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Title:
OVERTURN DETECTING SENSOR FOR COMPACTION MACHINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/095986
Kind Code:
A1
Abstract:
An overturn detecting sensor, which can precisely, namely, highly precisely judge overturn of a machine body even if the sensor is applied to a compaction machine operating with large vibration and shock. The overturn detecting sensor is provided with an acceleration sensor (2), a low pass filter (3), an integrating circuit (4) and a comparator (5). The acceleration sensor (2) can detect gravity acceleration and is mounted on the compaction machine so that a detection axis becomes almost vertical when only one detection axis exists and the compaction machine is in a basic position. A signal outputted from the acceleration sensor (2) is worked by the low pass filter (3) and the integrating circuit (4), and is inputted to the comparator (5). It can be judged whether the compaction machine overturns or not.

Inventors:
MURAMOTO KENICHI (JP)
TANAKA GIICHI (JP)
NAGASAWA KENICHI (JP)
HARASHIMA YOSHINORI (JP)
SAITO HIDEO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051237
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MIKASA SANGYO KK (JP)
MURAMOTO KENICHI (JP)
TANAKA GIICHI (JP)
NAGASAWA KENICHI (JP)
HARASHIMA YOSHINORI (JP)
SAITO HIDEO (JP)
International Classes:
E01C19/34; G01C9/06
Foreign References:
JP2002521609A2002-07-16
JPH0943269A1997-02-14
JP2006104725A2006-04-20
Attorney, Agent or Firm:
TAKEDA, Kenichi et al. (Tokyo M.Y.Building, 2-15, Iwamotocho 1-chome,Chiyoda-k, Tokyo 32, JP)
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Claims:
 加速度センサー、ローパスフィルタ、積分回路、及び、比較器を有し、
 前記加速度センサーは、重力加速度を検出することができ、検出軸が1軸のみのものが用いられ、
 前記加速度センサーから出力された信号が、前記ローパスフィルタ及び前記積分回路によって加工されたうえで前記比較器に入力され、締固め機械が転倒したか否かが判定されるように構成されていることを特徴とする締固め機械用転倒検出センサー。
 締固め機械が基本姿勢にあるときに、検出軸が垂直±30°の範囲内となるような向きで前記加速度センサーが締固め機械に対して搭載されていることを特徴とする、請求項1に記載の締固め機械用転倒検出センサー。
 締固め機械が基本姿勢にあるときに、検出軸が垂直±15°の範囲内となるような向きで前記加速度センサーが締固め機械に対して搭載されていることを特徴とする、請求項1に記載の締固め機械用転倒検出センサー。
 前記加速度センサーとして、静電容量式のものが用いられていることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の締固め機械用転倒検出センサー。
 前記積分回路は、ある時点Tを終端とする単位時間内における入力信号の連続的な値を積分し、その値を時点Tにおける信号の値として出力するように構成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の締固め機械用転倒検出センサー。
 前記単位時間が、0.01~5秒の範囲内において設定されていることを特徴とする、請求項5に記載の締固め機械用転倒検出センサー。
 前記単位時間が、0.5~1.5秒の範囲内において設定されていることを特徴とする、請求項5に記載の締固め機械用転倒検出センサー。
 前記ローパスフィルタとして、カットオフ周波数が1Hz以上のものが使用されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の締固め機械用転倒検出センサー。
 前記ローパスフィルタとして、カットオフ周波数が50~150Hzのものが使用されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の締固め機械用転倒検出センサー。
 転倒判定角度が、50~85°の範囲内において設定されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の締固め機械用転倒検出センサー。
 転倒判定角度が、60~80°の範囲内において設定されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の締固め機械用転倒検出センサー。
 締固め機械の構成要素のうち、防振対策が施されている要素に取り付けられていることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の締固め機械用転倒検出センサー。
Description:
締固め機械用転倒検出センサー

 本発明は、エンジンを搭載した締固め機 が運転中に転倒した場合において、速やか エンジンを停止させることができるように その締固め機械が転倒状態にあることを検 するためのセンサーに関し、特に、ランマ 等のように、大きな振動を伴って動作する 械に対しても好適に適用することができる 固め機械用転倒検出センサーに関する。

 従来より、エンジンを搭載した作業機械 自動二輪車には、転倒時にエンジンを速や に停止させる安全手段が講じられている。 ンジン付きの作業機械等が運転中に誤って 倒してしまったような場合、作業機械が作 者の制御下から脱して暴走する危険があり また、漏出した燃料が、電気系統のショー に起因するスパーク等によって引火、爆発 る危険があるからである。

 転倒時に自動的にエンジンを停止させるた の手段としては、例えば、水銀を封入した ース内に一対の電極を配置し、当該ケース 正常な姿勢にあるときは、水銀を介して電 間が電気的に接続され、ケースが所定角度 上に傾斜した状態になると、水銀が移動し 、電極間の電気的な接続が解除されるよう 構成された水銀スイッチ等が知られている また、自動二輪車が転倒した場合に、これ 速やかに検出する転倒検出センサーとして 加速度センサーを用いたものなども知られ いる。

実開昭49-149267号公報

特開2002-71703号公報

 ところで、エンジンを搭載した作業機械 中には、地盤の輾圧に用いられるランマー のように、非常に大きな振動を伴って動作 るものがあり、この種の作業機械について 、当然のことながら転倒時の安全対策が必 となるが、動作態様の特殊性から、上述し ような水銀スイッチや転倒検出センサーを のまま適用することは困難である。

 より具体的には、水銀スイッチをランマ の転倒検出センサーとして利用しようとす 場合、ランマーの振動、或いは、衝撃によ 、封入されている水銀がケース内で激しく 散してしまったり、ケースの内側面に沿っ 水銀が回転流動してしまう可能性がある。 れらの場合、水銀の液面が低下し、電極間 おける電気的な接続が解除され、正常な動 中であるにも拘わらず機体が転倒したと判 されて、設計者の意図に反してエンジンが 止してしまう、といった不都合が生じ得る

 また、加速度センサーを用いた自動二輪 用の転倒検出センサーは、加速度センサー 検出軸の角度に応じて、検出される加速度( 重力加速度)の値が変化すること(例えば、検 軸が垂直である場合、重力加速度の検出値 1G、検出軸が水平である場合には0G、検出軸 が45°傾斜している場合には約0.7Gとなる。)を 利用して、適用対象となる自動二輪車の傾斜 角度、転倒の有無等を把握しようとするもの であるが、ランマー等のように、エンジンを 搭載した作業機械では、二輪車と異なり、四 方にランダムに転倒するうえ、過度の衝撃や 周波数の低い振動が長時間加わるため、転倒 検出のすべてに余裕を持つことは困難である 。その結果、転倒検出に時間がかかってしま ったり、誤判定により、正常な動作中である のにエンジンを停止させる信号が出力されて しまうという問題がある。

 本発明は、このような従来技術における 題を解決すべくなされたものであって、大 な振動、衝撃を伴って動作する締固め機械 適用された場合であっても、機体の転倒を 確に、つまり、高い精度にて判定すること できる転倒検出センサーを提供することを 的とする。

 本発明に係る締固め機械用転倒検出セン ーは、加速度センサー、ローパスフィルタ 積分回路、及び、比較器を有し、加速度セ サーは、重力加速度を検出することができ 検出軸が1軸のみで、締固め機械が基本姿勢 にあるときに、検出軸が略垂直(垂直±15°)、 いは、垂直±30°の範囲内となるような向き 締固め機械に対して搭載され、加速度セン ーから出力された信号が、ローパスフィル 及び積分回路によって加工されたうえで比 器に入力され、締固め機械が転倒したか否 が判定されるように構成されていることを 徴としている。

 尚、加速度センサーとしては、静電容量 のものが用いられ、また、積分回路として 、ある時点Tを終端とする単位時間(0.01~5秒 より好ましくは、0.5~1.5秒)内における入力信 号の連続的な値を積分し、その値を時点Tに ける信号の値として出力するように構成さ ていることが好ましい。更に、ローパスフ ルタとしては、カットオフ周波数が1Hz以上( り好ましくは、50~150Hz)のものが使用されて ることが好ましい。

 また、転倒判定角度については、50~85°( り好ましくは、60~80°)の範囲内において設定 されていることが好ましい。更に、本発明に 係る締固め機械用転倒検出センサーは、締固 め機械の構成要素のうち、防振対策が施され ている要素に取り付けられることが好ましい 。

 本発明に係る締固め機械用転倒検出セン ーは、大きな振動、衝撃を伴って動作する 固め機械に対しても好適に適用することが きる。より具体的には、加速度センサーか 出力される信号を、ローパスフィルタ及び 分回路によって加工することにより、加速 センサーからの信号の成分のうち、締固め 械の稼働時において生じる通常の運動加速 成分が可及的に除去されるようになってお 、その結果、締固め機械の稼働時における きな振動、衝撃等に起因する誤判定を回避 、締固め機械が転倒したことを速やかに、 つ、高い精度で判定することができる。

 以下、本発明を実施するための最良の形 について説明する。図1は、本発明に係る締 固め機械用転倒検出センサー1のブロック図 ある。図1に示されているように、この締固 機械用転倒検出センサー1は、加速度センサ ー2、ローパスフィルタ3、積分回路4、比較器 5、及び、出力端子6によって構成されており これらの構成要素を直列に配置してなるも である。

 本実施形態の締固め機械用転倒検出セン ー1は、締固め機械に関する加速度のデータ に基づいて、締固め機械の姿勢(傾斜角度)を 握し、締固め機械が基本姿勢から所定の角 以上傾斜した場合に「締固め機械が転倒し 」と判断し、速やかにエンジンを停止させ ことができるように構成されている。

 締固め機械に関する加速度のデータの取 は、加速度センサー2によって行われる。こ の加速度センサー2は、電源電圧を印加する とによって動作し、感度方向についての加 度の大きさに比例したレベルの電気信号(単 :V)を出力するように構成されている。従っ 、その信号の出力レベルから、感度方向に いての加速度を把握することができる。

 本実施形態においては、加速度センサー2 として、検出軸が1軸のみで、重力加速度を 出できるタイプのものが用いられている。 して、適用対象となる締固め機械(ランマー )が基本姿勢にあるとき(例えば、ランマー 場合、水平面上において自立した状態にあ とき)、検出軸が略垂直(垂直±15°)の範囲内 なるような向きで、締固め機械に対して搭 されている。

 ここで、加速度センサー2によって得られ る締固め機械に関する加速度のデータから、 締固め機械の姿勢(傾斜角度)を把握する原理 ついて簡単に説明すると、重力加速度を検 できる加速度センサーによって検出される 速度の値は、「運動加速度成分と重力加速 成分の和」ということになるが、加速度セ サー自体が静止状態にある場合には、運動 速度は0Gとなるので、重力加速度のみが検 されることになる。つまり、重力加速度を 出できる加速度センサーを、検出軸が垂直 なるような状態で保持し、静止させた場合 検出される加速度の値は1Gとなる。一方、検 出軸が水平となるような状態で保持し、静止 させた場合、運動加速度も重力加速度も検出 されないので、検出値は0Gとなる。また、検 軸を80°傾斜させた状態で静止させた場合、 検出値は約0.174(≒cos80°)Gとなる。

 本実施形態においては、上述の通り、締 め機械が基本姿勢にあるときに検出軸が略 直となるような向きで加速度センサー2が取 り付けられているので、締固め機械が静止状 態にあり、加速度センサー2によって検出さ た加速度の値が1Gであった場合には、加速度 センサー2の検出軸が垂直となっている、つ り、「締固め機械は基本姿勢にある」とい ことになる。また、検出値が0Gであれば「90 倒れた状態」、0.174Gであれば「80°傾斜した 態にある」ということになる。

 従って、加速度センサー2からの出力を常 時モニタリングし、傾斜角度に対応する重力 加速度の値(信号のレベル)を「しきい値」と て設定し、比較判定を行うことにより、締 め機械の姿勢(傾斜角度)を把握することが きる。例えば、加速度センサー2による加速 の検出値が0G以下であるかどうかを比較判 することにより、締固め機械が90°以上倒れ かどうかを把握することができ、また、検 値が0.174G以下であるかどうかを比較判定す ことにより、締固め機械が80°以上傾斜した かどうかを把握することができる。

 本実施形態においては、加速度センサー2 からの出力信号としきい値との比較判定は、 比較器5(図1参照)によって行われる。より詳 には、加速度センサー2からの出力信号(検出 した加速度の大きさに比例したレベルの電気 信号)は、最終的に比較器5に入力されるよう なっており、比較器5は、入力された信号と 、予め設定されているしきい値とを比較し、 入力信号の値がしきい値を下回った場合、比 較器5は「締固め機械が転倒した」と判断し 、エンジンを停止させるための信号を発す 。それ以外の場合、即ち、入力信号の大き がしきい値と同じか、或いは、それよりも きいと判定された場合には、いかなる信号 出力されない。

 比較器5から信号が発せられた場合、その 信号は、出力端子6から、締固め機械用転倒 出センサー1の外部へ出力される。出力端子6 は、締固め機械のエンジン停止スイッチ(パ ス短絡回路)に接続されている。エンジン停 スイッチは、グラウンド(機器のボディー) 、点火用イグニッションコイルに接続され おり、比較器5から出力された信号がこのエ ジン停止スイッチに伝達されると、グラウ ド線からイグニッションコイルに向かって 続されたサイリスタが点呼され、マイナス の電圧が消失する。このため、締固め機械 エンジンの点火プラグはスパークしなくな 、エンジンが停止する。

 本実施形態においては、締固め機械が80°以 上傾斜した場合に「転倒した」と判断するこ ととし(つまり、転倒判定角度が80°に設定さ ている)、「検出された加速度が0.174Gである 場合に加速度センサー2から出力される信号 大きさの値」(厳密には、これを単位時間T U にわたって積分した値)を、比較器5に与える きしきい値として設定している。つまり、 較器5に入力された信号の値がしきい値より も小さいと判定された場合、「検出された加 速度が0.174Gよりも小さい」ということであり 、これは「締固め機械が80°以上傾斜した状 にある」ということを意味している。そし この場合、比較器5から信号が発せられ、速 かにエンジンが停止する。

 尚、ここでは、便宜上、適用対象となる 固め機械が静止状態にある場合について説 したが、本発明によって締固め機械が転倒 たことを速やかに検出する必要があるのは 締固め機械が静止状態にある場合ではなく 締固め機械が稼働状態にある場合である。 下、締固め機械の稼働時における締固め機 用転倒検出センサー1の動作態様について説 明する。

 締固め機械は、エンジン始動後において 相応の振動が生じ、作業時(稼働時)におい は作業者の操作に従って前後方向、左右方 、或いは、斜め方向へ移動することになり 更に、ランマーの場合は、機体が浮き上が ような大きな振幅の上下運動が繰り返され ことになる。この場合、上記のような静止 態にある場合と異なり、加速度センサー2に って検出される加速度の値には、運動加速 成分が加わることになる。ランマーのよう 締固め機械においては、運動加速度成分の 対値は1Gよりも大きくなるため、加速度セ サー2から出力される信号の値は、締固め機 が傾斜していない場合であっても、比較器5 に与えられているしきい値を下回ってしまう ことがある。

 従って、加速度センサー2から出力される 信号の値をそのまま比較器5に入力すると、 えば、大きな振幅の上下運動を伴って動作 るランマーの場合、その上下運動の加速度 検出され、転倒していないにも拘わらず、 倒したと判断(誤判定)されてしまうことがあ り、この場合、信号が出力されて、作業者の 意図に反して、エンジンが停止させられるこ とになってしまう。

 つまり、締固め機械が転倒したかどうか 正確に判定するためには、加速度センサー2 によって検出される加速度のデータから、締 固め機械の稼働時において生じる通常の運動 加速度成分(例えば、エンジン回転時の振動 作業者の操作による締固め機械の移動、ラ マーにおける振幅の大きな上下運動等に起 して検出される運動加速度成分)をできる限 除去することにより、比較器5に入力される 加速度のデータを、純粋な重力加速度成分の みからなる加速度のデータに近づけることが 必要である。

 そこで、本実施形態においては、加速度 ンサー2から出力される信号を、ローパスフ ィルタ3及び積分回路4によって加工すること より、加速度センサー2からの信号の成分の うち、締固め機械の稼働時において生じる通 常の運動加速度成分が可及的に除去されるよ うになっており、その結果、上記のような誤 判定を回避し、締固め機械が転倒したことを 速やかに、かつ、高い精度で判定できるよう になっている。

 ここで、積分回路4とローパスフィルタ3の 細な構成と、その作用乃至は効果について 明する。まず、積分回路4は、入力された信 を積分して連続的に出力するものである。 り詳細には、積分回路4は、図2に示すよう 信号Aが入力された場合、ある時点T 1 を終端とする単位時間T U 内における信号の連続的な値を積分し、その 値を時点T 1 における信号の値として出力する。また、時 点T 2 においても同様に積分を行い(時点T 2 から、単位時間T U だけ遡った時点T 2 ’までの時間における信号の連続的な値を積 分する)、その値を時点T 2 における信号の値として出力する。

 このような積分は、単位時間毎に断続的 実行されるのではなく、連続的に実行され 。従って、積分回路4からは、階段状のデジ タルな波形の信号ではなく、連続的なアナロ グ波形の信号が出力される。例えば、図2に いて実線で示す波形の信号Aが積分回路4に入 力された場合、一点鎖線で示す波形の信号B 出力される。

 尚、本実施形態においては、単位時間T U は「1秒」に設定されている。このため、加 度センサー2の出力信号から、1Hz以上の周波 の加速度成分を除去することができる。締 め機械の稼働時において生じる通常の運動 速度成分は、殆どが1Hz以上であるので、加 度センサー2の出力信号を、この積分回路4 よって加工することにより、純粋な重力加 度成分のみからなる加速度のデータに近づ ることができる。

 単位時間T U は、0.01秒から5.0秒の範囲で任意に設定する とができる。単位時間T U を、0.01秒よりも短くすると、モータの振動 ような、規則正しく、速い(例えば、100Hz以 の)振動が生じた場合に、誤判定が生じる可 性がある。また、単位時間T U は、短いほど反応は早いが、転倒と揺れの区 別がつき難く、長ければ検出までの時間も長 くなってしまう。例えば、単位時間T U を5秒よりも長くすると、転倒してもすぐに 止まらないという事態を招来し、問題があ 。単位時間T U は、0.01秒から5.0秒の範囲とすれば、風のよ に、タイミングが不規則で、周波数も変則 な遅い振動の影響も受けずに、正確な判定 可能である。

 尚、発明者らが行った各種の実験により、 位時間T U を「1秒(±0.5秒)」に設定した場合に最も高精 に転倒の有無を判定できる、ということが 明している。例えば、ランマーのように、 周波で運動加速度の大きい機械に取り付け 場合、0.5秒以下では、機体の引き上げ動作 、速いターン等の人的作業行為で誤判定が じてしまうことがある。一方、1.5秒よりも くすると、エンジン停止に時間がかかり、 倒後機体が暴れてしまうという問題がある 特に、ランマーは運動加速度が大きいため 転倒後短い時間でかなりの距離を進んでし う。そのため、比較的短い1.5秒までが最適 あると考えられる。

 一方、ローパスフィルタ3は、低周波成分 (既定の周波数以下の成分)のみを通過させ、 周波成分(既定周波数よりも高い周波数成分 )を除去するものであり、入力された信号は 低周波成分のみに濾波された上で出力され 。本実施形態においては、カットオフ周波 が100Hzのもの(100Hz以下の周波数の信号のみを 通過させ、100Hzを超える周波数の信号をカッ するフィルタ)が使用されており、加速度セ ンサー2から出力された信号は、ローパスフ ルタ3を通過する際に、100Hzを超える高周波 分が除去される。

 ローパスフィルタ3は、締固め機械に作用 する急激なショック(例えば、輾圧作業中に いてランマーが石やアスファルト面に乗り げて、大きく跳ね上がってしまったような 合)等に起因する誤判定を回避するためのも である。より具体的に説明すると、急激な ョックを受けた場合、加速度センサー2から は、下方への振幅が、それに前後する上方へ の振幅に対して極端に大きい波形の信号が出 力されることがあり、このような波形の信号 は、積分回路4ではうまく処理することがで ず、誤判定が生じてしまう可能性があるが カットオフ周波数が100Hzのローパスフィルタ 3を用いて信号を加工することにより、その うな成分を好適に除去することができ、誤 定を防止することができる。

 尚、ローパスフィルタ3としては、カット オフ周波数が100Hzのものには限定されず、例 ば、1Hz以上のものであれば、純粋な重力加 度の成分のみを抽出できるため、好適に用 ることができる。但し、カットオフ周波数 50Hz以下のものを使用すると、上記のような 特殊な波形(下方への振幅が極端に大きい波 )の成分を好適に除去できないことがあり、 た、150Hz以上のものを使用した場合、電動 等によるノイズを受けやすく、誤判定を招 てしまうという問題がある。従って、50~150Hz のものを使用することが好ましい。

 このように、本実施形態においては、加 度センサー2からの出力信号が、ローパスフ ィルタ3によって加工(濾波)されるように構成 されているため、急激なショック、高周波ノ イズ等に起因する誤判定を有効に回避するこ とができる。

 以上に説明したように、本実施形態の締 め機械用転倒検出センサー1は、加速度セン サー2から出力される信号の成分のうち、締 め機械の稼働時において生じる通常の運動 速度成分が、ローパスフィルタ3及び積分回 4によって除去されるようになっており、そ の結果、上記のような誤判定を回避し、締固 め機械が転倒したことを速やかに、かつ、高 い精度で判定できるようになっている。

 尚、本実施形態においては、加速度セン ー2として、静電容量式のものが用いられて いる。静電容量式の加速度センサーは、一般 に、固定電極と、ビームによって支えられた 可動電極とが、コンデンサとして機能するよ うな状態で内蔵されており、センサに外力が 加えられた場合において、慣性力によって生 じる可動電極の変位を、電極間の静電容量の 変化量から推測することにより、センサー或 いはセンサーが取り付けられた対象物の加速 度を測定するというものである。

 加速度センサーにおける加速度の測定方 には、静電容量式のほかに、圧電式、ピエ 抵抗式、熱検知式のものなどが知られてい が、本発明において採用すべき加速度セン ー2としては、静電容量式のものが最も適し ている。この点について具体的に説明すると 、静電容量式の加速度センサーは、物体に対 して連続的に作用する重力加速度を認識する ことができるが、圧電式の加速度センサーは 、圧力が加えられることによって生じる電位 差から「加速度の変化量」を測定しているた め、重力加速度を認識することができない。

 ピエゾ抵抗式の加速度センサーは、変位 よって錘が移動すると、その錘を支えてい ピエゾ抵抗の抵抗値が変化し、その変化量 ら加速度の方向と量を割り出すように構成 れており、連続的に作用する重力加速度を 識することはできるが、温度変化により抵 値が変化してしまうという問題があり、こ を補正するために大掛かりな補正回路が必 となる。また、熱検知式の加速度センサー 、加熱した空気の移動量を測定するという ので、応答性が良好でないという問題があ 、ランマーのような激しい運動をする機械 の適用は難しいと考えられる。

 本発明において採用されるべき加速度セ サー2としては、シンプルかつコンパクトな 構成とすることができ、低コストで実現でき るほか、温度特性も良好である静電容量式の ものの方が、ピエゾ抵抗式のものや熱検知式 のものよりも適していると考えられる。また 、静電容量式の加速度センサーは、センサー 自体が素子として存在するため、基盤実装時 の取り付けが容易であるという利点も有して いる。

 尚、一般的に普及している加速度センサ には、感度方向が3軸のもの(つまり、3方向 検出軸を有しているもの)、2軸のもの、及 、1軸のみのものなどがあるが、本実施形態 おいては、上述の通り、感度方向が1軸のみ のものが使用されている。その理由は、次の 通りである。

 自動二輪車用の転倒センサーに用いられ 加速度センサーや、四輪自動車のエアバッ 制御システム、車両安定性制御等に利用さ る加速度センサーにおいては、転倒方向や 車体の姿勢等を詳細に把握する必要がある め、必然的に感度方向が2軸以上のものが求 められるが、当然のことながら、合成ベクト ルを計算しなければならず、複雑な演算回路 が必要となる。これに対し、本発明の締固め 機械用転倒検出センサー1においては、転倒 向等を詳細に把握する必要はなく、また、 力加速度だけ検出できれば良く、締固め機 の稼働時において生じる通常の運動加速度 分は、検出されない方が好ましい。かかる 点からは、検出軸が1軸のみの加速度センサ が最も適していると考えられる。

 また、上述の通り、本実施形態において 、加速度センサー2は、検出軸が略垂直(垂 ±15°の範囲内)となるような向きで、締固め 械に対して搭載されているが、このことは 締固め機械の稼働時において生じる通常の 動加速度成分が、加速度センサー2によって なるべく検出されないようにしようとするう えで、非常に有効である。例えば、締固め機 械が稼働時において水平方向へ移動した場合 でも、加速度センサー2の検出軸が垂直であ 限り、水平方向についての加速度は検出さ ないからである。

 尚、加速度センサー2の検出軸の向きは、 上述の通り、基本的には「垂直±15°」の範囲 内とすることが好ましいが、締固め機械は、 輾圧や自走の目的から、予め機体重心がアン バランスに設定されていることが多く、更に 、三次元(三軸方向)的な運動をするものが殆 であるため、締固め機械の機種によっては そのランダムな運動の中で、センサーの検 軸を垂直±30°以内に設定した場合でも、重 加速度の全ての成分を検出できることがあ 、この点を考慮すると、加速度センサー2の 検出軸の向きを「垂直±30°」の範囲内で設定 すべき場合も考えられる。

 また、作業者が、その場で(水平方向へ移 動させることなく)締固め機械の向きだけを 更しようとする場合、つまり、定点上で締 め機械をターンさせようとする場合、加速 センサー2の検出軸が水平に保持されている 合には、加速度センサー2内の可動電極に作 用する遠心力によって、水平方向についての 加速度が検出されてしまう可能性があるが、 加速度センサー2の検出軸が垂直であれば、 動電極に遠心力が作用しても、遠心力が作 する方向と感度方向とは90°ずれるため、水 方向についての加速度が検出されることは く、その結果、転倒の有無を高精度に判定 ることができる。

 尚、大きな振動を伴って動作する締固め 械のハンドル(作業者によって把持される部 分)は、作業者への負担を軽減できるように 必ず防振対策が施されている。従って、作 者によって把持されるハンドルは、締固め 械の構成要素の中で最も振動の少ない部分 あると言える。そこで、本発明に係る締固 機械用転倒検出センサー1は、締固め機械の 働時における振動を最も受けにくいハンド (防振対策が施されている要素)に取り付け れることが好ましい。

 また、基盤をケースに取り付ける際には 樹脂でモールドを行い、振動対策をするこ が更に好ましい。更に、断線等のトラブル よってこの締固め機械用転倒検出センサー1 が正常に機能していない場合において、締固 め機械をそのまま動作させると非常に危険で あるので、LEDランプ等の報知手段により、締 固め機械用転倒検出センサー1が正常な状態 あるか、異常があるかを作業者において簡 に確認できるようにしておくことが好まし 。

 上述の通り、本実施形態においては、転 判定角度は80°に設定されているが、必ずし もこの角度に限定されるものではなく、50~85 の範囲内で設定することができる。例えば 大型の締固め機械に対して適用される場合 基本姿勢から大きく傾斜させた状態で使用 ることは稀である一方、転倒時の危険度も いため、50°程度に設定すべき場合が考えら 、反対に、小型の締固め機械に対して適用 れる場合には、85°程度に設定すべき場合が 考えられるからである。但し、現実的には、 60~80°程度の範囲内で設定することが好まし 。

本発明に係る締固め機械用転倒検出セ サー1のブロック図。 積分回路4への入力信号Aの波形と、積 回路4からの出力信号Bの波形の一例を示す図 。

符号の説明

1:締固め機械用転倒検出センサー、
2:加速度センサー、
3:ローパスフィルタ、
4:積分回路、
5:比較器、
6:出力端子




 
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