イチカワ株式会社 (〒33 東京都文京区本郷2丁目14番15号 Tokyo, 1130033, JP)
| MD方向糸材とCMD方向糸材とを具えた基体と、前記基体に絡合一体化された短繊維バット層を含む抄紙用フェルトであって、 前記MD方向糸材と前記CMD方向糸材の少なくとも一方が、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に複数本撚り合わせて上撚りした諸撚糸からなる、抄紙用フェルト。 |
| 諸撚糸が、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に3本以上の奇数本撚り合わせて上撚りした諸撚糸である、請求項1に記載の抄紙用フェルト。 |
| 諸撚糸が、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に3本撚り合わせて上撚りした諸撚糸である、請求項2に記載の抄紙用フェルト。 |
| MD方向糸材が諸撚糸で構成された請求項1~3のいずれかに記載の抄紙用フェルトであって、一方の方向に撚りが与えられた第1の諸撚糸と、前記第1の諸撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の諸撚糸が交互に、またはランダムに配置されている、前記抄紙用フェルト。 |
| MD方向糸材とCMD方向糸材とを具えた基体と、前記基体に絡合一体化された短繊維バット層を含む抄紙用フェルトの、前記MD方向糸材と前記CMD方向糸材の少なくとも一方に用いる諸撚糸であって、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に複数本撚り合わせて上撚りする、前記諸撚糸。 |
| モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に3本以上の奇数本撚り合わせて上撚りした、請求項5に記載の諸撚糸。 |
| モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に3本撚り合わせて上撚りした、請求項6に記載の諸撚糸。 |
| 請求項1~3のいずれかに記載の抄紙用フェルトを製造するための方法であって、一方の方向に撚りが与えられた第1の諸撚糸と、前記第1の諸撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の諸撚糸が交互に、またはランダムに配置される、前記方法。 |
本発明は抄紙用フェルト(以下、単に「フ ェルト」と記す場合がある。)、特に、圧縮 復性と走行安定性、表面平滑性、および耐 毛性に優れた抄紙用フェルトに関する。
従来から、抄紙工程またはスレート製造工
のプレスパートにおいては、抄紙用フェル
を用いて搾水作業が行われている。なお、
下、便宜上、抄紙工程を中心に本発明の抄
用フェルトの説明を行う。
図1により、一般的なフェルトの構成を説明
する。抄紙用フェルト(1)は無端状に形成され
ており、基体(200)と、基体(200)にニードルパ
チングで絡合一体化された短繊維バット層(4
)とにより構成される。
基体(200)は、フェルト(1)の機械的強度を発
させるためのもので、図1においては、MD方
糸材(2)と、CMD方向糸材(3)とを織成すること
より得られた織布が使用されている。
フェルト(1)は、前述した通り、抄紙機の レスパートで使用される。この際、プレス ート内に、複数のガイドロールに張力を掛 られ配置される。そしてフェルト(1)は、一 のプレスロールまたはプレスロールとシュ とにより構成されるプレス部で、湿紙とと に加圧されることにより、湿紙からの水分 搾水する。なお、フェルト(1)は、プレスロ ルの回転に追随して走行する。
ここで、従来から、基体(200)のMD方向糸材 (2)としては、マルチフィラメントやモノフィ ラメント単糸またはその撚糸、紡績糸などが 使用されてきたが、圧縮回復性の向上や水透 過性等の目的のために、撚糸が採用される場 合があった(例えば、特許文献1,2参照。)。
特許文献1の製紙用ニードルフェルトクロ ースでは、モノフィラメントを少なくとも2 撚り合わせた撚糸を少なくとも3本撚り合わ てなるコードを使用し、このコードを経方 糸としているが、該コードを使用したフェ トの圧縮回復性や表面平滑性について検討 れていない。また、2本撚合わせた撚糸を3 撚り合わせてなるコードを使用した場合、 のコードの断面形状は略三角形で嵩高いこ から、該コードを使用したフェルトクロー の圧縮回復性や表面平滑性は良くないもの あった。
この問題点を図2に基づき説明する。図2 、上記2本撚り合わせた撚糸を3本撚り合わせ てなるコードの拡大図である。コード(25)は ノフィラメント(20)を2本撚り合わせた撚糸(21 )を3本撚り合わせて上撚りしてなる諸撚糸(25) であるため、下撚りと上撚りとのバランスが その糸形状(断面形状)に影響する。従って図2 から明らかなように、コード(25)のような下 り本数2本では、糸間の締りが弱いため、こ を3本束ねて上撚りしてなる諸撚糸(25)にお ては、糸の断面形状が崩壊しやすい略三角 になり、糸質として糸密度が低くバラケや いおそれがあった。
このような理由で、下撚り本数2本の糸材 を使用した基体においては、抄紙用フェルト として圧縮回復性と走行安定性が悪くなる。 すなわち糸密度が低くバラケやすい糸材から なる基体を使用した抄紙用フェルトでは、抄 紙機のプレス部での加圧により糸材が扁平化 しやすく強度も落ちてくる結果、フェルトの 水透過性や走行安定性が維持できなくなる。 また下撚り本数2本の糸材は基体として表面 滑性が悪く、しかも短繊維バットとの固着 悪いためバット繊維(ステープルファイバー) の脱毛が多く、抄紙装置の安定した操業が困 難となっていた。
本発明は、上述した欠点に鑑み、圧縮回 性と走行安定性、表面平滑性、およびステ プルファイバーの耐脱毛性に優れた抄紙用 ェルトを提供することをその目的とする。
本発明は、MD方向糸材とCMD方向糸材とを具
た基体と、前記基体に絡合一体化された短
維バット層からなる抄紙用フェルトであっ
、
前記MD方向糸材と前記CMD方向糸材の少なく
も一方が、モノフィラメント3本を下撚りし
糸を更に複数本撚り合わせて上撚りした諸
糸からなる抄紙用フェルトによって、前記
課題を解決した。
また、本発明の諸撚糸は好適には、モノ ィラメント3本を下撚りした糸を更に3以上 奇数本撚り合わせて上撚りした諸撚糸であ ことを特徴とする。
更に、本発明の諸撚糸は最も好ましくは モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に 3本撚り合わせて上撚りした諸撚糸であるこ を特徴とする。
本発明では別の形態として、前記MD方向 材が前記諸撚糸で構成された抄紙用フェル であって、一方の方向に撚りが与えられた 1の諸撚糸と、前記第1の撚糸とは逆方向の撚 りが与えられた第2の諸撚糸が交互に、また ランダムに配置されている抄紙用フェルト あってもよい。
本発明の諸撚糸をMD方向糸材とCMD方向糸 の少なくとも一方の諸撚糸として基体を構 することで、圧縮回復性と走行安定性、表 平滑性を改善し、および短繊維バット層か のステープルファイバーの脱毛を抑制する とができる。
1,10:抄紙用フェルト
200,210:基体
2,23:MD方向糸材
21A:第1の諸撚糸
21B:第2の諸撚糸
3,30:CMD方向糸材
4:短繊維バット層
21,22:下撚り糸
26,213:諸撚糸
20,211:モノフィラメント
212:片撚糸
本発明の実施の形態を、図3から図7を参 して説明する。図3は本発明の諸撚糸の最も 本的かつ好適な形態の拡大図である。本発 の諸撚糸(26)は、モノフィラメント(20)を3本 り合わせて下撚り糸(22)とし、更に下撚り糸 (22)を3本撚り合わせて上撚りした諸撚糸(26)で あるため、糸材として断面形状が図3のよう 三つ葉形になる。この構造は下撚り糸(22)相 の結合が密で強いため、糸材の密度が高く 持できるから、プレスに対する圧縮回復性 高く、抄紙機のプレス部での加圧によって 糸材が扁平化し難く強度が維持できる。
また、モノフィラメント3本を下撚りした 糸を更に奇数本撚り合わせて上撚りした諸撚 糸の他の断面形状として、上撚り本数が5本 ときは台形(図4)、7本のときは花びら型(図5) なって、それぞれプレスに対する圧縮回復 を高くすることができる。
次に、本発明のもうひとつの諸撚糸(26)の 形態として、図6と図7ではモノフィラメント3 本を下撚りした糸を更に偶数本撚り合わせて 上撚りした諸撚糸を示すものである。いずれ も諸撚糸の断面形状として平板状になってお り、上述した奇数本撚り合わせて上撚りした 諸撚糸に比べて糸材の密度はやや小さくなる ものの、ある程度プレスに対する圧縮回復性 が維持できる。
このように、密度の高い断面形状の糸材を
用した基体においては、抄紙用フェルトと
て圧縮回復性と表面平滑性、走行安定性が
くなるため、フェルトの水透過性や走行安
性が維持できる。しかも短繊維バットとの
着が良いためバット繊維(ステープルファイ
バー)の脱毛が少なくなり、抄紙装置の安定
た操業が可能となる。
すなわち、本発明の諸撚糸はその断面形状
緻密な糸材になるから、上述した性能を発
することができる。
次に、本発明の諸撚糸を使用した織布か なる抄紙用フェルトの一例を図8で説明する 。抄紙用フェルト(10)は、MD方向糸材(23)とCMD 向糸材(30)とを具えた基体(210)と、基体(210)に 絡合一体化された短繊維バット層(4)からなる 。図8では、MD方向糸材(23)は、モノフィラメ ト3本で下撚り糸(22)が形成され、更に前記下 撚り糸(22)の複数本を撚り合わせて上撚りし 諸撚糸であり、CMD方向糸材(30)はモノフィラ ント単糸で構成された基体(210)である。
なお、図8において、本発明の諸撚糸をCMD 方向糸材に使用してもよい。あるいは、本発 明の諸撚糸をMD方向糸材とCMD方向糸材の両方 使用しても、本発明の目的を達成すること できる。
ここで、基体(210)は、プレスフェルトの機
的強度を発現させるためのものであり、MD方
向糸材(23)とCMD方向糸材(30)を有すれば、様々
構成を採用することができる。
例えば、MD方向糸材(23)と、CMD方向糸材(30)と
を無端状に織成することにより得られる基体
や、MD方向糸材(23)とCMD方向糸材(30)とにより
完成されるべきフェルトよりも狭い幅を有
る織布とし、この織布を一対のロール上に
パイラルに巻回し、隣り合う織布縁部同士
接合することにより得られる基体であって
よく、または完成すべきフェルトの幅とほ
同じ幅を有するMD方向糸材とCMD方向糸材から
なる有端状の織布を、同軸上に巻回すること
により得られる基体であってもよい。もちろ
ん、織布による基体のみならず、例えば、特
開平11-124787号に開示された、MD方向糸材を接
剤で固定して得られる基体であってもよい
さらに、MD方向糸材や、CMD方向糸材を織成
ずに、単に重ねた構成による基体であって
よい。
また、本発明で使用するモノフィラメン (20)としては、繊度が100dtexから500dtexの範囲 ものが良好に使用できる。これらのモノフ ラメントの材質は、通常使用される糸材、 えばポリアミドやポリエステル、芳香族ポ アミド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、 リエーテルケトンなどが使用できる。
次に本発明の諸撚糸の具体例を、図9および
図10を参照して説明する。
まず、本発明の諸撚糸を作製するには、図9
に示す3本のモノフィラメント(211)を束ねて、
撚りをかけてなる片撚糸(かたよりいと=single
twist yarn, tram)(212)をまず最初に作製する。
次に図10に示すように、前記片撚糸(212)を下
撚り糸として、これを3本引き揃えて下撚り
反対方向に撚り(上撚り)をかけてなる諸撚糸
(もろよりいと=plied yarn, folded yarn)(213)を作
する。なお、片撚糸、諸撚糸の用語は、JIS
定義による。
また、本発明の「撚りの方向」とは、一 的な撚り方向を示す。すなわち、「一の糸 における撚り方向と、他の糸材における撚 方向が異なる」とは、一の糸材における撚 方向が右回り(S方向)であり、他の糸材にお る撚り方向が左回り(Z方向)である状態を指 。
そして、本発明の別の形態において、基体(
210)を構成するMD方向糸材(26)が、一方の方向
撚りが与えられた第1の諸撚糸(26A)と、第1の
糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の諸撚
糸(26B)からなるものを使用することができる
この場合、基体(210)において、第1の諸撚糸(
26A)と第2の諸撚糸(26B)が、同数配置されるの
理想的である。
一方、第1の諸撚糸(26A)と第2の諸撚糸(26B)が
同数でない場合であっても、混在していれ
、所望の目的を或る程度は達成することが
きる。
更に、基体(210)の幅方向に亘り、第1の諸 糸(26A)と、第2の諸撚糸(26B)が1本ずつ交互に 置される構成や、2本ずつ交互に配置される 構成が望ましい。一方、第1の諸撚糸(26A)と、 第2の諸撚糸(26B)がランダムに配置されていて もよい。
なお、MD方向糸材(26)において、第1の諸撚 糸(26A)と第2の諸撚糸(26B)が一定の配列規則に づき配置されている場合は、より一層の効 を得ることができる。この場合、諸撚糸の り方向による推進力(撚り戻しの回転力)を 隣り合う糸材で互いに打ち消すことができ ため、走行安定性の良い基体を有する抄紙 フェルトができる。
本発明の実施例にあたり、本発明の諸撚糸
用意した。ここで、本発明の諸撚糸は、「
撚り時における下撚り糸材束本数/下撚り時
における単糸束本数/単糸繊度=dtex」で示され
る諸撚糸とした。
なお、単糸としても同種のものを採用した
すなわち、実施例4の第1の諸撚糸(26A)と第2
諸撚糸(26B)は、撚り方向が異なるのみで、同
一の諸撚糸である。
以下の実施例1から実施例4は、モノフィラ
ント3本を下撚りした糸を更に奇数本撚り合
せて上撚りした諸撚糸である。
「実施例1」
実施例1の諸撚糸の詳細な構成は次の通りで
ある。
本発明の諸撚糸として、「3/3/330」を作製し
た。
下撚り: S方向 210回/50インチ
上撚り: Z方向 150回/50インチ
撚り比(下/上): 1.4
断面形状;三つ葉形
「実施例2」
実施例2の諸撚糸の詳細な構成は次の通りで
ある。
本発明の諸撚糸として、「5/3/220」を作製し
た。
下撚り: S方向 150回/50インチ
上撚り: Z方向 100回/50インチ
撚り比(下/上): 1.5
断面形状;台形
「実施例3」
実施例3の諸撚糸の詳細な構成は次の通りで
ある。
本発明の諸撚糸として、「7/3/110」を作製し
た。
下撚り: S方向 100回/50インチ
上撚り: Z方向 70回/50インチ
撚り比(下/上): 1.4
断面形状;花びら型
「実施例4」
実施例4の諸撚糸の詳細な構成は次の通りで
ある。
本発明の諸撚糸として、「3/3/330」を作製し
た。
(第1の諸撚糸26A)
下撚り: S方向 210回/50インチ
上撚り: Z方向 150回/50インチ
撚り比(下/上): 1.4
断面形状;三つ葉形
(第2の諸撚糸26B)
下撚り: Z方向 210回/50インチ
上撚り: S方向 150回/50インチ
撚り比(下/上): 1.4
断面形状;三つ葉形
以下の実施例5から実施例6は、モノフィ メント3本を下撚りした糸を更に偶数本を撚 合わせて上撚りした諸撚糸である。
「実施例5」
実施例5の諸撚糸の詳細な構成は次の通りで
ある。
本発明の諸撚糸として、「4/3/220」を作製し
た。
下撚り: S方向 170回/50インチ
上撚り: Z方向 120回/50インチ
撚り比(下/上): 1.4
断面形状;平板形
「実施例6」
実施例6の諸撚糸の詳細な構成は次の通りで
ある。
本発明の諸撚糸として、「6/3/110」を作製し
た。
下撚り: S方向 120回/50インチ
上撚り: Z方向 80回/50インチ
撚り比(下/上): 1.5
断面形状;平板形
「比較例1」
比較例1の諸撚糸の詳細な構成は次の通りで
ある。
比較例の諸撚糸として、「3/2/330」を作製し
た。
下撚り: S方向 300回/50インチ
上撚り: Z方向 200回/50インチ
撚り比(下/上): 1.5
断面形状;三角形
上記実施例および比較例の諸撚糸を基体のM
D方向糸材となるべき織布を織成し、実施例
よび比較例とした。この際、CMD方向糸材と
ては、同一のモノフィラメント1000dtex単糸を
使用した。
また、実施例および比較例の織布は組織と
て1/1の一重織とし、その寸法はCMD方向の長
が1m、MD方向の長さが10mとした。
なお、実施例4の織布は、第1の諸撚糸(26A)と
第2の諸撚糸(26B)を1本ずつ交互にMD方向糸材と
して配置させた構成とし、それ以外は実施例
1と同様に織成した。
次に実施例および比較例で織成した織布を ェルトの基体とし、該基体の表裏に短繊維 ット(17dtexのステープルファイバー)を積層 、ニードルパンチして基体へ絡合一体化さ 、フェルトを完成した。なお、短繊維バッ 層は湿紙側面には坪量300g/m 2 、機械側面には坪量100g/m 2 で積層した。
上記の実施例および比較例で作成した抄 用フェルトの圧縮回復性(耐偏平化性)と表 平滑性および耐脱毛性を下記の方法で評価 た。
(1) 圧縮回復性(耐偏平化性)
抄紙用フェルトのテストサンプルに対して
繰返し疲労試験機(島津製作所製サーボパル
サー圧縮試験機)で1500KN/cm 2
、10Hzのパルス荷重を20万回繰返し、テスト前
のフェルト密度に対するテスト後のフェルト
密度の比で評価した。数値が低い程、耐偏平
化性が良いことを示している。
(2) 表面平滑性
抄紙用フェルトのテストサンプル上(湿紙表
面側)にプレスケール感圧紙を乗せ、100KN/cm 2
の圧力でプレスして、フェルト表面の凹凸を
感圧紙に転写し目視で表面平滑性を評価した
。ここでは織布表面に現れるCMD方向糸材のナ
ックル部分の凹凸が確認できる。すなわち、
MD方向糸材の断面方向への圧縮において、潰
や凹み量が大きいほど、ナックル部分の凹
面積が感圧紙にポイントとなって転写する
(3) 耐脱毛性
JIS 1023-1992に基づくテーバー研磨試験機に
り、抄紙用フェルトのテストサンプルから
落した繊維量を測ることで、フェルトの耐
毛性を評価した。この試験機では、回転す
ターンテーブル上に円盤状のサンプルを置
し、さらにサンプル上に摩擦抵抗の大きい
転ロールを当接させて、フェルトの短繊維
エッブの繊維脱落量を測るもので、1kgのホ
ールで5000回 回転させた後の、脱落繊維量(m
g)を測定した。
実施例および比較例の抄紙用フェルトの 価を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の実施例 のフェルトは比較例のフェルトに比べて、耐 偏平化性と表面平滑性および耐脱毛性に関し ては優れた評価結果を示している。
次に、本発明の別の形態として、基体を 成するMD方向糸材が、一方の方向に撚りが えられた第1の諸撚糸(26A)と、第1の撚糸とは 方向の撚りが与えられた第2の諸撚糸(26B)と 、1本ずつ交互にMD方向糸材として配置させ 織布からなる実施例4と、第1の諸撚糸(26A)の みの織布からなる実施例1のフェルトの走行 について、図11に示す実験装置を用いて試験 した。
本実験装置は、一対のロール(R1、R2)とで構
されている。そして、ロール(R2)は、一方の
端部を軸として、移動可能に構成されている
。
この装置に抄紙用フェルトを掛け渡し、100m
/分で走行させた。そして、フェルトの走行
片寄りが発生した場合、ロール(R2)を移動し
調整した。この際、ロール(R2)の基準位置と
、移動位置との距離(L)(ロールの移動距離)を
測し、フェルトの走行安定性を評価した。
この結果を表2に示す。表2から明らかな り、本発明のフェルトは、優れた走行安定 を発揮することが確認された。特に、基体 構成するMD方向糸材が、一方の方向に撚りが 与えられた第1の諸撚糸(26A)と、第1の撚糸と 逆方向の撚りが与えられた第2の諸撚糸(26B) を、1本ずつ交互にMD方向糸材として配置さ た織布からなる実施例4のフェルトは、より れた走行性を発揮した。
本発明により、圧縮回復性と走行安定性 表面平滑性、およびステープルファイバー 耐脱毛性に優れた抄紙用フェルトが得られ 。従って製紙工程におけるロールまたはシ ープレス等の加圧による耐偏平化機能を維 し高い搾水性が長期間持続される。また表 平滑性と耐脱毛性が優れており、近年の抄 機械の高速化や、プレス部の高圧化にも対 する高性能のフェルトが提供される。
