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Patent Searching and Data


Title:
ORGANIC THIN FILM TRANSISTOR AND METHOD FOR MANUFACTURING ORGANIC THIN FILM TRANSISTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/084736
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an organic thin film transistor having good thin film transistor characteristics, which can be manufactured by a solution process having high manufacturing efficiency. Also disclosed is a method for manufacturing such an organic thin film transistor.

Inventors:
OKUBO YASUSHI (JP)
HONDA MAKOTO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/075264
Publication Date:
July 17, 2008
Filing Date:
December 28, 2007
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA HOLDINGS INC (JP)
OKUBO YASUSHI (JP)
HONDA MAKOTO (JP)
International Classes:
H01L21/336; H01L21/288; H01L29/786; H01L51/05; H01L51/40
Foreign References:
JP2006133762A2006-05-25
JPH07106331A1995-04-21
JP2005150710A2005-06-09
JP2004158805A2004-06-03
JP2006128691A2006-05-18
JP2006352073A2006-12-28
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Claims:
基体上に、少なくともゲート電極パターン、ゲート絶縁層、ソース電極パターン、ドレイン電極パターン及び有機半導体材料を含有する半導体層と、を有する有機薄膜トランジスタにおいて、
 該ゲート電極パターン、該ソース電極パターン、該ドレイン電極パターンの少なくとも一つが、銀塩粒子をバインダー樹脂中に分散させた感光層に対し、露光処理工程、現像処理工程、ついでメッキ処理工程を経て形成されていることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
前記基体上に、ゲート電極パターン、ゲート絶縁層、有機半導体材料を含有する半導体層が、この順で積層されており、該ゲート絶縁層と該半導体層との間に、ソース電極パターン及びゲート電極パターンを有するボトムコンタクト構成を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
前記感光層を露光・現像・メッキ処理を行うことによって形成される電極パターンが、ソース電極パターン及びドレイン電極パターンであることを特徴とする請求の範囲第1項または請求の範囲第2項に記載の有機薄膜トランジスタ。
前記感光層を露光・現像・メッキ処理を行うことによって形成される電極パターンが、ゲート電極パターンであることを特徴とする請求の範囲第1項または請求の範囲第2項に記載の有機薄膜トランジスタ。
前記ゲート電極パターン、前記ソース電極パターン及び前記ドレイン電極パターンの少なくとも一つが、感光層に対して、露光処理工程、現像処理工程、メッキ処理工程を経た後、バインダー樹脂を除去して形成された電極パターンであることを特徴とする請求の範囲第1項~請求の範囲第4項のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
前記メッキ処理工程によって、電極パターンの最表層が金に変換されていることを特徴とする請求の範囲第1項~請求の範囲第5項のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
前記メッキ処理工程が無電解メッキにより行われたことを特徴とする請求の範囲第1項~請求の範囲第6項のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
前記有機半導体材料が、ペンタセン誘導体であることを特徴とする請求の範囲第1項~請求の範囲第7項のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
基体上に、少なくともゲート電極パターン、ゲート絶縁層、ソース電極パターン、ドレイン電極パターン及び有機半導体材料を含有する半導体層と、を有する有機薄膜トランジスタの製造方法において、
 該ゲート電極パターン、該ソース電極パターン、該ドレイン電極パターンのうちの少なくとも一つを、銀塩粒子をバインダー樹脂中に分散させた感光層を塗布によって形成し、該感光層に対して露光処理及び現像処理を経て金属銀パターンを形成する工程、該金属銀パターンに対してメッキ処理が行われる工程を有することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
前記金属銀パターンを形成する工程の後、感光層に含有されるバインダー樹脂を除去する工程を有することを特徴とする請求の範囲第9項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
前記現像処理時、物理現像処理を行うことを特徴とする請求の範囲第9項または請求の範囲第10項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
前記メッキ処理時、無電解メッキ処理を行うことを特徴とする請求の範囲第9項~請求の範囲第11項のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
前記半導体層を、塗布によって形成することを特徴とする請求の範囲第9項~請求の範囲第12項のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
Description:
有機薄膜トランジスタ及び有機 膜トランジスタの製造方法

 本発明は有機薄膜トランジスタ及び有機 膜トランジスタの製造方法に関する。

 情報端末の普及に伴い、コンピュータ用 ディスプレイとしてフラットパネルディス レイ(FPD)に対するニーズが高まっている。 た、情報化の進展に伴い、従来、紙媒体で 供されていた情報が電子化される機会が増 、薄くて軽い、手軽に持ち運びが可能なモ イル用表示媒体として、電子ペーパーある はデジタルペーパーへのニーズも高まりつ ある。

 一般に平板型のディスプレイ装置におい は、液晶、有機EL(有機エレクトロルミネッ ンス)、電気泳動等を利用した素子を用いて 表示媒体を形成している。

 また、こうした表示媒体では画面輝度の 一性や画面書き換え速度等を確保するため 、画像駆動方法としては薄膜トランジスタ 子(TFT素子)を用いるアクティブ駆動方法が 流になっている。例えば、通常のコンピュ タディスプレイではガラス基体上にこれら 膜トランジスタ素子を形成し、液晶、有機EL 素子等の画素部に印加する電圧または電流を 制御することによって、ディスプレイに所望 の画像を表示している。

 半導体層はゲート絶縁膜に接して形成さ 、またゲート絶縁膜の他方の面にはゲート 極が形成されている。このゲート電極に印 された電界に応じて半導体層の導電性を変 させることができるため、半導体層を挟ん 形成されているソース電極とドレイン電極 流れる電流を制御することができる。

 このため、ソース電極とドレイン電極の 離が一定でないと、有機半導体層に流れる 流値がばらつくこととなる。また、極端に ース電極とドレイン電極の距離が短い部位 あると、電流の集中が起きて半導体層が破 されてしまうこともあるため、ソース電極 パターンとドレイン電極のパターンは、正 に描画される必要がある。

 また、ゲート電極についても、電極パタ ンがばらつくと、隣の素子の電流量に影響 与えたりすることがあるため、正確にゲー 電極パターンが描画される必要がある。

 このようにトランジスタにおいては、ゲ ト電極、ソース電極、ドレイン電極は正確 パターンで形成される必要がある。

 これらのトランジスタの構成要素を形成 る材料としては、電極には各種の金属が、 縁層には各種の金属酸化物が、また半導体 には主にa-Si(アモルファスシリコン)、p-Si( リシリコン)等の半導体が、一般的に用いら ている。

 これらのSi半導体、絶縁体、および金属 らなる層の形成には、通常スパッタリング プラズマCVDその他の真空系の製造プロセス 必要とされる。

 しかしながら、これらの手法では直接パ ーンを有する層を形成することができない め、全面に層を形成した後、フォトリソグ フィーのような多数の工程を要するプロセ によってパターンを形成する。

 このような、層形成とパターニングの工 を繰り返して各層を形成することによって TFT素子は製造されている。

 このため、こうした従来のTFT素子の製造 法では装置コスト、ランニングコストが非 に膨大なものとなっている。さらに、ディ プレイ画面の大型化、高精細化のニーズに 応するには、真空チャンバーのサイズやマ クパターンの変更など、製造装置の大幅な 計変更が必要とされ、製造コストの低減は 常に困難である。

 また、このような従来からのSi材料を用 たTFT素子の形成には高い温度の工程が含ま るため、基体材料には工程温度に耐える材 であるという制限が加わることになる。こ ため実際上はガラスを用いざるをえず、先 述べた電子ペーパーあるいはデジタルペー ーといった薄型ディスプレイを、こうした 来知られたTFT素子を利用して構成した場合 そのディスプレイは重く、柔軟性に欠け、 下の衝撃で割れる可能性のある製品になり すいという問題点があった。

 ガラス基体上にSi系TFT素子を形成するこ に起因するこれらの特徴は、情報化の進展 伴う手軽な携行用薄型ディスプレイへのニ ズを満たすにあたり望ましくないものであ 。

 そこで近年、プラスチックフィルム上に 成することが可能な、有機材料を半導体層 用いた、有機薄膜トランジスタ素子の検討 盛んになってきている。このような有機半 体材料としては、ペンタセンやテトラセン いったアセン類、またこれらに置換基を導 した化合物、フタロシアニンやポルフィリ 類、およびこれらの前駆体、ペリレンやそ テトラカルボン酸誘導体といった低分子化 物や、α-チエニールもしくはセクシチオフ ンと呼ばれるチオフェン6量体を代表例とす る芳香族オリゴマー、ナフタレン、アントラ センに5員の芳香族複素環が対称に縮合した 合物、モノ、オリゴ及びポリジチエノピリ ン、更にはポリチオフェン、ポリチエニレ ビニレン、ポリ-p-フェニレンビニレンとい た共役高分子などが挙げられる。

 これらのような有機材料が半導体層であ デバイスを実現できれば、低温での真空な し低圧蒸着による製造ができると考えられ 。このような低温プロセスによる製造は、 明樹脂基体上へのTFT素子の形成を可能とし ディスプレイを従来のものよりも軽く、柔 性に富み、落としても割れない(もしくは非 常に割れにくい)ディスプレイとすることが きると考えられる。

 更に、これらの有機半導体材料の分子構 を適切に改良することによって溶剤に可溶 することができれば、インクジェット法ま は印刷法などといった簡便な溶液プロセス よってパターニングが可能となり、フォト ソグラフに伴う露光・現像・洗浄等の多数 工程を削減することができ、簡便な工程で ィスプレイを製造できることが期待される

 一方で、トランジスタを構成するゲート 極、ソース電極、ドレイン電極のパターン 形成については、いまだマスクを介した蒸 によるパターン形成や、全面に蒸着した後 フォトリソグラフによってパターンを形成 る方法が主流であり、大気圧下において簡 な手法で、導電性の高い金属からなる電極 ターンを形成できる方法についてはいまだ 数の報告しかない。

 例えば、ポリエチレンジオキシチオフェ (PEDOT)からなる導電性高分子を、溶液プロセ スで形成するといった手法も知られているが 、これら導電性高分子からなる電極は、金属 からなる電極に比して導電性が低く、実用的 でない。

 銀塩を還元することによって得られた銀 粒子を印刷し、熱処理を行うことによって 極パターンが得られるといった方法が開示 れている(例えば、特許文献1参照。)が、こ ら金属微粒子から形成した電極パターンは 粒子間の接触抵抗が高いために導電性が不 分であり、実用的な導電性を得るためには 熱が必要であるが、必要な温度は高温かつ 時間であり、汎用のプラスチック上に効率 く形成することは困難であった。

 また、微粒子を用いるプロセスは、経時 目詰まり等のトラブルを起こしやすく、生 上の課題を有している。

 無電解メッキによって電極パターンを形 するといった方法が開示されている(例えば 、特許文献2及び3参照。)が、いずれもパター ン形成にはレジストを使用しており、パター ニング工程が複雑かつ膨大であるといった課 題を有していた。

 無電解メッキの核となる触媒を含有する 溶液をスクリーン印刷により塗布した後、 電解メッキを行って電極パターンとすると った方法(例えば、特許文献4参照。)が、ま 、金属前駆体を含有する溶液を機材に塗布 た後に露光・還元することによって電極パ ーンを形成するといった方法が開示されて る(例えば、特許文献5参照。)が、これらは ずれも低粘度の溶液から金属を析出させる 法であるため、電極パターンがにじんだり 線したりしやすく、ソース電極・ドレイン 極間に一定の巾を有するチャネル部を形成 ることが困難な手法であり、バラツキの少 い有機薄膜トランジスタを得ることは困難 あった。

 このように、真空プロセスが不要で、多数 工程を必要とするフォトレジストを用いな 簡便なプロセスであって、しかも正確に電 パターンを形成することが可能な方法は、 まだ知られていない。

特開2006-104576号公報

特開2005-146400号公報

特開2005-12012号公報

特開2004-158805号公報

特開2006-128691号公報

 本発明の目的は、薄膜トランジスタ特性 良好で、更に、生産効率が高い溶液プロセ によって製造することのできる有機薄膜ト ンジスタ、及びその製造方法を提供するこ である。

 本発明の上記目的は、下記の構成により 成された。

 1.基体上に、少なくともゲート電極パター 、ゲート絶縁層、ソース電極パターン、ド イン電極パターン及び有機半導体材料を含 する半導体層と、を有する有機薄膜トラン スタにおいて、
 該ゲート電極パターン、該ソース電極パタ ン、該ドレイン電極パターンの少なくとも つが、銀塩粒子をバインダー樹脂中に分散 せた感光層に対し、露光処理工程、現像処 工程、ついでメッキ処理工程を経て形成さ ていることを特徴とする有機薄膜トランジ タ。

 2.前記基体上に、ゲート電極パターン、 ート絶縁層、有機半導体材料を含有する半 体層が、この順で積層されており、該ゲー 絶縁層と該半導体層との間に、ソース電極 ターン及びドレイン電極パターンを有する トムコンタクト構成を有することを特徴と る前記1に記載の有機薄膜トランジスタ。

 3.前記感光層を露光・現像・メッキ処理 行うことによって形成される電極パターン 、ソース電極パターン及びドレイン電極パ ーンであることを特徴とする前記1または2に 記載の有機薄膜トランジスタ。

 4.前記感光層を露光・現像・メッキ処理 行うことによって形成される電極パターン 、ゲート電極パターンであることを特徴と る前記1または2に記載の有機薄膜トランジス タ。

 5.前記ゲート電極パターン、前記ソース 極パターン及び前記ドレイン電極パターン 少なくとも一つが、感光層に対して、露光 理工程、現像処理工程、メッキ処理工程を た後、バインダー樹脂を除去して形成され 電極パターンであることを特徴とする前記1~ 4のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジス 。

 6.前記メッキ処理工程によって、電極パ ーンの最表層が金に変換されていることを 徴とする前記1~5のいずれか1項に記載の有機 膜トランジスタ。

 7.前記メッキ処理工程が無電解メッキに り行われたことを特徴とする請求の範囲1~6 いずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ

 8.前記有機半導体材料が、ペンタセン誘 体であることを特徴とする前記1~7のいずれ 1項に記載の有機薄膜トランジスタ。

 9.基体上に、少なくともゲート電極パター 、ゲート絶縁層、ソース電極パターン、ド イン電極パターン及び有機半導体材料を含 する半導体層と、を有する有機薄膜トラン スタの製造方法において、
 該ゲート電極パターン、該ソース電極パタ ン、該ドレイン電極パターンのうちの少な とも一つを、銀塩粒子をバインダー樹脂中 分散させた感光層を塗布によって形成し、 感光層に対して露光処理及び現像処理を経 金属銀パターンを形成する工程、該金属銀 ターンに対してメッキ処理が行われる工程 有することを特徴とする有機薄膜トランジ タの製造方法。

 10.前記金属銀パターンを形成する工程の 、感光層に含有されるバインダー樹脂を除 する工程を有することを特徴とする前記9に 記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。

 11.前記現像処理時、物理現像処理を行う とを特徴とする前記9または10に記載の有機 膜トランジスタの製造方法。

 12.前記メッキ処理時、無電解メッキ処理 行うことを特徴とする前記9~11のいずれか1 に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法

 13.前記半導体層を、塗布によって形成す ことを特徴とする前記9~12のいずれか1項に 載の有機薄膜トランジスタの製造方法。

 本発明により、素子間のバラツキの少な 薄膜トランジスタ特性を有する有機薄膜ト ンジスタを得ることができる。また、真空 ロセスやフォトリソグラフ工程などを用い い、生産効率の高い有機薄膜トランジスタ 製造方法を提供することができた。

本発明に係る有機TFTの構成例を示す図 ある。 本発明に係る有機TFTの概略等価回路図 1例である。

符号の説明

 1 有機半導体層
 2 ソース電極
 3 ドレイン電極
 4 ゲート電極
 5 絶縁層
 6 支持体
 7 ゲートバスライン
 8 ソースバスライン
 10 有機薄膜トランジスタシート
 11 有機薄膜トランジスタ
 12 出力素子
 13 蓄積コンデンサ
 14 垂直駆動回路
 15 水平駆動回路

 本発明においては、請求の範囲第1項~請 の範囲第9項のいずれか1項に規定される構成 により、素子間のバラツキの少ない薄膜トラ ンジスタ特性を示す有機薄膜トランジスタを 得ることができた。

 また、真空プロセスやフォトリソグラフ 程などを用いない、生産効率の高い有機薄 トランジスタの製造方法を提供することが 来た。

 以下、本発明に係る各構成要素の詳細につ て説明する
 本発明においては、銀塩を含有するバイン ー層に対して露光・現像を行い、得られる 属銀パターンをメッキ処理によって導電性 ターンを形成する、といった従来公知の導 性パターンの形成方法を有機薄膜トランジ タを構成するゲート電極、ソース電極、お びドレイン電極のいずれかの形成に用いる とにより、簡便かつ正確な電極パターンを する有機薄膜トランジスタを作製できるこ を見出した。

 このような銀塩から導電性パターンを形 する公知の手法としては、例えば、米国特 第2600343号明細書、特公昭42-23746号公報、特 2004-221565号公報などが挙げられるが、銀塩 ら形成された導電性パターンを薄膜トラン スタのゲート電極、ソース電極、ドレイン 極に適用した例は見られない。

 また、絶縁層を介して2層の導電性パター ンを形成したような例も見られず、このよう な手法が有機薄膜トランジスタの形成に最適 であることは従来公知ではなかった。

 以下、本発明を更に詳しく説明する。

 本発明者らは、正確な導電性パターンを 成する手法として、光によって還元可能な 属前駆体を、流動できない状態に固定した 態で露光・還元すること、すなわち銀塩写 的な技術を応用することによって、真空プ セスおよびフォトレジストを用いることな に、正確な金属パターンを形成できること 見出し、本発明を完成した。

 以下、本発明の有機薄膜トランジスタ、 発明の有機薄膜トランジスタの製造方法の に述べる。

 《有機薄膜トランジスタの構成》
 本発明の有機薄膜トランジスタの構成につ て説明する。

 本発明の有機薄膜トランジスタは、基材 ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体層 ソース電極、ドレイン電極から形成され、 般にMIS型(金属-絶縁体-半導体型)トランジス タと呼ばれる種類のトランジスタである。

 MIS型トランジスタにおいては、ゲート電 に印加する電界を調節することで、絶縁層 介して半導体層の導電性を制御し、ひいて 半導体層の両端に設置されたソース電極か ドレイン電極へと電流量を制御することが きる。

 このようなMIS型トランジスタの中でも、 記各層の構成によっていくつかの形式に分 することができる。

 まず、基体上に有機半導体膜(以下、有機 半導体層ともいう)で連結されたソース電極 ドレイン電極を有し、その上にゲート絶縁 を介してゲート電極を有するトップゲート と、基体上に先ずゲート電極を有し、ゲー 絶縁層を介して有機半導体膜で連結された ース電極とドレイン電極を有するボトムゲ ト型に大別される。

 更に、ゲート電極から見てソース電極、 レイン電極が、有機半導体層の手前にある トムコンタクト型と、有機半導体層の向こ 側にあるトップコンタクト型に区別するこ ができ、両者を組み合わせることによって 4種類の有機薄膜トランジスタの構成が可能 である。本発明の有機薄膜トランジスタはこ れらトップゲート型またボトムゲート型、ま たトップコンタクト型およびボトムコンタク ト型のいずれでもよく、有機薄膜トランジス タを用いる用途に応じて選択することができ る。

 具体的な素子の層構成例の一例を、以下 図1(a)~(f)に示す。

 図1(a)、(c)はトップゲート・ボトムコンタ クト型の層構成例を示す。基体6上に、ソー 電極2及びドレイン電極3を有し、その上から 有機半導体膜1が形成されている。さらに有 半導体膜1に接してゲート絶縁層5が形成され 、その上にソース電極4を有する、といった 成である。

 図1(b)はトップゲート・トップコンタクト 型の層構成例を示す。基体6にゲート電極4を し、その上にゲート絶縁層5が形成されてい る。その上に有機半導体膜1が形成され、さ に有機半導体膜1に接してソース電極2及びド レイン電極3が形成されている、といった構 である。

 図1(d)、(e)は、ボトムゲート・ボトムコン タクト型の層構成例を示す。基体6にゲート 極4を有し、その上にゲート絶縁層5が形成さ れている。その上にソース電極2及びドレイ 電極3が形成され、その上に有機半導体膜1が 形成されている、といった構成である。

 図1(f)は、ボトムゲート・トップコンタク ト型の層構成例を示す。基体6にゲート電極4 有し、その上にゲート絶縁層5が形成されて いる。その上に有機半導体膜1が形成され、 の上にソース電極2及びドレイン電極3が形成 されている、といった構成である。

 本発明の有機薄膜トランジスタにおいて より好ましくは、上記図1(d)、(e)で表される ボトムゲート・ボトムコンタクト型の構成を 有することが好ましい。

 有機半導体材料は酸素・水分・熱などに って劣化することがあるため、なるべく後 の工程で形成することで、他の層を形成す 際のダメージを低減することができる。

 このような観点で考えると、ボトムゲー ・ボトムコンタクト型素子が最も後半の工 で有機半導体層を形成できるため、劣化の ない良好な特性を有する有機薄膜トランジ タを得ることができる。

 以下、有機半導体を形成する各層の材料 よび形成方法について記載する。

 《銀塩法による電極パターン形成》
 本発明の有機薄膜トランジスタを形成する ソース電極パターン、ドレイン電極パター 、ゲート電極パターンについて説明する。

 本発明においては、ソース電極パターン ドレイン電極パターン及びゲート電極パタ ンの3つの電極パターンのうち、いずれか1 以上は、銀塩粒子をバインダー樹脂中に分 させた感光層に対し、露光処理工程、現像 理工程、メッキ処理工程を経て形成する方 (以下、簡単に銀塩法とも称する)によって形 成された電極パターンであることが好ましい 。銀塩材料は感光性に優れ、非常に高い解像 度を有する潜像パターンを形成することがで きる。露光によって得られた潜像は、現像処 理、ついでメッキ処理工程を経て電極パター ンを形成することで、高精度な電極パターン を簡便に形成することができ、ひいては簡便 かつバラツキの少ない有機半導体素子を提供 できるものである。

 本発明の方法によって形成する電極パタ ンは、ソース電極パターン、ドレイン電極 ターン、およびゲート電極パターンのいず でも良いが、通常ソース電極パターンとド イン電極パターンは同時に形成するため、 ース電極パターンおよびドレイン電極パタ ンを同時に形成する際に使用すること、ま はゲート電極パターンを形成する際に使用 ることのいずれかが好ましい。

 ソース電極パターンおよびドレイン電極 ターンを形成する際には、パターン形成後 後述するメッキ処理によって容易に表面の 属を変換することができ、通常使用される 、白金等の高価な金属の使用量を減らすこ も可能となり、好ましい。

 またゲート電極パターンに使用する場合 は、ゲート電極パターンは前記感光層を形 するバインダーポリマー中に半ば埋もれる で形成されるため、基板表面からの凹凸の ない状態で形成することが可能となる。そ 結果、ゲート電極の端部の角から発生しや いゲート絶縁膜の絶縁破壊が発生しにくく り、信頼性の高い素子を得ることが可能と る。また、ゲート電極の形成時に同時にソ スバスライン、ゲートバスラインを形成す ことも可能であり、大面積の基板を処理す 際に一層工程短縮効果を得ることが出来る

 《銀塩粒子》
 本発明の有機薄膜トランジスタに係るソー 電極パターン、ドレイン電極パターン、お びゲート電極パターンの該感光層の形成に いられる銀塩粒子として用いられる銀塩と ては、ハロゲン化銀などの無機銀塩及び酢 銀などの有機銀塩が挙げられるが、光セン ーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用 ることが好ましい。

 本発明で用いられるハロゲン化銀として 、従来公知の銀塩写真フィルムや印画紙、 刷製版用フィルム、フォトマスク用エマル ョンマスク等で用いられるハロゲン化銀乳 技術をそのまま用いることができる。

 ハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素 、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素のいずれ あってもよく、これらを組み合わせでもよ 。例えば、AgCl、AgBr、AgIを主体としたハロ ン化銀が好ましく用いられ、さらにAgClを主 としたハロゲン化銀が好ましく用いられる AgClを主体としたハロゲン化銀を用いること で、硬調な金属銀像を得ることができるため である。

 ここで、「AgCl(塩化銀)を主体としたハロ ン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占め 臭化物イオンのモル分率が50%以上のハロゲ 化銀をいう。このAgClを主体としたハロゲン 化銀粒子は、塩化物イオンのほかに沃化物イ オン、臭化物イオンを含有していてもよい。

 ハロゲン化銀は固体粒子状であり、露光 現像処理後に形成されるパターン状金属銀 の画像品質の観点からは、ハロゲン化銀の 均粒子サイズは、球相当径で0.1nm~1000nm(1μm) あることが好ましく、0.1nm~100nmであること より好ましく、1nm~50nmの範囲であることがさ らに好ましい。

 尚、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、 子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直 である。

 ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定され 、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平 状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面 体状、14面体状など様々な形状であることが きる。

 本発明で用いられるハロゲン化銀は、さら 他の元素を含有していてもよい。例えば、 真乳剤において、硬調な乳剤を得るために いられる金属イオンをドープすることも有 である。特にロジウムイオンやイリジウム オンなどの遷移金属イオンは、金属銀像の 成の際に露光部と未露光部の差が明確に生 やすくなるため好ましく用いられる。ロジ ムイオン、イリジウムイオンに代表される 移金属イオンは、各種の配位子を有する化 物であることもできる。そのような配位子 しては、例えば、シアン化物イオンやハロ ンイオン、チオシアナートイオン、ニトロ ルイオン、水、水酸化物イオンなどを挙げ ことができる。具体的な化合物の例として 、K 3 Rh 2 Br 9 及びK 2 IrCl 6 などが挙げられる。

 本発明において、ハロゲン化銀に含有され ロジウム化合物及び/又はイリジウム化合物 の含有率は、ハロゲン化銀の銀のモル数に対 して、10 -10 モル/モルAg~10 -2 モル/モルAgであることが好ましく、10 -9 モル/モルAg~10 -3 モル/モルAgであることがさらに好ましい。

 その他、本発明では、Pd(II)イオンまたはP d金属を含有するハロゲン化銀も好ましく用 ることができる。Pdはハロゲン化銀粒子内に 均一に分布していてもよいが、ハロゲン化銀 粒子の表層近傍に含有させることが好ましい 。

 ここで、Pdが「ハロゲン化銀粒子の表層 傍に含有する」とは、ハロゲン化銀粒子の 面から深さ方向に50nm以内において、他層よ もパラジウムの含有率が高い層を有するこ を意味する。このようなハロゲン化銀粒子 、ハロゲン化銀粒子を形成する途中でPdを 加することにより作製することができ、銀 オンとハロゲンイオンとをそれぞれ総添加 の50%以上添加した後に、Pdを添加することが 好ましい。

 また、Pd(II)イオンを後熟時に添加するな の方法でハロゲン化銀表層に存在させるこ も好ましい。

 このPd含有ハロゲン化銀粒子は、物理現 や無電解メッキの速度を速め、所望の電極 ターン形成の生産効率を上げ、生産コスト 低減に寄与する。Pdは、無電解メッキ触媒と してよく知られて用いられているが、本発明 では、ハロゲン化銀粒子の表層にPdを偏在さ ることが可能なため、極めて高価なPdを節 することが可能である。

 本発明において、ハロゲン化銀に含まれるP dイオン及び/又はPd金属の含有率は、ハロゲ 化銀の銀のモル数に対して10 -8 モル/モルAg~10 -4 モル/モルAgであることが好ましく、10 -6 モル/モルAg~10 -5 モル/モルAgであることがさらに好ましい。

 また、ゼラチンとの結合を抑制しAgXへより 率的に配位させるために、Pd(SCN) 2 錯体やパラジウムグリシネートとして添加す ることが好ましい。

 使用するPd化合物の例としては、PdCl 4 やNa 2 PdCl 4 等が挙げられる。

 本発明では、写真乳剤で行われる化学増 を施すこともできる。化学増感としては、 えば、金増感などの貴金属増感、イオウ増 などのカルコゲン増感、還元増感等を利用 ることができる。

 また、本発明において、ゲート電極パタ ン、ソース電極パターン、ドレイン電極パ ーンのうちの複数のパターンを銀塩法によ て形成する場合、各々の電極パターンに対 する導電性パターンを順次形成してもよい 、分光増感を銀塩粒子に施すと2層以上を同 時に露光・現像することができるため、分光 増感を施してもよい。たとえばゲート電極パ ターン層を赤色光に感光するように分光増感 し、ソース電極パターン層およびドレイン電 極パターン層を青色光に感光するように分光 増光しておくと、赤色光と青色光で同時に2 のパターンを露光することができるため、 り簡便に電極パターンを形成することがで る。

 写真乳剤の分光増感は、例えばリサーチ ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月)23頁  IV、同No.18716(1979年11月) 648~649頁及び同No.3081 19(1989年12月)996~8頁 IIIA等に記載された増感色 素等を用いて行うことができる。

 本発明で使用できる乳剤としては、例え 、特開平11-305396号公報、特開2000-321698号公 、特開平13-281815号公報、特開2002-72429号公報 実施例に記載されたカラーネガフィルム用 剤、特開2002-214731号公報に記載されたカラ リバーサルフィルム用乳剤、特開2002-107865号 公報に記載されたカラー印画紙用乳剤などを 好適に用いることができる。

 《バインダー》
 銀塩粒子をバインダー樹脂中に分散させた 光層(銀塩含有層)において、該バインダー( 脂)は、銀塩粒子を均一に分散させ、且つ、 銀塩含有層と支持体との密着を補助する目的 で用いることができる。本発明においては、 非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいず れもバインダーとして用いることができるが 、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。

 水溶性のバインダーとしては、例えば、 ラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ ニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セル ロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサ イド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリ ジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポ リヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が 挙げられる。これらは、官能基のイオン性に よって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質 を有する。

 ハロゲン化銀粒子を用いた写真用ハロゲ 化銀ゼラチン乳剤のバインダー樹脂として 、ゼラチンが最も好ましい。

 ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ 、酸処理ゼラチン、また、フタル化ゼラチ 或いはフェニルカルバモイル化ゼラチン等 各種修飾ゼラチンも含むものである。

 感光層(銀塩含有層)中に含有されるバイ ダーの含有量は、特に限定されず、分散性 密着性を発揮し得る範囲で適宜決定するこ ができる。銀塩含有層中のバインダーの含 量は、Ag/バインダー体積比で1/4~100であるこ が好ましく、1/3~10であることがより好まし 、1/2~2であることがさらに好ましい。1/1~2で あることが最も好ましい。

 また、感光層(銀塩含有層)中にバインダ をAg/バインダー体積比で1/4以上含有すれば 物理現像及び/又はメッキ処理工程において 属粒子同士が互いに接触しやすく、高い導 性を得ることが可能であるため好ましい。

 《溶媒》
 感光層(銀塩含有層)の形成において用いら る溶媒は、特に限定されないが、例えば、 、有機溶媒(例えば、メタノールなどのアル ール類、アセトンなどのケトン類、ホルム ミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシ などのスルホキシド類、酢酸エチルなどの ステル類、エーテル類等)、イオン性液体、 及びこれらの混合溶媒を挙げることができる 。写真用ハロゲン化銀ゼラチン乳剤が用いら れることから水を主体とする溶媒が好ましい 。

 感光層の形成方法としては、銀塩写真法 おいて公知である、ディップコート法、ス イド塗布法、バーコート法などの通常の塗 法によって、基体上に、塗布することがで る。

 《露光処理工程》
 本発明では、基体(基板、支持体等)上に設 られた銀塩含有層の露光を行う。露光は、 磁波を用いて行うことができる。電磁波と ては、例えば、可視光線、紫外線などの光 X線などの放射線等が挙げられる。さらに露 には波長分布を有する光源を利用してもよ 、特定の波長の光源を用いてもよい。

 上記光源としては、例えば、陰極線(CRT) 用いた走査露光を挙げることができる。陰 線管露光装置は、レーザを用いた装置に比 て、簡便でかつコンパクトであり、低コス になる。また、光軸や色の調整も容易であ 。画像露光に用いる陰極線管には、必要に じてスペクトル領域に発光を示す各種発光 が用いられる。

 例えば、赤色発光体、緑色発光体、青色 光体、また近赤外発光体のいずれか1種又は 2種以上が混合されて用いられる。

 スペクトル領域は、上記の近赤外、赤色 緑色及び青色に限定されず、黄色、橙色、 色或いは赤外領域に発光する蛍光体も用い れる。特に、これらの発光体を混合して白 に発光する陰極線管がしばしば用いられる また、紫外線ランプも好ましく、水銀ラン のg線、水銀ランプのi線等も利用される。

 本発明では、露光は種々のレーザビーム 用いて行うことができる。例えば、本発明 おける露光は、ガスレーザ、発光ダイオー 、半導体レーザ、半導体レーザ又は半導体 ーザを励起光源に用いた固体レーザと非線 光学結晶を組みあわせた第二高調波発光光 (SHG)等の単色高密度光を用いた走査露光方 を好ましく用いることができ、さらにKrFエ シマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2レーザ等 も用いることができる。

 システムをコンパクトで、安価なものに るために、露光は、半導体レーザ、半導体 ーザあるいは固体レーザと非線形光学結晶 組合わせた第二高調波発生光源(SHG)を用い 行うことが好ましい。特にコンパクトで、 価、さらに寿命が長く、安定性が高い装置 設計するためには、露光は半導体レーザを いて行うことが好ましい。

 レーザ光源としては、具体的には、波長430n m~460nmの青色半導体レーザ(2001年3月の第48回応 用物理学関係連合講演会で日亜化学発表)、 導体レーザ(発振波長約1060nm)を導波路状の反 転ドメイン構造を有するLiNbO 3 のSHG結晶により波長変換して取り出した約530 nmの緑色レーザ、波長約685nmの赤色半導体レ ザ(日立タイプNo.HL6738MG)、波長約650nmの赤色 導体レーザ(日立タイプNo.HL6501MG)などが好ま く用いられる。

 本発明に係るゲート電極パターン、ソー 電極パターン、ドレイン電極パターン等の 成にあたり、感光層(銀塩含有層)をパター 状に露光する方法は、レーザビームによる 査露光で行ってもよいし、フォトマスクを 用した面露光で行ってもよい。面露光の方 としては、レンズを用いた屈折式露光でも 射鏡を用いた反射式露光でもよく、コンタ ト露光、プロキシミティー露光、縮小投影 光、反射投影露光などの露光方式を用いる とができる。

 《現像処理工程》
 本発明では、感光層(銀塩含有層)を露光し 後、さらに現像処理を行う。現像処理は、 塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィ ム、フォトマスク用エマルジョンマスク等 用いられる通常の現像処理の技術を用いる とができる。現像液については特に限定は ないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を いることもでき、例えば、富士フィルム社 のCN-16、CR-56、CP45X、FD-3、パピトール、KODAK 製のC-41、E-6、RA-4、D-19、D-72などの現像液、 又はそのキットに含まれる現像液、また、D-8 5などのリス現像液を用いることができる。

 本発明では、上記の露光及び現像処理を うことにより、パターン状の金属銀部が形 される。

 現像処理は、未露光部分の銀塩を除去し 安定化させる目的で行われる定着処理を含 ことができる。本発明における定着処理は 銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フ ルム、フォトマスク用エマルジョンマスク に用いられる定着処理の技術を用いること できる。

 現像処理で用いられる現像液は、画質を 上させる目的で、画質向上剤を含有するこ ができる。画質向上剤としては、例えば、 ンゾトリアゾールなどの含窒素へテロ環化 物を挙げることができる。また、リス現像 を利用する場合特に、ポリエチレングリコ ルを使用することも好ましい。

 高い導電性を得るためには、現像処理後 露光部に含まれる金属銀の質量は、露光前 露光部に含まれていた銀の質量に対して50 量%以上の含有率であることが好ましく、80 量%以上であることがさらに好ましい。

 本発明における現像処理後の階調は、特 限定されるものではないが、4.0を超えるこ が好ましい。現像処理後の階調が4.0を超え と、光透過性部の透明性を高く保ったまま 導電性金属部の導電性を高めることができ 。階調を4.0以上にする手段としては、例え 、前述のロジウムイオン、イリジウムイオ のドープが挙げられる。

 《メッキ処理工程》
 本発明に係るメッキ処理工程について説明 る。

 有機薄膜トランジスタによってディスプ イを作製する場合、ソース電極パターン、 レイン電極パターン、ゲート電極パターン およびこれらを接続する配線部は光を通さ いため、これらの電極パターンの幅が太い ディスプレイの開口率が低下し、高画質の ィスプレイを得ることはできない。そこで これらの電極パターンをなるべく細くする 要があるが、電極パターンの幅を細くする 導電性が低下し、各画素のトランジスタに 一な電圧・電流を流すことが困難となる。 たがって、これらの電極パターン部は高い 電性を有している必要がある。

 前述の露光工程によって導電性の金属銀 ターンは形成されたものの、これらの金属 パターンは微粒子の集合体であるために導 性が不十分であるため、メッキ処理工程に って金属銀パターン部の導電性を大幅に向 させ、均一な特性を有する有機薄膜トラン スタアレイおよび高品質なディスプレイを ることができる。

 メッキ処理は、無電解メッキ(化学還元メ ッキや置換メッキ)、電解メッキ、又は無電 メッキと電解メッキの両方を用いることが きるが、本発明では、無電解メッキ処理(単 、無電解メッキといってもよい)が好ましい 。

 本発明における無電解メッキは、公知の 電解メッキ技術を用いることができ、例え 、プリント配線板などで用いられている無 解メッキ技術を用いることができ、無電解 ッキは無電解銅メッキ、無電界銀メッキお び無電界金メッキであることが好ましい。

 尚、銀塩写真分野において「物理現像」 呼ばれる処理は、無電界銀メッキ工程とみ すことができる。

 これらの処理によって形成される導電性 金属パターンとしては、銀の上に形成が可 な金属であれば制限はなく、白金、金、銀 銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジ ム、ニッケル、クロムなどといった金属を 用することができるが、白金、金、銀、銅 アルミニウム、インジウムから選ばれる金 を用いることが好ましい。これらの中でも 有機半導体と良好な電気的な接合が可能な が最も好ましい。

 例えば、無電解銅メッキを行う場合には 硫酸銅や塩化銅、還元剤としてホルマリン グリオキシル酸、銅の配位子としてEDTAやト リエタノールアミン等、その他、浴の安定化 やメッキ皮膜の平滑性を向上させるための添 加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩 、ビピリジン等を含む溶液で金属銀パターン 部を処理する。他の電解銅メッキ浴としては 、硫酸銅浴やピロリン酸銅浴が挙げられる。

 メッキ処理時のメッキ速度は、緩やかな 件で行うことができ、さらに5μm/時間以上 高速メッキも可能である。メッキ処理にお て、メッキ液の安定性を高める観点からは 例えば、EDTAなどの配位子など種々の添加剤 用いることができる。

 銅以外の金属を用いる場合も、金属イオ 種を変化させて同様の処理を行うことで、 電界メッキ処理を行うことができる。

 無電解メッキ法による電極の形成方法に しては、前記特許文献4に記載のように、電 極を設ける部分に、メッキ剤と作用して無電 解メッキを生じさせるメッキ触媒を含有する 液体を、例えば印刷法(インクジェット印刷 む)によって、パターニングした後に、メッ 剤を電極を設ける部分に接触させる等が具 的である。そうすると、前記触媒とメッキ との接触により前記部分に無電解メッキが されて、電極パターンが形成される。

 無電解メッキの触媒と、メッキ剤の適用 逆にしてもよく、またパターン形成をどち で行ってもよいが、メッキ触媒パターンを 成し、これにメッキ剤を適用する方法が好 しい。

 また、無電界銀メッキ処理としては、銀 写真業界においては「物理現像」と呼ばれ 処理を用いることが好ましい。「物理現像( 物理現像処理ともいう)」とは、露光により 像を有するハロゲン化銀粒子の内部以外か 銀イオンどの金属イオンを還元剤で還元し 金属粒子を析出させ、現像銀を補強するプ セスのことを示す。この物理現象は、イン タントB&Wフィルム、インスタントスライ フィルムや、印刷版製造等に利用されてお 、本発明ではその技術を用いることができ 。物理現像は、露光後の現像処理と同時に っても、現像処理後に別途行ってもよいが 好ましくは後述の定着処理を行う前に、物 現像処理を行うことが好ましい。

 現像処理液から銀イオンを供給するため 具体的な方法としては、例えば予め現像処 液中に硝酸銀等を溶解しておき銀イオンを かしておく方法、あるいは現像液中に、チ 硫酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウ 等のようなハロゲン化銀溶剤を溶解してお 、現像時に未露光部のハロゲン化銀を溶解 せ、潜像を有するハロゲン化銀粒子の現像 補力する方法等が挙げられる。

 定着処理とは、露光されたハロゲン化銀 子の現像終了後に、未露光部分のハロゲン 銀粒子を除去して安定化させる目的で行わ る処理を指す。本発明における定着処理は ハロゲン化銀粒子を用いた写真フィルムや 画紙等で用いられる定着液処方を用いるこ ができる。定着処理で使用する定着液は、 着剤としてチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸 リウム、チオ硫酸アンモニウム等を使用す ことができる。定着時の硬膜剤として硫酸 ルミウム、硫酸クロミウム等を使用するこ ができる。定着剤の保恒剤としては、現像 理液で述べた亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カ ウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸等 使用することができ、その他にクエン酸、 酸等を使用することができる。

 なお、無電界メッキを行った後に電界メ キを行うと、一層導電率が高く、細かい配 を有する電極パターンおよび高い開口率を するディスプレイを得ることができる。

 このような電界メッキを行う金属として 、有機半導体材料と電気的接合の良い金属 用いることが好ましく、p型有機半導体材料 の場合には白金、金、銀、銅から選ばれる金 属を用いることが好ましい。n型有機半導体 場合には、カルシウム、アルミニウム、マ ネシウム等を用いることが好ましいが、前 の通り金が最も好ましい。

 《酸化処理》
 本発明では、現像処理後の金属銀部並びに 理現像処理またはメッキ処理工程後に形成 れる導電性金属部(導電性パターンともいう )には、好ましくは酸化処理が行われる。

 酸化処理とは、所望するパターン部以外 付着した金属を除去する処理であり、本発 の有機薄膜トランジスタの特性の低下を防 ことができる。

 酸化処理としては、例えば、Fe(III)イオン 処理など、種々の酸化剤を用いた公知の方法 が挙げられる。酸化処理は、銀塩含有層の露 光及び現像処理後、あるいは物理現像又はメ ッキ処理後に行うことができ、さらに現像処 理後と物理現像又はメッキ処理後のそれぞれ で行ってもよい。

 本発明では、さらに露光及び現像処理後 金属銀部を、Pdを含有する溶液で処理する ともできる。Pdは、2価のパラジウムイオン あっても金属パラジウムであってもよい。 の処理により無電解メッキ又は物理現像速 を促進させることができる。

 《バインダー層の後処理》
 このようにして形成した電極パターンは、 インダー樹脂層の上に形成される。電極パ ーンの上にゲート絶縁層、有機半導体層な といった他の層を形成する場合に、バイン ー層が溶解・分解・変形などをおこし、薄 トランジスタの性能に悪影響を与えること 避けるため、電極パターンの形成が終わっ 後、バインダー層を除去するか、架橋反応 によって不溶化させるなどといった後処理 行うことが好ましい。

 バインダー層を除去する方法としては、 インダーが溶解する溶剤で洗浄したり、電 パターン部とのエッチング速度差を利用し ドライエッチング等の方法によって除去し りすることができる。

 バインダー層を架橋する場合は、銀塩写 業界において硬膜剤として知られている各 の架橋材を用いることで、溶解・変形等を ぐことができる。バインダーがゼラチンで る場合は、特開昭61-249045号公報、同61-245153 公報に記載のビニルスルホン型硬膜剤や、 ロロトリアジン型硬膜剤などを使用するこ ができる。

 好ましくは、バインダー層を除去するこ である。

 《銀塩法以外の電極パターン形成方法》
 本発明の有機薄膜トランジスタは、ソース 極パターン、ドレイン電極パターン、ゲー 電極パターンの3つの電極パターンのうち、 少なくとも1つ以上が銀塩法で形成された有 薄膜トランジスタであることを特徴として るが、すべての電極パターンを上記手法で 成する必要はなく、3つの電極パターンのう 1つまたは2つは、他の手法によって形成さ ていてもよい。

 他の電極形成方法としては、蒸着やスパ タリング等の方法を用いて形成した導電性 膜を公知のフォトリソグラフ法やリフトオ 法を用いて電極形成する方法、アルミニウ や銅等の金属箔上に熱転写、インクジェッ 等によるレジストを用いてエッチングする 法がある。また、導電性ポリマーの溶液あ いは分散液、導電性微粒子分散液を直接イ クジェットによりパターニングしてもよい 、塗工膜からリソグラフやレーザアブレー ョン等により形成してもよい。更に導電性 リマーや導電性微粒子を含むインク、導電 ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリー 印刷等の印刷法でパターニングする方法も いることができる。

 これらの電極形成方法によって形成され 電極材料としては、導電性材料であれば特 限定されず、白金、金、銀、ニッケル、ク ム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル インジウム、パラジウム、テルル、レニウ 、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム ゲルマニウム、モリブデン、タングステン 酸化スズ・アンチモン、亜鉛、炭素、グラ ァイト、グラッシーカーボン、銀ペースト びカーボンペースト、リチウム、ベリリウ 、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、 ルシウム、スカンジウム、チタン、マンガ 、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナト ウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシ ウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウ ム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグ シウム/アルミニウム混合物、マグネシウム /インジウム混合物、リチウム/アルミニウム 合物等の金属化合物、また酸化亜鉛、酸化 ズ、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ド プ酸化亜鉛等の導電性金属酸化物、導電性 リアニリン、導電性ポリピロール、導電性 リチオフェン、ポリエチレンジオキシチオ ェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等の ーピング等で導電率を向上させた各種の導 性ポリマー、などを挙げることができる。

 中でも白金、金、銀、銅、アルミニウム インジウム、及びITOが好ましい。

 なお、各種の方法によって形成された電 パターンの表面は、表面エネルギーや各種 特性の改質を目的として、任意の表面処理 施してもよい。例えば、オクタデシルトリ ロロシラン、トリクロロメチルシラザン、 よび特願2006-82419号等に記載の化合物等のシ ランカップリング剤や、アルカン燐酸、アル カンスルホン酸、アルカンカルボン酸等、お よびアルキルチオールやアリールチオールか らなる自己組織化単分子膜等が好適に用いら れる。中でもアリールチオールからなる自己 組織化単分子膜を形成することが好ましい。

 次に、電極パターン以外の層を形成する 料および形成方法について説明する。

 《ゲート絶縁層》
 本発明に係るゲート絶縁層について説明す 。

 ゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用 ることができるが、特に比誘電率の高い無 酸化物皮膜が好ましい。無機酸化物として 、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タ タル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジ ム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジ コニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウ 酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタ 酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フ 化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマ 、チタン酸ストロンチウムビスマス、タン ル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸 オブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリ ム等が挙げられる。それらの内、好ましい は酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タ タル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒 アルミニウム等の無機窒化物も好適に用い ことができる。

 上記皮膜の形成方法としては、真空蒸着 、分子線エピタキシャル成長法、イオンク スタービーム法、低エネルギーイオンビー 法、イオンプレーティング法、CVD法、スパ タリング法、大気圧プラズマ法等のドライ ロセスや、スプレーコート法、スピンコー 法、ブレードコート法、ディップコート法 キャスト法、ロールコート法、バーコート 、ダイコート法等の塗布による方法、印刷 インクジェット等のパターニングによる方 等のウェットプロセスが挙げられ、材料に じて使用できる。

 ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒 を、任意の有機溶媒あるいは水に必要に応 て界面活性剤等の分散補助剤を用いて分散 た液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆 、例えば、アルコキシド体の溶液を塗布、 燥する、所謂ゾルゲル法が用いられる。こ らの内、好ましいのは大気圧プラズマ法と ルゲル法である。

 大気圧下でのプラズマ製膜処理による絶 膜の形成方法は、大気圧または大気圧近傍 圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励 し、基材上に薄膜を形成する処理で、その 法については、特開平11-43781号公報、特開20 03-179234号公報、国際公開04/75279号パンフレッ 等に記載されている。これによって、高機 性の薄膜を生産性高く形成することができ 。

 また、有機化合物皮膜として、パリレン ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、 リアクリレート、光ラジカル重合系、光カ オン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアク ロニトリル成分を含有する共重合体、ポリ ニルフェノール、ポリビニルアルコール、 ボラック樹脂、シアノエチルプルラン、お びゼラチン等を用いることもできる。

 絶縁層としてゼラチンを使用する場合、 記電極パターンの形成時に形成されるゼラ ン膜をそのまま使用することも可能であり その場合には工程の大幅な簡略化が可能で るといった効果がある。

 さらに、ゼラチンは温度によって容易に ルゲル転移を起こすことができ、加熱溶解 て塗布されたゼラチン溶液は、冷却するだ で容易にゲル化し、溶媒が完全に揮発しな ても形状が固定化されるため、均一な膜厚 有する高品位な絶縁膜を容易に形成可能で り、かつ公知の硬膜剤によって容易に耐溶 性を付与できるため、ゲート絶縁層として ましい特性を有する材料である。

 これらの有機化合物皮膜は、前記のウェ トプロセスで形成されることが好ましい。 機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して 用しても良い。また、これら絶縁膜全体の 厚としては、一般に50nm~3μm、好ましくは100n m~1μmである。

 ゲート絶縁層表面は、表面エネルギーや 種の特性の改質を目的として、任意の表面 理を施してもよい。シランカップリング剤 例えば、オクタデシルトリクロロシラン、 リクロロメチルシラザンや、アルカン燐酸 アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸 、および特願2006-82419号等に記載の化合物か らなる自己組織化配向膜が好適に用いられる 。

 《有機半導体材料》
 本発明の有機薄膜トランジスタの形成に用 られる有機半導体材料について説明する。

 半導体層を構成する有機半導体材料とし は、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系 合物が適用可能である。

 縮合多環芳香族化合物としては、例えば、 ントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘ サセン、へプタセン、クリセン、ピセン、 ルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン テリレン、クオテリレン、コロネン、オバ ン、サーカムアントラセン、ビスアンテン ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン ビオランテン、イソビオランテン、サーコ フェニル、アントラジチオフェン、およびJ .Am.Chem.Soc.,vol.1
28(2006),12604頁に記載されているようなベンゾ オフェノベンゾチオフェン等の化合物、及 これらの誘導体や前駆体が挙げられる。こ らの縮合多環芳香族化合物誘導体の例とし は、J.Am.Chem.Soc.,vol.127(2005),4986頁に記載され いるような、トリアルキルシリルエチニル を有するようなアセン化合物およびヘテロ セン化合物等を挙げることができる。

 共役系化合物としては、例えば、ポリチ フェン及びそのオリゴマー、ポリピロール びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフ ニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレ ビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニ ンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセ レン、ポリジアセチレン、テトラチアフル レン化合物、キノン化合物、テトラシアノ ノジメタン等のシアノ化合物、フラーレン びこれらの誘導体あるいは混合物を挙げる とができる。

 また、特にポリチオフェン及びそのオリ マーのうち、チオフェン6量体であるα-セク シチオフェンα,ω-ジヘキシル-α-セクシチオ ェン、α,ω-ジヘキシル-α-キンケチオフェン α,ω-ビス(3-ブトキシプロピル)-α-セクシチ フェン、等のオリゴマーが好適に用いるこ ができる。

 さらに、ポルフィリンや銅フタロシアニ 、特開平11-251601号公報に記載のフッ素置換 フタロシアニン等の金属フタロシアニン類 Chem.Commun.1998,1661頁や特開2003-304104号公報等 記載のポルフィリン類およびその金属化合 、ナフタレン1,4,5,8-テトラカルボン酸ジイミ ド、N,N″-ビス(4-トリフルオロメチルベンジ )ナフタレン1,4,5,8-テトラカルボン酸ジイミ とともに、N,N″-ビス(1H,1H-ペルフルオロオク チル)、N,N″-ビス(1H,1H-ペルフルオロブチル) びN,N″-ジオクチルナフタレン1,4,5,8-テトラ ルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7 トラカルボン酸ジイミド等のナフタレンテ ラカルボン酸ジイミド類、及びアントラセ 2,3,6,7-テトラカルボン酸ジイミド等のアン ラセンテトラカルボン酸ジイミド類等の縮 環テトラカルボン酸ジイミド類、テトラチ フルバレン(TTF)-テトラシアノキノジメタン(T CNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレ (BEDTTTF)-過塩素酸錯体、BEDTTTF-ヨウ素錯体、TC NQ-ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、 C76、C78、C84等フラーレン類、SWNT等のカーボ ナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミ アニン色素類等の色素等、さらにポリシラ 、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマーや特開 2000-260999号公報に記載の有機・無機混成材料 用いることができる。

 これらのπ共役系材料のうちでも、ペン セン等の縮合多環芳香族化合物の誘導体、 ラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイ ド類、金属フタロシアニンおよび金属ポル ィリンよりなる群から選ばれた少なくとも1 が好ましいが、中でも好ましく用いられる は、ペンタセン誘導体である。

 以下に、本発明の有機薄膜トランジスタ 有機半導体層に好ましく用いられる化合物 を示すが、本発明はこれらに限定されない

 有機半導体材料1は、前記J.Am.Chem.Soc.,vol.12 7(2005),4986頁 Supporting Informationに記載の方法 合成することができる。また、有機半導体 料2は、J.Am.Chem.Soc.,vol.123(2001),9482頁 Supporting Informationに記載の方法で合成することができ る。

 これらの有機半導体材料を有機薄膜トラ ジスタの半導体層として形成する方法とし は、溶剤に不溶の材料であれば真空蒸着に り基板上に設置することもできるが、溶媒 溶解可能な材料であれば、必要に応じ添加 を加えて調製した溶液をキャストコート、 ピンコート、印刷、インクジェット法、ア レーション法等によって基板上に設置する が好ましい。溶液プロセスで形成すること できれば工程数の大幅な削減ができ、簡便 工程で有機薄膜トランジスタを形成するこ ができるだけでなく、ドライプロセスで形 するよりも大きな結晶を形成することが可 であり、ひいては良好な移動度を有する有 薄膜トランジスタを形成することができる

 この場合、本発明に係る有機半導体材料 溶解する溶媒は、有機半導体材料を溶解し 適切な濃度の溶液が調製できるものであれ 格別の制限はないが、具体的にはシクロヘ サン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテ やジイソプロピルエーテル等の鎖状エーテ 系溶媒、テトラヒドロフランやジオキサン の環状エーテル系溶媒、アセトンやメチル チルケトン、シクロペンタノン等のケトン 溶媒、クロロホルムや1,2-ジクロロエタン等 のハロゲン化アルキル系溶媒、トルエン、エ チルベンゼン、キシレン、クロロベンゼン、 o-ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、m-ク ゾール、テトラリン等の芳香族系溶媒、N-メ チルピロリドン、2硫化炭素等を挙げること できる。

 これらの溶媒の内、非ハロゲン系溶媒を む溶媒が好ましく、非ハロゲン系溶媒で構 することが好ましい。また、絶縁膜表面を 水化処理した絶縁膜上に塗布する場合には そのような疎水化表面の表面エネルギーよ も表面エネルギーが小さい非極性な溶媒で ることが好ましく、ヘキサン、トルエン、 チルベンゼン、クロロベンゼン、テトラリ が好ましい。

 これら有機半導体膜の膜厚としては、特 制限はないが、得られたトランジスタの特 は、有機半導体膜の膜厚に大きく左右され 場合が多く、その最適な膜厚は有機半導体 とに異なるが、一般に10nm~1μm、好ましくは 20nm~400nm、より好ましくは30nm~100nmである。

 《基体(基板、支持体等)》
 また、基体(基板、支持体等)は、ガラスや レキシブルな樹脂製シートで構成され、例 ば、プラスチックフィルムをシートとして いることができる。前記プラスチックフィ ムとしては、例えば、ポリエチレンテレフ レート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN) ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテル ミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ ェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポ イミド、ボリカーボネート(PC)、トリアセチ セルロース(TAC)、ジアセチルセルロース(DAC) 、セルロースアセテートプロピオネート(CAP) からなるフィルム等が挙げられる。このよ に、プラスチックフィルムを用いることで ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を ることができ、可搬性を高めることができ と共に衝撃に対する耐性を向上できる。ま 、基体が透明でなくてもよい用途であれば アルミ箔などのような薄い金属箔などを基 として用いても良い。

 透明性、耐熱性、取り扱いやすさ及び価 の点から、上記プラスチックフィルムはポ エチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポ エチレンナフタレート(PEN)であることが好ま しい。

 また、ディスプレイ用としては透明性が 求されるため、支持体の透明性は高いこと 望ましく、プラスチックフィルム又はプラ チック板の全可視光透過率は好ましくは70%~ 100%であり、より好ましくは90%~100%である。

 《パッシベーション層》
 また本発明の有機薄膜トランジスタ上には ッシベーション層を設けることも可能であ 。パッシベーション層を設けることにより 有機薄膜トランジスタを形成した後の工程 応力の印加による剥がれや断線、水蒸気や 素等の劣化因子との化学反応などを抑制す ことができる。

 パッシベーション層としては、無機酸化 または無機窒化物、アルミニウム等の金属 膜、ポリビニルアルコールやパリレン等の ス透過性の低いポリマーフィルム、および れらの積層物等が挙げられ、このような保 層を有することにより、有機薄膜トランジ タの耐久性が向上する。

 これらの保護層の形成方法としては、前 したゲート絶縁膜の形成法と同様の方法を げることができる。また、ポリマーフィル 上に各種の無機酸化物等が積層されたフィ ムを単にラミネートするなどといった方法 保護層を設けても良い。

 《有機薄膜トランジスタからなるディスプ イバックプレーンの製造方法》
 上記のような構成を有する有機薄膜トラン スタを、図2のように縦横に配列することで 、ディスプレイバックプレーンを形成するこ とができる。

 図2は、有機薄膜トランジスタシートの概 略等価回路図の1例を示す図である。

 有機薄膜トランジスタシート10は、マト クス配置された多数の有機薄膜トランジス 11を有する。7は各有機薄膜トランジスタ11の ゲートバスラインであり、8は各有機薄膜ト ンジスタ11のソースバスラインである。各有 機薄膜トランジスタ11のソース電極には出力 子12が接続され、この出力12は、例えば、液 晶、電気泳動素子等であり、表示装置におけ る画素を構成する。画素電極は光センサの入 力電極として用いてもよい。図示の例では、 出力素子として液晶が抵抗とコンデンサから なる等価回路で示されている。13は蓄積コン ンサ、14は垂直駆動回路、15は水平駆動回路 である。

 以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説 するが、本発明はこれらに限定されない。

 実施例1
 《有機薄膜トランジスタ1の作製》:比較例
 前記特許文献5の実施例1を参考とし、比較 有機薄膜トランジスタ1(ボトムゲート・ボト ムコンタクト型)を作製した。

 《ゲート電極パターンの形成》
 まず、厚み100μmのポリエーテルスルホン(PES )フィルム上に、ハードコート層3μm、および パッタによって形成された酸化ケイ素膜100n mを有する基板を準備し、前記酸化ケイ素膜 に下記のゲート電極パターンを有するマス を介してAlNdを電子ビームによって蒸着し、 さ100nmのゲート電極パターンを形成した。 いでこのフィルム基板を電子工業用のアセ ンとメタノール溶媒を用いて超音波洗浄器 で洗浄した。

 尚、ゲート電極パターンとは、線幅50μm 引き出し線を有し、ソース電極およびドレ ン電極の真下に250μm×250μmの正方形の形状を 有するようなパターンである。

 《ゲート絶縁層の形成》
 次にゲート絶縁体層を形成した。上記で作 したゲート電極パターンの引き出し線末端 をマスキングテープで保護した後、スパッ によって300nmの膜厚の酸化ケイ素膜を堆積 、ゲート電極パターンの引き出し線を保護 るマスキングテープをはがすことによって ゲート絶縁膜を形成した。

 《ソース電極パターンおよびドレイン電極 ターンの形成》
 酸化ケイ素からなる絶縁層上に、以下のよ に調製した電極形成用溶液M1を、前記親水 処理を施した絶縁層上にスピンコートし、 定の形状を有するマスクを介して高圧水銀 を照射した。

 尚、所定の形状とは、電極幅=100μm、チャ ネル長L=10μm、チャネル幅W=250μmのチャネル形 状を10個有するようなパターンである。

 照射完了の後、照射された部分は銀が還 されるが、露光されなくて還元されていな 部分はアセトニトリルで溶解し、ソース電 およびドレイン電極を形成した。次いで、 属パターンの接着力を向上させるために、1 00℃で5分間熱処理を施し、50nmの厚みを有す ソース電極パターンおよびドレイン電極パ ーンを得た。

 《電極形成用溶液M-1の調製》
 アセトニトリル20mlに亜硝酸銀(1.53g)を溶解 せた溶液に、n-プロピルアミン(3.60g、60mmol) 暗所で滴加した。

 常温で反応混合物を4時間攪拌して少量の 茶色の沈殿物および薄い黄色の溶液を得た後 、2μmのPTFEメンブレインフィルターを用いて 過した。その結果、体積5mlの濾過物が得ら た。

 この濾過物に50mlのEt 2 Oを添加した。この溶液をさらに濾過し、す ての揮発性有機物を常温で真空を用いて蒸 させ、薄い黄色の金属前駆体溶液M-1を得た(1 .9g)。

 《有機半導体層の形成》
 上記で得られた基板を、SAMCO製ドライクリ ナーUV-1を用いて、UV-オゾン処理を70℃で1分 行った。室温まで冷却した後、ペンタフル ロベンゼンチオールの1mMエタノール溶液に2 分間浸漬した。エタノールで洗浄・乾燥後、 ヘキサメチルジシラザン(HMDS)の1質量%トルエ 溶液を4000回転でスピンコートし、さらに90 で90秒のベークを行った。

 上記の基板上に、トルエンに2.0質量%の濃 度で溶解した有機半導体材料1を、前記で形 したソース電極とドレイン電極とで挟まれ チャネル領域を完全に覆うような大きさの 滴をドロップキャストした後、密閉容器中 室温で15分間乾燥させた後、真空中で90℃1時 間の乾燥を行うことによって有機半導体膜を 形成し、有機薄膜トランジスタ1を作製した なお、このとき有機半導体膜の膜厚は80nmで った。

 《キャリア移動度の評価》
 この有機薄膜トランジスタ1に含まれる10個 素子に対し、下記のようにキャリア移動度 評価を行ったのち、その平均値およびバラ キを算出した。

 得られた有機薄膜トランジスタ1について 、ドレインバイアスを-40Vとし、ゲートバイ スを-40Vから+40Vまで掃引したときのI-V特性の 飽和領域から、キャリア移動度を算出した。

 その結果、10個の有機薄膜トランジスタの ち3個は駆動せず、駆動した7個の有機薄膜ト ランジスタ1の平均移動度は0.053cm 2 /Vsであり、また移動度のばらつきは、平均移 動度から±75%の範囲であった。

 《有機薄膜トランジスタ2の作製》:本発明
 前記有機薄膜トランジスタ1と同様にして、 ゲート絶縁層まで形成した後、以下のように して本発明の有機薄膜トランジスタ2を作製 た。
《ソース電極パターンおよびドレイン電極パ ターンの形成》
 酸化ケイ素からなる絶縁層上に、SAMCO製ド イクリーナーUV-1により70℃1分のUV-オゾン洗 を施した後、以下のようにして作製した電 形成用乳剤M2を、ゼラチンの付き量が1.0g/m 2 となるように前記PESフィルムの酸化ケイ素膜 上に遮光下で塗布し、乾燥させた。

 (電極形成用乳剤M-2の調製)
 35℃に保温した0.5%ゼラチン水溶液1リットル 中に、下記(M2A液)及び(M2B液)を銀電位(EAg)=85mV pH=5.8に制御しつつ同時添加し、更に下記(M2C 液)及び(M2D液)をEAg=85mV、pH=5.8に制御しつつ同 添加した。この時、銀電位の制御は10%臭化 リウム水溶液を用い、pHの制御は酢酸また 水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。

 (M2A液)
 塩化カリウム                            46.3g
 臭化カリウム                            31.7g
 水を加えて                           1300ml
 (M2B液)
 硝酸銀                               150g
 水を加えて                           1360ml
 (M2C液)
 臭化カリウム                             310g
 ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム             4×10 -8 モル
 ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム                 2×10 -5 モル
 沃化カリウム                              10g
 水を加えて                           4000ml
 (M2D液)
 硝酸銀                               480g
 水を加えて                           4200ml
 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの 5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用 て脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合 て平均粒径0.04μm、粒径分布の変動係数0.13 ハロゲン化銀乳剤を得た。

 上記ハロゲン化銀乳剤に対し、チオ硫酸 トリウムをハロゲン化銀1モル当たり2.0mg用 40℃にて80分間化学増感を行い、化学増感終 了後に4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザ インデン(TAI)をハロゲン化銀1モル当たり500mg 加して、ハロゲン化銀乳剤M2Eを得た。

 このハロゲン化銀乳剤M2Eを用いて、ハロ ン化銀粒子とゼラチンの体積比(ハロゲン化 銀粒子/ゼラチン)が1.4となるように追加のゼ チンを調製し、さらに硬膜剤(H-1:テトラキ (ビニルスルホニルメチル)メタン)をゼラチ 1g当たり30mgの比率となるようにして添加し 電極形成用乳剤M-2とした。

 前記電極形成用乳剤M-2が塗布されたPESフ ルムに、レーザ波長405nmのCTPセッター(ECRM社 製)を用いて、2400dpi(ここで、dpiとは、1イン (2.54cm)当たりのドット数を表す)条件にて露 し、前記有機薄膜トランジスタ1と同様の電 パターンを形成した。

 その後、下記の現像液(D-1)を用いて25℃60 間の現像処理を、ついで下記の物理現像液( P-1)を用いて45℃60秒間の物理現像処理(無電解 銀メッキ処理)を、次いで定着液(F-1)を用いて 25℃120秒間の定着処理を行った後、40℃の温 水で5分洗浄したのち、40℃の温風で30分間の 乾燥を行った。その結果、所望の形状を有す るソース電極パターンおよびドレイン電極パ ターンが得られた。

 (現像液D-1)
 純水                                500ml
 メトール                                 2g
 無水亜硫酸ナトリウム                          80g
 ハイドロキノン                             4g
 ホウ砂                                 4g
 チオ硫酸ナトリウム                          10g
 臭化カリウム                             0.5g
 水を加えて全量を1リットルとする
 (物理現像液P-1)
 ハイドロキノン5gおよびクエン酸10gを含む 溶液     1L
 硝酸銀35gを含む水溶液                   1L
 上記2つの水溶液を混合して30分以内の水溶
 (定着液F-1)
 純水                                750ml
 チオ硫酸ナトリウム                         250g
 無水亜硫酸ナトリウム                          15g
 氷酢酸                               15ml
 カリミョウバン                            15g
 水を加えて全量を1リットルとする
 次いで、SAMCO製プラズマドライクリーナーPC -300によって、酸素50sccmおよび投入電力200W、5 分間の条件でゼラチンを分解除去することに より、ソース電極パターンおよびドレイン電 極パターンを得た。

 このようにして、ハロゲン化銀から還元 れた金属銀からなるソース電極パターンお びドレイン電極パターンを形成した。

 《有機半導体層の形成およびキャリア移動 の評価》
 次いで、比較例の有機薄膜トランジスタ1と 同様に、UV-オゾン洗浄、PFBT溶液浸漬、HMDSス ンコート、および有機半導体材料1をドロッ プキャストすることにより、有機薄膜トラン ジスタ2を作製した。

 この有機薄膜トランジスタ2に含まれる10 の素子に対し、同様にキャリア移動度の評 を行ったのち、その平均値およびバラツキ 算出した。

 その結果、10個の有機薄膜トランジスタは て駆動し、駆動した10個の有機薄膜トランジ スタ2の平均移動度は0.13cm 2 /Vsであり、また移動度のばらつきは、平均移 動度から±45%の範囲であった。

 《有機薄膜トランジスタ3の作製》(ボトム ート型):本発明
 有機薄膜トランジスタ2の作製において、定 着液F-1による定着処理まで行った後、更に、 以下の無電解金メッキ溶液P-2に45℃で3分間の 処理を行い、さらに60℃の純水、30℃のイソ ロパノールで順次洗浄することにより最表 を金で形成する工程を行い、次いで同様の ラズマドライクリーニングによるゼラチン 除去を行うことでソース電極パターンおよ ドレイン電極パターンを形成した。

 (無電解金メッキ溶液P-2)
 ジシアノ金カリウム                      0.1モル
 蓚酸ナトリウム                        0.1モル
 酒石酸ナトリウムカリウム                    0.1モル
 水を加えて全量を1リットルとする
 次いで、有機薄膜トランジスタ1と同様に、 PFBT溶液浸漬、HMDSスピンコート、有機半導体 料1のドロップキャストを行い、有機半導体 材料1からなる有機半導体層を形成した。

 この有機薄膜トランジスタ3に含まれる10 の素子に対し、同様にキャリア移動度の評 を行ったのち、その平均値およびバラツキ 算出した。

 その結果、10個の有機薄膜トランジスタは て駆動し、駆動した10個の有機薄膜トランジ スタ3の平均移動度は0.24cm 2 /Vsであり、また移動度の最大値および最
小値は、平均移動度から±35%であった。

 《有機薄膜トランジスタ4の作製》:本発明
 有機薄膜トランジスタ3において、無電解金 メッキ処理、さらにUV-オゾン処理、PFBT溶液 漬、HMDSスピンコートまでを同様に行った後 有機半導体層を有機半導体材料2の2.0質量% ルエン溶液から形成した以外は同様にして 有機薄膜トランジスタ4(ボトムゲート・ボト ムコンタクト型)を形成した。

 この有機薄膜トランジスタ4に含まれる10 の素子に対し、同様にキャリア移動度の評 を行ったのち、その平均値およびバラツキ 算出した。

 その結果、10個の有機薄膜トランジスタは て駆動し、駆動した10個の有機薄膜トランジ スタ4の平均移動度は0.31cm 2 /Vsであり、また移動度のばらつきは、平均移 動度から±30%の範囲であった。

 《有機薄膜トランジスタ5の作製》:本発明
 厚み100μmのポリエーテルスルホン(PES)フィ ム上に、ハードコート層3μm、およびスパッ によって形成された酸化ケイ素膜100nmを有 る基板を準備し、前記酸化ケイ素膜上にSAMCO 製ドライクリーナーUV-1にて70℃1分のUV-オゾ 処理を施した後、前記電極形成用乳剤M-2を 有機薄膜トランジスタ2でソース・ドレイン 極パターンを作製した際と同様の条件で塗 、乾燥を行った後、同様にレーザー波長405n mのCTPセッターを用いて、2400dpi条件にて以下 下記のゲート電極パターンを有するマスク 介して露光した。

 尚、ゲート電極パターンとは、線幅50μm 引き出し線を有し、ソース電極およびドレ ン電極の真下に250μm×250μmの正方形の形状を 有するようなパターンである。

 その後、前記の現像液(D-1)を用いて25℃60 間の現像処理を、ついで前記の物理現像液( P-1)を用いて45℃60秒間の物理現像処理(無電解 銀メッキ処理)を、次いで前記定着液(F-1)を用 いて25℃120秒間の定着処理を行った後、さら 以下の架橋剤(C-1)を用い、架橋処理を行っ 。

 (架橋剤C-1)
 純水                                750ml
 グルタルアルデヒド                          15g
 架橋処理後、40℃の温純水で5分洗浄したの 、40℃の温風で30分間の乾燥を行った。その 結果、所望の形状を有するゲート電極パター ンが得られた。

 《ゲート絶縁層の形成》
 次にゲート絶縁体層を形成した。上記で作 したゲート電極パターンの引き出し線末端 をマスキングテープで保護した後、スパッ によって300nmの膜厚の酸化ケイ素膜を堆積 、ゲート電極パターンの引き出し線を保護 るマスキングテープをはがすことによって ゲート絶縁膜を形成した。

 《ソース電極パターンおよびドレイン電極 ターンの形成》
 上記で得られた基板のゲート絶縁膜上に、 知の2層レジスト法によって有機薄膜トラン ジスタ1~4と同様のソース・ドレイン電極パタ ーンを形成した。
すなわち、MicroChem製LOR-5B、および東京応化製 OFPR-800を重層塗布し、露光・現像を行うこと よって2層レジストパターンを形成した後、 真空蒸着で金を100nm堆積させ、さらにN,N-ジメ チルホルムアミドを用いてリフトオフするこ とによって、所望のソース・ドレイン電極パ ターンを得た。
上記のソース・ドレイン電極パターンを得た 後は、有機薄膜トランジスタ4と同様に、UV- ゾン洗浄、PFBT溶液浸漬、HMDSスピンコート、 有機半導体材料2の溶液のドロップキャスト 行い、有機薄膜トランジスタ5を得た。

 この有機薄膜トランジスタ5に含まれる10 の素子に対し、同様にキャリア移動度の評 を行ったのち、その平均値およびバラツキ 算出した。

 その結果、10個の有機薄膜トランジスタは て駆動し、駆動した10個の有機薄膜トランジ スタ5の平均移動度は0.28cm 2 /Vsであり、また移動度のばらつきは、平均移 動度から±35%の範囲であった。

 《有機薄膜トランジスタ6の作製》:本発明
 有機薄膜トランジスタ5の作製と同様にして 、PES基板上に電極形成用溶液M-2の塗布・乾燥 を行ってゲート電極パターンを形成および酸 化ケイ素膜からなるゲート絶縁膜の体積を行 った。
以降は実施例4と同様にして、ソース電極パ ーンおよびドレイン電極パターン形成用に び電極形成用溶液M-2を塗布し、露光を行っ 後、前記現像液(D-1)を用いて25℃60秒間の現 処理を、ついで前記の物理現像液(P-1)を用い て45℃60秒間の物理現像処理(無電解銀メッキ 理)を、次いで前記の定着液(F-1)を用いて25 120秒間の定着処理を行った後、40℃の温純水 で5分洗浄する現像処理を行い、さらに、上 のソース電極パターンおよびドレイン電極 ターンに対し、無電解金メッキ溶液P-2を用 て45℃で3分間の金メッキ処理を行い、さら 60℃の純水、30℃のイソプロパノールで順次 浄し、さらにプラズマドライクリーニング ゼラチン層を除去することにより、最表面 金で形成されたソース電極パターンおよび レイン電極パターンを形成した。

 次いで、有機薄膜トランジスタ4と同様に 、UV-オゾン洗浄、PFBT溶液浸漬、HMDSスピンコ ト、有機半導体材料2の溶液のドロップキャ ストを行い、有機薄膜トランジスタ6を得た

 この有機薄膜トランジスタ6に含まれる10 の素子に対し、同様にキャリア移動度の評 を行ったのち、その平均値およびバラツキ 算出した。

 その結果、10個の有機薄膜トランジスタは て駆動し、駆動した10個の有機薄膜トランジ スタ2の平均移動度は0.32cm 2 /Vsであり、また移動度のばらつきは、平均移 動度から±25%の範囲であった。

 以上、本発明の有機薄膜トランジスタと 較の有機薄膜トランジスタの評価結果を表1 にまとめる。

 表1から、本発明の有機薄膜トランジスタ は移動度が高く、バラツキの少ない有機薄膜 トランジスタを形成できることがわかる。