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Title:
PARATOPE AND EPITOPE OF ANTI-MORTALIN ANTIBODY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146854
Kind Code:
A1
Abstract:
With regard to a cellular internalizing anti-mortalin antibody and a non-internalizing anti-mortalin antibody, the amino acid sequence of a paratope domain which is located in a variable region of each of the L-chain and the H-chain and which is involved in the internalization of an anti-mortalin antibody into a tumor cell is determined. A single-stranded antibody (scFv) having, bound thereto through a peptide linker, a variable region of each of the L-chain and the H-chain which carries the paratope domain is prepared, and a cancer-cell-specific drug delivery is provided by exploiting a binding ability of the single-stranded antibody to mortalin. Further, with respect to an epitope which can be recognized by an anti-mortalin antibody composed of 6 amino acid residues and having an internalizing activity, the amino acid sequence of the epitope is determined. By using an expression vector carrying a nucleic acid encoding the epitope, it becomes possible to provide an agent for promoting the internalization of an anti-mortalin antibody, a substance conjugated to the anti-mortalin antibody or the like into a cancer cell.

Inventors:
WADHWA RENU (JP)
KAUL SUNIL (JP)
SHIOTA MAKI (JP)
INOUE ATSUSHI (JP)
Application Number:
JP2008/059834
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NAT INST OF ADVANCED IND SCIEN (JP)
WADHWA RENU (JP)
KAUL SUNIL (JP)
SHIOTA MAKI (JP)
INOUE ATSUSHI (JP)
International Classes:
C12N15/09; A61K47/48; A61K48/00; A61P35/00; C07K14/47; C07K16/18; G01N21/78; G01N33/533; G01N33/574
Foreign References:
JP2006089471A2006-04-06
JPH08500084A1996-01-09
JP2005500808A2005-01-13
Other References:
BESPALOV I.A. ET AL.: "Recombinant Phabs reactive with 7,8-dihydro-8-oxoguanine, a major oxidative DNA lesion", BIOCHEMISTRY, vol. 35, no. 7, 1996, pages 2067 - 2078
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Claims:
 モータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体のL鎖可変領域であって、CDR1が「KSSQSLLDSDGKTYLN(配列番号1)」、CDR2が「LVSKLDS(配列番号2)」であり、CDR3が「WQGTHFPRT(配列番号3)」である組換え抗モータリン抗体L鎖可変領域。
 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる請求項1に記載の組換え抗モータリン抗体L鎖可変領域、
(a)配列番号4又は5に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号4又は5に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列。
 モータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体のL鎖可変領域であって、CDR1が「RASQEISGYLS(配列番号6)」、CDR2が「AASTLDS(配列番号7)」であり、CDR3が「LQYASYPPT(配列番号8)」である組換え抗モータリン抗体L鎖可変領域。
 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる請求項3に記載の組換え抗モータリン抗体L鎖可変領域、
(a)配列番号9に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号9に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列。
 モータリン2を特異的に認識し、細胞内在化機能を有さない組換え抗モータリン抗体のL鎖可変領域であって、CDR1が「RSSKSLLYSNGITYLY(配列番号10)」、CDR2が「QMSNLAS(配列番号11)」であり、CDR3が「AQNLELPWT(配列番号12)」である組換え抗モータリン抗体L鎖可変領域。
 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる請求項5に記載の組換え抗モータリン抗体L鎖可変領域、
(a)配列番号13に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号13に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列。
 モータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内在化機能を有する組換え抗モータリン抗体のH鎖可変領域であって、CDR1が「SYWMH(配列番号14)」、CDR2が「EIDPSDSYTKYNQKFKG(配列番号15)」又は「EIDPSDSYTDYNQNFKG(配列番号18)」であり、CDR3が「GDY(配列番号16)」である組換え抗モータリン抗体H鎖可変領域。
 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる請求項7に記載の組換え抗モータリン抗体H鎖可変領域、
(a)配列番号17、19又は20に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号17、19又は20に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列。
 モータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内在化機能を有する組換え抗モータリン抗体のH鎖可変領域であって、CDR1が「TNAMN(配列番号21)」、CDR2が「RIRSKSNNYATYYADSVKD(配列番号22)」であり、CDR3が「DGYYSY(配列番号23)」である組換え抗モータリン抗体H鎖可変領域。
 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる請求項9に記載の組換え抗モータリン抗体H鎖可変領域、
(a)配列番号24に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号24に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列。
 モータリン2を特異的に認識し、細胞内在化機能を有さない組換え抗モータリン抗体のH鎖可変領域であって、CDR1が「SYWMH(配列番号25)」、CDR2が「EINPSNGRTNYNEKFKS(配列番号26)」であり、CDR3が「SRYYGSCYFDY(配列番号27)」である組換え抗モータリン抗体H鎖可変領域。
 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる請求項11に記載の組換え抗モータリン抗体H鎖可変領域、
(a)配列番号28に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号28に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列。
 下記(a)~(d)のいずれかのアミノ酸配列からなる抗モータリン抗体のL鎖可変領域と、下記(e)~(h)のいずれかのアミノ酸配列からなる抗モータリン抗体のH鎖可変領域を含む一本鎖抗体であって、モータリン2を特異的に認識する抗モータリン一本鎖抗体。
(a)配列番号4又は5に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号4又は5に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列、
(c)配列番号9に示されるアミノ酸配列、
(d)配列番号9に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列、
(e)配列番号17、19又は20に示されるアミノ酸配列、
(f)配列番号17、19又は20に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列。
(g)配列番号24に示されるアミノ酸配列、
(h)配列番号24に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列。
 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる抗モータリン抗体のL鎖可変領域と、下記(c)又は(d)のいずれかのアミノ酸配列からなる抗モータリン抗体のH鎖可変領域を含む一本鎖抗体であって、モータリン2を特異的に認識抗モータリン一本鎖抗体。
(a)配列番号13に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号13に示されるアミノ酸配列においてシグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列、
(c)配列番号28に示されるアミノ酸配列、
(d)配列番号28に示されるアミノ酸配列においてシグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列。
 下記(a)~(d)のいずれかのDNAであって、かつモータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体のL鎖可変領域をコードするDNA、
(a)配列番号4、5又は9に示されるアミノ酸配列をコードするDNA、
(b)配列番号4、5又は9に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列をコードするDNA、
(c)配列番号42~46に示される塩基配列からなるDNA、
(d)配列番号42~46に示される塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
 下記(a)~(d)のいずれかのDNAであって、かつモータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体のH鎖可変領域をコードするDNA、
(a)配列番号17,18又は20に示されるアミノ酸配列をコードするDNA、
(b)配列番号17,18又は20に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列をコードするDNA、
(c)配列番号48~52に示される塩基配列からなるDNA、
(d)配列番号48~52に示される塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
 下記(a)~(d)のいずれかのDNAであって、かつモータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内在化機能を有さない抗モータリン抗体のL鎖可変領域をコードするDNA、
(a)配列番号13に示されるアミノ酸配列をコードするDNA、
(b)配列番号13に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列をコードするDNA、
(c)配列番号47に示される塩基配列からなるDNA、
(d)配列番号47に示される塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
 下記(a)~(d)のいずれかのDNAであって、かつモータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内在化機能を有さない抗モータリン抗体のH鎖可変領域をコードするDNA、
(a)配列番号28に示されるアミノ酸配列をコードするDNA、
(b)配列番号28に示されるアミノ酸配列において、シグナル配列及び/又はフレームワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換・付加されているアミノ酸配列をコードするDNA、
(c)配列番号53に示される塩基配列からなるDNA、
(d)配列番号53に示される塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
 請求項15に記載のモータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体のL鎖可変領域をコードするDNA、及び請求項16に記載のモータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体のH鎖可変領域をコードするDNAを含む、モータリン2を特異的に認識する抗モータリン一本鎖抗体をコードするDNA。
 請求項19に記載の一本鎖抗体をコードするDNAを含む発現ベクター。
 発現ベクターがpET-27b(+)プラスミドベクター、又はPelB配列を組み込んだプラスミドベクターであることを特徴とする、請求項20に記載の発現ベクター。
 請求項17に記載のモータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内在化機能を有さない抗モータリン抗体のL鎖可変領域をコードするDNA、及び請求項18に記載のモータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内在化機能を有さない抗モータリン抗体のH鎖可変領域をコードするDNAを含む、モータリン2を特異的に認識する抗モータリン一本鎖抗体をコードするDNA。
 請求項22に記載の一本鎖抗体をコードするDNAを含む発現ベクター。
 発現ベクターがpET-27b(+)プラスミドベクター、又はPelB配列を組み込んだプラスミドベクターであることを特徴とする、請求項23記載の発現ベクター。
 請求項13に記載の抗モータリン一本鎖抗体又は当該一本鎖抗体に治療用化合物を結合した複合体を有効成分として用いることを特徴とする、癌細胞内でのモータリン活性を抑制する抗癌剤。
 請求項14に記載の抗モータリン一本鎖抗体又は当該一本鎖抗体に治療用化合物を結合した複合体を有効成分として用いることを特徴とする、癌細胞表面でのモータリン活性を抑制する抗癌剤。
 請求項19に記載の抗モータリン一本鎖抗体をコードするDNA又は当該DNAに治療用DNAを結合した複合体を有効成分として用いることを特徴とする、癌細胞内でのモータリン活性を抑制する抗癌剤。
 請求項22に記載の抗モータリン一本鎖抗体をコードするDNA又は当該DNAに治療用DNAを結合した複合体を有効成分として用いることを特徴とする、癌細胞表面でのモータリン活性を抑制する抗癌剤。
 請求項13又は14に記載の抗モータリン一本鎖抗体に、蛍光標識化合物を結合したことを特徴とする癌細胞検出又は同定用試薬。
 請求項19又は22に記載の抗モータリン一本鎖抗体をコードするDNAに、レポーター遺伝子を結合したことを特徴とする癌細胞検出又は同定用試薬。
 モータリン2のアミノ酸配列310-410位の1部配列のうち少なくとも連続した8個のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体を特異的に認識するアミノ酸配列を含むポリペプチド。
 モータリン2のアミノ酸配列の310-410位のアミノ酸配列が、配列番号55又は62に示されるアミノ酸配列である、請求項31に記載のポリペプチド。
 モータリン2のアミノ酸配列の381-410位の1部配列のうち少なくとも連続した8個のアミノ酸配列を含む請求項31又は32に記載のポリペプチド。
 モータリン2のアミノ酸配列の381-410位のアミノ酸配列が、配列番号56に示されるアミノ酸配列である、請求項33に記載のポリペプチド。
 モータリン2のアミノ酸配列381-410位の1部配列であって、かつ配列番号66に示されるアミノ酸配列「LFGRAP」を含む請求項33に記載のポリペプチド。
 モータリン2のアミノ酸配列381-410位の1部配列が、アミノ酸配列「PKVQQTVQDLFGRAP(配列番号67)」「KVQQTVQDLFGRAPS(配列番号68)」「VQQTVQDLFGRAPSK(配列番号69)」「QQTVQDLFGRAPSKA(配列番号70)」「QTVQDLFGRAPSKAV(配列番号71)」「TVQDLFGRAPSKAVN(配列番号72)」「VQDLFGRAPSKAVNP(配列番号73)」「QDLFGRAPSKAVNPD(配列番号74)」「DLFGRAPSKAVNPDE(配列番号75)」及び「LFGRAPSKAVNPDEA(配列番号76)」から選択される、請求項35に記載のポリペプチド。
 モータリン2のアミノ酸配列381-410位の1部配列が、アミノ酸配列「KAMQDAEVSKSDIGE(配列番号77)」「GEVILVGGMTRMPKV(配列番号78)」「EVILVGGMTRMPKVQ(配列番号79)」「GMTRMPKVQQTVQDL(配列番号80)」「TRMPKVQQTVQDLFG(配列番号81)」及び「RMPKVQQTVQDLFGR(配列番号82)」から選択される、請求項34に記載のポリペプチド。
 アミノ酸配列「LFGRAP(配列番号66)」からなるポリペプチド。
 被検抗体を含む試料に対して、請求項33~38のいずれかに記載のポリペプチドを作用させることを特徴とする、細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体又はその機能的断片のスクリーニング方法。
 請求項31~38のいずれかに記載のポリペプチドを免疫原として作成したことを特徴とする、アミノ酸配列「LFGRAP(配列番号66)」をエピトープとして認識する細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体又はその機能的断片。
 請求項31~38のいずれかに記載のポリペプチドをコードする核酸分子であって、細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体を特異的に認識するエピトープをコードする核酸分子。
 モータリン2のアミノ酸配列310-410位のうち少なくとも連続した15個のアミノ酸配列を含み、かつアミノ酸配列「LFGRAP(配列番号66)」を含む、細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体を特異的に認識するポリペプチドをコードする核酸分子。
 請求項41又は42に記載の核酸分子を用いて細胞表面に細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体が認識するエピトープを発現させ、当該エピトープ発現細胞に対して被検抗体を含む試料を作用させることを特徴とする、細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体又はその機能的断片のスクリーニング方法。
 請求項41又は42に記載の核酸分子を含む発現ベクターであって、かつ癌細胞表面に細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体が認識するエピトープを発現可能な発現ベクターを有効成分とする、細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体もしくはその機能的断片又は当該抗モータリン抗体もしくはその機能的断片に結合された薬剤もしくは標識化合物の癌細胞内への内在化促進剤。
 請求項41又は42に記載の核酸分子を含む発現ベクターであって、かつ癌細胞表面に細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体が認識するエピトープを発現可能な発現ベクターを用いることを特徴とする、細胞内在化機能を有する抗モータリン抗体又はその機能的断片に結合された薬剤又は標識化合物の癌細胞内へのデリバリー方法。
 モータリン2のアミノ酸配列410-435位の1部配列のうち少なくとも連続した8個のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、細胞内在化機能を有さない抗モータリン抗体を特異的に認識するエピトープを含むポリペプチド。
 モータリン2のアミノ酸配列410-435位のアミノ酸配列が、配列番号30に示されるアミノ酸配列である、請求項46に記載のポリペプチド。
Description:
抗モータリン抗体のパラトープ びエピトープ

 本発明は、細胞内在性機能を有する抗モー リン抗体由来の可変領域及び当該可変領域 用いた一本鎖抗体を用いた細胞内在化用キ リアに関する。
 また、本発明は、モータリンのアミノ酸配 中の細胞内在性機能を有する、もしくは有 ない抗モータリン抗体を認識するエピトー に関する。

 モータリン(モータリン2)は、679アミノ酸か なる分子量73,913ダルトンのタンパク質であ 、その前駆タンパク質は46アミノ酸からな ミトコンドリア移行シグナルペプチドを有 ている。Hsp70ファミリータンパク質の一種で あり、熱非応答性タンパク質である。大腸菌 のDnaKや酵母のSSC1p、ラットの細胞質画分に恒 常発現しているHsp70、Hsc70、ラットの小胞体 存在するアイソフォームであるBiPなどのHsp70 ファミリータンパク質と非常に高い相同性を 持っている。モータリンは、先ずマウス由来 の正常な繊維芽細胞の細胞質画分からモータ リン1(mot-1)遺伝子が単離され(非特許文献1)、 いて、マウス不死化細胞のcDNAの免疫クロー ニングと、正常細胞から単離された配列との 比較により、カルボキシル末端のアミノ酸2 基だけ異なるタンパク質をコードするモー リン2遺伝子(mot-2)の存在が明らかとなった( 特許文献2)。モータリン1(mot-1)は正常細胞に 在するが、モータリン2(mot-2)は不死化細胞 存在し、ヌードマウスアッセイによれば、 ータリン1(mot-1)の発現は細胞老化様の表現型 を引き起こすのに対し、モータリン2(mot-2)の 剰発現は悪性変異を引き起こすという対照 な生物学的活性を生じることが明らかにな た(非特許文献4)。ヒトモータリンの場合は マウスモータリンとタンパク質レベルで95% 高い相同性があり、モータリン2と同様の機 能・性質を示す1種類しかないので、ヒトモ タリン2(hmot-2)とも呼ばれる(非特許文献3)。 発明においては、特に断らない限り、マウ モータリン2及びヒトモータリン2をあわせて 、単にモータリンまたはモータリン2という
 モータリン2はカルシウム依存的な自己リン 酸化を経て、細胞内の様々な場所で様々な分 子と結合し、ミトコンドリアの輸送、細胞内 輸送、シャペロニン機能、ストレス応答、腫 瘍形成などの多岐にわたる機能における関与 が指摘されている。特に、腫瘍サプレッサー タンパクであるp53に結合してその転写活性機 能を不活性化すること(非特許文献4)、テロメ ラーゼと協力してヒト包皮繊維芽細胞を不死 化させることが示される(非特許文献5)など、 発癌に本質的に関与している事が明らかとな った(非特許文献6-12、特許文献1)。抗モータ ン抗体などモータリンに結合し、モータリ の作用・機能を抑える分子は抗ガン剤とし 利用できる可能性も示されている(非特許文 12-15)。

 本発明者らは以前、モータリンの発現量の 加と発癌との関連と共にモータリンがガン 療における有効な標的となることについて 察し、癌細胞に内在化機能をもつ抗モータ ン抗体、及び当該抗体を用いた癌治療用医 組成物、薬剤キャリアなどに関する出願を っている(特許文献1)。癌細胞への内在化機 を有する抗モータリン抗体はそれ自身が抗 医薬として用いられるのみならず、免疫毒 どを腫瘍細胞に輸送する薬剤キャリアとし 用いることができる。
 それらを検討する課程で、本発明者らは、 ータリンを特異的に認識する抗体のすべて 、癌細胞内に内在化する機能を有するわけ はなく、モータリンを特異的に認識できて 、癌細胞に対して内在化できない抗体が存 することを観察していた。しかしながら癌 胞内在化機能を有する抗体と、当該機能を さない抗体とのアミノ酸配列や構造上の本 的な差異が解明されていないため、抗体全 のどのような領域が内在化機構に関与する 域であるかは全く不明であった。
 医薬としては、より正常細胞への副作用が ない免疫原性の低いヒト化抗体や、できる け短い領域のみの投与が可能であることが ましいことから、モータリン抗体における 在化機構の解明と共に、内在化に関与する 域についての解明が待望されていた。
 また、モータリン抗体が癌細胞内に内在化 るための最初のステップとして、まずモー リンとの相互作用が必須であると考えられ ので、モータリンの側のモータリン抗体と 相互作用部位についての解明、特に、内在 機能を有する抗体と内在化機能を有さない 体との認識領域を解明することも望まれて た。
 さらに、内在化機能を有する抗体が認識す エピトープ配列が決定できれば、当該エピ ープをコードする核酸分子を用いて癌細胞 面にエピトープを発現させることで、モー リン抗体の内在化を促進することができる ら、特に内在化機能を有する抗体のエピト プ配列決定は強く望まれていた。

国際公開WO2006/022344 A1(特開2006-89471号公 ) Wadhwa, R., Kaul, S. C., Ikawa, Y., and Sugimo to, Y. (1993) J Biol Chem 268, 6615-6621. Wadhwa, R., Kaul, S. C., Sugimoto, Y., and Mit sui, Y. (1993) J BiolChem 268, 22239-22242 Kaul, S. C., Duncan, E. L., Englezou, A., Taka no, S., Reddel, R. R.,Mitsui, Y., and Wadhwa, R. (1 998) Oncogene 17, 907-911 Wadhwa, R., Shyichi, T.,Robert, M., Yoshida, A.,  Reddel, R. R., Nomura, H., Mitsui, Y., and Kaul,  S. C.(1998) J Biol Chem 273, 29586-29591 Kaul, S. C., Yaguchi, T., Taira, K., Reddel, R . R., and Wadhwa, R.(2002) ECR submitted Kaul, S. C., Taira, K., Pereira-Smith, O. M.,  and Wadhwa, R. (2002) Exp Gerontol 37, 1157-1164. Wadhwa, R., Takano, S., Kaur, K., Deocaris, C. C., Pereira-Smith, O. M., Reddel, R. R., and Kaul, S. C. (2006) Int J Cancer 118, 2973-2980. Deocaris, C. C., Kaul, S. C., and Wadhwa, R.  (2006) Cell Stress Chaperones 11, 116-128 Dundas, S. R., Lawrie, L. C., Rooney, P. H.,  and Murray, G. I. (2005) J Pathol 205, 74-81 Shin, B. K., Wang, H., Yim, A. M., Le Naour, F., Brichory, F., Jang, J. H., Zhao, R., Puravs, E ., Tra, J., Michael, C. W., Misek, D. E., and Hana sh, S. M. (2003) J Biol Chem 278, 7607-7616 Pizzatti, L., Sa, L. A., de Souza, J. M., Bis ch, P. M., and Abdelhay, E. (2006) Biochim Biophys  Acta 1764, 929-942. Walker, C., Bottger, S., and Low, B. (2006) Am  J Pathol 168, 1526-1530 Wadhwa, R., Sugihara, T., Yoshida, A., Nomura,  H., Reddel, R. R., Simpson, R., Maruta, H., and Kau l, S. C. (2000) Cancer Res 60, 6818-6821 Wadhwa, R., Ando, H., Kawasaki, H., Taira, K., and Kaul, S. C. (2003) EMBO Rep 4, 595-601 Deocaris, C. C., Widodo, N., Shrestha, B. G.,  Kaur, K., Ohtaka, M., Yamasaki, K., Kaul, S. C., an d Wadhwa, R. (2007) Cancer Lett (in press). Huston JS, Levinson D, Mudgett-Hunter M, Tai MS , Novotny J, Margolies MN, Ridge RJ, Bruccoleri RE, Haber E, Crea R, et al. Protein engineering of ant ibody binding sites: recovery of specific activity in  an anti-digoxin single-chain Fv analogue produced in  Escherichia coli.Proc Natl Acad Sci U S A. 1988 A ug;85(16):5879-83. Luginbuhl, B., Kanyo, Z., Jones, R. M., Fletter ick, R. J., Prusiner, S. B., Cohen, F. E., Williams on, R. A., Burton, D. R., and Pluckthun, A. (2006) J Mol Biol 363, 75-97 Dall'Acqua WF, Damschroder MM, Zhang J, Woods R M, Widjaja L, Yu J, Wu H. Antibody humanization by framework shuffling. Methods. 2005 May;36(1):43-60. J Biotechnol. 1994 Jul 29;36(1):45-54. Effect of  modification of connecting peptide of proinsulin on its export.Kang Y, Yoon JW.(なお、これら文献中 の記載事項は、本願明細書中の記載として組 み入れる。)

 本発明は、内在化機能を有する抗モータリ 抗体と内在化機能を有さない抗モータリン 体それぞれの可変領域をコードするDNAの塩 配列を決定して、それぞれのアミノ酸配列 比較から、抗モータリン抗体の腫瘍細胞へ 内在化機能に関与する領域とそのアミノ酸 列を決定し、当該領域を含む腫瘍細胞内へ 薬剤輸送キャリアを提供することを目的と る。
 また、本発明は、抗モータリン抗体の癌細 内在化機能に関与する領域と相互作用を有 る、モータリン上の領域及びそのアミノ酸 列を決定することも他の目的とする。
 さらに、本発明は、内在化機能を有する抗 ータリン抗体が認識するエピトープ配列を 定すること、及び当該エピトープをコード る核酸分子を用いて癌細胞表面にエピトー を発現させることで、モータリン抗体及び ータリン抗体をキャリアとする薬剤の内在 を促進することを目的とする。

 本発明者らは、モータリンと結合する6種類 のモノクローナル抗体のL鎖及びH鎖それぞれ アミノ酸配列を決定し、内在化機能を有す ものと有しないものとのアミノ酸配列を比 したところ、その可変領域に顕著な配列上 相違を見いだした。
 細胞内在化機能を有する5種類のうち4種類 抗体同士の可変領域はきわめて類似した配 を有しているのに対して、同機能を持たな 抗体とは類似性が低く、特に各CDR配列にお て顕著な差異を有している。そして、当該 ノクローナル抗体のcDNAを用いて、L鎖及びH の可変領域をペプチドリンカーで繋いだ一 鎖抗体(single chain Fv,scFv)を作製し、モータ ンに対するパラトープとしての結合活性を 認した。
 また、それぞれの抗体の一部欠失体を用い 抗体パラトープが認識するモータリンのエ トープ位置を検討した結果、両者が認識す エピトープのアミノ酸配列が異なることも 認した。
 これらのことから、抗モータリン抗体が細 内在化能を有するか否かは、その固有のCDR 列、少なくともL鎖及びH鎖の両可変領域の 列に依存している可能性が高いことが示唆 れる。すなわち、細胞内在化能を有する抗 ータリン抗体由来のL鎖及びH鎖の両可変領域 を用いたキメラ抗体、又は一本鎖抗体、さら にはそのCDR配列を利用したヒト化抗体も、十 分に癌細胞特異的に癌細胞内に内在化してモ ータリン機能を抑制する可能性が強く示唆さ れる。反対に、細胞内在化能を有さない抗モ ータリン抗体由来の可変領域を用いたキメラ 抗体、一本鎖抗体、及び同CDR配列を利用した ヒト化抗体は癌細胞表面にとどまり癌細胞表 面のモータリンと結合する可能性が高いこと が示唆される。
 前者は、癌細胞内に内在化してモータリン 性を阻害する薬剤又は薬剤キャリアとなり るものであり、また後者はモータリンの細 内在化を阻止し得るモータリン中和活性薬 となり得る。すなわち、本発明は、抗モー リンモノクローナル抗体の可変領域のみ、 たは当該可変領域を用いた一本鎖抗体を有 成分とする抗癌用医療組成物を提供するも であり、また、同可変領域もしくはそれを む一本鎖抗体をキャリアとして含む癌細胞 薬剤キャリア又は癌細胞のライブイメージ 出用キャリアを提供する。
 なお、本発明者らは、細胞内在化能を有す 抗モータリン抗体について、当該抗体の癌 胞特異的に内在化する性質を利用して、癌 遺伝子治療用の核酸キャリアに用いること できるのではないかと着想し、当該抗体の 方のH鎖及びL鎖にカチオン高分子を繋ぎ、 伝子含有プラスミドと混合した分子複合体 、癌細胞に特異的に取り込まれ、癌細胞内 遺伝子が発現することを確認した。この点 ついては、同日付で出願した。(特願2007-14107 3号、国優特願2007-243934号;なお、当該明細書 記載内容は、本願明細書の記載として組み れるものとする。)
 本発明では、さらに、これらの知見を踏ま 、内在化機能を有する抗モータリン抗体が 識するエピトープ配列を有する領域を決定 ることができたものである。当該領域を、3 0アミノ酸残基数にまでに絞り込んだ後に、 ピトープマッピング法を適用し、内在化機 を有する抗モータリン抗体のみに特異的に 識されるエピトープのアミノ酸配列を決定 た。当該エピトープを含むペプチドを免疫 として用いることで、より内在化機能を強 した抗モータリンペプチド抗体を作製でき 当該抗体は、抗体自身を抗癌剤として用い ことができ、かつ抗癌剤(低分子化合物、毒 、核酸分子)、標識化合物(蛍光物質、量子 ットなど金属粒子)の癌細胞内へのデリバリ に用いることができるものである。
 そして、当該エピトープ配列を含むポリペ チドをコードする核酸を用いて癌細胞表面 モータリンエピトープを発現させることが きるが、このような癌細胞表面のモータリ エピトープは、モータリン抗体及びモータ ン抗体をキャリアとする薬剤の内在化を促 することができるので、当該エピトープ配 を含むポリペプチドをコードする核酸を含 発現ベクターは、モータリン抗体及びそれ 結合させた薬剤の、癌細胞への内在化促進 として用いることができる。

 すなわち、本発明は、具体的には以下の通 である。
[1] モータリン2を特異的に認識し、かつ細胞 内在化機能を有する抗モータリン抗体のL鎖 変領域であって、CDR1が「KSSQSLLDSDGKTYLN(配列 号1)」、CDR2が「LVSKLDS(配列番号2)」であり、C DR3が「WQGTHFPRT(配列番号3)」である組換え抗モ ータリン抗体L鎖可変領域。
[2] 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる前 [1]に記載の組換え抗モータリン抗体L鎖可変 領域、
(a)配列番号4又は5に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号4又は5に示されるアミノ酸配列に いて、シグナル配列及び/又はフレームワー ク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失 置換・付加されているアミノ酸配列。
[3] モータリン2を特異的に認識し、かつ細胞 内在化機能を有する抗モータリン抗体のL鎖 変領域であって、CDR1が「RASQEISGYLS(配列番号6 )」、CDR2が「AASTLDS(配列番号7)」であり、CDR3 「LQYASYPPT(配列番号8)」である組換え抗モー リン抗体L鎖可変領域。
[4] 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる前 [3]に記載の組換え抗モータリン抗体L鎖可変 領域、
(a)配列番号9に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号9に示されるアミノ酸配列におい 、シグナル配列及び/又はフレームワーク配 中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換 ・付加されているアミノ酸配列。
[5] モータリン2を特異的に認識し、細胞内在 化機能を有さない組換え抗モータリン抗体の L鎖可変領域であって、CDR1が「RSSKSLLYSNGITYLY( 列番号10)」、CDR2が「QMSNLAS(配列番号11)」で り、CDR3が「AQNLELPWT(配列番号12)」である組換 え抗モータリン抗体L鎖可変領域。
[6] 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる前 [5]に記載の組換え抗モータリン抗体L鎖可変 領域、
(a)配列番号13に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号13に示されるアミノ酸配列におい 、シグナル配列及び/又はフレームワーク配 列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置 ・付加されているアミノ酸配列。
[7] モータリン2を特異的に認識し、かつ細胞 内在化機能を有する組換え抗モータリン抗体 のH鎖可変領域であって、CDR1が「SYWMH(配列番 14)」、CDR2が「EIDPSDSYTKYNQKFKG(配列番号15)」又 は「EIDPSDSYTDYNQNFKG(配列番号18)」であり、CDR3 「GDY(配列番号16)」である組換え抗モータリ 抗体H鎖可変領域。
[8] 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる前 [7]に記載の組換え抗モータリン抗体H鎖可変 領域、
(a)配列番号17、19又は20に示されるアミノ酸配 列、
(b)配列番号17、19又は20に示されるアミノ酸配 列において、シグナル配列及び/又はフレー ワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が 失・置換・付加されているアミノ酸配列。
[9] モータリン2を特異的に認識し、かつ細胞 内在化機能を有する組換え抗モータリン抗体 のH鎖可変領域であって、CDR1が「TNAMN(配列番 21)」、CDR2が「RIRSKSNNYATYYADSVKD(配列番号22)」 あり、CDR3が「DGYYSY(配列番号23)」である組 え抗モータリン抗体H鎖可変領域。
[10] 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる前 記[9]に記載の組換え抗モータリン抗体H鎖可 領域、
(a)配列番号24に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号24に示されるアミノ酸配列におい 、シグナル配列及び/又はフレームワーク配 列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置 ・付加されているアミノ酸配列。
[11] モータリン2を特異的に認識し、細胞内 化機能を有さない組換え抗モータリン抗体 H鎖可変領域であって、CDR1が「SYWMH(配列番号 25)」、CDR2が「EINPSNGRTNYNEKFKS(配列番号26)」で り、CDR3が「SRYYGSCYFDY(配列番号27)」である組 え抗モータリン抗体H鎖可変領域。
[12] 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる前 記[11]に記載の組換え抗モータリン抗体H鎖可 領域、
(a)配列番号28に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号28に示されるアミノ酸配列におい 、シグナル配列及び/又はフレームワーク配 列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置 ・付加されているアミノ酸配列。
[13] 下記(a)~(d)のいずれかのアミノ酸配列か なる抗モータリン抗体のL鎖可変領域と、下 (e)~(h)のいずれかのアミノ酸配列からなる抗 モータリン抗体のH鎖可変領域を含む一本鎖 体であって、モータリン2を特異的に認識す 抗モータリン一本鎖抗体。
(a)配列番号4又は5に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号4又は5に示されるアミノ酸配列に いて、シグナル配列及び/又はフレームワー ク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失 置換・付加されているアミノ酸配列、
(c)配列番号9に示されるアミノ酸配列、
(d)配列番号9に示されるアミノ酸配列におい 、シグナル配列及び/又はフレームワーク配 中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換 ・付加されているアミノ酸配列、
(e)配列番号17、19又は20に示されるアミノ酸配 列、
(f)配列番号17、19又は20に示されるアミノ酸配 列において、シグナル配列及び/又はフレー ワーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が 失・置換・付加されているアミノ酸配列。
(g)配列番号24に示されるアミノ酸配列、
(h)配列番号24に示されるアミノ酸配列におい 、シグナル配列及び/又はフレームワーク配 列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置 ・付加されているアミノ酸配列。
[14] 下記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなる抗 モータリン抗体のL鎖可変領域と、下記(c)又 (d)のいずれかのアミノ酸配列からなる抗モ タリン抗体のH鎖可変領域を含む一本鎖抗体 あって、モータリン2を特異的に認識抗モー タリン一本鎖抗体。
(a)配列番号13に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号13に示されるアミノ酸配列におい シグナル配列及び/又はフレームワーク配列 中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換 付加されているアミノ酸配列、
(c)配列番号28に示されるアミノ酸配列、
(d)配列番号28に示されるアミノ酸配列におい シグナル配列及び/又はフレームワーク配列 中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置換 付加されているアミノ酸配列。
[15] 下記(a)~(d)のいずれかのDNAであって、か モータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内 化機能を有する抗モータリン抗体のL鎖可変 領域をコードするDNA、
(a)配列番号4、5又は9に示されるアミノ酸配列 をコードするDNA、
(b)配列番号4、5又は9に示されるアミノ酸配列 において、シグナル配列及び/又はフレーム ーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠 ・置換・付加されているアミノ酸配列をコ ドするDNA、
(c)配列番号42~46に示される塩基配列からなるD NA、
(d)配列番号42~46に示される塩基配列とストリ ジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
[16] 下記(a)~(d)のいずれかのDNAであって、か モータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内 化機能を有する抗モータリン抗体のH鎖可変 領域をコードするDNA、
(a)配列番号17,18又は20に示されるアミノ酸配 をコードするDNA、
(b)配列番号17,18又は20に示されるアミノ酸配 において、シグナル配列及び/又はフレーム ーク配列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠 失・置換・付加されているアミノ酸配列をコ ードするDNA、
(c)配列番号48~52に示される塩基配列からなるD NA、
(d)配列番号48~52に示される塩基配列とストリ ジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
[17] 下記(a)~(d)のいずれかのDNAであって、か モータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内 化機能を有さない抗モータリン抗体のL鎖可 変領域をコードするDNA、
(a)配列番号13に示されるアミノ酸配列をコー するDNA、
(b)配列番号13に示されるアミノ酸配列におい 、シグナル配列及び/又はフレームワーク配 列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置 ・付加されているアミノ酸配列をコードす DNA、
(c)配列番号47に示される塩基配列からなるDNA
(d)配列番号47に示される塩基配列とストリン ェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
[18] 下記(a)~(d)のいずれかのDNAであって、か モータリン2を特異的に認識し、かつ細胞内 化機能を有さない抗モータリン抗体のH鎖可 変領域をコードするDNA、
(a)配列番号28に示されるアミノ酸配列をコー するDNA、
(b)配列番号28に示されるアミノ酸配列におい 、シグナル配列及び/又はフレームワーク配 列中に1もしくは数個のアミノ酸が欠失・置 ・付加されているアミノ酸配列をコードす DNA、
(c)配列番号53に示される塩基配列からなるDNA
(d)配列番号53に示される塩基配列とストリン ェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
[19] 前記[15]に記載のモータリン2を特異的に 識し、かつ細胞内在化機能を有する抗モー リン抗体のL鎖可変領域をコードするDNA、及 び前記[16]に記載のモータリン2を特異的に認 し、かつ細胞内在化機能を有する抗モータ ン抗体のH鎖可変領域をコードするDNAを含む 、モータリン2を特異的に認識する抗モータ ン一本鎖抗体をコードするDNA。
[20] 前記[19]に記載の一本鎖抗体をコードす DNAを含む発現ベクター。
[21] 発現ベクターがpET-27b(+)プラスミドベク ー、又はPelB配列を組み込んだプラスミドベ ターであることを特徴とする、前記[20]に記 載の発現ベクター。
[22] 前記[17]に記載のモータリン2を特異的に 識し、かつ細胞内在化機能を有さない抗モ タリン抗体のL鎖可変領域をコードするDNA、 及び前記[18]に記載のモータリン2を特異的に 識し、かつ細胞内在化機能を有さない抗モ タリン抗体のH鎖可変領域をコードするDNAを 含む、モータリン2を特異的に認識する抗モ タリン一本鎖抗体をコードするDNA。
[23] 前記[22]に記載の一本鎖抗体をコードす DNAを含む発現ベクター。
[24] 発現ベクターがpET-27b(+)プラスミドベク ー、又はPelB配列を組み込んだプラスミドベ ターであることを特徴とする、前記[23]に記 載の発現ベクター。
[25] 前記[13]に記載の抗モータリン一本鎖抗 又は当該一本鎖抗体に治療用化合物を結合 た複合体を有効成分として用いることを特 とする、癌細胞内でのモータリン活性を抑 する抗癌剤。
[26] 前記[14]に記載の抗モータリン一本鎖抗 又は当該一本鎖抗体に治療用化合物を結合 た複合体を有効成分として用いることを特 とする、癌細胞表面でのモータリン活性を 制する抗癌剤。
[27] 前記[19]に記載の抗モータリン一本鎖抗 をコードするDNA又は当該DNAに治療用DNAを結 した複合体を有効成分として用いることを 徴とする、癌細胞内でのモータリン活性を 制する抗癌剤。
[28] 前記[22]に記載の抗モータリン一本鎖抗 をコードするDNA又は当該DNAに治療用DNAを結 した複合体を有効成分として用いることを 徴とする、癌細胞表面でのモータリン活性 抑制する抗癌剤。
[29] 前記[13]又は[14]に記載の抗モータリン一 鎖抗体に、蛍光標識化合物を結合したこと 特徴とする癌細胞検出又は同定用試薬。
[30] 前記[19]又は[22]に記載の抗モータリン一 鎖抗体をコードするDNAに、レポーター遺伝 を結合したことを特徴とする癌細胞検出又 同定用試薬。
[31] モータリン2のアミノ酸配列310-410位の1部 配列のうち少なくとも連続した8個のアミノ 配列を含むポリペプチドであって、細胞内 化機能を有する抗モータリン抗体を特異的 認識するアミノ酸配列を含むポリペプチド
[32] モータリン2のアミノ酸配列の310-410位の ミノ酸配列が、配列番号55又は62に示される アミノ酸配列である、前記[31]に記載のポリ プチド。
[33] モータリン2のアミノ酸配列の381-410位の1 部配列のうち少なくとも連続した8個のアミ 酸配列を含む前記[31]又は[32]に記載のポリペ プチド。
[34] モータリン2のアミノ酸配列の381-410位の ミノ酸配列が、配列番号56に示されるアミ 酸配列である、前記[33]に記載のポリペプチ 。
[35] モータリン2のアミノ酸配列381-410位の1部 配列であって、かつ配列番号66に示されるア ノ酸配列「LFGRAP」を含む前記[33]に記載のポ リペプチド。
[36] モータリン2のアミノ酸配列381-410位の1部 配列が、アミノ酸配列「PKVQQTVQDLFGRAP(配列番 67)」「KVQQTVQDLFGRAPS(配列番号68)」「VQQTVQDLFGRAP SK(配列番号69)」「QQTVQDLFGRAPSKA(配列番号70)」 QTVQDLFGRAPSKAV(配列番号71)」「TVQDLFGRAPSKAVN(配列 番号72)」「VQDLFGRAPSKAVNP(配列番号73)」「QDLFGRAP SKAVNPD(配列番号74)」「DLFGRAPSKAVNPDE(配列番号75) 」及び「LFGRAPSKAVNPDEA(配列番号76)」から選択 れる、前記[35]に記載のポリペプチド。
[37] モータリン2のアミノ酸配列381-410位の1部 配列が、アミノ酸配列「KAMQDAEVSKSDIGE(配列番 77)」「GEVILVGGMTRMPKV(配列番号78)」「EVILVGGMTRMPK VQ(配列番号79)」「GMTRMPKVQQTVQDL(配列番号80)」 TRMPKVQQTVQDLFG(配列番号81)」及び「RMPKVQQTVQDLFGR( 配列番号82)」から選択される、前記[34]に記 のポリペプチド。
[38] アミノ酸配列「LFGRAP(配列番号66)」から るポリペプチド。
[39] 被検抗体を含む試料に対して、前記[33]~[ 38]のいずれかに記載のポリペプチドを作用さ せることを特徴とする、細胞内在化機能を有 する抗モータリン抗体又はその機能的断片の スクリーニング方法。
[40] 前記[31]~[38]のいずれかに記載のポリペプ チドを免疫原として作成したことを特徴とす る、アミノ酸配列「LFGRAP(配列番号66)」をエ トープとして認識する細胞内在化機能を有 る抗モータリン抗体又はその機能的断片。
[41] 前記[31]~[38]のいずれかに記載のポリペプ チドをコードする核酸分子であって、細胞内 在化機能を有する抗モータリン抗体を特異的 に認識するエピトープをコードする核酸分子 。
[42] モータリン2のアミノ酸配列310-410位のう 少なくとも連続した15個のアミノ酸配列を み、かつアミノ酸配列「LFGRAP(配列番号66)」 含む、細胞内在化機能を有する抗モータリ 抗体を特異的に認識するポリペプチドをコ ドする核酸分子。
[43] 前記[41]又は[42]に記載の核酸分子を用い 細胞表面に細胞内在化機能を有する抗モー リン抗体が認識するエピトープを発現させ 当該エピトープ発現細胞に対して被検抗体 含む試料を作用させることを特徴とする、 胞内在化機能を有する抗モータリン抗体又 その機能的断片のスクリーニング方法。
[44] 前記[41]又は[42]に記載の核酸分子を含む 現ベクターであって、かつ癌細胞表面に細 内在化機能を有する抗モータリン抗体が認 するエピトープを発現可能な発現ベクター 有効成分とする、細胞内在化機能を有する モータリン抗体もしくはその機能的断片又 当該抗モータリン抗体もしくはその機能的 片に結合された薬剤もしくは標識化合物の 細胞内への内在化促進剤。
[45] 前記[41]又は[42]に記載の核酸分子を含む 現ベクターであって、かつ癌細胞表面に細 内在化機能を有する抗モータリン抗体が認 するエピトープを発現可能な発現ベクター 用いることを特徴とする、細胞内在化機能 有する抗モータリン抗体又はその機能的断 に結合された薬剤又は標識化合物の癌細胞 へのデリバリー方法。
[46] モータリン2のアミノ酸配列410-435位の1部 配列のうち少なくとも連続した8個のアミノ 配列を含むポリペプチドであって、細胞内 化機能を有さない抗モータリン抗体を特異 に認識するエピトープを含むポリペプチド
[47] モータリン2のアミノ酸配列410-435位のア ノ酸配列が、配列番号30に示されるアミノ 配列である、前記[46]に記載のポリペプチド

 本発明により細胞内在化能を有する抗モー リン抗体、又は細胞内在化能を持たない抗 ータリン抗体のそれぞれに特異的なCDR配列 及びH鎖及びL鎖の可変領域配列が提供され ことで、同一の機能を有するキメラ抗体、 ト化抗体または一本鎖抗体を提供できる。 して、癌細胞に内在化して、又は癌細胞表 でモータリン活性を抑制する抗癌剤を提供 きる。また癌細胞内への治療用薬剤又は検 用薬剤のキャリアを提供できる。
 また、モータリン上の2種類のエピトープ領 域の配列情報を利用した抗モータリン抗体の 同定・評価方法を提供できる。
 さらに、本発明により、内在化機能を有す 抗モータリン抗体が認識するエピトープ配 を決定することができた。当該エピトープ 列を含むペプチドは、細胞内在化機能を有 る抗体、又は抗体の機能性断片のスクリー ングに用いることができ、また、免疫原と て用い、内在化機能のさらに優れたペプチ 抗体を作製できる。当該抗体は、抗癌剤(低 分子化合物、毒素、siRNAなどの核酸分子)、標 識分子(蛍光物質、量子ドット、金属粒子な )の癌細胞内へのデリバリーに用いることが きる。そして、当該エピトープ配列を含む リペプチドをコードする核酸を挿入した発 ベクターは、癌細胞表面にモータリンエピ ープを発現させることにより、モータリン 体及びモータリン抗体をキャリアとする薬 の癌細胞への内在化促進剤として用いるこ ができる。

各モータリン抗体の可変領域(パラトー プ)のアミノ酸配列。 各モータリンのIgGのサブタイプ。 モータリンに対するscFv発現プラスミド の概略図。VLドメインとVHドメインをリンカ で連結させ、さらにFLAGタグ配列を付加させ DNA断片をpET-27b(+)プラスミドベクターのNcoI NheIのサイトにクローニングした。 scFvの構築にあたり使用したそれぞれの プライマー配列(左から5’末端、右が3’末端 )。下はマルチクローニングサイトを含むpET-2 7b(+)プラスミドの配列。 発現されると予想されるscFvのDNA配列( 列番号54)とアミノ酸配列(配列番号31)。リン ー部とFLAGタグ配列部は下線で示した。 大腸菌におけるモータリンに対するscFv の発現誘導と精製。左図はペリプラズムから のscFvの精製プロトコール。右図はIPTGによる 現誘導前後、および精製後のタンパク質のS DS-PAGE 解析結果。IPTG添加により30 kDa程度に ンパク質の発現誘導が見られ、Hisタグによ 精製 を行うことでほぼ単一のバンドを得 ことができた。 ELISAによるリコンビナントモータリン 対するモノクローナル抗体とscFvのアフィニ ィ解析。scFvはリコンビナントモータリンに 対して10 nM程度の解離定数で結合することが 確認された。 モータリンの欠失タンパク質。各欠失 ンパク質と抗モータリン抗体(38-4,52-3,96-5)と の結合をBIACOREにより検出した.三種の抗モー リン抗体と全長モータリンは結合している 、52-3抗モータリン抗体はC末端のアミノ酸 列を含む欠失タンパク質とのみ結合してい .52-3抗体のエピトープはモータリンのアミノ 酸残基403-435の間のペプチドであると推測さ る。 各欠失タンパク質と抗モータリン抗体( 38-4,52-3,96-5)との結合をELISAにより検出を行っ .欠失タンパク質をウェルに物理吸着させ、 その後抗モータリン抗体(38-4,52-3,96-5)を添加 た.洗浄後アルカリフォスファターゼ修飾抗 ウスIgGを添加し、405nmに吸収をもつ基質反 物により結合度を測定した。表は、405nmの吸 光度を示している。38-4および96-5抗体のエピ ープはモータリンのアミノ酸残基310-410の範 囲にあり、52-3抗体のエピトープはアミノ酸 基403-435の範囲にあると推測される。 ウェスタンブロッティングによるscFv 用いたモータリンの検出 scFvを1次プローブ して用いたウェスタンブロッティング解析 行ったところ、モータリンのバンドを特異 に検出することが可能であった。scFvのC末 に付加したヒスチジンタグを用いて検出し 。 scFvを用いて細胞溶解液中のモータリ の免疫沈降を行った。scFvをanti-His抗体で回 後、ウェスタンブロッティングにてモータ ンが共沈することが確認できた。 細胞内内在化性、もしくは非内在化性 抗モータリン抗体が認識する推定エピトープ 領域:(A)ELISA及び(B)BIAcoreによるモータリンの 失変異体とモータリン抗体との相互作用解 。(C)全長モータリン中の細胞内非内在化性 ータリン抗体と細胞内内在化性モータリン 体の結合領域。 ヒト及びマウスアミノ酸配列の相同性 (BLAST法による。) 89ペプチドからなるペプチドアレイ(各 15アミノ酸、モータリンの 348-450領域を一ア ノ酸ずつずらしてある)。抗体によって認識 されたペプチドを矢印で示している。 抗体37-6におけるペプチドの結合シグ ル。抗体と結合したペプチドをその配列と に差し込み図に示した。 抗体38-4におけるペプチドの結合シグ ル。抗体と結合したペプチドをその配列と に差し込み図に示した。 抗体52-3におけるペプチドの結合シグ ル。結合したペプチドは見られなかった。 RepliTopeデータのサマリー。ペプチド#46 から#55までに共通に含まれる6 アミノ酸LFGRAP がエピトープとして同定された。矢印で示し た他のペプチド(#21、34、35、41、43、44)も内在 化する抗体に認識された。 (参考図1)PEI-imot Abコンジュゲートの合 成スキーム (参考図2)ゲルリターデーションアッセ イ。PEI-imotAbとプラスミドDNAとをN/P比0,1,2,5,7.5 ,10となるように混合し、0.8%アガロースゲル 気泳動を行った。その後、エチジウムブロ イドにより染色をおこない、DNAを検出した (参考図3)i-Porter(PEI-imotAb/DNA polyplexe)に る遺伝子導入。DsRed2をコードするプラスミ DNAを用い、導入後の細胞を蛍光顕微鏡観察 た。クロスリンカーを結合したPEIとDNAとの 合体をコントロールとして用いた。 (参考図4)i-Porter(PEI-imotAb/DNA polyplexe)に る遺伝子導入。Renilla luciferaseをコードする プラスミドDNAを用い、Normalized luciferase activi tyにより遺伝子導入、発現効率を測定した。 ントロールとして牛血清より回収したcontrol  Abを結合したPEI-control Ab/DNA polyplexと比較を おこなった。 (参考図5)通常のU2OS細胞株とモータリ の過剰発現株であるU2OS mot細胞株におけるi- Porter(PEI-imotAb/DNA polyplex)による遺伝子導入。R enilla luciferaseをコードするプラスミドDNAを用 い、Normalized luciferase activityにより遺伝子導 、発現効率を測定した。 (参考図6)癌細胞(U2OS,SKBR3,HeLa)と正常細 (TIG-1)におけるi-Porter(PEI-imotAb/DNA polyplexe)に る遺伝子導入の比較。Renilla luciferaseをコー ドするプラスミドDNAを用い、Normalized luciferas e activityにより遺伝子導入、発現効率を測定 た。 (参考図7)A549(肺癌細胞)、A172(神経グリ 芽腫細胞)、J82(尿路上皮癌細胞)及びNEC8(ヒ 胎児性癌細胞)を用いた、蛍光量子ドットを 飾した抗モータリンポリクローナル抗体の 胞内への導入実験。

1.用語の定義
(1)モータリン2及び抗モータリン抗体
 本発明において、モータリンあるいはモー リン2というときは、マウスモータリン2(mot- 2)あるいはヒトモータリン(hmot-2)を指す。
 また、抗モータリン抗体としてはマウスモ タリン2に対する抗体又はヒトモータリン2 対する抗体のいずれをも指すが、マウスと トのモータリンタンパク質は非常に高い相 性を有することから、マウスモータリン2に して作成した抗体はヒトのモータリンタン ク質を認識し、その逆も同様である。
 そこで、本発明の実施態様で用いた抗モー リン抗体産生ハイブリドーマは、マウスモ タリン2全長によりマウスを免疫して作製し たマウスモノクローナル抗体を産生する。抗 モータリンモノクローナル抗体産生ハイブリ ドーマの具体的な製造法については、本発明 者らの上記特許文献1の記載に従う。

(2)内在化機能を有する抗モータリン2抗体
 上述のように、モータリン2に対して特異的 に結合する抗モータリンモノクローナル抗体 のうちに、癌細胞への内在化機能を有する抗 体と、内在化機能を有さず、癌細胞表面でモ ータリン2に結合する抗体との2種類がある。 者を「内在化機能を有する抗モータリン抗 」、後者を「内在化機能を有さない抗モー リン抗体」という。単に、「内在化機能を する抗体」、「内在化機能を有さない抗体 ともいい、それぞれの抗体由来の可変領域 、「内在化機能を有する抗体可変領域」、 内在化機能を有さない抗体可変領域」とも い、それぞれに特有の配列を有しており、 に両者のCDR配列は、全く共通していない。
 ここで、本発明の内在化機能を有する、又 有さない抗モータリン抗体は、癌細胞表面 特異的に存在するモータリンを認識し、当 モータリンを介して癌細胞内に移行するか 又は移行せずに癌細胞表面にとどまる。こ で癌細胞とは、通常の癌細胞を指し、たと ば、骨癌細胞、乳癌細胞、繊維肉腫細胞、 宮頸癌細胞、肺癌細胞、神経グリア芽腫細 、尿路上皮癌細胞、肝臓癌細胞、ヒト胎児 癌細胞などを挙げることができるが、これ には限られない。
 本発明において、「抗モータリン抗体」と うとき、1対のH鎖及びL鎖により構成される 抗モータリンモノクローナル抗体、同様の 能を有するそのフラグメント抗体、例えばH 鎖及びL鎖の可変領域又はその可変領域から るFabフラグメント、遊離SH基を有するH鎖及 L鎖1本ずつからなる抗体も包含する。
 これらの抗体産生ハイブリドーマは、マウ 、ラット、ウサギなど通常の実験動物を免 して得られる抗体産生細胞、また癌患者か 直接得られるヒト由来抗モータリン抗体産 リンパ球を用いて常套の手段で作製するこ ができる。本発明では、これらハイブリド マから得られるcDNAを用い、CHO細胞などの哺 乳類細胞、大腸菌など細菌細胞、及び酵母細 胞などの適切な宿主細胞系で発現させた「組 換え抗モータリン抗体」を対象とする。組換 え抗モータリン抗体としては、H鎖及びL鎖の1 本ずつからなる組換え抗体、H鎖及びL鎖の可 領域をリンカーで繋いだ組換え一本鎖抗体( scFv)、及び組換えFabなどの抗体フラグメント あって、細胞内在化機能を有しているもの 包含される。また上記特有の可変領域配列 はCDR配列を利用した、キメラ抗体及びヒト 抗体も包含される。
 本発明の実施の態様では、5種類の「内在化 機能を有する抗モータリン抗体」と1種類の 内在化機能を有さない抗モータリン抗体」 用いて、その可変領域のアミノ酸配列を決 して比較し、特にL鎖について、内在化機能 有する場合と有さない場合との配列上の特 を以下のように検討した。

(3)一本鎖抗体と発現用ベクター
 本発明において「一本鎖抗体」とは「scFv(si ngle chain Fv)」ともいい、抗モータリン抗体 重鎖および軽鎖の可変部領域(VHおよびVL)を 当なペプチドリンカーで連結させたものに 当する(非特許文献16)。このようなコンスト クトを遺伝子レベルで構築し、タンパク質 現用ベクターを用いて大腸菌に導入するこ で一本鎖抗体タンパク質を発現させること できる。
 本発明の実施の態様では、リンカー配列と てLuginbuhlらの用いた非反復配列からなるリ カー配列(非特許文献17)を用いたが、アミノ 酸数5~20程度であれば適宜設定できる。
 発現させる宿主細胞及び発現用ベクターと ては、一般的に用いられる種々の宿主細胞 及び当該宿主細胞に対する適切なベクター 組み合わせを適宜選択できるが、大腸菌の リプラズム領域に輸送するシグナル配列(Pel B配列)を導入した発現ベクターを用いること 、大腸菌で発現させ、ペリプラズム領域に 泌させることにより簡単に一本鎖抗体(scFv) 取得することができる。本願の実施態様で 、PelB配列を持つ発現用プラスミドベクター である「pET-27b(+)plasmid」に、各抗体のcDNAプー ルから、2種類のプライマーセットで増幅さ て作製したscFvをクローニングした。
 細胞内内在化抗モータリン抗体に特有な可 領域配列のみで構成された一本鎖抗体は、 ータリンに特異的に結合する能力があるこ が確認されており、癌細胞内への内在化機 も期待されるから、癌細胞内でモータリン 特異的に結合してモータリン活性を抑える 癌剤として用いることができる可能性があ 。また、モータリン活性を抑制する低分子 合物など他の癌治療用薬剤を担持させた薬 キャリア、カチオン性高分子などにつなぎ 伝子治療用遺伝子を細胞内に運んで機能さ る核酸キャリアとして、蛍光物質等をつけ 癌細胞検出用キャリアとして用いることも きる。(当該核酸キャリアについては、同日 付で特願2007-141073号として特許出願した。)
 細胞内内在化の機能がない可変領域を用い 一本鎖抗体は、癌細胞表面でモータリンと 異的に結合する性質を利用することができ から、同様に抗癌剤、薬剤キャリア、及び 細胞検出用キャリアとしての有用性がある

(4)還元抗体(遊離SH基を有するH鎖及びL鎖1本ず つからなる抗体)
 たとえば、抗体にジチオスレイトール(DTT) 添加し、室温で30分程度反応させた後に、脱 塩カラムなどでDTTを除去することで、簡単に 得ることができる。(詳細な製造法は、同日 の特許出願明細書中に記載した。)遊離SH基 形成させる程度の還元法であればどのよう ものであっても良い。
 H鎖及びL鎖をコードするcDNAを用いた遺伝子 換え手法により、本発明における組換え抗 ータリン還元抗体を製造することができる

(5)キメラ抗体、CDR抗体
 本発明の抗モータリン抗体には、キメラ抗 及びヒト化抗体を包含するが、これらは以 の常法により製造される。すなわち、本発 で得られた細胞内内在化の機能がある抗モ タリン抗体由来の可変領域をコードするDNA 、ヒト由来の抗体の定常領域をコードするD NAと結合して、通常の組換え手法で発現させ ことによりキメラ抗体を作製するか、同CDR1 ~3領域をコードするDNAを用いて、(非特許文献 18)の手法に従い、ヒト由来抗体のフレームワ ーク領域及び定常領域をコードするDNAにつな いで発現させてCDR抗体(ヒト化抗体)を作製す ことができる。

(6)エピトープ
 本発明において、「エピトープ」とは、モ タリンの全アミノ酸配列中の、細胞内在化 を有するモータリン抗体、もしくは細胞内 化能を有さないモータリン抗体が認識する ミノ酸配列に対応する領域をいう。すなわ 、細胞内在化能を有する抗体のエピトープ 、上記細胞内在化能抗体のパラトープに相 する各CDRのいずれか、もしくはそのすべて 結合する。具体的には、細胞内在化機能を する抗モータリン抗体のL鎖可変領域のCDR1 配列である「KSSQSLLDSDGKTYLN(配列番号1)」、同C DR2の配列である「LVSKLDS(配列番号2)」もしく 同CDR3の配列である「WQGTHFPRT(配列番号3)」、 CDR1の配列である「RASQEISGYLS(配列番号6)」、 CDR2の配列である「AASTLDS(配列番号7)」、同CD R3の配列である「LQYASYPPT(配列番号8)」、同H鎖 可変領域のCDR1の配列である「SYWMH(配列番号14 )」、同CDR2の配列である「EIDPSDSYTKYNQKFKG(配列 号15)」もしくは「EIDPSDSYTDYNQNFKG(配列番号18) 、同CDR3の配列である「GDY(配列番号16)」か 選ばれる1つ以上の配列と結合する。
 一方、細胞内在化能を有さない抗体のエピ ープは、細胞非内在化抗体のパラトープに 当する各CDRのいずれか、もしくはそのすべ と結合する。具体的には、細胞内在化機能 有さない組換え抗モータリン抗体のL鎖可変 領域のCDR1の配列である「RSSKSLLYSNGITYLY(配列番 号10)」、同CDR2の配列である「QMSNLAS(配列番号 11)」、同CDR3の配列である「AQNLELPWT(配列番号1 2)」、同H鎖可変領域のCDR1の配列である「SYWMH (配列番号25)」、同CDR2の配列である「EINPSNGRTN YNEKFKS(配列番号26)」及びCDR3の配列が「SRYYGSCYF DY(配列番号27)」から選ばれる1つ以上の配列 結合する。
 本発明の細胞内在化能を有するモータリン 体が認識するエピトープは、モータリンの ミノ酸配列中の、ヒト及びマウスモータリ 2共通のアミノ酸配列(配列番号56)における38 1~410位に相当する領域に存在する連続した、 しくは非連続の5~8アミノ酸残基からなると 定される。典型的には、配列番号55又は62の アミノ酸配列中の連続した8アミノ酸配列、 ましくは連続した10アミノ酸配列、より好ま しくは15アミノ酸配列、最も好ましくは20ア ノ酸配列を含むアミノ酸配列である。
 モータリン2は、生物種を越えてきわめて保 存性が高い。たとえば、ヒト及びマウスでの アミノ酸配列の相同性は、BLAST法によると97.9 %である(図13)。したがって、本明細書では、 型的なマウス由来及びヒト由来配列を示す 、これら配列には限られない。他の生物種 モータリン2の細胞内在化能を有するモータ リン抗体が認識するエピトープ領域も、モー タリン2アミノ酸配列の対応する381~410位に相 する領域中に存在する。

 そこで、上記配列番号56に示される381~410位 含む348~450位に対してエピトープマッピング 法を適用し、内在化抗体に特異的な結合配列 である配列番号67~76に示されるペプチド領域 決定し、共通配列として6アミノ酸配列「LFG RAP(配列番号66)」を、エピトープ配列として 定した。他にも内在化抗体特異的な結合配 が決定できた(配列番号77~82)ので、これらの 配列を含むペプチドを用いることで、細胞 在化機能を有する抗体、又は抗体の機能的 片のスクリーニングが可能となり、また、 疫原として用いて、内在化機能のさらに優 たペプチド抗体を作製できる。
 また、当該エピトープ配列を含むアミノ酸 列をコードするヌクレオチド配列、たとえ 、配列番号60又は65の部分配列からなり、配 列番号66を含むペプチドをコードする核酸を む発現ベクターを用いて癌細胞表面に当該 ピトープを大量に発現させることにより、 リバリーの際の標的領域となり得る。たと ば、細胞内在化能を有するモータリン抗体 癌細胞表面に結合させ、かつ、癌細胞内に 該モータリン抗体を内在化させるのを補助 ることができる。すなわち、当該発現ベク ーは、モータリン抗体及びそれに結合させ 抗癌剤、検査用の薬剤を癌細胞内への輸送 進剤、または内在化促進剤として用いるこ ができる。さらに、被検抗モータリン抗体 含む試料(血液、体液、細胞培養液など)を 当該エピトープを含む合成ペプチドと基板 で、もしくは溶液中で反応させるか、又は 該エピトープ発現細胞と接触させることで 当該抗モータリン抗体に癌細胞への内在化 能があるか否かを検出することができるか 、より高い内在化機能を有する抗モータリ 抗体又はその機能的断片をスクリーニング ることができる。

2.癌細胞への内在化機能を有する抗モータリ 抗体を用いた核酸キャリア及び薬剤キャリ について
 本発明の細胞内在化機能を有する抗モータ ン抗体は、癌細胞表面に特異的に存在する ータリンを認識し、当該モータリンを介し 癌細胞内に移行する。本発明における抗モ タリン抗体を用いたキャリアが細胞内に核 を輸送することができる癌細胞としては、 常の癌細胞であればすべて対象となる。た えば、骨癌細胞、乳癌細胞、繊維肉腫細胞 子宮頸癌細胞、肺癌細胞、神経グリア芽腫 胞、尿路上皮癌細胞、肝臓癌細胞、ヒト胎 性癌細胞などを挙げることができるが、こ らには限られない。
 本発明の下記参考例4及び5において、上記 細胞のうち典型的な癌細胞を用い、細胞内 化機能を有するモータリン抗体が、いずれ 癌細胞であっても内在化する能力があるこ を確認した。

 本発明参考例の核酸キャリアにおいては、 胞内在性モータリン抗体に結合させるカチ ン性ポリマーとして、ポリエチレンイミン( PEI、たとえばAldrich社製など)、ポリL-リシン(P LL)、ポリリジン、リポソームなど正(+)の荷電 を有する公知の核酸キャリア用のカチオン性 ポリマーを用いることができ、直接もしくは 公知のクロスリンカー剤を介して抗体と結合 することができる。
 その際に、結合させるクロスリンカー剤と てはどのようなリンカー剤も適宜用いるこ ができ、各種のクロスリンカー剤がDojindo社 、Pierce社等から市販されているが、本発明の 参考例ではN-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimide (EMCS; Dojindo社製)を用いた。

 本発明の参考例において、核酸キャリア 共に分子複合体を形成させて癌細胞内に特 的に導入して機能させることができる目的 核酸としては、たとえば癌細胞に対して抗 作用を及ぼす核酸や癌細胞を検出、同定す ための核酸を用いることができる。DNAであ 場合、癌細胞内でそれ自身又は発現産物が 胞をアポトーシスに導くDNA、アンチセンスD NA、細胞毒性を有する発現産物(IFN、TNF、各種 サイトカイン、酵素など)をコードするDNAな DNA自体が抗癌活性を有する場合及びDNAの発 産物が抗癌活性を有する場合のいずれであ てもよい。同様に、癌細胞の同定、検出の めに用いることのできるルシフェラーゼ遺 子などレポーター遺伝子、又は標識されたDN Aを用いることができるが、これらを、抗癌 用を示す核酸と同時に用いることで抗癌剤 果をリアルタイムでモニタリングができる そして、これらDNAを直接又は組換えDNAとし 用いるか、又は公知のウイルス、発現プラ ミドなどの組換えベクターに組み込んで用 る。また、mRNA、siRNA、リボザイムのようなRN Aを用いることもできる。

 本参考例では、モデル的な態様として、カ オン性ポリマーのうちで典型的なポリエチ ンイミン(PEI)を市販のクロスリンカー剤を いて抗モータリン抗体(i-mot Ab)に結合するこ とにより、核酸導入キャリア(PEI-imot Ab)を合 した。
 そして、PEI-imot Abとplasmid DNAによる複合体 、細胞とともに培養したところ、抗モータ ン抗体依存的にplasmid DNAを細胞内に導入す ことに成功し、plasmid
DNA内にモデル系として導入したルシフェラー ゼ遺伝子の発現を確認した。
 今回はモデル系としてルシフェラーゼをコ ドするプラスミドDNAと複合体を形成させた 、DNAやRNAを含む様々な核酸をポリエチレン ミンーモータリン抗体コンジュゲートによ 細胞に導入可能であることは当然である。 た、このように細胞内在化機能を有する抗 ータリン抗体は、核酸キャリアとして用い れるだけではなく、抗癌剤など各種の公知 療用薬剤、検出用薬剤などと結合させるこ で癌細胞内への薬剤キャリアとして用いる とができる。
 抗癌剤として用いる場合は、常法にしたが て製剤化することができ(Remington's Pharmaceuti cal Science, latest edition, Mark Publishing Company, Easton, 米国)、医薬的に許容される担体や添 物を共に含むものであってもよく、通常非 口投与経路で、例えば注射剤(皮下注、静注 、筋注、腹腔内注など)、経皮、経粘膜、経 、経肺などで投与されるが、経口投与も可 である。(特許文献1等参照。)
 また、本発明の製剤中に含まれる細胞内在 機能を有する抗モータリン抗体に結合され 核酸物質などの量は、治療すべき疾患の種 、疾患の重症度、患者の年齢などに応じて 定できる。

3.本発明における実験方法
 以下、本発明の実施例に則した具体的な実 態様について述べるが、本発明はこれに限 されるものではない。
(1)可変領域の配列決定
 抗モータリン抗体を産生するハイブリドー を培養し、total RNAを抽出する。得られたRNA をテンプレートに、5’CDS primerを用いて1回 の1st strand cDNA合成を行う。
 次いで、1st strand cDNAをテンプレートとし 、Advantage 2 PCR Kit(Clontech製、cat.No.K1910-y)を 用して、タッチダウンPCRを行う。
 その際に、用いる遺伝子特異的Primerは、そ ぞれH鎖、L鎖の定常領域の5’側に設定し、 体のサブタイプにより選択する。Primerの配 を以下に示す。
    ・H鎖
       MHC-IgG1     GGGCCAGTGGATAGACAGATG
       MHC-IgG2a    CAGGGGCCAGTGGATAGACCGATG
       MHC-IgG2b    CAGGGGCCAGTGGATAGACTGATG
       MHC-IgG3     CAGGGACCAAGGGATAGACAG
    ・L鎖
       MLC-kappa    GCTCACTGGATGGTGGGAAGATG
 得られたRACE産物をアガロースゲル電気泳動 し、目的のバンドを切り出しゲル抽出(QIAGEN )する。クローニング効率を上げるためには 適宜pGEM-T Easyベクター(Promega製)を用いてTA ローニングしてもよい。
 コロニーPCRにより目的の遺伝子が挿入され クローンを選択する。なお、1つの配列を決 定するのに6つ以上のクローンについてDNA調 を行う。Vector primerでsequencingし、ハイブリ ーマ由来のpseudo配列や、途中に終止コドン 含むような配列を除き、PCR errorに注意しな ら、同様の配列をもったクローンを4つ以上 選び正しい配列として決定する。

(2)モータリンに対するscFvとその発現プラス ドベクターの構築
 モータリンに対するモノクローナル抗体を 生するハイブリドーマから得た抗体のcDNAを 用いて、一本鎖抗体(scFv)の遺伝子を構築し、 PelB配列を持つ大腸菌発現用プラスミドベク ーpET-27b(+)にscFvの遺伝子をクローニングする 。(図3)具体的には、まずVLの遺伝子をPrimer1、 Primer2プライマーセットで、VHの遺伝子をPrimer 3、Primer4のプライマーセットで増幅させる。 こで、Primer2にはVLとVHを連結させるポリペ チドの配列が含まれており、さらにそれぞ の増幅産物はVLのC末端側とVHのN末端側が相 配列を持つようにデザインされており、Prime r4にはFLAGタグをコードした塩基配列が挿入さ れ、VHのC末端側にエンテロキナーゼ認識を挟 んでFLAGタグが付加される。それぞれのPCR産 をさらにPrimer1とPrimer4のプライマーセットで PCRを行うことで全長のscFvの遺伝子を作製し このDNA断片をpET-27b(+)プラスミドベクター(Nov agen製)にクローニングした(pET27-mot)。
 pET27-motで大腸菌を形質転換して培養しIPTGに より発現誘導し、菌体から浸透圧ショック法 によりペリプラズム画分のタンパク質を抽出 し、精製してモータリンscFvを得る。

(3)ELISAによるモータリンscFvの機能検証
 ELISAにより精製したscFvが抗原であるモータ ンに結合するかを検証し、scFvの基としたモ ノクローナル抗体との解離定数を比較する。

(4)エピトープマッピング
 全長モータリンおよびモータリンの欠失変 体タンパク質の配列を大腸菌で発現させ、 製してBIACOREおよびELISAの実験に用いる。
 各タンパク質と細胞内在能を有する抗モー リン抗体及び細胞内在能を有さない抗モー リン抗体との結合の強さをBIACORE(表面プラ モン共鳴(SPR)を利用した分子間の相互作用測 定方法)で測定する。
 次いで、ELISAにより各タンパク質と抗モー リン抗体との結合度を測定し、BIACOREの結果 あわせて、細胞内在化能を有するもしくは 胞内在化能を有さない抗モータリン抗体の ラトープにより認識されるモータリン配列 のエピトープの位置及びエピトープ配列を 定する。

(5)ウェスタンブロッティングによるscFvを用 たモータリンの検出
 モータリンを特異的に認識することができ scFvは、特異的抗体を用いた一般的な分子生 物学的手法に応用できる可能性がある。大量 にかつ簡便に大腸菌で発現、精製したモータ リンに対するscFvが、免疫学的応用としてウ スタンブロッティングの特異的プローブと て利用できるかを検討する。

(6)scFvを用いたモータリンの免疫沈降実験へ 応用可能性の検討
 モータリンを特異的に認識することができ scFvは、特異的抗体を用いた一般的な分子生 物学的手法に応用できる可能性がある。大量 にかつ簡便に大腸菌で発現、精製したモータ リンに対するscFvが、免疫学的応用として免 沈降実験の特異的抗原結合タンパク質とし 利用できるかを検討する。

 本発明を以下の実施例でさらに詳しく説明 るが、本発明はこれに限定されない。
 なお、本発明で用いた細胞内在化機能を有 る抗モータリンモノクローナル抗体(37-1、37 -6、38-5、71-1、96-5)は、ハイブリドーマ(37番、 38番、71番、96番)から得られ、いずれも特許 献1に記載されている。細胞内に内在化しな 抗モータリンモノクローナル抗体(52-3)を産 するクローン(52番)も同様に特許文献1に記 されている。なお、最も細胞内内在化効率 高い抗モータリン2モノクローナル抗体を産 するクローン(37-6)は、独立行政法人産業技 総合研究所特許生物寄託センターに寄託さ ている。(受託番号:FERM ABP-10408、寄託日:平 17年8月23日)

(実施例1)可変領域の配列決定:
1.1.Total RNAの単離
 抗モータリン抗体のうち、癌細胞への内在 機能を有するモノクローナル抗体(37-1,37-6、 38-5、96-5及び71-1)を産生するハイブリドーマ びに内在化機能を有さないモノクローナル 体を産生するハイブリドーマを、それぞれ1X 106 cells/mL以下の細胞濃度で約10mL培養し、細 を回収後、RNA抽出まで-20℃で保存した。氷 で細胞を融解し、RNeasy Mini kit (QIAGEN製、ca t.No.74104)を使用してRNA抽出を行いtotal RNAをそ れぞれに調製した。

1.2.1st strand cDNA合成
 SMART RACE cDNA Amplification(Clontech製、cat.No.6349 14)を使用して、1.で得られたRNA 1ugをtemplateに 、5’CDS primerを用いて1st strand cDNA合成を行 た。

1.3.5’-RACE
 SMART RACE cDNA Amplificationに含まれている、Ad vantage 2 PCR Kit(Clontech製、cat.No.K1910-y)を使用 て、2.で得られた1st strand cDNA 2.5uLをtemplate に、タッチダウンPCRを行った。用いた遺伝子 特異的Primerは、それぞれH鎖、L鎖の定常領域 5’側に設定し、抗体のサブタイプにより選 択する。Primerの配列を以下に示す。
    ・H鎖
       MHC-IgG1    GGGCCAGTGGATAGACAGATG
       MHC-IgG2a    CAGGGGCCAGTGGATAGACCGATG
       MHC-IgG2b    CAGGGGCCAGTGGATAGACTGATG
       MHC-IgG3    CAGGGACCAAGGGATAGACAG
    ・L鎖
       MLC-kappa    GCTCACTGGATGGTGGGAAGATG

1.4.RACE産物のcloning
 RACE産物をアガロースゲル電気泳動し、目的 のバンドを切り出しゲル抽出し(QIAGEN製、)、p GEM-T Easy Vector(Promega製、cat.No.A1360)につない TA cloningを行った。

1.5.Sequencing
 vector primerでcolony PCRし、目的の遺伝子が挿 入されたクローンを選択し、1つの配列を決 するのに6つ以上のクローンについてDNA調製 行った。Vector primerでsequencingし、ハイブリ ーマ由来のpseudo配列や、途中に終止コドン 含むような配列を除き、PCR errorに注意しな がら、同様の配列をもったクローンを4つ以 選び正しい配列として決定した。これらの 程をそれぞれに適用して各々のL鎖及びH鎖の 可変領域アミノ酸配列を図1に並べて示す。
 図1のL鎖可変領域の配列比較図を見ると、 胞内在性能を有する抗体の可変領域は4種類 もほぼ同一配列を有しており、特にモータ ンとの結合に関与するCDRは完全に一致して る。一方、細胞内への内在化能を有さない 体の可変領域と比較すると、FR3領域及びFR4 域には相違箇所がないが、シグナルペプチ 領域、FR1領域と共に、各CDR領域は大幅に相 している。
 いずれにしても可変領域全体として、細胞 内在化能を有するか否かによりアミノ酸配 の相違が大きいことを見出したことから、L 鎖可変領域と、H鎖可変領域を保持していれ (たとえば、両者を適切な長さのリンカー領 で結んだ一本鎖抗体(scFv)の場合など)、もと の抗モータリンモノクローナル抗体の全長と 同様の活性を保持することが十分に期待でき る。CDR配列も、それぞれに特有の配列を有し ているから、これらCDRにより形成されるパラ トープが認識するエピトープ配列が異なって いる可能性も高いと考えられた。

(実施例2)モータリンに対するscFvとその発現 ラスミドベクターの構築:
2.1.ベクターデザイン
 モータリンに対するモノクローナル抗体37-1 を産生するハイブリドーマから得た抗体のcDN Aを用いて、一本鎖抗体(single chain Fv, scFv)の 遺伝子を構築した。scFvは抗体の重鎖および 鎖可変部領域(VHおよびVL)を適当なペプチド ンカーで連結させたもので、大腸菌による 現、精製が可能である。翻訳させたタンパ 質を大腸菌のペリプラズム領域に輸送する グナル配列であるPelB配列を持つ、組み換え ンパク質発現用プラスミドベクターであるp ET-27b(+)にscFvの遺伝子をクローニングした。 ず、VLの遺伝子をPrimer1、Primer2プライマーセ トで、VHの遺伝子をPrimer3、Primer4のプライマ ーセットで増幅させる。Primer2にはVLとVHを連 させるポリペプチドの配列が含まれており さらにそれぞれの増幅産物はVLのC末端側とV HのN末端側が相同配列を持つようにデザイン れている。ポリペプチドリンカーの配列はL uginbuhlらの用いた非反復配列からなるリンカ 配列を用いている(非特許文献17)。また、Pri mer4にはFLAGタグをコードした塩基配列が挿入 れており、VHのC末端側にエンテロキナーゼ 識を挟んでFLAGタグが付加される。(図4参照 用いられた具体的なVH及びVLのアミノ酸配列 は図5に示されている。)
 それぞれのPCR産物を精製後、分子数が1対1 なるように混合し、さらにPrimer1とPrimer4のプ ライマーセットでPCRを行うことで全長のscFv 遺伝子を作製した。このDNA断片をNcoIとNheIに よりpET-27b(+)プラスミドベクター(Novagen)にク ーニングし、モータリンに対するscFvを発現 せるタンパク質発現プラスミド、pET27-motを 製した。(図3参照)

2.2.scFvの発現と精製
 pET27-motを大腸菌株BL21 (DE3)に形質転換し、 ングルクローンをLB培地により濁度が0.4程度 になるまで培養する。IPTGを1 mMに成るように 添加し27℃にて12時間培養する。その後、6000 gにて菌体を遠心回収し浸透圧ショック法に りペリプラズム画分のタンパク質を抽出す (非特許文献19)。50 mLの培養液から回収した 菌体を30 mM TrisHCl (pH 8.0)、20 %スクロース 液30 mLに完全に懸濁した後、0.5 M EDTAを60 m L加えマグネットスターラーで10分間穏やかに 攪拌する。4℃、6000 gで10分間遠心し上清を き、氷冷した5 mM MgSO4 30 mLにペレットを完 全に懸濁させ氷中で緩やかに10分間攪拌する 4℃、6000 gで10分間遠心し、上清を回収する 。1.5 mLの500 mMリン酸バッファー(pH 8)を加え た上でTalon(Clontech)を用いたタンパク質精製を 行った。30 mLの溶液に対して200 mlのTalonを加 え、4℃において一晩振とうさせた後、20 mM ミダゾール/PBSにて洗浄した。溶出は1 Mイミ ダゾール/PBSを用いた。得られた精製scFvの純 を確認するためにSDS-PAGEにより展開後、ク シーブルー染色によりタンパク質を検出し ところ、目的のscFvのバンドのみが精製され いることが確認された。(図6参照)

2.3.ELISAによるモータリンscFvの機能検証
 ELISAにより精製したscFvが抗原であるモータ ンに結合するかを検証した。ELISA用プレー にモータリンを100 ngずつ加え室温で2時間放 置しプレートに物理吸着させる。洗浄バッフ ァー(PBS/0.2 % TritonX100)で1回洗浄し、ブロッ ングバッファー(2 % BSA, PBS)で2時間、室温 放置する。洗浄バッファーで1回洗浄後、ブ ッキングバッファーに希釈したscFvを加え4 で一晩放置した。洗浄バッファーで3回洗浄 、抗FLAG抗体(Sigma)をブロッキングバッファ で500倍希釈した溶液を加え、室温で1時間放 し洗浄バッファーで3回洗浄する。同様に100 0倍希釈したアルカリフォスファターゼ修飾 マウス抗体(PIERCE)を加え、室温で1時間放置 、洗浄バッファーで5回洗浄する。その後、P NPP(PIERCE)を加え室温で30分間放置し、プレー リーダーを用いて405 nMの発色反応を測定し 。同時にモータリンをコートしていないプ ートに対するscFvの非特異的結合も測定し、 それを差し引くことでscFvのモータリンに対 る結合を見積もった。
 その結果、scFvは約10 nM程度の解離定数でモ ータリンに結合することが分かった。また、 scFvの基としたモノクローナル抗体37-1を用い 同様のELISAを行ったところ(抗FLAG抗体の代わ りにモノクローナル抗体37-1を用いる)、これ 約0.1 nMの解離定数を持つことが分かった。

(実施例3)エピトープマッピング:
3.1.全長モータリンおよびモータリンの欠失 異体タンパク質の発現と精製
 Hisタグを付加した全長モータリンはpQE30プ スミドベクター(QIAGEN)のマルチクローニング サイトBamHIとSalIサイトにモータリンの配列を クローニングし、大腸菌により発現させた。 pQE30プラスミドベクターはクローニングした ンパク質のN末端にHisタグが付加したタンパ ク質を発現し、Ni-NTAアガロースゲルにより簡 便に精製することが出来る。pQE30/full-length mo rtalinおよびFig8-10に示した様々な欠失変異体 ータリンのプラスミドベクターpQE30del-motは 腸菌M15に形質転換した。シングルコロニー LB培地を用いて37度で培養し、600nmにおける 光度が0.4程度のときにIPTG(isopropyl-1-thio-β-D-ga lactopyranoside)を1mMになるように添加した。さ に37度で5時間培養した後、菌体を回収した ぺレットを緩衝液A (100mM NaH2PO4, 10mM Tris-Hcl (pH8.0), 8M Urea, 20mM β-メルカプトエタノール 、1% TritonX-100)に懸濁し、室温で1時間回転攪 をおこなった。その後、4℃、15000rpmで30分 心し、上清のみを別のチューブにうつしてNi -NTAアガロース(SIGMA)を加え、室温で1時間回転 攪拌をおこなった。その後、Ni-NTAアガロース を緩衝液B (100mM NaH2PO4, 10mM Tris-Hcl(pH6.5), 8M Urea, 20mM β-メルカプトエタノール)で洗浄し 、緩衝液C(100mM NaH2PO4, 10mM Tris-Hcl(pH5.9), 8M U rea )、緩衝液D(100mM NaH2PO4, 10mM Tris-Hcl(pH4.5), 8M Urea)で段階的に目的タンパク質を溶出し 。溶出したタンパク質は透析膜(3,500MW Piarce) を用いて、PBSで一晩透析を行い、BIACOREおよ ELISAの実験に用いた.

3.2.Biacore analysis
 各タンパク質と抗モータリン抗体との結合 BIACORE2000および付属ソフトを用いて検証を こなった。全長モータリンおよびモータリ の欠失変異体はHisタグを有しているため、NT Aが固定化されたBIACORE用センサーチップに結 する.各タンパク質を200nMとなるようにラン ングバッファー(0.01M HEPES, 0.15M NaCl, 50μM  EDTA, 0.005% Surfactant P20, pH7.4)を用いて調整し 、20μLを2μL/minでセンサーチップに固定化し .その後、抗モータリン抗体(38-4, 52-3, 96-5) ランニングバッファーを用いて400nMとなるよ うに調整して、センサーチップに40μLを20μL/m inで流入し、相互作用を検出した.Kd値の測定 は段階的に希釈した抗モータリン抗体溶液( 500nM,250nM,125nM,62.5nM,31.25nM)を用いて相互作用を 検出し、Kd値の算出にもちいた。(図8)

3.3.ELISAによる抗モータリン抗体のエピトープ マッピング
 ELISAにより精製したモータリンの欠失変異 タンパク質が抗モータリン抗体に結合する を検証した。ELISA用プレートにモータリンの 欠失変異体タンパク質を100ngずつ加え室温で2 時間放置しプレートに物理吸着させる。洗浄 バッファー(PBS/0.2 % TritonX100)で1回洗浄し、 ロッキングバッファー(2 % BSA, PBS)で2時間 室温で放置する。洗浄バッファーで1回洗浄 、ブロッキングバッファーに1000倍希釈した 抗モータリン抗体 (38-4, 52-3, 96-5)を加え4℃ 一晩放置した。洗浄バッファーで3回洗浄後 、1000倍希釈したアルカリフォスファターゼ 飾抗マウス抗体(PIERCE)を加え、室温で1時間 置後、洗浄バッファーで5回洗浄する。その 、PNPP(PIERCE)を加え室温で30分間放置し、プ ートリーダーを用いて405 nMの発色反応を測 した。同時にモータリンの欠失タンパク質 吸着していないプレートに対する抗モータ ン抗体の非特異的結合も測定し、それをネ ティブコントロールとして差し引いた。(図 9)

 上記3.1~3.3のBIACOA及びELISAの結果を総合的に 断すると、細胞内在化能を有する38-4抗体及 び96-5抗体のエピトープはモータリンのアミ 酸残基310-410の範囲にあり、細胞内在化能を さない52-3抗体のエピトープはアミノ酸残基 403-435の範囲にあると推測される。
 そして、このことは、細胞内在化能を有す 抗体と有さない抗体とが、それぞれモータ ンの全長における別のエピトープ領域を認 することであり、特に細胞内在化能を有す モータリン抗体の場合は、癌細胞表面に存 するモータリンのエピトープを介して癌細 内に内在化することを示すものである。す わち、当該エピトープをコードする核酸を む発現ベクターを用いて癌細胞表面に当該 ピトープを大量に発現させることにより、 細胞内に、モータリン抗体及びそれに結合 せた抗癌剤、検査用の薬剤を輸送するのを 進させることができる。

(実施例4)さらなるELISA解析
 そこで、特に細胞内在化能を有する抗体が 識するモータリン中のエピトープ配列が含 れる領域をさらに絞り込むために、モータ ンのアミノ酸配列310-410位を3つに分けて、38 -4抗体(内在化抗体)と52-3抗体(非内在化抗体) を用いたELISA解析を行った。実験手順は、3.3 記載と同様に行った。
 その結果、本発明の細胞内在化能を有する ータリン抗体が認識するエピトープは、モ タリンのアミノ酸配列中の、ヒト及びマウ モータリン2共通のアミノ酸配列における381 ~410位に相当する領域(配列番号56)に存在する とが推定された。

(実施例5)
 そこで、上記381~410位のアミノ酸配列(配列 号56)を含むヒトモータリン由来の348~450位の ミノ酸配列上で、15アミノ酸ずつずらした89 ペプチドを化学合成し、Tecon HS400マイクロア レイ解析ステーションを用いてエピトープマ ッピング(RepliTopeマッピング)解析を行った。( 図14)
 各マイクロアレイについてAxon Genepixスキャ ナを用いてバックグラウンド測定を行い、シ グナルが検出されないことを確認した。全マ イクロアレイをブロッキングバッファー(Pierc e, Puperblock TBS #37536)を用いて処理した。
 細胞内在化機能を有する抗モータリンモノ ローナル抗体として、抗37-6及び抗38-4の2つ 抗体を用意し、比較のために細胞内在化機 を有さない抗モータリン抗体である抗53-3を 用意した。マイクロアレイにブロッキングバ ッファーで希釈した各抗体(30μg/mL, 200μL)を せ、インキュベーションした。0.1% T20を含 TBSバッファーで3回マイクロアレイを洗浄後 蛍光標識された二次抗体(1μg/mL、anti-mouse-Dyl ight 649; Pierce #35515)をのせインキュベーショ ンした。同様に二次抗体だけでインキュベー ションしたコントロールアレイも処理し、シ グナルがでないことを確認した。
 マイクロアレイをTBSバッファーで洗浄後、 素ガスで乾燥させた。Axon Genepix 4000Bスキ ナにて、適切な波長設定およびスポット認 ソフトウェアパッケージGenepixPro 6.0を用い マイクロアレイをスキャンした。各マイク アレイイメージ上の3つのサブアレイからシ ナル強度の平均値を算出し、データ解析を った。それぞれの結果を、図15,16,17として す。
 各ペプチドのうち、内在化機能を有する抗 ータリン抗体(抗37-6及び抗38-4)との特異的な 強い結合性を示すペプチド配列が連続して存 在することが見出され(配列番号67~76)たこと ら、これら配列の共通の6アミノ酸配列の「L FGRAP(配列番号66)」が連続エピトープであるこ とを確認した(図18)。他にも内在化抗体特異 な結合配列が決定できた(配列番号77~82)。
 「LFGRAP(配列番号66)」をBlast検索をしたとこ 、モータリン以外にはヒットしない。この とからも、当該配列はモータリンのみに存 する特異的配列であることが立証された。

(実施例6)ウェスタンブロッティングによるscF vを用いたモータリンの検出(図10)
 NP40 lysis buffer (50 mM HEPES, pH 7.5, 150 mM N aCl, 100 mM NaF, 1 mM PMSF, 0.5% triton-X100, 0.5% NP-40, 1 mM DTT、protease inhibitors cocktail, Roche ) により細胞抽出液を調整し13000 rpm 、4 0 Cで10分間遠心したのち、上澄を分離する。Bra dford アッセイによりタンパク質濃度を測定 10 ug のタンパク質をSDSサンプルバッファー と混合し96℃で5分間変性させ、SDS-PAGEを行う Immobilon-Pメンブレン (Millipore)にセミドライ ロッティング装置(Atto, Japan)を用いてタン ク質をトランスファーさせる。5% skim milk  懸濁させたTBS-Tバッファーで30分間ブロッキ ングした後scFV (5-10 ug/ml) を加え4℃で一晩 置する。その後、TBS-Tバッファーで洗浄を行 った後polyclonal anti-His 抗体を加え室温で1時 放置し、TBS-Tバッファーで洗浄する。同様 HRP-conjugated secondary anti-rabbit 抗体を加え30 間室温放置した後、TBS-Tバッファーで3回洗 、TBSバッファーで1回洗浄を行ったあと、ECL (Amersham Biosciences) 試薬を用いた発光検出法 よりLumino Image Analyzer (LAS3000-mini, FujiFilm) てバンドを検出した。その結果、モータリ のバンドを特異的に検出することが可能で った。

(実施例7)免疫沈降によるモータリンの検出( 11)
 上記の方法で細胞抽出液を調整した後、300 ugの細胞タンパク質と10ugのscFvを混合し4℃で 3~4時間放置した。その後、anti-His polyclonal抗 を加え、4 o Cで一晩放置した。 for overnight. Immunocomplexes were pelleted after incubation with Protein A-アガ ースと混合した後、30分間4℃でゆっくり転 攪拌した。10, 000 g で2分間遠心し、タン ク質複合体を沈殿させた後、ペレットをNP40 ッファーで洗浄した。その後、沈殿させた ンパク質をanti-mortalin 抗体を用いたウェス ンブロッティングにて検出した。その結果 scFvは細胞溶液中でもモータリンと結合し、 複合体を形成したまま沈降精製が可能である ことが分かった。
 これらの結果から見て、パラトープ解析の 果から新たに設計したscFvがモータリンタン パク質に結合することが証明された。
 そして、このことは、細胞内在化能を有す 抗体と有さない抗体とで、それぞれの抗体 変領域中の主にCDRが形成するパラトープが 癌細胞表面に存在するモータリンの異なる 置のエピトープを認識することを示すもの あり、上述のように細胞内在化能を有する 体と有さない抗体とでは、それぞれに特有 CDR配列を有していることを考え合わせれば これらのCDR配列が、抗モータリン抗体の癌 胞内への内在化能にきわめて重要な役割を していることが強く示唆される。

 (参考例1) ポリエチレンイミンー抗モータリ ン抗体(PEI-imot Ab conjugate)の合成(図19)
S1.1 ポリエチレンイミンの活性化
 0.5mgのポリエチレンイミン(2mg/mLとなるよう PBSに溶解)に、ジメチルスルフオキサイド(DM SO)に溶解した0.2mgのクロスリンカー剤(EMCS)を え、25 o Cで回転撹拌しながら1時間反応させた。未反 のクロスリンカーを除くため、10-k Da排除 ラム(VIVASPIN 10KMW,Sartrius)を用いて精製を行っ た。

S1.2. 抗体の還元
 内在化機能を有する抗モータリン抗体(Anti  mortalin antibody #37-6;i-mot Ab、なお詳細につい は、参考例6に記載。以下、参考例中では、 単に抗モータリン抗体ともいう。)を用い、 該抗体1mgに対し、終濃度20mMとなるようにジ オスレイトール(DTT)を添加し、室温で30分反 応させた。脱塩カラム(PD-10, GE Healthcare)でDTT を除去する。抗体の回収は50mM MOPS,2mM EDTA,pH6 .0のバッファーで行った。

S1.3. ポリエチレンイミンと還元化抗体の結
 クロスリンカー(EMCS)で活性化されたポリエ レンイミンを還元した抗体に加え、25 o Cで回転撹拌しながら1時間反応させた。精製 カチオン交換カラム(HiTrap SP HP,GE Healthcare) を用いて行った後、さらに100-kDa排除カラム(M icrocon YM-100,Millipore)により精製し、0.1M MOPS,15 0mM NaCl,pH7.4で回収した。

(参考例2) 合成したPEI-imotAb conjugateとプラス ミドDNAによるポリプレックス形成
 合成したPEI-imot AbがDNAと相互作用し、ポリ レックスを形成することをゲルリターデー ョンアッセイにより確認した(図20)。N/P比が 0,1,2,5,7.5,10となるようにPEI-imotAbとプラスミド DNAとを混合し、室温で30分放置した後、0.8%ア ガロースゲル電気泳動を行った。N/P比2以上 は、完全にPEI-imotAbとプラスミドDNAが相互作 していることがわかった。

(参考例3) PEI-imotAb conjugateによるプラスミド DNAの導入
 DsRed2もしくはRenilla luciferaseをコードするpla smid DNA1μgにDMEMを95μL加え、ピペッティング よりよく混合した。N/P比7.5となるようにPEI-i motAb conjugateを加えた。(ポリエチレンイミン 0.5mg/mLとなるように調整し、DNA1μgに対し、4 .05μL加える。)ピペッティングにより、よく 合した後、室温で30分放置した。
 トランスフェクションの24時間前に、2x10 5 cells/wellとなるように12well plateにU2OS細胞(モ タリン高発現株)をまく。トランスフェクシ ンの直前に新しい培地に換え、PEI-imot Ab/DNA  複合体を添加する。2時間、37 o Cで培養した後、新しい培地に交換し、さら 48時間37 o Cで培養した。
 48時間後、蛍光顕微鏡でDsRed2の蛍光を観察 た(図21)。またRenilla luciferaseをトランスフェ クションした細胞はLuciferase assay kit(Promega) より遺伝子導入および発現効率の測定を行 た(図22)。Luciferase activityはluminometer(Lumat LB95 01)によりRLU(relative light unit/second)を測定した 。RLUをProtein assay kit(Bio-Rad)により得られた ンパク質量で補正し、Normalized luciferase activ ityとして、遺伝子導入および発現の効率を表 している。コントロールとしてポリエチレン イミンにクロスリンカーを結合したPEI-EMCS、 よび牛の血清より回収した牛のIgGを結合し PEI-control Ab conjugateを用いた。PEI-imot Ab/DNA polyplexによる遺伝子導入およびその発現効率 はコントロールであるPEI-EMCS/DNA polyplexより きく増加している。さらにコントロールで る牛の抗体を結合したconjugateの場合にはそ ような上昇が見られないことから、抗モー リン抗体依存的に遺伝子導入、発現効率が 昇しているといえる。

(参考例4) 癌細胞特異的遺伝子導入
 さらにPEI-imot Ab/DNA polyplexを通常のU2OS細胞 とモータリンを過剰発現しているU2OS mot  胞株にトランスフェクションした。PEI-EMCS/DN Apoleplexの場合、U2OS細胞株とU2OS mot細胞株で 伝子導入効率に差はなかったが、PEI-imot Ab/D NA polyplexの場合、モータリンの過剰発現株の ほうが遺伝子導入効率が上昇した(図23)。こ 結果は遺伝子導入が抗モータリン抗体依存 におこっていることを強く示唆している。
 また抗モータリン抗体は癌細胞特異的に内 化することから、癌細胞(U2OS,HeLa,SKBR3)およ 正常細胞(TIG-1)を用いてPEI-imot Ab/DNA polyplex よる遺伝子導入を行った。正常細胞ではコ トロールであるPEI-EMCS/DNA polyplexと比較して 等の遺伝子導入効率であったが、癌細胞で いずれの細胞株においてもPEI-imot Ab/DNA poly plexを用いた場合、遺伝子の導入、発現効率 上昇した(図24)。

(参考例5) 種々の癌細胞における抗モータリ ン抗体の細胞内在化
 本発明の抗モータリン抗体による細胞内在 が、どのような癌細胞でも起こることを確 するため、抗モータリンポリクローナル抗 を用いて、典型的な癌細胞である、骨癌細 (U2OS,Saos-2)、乳癌細胞(MCF7,SKBR3,T47D)、繊維肉 細胞細胞(HT1080)、子宮頸癌細胞(HeLa)、肺癌 胞(A549)、神経グリア芽腫細胞(A172)、尿路上 癌細胞(J82)、肝臓癌細胞(HepG2)、ヒト胎児性 細胞(NEC8)に対する内在化実験を行った。
 具体的には、抗モータリンポリクローナル 体に量子ドット効果による特徴的な蛍光を するInvitrogen社のQdotをマニュアルに従って 飾した。得られたQdと抗モータリンポリクロ ーナル抗体とのコンジュゲート(Qd-i-mot Pab)を 上記の癌細胞の培養培地に添加した。24時間 培地を除去し、PBS緩衝液を用いて3回洗浄後 、methanol/acetone(1:1)溶液で固定した。固定後の 細胞を蛍光顕微鏡 (Axiovert 200M, Carl Zeiss)に り観察し、Qd-i-mot Pabの細胞内内在化の観察 を行った。
 以上の結果、いずれの癌細胞についても抗 ータリン抗体と量子ドット(Qdots)との複合体 が細胞内部に移行することが蛍光顕微鏡観察 により確認された。
 そのうちのA549(肺癌細胞)、A172(神経グリア 腫細胞)、J82(尿路上皮癌細胞)及びNEC8(ヒト胎 児性癌細胞)についての結果を図25に示す。

 本発明のパラトープは、癌細胞内又は癌細 表面でのモータリン活性を抑制する抗癌剤 して、また癌細胞内への治療用薬剤又は検 用薬剤のキャリアとして有用である。
 また、本発明のエピトープは抗モータリン 体の同定・評価方法において有用であり、 に、内在化機能を有する抗モータリン抗体 認識するエピトープについては、当該エピ ープをコードする核酸を含む発現ベクター 、モータリン抗体及びそれに結合させた抗 剤、検出用試薬などの薬剤の、癌細胞への 在化促進剤として用いることができる。