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Patent Searching and Data


Title:
ORGANISM HEATER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026254
Kind Code:
A1
Abstract:
An organism-surrounding solenoid-type organism heater capable of producing a magnetic flux of predetermined density in a region near an affected part in a solenoid coil having a small impedance. The organism heater (10) comprises a tubular solenoid coil (17) having a size large enough to insert an organism inside the coil, a high-frequency power supply (11) for feeding power to the coil, and an organism holder (15) movably insertable into the solenoid coil (17). A half or more of the cross-sectional outline shape of the solenoid coil (17) along the circumferential direction of the outline is a circular arc, and the other part is linear. A sub-solenoid coil (21) shorter than the solenoid coil (17) and having a higher winding density than that is inserted into the solenoid coil (17). A magnetic body (40) movably insertable into the solenoid coil (17) is fitted to a movable bed (15).

Inventors:
HIRAYAMA KOTARO (JP)
TOMODA ISAMU (JP)
MIYATA SHUICHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2006/316983
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 29, 2006
Export Citation:
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Assignee:
NANOTHERAPY CO LTD (JP)
DAI ICHI HIGH FREQUENCY CO LTD (JP)
HIRAYAMA KOTARO (JP)
TOMODA ISAMU (JP)
MIYATA SHUICHIRO (JP)
International Classes:
A61N2/00; A61F7/00; A61N1/40
Foreign References:
JPH045172Y21992-02-14
JP2001208526A2001-08-03
JPS6144035B21986-10-01
Attorney, Agent or Firm:
HIGUCHI, Morinosuke et al. (Toranomon 5-chome Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 生体を遊挿しうる大きさの筒状ソレノイドコイルと、これに給電するための高周波電源と、前記ソレノイドコイルに遊挿しうる可動寝台などの生体保持具とを備えた生体加温装置において、前記ソレノイドコイルはその横断面に係る輪郭の形状が該輪郭の周方向における過半区間では円弧状であって残りの区間では直線状であり、前記ソレノイドコイルに比べて長さが短く且つ捲回密度が密なコイルであって前記の又は別設の高周波電源から給電される副ソレノイドコイルが前記ソレノイドコイルに内挿されており、更に、前記ソレノイドコイル内に遊挿可能な磁性体が前記生体保持具に装着されていることを特徴とする生体加温装置。
 前記磁性体は、頂部に向かって断面積が小さくなって行く形態を有し、その頂部を作用端面とするものであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の生体加温装置。
 前記磁性体の作用端面に、該作用端面と対向する生体表面の温度を検出する体表面温度検出部材が付設されていることを特徴とする請求の範囲第2項記載の生体加温装置。
 生体を遊挿しうる大きさの筒状ソレノイドコイルと、これに給電するための高周波電源と、前記ソレノイドコイルに遊挿しうる可動寝台などの生体保持具とを備えた生体加温装置において、前記ソレノイドコイルはその横断面に係る輪郭の形状が該輪郭の周方向における過半区間では円弧状であって残りの区間では直線状であることを特徴とする生体加温装置。
 前記ソレノイドコイルに比べて長さが短く且つ捲回密度が密なコイルであって前記の又は別設の高周波電源から給電される副ソレノイドコイルが前記ソレノイドコイルに内挿されていることを特徴とする請求の範囲第4項記載の生体加温装置。
 前記副ソレノイドコイルはその捲回密度について前記ソレノイドコイルの円弧状部分に寄った側が密になっており前記ソレノイドコイルの直線状部分に寄った側が粗になっていることを特徴とする請求の範囲第5項記載の生体加温装置。
 前記副ソレノイドコイルが前記ソレノイドコイルから出し入れ自在なものであることを特徴とする請求の範囲第6項記載の生体加温装置。
 前記副ソレノイドコイルが前記ソレノイドコイルから出し入れ自在なものであることを特徴とする請求の範囲第5項記載の生体加温装置。
 前記ソレノイドコイル内に遊挿可能な磁性体が配設されていることを特徴とする請求の範囲第4項記載の生体加温装置。
 前記ソレノイドコイル内に遊挿可能な磁性体が配設されていることを特徴とする請求の範囲第5項記載の生体加温装置。
 生体を遊挿しうる大きさの筒状ソレノイドコイルと、これに給電するための高周波電源と、前記ソレノイドコイルに遊挿しうる可動寝台などの生体保持具とを備えた生体加温装置において、前記ソレノイドコイルに比べて長さが短く且つ捲回密度が密なコイルであって前記の又は別設の高周波電源から給電される副ソレノイドコイルが前記ソレノイドコイルに内挿されていることを特徴とする生体加温装置。
 前記ソレノイドコイル内に遊挿可能な磁性体が配設されていることを特徴とする請求の範囲第11項記載の生体加温装置。
 生体を遊挿しうる大きさの筒状ソレノイドコイルと、これに給電するための高周波電源と、前記ソレノイドコイルに遊挿しうる可動寝台などの生体保持具とを備えた生体加温装置において、前記ソレノイドコイル内に遊挿可能な磁性体が配設されていることを特徴とする生体加温装置。
 前記磁性体が複数配設され、それらが前記ソレノイドコイルの軸方向に分離配置されている、ことを特徴とする請求の範囲第9項,第10項,第12項,及び第13項のうち何れか1項に記載の生体加温装置。
 前記磁性体に磁束収束用の中実状磁性体と磁束拡散用の中空状磁性体とが含まれていることを特徴とする請求の範囲第14項記載の生体加温装置。
 前記中実状磁性体は、頂部に向かって断面積が小さくなって行く形態を有し、その頂部を作用端面とするものであることを特徴とする請求の範囲第15項記載の生体加温装置。
 前記中実状磁性体が前記生体保持具に装着されていることを特徴とする請求の範囲第15項記載の生体加温装置。
 前記中実状磁性体の作用端面に、該作用端面と対向する生体表面の温度を検出する体表面温度検出部材が付設されていることを特徴とする請求の範囲第15項記載の生体加温装置。
 前記中実状磁性体にその内部温度を検出する内部温度検出部材が付設されていることを特徴とする請求の範囲第15項記載の生体加温装置。
 前記中空状磁性体は強磁性材料と高分子材料の複合体であることを特徴とする請求の範囲第15項記載の生体加温装置。
 前記中実状磁性体に、前記の又は別設の高周波電源から給電される小形ソレノイドコイルが巻回されていることを特徴とする請求の範囲第15項記載の生体加温装置。
 前記中実状磁性体を冷却する磁性体冷却手段が設けられていることを特徴とする請求の範囲第21項記載の生体加温装置。
Description:
生体加温装置

 この発明は、癌の治療などのために生体の 部を加温するのに適した生体加温装置に関 、詳しくは、ソレノイドコイルを用いて磁 を生じさせ、この磁束を生体に照射するこ により、生体内部の患部等を加温する生体 温装置に関する。
 この生体加温装置の利用は、癌細胞を選択 に壊死させるために患部を集中的に加温す 局部温熱療法(ハイパーサーミヤ法)に適し おり、特に、微粒子の感磁発熱体を生体内 配し、生体外から交番磁界を印加して発熱 せるのに、好適なものである。

 癌治療等のために生体内奥部の小領域を 中的に加温できるようになった生体加温装 として、比透磁率を高位に限定した鉄系酸 物の微粒子を主成分とする感磁発熱体を生 内部に配置し、交番磁界発生装置にて生体 通る磁束を形成する、というものが知られ いる(例えば特許文献1参照)。この交番磁界 生装置の構成例として、生体を囲んで配置 きるソレノイドコイルに交流を通電するこ により縦断的な磁束すなわち生体を主とし 身長方向に貫く磁束を生じるものと、生体 挟んで配置できる磁極対により横断的な磁 を生じるものとがある。

 また、高周波電界によって生体の表層部 誘電加熱されるのを緩和・防止するために 生体を遊挿しうるソレノイドコイルに筒状 高誘電体を内装した磁束照射装置が知られ いる(例えば特許文献2参照)。この磁束照射 置は、ソレノイドコイルに高周波通電を行 ことにより、縦断的な磁束を生じ、それを 誘電体の中空部内に配置された生体のほぼ 体に照射するようになっている。そのソレ イドコイルの横断面(ソレノイド径方向の断 面すなわちソレノイド軸方向に直交する断面 )形状は、ほぼ円形であった。

 さらに、人体等の被射体の局所に対して 方向から高密度の磁束を照射するために、 束発生部の一端(作用端)側から高密度の磁 が発射されるようにした、単一作用磁極タ プの磁束照射装置もある(例えば特許文献3,4 照)。これらの磁束照射装置は、高周波通電 により磁束を生じる小形ソレノイドコイルに 、磁束強化およびソレノイド軸方向磁束到達 距離延伸のため棒状の磁心を嵌挿したもので ある。ソレノイド軸方向磁束到達距離の更な る延伸のためソレノイドコイルの外側に且つ 作用端側の短区間に補強巻線を巻成したもの や(例えば特許文献3参照)、磁心の昇温防止等 のため磁心の作用端側よりも非作用端側を太 くしたり冷媒の流路を磁心に形成したものも 知られている(例えば特許文献4参照)。

特開平11-57031号公報

特開2004-167031号公報

特開2003-205040号公報

特開2004-228289号公報

 このような従来の生体加温装置では、可動 台などの生体保持具を遊挿しうるソレノイ コイルは、当然のことのように円筒状で具 化されており、その横断面形状はほぼ円形 ある。そして、患者等の生体が生体保持具 に横たわると生体がソレノイド横断面形状 円の概ね中心に位置するようになっている
 一方、加温するべき患部は、多くの場合、 体の中心部より外側に偏倚して位置してい 。そして、ソレノイドコイルの巻き線が作 磁束は、その高密度領域が巻き線寄りの環 領域に位置しているから、コイル径が大き 周長の長い生体包囲ソレノイドタイプの場 、ソレノイドコイルの磁束のうち患部の加 に寄与するのは実質的にはソレノイドコイ 全周のうちの患部に近い一角に限られるこ となり、患部から遠い方角の部分は、患部 加温にほとんど役立っておらず、この部分 コイルインピーダンスは、加温という観点 は高周波電源に負荷をもたらすだけの無益 存在となっている。

 かといって、ソレノイド横断面において患 から遠い方角の部分も、コイルに電流を流 必要上、ソレノイドコイルから除外する訳 はいかない。
 しかしながら、コイルインピーダンスが大 いと、所要のコイル電流を確保するのに高 電圧をソレノイドコイルに印加しなければ らないので、その分だけ出力の大きな高周 電源が必要になってコストが嵩むうえ、安 確保のための絶縁対策などにも高品質の部 等が必要になって更にコストが嵩む。
 そこで、ソレノイドコイル内の患部に近い 角に所期の密度の磁束を発生可能であって イルインピーダンスの小さい生体包囲ソレ イドタイプ生体加温装置を実現することが 1技術課題となる。

 また、加温するべき患部の大多数が生体 中心部より外側に偏倚して位置していると っても、ソレノイドコイルの巻き線に近接 るほど患部位置が偏倚している訳ではない で、磁束到達距離をソレノイド径方向に延 させることも重要である。ソレノイド軸方 の磁束到達距離は、フェライト等の強磁性 料からなる磁性体をソレノイドコイルに挿 することで、延伸させることが可能である 、ソレノイド径方向の磁束到達距離を延伸 せるためには、ソレノイドコイルの形状の 様の変更以外では、コイル電流を増加させ ことが必要である。

 しかしながら、コイル電流の増加には一般 ソレノイド印加電圧の上昇を伴うため、上 のように電源規模や安全確保の負担が重い 一方、生体包囲ソレノイドタイプの生体加 装置を使用する場合であっても、患部がソ ノイドコイルの全長に及ぶことはなく、ソ ノイド径方向の磁束到達距離の延伸が求め れるのはソレノイド軸方向の一部分だけで る。
 そこで、上記一部分に係るソレノイドコイ の巻き線から離れた中心部寄りの部位に所 の密度の磁束を発生することの可能な生体 囲ソレノイドタイプ生体加温装置を実現す ことが第2技術課題となる。

 さらに、各種タイプの従来装置を上述し が、従来の生体加温装置では、生体全体に 断的な磁束を照射する生体包囲ソレノイド イプの場合、磁束が生体の深奥部まで到達 ることや、磁束が概ね平行な磁力線群で構 されることから、生体のほぼ全体において 束に沿った方向の磁束密度の減少勾配が小 くなるので、不所望なホットスポットの発 が少ないこと等の利点があるが、患部の感 発熱体など所望部位に磁束を集中させるの 難しい、という不満もある。

 これに対して、局所的な磁束を生じる単 作用磁極タイプの場合、作用端近傍にて磁 が集中しているので、生体の体表面近傍の 位であれば十分に加温することができる等 利点がある。しかし、作用端から遠ざかる ど磁束が広がって行くので磁束に沿った方 の磁束密度の減少勾配は急峻であることか 、深部を加温しようとしてコイル電流を増 させると、体表面の磁束密度は過大となら るを得ず、体表面の誘導電流が増加して、 常細胞まで不所望に加熱されてしまう、と う不満がある。

 また、横断的な磁束を生じる磁極対タイプ 場合、両者の中間の特性が示され、磁束の がり方も磁束密度の減少勾配も中程度とな 。このため、利点も不満点も中間的なもの なる。
 しかしながら、生体加温装置を用いた局部 熱療法の効果を高めるには、患部のところ は磁束が生体の内奥部まで高密度のまま到 するとともに、正常な体表面では磁束密度 低くなる、という特性の強化が求められる
 そこで、磁束の集中と分散を生体内部でも 在かつ明瞭に行える生体加温装置を実現す ことが第3技術課題となる。さらに、そのよ うな磁束特性強化を実現するに際して装置を 使い易い態様で実現することが第4技術課題 なる。

 本発明の生体加温装置(請求の範囲第1項) 、このような第1~第4技術課題を総て解決す ために創案されたものであり、生体を遊挿 うる大きさの筒状ソレノイドコイルと、こ に給電するための高周波電源と、前記ソレ イドコイルに遊挿しうる可動寝台などの生 保持具とを備えた生体加温装置において、 記ソレノイドコイルはその横断面に係る輪 の形状が該輪郭の周方向における過半区間 は円弧状であって残りの区間では直線状で り(本明細書では以下,この横断面形状を横 面D字形と呼ぶ)、前記ソレノイドコイルに比 べて長さが短く且つ捲回密度が密なコイルで あって前記の又は別設の高周波電源から給電 される副ソレノイドコイルが前記ソレノイド コイルに内挿されており、更に、前記ソレノ イドコイル内に遊挿可能な磁性体が前記生体 保持具に装着されていることを特徴とする。

 なお、ここで言う「円弧状」とは、略真円 切片の形状を典型例とし、この他、楕円・ 物線・双曲線の切片の形状をも含めた形状 指している。云い換えれば、「2次曲線形状 」,「円錐曲線形状」を指している。
 また、「直線状」とは、いわゆる「真っ直 」な形状に限らず、インダクタンス増に寄 するような巻線曲率に類しない程度の緩や な撓みや折れ曲がりを有する形状をも含め 形状を指している。例えば、上記D字状コイ ル(横断面D字形のソレノイドコイル)の製作過 程で「円弧状」部分を形成する際の反作用と して生じた撓みの形状などである。
 因みに、上記した「直線状」の形状の好適 囲は「円弧状」部分の形状によって異なっ おり、両形状の大まかな平均曲率半径の比 おいて、「直線状部分の平均曲率半径:円弧 状部分の平均曲率半径」が「10:1」以上であ ば、この発明の作用効果が十分に奏される

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 2項)は、上記の請求の範囲第1項記載の生体加 温装置であって更に、前記磁性体は、頂部に 向かって断面積が小さくなって行く形態を有 し、その頂部を作用端面とするものであるこ とを特徴とする。
 さらに、本発明の生体加温装置(請求の範囲 第3項)は、上記の請求の範囲第2項記載の生体 加温装置であって更に、前記磁性体の作用端 面に、該作用端面と対向する生体表面の温度 を検出する体表面温度検出部材が付設されて いることを特徴とする。

 本発明の生体加温装置(請求項4)は、上記 請求の範囲第1項記載の生体加温装置から、 第1技術課題を解決する要件を抽出したもの ある。具体的には、第1技術課題を解決する め、生体を遊挿しうる大きさの筒状ソレノ ドコイルと、これに給電するための高周波 源と、前記ソレノイドコイルに遊挿しうる 動寝台などの生体保持具とを備えた生体加 装置において、前記ソレノイドコイルはそ 横断面に係る輪郭の形状が該輪郭の周方向 おける過半区間では円弧状であって残りの 間では直線状であることを特徴とする。

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲 第5項)は、上述した第1技術課題に加えて第2 術課題も解決せんとするものであり、上記 請求の範囲第4項記載の生体加温装置であっ 更に、前記ソレノイドコイルに比べて長さ 短く且つ捲回密度が密なコイルであって前 の又は別設の高周波電源から給電される副 レノイドコイルが前記ソレノイドコイルに 挿されていることを特徴とする。

 さらに、本発明の生体加温装置(請求の範囲 第6項)は、上述した第1技術課題に加えて第2 術課題を高い水準で解決せんとするもので り、上記の請求の範囲第5項記載の生体加温 置であって更に、前記副ソレノイドコイル その捲回密度について前記ソレノイドコイ の円弧状部分に寄った側が密になっており 記ソレノイドコイルの直線状部分に寄った が粗になっていることを特徴とする。
 より具体的には、生体保持具が前記ソレノ ドコイルの直線状部分に寄っている場合、 記副ソレノイドコイルはその捲回密度につ て前記生体保持具の非偏倚側が密になって り前記生体保持具の偏倚側が粗になってお 、生体保持具が前記ソレノイドコイルの円 状部分に寄っている場合、前記副ソレノイ コイルはその捲回密度について前記生体保 具の偏倚側が密になっており前記生体保持 の非偏倚側が粗になっている。

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 7項,請求の範囲第8項)は、上記の請求の範囲 6項または請求の範囲第5項に記載の生体加温 装置であって更に、前記副ソレノイドコイル が前記ソレノイドコイルから出し入れ自在な ものであることを特徴とする。
 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 9項)は、上述した第1技術課題に加えて第3技 課題も解決せんとするものであり、上記の 求の範囲第4項記載の生体加温装置であって に、前記ソレノイドコイル内に遊挿可能な 性体が配設されていることを特徴とする。
 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 10項)は、上述した第1,第2技術課題に加えて第 3技術課題も解決せんとするものであり、上 の請求の範囲第5項記載の生体加温装置であ て更に、前記ソレノイドコイル内に遊挿可 な磁性体が配設されていることを特徴とす 。

 本発明の生体加温装置(請求の範囲第11項) は、上記の請求の範囲第1項記載の生体加温 置から、第2技術課題を解決する要件を抽出 たものである。具体的には、第2技術課題を 解決するため、生体を遊挿しうる大きさの筒 状ソレノイドコイルと、これに給電するため の高周波電源と、前記ソレノイドコイルに遊 挿しうる可動寝台などの生体保持具とを備え た生体加温装置において、前記ソレノイドコ イルに比べて長さが短く且つ捲回密度が密な コイルであって前記の又は別設の高周波電源 から給電される副ソレノイドコイルが前記ソ レノイドコイルに内挿されていることを特徴 とする。

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲 第12項)は、上述した第2技術課題に加えて第3 術課題も解決せんとするものであり、上記 請求の範囲第11項記載の生体加温装置であ て更に、前記ソレノイドコイル内に遊挿可 な磁性体が配設されていることを特徴とす 。

 本発明の生体加温装置(請求の範囲第13項) は、上記の請求の範囲第1項記載の生体加温 置から、第3技術課題を解決する要件を抽出 たものである。具体的には、第3技術課題を 解決するため、生体を遊挿しうる大きさの筒 状ソレノイドコイルと、これに給電するため の高周波電源と、前記ソレノイドコイルに遊 挿しうる可動寝台などの生体保持具とを備え た生体加温装置において、前記ソレノイドコ イル内に遊挿可能な磁性体が配設されている ことを特徴とする。

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 14項)は、上述した第3技術課題を高い水準で 決せんとするものであり、上記の請求の範 第9項,第10項,第12項,及び第13項のうち何れか1 項記載の生体加温装置であって更に、前記磁 性体が複数配設され、それらが前記ソレノイ ドコイルの軸方向に分離配置されている、こ とを特徴とする。
 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 15項)は、上記の請求の範囲第14項記載の生体 温装置であって更に、前記磁性体に磁束収 用の中実状磁性体と磁束拡散用の中空状磁 体とが含まれていることを特徴とする。
 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 16項)は、上記の請求の範囲第15項記載の生体 温装置であって更に、前記中実状磁性体は 頂部に向かって断面積が小さくなって行く 態を有し、その頂部を作用端面とするもの あることを特徴とする。

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 17項)は、上記の請求の範囲第15項記載の生体 温装置であって更に、前記中実状磁性体が 記生体保持具に装着されていることを特徴 する。
 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 18項)は、上記の請求の範囲第15項記載の生体 温装置であって更に、前記中実状磁性体の 用端面に、該作用端面と対向する生体表面 温度を検出する体表面温度検出部材が付設 れていることを特徴とする。
 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 19項)は、上記の請求の範囲第15項記載の生体 温装置であって更に、前記中実状磁性体に の内部温度を検出する内部温度検出部材が 設されていることを特徴とする。

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 20項)は、上記の請求の範囲第15項記載の生体 温装置であって更に、前記中空状磁性体は 磁性材料と高分子材料の複合体であること 特徴とする。
 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 21項)は、上記の請求の範囲第15項記載の生体 温装置であって更に、前記中実状磁性体に 前記の又は別設の高周波電源から給電され 小形ソレノイドコイルが巻回されているこ を特徴とする。
 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 22項)は、上記の請求の範囲第21項記載の生体 温装置であって更に、前記中実状磁性体を 却する磁性体冷却手段が設けられているこ を特徴とする。

 このような本発明の生体加温装置(請求の 範囲第1項,第4項,第11項,第13項)にあっては、 体が生体保持具と共にソレノイドコイルに 挿されるようにしたことにより、磁束が生 の全体に分散して生体の深奥部まで到達す という縦断的磁束照射タイプ即ち生体包囲 レノイドタイプの利点が先ず確保される。

 そのうえで、ソレノイドコイルの形状を横 面円形の単純な筒状から横断面D字形の変形 筒状にしたことにより(請求の範囲第1項,第4 )、患部に近くて患部の磁界強化に寄与する イル部分は円弧状のまま残っているので、 イル電流に応じて患部に生じる磁束密度は 下しない。一方、患部から遠くて患部の磁 強化に役立たないコイル部分は直線状とな 、この形状に由来して導体自体の自己イン クタンスと導体間の相互インダクタンスが に低く、加えて捲回径路が内寄りに短縮さ ることで、インダクタンスは形状ファクタ 線長ファクタの両面において低減され抵抗 は線長ファクタにおいて低減されることと って、インピーダンスが低減される。
 したがって、この発明によれば(請求の範囲 第1項,第4項)、ソレノイドコイル内の患部近 に所期の密度の磁束を発生可能であってコ ルインピーダンスの小さい生体包囲ソレノ ドタイプ生体加温装置が実現され、第1技術 題が解決される。

 また、本発明の生体加温装置にあっては( 請求の範囲第1項,第11項,さらには第5項)、磁 が生体の全体に分散して生体の深奥部まで 達するという生体包囲ソレノイドタイプの 点を確保したうえで、ソレノイドコイルよ 密で短い副ソレノイドコイルを導入してソ ノイドコイルに内挿したことにより、副ソ ノイドコイルに例えば直列接続にてソレノ ドコイルと同位相で通電すると、ソレノイ 軸方向における副ソレノイドコイル配置部 では、アンペアターン即ちコイル電流と周 数との積が増加するので、磁界が強化され とともに、ソレノイド径方向の磁束到達距 が延伸する。そのため、副ソレノイドコイ の内側に患部を置けば、ソレノイド径方向 見て患部がソレノイドコイルの巻き線から れた中心部寄りのところに位置していても そこに所期の密度の磁束が照射されること なる。

 したがって、この発明によれば、ソレノイ 軸方向の一部分に係るソレノイドコイルの き線から離れた中心部寄りの部位に所期の 度の磁束を発生することの可能な生体包囲 レノイドタイプ生体加温装置が実現され、 2技術課題が解決される。
 この場合、磁束強化代に応じた電源規模等 負担増が生じるものの、これは、前述のソ ノイドコイルにおける患部から遠い方角の 分に係る無益な負担とは異なり、患部の加 に寄与する有益な負担である。

 さらに、本発明の生体加温装置にあって (請求の範囲第1項,第13項,さらには第9項,第10 項,第12項)、磁束が生体の全体に分散して生 の深奥部まで到達するという生体包囲ソレ イドタイプの利点を確保したうえで、ソレ イドコイルより小さな磁性体がソレノイド イル内に遊挿されるようにしたことにより 磁性体のところでは磁束が集束されて高密 になるので、それを生体の患部に向ければ 磁束を生体の内奥部に位置する患部にまで 密度のまま届けることができ、その局所以 では磁束を分散させることができる。

 すなわち、ソレノイドコイルの中空内で 磁束は、大半がソレノイドコイルの全長に ってソレノイドコイルの軸方向に延伸して り、軸方向にはその状態を維持しながら、 方向では、磁性体のところで集束し、それ 外のところで分散する。そのため、磁性体 集束された磁束は、磁性体から出たら直ぐ 転回して大きく拡散するのでなく、分散し がらもソレノイドコイルの軸方向に進むの 、しかもその分散がソレノイドコイルの中 内に抑制されているので、磁性体の先でも し前方までは高密度状態が続き、それから 度に分散するのである。

 これにより、磁束分散の特性は、横断的な 束を生じるタイプのものより強くて、縦断 な磁束を生じるタイプのものに近く、磁束 中の特性は、横断的な磁束を生じるタイプ ものより強くて、局所的な磁束を生じるタ プのものに近くなる。しかも、高密度な磁 の到達距離が従来よりも伸びている。
 したがって、この発明によれば、磁束の集 と分散を生体内奥部でも自在かつ明瞭に行 る生体加温装置を実現することができ、第3 技術課題が解決される。

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 1項,第17項)にあっては、磁束特性強化用に追 された磁性体が生体保持具に装着されてい ので、生体や生体保持具をソレノイドコイ に遊挿すると、それに随伴して磁性体もソ ノイドコイルに遊挿されるので、装置が使 易くなり、第4技術課題が解決される。
 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 2項,第16項)にあっては、磁束特性強化用の磁 体の作用端面が絞られているため、磁束集 の度合いが高まるので、第3技術課題が高い 水準で解決される。

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 3項,第18項)にあっては、磁束特性強化用の磁 体の作用端面が生体の患部に向けられるの 、体表面に近い患部の温度あるいは患部直 の体表面温度が体表面温度検出部材によっ 検出される。
 そのため、その検出温度に基づいて高周波 源の出力抑制を行う等のことで、生体の不 望な加熱を防止することができる。
 したがって、この発明によれば、磁束の集 と分散を生体深奥部でもより自在かつ明瞭 行える生体加温装置であって磁束集中能力 高くても安全な装置を実現することができ 。

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲 第6項)にあっては、生体保持具がソレノイド イルの直線状部分に寄っている装置タイプ 場合、装置使用に先だって患者等の生体が 体保持具に沿う際、ソレノイド径方向に見 患部と生体保持具とが中心を挟んで相互に 対方向に偏倚するような体勢をとることで 患部がコイルの円弧状側に向くこととなる これに対し、生体保持具がソレノイドコイ の円弧状部分に寄っている装置タイプの場 、装置使用に先だって患者等の生体が生体 持具に沿う際、ソレノイド径方向に見て患 と生体保持具とが中心から同一方向に偏倚 るような体勢をとることで、同じく患部は イルの円弧状側に向くこととなる。そうす と、何れの場合も、患部がソレノイドコイ の円弧状部分に近接した状態となる。

 しかも、その状態で、副ソレノイドコイル 捲回密度が円弧状側すなわち患部寄りで密 なり患部から離れたところでは粗になって るので、患部側に磁束が集中する一方、正 部位では磁束が分散する。
 したがって、この発明によれば、ソレノイ コイルの巻き線から離れた中心部寄りに患 が位置していてもそこに所期の密度の磁束 収集させることの可能な生体包囲ソレノイ タイプ生体加温装置を実現することができ 第2技術課題が高い水準で解決される。

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲 第7項,請求の範囲第8項)にあっては、副ソレ イドコイルをソレノイドコイルから自在に し入れできるようにしたことにより、副ソ ノイドコイルでの磁束強化を選択的に行っ り、副ソレノイドコイルで磁束を強化する 位を変更したり、小径の副ソレノイドコイ にて磁束強化部位を絞り込んだり等、患部 合わせて適切な磁束照射を行うことができ 。

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 14項)にあっては、複数の磁性体をソレノイド コイルの軸方向に分離して配置したことによ り、磁性体同士の間では、磁束の集中作用が 両側から及んで強化されるので、磁束の高密 度なところが軸方向に延伸する。そのため、 高密度な磁束を生体内奥部で従来より深いと ころにまでも照射することができる。
 したがって、この発明によれば、磁束の集 と分散を生体深奥部でも自在かつ明瞭に行 る生体加温装置を実現することができ、第3 技術課題が高い水準で解決される。

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 15項)にあっては、磁束収束用の中実状磁性体 に加えて磁束拡散用の中空状磁性体もソレノ イドコイル内に遊挿して軸方向に分離配置し たことにより、磁束の集中能力ばかりか磁束 の分散能力も強化される。
 したがって、この発明によれば、磁束の集 と分散を生体深奥部でもより自在かつ明瞭 行える生体加温装置を実現することができ 第3技術課題がより高い水準で解決される。

 また、本発明の生体加温装置(請求の範囲第 19項)にあっては、磁束集中能力が高くて温度 が上がりやすい中実状磁性体の内部温度が内 部温度検出部材によって検出される。
 そのため、その検出温度に基づいて高周波 源の出力抑制を行う等のことで、磁性体の 所望な昇温を防止することができる。磁性 は、温度に応じて磁気特性が変化する性質 あり、具体的には昇温に伴って磁束集中能 が低下するので、治療効果を確保するには 使用時に作用端面を生体の患部に向ける中 状磁性体の温度を常温近くに維持するのが 効である。そこで、中実状磁性体に小形ソ ノイドコイルが巻回されていて発熱量が多 ときなど、検出温度に応じて中実状磁性体 冷却すると特に良い。

本発明の一実施形態(第1形態)について 生体加温装置の構造を示し、(a)及び(b)が生 加温装置の斜視図、(c)が磁束照射部の縦断 図(ソレノイド軸方向の断面)である。 その生体加温装置の構造を示し、(a)が 束照射部の横断面図(ソレノイド径方向の断 面)、(b)が磁性体の斜視図である。 その生体加温装置の使用態様を示し、( a)が磁束照射状況の平面図的な断面模式図(ソ レノイド軸方向の水平断面)、(b)が磁束照射 況の側面図的な断面模式図(ソレノイド軸方 の鉛直断面)である。 本発明の他の実施形態(第2形態)につい 、生体加温装置の構造および使用態様を示 、(a)が生体加温装置の斜視図、(b)が磁束照 部の縦断面図(ソレノイド軸方向の鉛直断面 )、(c)が磁束照射部の横断面図(ソレノイド径 向の鉛直断面)、(d)が磁束照射時の縦断面模 式図(ソレノイド軸方向の鉛直断面)である。 本発明の他の実施形態(第3形態)につい 、生体加温装置の構造および使用態様を示 、(a)が生体加温装置の斜視図、(b)が磁束照 部の縦断面図、(c)が磁束照射部の横断面図 (d)が磁束照射時の縦断面模式図である。 本発明の他の実施形態(第4形態)につい 、生体加温装置の構造および使用態様を示 、(a)がソレノイドコイル及び生体保持具の 断面図、(b)が磁束照射時の縦断面模式図で る。 本発明の他の実施形態(第5形態)につい 、生体加温装置の構造および使用態様を示 、(a)がソレノイドコイル及び生体保持具の 断面図、(b)が磁束照射時の縦断面模式図で る。 本発明の他の実施形態(第6形態)につい 、生体加温装置の構造および使用態様を示 、(a)が生体加温装置の斜視図、(b)が磁束照 部の縦断面図、(c)が磁束照射時の縦断面模 図である。 本発明の他の実施形態(第7形態)につい 、生体加温装置の構造および使用態様を示 、(a)が生体加温装置の斜視図、(b)が磁束照 部の縦断面図、(c)が磁束照射時の縦断面模 図である。 本発明の他の実施形態(第8形態)につい て、生体加温装置の構造および使用態様を示 し、(a)が生体加温装置の斜視図、(b)が磁束照 射部の縦断面図、(c)が磁束照射時の縦断面模 式図である。 本発明の他の実施形態(第9形態)につい て、生体加温装置の構造および使用態様を示 し、(a)が生体加温装置の斜視図、(b)が磁束照 射部の縦断面図、(c)が磁束照射時の縦断面模 式図である。 本発明の他の実施形態(第10形態)につ て、生体加温装置の構造を示し、(a)が生体 温装置の斜視図、(b)が磁束照射部の縦断面 、(c)が中実状磁性体の斜視図、(d)が中空状 性体の斜視図である。 その生体加温装置の回路ブロック図で ある。 その生体加温装置の使用態様を示す磁 束照射時の平面図的な断面模式図(ソレノイ 軸方向の水平断面)である。

符号の説明

8…患者(被射体,生体)、8a…患部、9…磁束、
10…生体加温装置、
11…高周波電源、12…ケーブル、13…マッチン グボックス、
14…架台、15…可動寝台(生体保持具)、16…筒 枠体、
17…ソレノイドコイル、17a…円弧状部分、17b 短絡線状部分、
18…筒状枠体、19…ソレノイドコイル、
21,22…副ソレノイドコイル、22a…密巻部、22b 粗巻部、
23,24…副ソレノイドコイル、28…小形ソレノ ドコイル、
31…ケーブル、34…高周波電線、35,36…信号線 、
37…配管、38…冷却水循環装置、
40…中実状磁性体、41…磁性体本体、42…作用 端面、
43…非作用端面、47…冷媒流路、48,49a,49b…磁 体、
50…中空状磁性体、51…磁性体本体、52…筒状 枠体、
61…体表面温度検出部材、62…内部温度検出 材、
110,120,130,140,150…生体加温装置、
160,170,180,190…生体加温装置

 本発明の生体加温装置の一実施形態(第1 態)について、その構成を、図面を引用して 明する。図1(a)及び(b)が生体加温装置10の斜 図、図1(c)が磁束照射部の縦断面図(ソレノ ド軸方向の断面)、図2(a)が磁束照射部の横断 面図(ソレノイド径方向の断面)、図2(b)が磁性 体40の斜視図である。

 なお、以降の実施形態に係る図示について 、簡明化のため、発明の説明に必要なもの 関連するものを中心に図示し、過度な細部 図示は割愛した。
 また、磁束照射部の構造を図示について、 断面図は、磁束照射部の主要部品である生 包囲型ソレノイドを横置きした状態で、ソ ノイド軸方向の断面図すなわち水平なソレ イド軸を含む鉛直面に係る断面図を指し、 断面図は、同じ状態で、ソレノイド径方向 断面図すなわち水平なソレノイド軸に直交 る鉛直面に係る断面図を指す。

 この生体加温装置10は(図1(a)~(c)参照)、膀 癌や馬尾神経腫瘍などの局部温熱療法に好 なものであり、従来の生体包囲ソレノイド イプと同様、図示しない横送り機構の付い 可動寝台15(生体保持具)と、架台14上に横置 された筒状枠体16と、軸方向を水平にした 態で筒状枠体16に納められ可動寝台15を遊挿 うる大形の主ソレノイドコイル17と、ケー ル12やマッチングボックス13を介してソレノ ドコイル17に高周波を給電するための高周 電源11とを備えたものであるが、次の3点が 来と大きく異なる。すなわち、この生体加 装置10が従来の生体包囲ソレノイドタイプと 相違する主な点は、主ソレノイドコイル17及 筒状枠体16の横断面形状が横断面D字形にな た点と、副ソレノイドコイル21がソレノイ コイル17に内挿されるようになった点と、可 動寝台15に装着された磁性体40がソレノイド イル17に内挿されるようになった点である。

 これらの相違点を順に詳述する。先ず、 来との第1相違点であるソレノイドコイル17 横断面D字形化について説明する。可動寝台 15上に患者が横たわったときに患者がソレノ ドコイル17の中心に位置するよう可動寝台15 はソレノイドコイル17の中空内でソレノイド より下方へ偏倚したところに設置されるが その偏倚側が変形している。ソレノイドコ ル17の横断面形状はソレノイドコイル17の全 長に亘ってほぼ同一なので、その横断面形状 について詳述すると(図2(a)参照)、ソレノイド コイル17のうち可動寝台15の非偏倚側である 動寝台15の両脇とその上側部分は、従来通り 円弧状のままであって、その円弧状部分17aが その延長にて仮想される円の半分以上を占め ているが、ソレノイドコイル17のうち可動寝 15の偏倚側である可動寝台15の下方の部分は 、直線状部分17bになっている。

 直線状部分17bは、両端の遷移部分を除い 真っ直ぐな直線になっていて、従来は実在 ていた上記仮想円の内側を通って上側円弧 両端を短絡経路で結んでいる。この直線状 分17bの幅と可動寝台15の幅とがほぼ同じ例 図示したが、他の部材との取り合い等によ ては、両者の幅に差が生じることがある。 た、直線状部分17bが完全な直線から概ね直 と言える近似直線になることもある。例え 、僅かに折れている折れ線や、曲率半径の きい緩やかな曲線になることもありうるが 円弧状部分17aの形状より直線に近い形状で れば直線状と言える。

 次に、従来との第2相違点である副ソレノ イドコイル21についてその構造を説明する(図 1,図2(a)参照)。副ソレノイドコイル21は、ソレ ノイドコイル17と同じく横置き状態で可動寝 15を遊挿しうるものであるが、ソレノイド イル17に内挿されるので、ソレノイドコイル 17より一回り小さい横断面D字形になっている 。すなわち、横断面形状において、可動寝台 15の非偏倚側が円弧状で、可動寝台15の偏倚 が直線状になっている。また、長さがソレ イドコイル17より短く、素線径がソレノイド コイル17より細く、巻きピッチが細かくて捲 密度がソレノイドコイル17より密になって る。

 両コイルを対比して数値例を挙げると、ソ ノイドコイル17は、円弧状部分17aの直径が50 0mm程度で、素線径が20mm程度で、捲回ピッチ 50mm程度で、捲回数が10程度である。
 これに対し、副ソレノイドコイル21は、円 状部分の直径が470mm程度で、素線径が10mm程 で、捲回ピッチが20mm程度で、捲回数が4程度 である。
 このような副ソレノイドコイル21は、ソレ イド軸方向における中央かその近傍でソレ イドコイル17に固定して内挿され或いは可動 寝台15と共に又は単独で軸方向移動されてソ ノイドコイル17に内挿され、同位相での通 を簡便かつ確実に行うため可撓性ケーブル31 内の高周波電線34にてソレノイドコイル17と 列に接続される。

 さらに、従来との第3相違点である磁性体 40についてその構造を説明する(図1,図2(a)参照 )。磁性体40は患部8aを狙い撃ちするために磁 収束能力の高い中実状磁性体からなり、可 寝台15の上側すなわち患者8乗載面上に装着 れている。図示したのは、単純な支柱にて 動寝台15の上方に固定したものであるが、 れに高さ調整機構を付加しても良く、可動 台15に差し込み固定しても良い。この中実状 磁性体40は、例えば前立腺癌を狙い撃ちする めに人間の股の間に収まる比較的小形の磁 体本体41を主体にしたものである(図2(b)参照 )。磁性体本体41は、例えば平面状,曲面状に 成された小さい頂部を有する台形状あるい 頂部を切り取った角錐・円錐状等の、頂部 向かって断面積が小さくなって行く形態の 磁性材小片からなり、その頂部を作用端面42 として患部に向け、軸線を可動寝台15の長手 向と平行にした配位で可動寝台15に取り付 られる(図1参照)。

 この磁性体本体41の作用端面42には(図2(b) 照)、作用端面42と対向する生体表面の温度 検出する体表面温度検出部材61が付設され いる。体表面温度検出部材61は、例えば半導 体センサを組み込んだ温度計からなり、患部 の表面温度を測定するため、感温部は作用端 面42から露出させ感温部以外は断熱材を被せ 状態で、作用端面42に埋設されている。体 面温度検出部材61は、磁性体本体41内を貫通 て非作用端面43側へ抜け出ている信号線35に て高周波電源11に接続されており、体表面温 検出部材61の検出温度が高周波通電の制御 利用できるようになっている。例えば、体 面温度検出部材61の検出温度が42℃を超える 、高周波電源11が出力を弱めるようになっ いる。信号線35は、例えば、可動寝台15を貫 てから、高周波電線34と共にケーブル31に纏 められて架台14に至り、更にケーブル12に収 って高周波電源11に至る。

 この実施形態(第1形態)の生体加温装置10 ついて、その使用態様及び動作を、図面を 用して説明する。図3は、患者8(生体、被射 )に磁気を照射している状況を示し、(a)が平 図的な断面模式図(ソレノイド軸方向の水平 断面)、(b)が側面図的な断面模式図(ソレノイ 軸方向の鉛直断面)である。

 先ず、微粒子の感磁発熱体を注入した患 8を可動寝台15に乗せて横たわらせるが、そ 際、患部8aが上側になるよう、例えば患部8a が腰部にあればうつ伏せ状態で、横たわらせ る。さらに、磁性体40が作用端面42を患者8の 腹部に向け非作用端面43を患者8の下肢間を く状態で患者8の股間に収まるようにする。 それから、副ソレノイドコイル21を可動寝台1 5長手方向にスライド移動させて、患者8の患 を囲むところに副ソレノイドコイル21を位 させる。そうすると、可動寝台15を基準にし て磁性体40と副ソレノイドコイル21と患者8と 相対位置が固定されるので、その状態を維 したまま、可動寝台15を移動させて筒状枠 16及びソレノイドコイル17の中空内に患者8を 送り込む。

 そして、感磁発熱体が患部に凝集した頃 高周波電源11を作動させると、ソレノイド イル17の軸方向すなわち患者8の身長方向に びる磁束9が生じる。この磁束9は、副ソレノ イドコイル21のところで全体的・大局的に絞 れるうえ、磁性体40のところで磁性体本体41 によって集束され、生体内奥の患部に高密度 で照射される。そのとき、患者8の股間の温 が不所望に上昇すると、それが体表面温度 出部材61によって検出され、それに応じて高 周波電源11の出力が抑制的に調整されるので 患者8の正常な体表面は患部近傍であっても 不所望に加熱されることがない。

 また、患部から離れたところの体表面につ ては、そこを貫く磁束が拡散・分散してい 、磁束密度の勾配が小さいことから、交番 界による誘導電流が少ないので、そこも不 望に加熱されることがない。
 そのため、この生体加温装置190にあっては 患者8に不所望な副作用的損傷を与えること なく、前立腺癌等の患部すなわち生体の深奥 部の局所に高密度の磁束を照射して、そこだ けを十分に加温することができる。

 さらに、ソレノイドコイル17や副ソレノ ドコイル21への高周波通電については、磁束 9が患部8aのところで治療に必要な高い密度に なるよう、高周波電源11の出力が調整される 、その際、従来と同じ患部照射磁束密度が 来より低い出力電圧で得られる。これは、 レノイドコイル17の捲回数が従来と同じで 短絡線状部分17bの変形によりソレノイドコ ル17のインピーダンスが減ったためであり、 従来と同じ出力電圧を以て従来より増強され たコイル電流や磁束密度が得られるという効 用がある。

 本発明の生体加温装置の他の実施形態(第 2形態)について、その構成を、図面を引用し 説明する。図4は、(a)が生体加温装置110の斜 視図、(b)が磁束照射部の縦断面図(ソレノイ 軸方向の鉛直断面)、(c)が磁束照射部の横断 図(ソレノイド径方向の鉛直断面)である。

 この生体加温装置110は、従来品と同じく上 の架台14と可動寝台15と筒状枠体16と主ソレ イドコイル17と高周波電源11とを具えている が(基本的な共通点)、従来と異なりソレノイ コイル17及び筒状枠体16の横断面形状が横断 面D字形となっている(第1相違点)。
 なお、上述した生体加温装置10と比較する 、共通点や第1相違点は踏襲していて膀胱癌 の局部温熱療法に好適なものとなっている 、第2相違点の副ソレノイドコイル21や第3相 違点の磁性体40は踏襲されておらず存在しな 。

 この実施形態(第2形態)の生体加温装置110 ついて、その使用態様及び動作を、図面を 用して説明する。図4(d)は、患者8(生体、被 体)に磁気を照射しているところの縦断面模 式図(ソレノイド軸方向の鉛直断面)である。

 この場合も、先ず微粒子の感磁発熱体を注 した患者8を可動寝台15に乗せるが、その際 患部8aが上側になるよう、例えば患部8aが腰 部にあればうつ伏せ状態で、横たわらせる。 それから、その状態を維持したまま、可動寝 台15を移動させて筒状枠体16及びソレノイド イル17の中空内に患者8を送り込む。そして 感磁発熱体が患部に凝集した頃に高周波電 11を作動させると、ソレノイドコイル17の軸 向すなわち患者8の身長方向に延びる磁束9 生じる。
 その際、磁束9が患部8aのところで治療に必 な高い密度になるよう、高周波電源11の出 が調整されるが、その際、従来と同じコイ 電流(ひいては磁束密度)が従来より低い出力 電圧で得られる。

 それは即ち、従来と同じ出力電圧を以て従 より増強されたコイル電流や磁束密度が得 れるということであり、その効用は大であ 。
 これは、ソレノイドコイル17の捲回数が従 と同じでも短絡線状部分17bの変形によりソ ノイドコイル17のインピーダンスが減ったた めである。
 例えば、磁束の交番周波数が感磁発熱体に 気ヒステリシス損を発生させるのに好適な5 0kHz~400kHz程度であって電流が200A程度の高周波 をソレノイドコイル17に給電するとして、従 であれば20μH程度であったインダクタンス 15μH程度になるので、それに対応して高周波 電源11の出力電圧は15kVから10kV程度に低下す 。

 本発明の生体加温装置の他の実施形態(第 3形態)について、その構成を、図面を引用し 説明する。図5は、(a)が生体加温装置120の斜 視図、(b)が磁束照射部の縦断面図、(c)が磁束 照射部の横断面図である。

 この生体加温装置120は、従来品と同じく上 の架台14と可動寝台15と筒状枠体16と主ソレ イドコイル17と高周波電源11とを具えている が(基本的な共通点)、従来と異なり、ソレノ ドコイル17及び筒状枠体16の横断面形状が横 断面D字形となっており(第1相違点)、やはり 断面D字形の副ソレノイドコイル21が追加さ ている(第2相違点)。
 なお、上述した生体加温装置10と比較する 、共通点や第1,第2相違点は踏襲していて膀 癌等の局部温熱療法に好適なものとなって るが、第3相違点の磁性体40は踏襲されてお ず存在しない。また、上述した生体加温装 110と相違するのは、第2相違点である上述の ソレノイドコイル21が追加されている点で る。

 この実施形態(第3形態)の生体加温装置120 ついて、その使用態様及び動作を、図面を 用して説明する。図5(d)は、患者8に磁気を 射しているところの縦断面模式図である。

 患部8aを上側にして感磁発熱体注入後の患 8を可動寝台15に乗せてソレノイドコイル17の 中空内に患者8を送り込み、それから高周波 源11を作動させるという手順は生体加温装置 110について上述したのと同じであるが、この 場合は、患部8aを副ソレノイドコイル21の内 に位置させたところで可動寝台15を止めてお く。
 そうすると、ソレノイドコイル17の発生す 磁界に副ソレノイドコイル21の発生する磁界 が重畳するので、患者8の身長方向に延びる 束9が患部8aのところで絞られて密になる。

 また、副ソレノイドコイル21の追加によ てソレノイドコイル17と合わせたコイルの総 捲回数が増えているので、患部8aに所期の密 の磁束9を生じさせるのに要するコイル電流 が少なくて済む。そのため、ソレノイドコイ ル17と副ソレノイドコイル21とが直列になっ いても、高周波電源11の出力調整に際して出 力電圧を上げる必要のないケースが多く、副 ソレノイドコイル21による磁束9の絞り効果や ソレノイドコイル17の短絡線状部分17bの変形 よるインピーダンス低減効果とが相まって 高周波電源11の出力電圧を下げることが可 となるケースもある。

 出力電圧はしばしば変動するので目安に ぎないが、一例を挙げると、感磁発熱体の 熱機能に適う例えば300mT(ミリ・テスラ)の磁 束9を患部8aのところに生じさせるとき、従来 装置の出力電圧は20kV程度であったが、生体 温装置120の高周波電源11の出力電圧は10kV程 である。

 本発明の生体加温装置の他の実施形態(第 4形態)について、その構成を、図面を引用し 説明する。図6(a)は、ソレノイドコイル17及 副ソレノイドコイル22並びに可動寝台15の縦 断面図である。

 この生体加温装置130が上述した生体加温 置120と相違するのは副ソレノイドコイル21 一部変形されて副ソレノイドコイル22になっ た点であり、副ソレノイドコイル22が副ソレ イドコイル21と相違するのは、横断面D字形 維持したまま、可動寝台15偏倚側のコイル 回ピッチが例えば2倍に広がって副ソレノイ コイル22のうち可動寝台15の下方の部分が粗 巻部22bになった点である。副ソレノイドコイ ル22のうち可動寝台15の上方の部分はソレノ ドコイル17より密に捲回された密巻部22aのま まである。

 この実施形態(第4形態)の生体加温装置130に いて、その使用態様及び動作を、図面を引 して説明する。図6(b)は、患者8に磁気を照 しているところの縦断面模式図である。
 この場合、患者8の身体のうち密巻部22a寄り の患部8aには上述の生体加温装置120と同じく 束9が集中するのに対し、患者8の身体のう 粗巻部22b寄りの正常部位では磁束9が生体加 装置120のときより分散するので、正常部位 掛かる負担が少なくなる。他は生体加温装 120のときと同様である。

 本発明の生体加温装置の他の実施形態(第 5形態)について、その構成を、図面を引用し 説明する。図7(a)は、ソレノイドコイル17及 副ソレノイドコイル23並びに可動寝台15の縦 断面図である。

 この生体加温装置140が上述した生体加温 置130と相違するのは副ソレノイドコイル22 それより細い副ソレノイドコイル23になった 点であり、副ソレノイドコイル23は、横断面D 字形のまま、径が小さくなったので、可動寝 台15から外され、ソレノイドコイル17の中空 何処にでも自在に移して置けるよう給電ケ ブルがフレキシブルになっている。このよ な副ソレノイドコイル23はソレノイドコイル 17から出し入れするのも自在なので、ソレノ ドコイル17から出して給電を絶つことがで るよう、給電経路をソレノイドコイル17だけ とソレノイドコイル17及び副ソレノイドコイ 23とで切り替えるスイッチ等が設けられて る。あるいは、給電ケーブルの挿抜等にて ソレノイドコイル23を完全に切り離すことの できるアタッチメント化が図られている。

 この実施形態(第5形態)の生体加温装置140に いて、その使用態様及び動作を、図面を引 して説明する。図7(b)は、患者8に磁気を照 しているところの縦断面模式図である。
 患部8aが足や手にあるような場合、患部8aを 囲む状態で副ソレノイドコイル23を足や手に 嵌し、患部8a及び副ソレノイドコイル23がソ レノイドコイル17の中空に入るところに可動 台15を止め、他は生体加温装置120,130につい 上述したのと同様にして磁束9を発生させれ ば、磁束9が患部8aに対して集中的に照射され る。
 また、患部8aが胴体にあるような場合には 副ソレノイドコイル23をソレノイドコイル17 ら出すとともに、副ソレノイドコイル23へ 給電を絶ち、ソレノイドコイル17だけに給電 すれば、生体加温装置110について上述したの と同様の磁束照射が行われる。

 本発明の生体加温装置の他の実施形態(第6 態)について、その構成を、図面を引用して 明する。図8は、(a)が生体加温装置150の斜視 図、(b)が磁束照射部の縦断面図である。
 この生体加温装置150は、乳癌などの局部温 療法に好適なものであり、上述した生体加 装置120,130と相違するのは、ソレノイドコイ ル17の中空に遊挿可能な磁性体48が追加され 点である(第3相違点)。なお、上述した生体 温装置10と比較すると、共通点や第1~第3相違 点を踏襲しているが、第3相違点の具体的な 様が異なっており、磁性体40に代えて磁性体 48を採用したものとなっている。

 磁性体48は、例えば焼結フェライトなど 強磁性体からなり、この例では棒切れ状(棒 状、直線状、真っ直ぐな棒状)に形成されて いる。磁性体48は、ソレノイドコイル17の中 内で磁束を患部に集中させるためのものな で、サイズや形状が患部に適合させられ、 えば乳癌用では直径が数cmで長さが数十cmの 棒状になっている。更には患部の形状に応 て、L形,三ヶ月形などの異形片状とするこ もできる。

 この実施形態(第6形態)の生体加温装置150 ついて、その使用態様及び動作を、図面を 用して説明する。図8(c)は患者8に磁気を照 しているところの縦断面模式図である。

 重複する説明も繰り返して述べるが、こ 場合も、微粒子の感磁発熱体を注入した患 8を可動寝台15に乗せて横たわらせてから、 性体48の一端を作用端として患部に向けさ 、その状態を維持したまま、可動寝台15を移 動させて筒状枠体16及びソレノイドコイル17 中空内に患者8を送り込む。そして、患部が ソレノイドコイル21又は22の中空内に入った ところで可動寝台15を止めておき、感磁発熱 が患部に凝集した頃に高周波電源11を作動 せると、ソレノイドコイル17の軸方向すなわ ち患者8の身長方向に延びる磁束9が生じる。 の磁束9は、副ソレノイドコイル21,22のとこ で全体的・大局的に絞られるうえ、磁性体4 8のところで局所的に強く集束されて、患部 高密度で照射される一方、それ以外のとこ ではソレノイドコイル17中空内において径方 向に拡散・分散しながらソレノイドコイル17 両端へ延びる。

 そのため、患部には感磁発熱体の発熱機能 適う例えば300mT(ミリ・テスラ)の磁束を照射 した場合でも、それ以外の体表面では10~100mT 度しか照射されないので、磁束の交番周波 が感磁発熱体に磁気ヒステリシス損を発生 せるのに好適な50kHz~400kHz程度の高周波であ ても、正常な体表面を不所望に誘導加熱す おそれが無い。
 したがって、この生体加温装置150にあって 、患者8に不所望な副作用的損傷を与えるこ となく、乳癌等の患部すなわち生体の局所に は高密度の磁束を照射して十分に加温するこ とができる。

 本発明の生体加温装置の他の実施形態(第 7形態)について、その構成を、図面を引用し 説明する。図9は、(a)が生体加温装置160の斜 視図、(b)が磁束照射部の縦断面図である。

 この生体加温装置160が上述した生体加温装 150と相違するのは、主ソレノイドコイルや ソレノイドコイルが横断面D字形でなく円筒 状になっている点である。
 言い換えると、この生体加温装置160は、従 品と同じく上述の架台14と可動寝台15と筒状 枠体18と主ソレノイドコイル19と高周波電源11 とを具えているが(基本的な共通点)、従来と なり、副ソレノイドコイル24(第2相違点)と 性体48(第3相違点)が追加されている。なお、 上述した第1相違点は採用されておらず、ソ ノイドコイル18及び筒状枠体19の横断面形状 、横断面D字形でなく、従来品と同じ円筒状 になっている。それに伴って、副ソレノイド コイル24も、上述の副ソレノイドコイル21又 副ソレノイドコイル22を円筒状にしたものと なっている。
 磁性体48は上述した棒切れ状の強磁性体で る。

 この実施形態(第7形態)の生体加温装置160に いて、その使用態様及び動作を、図面を引 して説明する。図9(c)は、患者8に磁気を照 しているところの縦断面模式図である。
 ソレノイドコイル19や副ソレノイドコイル24 の横断面形状が生体加温装置150の対応品17,21, 22と異なるだけなので、生体加温装置160の使 方などは生体加温装置150について上述した と同様で良い。重複する説明を割愛すると 作用効果に関して、主ソレノイドコイル19 横断面D字形化による効果は得られないが、 ソレノイドコイル24や磁性体48の導入による 効果は享受することができる。

 本発明の生体加温装置の他の実施形態(第 8形態)について、その構成を、図面を引用し 説明する。図10は、(a)が生体加温装置170の 視図、(b)が磁束照射部の縦断面図である。

 この生体加温装置170が上述した生体加温装 160と相違するのは、副ソレノイドコイル24 省かれた点である。
 言い換えると、この生体加温装置170は、従 品と同じく上述の架台14と可動寝台15と筒状 枠体18と主ソレノイドコイル19と高周波電源11 とを具えているが(基本的な共通点)、従来と なり、磁性体48が追加されたものとなって る(第3相違点)。なお、上述した第1相違点は 用されておらず、ソレノイドコイル17及び 状枠体16の横断面形状は、横断面D字形でな 、従来品と同じ円筒状になっている。また 第2相違点である副ソレノイドコイルも採用 れていない。
 磁性体48は上述した棒切れ状の強磁性体で る。

 この実施形態(第8形態)の生体加温装置170 ついて、その使用態様及び動作を、図面を 用して説明する。図10(c)は、患者8に磁気を 射しているところの縦断面模式図である。

 重複する説明も繰り返して述べると、先 、微粒子の感磁発熱体を注入した患者8を可 動寝台15に乗せて横たわらせてから、磁性体4 8の一端を作用端として患部に向けさせ、そ 状態を維持したまま、可動寝台15を移動させ て筒状枠体18及びソレノイドコイル19の中空 に患者8を送り込む。そして、感磁発熱体が 部に凝集した頃に高周波電源11を作動させ と、ソレノイドコイル19の軸方向すなわち患 者8の身長方向に延びる磁束9が生じる。この 束9は、磁性体48のところで集束されて、患 に高密度で照射される一方、磁性体48以外 ところではソレノイドコイル19中空内におい て径方向に拡散・分散しながらソレノイドコ イル19の両端へ延びる。

 そのため、患部には感磁発熱体の発熱機能 適う例えば300mT(ミリ・テスラ)の磁束を照射 した場合でも、それ以外の体表面では10~100mT 度しか照射されないので、磁束の交番周波 が感磁発熱体に磁気ヒステリシス損を発生 せるのに好適な59kHz~400kHz程度の高周波であ ても、正常な体表面を不所望に誘導加熱す おそれが無い。
 したがって、この生体加温装置170にあって 、患者8に不所望な副作用的損傷を与えるこ となく、乳癌等の患部すなわち生体の局所に は高密度の磁束を照射して十分に加熱するこ とができる。

 本発明の生体加温装置の他の実施形態(第 9形態)について、その構成を、図面を引用し 説明する。図11は、(a)が生体加温装置180の 視図、(b)が磁束照射部の縦断面図である。

 この生体加温装置180が上述した生体加温装 150と相違するのは、深奥患部への磁気照射 ため、単一の磁性体48が複数の磁性体49a,49b なって更にそれらがソレノイドコイル17の 方向に分離した状態で配置されている点で る。
 磁性体49a,49bは、何れも、焼結フェライトな どの強磁性体からなり、太さがテーパ状に変 化する筒状体であるが、筒状枠体16よりも径 小さく長さが半分未満で、軸方向に分離配 しても筒状枠体16の中空に遊挿しうるもの なっている。筒状枠体16より細いとは言って も、可動寝台15を挿通可能な程度には太い。

 この実施形態(第9形態)の生体加温装置に いて、その使用態様及び動作を、図面を引 して説明する。図11(c)は患者8の腹部に磁気 照射しているところの縦断面模式図である

 膀胱癌や内臓の癌などでは患部が患者8の 腹胸の深奥部に存在するので、磁性体49a,49b 細径端を対向させることにより、両者の間 磁束を絞り込み、患部の磁束密度を高める 重複部分の説明も繰り返しながら詳述する 、微粒子の感磁発熱体を注入した患者8を可 寝台15に乗せて横たわらせ、患部が副ソレ イドコイル21又は22の中空内に入るよう位置 わせしながら副ソレノイドコイル21又は22を 可動寝台15に固定し、それから、一方の例え 左方の磁性体49aは、太径端を左にし細径端 右にした状態で左から可動寝台15及び患者8 嵌装し、右方に配置される他方の磁性体49b 、太径端を右にし細径端を左にした状態で から可動寝台15及び患者8に嵌装し、両者の 間に副ソレノイドコイル21又は22が位置する とともに両者の間隙に患者8の患部が来たと ろで、磁性体49a,49bと可動寝台15との相対位 を固定する。

 それによって患者8と副ソレノイドコイル 21又は22と磁性体49a,49bとの相対位置も固定さ るので、その状態を維持したまま、可動寝 15を移動させて筒状枠体16及びソレノイドコ イル17の中空内に患者8を送り込む。そして、 この場合も、感磁発熱体が患部に凝集した頃 に高周波電源11を作動させると、ソレノイド イル17の軸方向すなわち患者8の身長方向に びる磁束9が生じる。この磁束9は、副ソレ イドコイル21又は22のところ即ち磁性体49a,49b の細径端の間で集束されて、患者8の腹部深 の患部に高密度で照射される一方、磁性体49 a,49bの太径端や更に外側のところではソレノ ドコイル17中空内において径方向に拡散・ 散しながらソレノイドコイル17の両端へ延び る。

 そのため、この生体加温装置180にあっても 患者8に不所望な副作用的損傷を与えること なく、内臓器癌等の患部すなわち生体の深奥 部の局所に高密度の磁束を照射して、そこを 十分に加温することができる。
 なお、磁性体49a,49bの形状については、テー パ状の筒体を図示したが、副ソレノイドコイ ル21,22同様、横断面D字形にしても良く、具体 的には可動寝台15偏倚側部分を可動寝台15と 行な平面に変形しても良い。
 また、副ソレノイドコイル21,22を省いた構 や、横断面D字形のソレノイドコイル17に代 て円筒状ソレノイドコイル19を採用した構成 でも、それなりに役立つ。

 本発明の生体加温装置の他の実施形態(第 10形態)について、その構成を、図面を引用し て説明する。図12は、(a)が生体加温装置190の 視図、(b)が磁束照射部の縦断面図、(c)が中 状磁性体40の斜視図、(d)が中空状磁性体50の 斜視図である。また、図13は、生体加温装置1 90の回路ブロック図である。

 この生体加温装置190が上述した生体加温装 180と相違するのは(図12(a),(b)参照)、前立腺 を狙い撃ちするために下半身側の磁性体49b 磁束収束用の中実状磁性体40になった点と、 頭部や胸部への磁気作用を最小限に抑えるた めに上半身側の磁性体49aが磁束拡散用の中空 状磁性体50になった点である。
 中空状磁性体50は、その中空に可動寝台15を 挿通させた状態で且つ図示しないスライド機 構にて軸方向へ即ち可動寝台15の長手方向へ 対移動可能な状態で、可動寝台15に装着さ ており、中実状磁性体40は、一部を可動寝台 15から上に突き出す状態で、可動寝台15に差 込み固定され、架台14とケーブル31で接続さ ている。副ソレノイドコイル21又は22は可動 寝台15の長手方向において中空状磁性体50と 実状磁性体40との中間に移動して固定できる よう設置されている。

 中実状磁性体40は(図12(c)参照)、上述した 体加温装置10のものと同じく体表面温度検 部材61の付設された磁性体本体41を主体にし ものであり、磁性体本体41はやはり作用端 42を患部に向ける配位で可動寝台15に取り付 られる。もっとも、この実施形態の中実状 性体40にあっては、磁性体本体41の作用端面 42及び非作用端面43を貫く磁束を生体加温装 10のときより強化するために、磁性体本体41 は、小形ソレノイドコイル28が捲回されて る。小形ソレノイドコイル28は(図13参照)、 ーブル31内の高周波電線34でマッチングボッ ス13に接続されており、ソレノイドコイル17 や副ソレノイドコイル21又は22と共に高周波 源11にて高周波通電されるようになっている 。

 また、磁性体本体41の内部には(図12(c)参 )、そこの温度を検出するため例えば半導体 ンサを組み込んだ内部温度検出部材62が埋 されている。内部温度検出部材62も(図13参照 )、ケーブル31内の信号線36にて高周波電源11 接続されており、その検出温度が高周波通 の制御に利用できるようになっている。中 状磁性体40の磁気変態温度にもよるが、例え ば、内部温度検出部材62の検出温度が100℃を えると、中実状磁性体40の磁化率が不所望 下がる場合には、それを防止するため、上 温度を境として高周波電源11が出力を弱める ようになっている。

 さらに、この磁性体本体41には(図12(c)参 )、積極的な冷却のため磁性体冷却手段も設 られている。具体的には、磁性体本体41に その内部を巡るようにして例えばUターンす 冷媒流路47が形成されており、それが(図13 照)ケーブル31内のフレキシブル配管37にて冷 却水循環装置38に接続されていて、中実状磁 体40もマッチングボックス13やソレノイドコ イル17さらには副ソレノイドコイル21又は22と 同様に水冷されるようになっている。

 中空状磁性体50(図12(d)参照)は、磁性体49a 同様に強磁性体からなる筒状体であり、外 が筒状枠体16の内径よりも小さく内径が可 寝台15の横幅よりも大きくて可動寝台15と筒 枠体16との間に遊挿しうるものとなってい (図12(a),(b)参照)。中空状磁性体50は、長さが 状枠体16の半分以下で、中実状磁性体40と共 に軸線がソレノイドコイル17の軸線と平行と る配位でソレノイドコイル17内に分離配置 れるようになっている。磁性体49aと同じく さがテーパ状に変化する筒状体であっても いが、ここでは、磁束拡散機能を発揮すれ 足りるので、全長に亘って同径の筒状体に っている。

 このような大径の中空状磁性体50を総て 磁性体で作るのは材工費が嵩むので、実用 な中空状磁性体50として、例えば(図12(d)参照 )、棒状の磁性体本体51を環状に並べて筒状枠 体52にプラスチックモールドしたものを用い もよい。更には、プラスチックモールドの りにベルト状の可撓体に装着した態様、或 は強磁性体の粉粒体をゴムや軟質プラスチ クに練り込んだ構成のベルト材が、生体に ィットさせて装着できる点などにおいて有 である。この中空状磁性体50も、ソレノイ コイル17や副ソレノイドコイル21,22同様、下 部分の平らな横断面D字形になっている。

 この実施形態(第10形態)の生体加温装置190 について、その使用態様及び動作を、図面を 引用して説明する。図14は、患者8に磁気を照 射しているところの平面図的な断面模式図( レノイド軸方向の水平断面)である。ここで 、患者8の前立腺癌を局部温熱療法で治療す るものとする。

 ここでも、繰り返しを厭わずに詳述する 、先ず、微粒子の感磁発熱体を注入した患 8を可動寝台15に乗せて横たわらせるが、そ 際、中実状磁性体40が作用端面42を患者8の 腹部に向け非作用端面43を患者8の下肢間を く状態で患者8の股間に収まるようにする。 れから、副ソレノイドコイル21又は22を可動 寝台15長手方向にスライド移動させて、患者8 の患部を囲むところに副ソレノイドコイル21 は22を位置させ、それから、中空状磁性体50 を可動寝台15長手方向にスライド移動させて 患者8の胸を囲むところに中空状磁性体50を 置させる。そうすると、可動寝台15を基準 して中実状磁性体40と副ソレノイドコイル21 は22と中空状磁性体50と患者8との相対位置 固定されるので、その状態を維持したまま 可動寝台15を移動させて筒状枠体16及びソレ イドコイル17の中空内に患者8を送り込む。

 そして、感磁発熱体が患部に凝集した頃 高周波電源11を作動させると、患者8を包む 状枠体16中空の全域について概括すれば、 の場合も、上述したようにソレノイドコイ 17の軸方向すなわち患者8の身長方向に延び 磁束9が生じる。この磁束9は、副ソレノイド コイル21,22のところで全体的・大局的に絞ら るうえ、中実状磁性体40のところで磁性体 体41によって集束されるばかりか小形ソレノ イドコイル28によって更に強化され、生体内 の患部に高密度で照射される一方、ソレノ ドコイル17中空内において、中空状磁性体50 のところでは径方向に速やかに拡散・分散し 、中実状磁性体40の非作用端面43の先(図では 方)では緩やかに拡散・分散しながらソレノ イドコイル17の両端へ延びる。

 そのとき、中実状磁性体40においては、 性体本体41が小形ソレノイドコイル28の交番 界等によって発熱し、その熱は冷却水循環 置38によって取り去られるが、その冷却を 熱が上回ると、磁性体本体41の不所望な昇温 が内部温度検出部材62によって検出され、そ に応じて高周波電源11の出力が抑制的に調 されるので、中実状磁性体40の磁束集束能力 および磁束強化能力が適正に維持される。ま た、患者8の股間の温度が不所望に上昇する 、それが体表面温度検出部材61によって検出 され、それに応じて高周波電源11の出力が抑 的に調整されるので、患者8の正常な体表面 は患部近傍であっても不所望に加熱されるこ とがない。

 もちろん、患部から離れたところの体表面 ついては、そこを貫く磁束が拡散・分散し ていて、磁束密度の勾配が小さいことから 交番磁界による誘導電流が少ないので、そ も不所望に加熱されることがない。
 そのため、この生体加温装置190にあっては 患者8に不所望な副作用的損傷を与えること なく、前立腺癌等の患部すなわち生体の深奥 部の局所に高密度の磁束を照射して、そこだ けを十分に加温することができる。

[その他]
 上記の各形態では、可動寝台15を横送りす ようになっていたが、その代わりにソレノ ドコイル17,19や副ソレノイドコイル21等を移 させても良く、可動寝台15とソレノイドコ ル17等を何れも移動させるようにしても良い 。
 また、上記の各形態では、可動寝台15もソ ノイドコイル17,19も横置きされていたが、そ れらは、縦置きでも良く、傾斜していても良 い。
 さらに、生体保持具は、ソレノイドコイル1 7の直線状部分17b側に偏倚した可動寝台15に限 られない。例えば、溝形樋状部材でソレノイ ドコイル17の円弧状部分17aの内面にピッタリ るものでも良く、患者8が寄り掛かったり掴 まり立ちして使用するようになっていても良 い。

 また、上記の第10形態では、内部温度検出 材62の検出結果を高周波電源11の出力制御に け用いるようになっていたが、内部温度検 部材62の検出温度に応じて冷却水循環装置38 の供給する水温や水量を調節するようにして も良く、併用しても良い。
 また、一台の高周波電源11でソレノイドコ ル17と副ソレノイドコイル21又は22と小形ソ ノイドコイル28とに給電するようになってい たが、各ソレノイドコイル毎に個別の高周波 電源(個別の高周波出力部を含む)を設置し夫 の位相を揃える制御の下で稼働させても良 、高周波電源の共用と専用とが共存してい も良い。

 また、上記の第5形態では、ソレノイドコ イル17から出し入れしうる副ソレノイドコイ 23として、捲回密度に粗密のある副ソレノ ドコイル22を小形化したものを例示したが、 副ソレノイドコイル23は、捲回密度に粗密の い副ソレノイドコイル21を小形化したもの も良く、横断面D字形でない副ソレノイドコ ル24を小形化したものでも良く、患部8aの所 在等に応じて適宜使い分けられる。

 本発明の生体加温装置は、人間の癌の治 に役立つを主目的として開発されたもので るが、他の病であっても磁気照射が有効で れば有用であり、人間以外の動物たとえば ット犬などに対しても使用することができ 。