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Patent Searching and Data


Title:
PEARLESCENT PIGMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026651
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a pearlescent pigment (100) comprising a scale-like base (10), a titanium dioxide layer (20) formed on the scale-like base (10), and an oxazoline compound layer (40) which is formed on the base (10) with titanium dioxide layer (20) interposed between them and serves as the outermost surface of the pigment.

Inventors:
KITAMURA TAKEAKI (JP)
INO JUICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/066794
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 29, 2007
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON SHEET GLASS CO LTD (JP)
KITAMURA TAKEAKI (JP)
INO JUICHI (JP)
International Classes:
C09C3/06; C08K9/00; C08K9/02; C08K9/06; C08L101/00; C08L101/08; C09C1/00; C09C1/28; C09C1/40; C09C3/08; C09C3/10; C09C3/12; C09D5/29; C09D7/12; C09D11/00; C09D11/02; C09D11/50; C09D201/00; C09J11/04; C09J201/00
Foreign References:
JP2002509561A2002-03-26
JP2000505833A2000-05-16
JP2002194247A2002-07-10
JPH0718199A1995-01-20
JP2000505833A2000-05-16
JP2002194247A2002-07-10
JP2001031421A2001-02-06
JP2005187782A2005-07-14
JPS469555B1
Other References:
See also references of EP 2058374A4
Attorney, Agent or Firm:
KAMADA, Koichi (TOMOE MARION BLDG. 4-3-1, Nishitenma,Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 47, JP)
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Claims:
 鱗片状基体と、
 二酸化チタンおよび/または酸化鉄を含み、前記鱗片状基体上に形成された第1層と、
 オキサゾリン基を有する化合物を含み、前記鱗片状基体との間に前記第1層が介在し、かつ当該顔料の最表面を形成する第2層と、
 を含む、真珠光沢顔料。
 前記第1層と前記第2層との間に設けられ、多価金属化合物を含む第3層をさらに含む、請求項1に記載の真珠光沢顔料。
 前記多価金属化合物が、ランタン、セリウムおよびタングステンからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属の水酸化物または酸化物水和物である、請求項2に記載の真珠光沢顔料。
 前記オキサゾリン基を有する化合物が重合体である、請求項1に記載の真珠光沢顔料。
 前記オキサゾリン基を有する化合物がオリゴマーである、請求項1に記載の真珠光沢顔料。
 前記オキサゾリン基を含む化合物が、多価オキサゾリン化合物である、請求項1に記載の真珠光沢顔料。
 前記第2層が、カップリング剤をさらに含む、請求項1に記載の真珠光沢顔料。
 前記第3層が、アルミニウムの水酸化物または酸化物水和物をさらに含む、請求項3に記載の真珠光沢顔料。
 前記第1層と第3層との間に設けられ、実質的に二酸化ケイ素からなる第4層をさらに含む、請求項2に記載の真珠光沢顔料。
 前記第1層と前記第3層との間に設けられ、前記第3層に含まれる多価金属化合物の金属元素とは異なる金属元素を有する多価金属化合物を含む第4層をさらに含む、請求項3に記載の真珠光沢顔料。
 前記鱗片状基体が、実質的に、ガラス、雲母、合成雲母、シリカおよびアルミナからなる群より選ばれる1つよりなる、請求項1に記載の真珠光沢顔料。
 請求項1に記載の真珠光沢顔料を含む、樹脂組成物。
 前記樹脂がカルボキシル基を有する、請求項12に記載の樹脂組成物。
 前記樹脂の酸価が2mg・KOH/g~200mg・KOH/gである、請求項13に記載の樹脂組成物。
 請求項1に記載の真珠光沢顔料を含む、塗料。
 カルボキシル基を有する樹脂を含む、請求項15に記載の塗料。
 請求項1に記載の真珠光沢顔料を含む、コーティング剤。
 カルボキシル基を有する樹脂を含む、請求項17に記載のコーティング剤。
 請求項1に記載の真珠光沢顔料を含む、印刷用インク。
 カルボキシル基を有する樹脂を含む、請求項19に記載の印刷用インク。
 請求項1に記載の真珠光沢顔料を含む、接着剤。
Description:
真珠光沢顔料

 本発明は、真珠光沢顔料に関する。また 本発明は、その真珠光沢顔料を含む樹脂組 物、塗料、コーティング剤、印刷用インク よび接着剤に関する。

 従来から真珠光沢顔料として、フレーク のアルミニウム粉末、二酸化チタンまたは 化鉄等の金属酸化物で被覆された雲母片や ラファイト片、α-酸化鉄結晶を主成分とす 酸化鉄粒子等が知られている。これらの真 光沢顔料は、外部からの入射光をその表面 反射してキラキラと輝き、塗料に配合され ば塗装面に、インクであれば描線または印 面に、または樹脂組成物であれば樹脂成型 の表面に、それら各種素地の色調と相俟っ 、変化に富み美粧性に優れた独特の外観を える。

 美粧性の向上を目的として、自動車、オ トバイ、OA機器、携帯電話、家庭電化製品 各種印刷物または筆記用具類等の各種用途 真珠光沢顔料は広く利用されている。これ の中でも、特に、屋外で利用される自動車 オートバイにおいては、顔料に高い耐候性 求められている。紫外線に曝されると、顔 に含まれる二酸化チタンおよび/または酸化 の光触媒活性により、分解や変色が加速さ るためである。

 顔料による分解や変色を防ぐため、例え 、特開昭60-92359号公報には、金属酸化物で 覆された雲母片上に、ポリシロキサンおよ 希土類金属化合物を付着させた顔料が開示 れている。

 特開平1-292067号公報には、金属酸化物で 覆された雲母片の表面に、(i)次亜リン酸の 在下でジルコニウム化合物を加水分解させ 生成する酸化ジルコニウム水和物と、(ii)コ ルト、マンガンおよびセリウムからなる群 り選ばれる1つ以上の金属の水溶性化合物を 加水分解させて生成する酸化物水和物と、を 付着させた顔料が開示されている。

 特開平7-18199号公報には、金属酸化物で被 覆された微小板状基体を、カバーリング層で 被覆した顔料が開示されている。カバーリン グ層は、二酸化ケイ素、金属水酸化物および 有機カップリング剤を含む。

 特開平7-268241号公報には、二酸化チタン たは酸化鉄で被覆された雲母を、さらに水 セリウムと酸化アルミニウムで被覆するこ が開示されている。

 特表2000-505833号公報には、二酸化チタン たは酸化鉄で被覆された雲母を、水酸化ア ミニウム(または水酸化セリウムおよび水酸 アルミニウム)で被覆し、さらにシランカッ プリング剤で処理することが開示されている 。

 特開2002-194247号公報には、薄片基体上に AlまたはSiの水酸化物からなる層と、Al、Si、 CeおよびZrからなる群より選ばれる少なくと 1つの元素の水酸化物からなる層と、有機疎 性カップリング剤からなる層とを形成した 珠光沢顔料が開示されている。

 上記のような改良が行われているにも関 らず、従来の真珠光沢顔料は、硬化樹脂組 物、特に、水性エマルジョンまたは水溶性 硬化樹脂組成物の塗膜との耐水二次密着性( 耐水試験後の密着性)や耐候性が、必ずしも 分なレベルに達しているとはいえなかった また、真珠光沢顔料の不均一な並びが原因 、高い意匠性を出すことも難しい。塗布さ た塗料中で真珠光沢顔料が均一に配向して ると、強い干渉色を出すことが可能となり 意匠性が高まる。

 例えば、鱗片状の真珠光沢顔料を含む塗 として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポ エステル樹脂等をメインバインダーとし、 要により多価カルボン酸、ブロックイソシ ネート等の硬化剤を配合しているものが広 知られている。これらの塗料は、家電、自 車、建材等、多くの分野で使用されている

 さらに、以下に各分野においての問題点 詳細に挙げる。

 インクにおいて、近年環境問題、省資源 面から溶剤系インクから水性インクに移行 る動きが活発である。それに伴い、バイン ーに対する要求は厳しくなりつつある。一 に水性インクに要求される性能は、(1)流動 がよいこと、(2)貯蔵安定性に優れること、( 3)速乾性であること、(4)基材、特にプラスチ クフィルムへの密着性がよいこと、(5)光沢 よいこと、(6)耐水性や耐摩擦性がよいこと が挙げられる。中でも、プラスチックフィ ムへの耐水二次密着性が重要な性能である

 これらの性能を有するインクとして、例 ば、特公昭55-18469号公報には、(メタ)アクリ ル酸誘導体から得られる重合体をバインダー として用いたものが開示されている。

 また、自動車の塗装においては、「2コー ト1ベーク法」とよばれる方法が採用されて る。該方法は、まず、下塗りおよび中塗り 施した塗装板上に、上塗りと称するメタリ ク顔料を含有するメタリックベース塗料を 装する。次に、このメタリックベース塗料 硬化させることなく、ウエット・オン・ウ ット方式でクリアー塗料を重ね塗りし、最 に、クリアー塗膜とメタリックベース塗膜 同時に硬化させる。

 上記のような2コート1ベーク法では、従 、有機溶剤を含む塗料が主に使用されてい 。しかしながら、塗装時の安全性、環境汚 の防止、省資源化等の観点から、近年、水 塗料への移行が強く望まれている。このた 、自動車用水性塗料が種々開発されている 例えば、特開平4-25582号公報には、アミド基 有する酸性樹脂と、親水基を有するポリウ タン樹脂の水分散体とを主成分とする水性 タリックベース塗料が開示されている。

 また、「2コート1ベーク法」で用いる水 メタリックベース塗料は、水酸基およびカ ボキシル基を有する樹脂と、アミド樹脂(た えば、アルキルエーテル化メチロールメラ ン樹脂)と、真珠光沢顔料とを含むことがあ る。こうした水性塗料を用いる場合、クリア ー塗膜とメタリックベース塗膜を同時に硬化 させる際に、水酸基とアルキルエーテル基と の反応でアルコールが、メチロールメラミン 同士の反応でホルムアルデヒドが副生し、積 層された両塗膜を通過して系外に揮発する。 このとき、真珠光沢顔料の配向性が乱れ、フ ロップ性を低下させる。

 本発明は、以上のような問題点に着目し なされたものである。その目的とするとこ は、過酷な環境においても高い耐水二次密 性および耐候性を示し、高いフロップ性を する真珠光沢顔料を提供することにある。 らに、この真珠光沢顔料を用いた樹脂組成 、塗料、コーティング剤、印刷用インクお び接着剤を提供する。

 すなわち、本発明は、
 鱗片状基体と、
 二酸化チタンおよび/または酸化鉄を含み、 鱗片状基体上に形成された第1層と、
 オキサゾリン基を有する化合物を含み、鱗 状基体との間に第1層が介在し、かつ当該顔 料の最表面を形成する第2層と、
 を含む、真珠光沢顔料を提供する。

 上記第1層は、実質的に、二酸化チタンお よび/または酸化鉄からなっていることが好 しい。「実質的に」とは、不可避不純物を む場合までも排除するものではなく、例え 、1.0質量%未満の不純物を許容する趣旨であ 。

 上記真珠光沢顔料は、第1層と第2層との に設けられ、多価金属化合物を含む第3層を らに含むものであってもよい。この場合に いて、多価金属化合物は、ランタン、セリ ムおよびタングステンからなる群より選ば る少なくとも1つの金属の水酸化物または酸 化物水和物でありうる。

 また、本発明は、上記真珠光沢顔料を含 、樹脂組成物、塗料、コーティング剤、印 用インクおよび接着剤を提供する。

 上記真珠光沢顔料によれば、二酸化チタ および/または酸化鉄の層(第1層)がオキサゾ リン基を有する化合物を含む第2層で被覆さ 、当該顔料の最表面を形成する。このよう 顔料を、カルボキシル基含有樹脂等のカル キシル基含有マトリックスに添加すると、 えば塗膜形成時に、図5の反応式に示すよう 、オキサゾリン基が開環してカルボキシル とアミドエステル結合を形成する。つまり カルボキシル基とオキサゾリン基とが、真 光沢顔料の表面で三次元的に架橋硬化する この硬化反応はオキサゾリン基の開環反応 あり、副生成物を生成しないので、真珠光 顔料の配向性が乱れることなく、フロップ を高く保持することができ、高い意匠性を 現することが可能である。さらに、カルボ シル基含有マトリックスと真珠光沢顔料と 界面にカルボキシル基が殆ど残存せず、耐 二次密着性を大きく改善でき、長期間に亘 輝く真珠光沢を実現できる。なお、「フロ プ性」については、本明細書の実施例の欄 参考にされたい。

 オキサゾリン基の開環反応は、例えば、 発明の真珠光沢顔料を含む塗膜の乾燥時に 率的に進む。水性塗料やコーティング剤等 材料において、カルボキシル基含有マトリ クスのカルボキシル基は、通常、揮発性の ミンやアンモニアで中和されている。オキ ゾリン基は、カルボン酸の塩とは反応しな ため、水性塗料やコーティング剤が液状態 は安定である。そして、塗膜の乾燥時に中 剤が揮発するとカルボシル基が再生され、 れにともなって上記開環反応が進む。

 すなわち、揮発性中和剤がブロック剤と て働いているため、本発明の真珠光沢顔料 含む水性塗料やコーティング剤等の材料が 状態のときはゲル化が進まず安定である。 膜の乾燥時に、オキサゾリン基とカルボシ 基とがアミドエステル化反応する。この結 、マトリックスである樹脂と真珠光沢顔料 界面近傍にカルボシル基が殆ど残存せず、 ルボシル基の親水性に基づく塗膜中への水 の浸入が抑制され、塗膜の耐水二次密着性 改善される。

 なお、上記真珠光沢顔料において、第1層 と第2層との間に多価金属化合物を含む第3層 設けると、二酸化チタンおよび/または酸化 鉄の光触媒活性を抑制する効果がより高まる 。

本発明による真珠光沢顔料の一例の断 図 塗膜中の真珠光沢顔料の均一な配列を す模式図 塗膜中の真珠光沢顔料の不均一な配列 示す模式図 色彩色差評価の原理図 オキサゾリン基とカルボキシル基との 応機構説明図

 図1は、本発明の一実施形態にかかる真珠 光沢顔料100の断面図を模式的に示したもので ある。図1に示すように、真珠光沢顔料100は 鱗片状基体10と、鱗片状基体10を被覆するル ル型二酸化チタン層20(第1層)と、当該顔料10 0の最表面を形成するオキサゾリン化合物層40 (第2層)を含む。各層は、鱗片状基体10の上に の順番で積層形成されている。鱗片状基体1 0は、二酸化チタン層20に代えて、酸化鉄層で 被覆されていてもよいし、二酸化チタンと酸 化鉄とを含む層で被覆されていてもよい。さ らには、鱗片状基体10に接する第1層が二酸化 チタン層と酸化鉄層とを含む多層構造を有し ていてもよい。この場合において、二酸化チ タン層と酸化鉄層の形成順序は特に限定され ず、二酸化チタン層が鱗片状基体10に接して てもよいし、酸化鉄層が鱗片状基体10に接 ていてもよい。

 真珠光沢顔料100は、さらに、ルチル型二 化チタン層20とオキサゾリン化合物層40との 間に設けられた、多価金属化合物層30(第3層) 含む。この多価金属化合物層30は、必須で ないが、紫外線吸収作用があるので、ルチ 型二酸化チタン層20の活性を抑えるという観 点から、あった方がよい。また、多価金属化 合物層30があると、多価金属とオキサゾリン とのキレーション効果によるオキサゾリン 合物層40の耐剥離性の向上も期待できる。

 多価金属化合物層30は、多価金属化合物 して、ランタン、セリウムおよびタングス ンからなる群より選ばれる少なくとも1つの 属の水酸化物または酸化物水和物を含む。 価金属化合物層30は、これらの水酸化物ま は酸化物水和物の複数種類を含んでいても い。

 多価金属化合物層30は、さらに、アルミ ウムの水酸化物または酸化物水和物を含ん いてもよい。アルミニウムの水酸化物また 酸化物水和物は、上述した金属の水酸化物 たは酸化物水和物とともに、多価金属化合 層30に含ませることができる。

 また、真珠光沢顔料100は、ルチル型二酸 チタン層20と多価金属化合物層30との間に設 けられ、多価金属化合物層30に含まれる金属 素とは異なる金属元素を有する多価金属化 物を含む他の1つの層(第4層)をさらに含んで いてもよい。

 オキサゾリン化合物層40は、オキサゾリ 化合物を主成分(質量%で最も多く含まれる成 分)とする層である。多価金属化合物層30とオ キサゾリン化合物層40との間に、カップリン 剤層を設けてもよい。多価金属化合物層30 表面をシランカップリング剤で処理して反 性基を導入することにより、その反応性基 オキサゾリン基とが反応し、オキサゾリン 合物層40と多価金属化合物層30との結合強度 高めることが可能である。多価金属化合物 30を設けない場合には、ルチル型二酸化チ ン層20とオキサゾリン化合物層40との間に、 ップリング剤層を設けることができる。あ いは、オキサゾリン化合物層40にカップリ グ剤を含ませても同様の効果が得られる。

 また、多価金属化合物層30に代えて、実 的に、二酸化ケイ素(特に、無定形シリカ)か らなる他の1つの層(第4層)を、ルチル型二酸 チタン層20の上に設けてもよい。さらには、 上記他の1つの層を、ルチル型二酸化チタン 20と多価金属化合物層30との間に設けるよう してもよい。

 以下、上記した要素について個別に説明 る。

(鱗片状基体)
 鱗片状基体10は、実質的に、ガラス、雲母 合成雲母、シリカおよびアルミナからなる より選ばれる1つからなっているとよい。特 限定するものでないが、表面の平滑性が高 、かつ透明性の高い鱗片状ガラスを用いる とが好ましい。鱗片状ガラスに二酸化チタ および/または酸化鉄を被覆することにより 、美しい干渉色を呈することができる。

 本発明に用いられる鱗片状ガラスは、ブ ー法で製造するとよい。ブロー法とは、原 カレットを熔融し、熔けたガラスを円形ス ットから連続的に取り出し、そのときに円 スリットの内側に設けられたブローノズル ら空気を吹き込んで、熔けたガラスを膨ら せながら引っ張ってバルーン状とし、厚み 薄くなったガラスを粉砕して、鱗片状ガラ を得る方法である。

 このように製造された鱗片状ガラスの表 は、熔融成形時の火造り面における平滑性 維持している。滑らかな表面は、光をよく 射する。この鱗片状ガラスを、塗料や樹脂 成物に配合すると、高い光輝感が得られる このような鱗片状ガラスとしては、例えば 日本板硝子社より入手可能な、マイクログ ス(登録商標)ガラスフレーク(登録商標)シリ ーズ(RCF-160、REF-160、RCF-015、REF-015)がある。

(二酸化チタン層)
 鱗片状基体10を被覆する二酸化チタン層20は 、実質的に、ルチル型二酸化チタンからなっ ているとよい。二酸化チタンは、アナターゼ 型、ブルーカイト型、ルチル型の3種類の結 型を有する。この中で工業的に製造されて るのは、アナターゼ型とルチル型である。 ナターゼ型二酸化チタンは、強い光触媒活 を持つ。一方、ルチル型二酸化チタンはア ターゼ型二酸化チタンと比較すると10分の1 度の光触媒活性であり、変色や分解をなる く防ぐ観点から、顔料に使用するのに適し いる。さらに、ルチル型二酸化チタンは、 ナターゼ型二酸化チタンよりも屈折率が高 、緻密かつ均一な被膜を容易に形成できる め、光の干渉による発色性がよくなる。

 ルチル型二酸化チタンの製造方法として 、特開2001-31421号公報に開示されているよう に、温度55~85℃、pH1.3以下の条件下で、チタ 含有溶液から中和反応により析出する方法 例示できる。この方法を用いると、結晶型 移のための加熱を本質的に必要とせず、耐 性の低い基体に対してもルチル型二酸化チ ンを容易に定着させることができる。真珠 沢顔料100におけるルチル型二酸化チタン層20 の厚みは、例えば20nm~400nmである。

 鱗片状ガラスにルチル型二酸化チタンが 覆され干渉色を呈するものとしては、例え 、日本板硝子社より入手可能な、メタシャ ン(登録商標)RCシリーズ(MC5090RS、MC5090RY、MC50 90RR、MC5090RB、MC5090RG、MC1080RS、MC1080RY、MC1080RR MC1080RB、MC1080RG、MC1040RS、MC1040RY、MC1040RR、MC1 040RB、MC1040RG、MC1030RS、MC1030RY、MC1030RR、MC1030RB 、MC1030RG、MC1020RS、MC1020RY、MC1020RR、MC1020RB、MC 1020RG)がある。

(酸化鉄層)
 酸化鉄は、ルチル型二酸化チタンと同様に アナターゼ型二酸化チタンと比較すると光 媒活性が10分の1程度と低く、顔料に使用す のに適している。酸化鉄を用いると、酸化 の光の吸収による有彩色の発色と光の干渉 よる発色の色彩が実現できる。鱗片状基体1 0を被覆する酸化鉄として、3価の酸化鉄、も くは2価の酸化鉄と3価の酸化鉄との混合物 用いることができる。

 酸化鉄の製造方法としては、特開2005-18778 2号公報に開示されているように、50~80℃、pH2 ~4の条件下で、鉄含有溶液から中和反応によ 析出する方法が例示できる。酸化鉄層の厚 は、例えば20nm~200nmである。

 酸化鉄が被覆された鱗片状ガラスとして 、例えば、日本板硝子社より入手可能な、 タシャイン(登録商標)TCシリーズ(MC5090TY、MC5 090TZ、MC5090TP、MC5090TA、MC5090KY、MC5090KR、MC5090KB 、MC5090KG、MC5090KM、MC1080TY、MC1080TZ、MC1080TP、MC 1080TA、MC1080KY、MC1080KR、MC1080KB、MC1080KG、MC1080K M、MC1040TY、MC1040TZ、MC1040TP、MC1040TA、MC1040KY、M C1040KR、MC1040KB、MC1040KG、MC1040KM、MC1030TY、MC1030 TZ、MC1030TP、MC1030TA、MC1030KY、MC1030KR、MC1030KB、 MC1030KG、MC1030KM、MC1020TY、MC1020TZ、MC1020TP、MC102 0TA、MC1020KY、MC1020KR、MC1020KB、MC1020KG、MC1020KM) ある。

 なお、MC5090TY、MC1080TY、MC1040TY、MC1030TY、MC 1020TYは、メタシャイン(登録商標)RCシリーズ(M C5090RY、MC1080RY、MC1040RY、MC1030RY、MC1020RY)にお るルチル型二酸化チタンの被膜上に、さら 酸化鉄が被覆されたガラスである。

(真珠光沢顔料100の形状・寸法)
 真珠光沢顔料100の形状は、使用用途によっ 異なるので、特に限定されない。一般的に 、平均粒径1μm~500μm、かつ平均厚さが0.1μm~1 0μmであることが好ましい。その粒径が大き ぎる場合には、当該真珠光沢顔料100を塗料 樹脂組成物に配合する際に、鱗片状ガラス 破砕されやすくなる。特に、二酸化チタン よび/または酸化鉄が被覆された鱗片状ガラ では、その断面が露出するので、ガラスに まれるアルカリ成分が拡散するおそれがあ 。平均粒径は、レーザー回折式粒度計によ て測定される粒度分布の体積累積50%に相当 る粒径をいう。

 一方、粒径が小さすぎると、塗膜や樹脂 成物中で真珠光沢顔料100の平面がランダム 方向を向いてしまい、個々の粒子が放つ反 光が弱くなる。このため、光輝感が損なわ るおそれがある。

 塗料に用いる場合には、粒径の小さい方 好ましく、平均粒径が1μm~50μm、平均厚さが 0.1μm~3μmであることが好ましい。

(多価金属化合物層)
 真珠光沢顔料100は、耐候性、耐水二次密着 を向上させるために、紫外線を吸収してル ル型二酸化チタン層20の活性を低下させ、 つオキサゾリン基(オキサゾリン環)とキレー ション形成が可能な多価金属化合物層30を含 ことが好ましい。多価金属化合物層30は、 質的に、ランタン、セリウムおよびタング テンからなる群より選ばれる少なくとも1つ 元素の水酸化物または酸化物水和物からな ていることが好ましい。

(セリウムの水酸化物または酸化物水和物)
 セリウムの水酸化物または酸化物水和物は 水溶性セリウム化合物と酸またはアルカリ の反応により、粒子(二酸化チタンおよび/ たは酸化鉄で被覆された鱗片状基体)上に析 させることができる。使用できる酸性セリ ム化合物の例としては、硫酸セリウム、塩 セリウム、硝酸セリウム等の鉱酸塩が挙げ れる。使用される酸性セリウム化合物は、 酸化アルカリ金属等のアルカリとの反応に りセリウムの水酸化物または酸化物水和物 析出させることができる。好ましくは、水 性セリウム化合物は硝酸セリウムであり、 れと反応するアルカリは水酸化ナトリウム 液である。また、酸性セリウム化合物の代 りに、硫酸アンモニウムセリウムおよび硝 アンモニウムセリウム等のアルカリ性セリ ム塩を使用してもよい。アルカリ性セリウ 塩は、硫酸や塩酸のような酸と反応してセ ウムの水酸化物または酸化物水和物を析出 せる。セリウム化合物は、セリウム換算で 鱗片状基体を被覆している二酸化チタンお び/または酸化鉄の約0.1質量%から約10質量%( リウムの二酸化チタンおよび/または酸化鉄 に対しての含有率)の範囲の一般的な量で、 り好ましくは、二酸化チタンおよび/または 化鉄の約0.5質量%から約5質量%の範囲の量で 価金属化合物層を形成するための水性スラ ーに添加される。使用する酸もしくはアル リは、セリウム化合物と反応し、粒子上に リウムの水酸化物または酸化水和物を析出 せるために十分な量でスラリーに添加され 。

(ランタンの水酸化物または酸化物水和物)
 ランタンの水酸化物または酸化物水和物は 水溶性ランタン化合物と酸またはアルカリ の反応により、粒子(二酸化チタンおよび/ たは酸化鉄で被覆された鱗片状基体)上に析 させることができる。使用できるランタン 合物の例としては、硫酸ランタン、塩化ラ タン、硝酸ランタン、酢酸ランタン、炭酸 ンタン等の鉱酸塩が挙げられる。使用され ランタン化合物は、水酸化アルカリ金属等 アルカリとの反応により水酸化物または酸 物水和物を析出させることができる。好ま くは、水溶性ランタン化合物は硝酸ランタ であり、それと反応するアルカリは水酸化 トリウム溶液である。使用するランタン化 物は、ランタン換算で二酸化チタンおよび/ または酸化鉄の約0.1質量%から約10質量%の範 の一般的な量で、より好ましくは、二酸化 タンおよび/または酸化鉄の約0.5質量%から約 5質量%の範囲の量で水性スラリーに添加され 。使用する酸もしくはアルカリは、ランタ 化合物と反応し、粒子上にランタンの水酸 物または酸化物水和物を析出させるために 分な量でスラリーに添加される。

(タングステン酸化物水和物)
 タングステン酸化物水和物は、水溶性タン ステン化合物と酸との反応により、粒子(二 酸化チタンおよび/または酸化鉄で被覆され 鱗片状基体)上に析出させることができる。 用できるタングステン化合物の例としては タングステン酸ナトリウム、タングステン カリウム、メタタングステン酸アンモニウ 、パラタングステン酸アンモニウム等の鉱 塩が挙げられる。好ましくは、水溶性タン ステン化合物はタングステン酸ナトリウム あり、それと反応するリン酸化合物として 、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸 メタリン酸等を用いることができる。使用 るタングステン化合物は、タングステン換 で二酸化チタンおよび/または酸化鉄の約0.1 質量%から約10質量%の範囲の一般的な量で、 り好ましくは、二酸化チタンおよび/または 化鉄の約0.5質量%から約5質量%の範囲の量で 性スラリーに添加される。使用する酸もし はアルカリは、タングステン化合物と反応 、粒子上にタングステンの水酸化物または 化物水和物を析出させるために十分な量で ラリーに添加される。

 上記金属の水酸化物または酸化物水和物 、その金属の総和としての換算で、鱗片状 体を被覆している二酸化チタンおよび/また は酸化鉄の約0.1質量%から約10質量%であるこ が好ましい。より好ましくは、二酸化チタ および/または酸化鉄の約0.5質量%から約5質 %であるとよい。0.1質量%より少ない場合、耐 候性の向上効果があまり期待できない。一方 、10質量%を超えると意匠性が損なわれる可能 性がある。

 特に、多価金属化合物層30がセリウムの 酸化物または酸化物水和物を含む場合、多 金属化合物層30における金属セリウムの含有 量を二酸化チタンおよび/または酸化鉄の約3 量%を上限するとよい。多価金属化合物層30 残部は、無色透明なランタン、タングステ またはその他の水酸化物または酸化物水和 で構成することができる。このようにすれ 、意匠性が損なわれるような着色の発生を 実に防止できる。

 ランタン、セリウムおよびタングステン らなる群より選ばれる少なくとも1つの元素 の水酸化物または酸化物水和物からなる層を 形成することにより、後述する実施例で示す ように、顔料の耐候性が向上する。耐候性が 向上する理由は現時点では明らかではないが 、本発明者らは次のように考えている。ルチ ル型二酸化チタンおよび酸化鉄は、高度に紫 外線を受けると、アナターゼ型二酸化チタン の10分の1程度ではあるものの、周囲のマトリ ックス樹脂を劣化させるような光触媒活性が 励起される。しかし、上記の水酸化物層は紫 外線を吸収する作用が強く、マトリックス樹 脂中の顔料におけるルチル型二酸化チタン層 および/または酸化鉄層に到達する前に紫外 を吸収し、ルチル型二酸化チタンや酸化鉄 光触媒活性が励起されるのを抑制するため 真珠光沢顔料の耐候性が向上する。

(アルミニウムの水酸化物または酸化物水和 )
 アルミニウムの水酸化物または酸化物水和 は、酸性もしくはアルカリ性のアルミニウ 化合物と、適切なアルカリまたは酸とを反 させることにより得ることができ、上記反 と同時に粒子(二酸化チタンおよび/または 化鉄で被覆された鱗片状基体)上に析出させ ことが可能である。利用できる酸性アルミ ウム化合物の例としては、鉱酸のアルミニ ム塩、例えば、塩化アルミニウム、硫酸ア ミニウム、硝酸アルミニウムが挙げられる アルカリ性アルミニウム化合物の例として 、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸ア カリ金属がある。酸性またはアルカリ性の ルミニウム化合物は、アルミニウム換算で 二酸化チタンおよび/または酸化鉄の約0.1質 量%から約10質量%の一般的な範囲の量で、好 しくは約0.5質量%から約5質量%の範囲の量で ラリーに添加する。適切なアルカリまたは は、アルミニウムの水酸化物または酸化物 和物がアルミニウム化合物の添加と同時に もしくは添加に引き続いて、基体上に析出 れるだけの十分な量で添加される。

(無定形シリカ)
 ガラスに含まれるアルカリ成分の拡散を防 方法として、二酸化チタン層20の上に無定 シリカの層を形成する方法がある。無定形 リカの形成方法は、特に限定されるもので なく、金属塩から酸化物を析出させる方法 ゾルゲル法、CVD法またはLPD法等、粉体表面 薄膜を形成しうる公知の方法を用いること できる。

 まず、特公昭46-9555号公報に示されるよう に、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)をアルカリ 境下で粉体スラリーに添加し、粉体表面に リカを析出させる方法(金属塩法)がある。 た、特公昭48-32415号公報や特開平3-54126号公 に示されるように、粉体とテトラアルコキ シランとの混合物を塩基性溶液中に投入し テトラアルコキシシランの加水分解により 体表面にシリカ被膜を形成する方法(ゾルゲ 法)がある。また、特開平3-066764号公報に示 れるように、ケイフッ化水素酸溶液中に粉 を懸濁させ、ホウ酸やアルミニウムを添加 たり温度を上昇させたりして平衡をずらし 粉体にシリカ被膜を形成する方法(LPD法)等 ある。

 本実施形態の真珠光沢顔料100に無定形シ カの層を追加形成する場合、その真珠光沢 料における無定形シリカの含有率は、0.1質 %~30.0質量%であることが好ましい。0.1質量% り少ない場合、金属イオンの溶出防止効果 あまり期待できない。一方、30.0質量%を超え ると、当該無定形シリカの層にクラックが入 って剥がれ易くなる。

(オキサゾリン化合物層)
 オキサゾリン化合物層40は、カルボキシル を有するマトリックス、またはカルボキシ 基および水酸基を有するマトリックスと、 珠光沢顔料100とを強固に密着させる目的で けられ、当該真珠光沢顔料100の最表面を形 する。特に、複数のオキサゾリン基を1分子 に有する多価オキサゾリン化合物を用いる とが好ましい。

 多価オキサゾリン化合物としては、1分子 中に2個以上のオキサゾリン環を有するもの あれば特に限定されず、重合体であっても いし、オリゴマーのような低分子化合物で ってもよい。

(オキサゾリン環含有重合体)
 オキサゾリン化合物として、樹脂架橋型の 面処理剤の機能を持ったオキサゾリン環含 重合体を用いることができる。このような キサゾリン環含有重合体は、下記一般式(1) 表されるオキサゾリン基を有する重合体で れば特に限定されず、例えば、付加重合性 キサゾリンを必須とし、必要に応じてその の不飽和単量体(例えば、アクリル酸、メタ クリル酸、それらの誘導体)を含む単量体成 を、従来公知の重合法により水性媒体中で 合することにより得ることができる。式中 R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 は、同一または互いに異なる、水素原子、ハ ロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、フ ェニル基または置換フェニル基を表す。

 上記付加重合性オキサゾリンとしては、例 ば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げ れる。式中、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 は、上記と同様である。R 5 は、付加重合性不飽和結合をもつ非環状有機 基を表す。

 このような化合物として、具体的には、2 -ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2- オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾ ン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-イ ソプロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イ プロペニル-5-エチル-2-オキサゾリン等が挙 られ、1種または2種以上を用いることがで る。これらの中でも、2-イソプロペニル-2-オ キサゾリンが工業的にも入手し易く好適であ る。

 上記付加重合性オキサゾリンの使用量と ては特に限定されず、例えば、オキサゾリ 環含有重合体の製造に用いる全単量体成分1 00質量%に対して、5質量%以上であることが好 しい。5質量%未満であると、本発明の真珠 沢顔料とマトリックス樹脂との架橋の程度 不十分となり、耐久性や耐水性の向上効果 あまり期待できなくなる。また、その他の 飽和単量体としては、付加重合性オキサゾ ンと共重合可能であり、かつオキサゾリン と反応しない単量体であれば特に限定され 、例えば、前記した不飽和単量体の1種また 2種以上を用いることができる。

 オキサゾリン環含有重合体は、水溶性、 希釈性または水分散性であることが好まし 、水溶性であることがより好ましい。水溶 オキサゾリン環含有重合体を得るには、重 に供する単量体成分中の親水性単量体の割 を50質量%以上とすることが好ましく、さら 好ましくは、水溶性および硬化性の観点か 60~90質量%とするのがよい。親水性単量体し は、前記した付加重合性オキサゾリン、(メ タ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)ア リル酸メトキシポリエチレングリコール、( メタ)アクリル酸とポリエチレングリコール モノエステル化物、(メタ)アクリル酸2-アミ エチルおよびその塩、(メタ)アクリル酸ナ リウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム、( タ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミ 、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-(2- ドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、ス レンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる これらの中でも、(メタ)アクリル酸メトキシ ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸 ポリエチレングリコールとのモノエステル 物のようにポリエチレングリコール鎖を有 る不飽和単量体が、水への溶解性の高いこ から好ましい。

 オキサゾリン環含有重合体を得る際の重 方法は、特に限定されず、公知の種々の重 方法を採用することができる。例えば、水 媒体中で、溶液重合、乳化重合、懸濁重合 たは塊状重合させる方法が挙げられる。反 条件は、単量体成分の組成等に応じて設定 ればよく、特に限定されるものではないが 例えば、反応温度は20℃~150℃程度が好適で り、反応時間は1時間~24時間程度が好適であ る。また、単量体成分は、例えば、反応器に 一括して添加してもよく、滴下等の方法によ って連続的または逐次的に添加してもよい。 なお、重合は、窒素ガス等の不活性ガスの雰 囲気下で行うことがより好ましい。

 重合体のオキサゾリン価は、50~3000g-solid/e q.であることが好ましく、より好ましくは100~ 2000g-solid/eq.、さらに好ましくは200~1500g-solid/eq .であるのがよい。このようにして得られた キサゾリン基を含有する重合体のうち、数 均分子量が1000~10000で、ガラス転移温度が40 ~120℃である重合体が好ましい。なお、オキ ゾリン価とは、オキサゾリン基1mol当たりの 重合体重量(Weight per oxazoline equivalent オキ ゾリン基当量)のことをいう。すなわち、オ サゾリン価が小さいほど重合体中のオキサ リン基の量は多く、オキサゾリン価が大き ほど重合体中のオキサゾリン基の量は少な ということを表す。

 上記のようなオキサゾリン系樹脂として 、水溶性タイプでは、エポクロスWS-500、WS-7 00、エマルションタイプでは、エポクロスK-20 10、K-2020、K-2030(日本触媒社製)が挙げられる 特に、主剤との反応性の高い水溶性タイプ 好ましい。

(多価オキサゾリン低分子化合物)
 低分子化合物の場合は、1分子中に、複数個 のオキサゾリン基を有する多価オキサゾリン 化合物、具体的には、オリゴマーであること が好ましい。オキサゾリン基を1分子中に2個 するジオキサゾリン化合物のうち好ましい 合物としては、下記一般式(3)で表されるも を例示できる。式中、「E」は置換基を有し ていてもよいアルキレン基、置換基を有して いてもよいシクロアルキレン基または置換基 を有していてもよいアリーレン基を表す。R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 は、同一または互いに異なる、水素原子、ア ルキル基またはアリール基を表す。

 上記ビスオキサゾリン化合物において、 E」のアルキレン基としては、例えば、C1-10 ルキレン基(メチレン、エチレン、トリメチ レン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタ メチレン、ヘキサメチレン基等)が挙げられ 。シクロアルキレン基としては、例えば、C5 -10シクロアルキレン基(1,3-シクロペンチレン 1,3-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレ 基等)が挙げられる。アリーレン基としては C6-12アリーレン基(1,3-フェニレン、1,4-フェ レン、1,5-ナフチレン、2,5-ナフチレン基等) 挙げられる。

 これらのアルキレン基、シクロアルキレ 基やアリーレン基は置換基を有していても い。このような置換基としては、例えば、 ロゲン原子(フッ素、塩素、臭素原子等)、 ルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソ ロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t- ブチル基のような炭素数1~6程度のもの)、ア コキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ イソプロポキシ、ブトキシ基等の炭素数1~6 度のもの)が挙げられる。好ましい「E」に 、置換基を有していてもよいアリール基、 に置換基を有していてもよいフェニレン基( えば、1,3-フェニレン基、1,4-フェニレン基 )が挙げられる。

 前記一般式において、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 で表されるアルキル基には、例えば、メチル 、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル 、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチ 、ヘキシル基等のC1-10アルキル基が挙げられ る。好ましいアルキル基は、炭素数1~6程度の 低級アルキル基、特に炭素数1~4の低級アルキ ル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピ 基、イソプロピル基)である。R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 で表されるアリール基には、例えば、フェニ ル、1-ナフチル、2-ナフチル基等が挙げられ 。

 上記アルキル基やアリール基は置換基を していてもよい。置換基を有するアルキル としては、例えば、ジクロロメチル、トリ ロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-ト クロロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、 ンタフルオロエチル基等のハロゲン化C1-4ア ルキル基が挙げられる。置換基を有するアリ ール基としては、例えば、2-クロロフェニル 3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、2,4- クロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル基等 ハロゲン原子を有するフェニル基、2-メチ フェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェ ル、2,4-ジメチルフェニル、3,5-ジメチルフ ニル、4-エチルフェニル基等のC1-4アルキル- ェニル基、2-メトキシフェニル、3-メトキシ フェニル、4-メトキシフェニル、2,4-ジメトキ シフェニル、3,5-ジメトキシフェニル、4-エト キシフェニル基等のC1-4アルコキシ-フェニル が挙げられる。

 上記一般式(3)で表されるジオキサゾリン 合物として、具体的には、1,6-ビス(1,3-オキ ゾリ-2-イル)ヘキサン、1,8-ビス(1,3-オキサゾ リ-2-イル)オクタン、1,10-ビス(1,3-オキサゾリ- 2-イル)デカン、1,3-ビス(1,3-オキサゾリ-2-イル )シクロヘキサン、1,4-ビス(1,3-オキサゾリ-2- ル)シクロヘキサン、2,2″-(1,3-フェニレン)- ス(2-オキサゾリン)、2,2″-(1,4-フェニレン)- ス(2-オキサゾリン)、2,2″-(1,2-フェニレン)- ス(2-オキサゾリン)、2,2″-(1,3-フェニレン)- ス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2″-(1,4-フェ レン)-ビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2″- (1,2-フェニレン)-ビス(5-メチル-2-オキサゾリ )、2,2″-(1,3-フェニレン)-ビス(5-メチル-2-オ サゾリン)、2,2″-(1,4-フェニレン)-ビス(5-メ ル-2-オキサゾリン)、2,2″-(1,3-フェニレン)- ス(4-メチルフェニル-2-オキサゾリン)、2,2″- (1,4-フェニレン)-ビス(4-メチルフェニル-2-オ サゾリン)、2,2″-(1,3-フェニレン)-ビス(4-ク ロフェニル-2-オキサゾリン)、2,2″-(1,4-フェ レン)-ビス(4-クロロフェニル-2-オキサゾリ )が挙げられる。これらのジオキサゾリン化 物は、1種または2種以上を使用できる。

 また、他の多価オキサゾリン化合物とし 、オキサゾリン基を1分子中に3個有する2,2 -(1,2,4-フェニレン)-トリス-(2-オキサゾリン) のトリオキサゾリン化合物が挙げられる。2 以上のトリオキサゾリン化合物を併用して よい。

(カップリング剤の併用)
 耐水性を向上させるために、カップリング を多価オキサゾリン化合物とともに被覆さ ることができる。つまり、オキサゾリン化 物層40にカップリング剤を含ませることが きる。オキサゾリン化合物層40にカップリン グ剤を含ませることにより、オキサゾリン基 がカップリング剤の残基によって二酸化チタ ン層20または多価金属化合物層30に結合する もちろん、カップリング剤を用いない場合 あっても、多価オキサゾリン化合物は、キ ーションにより下地層に結合するので、カ プリング剤が必須というわけではない。

 カップリング剤の代表的な例として、有 カップリング剤、特に、有機シランカップ ング剤を挙げることができる。シランカッ リング剤は使用する樹脂によって異なるが ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリ キシシラン、アミノシラン、イソシアネー シランおよびメルカプトシランからなる群 り選択される少なくとも1種を使用できる。 また、シランカップリング剤に加えて、シラ ンカップリング剤としては取り扱われていな いアルコキシシランなどをさらに含んでいて もよい。

 エポキシシランとしては、2-(3,4エポキシ クロヘキシル)エチルロリメトキシシラン、 3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシ ラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシ シラン等を例示できる。

 メタクリロキシシランとしては、3-メタ リロキシプロピルメチルジメトキシシラン 3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ ン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエト シシラン、3-メタクリロキシプロピルトリ トキシシラン等を例示できる。

 アミノシランとしては、N-2(アミノエチル )3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、 N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメト シシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシ ラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン 3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチ デン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノ ロピルトリメトキシシラン等を例示できる

 イソシアネートシランとしては、2-イソ アナートエチルトリメトキシシラン、2-イソ シアナートエチルトリエトキシシラン、3-イ シアナートプロピルトリメトキシシラン、3 -イソシアナートプロピルトリエトキシシラ 等を例示できる。

 メルカプトシランとしては、3-メルカプ プロピルトリメトキシシラン等を例示でき 。

 シランカップリング剤としては取り扱わ ていないアルコキシシランとしては、トリ チルメトキシシラン、トリメチルエトキシ ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ ジエトキシシラン、メチルトリメトキシシ ン、メチルトリエトキシシラン、メチルジ トキシシラン、メチルジエトキシシラン、 メチルエトキシシラン、ジメチルビニルメ キシシラン、ジメチルビニルエトキシシラ 、メチルビニルジメトキシシラン、メチル ニルジエトキシシラン、ジフェニルジメト シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、 ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリ トキシシラン、テトラメトキシシラン、テ ラエトキシシラン等を例示できる。

 真珠光沢顔料におけるシランカップリン 剤の含有率は、0.01質量%~1.0質量%であること が好ましい。0.01質量%より少ない場合、塗料 樹脂との親和性を向上させる効果があまり 待できない。一方、1.0質量%を超えると、カ ップリング剤同士の反応が起こり、塗料や樹 脂との親和性を逆に損なうおそれがある。ま た、コストが高くなる。

 カップリング剤は、オキサゾリン化合物 40の全体に分散していてもよいし、オキサ リン化合物層40と多価金属化合物層30(多価金 属化合物層30を設けない場合には二酸化チタ 層20)とに介在しているだけでもよい。つま 、カップリング剤層と、オキサゾリン化合 層40とをこの順番で形成してもよい。ただ 、このようにする場合であっても、カップ ング剤がオキサゾリン化合物層40に含まれる ものと捉えることができる。

 例えば、多価金属化合物層30(または二酸 チタン層20)を形成した後、その層の上に、 ップリング剤(好ましくは有機シランカップ リング剤)層を形成する。次に、カップリン 剤の官能基(有機官能基)とジカルボン酸とを 反応させ、カルボキシル基を最表面に有した 前駆体を得る。ここで用いるジカルボン酸は 、無水ジカルボン酸が好ましく、例えば、無 水マレイン酸、無水フマル酸、無水アジピン 酸が挙げられる。

 さらに、上記前駆体を、オキサゾリン基 有するオリゴマー(または重合体)で被覆す 。前駆体のカルボキシル基とオキサゾリン とが反応し、下記一般式(4)で表される構造 含む真珠光沢顔料が得られる。式中の「A」 、二酸化チタンで被覆された鱗片状ガラス 「B」は、シランカップリング剤、残部がオ キサゾリン化合物層40を表す。「E」は、先に 説明した通りである。このようにすれば、オ キサゾリン化合物層40を下地層(多価金属化合 物層30または二酸化チタン層20)に強固に密着 せることができる。シランカップリング剤 官能基と反応せずに残っているオキサゾリ 基(式中でいうとアミドエステル結合より右 側部分)が、塗料中のカルボキシル基含有樹 と結合することとなる。

 また、多価金属の水酸化物を主成分とす 多価金属化合物層30が形成されている場合 上記水酸化物と、有機シランカップリング の有機官能基の残基が加水分解してなるシ ノールとが脱水縮合して結合するので、よ 好ましい。

(真珠光沢顔料を含有する樹脂組成物)
 本発明の樹脂組成物の一例は、本発明の真 光沢顔料100と、マトリックスをなすカルボ シル基含有樹脂とを含む。樹脂組成物の形 は、溶液(有機溶媒溶液、水溶液)であって よいし、分散液(水性エマルジョン等)であっ てもよい。樹脂組成物の具体例としては、塗 料、コーティング剤、インクおよび接着剤が 挙げられる。本発明の樹脂組成物は、有機樹 脂の保護作用による基材の耐久性向上、外観 保護、意匠性付加等の目的で用いることがで きる。

 カルボキシル基を有する樹脂の一例とし は、アクリル酸樹脂(ホモポリマー)、(メタ) アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリ ル酸共重合体、酢酸ビニル-(メタ)アクリル酸 共重合体、(メタ)アクリル酸エステル-(メタ) クリル酸共重合体、スチレン-(メタ)アクリ 酸共重合体等のカルボキシル基含有アクリ 酸系重合体が挙げられる。他の例としては スチレン-ブタジエン共重合体(例えばカル キシル基が導入されたスチレン・ブタジエ 系ラテックス)、スチレン-無水マレイン酸共 重合体、カルボキシル基含有ウレタン樹脂、 カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、カル ボキシル基含有アルキド樹脂、カルボキシル 基含有ポリビニルアルコール系樹脂等の合成 樹脂が挙げられる。さらに他の例としては、 カルボキシメチルセルロース等の天然樹脂が 挙げられる。また、アクリル変性ポリエステ ル、アクリル変性ポリウレタン、アクリル変 性エポキシ樹脂のような2成分系樹脂も使用 能である。以下、カルボキシル基含有アク ル酸系重合体とアクリル変性エポキシ樹脂 ついて詳細に説明する。

(カルボキシル基含有アクリル酸系重合体)
 カルボキシル基含有アクリル酸系重合体は 例えば、アクリル酸エステル類と、芳香族 ニル類またはビニルエステル類とを共重合 せることにより得られる。カルボキシル基 有アクリル酸系重合体は、例えば、単量体( カルボキシル基またはその塩)に由来する構 単位が0.2~30質量%含まれていると好ましく、1 ~20質量%含まれているとより好ましい。カル キシル基含有アクリル酸系重合体の酸価は 2~200mg・KOH/gであると好ましく、10~100mg・KOH/g あるとより好ましい。

 カルボキシル基含有アクリル酸系重合体 重量平均分子量は、例えば、1000~1000000であ と好ましく、3000~500000であるとより好まし 、5000~100000であるとさらに好ましい。また、 カルボキシル基含有アクリル酸系重合体のガ ラス転移温度は、樹脂組成物の用途に応じて 異なるが、一般的には-60℃~50℃が好ましい。

 樹脂組成物が、塗料、コーティング剤ま は印刷用インクに用いられる場合、樹脂組 物は、ガラス転移温度が-10℃~50℃のカルボ シル基含有アクリル酸系重合体を含んでい と好ましい。樹脂組成物が接着剤に用いら る場合は、ガラス転移温度が-20℃~30℃のカ ボキシル基含有アクリル酸系重合体を含ん いると好ましい。

(アクリル変性エポキシ樹脂)
 アクリル変性エポキシ樹脂は、主鎖のエポ シ樹脂にアクリル系ビニル共重合体を導入 、このビニル共重合体にカルボキシル基が 合しているものである。

 ビニル共重合体とエポキシ樹脂とを親水 有機溶剤中で塩基性化合物の存在下でエス ル化反応させることにより、カルボキシル を含有するアクリル変性エポキシ樹脂を得 ことができる。ビニル共重合体の原料であ エチレン性不飽和カルボン酸単量体として 特に限定されず、例えば、アクリル酸、メ クリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ 酸等が挙げられる。これらは、2種以上用い られてもよい。この単量体成分を重合する方 法としては特に限定されず、例えば、アゾビ スイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキ サイド等の通常のラジカル重合開始剤を用い て重合すればよい。

 エポキシ樹脂としては、ビスフェノールF 型、ビスフェノールA型および水添ビスフェ ールA型エポキシ樹脂からなる群より選択さ る1種以上が好ましく、1分子中に平均1.1~2.0 のエポキシ基を有し、数平均分子量が900以 のものが好ましい。

 アクリル変性エポキシ樹脂の重量平均分 量としては、例えば、2000~100000が好ましい 重量平均分子量が2000~100000であれば、乳化分 散性がよく、アクリル系ビニル共重合体とエ ポキシ樹脂との反応時にゲル化が生じにくい 。

 樹脂組成物の形態は、その用途に応じて 溶液(有機溶媒溶液、水溶液)または分散液( 性エマルジョン等)であってもよい。カルボ キシル基含有樹脂の有機溶媒溶液において、 有機溶媒としては、例えば、アルコール類( えば、メタノール、エタノール、プロパノ ル、イソプロパノール、n-ブタノール等)、 肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン、ヘプタ 、オクタン等)、脂環族炭化水素類(例えば シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(例え ば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、エ テル類(例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル 酢酸イソブチル、酢酸n-ブチル等)、ケトン (例えば、アセトン、メチルエチルケトン、 チルイソブチルケトン等)、エーテル類(例 ば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テト ヒドロフラン等)、セルソルブ類(例えば、メ チルセルソルブ(エチレングリコールモノメ ルエーテル)、エチルセルソルブ、プロピル ルソルブ、ブチルセルソルブ、フェニルセ ソルブ、ベンジルセルソルブ等)、カルビト ール類(例えば、ジエチレングリコールモノ チルエーテル、カルビトール(ジエチレング コールモノエチルエーテル)、ジエチレング リコールモノプロピルエーテル等)、または れらの混合溶媒等を用いることができる。 

 樹脂組成物の水溶液は、例えば、カルボ シル基含有アクリル樹脂を、アルカリを用 て水に溶解させることによって得られる。 ルカリとしては、脂肪族アミン(例えば、ト リメチルアミン、トリエチルアミン、エチレ ンジアミン等)等の有機塩基;エタノールアミ 、ジエタノールアミン、ジメチルエタノー アミン、トリエタノールアミン等のアルカ ールアミン;モルホリン等の複素環式アミン ;アンモニア;アルカリ金属化合物(水酸化ナト リウム、水酸化カリウム等)等の無機塩基が げられる。これらのうち、アンモニア、ジ タノールアミン、ジメチルエタノールアミ 、トリエタノールアミンが好ましい。

 マトリックスをなす樹脂に含まれる酸性 (例えばカルボキシル基)は、マトリックス なす樹脂(例えばカルボキシル基含有アクリ 酸系重合体)が水分散化できる程度に、塩基 で中和されていることが望ましい。中和され る酸性基の割合としては、全ての酸性基の50% 程度であるとよい。例えば、マトリックスを なす樹脂に含まれる酸性基の全モル数を1と た場合、その0.4~2.0倍、好ましくは0.6~1.4倍の モル数のアミンを使用して中和するとよい。

 水性エマルジョンは、慣用の方法により 製できる。例えば、カルボキシル基含有ア リル酸系重合体におけるカルボキシル基の 部を塩基で中和することにより、カルボキ ル基含有アクリル酸系重合体を分散する方 が挙げられる。水性エマルジョンは、乳化 合法によって調製されてもよい。乳化重合 際しては、慣用の乳化剤(例えば、アニオン 系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、ポリ ビニルアルコールや水溶性ポリマー等の保護 コロイド)を用いればよい。水性エマルジョ のpHは、pH調整剤を用いて調整してもよい。

 樹脂組成物中におけるマトリックスをな 樹脂の濃度(固形分濃度)は、特に制限され いが、例えば、10~70質量%が好ましく、25~50質 量%であるとより好ましい。

(架橋硬化剤)
 本発明の真珠光沢顔料を含む樹脂組成物、 料、コーティング剤および印刷用インクは 架橋硬化剤をさらに含んでいてもよい。架 硬化剤として、アミノ樹脂および/またはポ リイソシアネートを用いることができる。塗 料やコーティング剤のマトリックスをなす樹 脂が水酸基を有している場合、この水酸基が アミノ樹脂やポリイソシアネート化合物とい った架橋剤と反応して硬化する。アミノ樹脂 および/またはポリイソシアネート化合物は 水酸基以外に活性水素を有するカルボシル 、アミノ基などとも架橋反応する。

 アミノ樹脂(架橋硬化剤)としては、アル ルエーテル化メラミン樹脂等のメラミン樹 、アルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹 等のベンゾグアナミン樹脂、アルキルエー ル化尿素樹脂等の尿素樹脂が挙げられる。 れらの中でも、メラミン樹脂が好ましい。 ラミン樹脂の具体例としては、ジメチロー メラミン、トリメチロールメラミン、テト メチロールメラミン、ペンタメチロールメ ミン、ヘキサメチロールメラミンが挙げら る。さらに、アミノ樹脂としては、これら メラミン樹脂のアルキルエーテル化物(メチ エーテル、エチルエーテル、プロピルエー ル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテ 、イソブチルエーテル等)、尿素-ホルムア ド縮合物、尿素-メラミン縮合物であっても い。これらのアミノ樹脂は、2種以上併用さ れてもよい。

 アミノ樹脂の含有量としては、例えば、 トリックスをなす樹脂(固形分)とアミノ樹 (固形分)との質量比が、95/5~60/40となるよう 設定されると好ましく、85/15~65/35となるよう に設定されるとより好ましい。このようにす れば、塗料を塗布することにより形成された 塗膜、および、コーティング剤をコーティン グすることにより得られたコーティング層に ついて、高い強度および高い耐蝕性が得られ る。

 ポリイソシアネート化合物(架橋硬化剤) しては、例えば、ポリイソシアネートのイ シアネート基をブロック剤でマスクした構 のブロックポリイソシアネート化合物が好 である。ポリイソシアネートとしては、HDI (ヘキサメチレンジイシアネート等)、TDI系( リレンジイソシアネート等)、XDI系(キシリレ ンジイソシアネート等)、MDI系(ジフェニルメ ンジイソシアネート等)等が挙げられる。ブ ロック剤としては、オキシムやラクタム等が 挙げられる。

 上記ポリイソシアネート化合物の含有量 しては、ポリイソシアネート化合物がブロ クポリイソシアネート化合物である場合、 トリックスをなす樹脂が有する水酸基と、 リイソシアネート化合物が有する脱ブロッ 化された再生イソシアネート基とのモル比( 水酸基のモル数/再生イソシアネート基のモ 数)が、100/20~100/150になるようにするとよい

(塗装方法)
 本発明の樹脂組成物は、塗料、コーティン 剤、印刷用インクまたは接着剤に用いるこ ができる。これらは、被着体に塗布等され 後、必要に応じて加熱し乾燥されることに り、塗膜、コーティング層または接着層と る。塗布方法またはコーティング方法とし は、特に制限はないが、スプレーコーティ グ、ロールコーティング、ナイフコーティ グ、バーコーターコーティング、ディップ ーティング、刷毛を用いた塗布等の慣用の 法が挙げられる。塗膜またはコーティング の厚みは、被着体の種類に応じて異なるが 例えば、0.1μm~1000μmであると好ましく、0.2μ m~500μmであるとより好ましく、0.3μm~300μmであ るとさらに好ましい。接着層の厚みは、被着 体の種類に応じて異なるが、例えば、1μm~1000 0μmであると好ましく、5μm~5000μmであるとよ 好ましく、10μm~3000μmであるとさらに好まし 。

 塗料、コーティング剤または接着剤の乾 または硬化を行う雰囲気の温度は、例えば 10℃~200℃であると好ましく、20℃~150℃であ とより好ましく、50℃~120℃であるとさらに ましい。

 本発明の樹脂組成物は、真珠光沢顔料と アクリル樹脂とを混合して調製できる。樹 組成物は、粉体であってもよいが、通常、 機溶媒または水を溶媒とする溶液もしくは 散液(エマルジョン)である場合が多い。好 しい樹脂組成物は、通常、有機溶剤を含ん おり、コーティング剤や接着剤として有用 ある。

 樹脂組成物は、慣用の方法、例えば、混 分散機を用いて調製でき、必要により分散 を用いて、分散機(例えば、ボールミル、超 音波分散機)により、真珠光沢顔料、添加剤( えば、充填剤)を分散させてもよい。

 真珠光沢顔料の使用割合は、オキサゾリ 基を有する化合物の分子量やオキサゾリン の導入量、アクリル樹脂の分子量や酸価等 依存するため一概には断定できないが、例 ば、固形分換算で、アクリル樹脂100質量部 対して0.1~120質量部、好ましくは0.5~100質量 (例えば、1~50質量部)程度の範囲から選択で る。

 なお、樹脂組成物には、用途に応じて、 の熱可塑性樹脂(例えば、カルボキシル基を 含まないアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等 )、熱硬化性樹脂(例えば、ウレタン樹脂、ア ノ樹脂等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱 安定剤等の安定剤、可塑剤、帯電防止剤、分 散剤、皮張り防止剤、増粘剤等の粘度調整剤 、平坦化剤、たれ防止剤、防黴剤、防腐剤、 充填剤、染顔料等の添加剤を添加してもよい 。

 真珠光沢顔料100とカルボキシル基含有樹 (例えばアクリル樹脂)とを含む樹脂組成物 よって形成される塗膜は、高い硬度を有す とともに、耐摩耗性、耐溶剤性が優れてい 。また、塗膜の耐薬品性、基材や被着体と 密着性も改善できる。そのため、上記樹脂 成物は、塗料、コーティング剤および接着 に有用である。

 塗料中における真珠光沢顔料100の含有率 、乾燥硬化後の塗膜において、0.1質量%~30質 量%となるように調整することが好ましい。 り好ましい含有率は、1質量%~20質量%である 真珠光沢顔料100の含有率が0.1質量%よりも少 い場合には、塗膜の光輝性の向上があまり 待できない。一方、30質量%よりも多いと、 有率の割には光輝性の向上が小さくなり、 って素地の色調を損なってしまうおそれが る。 

 また、真珠光沢顔料100は、素地の色調を ないにくいので、あらゆる色の塗料に利用 ることができる。例えば、赤、青、緑、黒 の原色に加え、色調の調整が困難なパステ カラー等にも使用できる。インクに配合す 場合には、平均厚さ0.1m~2μm、平均粒径120μm 下の鱗片状ガラスを基体10とした真珠光沢 料100を使用することが好ましい。平均厚さ 2μm以上では、筆跡の外観上、真珠光沢顔料 飛び出したようになり、滑らかさが損なわ るおそれがある。また、平均粒径が120μmを える場合も筆跡の滑らかさが損なわれるお れがある。さらに、グラビアインク、オフ ットインクの場合は、印刷適正が要求され ため平均粒径50μm以下が好ましい。

 以下に、実施例および比較例を示して本 明をより詳細に説明するが、本発明の要旨 逸脱しない限り、本発明が以下の実施例に 定されるものではない。

 なお、真珠光沢顔料の平均粒径は、レー ー回折式粒度計を用いて測定した。真珠光 顔料の平均厚みは、電子顕微鏡を用い50粒 端面の厚みを測定し、それを平均して求め 。ランタン、セリウム、タングステンから る水酸化物または酸化物水和物の含有率は 試料を全溶解し、誘導結合プラズマ(Inductivel y Coupled Plasma、略称ICP)にて測定した。二酸 チタンおよび酸化鉄の含有率は、被覆前後 重量差を秤り、決定した。シリカとアルミ ウムの含有率は、二次イオン質量分析(SIMS:Se condary Ion-Microprobe Mass Spectrometer、Cameca社製 IMS-6F)を用いて測定した。具体的には、光輝 顔料の表面から鱗片状ガラス基体の表面ま の成分分布に基づいて決定した。オキサゾ ン基を有する化合物(重合体またはオリゴマ ー)、カップリング剤の含有率は、加熱焼成 を用い、400℃で1時間の加熱前後の強熱減量 ら決定した。なお、以下の実施例および比 例では、含有率のことを付着量という。

(実施例1)
 実施例1は、ルチル型二酸化チタンが被覆さ れた鱗片状ガラス上に、セリウムの水酸化物 または酸化物水和物の被膜を形成し、さらに 、その表面にオキサゾリン基含有重合体の被 膜を形成したものである。

 ルチル型二酸化チタンが被覆され干渉色 呈する真珠光沢顔料として、日本板硝子社 メタシャイン(登録商標)MC1020RBを用いた。こ の真珠光沢顔料は、平均粒径20μm、平均厚み1 .6μmであり、ルチル型二酸化チタンの付着量 約26質量%であり、青色光沢の干渉色を呈し いる。

 まず、硝酸セリウム(III)6水和物[Ce(NO 3 ) 3 ・6H 2 O]0.6gを用いて2質量%水溶液を調製した。前記 珠光沢顔料約50gを精製水0.5L(リットル)に懸 させ、ウォーターバスで75℃に保ち、希硝 にてpH6になるよう調整した。次いで、懸濁 に、調製した硝酸セリウム水溶液と1N水酸化 ナトリウム水溶液2.0gを10分かけてゆっくり添 加した。添加後、引き続きpH6を維持しながら 、75℃で30分間攪拌を続けた。その後、懸濁 を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し水 して、セリウムの水酸化物または酸化物水 物が被覆された真珠光沢顔料を得た。

 さらに、オキサゾリン基含有重合体(日本 触媒社製エポクロスWS-700、樹脂固形分25質量% 、オキサゾリン価220g/eq)2.0gを準備し、イオン 交換水0.5Lに投入し攪拌し処理液を得た。そ 後、処理液に、セリウムの水酸化物または 化物水和物が被覆された真珠光沢顔料約50g 添加し、30分攪拌した後、懸濁液を濾紙で濾 過し、濾過固形物を取り出し120℃で2時間乾 した。この場合のオキサゾリン基含有重合 の樹脂固形分換算添加量は1質量%である。こ のようにして、鱗片状ガラスの上に、ルチル 型二酸化チタン、セリウムの水酸化物または 酸化物水和物、オキサゾリン基含有重合体が この順に被覆処理された真珠光沢顔料を得た 。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るセリウムの水酸化物または酸化物水和物 付着量は、セリウムとして約0.3質量%、オキ サゾリン基含有重合体の付着量は0.5質量%で った。その際のセリウムは、ルチル型二酸 チタンの約1.2質量%に相当する。

(実施例2)
 実施例2は、鱗片状ガラス、ルチル型二酸化 チタン、セリウムの水酸化物または酸化物水 和物、オキサゾリン基含有重合体と有機シラ ンカップリング剤とを含む層が、この順に形 成された真珠光沢顔料である。

 有機シランカップリング剤として、3-メ クリロキシプロピルトリエトキシシラン(日 ユニカー社製A-174)0.5gを準備し、イオン交換 水0.5Lに投入して攪拌し、加水分解させた。 キサゾリン基含有重合体(日本触媒社製エポ ロスWS-700、樹脂固形分25質量%、オキサゾリ 価220g/eq)2gを準備し、シランカップリング剤 の加水分解液に添加した。

 上記の加水分解液に、セリウムの水酸化 または酸化物水和物の被覆を行った真珠光 顔料約50gを添加し、30分攪拌した後、懸濁 を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し120 で2時間乾燥した。この場合のオキサゾリン 含有重合体の樹脂固形分換算添加量は1質量 %、有機シランカップリング剤添加量は1質量% である。このようにして、鱗片状ガラスの上 に、ルチル型二酸化チタン、セリウムの水酸 化物または酸化物水和物、オキサゾリン基含 有重合体と有機シランカップリング剤が、こ の順に被覆処理された真珠光沢顔料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るセリウムの水酸化物または酸化物水和物 付着量はセリウムとして約0.3質量%、オキサ ゾリン基含有重合体と有機シランカップリン グ剤の合計付着量は0.6質量%であった。その のセリウムは、ルチル型二酸化チタンの約1. 2質量%に相当する。

(実施例3)
 実施例3は、鱗片状ガラス、ルチル型二酸化 チタン、セリウムとアルミニウムとの水酸化 物または酸化物水和物を含む層、オキサゾリ ン基含有重合体が、この順に形成された真珠 光沢顔料である。

 アルミニウム化合物として、塩化アルミ ウム6水和物0.6gを用いて2質量%水溶液を準備 し、硝酸セリウム(III)6水和物0.6gを用いて2質 %水溶液と1N水酸化ナトリウム水溶液8.0gと同 時に、実施例1と同様の操作で懸濁液に添加 、濾過固形物を水洗・乾燥させて、セリウ とアルミニウムとの水酸化物または酸化物 和物が被覆された真珠光沢顔料を得た。

 一方、実施例1と同様にして、オキサゾリ ン基含有重合体(日本触媒社製エポクロスWS-70 0、樹脂固形分25質量%、オキサゾリン価220g/eq) 2.0gを準備し、イオン交換水0.5Lに投入し攪拌 処理液を得た。

 その後、前記セリウムとアルミニウムと 水酸化物または酸化物水和物が被覆された 珠光沢顔料約50gを上記処理液に添加して懸 液を作り、30分攪拌した後、懸濁液を濾紙 濾過し、濾過固形物を取り出し120℃で2時間 燥した。この場合のオキサゾリン基含有重 体の樹脂固形分換算添加量は1質量%である このようにして、鱗片状ガラスの上に、ル ル型二酸化チタン、セリウムとアルミ二ウ との水酸化物または酸化物水和物、オキサ リン基含有重合体が、この順に被覆処理さ た真珠光沢顔料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るセリウムの水酸化物または酸化物水和物 付着量はセリウムとして約0.3質量%、アルミ ニウムの水酸化物または酸化物水和物の付着 量はアルミニウムとして約0.3質量%、オキサ リン基含有重合体の付着量は0.5質量%であっ 。その際のセリウムは、ルチル型二酸化チ ンの約1.2質量%に相当する。さらに、アルミ ニウムはルチル型二酸化チタンの約1.2質量% 相当する。したがって、セリウムとアルミ ウムの総和は、ルチル型二酸化チタンの約2. 4質量%に相当する。

(実施例4)
 実施例4は、最表面を形成する被膜がオキサ ゾリン含有重合体と有機シランカップリング 剤とを含むものになった以外は、実施例3と 様にして得た真珠光沢顔料である。すなわ 、鱗片状ガラス、ルチル型二酸化チタン、 リウムとアルミニウムとの水酸化物または 化物水和物を含む層、オキサゾリン基含有 合体と有機シランカップリング剤とを含む が、この順に形成された真珠光沢顔料であ 。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るセリウムの水酸化物または酸化物水和物 付着量はセリウムとして約0.3質量%、アルミ ニウムの水酸化物または酸化物水和物の付着 量はアルミニウムとして約0.3質量%、オキサ リン基含有重合体と有機シランカップリン 剤の合計付着量は0.6質量%であった。その際 セリウムは、ルチル型二酸化チタンの約1.2 量%に相当する。さらに、アルミニウムはル チル型二酸化チタンの約1.2質量%に相当する したがって、セリウムとアルミニウムの総 は、ルチル型二酸化チタンの約2.4質量%に相 する。

(実施例5)
 実施例5は、ルチル型二酸化チタンが被覆さ れた鱗片状ガラス上に、シリカ被膜を形成し た真珠光沢顔料である。すなわち、鱗片状ガ ラス、ルチル型二酸化チタン、シリカ、セリ ウムの水酸化物または酸化物水和物、オキサ ゾリン基含有重合体が、この順に形成された 真珠光沢顔料である。

 ルチル型二酸化チタンが被覆され干渉色 呈する真珠光沢顔料として日本板硝子社製 タシャイン(登録商標)MC1020RBを用いた。この 真珠光沢顔料50gを精製水0.5Lに懸濁させ、ウ ーターバスで75℃に保ち、懸濁液に、ケイ酸 ナトリウム溶液(シリカ固形分37.1%、和光純薬 社製)を5g秤量し精製水で10倍に希釈したもの ゆっくりと添加した。この際の操作は、3.5 量%塩酸で、懸濁液のpHを9.2~9.4に保ちながら 進めた。添加後、75℃で30分間攪拌を続けた その後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形 を取り出し水洗して、無定形シリカが被覆 れた真珠光沢顔料を得た。

 その後、実施例1と同様にして、セリウム の水酸化物または酸化物水和物、オキサゾリ ン基含有重合体の処理を行って、鱗片状ガラ スの上に、ルチル型二酸化チタン、シリカ、 セリウムの水酸化物または酸化物水和物、オ キサゾリン基含有重合体が、この順に被覆処 理された真珠光沢顔料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るシリカの付着量は約1質量%、セリウムの 酸化物または酸化物水和物の付着量はセリ ムとして約0.3質量%、オキサゾリン基含有重 体の付着量は0.5質量%であった。その際のセ リウムは、ルチル型二酸化チタンの約1.2質量 %に相当する。

(実施例6)
 実施例6は、ルチル型二酸化チタンが被覆さ れた鱗片状ガラス上に、シリカ被膜を形成し た以外は、実施例2と同様の真珠光沢顔料で る。すなわち、鱗片状ガラス、ルチル型二 化チタン、シリカ、セリウムの水酸化物ま は酸化物水和物、オキサゾリン基含有重合 と有機シランカップリング剤とを含む層が この順に形成された真珠光沢顔料である。

 ルチル型二酸化チタンが被覆され干渉色 呈する真珠光沢顔料として日本板硝子社製 タシャイン(登録商標)MC1020RBを用いた。この 真珠光沢顔料50gを精製水0.5Lに懸濁させ、ウ ーターバスで75℃に保ち、懸濁液に、ケイ酸 ナトリウム溶液(シリカ固形分37.1%、和光純薬 社製)を5g秤量し精製水で10倍に希釈したもの ゆっくりと添加した。この際の操作は、3.5 量%塩酸で、懸濁液のpHを9.2~9.4に保ちながら 進めた。添加後、75℃で30分間攪拌を続けた その後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形 を取り出し水洗して、無定形シリカが被覆 れた真珠光沢顔料を得た。

 その後、実施例2と同様にして、セリウム の水酸化物または酸化物水和物、オキサゾリ ン基含有重合体と有機シランカップリング剤 の処理を行って、鱗片状ガラスの上に、ルチ ル型二酸化チタン、シリカ、セリウムの水酸 化物または酸化物水和物、オキサゾリン基含 有重合体と有機シランカップリング剤とを含 む層が、この順に被覆処理された真珠光沢顔 料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るシリカの付着量は約1質量%、セリウムの 酸化物または酸化物水和物の付着量はセリ ムとして約0.3質量%、オキサゾリン基含有重 体と有機シランカップリング剤の合計付着 は0.6質量%であった。その際のセリウムは、 ルチル型二酸化チタンの約1.2質量%に相当す 。

(実施例7)
 実施例7は、実施例5におけるセリウムの水 化物または酸化物水和物に代えて、タング テンの酸性酸化物または酸化物水和物とリ 酸塩とを含む層を形成した真珠光沢顔料で る。すなわち、鱗片状ガラス、ルチル型二 化チタン、シリカ、タングステンの酸性酸 物または酸化物水和物とリン酸塩を含む層 オキサゾリン基含有重合体が、この順に形 された真珠光沢顔料である。

 タングステンの酸性酸化物または酸化物水 物とリン酸塩を含む層は、以下のようにし 形成した。まず、タングステン酸(VI)ナトリ ウム・2水和物(Na 2 WO 4 ・2H 2 O)0.6gを用いて2質量%水溶液を調製した。次に 実施例5と同様にして、シリカ被覆された真 珠光沢顔料約50gを精製水0.5Lに懸濁させ、ウ ーターバスで75℃に保ち、希硝酸にてpH6にな るよう調整した。その懸濁液に、調製したタ ングステン酸(VI)ナトリウム水溶液と0.1Nのリ 酸溶液20mLを10分かけてゆっくり添加した。 加後、引き続きpH6を維持しながら、75℃で30 分間攪拌を続けた。その後、懸濁液を濾紙で 濾過し、濾過固形物を取り出し水洗して、タ ングステンの酸性酸化物または酸化物水和物 とリン酸塩を含む層が被覆された真珠光沢顔 料を得た。

 その後、実施例1と同様にして、オキサゾ リン基含有重合体の処理を行って、鱗片状ガ ラスの上に、ルチル型二酸化チタン、シリカ 、タングステンの酸性酸化物または酸化物水 和物とリン酸塩を含む層、オキサゾリン基含 有重合体が、この順に被覆処理された真珠光 沢顔料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るシリカの付着量は約1質量%、タングステ の酸性酸化物または酸化物水和物の付着量 タングステンとして約0.2質量%、リン酸塩の 着量はリンとして0.02質量%、オキサゾリン 含有重合体の付着量は0.5質量%であった。そ 際のタングステンは、ルチル型二酸化チタ の約0.8質量%に相当する。

(実施例8)
 実施例8は、最表面を形成する被膜がオキサ ゾリン含有重合体と有機シランカップリング 剤とを含むものになった以外は、実施例7と 様にして得た真珠光沢顔料である。すなわ 、鱗片状ガラス、ルチル型二酸化チタン、 定形シリカ、タングステンの酸性酸化物ま は酸化物水和物とリン酸塩を含む層、オキ ゾリン基含有重合体と有機シランカップリ グ剤とを含む層が、この順に形成された真 光沢顔料である。

 オキサゾリン含有重合体と有機シランカ プリング剤とを含む被膜は、実施例2で説明 した方法で形成した。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお る無定形シリカの付着量は約1質量%、タン ステンの酸性酸化物または酸化物水和物の 着量はタングステンとして約0.2質量%、リン 塩の付着量はリンとして0.02質量%、オキサ リン基含有重合体と有機シランカップリン 剤の合計付着量は0.6質量%であった。その際 タングステンは、ルチル型二酸化チタンの 0.8質量%に相当する。

(実施例9)
 実施例9は、実施例5におけるセリウムの水 化物または酸化物水和物に代えて、ランタ の水酸化物または酸化物水和物を被覆した 珠光沢顔料である。すなわち、鱗片状ガラ 、ルチル型二酸化チタン、無定形シリカ、 ンタンの水酸化物または酸化物水和物、オ サゾリン基含有重合体が、この順に形成さ た真珠光沢顔料である。

 ランタンの水酸化物または酸化物水和物は 以下のようにして形成した。まず、硝酸ラ タン(III)6水和物[La(NO 3 ) 3 ・6H 2 O]0.6gを用いて2質量%水溶液を調製した。無定 シリカで被覆された真珠光沢顔料約50gを精 水0.5Lに懸濁させ、ウォーターバスで75℃に ち、希硝酸にてpH6になるよう調整した。そ 懸濁液に、調製した硝酸ランタン水溶液と1 N水酸化ナトリウム水溶液2.0gを10分かけてゆ くり添加した。添加後、引き続きpH6を維持 ながら、75℃で30分間攪拌を続けた。その後 懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り し水洗して、ランタンの水酸化物または酸 物水和物が被覆された真珠光沢顔料を得た

 その後、実施例1と同様にして、オキサゾ リン基含有重合体の処理を行って、鱗片状ガ ラスの上に、ルチル型二酸化チタン、無定形 シリカ、ランタンの水酸化物または酸化物水 和物、オキサゾリン基含有重合体が、この順 に被覆処理された真珠光沢顔料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお る無定形シリカの付着量は約1質量%、ラン ンの水酸化物または酸化物水和物の付着量 ランタンとして約0.2質量%、オキサゾリン基 有重合体の付着量は0.5質量%であった。その 際のランタンは、ルチル型二酸化チタンの約 0.8質量%に相当する。

(実施例10)
 実施例10は、実施例6におけるセリウムの水 化物または酸化物水和物に代えて、ランタ の水酸化物または酸化物水和物を被覆した 珠光沢顔料である。すなわち、鱗片状ガラ 、ルチル型二酸化チタン、無定形シリカ、 ンタンの水酸化物または酸化物水和物、オ サゾリン基含有重合体と有機シランカップ ング剤とを含む層が、この順に形成された 珠光沢顔料である。

 ランタンの水酸化物または酸化物水和物 実施例9と同様の方法で形成し、ランタンの 水酸化物または酸化物水和物が被覆された真 珠光沢顔料を得た。

 その後、実施例2と同様にして、オキサゾ リン基含有重合体と有機シランカップリング 剤とを含む処理を行って、鱗片状ガラスの上 に、ルチル型二酸化チタン、無定形シリカ、 ランタンの水酸化物または酸化物水和物、オ キサゾリン基含有重合体が、この順に被覆処 理された真珠光沢顔料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお る無定形シリカの付着量は約1質量%、ラン ンの水酸化物または酸化物水和物の付着量 ランタンとして約0.2質量%、オキサゾリン基 有重合体と有機シランカップリング剤との 計付着量は0.6質量%であった。その際のラン タンは、ルチル型二酸化チタンの約0.8質量% 相当する。

(実施例11)
 実施例11は、実施例5における無定形シリカ 代えて、ランタンの水酸化物または酸化物 和物を被覆した真珠光沢顔料である。すな ち、鱗片状ガラス、ルチル型二酸化チタン ランタンの水酸化物または酸化物水和物、 リウムの水酸化物または酸化物水和物、オ サゾリン基含有重合体が、この順に形成さ た真珠光沢顔料である。

 ランタンの水酸化物または酸化物水和物は 以下のようにして形成した。まず、硝酸ラ タン(III)6水和物[La(NO 3 ) 3 ・6H 2 O]0.6gを用いて2質量%水溶液を調製した。ルチ 型二酸化チタンで被覆された鱗片状ガラス らなる真珠光沢顔料約50gを精製水0.5Lに懸濁 させ、ウォーターバスで75℃に保ち、希硝酸 てpH6になるよう調整した。懸濁液に、調製 た硝酸ランタン水溶液と1N水酸化ナトリウ 水溶液2.0gを10分かけてゆっくり添加した。 加後、引き続きpH6を維持しながら、75℃で30 間攪拌を続けた。その後、懸濁液を濾紙で 過し、濾過固形物を取り出し水洗して、ラ タンの水酸化物または酸化物水和物が被覆 れた真珠光沢顔料を得た。

 その後、実施例1と同様にして、セリウム の水酸化物または酸化物水和物、オキサゾリ ン基含有重合体の処理を行って、鱗片状ガラ スの上に、ルチル型二酸化チタン、ランタン の水酸化物または酸化物水和物、セリウムの 水酸化物または酸化物水和物、オキサゾリン 基含有重合体が、この順に被覆処理された真 珠光沢顔料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るランタンの水酸化物または酸化物水和物 付着量はランタンとして約0.2質量%、セリウ ムの水酸化物または酸化物水和物の付着量は セリウムとして約0.3質量%、オキサゾリン基 有重合体の付着量は0.5質量%であった。その のランタンは、ルチル型二酸化チタンの約0 .8質量%に相当する。セリウムは、ルチル型二 酸化チタンの約1.2質量%に相当する。したが て、ランタンとセリウムの総和は、ルチル 二酸化チタンの約2.0質量%に相当する。

(実施例12)
 実施例12は、実施例6における無定形シリカ 代えて、ランタンの水酸化物または酸化物 和物を被覆した真珠光沢顔料である。すな ち、鱗片状ガラス、ルチル型二酸化チタン ランタンの水酸化物または酸化物水和物、 リウムの水酸化物または酸化物水和物、オ サゾリン基含有重合体と有機シランカップ ング剤とを含む層が、この順に形成された 珠光沢顔料である。

 ランタンの水酸化物または酸化物水和物 実施例11と同様の方法で形成し、ランタン 水酸化物または酸化物水和物が被覆された 珠光沢顔料を得た。

 その後、実施例2と同様にして、セリウム の水酸化物または酸化物水和物、オキサゾリ ン基含有重合体と有機シランカップリング剤 の処理を行って、鱗片状ガラスの上に、ルチ ル型二酸化チタン、ランタンの水酸化物また は酸化物水和物、セリウムの水酸化物または 酸化物水和物、オキサゾリン基含有重合体と 有機シランカップリング剤とを含む層が、こ の順に被覆処理された真珠光沢顔料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るランタンの水酸化物または酸化物水和物 付着量はランタンとして約0.2質量%、セリウ ムの水酸化物または酸化物水和物の付着量は セリウムとして約0.3質量%、オキサゾリン基 有重合体と有機シランカップリング剤との 計付着量は0.6質量%であった。その際のラン ンは、ルチル型二酸化チタンの約0.8質量%に 相当する。セリウムは、ルチル型二酸化チタ ンの約1.2質量%に相当する。したがって、ラ タンとセリウムの総和は、ルチル型二酸化 タンの約2.0質量%に相当する。

(実施例13)
 実施例13は、実施例5における無定形シリカ 代えて、タングステンの酸性酸化物または 化物水和物とリン酸塩を含む層で被覆した 珠光沢顔料である。すなわち、鱗片状ガラ 、ルチル型二酸化チタン、タングステンの 性酸化物または酸化物水和物とリン酸塩を む層、セリウムの水酸化物または酸化物水 物、オキサゾリン基含有重合体が、この順 形成された真珠光沢顔料である。

 タングステンの酸性酸化物または酸化物水 物とリン酸塩を含む層は、以下のようにし 形成した。まず、タングステン酸(VI)ナトリ ウム・2水和物(Na 2 WO 4 ・2H 2 O)0.6gを用いて2質量%水溶液を調製した。次に 実施例5と同様にして、ルチル型二酸化チタ ンで被覆された真珠光沢顔料約50gを精製水0.5 Lに懸濁させ、ウォーターバスで75℃に保ち、 希硝酸にてpH6になるよう調整した。懸濁液に 、調製したタングステン酸(VI)ナトリウム水 液と0.1Nのリン酸溶液20mLを10分かけてゆっく 添加した。添加後、引き続きpH6を維持しな ら、75℃で30分間攪拌を続けた。その後、懸 濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し 水洗して、タングステンの酸性酸化物または 酸化物水和物とリン酸塩とを含む層が被覆さ れた真珠光沢顔料を得た。

 その後、実施例1と同様にして、セリウム の水酸化物または酸化物水和物、オキサゾリ ン基含有重合体の処理を行って、鱗片状ガラ スの上に、ルチル型二酸化チタン、タングス テンの酸性酸化物または酸化物水和物とリン 酸塩、セリウムの水酸化物または酸化物水和 物、オキサゾリン基含有重合体が、この順に 被覆処理された真珠光沢顔料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るタングステンの酸性酸化物または酸化物 和物の付着量はタングステンとして約0.2質 %、リン酸塩の付着量はリンとして0.02質量% セリウムの水酸化物または酸化物水和物の 着量はセリウムとして約0.3質量%、オキサゾ リン基含有重合体の付着量は0.5質量%であっ 。その際のタングステンは、ルチル型二酸 チタンの約0.8質量%に相当する。セリウムは ルチル型二酸化チタンの約1.2質量%に相当す る。したがって、タングステンとセリウムの 総和は、ルチル型二酸化チタンの約2.0質量% 相当する。

(実施例14)
 実施例14は、実施例6における無定形シリカ 代えて、タングステンの酸性酸化物または 化物水和物とリン酸塩を含む層で被覆した 珠光沢顔料である。すなわち、鱗片状ガラ 、ルチル型二酸化チタン、タングステンの 性酸化物または酸化物水和物とリン酸塩を む層、セリウムの水酸化物または酸化物水 物、オキサゾリン基含有重合体と有機シラ カップリング剤とを含む層が、この順に形 された真珠光沢顔料である。

 タングステンの酸性酸化物または酸化物 和物とリン酸塩を含む層を実施例13と同様 方法で形成し、タングステンの酸性酸化物 たは酸化物水和物とリン酸塩を含む層が被 された真珠光沢顔料を得た。

 その後、実施例2と同様にして、セリウム の水酸化物または酸化物水和物、オキサゾリ ン基含有重合体と有機シランカップリング剤 の処理を行って、鱗片状ガラスの上に、ルチ ル型二酸化チタン、タングステンの酸性酸化 物または酸化物水和物とリン酸塩、セリウム の水酸化物または酸化物水和物、オキサゾリ ン基含有重合体が、この順に被覆処理された 真珠光沢顔料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るタングステンの酸性酸化物または酸化物 和物の付着量はタングステンとして約0.2質 %、リン酸塩の付着量はリンとして0.02質量% セリウムの水酸化物または酸化物水和物の 着量はセリウムとして約0.3質量%、オキサゾ リン基含有重合体と有機シランカップリング 剤との合計付着量は0.6質量%であった。その のタングステンは、ルチル型二酸化チタン 約0.8質量%に相当する。セリウムは、ルチル 二酸化チタンの約1.2質量%に相当する。した がって、タングステンとセリウムの総和は、 ルチル型二酸化チタンの約2.0質量%に相当す 。

(実施例15)
 実施例15は、実施例1におけるオキサゾリン 含有重合体に代えて、オキサゾリン低分子 合物で被覆した真珠光沢顔料である。すな ち、鱗片状ガラス、ルチル型二酸化チタン 水酸化セリウム、オキサゾリン低分子化合 の被膜が、この順に形成された真珠光沢顔 である。

 オキサゾリン低分子化合物として、2,2-(1, 3-フェニレン)-ビス(2-オキサゾリン)[武田薬品 工業社製、以下、「ビスオキサゾリン」と称 する]1.0gを準備し、イオン交換水0.5Lに投入し 攪拌し処理液を得た。その後、実施例1と同 にして、処理液に、セリウムの水酸化物ま は酸化物水和物が被覆された真珠光沢顔料 50gを添加し、30分攪拌した後、懸濁液を濾紙 で濾過し、濾過固形物を取り出し120℃で2時 乾燥した。このようにして、鱗片状ガラス 上に、ルチル型二酸化チタン、セリウムの 酸化物または酸化物水和物、ビスオキサゾ ンが、この順に被覆処理された真珠光沢顔 を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るセリウムの水酸化物または酸化物水和物 付着量は約0.3質量%、ビスオキサゾリンの付 着量は0.1質量%であった。セリウムは、ルチ 型二酸化チタンの約1.2質量%に相当する。

(実施例16)
 実施例16は、3価の酸化鉄が被覆された鱗片 ガラス上に、シリカ被膜を形成した真珠光 顔料である。すなわち、鱗片状ガラス、酸 鉄、シリカ、セリウムの水酸化物または酸 物水和物、オキサゾリン基含有重合体が、 の順に形成された真珠光沢顔料である。

 酸化鉄が被覆され干渉色を呈する真珠光 顔料として、日本板硝子社製メタシャイン( 登録商標)MC1020TZを用いた。この真珠光沢顔料 50gを精製水0.5Lに懸濁させ、ウォーターバス 75℃に保ち、懸濁液に、ケイ酸ナトリウム溶 液(シリカ固形分37.1%、和光純薬社製)を5g秤量 し精製水で10倍に希釈したものをゆっくりと 加した。この際の操作は、3.5質量%塩酸で、 懸濁液のpHを9.2~9.4に保ちながら進めた。添加 後、75℃で30分間攪拌を続けた。その後、懸 液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し 洗して、無定形シリカが被覆された真珠光 顔料を得た。

 その後、実施例1と同様にして、セリウム の水酸化物または酸化物水和物、オキサゾリ ン基含有重合体の処理を行って、鱗片状ガラ スの上に、酸化鉄、シリカ、セリウムの水酸 化物または酸化物水和物、オキサゾリン基含 有重合体が、この順に被覆処理された真珠光 沢顔料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るシリカの付着量は約1質量%、セリウムの 酸化物または酸化物水和物の付着量はセリ ムとして約0.3質量%、オキサゾリン基含有重 体の付着量は0.5質量%であった。その際のセ リウムは、酸化鉄の約1.2質量%に相当する。

(実施例17)
 実施例17は、実施例16における無定形シリカ に代えて、ランタンの水酸化物または酸化物 水和物を被覆した真珠光沢顔料である。すな わち、鱗片状ガラス、3価の酸化鉄、ランタ の水酸化物または酸化物水和物、セリウム 水酸化物または酸化物水和物、オキサゾリ 基含有重合体が、この順に形成された真珠 沢顔料である。

 ランタンの水酸化物または酸化物水和物 、以下のようにして形成した。まず、硝酸 ンタン(III)6水和物0.6gを用いて2質量%水溶液 調製した。酸化鉄で被覆された鱗片状ガラ からなる真珠光沢顔料約50gを精製水0.5Lに懸 濁させ、ウォーターバスで75℃に保ち、希硝 にてpH6になるよう調整した。懸濁液に、調 した硝酸ランタン水溶液と1N水酸化ナトリ ム水溶液2.0gを10分かけてゆっくり添加した 添加後、引き続きpH6を維持しながら、75℃で 30分間攪拌を続けた。その後、懸濁液を濾紙 濾過し、濾過固形物を取り出し水洗して、 ンタンの水酸化物または酸化物水和物が被 された真珠光沢顔料を得た。

 その後、実施例1と同様にして、セリウム の水酸化物または酸化物水和物、オキサゾリ ン基含有重合体の処理を行って、鱗片状ガラ スの上に、酸化鉄、ランタンの水酸化物また は酸化物水和物、セリウムの水酸化物または 酸化物水和物、オキサゾリン基含有重合体が 、この順に被覆処理された真珠光沢顔料を得 た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るランタンの水酸化物または酸化物水和物 付着量はランタンとして約0.2質量%、セリウ ムの水酸化物または酸化物水和物の付着量は セリウムとして約0.3質量%、オキサゾリン基 有重合体の付着量は0.5質量%であった。その のランタンは、酸化鉄の約0.8質量%に相当す る。セリウムは、酸化鉄の約1.2質量%に相当 る。したがって、ランタンとセリウムの総 は、酸化鉄の約2.0質量%に相当する。

(比較例1)
 比較例1は、ルチル型二酸化チタンが被覆さ れ干渉色を呈する真珠光沢顔料として、日本 板硝子社製メタシャイン(登録商標)MC1020RBを い、カバーリング層を施さないものとした

(比較例2)
 比較例2は、実施例5におけるオキサゾリン 含有重合体に代えて、有機シランカップリ グ剤で表面処理した真珠光沢顔料である。 なわち、鱗片状ガラス、ルチル型二酸化チ ン、無定形シリカ、セリウムの水酸化物ま は酸化物水和物、有機シランカップリング が、この順に形成された真珠光沢顔料であ 。

 有機シランカップリング剤として、3-メ クリロキシプロピルトリエトキシシラン(日 ユニカー社製A-174)0.5gを準備し、イオン交換 水0.5Lに投入して攪拌し、加水分解させた。

 その後、実施例5と同様にして、上記加水 分解液に、シリカ、セリウムの水酸化物また は酸化物水和物の被覆を行った真珠光沢顔料 約50gを添加し、30分攪拌した後、懸濁液を濾 で濾過し、濾過固形物を取り出し120℃で2時 間乾燥した。この場合の有機シランカップリ ング剤添加量は1質量%である。このようにし 、鱗片状ガラスの上に、ルチル型二酸化チ ン、無定形シリカ、セリウムの水酸化物ま は酸化物水和物、有機シランカップリング が被覆処理された真珠光沢顔料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るセリウムの水酸化物または酸化物水和物 付着量はセリウムとして約0.3質量%、有機シ ランカップリング剤の付着量は0.1質量%であ た。その際のセリウムは、ルチル型二酸化 タンの約1.2質量%に相当する。

(比較例3)
 比較例3は、実施例3におけるオキサゾリン 含有重合体に代えて、有機シランカップリ グ剤で表面処理した真珠光沢顔料である。 なわち、鱗片状ガラス、ルチル型二酸化チ ン、セリウムとアルミニウムとの水酸化物 たは酸化物水和物を含む層、有機シランカ プリング剤が、この順に形成された真珠光 顔料である。

 有機シランカップリング剤として、3-メ クリロキシプロピルトリエトキシシラン(日 ユニカー社製A-174)0.5gを準備し、イオン交換 水0.5Lに投入して攪拌し、加水分解させた。

 その後、実施例3と同様にして、上記加水 分解液に、セリウムとアルミニウムの水酸化 物または酸化物水和物が被覆された真珠光沢 顔料約50gを添加し、30分攪拌した後、懸濁液 濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し120℃ 2時間乾燥した。このようにして、鱗片状ガ ラスの上に、ルチル型二酸化チタン、セリウ ムのアルミ二ウムの水酸化物または酸化物水 和物、有機シランカップリング剤が、この順 に被覆処理された真珠光沢顔料を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るセリウムの水酸化物または酸化物水和物 付着量はセリウムとして約0.3質量%、アルミ ニウムの水酸化物または酸化物水和物の付着 量はアルミニウムとして約0.3質量%、有機シ ンカップリング剤の付着量は0.1質量%であっ 。その際のセリウムは、ルチル型二酸化チ ンの約1.2質量%に相当する。アルミニウムは 、ルチル型二酸化チタンの約1.2質量%に相当 る。したがって、ランタンとセリウムの総 は、ルチル型二酸化チタンの約2.4質量%に相 する。

(比較例4)
 比較例4は、実施例16におけるオキサゾリン 含有重合体に代えて、有機シランカップリ グ剤で表面処理した真珠光沢顔料である。 なわち、鱗片状ガラス、3価の酸化鉄、無定 形シリカ、セリウムの水酸化物または酸化物 水和物、有機シランカップリング剤が、この 順に形成された真珠光沢顔料である。

 有機シランカップリング剤として、3-メ クリロキシプロピルトリエトキシシラン(日 ユニカー社製A-174)0.5gを準備し、イオン交換 水0.5Lに投入して攪拌し、加水分解させた。

 その後、実施例16と同様にして、上記加 分解液に、シリカ、セリウムの水酸化物ま は酸化物水和物の被覆を行った真珠光沢顔 約50gを添加し、30分攪拌した後、懸濁液を濾 紙で濾過し、濾過固形物を取り出し120℃で2 間乾燥した。このようにして、鱗片状ガラ の上に、酸化鉄、無定形シリカ、セリウム 水酸化物または酸化物水和物、有機シラン ップリング剤が被覆処理された真珠光沢顔 を得た。

 分析の結果、得られた真珠光沢顔料にお るセリウムの水酸化物または酸化物水和物 付着量はセリウムとして約0.3質量%、有機シ ランカップリング剤の付着量は0.1質量%であ た。その際のセリウムは、酸化鉄の約1.2質 %に相当する。

(試験・評価)
 実施例および比較例で得られた真珠光沢顔 を用い、以下の方法によって塗装を行い、 水二次密着性、耐候性を評価した。

(水性メタリック塗料用樹脂の調製)
 まず、水性メタリック塗料用樹脂を調製し 。反応容器にブチルセルソルブ70質量部を 込み、さらにスチレンモノマー40質量部、メ チルメタクリレートモノマー60質量部、メタ リル酸モノマー25質量部、ヒドロキシメチ メタクリレートモノマー45質量部、ブチルア クリレートモノマー120質量部、ラウリルメル カプタン3質量部、アゾビスイソブチルロニ リル3質量部を添加して、撹拌しながら120℃ 反応した後、1時間撹拌を継続した。

 さらに、純水250質量部、ジメチルエタノ ルアミン30質量部を添加して、不揮発分が45 質量%であり、数平均分子量が5000の水性アク ル樹脂を得た。この樹脂における、酸価は6 0、水酸基価は65であった。

(水性メタリック塗料の調製)
 次に、水性メタリック塗料を調製した。上 したアクリル樹脂200質量部に、実施例また 比較例の真珠光沢顔料15質量部と、架橋剤 してヘキサメトキシメチロールメラミン40質 量部とを混合撹拌し、実施例または比較例の 真珠光沢顔料をPWC(顔料含有比率)10質量%に調 した。これを純水にて粘度を調整して、水 メタリック塗料とした。

(水性クリアー塗料の調製)
 上述した水性メタリック塗料用樹脂と同様 、メチルメタクリレートモノマー12質量部 メタクリル酸モノマー5質量部、ヒドロキシ チルメタクリレートモノマー15質量部、ブ ルアクリレートモノマー60質量部、ラウリル メルカプタン3質量部を用い、ポリマーを調 した。次に、得られたポリマーをジメチル タノールアミンで中和し、さらに純水で希 して不揮発分40質量%の水性アクリル樹脂を た。このアクリル樹脂に、へキサメトキシ チロールメラミンを固形分比40質量%になる う加え、純水にて粘度を調整して、水性ク アー塗料とした。

(評価用塗装板の作製)
 リン酸亜鉛化成処理、カチオン電着塗装お び中塗り塗装が、この順に行われた塗装板 して、日本ルートサービス社製D-7(中塗り色   N=6.0)を用い、該塗装板に、上述の水性メ リック塗料をエアースプレーで、乾燥後の みが20μmとなるように塗布し、その後10分間8 0℃で乾燥した。次いで、水性クリアー塗料 エアースプレーで、乾燥後の厚みが30μmとな るように塗布し、10分間放置した。こうして られた塗装板を、乾燥機で150℃、30分間焼 けして、評価用塗装板を作製した。

(耐水試験の方法)
 作製した評価用塗装板を、イオン交換水を いて80℃に加温し3時間浸漬させた。その後 徐冷して耐水二次密着性の評価サンプルと た。

(促進耐候性試験の方法)
 作製した評価用塗装板について、スーパー セノンウェザーメーター(スガ試験機社製SX7 5)にて、連続で480時間の促進耐候性試験を行 た。試験条件は以下の通りである。

 光源:水冷式キセノン
 フィルター:石英+#295
 放射照度:180(W/m 2 、300nm~400nm)
 ブラックパネル温度:63(℃)
 湿度:50±5(%RH)
 照射方法:連続
 水噴霧サイクル:120分中18分間
 試料枠回転数:1/30 回転/秒(2rpm)

 また、マルチアングル分光測色計(カラー テクノシステム社製)を用いて、塗膜中の真 光沢顔料の配向性、促進耐候性試験の前後 おける色彩変化を評価した。真珠光沢顔料 含む塗膜では、ハイライトではよく光を反 して高輝度となる一方、シェードでは暗く り、「フロップ」と呼ばれる明度の角度変 がある。

 真珠光沢顔料の並びがフロップ感に大き 影響するため、観察する角度による明度変 を測定することによって、塗膜中における 珠光沢顔料の配向性を評価することができ 。フロップインデックスは、この明度変化 数値化したものであり、数値が大きいほど フロップがあり、真珠光沢顔料の配向性が 一であることを示している。観察する角度 よる明度変化は、下記(式1)で定義されるフ ップインデックス(FI)によって表される。

(式1)
 FI=2.69×(L * 15° -L * 110° ) 1.11 /(L * 45° ) 0.86

 ここで、L * 15° 、L * 110° 、L * 45° は、正反射の方向からそれぞれ15°、110°、45 光源方向へずれた角度にて、L * a * b * 表色系により測定した値である(図4参照のこ )。なお、光源として、JIS Z 8720(2000)に規定 されたD65光源を用いた。

(色彩色差評価)
 真珠光沢顔料を含む塗膜の反射色調は、一 の角度から光を入射させても、見る角度に って変化する。以下、図4を参照しながら説 明する。まず、図4に示したように、塗膜80の 表面に垂直な方向から45°の位置(すなわち、 面から45°)に光源81を設け、塗膜面に対し45 の角度から光を入射させる。入射した光の 反射の方向(すなわち、膜面から45°)から光 方向へ15°ずれた角度で、ディテクター82に 射した反射光の色調を、ハイライト色調と る。なお、光源としてD65光源を用いた。

 これは、正反射の方向近傍からの観測では 真珠光沢顔料や塗膜面からの表面反射が強 ぎて、真珠光沢顔料の発色がわかりにくい 、正反射の方向から15°ずれた角度からの観 測であれば、塗膜面の表面反射の影響が除か れ、真珠光沢顔料の反射による色が特徴的に 現れるためである。したがって、正反射の方 向から15°ずれた角度からの測定にて、促進 候性試験の前後におけるL * 、a * 、b * の値を求め、それぞれの差であるδL * 、δa * 、δb * を求め、さらにそれらの値から、色差δE * を、以下の式に従って算出し、比較を行った 。L 0 * 、a 0 * およびb 0 * は促進耐候性試験の前、L 480 * 、a 480 * およびb 480 * は促進耐候性試験の後の値である。

 δL * =L 0 * -L 480 *                        (式2)
 δa * =a 0 * -a 480 *                        (式3)
 δb * =b 0 * -b 480 *                        (式4)
 δE * ={(δL * ) 2 +(δa * ) 2 +(δb * ) 2 } 1/2             (式5)

(光沢度評価)
 試験前後の塗装板について村上色彩技術研 所社製鏡面光沢計  True  Gloss  GM-26PROに 20°鏡面光沢度を測定し、光沢残存率を求め 。光沢残存率は試験(耐水試験または促進耐 候性試験)の前の光沢度に対して、試験後の 沢度がどの程度残っているかを示し、下記( 6)によって求めた。

(式6)
  光沢残存率(%)={(評価後の光沢度)/(評価前 光沢度)}×100

(耐水性評価)
 さらに、塗装板の耐水試験前と後において 塗膜の光沢を目視にて観察した。表面に映 込んだ像が非常に鮮鋭に見え、その像に白 曇りや歪みが全く見られない状態にあれば 、表面に映し込んだ像は鮮鋭に見えるもの 、その像に白い曇りや歪みが若干見られる 態にあれば○、表面に映し込んだ像が鮮鋭 見えず、また、その像に白い曇りや歪みが く見られる状態にあれば×と評価した。

 作製した評価用塗装板の耐水二次密着性 評価結果として、耐水試験前後の光沢度測 結果と、耐水試験前後における塗膜の光沢 目視観察結果とを、表1に示す。

 また、作製した評価用塗装板における真 光沢顔料の配向性の評価結果として、フロ プインデックス(FI)を表2に示す。

 また、作製した評価用塗装板の耐候性の 価結果として、促進耐候性試験前後の色彩 差と光沢度測定結果を表3に示す。

 上記実施例および比較例の結果を検討す ことにより、以下のことがわかる。なお、 施例1~15および比較例1~3は、鱗片状ガラスが 二酸化チタンからなる第1層で被覆された真 光沢顔料を用いた塗膜であり、実施例16,17お よび比較例4は、鱗片状ガラスが酸化鉄から る第1層で被覆された真珠光沢顔料を用いた 膜であることに注意されたい。

 表1に示すように、実施例1~17は、比較例1~ 4よりも光沢残存率が高いことから、高い耐 二次密着性を備えていることがわかる。実 例1~17の真珠光沢顔料を用いた塗膜の光沢残 率は、いずれも98%以上と高かった。また、 施例1~17は、耐水試験後の目視観察の結果も 良好であった。

 また、表2に示すように、実施例1~15(また 実施例16,17)は、比較例1~3(または比較例4)よ もFI値が高かった。つまり、図2の模式図に すように、実施例1~17では、塗装基板71上に 成された塗膜80内で真珠光沢顔料100の分布 配列が均一となっており、この結果、高い 色を備えていることがわかる。これに対し 図3の模式図に示すように、比較例1~4では、 膜80内で真珠光沢顔料52(オキサゾリン処理 し)の分布や配列が不均一となっている。

 また、表3に示すように、比較例2は、色差δ E * が良好であるものの、光沢残存率が95.5%と低 、促進耐候性試験前後で光沢の低下が目視 明確にわかる。これに対し、実施例5は、色 差δE * が比較例2と同程度であるが、光沢残存率が97 .0%となっており、促進耐候性試験前後の光沢 の低下が目視で明確にわからない。δE * は、1.0を超えれば目視でわかるが、測定誤差 が0.3程度あるため、0.5程度では優劣をつけに くい。また、実施例6は、比較例2よりもδE * が若干低いものの、光沢残存率が大幅に改善 されている。

 また、促進耐候性試験後の測色結果から 実施例1~17の塗膜は、比較例1~4の塗膜よりも 平均的に色変化が少なく、高い耐候性を備え ていることがわかる。

 このように、オキサゾリン基含有重合体 よび/またはオキサゾリン基含有オリゴマー で最表面を表面処理することで、塗膜内で真 珠光沢顔料の分布や配列が均一化し、高い発 色が得られ、尚かつ耐水二次密着性および耐 候性が改善される。

 なお、二酸化チタンに代えて酸化鉄を用 た実施例16,17および比較例4の評価結果は、 施例1~15および比較例1~3の評価結果と同じ傾 向を有している。このことは、鱗片状ガラス に接する下地層の種類によらず、オキサゾリ ン基含有ポリマー(またはオリゴマー)の被膜 より、耐水二次密着性および耐候性を改善 きることを意味する。