム等の光 学フィルムの生産速度を大きくしても、剥離 後のウェブ搬送ロール表面の異物付着、及び これに起因した光学フィルムの転写故障や、 ウェブ搬送ロール表面上の異物による光学フ ィルムの押され故障の発生を非常に少なくす ることができて、品質の良い光学フィルムの 高生産性化(生産量増大)が可能であるという 果を奏する。
また、本発明によれば、溶液流延製膜法 よる光学フィルムの連続生産において、ウ ブ搬送ロール表面に、プラズマ処理または キシマUV処理により表面処理膜を形成する とにより、ウェブ搬送ロールからの剥離性 上げ、光学フィルムのヘイズを抑えたまま ウェブのいわゆる高残留溶媒量領域での製 を可能にして、光学フィルムの生産条件が がることにより、光学フィルムの生産性が 上するという効果を奏する。
さらに、本発明によれば、ウェブ搬送ロ ル表面に、プラズマ処理またはエキシマUV 理を施して表面処理膜を形成し、該表面処 膜によりウェブ搬送ロール表面の異物付着 軽減することによって、光学フィルムの押 れ故障の発生を少なくし、プラズマまたは キシマUV照射による高エネルギー照射により ロール表面を加熱し、表面温度を上げること によって、可塑剤による、あるいはまた不純 物を含む水によるコンデンスを防ぎ、光学フ ィルムの転写故障を少なくすることができて 、これより、光学フィルムの高品質化の要求 に応えることができるとともに、連続かつ安 定な高生産性化が可能となるという効果を奏 する。
請求の範囲第7項の発明は、請求の範囲第 1項から第5項のうちのいずれか一項に記載の 学フィルムの製造方法により製造されたこ を特徴とするもので、請求の範囲第7項の光 学フィルムの発明によれば、転写故障や押さ れ故障の発生がなく、優れた光学特性を有す るものであるという効果を奏する。
請求の範囲第8項の偏光板の発明は、請求 の範囲第7項に記載の光学フィルムを偏光板 保護フィルムとして、偏光膜の両面のうち いずれか少なくとも一方の面に有すること 特徴とするもので、請求の範囲第8項の偏光 の発明によれば、透明性、平面性に優れた 学フィルムを偏光板保護フィルムとして、 光膜の両面のうちの少なくとも一方の面に するものであるから、この偏光板を液晶パ ルに組み込んだ際、液晶パネルのコントラ ト低下や濃淡ムラを生じることがなく、視 性に優れているという効果を奏する。
請求の範囲第9項の表示装置の発明は、請 求の範囲第8項に記載の優れた光学特性を有 る光学フィルムを具備する偏光板を用いて るものであるから、請求の範囲第9項の表示 置の発明によれば、液晶パネルのコントラ ト低下や濃淡ムラを生じることがなく、視 性に優れているという効果を奏する。
1:溶解釜
2:ポンプ
3:流延ダイ
4:減圧チャンバ
5:前後巻回ドラム
6:回転駆動ドラム(支持体)
7:エンドレスベルト(支持体)
8:ウェブ搬送ロール
9:ウェブ搬送ロール
10:ウェブ
11:テンター
12:ロール搬送乾燥装置
13:巻取り機
14:温風(乾燥風)
18:反応ガス供給管
19:プラズマ照射装置
a:電極
b:電極
g:反応ガス
d:プラズマ憤射スリットからウェブ搬送ロ
ル表面までの間隙
e:排気
u:エキシマUV装置のエキシマUVランプ
r:反射板
p:パージガス
i:エアーカーテン兼ランプ装置冷却風
q:石英ガラス
つぎに、本発明の実施の形態を、図面を 照して説明するが、本発明はこれらに限定 れるものではない。
本発明による光学フィルムの製造方法は 溶液流延製膜法により熱可塑性樹脂のドー を無限移行する無端の支持体上に流延ダイ ら流延し、支持体上で溶媒を蒸発させて、 ェブを形成した後、ウェブを支持体から剥 し、剥離後のウェブを搬送して乾燥させ、 られたフィルムを巻き取る、光学フィルム 製造方法であって、ウェブを支持体から剥 する際のウェブの残留溶媒量を60~160質量%と なし、ウェブを支持体から剥離した後のウェ ブ搬送ロールの表面に、プラズマまたはエキ シマUVを照射して高エネルギー表面処理を施 、該搬送ロールの表面に、表面処理膜を形 するもので、剥離後のウェブを搬送ロール 面に、表面処理膜を形成することによって ロール表面への可塑剤等の付着を軽減、も くは可塑剤による、あるいはまた不純物を む水によるコンデンスを防止するものであ 。
ここで、ウェブを支持体から剥離する際 ウェブの残留溶媒量が60質量%未満であると 途中でウェブの一部が剥がれたりすること あり、また残留溶媒量が160質量%を超えると 、剥離不良が発生し、ウェブの破断の恐れが あるので、好ましくない。
本発明の光学フィルムの製造方法は、光 フィルムの製造に用いられるウェブ搬送ロ ル表面に、プラズマ処理またはエキシマUV 理により表面処理膜を形成することにより ウェブ搬送ロール表面の汚れやコンデンス 低減させながら光学フィルムを製造する方 もので、エネルギー波照射装置(プラズマ照 装置あるいはエキシマUV照射装置)と被清掃 であるウェブ搬送ロール表面との距離は、0 .5~20mm、好ましくは1.0~15mmである。近づけ過ぎ ると、接触による搬送ロール表面の損傷の危 険があり、離しすぎると、搬送ロール表面の 改質の効果が弱くなる。
高エネルギー表面処理の具体的な方法と て、エキシマUVやプラズマのダウンストリ ムあるいはジェットタイプと呼ばれるもの 有効である。
プラズマの場合、様々なガスでの利用が 能であるが、環境面、排気の後処理、ラン ングコスト面から、窒素と微量の酸素の混 ガスが好ましい。また、ガス風量は、プラ マ照射の有効幅1m当たり、20~5000L/minが望ま い。さらには、40~1000L/minがより好ましい。
また、エキシマUVや酸素ガスを用いるプ ズマのようにオゾンが発生する条件では、 引排気ダクトも本体周囲に併せて設置する とが望ましい。
紫外線を照射してウェブ搬送ロール表面 清掃する雰囲気としては、塵埃などが浮遊 ていないクリーンな酸素雰囲気中が好まし 、該ロールと紫外線ランプの囲いに排気装 を取り付けておき、常にフレッシュエアー 供給することがより好ましい。
製膜中にフィルムが搬送されているウェ 搬送ロール表面に紫外線やプラズマ波を照 することにより、ウェブ搬送ロール表面に 面処理膜を形成し汚れの付着・蓄積を防ぐ とができまたロール表面を高エネルギー照 により加熱することができるので、不純物 含む水や可塑剤のロール表面でのコンデン を防ぐことができ、ウェブ搬送ロール表面 付着した汚れ清掃のために製膜を中断する 数が激減し、光学フィルムの生産性を向上 せることができる。
本発明の照射は、照射形状をロール幅方 に対して、長軸にすることが好ましい。つ り、照射径をロール幅方向に長く採ること より、ロールの回転で、全体的な照射面積 稼ぐことができるため有利である。
本発明において、有機付着物とは、主と て可塑剤に由来するもので、工程で発生す 種々の有機化合物を生成するものである。 らに空気中に含まれる昇華物や油脂、塵芥 どもこれに含まれる。
本発明において、無機付着物とは、主と てステンレス製の支持体に由来するもので 工程で発生する種々の無機化合物を生成す ものである。さらに空気中に含まれる昇華 や塵芥などもこれに含まれる。
本発明において用いる熱可塑性樹脂には 要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、 電防止剤、滑剤、核剤、離型剤などを、本 明の目的を損わない範囲で添加することが きる。
溶液流延製膜法によって光学フィルムを 造することにより、経時でウェブ搬送ロー 表面に有機付着物が堆積し、光学フィルム 押され故障が発生したり、ロール表面に不 物を含む水や可塑剤のコンデンスが生じ光 フィルムの転写故障となるが、本発明の方 によってウェブ搬送ロール表面にプラズマ 理またはエキシマUV処理を施すことにより ウェブ搬送ロール表面に表面処理膜を形成 、汚れの付着・蓄積を防ぐことができ、ま 高エネルギー照射によってウェブ搬送ロー 表面を加熱させ不純物を含む水や可塑剤の ンデンスを防ぐことによって、ウェブ搬送 ール表面をクリーンに保つことができるも である。
上述した本発明の製造方法を用いて、押 れ故障や転写故障の無い高品質なセルロー エステルフィルムを生産性よく製造するこ ができる。
上記の本発明の光学フィルムの製造方法 よれば、セルロースエステルフィルム等の 学フィルムの生産速度を大きくしても、ウ ブ搬送ロール表面の異物付着、及びこれに 因した光学フィルムの転写故障や、ウェブ 送ロール表面上の異物による光学フィルム 押され故障の発生を非常に少なくすること できて、品質の良い光学フィルムの高生産 化(生産量増大)が可能である。
また、溶液流延製膜法による光学フィル の連続生産において、ウェブ搬送ロール表 に、プラズマ処理またはエキシマUV処理に り表面処理膜を形成することにより、ウェ 搬送ロール表面の剥離性を上げ、光学フィ ムのヘイズを抑えたまま、ウェブのいわゆ 高残留溶媒量領域での製膜を可能にして、 学フィルムの生産条件が広がることにより 光学フィルムの生産性が向上する。
さらに、ウェブ搬送ロール表面に、プラ マ処理またはエキシマUV処理を施して表面 理膜を形成し、該表面処理膜により剥離後 ウェブ搬送ロール表面の異物付着を軽減す ことによって、光学フィルムの押され故障 発生を少なくし、プラズマまたはエキシマUV 照射による高エネルギー照射によりロール表 面を加熱し、表面温度を上げることによって 、可塑剤による、あるいはまた不純物を含む 水によるコンデンスを防ぎ、光学フィルムの 転写故障を少なくすることができて、これよ り、光学フィルムの高品質化の要求に応える ことができるとともに、連続かつ安定な高生 産性化が可能となる。
さらに、本発明の光学フィルムの製造方 においては、プラズマ装置、またはエキシ UV装置による高エネルギー表面処理を、プ ズマ装置に用いる反応ガス、またはエキシ UV装置に用いるパージガスの存在下で行なう ことが好ましい。
本発明の光学フィルムの製造方法によれ 、溶液流延製膜法で見られる、剥離時のウ ブ中の残留溶媒がある特定の範囲にあると に見られる、剥離不良が解消し、いわゆる 残留溶媒量領域での製膜を可能にして、こ までのフィルム生産条件の制約が減り、フ ルム生産条件の選択範囲が大幅に広がると もに、ウェブ搬送ロール表面からのフィル の離型性(剥離性)が向上し、全剥離残溶域 、非常に滑らかな剥離性が得られるもので る。
図1は、溶液流延製膜法による本発明の光 学フィルムの製造方法を実施する装置の具体 例を示すフローシートである。なお、本発明 の実施にあたっては、以下に示す図面のプロ セスに限定されるものではない。
同図において、まず、溶解釜(1)で、例え セルロースエステル系樹脂を、良溶媒及び 溶媒の混合溶媒に溶解し、これに可塑剤や 外線吸収剤等の添加剤を添加して樹脂溶液( ドープ)を調製する。
ついで、溶解釜で調整されたドープを、 えば加圧型定量ギヤポンプ(2)を通して、導 によって流延ダイ(3)に送液し、無限に移送 る例えば回転駆動ステンレス鋼製エンドレ ベルトよりなる支持体(7)上の流延位置に、 延ダイ(3)からドープを流延する。
流延ダイ(3)によるドープの流延には、流 されたウェブをブレードで膜厚を調節する クターブレード法、あるいは逆回転するロ ルで調節するリバースロールコーターによ 方法等があるが、口金部分のスリット形状 調製でき、膜厚を均一にしやすい加圧ダイ 用いる方法が好ましい。加圧ダイには、コ トハンガーダイやTダイ等があるが、いずれ も好ましく用いられる。
なお、流延ダイ(3)としては、口金部分の リット形状を調製でき、膜厚を均一にしや い加圧ダイが好ましい。また、流延ダイ(3) は、通常、減圧チャンバ(4)が付設されてい 。
ここで、セルロースエステル溶液(ドープ )の固形分濃度が、15~30質量%であるのが、好 しい。セルロースエステル溶液(ドープ)の固 形分濃度が、15質量%未満であれば、支持体(7) 上で充分な乾燥ができず、剥離時にドープ膜 の一部が支持体(7)上に残り、ベルト汚染につ ながるため、好ましくない。また固形分濃度 が30%を超えると、ドープ粘度が高くなり、ド ープ調整工程でフィルター詰まりが早くなっ たり、支持体(7)上への流延時に圧力が高くな り、押し出せなくなるため、好ましくない。
支持体(7)として回転駆動エンドレスベル を具備する図示の製膜装置では、ベルト支 体(7)は、前後一対のドラム(5)(5)および中間 複数のロール(図示略)より保持されている
回転駆動エンドレスベルト支持体(7)の両 巻回部のドラム(5)(5)の一方、もしくは両方 、ベルト支持体(7)には図示しない張力を付 する駆動装置が設けられ、これによってベ ト支持体(7)は張力が掛けられて張った状態 使用される。
金属支持体(7)の幅は1700~2400mm、セルロー エステル溶液の流延幅は1600~2500mm、巻き取り 後のフィルムの幅は1400~2500mmであるのが好ま い。これにより、金属支持体方式によって の広い液晶表示装置用光学フィルムを製造 ることができる。
支持体(7)としてエンドレスベルトを用い 場合には、製膜時のベルト温度は、一般的 温度範囲0℃~溶媒の沸点未満の温度、混合 媒では最も沸点の低い溶媒の沸点未満の温 で流延することができ、さらには5℃~溶媒沸 点-5℃の範囲が、より好ましい。このとき、 囲の雰囲気湿度は露点以上に制御する必要 ある。なお、支持体(7)の周速度が40~200m/min あるのが、好ましい。
上記のようにして支持体(7)表面に流延さ たドープは、剥ぎ取りまでの間で乾燥が促 されることによってもゲル膜の強度(フィル ム強度)が増加する。
金属製支持体(7)としてエンドレスベルト 用いる方式においては、金属製支持体(7)上 は、ウェブ(10)が金属製支持体(7)から剥離ロ ール(8)によって剥離可能な膜強度となるまで 乾燥固化させるため、ウェブ(10)中の残留溶 量が60~160質量%まで乾燥させるのが好ましく 80~130質量%が、より好ましい。また、金属製 支持体(7)からウェブ(10)を剥離するときのウ ブ温度は、0~30℃が好ましい。また、ウェブ( 10)は、金属製支持体(7)からの剥離直後に、金 属製支持体(7)密着面側からの溶媒蒸発で温度 が一旦急速に下がり、雰囲気中の水蒸気や溶 媒蒸気など揮発性成分がコンデンスしやすい ため、剥離時のウェブ温度は5~30℃がさらに ましい。
ここで、残留溶媒量は、下記の式で表わ る。
残留溶媒量(質量%)={(M-N)/N}×100
式中、Mはウェブの任意時点での質量、Nは
量Mのものを温度110℃で、3時間乾燥させたと
きの質量である。
支持体(7)上に流延されたドープにより形 されたウェブ(10)を、支持体(7)上で加熱し、 支持体(7)からウェブが剥離可能になるまで溶 媒を蒸発させる。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風 吹かせる方法や、支持体(7)の裏面から液体 より伝熱させる方法、輻射熱により表裏か 伝熱する方法等があり、適宜、単独である は組み合わせて用いればよい。
なお、図1には、ウェブ搬送ロール(8)(9)表 面に対してプラズマを照射して高エネルギー 表面処理を施すプラズマ照射装置(19)、およ これに反応ガスを供給する反応ガス供給管(1 8)が示されている。
支持体(7)上でウェブ(10)が剥離可能な膜強 度となるまで乾燥固化された後に、ウェブ(10 )が支持体(7)から剥離され、ついで、後述す 延伸工程のテンター(11)において延伸される
図2は、溶液流延製膜法による本発明の光 学フィルムの製造方法を実施する装置のいま 1つの具体例を示すフローシートで、支持体 して、例えば表面にハードクロムメッキ処 を施したステンレス鋼製の回転駆動ドラム(6 )を用いた場合を例示するものである。
なお、図2の光学フィルム製造装置のその 他の点は、上記図1の光学フィルム製造装置 場合と同様であるので、図面において同一 ものには、同一の符号を付した。
本発明の光学フィルムの製造装置は、熱 塑性樹脂のドープを無限移行する回転エン レスベルト(7)または回転ドラム(6)よりなる 端の支持体上に流延ダイ(3)から流延し、支 体(6)(7)上で溶媒を蒸発させて、ウェブ(10)を 形成した後、ウェブ(10)を支持体(7)から剥離 、剥離後のウェブ(10)を搬送ロールで搬送し さらにウェブ(10)を乾燥させて、光学フィル ムを製造する溶液流延製膜装置により構成さ れ、ウェブ(10)を支持体(6)(7)から剥離する際 ウェブの残留溶媒量を60~160質量%となし、ウ ブ(10)を支持体(6)(7)から剥離した後のウェブ 搬送ロール(8)(9)の表面に、プラズマを照射し て高エネルギー表面処理を施すプラズマ照射 装置、または同表面にエキシマUVを照射して エネルギー表面処理を施すエキシマUV照射 置を具備するものである。
プラズマ装置には、被処理基盤を挟むよ に対向配置された電極間に高周波電力を加 て、供給ガスをプラズマ化するプラナー方 と、反応ガスを高周波電圧が加えられた電 の間を通してプラズマ化したガスを吹き付 るダウンストリーム方式があるが、本発明 光学フィルムの製造方法では、流延膜表面 高エネルギー表面処理には、後者のダウン トリーム式を用いるのが好ましい。
図3は、プラズマ装置の原理を説明するた めの説明図である。同図において、(a)と(b)は リアクタの対向電極、(g)は反応ガス、(d)はプ ラズマ憤射スリットからウェブ搬送ロール(8) (9)表面までの間隙、(i)はエアーカーテン用風 、(e)は排気である。
プラズマ装置は、高周波電圧が加えられ 対向電極(a)、(b)間に、反応性ガス(g)を導入 、通過させてプラズマ化し、ウェブ搬送ロ ル(8)(9)表面にプラズマ化ガスを噴射供給し 高エネルギー処理により、ウェブ搬送ロー (8)(9)表面に表面処理層を形成するものであ 。
つぎに、本発明の光学フィルムの製造方 において使用することができるエキシマUV 置について説明する。
図4は、エキシマUV装置の原理を説明する めの説明図である。同図において、(u)はエ シマUVランプ、(r)は反射板、(p)はパージガ 、(i)はエアーカーテン兼ランプ装置冷却風 (d)はエキシマUVランプ(u)からウェブ搬送ロー ル(8)(9)表面までの間隙、(e)は排気である。
本実施の形態においては、図4に示すエキシ マUVランプ(u)を用いて、主として波長が172nm 紫外線を1~3,000mJ/cm 2 の光量で、ウェブ搬送ロール(8)(9)表面に、 射するものである。
このような紫外線照射下では、パージガ (p)に含まれる酸素は活性酸素やオゾンを生 し、ウェブ搬送ロール(8)(9)の表面の改質に 与する。さらにメチレンクロライドやアル ールなどの有機溶媒蒸気やアセチレンなど ノマーガス等の表面処理膜生成のための原 ガスを、パージガス(p)に混合させて導入し もよい。これらの原料ガスをパージガス(p) 混合しない場合は、流延膜表面にこれらの 料ガスを同伴させてエキシマUV装置の下ま 送り込み、反応、表面処理層形成を行なわ ても良い。
これらの高エネルギー表面処理装置を、 学用途のフィルム製膜ラインに持ち込む場 には、クリーン度維持の対策が課題となる 特に、構造上、発塵したものをライン内に き出す構造のプラズマ装置では、クリーン 維持の対策が重要である。
つぎに、本実施形態の溶液流延製膜法に る光学フィルムの製造方法においては、主 としてセルロースエステル樹脂等の樹脂を む樹脂溶液(ドープ)に、可塑剤、リタデー ョン調整剤、紫外線吸収剤、微粒子、及び 分子量物質のうちの少なくとも1種以上の物 、及び溶媒が含まれている。以下、これら ついて説明する。
フィルム材料としては、種々の樹脂を用 ることができるが、中でもセルロースエス ルが好ましい。
セルロースエステルは、セルロース由来 水酸基がアシル基などで置換されたセルロ スエステルである。例えば、セルロースア テート、セルローストリアセテート、セル ースアセテートプロピオネート、セルロー アセテートブチレート、セルロースアセテ トプロピオネートブチレートなどのセルロ スアシレートや、脂肪族ポリエステルグラ ト側鎖を有するセルロースアセテートなど 挙げられる。中でも、セルロースアセテー 、セルロースアセテートプロピオネート、 肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセ ロースアセテートが好ましい。本発明の効 を阻害しない範囲であれば、その他の置換 が含まれていてもよい。
セルローストリアセテートの例としては アセチル基の置換度が2.0以上、3.0以下であ ことが好ましい。置換度をこの範囲にする とで、良好な成形性が得られ、かつ所望の 内方向リタデーション(Ro)、及び厚み方向リ タデーション(Rt)を得ることができるのであ 。アセチル基の置換度が、この範囲より低 と、位相差フィルムとしての耐湿熱性、特 湿熱下での寸法安定性に劣る場合があり、 換度が大きすぎると、必要なリタデーショ 特性が発現しなくなる場合がある。
本発明に用いられるセルロースエステル 原料のセルロースとしては、特に限定はな が、綿花リンター、木材パルプ、ケナフな を挙げることができる。また、それらから られたセルロースエステルは、それぞれ任 の割合で混合使用することができる。
本発明において、セルロースエステルの 平均分子量は、60000~300000の範囲が、得られ フィルムの機械的強度が強く好ましい。さ に70000~200000が好ましい。
本発明による光学フィルムの製造方法で 、セルロースエステルと厚み方向リタデー ョン(Rt)を低減する添加剤とを含有するドー プ組成物を用いるのが、好ましい。
本発明において、セルロースエステルフ ルムの厚み方向リタデーション(Rt)を低減す ることが、IPSモードで動作する液晶表示装置 の視野角拡大の意味において重要であるが、 本発明において、このような厚み方向リタデ ーション(Rt)を低減する添加剤としては、下 のものが挙げられる。
一般に、セルロースエステルフィルムの タデーションは、セルロースエステル由来 リタデーションと、添加剤由来のリタデー ョンの和として現れる。従って、セルロー エステルのリタデーションを低減させるた の添加剤とは、セルロースエステルの配向 乱し、かつ自身が配向しにくいおよび/また は分極率異方性が小さい添加剤が厚み方向リ タデーション(Rt)を効果的に低下させる化合 である。従って、セルロースエステルの配 を乱すための添加剤としては、芳香族系化 物より、脂肪族系化合物が好ましい。
ここで、具体的なリタデーション低減剤 して、例えば、つぎの一般式(1)または(2)で わされるポリエステルが挙げられる。
一般式(1) B1-(G-A-)mG-B1
一般式(2) B2-(G-A-)nG-B2
上記式中、B1はモノカルボン酸成分を表わ
、B2はモノアルコール成分を表わし、Gは2価
アルコール成分を表わし、Aは2塩基酸成分
表わし、これらによって合成されたことを
わす。B1、B2、G、およびAは、いずれも芳香
を含まないことが特徴である。m、nは、繰り
返し数を表わす。
B1で表わされるモノカルボン酸成分とし は、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカ ボン酸、脂環族モノカルボン酸等を用いる とができる。
好ましいモノカルボン酸の例としては、 下のようなものを挙げることができるが、 発明はこれに限定されるものではない。
肪族モノカルボン酸としては、炭素数1~32 の直鎖または側鎖を持った脂肪酸を好ましく 用いることができる。炭素数1~20であること さらに好ましく、炭素数1~12であることが特 好ましい。酢酸を含有させると、セルロー エステルとの相溶性が増すため好ましく、 酸と他のモノカルボン酸を混合して用いる とも好ましい。
好ましいモノカルボン酸としては、蟻酸 酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプ ン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴ 酸、カプリン酸、2-エチル-ヘキサンカルボ 酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシ 酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パル チン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、 ナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグ セリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、 ンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽 脂肪酸、ウンデシン酸、オレイン酸、ソル ン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキド 酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができ 。
B2で表わされるモノアルコール成分とし は、特に制限はなく、公知のアルコール類 用いることができる。例えば炭素数1~32の直 または側鎖を持った脂肪族飽和アルコール たは脂肪族不飽和アルコールを好ましく用 ることができる。炭素数1~20であることがさ らに好ましく、炭素数1~12であることが特に ましい。
Gで表わされる2価のアルコール成分とし は、以下のようなものを挙げることができ が、本発明はこれに限定されるものではな 。例えばエチレングリコール、1,2-プロピレ グリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2 -ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコー 、1,4-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジ ール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ペンチレン グリコール、ジエチレングリコール、トリエ チレングリコール、テトラエチレングリコー ル等を挙げることができるが、これらのうち 、エチレングリコール、1,2-プロピレングリ ール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブチレ ングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4- チレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、 ジエチレングリコール、トリエチレングリコ ールが好ましく、さらに、1,3-プロピレング コール、1,4-ブチレングリコール、1,6-ヘキサ ンジオール、ジエチレングリコールが好まし く用いられる。
Aで表わされる2塩基酸(ジカルボン酸)成分 としては、脂肪族2塩基酸、脂環式2塩基酸が ましく、例えば脂肪族2塩基酸としては、マ ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸 、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、 セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデ カンジカルボン酸等、特に、脂肪族カルボン 酸としては、炭素数4~12を有するもの、これ から選ばれる少なくとも1つのものを使用す 。つまり、2種以上の2塩基酸を組み合わせ 使用してよい。
上記の一般式(1)または(2)における繰り返 数m、nは、1以上で170以下が好ましい。
ポリエステルの重量平均分子量は、20000 下が好ましく、10000以下であることがさらに 好ましい。特に重量平均分子量が500~10000のポ リエステルは、セルロースエステルとの相溶 性が良好で、製膜において蒸発も揮発も起こ らない。
ポリエステルの重縮合は常法によって行 われる。例えば上記2塩基酸とグリコールの 直接反応、上記の2塩基酸またはこれらのア キルエステル類、例えば2塩基酸のメチルエ テルとグリコール類とのポリエステル化反 またはエステル交換反応により熱溶融縮合 か、あるいはこれらの酸の酸クロライドと リコールとの脱ハロゲン化水素反応のいず かの方法により用意に合成し得るが、重量 均分子量がさほど大きくないポリエステル 直接反応によるのが、好ましい。低分子量 に分布が高くあるポリエステルは、セルロ スエステルとの相溶性が非常によく、フィ ム形成後、透湿度も小さく、しかも透明性 富んだセルロースエステルフィルムを得る とができる。
分子量の調節方法は、特に制限がなく、 来の方法を使用できる。例えば、重合条件 もよるが、1価の酸または1価のアルコール 分子末端を封鎖する方法により、これらの1 のものの添加する量によりコントロールで る。この場合、1価の酸がポリマーの安定性 から好ましい。例えば、酢酸、プロピオン酸 、酪酸等を挙げることができるが、重縮合反 応中には系外に溜去せず、停止して、このよ うな1価の酸を反応系外に除去するときに溜 しやすいものが選ばれる。これらを混合使 しても良い。また、直接反応の場合には、 応中に溜去してくる水の量により反応を停 するタイミングを計ることよっても重量平 分子量を調節できる。その他、仕込むグリ ールまたは2塩基酸のモル数を偏らせること ってもできるし、反応温度をコントロール ても調節できる。
上記一般式(1)または(2)で表わされるポリ ステルは、セルロースエステルに対し、1~40 質量%含有することが好ましい。特に5~15質量% 含有することが好ましい。
本発明において、厚み方向リタデーショ (Rt)を低減する添加剤としては、エチレン性 不飽和モノマーを重合して得られるポリマー 、アクリル系ポリマーが挙げられる。
厚み方向リタデーション(Rt)を低減する添 加剤としてのポリマーを合成するには、通常 の重合では分子量のコントロールが難しく、 分子量をあまり大きくしない方法でできるだ け分子量を揃えることのできる方法を用いる ことが望ましい。かかる重合方法としては、 クメンペルオキシドやt-ブチルヒドロペルオ シドのような過酸化物重合開始剤を使用す 方法、重合開始剤を通常の重合より多量に 用する方法、重合開始剤の他にメルカプト 合物や四塩化炭素等の連鎖移動剤を使用す 方法、重合開始剤の他にベンゾキノンやジ トロベンゼンのような重合停止剤を使用す 方法、さらに特開2000-128911号公報または特 2000-344823号公報にあるような一つのチオール 基と2級の水酸基とを有する化合物、あるい 、該化合物と有機金属化合物を併用した重 触媒を用いて塊状重合する方法等を挙げる とができ、いずれも本発明において好まし 用いられるが、特に、該公報に記載の方法 好ましい。
有用な厚み方向リタデーション(Rt)を低減 する添加剤としてのポリマーを構成するモノ マー単位としてのモノマーを下記に挙げるが 、本発明はこれに限定されない。
エチレン性不飽和モノマーを重合して得 れる厚み方向リタデーション(Rt)を低減する 添加剤としてのポリマーを構成するエチレン 性不飽和モノマー単位としては、まず、ビニ ルエステルとして、例えば、酢酸ビニル、プ ロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニ ル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、 カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリ スチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステ アリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸 ビニル、オクチル酸ビニル、メタクリル酸ビ ニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル 、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等が挙げら れる。
つぎに、アクリル酸エステルとして、例 ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル アクリル酸プロピル(i-、n-)、アクリル酸ブ ル(n-、i-、s-、t-)、アクリル酸ペンチル(n-、 i-、s-)、アクリル酸ヘキシル(n-、i-)、アクリ 酸ヘプチル(n-、i-)、アクリル酸オクチル(n- i-)、アクリル酸ノニル(n-、i-)、アクリル酸 リスチル(n-、i-)、アクリル酸シクロヘキシ 、アクリル酸(2-エチルヘキシル)、アクリル 酸ベンジル、アクリル酸フェネチル、アクリ ル酸(ε-カプロラクトン)、アクリル酸(2-ヒド キシエチル)、アクリル酸(2-ヒドロキシプロ ピル)、アクリル酸(3-ヒドロキシプロピル)、 クリル酸(4-ヒドロキシブチル)、アクリル酸 (2-ヒドロキシブチル)、アクリル酸-p-ヒドロ シメチルフェニル、アクリル酸-p-(2-ヒドロ シエチル)フェニル等;メタクリル酸エステル として、上記アクリル酸エステルをメタクリ ル酸エステルに変えたものが挙げられる。
さらに、不飽和酸として、例えば、アク ル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、ク トン酸、イタコン酸等を挙げることができ 。
上記モノマーで構成されるポリマーはコ リマーでもホモポリマーでもよく、ビニル ステルのホモポリマー、ビニルエステルの ポリマー、ビニルエステルとアクリル酸ま はメタクリル酸エステルとのコポリマーが ましい。
本発明において、アクリル系ポリマーと う(単にアクリル系ポリマーという)のは、 香環あるいはシクロヘキシル基を有するモ マー単位を有しないアクリル酸またはメタ リル酸アルキルエステルのホモポリマーま はコポリマーを指す。
芳香環及びシクロヘキシル基を有さない クリル酸エステルモノマーとしては、例え 、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、 クリル酸プロピル(i-、n-)、アクリル酸ブチ (n-、i-、s-、t-)、アクリル酸ペンチル(n-、i- s-)、アクリル酸ヘキシル(n-、i-)、アクリル ヘプチル(n-、i-)、アクリル酸オクチル(n-、i -)、アクリル酸ノニル(n-、i-)、アクリル酸ミ スチル(n-、i-)、アクリル酸(2-エチルヘキシ )、アクリル酸(ε-カプロラクトン)、アクリ 酸(2-ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2-ヒド ロキシプロピル)、アクリル酸(3-ヒドロキシ ロピル)、アクリル酸(4-ヒドロキシブチル)、 アクリル酸(2-ヒドロキシブチル)、アクリル (2-メトキシエチル)、アクリル酸(2-エトキシ チル)等、または上記アクリル酸エステルを メタクリル酸エステルに変えたものを挙げる ことができる。
アクリル系ポリマーは、上記モノマーの モポリマーまたはコポリマーであるが、ア リル酸メチルエステルモノマー単位が30質 %以上を有していることが好ましく、また、 タクリル酸メチルエステルモノマー単位が4 0質量%以上有することが好ましい。特にアク ル酸メチルまたはメタクリル酸メチルのホ ポリマーが好ましい。
上述のエチレン性不飽和モノマーを重合 て得られるポリマー、アクリル系ポリマー 、いずれもセルロースエステルとの相溶性 優れ、蒸発や揮発もなく生産性に優れ、偏 板用保護フィルムとしての保留性がよく、 湿度が小さく、寸法安定性に優れている。
本発明において、水酸基を有するアクリ 酸またはメタクリル酸エステルモノマーの 合はホモポリマーではなく、コポリマーの 成単位である。この場合、好ましくは、水 基を有するアクリル酸またはメタクリル酸 ステルモノマー単位がアクリル系ポリマー 2~20質量%含有することが好ましい。
本発明の光学フィルムの製造方法におい は、ドープ組成物が、セルロースエステル 、厚み方向リタデーション(Rt)を低減する添 加剤としての重量平均分子量500以上、3000以 のアクリル系ポリマーとを含有することが ましい。
また、本発明の光学フィルムの製造方法 おいては、ドープ組成物が、セルロースエ テルと、厚み方向リタデーション(Rt)を低減 する添加剤としての重量平均分子量5000以上 30000以下のアクリル系ポリマーとを含有する が好ましい。
本発明において、厚み方向リタデーショ (Rt)を低減する添加剤としてのポリマーの重 量平均分子量が500以上、3000以下、あるいは たポリマーの重量平均分子量が5000以上、3000 0以下のものであれば、セルロースエステル の相溶性が良好で、製膜中において蒸発も 発も起こらない。また、製膜後のセルロー エステルフィルムの透明性が優れ、透湿度 極めて低く、偏光板用保護フィルムとして れた性能を示す。
本発明において、厚み方向リタデーショ (Rt)を低減する添加剤として、側鎖に水酸基 を有するポリマーも好ましく用いることがで きる。水酸基を有するモノマー単位としては 、前記したモノマーと同様であるが、アクリ ル酸またはメタクリル酸エステルが好ましく 、例えば、アクリル酸(2-ヒドロキシエチル) アクリル酸(2-ヒドロキシプロピル)、アクリ 酸(3-ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4-ヒ ドロキシブチル)、アクリル酸(2-ヒドロキシ チル)、アクリル酸-p-ヒドロキシメチルフェ ル、アクリル酸-p-(2-ヒドロキシエチル)フェ ニル、またはこれらアクリル酸をメタクリル 酸に置き換えたものを挙げることができ、好 ましくは、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル及 びメタクリル酸-2-ヒドロキシエチルである。 ポリマー中に水酸基を有するアクリル酸エス テルまたはメタクリル酸エステルモノマー単 位はポリマー中2~20質量%含有することが好ま く、より好ましくは2~10質量%である。
前記のようなポリマーが上記の水酸基を するモノマー単位を2~20質量%含有したもの 、勿論、セルロースエステルとの相溶性、 留性、寸法安定性が優れ、透湿度が小さい かりでなく、偏光板用保護フィルムとして 偏光子との接着性に特に優れ、偏光板の耐 性が向上する効果を有している。
また、本発明においては、上記ポリマー 主鎖の少なくとも一方の末端に水酸基を有 ることが好ましい。主鎖末端に水酸基を有 るようにする方法は、特に主鎖の末端に水 基を有するようにする方法であれば限定な が、アゾビス(2-ヒドロキシエチルブチレー )のような水酸基を有するラジカル重合開始 剤を使用する方法、2-メルカプトエタノール ような水酸基を有する連鎖移動剤を使用す 方法、水酸基を有する重合停止剤を使用す 方法、リビングイオン重合により水酸基を 端に有するようにする方法、特開2000-128911 公報または特開2000-344823号公報にあるような 一つのチオール基と2級の水酸基とを有する 合物、あるいは、該化合物と有機金属化合 を併用した重合触媒を用いて塊状重合する 法等により得ることができ、特に該公報に 載の方法が好ましい。この公報記載に関連 る方法で作られたポリマーは、綜研化学社 のアクトフロー・シリーズとして市販され おり、好ましく用いることができる。
上記の末端に水酸基を有するポリマー及 /または側鎖に水酸基を有するポリマーは、 本発明において、セルロースエステルに対す るポリマーの相溶性、透明性を著しく向上す る利点を有する。
本発明において、有用な厚み方向リタデ ション(Rt)を低減する添加剤としては、上記 のほかにも、例えば特開2000-63560号公報記載 ジグリセリン系多価アルコールと脂肪酸と エステル化合物、特開2001-247717号公報記載の ヘキソースの糖アルコールのエステルまたは エーテル化合物、特開2004-315613号公報記載の ン酸トリ脂肪族アルコールエステル化合物 特開2005-41911号公報記載の一般式(1)で表わさ れる化合物、特開2004-315605号公報記載のリン エステル化合物、特開2005-105139号公報記載 スチレンオリゴマー、および特開2005-105140号 公報記載のスチレン系モノマーの重合体が挙 げられる。
上述した厚み方向リタデーション(Rt)を低 減する添加剤の含有量は、セルロースエステ ル系樹脂に対して5~25質量%含有させることが ましい。厚み方向リタデーション(Rt)を低減 する添加剤の含有量が5質量%未満であれば、 ィルムの厚み方向リタデーション(Rt)を低減 する効果が発現しないので、好ましくない。 また厚み方向リタデーション(Rt)を低減する 加剤の含有量が25質量%を超えると、いわゆ ブリードアウトが生じるなど、フィルム中 安定性が低下するので、好ましくない。
本発明による光学フィルムの製造方法に いて、上記セルロース誘導体に対して良好 溶解性を有する有機溶媒を良溶媒といい、 た溶解に主たる効果を示し、その中で大量 使用する有機溶媒を主(有機)溶媒または主 る(有機)溶媒という。
良溶媒の例としては、アセトン、メチル チルケトン、シクロペンタノン、シクロヘ サノンなどのケトン類、テトラヒドロフラ (THF)、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、1,2 -ジメトキシエタンなどのエーテル類、蟻酸 チル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチ 、酢酸アミル、γ-ブチロラクトン等のエス ル類の他、メチルセロソルブ、ジメチルイ ダゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメ ルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチ スルフォキシド、スルホラン、ニトロエタ 、塩化メチレン、アセト酢酸メチルなどが げられるが、1,3-ジオキソラン、THF、メチル チルケトン、アセトン、酢酸メチル及び塩 メチレンが好ましい。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1~40質 量%の炭素原子数1~4のアルコールを含有させ ことが好ましい。これらは、ドープを支持 に流延した後、溶媒が蒸発し始めてアルコ ルの比率が多くなることで、ウェブをゲル させ、ウェブを丈夫にして、支持体から剥 することを容易にするゲル化溶媒として用 られたり、これらの割合が少ない時は非塩 系有機溶媒のセルロース誘導体の溶解を促 したりする役割もある。
炭素原子数1~4のアルコールとしては、メ ノール、エタノール、n-プロパノール、iso- ロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール tert-ブタノール、プロピレングリコールモ メチルエーテルを挙げることができる。こ らのうち、ドープの安定性に優れ、沸点も 較的低く、乾燥性も良く、かつ毒性がない となどからエタノールが好ましい。これら 有機溶媒は、単独ではセルロース誘導体に して溶解性を有しておらず、貧溶媒という
このような条件を満たす好ましい高分子 合物であるセルロース誘導体を高濃度に溶 する溶媒として最も好ましい溶媒は塩化メ レン:エチルアルコールの比が95:5~80:20の混 溶媒である。あるいは、酢酸メチル:エチル ルコール60:40~95:5の混合溶媒も好ましく用い られる。
本発明におけるフィルムには、フィルム 加工性・柔軟性・防湿性を付与する可塑剤 フィルムに滑り性を付与する微粒子(マット 剤)、紫外線吸収機能を付与する紫外線吸収 、フィルムの劣化を防止する酸化防止剤等 含有させても良い。
本発明において使用する可塑剤としては 特に限定はないが、フィルムにヘイズを発 させたり、フィルムからブリードアウトあ いは揮発しないように、セルロース誘導体 加水分解重縮合が可能な反応性金属化合物 重縮合物と、水素結合などによって相互作 可能である官能基を有していることが好ま い。
このような官能基としては、水酸基、エ テル基、カルボニル基、エステル基、カル ン酸残基、アミノ基、イミノ基、アミド基 イミド基、シアノ基、ニトロ基、スルホニ 基、スルホン酸残基、ホスホニル基、ホス ン酸残基等が挙げられるが、好ましくはカ ボニル基、エステル基、ホスホニル基であ 。
このような可塑剤の例として、リン酸エ テル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤 トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメ ット酸系可塑剤、多価アルコールエステル 可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸 ステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤 カルボン酸エステル系可塑剤、ポリエステ 系可塑剤などを好ましく用いることができ が、特に好ましくは多価アルコールエステ 系可塑剤、グリコレート系可塑剤、多価カ ボン酸エステル系可塑剤等の非リン酸エス ル系可塑剤である。
多価アルコールエステルは、2価以上の脂 肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエス テルよりなり、分子内に芳香環またはシクロ アルキル環を有することが好ましい。
本発明に用いられる多価アルコールは、 ぎの一般式(3)で表される。
一般式(3) R 1
-(OH)n
式中、R 1
はn価の有機基、nは2以上の正の整数を表わす
。
好ましい多価アルコールの例としては、 えば以下のようなものを挙げることができ が、本発明はこれらに限定されるものでは い。
好ましい多価アルコールの例としては、 ドニトール、アラビトール、エチレングリ ール、ジエチレングリコール、トリエチレ グリコール、テトラエチレングリコール、1 ,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール ジプロピレングリコール、トリプロピレン リコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジ オール、1,4-ブタンジオール、ジブチレング コール、1,2,4-ブタントリオール、1,5-ペンタ ジオール、1,6-ヘキサンジオール、ヘキサン トリオール、ガラクチトール、マンニトール 、3-メチルペンタン-1,3,5-トリオール、ピナコ ール、ソルビトール、トリメチロールプロパ ン、トリメチロールエタン、キシリトール等 を挙げることができる。特に、トリエチレン グリコール、テトラエチレングリコール、ジ プロピレングリコール、トリプロピレングリ コール、ソルビトール、トリメチロールプロ パン、キシリトールが好ましい。
本発明の多価アルコールエステルに用い れるモノカルボン酸としては、特に制限は く、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族 ノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を いることができる。脂環族モノカルボン酸 芳香族モノカルボン酸を用いると透湿性、 留性を向上させる点で好ましい。
好ましいモノカルボン酸の例としては、 下のようなものを挙げることができるが、 発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1 ~32の直鎖または側鎖を有する脂肪酸を好まし く用いることができる。炭素数は1~20である とがさらに好ましく、1~10であることが特に ましい。酢酸を含有させると、セルロース 導体との相溶性が増すため好ましく、酢酸 他のモノカルボン酸を混合して用いること 好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸の例とし は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、 プロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラ ゴン酸、カプリン酸、2-エチル-ヘキサンカ ボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリ シル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、 ルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン 、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、 グノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン 、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等 飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸 ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、ア キドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げること できる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例とし は、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘ サンカルボン酸、シクロオクタンカルボン 、またはそれらの誘導体を挙げることがで る。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例とし は、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸の ンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビ ェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸 テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個 以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそ れらの誘導体を挙げることができるが、特に 安息香酸が好ましい。
多価アルコールエステルの分子量は、特 制限はないが、300~1500であることが好まし 、350~750であることが、さらに好ましい。分 量が大きい方が揮発し難くなるため好まし 、透湿性、セルロース誘導体との相溶性の では、小さい方が好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるカ ボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合 あってもよい。また、多価アルコール中のOH 基は、全てエステル化してもよいし、一部を OH基のままで残してもよい。
グリコレート系可塑剤は、特に限定され いが、分子内に芳香環またはシクロアルキ 環を有するグリコレート系可塑剤を、好ま く用いることができる。好ましいグリコレ ト系可塑剤としては、例えばブチルフタリ ブチルグリコレート、エチルフタリルエチ グリコレート、メチルフタリルエチルグリ レート等を用いることができる。
リン酸エステル系可塑剤では、トリフェ ルホスフェート、トリクレジルホスフェー 、クレジルジフェニルホスフェート、オク ルジフェニルホスフェート、ジフェニルビ ェニルホスフェート、トリオクチルホスフ ート、トリブチルホスフェート等、フタル エステル系可塑剤では、ジエチルフタレー 、ジメトキシエチルフタレート、ジメチル タレート、ジオクチルフタレート、ジブチ フタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレー 、ジシクロヘキシルフタレート等を用いる とができるが、本発明では、リン酸エステ 系可塑剤を実質的に含有しないことが好ま い。
ここで、「実質的に含有しない」とは、 ン酸エステル系可塑剤の含有量が1質量%未 、好ましくは0.1質量%であり、特に好ましい は添加していないことである。
これらの可塑剤は、単独あるいは2種以上 混合して用いることができる。
可塑剤の使用量は、1~20質量%が好ましい 6~16質量%がさらに好ましく、特に好ましくは 8~13質量%である。可塑剤の使用量が、セルロ ス誘導体に対して1質量%未満では、フィル の透湿度を低減させる効果が少ないため、 ましくなく、20質量%を越えると、フィルム ら可塑剤がブリードアウトし、フィルムの 性が劣化するため、好ましくない。
本発明におけるセルロース誘導体には、 り性を付与するために、マット剤等の微粒 を添加するのが好ましい。微粒子としては 無機化合物の微粒子または有機化合物の微 子が挙げられる。
無機化合物の微粒子の例としては、二酸 ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム 酸化ジルコニウム、酸化錫等の微粒子が挙 られる。この中では、ケイ素原子を含有す 化合物の微粒子であることが好ましく、特 二酸化ケイ素微粒子が好ましい。二酸化ケ 素微粒子としては、例えばアエロジル株式 社製のAEROSIL 200、200V、300、R972、R972V、R974 R202、R812,R805、OX50、TT600などが挙げられる。
有機化合物の微粒子の例としては、アク ル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素化合物樹 、ウレタン樹脂等の微粒子が挙げられる。
微粒子の1次粒径は、特に限定されないが 、最終的にフィルム中での平均粒径は、0.05~5 .0μm程度が好ましい。さらに好ましくは、0.1~ 1.0μmである。
微粒子の平均粒径は、セルロースエステ フィルムを電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察 た際に、フィルムの観察場所における、粒 の長軸方向の長さの平均値を指す。フィル 中で観察される粒子であれば、1次粒子であ っても、1次粒子が凝集した2次粒子であって よいが、通常観察される多くは2次粒子であ る。
測定方法の一例としては、1つのフィルム につき、ランダムに10箇所の垂直断面写真を 影し、各断面写真について、長軸長さが、0 .05~5μmの範囲にある100μm2中の粒子個数をカウ ントする。このときカウントした粒子の長軸 長さの平均値を求め、10箇所の平均値を平均 た値を平均粒径とする。
微粒子の場合は、1次粒径、溶媒に分散し た後の粒径、フィルムに添加された粒径が変 化する場合が多く、重要なのは、最終的にフ ィルム中で微粒子がセルロースエステルと複 合し凝集して形成される粒径をコントロール することである。
ここで、微粒子の平均粒径が、5μmを超え た場合は、ヘイズの劣化等が見られたり、異 物として巻状態での故障を発生する原因にも なる。また、微粒子の平均粒径が、0.05μm未 の場合は、フィルムに滑り性を付与するの 難しくなる。
上記の微粒子は、セルロースエステルに して、0.04~0.5質量%添加して使用される。好 しくは、0.05~0.3質量%、さらに好ましくは0.05 ~0.25質量%添加して使用される。微粒子の添加 量が0.04質量%以下では、フィルム表面粗さが 滑になりすぎて、摩擦係数の上昇によりブ ッキングを発生する。微粒子の添加量が0.5 量%を超えると、フィルム表面の摩擦係数が 下がりすぎて、巻き取り時に巻きズレが発生 したり、フィルムの透明度が低く、ヘイズが 高くなるため、液晶表示装置用フィルムとし ての価値を持たなくなるので、上記の範囲が 必須である。
微粒子の分散は、微粒子と溶媒を混合し 組成物を高圧分散装置で処理することが好 しい。本発明で用いる高圧分散装置は、微 子と溶媒を混合した組成物を、細管中に高 通過させることで、高剪断や高圧状態など 殊な条件を作りだす装置である。
高圧分散装置で処理することにより、例 ば、管径1~2000μmの細管中で装置内部の最大 力条件が980N/cm2以上であることが好ましい さらに好ましくは、装置内部の最大圧力条 が1960N/cm2以上である。またその際、最高到 速度が100m/sec以上に達するもの、伝熱速度が 100kcal/hr以上に達するものが、好ましい。
上記のような高圧分散装置としては、例 ばMicrofluidics Corporation社製の超高圧ホモジ イザー(商品名、マイクロフルイダイザー)あ るいはナノマイザー社製ナノマイザーが挙げ られ、他にもマントンゴーリン型高圧分散装 置、例えばイズミフードマシナリ製ホモゲナ イザーなどが挙げられる。
本発明において、微粒子は、低級アルコ ル類を25~100質量%含有する溶媒中で分散した 後、セルロースエステル(セルロース誘導体) 溶媒に溶解したドープと混合し、該混合液 支持体上に流延し、乾燥して製膜すること 特徴とするセルロースエステルフィルムを る。
ここで、低級アルコールの含有比率とし は、好ましくは50~100質量%、さらに好ましく は75~100質量%である。
また、低級アルコール類の例としては、 ましくはメチルアルコール、エチルアルコ ル、プロピルアルコール、イソプロピルア コール、ブチルアルコール等が挙げられる
低級アルコール以外の溶媒としては、特 限定されないが、セルロースエステルの製 時に用いられる溶媒を用いることが好まし 。
微粒子は、溶媒中で1~30質量%の濃度で分 される。これ以上の濃度で分散すると、粘 が急激に上昇し、好ましくない。分散液中 微粒子の濃度としては、好ましく、5~25質量% 、さらに好ましくは、10~20質量%である。
フィルムの紫外線吸収機能は、液晶の劣 防止の観点から、偏光板保護フィルム、位 差フィルム、光学補償フィルムなどの各種 学フィルムに付与されていることが好まし 。このような紫外線吸収機能は、紫外線を 収する材料をセルロース誘導体中に含ませ も良く、セルロース誘導体からなるフィル 上に紫外線吸収機能のある層を設けてもよ 。
本発明において、使用し得る紫外線吸収 としては、例えば、オキシベンゾフェノン 化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サ チル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン 化合物、シアノアクリレート系化合物、ニ ケル錯塩系化合物等を挙げることができる 、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合 が好ましい。また、特開平10-182621号公報、 開平8-337574号公報に記載の紫外線吸収剤、 開平6-148430号公報に記載の高分子紫外線吸収 剤も好ましく用いられる。
紫外線吸収剤としては、偏光子や液晶の 化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線 吸収能に優れており、かつ液晶表示性の観 から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ない ものが好ましい。
本発明において、有用な紫外線吸収剤の 体例としては、2-(2″-ヒドロキシ-5″-メチ フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2″-ヒド キシ-3″,5″-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾ リアゾール、2-(2″-ヒドロキシ-3″-tert-ブチ -5″-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、 2-(2″-ヒドロキシ-3″,5″-ジ-tert-ブチルフェ ル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2″-ヒ ロキシ-3″-(3′,4′,5′,6′-テトラヒドロフ ルイミドメチル)-5″-メチルフェニル)ベンゾ トリアゾール、2,2-メチレンビス(4-(1,1,3,3-テ ラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2- イル)フェノール、2-(2″-ヒドロキシ-3″-tert- チル-5″-メチルフェニル)-5-クロロベンゾト リアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル )-6-(直鎖及び側鎖ドデシル)-4-メチルフェノー ル、オクチル-3-〔3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5 -(クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェ ル〕プロピオネートと2-エチルヘキシル-3-〔 3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベン トリアゾール-2-イル)フェニル〕プロピオネ ートの混合物等を挙げることができるが、こ れらに限定されない。
また、紫外線吸収剤の市販品として、チ ビン(TINUVIN)109、チヌビン(TINUVIN)171、チヌビ (TINUVIN)326(いずれもチバ・スペシャリティ・ ケミカルズ社製)を、好ましく使用できる。
また、本発明において使用し得る紫外線 収剤であるベンゾフェノン系化合物の具体 として、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、 2,2″-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノ 、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフ ェノン、ビス(2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベン ゾイルフェニルメタン)等を挙げることがで るが、これらに限定されない。
本発明において、これらの紫外線吸収剤 配合量は、セルロースエステル(セルロース 誘導体)に対して、0.01~10質量%の範囲が好まし く、さらに0.1~5質量%が好ましい。紫外線吸収 剤の使用量が少なすぎると、紫外線吸収効果 が不充分の場合があり、紫外線吸収剤の多す ぎると、フィルムの透明性が劣化する場合が あるので、好ましくない。紫外線吸収剤は熱 安定性の高いものが好ましい。
また、本発明の光学フィルムに用いるこ のできる紫外線吸収剤は、特開平6-148430号 報及び特開2002-47357号公報に記載の高分子紫 線吸収剤(または紫外線吸収性ポリマー)を ましく用いることができる。とりわけ特開 6-148430号公報に記載の一般式(1)、あるいは一 般式(2)、あるいは特開2002-47357号公報に記載 一般式(3)(6)(7)で表される高分子紫外線吸収 が、好ましく用いられる。
酸化防止剤は、一般に、劣化防止剤とも われるが、光学フィルムとしてのセルロー エステルフィルム中に含有させるのが好ま い。すなわち、液晶画像表示装置などが高 高温の状態に置かれた場合には、光学フィ ムとしてのセルロースエステルフィルムの 化が起こる場合がある。酸化防止剤は、例 ばフィルム中の残留溶媒中のハロゲンやリ 酸系可塑剤のリン酸などによりフィルムが 解するのを遅らせたり、防いだりする役割 有するので、フィルム中に含有させるのが ましい。
このような酸化防止剤としては、ヒンダ ドフェノール系の化合物が好ましく用いら 、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、ペ ンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブ ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕 、トリエチレングリコール-ビス〔3-(3-t-ブチ -5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネ ート〕、1,6-ヘキサンジオール-ビス〔3-(3,5-ジ -t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネ ト〕、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロ シ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン 2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル- 4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オ クタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフ ニル)プロピオネート、N,N″-ヘキサメチレ ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシ ナマミド)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5- -t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、 トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル )-イソシアヌレイト等を挙げることができる 特に、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、ペンタ エリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル- 4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ト リエチレングリコール-ビス〔3-(3-t-ブチル-5- チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート 〕が好ましい。また例えば、N,N″-ビス〔3-(3, 5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオ ニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不 活性剤やトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォ スファイト等のリン系加工安定剤を併用して もよい。
これらの化合物の添加量は、セルロース 導体に対して質量割合で1ppm~1.0質量%が好ま く、10~1000ppmがさらに好ましい。
その他、図1と図2に示す本発明の光学フ ルムの製造方法を実施する装置において、 伸工程は、液晶表示装置用フィルムとして 、ウェブ(またはフィルム)(10)の両側縁部を リップ等で固定して延伸するテンター方式 、フィルムの平面性や寸法安定性を向上さ るために好ましい。
延伸工程のテンター(11)に入る直前のウェ ブ(フィルム)(10)の残留溶媒量が、10~35質量%で あることが好ましい。
、延伸工程のテンター(11)におけるウェブ の延伸率が3~100%であり、5~80%であることが好 しく、さらに5~60%であることが望ましい。 たテンター(11)における温風吹出しスリット から吹き出す温風の温度が100~200℃であり、 110~190℃であることが好ましく、さらに115~185 であることが望ましい。
延伸工程のテンター(11)の後には、乾燥装 置(12)を設けることが好ましい。乾燥装置(12) では、側面から見て千鳥配置せられた複数 搬送ロールによってウェブ(10)が蛇行せられ 、その間にウェブ(10)が乾燥せられるもので る。また、乾燥装置(10)でのフィルム搬送張 は、ドープの物性、剥離時及びフィルム搬 工程での残留溶媒量、乾燥温度等に影響を けるが、乾燥時のフィルム搬送張力は、30~3 00N/m幅であり、40~270N/m幅が、より好ましい。
なお、ウェブ(フィルム)(10)を乾燥させる 段は、特に制限はなく、一般的に熱風、赤 線、加熱ロール、マイクロ波等で行なう。 便さの点から熱風で乾燥するのが好ましく 例えば乾燥装置(12)の底の前寄り部分の温風 入口から吹込まれる乾燥風(14)によって乾燥 れ、乾燥装置(12)の天井の後寄り部分の出口 ら排気風が排出せられることによって乾燥 れる。乾燥風(14)の温度は40~160℃が好ましく 、50~160℃が平面性、寸法安定性を良くするた めさらに好ましい。
これら流延から後乾燥までの工程は、空 雰囲気下でもよいし、窒素ガスなどの不活 ガス雰囲気下でもよい。この場合、乾燥雰 気を溶媒の爆発限界濃度を考慮して実施す ことは勿論のことである。
搬送乾燥工程を終えた例えばセルロース ステルフィルムに対し、巻取工程に導入す 前段において、一般に、エンボス加工装置 よりフィルムにエンボスを形成する加工が なわれる。
ここで、エンボスの高さh(μm)は、フィル 膜厚Tの0.05~0.3倍の範囲、幅Wは、フィルム幅 Lの0.005~0.02倍の範囲に設定する。エンボスは フィルムの両面に形成してもよい。この場 、エンボスの高さh1+h2(μm)は、フィルム膜厚 Tの0.05~0.3倍の範囲、幅Wはフィルム幅Lの0.005~0 .02倍の範囲に設定する。例えばフィルム膜厚 40μmであるとき、エンボスの高さh1+h2(μm)は2~1 2μmに設定する。エンボス幅は5~30mmに設定す 。
乾燥が終了したフィルムを巻取り装置(13) によって巻き取り、光学フィルムの元巻を得 るものである。乾燥を終了するフィルムの残 留溶媒量は、0.5質量%以下、好ましくは0.1質 %以下とすることにより寸法安定性の良好な ィルムを得ることができる。
フィルムの巻き取り方法は、一般に使用 れているワインダーを用いればよく、定ト ク法、定テンション法、テーパーテンショ 法、内部応力一定のプログラムテンション ントロール法等の張力をコントロールする 法があり、それらを使い分ければよい。
巻取りコア(巻芯)への、フィルムの接合 、両面接着テープでも、片面接着テープで どちらでも良い。
本発明による光学フィルムは、巻き取り のフィルムの幅が、1200~2500mmであることが ましい。
本発明においては、セルロースエステル ィルムの乾燥後の膜厚は、液晶表示装置の 型化の観点から、仕上がりフィルムとして 20~150μmの範囲が好ましい。ここで、乾燥後 フィルム膜厚とは、フィルム中の残留溶媒 が0.5質量%以下の状態のフィルムを言うもの である。
ここで、巻き取り後のセルロースエステ フィルムの膜厚が薄過ぎると、例えば偏光 用保護フィルムとしての必要な強度が得ら ない場合がある。フィルムの膜厚が厚過ぎ と、従来のセルロースエステルフィルムに して薄膜化の優位性がなくなる。膜厚の調 には、所望の厚さになるように、ドープ濃 、ポンプの送液量、流延ダイの口金のスリ ト間隙、流延ダイの押し出し圧力、支持体 速度等をコントロールするのがよい。また 膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手 を用いて、プログラムされたフィードバッ 情報を上記各装置にフィードバックさせて 節するのが好ましい。
溶液流延製膜法を通しての流延直後から 乾燥までの工程において、乾燥装置内の雰 気を、空気とするのもよいが、窒素ガスや 酸ガス等の不活性ガス雰囲気で行なっても い。ただ、乾燥雰囲気中の蒸発溶媒の爆発 界の危険性は常に考慮されなければならな ことはもちろんである。
本発明において、セルロースエステルフ ルムは、含水率としては0.1~5%が好ましく、0 .3~4%がより好ましく、0.5~2%であることがさら 好ましい。
本発明において、セルロースエステルフ ルムは、透過率が90%以上であることが望ま く、さらに好ましくは92%以上であり、さら 好ましくは93%以上である。
また、本発明の方法により製造された光 フィルムは、3枚重ねた場合のヘイズが、0.3 ~2.0であるもので、本発明の光学フィルムに れば、フィルムのヘイズが非常に低いもの あり、透明性、平面性に優れた光学特性を するものである。
ここで、光学フィルムのヘイズの測定は 例えば、JIS K6714に規定される方法に従って 、ヘイズ・メーター(1001DP型、日本電色工業 式会社製)を用いて測定すれば、良い。
また、本発明による光学フィルムの製造 法で製造されたセルロースエステルフィル の機械方向(MD方向)の引張弾性率が、1500MPa~3 500MPa、機械方向に垂直な方向(TD方向)の引張 性率が、3000MPa~4500MPaであるのが好ましく、 ィルムのTD方向弾性率/MD方向弾性率の比が、 1.40~1.90であるのが好ましい。
ここで、光学フィルムのTD方向弾性率/MD 向弾性率の比が、1.40未満であれば、1650mmを える幅のフィルムの巻取りでは中央部のた みが大きくなり、巻き芯のフィルムの貼り きが多くなるため、好ましくない。また、 ィルムのTD方向弾性率/MD方向弾性率の比が 1.90を超えると、偏光板での過熱後のそりが じたり、液晶パネルに組み込んだ際にバッ ライトの熱によりバックライト側と表面側 偏光板の寸法変化の挙動が大きく異なるこ により、コーナーにムラが生じるので、好 しくない。
フィルムのMD方向、及びTD方向の引張弾性 率の具体的な測定方法としては、例えばJIS K 7217の方法が挙げられる。
すなわち、引っ張り試験器(ミネベア社製 、TG-2KN)を用い、チャッキング圧:0.25MPa、標線 間距離:100±10mmで、サンプルをセットし、引 張り速度:100±10mm/分の速度で引っ張る。その 結果、得られた引張応力-歪み曲線から、弾 率算出開始点を10N、終了点を30Nとし、その に引いた接線を外挿し、弾性率を算出する のである。
本発明の光学フィルムでは、下記式で定 される面内方向リタデーション(Ro)が、温度 23℃、湿度55%RHの条件下で30~300nm、厚み方向リ タデーション(Rt)が、温度23℃、湿度55%RHの条 下で70~400nmであることが好ましい。
Ro=(nx-ny)×d
Rt={(nx+ny)/2-nz}×d
式中、Roはフィルム面内リタデーション値
Rtはフィルム厚み方向リタデーション値、nx
フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyは
ィルム面内の進相軸方向の屈折率、nzはフィ
ルムの厚み方向の屈折率(屈折率は波長590nmで
測定)、dはフィルムの厚さ(nm)を表わす。
なお、リタデーション値Ro、Rtは、自動複 屈折率計を用いて測定することができる。例 えば、KOBRA-21ADH(王子計測機器株式会社製)を いて、温度23℃、湿度55%RHの環境下で、波長 590nmで求めることができる。
本発明が対象とする光学フィルムは、液 ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有 ELディスプレイ等の各種ディスプレイ、特 液晶ディスプレイに用いられる機能フィル のことであり、偏光板保護フィルム、位相 フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フ ルム、視野角拡大等の光学補償フィルムを むものである。
本発明による光学フィルムは、液晶表示 部材、詳しくは偏光板用保護フィルムに用 られるのが好ましい。特に、透湿度と寸法 定性に対して共に厳しい要求のある偏光板 保護フィルムにおいて、本発明の方法によ 製造された光学フィルムは好ましく用いら る。
本発明の光学フィルムからなる偏光板用 護フィルムを用いることにより、薄膜化と もに、耐久性及び寸法安定性、光学的等方 に優れた偏光板を提供することができる。
ところで、偏光フィルムは、従来から使 されている、例えば、ポリビニルアルコー フィルムのような延伸配向可能なフィルム 、沃素のような二色性染料で処理して縦延 したものである。偏光フィルム自身では、 分な強度、耐久性がないので、一般的には の両面に保護フィルムとしての異方性のな セルロースエステルフィルムを接着して偏 板としている。
上記偏光板には、本発明の方法により製 された光学フィルムを位相差フィルムとし 貼り合わせて作製してもよいし、また本発 の方法により製造された光学フィルムを位 差フィルムと保護フィルムとを兼ねて、直 偏光フィルムと貼り合わせて作製してもよ 。貼り合わせる方法は、特に限定はないが 水溶性ポリマーの水溶液からなる接着剤に り行なうことができる。この水溶性ポリマ 接着剤は完全鹸化型のポリビニルアルコー 水溶液が好ましく用いられる。さらに、長 方向に延伸し、二色性染料処理した長尺の 光フィルムと長尺の本発明の方法により製 された位相差フィルムとを貼り合わせるこ によって長尺の偏光板を得ることができる 偏光板はその片面または両面に感圧性接着 層(例えば、アクリル系感圧性接着剤層など )を介して剥離性シートを積層した貼着型の の(剥離性シートを剥すことにより、液晶セ などに容易に貼着することができる)として もよい。
このようにして得られた偏光板は、種々 表示装置に使用できる。特に電圧無印加時 液晶性分子が実質的に垂直配向しているVA ードや、電圧無印加時に液晶性分子が実質 に水平かつねじれ配向しているTNモードの液 晶セルを用いた液晶表示装置が好ましい。
ところで、偏光板は、一般的な方法で作 することができる。例えば、光学フィルム るいはセルロースエステルフィルムをアル リケン化処理し、ポリビニルアルコールフ ルムをヨウ素溶液中に浸漬、延伸して作製 た偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニ アルコール水溶液を用いて貼り合わせる方 がある。アルカリケン化処理とは、水系接 剤の濡れを良くし、接着性を向上させるた に、セルロースエステルフィルムを高温の アルカリ液中に漬ける処理のことをいう。
本発明の方法により製造された光学フィ ムには、ハードコート層、防眩層、反射防 層、防汚層、帯電防止層、導電層、光学異 層、液晶層、配向層、粘着層、接着層、下 き層等の各種機能層を付与することができ 。これらの機能層は塗布あるいは蒸着、ス ッタ、プラズマCVD、プラズマ処理等の方法 設けることができる。
このようにして得られた偏光板が、液晶 ルの片面または両面に設けられ、これを用 て、液晶表示装置が得られる。
液晶表示装置は、棒状の液晶分子が一対 ガラス基板に挟持された液晶セルと、液晶 ルを挾むように配置された偏光膜及びその 側に配置された透明保護層からなる2枚の偏 光板を持つものである。
本発明の方法により製造された光学フィ ムからなる偏光板用保護フィルムを用いる とにより、薄膜化とともに、耐久性及び寸 安定性、光学的等方性に優れた偏光板を提 することができる。さらに、この偏光板あ いは位相差フィルムを用いた液晶表示装置 、長期間に亘って安定した表示性能を維持 ることができる。
本発明の方法により製造された光学フィ ムは、反射防止用フィルムあるいは光学補 フィルムの基材としても使用できる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発
はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(ドープの調製)
下記の素材を密閉容器に投入し、加熱し、
拌しながら、完全に溶解、濾過し、ドープ
調製した。なお、二酸化珪素微粒子(アエロ
ジルR972V)は、エタノールに分散した後、添加
した。
(ドープ組成)
セルローストリアセテート(アセチル置換度
2.88) 100質量部
トリフェニルホスフェート
8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(液体の
可塑剤) 4質量部
5-クロロ-2-(3,5-ジ-sec-ブチル-2-ヒドロ
キシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(液体
外線吸収剤)1質量部
メチレンクロライド
418質量部
エタノール
23質量部
アエロジル R972V 0.
1質量部
上記のドープを流延し支持体から剥離され
後のウェブを搬送するロールは、いずれも
面にハードクロムメッキして、超鏡面に研
したものを用いた。
(セルローストリアセテートフィルムの作製)
上記のドープを用いて、以下のようにして
セルローストリアセテートフィルムを作製
た。
図1に示す製造装置を用いて製膜を行なっ た。同図を参照すると、濾過したドープを、 ドープ温度35℃で、温度20℃のSUS316製のエン レスベルトからなる支持体(7)上にコートハ ガーダイよりなる流延ダイ(3)より均一に流 し、流延膜(ウェブ)(10)を形成した。支持体(7 )上での乾燥風の温度は30℃で一定とし、支持 体(7)の搬送速度を変えることで、支持体(7)上 でのウェブ(10)の乾燥時間を60秒から120秒まで 変え、剥離時のウェブ(10)の残留溶媒量を変 させた。
支持体(7)からウェブ(10)を剥離した後、温 度90℃の雰囲気で、搬送ロール(8)(9)で搬送し がら乾燥させ、テンター(11)で、残留溶媒量 10%のとき、温度100℃の雰囲気内で、ウェブ(10 )を幅方向に1.06倍延伸した後、幅保持を解放 て、ロール搬送しながら温度125℃の乾燥ゾ ン(12)で乾燥を終了させ、フィルム両端に幅 10mm、高さ8μmのナーリング加工を施して、膜 40μmのセルローストリアセテートフィルム 作製した。フィルム幅は1300mm、巻き取り長 1500mとした。
そして、この実施例においては、剥離後の
ェブ搬送ロール(8)(9)にそれぞれプラズマ装
(19)により、下記のように、高エネルギー表
面処理を実施することによって、ウェブ搬送
ロール(8)(9)表面に、表面処理膜を形成させた
。
(プラズマ処理)
製膜時、プラズマ装置(19)のプラズマ噴射ス
リットからウェブ搬送ロール(8)(9)の表面まで
の間隙(d)を2mmとした条件にて、プラズマ照射
処理をした。
反応ガスの使用量は、照射幅1m当たり1m 3 した。プラズマ処理に用いた混合ガス(反応 ス)の組成を以下に記す。気圧は1.0気圧とし 。
窒素 99.0体積%
酸素 1.0体積%
混合ガス流量 2m 3
/min
なお、プラズマ装置の周囲の溶媒ガス濃度
、プラズマ装置に入る手前の剥離ロール(8)
表面付近で、メチレンクロライド4000ppm、エ
タノール2000ppmであった。
そして、この実施例においては、ウェブ( 10)を支持体(7)から剥離する際のウェブ(10)の 留溶媒量を68質量%とした。
なお、セルローストリアセテートフィルム
、最終的な残留溶媒量が0.2質量%の状態で巻
取り機に巻き取った。
実施例2
上記実施例1の場合と同様に実施するが、上
記実施例1の場合と異なる点は、ウェブ(10)を
持体(7)から剥離する際のウェブ(10)の残留溶
媒量を140質量%とした点にある。
実施例3と4
上記実施例1と2の場合と同様に実施するが
上記実施例1と2の場合と異なる点は、図3に
すプラズマ装置に代えて、図4に示すエキシ
UV装置を使用し、エキシマUV処理を施した点
にある。
すなわち、下記のエキシマUV処理を、ウェ
搬送ロール(8)(9)表面とに施した。
(エキシマUV処理)
支持体の搬送方向の長さが約300mmの石英ガ
ス(q)の中に、放射照度40mW/cm 2
の、Xe 2
波長172nmエキシマUVランプが4本入った装置を
ランプの石英ガラス表面から、ウェブ搬送
ール(8)(9)表面までの間隙(d)を1mmとし、ウェ
搬送ロール(8)(9)の表面にエキシマUV光を照
した。
なお、エキシマUV装置の周囲の溶媒蒸気濃
は、エキシマUV装置に入る手前の剥離ロール
(8)の表面付近で、メチレンクロライド4000ppm
エタノール2000ppmであった。
比較例1~4
上記実施例1~4の場合と同様に実施するが、
記実施例1~4の場合と異なる点は、ウェブ(10)
を支持体(7)から剥離後のウェブ搬送ロール表
面する際のウェブ(10)の残留溶媒量にある。
上述した実施例1~4、および比較例1~4におい
、それぞれ上記の条件でセルローストリア
テートフィルムの製膜を2週間連続して行な
い、製膜開始1日後に作製したフィルムと、2
間後に作製したフィルムについて、両者の
異を評価するために、フィルムの押され故
・異物・汚れの観察と、評価を行なった。
た、製膜1日後と、製膜2週間経過後におけ
ウェブ搬送ロール(8)(9)の表面状態を目視に
って観察し、評価を実施した。得られた評
結果を、下記の表1に示した。
(押され故障・異物・汚れの観察と評価)
本発明の実施例1~4、並びに比較例1~4で作製
たセルローストリアセテートフィルム試料
ら全幅で長手方向に1mの長さに切り出し、
のフィルム試料にシャーカステン上で光を
過させながら、ルーペで、押され故障・異
・汚れの有無及び大きさを観察し、下記の
準で評価した。
AA:押され故障・異物・汚れがほとんど無か
た
A:50μm以上の大きさの押され故障・異物・汚
れは無く、
50μm未満のものが、0~10個観察された
B:50μm以上の大きさの押され故障・異物・汚
れは無く、
50μm未満のものが11~30個観察された
C:50μm以上の大きさの押され故障・異物・汚
れが
1~10個観察され、50μm以下のものが31~50個
察された
D:50μm以上の大きさの押され故障・異物・汚
れが
11~30個観察され、50μm以下のものが51個以
上観察された
(ウェブ搬送ロールの表面状態の目視による
察と評価)
A:ウェブ搬送ロールの表面が、きれい
B:ウェブ搬送ロールの表面に、うっすらと
いもやが入る
C:ウェブ搬送ロールの表面全体が白くなる
D:腐食によるサビによりウェブ搬送ロール
面が緑青色になる
つぎに、上述した実施例1~4、および比較例1
~4において、製膜開始1日後に作製したセルロ
ーストリアセテートフィルムと、2週間後に
製したセルローストリアセテートフィルム
用いて、下記のように、それぞれ偏光板を
製し、各偏光板の輝きスポット数からフィ
ムの劣化レベルを判断した。得られた評価
果を、下記の表1にあわせて示した。
(偏光板の作製)
本発明の実施例1~4、及び比較例1~4で得られ
セルローストリアセテートフィルムを、温
60℃の2mol/l濃度の水酸化ナトリウム水溶液
に2分間浸し、水洗した後、温度100℃で10分
乾燥して、アルカリ鹸化処理した偏光板用
護フィルムを作製した。
一方、これとは別に、厚さ120μmのポリビ ルアルコールフィルムを沃素1質量部、ホウ 酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸し、温 50℃で4倍に延伸して、偏光膜を作製した。
ついで、この偏光膜の両面に、前記偏光板
保護フィルムをそれぞれ完全鹸化型ポリビ
ルアルコール5%水溶液を接着剤として用い
各々貼り合わせて、各種偏光板を作製した
(偏光板の輝きスポット数の評価)
ついで、これらの偏光板試料を25cm×25cmの大
きさに切り出し、1試料につき5枚準備し、30cm
×30cmの大きさの2枚の輝きスポット観察用偏
板(図示略)をクロスニコル状態に配置して、
上記偏光板試料を輝きスポット観察用偏光板
同士の間に挿入し、偏光板試料の異物等によ
る暗黒面に現れる輝きスポット数を観察し、
5枚の偏光板試料の輝きスポット数の値によ
、下記の基準で評価した。得られた結果を
記の表1にあわせて示した。
A:全く輝きスポットが無かった
B:小さな輝きスポットが1~5個観察された
C:小さな輝きスポットが6~30個観察された
D:輝きスポットが31~50個観察された
E:輝きスポットが51個以上観察された
上記表1の結果から明らかなように、本発 明の実施例1~4によれば、ウェブ搬送ロール(8) (9)表面に、本発明の特徴であるプラズマ波ま たはエキシマUV波の照射によってそれぞれ表 処理膜を形成させることにより、ウェブ搬 ロール(8)(9)表面への汚れの付着が少なく、 ェブ搬送ロール(8)(9)表面をクリーンに保つ とができた。
そして、本発明の実施例1~4によれば、セ ローストリアセテートフィルムに押され故 ・異物・汚れがほとんど無く、表面平滑性 良い高品質なセルローストリアセテートフ ルムを長期間にわたり安定に製造すること できた。また、実施例1~4のセルローストリ セテートフィルムによれば、偏光板の輝き ポット数が非常に少なかった。
さらに、本発明による実施例1~4では、ウ ブ搬送ロール(8)(9)の表面に、高エネルギー 面処理を施すことによって、ウェブ搬送ロ ル(8)(9)表面に白っぽい汚れが付きにくくな 、ウェブ搬送ロール(8)(9)の汚れ速度が遅く る効果も得られた。これによって、ウェブ 送ロール(8)(9)表面の清掃の周期を長くする とができ、フィルムの生産性向上に寄与す ことができた。
これに対し、比較例2と4によれば、残留 媒量が高すぎるために、ウェブ搬送ロール の汚れの付着を防ぎきることができず、非 に多くのセルローストリアセテートフィル に押され故障・異物・汚れが観察され、ま 偏光板の輝きスポット数が多く観察され、 光板用保護フィルム等の光学フィルムとし 、使用することができないものであった。 らに、比較例2と4によれば、1週間後に、ウ ブ搬送ロール表面の清掃を必要とした。一 、比較例1と3については、押され故障・異物 ・汚れについては良好な結果が得られたが、 残留溶媒量が低すぎるために、途中でウェブ の一部が支持体(7)から剥がれるトラブルが度 々発生し、ウェブの搬送性が非常に劣るだけ でなく、ウェブが破断し、生産性が落ちるこ とがあった。
