Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ORGANIC PLATINUM COMPLEX AND METHOD FOR PRODUCING PLATINUM-CONTAINING THIN FILM BY CHEMICAL VAPOR DEPOSITION USING THE PLATINUM COMPLEX
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011425
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an organic platinum complex which is a novel platinum complex represented by the general formula (1) below. This organic platinum complex has a low melting point, while exhibiting excellent stability against moisture, air and heat. This organic platinum complex is suitable for production of a platinum-containing thin film by a CVD method. (1) (In the formula, X and Y independently represent a linear or branched alkyl group having 1-8 carbon atoms, which may be substituted by an alkoxy group; Z represents a hydrogen atom or a linear or branched alkyl group having 1-4 carbon atoms; and L represents an alkoxyalkenyl group (a linear or branched alkenyl group substituted by an alkoxy group).)

Inventors:
KADOTA, Takumi (1978-96, Oaza Kogushi, Ube-sh, Yamaguchi 33, 7558633, JP)
角田 巧 (〒33 山口県宇部市大字小串1978番地の96 宇部興産株式会社内 Yamaguchi, 7558633, JP)
HASEGAWA, Chihiro (1978-96, Oaza Kogushi, Ube-sh, Yamaguchi 33, 7558633, JP)
Application Number:
JP2008/063035
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 18, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
UBE INDUSTRIES, LTD. (1978-96, Oaza Kogushi Ube-sh, Yamaguchi 33, 7558633, JP)
宇部興産株式会社 (〒33 山口県宇部市大字小串1978番地の96 Yamaguchi, 7558633, JP)
KADOTA, Takumi (1978-96, Oaza Kogushi, Ube-sh, Yamaguchi 33, 7558633, JP)
角田 巧 (〒33 山口県宇部市大字小串1978番地の96 宇部興産株式会社内 Yamaguchi, 7558633, JP)
International Classes:
C07F15/00; C07C49/92; C23C16/18
Attorney, Agent or Firm:
ITO, Katsuhiro et al. (7F TS Bldg, 3-10-9 Nihombashi-Kayabach, Chuo-ku Tokyo 25, 1030025, JP)
Download PDF:
Claims:
 一般式(1)
(式中、X及びYは、それぞれ独立に、アルコキシ基で置換されていても良い炭素数1~8の直鎖又は分枝状のアルキル基を示し、
 Zは、水素原子、あるいは炭素数1~4の直鎖又は分枝状のアルキル基を示し、
 Lは、アルコキシアルケニル基(アルコキシ基で置換された直鎖又は分枝状のアルケニル基)を示す。)
で示される有機白金錯体。
 L中のアルコキシ基の炭素数が1~4である請求項1記載の有機白金錯体。
 L中のアルケニル基の炭素数が4~10である請求項1記載の有機白金錯体。
 請求項1記載の有機白金錯体を用いた、化学気相蒸着法による白金含有薄膜の製造法。
 有機白金錯体又は有機白金錯体の溶媒溶液を白金供給源として用いる請求項4記載の白金含有薄膜の製造法。
 さらに水素源を用いる請求項5記載の白金含有薄膜の製造法。
 水素源が水素ガスである請求項6記載の白金含有薄膜の製造法。
 さらに酸素源を用いる請求項5記載の白金含有薄膜の製造法。
 酸素源が酸素ガスである請求項8記載の白金含有薄膜の製造法。
 使用する溶媒が、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類及びエーテル類からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒である請求項5記載の白金含有薄膜の製造法。
Description:
有機白金錯体及び当該白金錯体 用いた化学気相蒸着法による白金含有薄膜 製造法

 本発明は、新規な有機白金錯体、及び当 白金錯体を用いた化学気相蒸着法(Chemical Va por Deposition法;以下、CVD法と称する)による白 含有薄膜の製造法に関する。

 近年、DRAM、FeRAM等のメモリデバイスの薄 電極材料として、電気特性が優れている白 含有薄膜、好ましくは金属白金薄膜の使用 検討されている。これらの白金含有薄膜の 造法としては、例えば、均一な薄膜を製造 易いCVD法による成膜が最も盛んに採用され おり、それに適した原料化合物が求められ いる。

 ところで、CVD法による薄膜形成において 用される白金錯体としては、例えば、β-ジ トナト白金錯体やアルキル白金錯体が開示 れている(例えば、非特許文献1、特許文献1 照)。しかしながら、例えば、β-ジケトナト 配位子のみからなる白金錯体は一般的に高融 点であり、またアルキル白金錯体は化学的、 熱的に不安定であって、これまで提案されて きた白金錯体は必ずしも物性的に満足出来る ものではなかった。

 又、非特許文献2には、メトキシ基で置換さ れたシクロオクテニル基を配位子とするβ-ジ ケトナト白金錯体が開示されているが、CVD法 による白金含有薄膜の製造に関する記述は全 くない。又、記載されている白金錯体は、室 温で固体のため、CVD法での使用には問題が懸 念される。

特開2004-203744号公報 J.Am.Chem.Soc.,111(24),8779(1989) Synth.React.Inorg.Met.-Org.Chem.,16(2),213(1986)

 本発明の課題は、即ち、上記問題点を解 し、低融点を有し、且つ水分、空気及び熱 対しての安定性に優れるとともに、CVD法に る白金含有薄膜、特には金属白金薄膜の製 に適した新規白金錯体を提供することにあ 。本発明の課題は、又、当該白金錯体を用 た、CVD法による白金含有薄膜の製造法、特 は金属白金薄膜の製造法を提供することに ある。

 本発明は以下の事項に関する。

 1. 一般式(1)

(式中、X及びYは、それぞれ独立に、アルコキ シ基で置換されていても良い炭素数1~8の直鎖 又は分枝状のアルキル基を示し、
 Zは、水素原子、あるいは炭素数1~4の直鎖又 は分枝状のアルキル基を示し、
 Lは、アルコキシアルケニル基(アルコキシ で置換された直鎖又は分枝状のアルケニル )を示す。)
で示される有機白金錯体。

 2. L中のアルコキシ基の炭素数が1~4であ 上記1記載の有機白金錯体。

 3. L中のアルケニル基の炭素数が4~10であ 上記1記載の有機白金錯体。

 4. 上記1記載の有機白金錯体を用いた、 学気相蒸着法による白金含有薄膜の製造法

 5. 有機白金錯体又は有機白金錯体の溶媒 溶液を白金供給源として用いる上記4記載の 金含有薄膜の製造法。

 6. さらに水素源を用いる上記5記載の白 含有薄膜の製造法。

 7. 水素源が水素ガスである上記6記載の 金含有薄膜の製造法。

 8. さらに酸素源を用いる上記5記載の白 含有薄膜の製造法。

 9. 酸素源が酸素ガスである上記8記載の 金含有薄膜の製造法。

 10. 使用する溶媒が、脂肪族炭化水素類 芳香族炭化水素類及びエーテル類からなる より選ばれる少なくとも1種の溶媒である上 5記載の白金含有薄膜の製造法。

 本発明の前記一般式(1)で示される有機白 錯体は、融点が低く、水分、空気及び熱に しての安定性にも優れており、CVD法による 金含有薄膜の製造に適している。更に、こ 有機白金錯体を白金供給源として用いるこ により、実質的に酸素原子を含まない金属 金膜をCVD法で製造することができる。

蒸着装置の構成を示す図である。

符号の説明

1A  マスフローコントローラー
1B  マスフローコントローラー
2   ストップバルブ
3   気化器
4   反応器
5   圧力計
6   バルブ
7   トラップ
10A 予熱器
10B 気化器ヒーター
10C 反応器ヒーター
20  原料有機白金錯体融液
21  基板

 前記の一般式(1)において、X及びYは、そ ぞれ独立に、アルコキシ基で置換されてい も良い炭素数1~8の直鎖又は分枝状のアルキ 基を示す。X及びYとしては、アルコキシ基で 置換されていても良い炭素数1~6のアルキル基 が好ましく、アルコキシ基で置換されていて も良い炭素数1~3のアルキル基が特に好ましい 。置換基であるアルコキシ基としては、炭素 数1~3のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基 、エトキシ基がより好ましく、メトキシ基が 特に好ましい。

 X及びYとしては、例えば、メチル基、エ ル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ ル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチ 基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基 1-メトキシエチル基、1-エトキシエチル基等 挙げられるが、好ましくはメチル基、エチ 基、n-プロピル基、イソプロピル基、1-メト キシエチル基であり、特に好ましくはメチル 基である。また、Xがイソプロピル基であり Yが1-メトキシエチル基であることも特に好 しい。

 Zは、水素原子、あるいは炭素数1~4の直鎖 又は分枝状のアルキル基を示す。

 Zとしては、例えば、水素原子、メチル基 、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基 n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基等が 挙げられるが、好ましくは水素原子、メチル 基、エチル基であり、特に好ましくは水素原 子である。

 β-ジケトナト配位子としては、X及びYが チル基であり、Zが水素原子であるもの、ま はXがイソプロピル基であり、Yが1-メトキシ エチル基であり、Zが水素原子であるものが に好ましく、X及びYがメチル基であり、Zが 素原子であるものが更に好ましい。

 又、Lは、アルコキシアルケニル基、即ち 、アルコキシ基で置換された直鎖又は分枝状 のアルケニル基を示す。後述する式で示され るように、アルケニル基の炭素-炭素二重結 は、通常はPtに配位結合していると考えられ る。

 L中のアルコキシ基としては、炭素数1~4の ものが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、 イソプロポキシ基がより好ましく、メトキシ 基、エトキシ基が特に好ましい。

 L中のアルケニル基としては、炭素数4~10 ものが好ましく、炭素数4~6のものがより好 しく、炭素数6のもの(ヘキセニル基)が特に ましい。

 アルコキシ基の置換位置は、特に限定さ ないが、Ptに結合する炭素原子を1位とした きに、2位であることが好ましい。なお、ア ルケニル基が分枝状である場合も、アルコキ シ基の置換位置は特に限定されず、いずれの 炭素原子にアルコキシ基が結合していてもよ い。

 Lとしては、下記一般式(1-1)~(1-3)で示され ものが好ましく、中でも、下記一般式(1-1) 示されるものが特に好ましい。

(式中、ORは、炭素数1~4のアルコキシ基を示し 、
 Raは、炭素数2~4の直鎖アルケニル基を示し
 Rbは、メチル基又はエチル基を示す。)

 Lとしては、例えば、2-メトキシ-5-ヘキセ ル基、2-メトキシ-4-ペンテニル基、2-メトキ シ-3-ブテニル基、2-エトキシ-5-ヘキセニル基 2-エトキシ-4-ペンテニル基、2-エトキシ-3-ブ テニル基、2-ブトキシ-5-ヘキセニル基、2-ブ キシ-4-ペンテニル基、2-ブトキシ-3-ブテニル 基、1-メチル-2-メトキシ-3-ペンテニル基、1- チル-2-エトキシ-3-ペンテニル基、2-イソプロ ポキシ-5-ヘキセニル基、2-イソプロポキシ-4- ンテニル基、2-イソプロポキシ-3-ブテニル 、1-メトキシメチル-4-ペンテニル基、1-エト シメチル-4-ペンテニル基等が挙げられるが 好ましくは2-メトキシ-5-ヘキセニル基、2-メ トキシ-4-ペンテニル基、2-エトキシ-5-ヘキセ ル基、2-エトキシ-4-ペンテニル基、2-イソプ ロポキシ-5-ヘキセニル基、2-イソプロポキシ- 4-ペンテニル基、1-エトキシメチル-4-ペンテ ル基であり、特に好ましくは2-メトキシ-5-ヘ キセニル基、2-エトキシ-5-ヘキセニル基、2- ソプロポキシ-5-ヘキセニル基、1-エトキシメ チル-4-ペンテニル基であり、更に好ましくは 2-メトキシ-5-ヘキセニル基、2-エトキシ-5-ヘ セニル基、1-エトキシメチル-4-ペンテニル基 である。

 本発明の一般式(1)の有機白金錯体の具体 な化合物の例としては、下記式(2)~(33)に示 れる。

 中でも、CVD用原料化合物としては、上記 (2)~(5)、(22)~(25)、(26)~(27)で示される有機白金 錯体が好ましく、上記式(2)~(4)、(26)~(27)で示 れる有機白金錯体がより好ましく、上記式(2 )~(3)、(26)~(27)で示される有機白金錯体が特に ましい。

 本発明の前記一般式(1)で示される有機白 錯体は、例えば、水または有機溶媒中で、 ロゲン化白金酸、例えばヘキサクロロ白金 などの白金化合物と、配位子(配位子L中の ルケニル基)となるジエン化合物とを反応さ て、ジエン配位子を1個有する白金錯体(ジ ン錯体)を合成した後、これを単離し、次い 、有機溶媒中で、得られたジエン錯体と、 位子L中のアルコキシ基となるアルコキシ基 を含む金属アルコキシドと、配位子となるβ- ジケトン化合物とを反応させて、本発明の有 機白金錯体を合成した後、これを単離するこ とにより得ることができる。また、本発明の 有機白金錯体は、水または水-有機溶媒混合 媒中で、ハロゲン化白金酸塩、例えばテト クロロ白金(II)酸カリウムなどの白金化合物 、配位子(配位子L中のアルケニル基)となる エン化合物とを反応させた後、溶媒を除去 、次いで、これに有機溶媒を加え、配位子L 中のアルコキシ基となるアルコキシ基を含む 金属アルコキシドを加えて反応させ、その後 、配位子となるβ-ジケトン化合物を加えて反 応させて、本発明の有機白金錯体を合成した 後、これを単離することによっても得ること ができる。

 本発明のCVD法においては、薄膜形成のた に有機白金錯体を気化させる必要があるが 本発明の有機白金錯体を気化させる方法と ては、例えば、有機白金錯体自体を気化室 充填又は搬送して気化させる方法だけでな 、有機白金錯体を適当な溶媒(例えば、ヘキ サン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロ ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類; ルエン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロ ラン、ジブチルエーテル等のエーテル類等 挙げられる。)に希釈した溶液を液体搬送用 ポンプで気化室に導入して気化させる方法( 液法)も使用出来る。

 基板上への金属の蒸着方法としては、公 のCVD法で行うことが出来、例えば、常圧又 減圧下にて、当該有機白金錯体を水素源(例 えば、水素ガス等の還元性ガスやアルコール 類)や酸素源(例えば酸素ガス)、又は不活性ガ スとともに加熱した基板上に送り込んで白金 含有薄膜を蒸着させる方法が使用出来る。又 、プラズマCVD法で白金含有薄膜を蒸着させる 方法も使用出来る。なお、水素等の水素源と なるガスや、酸素等の酸素源となるガスは、 不活性ガスで希釈されていても良い。

 当該有機白金錯体と、水素源、酸素源又 不活性ガスを用いて白金含有薄膜を蒸着さ る際、反応系内の圧力は、好ましくは1Pa~200 kPa、更に好ましくは10Pa~110kPaであり、成膜対 物の温度(基板温度)は、好ましくは50~500℃ 更に好ましくは100~400℃である。又、水素ガ 又は酸素ガスにより金属薄膜を蒸着させる の全ガス量に対する水素ガス又は酸素ガス 含有割合は、好ましくは0.01~95容量%、更に ましくは0.1~90容量%である。

 次に、実施例を挙げて本発明を具体的に 明するが、本発明の範囲はこれらに限定さ るものではない。

参考例1〔ジクロロ(1,5-ヘキサジエン)白金(II) 合成〕
 攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内 積100mlのフラスコに、ヘキサクロロ白金酸 水和物3.97g(7.66mmol)を入れ、減圧下、65℃で1 間乾燥した。その後、室温まで冷却した後 酢酸18mlを加えた。次いで、65℃まで加熱し 1,5-ヘキサジエン4.15g(50.5mmol)を滴下し、攪拌 ながら同温度で10時間反応させた。反応終 後、反応液を室温まで冷却し、塩化メチレ 35ml及び水50mlを加え、有機層を分液した後に 濃縮した。得られた濃縮液にヘキサン100mlを えて白色固体を沈殿させた。濾過後、濾物 ヘキサンで洗浄し、室温にて減圧下で乾燥 せ、白色固体として、ジクロロ(1,5-ヘキサ エン)白金(II)2.12gを得た(単離収率;80%)。

 なお、ジクロロ(1,5-ヘキサジエン)白金(II) は、物性値は以下の通りであった。

 IR(neat(cm -1 ));3070、3016、2964、2941、1511、1457、1425、1402、1 306、1115、1009、941、862、776、595、508
  1 H-NMR(CDCl 3 ,δ(ppm));2.29~2.41(2H,m)、2.68-2.80(2H,m)、4.04~4.28(2H,m )、4.50-5.24(2H,m)、5.67~5.78(2H,m)
 MS(m/e);348、312、274、233、67、41

実施例1〔(アセチルアセトナト)(2-メトキシ-5- ヘキセニル)白金(II)(式(2)の化合物;以下、[Pt(a cac)(moh)]と称する)の合成、出発原料;ジクロロ (1,5-ヘキサジエン)白金(II)〕
 攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内 積100mlのフラスコに、28%ナトリウムメトキ ドメタノール溶液3.53g(18.3mmol)を加え、水冷 、ジクロロ(1,5-ヘキサジエン)白金(II)1.56g(4.49 mmol)を塩化メチレン15mlに溶解させた溶液を滴 下した。次いで、アセチルアセトン2.10g(21.0mm ol)を加え、攪拌しながら同温度で1時間反応 せた。反応終了後、反応液から有機層を分 し、水で洗浄した後に、無水硫酸ナトリウ で乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮した後 濃縮物を減圧下で蒸留(140℃、47Pa)し、淡黄 粘性液体として、(アセチルアセトナト)(2-メ トキシ-5-ヘキセニル)白金(II)1.70gを得た(単離 率;93%)。この淡黄色粘性液体は、時間経過 ともに白色固体(融点;88~91℃)となった。

 なお、(アセチルアセトナト)(2-メトキシ-5 -ヘキセニル)白金(II)は、以下の物性値で示さ れる新規な化合物である。

 IR(neat(cm -1 ));2928、2874、2820、1584、1515、1386、1263、1134、1 080、949、903、775、618、451
(β-ジケトン特有のピーク(1622cm -1 )が消失し、β-ジケトナト特有のピーク(1584cm -1 )が観察された)
 元素分析(C 12 H 20 O 3 Pt);炭素:35.5%、水素:4.98%、白金:47.9%
(理論値;炭素:35.38%、水素:4.95%、白金:47.89%)
 MS(m/e);407、375、307、275、235、43

実施例2-1〔(アセチルアセトナト)(2-エトキシ- 5-ヘキセニル)白金(II)(式(3)の化合物;以下、[Pt (acac)(eoh)]と称する)の合成、出発原料;ジクロ (1,5-ヘキサジエン)白金(II)〕
 攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内 積100mlのフラスコに、ナトリウムエトキシ 3.53g(18.3mmol)及びエタノール8mlを加え、水冷 、ジクロロ(1,5-ヘキサジエン)白金(II)1.62g(4.66 mmol)を塩化メチレン12mlに溶解させた溶液を滴 下した。次いで、アセチルアセトン3.00g(30.0mm ol)を加え、攪拌しながら同温度で1時間反応 せた。反応終了後、反応液から有機層を分 し、水で洗浄した後に、無水硫酸ナトリウ で乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮した後 濃縮物を減圧下で蒸留(140℃、33Pa)し、淡黄 粘性液体として、(アセチルアセトナト)(2-エ トキシ-5-ヘキセニル)白金(II)1.71gを得た(単離 率;87%)。

 なお、(アセチルアセトナト)(2-エトキシ-5 -ヘキセニル)白金(II)は、以下の物性値で示さ れる新規な化合物である。

 IR(neat(cm -1 ));2971、2926、1583、1516、1389、1265、1083、780、61 4、447
(β-ジケトン特有のピーク(1622cm -1 )が消失し、β-ジケトナト特有のピーク(1583cm -1 )が観察された)
 元素分析(C 13 H 22 O 3 Pt);炭素:37.1%、水素:5.30%、白金:46.3%
(理論値;炭素:37.05%、水素:5.26%、白金:46.29%)
 MS(m/e);421、376、321、276、235、43

実施例2-2〔(アセチルアセトナト)(2-エトキシ- 5-ヘキセニル)白金(II)(式(3)の化合物;以下、[Pt (acac)(eoh)]と称する)の合成、出発原料;テトラ ロロ白金(II)酸カリウム〕
 攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内 積100mlのフラスコに、テトラクロロ白金(II) カリウム5.55g(13.4mmol)を入れ、それに水20ml及 び酢酸10mlを加え、更に1,5-ヘキサジエン11.7g(1 43mmol)を加えて、60℃で6時間攪拌した。得ら た懸濁液を室温下で一晩放置した後、懸濁 を濃縮して淡黄色固体を得た。得られた固 にエタノール25mlを加えて、攪拌しながら10 で20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液13 .65g(59.3mmol)を滴下した。滴下後、10℃で2時間 拌して淡黄色の懸濁液を得た。得られた懸 液にアセチルアセトン5.35g(53.4mmol)を滴下し 攪拌しながら同温度で1時間反応させた。反 応終了後、反応液を濃縮して黄色のスラリー を得た。そのスラリーにメチルシクロヘキサ ン及び水を添加した後、有機層を分液し、水 で洗浄した後に無水硫酸ナトリウムで乾燥さ せた。濾過後、濾液を濃縮し、濃縮物を減圧 下で蒸留(140℃、11Pa)し、淡黄色粘性液体とし て、(アセチルアセトナト)(2-エトキシ-5-ヘキ ニル)白金(II)4.65gを得た(単離収率;82%)。

実施例3~6(蒸着実験;金属白金薄膜の製造)
 実施例1及び2-1で得られた有機白金錯体([Pt(a cac)(moh)]及び[Pt(acac)(eoh)])を用いて、CVD法によ 蒸着実験を行い、成膜特性を評価した。

 評価試験には、図1に示す装置を使用した 。気化器3(ガラス製アンプル)にある有機白金 錯体20は、ヒーター10Bで加熱されて気化し、 スフローコントローラー1Aを経て予熱器10A 予熱後導入されたヘリウムガスに同伴し気 器3を出る。気化器3を出たガスは、マスフロ ーコントローラー1B、ストップバルブ2を経て 導入された水素ガスあるいは酸素ガスととも に反応器4に導入される。反応系内圧力は真 ポンプ手前のバルブ6の開閉により、所定圧 にコントロールされ、圧力計5によってモニ ターされる。ガラス製反応器の中央部はヒー ター10Cで加熱可能な構造となっている。反応 器に導入された白金錯体は、反応器内中央部 にセットされ、ヒーター10Cで所定の温度に加 熱された被蒸着基板21の表面上で反応し、基 21上に金属白金薄膜が析出する。反応器4を たガスは、トラップ7、真空ポンプを経て、 大気中に排気される構造となっている。

 蒸着条件及び蒸着結果(膜特性)を表1に示 。なお、被蒸着基板としては、7mm×20mmサイ の矩形のものを使用した。

 該結果より、当該有機白金錯体([Pt(acac)(mo h)]及び[Pt(acac)(eoh)])が、低温で優れた成膜特 を有することが分かる。

 本発明によれば、低融点を有し、且つ水 、空気及び熱に対しての安定性に優れると もに、CVD法による白金含有薄膜の製造に適 た新規有機白金錯体、及び当該有機白金錯 を用いたCVD法による金属白金含有薄膜の製 法を提供することができる。