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Title:
ORGANIC PIEZOELECTRIC FILM, METHOD OF FORMING THE SAME, AND, FABRICATED USING THE FILM, ULTRASONIC OSCILLATOR, ULTRASONIC PROBE AND ULTRASONIC MEDICAL IMAGING DIAGNOSTIC APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025145
Kind Code:
A1
Abstract:
An organic piezoelectric film that is formed from, as raw materials, at least one type of diamine compound and at least one type of compound having two or more carbonyl or thiocarbonyl groups, and that excels in piezoelectricity and is easily formed (produced) at low cost; and a method of forming the organic piezoelectric film. The organic piezoelectric film is one formed by thermal polymerization and polarization treatment of, as raw materials, at least one type of diamine compound and at least one type of compound having two or more carbonyl or thiocarbonyl groups. The organic piezoelectric film is characterized in that it is formed by applying an equivalent mixing solution of the raw materials on a substrate and causing the thermal polymerization and polarization treatment thereof to simultaneously progress.

Inventors:
NISHIKUBO YUICHI (JP)
MORITA KIYOKAZU (JP)
FUKUSAKA KIYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063266
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
July 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA MED & GRAPHIC (JP)
NISHIKUBO YUICHI (JP)
MORITA KIYOKAZU (JP)
FUKUSAKA KIYOSHI (JP)
International Classes:
H01L41/08; H01L41/193; H01L41/45; C08G71/02; C08G73/10
Foreign References:
JP2001294642A2001-10-23
JPH0836917A1996-02-06
JP2003282983A2003-10-03
JP2003282982A2003-10-03
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Claims:
少なくとも一種のジアミン化合物とカルボニル基又はチオカルボニル基を2つ以上有する少なくとも一種の化合物を原料として用いて熱重合と分極処理により形成された有機圧電体膜であって、当該原料の当量混合溶液を基板上に塗布し、熱重合と分極処理を同時進行させながら形成されたことを特徴とする有機圧電体膜。
前記カルボニル基を2つ以上有する少なくとも一種の化合物が、ジカルボン酸ジハロゲン化物、テトラカルボン酸二無水物、カルボン酸ハロゲン化物の無水物、又はジイソシアナート化合物であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の有機圧電体膜。
前記チオカルボニル基を2つ以上有する少なくとも一種の化合物が、ジイソチオシアナート化合物であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の有機圧電体膜。
請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一項に記載の有機圧電体膜であって、それを構成する化合物が、芳香族縮環構造を有することを特徴とする有機圧電体膜。
請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか一項に記載の有機圧電体膜の形成方法であって、熱重合における温度が-50~250℃であることを特徴とする有機圧電体膜の形成方法。
請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか一項に記載の有機圧電体膜の形成方法であって、分極処理における分極処理方法がコロナ放電によるものであり、印加電圧が0.5~2.0MV/mであることを特徴とする請求の範囲第5項に記載の有機圧電体膜の形成方法。
請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか一項に記載の有機圧電体膜を用いたことを特徴とする超音波振動子。
超音波送信用振動子と超音波受信用振動子を具備する超音波探触子であって、請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか一項に記載の有機圧電体膜を用いた超音波振動子を超音波受信用振動子として具備したことを特徴とする超音波探触子。
電気信号を発生する手段と、前記電気信号を受けて超音波を被検体に向けて送信し、前記被検体から受けた反射波に応じた受信信号を生成する複数の振動子が配置された超音波探触子と、前記超音波探触子が生成した前記受信信号に応じて、前記被検体の画像を生成する画像処理手段とを有する超音波医用画像診断装置において、前記超音波探触子が、請求の範囲第8項に記載の超音波探触子であることを特徴とする超音波医用画像診断装置。
Description:
有機圧電体膜、その形成方法、 れを用いた超音波振動子、超音波探触子、 び超音波医用画像診断装置

 本発明は、有機圧電体膜、その形成方法 それを用いた超音波振動子、超音波探触子 び超音波医用画像診断装置に関する。

 詳しくは、例えば、マイクロホン、スピ カー用の振動板等の音響機器、各種熱セン ー、圧力センサー、超音波探蝕子、遺伝子 タンパク等の変異を高感度に検出する振動 ンサー等、機械刺激を電気エネルギーに変 するために用いることができる高い圧電性 持つ有機圧電体膜とその形成方法等に関す 。

 従来、圧電体としては、水晶、LiNbO 3 、LiTaO 3 、KNbO 3 などの単結晶、ZnO、AlNなどの薄膜、Pb(Zr,Ti)O 3 系などの焼結体を分極処理した、いわゆる無 機材質の圧電セラミックスが広く利用されて いる。

 これに対して、ポリフッ化ビニリデン(PVDF) どの有機系高分子物質を利用した有機圧電 (「圧電高分子材料」、「ポリマー圧電物質 」ともいう。)も開発されている(例えば特許 献1参照)。この有機圧電体は、セラミック 圧電体と比較して、可撓性が大きく、薄膜 、大面積化、長尺化が容易で任意の形状、 態のものを作ることができる、誘電率εが小 さく、静水圧電圧出力係数(g h 定数)は極めて大となるので感度特性に優れ 、さらに低密度、低弾性であるため、効率 よいエネルギー伝播が可能である、等の特 を有する。有機圧電体は、上記の特性のた 、特にスピーカー、マイクロホン、超音波 触子、ハイドロフォン、震動計、ひずみ計 への適用が期待されている。

 有機圧電体(圧電性樹脂)膜を形成する方 としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタン イソシアナート(MDI)のようなジイソシアナ ト化合物と、4,4’-ジアミノジフェニルメタ (MDA)のようなジアミン化合物を同時に蒸発 せてポリ尿素膜を形成する、いわゆる蒸着 合法が知られている(例えば特許文献2~4参照) 。

 特許文献2に開示されている方法の場合、 ジイソシアナート化合物と、ジアミン化合物 の2種類のモノマーを同時に蒸発させてポリ 素を形成するようにしているため、各モノ ーの蒸発温度が異なることにより形成され ポリ尿素膜内のモノマーの組成比が、化学 論組成比とは異なったものになってしまう いう問題があり、各モノマーを別々に設定 、温度をコントロールしながら蒸着する必 があった。またジイソシアナート化合物と ジアミン化合物の組み合わせによっては、 応性が思わしくないときがあり、蒸着する 板の温度を適切に調整しないと重合が進行 ず、所望の有機圧電体膜は得られない。更 蒸着重合では、厚い膜を形成するには時間 かかること、大きな真空設備が必要であり 基板温度調整用の装置が必要となること、 大な設備投資および製造時間が必要となる とが大きな問題となる。

 一方で、蒸着重合法では、蒸着により生 する化合物は5量体程度の尿素のオリゴマー であり、そのオリゴマーに対し分極処理を施 すので、分子の運動性の面から配向がかかり 難く、結果的に膜中に存在する全ての尿素結 合を配向させるのは困難であり、思わしい有 機圧電体膜が得られないことが考えられる。

 また特許文献3に開示されている方法の場 合、蒸着重合と分極処理を別々に行うのでは なく、同時に行うことで、蒸着分子を配向さ せながら重合を行うことができるため、形成 される高分子膜は双極子が配向しており、良 好な有機圧電体膜が得られる。しかしながら 、分極処理と蒸着重合を同時に行うためには 、成膜する基板近くに分極処理に必要な基材 を設置するため、装置内が複雑になり操作性 が低下する。また蒸着装置内は、モノマーの 付着物などで汚染され、頻繁に清掃する必要 があるが、その際にも煩雑になることは避け られない。

 上記のような問題を解決するために、特 文献4に開示されているような、蒸着重合で はなく熱重合により有機圧電体膜を得る方法 が見出された。この方法では、大きな双極子 を有する架橋剤を含有するポリマーを基板に 塗布し、分極処理を行いながら熱重合を行う ため、蒸着重合のような大きな設備投資は必 要ではなく、容易に有機圧電体膜を作製する ことができる。

 しかしながら、上記方法では、有機圧電 膜に含まれる架橋剤中の大きな双極子をも 構造の架橋剤のみが配向し圧電性を誘発す ので、有機圧電体膜全体としての圧電性は い。また通常の架橋剤ではなく、大きな双 子を有する架橋剤を準備する必要があり、 大な費用が必要となる。

 ところで、超音波は、通常、16000Hz以上の 音波を総称して言われ、非破壊および無害で その内部を調べることが可能なことから、欠 陥の検査や疾患の診断などの様々な分野に応 用されている。その一つに、被検体内を超音 波で走査し、被検体内からの超音波の反射波 (エコー)から生成した受信信号に基づいて当 被検体内の内部状態を画像化する超音波診 装置がある。この超音波診断装置では、被 体に対して超音波を送受信する超音波探触 が用いられている。この超音波探触子とし は、送信信号に基づいて機械振動して超音 を発生し、被検体内部で音響インピーダン の違いによって生じる超音波の反射波を受 て受信信号を生成する振動子を備えて構成 れる超音波送受信素子が用いられる。

 そして、近年では、超音波探触子から被 体内へ送信された超音波の周波数(基本周波 数)成分ではなく、その高調波周波数成分に って被検体内の内部状態の画像を形成する ーモニックイメージング(Harmonic Imaging)技術 研究、開発されている。このハーモニック メージング技術は、(1)基本周波数成分のレ ルに比較してサイドローブレベルが小さく S/N比(signal to noise ratio)が良くなってコン ラスト分解能が向上すること、(2)周波数が くなることによってビーム幅が細くなって 方向分解能が向上すること、(3)近距離では 圧が小さくて音圧の変動が少ないために多 反射が抑制されること、および(4)焦点以遠 減衰が基本波並みであり高周波を基本波と る場合に較べて深速度を大きく取れること どの様々な利点を有している。このハーモ ックイメージング用の超音波探触子は、基 波の周波数から高調波の周波数までの広い 波数帯域が必要とされ、その低周波側の周 数領域が基本波を送信するための送信用に 用される。一方、その高周波側の周波数領 が高調波を受信するための受信用に利用さ る(例えば特許文献5参照)。

 この特許文献5に開示されている超音波探 触子は、被検体にあてがわれて当該被検体内 に超音波を送信し当該被検体内で反射して戻 ってきた超音波を受信する超音波探触子であ る。この超音波探触子は、所定の第1の音響 ンピーダンスを有する配列された複数の第1 圧電素子からなる、所定の中心周波数の超 波からなる基本波の、被検体内に向けた送 、および当該被検体内で反射して戻ってき 超音波のうちの基本波の受信を担う第1圧電 層を備えている。また、前記第1の音響イン ーダンスよりも小さい所定の第2の音響イン ーダンスを有する配列された複数の第2の圧 電素子からなる、前記被検体内で反射して戻 ってきた超音波のうちの高調波の受信を担う 第2圧電層を備えている。なお、当該第2圧電 は、前記第1圧電層の、この超音波探触子が 被検体にあてがわれる側の全面に重ねられて いる。したがって、当該超音波探触子は、こ のような構成によって広い周波数帯域で超音 波を送受信することができる。

 ハーモニックイメージングにおける基本波 、出来る限り狭い帯域巾を有する音波がよ 。それを担う圧電体には、無機圧電体が広 利用されている。一方で高周波側の受信波 検知する圧電素子には、より広い帯域巾の 度が必要でこれらの無機材料は適さない。 周波、広帯域に適した圧電素子としては、 機系高分子物質を利用した有機圧電体が知 れているが、しかしながら感度としては十 で無く、高周波を高感度に受信することは きなかった。

特開平6-216422号公報

特開平7-258370号公報

特開平5-311399号公報

特開2006-49418号公報

特開平11-276478号公報

 本発明は、上記問題・状況に鑑みてなさ たものであり、その解決課題は、少なくと 一種のジアミン化合物とカルボニル基又は オカルボニル基を2つ以上有する少なくとも 一種の化合物を原料として用いて形成される 有機圧電体膜であって、圧電性に優れ、かつ 低コストで容易に形成(製造)できる有機圧電 膜を提供すること及びその形成方法を提供 ることである。

 更に、高周波を高感度に受信することが 能でハーモニックイメージング技術に適し 超音波振動子、超音波探触子、及び超音波 用画像診断装置を提供することである。

 本発明に係る上記課題は以下の手段によ 解決される。

 1.少なくとも一種のジアミン化合物とカ ボニル基又はチオカルボニル基を2つ以上有 る少なくとも一種の化合物を原料として用 て熱重合と分極処理により形成された有機 電体膜であって、当該原料の当量混合溶液 基板上に塗布し、熱重合と分極処理を同時 行させながら形成されたことを特徴とする 機圧電体膜。

 2.前記カルボニル基を2つ以上有する少な とも一種の化合物が、ジカルボン酸ジハロ ン化物、テトラカルボン酸二無水物、カル ン酸ハロゲン化物の無水物、又はジイソシ ナート化合物であることを特徴とする前記1 に記載の有機圧電体膜。

 3.前記チオカルボニル基を2つ以上有する なくとも一種の化合物が、ジイソチオシア ート化合物であることを特徴とする前記1に 記載の有機圧電体膜。

 4.前記1乃至3のいずれか一項に記載の有機 圧電体膜であって、それを構成する化合物が 、芳香族縮環構造を有することを特徴とする 有機圧電体膜。

 5.前記1乃至4のいずれか一項に記載の有機 圧電体膜の形成方法であって、熱重合におけ る温度が-50~250℃であることを特徴とする有 圧電体膜の形成方法。

 6.前記1乃至4のいずれか一項に記載の有機 圧電体膜の形成方法であって、分極処理にお ける分極処理方法がコロナ放電によるもので あり、印加電圧が0.5~2.0MV/mであることを特徴 する前記5に記載の有機圧電体膜の形成方法 。

 7.前記1乃至4のいずれか一項に記載の有機 圧電体膜を用いたことを特徴とする超音波振 動子。

 8.超音波送信用振動子と超音波受信用振 子を具備する超音波探触子であって、前記1 至4のいずれか一項に記載の有機圧電体膜を 用いた超音波振動子を超音波受信用振動子と して具備したことを特徴とする超音波探触子 。

 9.電気信号を発生する手段と、前記電気 号を受けて超音波を被検体に向けて送信し 前記被検体から受けた反射波に応じた受信 号を生成する複数の振動子が配置された超 波探触子と、前記超音波探触子が生成した 記受信信号に応じて、前記被検体の画像を 成する画像処理手段とを有する超音波医用 像診断装置において、前記超音波探触子が 前記8に記載の超音波探触子であることを特 とする超音波医用画像診断装置。

 本発明の上記手段により、少なくとも一 のジアミン化合物とカルボニル基又はチオ ルボニル基を2つ以上有する少なくとも一種 の化合物を原料として用いて形成される有機 圧電体膜であって、圧電性に優れ、かつ低コ ストで容易に形成(製造)できる有機圧電体膜 提供すること及びその形成方法を提供する とができる。

 更に、高周波を高感度に受信することが 能でハーモニックイメージング技術に適し 超音波振動子、超音波探触子、及び超音波 用画像診断装置を提供することができる。

超音波医用画像診断装置の主要部の構 を示す概念図

符号の説明

 1 受信用圧電材料(膜)
 2 支持体
 3 送信用圧電材料(膜)
 4 バッキング層
 5 電極
 6 音響レンズ

 本発明の有機圧電体膜は、少なくとも一 のジアミン化合物とカルボニル基又はチオ ルボニル基を2つ以上有する少なくとも一種 の化合物を原料として用いて熱重合と分極処 理により形成された有機圧電体膜(ポリアミ 、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリ尿 等を主成分とする樹脂膜)であって、当該原 の当量混合溶液を基板上に塗布し、熱重合 分極処理を同時進行させながら形成された とを特徴とする。この特徴は、請求の範囲 1項乃至第9項に係る発明に共通する技術的 徴である。

 以下、本発明とその構成要素、及び発明 実施するための最良の形態・態様等につい 詳細な説明をする。

 (ジアミン化合物)
 本発明に係るジアミン化合物のとしては、 能性高分子や有機圧電体等の原料として従 公知の種々のジアミン化合物、若しくはそ ら化合物のアミノ基が異なる場所に結合し いる位置異性体を用いることができるが、 ミノ基のα位、β位、γ位に立体障害の大き 置換基がある化合物、若しくはジアミン化 物中に電子吸引性の置換基を有しており、 ミノ基の求核性が低下した化合物が好まし 。勿論アミノ基のα位、β位、γ位に立体障 の大きい電子吸引性の置換基がある化合物 好ましいことは言うまでもない。

 なお、本願において、「電子吸引性基」 は、電子吸引性の度合いを示す指標として メット置換基定数(σp)が0.10以上である置換 をいう。ここでいうハメットの置換基定数 pの値としては、Hansch,C.Leoらの報告(例えば、 J.Med.Chem.16、1207(1973);ibid.20、304(1977))に記載の を用いるのが好ましい。

 例えば、σpの値が0.10以上の置換基または 原子としては、ハロゲン原子(フッ素原子、 素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボキ ル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン置換 ルキル基(例えばトリクロロメチル、トリフ ルオロメチル、クロロメチル、トリフルオロ メチルチオメチル、トリフルオロメタンスル ホニルメチル、パーフルオロブチル)、脂肪 、芳香族もしくは芳香族複素環アシル基(例 ばホルミル、アセチル、ベンゾイル)、脂肪 族・芳香族もしくは芳香族複素環スルホニル 基(例えばトリフルオロメタンスルホニル、 タンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、カ バモイル基(例えばカルバモイル、メチルカ ルバモイル、フェニルカルバモイル、2-クロ -フェニルカルバモイル)、アルコキシカル ニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキ カルボニル、ジフェニルメチルカルボニル) 、置換アリール基(例えばペンタクロロフェ ル、ペンタフルオロフェニル、2,4-ジメタン ルホニルフェニル、2-トリフルオロメチル ェニル)、芳香族複素環基(例えば2-ベンゾオ サゾリル、2-ベンズチアゾリル、1-フェニル -2-ベンズイミダゾリル、1-テトラゾリル)、ア ゾ基(例えばフェニルアゾ)、ジトリフルオロ チルアミノ基、トリフルオロメトキシ基、 ルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンス ルホニルオキシ)、アシロキシ基(例えばアセ ルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アリールス ルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニ オキシ)、ホスホリル基(例えばジメトキシホ スホニル、ジフェニルホスホリル)、スルフ モイル基(例えば、N-エチルスルファモイル N,N-ジプロピルスルファモイル、N-(2-ドデシ オキシエチル)スルファモイル、N-エチル-N- デシルスルファモイル、N,N-ジエチルスルフ モイル)などが挙げられる。

 具体例としては、以下の化合物を挙げる とができるが、これらに限定されるもので ない。

 4,4’-ジアミノジフェニルメタン(MDA)、4,4 -メチレンビス(2-メチルアニリン)、4,4’-メ レンビス(2,6-ジメチルアニリン)、4,4’-メチ レンビス(2-エチル-6-メチルアニリン)、4,4’- チレンビス(2,6-ジエチルアニリン)、4,4’-メ チレンビス(2,6-ジ-t-ブチルアニリン)、4,4’- チレンビス(2,6-ジシクロヘキシルアニリン) 4,4’-メチレンビス(2-エチルアニリン)、4,4’ -メチレンビス(2-t-ブチルアニリン)、4,4’-メ レンビス(2-シクロヘキシルアニリン)、4,4’ -メチレンビス(3,5-ジメチルアニリン)、4,4’- チレンビス(2,3-ジメチルアニリン)、4,4’-メ チレンビス(2,5-ジメチルアニリン)、2,2-ビス(4 -アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2 ,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、1,1-ビス( 4-アミノフェニル)シクロヘキサン、α,α-ビス (4-アミノフェニル)トルエン、4,4’-メチレン ス(2-クロロアニリン)、4,4’-メチレンビス(2 ,6-ジクロロアニリン)、4,4’-メチレンビス(2,3 -ジブロモアニリン)、4,4’-ジアミノジフェニ ルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエー ル、4,4’-ジアミノオクタフルオロジフェニ エーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフ ィド、4,4’-ジアミノジフェニルジスルフィ 、ビス(4-アミノフェニル)スルホン、ビス(3- ミノフェニル)スルホン、ビス(3-アミノ-4-ヒ ドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-アミノ ェニル)スルホキシド、1,4-ビス(4-アミノフェ ノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキ )ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベ ゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェ ル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ )フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,5-ビス (4-アミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、 オペンチルグリコールビス(4-アミノフェニ )エーテル、4,4’-ジアミノスチルベン、α,α ’-ビス(4-アミノフェニル)-1,4-ジイソプロピ ベンゼン、1,2-フェニレンジアミン、1,3-フェ ニレンジアミン、1,4-フェニレンジアミン、 ンジジン、4,4’-ジアミノオクタフルオロビ ェニル、3,3’-ジアミノベンジジン、3,3’- メチルベンジジン、2,2’-ビス(トリフルオロ メチル)ベンジジン、3,3’,5,5’-テトラメチル ベンジジン、3,3’-ジヒドロキシベンジジン 3,3’-ジメチルベンジジン、3,3’-ジヒドロキ シ-5,5’-ジメチルベンジジン、4,4”-ジアミノ -p-ターフェニル、1,5-ジアミノナフタレン、1, 8-ジアミノナフタレン、2,3-ジアミノナフタレ ン、2,6-ジアミノナフタレン、2,7-ジアミノナ タレン、3,3‘-ジメチルナフチジン、2,7-ジ ミノフルオレン、3,6-ジアミノフルオレン、9 ,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビ (4-アミノ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9 -ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)フルオ ン、9,9-ビス(4-アミノ-3-フルオロフェニル) ルオレン、9,9-ビス(4-アミノ-3-クロロフェニ )フルオレン、2,7-ジアミノカルバゾール、3, 6-ジアミノカルバゾール、3,4-ジアミノ安息香 酸、3,5-ジアミノ安息香酸、1,5-ジアミノペン ン、1.6-ジアミノヘキサン、1,7-ジミノヘプ ン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナ ン、1,5-ジメチルヘキシルアミン、1,3-ビス(ア ミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノ メチル)シクロヘキサン、等である。

 (カルボニル基又はチオカルボニル基を2つ 上有する化合物)
 本発明に係る「カルボニル基又はチオカル ニル基を2つ以上有する化合物」としては、 機能性高分子や有機圧電体の原料として従来 公知の種々のカルボニル基又はチオカルボニ ル基を2つ以上有する化合物、若しくはそれ 化合物のカルボニル基又はチオカルボニル が異なる場所に結合している位置異性体を いることができるが、ジカルボン酸ジハロ ン化物、テトラカルボン酸二無水物、カル ン酸ハロゲン化物の無水物、ジイソシアナ ト化合物、ジイソチオシアナート化合物等 好ましい。以下、それぞれの化合物につい 詳細な説明をする。

 〈テトラカルボン酸二無水物〉
 テトラカルボン酸二無水物としては、カル キシル基のα位、β位、γ位に立体障害の大 い置換基がある化合物、若しくはテトラカ ボン酸二無水物中に電子供与性の置換基を しており、カルボニル基の求電子性が低下 た化合物が好ましい。勿論カルボキシル基 α位、β位、γ位に立体障害の大きい電子供 性の置換基がある化合物も好ましいことは うまでもない。

 具体例としては、以下の化合物を挙げる とができるが、これらに限定されるもので ない。

 ピロメリット酸二無水物、1,4,5,8-ナフタ ンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタ レンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’- フェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6 -ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2 ,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物 、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン 二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニ )プロパン二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラ カルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシ ェニル)プロパン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカ ルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス( 3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、 ス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水 、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二 水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4 -ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p -フェニレンビス(トリメリット酸モノエステ 酸無水物)、4,4’-オキシジフタル酸 無水物 、3,3’、4,4’-ジフェニルスルホンテトラカ ボン酸二無水物、エチレンビス(トリメリッ 酸モノエステル酸無水物)、1,2,3,4-シクロペ タンテトラカルボン酸二無水物、ビスフェ ールAビス(トリメリット酸モノエステル酸 水物)及びそれらの類似物等である。

 〈ジカルボン酸ジハロゲン化物〉
 ジカルボン酸ジハロゲン化物としては、カ ボニル基のα位、β位、γ位に立体障害の大 い置換基がある化合物、もしくはジカルボ 酸ジハロゲン化物中に電子供与性の置換基 有しており、カルボニル基の求電子性が低 した化合物が好ましい。また、カルボニル のα位、β位、γ位に立体障害の大きい電子 与性の置換基がある化合物も好ましい。

 具体例としては、以下の化合物を挙げる とができるが、これらに限定されるもので ない。

 フタル酸二塩化物、フタル酸二臭化物、 チルフタル酸二塩化物類、エチルフタル酸 塩化物類、メトキシフタル酸二塩化物類、 トキシフタル酸二塩化物類、クロロフタル 二塩化物類、ブロモフタル酸二塩化物類、 ソフタル酸二塩化物類、メチルイソフタル 二塩化物類、エチルイソフタル酸二塩化物 、メトキシイソフタル酸二塩化物類、エト シイソフタル酸二塩化物類、クロロイソフ ル酸二塩化物類、ブロモイソフタル酸二塩 物類、テレフタル酸二塩化物、メチルテレ タル酸二塩化物類、エチルテレフタル酸二 化物類、メトキシテレフタル酸二塩化物類 エトキシテレフタル酸二塩化物類、クロロ レフタル酸二塩化物類、ブロモテレフタル 二塩化物類、2,2’-ビフェニルジカルボン酸 二塩化物、4,4’-ビフェニルジカルボン酸二 化物、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン 二塩化物、4,4’-ジフェニルスルフィドジカ ルボン酸二塩化物、4,4’-ベンゾフェノンジ ルボン酸二塩化物、4,4’-ジフェニルスルホ ジカルボン酸二塩化物、4,4’-ジフェニルメ タンジカルボン酸二塩化物、2,2-ビス(4-クロ フォルミルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ク ロロフォルミルフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフ オロプロパン、1,4-ナフタレンジカルボン酸 二塩化物、2,3-ナフタレンジカルボン酸二塩 物、2,6-ナフタレンジカルボン酸二塩化物、2 ,6-ナフタレンジカルボン酸二臭化物、等であ る。

 〈カルボン酸ハロゲン化物の酸無水物〉
 本発明に係るカルボン酸ハロゲン化物の酸 水物(カルボン酸ハロゲン化物の構造を有す るカルボン酸無水物)としては、カルボニル のα位、β位、γ位に立体障害の大きい置換 がある化合物、若しくは、カルボン酸ハロ ン化物の構造を有するカルボン酸無水物中 電子供与性の置換基を有しており、カルボ ル基の求電子性が低下した化合物が好まし 。また、カルボニル基のα位、β位、γ位に 体障害の大きい電子供与性の置換基がある 合物も好ましい。

 具体例としては、以下の化合物を挙げる とができるが、これらに限定されるもので ない。

 4-(クロロフォルミル)フタル酸無水物、4-( クロロフォルミル)-3-メチルフタル酸無水物 4-(クロロフォルミル)-5-メチルフタル酸無水 、4-(クロロフォルミル)-3,5-ジメチルフタル 無水物、等である。

 〈ジイソシアナート化合物〉
 本発明に係るジイソシアナート化合物とし は、イソシアナート基のα位、β位、γ位に 体障害の大きい置換基がある化合物、もし はジイソシアネート化合物中に電子供与性 置換基を有しており、イソシアネート基の 電子性が低下した化合物が好ましい。また ソシアナート基のα位、β位、γ位に立体障 の大きい電子供与性の置換基がある化合物 好ましい。

 具体例としては、以下の化合物を挙げる とができるが、これらに限定されるもので ない。

 4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナート (MDI)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニ イソシアナート)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ エチルフェニルイソシアナート)、4,4’-メチ ンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェニルイソシアナ ト)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジシクロヘキシ フェニルイソシアナート)、4,4’-メチレン ス(2-メチルフェニルイソシアナート)、4,4’- メチレンビス(2-エチルフェニルイソシアナー ト)、4,4’-メチレンビス(2-t-ブチルフェニル ソシアナート)、4,4’-メチレンビス(2-シクロ ヘキシルフェニルイソシアナート)、4,4’-メ レンビス(3,5-ジメチルフェニルイソシアナ ト)、4,4’-メチレンビス(2,3-ジメチルフェニ イソシアナート)、4,4’-メチレンビス(2,5-ジ メチルフェニルイソシアナート)、2,2-ビス(4- ソシアナートフェニル)ヘキサフルオロプロ パン、2,2-ビス(4-イソシアナートフェニル)プ パン、1,1-ビス(4-イソシアナートフェニル) クロヘキサン、α、α-ビス(4-イソシアナート フェニル)トルエン、4,4’-メチレンビス(2,6- クロロフェニルイソシアナート)、4,4’-メチ レンビス(2-クロロフェニルイソシアナート) 4,4’-メチレンビス(2,3-ジブロモフェニルイ シアナート)、m-キシリレン ジイソシアナー ト、4,4’-ジイソシアナート-3,3’-ジメチルビ フェニル、1,5-ジイソシアナトナフタレン、1, 3-フェニレンジイソシアナート、1,4-フェニレ ンジイソシアナート、2,4-トルエンジイソシ ナート(2,4-TDI)、2,6-トルエンジイソシアナー (2,6-TDI)、1,3-ビス(2-イソシアナート-2-プロピ ル)ベンゼン、1,3-ビス(イソシアナートメチル )シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン-4 ,4’-ジイソシアナート、イソホロンジイソシ アナート、ヘキサメチレンジイソシアナート 、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナー ト、等である。

 〈ジイソチオシアナート化合物〉
 本発明に係るジイソチオシアナート化合物 しては、イソチオシアナート基のα位、β位 、γ位に立体障害の大きい置換基がある化合 、若しくはジイソチオシアナート化合物中 電子供与性の置換基を有しており、イソチ シアナート基の求電子性が低下した化合物 好ましい。また、イソチオシアナート基の 位、β位、γ位に立体障害の大きい電子供与 の置換基がある化合物も好ましい。

 具体例としては、以下の化合物を挙げる とができるが、これらに限定されるもので ない。

 4,4’-ジフェニルメタンジイソチオシアナ ート、4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルフェニ ルイソチオシアナート)、4,4’-メチレンビス( 2,6-ジ-t-ブチルフェニルイソチオシアナート) 1,3-ビス(イソチオシアナートメチル)シクロ キサン、1,3-プロパンジイソチオシアナート 、1,5-ペンタンジイソチオシアナート、1,7-ヘ タンジイソチオシアナート、1,9-ノナンジイ ソチオシアナート、1,11-ウンデカンジイソチ シアナート、等である。

 〈芳香族縮環構造〉
 本発明においては、有機圧電体膜の配向性 向上させるために、当該有機圧電体膜を構 する化合物が、部分構造として、芳香族縮 構造を有することが好ましい。

 芳香族縮環構造としては、例えば、ナフ レン構造、キノリン構造、アントラセン構 、フェナンスレン構造、ピレン構造、トリ ェニレン構造、ペリレン構造、フルオラン ン構造、インダセン構造、アセナフチレン 造、フルオレン構造、フルオレン-9-オン構 、カルバゾール構造、テトラフェニレン構 、及び、これらの構造にさらに縮環した構 (例えば、アクリジン構造、ベンゾアントラ セン構造、ベンゾピレン構造、ペンタセン構 造、コロネン構造、クリセン構造等)等が挙 られる。

 好ましい芳香族縮環構造としては、下記 般式(ACR1)~(ACR4)の構造が挙げられる。

 一般式(ACR1)において、R 11 及びR 12 は、各々独立に水素原子、又は置換基を表し 、置換基としては、例えば炭素数1~25のアル ル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イ プロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、 キシル基、シクロヘキシル基等)、シクロア キル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル 基等)、アリール基(フェニル基等)、複素環基 (ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル 、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基 ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジ ル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、 ペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリ 基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ 基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、 シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基 、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオ シ基(フェノキシ基等)、アシルオキシ基(ア チルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、 ルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボ ニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチル オキシカルボニル基等)、アリールオキシカ ボニル基(フェニルオキシカルボニル基等)、 スルホンアミド基(メタンスルホンアミド基 エタンスルホンアミド基、ブタンスルホン ミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シク ヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスル ンアミド基等)、カルバモイル基(アミノカル ボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメ チルアミノカルボニル基、プロピルアミノカ ルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、 シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニ ルアミノカルボニル基、2-ピリジルアミノカ ボニル基等)、カルボキシル基、ヒドロキシ ル基等を挙げることができる。好ましくは、 水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基 、アルコキシ基、アシルオキシ基又はアルキ ル基であり、更に好ましくは、水素原子、ア ルキル基、ヒドロキシル基又アシルオキシ基 であり、特に好ましくは水素原子又はアルキ ル基である。

 なお、アスタリスク(*)は、結合点を表す

 一般式(ACR2)において、X 2 は、酸素原子、N-R 23 、C-R 24 を表し、R 23 としては、水素原子、ヒドロキシル基、アル コキシ基、アルキル基、アミノ基を表し、好 ましくはヒドロキシル基又はアルコキシ基で ある。R 24 は、アルキル基、アリール基又は複素環基を 表すが、好ましくはアルキル基又はアリール 基であり、特に好ましくは、アルキル基であ る。

 なお、アスタリスク(*)は、結合点を表す

 一般式(ACR3)において、X 3 は、窒素原子又はN + -R 33 を表し、R 33 は、アルキル基又はアリール基を表す。X 3 がN+の場合は、電荷を中和するためのカウン ーイオンを有していても良く、カウンター オンとしては、Cl - 、Br - 、I - 、BF 4 - 等が挙げられる。

 なお、アスタリスク(*)は、結合点を表す

 一般式(ACR4)において、アスタリスク(*)は 結合点を表す。

 これらの芳香族縮環構造は、置換基を有 ても良く、置換基としては、ハロゲン原子 炭素数1~25のアルキル基(メチル基、エチル 、プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル 基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシ ル基等)、ハロゲン化アルキル基(トリフルオ メチル基、パーフルオロオクチル基等)、シ クロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロ ンチル基等)、アルキニル基(プロパルギル基 等)、グリシジル基、アクリレート基、メタ リレート基、アリール基(フェニル基等)、複 素環基(ピリジル基、チアゾリル基、オキサ リル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロ ル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピ ダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニ 基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テト ゾリル基等)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素 原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコ シ基(メトキシ基、エトキシ基、プロピルオ シ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチル キシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシ オキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキ 基等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキ シカルボニル基、エチルオキシカルボニル基 、ブチルオキシカルボニル基等)、アリール キシカルボニル基(フェニルオキシカルボニ 基等)、スルホンアミド基(メタンスルホン ミド基、エタンスルホンアミド基、ブタン ルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド 、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベン ンスルホンアミド基等)、スルファモイル基( アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニ ル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチル アミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホ ニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基 、フェニルアミノスルホニル基、2-ピリジル ミノスルホニル基等)、ウレタン基(メチル レイド基、エチルウレイド基、ペンチルウ イド基、シクロヘキシルウレイド基、フェ ルウレイド基、2-ピリジルウレイド基等)、 シル基(アセチル基、プロピオニル基、ブタ イル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノ ル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、 カルバモイル基(アミノカルボニル基、メチ アミノカルボニル基、ジメチルアミノカル ニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペ チルアミノカルボニル基、シクロヘキシル ミノカルボニル基、フェニルアミノカルボ ル基、2-ピリジルアミノカルボニル基等)、 ミド基(アセトアミド基、プロピオンアミド 、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベ ズアミド基等)、スルホニル基(メチルスル ニル基、エチルスルホニル基、ブチルスル ニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フ ニルスルホニル基、2-ピリジルスルホニル基 等)、アミノ基(アミノ基、エチルアミノ基、 メチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロ ンチルアミノ基、アニリノ基、2-ピリジル ミノ基等)、シアノ基、カルボキシル基、ヒ ロキシル基等を挙げることができる。又こ らの基は更にこれらの基で置換されていて よい。又、置換基が複数ある場合、同じで 異なっていても良く、互いに結合して縮環 造を形成しても良い。好ましくは、水素原 、ハロゲン原子、アミド基、アルキル基又 アリール基であり、更に好ましくは、水素 子、ハロゲン原子、アミド基又はアルキル であり、特に好ましくは水素原子、ハロゲ 原子又はアルキル基である。

 以下に、好ましい芳香族縮環構造の具他 を挙げるが、本発明はこれに限定されない

 上記芳香族縮環構造を導入する手段とし は、重合する際に第3成分として縮環系構造 を有する置換もしくは無置換のジアミンもし くはジイソシアネートを添加しても良いし、 または、縮環系構造を持つ本発明の化合物を 重合する等の手段(方法)を挙げることができ 。

 以下、本発明において用いることができ 有機高分子材料について更に詳細な説明を る。

 本発明においては、有機圧電材料を構成 る有機高分子材料が、ウレア結合もしくは オウレア結合を有する化合物を構成成分と て含有することが好ましく、当該化合物が 下記一般式(1)~(3)で表される化合物もしくは これらの化合物の誘導体を原料として形成さ れものであることも好ましい。

(式中、R 11 及びR 12 は、各々独立に水素原子、アルキル基、3~10 の非芳香族環基、アリール基、またはヘテ アリール基を表し、これらの基は更に置換 を有しても良い。R 21 ~R 26 は、各々独立に水素原子、アルキル基、電子 吸引性基を表す。)

(式中、R 13 は、各々独立にカルボキシル基、ヒドロキシ 基、メルカプト基、アミノ基を表し、これら の活性水素は、更にアルキル基、3~10員の非 香族環基、アリール基、またはヘテロアリ ル基等で置換されてもよく、また、R 13 は、カルボニル基、スルホニル基、チオカル ボニル基、スルホン基を表し、これらの置換 基は、水素原子、アリール基、またはヘテロ アリール基を結合する。R 21 ~R 26 は上記一般式(5)のR 21 ~R 26 と同義の基を表す。)

(式中、Yは、各々独立にケト基、オキシム基 置換ビニリデン基を表し、R 21 ~R 26 は、上記一般式(1)のR 21 ~R 26 と同義の置換基を表す。)
 好ましい例としては、前記一般式(1)~(3)で表 される化合物若しくはこれらの化合物の誘導 体を挙げることができる。

 《一般式(1)で表される化合物》
 一般式(1)で表される化合物としては、2,7-ジ アミノフルオレン、2,7-ジアミノ-4,5-ジニトロ フルオレン、2,7-ジアミノ-3,4,5、6-テトラクロ ロフルオレン、2,7-ジアミノ-3,6-ジフルオロフ ルオレン、2,7-ジアミノ-9-(n-ヘキシル)フルオ ン、9、9-ジメチル-2,7-ジアミノフルオレン 2,7-ジアミノ-9-ベンジルフルオレン、9,9-ビス フェニル-2,7-ジアミノフルオレン、2,7-ジアミ ノ-9-メチルフルオレン、9,9-ビス(3,4-ジクロロ フェニル)-2,7-ジアミノフルオレン、9,9-ビス(3 -メチル-4-クロロフェニル)-2,7-ジアミノフル レン、9,9-ビス(メチルオキシエチル)-2,7-ジア ミノフルオレン、2,7-ジアミノ-3,6-ジメチル-9- アミノメチルフルオレン、などが挙げられる がこの限りではない。

 《一般式(2)で表される化合物》
 一般式(2)で表される化合物としては、2,7-ジ アミノ-9-フルオレンカルボン酸、2,7-ジアミ -9-フルオレンカルボキシアルデヒド、2,7-ジ ミノ-9-ヒドロキシフルオレン、2,7-ジアミノ -3,6-ジフルオロ-9-ヒドロキシフルオレン、2,7- ジアミノ-4,5-ジブロモ-9-メルカプトフルオレ 、2,7,9-トリアミノフルオレン、2,7-ジアミノ -9-ヒドロキシメチルフルオレン、2,7-ジアミ -9-(メチルオキシ)フルオレン、2,7-ジアミノ-9 -アセトキシフルオレン、2,7-ジアミノ-3,6-ジ チル-9-(パーフルオロフェニルオキシ)フルオ レン、2,7-ジアミノ-4,5-ジフルオロ-9-(アセト ミド)フルオレン、2,7-ジアミノ-N-イソプロピ ルフルオレン-9-カルボキシアミド、2,7-ジア ノ-4,5-ジブロモ-9-メチルスルフィニルフルオ レン、などが挙げられるがこの限りではない 。

 《一般式(3)で表される化合物》
 一般式(3)で表される化合物としては、9,9-ジ メチル-2,7-ジアミノフルオレノン、2,7-ジアミ ノ-9-ベンジルフルオレノン、9,9-ビスフェニ -2,7-ジアミノフルオレノン、2,7-ジアミノ-9- チルフルオレノン、9,9-ビス(3,4-ジクロロフ ニル)-2,7-ジアミノフルオレノン、9,9-ビス(3- チル-4-クロロフェニル)-2,7-ジアミノフルオ ノン、9-ヘキシリデン-2,7-ジアミノ-4,5-ジク ロフルオレン、1-(2,7-ジアミノ-9-フルオレニ リデン)-2-フェニルヒドラジン、2-((2,7-ジアミ ノ-1,8-ジメチル-9-フルオレニリデン)メチル) リジン、などが挙げられるがこの限りでは い。

 本発明においては、例えば、上記フルオ ン例示化合物を脂肪族若しくは芳香族のジ ール、ジアミン、ジイソシアネート、ジイ チオシアネートなどと反応させてポリウレ 若しくはポリウレタン構造等を形成してか 下記一般式(4)~(6)で表される化合物、もしく はそれらより形成される高分子量体と混ぜて 複合材料とすることもできる。

(式中、Raは、各々独立に水素原子、アルキ ル基、アリール基、電子吸引性基を含むアル キル基、電子吸引性基を含むアリール基もし くはヘテロアリール基を表す。Xは、結合し る炭素以外の原子、もしくはなくてもよい nはXの原子価-1以下の整数を表す。)

(式中、Rbは、各々独立に電子吸引性基を含 むアルキル基、電子吸引性基を含むアリール 基もしくはヘテロアリール基を表す。Xは結 しうる炭素以外の原子、又はなくてもよい nはXの原子価-1以下。)

(式中、Rcは、各々独立に電子吸引性基を含む アルキル基、電子吸引性基を含むアリール基 もしくはヘテロアリール基を表す。Xは結合 うる炭素以外の原子、又はなくてもよい。n Xの原子価-1以下の整数を表す。)
 好ましい例としては、前記一般式(4)~(6)で表 される化合物若しくはこれらの化合物の誘導 体を挙げることができる。

 《一般式(4)で表される化合物》
 一般式(4)で表される化合物で表される化合 としては、p-アセトキシスチレン、p-アセチ ルスチレン、p-ベンゾイルスチレン、p-トリ ルオロアセチルスチレン、p-モノクロロアセ チルスチレン、p-(パーフルオロブチリルオキ シ)スチレン、p-(パーフルオロベンゾイルオ シ)スチレン、S-4-ビニルフェニルピリジン-2- カルボチオエート、及びN-(4-ビニルフェニル) ピコリナミド、などが挙げられるがこの限り ではない。

 《一般式(5)で表される化合物》
 一般式(5)で表される化合物としては、p-ト フルオロメチルスチレン、p-ジブロモメチル スチレン、p-トリフルオロメトキシスチレン p-パーフルオロフェノキシスチレン、p-ビス (トリフルオロメチル)アミノスチレン、及びp -(1H-イミダゾリルオキシ)スチレン、などが挙 げられるがこの限りではない。

 《一般式(6)で表される化合物》
 一般式(6)で表される化合物としては、p-(メ ンスルホニルオキシ)スチレン、p-(トリフル オロメタンスルホニルオキシ)スチレン、p-ト ルエンスルホニルスチレン、p-(パーフルオロ プロピルスルホニルオキシ)スチレン、p-(パ フルオロベンゼンスルホニルオキシ)スチレ 、及び(4-ビニルフェニル)ビス(トリフルオ メタンスルホニル)アミド、などが挙げられ がこの限りではない。

 なお、本発明においては、エチレングリ ール、グリセリン、トリエチレングリコー 、ポリエチレングリコール、ポリビニルア コール、4,4-メチレンビスフェノールなどの アルコール化合物等、さらにアミノ基と水酸 基の両方を有するエターノルアミン、アミノ ブチルフェノール、4-(4-アミノベンジル)フェ ノール(ABP)などのアミノアルコール類、アミ フェノール類等も用いることができる。

 (溶媒)
 本発明で使用し得る溶媒としては、例えば 非プロトン性溶媒であるジメチルスルホキ ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ アミド、N-メチルピロリドンなどのアミド 溶媒、テトラヒドロフラン、アセトン、メ ルエチルケトン、酢酸エチル、塩化メチレ 、クロロホルム、トルエン、ヘキサンなど 挙げることができる。ジアミン化合物とカ ボニル基又はチオカルボニル基を2つ以上有 る化合物との両方を溶解させられる溶媒な 特に限定はない。

 (有機圧電体膜)
 本発明において、好ましい有機圧電体膜と ては、前記原料の下記組合せにより形成さ る尿素樹脂を含有する有機圧電体膜を挙げ ことができる。

 4,4’-ジアミノジフェニルメタン/3,3’-ジ チルジフェニル-4,4’-ジイソシアナート、4, 4’-ジアミノジフェニルメタン/o-ジアニシジ ジイソシアナート、4,4’-ジアミノジフェニ ルメタン/メチレンビス(4-イソシアナート-2- チルベンゼン)、4,4’-ジアミノジフェニルメ タン/4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナー (MDI)、4,4’-ジアミノジフェニルメタン/2,4- ルエンジイソシアナート(2,4-TDI)、4,4’-ジア ノジフェニルメタン/2,6-トルエンジイソシ ナート(2,6-TDI)、4,4’-ジアミノジフェニルメ ン/ビス(4-イソシアナートフエニル)エーテ 、4,4’-ジアミノジフェニルメタン/p-フェニ ンジイソシアナート、4,4’-ジアミノジフェ ニルメタン/1,5-ナフタレンジイソシアナート 4,4’-ジアミノジフェニルエーテル/3,3’-ジ チルジフェニル-4,4’-ジイソシアナート、4, 4’-ジアミノジフェニルエーテル/o-ジアニシ ンジイソシアナート、4,4’-ジアミノジフェ ニルエーテル/メチレンビス(4-イソシアナー -2-メチルベンゼン)、4,4’-ジアミノジフェニ ルエーテル/4,4’-ジフェニルメタンジイソシ ナート(MDI)、4,4’-ジアミノジフェニルエー ル/2,4-トルエンジイソシアナート(2,4-TDI)、4, 4’-ジアミノジフェニルエーテル/2,6-トルエ ジイソシアナート(2,6-TDI)、4,4’-ジアミノジ ェニルエーテル/ビス(4-イソシアナートフエ ニル)エーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエ テル/p-フェニレンジイソシアナート、4,4’- ジアミノジフェニルエーテル/1,5-ナフタレン イソシアナート、4,4’-ジアミノジフェニル エーテル/1,3-ビス(イソシアナートメチル)ベ ゼン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジフェ ルメタン/3,3’-ジメチルジフェニル-4,4’-ジ ソシアナート4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチル フェニルメタン/o-ジアニシジンジイソシア ート、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジフェ ルメタン/メチレンビス(4-イソシアナート-2- メチルベンゼン)、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメ ルジフェニルメタン/4,4’-ジフェニルメタン ジイソシアナート(MDI)、4,4’-ジアミノ-3,3’- メチルジフェニルメタン/2,4-トルエンジイ シアナート(2,4-TDI)、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジ チルジフェニルメタン/2,6-トルエンジイソシ アナート(2,6-TDI)、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチ ルジフェニルメタン/ビス(4-イソシアナート エニル)エーテル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメ ルジフェニルメタン/p-フェニレンジイソシ ナート、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジフ ニルメタン/1,5-ナフタレンジイソシアナー 、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニ /3,3’-ジメチルジフェニル-4,4’-ジイソシア ート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフ ニル/o-ジアニシジンジイソシアナート、3,3 -ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル/メチ レンビス(4-イソシアナート-2-メチルベンゼン )、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニ /4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナート(MD I)、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニ /2,4-トルエンジイソシアナート(2,4-TDI)、3,3 -ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル/2,6-ト ルエンジイソシアナート(2,6-TDI)、3,3’-ジメ キシ-4,4’-ジアミノビフェニル/ビス(4-イソ アナートフエニル)エーテル、3,3’-ジメトキ シ-4,4’-ジアミノビフェニル/p-フェニレンジ ソシアナート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジア ノビフェニル/1,5-ナフタレンジイソシアナ ト、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニ /3,3’-ジメチルジフェニル-4,4’-ジイソシア ート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェ ル/o-ジアニシジンジイソシアナート、3,3’- ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル/メチレン ビス(4-イソシアナート-2-メチルベンゼン)、3, 3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル/4,4’- ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、3,3 -ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル/2,4-ト エンジイソシアナート(2,4-TDI)、3,3’-ジメチ -4,4’-ジアミノビフェニル/2,6-トルエンジイ ソシアナート(2,6-TDI)、3,3’-ジメチル-4,4’-ジ アミノビフェニル/ビス(4-イソシアナートフ ニル)エーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミ ビフェニル/p-フェニレンジイソシアナート 3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル/1,5 -ナフタレンジイソシアナート、4,4’-メチレ -ビス(2-クロロアニリン)/3,3’-ジメチルジフ ェニル-4,4’-ジイソシアナート、4,4’-メチレ ン-ビス(2-クロロアニリン)/o-ジアニシジンジ ソシアナート、4,4’-メチレン-ビス(2-クロ アニリン)/メチレンビス(4-イソシアナート-2- メチルベンゼン)、4,4’-メチレン-ビス(2-クロ ロアニリン)/4,4’-ジフェニルメタンジイソシ アナート(MDI)、4,4’-メチレン-ビス(2-クロロ ニリン)/2,4-トルエンジイソシアナート(2,4-TDI )、4,4’-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)/2,6- トルエンジイソシアナート(2,6-TDI)、4,4’-メ レン-ビス(2-クロロアニリン)/ビス(4-イソシ ナートフエニル)エーテル、4,4’-メチレン- ス(2-クロロアニリン)/p-フェニレンジイソシ ナート、4,4’-メチレン-ビス(2-クロロアニ ン)/1,5-ナフタレンジイソシアナート、1,3-ジ ミノ-5-シアノベンゼン/2,6-ナフタレンジイ シアナート、4,4’-ジアミノジフェニルメタ /ピロメリット酸二無水物、1,5-ジアミノナ タレン/テレフタル酸二塩化物、4,4’-ジアミ ノジフェニルエーテル/4-(クロロフォルミル)- フタル酸無水物、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメ チルアニリン)/4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチ フェニルイソシアナート)、4,4’-メチレン ス(2,6-ジ-t-ブチルアニリン)/4,4’-ジフェニル メタンジイソチオシアナート等である。

 なお、本発明の有機圧電体膜には、目的 応じて当該樹脂以外の添加剤(化合物)を含 させても良い。

 (基板)
 基板としては、本発明の有機圧電体膜の用 ・使用方法等により基板の選択は異なる。 リイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエ レンナフタレート(PEN)、ポリメタクリル酸メ チル(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、シクロオ レフィンポリマーのようなプラスチック板又 はフィルムでもよいし、これらの素材の表面 をアルミニウム、金、銅、マグネシウム、珪 素等で覆ったものでもよい。またアルミニウ ム、金、銅、マグネシウム、珪素単体、希土 類のハロゲン化物の単結晶の板又はフィルム でもかまわない。

 更に複層圧電素子の上に形成してもよい。 電素子を積相する複層の使用方法において 、セラミック圧電素子の上に本発明の有機 電体膜を電極を介して、重畳層する方法が る。セラミック圧電素子としては、PZTが使 されているが、近年は鉛を含まないものが 奨されている。PZTは、Pb(Zr 1 - X Ti X )O 3 (0.47≦X≦1)の式の範囲以内であることが好ま く、脱鉛としては、天然又は人工の水晶、 オブ酸リチウム(LiNbO 3 )、ニオブサンタンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O 3 ]、チタン酸バリウム(BaTiO 3 )、タンタル酸リチウム(LiTaO 3 )、又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO 3 )等である。各種セラミック材料はその使用 能において組成を適宜選択することができ 。

 (有機圧電体膜の形成方法)
 本発明の有機圧電体膜の形成方法は、少な とも一種のジアミン化合物とカルボニル基 はチオカルボニル基を2つ以上有する少なく とも一種の化合物を原料として用いて熱重合 と分極処理により有機圧電体膜を形成する有 機圧電体膜の形成方法であって、当該原料の 当量混合溶液を基板上に塗布し、熱重合と分 極処理を同時進行させながら有機圧電体膜を 形成することを特徴とする。

 当該形成方法において、好ましい態様と ては、原料の当量混合溶液を基板上に塗布 、減圧条件下である程度乾燥後(所定量の溶 媒を除去した後)、加熱し、熱重合と分極処 を同時進行させながら有機圧電体膜を形成 る方法が好ましい。

 本発明において、熱重合と分極処理を同 進行させる際の温度は、-50~250℃であること が好ましい。より好ましくは、-50~200℃であ ことが好ましい。また場合によっては、熱 合と分極処理の同時進行中に、上述の温度 囲で、温度を徐々に上げる、もしくは温度 徐々に下げる、というような途中で温度を 化させることも好ましい。

 すなわち、-50℃以上であることで重合が 始され、徐々に温度を上げることで、分子 の上昇に伴う分子運動の劣化を補いながら 分極しやすい状態を保つことができるよう 態様が好ましい。このような態様にするこ で、基板が劣化するようなことを防ぐこと できる。また250℃以下であることで分子の 重合を抑制することができる。

 なお、-50℃にすることで、原料物質の反 性を室温の状態より低下させることができ ジアミン化合物とカルボニル基又はチオカ ボニル基を2つ以上有する化合物等自体の反 応性を下げるような手段、例えばアミノ基の 保護基による修飾といった工程は不要となる 。

 本発明における「当量混合溶液」とは、 アミン化合物から供給されるアミノ基の総 とカルボニル基又はチオカルボニル基を2つ 以上有する化合物から供給され、且つ窒素原 子、酸素原子、ハロゲン原子に直接結合する カルボニル基又はチオカルボニル基の総数が 、原則として、等しくなるように溶媒に溶解 した溶液をいう。但し、混合比は1:1に限定さ れず、1:0.9~1:1.1の比率であれば、実質的に当 混合溶液として良い。

 なお、上記の「当量混合溶液」の要件を たす限り、本発明で用いる混合溶液には、 アミン化合物及びカルボニル基又はチオカ ボニル基を2つ以上有する化合物をそれぞれ 2種以上含有しても良い。また、これらの化 物以外の化合物を含有しても良い。

 (分極処理)
 本発明に係る分極処理における分極処理方 としては、従来公知の種々の方法が適用さ 得るが、コロナ放電処理法が好ましい。

 コロナ放電処理は、市販の高電圧電源と電 からなる装置を使用して処理することがで る。
放電条件は、機器や処理環境により異なるの で適宜条件を選択することが好ましいが、高 電圧電源の電圧としては、絶対値で1~20kV、電 流としては1μA~1mA、電極間距離としては、1~10 cmが好ましく、印加電圧は、0.5~2.0MV/mである とが好ましい。
電極としては、従来から用いられている針状 電極、線状電極(ワイヤー電極)、網状電極が ましいが、本発明ではこれらに限定される のではない。
またコロナ放電中に加熱を行うので、本発明 により作製した基板が接触している電極の下 部に絶縁体を介して、ヒーターを設置する必 要がある。

 なお、本発明において前記原料溶液の溶 が残留している状態で、分極処理としてコ ナ放電処理をする場合には、引火爆発など 危険性を避けるために溶媒の揮発成分が除 されるように十分換気しながら行うことが 全上必要である。

 (超音波振動子)
 本発明に係る超音波振動子は、本発明の有 圧電体膜を用いたことを特徴とする。当該 音波振動子は、超音波送信用振動子と超音 送信用振動子を具備する超音波医用画像診 装置用探触子(プローブ)に用いられる超音 受信用振動子とすることが好ましい。

 なお、一般に、超音波振動子は膜状の圧 材料からなる層(又は膜)(「圧電膜」、「圧 体膜」、又は「圧電体層」ともいう。)を挟 んで一対の電極を配設して構成され、複数の 振動子を例えば1次元配列して超音波探触子 構成される。

 そして、複数の振動子が配列された長軸 向の所定数の振動子を口径として設定し、 の口径に属する複数の振動子を駆動して被 体内の計測部位に超音波ビームを収束させ 照射すると共に、その口径に属する複数の 動子により被検体から発する超音波の反射 コー等を受信して電気信号に変換する機能 有している。

 以下、本発明に係る超音波受信用振動子 超音波送信用振動子それぞれについて詳細 説明する。

 〈超音波受信用振動子〉
 本発明に係る超音波受信用振動子は、超音 医用画像診断装置用探触子に用いられる振 子であって、それを構成する圧電材料とし 、本発明の有機圧電体膜を用いたことを特 とする。

 なお、超音波受信用振動子に用いる有機圧 体膜は、厚み共振周波数における比誘電率 10~50であることが好ましい。比誘電率の調 は、当該有機圧電体膜を構成する化合物が する、CF 2 基、CN基のような極性官能基の数量、組成、 合度等の調整、及び上記の分極処理によっ 行うことができる。

 〈超音波送信用振動子〉
 本発明に係る超音波送信用振動子は、上記 音波受信用振動子との関係で適切な比誘電 を有する圧電体材料により構成されること 好ましい。また、耐熱性・耐電圧性に優れ 圧電材料を用いることが好ましい。

 超音波送信用振動子構成用材料としては 公知の種々の有機圧電材料及び無機圧電材 を用いることができる。

 有機圧電材料としては、上記超音波受信 振動子構成用有機圧電材料と同様の高分子 料を用いることできる。

 無機材料としては、水晶、ニオブ酸リチウ (LiNbO 3 )、ニオブ酸タンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O 3 ]、チタン酸バリウム(BaTiO 3 )、タンタル酸リチウム(LiTaO 3 )、又はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸 ストロンチウム(SrTiO 3 )、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)等を 用いることができる。尚、PZTはPb(Zr 1 - n Ti n )O 3 (0.47≦n≦1)が好ましい。

 〈電極〉
 本発明に係る圧電(体)振動子は、圧電体膜( )の両面上又は片面上に電極を形成し、その 圧電体膜を分極処理することによって作製さ れるものである。当該電極は、金(Au)、白金(P t)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、ニッケル( Ni)、スズ(Sn)などを主体とした電極材料を用 て形成する。

 電極の形成に際しては、まず、チタン(Ti) やクロム(Cr)などの下地金属をスパッタ法に り0.02~1.0μmの厚さに形成した後、上記金属元 素を主体とする金属及びそれらの合金からな る金属材料、さらには必要に応じ一部絶縁材 料をスパッタ法、その他の適当な方法で1~10μ mの厚さに形成する。これらの電極形成はス ッタ法以外でも微粉末の金属粉末と低融点 ラスを混合した導電ペーストをスクリーン 刷やディッピング法、溶射法で形成するこ もできる。

 さらに、圧電体膜の両面に形成した電極 に、所定の電圧を供給し、圧電体膜を分極 ることで圧電素子が得られる。

 (超音波探触子)
 本発明に係る超音波探触子は、超音波送信 振動子と超音波受信用振動子を具備する超 波画像診断装置用探触子(プローブ)であり 受信用振動子として、本発明に係る上記超 波受信用振動子を用いることを特徴とする

 本発明においては、超音波の送受信の両 をひとつの振動子で担ってもよいが、より ましくは、送信用と受信用で振動子は分け 探触子内に構成される。

 送信用振動子を構成する圧電材料として 、従来公知のセラミックス無機圧電材料で 、有機圧電材料でもよい。

 本発明に係る超音波探触子においては、 信用振動子の上もしくは並列に本発明の超 波受信用振動子を配置することができる。

 より好ましい実施形態としては、超音波 信用振動子の上に本発明の超音波受信用振 子を積層する構造が良く、その際には、本 明の超音波受信用振動子は他の高分子材料( 支持体として上記の比誘電率が比較的低い高 分子(樹脂)フィルム、例えば、ポリエステル ィルム)の上に添合した形で送信用振動子の 上に積層してもよい。その際の受信用振動子 と他の高分子材料と合わせた膜厚は、探触子 の設計上好ましい受信周波数帯域に合わせる ことが好ましい。実用的な超音波医用画像診 断装置および生体情報収集に現実的な周波数 帯から鑑みると、その膜厚は、40~150μmである ことが好ましい。

 なお、当該探触子には、バッキング層、 響整合層、音響レンズなどを設けても良い また、多数の圧電材料を有する振動子を2次 元に並べた探触子とすることもできる。複数 の2次元配列した探触子を順次走査して、画 化するスキャナーとして構成させることも きる。

 (超音波医用画像診断装置)
 本発明に係る上記超音波探触子は、種々の 様の超音波診断装置に用いることができる 例えば、図1に示すような超音波医用画像診 断装置において好適に使用することができる 。

 図1は、本発明の実施形態の超音波医用画 像診断装置の主要部の構成を示す概念図であ る。この超音波医用画像診断装置は、患者な どの被検体に対して超音波を送信し、被検体 で反射した超音波をエコー信号として受信す る圧電体振動子が配列されている超音波探触 子(プローブ)を備えている。また当該超音波 触子に電気信号を供給して超音波を発生さ るとともに、当該超音波探触子の各圧電体 動子が受信したエコー信号を受信する送受 回路と、送受信回路の送受信制御を行う送 信制御回路を備えている。

 更に、送受信回路が受信したエコー信号 被検体の超音波画像データに変換する画像 ータ変換回路を備えている。また当該画像 ータ変換回路によって変換された超音波画 データでモニタを制御して表示する表示制 回路と、超音波医用画像診断装置全体の制 を行う制御回路を備えている。

 制御回路には、送受信制御回路、画像デ タ変換回路、表示制御回路が接続されてお 、制御回路はこれら各部の動作を制御して る。そして、超音波探触子の各圧電体振動 に電気信号を印加して被検体に対して超音 を送信し、被検体内部で音響インピーダン の不整合によって生じる反射波を超音波探 子で受信する。

 なお、上記送受信回路が「電気信号を発 する手段」に相当し、画像データ変換回路 「画像処理手段」に相当する。

 上記のような超音波診断装置によれば、 発明の圧電特性及び耐熱性に優れかつ高周 ・広帯域に適した超音波受信用振動子の特 を生かして、従来技術と比較して画質とそ 再現・安定性が向上した超音波像を得るこ ができる。

 以下、実施例を挙げて本発明を説明する 、本発明はこれらに限定されない。なお、 ルボニル基を2つ以上有する化合物を、単に 「カルボニル化合物」と称する。同様に、チ オカルボニル基を2つ以上有する化合物を、 に「チオカルボニル化合物」と称する。

 実施例1
 《ジアミン化合物とカルボニル化合物の当 混合物1の調製》
 300mlのフラスコに100mlのアセトンを加え、-30 ℃に温調したあと、4,4’-ジアミノジフェニ メタン9.9gとピロメリット酸二無水物10.9gを え、5分間攪拌し、当量混合物1を調製した。

 《ジアミン化合物とカルボニル化合物の当 混合物2の調製》
 300mlのフラスコに100mlのアセトンを加え、-50 ℃に温調したあと、1,5-ジアミノナフタレン7. 9gとテレフタル酸二塩化物を10.2g加え、5分間 拌し、当量混合物2を調製した。

 《ジアミン化合物とカルボニル化合物の当 混合物3の調製》
 300mlのフラスコに100mlのアセトンを加え、-50 ℃に温調したあと、4,4’-ジアミノジフェニ エーテル10.0gと4-(クロロフォルミル)-フタル 無水物10.5gを加え、5分間攪拌し、当量混合 3を調製した。

 《ジアミン化合物とカルボニル化合物の当 混合物4の調製》
 300mlのフラスコに100mlのアセトンを加え、-20 ℃に温調したあと、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ メチルアニリン)12.7gと4,4’-メチレンビス(2,6- ジエチルフェニルイソシアナート)18.1gを加え 、5分間攪拌し、当量混合物4を調製した。

 《ジアミン化合物とチオカルボニル化合物 当量混合物5の調製》
 300mlのフラスコに100mlのアセトンを加え、-30 ℃に温調したあと、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ -t-ブチルアニリン)23.7gと4,4’-ジフェニルメ ンジイソチオシアナート14.1gを加え、5分間 拌し、当量混合物5を調製した。

 《当量混合物を塗布した基板の作製》
 前記ジイソシアネート化合物とジアミン化 物の当量混合物1~5を、蒸着によりアルミニ ム電極を施した厚さ25μmのポリイミド基板 アルミニウム電極上に、乾燥圧膜5μmの厚さ なるように塗布した。これらジアミン化合 とカルボニル化合物の当量混合塗布膜を、 当量混合物を調製した温度にそれぞれ保ち がら5kPaで30分減圧乾燥し、基板上に形成さ た当量混合膜1~5を得た。

 《分極処理膜の作製》
 熱重合と分極処理を同時進行させるべく前 当量混合膜1~5を、表1及び2に記載の熱重合 熱温度までそれぞれ5℃/分の割合で昇温し、 表1及び2に記載の時間停滞した後、自然冷却 、25℃にした。この間、高圧電源装置 HARb-2 0R60(松定プレシジョン(株)製)と針状電極を用 、表1及び2に記載の分極処理印加電界で放 分極処理を行い、その後得られた膜の有機 電体側の表面に蒸着によりアルミニウム電 を施し、順に有機圧電体膜1~5を得た。

 また有機圧電体膜6~15の作製においては、 表1及び2の条件の下、《ジアミン化合物とカ ボニル化合物の当量混合物の調製》、《当 混合物を塗布した基板の作製》、《分極処 膜の作製》と同様に作製した。

 《比較例1の作製》
 真空処理室内に前述のポリイミド基板を取 付け、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルアニ ン)と4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルフェニ ルイソシアナート)の蒸着重合を行い、5μm(500 00Å)の膜厚まで蒸着させた。このときの条件 は、ジアミン化合物は、100±3℃、カルボニル 化合物は70±3℃、基板温度は25℃、蒸着処理 内は1.0×10- 3 Paであった。次にこの膜を取り出し、180℃で1 0分間、前述の高圧電源装置と針状電極を用 、1.0MV/mの電界中で放電分極処理を行い、そ 後得られた膜の有機圧電体側の表面に蒸着 よりアルミニウム電極を施し、比較膜1を得 た。

 また比較例2の作製においては、表1及び2 条件の下、《比較例1の作製》と同様に作製 した。

 《比較例3の作製》
 前記当量混合膜4を、150℃まで5℃/分の割合 昇温し、10分停滞した後、自然冷却し、25℃ にし、熱処理膜を得た。その後、再び150℃ま で5℃/分の割合で昇温し、10分停滞した後、 然冷却し、25℃にした。この間、前述の高圧 電源装置と針状電極を用い、1.0MV/mの電界中 放電分極処理を行い、その後得られた膜の 機圧電体側の表面に蒸着によりアルミニウ 電極を施し、比較膜3を得た。

 《作製した膜の評価》
 得られた有機圧電体膜1~15、比較膜1~3の評価 をRheolograph Solid(東洋精機社製)で圧電性を測 した。

 上記評価結果を比較例-1を100としたとき 相対値にて表1及び2に示す。

 表1及び2に示した結果から明らかなよう 、本発明に係る実施例では、圧電性が比較 に比べ優れていることが分かる。

 すなわち、上記の有機圧電体膜の形成方 も考慮に入れるならば、本発明の手段によ 、ジアミン化合物とカルボニル基又はチオ ルボニル基を2つ以上有する化合物を原料と して用いて形成される有機圧電体膜であって 、圧電性に優れ、かつ低コストで容易に形成 (製造)できる有機圧電体膜及びその形成方法 提供することができることが分かる。

 実施例2
(超音波探触子の作製と評価)
 〈送信用圧電材料の作製〉
 成分原料であるCaCO 3 、La 2 O 3 、Bi 2 O 3 とTiO 2 、及び副成分原料であるMnOを準備し、成分原 料については、成分の最終組成が(Ca 0.97 La 0.03 )Bi 4.01 Ti 4 O 15 となるように秤量した。次に、純水を添加し 、純水中でジルコニア製メディアを入れたボ ールミルにて8時間混合し、十分に乾燥を行 、混合粉体を得た。得られた混合粉体を、 成形し、空気中、800℃で2時間仮焼を行い仮 物を作製した。次に、得られた仮焼物に純 を添加し、純水中でジルコニア製メディア 入れたボールミルにて微粉砕を行い、乾燥 ることにより圧電セラミックス原料粉末を 製した。微粉砕においては、微粉砕を行う 間および粉砕条件を変えることにより、そ ぞれ粒子径100nmの圧電セラミックス原料粉 を得た。それぞれ粒子径の異なる各圧電セ ミックス原料粉末にバインダーとして純水 6質量%添加し、プレス成形して、厚み100μmの 板状仮成形体とし、この板状仮成形体を真空 パックした後、235MPaの圧力でプレスにより成 形した。次に、上記の成形体を焼成した。最 終焼結体の厚さは20μmの焼結体を得た。なお 焼成温度は、それぞれ1100℃であった。1.5×E c(MV/m)以上の電界を1分間印加して分極処理を した。

 〈受信用積層振動子の作製〉
 前記実施例1において作製した有機圧電体膜 1と厚さ50μmのポリエステルフィルムをエポキ シ系接着剤にて貼り合わせた積層振動子を作 製した。その後、上記と同様に分極処理をし た。

 次に、常法に従って、上記の送信用圧電 料の上に受信用積層振動子を積層し、かつ ッキング層と音響整合層を設置し超音波探 子を試作した。

 なお、比較例として、上記受信用積層振 子の代わりに、比較化例-1の有機圧電体膜 みを用いた受信用積層振動子を上記受信用 層振動子に積層した以外、上記超音波探触 と同様の探触子を作製した。

 次いで、上記2種の超音波探触子について 受信感度と絶縁破壊強度の測定をして評価し た。

 なお、受信感度については、5MHzの基本周波 数f 1 を発信させ、受信2次高調波f 2 として10MHz、3次高調波として15MHz、4次高調波 として20MHzの受信相対感度を求めた。受信相 感度は、ソノーラメディカルシステム社(Son ora Medical System,Inc:2021Miller Drive Longmont,Colorad o(0501 USA))の音響強度測定システムModel805(1~50M Hz)を使用した。

 絶縁破壊強度の測定は、負荷電力Pを5倍 して、10時間試験した後、負荷電力を基準に 戻して、相対受信感度を評価した。感度の低 下が負荷試験前の1%以内のときを良、1%を超 10%未満を可、10%以上を不良として評価した

 上記評価において、本発明に係る受信用 電(体)積層振動子を具備した探触子は、比 例に対して約1.2倍の相対受信感度を有して り、かつ絶縁破壊強度は良好であることを 認した。すなわち、本発明の超音波受信用 動子は、図1に示したような超音波医用画像 断装置に用いる探触子にも好適に使用でき ことが確認された。