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Title:
ORIENTING AND LAMINATING DEVICE FOR WOOD CHIPS AND METHOD OF MANUFACTURING ORIENTED AND LAMINATED ARTICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028227
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a device and a method for orienting and laminating wood chips in which the defect in the vertical direction orientation of the wood chips due to stagnation of the chips during their transportation can be eliminated. The orienting and laminating device for wood chips comprises an orienting means for orienting the wood chips, which are mixed with a binder and continuously supplied from a supply means in a uniformalized state in a width direction, in the transporting direction of a transporting means; and the transporting means for transporting the wood chips in the state oriented by the orienting means while laminating the chips.The treatment for preventing slip of wood chips is applied to the transporting means or a device for performing such a treatment is additionally provided on the transporting means.

Inventors:
KORI YASUYUKI (JP)
SHIMADA MASAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055641
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
March 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SEKISUI CHEMICAL CO LTD (JP)
KORI YASUYUKI (JP)
SHIMADA MASAKI (JP)
International Classes:
B27N3/14; B27N3/16
Foreign References:
JP2005053215A2005-03-03
JP2004292168A2004-10-21
JP3515099B22004-04-05
Attorney, Agent or Firm:
KAWABI, Kenji (6th floor 9-7, Higashi-ikebukuro 3-chome,Toshima-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 幅方向に均された状態で供給手段から連続的に供給される、結合剤の混和された木質チップを搬送手段の搬送方向に配向させる配向手段と、該配向手段により配向状態にされた木質チップを積層させながら搬送する搬送手段とを備えてなる木質チップの配向積層装置であって、
 木質チップの滑り止め処理が該搬送手段に施されているか、或いは、木質チップの滑り止め処理を施すための機器が付設されていることを特徴とする木質チップの配向積層装置。
 前記配向手段が、その間に配向用隙間を形成するように搬送手段の搬送方向と略平行に立設された複数の配向板を有するとともに、該配向板に振動を与える振動付与手段を付設してなることを特徴とする請求項1に記載の木質チップの配向積層装置。
 前記配向手段が、幅方向に並設された複数の配向部となる配向溝が傾斜して設けられた樋状部と、該樋状部に振動を与える振動付与手段と、該樋状部の下流側であって搬送手段の上方端部の位置に設けられた複数の配向板とを備えることを特徴とする請求項1に記載の木質チップの配向積層装置。
 前記結合剤がタンニン系結合剤であることを特徴とする請求項1に記載の木質チップの配向積層装置。
 前記滑り止め処理が、結合剤の塗布、スプレー又は吹付け、粘着付与樹脂の塗布、疎面化処理、凹凸加工、縞付け加工、エキスパンド加工、パンチング加工、または不織布又は編織物の貼着加工であることを特徴とする請求項1に記載の木質チップの配向積層装置。
 結合剤が接着剤であることを特徴とする請求項5に記載の木質チップの配向積層装置。
 接着剤がタンニン系接着剤であることを特徴とする請求項6に記載の木質チップの配向積層装置。
 前記滑り止め処理を施すための機器が、スプレー塗布器またはコーターであることを特徴とする請求項1に記載の木質チップの配向積層装置。
 請求項1~8のいずれかに記載の配向積層装置を用いることを特徴とする木質チップ配向積層体の製造方法。
 幅方向に均された状態で供給手段から連続的に供給される、結合剤の混和された木質チップを搬送手段の搬送方向に配向したのち、搬送手段上で配向状態の木質チップを積層させて木質積層マットを形成させながら木質積層マットを搬送することにより、木質チップ配向積層体を製造する際に、該搬送手段に木質チップの滑り止め処理を施すことを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
 前記滑り止め処理が、タンニン系接着剤を用いて行われることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
Description:
木質チップの配向積層装置およ 配向積層体の製造方法

 本発明は、木質チップを結合剤と共に成 して高強度木質系複合材料を得る際の、木 チップの配向積層装置および木質チップ配 積層体の製造方法に関する。

 結合剤の混和された木質チップを、木質 ップの繊維方向(異方性材料の高強度方向) 同方向に揃えて、すなわち配向して、木質 マットを形成し、これを加圧又は加熱工程 どを経て固着させ、成形した成形板は、そ 繊維方向の機械的強度並びに、物理的強度 飛躍的に向上することが知られており、LSL( ミネーティッド・ストランド・ランバー)や PSL(パラレル・ストランドランバー)といった 構造材として使用可能なものがある。

 木質チップの配向装置としては、木質片 自然落下させ、配向板の間を通過させて配 する種々の装置が考案されている。例えば 同軸上で複数枚の円盤を一定間隔において 置し、円盤を回転させながらその円盤同士 間に木質チップを通過させることによって 質チップを配向する装置や、平行に併設し 複数枚の板を配置し、相互に反対方向へ往 運動する板間を木質チップが通過すること よって配向するものなどがある。

 しかしながら、これらの装置は、配向板 よって縦横の同一平面内においては、木質 ップは一方向に配列されるが、上下方向に いては自然落下のために、配向されにくい のであった。

 自然落下によって配向しない木質チップ 少なくする装置として、結合剤の混和され 木質チップの供給手段と、この供給手段か 供給される結合剤の混和された木質チップ 配向させる配向手段と、結合剤の混和され 木質チップが配向手段を通って配向状態で 面にマット状に積層されるとともに、積層 れた積層マットを搬送する搬送手段とを備 る配向積層装置や配向積層方法が提案され いる(例えば、特許文献1参照)。

 上記配向積層装置や配向積層方法におい は、配向板と配向板との間に構成される配 用隙間には底板がない構造とされているの 、配向用隙間に投入された木質チップは、 横の同一平面内において一方向に配列され つ直接搬送手段上に落下し、搬送されなが 上下方向にも配向される。

特開2005-53215号公報

 しかしながら、この配向積層装置や配向 層方法においては、配向用隙間に投入され 木質チップは搬送の際に滞留し、上下方向 配向が不充分となる場合がしばしばあった

 本発明は、このような木質チップの搬送 際における滞留に伴う上下方向の配向の不 合を解消した木質チップの配向積層装置や 質チップ配向積層体の製造方法を提供する とを課題とするものである。

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 検討した結果、上記従来の木質チップ配向 層装置や配向積層方法では、配向用隙間に 入された木質チップは、側面において配向 と接触し、抵抗を受けながら搬送されるた 、搬送の際に滑り易く、これが滞留の原因 あることに着目し、搬送の際における木質 ップの滑り止め処理を施すことにより、上 課題が達成されることを見出し、この知見 基づいて本発明をなすに至った。

 すなわち、本発明の第1の発明によれば、幅 方向に均された状態で供給手段から連続的に 供給される、結合剤の混和された木質チップ を搬送手段の搬送方向に配向させる配向手段 と、該配向手段により配向状態にされた木質 チップを積層させながら搬送する搬送手段と を備えてなる木質チップの配向積層装置であ って、
 木質チップの滑り止め処理が該搬送手段に されているか、或いは、木質チップの滑り め処理を施すための機器が付設されている とを特徴とする木質チップの配向積層装置 提供される。

 また、本発明の第2の発明によれば、第1 発明において、前記配向手段が、その間に 向用隙間を形成するように搬送手段の搬送 向と略平行に立設された複数の配向板を有 るとともに、該配向板に振動を与える振動 与手段を付設してなることを特徴とする木 チップの配向積層装置が提供される。

 また、本発明の第3の発明によれば、第1 発明において、前記配向手段が、幅方向に 設された複数の配向部となる配向溝が傾斜 て設けられた樋状部と、該樋状部に振動を える振動付与手段と、該樋状部の下流側で って搬送手段の上方端部の位置に設けられ 複数の配向板とを備えることを特徴とする 質チップの配向積層装置が提供される。

 また、本発明の第4の発明によれば、第1の 明において、前記結合剤がタンニン系結合 であることを特徴とする木質チップの配向 層装置が提供される。
 なお、このような配向積層装置は、第2また は3の発明に対しても適合し得る。すなわち 第2または3の発明においても上記第4の発明 同様の配向積層装置とし得る。換言すれば この配向積層装置は、第2または3の発明にお いて、前記結合剤がタンニン系結合剤である ことで特徴付けられる。

 また、本発明の第5の発明によれば、第1の 明において、前記滑り止め処理が、結合剤 塗布、スプレー又は吹付け、粘着付与樹脂 塗布、疎面化処理、凹凸加工、縞付け加工 エキスパンド加工、パンチング加工、また 不織布又は編織物の貼着加工であることを 徴とする木質チップの配向積層装置が提供 れる。
 なお、このような配向積層装置は、第2~4の ずれかの発明に対しても適合し得る。すな ち、第2~4のいずれかの発明においても上記 5の発明と同様の配向積層装置とし得る。

 また、本発明の第6の発明によれば、第1の 明において、結合剤が接着剤であることを 徴とする木質チップの配向積層装置が提供 れる。
 なお、このような配向積層装置は、第2~5の ずれかの発明に対しても適合し得る。すな ち、第2~5のいずれかの発明においても上記 6の発明と同様の配向積層装置とし得る。

 また、本発明の第7の発明によれば、第6 発明において、接着剤がタンニン系接着剤 あることを特徴とする木質チップの配向積 装置が提供される。

 また、本発明の第8の発明によれば、第1の 明において、前記滑り止め処理を施すため 機器が、スプレー塗布器またはコーターで ることを特徴とする木質チップの配向積層 置が提供される。
 なお、このような配向積層装置は、第2~7の ずれかの発明に対しても適合し得る。すな ち、第2~7のいずれかの発明においても上記 8の発明と同様の配向積層装置とし得る。

 また、本発明の第9の発明によれば、第1~8 のいずれかの発明の配向積層装置を用いるこ とを特徴とする木質チップ配向積層体の製造 方法が提供される。

 また、本発明の第10の発明によれば、第9 発明において、幅方向に均された状態で供 手段から連続的に供給される、結合剤の混 された木質チップを搬送手段の搬送方向に 向したのち、搬送手段上で配向状態の木質 ップを積層させて木質積層マットを形成さ ながら木質積層マットを搬送することによ 、木質チップ配向積層体を製造する際に、 搬送手段に木質チップの滑り止め処理を施 ことを特徴とする木質チップ配向積層体の 造方法が提供される。

 また、本発明の第11の発明によれば、第10 の発明において、前記滑り止め処理が、タン ニン系接着剤を用いて行われることを特徴と する木質チップ配向積層体の製造方法が提供 される。

 本発明の配向積層装置によれば、木質チ プの滑り止め処理が搬送手段に施されてい か、或いは、木質チップの滑り止め処理を すための機器が付設されているため、木質 ップを搬送手段上で滞留することなく上下 向に充分に配向することができる。

 また、本発明の製造方法によれば、木質 ップを搬送手段上で滞留することなく上下 向に充分に配向し、木質積層マットを形成 せることで、木質チップ配向積層体を得る とができる。

図1は、本発明の木質チップの配向積層 装置の一例の斜視図である。 図2は、配向板の下端と搬送装置上面と の隙間の一例を示す側面図である。 図3は、破砕木質チップを分級する工程 を説明する模式図である。 図4は、恒温恒湿室で含水率を調整する 工程を説明する模式図である。 図5は、結合剤を混合する工程を説明す る模式図である。

符号の説明

 1 配向積層装置
 2 供給手段
 3 配向手段
 31~37 配向板
 41~46 配向用隙間
 5 振動付与手段
 51 金属ベルト
 52 バイブレータ
 53 支持スプリング
 54 支持台
 6 ベルトコンベア
 61 コール板
 7 分級機
 8 恒温恒湿室
 9 ドラムブレンダ
 P、P1、P2、P3 木質チップ
 M 木質積層マット
 K 隙間

 本発明において配向とは、基準線の方向と 質チップの長軸方向とがなす角度の平均値( 平均配向角度ともいう)が、±25度の範囲内に る状態をいう。すなわち、木質チップは、 向用隙間を通過する時にその長さ方向がほ 揃えられるが、その平均配向角度が25°を超 えると配向が不足して、必要な強度の木質系 複合材料が得られなくなる恐れがある。
 なお、基準線の方向とは、搬送方向に沿っ 方向をいい、得られる木質系複合材料の長 方向と一致するものである。
 また、平均配向角度は、木質チップの積層 の表面状態を撮像し、細長い木質チップの 軸方向と基準線とがなす角度を測定し、測 値を平均することによって算出できる。

 本発明の配向積層装置に用いられる搬送 段としては、結合剤の混和された木質チッ が配向手段を通って配向状態で上面にマッ 状に積層されて木質積層マットが形成され とともに、木質積層マットを搬送するもの あれば特に限定されないが、好ましくはベ トコンベアや、ベルトコンベアまたはロー ーコンベア上に置かれたコール板などが挙 られる。なお、コール板とは、ステンレス チール、鉄、アルミニウム等の所定サイズ 金属板であり、その上に配向積層された木 チップを載置し木質積層マットを搬送する のである。

 この搬送手段には、木質チップの滑り止め 理が施されるか、或いは木質チップの滑り め処理を施すための機器が付設されている
 滑り止め処理としては、搬送手段への天然 ム、イソプレンゴム、イソブチレンゴム、 チレン-ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴ ム、ポリアクリル酸エステルやアクリル酸エ ステル共重合体等のアクリルゴム、シリコン 系樹脂、デンプン糊、ポリ酢酸ビニル、ポリ ビニルアルコール等の粘着剤やタンニン系接 着剤等の接着剤などの結合剤の塗布、スプレ ー又は吹付けや、ロジン及びロジン誘導体、 ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂 、石油樹脂等の粘着付与樹脂の塗布や、疎面 化処理や、溝や突起等を付与する凹凸加工、 例えば縞鋼板、エキスパンドメタル、パンチ ングメタル等におけるような縞付け加工、エ キスパンド加工、パンチング加工等や、不織 布や編織物、例えばガラスクロスのようなク ロス等の貼着加工などが挙げられる。その他 、タンニン等の高分子材料も、使用温度の調 整や溶液化により粘着力が発生するため、使 用することができる。
 滑り止め処理を施すための機器としては、 プレー塗布器、ロールコーター、カーテン ーター、ダイコーター、ナイフコーター、 ラビアコーターなどの各種コーターなど、 記滑り止め処理をインラインで連続的に行 るものが挙げられる。

 搬送手段上に積層された木質積層マットは 通常、搬送手段によって、成形機へ運ばれ 加圧及び/又は加熱成形されて所望の厚さの 木質系複合材料に形成される。
 加熱方法としては、特に限定されないが、 えば、熱盤のように木質チップの表面から 熱により内部に熱を伝える方法や、蒸気噴 や高周波加熱等のように内部を直接加熱す 方法等が挙げられる。

 本発明の配向積層装置に用いられる配向手 は、特に限定されないが、複数の配向板を その間に配向用隙間を形成するように搬送 段の搬送方向と略平行に立設してなるとと に、該配向板に振動を与える振動付与手段 付設してなるものが好ましく、さらに複数 配向板が隣接する配向板との間に等間隔の 向用隙間を形成するものがより好ましく、 でも、すべての配向板が、互いに連結され 一体となって振動しうるようにされている とが特に好ましい。
 配向板の連結の方法は特に制限されないが 木質チップが配向用隙間内を落下すること 妨げない方法、例えば、配向手段を構成す 配向板の、上流側上端部又は下流側上端部 、帯状鉄板等の金属板を溶接等して連結す 方法などが挙げられる。

 配向手段としては、その他、幅方向に並設 れた複数の配向部となる配向溝が傾斜して けられた樋状部と、該樋状部に振動を与え 振動付与手段と、該樋状部の下流側であっ 搬送手段の上方端部の位置に設けられた複 の配向板とを備えるものが挙げられる。
 配向溝の断面形状は、特に限定されないが 略V字形、略U字形、略凵形等のものが挙げ れ、略V字形、略U字形のように下方に向かっ て収束している断面形状が配向性を考慮する と好ましい。
 配向板は、樋状部からコンベヤに木質チッ を移載させる時の配向の乱れがないように るためのものであり、できるだけ摩擦係数 小さいもの、軽量のものが好ましく、材質 しては金属、プラスチック等が挙げられる

 上記配向用隙間の大きさ(幅)と木質チッ の厚さとの間には、高強度の木質系複合材 を得るために、より好ましい関係があり、 えば、木質チップの厚さが1mm~11mmである場合 、配向用隙間を20mm~40mmとすることが好ましく 、木質チップの厚さが3mm~5mmである場合、配 用隙間を15mm~30mmとすることが好ましい。す わち、この範囲を超えて配向用隙間の大き が不均一になれば、得られる木質系複合材 の強度がばらつく恐れがある。また、平均 向角度をより小さくしようとすれば、配向 隙間をより小さくすればよい。しかし、木 チップのアスペクト比にもよるが、配向用 間を15mm以下にすると、平均配向角度が±10° 内となる木質積層マットを得ることができ ものの、木質チップが配向用隙間内で詰ま 易くなる。

 また、均一な物性を持つ木質系複合材料 得るには、配向用隙間は等間隔とされるこ が望ましい。すべての配向用隙間が同じ大 さであれば、それぞれの配向用隙間毎の木 チップにおける配向の程度がほぼ同じとな 、従って得られる木質系複合材料の強度の らつきを少なくする効果が大きくなる。

 配向積層装置には、配向板に振動を付与 る振動付与手段が取り付けられるが、振動 与手段の取り付け方法は、木質チップの投 に影響が出なければ、特に限定されない。 えば、前述のような複数の配向板同士が金 板等で連結されている場合は、その金属板 取り付けるか最も外側の配向板に取り付け ばよい。また、振動付与手段は、特に限定 れないが、振幅、振動数又は振動方向が可 であって、状況に合わせて最適の振動条件 選択できるものが好ましい。

 振動付与手段によって付与される振動の振 、又は振動数は、木質チップが配向用隙間 を落下する際、かつ落下して搬送手段上で 向し積層されたのち、再び滑ったり踊り出 たりしてその配向が乱れない程度であれば く、供給される木質チップの量や性状、サ ズ等によって適宜選択して決めればよい。
 振動方向は、木質チップを搬送したい方向 し、水平方向から斜め上方に向かって振動 れる。配向板の振動により連結された配向 が振動し、配向用隙間に、搬送手段の進行 向に沿って手前側上方から、結合剤の混和 れた木質チップが投入されると、各配向板 に跨って架かった木質チップは、配向板上 縁上を滑りまたハネながら搬送方向に移動 ると同時に、その重心位置がずれ、配向板 上端縁からズレ落ちて配向板と配向板との の配向用隙間内に落下し、この配向用隙間 通って搬送手段上に積層される。

 配向用隙間内に落下した木質チップは、 の長さ方向が配向用隙間を形成する配向板 より規制されながら落下し、長さ方向が搬 方向に沿うように略揃えられた状態に配向 る。すなわち、配向用隙間内に落下し、配 板と接触している木質チップは、配向板を 動させると、配向板との摩擦により振動を けて動き、容易にその姿勢を変えることが きる。従って配向が容易に行われる。更に 振動を受けることで、長さ方向が垂直方向 向いている木質チップは、その方向が水平 向に倒れ易くなり、更に、隣り合う木質の ップ同士の摩擦力も減少して木質チップ同 によるブリッジ現象が起こり難くなり、配 が容易になる。

 また、配向板を振動させないと、配向用 間を通って搬送手段上に落下して配向積層 れた木質チップが、配向板との摩擦によっ 詰まってしまう恐れがあり、搬送手段上の 質積層マットが割れて不連続になってしま たり、積層厚さを大きくできなかったりす ことがあるが、振動を加えることで、木質 ップと配向板との摩擦は減少し、これらを 止しうる。

 細長い木質チップは、積層されていても 向板からの振動を受けると、姿勢を変え、 向が進む場合がある。すなわち、木質チッ は、振動によってわずかに空中に浮いた瞬 、その上下、左右又は前後で隣り合う細長 木質チップと衝突し、衝突した同士の双方 木質チップ同士は、その長軸方向が揃うよ に姿勢を変える場合もある。これが繰り返 れると、木質チップは徐々にその長軸方向 揃えられることがある。

 配向板に与える振動は、搬送手段の搬送 向の斜め前上方への振動であるのが好まし 。このような振動は、例えば、搬送速度0.2~ 3m/分で、平均配向角度(木質チップの長軸方 と木質積層マットの搬送方向とがなす角度 平均値)が10~25°、積層高さが30~100mmである木 積層マットを得る場合、振動の角度として 搬送手段の搬送方向に向かって、仰角15°~75 °程度とすることが、積層高さを高くしても 質チップが配向用隙間内で詰まり易くなる れが少なくなるので、好適である。

 配向積層装置は、配向手段が、木質積層 ットの搬送手段による搬送方向と略平行に るように並列に立設された複数の配向板を するのが好ましく、さらに、配向板の上端 が傾斜しているのがより好ましい。すなわ 、配向板上に架かった細長い木質チップは 配向板が振動することで配向板上端縁の傾 に沿って滑り易くなり、一部は配向用隙間 に落下し、また一部は傾斜下方に向かって 向板の上端縁に沿って滑り、またはハネな ら移動する。従って、次に投入される木質 ップがスムーズに配向用隙間に落下するの 妨げることがなくなるので、搬送手段上に 質チップが一層均一にかつスムーズに配向 層され易くなる。傾斜は、落下した木質チ プが配向板上端縁の同じ場所に滞まって、 に落下してくる木質チップに衝突してその 下を妨げることがないようにするために設 られる。また、配向板を振動させることで 配向板上端辺に架かった木質チップは滑り くなり、その位置を変えることができるよ になる。

 そして、配向板に搬送手段の搬送方向斜 前上方に振動を付与する場合は、特に、木 チップを同方向へ飛ばす力がかかるため、 質チップの移動を妨げないよう配向板の上 縁の傾斜は、搬送手段の搬送方向下流側に かって下り勾配とするのがよいが、搬送方 に向かって上り勾配としても、振動で勾配 沿って落ちていき、木質チップがその位置 変えうる限りでは問題ない。

 配向積層装置は、配向板の下端と搬送手段 の間に隙間を有し、この隙間は配向板の下 が振動によって搬送手段に接触せず、少な とも搬送手段の上流側端部で結合剤の混和 れた木質チップが通過不可能な大きさに形 されているのが好ましい。
 なお、木質チップは、分級されてある程度 の厚みや長さ等が平均化されたものが用い れるが、木質チップの中には、基準より厚 の薄いものや微細なものなども含まれてい 場合がある。したがって、本発明における 木質チップが通過不可能な大きさ」とは、 のような基準より厚みの薄い木質チップや 細な木質チップまで通過不可能というもの はない。

 すなわち、配向板の振動の振幅にもよる 、搬送手段上面に最も近い部位の配向装置 配向板下端と搬送手段との隙間は、好まし は、1~5mm程度とするのがよい。この隙間が1m mより狭すぎると、配向板の振動によって搬 手段上面と配向板下端とが接触して、搬送 段に損傷を与える惧れがあり、5mmより広す ても、そこから木質チップがこぼれたり、 たその部分(製品底面に相当)は木質チップの 向きが配向板によって規制されていないため 、落下時に生じる回転モーメントにより、配 向が乱れたものとなってしまう惧れがある。 なお、搬送手段の搬送方向下流側では、上流 側で積層された木質チップの上に木質チップ が積層されるため、隙間が5mm以上になっても 構わない。

 木質チップについて説明すると、その樹種 しては、主に、スギ、ヒノキ、スプルース ファー、ラジアータパイン等の針葉樹、シ カバ、アピトン、カメレレ、センゴンラウ 、アスペン等の広葉樹が挙げられるが、こ ら森林から生産される植物材料だけでなく 竹、コウリャンといった森林以外で生産さ る植物材料をも含めることができる。
 原料材に利用できる形態としては、特に限 されないが、例えば、上記樹種の丸太、間 材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生 る端材、部材輸送後に廃棄される廃パレッ 材、建築解体時に発生する解体廃材等が挙 られる。

 上記原料材を木質チップにする加工方法 しては、ロータリーカッターによってベニ 加工したものを割り箸状に切断してスティ クにする方法、フレーカーの回転刃によっ 丸太を切削してストランドにする方法、一 破砕機の表面に刃物のついたロールを回転 せて木材を破砕する方法等を用いることが きる。そして上記のようにして破砕された 質チップは、その厚さが不揃いの場合は、 要に応じて一定範囲の厚さの木質チップに 級されるが、分級方法は、一定範囲の厚さ 分級できるものであれば特に限定されない 、例えばウェーブローラー方式等の分級機 用いて分級する方法が挙げられる。なお、 ェーブローラー方式の分級機は、チップの さを基準に連続的に分級する装置である。

 本発明において、結合剤の混和された木質 ップとは、通常、積層前に塗布、噴霧して 合剤を木質チップに付着されたり、結合剤 木質チップとが混合された状態のものをい 。
 結合剤としては、タンニン系、フェノール 脂系、尿素樹脂系、イソシアネート系等、 板やパーティクルボードに用いられる木材 業用の接着剤が挙げられ、これらの結合剤 、単独或いは数種類を併用してもよい。ま 、結合剤は、液状でも粉末状でも構わない 、液状の場合は一般に木質チップに噴霧し り、木質チップと撹拌混合して予め木質チ プに担持させた状態で配向積層装置に供給 れ、粉末状の場合は、一般に木質チップと 一に混合した状態で、配向積層装置に供給 れる。

 さらに、木質チップは、含水率を一定に ることが好ましい。含水率を一定にするこ で生産時の木質系複合材料の品質バラツキ なくなる。好ましい含水率としては、0~30% ある。含水率を一定にする方法としては、 えば、温調したオーブン中に一定時間木質 ップを放置する方法が挙げられる。因みに 50℃のオーブンに24時間放置すると、含水率 ほぼ5%程度に保たれる。

 木質チップは、好ましくは細長い形状のも 、さらには樹木の繊維方向が長さ方向と同 方向とされたチップであり、厚さ及び幅は いずれも0.1mm以上で上限は特にないが、製 される木質系複合材料の厚さの5分の1以下と することが好ましい。長さは幅又は厚さの大 きい方の寸法の5倍以上が好ましい。但し、 品の外観向上のために、0.1mm以下の木質チッ プが表面側に配される場合もある。
 本発明の配向積層装置および配向積層方法 よって得られる木質積層マットは、特に限 されないが、積層状態で少なくとも加熱及 プレスのいずれかを行うことによって、構 材や家具材として好適な木質系複合材料を ることができるが、得られた木質系複合材 は、成形後の寸法精度や表面性を向上させ ために、アニール処理や、切削、サンディ グ加工を行うことが好ましい。

 本発明の木質チップ配向積層体の製造方 は、幅方向に均された状態で供給手段から 続的に供給される結合剤の混和された木質 ップを搬送手段の搬送方向に配向したのち 搬送手段上で配向状態の木質チップを積層 せて木質積層マットを形成させるとともに 木質積層マットを搬送する方法であって、 搬送手段に木質チップの滑り止め処理を施 ことで特徴付けられる。

 この方法において木質チップに混和され 結合剤としては、上記の本発明の配向積層 置において説示したとおりのものが用いら るが、好ましくはタンニン系結合剤が天然 源であり、従来のフェノール樹脂、メラミ 樹脂、ユリア樹脂、イソシアネート樹脂な の石油系材料よりも人体への安全性に優れ 素材であるので、推奨される。さらに、タ ニン系結合剤を用いた場合、搬送手段に木 チップの滑り止め処理を施さないと、木質 ップを搬送手段上で滞留する蓋然性が高い で、本発明の滑り止め処理が推奨される。

 また、この方法において、搬送手段に施 れる木質チップの滑り止め処理は、上記の 発明の配向積層装置において説示したとお に施されるが、好ましくはタンニン系結合 を用いるのが、得られる配向積層体の品質 ばらつきが少ないので、推奨される。

 また、この方法において、結合剤の混和さ た木質チップを配向するのを、搬送手段の 送方向と略平行に立設され、配向用隙間を 成してなる複数の配向板に振動を与える配 手段に該木質チップを供給手段から供給す ことにより行うか、或いは幅方向に並設さ た複数の配向部となる配向溝が傾斜して設 られた樋状部と、該樋状部に振動を与える 動付与手段と、該樋状部の下流側であって 送手段の上方端部の位置に設けられた複数 配向板とを備える配向手段に該木質チップ 供給手段から供給することにより行うのが ましい。
 さらに、この方法においては、配向板の下 と搬送手段と隙間は、配向板の下端が振動 よって搬送手段に接触せず、少なくとも搬 手段の上流側端部で結合剤の混和された木 チップが通過不可能な大きさに形成されて るのが好ましく、また、木質チップとして 長いものを用い、木質チップを、その長手 向が搬送手段の搬送方向に配向するように るのが好ましい。

 以下に、本発明の実施の形態を図面を参 して説明する。図1は本発明の木質チップの 配向積層装置の一例の斜視図である。

 本発明の配向積層装置1は、木質チップ供 給手段2と配向手段3と搬送手段6とから構成さ れる。配向装置3は、複数(この実施形態では7 枚の金属製配向板31、32、・・、37が搬送方向 に沿って並列に立設され、配向板31(32、・・ 36)と配向板32(33、・・、37)との間に配向用 間41(42、・・46)が形成されている。複数の配 向板31、32、・・・は、端部が帯状をした金 板51を溶接することによって連結され、その 金属板51に振動付与手段としてのバイブレー 52が付設されている。

 配向板31、32、・・・、37の上端縁は、搬 方向に向かって徐々に低くされた傾斜とさ ている。又、配向板31,32、・・・、37の下端 とベルトコンベア6に載置された、滑り止め 理されたコール板61の上面との間には、隙間 が設けてある。この隙間は、配向板31,32、・ ・、37に後述する振動付与装置5によって振 が付与された場合でも、配向板31,32、・・ 、37の下端がベルトコンベア6に載置された 滑り止め処理されたコール板61の上面に接触 せず、配向板31,32、・・・、37の少なくとも 送方向上流側における端部の隙間はそれか 後述の結合剤付き木質チップPがコール板61 にこぼれ落ちない程度の大きさになってい 。しかも、図2に示されるように、幅方向両 の配向板31,37を除く、配向板32、33・・、36 、コール板61との隙間Kは、少なくとも搬送 向上流側における端部の隙間k1が、木質チッ プPがコール板61外にこぼれ落ちない程度の大 きさになっていて、搬送方向下流側に向かっ て徐々に大きくなるようにされている。また 、幅方向両端の配向板31,37は、その下端とコ ル板61の隙間Kが搬送方向上流から下流まで じ大きさになっていて、振動等によってコ ル板61上に積層された木質積層マットが崩 るのを防止するようになっている。

 振動付与手段5は、配向手段3の両サイド 2枚の配向板31、37に跨がって設けられた金属 板51に、バイブレータ52と配向積層装置1全体 支持部54に支持する支持スプリング53とで構 成されている。なお、この配向積層装置1の 合は、支持スプリング53は配向積層装置1の 隅に設けられているが、この数と支持位置 は支持方法は特に限定されるものではなく 配向積層装置が安定して振動するようにさ ていれば、どのような方法であっても構わ 、装置重量やサイズ又は重心位置等により 宜状況に応じた好適な方法を選択して設計 れればよいものである。

 ベルトコンベア6は、その搬送方向が、配 向板31、32、・・、37と平行になっている。ま た、配向装置3の配向板31、32、・・、37の上 部には、木質チップPの供給装置2が配置され ている。

 供給手段2は、ベルトコンベア21とその表面 平行なリング状の凸条23が複数本設けられ 均しローラ22とを備えている。
 次に、この配向積層装置1を用いた木質チッ プの配向積層装置の動きを、詳しく説明する 。

 図1の配向積層装置に用いられる木質チッ プの製造方法の工程を、図3~図5に示す。図3 破砕木質チップを分級する工程、図4は恒温 湿室で含水率を調整する工程、図5は結合剤 を混合する工程をそれぞれ説明する模式図で ある。

 すなわち、まず、図3に示すように,廃木 を粉砕機や切削機等で(図示せず)で粉砕ある いは切削して得た破砕木質チップP1を分級機7 (本例では、ウェーブローラー方式の分級機) 分級し、厚さ1mm~11mm、長さ1cm~15cmの分級済の 木質チップP2を得る。

 次に、図4に示すように、木質チップP2を 度40℃~110℃、相対湿度1%~60%の雰囲気に保た た恒温恒湿室8に入れて12時間以上放置し、 水率調整済みの木質チップP3を得たのち、 5に示すように、ドラムブレンダ9に投入し、 結合剤10をドラムブレンダ9内の木質チップP3 スプレー散布し、ドラムブレンダ9内で木質 チップP3に結合剤10を担持させて結合剤付き 質チップPを得る。

 そして、このようにして得られた結合剤 き木質チップPを、図1に示されるように、 給装置2のベルトコンベア21に載せて均しロ ラ22によって、ベルトコンベア21上の結合剤 き木質チップPの厚みを略一定になるように 均しながら配向装置3の配向用隙間41、42、・ 、46に連続的に供給する。配向装置3では、 動付与手段5によって配向装置の配向板31、3 2、・・、37が振動し、この振動によって板の 上に架かった結合剤付き木質チップPが、配 用隙間41、42、・・、46に落下し、配向用隙 41、42、・・、46によって配向されながら上 コール板61の上に積層される。

 なお、バイブレータ52は、配向装置3のど に取り付けられていてもよいが、装置3全体 に異常振動や残留振動が発生しないように、 重心バランスを取っておかねばならないこと は言うまでもない。振動方向は、ベルトコン ベア6の搬送方向下流方向(MD)に向かって、ベ トコンベア6の面から上方、斜め上前方、と なることが好ましい。また、その角度は供給 量、線速など場合に応じて適宜変更されれば よい。又、配向装置3には、振動する配向装 3全体を支持台54上に支持するための支持ス リング53が設けられている。

 配向状態を保ちながら落下した木質チッ Pは、上記コール板61の上面で直接、または 先に上記コール板61上に載った木質チップP 上で受けられ、所定の厚みの木質積層マッ Mになるように次々に積層されるとともに、 この木質積層マットMがベルトコンベア6によ てプレス装置(図示せず)に向かって搬送さ る。最後に、プレス装置で、送られてきた 質積層マットMをプレス成形して木質系複合 料を得るようになっている。

 以上のように、この配向積層装置1を用い れば、従来の配向装置のような底板がないの で、木質チップPの厚さが厚い木質積層マッ Mとすることが可能となり、連続的に長尺で さの厚い木質系複合材料を得ることができ 。また、配向板31、32、・・、37が振動する め、結合剤付き木質チップPが板と板、例え ば配向板31(32・・、36)と配向板32(33・・、37) の間でブリッジ現象等の詰まりを生じるこ なく、スムーズに配向用隙間41、42、・・、4 6内を配向されながら落下する。

 本発明は、上記の実施の形態に限定され い。例えば、上記の実施の形態のように、 向板31、32、33、・・・の側方補強板等を設 、これにバイブレータ52を直接取り付ける 法以外に、配向装置3全体をスプリングによ て吊り下げるようにしても構わない(図示せ ず)。

 上記の実施の形態では、ベルトコンベアが いられているが、ローラーコンベアを用い ようにしても構わない。また、上記の実施 形態では、木質チップPがベルトコンベア6 載せたコール板上に受けられるようになっ いるが、コンベア上に直接木質チップPを受 るようにしても構わない。
 また、最も外側の配向板31、37の下端にベル トコンベアに接触してもベルトコンベアを傷 めたりすることがない、ポリプロピレンシー トや軟質ゴムシートなどをその下端が、ベル トコンベアに略接触するようにスカート状に 設けるようにしても構わない。このようにす れば、木質チップがベルトコンベアからこぼ れ落ちることをより確実に防止できる。

 以下、実施例により比較例と対比させな ら本発明をさらに詳しく説明するが、本発 はこれらの例によって何ら限定されるもの はない。

(実施例1)
 まず、木材廃棄物処理業者から購入したボ ド用木質材片P1を、ウェーブローラー方式 分級機7(ウェーブローラースクリーン、たい へい社製)を用いて分級し、厚さ1~8mmの木質チ ップP2を採取した。この木質チップP2を、雰 気温度50℃の加熱オーブン8中に24時間放置し 、含水量5.2重量%になるまで含水量を調節し 含水率調整済みの木質チップP3とした。

 次いで含水量を調節した木質チップP3を ドラムブレンダ9に投入し、タンニン系接着 10を木材に対し5重量%となるように混和した 。このようにして得た木質チップPを配向積 装置1に投入し、配向積層を行った。

 タンニン系接着剤は次のようにして調製 た。まず、タンニンの粉体を約40℃の温水 濃度45質量%になるように溶解させた。その 、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH 10に調整した。そこへ、あらかじめ10:5.5(水溶 液ベース)の割合で混合した変性スチレンブ ジエン共重合体エマルション(日本ゼオン社 、商品名「Nipol LX430」)とヘキサメチレンテ トラミンの40質量%水溶液の混合液を、タンニ ン水溶液100質量部に対し15.5質量部になるよ に配合した。

 実施例で用いた配向積層装置1は、図1に すものである。配向積層装置1は、長さ500mm 高さ500mm、厚さ1.2mmのステンレススチール板 、ピッチ19mmで並列して立設されている。ベ ルトコンベア6上には搬送用のステンレスス ール製コール板が載せられている。両サイ の配向板31、37は、その下端が、振動によっ コール板の上面に接触せず、隙間から木質 ップがコール板外にこぼれ落ちず、コール 上に積層された木質積層マットが振動等に ってくずれ落ちないように、配向板31、37の 下端とコール板との間に搬送方向全長にわた って1.5mmの大きさの隙間が形成されている。 方、両サイドの配向板31、37以外の配向板32 33・・、36の下端とコール板の隙間Kは、搬 方向上流側の端部の隙間k1が1.5mmにされ、下 に行くにしたがって、徐々にそのクリアラ スを広げ、下流端で30mmまで拡がっている。 このとき、コール板上面から1.5mm以下の場所 積層される点を除き、積層点は常に、最も 側の配向板を除く配向板32,33・・、36の下端 よりも上側つまり、木質チップPが常に配向 31,32・・、37に規制された状態で積層されて くようになっている。配向板31、32・・、37 上端縁は、コール板の搬送方向下流に向か て水平に対して-10°の下り勾配になってい 。

 配向積層装置1全体を帯状に巻き回して金 属ベルトが設けられ、個々の配向板31、32、 ・、37は、ベルトコンベア6のMD方向の端部で 金属ベルト51に溶接されて、全体が一体とな ように構成されている。金属ベルトの、コ ル板のTD側サイドに、バイブレータ52(振動 ーター RV-24D、神鋼電機社製)が、振動方向 水平から25°斜め前上方となるように固定さ ている。金属ベルト51の四隅位置に、支持 プリング53が設けられて、配向積層装置1全 を、支持台54の上に支持している。なお、振 動条件は、振幅2mm、振動回数1710回/分であり ベルトコンベア6の搬送速度は1m/分とした。

 搬送用のコール板上面には滑り止め処理の め、配向板の上流側において、上記で使用 れたタンニン系接着剤を50g/m 2 の塗布量になるようにスプレーした。

 上記の処理を行った木質チップPを、配向 積層装置1の上流側に配置される木質チップ 給装置2から、単位幅(1m)あたり毎分11kgの割 で自由落下により配向積層装置1の上流側端 に投入し、コール板から出てくる木質積層 ットM配向状態を確認した。

(実施例2)
 滑り止め処理として、タンニン系接着剤の わりに、タンニンの45質量%水溶液を用いた 外は実施例1と同様にして木質積層マットM 向状態を確認した。

(実施例3)
 滑り止め処理として、タンニン系接着剤の わりに、アクリルゴム系粘着剤(住友スリー エム社製、商品名「スプレーのり55カラー」) を用いた以外は実施例1と同様にして木質積 マットM配向状態を確認した。

(実施例4)
 滑り止め処理として、縞鋼板(縞目形状 37.5 ×5.5×高さ1.2mm)をコール板として用いた以外 実施例1と同様にして木質積層マットM配向状 態を確認した。

(実施例5)
 滑り止め処理として、ガラスクロス(中興化 成工業社製、商品名「チューコーフロー FGF- 410-20」)をコール板上面に貼り付けた以外は 施例1と同様にして木質積層マットM配向状態 を確認した。

(実施例6)
 滑り止め処理として、ディスクグラインダ を用いてコール板上面を粗面化した以外は 施例1と同様にして木質積層マットM配向状 を確認した。

(実施例7)
 タンニン接着剤の配合として、変性スチレ ブタジエン共重合体エマルションを用いな った以外は実施例1と同様にして木質積層マ ットM配向状態を確認した。

(比較例)
 実施例と同じ処理をした木質チップを用い 同じ配向積層装置にて、滑り止め処理をし いないコール板の上に配向積層を行い、木 積層マットM配向状態を確認した。

 表1中の各実施例における配向状態は目視に より以下のとおり評価した。
 ◎: 極めて良好
 ○: 良好

 本発明の配向積層装置、配向積層方法は 搬送手段に前記木質チップの滑り止め処理 施している、または滑り止め処理をするた の機器を付設しているため充分な推進力を ることができ、木質チップを搬送手段上で 留することなく上下方向に充分に配向する とができるので、産業上大いに有用である