Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
PARTICLE RADIATION TREATMENT APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/150708
Kind Code:
A1
Abstract:
A respiration pattern of a patient is prepared in advance as the targeted respiration information defined at a cycle suitable for an operation cycle of a synchrotron, and then the patient is instructed about the targeted information. The patient intentionally adapts himself/herself to the information that he/she is instructed about, thereby a respiration timing of the patient becomes a state suitable for the operation of the synchrotron.

Inventors:
HARADA HISASHI (JP)
HOSHI AKIHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060553
Publication Date:
December 17, 2009
Filing Date:
June 09, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
HARADA HISASHI (JP)
HOSHI AKIHIKO (JP)
International Classes:
A61N5/10
Foreign References:
JP2003033443A2003-02-04
JP2001518330A2001-10-16
JP2007190278A2007-08-02
JP2007236760A2007-09-20
JP2007042659A2007-02-15
JP2002360543A2002-12-17
Attorney, Agent or Firm:
OIWA, Masuo et al. (JP)
Masuo Oiwa (JP)
Download PDF:
Claims:
粒子線発生装置と、患者の呼吸状態を測定するための患者呼吸測定装置と、上記患者呼吸測定装置の測定情報に基づき患者への粒子線照射を許可する呼吸同期装置と、上記呼吸同期に関する情報を患者に教示するための呼吸情報教示装置を具備し、上記粒子線発生装置の運転タイミング情報に基づいてあらかじめ周期が定められた目標呼吸情報を患者に教示し、患者が上記目標呼吸情報に意識的に呼吸状態を合わせることによって、呼吸同期の治療照射中に、あるいは治療計画用X線CTの画像取得時に、患者が上記粒子線発生装置の周期に適したタイミングで呼吸するように支援することを特徴とする粒子線治療装置。
治療照射中に患者呼吸測定装置で計測された患者呼吸状態情報を前記呼吸 情報教示装置によってリアルタイムで患者に教示し、その情報によって患者が上記目標呼吸情報で示された呼吸タイミングで呼吸するように支援することを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
治療照射中に、上記粒子線発生装置の運転に係わるタイミング情報、上記 粒子線発生装置の電磁石に通電される電流波形、及びビームが実際に出射されたときの出射ビーム信号を含む上記粒子線発生装置の運転状態情報を前記呼吸情報教示装置によってリアルタイムで患者に教示し、その情報によって患者が上記目標呼吸情報で示された呼吸タイミングで呼吸するように支援することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粒子線治療装置。
目標呼吸情報あるいは患者呼吸状態情報として、前記呼吸測定装置で計測された呼吸の振幅に係わる情報を時系列に定量化した呼吸波形の情報を前記呼吸情報教示装置に教示することを特徴とする上記請求項1または請求項2に記載の粒子線治療装置。
目標呼吸情報あるいは患者呼吸状態情報として、前記呼吸波形に基づいて作成された呼気開始、吸気開始の呼吸状態タイミング情報を、前記呼吸情報教示装置に教示することを特徴とする上記請求項1または請求項2に記載の粒子線治療装置。
目標呼吸情報あるいは患者呼吸状態情報として、前記呼吸波形に対して閾 値を定めて、その閾値に対して作成される呼吸ゲート信号を前記呼吸情報教示装置に教示することを特徴とする上記請求項1または請求項2に記載の粒子線治療装置。
前記目標呼吸情報の周期が上記粒子線発生装置の運転周期の整数倍か半整数倍とし、患者の自然呼吸周期に近い周期で、かつ患者にとって苦痛なく実現できる周期を選択することを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
前記目標呼吸情報の前記呼吸ゲート信号の時間幅がn・Tsync+Tspill( nは0を含む自然数)あるいはそれ以上となることを特徴とする請求項6に記載の粒子線治療装置。
治療計画用X線CT撮影前あるいは治療照射の前に、予め患者の呼吸を計測し呼吸の平均周期を求め、その周期から上記粒子線発生装置の運転周期に適した目標呼吸周期を設定し、目標呼吸周期の信号を患者に教示したときの時系列的な呼吸情報を目標呼吸情報とし、治療計画用X線CT撮影時あるいは治療照射中に前記呼吸情報教示装置に前記目標呼吸情報を患者に対して教示することを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
治療計画用X線CT撮影前あるいは治療照射の前に、予め患者の呼吸を計測し呼吸の時系列的な情報を周期単位で平均化し、その情報に基づいて、上記粒子線発生装置の運転周期に適した目標呼吸情報を作成し、治療計画用X線CT撮影時あるいは治療照射中に前記呼吸情報教示装置に前記目標呼吸情報を患者に対して教示することを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
前記目標呼吸情報の前記呼吸ゲート信号と上記粒子線発生装置の出射可ゲート信号の重なりが最大となるように目標呼吸情報の位相を上記粒子線発生装置の周期に対して設定したことを特徴とする請求項6に記載の粒子線治療装置。
前記目標呼吸情報を別の計算機にエクスポートすることにより、患者が 前記計算機を使って治療前に呼吸のトレーニングを行えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
Description:
粒子線治療装置

 この発明は粒子線がん治療装置等の粒子 治療装置に関するものである。

 例えば、がん治療装置等の放射線治療装 を使用するに際して、患者の生理的現象に り対象患部の位置や形状が変化することへ 対応が求められている。特に、対象患部が 部や腹部である場合には、対象患部の位置 形状の変化が、治療や診断精度の劣化につ がり、時には患者に不要な被爆を与えたり ることがあるためである。

 粒子線治療装置は、一般に、シンクロト ン等の粒子線発生部と、この粒子線発生部 発生された粒子線を粒子線輸送部を経由し 患者に照射する粒子線照射部と、患者の呼 測定装置より得られた呼吸信号の時間変化 基づき呼吸の位相が照射してもよい状態か うかを判断する呼吸信号処理部と、上記粒 線発生部や粒子線照射部を制御する制御部 どから構成される。

 そして、肺や肝臓などのように呼吸に伴 て動く部位への治療照射の場合、目標呼吸 報を変化させることによって患者の呼吸を 子線照射のタイミングに同期しやすい状態 誘導することで、患部の位置、患部形状が ぼ一定のときに照射することができるよう している(例えば、特許文献1を参照)。

特開2003-33443(図1、図7を参照)

 しかしながら、上記特許文献1に記載された ような患者呼吸誘導方法では、患者に対する 目標呼吸情報の最終波形の教示はなく、変化 する目標呼吸情報にその都度合わせて行くた め、患者にとって最終目標波形が何だか分か り難く、シンクロトロン固有の粒子線照射タ イミングとの同期が取りにくい問題があり、 効率の良い装置の実現が困難であった。
 この発明の目的はかかる問題点を解決する めになされたものであり、患者に予めシン ロトロンの照射周期に沿って定められた固 の目標呼吸情報を教示し、これに患者の呼 周期を合わせてもらうよう支援することに り、効率よく粒子線の照射を行うことがで る粒子線治療装置を提供することである。

 この発明の粒子線治療装置は、粒子線発 装置と、患者の呼吸状態を測定するための 者呼吸測定装置と、上記患者呼吸測定装置 測定情報に基づき患者への粒子線照射を許 する呼吸同期装置と、上記呼吸同期に関す 情報を患者に教示するための呼吸情報教示 置を具備し、上記粒子線発生装置の運転タ ミング情報に基づいて予め周期が定められ 目標呼吸情報を患者に教示し、患者が上記 標呼吸情報に意識的に呼吸状態を合わせる とによって、呼吸同期の治療照射中に、あ いは治療計画用X線CTの画像取得時に、患者 上記粒子線発生装置の周期に適したタイミ グで呼吸するように支援するものである。

 患者が意識的に目標呼吸情報に合わせる とによって呼吸が安定化され、シンクロト ンの運転周期にも適した状態となり、運転 率が向上する。これによって呼吸ゲート信 とシンクロトロンの出射可信号の重なり合 タイミングが増えるため、治療照射時間が 縮される。

は本発明の粒子線治療装置の主要構成 、 は複数の治療室およびX線CT室に本発明 適用した場合の配置構成図、 は本発明の粒子線治療装置の各部動作 形図、 は目標呼吸情報を作成する手順を説明 る図、 は呼吸情報教示装置の表示画面の一例 示す図である。 は2種類のシンクロトロンA、Bの運転パ メータに対する目標呼吸周期と目標呼吸ゲ ト幅の設定例を示す表で、呼吸周期につき1 回照射する場合を示している。 は2種類のシンクロトロンの運転パラメ ータA、Bに対する呼吸ゲート幅の設定例を示 表で、呼吸周期につき2回照射する場合を示 している。

 本発明の粒子線治療装置の実施の形態に いて図1の主要構成図を用いて説明する。図 1は複数ある治療室のうち1室(例えばA)につい 示したもので、治療室と、位置決め制御卓 、治療照射制御卓の3つの作業場所から構成 されている例を示している。治療技師はこの 3つの場所のいずれかで作業する。図中、1は 子線を加速するための例えばシンクロトロ 等の加速器系で、さらに内部にシンクロト ン偏向電磁石電源11や加速器タイミングシ テム12を備えている。2は呼吸同期装置で、 療室に患者の呼吸状態を検出する患者呼吸 定装置となる呼吸同期センサ21と、上記セン サ21からの信号を変換処理し増幅するための ンサアンプ22とが設置され、位置決め制御 に呼吸同期表示装置26Bが設置されている。

 更に治療照射制御卓には、上記センサア プ22で増幅した信号を処理し、呼吸同期信 の出力を制御する呼吸同期信号発生器23と、 上記呼吸同期信号発生器23の動作時のパラメ タ設定や同期信号を発生させるタイミング 設定する呼吸同期制御計算機24と、上記信 発生器23から出力される呼吸波形や呼吸同期 制御計算機24から出力される呼吸同期波形を 号変換し、加速器系1や表示装置26Bに分配す る呼吸同期信号制御ユニット25と、上記呼吸 期信号と粒子線治療装置の動作状態をオペ ータに表示する呼吸同期表示装置26Cとが設 されている。

 3は呼吸ナビゲーション装置であり、上記 呼吸同期制御計算機24から呼吸波形、呼吸ゲ ト信号、加速器情報等を入力し、記憶、処 、管理するための呼吸ナビ計算機31と、呼 ナビ計算機31からの情報を編集したり変更し たりするための情報編集端末32B、32Cと、患者 に情報を教示するための呼吸情報教示装置33A 、33B、33Cとから構成されている。4はコンピ ータ、シーケンサ等で構成され、患者の治 データを保存する治療情報サーバである。 吸ナビに関する情報は上記治療情報治療情 サーバ4にて上記患者の治療データと共に保 し管理される。

 呼吸情報教示装置33や情報編集端末32は複 数の箇所に設けておくとよい。例えば呼吸情 報教示装置は治療室、位置決め操作卓、およ び治療照射制御卓に設置する。また、治療計 画情報の取得作業はX線CT撮影制御室で行われ るのでX線CT撮影制御室にも設置するとよい。 複数の治療室A、B、Cおよび治療計画作成前に 用いるX線CT撮影室に本装置を設置する場合の 構成例を図3に示している。これらの端末は 療関係者によって使用され、治療照射前の 御データの取得、作成、編集の各作業、お び治療照射時の呼吸同期状態の確認、呼吸 相の調整などに使用される。

 なお、本実施の形態では呼吸ナビ計算機 呼吸同期制御計算機と別に設けることによ て機能の追加を容易にする構成としたが、 吸同期制御計算機と呼吸ナビ計算機を1台の 計算機で共有することも可能である。また、 呼吸同期表示装置を呼吸情報教示装置とは別 に設けたが、1台の表示装置を切り替えるこ によって、本実施の形態で述べる機能を実 することも可能である。

 呼吸同期センサ21による呼吸の測定方法 しては、患者の腹部の動きを腹部に取り付 たレーザ光源をポジションセンシティブデ テクタで検出する方式や、患者の吸気に伴 鼻腔付近の温度変化をサーミスタや赤外線 メラによる画像処理を用いて計測する方式 ど、既知の方式がいくつかある。

 図3は上記粒子線治療装置の各部動作波形図 であり、(a)は呼吸波形、(b)は呼吸ゲート、(c) はシンクロトロン偏向電磁石電流、(d)はシン クロトロン出射可ゲート、(e)はシンクロトロ ン出射ビーム信号のタイミングを模式的に示 したものである。
 図に示すように、呼吸同期センサ21で検出 る呼吸波形(a)に対して閾値を設定して、呼 の安定した状態の時に呼吸ゲート(b)をONにし て、呼吸ゲート幅(矢印)にて加速器に照射可 であることを指示する。

 加速器側では偏向電磁石の電流(c)が、入 、加速、出射、減速のサイクルを一定周期 反復するのに対し、シンクロトロン出射可 ート(d)と呼吸ゲート信号(b)に応じて、ビー 出射の入り切り(位相制御)を行い、照射に した呼吸位相でのみ出射ビーム(e)を患部の 的に所定線量付与する。

 次にシンクロトロンの運転について詳細 説明する。シンクロトロン運転は上述した うに、入射、加速、出射、減速のサイクル ある一定の周期で繰り返す。運転の周期は 速時間、出射時間、およびシンクロトロン 運転エネルギーに依存し、概ね1秒~数秒で る。シンクロトロンには入射器と呼ばれる 置から粒子線が入射され、十分な粒子数が 積された時点でシンクロトロンの加速が開 される。加速が終了後に出射機器の準備を い、準備完了した時点でシンクロトロンの 御系によって出射可ゲート信号(d)がONになる 。

 出射可の状態のとき、呼吸ゲートがONで ればシンクロトロンからビームが出射され 。シンクロトロンが連続してビームを出射 きる最大時間をスピル時間というが、スピ 時間が経過した後に出射可ゲートがOFFにな 、シンクロトロンの装置は減速準備を開始 る。減速が完了した後、次の運転周期の入 が実施される。

 この発明は、目標となる呼吸のタイミン (以下目標呼吸情報という)を予め上記シン ロトンの運転周期に適した周期を患者に提 して、患者にこれに同期して呼吸してもら ようにすることに主眼がある。次に上記目 呼吸情報を作成する際に望ましい特性につ て述べる。ここでは呼吸周期の方がシンク トロンの運転周期より長い場合を想定して べる。通常の呼吸周期は3秒以上であり、安 時の周期は4秒前後かそれより長いものが普 通であるのに対し、シンクロトロンの運転周 期は3秒程度で、短い場合は2秒以下となる。 ってこの仮定条件は通常満足されるが、本 明の効果はこの仮定に依存するものではな 。

 目標呼吸周期はシンクロトロン運転周期 整数倍とすることが考えられる。こうする とによって、呼吸周期毎のシンクロトロン 動きを一定に保つことができる。前記整数 なるべく低い倍数で選ぶ方が高い効率が得 れる。すなわちシンクロトロンの運転周期 呼吸周期が1対1であれば、呼吸周期毎に照 ができ、かつシンクロトロンで加速された ームを毎回使うことができるため、効率的 運転が実現できる。但し、目標呼吸周期が 者の自然呼吸からあまりかけ離れると、患 にとって合わせ難くなり、望ましくない。

 また以下で述べるように、呼吸ゲートの 間幅も重要な場合があり、その際に所望の 吸ゲートが得られやすいように呼吸周期を 択する必要がある。呼吸周期がシンクロト ン運転周期の半整数倍(0.5倍、1.5倍など)の きは、呼吸1周期おきに異なる運転動作とな 。この場合、やや効率が落ちるが、そのと でも本発明の効果は得られる。

 次に、目標呼吸ゲート幅については、シ クロトロンのスピル時間幅と同じか、呼吸 変動を考慮してそれより少し長く設定する とが望ましい。こうすることによって、1回 の出射で、シンクロトロンで加速された粒子 を最大限に利用することができる。例えばシ ンクロトロンのスピル時間幅が0.5秒程度に設 定された場合、自然呼吸でもこの程度の呼吸 ゲート幅を実現するのは患者にとって難しく ない。

 図6は2種類のシンクロトロンA、Bの運転パ ラメータに対する目標呼吸周期と目標呼吸ゲ ート幅の設定例を示す表で、呼吸周期につき 1回照射する場合を示している。図6において 「呼吸ゲート効率」は呼吸ゲートがONの時 を呼吸周期で割った値として計算している また、「照射効率」は呼吸同期でない運転 すなわちシンクロトロンの全ての運転周期 無駄なく照射できる場合を1としてシンクロ ロンのビームが使える割合を示している。

 加速器パラメータAではシンクロトロン運 転周期が2秒で、スピル時間が0.4秒である場 を示している。このとき目標呼吸周期は2秒 4秒、6秒、8秒となるが、2秒はやや周期が短 すぎるため対象外とした。目標呼吸ゲートと しては0.4秒以上確保できればシンクロトロン のスピル全てが照射できる。この程度の呼吸 ゲートは呼吸ナビゲーション機能を用いれば 患者にとっても容易に実現できる。ケース(1) ~ケース(3)の中では、ケース(1)の4秒周期が安 時の呼吸周期に近いうえ、他のケースより 照射効率が高いので最も好ましい。

 加速器パラメータBでは、前記パラメータA 場合と同様にケース(4)が最も照射効率が高 が、3.2秒周期の呼吸が患者にとって短すぎ と感じるようであれば、ケース(5)の使用も えられる。
 以上のようにシンクロトロンの運転周期に づいて、あらかじめ周期が定められた目標 吸情報を呼吸情報教示装置33により患者に 示し、患者が上記目標呼吸情報に意識的に 吸状態を合わせるよう誘導するものである

 次に呼吸とシンクロトロン間の位相の設 について記載する。呼吸波形とシンクロト ンの運転パターンの位相は、呼吸波形の振 が最大値となる点の中間付近、すなわち呼 波形の谷間の中央部にシンクロトロンの出 可能ゲートがくるように位相を選択するこ が望ましい。図1の構成においては、シンク ロトロンのタイミング情報(加速器情報)が呼 同期制御計算機24を経由して電送されるよ になっているが、シンクロトロンや加速器 イミングシステム11、12から呼吸ナビ装置31 直接ハードワイヤでタイミング情報を電送 てもよい。目標呼吸パターンは、あらかじ 最適な位相で作成しておく。

 更に本発明の実装においては、情報編集端 32上で位相を自由に設定できるような機能 設けておくと、リアルタイムで位相を微調 することができ、便利である。例えば、呼 ナビ計算機31にて目標呼吸パターンの教示の タイミングを遅延させ、その遅れを時間(秒) 設定できるようにしておけば、治療技師が 者に教示する呼吸のタイミングを適宜修正 ることができる。
ここまでは1回の呼吸につき1回照射する方法 ついて述べてきたが、次に1回の呼吸につき 2回照射する方法について述べる。一般的に1 の呼吸につきn回の照射をするためには、呼 吸ゲートの長さが少なくとも(n-1)・Tsync+Tspill 要となる。なお、Tsyncは1回の呼吸周期を、T spillは上述したスピル時間を表している。

 図7は2種類のシンクロトロンの運転パラ ータA、Bに対する呼吸ゲート幅の設定例を示 す表で、呼吸周期につき2回照射する場合を している。目標呼吸ゲート幅を2.4秒以上に 定した場合、ケース(7)は照射効率が最も高 が、呼吸周期の4秒の中で2.4秒の呼吸ゲート 確保するような呼吸は患者にとって困難な 合もある。呼吸波形の閾値を高く設定すれ 呼吸ゲートを長くすることができるが、精 が犠牲になり不都合な場合もある。そのよ な場合はケース(8)を使えばよい。加速器パ メータBの場合、ケース(10)では呼吸周期の3. 2秒の中で2.4秒の呼吸ゲートを確保するよう 呼吸は患者にとってケース(7)より更に厳し なってしまうので、ケース(11)のほうが現実 と思われる。

 このように、目標呼吸情報の設定におい は、上記の手法に従って呼吸周期を3秒から 6秒近辺のシンクロトロン運転周期の整数倍 し、なるべく患者の自然呼吸周期に近い周 で、かつ患者にとって苦痛なく実現できる 期を選択すればよい。呼吸ゲートは1回の呼 周期につき2回照射の場合は呼吸ゲート効率 が50%程度以下になるように設定する。1回の 吸周期につき1回照射の場合は、呼吸ゲート への制約は気にしなくてもよい。これらの 件から、最も効率がよい呼吸パターンを目 呼吸情報として選べばよい。

 次に、目標呼吸情報の作成手順について 明する。治療フローの中のどの時点で目標 吸情報を作成するかについては、治療計画 報を取得する前が適切である。粒子線治療 は治療照射を行う前に治療計画を作成する 、治療計画には患部のX線CT画像を取得する 要がある。このとき、治療照射が呼吸同期 射となるような肺や肝臓といった部位では 治療計画用X線CT画像の取得も同様に呼吸同 を用いて行う必要がある。このため、治療 画用X線CT画像取得前に目標呼吸情報を作成 ておき、X線CT撮影時も治療照射と同様の呼 状態にしておくことが望ましい。

 まずは患者に楽な呼吸をしてもらい、呼 波形を取得し、その平均的な周期を求める このとき連続的に取得される呼吸波形のど 部分を使用するかを治療技師が開始時点と 了時点によって指定できるようにしておく よい。次に求まった平均的な周期に基づき シンクロトロンの運転周期の整数倍となる うな目標呼吸周期を治療技師が設定する。

 この周期を患者に教示して患者に呼吸し もらい、再度呼吸波形を取得し、取得され 呼吸波形を図4のAのように平均化する。平 化する際に、呼吸波形の異なる部分によっ 呼吸周期にばらつきがあるので、図の上段 呼吸波形Aを下段Bに示すように伸縮(この場 は伸張)することによって呼吸の周期を目標 吸周期に合わせてから呼吸波形の振幅を図 点線のように平均化するとよい。このよう して取得された、かつ平均化された呼吸1周 期分の呼吸波形を目標呼吸波形(情報)とする このとき、前記と同様に、連続的に取得さ る呼吸波形のどの部分を平均化に使用する を治療技師が開始時点と終了時点によって 定できるようにしておくとよい。

 上記のように作成された目標呼吸情報は 情報編集端末上で編集し、微調整ができる うにしておくとよい。例えば、目標呼吸波 を複数の線分に自動分割し(編集用の分割点 )、線分の分割点を画面上でマウスを使って ラッグして編集できるような機能を設けて く。このような編集機能を設けておくと、 吸ゲートを目標値に設定する場合に便利で る。また、目標呼吸波形の振幅に係数をか ることによって調整する機能や、ベースラ ンを上下させる調整機能を設けておくと便 である。

 目標呼吸情報を作成する別の手順として 患者の呼吸を計測し、上記で述べた手法に って呼吸の時系列的な情報を周期単位で平 化することで標準呼吸波形を生成する。そ 目標呼吸波形の周期とシンクロトロンの運 周期から、効率のよい目標呼吸周期を設定 、上記標準呼吸波形の周期を伸縮すること 目標呼吸情報とする。そして、この波形の 吸ゲート幅や振幅などは前記のとおり、患 の呼吸のしやすさを考慮して編集してもよ 。

 位相の設定は前述のように呼吸ゲートの 心とシンクロトロンのスピル中心が重なる うにすればよい。また、患者の反応時間に る呼吸の遅れを考慮して設定しておくこと 考えられる。前述のように情報編集端末32 で目標呼吸情報の位相調整がリアルタイム できる機能を設けておくと、治療現場での 相調整ができるので治療中に位相がずれた 合でも回復することができる。

 1回の呼吸周期につき2回照射するような 合は、目標呼吸周期だけでなく、目標呼吸 ート幅が確保できていることを確認する必 がある。上記で作成した目標呼吸波形に閾 を適用して得られた呼吸ゲート幅が十分長 れば目標呼吸波形をそのまま使用できる。 し、呼吸ゲート幅の長さが不十分であれば 情報編集端末上の目標呼吸波形の情報編集 末上で必要な呼吸ゲート幅を指示して目標 吸波形を編集すればよい。

 次に呼吸情報教示装置による目標呼吸情報 呼吸状態情報、シンクロトロン運転状態な の情報の教示方法について図5を参照して説 明する。
 患者に教示する情報として、呼吸波形では く、呼気、吸気などのタイミングのみをほ リアルタイム教示することも考えられるが 呼吸波形のように、呼吸の振幅情報も含む 報、すなわち目標値と現状値と両方をリア タイムで教示した方が、患者の呼吸が安定 されるので望ましい。

 一部の患者においては、呼吸波形の振幅 小さくなったりして不安定となって、呼吸 期照射がし難くなる場合があるが、呼吸振 の目標値と現状値を患者に教示することで 患者が自身の呼吸を照射に適した状態に制 することができる。さらに呼吸波形を時間 グラフとして教示し、患者が過去と未来を 別しやすく表示すれば、患者にとっても予 がつくので目標呼吸情報に合わせやすくな 。

 図5はこのような教示を行うための表示画面 の例を示しており、(a)から(e)は図3で説明し ものと同一である。図中の波形はリアルタ ムで左から右にスクロールする。画面中央 ら左は過去の実績で右は未来の波形を示す 太い呼吸波形は患者の実際の波形を、細い 吸波形は目標呼吸情報を示す。
 視覚的な表示方法としては、治療台に寝た 者から見える位置に液晶表示画面を設置し り、治療装置壁面や治療室壁面などに投影 たり、ヘッドマウントディスプレイを使う 法が考えられる。

 視覚的に表示する情報としては呼吸波形 シンクロトロンの運転パターンを時系列の ターン情報として画面に左から右に流れる で表示することが考えられる。呼吸波形の うな時系列なデータ曲線による表示、ある は目標呼吸情報と患者の実際の呼吸状態を ー表示など表示されたオブジェクトの位置 化によって表示することも考えられる。同 情報をオブジェクトの形状変化、寸法変化 色変化、又は明るさの変化で表すなど、様 な類似の方法が考えられる。

 また、視覚的でない情報の教示方法とし 患者の近くにスピーカを設置し、音声ガイ ンスによって呼気や吸気のタイミングを指 することが考えられる。同様に音楽を使っ 、既知のデジタル加工技術を使って音楽の ート(拍の時間間隔)の整数倍を呼吸周期に わせることも考えられる。音楽ではなく音 トーンを使う場合には音程の高低の変化、 弱の変化、音色の変化などで呼吸周期を患 に指示する方法が考えられる。このとき音 高低を使って呼吸波形の振幅を表現するこ ができる。また、視覚、聴覚以外にも、振 する装置を患者に握ってもらうなど患者に 接接触する振動装置の振動を制御すること より呼吸周期を患者に用いるなどの方法が えられる。聴覚的な教示方法は視覚的な教 方法と併用することも考えられる。

シンクロトロンの運転情報として患者に教 示する情報としては、シンクロトロンの主偏 向電磁石の励磁電流が適している。これ以外 にもシンクロトロンの運転パターンの最初を 示すマスタ信号というものがあり、マスタ信 号以外にも、入射開始、加速開始、加速終了 、出射可時期開始などのシンクロトロン運転 サイクル内の特定なイベントに対応するタイ ミング信号を患者に教示する情報として用い ることが考えられるが、これらのタイミング 信号はいずれもシンクロトロンの運転パター ンに基づいてマスタ信号から適切な遅延を設 けることで発生することもできるので基本的 にはマスタ信号と同等である。

 シンクロトロンの運転情報を患者に教示 ることで、患者はシンクロトロンの運転状 を理解することができ、目標呼吸パターン 近づけることの支援情報として役に立つ。 ンクロトロンの運転情報の電送は呼吸同期 号発生装置を経由して呼吸ナビ装置に入力 ればよいが、加速器タイミングシステムお びシンクロトロン偏向電磁石電源から直接 岐して呼吸ナビ装置に電送する方法もある

 前述の目標呼吸情報をノート型パソコン ように記録と表示ができる可搬型の装置に 存したり、CD-ROMのような記憶媒体に保存す ば、患者が自宅や病室などでパソコンを使 て事前に呼吸のトレーニングに使用するこ もできる。これによって患者はより忠実に 吸を目標呼吸パターン近づけることができ 。トレーニングの時には呼吸測定装置まで うことが容易でないため、目標呼吸情報の を患者に教示すればよい。




 
Previous Patent: WO/2009/150703

Next Patent: WO/2009/150712