株式会社メニコン (〒06 愛知県名古屋市中区葵三丁目21番19号 Aichi, 4600006, JP)
| レンズ中央部分に光学部が設けられると共に、該光学部の周囲に周辺部が設けられた酸素透過性ハードコンタクトレンズにおいて、 レンズ外周縁形状がレンズ光軸方向の正面視で長円形状とされると共に、前記光学部が略球面状の該レンズ光軸まわりの回転体形状とされる一方、前記周辺部の内面にはレンズ径方向で外方へ行くに従って該光学部の内面の延長線上から次第に離隔するリフトアップが設定されると共に、レンズ中心から短軸方向に所定距離だけ離隔した位置におけるリフトアップの大きさが、長軸方向に該所定距離だけ離隔した位置におけるリフトアップの大きさよりも大きくされることによってレンズの深さ寸法が周方向で異ならされており、更に、短軸方向における該周辺部の厚みが長軸方向の厚み以下とされていることを特徴とする酸素透過性ハードコンタクトレンズ。 |
| 角膜への装用状態において、前記レンズ外周縁部の内面と角膜表面とのラジアル方向での離隔距離における周上での最大値と最小値の差が0.05mm以下とされている請求項1に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ。 |
| 前記長軸方向のレンズ外径寸法と前記短軸方向のレンズ外径寸法の差が0.1mm~2.0mmとされている請求項1又は2に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ。 |
| レンズ外周縁のエッジ部におけるリフトアップであるエッジリフトに関して、前記長軸方向における該エッジリフトの大きさと前記短軸方向における該エッジリフトの大きさの差が、角膜乱視度で0.5D~4.0Dに対応して設定されている請求項1乃至3の何れか一項に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ。 |
| 前記長軸方向のレンズ外径寸法が9.0mm~13.0mmとされている請求項1乃至4の何れか一項に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ。 |
| 前記長軸方向のレンズ外径寸法が角膜横径の80%~90%とされている請求項1乃至5の何れか一項に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ。 |
| 前記短軸方向における前記周辺部の平均厚みが、前記長軸方向における該周辺部の平均厚みの90%以下とされている請求項1乃至6の何れか一項に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ。 |
| レンズ中心軸回りの回転を防止する回転防止機構を備えた請求項1乃至7の何れか一項に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ。 |
| 前記光学部が多焦点レンズとされている請求項1乃至8の何れか一項に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ。 |
| レンズ内面には、角膜矯正用の曲面領域が設けられている請求項1乃至9の何れか一項に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ。 |
本発明は、コンタクトレンズに係り、特に
酸素透過性を有するハードコンタクトレン
に関するものである。
現在、視力補正用のために用いられるコ タクトレンズには、柔軟で変形容易なソフ コンタクトレンズと、比較的硬質のハード ンタクトレンズの大別して2つの種類がある 。これら両者は現在のところ一長一短である 。ソフトコンタクトレンズは、それ自身が角 膜形状に沿うように変形することから優れた 装用感を得ることが出来る一方、加熱洗浄な どレンズの管理に手間を要し、レンズ寿命が 短い。他方、ハードコンタクトレンズは、装 用感ではソフトコンタクトレンズに劣るもの の、管理が容易で、レンズ寿命が長い。それ 故、これら両者は、他方に比べて劣る特性を 如何に改善し、克服するかが大きな解決課題 の一つとなっている。
そのような解決課題の一つとして、ハー コンタクトレンズは、従来から素材として く用いられているPMMAでは酸素透過性が殆ど 得られないという大きな問題を有していた。 それ故、PMMA製のハードコンタクトレンズに 、角膜上皮への酸素の供給量が不足して、 膜変形などの角膜上皮障害をひきおこすお れがあった。一方、ソフトコンタクトレン の素材として広く用いられるHEMAは含水性を しており、素材に含まれる水を介して酸素 透過させ得ることから、PMMA製のハードコン タクトレンズに比べれば角膜への負担は小さ かった。
そこで近年では、ハードコンタクトレン に酸素透過性を与えるために、シリコン/ア クリレート共重合体等を素材としたハードコ ンタクトレンズ(RGP:rigid gas-permeable) が開発 れ、広く用いられている。RGPレンズは、HEMA 素材とするソフトコンタクトレンズよりも い酸素透過性が得られることから、酸素不 に起因する角膜上皮障害の発生を大幅に抑 ることが可能となった。
このように、RGPレンズの開発によって、 れまでハードコンタクトレンズの短所とさ ていた酸素透過性の問題を克服することが 能となった。しかし、RGPレンズにおいても ハードコンタクトレンズであるが故に有す その他の問題は未だ同様に内在するもので った。
例えば、前述のように、ソフトコンタク レンズはハードコンタクトレンズに比して れた装用感を得ることが出来る。これは、 フトコンタクトレンズは変形容易な素材で 成されていることから、レンズ形状が角膜 状に沿うことによって角膜や強膜などの眼 組織に接触するときの応力を分散させて小 くすることが出来ると共に、比較的大きな 寸法を有することからレンズの動きが小さ 、瞬目の際にレンズが眼球組織と接触する 囲や時間を少なく抑えることが出来ること よる。他方、ハードコンタクトレンズはソ トレンズに比して硬質であることから角膜 状に沿うことが出来ず、眼球組織と接触す 際の応力が大きくなると共に、径寸法も比 的小さいことから瞬目の際のレンズの動き 大きく、装用感を損ない易い。
そこで、RGPレンズにおいては、後面形状 角膜形状に可及的に近づけることによって ンズが眼球組織に接触する際の応力を抑え と共に、レンズの動きを抑えることが必要 されるが、一般的に、RGPレンズの後面は、 工の容易さやコスト等の理由から角膜の全 線方向に対して平均化したパラメータを用 た外周円形の凹状球面として形成されてい 。一方、よく知られているように、角膜は 球面形状であることから、円形球面を有す RGPレンズは、角膜へのフィッティングが未 十分とは言い難かった。確かに、例えば特 文献1に記載されているように、各装用者の 角膜形状を測定して各装用者の角膜形状に沿 った後面形状を与えることによってかかる問 題は解決し得るが、角膜表面形状の測定が困 難で現実的でなく、製造工程や製造コストの 観点からも、実用性は高くない。
また、RGPレンズは、ハードコンタクトレ ズに特有の、球結膜充血の問題と、角膜外 縁部の3時および9時の位置に傷を生ずる3-9 テイニングの問題を有していた。これらは ードコンタクトレンズの装用時に眼表面の 液分布に与える影響の一つであり、これら 問題が生じる科学的根拠は必ずしも明らか はないが、ハードコンタクトレンズのエッ 部に貯留される涙液が毛細管現象によって 圧を生じ、ハードコンタクトレンズ周辺の 液が奪われることによって涙液の菲薄化が じることに起因するものと考えられている 更に、後面が円形球面とされたハードコン クトレンズにおいては、生物学的な角膜形 の理由から装用者の左右方向となる水平方 両側で角膜とレンズ後面との隙間が小さく って陰圧が強くなることから、3時および9時 の水平方向で涙液の菲薄化が顕著に生じ、傷 が生じ易くなるものと考えられている。そし て、これら3-9ステイニングおよび球結膜充血 を生ずるおそれがあるということが、ハード コンタクトレンズの使用が躊躇される原因の 一つにもなっていた。
ここにおいて、本発明は上述の如き事情 背景として為されたものであって、その解 課題とするところは、より優れた装用感が られると共に、3-9ステイニングや球結膜充 のおそれをより軽減することの出来る、新 な構造の酸素透過性ハードコンタクトレン を提供することにある。
以下、前述の如き課題を解決するために された本発明の態様を記載する。なお、以 に記載の各態様において採用される構成要 は、可能な限り任意の組み合わせで採用可 である。
すなわち、本発明の第一の態様は、レン 中央部分に光学部が設けられると共に、該 学部の周囲に周辺部が設けられた酸素透過 ハードコンタクトレンズにおいて、レンズ 周縁形状がレンズ光軸方向の正面視で長円 状とされると共に、前記光学部が略球面状 該レンズ光軸まわりの回転体形状とされる 方、前記周辺部の内面にはレンズ径方向で 方へ行くに従って該光学部の内面の延長線 から次第に離隔するリフトアップが設定さ ると共に、レンズ中心から短軸方向に所定 離だけ離隔した位置におけるリフトアップ 大きさが、長軸方向に該所定距離だけ離隔 た位置におけるリフトアップの大きさより 大きくされることによってレンズの深さ寸 が周方向で異ならされており、更に、短軸 向における該周辺部の厚みが長軸方向の厚 以下とされていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた酸素透過性ハ ドコンタクトレンズにおいては、外形形状 レンズ光軸方向の正面視で長円形状とされ いる。これにより、例えばレンズ後面に短 方向と長軸方向で互いに異なる曲率を与え など、レンズの短軸方向と長軸方向で各々 なるチューニングを行うことが出来る。従 て、非球面形状である角膜表面に対してよ 滑らかに沿うレンズ後面形状を与えられる とから、レンズ正面視で円形状とされた一 的なレンズに比して、より滑らかに角膜表 に沿わせることが出来る。それ故、眼球組 への接触に際する応力を軽減出来ると共に より良好な角膜へのフィッティングによっ レンズの動きもより小さく出来ることから 瞬目の際に眼球組織に接触する範囲や接触 間を軽減することも可能となって、より優 た装用感を得ることが出来る。また、装用 に長軸方向を水平方向にのばして位置せし ることによって、上下眼瞼への悪影響を抑 て周辺部の領域を全体として確保しつつ、 学部をより大きく確保することが出来ると に、短軸方向を鉛直方向に位置せしめるこ によって、瞬目時のレンズの動きによる上 眼瞼への影響も抑えることが出来て、レン 外周縁部が強膜に至る所謂強角膜レンズに いても優れた装用感を得ることが出来る。 にまた、レンズ後面形状を平均的な角膜形 にチューニングすることによって、例えば ールド製法などの安価な製造方法を採用す ことも可能であって、本発明に従う構造と れた酸素透過性ハードコンタクトレンズを 安価に実現することも可能となる。
さらに、本態様においては、レンズ中心 ら短軸方向に所定距離だけ離隔した位置に けるリフトアップの大きさが、長軸方向に 定距離だけ離隔した位置におけるリフトア プの大きさよりも大きくされており、その 果、レンズの深さ寸法が周方向で異ならさ ている。なお、本態様における所定位置に けるリフトアップの大きさとは、所定位置 おけるレンズ内面の、光学部内面の延長線( ベースカーブおよびその延長線)からの離隔 離を言う。離隔距離の方向としては、レン 光軸方向(アキシャル方向)や、ベースカーブ の径方向(ラジアル方向)が適宜に採用される また、レンズ外周縁部における最外周端(エ ッジ乃至はエッジ先端という)のリフトアッ の大きさがエッジリフトの大きさとされる また、レンズの深さ寸法とは、レンズ外周 部からレンズ内面の頂点までのレンズ光軸 向での離隔距離を言う。そして、リフトア プの大きさが短軸方向と長軸方向で異なら れることによって、非球面形状を有する角 表面の形状により近い形状を与えることが 来て、より優れた装用感を得ることが出来 。
更にまた、本態様においては、短軸方向 おける周辺部が、長軸方向における周辺部 りも薄くされている。従って、装用状態下 鉛直方向に位置せしめられる短軸方向の上 両端を薄く形成することによって、瞬目時 レンズの動きによる上下眼瞼への影響に起 する異物感を軽減することが出来て、より れた装用感を得ることが出来る。
加えて、本態様においては、これら(1)レ ズ外形が長円形状、(2)レンズ深さ寸法が周 向で変化せしめられて、短軸方向の周辺部 みが長軸方向の周辺部厚みよりも薄い、と う特定形状を採用したことによって、レン の周方向安定性をより高めることが可能と れており、その結果、前述の如き角膜表面 状に沿う特定形状を有する本発明に従う酸 透過性ハードコンタクトレンズを目的とす 位置に安定して位置せしめて角膜形状に沿 せることが可能とされている。そして、そ 結果、酸素透過性ハードコンタクトレンズ 特有の問題であった3-9ステイニングや球結 充血のおそれをより軽減することも可能と れたのである。
ところで、これら周方向安定性の向上お びそれに伴う3-9ステイニングや球結膜充血 おそれの軽減は、上記特定形状を採用する とによって初めて発揮され得ることが、本 発明者による数多くの実験により確認され 。即ち、レンズ外形を長円形状としたのみ( 上記(1)のみ)で、レンズ深さ寸法を周方向で 定として周辺部厚みを短軸方向と長軸方向 等しく形成したものでは、レンズの周方向 定性を十分に確保することは困難であった これは、酸素透過性ハードコンタクトレン は、一般的に角膜横径よりも充分に小さな 径寸法を有していることから、単に外形を 円形状としたのみでは、瞬目に際してなお 膜表面上での回転が許容され得ることや、 ンズの深さ寸法が周方向で一定であるが故 角膜表面に対するフィッティングが不十分 あること等に起因するものと推考される。 方、レンズ深さ寸法が周方向で変化せしめ れて、短軸方向の周辺部厚みが長軸方向の 辺部厚みよりも薄い形状を採用したのみ(上 (2)のみ)で、レンズ外形を円形状としたもの でも、十分な周方向安定性を得ることは出来 なかった。これは、レンズ外形が円形状であ ると、非球面形状の角膜表面へのフィッティ ングが不十分であること等に起因するものと 推考される。
そして、本発明の如き特定形状を採用し ことによって初めて良好な周方向安定性が られ、3-9ステイニングや球結膜充血が軽減 れる科学的根拠は必ずしも明らかではない 、レンズ外形を長円形状としたこと(前記(1) )と、レンズ深さ寸法を周方向で変化せしめ こと(前記(2))によって、角膜表面により近い レンズ形状を与えることが出来て、角膜表面 に対してより良好なフィッティングが実現さ れ得ることや、レンズ外形が長円形状とされ ていることによって、瞬目に際する眼瞼の押 し出し作用によってレンズが中心軸周りで回 転せしめられて、長軸の方向が水平方向に位 置せしめられること、更に、周辺部の厚さ寸 法が短軸方向で薄くされていること(前記(2)) よって、所謂ダブルスラブオフの如き構造 実現されることや、長軸方向両端部の体積 大きくされることによって長軸方向両端部 重くされて、やじろべえのような釣り合い よる周方向安定性も発揮され得ること等の 果が相乗的に作用することによって、略球 状のレンズ光軸まわりの回転体形状とされ 光学部を備えた酸素透過性ハードコンタク レンズとして十分な周方向安定性が得られ ものと考えられる。なお、本態様における 球面状のレンズ光軸まわりの回転体形状と れた光学部球面とは、例えば単焦点レンズ 、異なる光学特性を有する領域が同心円状 形成された同心円型多焦点レンズ、同心円 状の回折領域が形成された回折型多焦点レ ズや累進多焦点レンズ等のように、全周方 で等しい光学特性が得られるものであり、 方向の位置決めが要求されないものをいう
そして、球結膜充血や3-9ステイニングが 減され得る根拠としては、リフトアップの きさが短軸方向と長軸方向で異ならされて ることによって、周辺部後面と角膜表面と 間に全周に亘って適当な隙間を形成するこ が出来ると共に、前述の如き良好な周方向 定性によって、全周に亘って形成される隙 を安定して維持することが出来ることが挙 られる。即ち、これにより涙液をレンズ全 に亘って安定して貯えることが可能となり 涙液交換性が向上せしめられる。その結果 涙液の菲薄化に起因すると考えられている 結膜充血のおそれを軽減することが可能に るものと推考される。それと共に、リフト ップの大きさを周方向で異ならせたことに って、周辺部後面と角膜表面との隙間が周 向で局所的に小さくなるようなことも回避 れ得ることから、3-9ステイニングの発生原 と考えられている、3時および9時の位置に いて局所的に隙間が小さくなって涙液の菲 化を生ぜしめるようなことも有利に回避す ことが可能になるものと推考される。
また、本発明の第二の態様は、前記第一 態様に係る酸素透過性ハードコンタクトレ ズであって、角膜への装用状態において、 記レンズ外周縁部の内面と角膜表面とのラ アル方向での離隔距離における周上での最 値と最小値の差が0.05mm以下とされているこ を、特徴とする。好適には、装用状態下に けるレンズ外周縁部であるエッジ部と角膜 の離隔距離が全周に亘って略一定となるよ に設定される。
本態様に従う構造とされた酸素透過性ハ ドコンタクトレンズにおいては、涙液をレ ズの全周に亘ってより均一に貯えることが 能になることから、涙液交換性をより高め ことが出来る。これにより、レンズと角膜 の距離が局所的に小さくなることに起因す と考えられる球結膜充血や3-9ステイニング 発生のおそれをより軽減することが出来る なお、略一定とは、レンズ周方向で、レン 外周縁部の内面と角膜表面とのラジアル方 の離隔距離の最大値と最小値の差が0.05mm以 に抑えられることが好ましく、より好適に 0.03mm以下とされる。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第 の態様に係る酸素透過性ハードコンタクト ンズにおいて、前記長軸方向のレンズ外径 法と前記短軸方向のレンズ外径寸法の差が0 .1mm~2.0mmとされていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた酸素透過性ハ ドコンタクトレンズにおいては、角膜に対 て滑らかに接触せしめることが出来る。即 、長軸方向のレンズ径寸法と短軸方向のレ ズ径寸法の差が0.1mmよりも小さいと、実質 に正面視において円形状の従来構造のレン と等しくなって角膜に滑らかに接触させる とが困難となる一方、2.0mmより大きいと、角 膜表面形状から大きく離れてしまい、やはり 角膜に滑らかに接触せしめることが困難とな る。
本発明の第四の態様は、前記第一乃至第 の何れか一つの態様に係る酸素透過性ハー コンタクトレンズにおいて、レンズ外周縁 の最外周端(エッジ)におけるリフトアップ あるエッジリフトに関して、前記長軸方向 おける該エッジリフトの大きさと前記短軸 向における該エッジリフトの大きさの差が 角膜乱視度で0.5D~4.0Dに対応して設定されて ることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた酸素透過性ハ ドコンタクトレンズにおいては、角膜に対 て滑らかに接触させることが出来る。即ち 長軸方向と短軸方向でエッジリフトの差が さ過ぎると、実質的に全周に亘って等しい ンズ深さ寸法を有する従来構造のレンズと しくなって角膜に滑らかに接触させること 困難となる一方、エッジリフトの差が大き ぎると、角膜表面形状から大きく離れてし い、やはり角膜に滑らかに接触せしめるこ が困難となる。なお、角膜乱視度で0.5D~4.0D 対応して設定するとは、短軸方向における 辺部後面の曲率を角膜乱視における強主経 の曲率、長軸方向における周辺部後面の曲 を弱主経線の曲率と見立てた場合に、短軸 向における周辺部後面の曲率によって生じ 屈折力と長軸方向における周辺部後面の曲 によって生じる屈折力との差が0.5D~4.0Dの範 内で設定されることをいう。また、かかる は、より好ましくは0.5D~3.0D、更に好ましく 0.5D~2.0Dに対応して設定される。なお、この うにディオプタ値を用いて長軸方向と短軸 向とのエッジリフトの大きさの差を設定す ことにより、レンズ外径寸法の相違による 響を軽減できる。
本発明の第五の態様は、前記第一乃至第 の何れか一つの態様に係る酸素透過性ハー コンタクトレンズにおいて、前記長軸方向 レンズ外径寸法が9.0mm~13.0mmとされているこ を、特徴とする。本態様に従う構造とされ 酸素透過性ハードコンタクトレンズにおい は、優れた周方向安定性を確保しつつ、優 た装用感を得ることが出来る。即ち、レン 径寸法が9.0mmより小さいと、角膜表面で回 し易くなって周方向安定性が損なわれるお れがある一方、レンズ外径寸法が13.0mmより 大きいと、確かにレンズの動きが小さくさ る点で装用感の向上が図られるものの、レ ズが強膜を広く覆ってしまうことから、涙 交換性が低下せしめられるおそれがあると に、レンズが角膜に固着するおそれがある なお、本態様からも明らかなように、本発 は、必ずしもレンズの外形が角膜より小さ ものに限定して採用されるものではなく、 ンズの外形(外周縁)が角膜よりも大きく、レ ンズ外周縁部が強膜に至る所謂強角膜レンズ に採用することも可能である。
本発明の好ましい一つの態様では、長軸 向の外径寸法が装用される角膜の外径寸法 りも小さく設定されることとなる。また、 適には角膜外径寸法の70%以上の長軸外径寸 とされる。ここにおいて、本発明の第六の 様は、前記第一乃至第五の何れか一つの態 に係る酸素透過性ハードコンタクトレンズ おいて、前記長軸方向のレンズ外径寸法が 膜横径の80%~90%とされていることを、特徴と する。本態様に従う構造とされた酸素透過性 ハードコンタクトレンズにおいては、レンズ 外形が角膜に対して小さくなり過ぎることを 抑え、光学部を有効に確保することによって 、安定した光学特性を得ることが出来る。
本発明の第七の態様は、前記第一乃至第 の何れか一つの態様に係る酸素透過性ハー コンタクトレンズにおいて、前記短軸方向 おける前記周辺部の平均厚みが、前記長軸 向における該周辺部の平均厚みの90%以下と れていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた酸素透過性ハ ドコンタクトレンズにおいては、短軸方向 長軸方向の周辺部の厚みの差異に基づく周 向安定性および装用感の向上効果を有効に 揮することが出来る。即ち、短軸方向にお る周辺部の平均厚みが長軸方向における周 部の平均厚みの90%よりも大きいと、実質的 周辺部の厚みが全周に亘って略一定となっ 、短軸方向と長軸方向で周辺部の厚みが略 しくされてしまうことから、ダブルスラブ フの如き構造による効果が十分に発揮され くなって周方向安定性が損なわれると共に 短軸方向が厚くなることから眼瞼との接触 が強くなって、装用感が損なわれるおそれ ある。
本発明の第八の態様は、前記第一乃至第 の何れか一つの態様に係る酸素透過性ハー コンタクトレンズにおいて、レンズ中心軸 りの回転を防止する回転防止機構を備えた とを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた酸素透過性ハ ドコンタクトレンズにおいては、より優れ 周方向安定性を得ることが出来る。なお、 転防止機構としては、従来公知の構造が適 に採用可能であって、例えばバラスト、プ ズムバラスト、トランケーションなどが有 に採用され得る。また、本発明においては 短軸方向の周辺部の厚みが薄くされること よって、ダブルスラブオフの如き構造を備 ているが、例えば、レンズ周辺部の上下両 部分に位置する前面領域をより大きくカッ することによって、より積極的にスラブオ 構造を形成する等しても良い。
本発明の第九の態様は、前記第一乃至第 の何れか一つの態様に係る酸素透過性ハー コンタクトレンズにおいて、前記光学部が 焦点レンズとされていることを、特徴とす 。
本態様に従う構造とされた酸素透過性ハ ドコンタクトレンズにおいては、例えば老 矯正用に用いられる遠近両用のコンタクト ンズなどにおいて、より優れた装用感を実 することが出来る。但し、前述のように、 発明における光学部は、周方向の位置決め 要求されないものであることから、本態様 おける多焦点レンズとしては、全周方向で 等しい光学特性を有する例えば同心円型や 折型、累進多焦点のもの等が採用され得る
本発明の第十の態様は、前記第一乃至第 の何れか一つの態様に係る酸素透過性ハー コンタクトレンズにおいて、角膜矯正用の 面が形成されていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた酸素透過性ハ ドコンタクトレンズにおいては、角膜矯正( オルソケラトロジ)用のコンタクトレンズを 有利に実現することが出来る。なお、角膜 正用の曲面とは、オルソケラトロジ用のコ タクトレンズのレンズ後面に形成されるベ スカーブ(BC)、リバースカーブ(RC)、アライメ ントカーブ(AC)、周辺カーブ(PC)等をいう。こ らの曲面は、角膜矯正に関する周知の技術 従って、目的とする角膜矯正形状に応じて えられることとなる。そして、本発明に従 特定構造を採用することによって、角膜矯 効果をより安定して有効に発揮することが 来る。即ち、オルソケラトロジにおいて角 矯正される部位は、瞳孔よりも大きく、更 瞳孔に対して同心状であることが見え方に いて最良とされている。そのために、角膜 正用コンタクトレンズには、角膜中央での 度な位置安定性が要求されるが、本発明に う特定構造を採用すれば、レンズの位置安 性が高められることから、より優れた角膜 央での位置安定性を得ることが出来るので る。
10 コンタクトレンズ
12 レンズ中心軸
14 長軸
16 短軸
22 光学部
24 周辺部
26 エッジ部
以下、本発明を更に具体的に明らかにす ために、本発明の実施形態について、図面 参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1に、本発明の第一の実施形態に 係る酸素透過性ハードコンタクトレンズとし てのRGPレンズ10の正面図を示すと共に、図2に RGPレンズ10の水平方向断面、図3にRGPレンズ10 鉛直方向断面を示す。RGPレンズ10は、全体 してドーム状となる略球殻形状を有してお 、良く知られているように、眼球における 膜の表面に重ね合わせて装用されることに って使用されるようになっている。なお、 実施形態のRGPレンズ10は、図1の紙面に直交 る方向に延びるレンズ中心軸12が光軸とされ ている。
RGPレンズ10は、酸素透過性を有する例え シリコン/アクリレート共重合体やフルオロ リコン/アクリレート共重合体等の硬質材料 で形成されており、それにより、レンズを透 過する酸素が角膜に供給されて、角膜への酸 素供給量の不足に起因する角膜上皮障害など のおそれが軽減されている。
特に、本実施形態におけるRGPレンズ10は その外周縁形状が、レンズ光軸12の方向の正 面視で長円形状とされており、より具体的に は、長軸14と短軸16がレンズ光軸12上で直交せ しめられて、レンズ光軸12を幾何中心とする 共に長軸14および短軸16のそれぞれについて 対称な楕円形状とされている。そして、長軸 14が水平方向、短軸16が鉛直方向を向けて角 表面上に装用されるようになっている。こ において、長軸14の長さ寸法は、装用される 角膜の水平方向径寸法よりも小さく、角膜の 水平方向径寸法の80%~90%とされることが好ま い。具体的には、長軸14の長さ寸法は、9.0mm~ 13.0mm、より好ましくは9.4mm~12.00mm、更に好ま くは9.6mm~11.5mmとされる。
また、長軸14の長さ寸法と短軸16の長さ寸 法との差は、0.1mm~2.00mm、より好ましくは0.2mm~ 1.0mm、更に好ましくは0.2mm~0.6mmとされる。特 本実施形態においては、長軸14の長さ寸法が 10.0mm、短軸16の長さ寸法が9.6mmとされており その差は0.4mmとされている。蓋し、長軸14と 軸16との長さ寸法の差が0.1mmより小さいと、 実質的に円形状とされて角膜表面に滑らかに 接触することが困難となる一方、2.00mmより大 きいと、楕円の離心率が大きくなり過ぎて、 やはり角膜表面に滑らかに接触することが困 難となるからである。また、RGPレンズ10は、 軸14と短軸16のそれぞれを挟んだ対象形状と されており、図2乃至後述する図4に示すよう 、長軸14方向におけるレンズ中心軸12からの 半径寸法と、短軸16方向におけるレンズ中心 12からの半径寸法との差は、0.2mmとされてい る。
かかるRGPレンズ10の中央部分には、レン 前後面にそれぞれ正面視(光軸方向視)で円形 状の前面光学部18と後面光学部20が形成され おり、これら前後面光学部18,20によって、レ ンズ中央部分には、視力補正のための適当な レンズ度数が設定された光学部(optical zone)22 形成されている。光学部22は、図1に示す正 視において、レンズ中心軸12を中心とする 形状とされており、光学部22の外径寸法は、 装用者に固有の角膜形状や大きさ等を考慮し て、一般に5~9mmに設定される。
また、光学部22の内面としての後面光学 20は、装着される角膜の表面に対して装用状 態下で略相似形状となるように、レンズ中心 軸12上でレンズ後方(図2中の下方)に曲率中心 設定されたレンズ後方に凹となる凹形球面 有するベースカーブ面とされる。なお、本 施形態においては、後面光学部20はBC=8.10mm 球面とされている。一方、光学部22の前面光 学部18は、ベースカーブ面とされる後面光学 20と協働して目的とするレンズ度数を与え る湾曲面形状として設計されており、特に 実施形態では、レンズ中心軸12上でレンズ後 方に曲率中心が設定されたレンズ前方に凸と なる凸形球面を有するフロントカーブ面とさ れている。
そして、これら前後面光学部18,20によっ 形成される光学部22は、球面状のレンズ中心 軸12周りの回転体形状とされており、全周方 に亘って等しい光学特性が得られるものと れている。特に本実施形態においては、前 面光学部18,20が同じレンズ幾何中心軸上で 成されることによって、光学部22が単焦点レ ンズとされているが、例えば、同心円型や回 折型の多焦点レンズや累進多焦点レンズ等と して形成することも可能である。また、本実 施形態における光学部22は、レンズ光軸方向 の正面視において円形状とされており、光 部22の幾何中心軸は、レンズ中心軸12と一致 せしめられている。
なお、これら前後面光学部18、20によって 形成される光学部22は、装用者の眼に対する 学的効果が期待される領域であって、その 周縁部、換言すれば後述する周辺部24との 界は、一般に、レンズ前面およびレンズ後 においてそれぞれ縦断面上での曲率の変化 として捉えることが出来る。しかし、例え 、光学部のレンズ面が半径方向で漸変する うな縦断面形状で形成されている場合や、 いはかかる境界が径方向に所定幅をもって 成されてレンズ前後面間で光学部22と周辺部 24を滑らかに繋ぐ接続領域等によって形成さ る場合など、レンズ前後面における光学部2 2と周辺部24の境界は、形状的に線(ライン)と て必ずしも明確である必要は無い。
そして、RGPレンズ10の外周部分には、光 部22の周りを囲むようにして周辺部(peripheral zone)24が形成されると共に、光学部22の外周 部には、レンズ前後面を接続するエッジ部26 が形成されている。周辺部24は、図1に示す正 面視において、レンズ中心軸12を幾何中心と る楕円形状の外周縁部と円形状の内周縁部 有している。これにより、周辺部24の長軸14 方向の幅寸法と、短軸16方向の幅寸法が異な されており、長軸14から短軸16に向けて径方 向幅寸法が滑らかに変化せしめられている。 そして、円形状とされた内周縁部が、光学部 22の外側縁部と全周に亘って接続されている 即ち、本実施形態におけるRGPレンズ10は、 ンズ光軸方向の正面視で円形状とされた光 部22の外周に、外形が楕円形状とされた周辺 部24が接続されることによって、全体として 円形状とされている。
さらに、図4に、本実施形態におけるRGPレ ンズ10の長軸14方向の周辺部24と短軸16方向の 辺部24を、レンズ光軸12を等しい位置として 重ね合わせて示す。図4から明らかなように 周辺部24は、周方向で厚さ寸法が変化せしめ られており、長軸14方向における厚さ寸法に して、短軸16方向における厚さ寸法が小さ されている。具体的には、レンズ光軸12から 短軸16方向に所定距離だけ離隔した位置にお る周辺部24の厚さ寸法は、該所定距離だけ 軸14方向に離隔した位置における周辺部24の さ寸法以下とされると共に、短軸16方向の 辺部24の平均厚さ寸法が、長軸14方向の周辺 24の平均厚さ寸法の90%以下、より好ましく 、75%~85%以下とされている。従って、本実施 態における周辺部24の径方向断面形状は、 軸14から短軸16に向けて滑らかに変化せしめ れている。そして、周辺部24は、長軸14方向 の方が短軸16方向に比して体積的に大きくさ ている。
また、周辺部24は、レンズ後面を形成す 後面周辺部28が、レンズ前方に曲率中心が設 定されて、所定の曲率半径をもったレンズ後 面側に凸となる円弧形の縦断面形状とされて おり、径方向外方へ行くに従って、後面光学 部20の延長線上から次第に離隔せしめられて る。これにより、後面周辺部28には、装用 態において角膜から所定距離を隔てて対向 置するリフトアップが周方向の全周に亘っ 連続して環状に形成されている。そして、RG Pレンズ10の装用時には、後面周辺部28と角膜 面の対向面間の隙間に対して、涙液が表面 力の作用で導き入れられると共に保持され ようになっている。
ここにおいて、図4からも明らかなように 、本実施形態におけるRGPレンズ10は、エッジ フトの大きさが周方向で異ならされており レンズ中心軸12から短軸16方向に任意の所定 距離だけ離隔した位置のリフトアップの大き さは、該所定距離だけレンズ中心軸12から長 14方向に離隔した位置のリフトアップの大 さよりも大きくされている。要するに、本 施形態では、周辺部における短軸上の何れ 位置においても、長軸上でレンズ中心軸12か ら短軸上の当該位置と同じ距離だけ離れた位 置のリフトアップ量よりも大きく設定されて いる。
ここにおいて、長軸14方向におけるエッ リフトの大きさと、短軸16方向におけるエッ ジリフトの大きさの差は、角膜乱視度で0.5D~4 .0D、より好ましくは0.5D~3.0D、更に好ましくは 0.5D~2.0Dに対応して設定される。特に本実施形 態においては、略1.0Dに対応して設定されて る。なお、角膜乱視度で0.5D~4.0Dに対応して 定するとは、短軸16方向における後面周辺部 28の曲率を角膜乱視における強主経線の曲率 長軸14方向の後面周辺部28の曲率を角膜乱視 における弱主経線の曲率と見立てた場合に、 短軸16方向の後面周辺部28の曲率によって生 る屈折力と、長軸14方向の後面周辺部28の曲 によって生じる屈折力との差が0.5D~4.0Dの範 内で設定されることをいう。
但し、本実施形態におけるRGPレンズ10は 円形状とされて長軸14方向の径寸法が短軸16 向の径寸法に比して大きいことから、エッ (レンズ外周縁部の最外周端)におけるリフ アップ(エッジリフト)の大きさとしては、長 軸14の方が短軸16方向よりも大きくされる。 に本実施形態においては、後面光学部20から 略一定の曲率半径(光面光学部20の曲率半径と 略同じ曲率半径)で外周側に延びる延長線31に 対する、長軸14方向におけるエッジのレンズ 軸12方向での離隔高さ(アキシャルエッジリ ト)は0.18mm、短軸16方向におけるエッジのア シャルエッジリフトは0.15mmとされている。 れにより、本実施形態におけるRGPレンズ10 、レンズ外周縁部から後面光学部20の中心ま でのレンズ光軸12方向での離隔距離、換言す ば、レンズの深さ寸法が周方向で異ならさ ており、例えばRGPレンズ10を、前面光学部18 を上方に向けて平面上に載置した場合には、 レンズ外周縁部は全周に亘って平面に接触す ることはなく、平面に接触する部分と接触し ない部分が生じることとなる。
そして、周辺部24のリフトアップの大き が長軸14方向と短軸16方向で異ならされてい ことによって、本実施形態におけるRGPレン 10は、角膜への装用状態において、周辺部24 の外周端縁部と角膜表面との離隔距離が、全 周に亘って略一定となるようにされている。 具体的には、周辺部24の外周端縁部の内面と 膜表面とのラジアル方向での離隔距離が、 ンズ周方向における最大値と最小値の差で0 .03mm以内に抑えられることが好ましい。
また、周辺部24においてレンズ前面を構 する前面周辺部30は、レンズ後方に曲率中心 が設定されて、所定の曲率半径をもったレン ズ前面側に凸となる円弧形の縦断面形状とさ れている。そして、前面周辺部30は、内周縁 において前面光学部18の外周縁部に対して 通接線をもって滑らかに接続されると共に 周辺部24の外周縁部に行くに従って周辺部24 肉厚寸法が次第に薄肉となるように、光学 22の前面光学部18の曲率半径や周辺部24の後 周辺部28の曲率半径を考慮して設定されて る。
そして、このような後面周辺部28と前面 辺部30がエッジ部26で接続されている。エッ 部26におけるレンズ外周端面32は、縦断面に おいてレンズの外周側に向かって凸形の湾曲 断面形状を有しており、RGPレンズ10の最外周 部の全周に亘って連続して形成されている そして、レンズ外周端面32が、前面周辺部30 および後面周辺部28のそれぞれに対して、共 接線をもって滑らかに接続されている。
なお、以上に詳述したとおりの本実施形 におけるRGPレンズ10は、レディメイド的に 造・提供することもできるし、オーダーメ ド的に製造・提供することもできる。例え 、装用者である患者を想定して、例えば統 値などを用いて、ベースカーブと、光学部 ンズ度数(パワー)と、少なくとも長軸側(水 方向)のレンズ外径寸法とが、設定されれば ベースカーブに対するリフトアップ量を水 方向と鉛直方向とでそれぞれ決定すること より、従来手法に従って設計・製造するこ が出来、それによって予めレディメイド的 大量生産して市場に提供することが可能で る。一方、より好適には、レンズを装用す 患者の眼を測定し、それに応じてオーダー イド的に設計・製造される。
かかるオーダーメイド的な製造工程は、例
ば、以下の(I)~(VIII)の工程に従い、本発明に
従う構造とされた目的とするRGPレンズ10の形
設計が行われる。
(I)患者の眼の測定工程
(II)レンズ内面のBC(ベースカーブ)の設定工程
(III)レンズのDIA(長軸長及び短軸長)の設定工
(IV)仮想角膜形状の特定工程
(V)仮想角膜とレンズ外周縁との軸方向間隙の
設定工程
(VI)レンズのエッジ部(レンズ外周縁)厚みの設
定工程
(VII)レンズのエッジ先端のリフト量の設定工
(VIII)レンズのエッジリフトの設定工程
因みに、上記(I)~(VIII)の各工程において、本
実施形態では、以下の如き設計値を得て、目
的とするRGPレンズ10を得た。
(I)患者の眼の測定工程
オートレフラクトメータによる公知の手法
従い患者の眼を測定することにより、以下
データを取得した。
角膜の強主経線が42.25D(曲率半径=7.99mm)、弱
経線が41.25D(曲率半径=8.18mm)。
角膜の横径が12.5mm、瞼裂幅(上下眼瞼幅)が10
.0mm。なお、瞼裂幅の測定は、必ずしも行う
要はないが、参考値として取得した。
なお、強弱主経線測定の代替方法として、
知のトポグラフィー測定を実施しても良い
(II)レンズ内面のBC(ベースカーブ)の設定工程
上記工程(I)で得られた角膜の強弱主経線方
の曲率半径の中間値として、8.10mmを設定し
。
(III)レンズのDIA(長軸長及び短軸長)の設定工
レンズの長軸長として、角膜横径の80%の値
して、10.0mmを設定した。
レンズの短軸長として、上記長軸長より0.4m
m小さい値である9.6mmを設定した。
(IV)仮想角膜形状の特定工程
前記工程(I)で得られた角膜の形状データか
、患者の仮想角膜形状として離芯率が0.4の
円体を採用した。
(V)仮想角膜とレンズ外周縁との軸方向間隙の
設定工程
上記(IV)で特定した仮想角膜に対するレンズ
周辺端部(レンズ周辺部の最外周縁部)の軸方
離隔間隙(アキシャル方向のリフトアップ量
)の値を0.12mmに設定した。なお、この間隙の
は、全周に亘って一定値として設定した。
(VI)レンズのエッジ部(レンズ外周縁)厚みの設
定工程
レンズエッジ部厚みを、水平方向両側で0.10
mm、鉛直方向両側で0.08mmに設定した。
(VII)レンズのエッジ先端のリフト量の設定工
レンズ周辺部における内面の径方向外方へ
延長線に対するエッジ先端のアキシャル方
のリフト量を、水平方向両側で0.04mm、鉛直
向両側で0.05mmに設定した。
(VIII)レンズのエッジリフトの設定工程
前記工程(V)で設定したレンズ外周縁のアキ
ャル方向のリフトアップ量と、上記工程(VII
)で設定したエッジ先端のリフト量とから、
ースカーブの延長線に対するレンズエッジ
軸方向離隔距離であるアキシャルエッジリ
トの値を算出して得た。具体的には、かか
アキシャルエッジリフトの値は、水平方向
側で0.18mm、鉛直方向両側で0.15mmとした。
上述の(I)~(VIII)の設定工程において特定さ れたレンズ周辺部の形状とベースカーブおよ び仮想角膜形状との関係を、鉛直方向と水平 方向の各断面を重ね合わせた状態での説明図 として、図5に示す。
このような構造とされたRGPレンズ10にお ては、外形形状が長円形状とされているこ 、およびレンズ深さ寸法が周方向で異なら れていることによって、非球面形状を有す 角膜表面により近い形状とされている。こ により、レンズ後面を角膜表面に対してよ 滑らかに沿うように接触せしめることが出 て、より優れた装用感を得ることが出来る 更に、装用状態下において上下方向に位置 しめられる短軸16方向の周辺部24の厚さ寸法 、長軸14方向の周辺部24の厚さ寸法に比して 薄く形成されていることから、瞬目時のレン ズの動きによる上下眼瞼への影響に起因する 異物感も軽減されて、より優れた装用感を得 ることが出来る。
また、本実施形態におけるRGPレンズ10は レンズ外形形状が長円形状とされているこ から、装用者が瞬目をすると、上眼瞼との 触によってレンズ中心軸12回りのモーメント が及ぼされる。これにより、例えば長軸14が 平方向から大きく傾いている場合でも、瞬 によってRGPレンズ10が回転せしめられて、 軸14が水平方向となるように位置せしめられ る。それと共に、周辺部24の厚さ寸法が、短 16に比して長軸14方向で厚くされて体積的に 大きくされていることによって、長軸14方向 周辺部24に及ぼされる重力作用が釣り合い として作用する。また、周辺部24の厚さ寸法 が短軸16方向で薄くされていることによって 所謂ダブルスラブオフの如き形状が形成さ ている。そして、これらの本発明における 定構造が相乗的に作用することによって、R GPレンズ10を長軸14を水平方向に、短軸16を鉛 方向に向けた状態で安定して位置せしめる 方向安定性がより有効に発揮され得る。
加えて、本実施形態におけるRGPレンズ10 おいては、レンズの深さ寸法が周方向で異 らされていることによって、装用状態にお て角膜表面とレンズ後面との間に、全周に って略一定の隙間が形成される。そして、 述の如き優れた周方向安定性によって、か る隙間を安定して維持することが出来て、 間が局所的に小さくなるようなことも有利 回避され得る。これにより、全周に亘って 液を有効に保持することが出来ると共に、 所的な涙液の菲薄化も有利に回避される。 の結果、ハードコンタクトレンズにおいて きな問題とされていた球結膜充血や3-9ステ ニングのおそれも有利に軽減することが可 とされているのである。
なお、本発明に従う酸素透過性ハードコ タクトレンズにおいて、更なる周方向安定 を確保するために、回転防止機構を備える とも可能である。例えば、前述の第一の実 形態としてのRGPレンズ10においては、短軸16 方向の周辺部24の厚さ寸法が小さくされるこ によって、ダブルスラブオフの如き形状が 成されていたが、より積極的なダブルスラ オフ構造を採用する等しても良い。そのよ な構造として、図6乃至図8に、本発明の第 の実施形態としてのRGPレンズ50を示す。なお 、以下の説明において、前述の第一の実施形 態と実質的に同様の部位については、図中に 第一の実施形態と同一の符号を付することに よって、その詳細な説明を省略する。
RGPレンズ50は、前述の第一の実施形態と 様に、レンズ光軸12方向の正面視においてレ ンズ外周縁部が長円形状とされている。また 、本実施形態におけるRGPレンズ50においても 長軸14方向と短軸16方向のリフトアップの大 きさが異ならされており、長軸14方向の外周 縁部におけるアキシャルエッジリフトの大 さが0.16mm、短軸16方向の外周端縁部におけ アキシャルエッジリフトの大きさが0.11mmと れて、レンズ深さ寸法が周方向で変化せし られている。そして、特に本実施形態にお るRGPレンズ50には、周辺部24における短軸16 向の両端部において、周方向で所定の長さ 法に亘って広がるスラブオフ領域52、52が形 されている。これら両スラブオフ領域52,52 は、従来公知のスラブオフが形成されてお 、前面周辺部30に傾斜を設けることによって 、周辺部24の厚さ寸法がレンズ径方向外方へ くに従って薄くされている。そして、これ 両スラブオフ領域52,52によって回転防止機 が構成されている。
このような構造とされたRGPレンズ50にお ては、前述の第一の実施形態におけるRGPレ ズ10と略同様の装用感を得ることが出来る。 加えて、周辺部24に両スラブオフ領域52,52が 成されていることによって、上下眼瞼によ 食わえ込み作用に基づく周方向の位置決め 果が発揮されて、レンズ中心軸12周りの回転 が抑えられる。これにより、より優れた周方 向安定性を得ることが可能となる。更にまた 、短軸16方向の周辺部24がより薄く形成され ことによって、長軸14方向の周辺部24が体積 により大きく形成されることから、釣り合 効果による周方向安定性もより効果的に生 しめられる。
なお、回転防止機構としては、レンズの 方向安定性を向上せしめる従来公知の各種 手法が採用可能であって、例えば、プリズ バラストやトランケーションなどを採用す ことも、勿論可能である。
また、本発明を、角膜矯正(オルソケラト ロジ)用の酸素透過性ハードコンタクトレン に採用することも可能である。そのような 造として、図9乃至図11に、本発明の第三の 施形態としてのRGPレンズ60を示す。
本実施形態におけるRGPレンズ60には、従 公知のオルソケラトロジ用レンズに形成さ る曲面が形成されている。かかるオルソケ トロジ用レンズに形成される曲面は、従来 知のものであることから詳細な説明は省略 るが、RGPレンズ60の後面光学部62には、所望 る角膜矯正形状に近い曲率を有するベース ーブ(BC)が設定されている。そして、光学部 22の径方向外側には、全周に亘って、後面光 部62よりも小さな曲率半径のリバースカー (RC)を有するリバース部64が形成されている 更に、リバース部64の径方向外側には、全周 に亘って、角膜に接近するように突出するア ライメントカーブ(AC)を有するアライメント 66が形成されており、かかるアライメント部 66の径方向外側の全周に亘って、周辺カーブ( PC)を有する外周部68が形成されている。
そして、本実施形態におけるRGPレンズ60 おいても、レンズ中心軸12方向の正面視にお いてレンズ外周縁形状が長円形状とされてお り、長軸14の長さ寸法が10.6mm、短軸16の長さ 法が10.0mmとされている。また、図10および図 11から明らかなように、外周部68において形 されるリフトアップの大きさが長軸14方向と 短軸16方向で異ならされており、レンズ中心 12から短軸16方向に所定距離だけ離れた位置 におけるリフトアップの大きさが、レンズ中 心軸12から長軸14方向に所定距離だけ離れた 置におけるリフトアップの大きさよりも大 くされると共に、レンズ深さ寸法がレンズ 方向で変化せしめられている。なお、図11に 示すように、長軸14方向のレンズ外周端縁部 、短軸16方向のレンズ外周端縁部とのレン 光軸12方向での離隔距離は0.20mmとされている 。
このような構造とされたRGPレンズ60は、 膜表面に装着された場合には、角膜表面が 面光学部62の接触によって歪められる。そし て、リバース部64の後面と角膜表面との間に 隙が形成されると共に、アライメント部66 後面が角膜表面を圧迫することによって、 かる空隙内が陰圧とされる。これにより、 面光学部62が角膜表面に軽く吸引吸着されて 、角膜表面形状が後面光学部62の形状に矯正 れることとなる。そして、特に本実施形態 おけるRGPレンズ60においては、レンズ外周 形状が長円形状とされて、レンズ深さ寸法 周方向で変化せしめられる等の前述の如き 発明に従う特定形状が採用されることによ て、レンズの位置安定性が高められること ら、レンズを角膜中央に安定して位置せし ることが出来て、より有効な角膜矯正効果 発揮され得る。
なお、本発明の有効性を確認するために 本発明に従う特定形状を有する酸素透過性 ードコンタクトレンズおよび従来構造に従 酸素透過性ハードコンタクトレンズについ 、眼疾患がなくコンタクトレンズ装用経験 ある2名のモニタに対して、それら各レンズ を使用して、左右両目の耳側および鼻側につ いて3-9ステイニングの発生の程度を評価した 結果を、表1に示す。なお、表中の対象者1は 3-9ステイニングが発生し易いことから、普 はRGPレンズは使用していないモニタであり 表中の対象者2は、普段RGPレンズを使用して いるモニタである。また、表1の評価におい は、3-9ステイニングの程度、範囲、使用時 を評価項目とした。なお、程度は、フルオ セイン染色による「0」~「4」までの5段階に 評価し、「0」は染色なし、「1」は僅かな 層の極軽度の3-9ステイニング、「2」は軽度 3-9ステイニング、「3」は中程度の3-9ステイ ニング、「4」はデレンを伴う強度の3-9ステ ニングとした。また、範囲は、狭いものか 順に「極狭」、「狭域」、「中度」、「広 」の4段階にて評価した。また、使用時間は レンズの装用を開始してから評価を行うま のレンズの装用時間であり、最大6時間とし た。また、使用レンズとしての外形円形のレ ンズは、レンズ光軸方向の正面視においてレ ンズ外周縁形状が円形状のものであり、外形 楕円のレンズはレンズ外周縁形状が楕円形状 のものであり、これらは周方向においてレン ズ深さ寸法が一定とされたものである。
本評価試験において、普段RGPレンズを使 していない対象者1は、外形円形、外形楕円 の両レンズについては、レンズの回転を起因 とすると考えられる装用感の悪化を訴えたこ とから、使用時間4時間で評価を行った。し し、本発明に従うレンズについては、6時間 連続装用が可能であった。このことから、 発明によって、装用感が向上せしめられる とが確認される。
また、対象者1の右眼の耳鼻両側および左 眼の鼻側について、他のレンズは4時間のみ 装用である一方、本発明のレンズは6時間装 したにも関わらず、3-9ステイニングの程度 殆ど変化が無かった。なお、左眼の耳側に いては、本発明のレンズによって3-9ステイ ングの程度が悪化しているように見受けら るが、これは本発明のレンズは他のレンズ りも装用時間が長かったことに起因するも と考えられ、上述のように、他のレンズは4 時間で使用の継続自体が困難であった一方、 本発明のレンズは6時間の連続装用が可能で ったことから、全体の装用感としては本発 のレンズの方がより良好であったことが確 される。更に、対象者1の左眼の鼻側におけ 3-9ステイニングの範囲を見ても、本発明の ンズは装用時間が他のレンズよりも長時間 あったにも関わらず、他のレンズより悪化 ることも無いことが確認された。
一方、対象者2は、普段からRGPレンズを使 用していることから、何れのレンズも6時間 連続装用は可能であった。そこにおいて、3- 9ステイニングの程度についてみると、何れ 部位においても本発明のレンズは他のレン と同等乃至はより低い(良好な)程度に抑えら れており、従来構造に比してより優れた3-9ス テイニングの低減効果が発揮されることが確 認された。また、3-9ステイニングの範囲につ いても、本発明のレンズは、何れの部位にお いても他のレンズと同等乃至はより小さな範 囲に留まっていることから、従来構造に比し てより優れた3-9ステイニングの低減効果が発 揮されることが確認される。なお、3-9ステイ ニングの範囲を左眼の耳側について局所的に 見ると、外形楕円のレンズは「狭域」である 一方、本発明のレンズは「中度」であり、本 発明のレンズの方が範囲が広いように見受け られるが、左眼全体として見た場合、外形楕 円レンズの左眼鼻側は「広域」に亘って3-9ス テイニングが発生している一方、本発明の左 眼鼻側の範囲は「中度」に留まっている。従 って、左眼の3-9ステイニングの範囲について も、本発明のレンズはより優れた低減効果が 発揮されていることが明らかである。
このように、本発明に従う構造とされた 素透過性ハードコンタクトレンズにおいて 、3-9ステイニングの程度、発生範囲の何れ 低減することが出来て、より優れた装用感 得られることが確認された。
以上、本発明の幾つかの実施形態につい 詳述してきたが、これらはあくまでも例示 あって、本発明は、かかる実施形態におけ 具体的な記載によって、何等、限定的に解 されるものではなく、当業者の知識に基づ て種々なる変更、修正、改良等を加えた態 において実施可能であり、また、そのよう 実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限 、何れも、本発明の範囲内に含まれるもの あることは、言うまでもない。
例えば、前述の実施形態においては、レ ズ長軸の長さ寸法が角膜横径よりも小さく れていたが、本発明は、レンズ長軸の長さ 法が角膜横径よりも大きくされて、レンズ 周縁部が強膜に至る所謂強角膜レンズに適 することも可能である。そして、本発明に れば、レンズ外形形状が長円形状とされて ることから、長軸長をより大きく確保する とによって光学域の広いレンズを得ること 出来ると共に、短軸長を眼瞼の上下幅に合 せることによって、そのような光学域の広 レンズであっても、瞬目時のレンズの動き よる上下眼瞼への影響を抑えて装用感の向 が図られると共に、脱着をより容易に行う とも出来る。
また、前述の各実施形態におけるレンズ 軸長や短軸長、エッジリフトの大きさ等の 体的な数値はあくまでも例示であって、こ ら具体的数値は装用者の眼球形状等を考慮 て、適宜に決定され得るものである。
