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Patent Searching and Data


Title:
ORGANIC ELECTROLUMINESCENT DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119249
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a hole injection material for organic electroluminescent devices (organic EL devices) exhibiting high luminous efficiency at low voltages, while having greatly improved driving stability. Also disclosed is an organic EL device using the hole injection material. Specifically disclosed is a hole injection material which is selected from benzenehexacarboxylic acid anhydrides, benzenehexacarboxylic acid imides, and N-substituted derivatives of benzenehexacarboxylic acid imides. Also specifically disclosed is an organic EL device comprising at least one light-emitting layer and a hole injection layer between an anode and a cathode arranged opposite to each other, wherein the hole injection layer contains the hole injection material for organic EL devices. In the organic EL device, the hole injection layer or a layer adjacent thereto may contain a hole transport material having an ionization potential (IP) of not more than 6.0 eV.

Inventors:
FUKUMATSU TAKAYUKI (JP)
ICHIHASHI IKUMI (JP)
MIYAZAKI HIROSHI (JP)
ODA ATSUSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053716
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
February 27, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON STEEL CHEMICAL CO (JP)
YAMAGATA PROMOTIONAL ORG IND (JP)
FUKUMATSU TAKAYUKI (JP)
ICHIHASHI IKUMI (JP)
MIYAZAKI HIROSHI (JP)
ODA ATSUSHI (JP)
International Classes:
H01L51/50; C07D487/04; C07D493/14; C09K11/06
Domestic Patent References:
WO2007080801A12007-07-19
WO2005109542A12005-11-17
Foreign References:
JP2008198769A2008-08-28
JPH1135687A1999-02-09
JP2004143044A2004-05-20
JPH04320486A1992-11-11
JPS63295695A1988-12-02
Other References:
See also references of EP 2276085A4
Attorney, Agent or Firm:
NARUSE, Katsuo et al. (JP)
Katsuo Naruse (JP)
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Claims:
 下記一般式(1)で表わされるカルボン酸誘導体からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子用正孔注入材料。
  ここで、XはO又はN-Rを示し、RはH又は1価の置換基を示す。
 対向する陽極と陰極の間に、少なくとも1層の発光層と正孔注入層を有する有機エレクトロルミネッセント素子において、下記一般式(1)で表わされるカルボン酸誘導体を含む正孔注入層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子。
  ここで、XはO又はN-Rを示し、RはH又は1価の置換基を示す。
 一般式(1)で表わされるカルボン酸誘導体を含む正孔注入層又は該正孔注入層に隣接する層の少なくとも1層にイオン化ポテンシャルが6.0eV以下である正孔輸送性材料を含有することを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセント素子。
 正孔注入層に隣接する層が正孔輸送層又は発光層である請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセント素子。

 イオン化ポテンシャルが6.0eV以下である正孔輸送性材料がアリールアミン系正孔輸送性材料である請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセント素子。
Description:
有機エレクトロルミネッセント 子

  本発明は、平面光源や表示素子に利用 れる有機エレクトロルミネッセント素子(以 、有機EL素子又は素子と略記することがあ 。)に関する。

  有機EL素子は、ディスプレイや照明への 応用の観点から活発に開発が行われている。 有機EL素子の駆動原理は、以下のようなもの ある。すなわち、陽極及び陰極からそれぞ ホールと電子が注入され、これらが有機薄 中を輸送され、発光層において再結合し励 状態が生じ、この励起状態から発光が得ら る。発光効率を高めるためには、効率良く ール及び電子を注入させ、有機薄膜中を輸 させることが必要である。しかしながら、 機EL素子内のキャリアの移動は、電極と有 薄膜間のエネルギー障壁や、有機薄膜内の ャリア移動度の低さにより制限を受けるた 、発光効率の向上にも限界がある。

  かかる問題を解決する方法として、陽 と正孔輸送層の間に正孔注入層を挿入する とにより、陽極からの正孔注入性を向上さ 、より低い電圧で発光層へ正孔を輸送する 法が考えられている。

  例えば、特許文献1には、正孔注入層と てフタロシアニン系金属錯体を用いること 、素子の低電圧化や駆動安定性の向上が可 であることが開示されているが、フタロシ ニン系金属錯体は可視光領域に吸収を持つ め、発光効率が低下する問題があった。ま 、発色の色度調整もしづらい問題があった

また、特許文献2には、陽極に隣接するn型 機層と、n型有機層上に設けられるp型有機 からなるnp接合層を配置した有機EL素子を開 している。そして、n型有機層のLUMOエネル ー準位と陽極のフェルミエネルギー準位差 2.0eV以下であり、n型有機層のLUMOエネルギー 位とp型有機層のHOMOエネルギー準位差が1.0eV 以下である有機エレクトロルミネッセント素 子が開示されている。ここで、n型有機層は 孔注入層と読み替えることができる。また p型有機層は正孔輸送層又は発光層と読み替 ることができる。

 さらに、特許文献2は、n型有機層に使用 れる電子授与性化合物として、2,3,5,6-テトラ フルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(F4 TCNQ)、フッ素置換の3,4,9,10-ぺリレンテトラカ ボン酸二無水物(PTCDA)、シアノ置換のPTCDA、 フタレンテトラカルボン酸二無水物(NTCDA)、 フッ素置換のNTCDA、シアノ置換のNTCDA、又は キサニトリルヘキサアザトリフェニレン(HAT) を開示している。

特開昭63-295695号公報

WO2005-109542号公報

  本発明は低い電圧であっても発光効率 高く、しかも連続駆動時の経時変化が少な て高品質な有機EL素子を提供することにある 。

  本発明は、下記一般式(1)で表わされるカ ボン酸誘導体からなる有機エレクトロルミ ッセント素子用正孔注入材料に関する。
  ここで、XはO又はN-Rを示し、RはH又は1価の 置換基を示す。  

 また、本発明は、対向する陽極と陰極の に、少なくとも1層の発光層と正孔注入層を 有する有機エレクトロルミネッセント素子に おいて、上記一般式(1)で表わされるカルボン 酸誘導体を含む正孔注入層を有することを特 徴とする有機エレクトロルミネッセント素子 に関する。

  更に、本発明は、上記正孔注入層又は 孔注入層に隣接する層の少なくともいずれ の層にイオン化ポテンシャル(IP)が6.0eV以下 ある正孔輸送性材料を含有することを特徴 する有機エレクトロルミネッセント素子に する。上記正孔注入層に隣接する層は、正 輸送層又は発光層であることがよい。そし 、IPが6.0eV以下である正孔輸送性材料として 、好ましくはアリールアミン系正孔輸送性 料がある。

は、本発明の有機EL素子の一例を示し 模式断面図を示す。 は、タンデム型有機EL素子の一例を示 た模式断面図を示す。 は、正孔注入輸送性の評価用の素子の 式断面図を示す。

  本発明の有機EL素子用正孔注入材料は、 上記一般式(1)で表わされるカルボン酸誘導体 である。

 本発明の有機EL素子は、対向する陽極と 極の間に、少なくとも1層の発光層と正孔注 層を有しており、上記一般式(1)で表わされ カルボン酸誘導体を含有する正孔注入層を する。

 まず、上記一般式(1)で表わされるカルボ 酸誘導体又は有機EL素子用正孔注入材料に いて説明する。

 一般式(1)において、XはO又はN-Rを示す。 こで、Rは窒素原子と結合する水素又は1価の 置換基を示すが、好ましい置換基を次に例示 する。

  炭素数1~20、好ましくは1~6のアルキル基( 例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、 イソプロピル基、ターシャルブチル基、ペン チル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル 基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタ デシル基等)、炭素数3~20、好ましくは5~10のシ クロアルキル基(例えば、シクロペンチル基 シクロヘキシル基等)、炭素数2~20、好ましく は2~6のアルケニル基(例えば、ビニル基、ア ル基等)、炭素数2~20、好ましくは2~6のアルキ ニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル 等)、炭素数6~20、好ましくは6~10のアリール (例えば、フェニル基、ナフチル基等)、炭素 数3~20、好ましくは5~10の芳香族複素環基(例え ば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピ リダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル 基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラ ゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、 フタラジニル基等)、炭素数3~20、好ましくは5 ~10の複素環基(例えば、ピロリジル基、イミ ゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジ 基等)、炭素数1~20、好ましくは1~6のフッ化炭 化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリ ルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基 ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、 トロ基、シリル基(例えば、トリメチルシリ ル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェ ニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等 )等がある。

  これらの置換基は、上記の置換基又は ロゲン等によって更に置換されていてもよ 。例えば、アリール基、芳香族複素環基、 素環基は、更にアルキル基やハロゲン等に って更に置換されていてもよく、置換基が に置換されている場合は炭素数の計算には 換基に置換する置換基の炭素数を含める。 た、これらの置換基は複数が互いに結合し 環を形成していてもよい。

 好ましいXは、O、NHの他、Rが上記の置換 であるNRである。より好ましいXは、O、NHの 、Rが次の置換基であるNRである。このRは、 素数1~6のアルキル基、炭素数5~10のシクロア ルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数5~ 10の芳香族複素環基、炭素数1~6のフッ化炭化 素基又はシアノ基である。そして、シクロ ルキル基、アリール基又は芳香族複素環基 、炭素数1~6のアルキル基又はハロゲンで置 されていてもよい。

  以下に、一般式(1)で表される化合物の 体例を示すが、本発明はこれらに限定され ものではない。

  本発明の有機EL素子の正孔注入層には、 上記一般式(1)で表される化合物から選ばれる 少なくとも1種の化合物を含む材料が含まれ 。この正孔注入層は、一般式(1)の化合物の 又はその混合物から形成されてもよく、他 正孔注入材料と混合されたものであっても い。混合する場合、一般式(1)で表される化 物が0.1wt%以上、有利には1wt%以上となるよう 使用すればよいが、本発明の効果を十分に 揮するためには50wt%以上、より好ましくは80 wt%以上となるように使用することがよい。

 本発明でいう正孔注入層は、発光層に対 陽極側に配置された層であって、正孔注入 料又は正孔注入材料と正孔輸送性材料を主 る有効成分として含み、正孔を注入する機 を有する層をいう。したがって、正孔注入 には正孔注入材料の他に正孔輸送性材料を むこともできる。正孔輸送性材料を含む場 、正孔注入輸送層とも称されることがある 、本明細書では正孔注入層の一形態である 理解される。また、本発明でいう正孔注入 料は、上記正孔注入層に使用される材料を 味する。

 正孔注入層に正孔輸送性材料を含む場合 正孔輸送性材料としてはイオン化ポテンシ ル(IP)が6.0eV以下である正孔輸送性材料であ ことが好ましい。IPが6.0eV以下である正孔輸 送性材料としては、アリールアミン系正孔輸 送性材料が好ましく例示される。

 また、正孔注入層が正孔輸送性材料を含 場合であっても、含まない場合であっても 正孔注入層に隣接する層にIPが6.0eV以下であ る正孔輸送性材料を含むことが好ましい。正 孔注入層が正孔輸送性材料を含まない場合に 、より有効である。この正孔注入層に隣接す る層としては、正孔輸送層又は発光層である ことが好ましい。発光層である場合は、正孔 輸送層は省略される。

 正孔注入層に、正孔輸送性材料を含む場 、正孔注入材料と正孔輸送性材料の割合は く変化することができるが、重量比で1:9~9:1 、好ましくは3:7~7:3の範囲とすることがよい そして、この場合の正孔注入層には、一般 (1)で表される化合物が0.1wt%以上、有利には1w t%以上含むことがよいが、本発明の効果を十 に発揮するためには10wt%以上、より好まし は30wt%以上となるように使用することがよい 。

  以下、本発明を、図面を参照して説明 る。図1~2は本発明の有機EL素子の一例を示す 模式断面図である。

 符号の説明:1 基板、2 陽極、3 正孔注入 層、4 正孔輸送層、5  発光層、6  電子輸 層、7  電子注入層、8  陰極 

 まず、有機EL素子の構成について、説明 る。

  図1に本発明の有機EL素子の基本構成例 示す。基板1の上に陽極2、正孔注入層3、正 輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入 7、陰極8で構成されるが、正孔輸送性材料を 正孔注入層又は発光層の少なくともいずれか の層に含有する場合、正孔輸送層は無くても よい。電子輸送性材料を発光層又は電子注入 層の少なくともいずれかの層に含有する場合 、電子輸送層は無くてもよい。また、必要に より他の層を設けてもよい。他の層とは、例 えば電子阻止層や正孔阻止層が挙げられるが 、これらに限定されるものではない。

 そして、本発明の有機EL素子は、正孔注 層と一層以上の発光層を必須の層として有 る。発光層は1層であっても、複数の発光層 積層した多層構造の発光層あってもよい。

 図2に本発明の有機EL素子の別の態様を示 。図2は、図1の基本素子構成をタンデム型 積層した素子構成の1例を示す。基板1の上に 陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5 電子輸送層6、電子注入層7、陰極8が積層さ るが、この内、正孔注入層3~電子注入層7が 層されたユニットが両極間に複数積層され 。このユニットの積層数は必要に応じてそ 層数を変化させることができる。また、隣 する電子注入層と正孔注入層の間に金属薄 を挟持させてもよい。各層の詳細について 、図1の基本構成と同様である。

  本発明の有機EL素子の好ましい構成例を以 下に示すが、これに限定されない。
A.単層構成例
1)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸 送層/電子注入層/陰極
2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/発光層 /電子輸送層/電子注入層/陰極
3)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注 入層/陰極
B.多層構成例
1)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸 送層/電子注入層/正孔注入層/正孔輸送層/発 層/電子輸送層/電子注入層/陰極
2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸 送層/電子注入層/金属薄膜/正孔注入層/正孔 送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
3)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/発光層 /電子輸送層/電子注入層/金属薄膜/正孔注入 /正孔輸送層/発光層/発光層/電子輸送層/電子 注入層/陰極

  上記のように、本発明の素子構成は、 1で示される基本素子構成が単層の単層構造 も、これが多層化された多層構造であって よい。多層構造の場合、正孔注入層は複数 在するが、その少なくとも1つ、好ましくは 全部の正孔注入層が一般式(1)の化合物を含む 正孔注入層とする。このような正孔注入層を 設けることにより、単層構造であっても多層 構造であっても、素子の性能を向上させる。 多層構造に適用するとその効果が大きい。

 以下、各層について詳細に説明する。

(1)基板
  基板1は有機電界発光素子の支持体となる のであり、石英やガラスの板、金属板や金 箔、プラスチックフィルムやシートなどが いられる。特にガラス板や、ポリエステル ポリメタクリレート、ポリカーボネート、 リスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好 しい。合成樹脂基板を使用する場合にはガ バリア性に留意する必要がある。基板のガ バリア性が小さすぎると、基板を通過した 気により有機電界発光素子が劣化すること あるので好ましくない。このため、合成樹 基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸 膜等を設けてガスバリア性を確保する方法 好ましい方法の一つである。

(2)陽極
  基板1上には陽極2が設けられる。この陽極 は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル 、パラジウム、白金等の金属、インジウム及 び/又はスズの酸化物、亜鉛及び/又はスズの 化物、タングステン及び/又はスズの酸化物 などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン 化金属、カーボンブラック、あるいは、ポリ (3-メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリ ニリン等の導電性高分子などにより構成さ る。陽極の形成は通常、スパッタリング法 真空蒸着法などにより行われることが多い また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅など 微粒子、カーボンブラック、導電性の金属 化物微粒子、導電性高分子微粉末などの場 には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し 基板上に塗布することにより陽極を形成す こともできる。更に、導電性高分子の場合 電解重合により直接基板上に薄膜を形成し り、基板上に導電性高分子を塗布して陽極 形成することもできる。陽極は異なる物質 積層して形成することも可能である。陽極2 厚みは、必要とする透明性により異なる。 明性が必要とされる場合は、可視光の透過 を、通常、60%以上、好ましくは80%以上とす ことがよい。陽極2の膜厚については、通常 、1~1000nm、好ましくは10~500nmである。なお不 明でよい場合、陽極は基板と同一でもよい また、更には上記の陽極の上に異なる導電 料を積層することも可能である。

(3)正孔注入層
 陽極2の上に正孔注入層3が設けられる。正 注入層には、上記一般式(1)で表される化合 から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む 料が使用される。この正孔注入層は、一般 (1)の化合物のみ又はその混合物から形成さ てもよく、他の正孔注入材料と混合された のであってもよい。また、上記したように 正孔注入層3は正孔輸送材料を含むことも可 能である。一般式(1)で表される化合物の配合 量は前記のとおりであるが、この化合物をn 材料と共に使用する場合で、ドーパントと て使用する場合は、0.1wt%以上であっても一 の効果を奏するが、他の正孔注入材料と混 使用する場合は、本発明の効果を十分に発 するためには50wt%以上が好ましい。

 他の正孔注入材料としては、銅フタロシ ニン等のフタロシアニン化合物、ポリアニ ン、ポリチオフェン等の有機化合物や、バ ジウム酸化物、ルテニウム酸化物、モリブ ン酸化物等の金属酸化物が挙げられる。

 正孔注入層は、上記正孔注入材料を、例 ば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト 、インクジェット法を含む印刷法、LB法等 公知の方法により、薄膜化することにより 成することができる。

 正孔注入層の膜厚については、一般式(1) 化合物のみから形成される場合、30nm以下、 好ましくは20nm以下である。更に好ましくは5~ 15nmである。これ以上の厚さになると、正孔 入特性の低下による、有機EL素子の高電圧化 や低効率化、ひいては駆動安定性の低下を引 き起こす。また、正孔注入層が、一般式(1)の 化合物と他の正孔注入材料の混合層から形成 される場合、通常、1~300nm、好ましくは5~100nm ある。

 また、正孔注入層に、正孔輸送性材料を 有させることもできるが、この場合も、膜 としては通常、1~300nm、好ましくは5~100nmで る。正孔注入層に正孔輸送性材料を含有さ る場合は、正孔注入層に隣接する正孔輸送 を設けなくても良い。

(4)正孔輸送層
 正孔注入層3の上に正孔輸送層4が設けられ 。正孔輸送層は、陽極から発光層へ効率良 正孔を輸送する役割を担う。正孔輸送層に 有される正孔輸送性材料は正孔輸送性を有 る化合物であれば特に限定されるものでは いが、IPが6.0eV以下である化合物が好ましく より好ましくは5.8eV以下である。これより きくなると、正孔注入層から正孔輸送層へ 正孔移動がスムーズに行えず、有機EL素子の 高電圧化や低効率化、ひいては駆動安定性の 低下を引き起こす。

 正孔輸送性材料としては、トリアゾール 導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾ ル誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、 ラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フ ニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘 体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾ ル誘導体、スチリルアントラセン誘導体、 ルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ス ルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン 共重合体、また、導電性高分子オリゴマー 特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる

  具体的には、以下に示すアリールアミ 系正孔輸送性材料を用いることが好ましい

  アリールアミン系正孔輸送性材料の代 例としては、N,N,N’,N’-テトラフェニル-4,4 -ジアミノフェニル;N,N’-ジフェニル-N,N’-ビ ス(3-メチルフェニル)-〔1,1’-ビフェニル〕-4, 4’-ジアミン(TPD);2,2-ビス(4-ジ-p-トリルアミノ フェニル)プロパン;1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミ ノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N’,N’-テト -p-トリル-4,4’-ジアミノビフェニル;1,1-ビス( 4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-4-フェニルシク ロヘキサン;ビス(4-ジメチルアミノ-2-メチル ェニル)フェニルメタン;ビス(4-ジ-p-トリルア ミノフェニル)フェニルメタン;N,N’-ジフェニ ル-N,N’-ジ(4-メトキシフェニル)-4,4’-ジアミ ビフェニル;N,N,N’,N’-テトラフェニル-4,4’ -ジアミノジフェニルエーテル;4,4’-ビス(ジ ェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N-トリ (p-トリル)アミン;4-(ジ-p-トリルアミノ)-4’-〔 4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4 -N,N-ジフェニルアミノ-(2-ジフェニルビニル) ンゼン;3-メトキシ-4’-N,N-ジフェニルアミノ チルベンゼン;N-フェニルカルバゾール、更 は、2個の縮合芳香族環を分子内に有する4,4 ’-ビス〔N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ〕 フェニル(α-NPD)等、トリフェニルアミンユニ ットが3つスターバースト型に連結された4,4 ,4''-トリス〔N-(3-メチルフェニル)-N-フェニル アミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げ れる。

  正孔輸送層の膜厚については、通常、1~ 300nm、好ましくは5~100nmであり、正孔注入層と 同様の方法にて正孔注入層上に薄膜形成され る。この正孔輸送層は、上記材料の1種又は2 以上からなる一層構造であってもよい。

 (5)発光層
  正孔輸送層4の上には発光層5が設けられる 。発光層は正孔及び電子を再結合させ、発光 する機能を有する。

  発光層は、単一の発光層から形成され いてもよいし、複数の発光層を隣接して積 して構成されていてもよい。なお発光層は ホスト材料と蛍光性発光材料又は燐光性発 材料から構成され、従来これらの層の形成 用いられた任意の材料を用いることができ 。また、発光層に正孔輸送性材料を含有す 場合は、正孔注入層と発光層の間に正孔輸 層を設けなくても良い。

 ホスト材料としては、以前から発光体と て知られていたアントラセンやピレンなど 縮合環誘導体、トリス(8-キノリノラト)アル ミニウムを始めとする金属キレート化オキシ ノイド化合物、ビススチリルアントラセン誘 導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビス スチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン 誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール 誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘 導体、シクロペンタジエン誘導体、オキサジ アゾール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導 体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレ ン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、そし て、ポリチオフェン誘導体などが使用できる 。

 ホスト材料に添加する蛍光性発光材料と ては、ペリレン、ルブレンなどの縮合環誘 体、キナクリドン誘導体、フェノキサゾン6 60、DCM1、ペリノン、クマリン誘導体、ピロメ テン(ジアザインダセン)誘導体、シアニン色 などが使用できる。

 ホスト材料に添加する燐光性発光材料と ては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム 銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、 金及び金などから選ばれる少なくとも一つ 金属を含む有機金属錯体を含有するものが い。

  好ましい燐光発光ドーパントとしては Ir等の貴金属元素を中心金属として有するIr( ppy)3等の錯体類、Ir(bt)2・acac3等の錯体類、PtOE t3等の錯体類が挙げられる。

  発光層の膜厚については、通常、1~300nm 好ましくは5~100nmであり、正孔輸送層上に正 孔注入層と同様の方法にて薄膜形成される。 複数の発光層材料を順次積層して多層構造の 発光層とすることも好ましいが、この場合の 発光層の厚みも上記の範囲とすることがよい 。

(6)電子輸送層
  発光層5の上には電子輸送層6が設けられる が、発光層中に電子輸送性材料を含有する場 合は、設けなくても良い。電子輸送層は、電 界を与えられた電極間において陰極から注入 された電子を効率よく発光層の方向に輸送す ることができる化合物より形成される。電子 輸送層に用いられる電子輸送性化合物として は、陰極からの電子輸送効率が高く、かつ、 高い電子移動度を有し注入された電子を効率 よく輸送することができる化合物であること が必要である。

  このような条件を満たす電子輸送材料 しては、Alq3などの金属錯体、10-ヒドロキシ ンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾ ル誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、 ロール誘導体、3-又は5-ヒドロキシフラボン 金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベ ンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミ ダゾリルベンゼンキノキサリン化合物、フェ ナントロリン誘導体、2-t-ブチル-9,10-N,N'-ジシ アノアントラキノンジイミン、n型水素化非 質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化 亜鉛などが挙げられる。

  電子輸送層の膜厚については、通常、1~ 300nm、好ましくは5~100nmであり、正孔注入層と 同様の方法にて発光層上に薄膜形成される。 この電子輸送層は、上記材料の1種又は2種以 からなる一層構造であってもよい。

(7)電子注入層
  更に、電子輸送層6の上には電子注入層7を 設けることも素子の効率を向上させる有効な 方法である。電子注入層は、発光層に電子を 注入する役割を果たす。
 電子注入材料の具体例としては、LiF、MgF 2 、Li 2 O等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩 アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属塩 Liq等のアルカリ金属錯体及びLi、Cs、Ca等の ルカリ金属、アルカリ土類金属等があげら る。

  電子注入層の膜厚については、通常、0. 1~300nm、好ましくは0.5~50nmであり、正孔注入層 と同様の方法にて発光層又は電子輸送層上に 薄膜形成される。

 電子注入層は、上記材料単体のみで形成 てもよいし、電子注入材料と電子輸送層材 を任意の割合で混合した層を形成してもよ 。この場合、電子注入層又は電子輸送のい れかを省略してもよい。

(8)陰極
  陰極8は、電子注入層に電子を注入する役 を果たす。陰極として用いられる材料は、 記陽極に使用される材料を用いることが可 であるが、効率よく電子注入を行なうには 仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マ ネシウム、インジウム、カルシウム、アル ニウム、リチウム、銀等の適当な金属又は れらの合金が用いられる。具体例としては マグネシウム-銀合金、マグネシウム-イン ウム合金、アルミニウム-リチウム合金等の 仕事関数合金電極が挙げられる。

  また、低仕事関数金属からなる陰極を 護する目的で、この上に更に、仕事関数が く大気に対して安定な金属層を積層するこ は素子の安定性を増す。この目的のために アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム 金、白金等の金属が使われる。

  陰極の膜厚については、通常、1~1000nm、 好ましくは10~500nmであり、正孔注入層と同様 方法にて電子注入層又は発光ユニット上に 膜形成される。この陰極は、上記材料の1種 又は2種以上からなる一層構造であってもよ 。

  また、陰極に上記金属を1nm~20nmの膜厚で 作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透 明材料をその上に作製することで、透明又は 半透明の陰極を作製することができ、これを 応用することで陽極と陰極の両方が透過性を 有する素子を作製することも可能である。

 図2に示す多層構造の有機EL素子の場合に いても、各層は上記の説明のようにして形 することができる。例えば、陽極2状に正孔 注入層3~電子注入層7を順次設けて第1のユニ ト(I)とする。次に、ユニット(I)の最上部の である電子注入層7の上に、正孔注入層3~電 注入層7を順次設けて第2のユニット(II)とす 。更に、同様にして第Nのユニット(N)までを 様に設けることができる。ユニット(N)の電 注入層7の上には陰極8を設ける。なお、上 ユニットは発光層を中心とするので発光ユ ットともいう。また、図2中、図1と同じ記号 は同じものをさす。

  なお、図1とは逆の構造、すなわち、基 1上に陰極8、電子注入層7、電子輸送層6、発 光層5、正孔輸送層4、正孔注入層3、陽極2の に積層することも可能であり、既述したよ に少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板 間に本発明の有機EL素子を設けることも可 である。この場合も、必要により層を追加 たり、省略したりすることが可能である。 2に示す多層構造の場合も同様である。

 また、本発明では、有機EL素子が、単一 素子、アレイ状に配置された構造からなる 子、陽極と陰極がX-Yマトリックス状に配置 れた構造のいずれにおいても適用すること できる。本発明の有機EL素子によれば、正孔 注入層に一般式(1)の化合物を用いることで、 従来より低い電圧で発光効率が高くかつ駆動 安定性においても大きく改善された素子が得 られ、フルカラーあるいはマルチカラーのパ ネルへの応用において優れた性能を発揮でき る。そして、正孔輸送層にトリアリールアミ ン系化合物を用いると、その効果がより増大 する。

  以下、実施例により本発明を説明する 、本発明はこれらに限定されない。

 正孔注入輸送性評価試験は、図3に示す評 価用素子を用いて行った。この評価用素子は ガラス基板1上に、陽極2、正孔注入層3、正孔 輸送層4、陰極8を有する。

実施例1
 図3において、膜厚150nmのITOからなる陽極電 が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真 蒸着法にて、真空度1.0×10 -5  Paで積層させた。まず、まず、ITO上に正孔 入層を形成する材料として例示化合物1を10nm の厚さに形成した。次に、正孔輸送層として NPB(4,4'-ビス(N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ) フェニル)を110nmの厚さに形成した。最後に 正孔輸送層上に陰極電極としてアルミニウ (Al)を100nmの厚さに形成し、正孔注入輸送性 価用素子を作成した。

実施例2
 正孔注入層を形成する材料として例示化合 14を用いた以外は、実施例1と同様にして評 用素子を作成した。

比較例1
 正孔注入層を形成する材料としてCuPc(銅-フ ロシアニン)を用いた以外は、実施例1と同 にして評価用素子を作成した。

比較例2
 正孔注入層を形成する材料としてNTCDA(1,4,5,8 -ナフタレンテトラカルボン酸二無水物)を用 た以外は、実施例1と同様にして評価用素子 を作成した。

 得られた正孔注入輸送性評価用素子に外部 源を接続し直流電圧を印加したところ、表1 に示すような電流-電圧特性を有することが 認された。表1の電流密度は、5Vにおける流 た電流密度値(A/m 2 )を示す。表1に示すように、本発明の正孔注 材料は同じ電圧であっても、より良好な正 注入性を示すことがわかる。なお、NPBのIP 5.4eVである。

実施例3
 正孔注入層の膜厚を20nmにし、正孔輸送層の 膜厚を100nmにした以外は、実施例1と同様にし て評価用素子を作成した。

比較例3
 正孔注入層を形成する材料としてNTCDAを用 た以外は、実施例3と同様にして評価用素子 作成した。

 得られた正孔注入輸送性評価用素子に外 電源を接続し直流電圧を印加したところ、 2に示すような電流-電圧特性を有すること 確認された。

実施例4 
 図1において、膜厚110nmのITOからなる陽極電 が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真 蒸着法にて、真空度1.0×10 -5  Paで積層させた。まず、ITO上に正孔注入層 して例示化合物1を10nmの厚さに形成した。次 に、正孔輸送層としてNPBを25nmの厚さに形成 た。次に、正孔輸送層層上に、発光層とし DNA(9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン)とTBP(2,5,8 ,11-テトラターシャリーブチルペリレン)とを なる蒸着源から、TBPが1.0重量%になるよう共 蒸着し、30nmの厚さに形成した。次に、電子 送層としてAlq3(トリス(8-キノリノラト)アル ニウム錯体)を30nmの厚さに形成した。更に、 電子輸送層上に、電子注入層としてAlq3とLiq(( 8-キノリノラト)リチウム錯体)とを異なる蒸 源から、Liqが25重量%になるよう共蒸着し、10 nmの厚さに形成した。最後に、電子注入層上 陰極電極としてアルミニウム(Al)を100nmの厚 に形成し、1ユニットの有機EL素子を作成し 。

実施例5
  正孔注入層を例示化合物1とNPBの混合層(重 量比50:50)10nmにした以外は実施例4と同様にし 有機EL素子を作成した。

比較例4 
  正孔注入層をNTCDAの層にした以外は実施例 4と同様にして有機EL素子を作成した。

  得られた有機EL素子に外部電源を接続し直 流電圧を印加したところ、表3に示すような 光特性を有することが確認された。表3~6に いて、輝度、電圧及び発光効率は、100A/m 2 、半減寿命は250A/m 2 での値を示す。

実施例6 
 図1において、膜厚110nmのITOからなる陽極電 が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真 蒸着法にて、真空度1.0×10 -5  Paで積層させた。まず、ITO上に正孔注入層 して例示化合物1を10nmの厚さに形成した。次 に、正孔輸送層としてNPBを10nmの厚さに形成 た。次に、正孔輸送層層上に、1つめの発光 としてNPBとルブレン(5,6,11,12-テトラフェニ テトラセン)とを異なる蒸着源から、ルブレ が1.0重量%になるよう共蒸着し、20nmの厚さ 形成した。次に、2つめの発光層としてDNA(9,1 0-ジ(2-ナフチル)アントラセン)とTBP(2,5,8,11-テ ラターシャリーブチルペリレン)とを異なる 蒸着源から、TBPが1.0重量%になるよう共蒸着 、30nmの厚さに形成した。次に、電子輸送層 してAlq3(トリス(8-キノリノラト)アルミニウ 錯体)を30nmの厚さに形成した。更に、電子 送層上に、電子注入層としてAlq3とLiq((8-キノ リノラト)リチウム錯体)とを異なる蒸着源か 、Liqが25重量%になるよう共蒸着し、10nmの厚 さに形成した。最後に、電子注入層上に陰極 電極としてアルミニウム(Al)を100nmの厚さに形 成し、1ユニットの有機EL素子を作成した。

実施例7 
 正孔輸送層を省き、1つめの発光層膜厚を30n mにした以外は、実施例6と同様にして有機EL 子を作成した。

比較例5
 正孔注入層材料として、NTCDAを用いた以外 、実施例6と同様にして有機EL素子を作成し 。

  得られた有機EL素子に外部電源を接続し 直流電圧を印加したところ、表4に示すよう 発光特性を有することが確認された。

実施例8
  図2において、膜厚110 nmのITOからなる陽極 電極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を 真空蒸着法にて、真空度1.0×10 -5  Paで積層させた。まず、ITO上に正孔注入層 して例示化合物1を10nmの厚さに形成した。次 に、正孔輸送層としてNPBを25nmの厚さに形成 た。次に、正孔輸送層上に、1つめの発光層 してNPBとルブレンとを異なる蒸着源から、 ブレンが1.0重量%になるよう共蒸着し、20nm 厚さに形成した。次に、2つめの発光層とし DNAとTBPとを異なる蒸着源から、TBPが1.0重量% になるよう共蒸着し、30nmの厚さに形成した 次に、電子輸送層としてAlq3を30nmの厚さに形 成した。更に、電子輸送層上に、Alq3とLiqと 異なる蒸着源から、Liqが25重量%になるよう 蒸着し、10nmの厚さに形成した後、続いてAl 0.05nm/sにて2nm蒸着し、電子注入層を形成した 。次に、再び正孔注入層である例示化合物1 上記と同レートにて50nmの厚さに形成した。 いて正孔輸送層から電子注入層までを上記 同じように成膜した。最後に、電子注入層 に陰極電極としてアルミニウム(Al)を100nmの さに形成し、2ユニットの有機EL素子を作成 た。

比較例6 
 正孔注入層材料として、NTCDAを用いた以外 、実施例8と同様にして2ユニットの有機EL素 を作成した。

  得られた有機EL素子に外部電源を接続し 直流電圧を印加したところ、表5に示すよう 発光特性を有することが確認された。

産業上の利用の可能性

  本発明の有機EL素子によれば、従来の技 術に比べて、低い電圧であっても発光効率が 高く、かつ駆動安定性においても大きく改善 された素子が得られる。更には、高温保存時 の劣化の少ない素子を得ることができる。こ の結果、フルカラーあるいはマルチカラーの パネルへの応用において優れた性能を発揮で きる。従って、本発明による有機電界発光素 子はフラットパネル・ディスプレイ(例えばOA コンピュータ用や壁掛けテレビ)、車載表示 子、携帯電話表示や面発光体としての特徴 生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶 ィスプレイや計器類のバックライト光源)、 表示板、標識灯への応用が考えられ、その技 術的価値は大きい。




 
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