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Title:
OPTICALLY ACTIVE 2,2'-BIPHENOL DERIVATIVE AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/087959
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are an optically active 2,2'-biphenol derivative and a method which enables simple and efficient production of the compound. Specifically disclosed are an optically active biphenol derivative represented by Formula (1) or (2); a method for optical resolution of a biphenol derivative represented by Formula (2'); a method for producing an optically active biphenol derivative (1) comprising a step of reacting a biphenol derivative (2) with a Brφnsted acid; and a method for producing an optically active biphenol derivative (3) comprising a step of reacting an optically active biphenol derivative (1) or an optically active biphenol derivative (2) with a Lewis acid. In the Formulae, R1 represents a primary or secondary alkyl group having 1-10 carbon atoms or the like; * represents an axial asymmetry center; X represents a halogen atom; and R2 represents a tertiary alkyl group having 4-6 carbon atoms.

Inventors:
ITO, Yoshikazu (Nippon Soda Co. Ltd., 345, Takada, Odawara-sh, Kanagawa 80, 2500280, JP)
伊藤芳和 (〒80 神奈川県小田原市高田345 日本曹達株式会社 小田原研究所内 Kanagawa, 2500280, JP)
KUBOTA, Yasushi (Nippon Soda Co. Ltd., 345, Takada, Odawara-sh, Kanagawa 80, 2500280, JP)
Application Number:
JP2009/000012
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
January 06, 2009
Export Citation:
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Assignee:
Nippon Soda Co., Ltd. (2-1 Ohtemachi 2-chome, Chiyoda-ku Tokyo, 65, 1008165, JP)
日本曹達株式会社 (〒65 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 Tokyo, 1008165, JP)
ITO, Yoshikazu (Nippon Soda Co. Ltd., 345, Takada, Odawara-sh, Kanagawa 80, 2500280, JP)
伊藤芳和 (〒80 神奈川県小田原市高田345 日本曹達株式会社 小田原研究所内 Kanagawa, 2500280, JP)
International Classes:
C07C37/50; C07B57/00; C07C37/00; C07C37/11; C07C39/15; C07C39/367
Foreign References:
JPH1045648A
JP2004189696A
JP2005510551A
JP2002069022A
JP2004189696A
JPH1045648A
JP2005510551A
Other References:
HARADA, T. ET AL.: 'Asymmetric Synthesis of 6,6'-Dialkyl and -Diphenyl-2,2'-Biphenyldiols by Using Menthone as a Chiral Template' SYNLETT no. 3, 1995, pages 283 - 284, XP008137438
KANOH, S. ET AL.: 'Optical Resolution and Absolute Configuration of Axially Dissymmetric 2,2'-Dihydroxy-6,6'-dimethylbiphenyl' BULL. CHEM. SOC. JPN. vol. 60, 1987, pages 2307 - 2309, XP008137441
ALBERT, H. E.: 'Reactions of 3,4,6- Trialkylphenols. III. Oxidation Studies' J. AM. CHEM. SOC. vol. 76, no. 19, 1954, pages 4983 - 4985, XP008137439
See also references of EP 2241545A1
SYNLETT vol. 3, 1995, pages 283 - 284
ORGANIC PROCESS RESEARCH & DEVELOPMENT vol. 11, 2007, pages 628 - 632
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake (1-9-2, MarunouchiChiyoda-k, Tokyo 20, 1006620, JP)
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Claims:
 式(3)

(式中、R 1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~10の1級もしくは2級アルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3~10のシクロアルキル基を表し、*は軸不斉中心を表す。)で表される6,6’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体の製造方法であって、式(2’)

(式中、R 1 は、前記と同じ意味を表し、R 2 は炭素数4~6の3級アルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示される6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体と光学活性ジアミンを作用させて得られる塩を分離し、次いで、該塩を中和することにより、式(2)

(式中、R 1 、R 2 、X、及び*は、前記と同じ意味を表す。)で表される光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体を得、さらに式(2)で表される化合物にルイス酸を作用させることを特徴とする式(3)で表される化合物の製造方法。
 式(3)

(式中、R 1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~10の1級もしくは2級アルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3~10のシクロアルキル基を表し、*は軸不斉中心を表す。)で表される6,6’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体の製造方法であって、式(2’)

(式中、R 1 は、前記と同じ意味を表し、R 2 は炭素数4~6の3級アルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示される6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体と光学活性ジアミンを作用させて得られる塩を分離し、次いで、該塩を中和することにより、式(2)

(式中、R 1 、R 2 、X、及び*は、前記と同じ意味を表す。)で表される光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体を得、次いで式(2)で表される化合物にブレンステッド酸を作用させ式(1)

(式中、R 1 、X、及び*は、前記と同じ意味を表す。)で表される光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-2,2’-ビフェノール誘導体を得、さらに式(1)で表される化合物にルイス酸を作用させることを特徴とする式(3)で表される化合物の製造方法。
 式(2’)

(式中、R 1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~10の1級もしくは2級アルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3~10のシクロアルキル基を表し、R 2 は炭素数4~6の3級アルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示される6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体と光学活性ジアミンを作用させて得られる塩を分離し、次いで、該塩を中和することを特徴とする式(2)

(式中、R 1 、R 2 、及びXは、前記と同じ意味を表す。式中、*は軸不斉中心を表す。)で表される光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体の製造方法。
 光学活性ジアミン化合物が、1,2-ジアミノアルカン誘導体であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
 式(1)

(式中、R 1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~10の1級もしくは2級アルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3~10のシクロアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、*は軸不斉中心を表す。)で表されることを特徴とする光学活性2,2’-ビフェノール誘導体。
 式(2)

(式中、R 1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~10の1級もしくは2級アルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3~10のシクロアルキル基を表し、R 2 は炭素数4~6の3級アルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、*は軸不斉中心を表す。)で表されることを特徴とする光学活性2,2’-ビフェノール誘導体。
 式(2’)

(式中、R 1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~10の1級もしくは2級アルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3~10のシクロアルキル基を表し、R 2 は炭素数4~6の3級アルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表されることを特徴とする2,2’-ビフェノール誘導体。
 式(4)

(式中、R 1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~10の1級もしくは2級アルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3~10のシクロアルキル基を表し、R 2 は炭素数4~6の3級アルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表される5-置換-4-ハロゲノ-2-置換-フェノール誘導体と、銅塩及び有機塩基、又はオキシハロゲン化銅(II)有機塩基錯体を、作用させることを特徴とする式(2’)

(式中、R 1 、R 2 、及びXは前記と同様の意味を表す。)で表される6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-2,2’-ビフェノール誘導体の製造方法。
 式(2)

(式中、R 1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~10の1級もしくは2級アルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3~10のシクロアルキル基を表し、R 2 は炭素数4~6の3級アルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、*は軸不斉中心を表す。)で表される光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体と、ブレンステッド酸を作用させることを特徴とする式(1)

(式中、R 1 、X、及び*は前記と同様の意味を表す。)で表される光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-2,2’-ビフェノール誘導体の製造方法。
 式(1)

(式中、R 1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~10の1級もしくは2級アルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3~10のシクロアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、*は軸不斉中心を表す。)で表される光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体を、ルイス酸と作用させることを特徴とする式(3)

(式中、R 1 、及び*は前記と同様の意味を表す。)で表される光学活性6,6’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体の製造方法。
 
Description:
光学活性2,2’-ビフェノール誘導 体及びその製造方法

 本発明は、光学活性2,2’-ビフェノール誘導 体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは 、医薬・農薬原体やこれらの製造中間体等の 製造に関わる分野において、高い利用価値を 有する光学活性2,2’-ビフェノール誘導体及 その製造方法に関する。
 本願は、2008年1月8日に、日本に出願された 願2008-001275号に基づき優先権を主張し、そ 内容をここに援用する。

 光学活性2,2’-ビフェノール誘導体は、医薬 ・農薬を中心とする各種ファインケミカルの 不斉合成用配位子の合成中間体として重要な 化合物である。
 このような2,2’-ビフェノール誘導体として 、例えば、下記式(A)、

(式中、R a は置換基を有していてもよい低級アルキル基 を表し、*は軸不斉中心を表す。)で示される6 ,6’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体が知ら ている。

 前記式(A)で示される光学活性2,2’-ビフェ ノール誘導体を得る方法としては、メソ体の ビフェニル類を光学活性化合物に変換した後 、光学活性2,2’-ビフェノールに誘導する方 や、ラセミ体の2,2’-ビフェノール類をジア テレオマー混合物に変換したのち、光学分 する方法が知られている。

 メソ体あるいはラセミ体のビフェノール の製造法としては、置換レゾルシノールあ いは置換フェノール類をヘキサシアノ鉄(III )酸カリウム(フェロシアン酸カリウム)、ジ-t- ブチルパーオキサイド、塩化第二鉄、あるい は酸素等による酸化的オルトカップリング法 が一般的に用いられる。

 メソ体のビフェニル類を光学活性化合物 変換した後、光学活性な2,2’-ビフェノール に誘導する方法としては、非特許文献1に、2, 2’,6,6’-テトラヒドロビフェニルを光学活性 メントンのアセタール誘導体に変換した後、 光学活性体な6,6’-ジ置換-2,2’-ビフェノール に誘導する方法が報告されている。

 ラセミ体の2,2’-ビフェノール類をジアス テレオマー混合物に変換したのち、光学分割 する方法としては、例えば、ラセミ体の6,6’ -ジ置換-2,2’-ビフェノール類のリン酸誘導体 を光学活性メントールと反応させてエステル 化したのち、光学分割する方法(特許文献1)や 、ラセミ体の6,6’-ジ置換-2,2’-ビフェノール 類の一方の光学異性体だけを選択的に光学活 性シクロヘキサンジアミンと結晶化させる方 法(特許文献2)等が知られている。

 しかし、非特許文献1及び特許文献1に記 された方法は、多段階の合成ルートを要す ため操作が煩雑であり、特許文献2の方法は 応収率が低いという問題がある。

 また、ラセミ体の3,3’,6,6’-テトラアルキ -5,5’-ジハロゲノ-2,2’-ビフェノールの合成 法(特許文献3)が知られているが、光学異性 の製造方法についての記載はない。
 一方、下式(B)、(C)

(式中、*は前記と同じ意味を表す。)で示され る光学活性2,2’-ビフェノール誘導体は、不 相間移動触媒の前駆体として有用である。
 しかしながら、いずれの化合物も、前記式( A)で示される光学活性6,6’-ジメチル-2,2’-ビ ェノールから合成されるため(非特許文献2) 前記と同様に製造法に課題があった。

:特開2004-189696号公報

:特開平10-45648号公報

:特表2005-510551号公報 :SYNLETT,1995,No.3,283-284 :Organic Process Research & Development,Vol.11 ,pp628-632,2007.

 本発明は、上述した従来技術の実情に鑑 てなされたものであり、光学活性6,6’-ジ置 換-2,2’-ビフェノール誘導体を簡便かつ効率 く製造することができる製造方法を提供す ことを課題とする。

 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研 の結果、
(A)下記式(2’)で示される6,6’-ジ置換-5,5’-ジ ハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘 体の光学異性体混合物に、光学活性ジアミ 化合物を作用させることで、下記式(2’)で される6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ 置換-2,2’-ビフェノール誘導体の一方の光学 性体のみが、前記光学活性ジアミン化合物 塩を形成して結晶性成績物として単離でき 単離した塩から、光学活性な下記式(2)で示 れる6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ 換-2,2’-ビフェノール誘導体を効率よく得る ことができ、さらにルイス酸と反応させるこ とによって、下記式(3)で示される6,6’-ジ置 -2,2’-ビフェノール誘導体が効率よく得られ ること、
(B)得られた下記式(2)で示される光学活性6,6’ -ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’- フェノール誘導体は、ブレンステッド酸と 応させることによって、下記式(1)で示され 光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-2,2’- ビフェノール誘導体を効率よく得ることがで き、さらにルイス酸と反応させることによっ て、下記式(3)で示される6,6’-ジ置換-2,2’-ビ フェノール誘導体が効率よく得られること、 及び、
(C)下記式(2’)で示される6,6’-ジ置換-5,5’-ジ ハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘 体は、下記式(4)で表される5-置換-4-ハロゲノ -2-置換-フェノール誘導体と、銅塩及び有機 基、又はオキシハロゲン化銅(II)有機塩基錯 を反応させることで、効率よく得られるこ を見出し、本発明を完成するに至った。

 かくして本発明の第1によれば、下記式(3)

(式中、R 1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~10の1 もしくは2級アルキル基または置換基を有し ていてもよい炭素数3~10のシクロアルキル基 表し、*は軸不斉中心を表す。)で表される6,6 ’- ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体の製造 法であって、式(2’)

(式中、R 1 は、前記と同じ意味を表し、R 2 は炭素数4~6の3級アルキル基を表し、Xはハロ ン原子を表す。)で示される6,6’-ジ置換-5,5 -ジハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノー 誘導体と光学活性ジアミンを作用させて得 れる塩を分離し、次いで、該塩を中和する とにより、式(2)


(式中、R 1 、R 2 、X、及び*は、前記と同じ意味を表す。)で表 される光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ -3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体を得 さらに式(2)で表される化合物にルイス酸を 用させることを特徴とする式(3)で表される 合物の製造方法が提供される。

 本発明の第2によれば、前記式(3)で表され る6,6’- ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体の 造方法であって、前記式(2’)で示される6,6 -ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’- ビフェノール誘導体と光学活性ジアミンを作 用させて得られる塩を分離し、次いで、該塩 を中和することにより、前記式(2)で表される 光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’- 置換-2,2’-ビフェノール誘導体を得、次い 前記式(2)で表される化合物にブレンステッ 酸を作用させ式(1)

(式中、R 1 、X、及び*は、前記と同じ意味を表す。)で表 される光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ -2,2’-ビフェノール誘導体を得、さらに式(1) 表される化合物にルイス酸を作用させるこ を特徴とする式(3)で表される化合物の製造 法が提供される。

 本発明の第3によれば、前記式(2’)で示さ れる6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ置 -2,2’-ビフェノール誘導体の光学異性体混 物に光学活性ジアミン化合物を作用させる とにより、前記式(2’)で示される6,6’-ジ置 -5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェ ール誘導体の一方の光学異性体と前記光学 性ジアミン化合物との塩を得、次いで、こ 塩から、前記式(2)で示される光学活性6,6’- ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビ フェノール誘導体を単離することを特徴とす る、前記式(2’)で表される6,6’-ジ置換-5,5’- ジハロゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノール 導体の製造方法が提供される。

 本発明の製造方法においては、前記光学 性ジアミン化合物として、1,2-ジアミノアル カン誘導体を用いることが好ましい。

 本発明の第4によれば、前記式(1)で示され る光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-2,2 -ビフェノール誘導体が提供される。

 本発明の第5によれば、前記式(2)で示され る光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3 -ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体が提供さ る。

 本発明の第6によれば、前記式(2’)で示さ れる6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3’-ジ置 -2,2’-ビフェノール誘導体が提供される。

 本発明の第7によれば、式(4)

(式中、R 1 、R 2 、及びXは、前記と同じ意味を表す。)で表さ る5-置換-4-ハロゲノ-2-置換-フェノール誘導 と、銅塩及び有機塩基、又はオキシハロゲ 化銅(II)有機塩基錯体を、作用させることを 特徴とする前記式(2’)で表される6,6’-ジ置 -5,5’-ジハロゲノ-2,2’-ビフェノール誘導体 製造方法が提供される。

 本発明の第8によれば、前記式(2)で表され る光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-3,3 -ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体と、ブレ ステッド酸を作用させることを特徴とする 記式(1)で表される光学活性6,6’-ジ置換-5,5’ -ジハロゲノ-2,2’-ビフェノール誘導体の製造 方法が提供される。

 本発明の第9によれば、前記式(1)で表され る光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ-ジ 換-2,2’-ビフェノール誘導体を、ルイス酸と 作用させることを特徴とする前記式(3)で表さ れる光学活性6,6’-ジ置換-2,2’-ビフェノール 誘導体の製造方法が提供される。

 本発明によれば、医薬・農薬原体やこれら 製造中間体等の製造に関わる分野において 高い利用価値を有する、新規な光学活性2,2 -ビフェノール誘導体が提供される。
 また本発明によれば、高い光学純度をもつ2 ,2’-ビフェノール誘導体を簡便に効率よく製 造することができる。

 以下、本発明を詳細に説明する。
1)本発明は、前記式(3)で示される光学活性6,6 -ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体(以下、「 光学活性ビフェノール誘導体(3)」ということ がある。)の製造方法に関するものである。

 光学活性ビフェノール誘導体(3)は、前記式( 2)で示される光学活性6,6’-ジ置換-5,5’-ジハ ゲノ-3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体 (以下、「光学活性ビフェノール誘導体(2)」 いうことがある。)にルイス酸を作用するこ で得ることができる。
 光学活性ビフェノール誘導体(2)は、前記式( 2’)で示される6,6’-ジ置換-5,5’-ジハロゲノ- 3,3’-ジ置換-2,2’-ビフェノール誘導体の光学 異性体混合物(以下、「ビフェノール誘導体(2 ’)」ということがある。)に光学活性ジアミ 化合物を作用させることにより、ビフェノ ル誘導体(2’)の一方の光学異性体と前記光 活性ジアミン化合物との塩(以下、「結晶性 成績物」ということがある。)を得、次いで この塩を中和し得ることができる。

(光学活性ビフェノール誘導体(2)、光学活性 フェノール誘導体(3)及びビフェノール誘導 (2’))
 式(2)、式(3)及び式(2’)中、R 1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~10の1 もしくは2級アルキル基、または置換基を有 していてもよい炭素数3~10のシクロアルキル を表す。

 R 1 の炭素数1~10の1級もしくは2級アルキル基の具 体例としては、メチル基、エチル基、n-プロ ル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル 、s-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基 n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n -デシル基等が挙げられる。
 炭素数3~10のシクロアルキル基の具体例とし ては、シクロプロピル基、シクロブチル基、 アイクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ クロオクチル基等が挙げられる。

 R 1 の炭素数1~10の1級もしくは2級アルキル基の置 換基としては、メトキシ基、エトキシ基、プ ロポキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1~1 0のアルコキシ基;フェニル基、4-メチルフェ ル基、2-クロロフェニル基等の置換基を有し ていてもよいフェニル基;メトキシカルボニ 基、エトキシカルボニル基、プロポキシカ ボニル基、イソプロポキシカルボニル基等 炭素数1~10のアルコキシカルボニル基;等が挙 げられる。

 炭素数3~10のシクロアルキル基の置換基と しては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ シ基、イソプロポキシ基等の炭素数1~10のア コキシ基;フェニル基、4-メチルフェニル基 2-クロロフェニル基等の置換基を有していて もよいフェニル基;メトキシカルボニル基、 トキシカルボニル基、プロポキシカルボニ 基、イソプロポキシカルボニル基等の炭素 2~10のアルコキシカルボニル基;等が挙げられ る。

 式(2)、式(3)及び式(2’)中、*は軸不斉中心 、すなわち、光学活性ビフェノール誘導体(3) のビフェニル部分構造において、一方の軸不 斉異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰で あることを示す。

 式(2)及び式(2’)中、Xは、フッ素原子、塩 素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン 原子を表す。

 式(2)及び式(2’)中、R 2 は、炭素数4~6の3級アルキル基を表す。炭素 4~6の3級アルキル基の具体例としては、t-ブ ル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,1,2-トリメ ルプロピル基等が挙げられる。

 下記第1表に光学活性ビフェノール誘導体 (2)の具体例を示す。本発明の光学活性ビフェ ノール誘導体(2)はこれらに限定されるもので はない。

 

(光学活性ジアミン化合物及び光学分割処理)
 本発明に用いる光学活性ジアミン化合物と ては、分子内にアミノ基を2個有する光学活 性な化合物であれば、特に制限されないが、 入手容易性及びより効率よく光学分割が可能 であることから、光学活性1,2-ジアミノアル ン誘導体であることが好ましい。

 1,2-ジアミノアルカン誘導体として、具体 的には、1,2-ジアミノプロパン、1-フェニル-1, 2-ジアミノエタン、3-フェニル-1,2-ジアミノプ ロパン、2,3-ブタンジアミン、1,2-ジフェニル- 1,2-ジアミノエタン、1,2-ビス(1-ナフチル)-1,2- アミノエタン、1,2-ビス(2-ナフチル)-1,2-ジア ミノエタン、1,2-シクロヘキサンジアミン、2- (アミノメチル)ピロリジン、2,3-ジメチルピラ ジン等を例示でき、光学活性1,2-ジアミノア カン類としては、これら具体例の光学活性 を例示することができる。中でも光学活性1, 2-ジフェニル-1,2-ジアミノエタンが特に好ま い。

 ビフェノール誘導体(2’)の一方の光学異 体と光学活性ジアミン化合物とから塩を形 する反応におけるビフェノール誘導体(2’) 光学活性ジアミン化合物の使用モル比は、 ビフェノール誘導体(2’)〕:(光学活性ジア ン化合物)=0.3:1~1:2、好ましくは0.5:1~1:1である 。

 ビフェノール誘導体(2’)の光学異性体混 物と光学活性ジアミン化合物とを作用させ ことにより、ビフェノール誘導体(2’)の一 の光学異性体と光学活性ジアミン化合物と 塩を形成する反応は、適当な溶媒中で行う とができる。

 用いる溶媒としては、ビフェノール誘導 (2’)及び光学活性ジアミン化合物に対して 活性であり、かつ、何らかの特段の相互作 をするものでなければ、特に制限無く用い ことが出来る。なかでも、ビフェノール誘 体(2’)と光学活性ジアミン化合物とから塩 形成されたのち、得られるジアステレオマ 混合物のいずれか一方のジアステレオマー 選択的に結晶性成績物として系内から析出 るような溶媒を選択することが好ましい。

 好適な例としては、ペンタン、ヘキサン ヘプタン、アイソパーE、アイソパーG等の ルカン系溶媒;ベンゼン、トルエン、オルト シレン等の芳香族系溶媒;塩化メチレン、ク ロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼ ン等のハロゲン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エ ル等のエステル系溶媒;ジエチルエーテル、 トラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;及び これらの溶媒の2種以上からなる混合溶媒;が げられる。なかでも、トルエン、またはト エン及びアルカン系溶媒の混合溶媒が好ま い。

 溶媒の使用量は、特に制限されるもので ないが、〔ビフェノール誘導体(2’)(重量部 )〕:〔溶媒(容量部)〕で表して、通常、1:1~1:10 0、好ましくは1:3~1:40である。

 ビフェノール誘導体(2’)の光学異性体混合 と光学活性ジアミン化合物とから塩を形成 る反応は、特に制限されないが、具体的に 、以下の(a)~(c)の方法を例示することができ る。
(a)溶媒の沸点までの加温下に、ビフェノール 誘導体(2’)のラセミ体混合物と光学活性ジア ミン化合物の所定量を溶媒に溶解したのち、 室温若しくは冷却下に、放置または適宜な攪 拌を行う方法。
(b)溶媒の沸点までの加温下に、ビフェノール 誘導体(2’)と光学活性ジアミン化合物の所定 量を溶媒に溶解したのち、攪拌下に溶解度の 低い溶媒を加える方法。
(c)ビフェノール誘導体(2’)を適当な溶媒に懸 濁させたまま、光学活性アミン化合物の所定 量を添加し、全容を攪拌する方法。

 この反応は、ビフェノール誘導体(2’)の2 種類の光学異性体のうち、一方の光学異性体 のみが光学活性ジアミン化合物と塩を形成す るものである。ビフェノール誘導体(2’)の2 類の光学異性体のうち、どちらの光学異性 が優先的に塩を形成するかは、用いる光学 性ジアミン化合物にも依存する。

 ビフェノール誘導体(2’)の一方の光学異 体と光学活性ジアミン化合物との塩は、通 結晶性成績物として反応系から析出するの 、反応液を濾過することで、ビフェノール 導体(2’)の一方の光学異性体と光学活性ジ ミン化合物との塩を単離することができる

 次いで、単離したビフェノール誘導体(2 )の一方の光学異性体と光学活性ジアミン化 物との塩を非水溶性有機溶媒と酸性水溶液 混合溶媒系中で攪拌処理した後、分液する 得られた非水溶性有機溶媒相を濃縮するこ により、所望の光学活性ビフェノール誘導 (2)を高光学純度で得ることが出来る。

 ここで用いる非水溶性有機溶媒としては 特に制限なく、例えば、ペンタン、ヘキサ 、ヘプタン、アイソパーE、アイソパーG等 アルカン系溶媒;ベンゼン、トルエン、オル キシレン等の芳香族系溶媒;塩化メチレン、 クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベン ゼン等のハロゲン系溶媒;酢酸メチル、酢酸 チル等のエステル系溶媒;ジエチルエーテル シクロプロピルメチルエーテル等のエーテ 系溶媒;及びこれらの溶媒の2種以上からな 混合溶媒;が挙げられる。これらの中でも、 香族系が好適に使用できる。

 前記結晶性成績物と非水溶性有機溶媒の 用割合は、〔前記結晶性成績物(重量部)〕: 非水溶性有機溶媒(容量部)〕で、通常1:1~1:50 、好ましくは1:3~1:30である。

 酸性水溶液としては、塩化水素、硫酸等 無機酸の水溶液;酢酸、プロピオン酸、メタ ンスルホン酸等の有機酸の水溶液;が使用で るが、実用的観点から塩酸が好ましい。

 酸性水溶液の酸濃度には特に制限はなく 酸濃度が0.1規定の水溶液から酸の飽和水溶 まで使用可能であるが、酸濃度が0.5規定~5 定の水溶液が好ましい。

 酸性水溶液の使用量は、酸濃度と結晶性 績物中に化学量論含まれる前記の光学活性 アミン化合物量に依存するが、光学活性ジ ミン化合物1モルに対して、1~20倍モル、好 しくは2~10倍モルである。

 結晶性成績物を非水溶性有機溶媒と酸性 溶液の混合溶媒系中で攪拌処理・分液する の温度は、非水溶性有機溶媒と酸性水溶液 融点から沸点まで適宜に行うことが可能で るが、好ましくは0℃~50℃である。

 また、ビフェノール誘導体(2’)の光学異 体混合物と光学活性ジアミン化合物との反 液から、ビフェノール誘導体(2’)一方の光 異性体と光学活性ジアミン化合物との塩を 離した後の反応液には、ビフェノール誘導 (2’)のもう一方の光学異性体が含まれてい 。このビフェノール誘導体(2’)のもう一方 光学異性体は、常法により反応液から単離 ることができる。

 さらに、反応に用いた光学活性ジアミン 合物も反応液から、常法により回収して再 用することができる。

 上記の方法に従えば、ビフェノール誘導 (2’)から光学活性ビフェノール誘導体(2)を 率よく分離することができるが、この現象 、化合物のベンゼン環上にハロゲン原子と3 級アルキル基を置換基として有することに起 因する。また、これらの置換基は、目的とす る不斉合成用配位子の合成上必要に応じて、 下記のルイス酸処理により簡便に除去するこ とができる。

(ルイス酸及びルイス酸処理)
 用いるルイス酸としては、塩化銅、塩化亜 、塩化アルミニウム、4塩化チタン、塩化ジ ルコニウム等が挙げられる。これらのルイス 酸は1種単独で、或いは2種以上を組み合わせ 用いることができる。

 ルイス酸の使用量は、光学活性ビフェノ ル誘導体(2)1モルに対して、0.01~20倍モル、 ましくは0.1~10倍モルである。

 この反応は、不活性溶媒中で行うことが きる。用いる溶媒としては、ペンタン、ヘ サン、ヘプタン、アイソパーE、アイソパー G等のアルカン系溶媒;ベンゼン、トルエン、 ルトキシレン等の芳香族系溶媒;塩化メチレ ン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロ ベンゼン等のハロゲン系溶媒;及びこれらの 媒の2種以上からなる混合溶媒;が挙げられる 。

 アルカン系あるいはハロゲン系溶媒を使 する場合には、光学活性ビフェノール誘導 (2)から脱離するハロゲン原子のアクセプタ として、ベンゼン、トルエン、オルトキシ ン等の芳香族系溶媒を適宜混合することが ましい。

 溶媒の使用量は、特に限定されないが、〔 学活性ビフェノール誘導体(2)(重量部)〕:〔 媒(容量部)〕で表して、通常、1:3~1:100、好 しくは1:4~1:40である。
 処理温度は溶媒の融点から沸点まで適宜に うことが可能であるが、好ましくは0℃~50℃ である。

2)本発明は、また、光学活性ビフェノール誘 体(3)の製造方法であって、前記式(1)(式中、 R 1 、及びXは、前記式(2)中で表す意味と、同じ 味を表す。)で示される光学活性6,6’-ジ置換 -5,5’-ジハロゲノ-2,2’-ビフェノール誘導体( 下、「光学活性ビフェノール誘導体(1)」と うことがある。)を経由して製造方法に関す るものである。光学活性ビフェノール誘導体 (1)も不斉合成用配位子の合成中間体として有 用である。

 光学活性ビフェノール誘導体(1)は、光学 割処理により得られた光学活性ビフェノー 誘導体(2)にブレンステッド酸を作用するこ で得ることができる。さらに光学活性ビフ ノール誘導体(1)にルイス酸を作用すること 、光学活性ビフェノール誘導体(3)を得るこ ができる。

(光学活性ビフェノール誘導体(1))
 下記第2表に光学活性ビフェノール誘導体(1) の具体例を示す。本発明の光学活性ビフェノ ール誘導体(1)はこれらに限定されるものでは ない。第1表中、c-Prはシクロプロピル基を、c -Penはシクロペンチル基を、c-Hexはシクロヘキ シル基をそれぞれ表す(以下にて同じである)

(ブレンステッド酸及びブレンステッド酸処 )
 本発明で用いるブレンステッド酸としては 塩酸、硫酸等の無機酸;パラトルエンスルホ ン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸 ;トリフルオロ酢酸、パーフルオロプロピオ 酸等のフルオロアルカン酸;トリフルオロメ ンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホ 酸等のフルオロアルカンスルホン酸;高分子 スルホン酸;等が挙げられる。これらのブレ ステッド酸は1種単独で、或いは2種以上を組 み合わせて用いることができる。
 本発明においては、これらの中でも、トリ ルオロメタンスルホン酸、パーフルオロブ ンスルホン酸等のフルオロアルカンスルホ 酸が好ましい。

 光学活性ビフェノール誘導体(2)とブレン テッド酸の使用割合は、〔光学活性ビフェ ール誘導体(2)〕:(ブレンステッド酸)のモル で、通常10:1~1:10、好ましくは10:2~1:4である

 光学活性ビフェノール誘導体(2)とブレン テッド酸との反応は、適当な溶媒中で行う とができる。用いる溶媒としては、ペンタ 、ヘキサン、ヘプタン、アイソパーE、アイ ソパーG等のアルカン系溶媒;ベンゼン、トル ン、オルトキシレン等の芳香族系溶媒;塩化 メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、 クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;及びこ らの溶媒の2種以上からなる混合溶媒;が挙げ られる。

 アルカン系あるいはハロゲン系溶媒を使 する場合には、光学活性ビフェノール誘導 (2)から脱離するアルキル基のアクセプター して、ベンゼン、トルエン、オルトキシレ 等の芳香族系溶媒を適宜混合することが好 しい。

 溶媒の使用量は、特に限定されないが、 光学活性ビフェノール誘導体(2)(重量部)〕: ブレンステッド酸の水溶液(容量部)〕で、 常、1:3~1:100、好ましくは1:5~1:50である。

 処理温度は溶媒の融点から沸点まで適宜 行うことが可能であるが、好ましくは0℃~50 ℃である。

(ルイス酸及びルイス酸処理)
 用いるルイス酸としては、塩化銅、塩化亜 、塩化アルミニウム、4塩化チタン、塩化ジ ルコニウム等が挙げられる。これらのルイス 酸は1種単独で、或いは2種以上を組み合わせ 用いることができる。

 ルイス酸の使用量は、光学活性ビフェノ ル誘導体(1)1モルに対して、0.01~20倍モル、 ましくは0.1~10倍モルである。

 この反応は、不活性溶媒中で行うことが きる。用いる溶媒としては、ペンタン、ヘ サン、ヘプタン、アイソパーE、アイソパー G等のアルカン系溶媒;ベンゼン、トルエン、 ルトキシレン等の芳香族系溶媒;塩化メチレ ン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロ ベンゼン等のハロゲン系溶媒;及びこれらの 媒の2種以上からなる混合溶媒;が挙げられる 。

 アルカン系あるいはハロゲン系溶媒を使 する場合には、光学活性ビフェノール誘導 (1)から脱離するハロゲン原子のアクセプタ として、ベンゼン、トルエン、オルトキシ ン等の芳香族系溶媒を適宜混合することが ましい。

 溶媒の使用量は、特に限定されないが、〔 学活性ビフェノール誘導体(1)(重量部)〕:〔 媒(容量部)〕で表して、通常、1:3~1:100、好 しくは1:4~1:40である。
 処理温度は溶媒の融点から沸点まで適宜に うことが可能であるが、好ましくは0℃~50℃ である。

3)本発明は、また、ビフェノール誘導体(2 )の製造方法に関するものである。

 ビフェノール誘導体(2’)は、前記式(4)(式中 、R 1 、R 2 、及びXは、前記式(2’)中で表す意味と、同 意味を表す。)で示される5-置換-4-ハロゲノ-2 -置換-フェノール誘導体(以下、「フェノール 誘導体(4)」ということがある。)に、銅塩及 有機塩基、又はオキシハロゲン化銅(II)有機 基錯体を作用することで得ることができる

(銅塩及び有機塩基)
 用いる銅塩及び有機塩基は、銅塩としては 塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ第一化銅等 挙げられ、有機塩基しては、テトラメチル チレンジアミン、ジメチルエチレンジアミ 、エチレンジアミン、DABCO、DBU、トリエチ アミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジ チルアミン、ジエチルアミン、ジブチルア ン、ジイソプロピルアミン、ピロリジン、 ンモニア、メチルアミン、エチルアミン、 チルアミン、イソプロピルアミン、ベンジ アミン、t-ブチルアミン、ピリジン、2,6-ル ジン、DMAP、ピリミジン、アニリン、N-メチ アニリン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチル ルホリン、ジフェニルエチレンジアミン、 ェネチルアミン、シクロヘキサンジアミン スパルテイン、シンコニン等が挙げられる 中でも、テトラメチルエチレンジアミン、 ブチルアミン、t-ブチルアミン、フェネチル アミンが好ましい。
これらの銅塩は1種単独で、或いは2種以上を み合わせて用いることができる。また、有 塩基も、1種単独で、或いは2種以上を組み わせて用いることができる。これらの銅塩 よび有機塩基を用いた反応は、酸素存在下 しくは酸化剤存在下で行うことができる。 素存在下とする方法としては、酸素雰囲気 もしくは空気雰囲気下とすることが挙げら る。

 銅塩の使用量は、フェノール誘導体(4)1モル に対して、0.01~20倍モル、好ましくは0.1~10倍 ルである。
 有機塩基の使用量は、銅塩1モルに対して、 0.5~5倍モル、好ましくは1.0~3.0倍モルである。

(オキシハロゲン化銅(II)有機塩基錯体)
 また、上記の銅塩及び有機塩基からあらか め調製したオキシハロゲン化銅(II)有機塩基 錯体も用いることができる。

 オキシハロゲン化銅(II)有機塩基錯体の使 用量は、フェノール誘導体(4)1モルに対して 0.01~20倍モル、好ましくは0.1~10倍モルである

 この反応に用いる溶媒は、反応を阻害し ければ特に制限はないが、ヘキサン、シク へキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水 系、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化 素、クロロベンゼン等塩素系溶媒、アセト トリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶 、アセトン、エチルメチルケトン、ter-ブチ ルメチルケトン等のケトン系溶媒、DMF、N-メ ルピロリジン-2-オン(NMP)、N,N’-ジメチルイ ダゾリジン-2-オン(DMI)等のアミド系溶媒、DM SO等が使用できる。

 また、水と有機溶媒との2溶液二相系で反 応を行うこともできる。2溶液二相系で反応 行う場合には、ヘキサン、シクロへキサン ベンゼン、トルエン等の炭化水素系、塩化 チレン、クロロホルム、クロロベンゼン等 素系溶媒等の非水溶性溶媒を単独あるいは 合して用いることが好ましく、より好まし はヘキサン、シクロへキサン、ベンゼン、 ルエン等の炭化水素系溶媒を単独あるいは 合溶媒として用いることができる。

 溶媒の使用量は、特に限定されないが、〔 ェノール誘導体(4)(重量部)〕:〔溶媒(容量部 )〕で表して、通常、1:3~1:100、好ましくは1:4~1 :40である。
 処理温度は溶媒の融点から沸点まで適宜に うことが可能であるが、好ましくは0℃~50℃ である。

 いずれの反応においても、反応終了後は 有機合成化学における通常の後処理操作、 び、必要により従来公知の分離精製手段を すことによって、目的物を効率よく単離す ことができる。

 目的物の構造は、 1 H-NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペク ルの測定や、元素分析等により、同定・確 することができる。

 以下、実施例及び参考例によって本発明 具体的に説明するが、本発明はこれらに限 されるものではない。

 反応生成物の光学純度は、光学分割用カラ を用いて求めた。
 光学分割用カラムの測定条件を下記に示す

・HPLCカラム:CHIRALCEL OG(0.46cmφ×25cm、ダイセル 化学社製)
・キャリア:n-ヘキサン/エタノール=97/3(1ml/分)
・検出波長:254nm
・カラム温度:30℃
・保持時間:12分

(実施例1)
 ラセミ体の6,6’-ジメチル-5,5’-ジブロモ-3,3 ’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノールの光学分

 ラセミ体の6,6’-ジメチル-5,5’-ジブロモ- 3,3’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノール(2.42g、5. 00mmol)、(R,R)-1,2-ジフェニル-1,2-ジアミン(0.80g 3.75mmol)、トルエン(5ml)、及び、ヘキサン(25ml) を混合し、全容を70℃で1時間攪拌後、5℃に 却して1時間攪拌を続けた。析出した結晶性 績物を吸引ロートでろ過分離し、ロート中 結晶性成績物を0℃の混合溶媒[トルエン:n- キサン=1:5(v/v)]にて洗浄後、減圧乾燥した。

 結晶性成績物は単一のジアステレオマー あった[1.57g:6,6’-ジメチル-5,5’-ジブロモ-3, 3’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノールの一方の ナンチオマーと(R、R)-1,2-ジフェニル-1,2-ジ ミンの1:1混合物換算で収率90.2%]。

1 H-NMR(CDCl 3 )δppm:7.5(s,2H),7.3-7.1(m,10H),4.1(s,2H),2.0(s,6H),1.4(s,18 H)

 上記操作で得た結晶性成績物(1.57g、換算 ル数:2.26mmol)、トルエン(25ml)、及び、2N塩酸( 40ml)を混合し室温で1時間攪拌後、分液した。 有機相を水洗し硫酸マグネシウムで乾燥後減 圧乾固して、光学活性6,6’-ジメチル-5,5’-ジ ブロモ-3,3’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノール 1.06g得た(換算収率88%、光学純度:>99%ee)。

1 H-NMR(CDCl 3 )δppm:7.5(s,2H),4.9(s,2H),2.0(s,6H),1.4(s,18H)

(実施例2)
光学活性6,6’-ジメチル-5,5’-ジブロモ-2,2’- フェノールの合成

 実施例1で得た光学活性6,6’-ジメチル-5,5 -ジブロモ-3,3’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノ ル(1.06g、光学純度:>99%ee、2.2mmol)、トルエ (5ml)、及び、トリフルオロメタンスルホン (750mg、5mmol)を混合し、全容を5℃で1時間攪拌 した。反応混合物に水(10ml)及びクロロホルム (20ml)を加え抽出・分液した。有機相を水洗し 、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減 圧留去した。残ったスラリー状物に、n-ヘキ ン(10ml)を加え室温で攪拌・洗浄してろ過す ことによって、光学活性6,6’-ジメチル-5,5 -ジブロモ-3,3’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノ ルを得た(761mg、収率93%、光学純度:>99%ee)。

1 H-NMR(CDCl 3 )δppm:7.6(d,2H,J=9.00),6.8(d,2H,J=9.00),4.6(s,2H),2.1(s,6H)

(実施例3)
 光学活性6,6’-ジメチル-2,2’-ビフェノール 合成

 実施例2で得た光学活性6,6’-ジメチル-5,5 -ジブロモ-2,2’-ビフェノール(372mg、光学純 :>99%ee、1.0mmol)、トルエン(5ml)、及び、塩 アルミニウム(400mg、3.0mmol)を混合し、全容を 40℃で3時間攪拌した。反応混合物を氷冷した 希塩酸(1N20ml)にあけ、クロロホルム(30ml)を加 抽出・分液した。有機相を水洗し、無水硫 マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し 。残ったスラリー状物にn-ヘキサン(10ml)を え、室温で攪拌・洗浄してろ過することに って、(S)-6,6’-ジメチル-2,2’-ビフェノール 得た(197mg、収率92%、光学純度:99%ee)。

(実施例4)
 ラセミ体の6,6’-ジメチル-5,5’-ジブロモ-3,3 ’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノールの製造

 4-ブロモ-2-t-ブチル-5-メチルフェノール(97 .3g、0.4mol)、オキシ塩化銅(II)テトラメチルエ レンジアミン錯体(4.6g、5mol%)、及び、ドデ ル硫酸ナトリウム(17.3g、15mol%)を水(400ml)に懸 濁させ、酸素雰囲気下90℃で9時間激しく攪拌 した。次いで、オキシ塩化銅(II)テトラメチ エチレンジアミン錯体(2.2g、2.3mol%)を追加し さらに2時間攪拌した。反応混合物を室温に 冷却したのち、アセト酢酸エチル(300ml)及び 塩酸(10ml)を添加し、抽出・分液し、有機相 分取した。水相をアセト酢酸エチル(200ml)で 抽出した。有機相をあわせ、水洗(300ml×2)し た後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮 ・乾固して粗生成物(98g)を得た。粗生成物を 温にてn-ヘキサン(200ml)に分散、1時間攪拌後 、ろ過・乾燥し、表題化合物を得た(37g、収 35%)。

(実施例5)
 ラセミ体の6,6’-ジメチル-5,5’-ジブロモ-3,3 ’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノールの製造

 4-ブロモ-2-t-ブチル-5-メチルフェノール(243mg 、1.0mmol)、塩化銅(9.9mg、10mol%)、及びフェネチ ルアミン(24mg、10mol%)を塩化メチレン(2ml)に溶 させ、空気中20℃で20時間激しく攪拌した。 反応終了後、酢酸エチル、水及び内部標準物 質ガーリックアルデヒド(19.6mg、0.1mmol)を添加 した。抽出・分液して有機相を分取し、無水 硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮・乾固し た粗生成物の 1 H-NMR分析を行い、収率を求めた(収率61%)。

(実施例6)
 ラセミ体の6,6’-ジメチル-5,5’-ジクロロ-3,3 ’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノールの光学分

 ラセミ体の6,6’-ジメチル-5,5’-ジクロロ- 3,3’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノール(273mg、0. 7mmol)、(R,R)-1,2-ジフェニル-1,2-ジアミン(110mg、 0.52mmol)、トルエン(0.7ml)、及び、ヘキサン(3.5m l)を混合し、全容を70℃で0.5時間攪拌後、5℃ 冷却して1時間攪拌を続けた。析出した結晶 性成績物を吸引ロートでろ過分離し、ロート 中の結晶性成績物を0℃の混合溶媒[トルエン: n-ヘキサン=1:5(v/v)]にて洗浄後、減圧乾燥した 。

 結晶性成績物は単一のジアステレオマー あった[180mg:6,6’-ジメチル-5,5’-ジクロロ-3, 3’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノールの一方の ナンチオマーと(R、R)-1,2-ジフェニル-1,2-ジ ミンの1:1混合物換算で収率86%]。

 上記操作で得た結晶性成績物(180mg、換算 ル数:0.29mmol)、トルエン及び、2N塩酸を混合 室温で0.5時間攪拌後、分液した。有機相を 洗し硫酸マグネシウムで乾燥後減圧乾固し 、光学活性6,6’-ジメチル-5,5’-ジクロロ-3,3 ’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノールを110mg得た (換算収率93%)。

1 H-NMR(CDCl 3 )δppm:7.38 (2H, s, ArH), 4.88 (2H, s, OH), 1.96 (6 H, s, CH3), 1.40 (18H, s, tBu)

(実施例7)
光学活性6,6’-ジメチル-5,5’-ジクロロ-2,2’- フェノールの合成

 実施例6で得た光学活性6,6’-ジメチル-5,5 -ジクロロ-3,3’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノ ル(110mg、光学純度:>99%ee、0.28mmol)、トルエ ン(5ml)、及び、トリフルオロメタンスルホン (45mg、0.5mmol)を混合し、全容を5℃で1時間攪 した。反応混合物に水(1ml)及びクロロホル を加え抽出・分液した。有機相を水洗し、 水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧 去した。残ったスラリー状物に、n-ヘキサン (10ml)を加え室温で攪拌・洗浄してろ過するこ とによって、光学活性6,6’-ジメチル-5,5’-ジ クロロ-3,3’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノール 得た(70mg、収率82%、光学純度:>99%ee)。

1 H-NMR(CDCl 3 )δppm:7.37 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 6.88 (2H, d,  J = 8.7 Hz, ArH), 4.63(1H, s, OH), 2.04 (3H, s, CH3); [a] D 24  = - 88.5°(c 1.00, MeOH)

(実施例8)
 ラセミ体の6,6’-ジメチル-5,5’-ジクロロ-3,3 ’-ジ(t-ブチル)-2,2’-ビフェノールの製造

 4-クロロ-2-t-ブチル-5-メチルフェノール(2.7g 13.6mmol)及び、オキシ塩化銅(II)テトラメチル エチレンジアミン錯体(0.16g、5mol%)を塩化メチ レン(10ml)に溶解させ、空気中20℃で19時間激 く攪拌した。反応終了後、アセト酢酸エチ 及び希塩酸を添加し、抽出・分液し、有機 を分取した。水洗後、無水硫酸マグネシウ で乾燥し、濃縮・乾固し粗生成物を得た。 生成物をn-ヘキサンを用いて再結晶し、表題 化合物を得た(1.05g、収率39%)。