Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
PAN COATING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/047238
Kind Code:
A1
Abstract:
A spray gun (31) is attached to a multifunction unit (32) which is movable in the horizontal direction and the vertical direction.  The spray gun (31) is mounted to a support holder (33), and the support holder (33) is connected to a support arm (35) of the multifunction unit (32).  The support arm (35) is attached to a unit cover (36) which is openable and closable with respect to a housing (2).  The support holder (33) and the support arm (35) can hide and contain a liquid hose and an air hose therein, whereby the hoses and the like are disposed in the device without being exposed at all.  The installation position of the spray gun (31) can be finely adjusted by the multifunction unit (32) during coating processing, thereby enabling control for maintaining the distance between the surface of a tablet and the spray gun (31) constant.

Inventors:
FUSEJIMA YASUTOYO (JP)
NAKAMURA TAKUYA (JP)
TERADA TAKASHI (JP)
ISOBE SHIGEMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/067617
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
October 09, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
FREUND CORP (JP)
FUSEJIMA YASUTOYO (JP)
NAKAMURA TAKUYA (JP)
TERADA TAKASHI (JP)
ISOBE SHIGEMI (JP)
International Classes:
B01J2/00; A23P1/08; A61J3/06; B01J2/12; B05D7/00; A23L1/00; B05B12/00
Foreign References:
JPH0857289A1996-03-05
JPH0824741A1996-01-30
JPS6397252A1988-04-27
JP2006026592A2006-02-02
JP2003062500A2003-03-04
JPS62234567A1987-10-14
JP2003062500A2003-03-04
JP2573584B21997-01-22
JPH08173868A1996-07-09
JP2006026592A2006-02-02
Other References:
See also references of EP 2361674A4
Attorney, Agent or Firm:
TAKANO YASUSHI (JP)
Yasushi Takano (JP)
Download PDF:
Claims:
 ほぼ水平な回転軸線を中心に回転自在に設けられた回転ドラムと、前記回転ドラムを収容する筐体と、前記回転ドラム内に設置されるスプレーガンとを備えたパンコーティング装置であって、
 前記スプレーガンは、水平方向及び垂直方向に自在に移動可能なマルチファンクションユニットに取り付けられてなることを特徴とするパンコーティング装置。
 請求項1記載のパンコーティング装置において、前記マルチファンクションユニットは、前記スプレーガンに接続されたホースを外部に露出させることなく内部に収容可能な支持アームを有し、
 前記スプレーガンは、前記支持アームに接続され前記ホースを外部に露出させることなく内部に収容可能な支持ホルダに装着されることを特徴とするパンコーティング装置。
 請求項2記載のパンコーティング装置において、前記支持アームと前記支持ホルダは、ヒンジを介して互いに相対回転自在に接続されると共に、前記支持アームは、前記筐体に対し開閉可能に取り付けられたユニットカバーに取り付けられることを特徴とするパンコーティング装置。
 請求項3記載のパンコーティング装置において、前記支持アームは、軸方向に移動可能に設けられ、前記支持ホルダと接続される上管部と、前記ユニットカバーに固定された下管部とを備え、
 前記上管部を軸方向に沿って移動させることにより、前記マルチファンクションユニットが下方位置Lと上方位置Hの間にて移動することを特徴とするパンコーティング装置。
 請求項2記載のパンコーティング装置において、前記マルチファンクションユニットは、上下動機構と左右動機構とを備えたマルチムーブ機構を有し、前記支持アームは該マルチムーブ機構に取り付けられることを特徴とするパンコーティング装置。
 請求項1記載のパンコーティング装置において、前記スプレーガンとして、用途の異なる複数種類のスプレーガンを設置したことを特徴とするパンコーティング装置。
 請求項6記載のパンコーティング装置において、前記スプレーガンとして、糖衣コーティング用スプレーガンとフィルムコーティング用スプレーガンを設置したことを特徴とするパンコーティング装置。
Description:
パンコーティング装置

 本発明は、錠剤や粉粒体に対しコーティ グ処理を行うパン型のコーティング装置に し、特に、コーティング液等を噴霧するス レーガンの操作性や洗浄性を向上させたパ コーティング装置に関する。

 従来より、医薬品や食品等の製造装置と て、回転ドラムを用いたコーティング装置 知られている。例えば、特許文献1には、多 角形断面(ここでは、八角形)の回転ドラムを 水平軸線を中心に回転させる装置が示され いる。このような回転ドラムは、コーティ グパンとも呼ばれ、ドラム内部には、コー ィング液を供給するスプレーガンが配置さ る。スプレーガンは、ドラム内に設置され 支持アーム等に固定され、ドラム外から引 回されたエアホースや液ホースに接続され 。回転ドラム内に投入された粉粒体は、ド ムの回転に伴って転動する。転動する粉粒 の表面には、スプレーガンから、糖衣液等 コーティング液が噴霧される。コーティン 液の噴霧と共に、回転ドラム内には、適宜 熱風や冷風が供給・排気され、コーティン 層の形成や乾燥が促進される。

 このようなコーティング装置にて糖衣コ ティング処理を行う場合は、まず、核とな 被処理物(錠剤等、以下、代表して錠剤を取 り上げる)を回転ドラム内に収容する。その 、回転ドラムを回転させつつ、ドラム内に ーティング液(糖衣液)やバインダ液を供給し 、錠剤の外周に付着させる。コーティング処 理中は、錠剤に対し、50~100°C程度の温風を適 宜送給する。この温風により、糖衣液を錠剤 表面にて蒸発乾固させ、コーティング層を形 成する。そして、コーティング液を添加して は乾燥する操作を反復する。この反復操作に より、錠剤外周にコーティング層を何層も積 み重ね、糖衣層を形成する。

 一方、このようなコーティング装置では コーティング処理中、スプレーされたコー ィング液や粉粒体原料等が、空気流により 装置内に浮遊した状態となる。このため、 プレーガンがドラム内に露出状態で配置さ ていると、浮遊したコーティング液や粉粒 がスプレーガンに付着・堆積する場合があ 。スプレーガンへの付着物が多くなり、汚 が進行すると、ドラム内の清掃工数が増大 るのみならず、ガンから付着物が剥離して ラム内に落下し、錠剤等に付着して外観不 等の原因となる。そこで、従来より、特許 献2のように、スプレーガンをボックス状の ケース内に収容することにより、スプレーガ ンへの浮遊物の付着を抑えると共に、洗浄性 を向上させた装置が提案されている。

 また、コーティング処理に際し、錠剤にコ ティング層が形成されると、ドラム内の錠 層の高さが変化する。従って、コーティン 処理中は、スプレーガンの位置を適宜調整 て、ガンと錠剤層との距離を一定に保つ必 が生じる。このため、従来より、スプレー ンの位置を上下させる構成のコーティング 置が提案されている。例えば、特許文献1に は、スプレーガンを被処理物層に対し直角方 向、つまり、水平に対し45°方向に上下させ 、両者間の距離を維持する構成が記載され いる。

特開2003-62500号公報

特許第2573584号公報

特開平08-173868号公報

特開2006-26592号公報

 しかしながら、コーティング処理中の錠 層の状況や挙動は、被処理条件によって様 に変化し、スプレーガンと被処理物層との 置関係も複雑に変化する。このため、従来 コーティング装置のように、スプレーガン 移動方向が固定されていると、時々刻々変 する被処理物との関係に追従できないとい 問題が生じる。すなわち、従来のような一 向の移動では、必ずしもスプレーガンを最 な位置に調整できず、装置を止めてスプレ ガンの位置調整を行う必要が生じる場合が る。

 また、スプレーガンには、ガンに圧縮エ を供給するエアホースや、コーティング液 を供給する液ホースなどの周辺部品が接続 れている。これらの周辺部品が一部でも露 していると、そこに付着物が生じ、不良品 生や洗浄工数の増大等の問題が生じる。ま 、糖衣コーティング処理を行う場合は、通 、フィルムコーティングによるアンダーコ トを行った上で、糖衣コーティングを行う とが多い。従来のコーティング装置では、 ィルムコーティングによるアンダーコート 行った後、スプレーガンを糖衣コーティン 用に交換して、糖衣コーティング処理に対 している。ところが、スプレーガンをドラ 内に取り付ける作業や、清掃等のためガン ドラム外へ取り出す作業は、人手によって われている。このため、部品交換の作業時 が必要となり、時間的なロスが生じる。

 本発明の目的は、スプレーガン位置の調 自由度を拡大し、コーティング処理中、ス レーガンを常に最適な位置に設定できるよ にすることにある。また、本発明の他の目 は、スプレーガンやその周辺部品への汚染 因物質の付着を減少させると共に、洗浄等 メンテナンス性を向上させることにある。 らに、本発明の他の目的は、コーティング 理中におけるスプレーガンの交換作業を省 、生産効率を向上させることにある。

 本発明のパンコーティング装置は、ほぼ 平な回転軸線を中心に回転自在に設けられ 回転ドラムと、前記回転ドラムを収容する 体と、前記回転ドラム内に設置されるスプ ーガンとを備えたパンコーティング装置で って、前記スプレーガンは、水平方向及び 直方向に自在に移動可能なマルチファンク ョンユニットに取り付けられてなることを 徴とする。

 本発明のパンコーティング装置にあって 、前述のようなマルチファンクションユニ トにスプレーガンを取り付けることにより スプレーガン位置の調整自由度が拡がり、 ーティング処理中、スプレーガンを常に最 な位置に設定できる。従って、錠剤面とス レーガンとの距離を一定に保つような制御 、容易かつ正確に実施できる。

 前記パンコーティング装置において、前 マルチファンクションユニットに、前記ス レーガンに接続されたホースを外部に露出 せることなく内部に収容可能な支持アーム 設け、前記スプレーガンを、前記支持アー に接続され前記ホースを外部に露出させる となく内部に収容可能な支持ホルダに装着 るようにしても良い。これにより、液ホー やエアホースなどのホース類や、ホースジ イント等を、全く露出させない状態で装置 に配置し、隠蔽配管状態を実現することが 能となる。

 また、前記支持アームと前記支持ホルダ 、ヒンジを介して互いに相対回転自在に接 すると共に、前記支持アームを、前記筐体 対し開閉可能に取り付けられたユニットカ ーに取り付けても良い。前記支持アームに 軸方向に移動可能に設けられ前記支持ホル と接続される上管部と、前記ユニットカバ に固定された下管部とを設け、前記上管部 軸方向に沿って移動させることにより、前 マルチファンクションユニットが下方位置L と上方位置Hの間にて移動するようにしても い。

 さらに、前記マルチファンクションユニ トに、上下動機構と左右動機構とを備えた ルチムーブ機構を設け、前記支持アームを 該マルチムーブ機構に取り付けても良い。

 加えて、前記スプレーガンとして、用途 異なる複数種類のスプレーガンを設置して 良く、例えば、糖衣コーティング用スプレ ガンとフィルムコーティング用スプレーガ を設置しても良い。さらに、マルチファン ションユニットに洗浄ノズルを組み込み、 ーティングから洗浄までの工程を連続して っても良い。

 本発明のパンコーティング装置によれば コーティング用スプレーガンを、水平方向 び垂直方向に自在に移動可能なマルチファ クションユニットに取り付けたので、スプ ーガン位置の調整自由度が拡がり、スプレ ガンの設置位置を細かく調整することが可 となる。このため、コーティング処理中、 プレーガンを常に最適な位置に設定でき、 剤面とスプレーガンとの距離を一定に保つ うな制御も高精度で実施できる。従って、 置を停止させることなく、コーティング処 を連続的に実施することが可能となり、コ ティング処理工数を削減できる。

 また、マルチファンクションユニットに ホース類を外部に露出させることなく内部 収容可能な支持アームを設けると共に、ス レーガンを、この支持アームに接続され、 ース類を外部に露出させることなく内部に 容可能な支持ホルダに装着することにより 液ホースやエアホースなどのホース類や、 ースジョイント等を、全く露出しない状態 、装置内に配置することが可能となる。こ ため、ホース類等の汚染を抑えることがで 、不良品発生率や洗浄工数を低減できる。

 さらに、マルチファンクションユニット 、例えば、糖衣コーティング用スプレーガ とフィルムコーティング用スプレーガンの うに、用途の異なる複数種類のスプレーガ を設置することにより、交換作業を行うこ なく、アンダーコーティングから糖衣コー ィングを連続して実施できる。このため、 換作業に要する工数を削減でき、作業時間 短縮や省力化が図られ、効率の良いコーテ ング処理が可能となる。

本発明の一実施例であるパンコーティ グ装置の構成を示す右側面図である。 図1のパンコーティング装置の正面図で ある。 図1のパンコーティング装置の平面図( 面図)である。 (a)は回転ドラムの側面図、(b)は回転ド ム内に設置された立体通気バッフルの構成 示す説明図である。 チャンバドアを開いた状態を示す平面 である。 チャンバドアを開いた状態の正面図で る。 (a)は風向板の正面図、(b)はその断面図 ある。 マルチファンクションユニットの動作 示す説明図である。 マルチファンクションユニットの正面 である。 マルチファンクションユニットの上下 動機構の構成を示す説明図である。 手動によるマルチムーブ機構の正面図 である。 図11のマルチムーブ機構の側面図であ 。 モータ駆動によるマルチムーブ機構の 側面図である。 (a)は当該コーティング装置における糖 衣処理工程を示す説明図、(b)は(a)の各工程に おける給排気操作や蒸散ミスト操作、ミスト 冷却操作の有無を示す一覧表である。

 1  回転ドラム           2  筐体
 2a 前壁              2b 上面
 3  錠剤(被処理物)        4  胴部
 5  コニカル部           6  通気孔
 7  前面開口部           8  エンド レート
 9  回転軸            10  パンコー ィング装置
11  チャンバドア         12  ヒンジ
13  給気チャンバ         13a 給気チャ バ正面内壁
14  監視窓            15  点検扉
16  グリップバー         17  製品排出 口
18  給気孔            19  給気ダクト
21  給気口            22  風向板
23  枠体             24  ルーバ
25  フロントカバー        26  バッフ
27  通気孔            28  バッフル取 付孔
29  ドラム室           30  シンク
31  スプレーガン         31a 糖衣コー ィング用スプレーガン
31b フィルムコーティング用スプレーガン
32  マルチファンクションユニット 33  支 ホルダ
34a ヒンジ            34b ヒンジ
35  支持アーム          35a 上管部
35b 下管部            35c 接続口
36  ユニットカバー        37  アーム イド
38  ブラケット          39  エアシリ ダ
40  ブラケット          41  マルチム ブ機構
41a 上下動機構          41b 左右動機構
42  マルチムーブ機構       43  ブラケ ト
44  上下動ベース         45  シャフト ホルダ
46a,46b  ガイドブロック    47  ナットブ ック
48  ガイドロッド         49  左右動ベ ース
51  シャフトホルダ        52  ネジロ ド
53  ネジホルダ          54  ネジホル
55a,55b  ギア         56  上下動用ツマ
57  シャフトホルダ        58a,58b  ガイ ドブロック
59  ナットブロック        60  ガイド ッド
61  ユニットベース        62  シャフ ホルダ
63  ネジロッド          64  ネジホル
65  ネジホルダ          66a,66b  ギア
67  左右動用ツマミ        68  上下動 モータ
69  左右動用モータ        71  排気ダ ト
72  シールダクト         73  排気口
74  上部ダクト          75  蒸散ミス 排気口
76  蒸散ミスト吸気口       81  スプレ ノズル
81a 胴部用スプレーノズル     81b コニカ 部用スプレーノズル
82  コントロールパネル      H   上方 置
L   下方位置           O   回転軸線
θ   角度

 以下、本発明の実施例を図面に基づいて 細に説明する。図1は本発明の一実施例であ るパンコーティング装置10(以下、コーティン グ装置10と略記する)の構成を示す右側面図、 図2はその正面図、図3は平面図(上面図)であ 。図1の装置は、いわゆる全面パンチングタ プの回転ドラムを使用した、ジャケットレ タイプのコーティング装置である。コーテ ング装置10では、回転ドラム(コーティング ン、以下、ドラムと略記する)1内に錠剤等 被処理物を収容する。そして、ドラム内の 処理物にコーティング液を噴霧することに り、被処理物のコーティング処理を行う。

 図1~4に示すように、コーティング装置10 は、筐体2の中央部に、ドラム1が回転自在に 設置されている。ドラム1は、ほぼ水平な回 軸線Oを中心に回転する。ドラム1の内部には 、ガムやチョコレート、錠剤等の被処理物が 投入される。なお、以下では、被処理物の代 表として錠剤を取り上げ、ドラム1内に投入 れた錠剤3に対するコーティング処理を例に って本発明の実施例を説明する。

 一般に、回転軸線が水平に対して傾斜し ドラム(傾斜パン)は、水平軸回りに回転す ドラムよりも錠剤の収容量が大きく、処理 も多くなる。その反面、傾斜ドラムでは、 ラム内の錠剤に重力による分級が生じるた 、製品間におけるコーティングのバラツキ 大きくなり、精密なコーティング処理には 向きである。また、ドラム内への錠剤の充 率は高くなるものの、収容した錠剤の層が くなり、錠剤の自重も大きくなる。このた 、原料錠剤等に与えるダメージも大きくな 。その点、水平回転型のドラムは、これら 問題が少なく、高品質のコーティング処理 は好適である。

 図4(a)は、ドラム1の側面図である。ドラ 1は、円筒形の胴部4と、胴部4の両端に形成 れた円錐台状のコニカル部5とを備えている 胴部4は、ステンレス製の多孔板にて形成さ れている。胴部4の外周は、多数個の通気孔6 より通気可能となっている。コニカル部5は 、孔のないステンレス製板材にて形成されて いる。コニカル部5の一端側には、前面開口 7が形成されている。他端側は、エンドプレ ト8にて閉鎖されており、回転軸9が取り付 られる。

 ドラム1の内側には、錠剤の転動流を攪乱 し、混合撹拌効率を高めるため、バッフル26 設置されている。図4(b)は、バッフル26の構 を示す説明図である。バッフル26もまた、 数の通気孔27を備えたステンレス製の多孔板 にて形成されている。図4(b)に示すように、 ッフル26は、断面略三角形の山型に形成され ている。バッフル26は、胴部4に形成されたバ ッフル取付孔28に固定されている。バッフル 付孔28は、長方形の開口である。バッフル 付孔28の周縁には、バッフル26の底縁部が溶 される。バッフル26は、ドラム1内に突出配 され、これにより、通気性のある立体バッ ルが、ドラム1の内側に立設される。

 このように、バッフル26自体を立体通気 造とすると、錠剤の混合撹拌の促進のみな ず、処理気体の通気ロスを無くすことがで る。すなわち、通気構造ではないバッフル 場合、ドラム内から処理気体を排気する際 バッフル部分が障壁となって通気が妨げら 、排気に脈動が生じる場合がある。その点 当該コーティング装置10では、バッフル26が 気構造のため、エアの流通を妨げることが く、排気の脈動も抑えられる。従って、ジ ケットレス構造による通気エアの脈動低減 果を、さらに向上させることができ、スプ ーパターンを乱すことなく、コーティング 理を行うことが可能となる。また、バッフ 26により、ドラム1の放熱面積が拡大すると に、後述するミスト冷却によって、バッフ 26と胴部4が均一に冷却されるため、ドラム 却効率も向上する。

 ドラム1の図1において右側には、電動の ラム駆動モータを用いた、図示しないドラ 回転機構が配置されている。ドラム1の右端 (他端側)には、前述のように、回転軸9が固 されている。回転軸9には、図示しないスプ ロケットが取り付けられている。スプロケッ トは、チェーンを介して、筐体2内に設置さ た、モータ側のスプロケットと接続されて る。モータを回転させると、その回転に伴 てドラム1がチェーン駆動され、回転軸線Oを 中心に回転する。なお、ドラム1の図1,4にお て左端側は、図示しないローラによって支 されている。

 筐体2内は、ドラム1を収容するドラム室29 が設けられた二重構造となっている。ドラム 室29の下部には、シンク30が設けられている シンク30は、底部に図示しないドレーン口を 備えた水密構造となっており、内部に水等の 洗浄液を貯留できる。コーティング装置10を 浄する際には、シンク30内に洗浄液を溜め そこでドラム1を回転させ、ドラム内外を溜 洗いする。ドラム洗浄後は、前述のドレー 口より洗浄液を排出し、適宜、濯ぎや乾燥 を行う。

 筐体2の正面(図1において左側、図2参照) 、3分割構造となっている。筐体正面の中央 は、チャンバドア11が配置されている。チ ンバドア11は、900mm×1100mm×200mm程度の直方体 の箱形部材である。チャンバドア11は、ヒ ジ12によって、筐体2に開閉自在に支持され いる。チャンバドア11は、筐体2の前壁2a側の 面が開放された箱形となっている。チャンバ ドア11の内部には、給気チャンバ13が形成さ ている。給気チャンバ13は、ドラム1の前面 口部7の前段に配置される。給気チャンバ13 前面開口部7に対向する断面積は、前面開口 7(内径約500mm)の面積に対して約5倍(2倍以上 好ましく、筐体サイズを考慮すると8倍程度 でが好ましい)となっている。チャンバドア 11の正面側は曲面となっており、それに伴っ 給気チャンバ13の正面内壁13aも曲面となっ いる。これにより、意匠上特徴のある外観 創出すると共に、給気チャンバ13内の容積が 拡大する。

 チャンバドア11の正面にはさらに、中央 監視窓14が設けられた点検扉15が取り付けら ている。点検扉15の両側には、上下方向に びるグリップバー16が取り付けられている。 また、チャンバドア11の下部には、処理完了 の製品を取り出すための製品排出口17が取 付けられている。当該コーティング装置10で は、点検扉15の両側に配したグリップバー16 より、正面に従来のコーティング装置にな H型のデザインを構成し、意匠上のアクセン を形成している(図2参照)。

 チャンバドア11は、筐体2に、右開きにて り付けられている。チャンバドア11は、チ ンバ前面のグリップバー16を持って、装置正 面側から開放できる。図5は、チャンバドア11 を開いた状態を示す平面図、図6は、チャン ドアを開いた状態でのコーティング装置10の 正面図である。図6に示すように、チャンバ ア11を開くと、筐体前壁2aが露出し、ドラム1 の端部の前面開口部7が開口した状態となる 筐体前壁2aの前面開口部7の上方にはさらに 給気孔18が設けられている。コーティング装 置10は、内部給気構造を採用しており、給気 18は、筐体2内に配された給気ダクト19を介 て、筐体上面2bに設けられた給気口21と連通 ている。図1に示すように、コーティング装 置10では、筐体2内のドラムコニカル部5の上 に形成された空きスペースに、給気ダクト19 が屈曲配置されているため、装置が小型化さ れると共に、屈曲ダクトによってエアの流速 が低下する。

 給気孔18の前面には、風向板22が取り付け られている。図7(a)は、風向板22の正面図、同 (b)は断面図である。風向板22は、図7(b)の右側 を風上側として、給気孔18に取り付けられる 図7(a)に示すように、風向板22は、円筒状の 体23(例えば、内径200mm)を有している。枠体2 3の内側には、複数個のルーバ24(例えば、幅30 mm)が溶接固定されている。ルーバ24は、枠体 面に対して、例えば60°傾斜させて取り付け られている。給気口21から供給されたエア(乾 燥空気)は、風向板22によって下方に整流され 、給気孔18から排出される。

 コーティング装置10では、チャンバドア11 を閉じると、ドラム1の前面開口部7が給気チ ンバ13に対向・連通する。従って、給気口21 に供給されたエアは、風向板22にて整流され つ、給気チャンバ13内に流入する。そして 給気チャンバ13から、前面開口部7を介して ドラム1内に供給される。すなわち、コーテ ング装置10は、給気ダクト19から、大容積の 給気チャンバ13を介して、ドラム1への給気を 行う。このため、大風量通気を行っても、ド ラム内に供給されるエアの流速を十分に低下 ・安定させることができる。

 このように、給気ダクト19から供給され エアに対し、給気チャンバ13は緩衝部(バッ ァ)として作用する。すなわち、給気チャン 13により、エアの流速が低下すると共に、 面開口部7における流速も断面全体で均一化 れる。また、コーティング装置10では、給 チャンバ13の正面内壁13aが湾曲形状のため、 給気ダクト19からチャンバ内に供給されたエ は、給気孔18に対向する曲面状の正面内壁13 aに当たって拡散され、マイルドな気流とな 。加えて、当該装置では、給気孔18に風向板 22が取り付けられているので、給気チャンバ1 3に流入する段階でも流速が抑えられ、流れ 整えられる。このため、給気チャンバ13によ る緩衝効果も、より高められる。従って、コ ーティング装置10では、従来機に比して給気 マイルドとなり、かつ、均一な流速、流量 錠剤にエアが供給され、排気される。

 ここで、従来のコーティング装置のよう 、ドラム開口部に給気ダクトを接続してエ 供給を行うと、ドラム内に供給されるエア 流速が不均一となる。コーティング装置に いて給気に乱れが生じると、給気の偏在に り、コーティング液のスプレーミストの流 に乱れが生じる。スプレーミストに乱れが じると、錠剤に均一にスプレーできないの ならず、錠剤に達する前にスプレーミスト 乾燥し、この乾燥ミストがドラムに付着し 汚れが生じてしまう。エアの流速を十分に 下させ安定させるには、軸方向に長い直胴 をドラム開口部に設ける必要がある。直胴 が長いと、ドラムの口元から製品層までの 離が長くなり、作業性が著しく悪くなると に、装置自体も大型化する。

 その点、当該コーティング装置10では、 流の安定により、ドラム内にてスプレーパ ーンを乱すことなくコーティング処理を行 ことができる。このため、コーティングム が減少し、製品品質が向上する。また、コ ティングダストの飛散も少なくなり、ドラ 清掃工数も削減できる。さらに、気流安定 のための長い直胴部が不要なため、ドラム 口元(前面開口部7)から製品層までの距離も くでき、作業性が改善されると共に、装置 小型化される。加えて、投影面積の大きい ャンバドア11を用いることにより、チャンバ ドア11自体の奥行を抑えることもできる。従 て、点検扉15を開けると、すぐ間近に前面 口部7が来るような設計が可能となり、点検 業も容易となる。

 また、筐体前壁2aには、図5,6に示すよう 、コーティング液噴霧用のスプレーガン31が 、ドラム1の前面開口部7から、ドラム内に挿 されている。スプレーガン31は、筐体2の正 に配されたマルチファンクションユニット3 2に取り付けられている。スプレーガン31は、 マルチファンクションユニット32によって、 置正面側から、ドラム内に出し入れ自在と っている。マルチファンクションユニット3 2は、斜め45°方向に自在に移動可能な支持ア ム35を備えている。支持アーム35には、スプ レーガン31が装着された支持ホルダ33が取り けられている。支持ホルダ33には、糖衣コー ティング用スプレーガン31aと、フィルムコー ティング用スプレーガン31bが取り付けられて いる。すなわち、スプレーガン31は、1ユニッ トにて、複数種類のコーティング処理に対応 している。

 一般に、糖衣コーティング処理を行う場 、フィルムコーティングによるアンダーコ トを行った上で、糖衣コーティングを行う とが多い。その際、従来のコーティング装 では、フィルムコーティングを行った後、 プレーガンを糖衣コーティング用に交換し いる。従って、部品交換の作業時間が必要 なり、時間的なロスが生じるという問題が る。その点、コーティング装置10では、マ チファンクションユニット32に、糖衣コーテ ィング用のスプレーガン31aと、フィルムコー ティング用のスプレーガン31bが取り付けられ ているため、スプレーガンの交換作業を行う ことなく、アンダーコーティングから糖衣コ ーティングを連続して実施できる。このため 、交換作業に要する工数を削減でき、作業時 間の短縮や省力化が図られ、生産性が向上し 、効率の良いコーティング処理が可能となる 。

 前述のように、スプレーガン31は、支持 ルダ33に取り付けられている。支持ホルダ33 、ヒンジ34aにて、支持アーム35と相対回転 在に接続されている。ヒンジ34aには、図示 ないロック機構が取り付けられている。ヒ ジ34a部分は、図示しないピン等によって、 転自在な状態と回転不可能な状態を任意に 定できる。支持アーム35は、ユニットカバー 36に取り付けられている。ユニットカバー36 下端には、支持アーム35の下端部が、接続口 35cとして開口している。

 ユニットカバー36は、3分割された筐体正 の左側に位置している。ユニットカバー36 閉じると、マルチファンクションユニット32 は、筐体2の正面に配置される。マルチファ クションユニット32内には、スプレーガン用 のホース類が収容されている。コーティング 装置10では、従来の装置のように、配管類が 置正面や側面などに露出することがなく、 置の外観をスッキリとした形にまとめるこ ができる。なお、筐体正面の右側もフロン カバー25が取り付けられている。すなわち 筐体2の正面は、監視窓14を中央に配した3分 構成となる。

 支持ホルダ33や支持アーム35は、中空状の 金属パイプ(例えば、直径50mm)にて形成されて いる。支持ホルダ33等の内部には、各スプレ ガン31に、コーティング液や噴霧エアを供 するためのホース(図示せず)が収容されてい る。スプレーガン1個に接続されるホースは 最大5本(スプレーエア、パターンエア、シリ ンダーエア(ニードル弁)、液(行き)、液(戻り) )となる。このため、スプレーガン3個の配管 計は、最大15本となる。なお、同種(例えば 糖衣コーティング用)のガンでは、共通配管 を分岐させて各ガンに配管したり、スプレー エアとパターンエアを共通にしたり、液の戻 り配管を省いたりするなどにより、適宜配管 本数を減らすことも可能である。

 スプレーガン31に接続されるホースは、 続口35cから、装置外部へと引き出される。 なわち、コーティング装置10では、液ホース やエアホースは隠蔽配管となっており、これ らのホースが外部に露出しない。このため、 部品の汚染が少なく、メンテナンス性が向上 すると共に、コーティング液やエアがドラム 内の温度の影響を受けにくくなり、コーティ ング品質も向上する。

 ユニットカバー36は、ヒンジ34bにて、筐 2に開閉自在に取り付けられている。図8は、 マルチファンクションユニット32の動作を示 説明図、図9は、マルチファンクションユニ ット32の正面図である。図8に示すように、当 該実施例では、マルチファンクションユニッ ト32と支持ホルダ33は、ヒンジ34bにて接続さ た2節のリンク機構となっている。すなわち コーティング装置10では、マルチファンク ョンユニット32の支持アーム35と、支持ホル 33を適宜屈曲させることにより、スプレー ン31を、ドラム1内に挿入・取り出し自在に 置している。

 支持ホルダ33と支持アーム35が屈曲せず、 両者が直角のままスプレーガン31をドラム内 に移動させようとすると、前面開口部7の直 径を大きくしなければならない。また、装置 前面に、より多くのスプレーガン移動用の面 積を確保しなければならない。これに対し、 コーティング装置10では、支持ホルダ33と支 アーム35との間の角度θが小さくなるように 者を折り畳むことにより、回転半径を抑え つ、スプレーガン31をドラム内外に移動さ ることができる。従って、前面開口部7の直 や、スプレーガン移動用の面積を小さくで 、装置がコンパクト化される。

 マルチファンクションユニット32は、図9 示すように、斜め45°方向(錠剤流れ面に対 てほぼ垂直方向)に上下動可能に配置されて る。すなわち、コーティング装置10では、 ラム内におけるスプレーガンの位置を適宜 えることができる。図10は、マルチファンク ションユニット32の上下動機構の構成を示す 明図である。図10に示すように、支持アー 35は、二重管構造となっている。支持アーム 35は、ユニットカバー36内にて、上管部35aと 管部35bが接続されている。上管部35aは、ユ ットカバー36に固定されたアームガイド37に 動自在に挿入されている。上管部35aは、ブ ケット38を介してエアシリンダ39と接続され ている。下管部35bは、ブラケット40にて、ユ ットカバー36に固定されている。

 エアシリンダ39を作動させると、上管部35 aが軸方向に沿って移動する。すると、マル ファンクションユニット32は、図10に示した 方位置Lと上方位置Hの間を150mm程度移動する 。なお、上管部35aの駆動装置としては、エア シリンダ39に代えて、同じ流体圧によるアク ュエータである油圧シリンダを用いること できる。また、駆動装置として、電動のモ タを用いることも可能である。

 ところで、コーティング装置10では、図10 のように、マルチファンクションユニット32 斜め45°に移動する構成としたが、これを上 下左右方向に移動可能なマルチムーブ機構と しても良い。すなわち、スプレーガン31を、 下(Y方向:垂直方向)、左右(X方向:水平方向) 任意の位置に移動できるようにしても良い 図11~13は、このようなマルチムーブ機構を用 いたマルチファンクションユニットの変形例 である。図11は、手動によるマルチムーブ機 41の正面図、図12は、図11の側面図、図13は モータ駆動によるマルチムーブ機構42の側面 図である。なお。マルチムーブ機構41は、図9 に一点鎖線にて示したように、筐体正面右側 に配置される仕様となっているが、左側に配 置することも勿論可能である。また、図11~13 マルチファンクションユニットでは、支持 ルダ33は支持アーム35と固定されている。従 って、スプレーガン31は、ホルダとアームを 曲させることなく、ドラム1内に挿入され、 ドラム1から取り出される。

 マルチムーブ機構41は、上下動機構41aと 左右動機構41bとから構成される。図11,12に示 すように、支持アーム35の上管部35aは、ブラ ット43にて、上下動機構41a側の上下動ベー 44に固定される。上下動ベース44には、シャ トホルダ45と、ガイドブロック46a,46b及びナ トブロック47が取り付けられている。シャ トホルダ45には、ガイドロッド48の一端側が 定されている。ガイドロッド48は、ガイド ロック46a,46bにて、軸方向に移動自在に支持 れている。ガイドロッド48の他端側は、左 動ベース49に取り付けられたシャフトホルダ 51に固定されている。

 ナットブロック47には、台形ネジを用い ネジロッド52が螺合している。ネジロッド52 一端側は、ネジホルダ53に支持されている ネジホルダ53は、左右動機構41bの左右動ベー ス49に取り付けられている。ネジロッド52の 端側は、ネジホルダ54に固定されている。ネ ジホルダ54もまた、左右動ベース49に取り付 られている。ネジロッド52の一端側は、ギア 55a,55bを介して、上下動用ツマミ56が接続され ている。上下動用ツマミ56を回転させると、 ア55a,55bを介してネジロッド52が回転し、ナ トブロック47が軸方向に移動する。これに り、ナットブロック47が固定された上下動ベ ース44が上下に移動し、上管部35aが上下方向 移動する。

 また、左右動ベース49には、シャフトホ ダ57と、ガイドブロック58a,58b及びナットブ ック59が取り付けられている。シャフトホル ダ57には、ガイドロッド60の一端側が固定さ ている。ガイドロッド60は、ガイドブロック 58a,58bにて、軸方向に移動自在に支持されて る。ガイドロッド60の他端側は、シャフトホ ルダ62に固定されている。シャフトホルダ62 、ユニットベース61に取り付けられている。 なお、ユニットベース61は、筐体2に固定され ている。

 ナットブロック59には、台形ネジを用い ネジロッド63が螺合している。ネジロッド63 一端側は、ネジホルダ64に固定されている ネジホルダ64は、左右動ベース49に取り付け れている。ネジロッド63の他端側は、ネジ ルダ65に固定されている。ネジホルダ65は、 ニットベース61に取り付けられている。ネ ロッド63の一端側は、上下動機構41aと同様に 、ギア66a,66bを介して、左右動用ツマミ67接続 されている。左右動用ツマミ67を回転させる 、ギアを介してネジロッド63が回転し、ナ トブロック59が軸方向に移動する。これによ り、ナットブロック59が固定された左右動ベ ス49が左右に移動し、上管部35aが左右方向 移動する。つまり、上管部35aは、上下動用 マミ56と左右動用ツマミ67を適宜動かすこと より、上下左右の任意の方向に移動させる とができる。

 このように、マルチファンクションユニ ト32を、水平方向及び垂直方向に自在に移 可能な構成とすることにより、スプレーガ 位置の調整自由度が拡大し、スプレーガン31 の設置位置を細かく設定することが可能とな る。従って、スプレーガンを常に最適な位置 に設定しつつコーティング処理を実施するこ とが可能となる。このため、スプレーガンが 一方向にのみ移動可能なコーティング装置に 比して、錠剤面とスプレーガン31との距離を 定に保つような制御も容易かつ正確に実行 能となる。これにより、装置を停止させる となく、コーティング処理を連続的に実施 ることが可能となり、コーティング処理効 が向上し、生産コストを低減できる。

 また、上述のような動作を電動にて行っ も良い。マルチムーブ機構42では、上下動 ツマミ56と左右動用ツマミ67に代えて、上下 用モータ68と左右動用モータ69が設けられて いる。マルチムーブ機構42は、モータ68,69の 置の関係から、図11,12のマルチムーブ機構41 は若干異なる構成となっているが、基本的 機構や動作はマルチムーブ機構41と同様で る。従って、マルチムーブ機構42の説明では 、マルチムーブ機構41と同様の部材・部品に 一の符号を付し、その詳細な説明は省略す 。

 筐体2にはまた、ドラム1に供給されたエ を排出するための排気ダクト71が接続されて いる。筐体2内には、シールダクト72と、上部 ダクト74が設置されている。シールダクト72 、ドラム1の胴部4と摺接している。上部ダク ト74は、シールダクト72に接続され、排気口73 に向かって延びている。排気ダクト71は、排 口73に接続されている。チャンバドア11から 供給されたエアは、ドラム1からシールダク 72に排出され、上部ダクト74と排気ダクト71 介して、装置外へと排出される。

 一方、スプレーガン31にてドラム1内にコ ティング液等をスプレーし、その際、排気 行わないと、ドラム内の湿度が100%となり、 内部に霧が漂ったような状態となる。このと き、ドラム内の余分な湿度を、コーティング 処理に影響を与えないように排気するため、 筐体2には、排気系統とは別個に、蒸散ミス 排気口75が設けられている。蒸散ミスト排気 口75は、筐体2の内部空間に対し開口しており 、排気ダクト71に接続されている。

 蒸散ミスト排気を行うと、密閉空間であ 筐体2の内部空間が負圧となるため、排気し た分を補うべく、蒸散ミスト吸気口76が設け れている。吸気口76には、筐体内部空間と 体外部とをつなぐ図示しないダクトが取り けられている。ダクト内には、ダクトの開 を制御するダンパが設置されている。蒸散 スト排気時には、ダンパを開いて外部の空 を取り込む。これにより、排気系統よりも い通気系統によって、ドラム1内が弱く吸引 れ、ドラム1内の蒸散ミストが装置外へと排 出される。

 コーティング装置10にはさらに、筐体2内 、ドラム冷却用のスプレーノズル81が取り けられている。スプレーノズル81からは、微 細なミストを含んだ加湿空気などの冷却媒体 がドラム1の外周に噴霧される。ドラム1は、 の冷却媒体の気化熱によって冷却される。 来より、通気孔のないドラムを水スプレー よって冷却することは知られていた。しか 、ジャケットレスタイプのコーティング装 で使用されている全面パンチングドラムの プレー冷却は、ドラム内の錠剤が濡れてし い、品質上問題が生じるとされていた。こ に対し、本装置では、非常に微細なミスト 用い、また、スプレーの実施タイミングを 慮することにより、その常識を覆し、通気 のあるドラム1のスプレー冷却を可能にした 。このため、従来不可能とされていた全面パ ンチングドラムの冷却が可能となり、ジャケ ットレスタイプの装置の性能を向上させるこ とが可能となった。

 前述のようなスプレーノズル81は、筐体 2に複数個設けられている。コーティング装 10では、スプレーノズル81は、胴部4とコニ ル部5の両方にスプレーが可能な位置に配置 れている(胴部用:81a,コニカル部用81b)。スプ レーノズル81とドラム1との間の距離は、200mm~ 250mm程度に設定されている。噴霧パターンの がり(噴霧領域)は、ドラム外周面にて、ス レーノズル81 1個当たり直径50mm~400mmとする とが好ましい。例えば、コーティング装置10 では、直径300mm程度となっている。なお、ス レーノズル81は、ドラム1内へのミスト侵入 抑えるため、胴部4対しては接線方向からス プレーが当たる位置に取り付けることが好ま しい。

 スプレーノズル81としては、内部混合型 二流体ノズルを使用し、ノズルから冷却液 微細なミストをドラム1に対して噴霧する。 ーティング装置10では、冷却液として、水( 温で可)を使用している。スプレーノズル81 は、水と圧縮空気がノズル内で混合され、 常に微細な水滴である冷却ミスト(水霧)を んだ冷却媒体が生成される。冷却ミストの 均粒子径は、5μm以上~100μm以下が好ましい。 但し、50μmを超えるとミストの蒸発がやや緩 となり、ドラム1内が湿潤し易くなるため50 m以下の方が好ましい。また、平均粒子径10μ m以下、好ましくは5~8μm程度のいわゆるドラ フォグのような超微細ミストも使用可能で る。この場合も、噴霧パターンの広がりは スプレーノズル81 1個当たり直径50mm~400mm程 、好ましくは300mm程度に設定するが、10μm超 場合よりも広い方が好ましい。

 つまり、コーティング装置10におけるド ム冷却方式としては、通常の二流体ノズル よる10μm超~100μmの微細なミストによる噴霧 、10μm以下のドライフォグの噴霧など、種々 の噴霧形態を適宜採用し得る。なお、通気孔 のないコニカル部5と、全周パンチングの胴 4とでミスト径を異ならせても良い。例えば 通気性のないコニカル部5には、比較的大き い10μm超~50μmのミスト、全面パンチング構造 胴部4には、超微細な5~8μmのミストを噴霧す るようにしても良い。

 このような冷却ミストは、スプレーノズ 81からドラム1の外側全体にまんべんなく噴 される。これにより、ドラム1の胴部4とコ カル部5は、付着した冷却ミストの気化熱に って冷却される。その際、噴霧した冷却ミ トは粒子径が非常に小さいため、ドラム1に 付着後、素早く蒸発する。このため、冷却ミ ストを通気孔のあるドラム1に吹き掛けても 水分はドラム表面にて蒸発しドラム内部に 侵入しにくく、ドライな環境でのドラム冷 が可能となる。

 次に、このようなコーティング装置を用 たコーティング処理について、糖衣錠の製 を例にとって説明する。ここではまず、コ ティング処理を施される錠剤3として、乳糖 錠などの錠剤(例えば、直径8mm,200mg/T)をドラ 1内に投入する。コーティング装置10では、 ャンバドア11を開けた状態で、前面開口部7 ら錠剤3を投入する。その際、コーティング 置10の前面開口部7は、作業者の直近に来る め、非常に錠剤を投入し易い。なお、錠剤 入の際には、マルチファンクションユニッ 32は、ドラム1の外へ退去させる。所定量の 剤3を投入した後、マルチファンクションユ ニット32を操作して、スプレーガン31をドラ 1内にセットする。その後、チャンバドア11 閉じ、ドラム駆動モータを作動させ、ドラ 1を回転させる。

 ドラム内の錠剤3に対しては、ドラム1を 転させつつ、スプレーガン31からコーティン グ液(糖衣液)の噴霧を行う。コーティング液 は、被覆物質やバインダ、溶剤等が含まれ スプレーガン31から所定の圧力にて噴霧さ る。図14(a)は、当該コーティング装置におけ る糖衣処理工程を示す説明図、図14(b)は、図1 4(a)の各工程における、給排気操作や蒸散ミ ト操作、ミスト冷却操作の有無を示す一覧 である。

 従来のコーティング処理では、通常、「ス レー」→「ポーズ1」(第1ポーズ工程)→「乾 燥」の3工程を繰り返し行う。また、コーテ ング液やその他の諸条件により、「ポーズ1 と「乾燥」の工程の間に、「ポーズ2」(第2 ーズ工程)を入れ4工程とすることも通常行 れている。「スプレー」は、給排気を行う となく、ドラム1を回転させつつ(例えば8rpm 度、以下、数値例に関しては例示である旨 表示は省略する)コーティング液を噴霧する 程である。「ポーズ1」は、エア供給を行わ ずにドラム1を回転させ、錠剤上にコーティ グ液を展延させる練り工程である。「ポー 2」は、排気のみを行いつつドラム1を回転さ せ、乾燥工程前にドラム内の湿度を低下させ る工程である。ポーズ1,2工程では、コーティ ング液の噴霧は実施しない。「乾燥」は、コ ーティング液の噴霧を行うことなく、ドラム 1に温風を供給し(70°C,12m 3 /min)、錠剤上のコーティング液を乾燥固化さ る工程である。

 一方、当該装置におけるコーティング処 では、図14(a)に示すように、従来の処理工 における「スプレー」工程の前に、予冷工 が付加されている。この予冷工程とは、ス レーノズル81から冷却ミストを含んだ冷却媒 体を噴霧して、ドラム1のミスト冷却を行う 程である。また、「予冷」→「スプレー」 「ポーズ1」の3工程にかけて、スプレーノズ ル81による冷却ミスト噴霧が実施される。つ り、図14(a),(b)に示すように、「スプレー」 先駆けて、給排気は行わずに冷却ミスト噴 が実施される「予冷」が行われる(30秒)。な お、図14(a)における「スプレー」,「ポーズ1 ,「ポーズ2」,「乾燥」の各工程における処 内容は前述同様である。

 その後、冷却ミスト噴霧を継続しつつ、 スプレー」(2分間)と「ポーズ1」(第1ポーズ 程:3.5~4分間)が実施される。なお、冷却ミス ト噴霧は、処理状況に応じて「ポーズ1」の 中で適宜終了しても良い。スプレー工程(60° C,340~900mL/回)では、糖衣液がスプレーガン31か ら錠剤に対し噴霧される。その際、スプレー ガン31の位置は、錠剤面の位置に応じて、マ チファンクションユニット32によって最適 位置に調整される。前述のように、スプレ ガン31は斜め45°方向に移動可能なため、錠 流れ面に対するスプレー位置を一定に保つ とができる。従って、錠剤のコーティング 件を、一定あるいは所望の形態に調整する とができる。特に、マルチムーブ機構41を採 用した場合には、スプレーガン31の移動自由 が高く、種々のコーティング条件に柔軟に 応することが可能となる。

 「ポーズ1」の終了後、「ポーズ2」(第2ポ ーズ工程:0.5分間)と「乾燥」(4.5分間)の各工 が実施される。そして、図14(a)に示すように 、「乾燥」後に「予冷」に戻る形で、このセ ットを複数回(20~30回程度)繰り返す。その際 乾燥工程の後に直ちにスプレー工程を行う 、ドラム1が加熱された状態でスプレーが行 れることになり、糖衣カス等が生成され易 、コーティング環境としては好ましくない この点、当該コーティング処理では、乾燥 程の後に「予冷」を行い、ドラム1をミスト 冷却する。従って、スプレー工程時は、ドラ ム1は冷えた状態にあり、糖衣カス等の問題 生じにくい。また、ドラム1が短時間で冷却 れるため、ドラム1が冷えるまで待つ時間も 必要もなくなり、処理時間も短縮される。

 「予冷」→「スプレー」→「ポーズ1」の 3工程では、ドラム1に冷却ミストが噴霧され けるが、微細なミストによってドラム1内に 侵入する水分はごく僅かである。また、「ポ ーズ1」工程の後には、必ず「乾燥」工程が 施される。このため、工程中の錠剤の水分 水量は、従来のコーティング処理と変わら い。発明者らの実験においても、乾燥工程 における錠剤の水分含有率や、最終的な錠 の水分含有率を、従来法と同水準に維持で た。さらに、乾燥空気(温風)が通気されない 工程にてドラム1に冷却ミストを噴霧するた 、短時間でドラム壁面を冷却でき、冷却処 効率も高い。加えて、ミスト冷却の際には 胴部4と共にバッフル26もまた冷却ミストに って冷却される。このため、バッフル26によ る放熱面積増大効果をさらに高めることがで き、ドラム1を効率良く冷却することが可能 なる。

 なお、冷却ミストによってドラム1内に侵 入する水分はごく僅かである旨述べたが、そ れでもミストを噴霧している以上、ドラム1 への水分侵入は完全にゼロ、とは言い切れ い。また、「乾燥」では排気が行われるた 、それに引かれて冷却ミストがドラム1内に 入し易い。そこで、コーティング装置10で 、安全を見て、冷却ミストが万が一ドラム1 に侵入しても、その影響ほとんど受けるこ がない工程で冷却ミスト噴霧を行う。すな ち、ドラム1内がこれから湿潤する「予冷」 と、湿潤している「スプレー」及び「ポーズ 1」にて冷却ミスト噴霧を行い、ドラム1内が エットな環境でミスト冷却を行う。これに り、ドラム内への水分の侵入を問題とする となく、冷却ミストによってドラム1を冷却 できる。

 このように、コーティング装置10は、水 回転型の全面パンチングドラムを使用した 置でありながら、微細な冷却ミストによっ 、錠剤が接触するドラム1の外周が直接冷却 れる。このため、ドラム内面への糖衣液の 化・付着を抑えることができ、固化物の剥 、付着による不良品を減少させることが可 となる。従って、糖衣コーティング錠剤の 小な点状突起の発生を大幅に低減させるこ ができ、発明者の実験では点状突起の発生 ほとんど皆無に抑えることができた。また 水平回転型のドラムを使用しているため、 料錠剤の損傷が抑えられ、この点において 不良品発生率が低減する。

 さらに、ドラム内面への糖衣カスの付着 抑えられるため、ドラム内部の清掃回数を らすことができ、処理効率や作業工数が改 される。そしてこれにより、構造がシンプ でメンテナンスが容易なジャケットレスタ プのコーティング装置の普及も促進される

 このような一連の工程を繰り返し、所定 のコーティング液を噴霧し終え、錠剤に所 のコーティング層が形成されたところでコ ティング処理を終える。なお、コーティン 処理中も、監視窓14から処理状況を適宜観 することが可能である。コーティング処理 終了したところで、チャンバドア11を開ける 。そして、マルチファンクションユニット32 ドラム1の外へ退去させ、図示しない製品排 出筒をドラム1内に組み込む。その後、再び ャンバドア11を閉じ、ドラム1を回転させつ 、製品排出口17を開いてコーティング処理済 の製品を排出する。

 本発明は前記実施例に限定されるものでは く、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更 能であることは言うまでもない。
 例えば、前述の各種数値はあくまでも一例 あり、その値は適宜変更し得ることは言う でもない。また、本発明における被処理物 、前述の乳糖錠等の錠剤には限られず、菓 やガム等の食品や、他の医薬品なども適用 能である。また、糖衣液も、糖を水に溶解 たシロップ以外に、それに各種薬効成分や 味、色素等を添加したものなど、種々の仕 の糖衣液が適用可能である。

 前述のコーティング装置10では、装置前 左側にコントロールパネル82を配した関係か ら、チャンバドア11を右開きとしているが、 れを左開き構造とすることも勿論可能であ 。また、マルチファンクションユニット32 正面右側に配することも可能である。さら 、筐体2の正面を3分割し、その中央部をチャ ンバドア11とした構成を示したが、左右のユ ットカバー36やフロントカバー25内を、チャ ンバドア11内と連通させ、チャンバドア11を じたとき、筐体前面の全体が給気チャンバ13 となるようにしても良い。これにより、給気 チャンバ13の投影面積や内容積をさらに大き することが可能となる。

 加えて、コーティング装置10のマルチフ ンクションユニット32に、さらに洗浄ノズル を組み込んでも良い。これにより、コーティ ングから洗浄までの工程を連続して行うこと が可能となる。なお、図5,6に示すように、コ ーティング装置10では、スプレーガン31を支 ホルダ33の一方向側(図6において左斜め上方 )に配置しているが、スプレーガン31を他方 側(図6においてスプレーガン31と対称的に右 斜め下方向)にも配置可能である。その際、 方向側に糖衣コーティング用、他方側にフ ルムコーティング用など、用途別にスプレ ガン31の設置方向を変えても良い。

 また、マルチファンクションユニット32 振動手段を組み込み、処理中に支持ホルダ33 上に載った錠剤を振り落とすリダクションシ ステムを採用することも可能である。さらに 、処理中の錠剤が、ドラム1の前面開口部7か チャンバドア11内へ飛び出さないように、 ット等の飛散防止用部材を前面開口部7に取 付けても良い。その際、この飛散防止部材 して整流板を使用し、給気の更なる安定化 図っても良い。