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Patent Searching and Data


Title:
PENTACYCLIC LIQUID CRYSTAL COMPOUND HAVING CF2O BONDING GROUP, LIQUID CRYSTAL COMPOSITION AND LIQUID CRYSTAL DISPLAY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/105286
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a novel compound, namely a pentacyclic liquid crystal compound having a CF2O bonding group, which has general physical properties necessary for a compound, stability against heat and light, a wide temperature range of a liquid crystal phase, a high clearing point, good compatibility with other compounds, and large dielectric anisotropy and large refractive anisotropy. This pentacyclic liquid crystal compound has a particularly high clearing point and particularly large refractive anisotropy. Also disclosed are a liquid crystal composition and a liquid crystal display.

Inventors:
TANAKA HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052820
Publication Date:
September 04, 2008
Filing Date:
February 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
CHISSO CORP (JP)
CHISSO PETROCHEMICAL CORP (JP)
International Classes:
C07D319/06; C07C43/225; C09K19/20; C09K19/30; C09K19/34; C09K19/42
Domestic Patent References:
WO2006061094A12006-06-15
WO1996011897A11996-04-25
WO1996011897A11996-04-25
WO2004035710A12004-04-29
WO2004048501A12004-06-10
WO2005019378A12005-03-03
WO2005019381A12005-03-03
WO2006125511A12006-11-30
WO2006125530A12006-11-30
WO2005019378A12005-03-03
WO1996011897A11996-04-25
Foreign References:
JP2007503487A2007-02-22
JP2007503485A2007-02-22
JPH10204016A1998-08-04
GB2229438B1993-06-16
DE4023106A11992-01-23
JPH10251186A1998-09-22
JP2004352721A2004-12-16
US6231785B12001-05-15
Other References:
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See also references of EP 2116522A4
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Claims:
式(1)で表される化合物。


式(1)において、R 1 は炭素数1~20のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の-CH 2 -は-O-、-S-または-CH=CH-により置き換えられてもよく;環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 4 、環A 5 、および環A 6 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、または任意の水素がハロゲンにより置き換えられた1,4-フェニレンであり;Z 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 、Z 5 、およびZ 6 は独立して、単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CF 2 O-、-OCF 2 -、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-CF=CF-、-(CH 2 ) 4 -、-(CH 2 ) 2 CF 2 O-、-(CH 2 ) 2 OCF 2 -、-CF 2 O(CH 2 ) 2 -、-OCF 2 (CH 2 ) 2 -、-CH=CH-(CH 2 ) 2 -、または-(CH 2 ) 2 -CH=CH-であり;L 1 、L 2 、L 3 、およびL 4 は独立して、水素またはハロゲンであり;X 1 は水素、ハロゲン、-C≡N、-N=C=S、-SF 5 、または炭素数1~10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の-CH 2 -は、-O-、-S-または-CH=CH-により置き換えられてもよく、そして任意の水素はハロゲンにより置き換えられてもよく;l、m、n、o、p、およびqは独立して、0または1であり、l+m+n+o+p+q=3である。
式(1)において、R 1 が炭素数1~20のアルキル、炭素数2~21のアルケニル、炭素数1~19のアルコキシ、炭素数2~20のアルケニルオキシ、または炭素数1~19のアルキルチオであり;X 1 が水素、ハロゲン、-C≡N、-N=C=S、-SF 5 、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~11のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ、炭素数2~10のアルケニルオキシ、炭素数1~9のチオアルキル、-CH 2 F、-CHF 2 、-CF 3 、-(CH 2 ) 2 -F、-CF 2 CH 2 F、-CF 2 CHF 2 、-CH 2 CF 3 、-CF 2 CF 3 、-(CH 2 ) 3 -F、-(CF 2 ) 3 -F、-CF 2 CHFCF 3 、-CHFCF 2 CF 3 、-(CH 2 ) 4 -F、-(CF 2 ) 4 -F、-(CH 2 ) 5 -F、-(CF 2 ) 5 -F、-OCH 2 F、-OCHF 2 、-OCF 3 、-O-(CH 2 ) 2 -F、-OCF 2 CH 2 F、-OCF 2 CHF 2 、-OCH 2 CF 3 、-O-(CH 2 ) 3 -F、-O-(CF 2 ) 3 -F、-OCF 2 CHFCF 3 、-OCHFCF 2 CF 3 、-O(CH 2 ) 4 -F、-O-(CF 2 ) 4 -F、-O-(CH 2 ) 5 -F、-O-(CF 2 ) 5 -F、-CH=CHF、-CH=CF 2 、-CF=CHF、-CH=CHCH 2 F、-CH=CHCF 3 、-(CH 2 ) 2 -CH=CF 2 、-CH 2 CH=CHCF 3 、または-CH=CHCF 2 CF 3 である請求項1に記載の化合物。
 式(1)において、Z 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 、Z 5 、およびZ 6 が独立して、単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-CF 2 O-、-CH 2 O-、または-OCH 2 -である請求項1または2に記載の化合物。
 式(1-1)~(1-4)のいずれか一つで表される請求項1に記載の化合物。


これらの式において、R 1 は炭素数1~15のアルキル、炭素数2~15のアルケニル、炭素数1~15のアルコキシ、または炭素数2~15のアルケニルオキシであり;環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 4 、環A 5 、および環A 6 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、または任意の水素がフッ素により置き換えられた1,4-フェニレンであり、それぞれの式において環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 4 、環A 5 、および環A 6 のうち少なくとも1つは1,4-シクロヘキシレン、または1,3-ジオキサン-2,5-ジイルであり;Z 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 、Z 5 、およびZ 6 は独立して、単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-CF 2 O-、-CH 2 O-、または-OCH 2 -であり;L 1 、L 2 、L 3 、およびL 4 は独立して、水素またはフッ素であり;X 1 はフッ素、塩素、-C≡N、-CF 3 、-CHF 2 、-CH 2 F、-OCF 3 、-OCHF 2 、または-OCH 2 Fである。
 式(1-5)~(1-8)のいずれか1つで表される請求項1に記載の化合物。


これらの式において、R 1 は炭素数1~15のアルキル、または炭素数2~15のアルケニルであり、;環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 4 、環A 5 、および環A 6 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、または任意の水素がフッ素により置き換えられた1,4-フェニレンであり;L 1 、L 2 、L 3 、およびL 4 は独立して、水素またはフッ素であり;X 1 はフッ素、塩素、-C≡N、-CF 3 、-CHF 2 、-CH 2 F、-OCF 3 、-OCHF 2 、または-OCH 2 Fである。
 式(1-9)~(1-19)のいずれか1つで表される請求項1に記載の化合物。



これらの式において、R 1 は炭素数1~15のアルキルであり;L 1 、L 2 、L 3 、L 4 、Y 1 、Y 2 、Y 3 、Y 4 、およびY 5 は独立して、水素またはフッ素であり;X 1 はフッ素または-OCF 3 である。
 式(1-20)~(1-41)のいずれか1つで表される請求項1に記載の化合物。




これらの式において、R 1 は炭素数1~15のアルキルであり;L 1 、L 3 、L 4 、Y 1 、Y 2 、Y 3 、Y 4 、およびY 5 は独立して、水素またはフッ素である。
 請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物を少なくとも1つ含有することを特徴とする、2成分以上からなる液晶組成物。
 一般式(2)、(3)および(4)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を1成分として含有する請求項8に記載の液晶組成物。


これらの式において、R 2 は炭素数1~10のアルキルまたは炭素数2~10のアルケニルであり、アルキルおよびアルケニルにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の-CH 2 -は-O-で置き換えられてもよく;X 2 はフッ素、塩素、-OCF 3 、-OCHF 2 、-CF 3 、-CHF 2 、-CH 2 F、-OCF 2 CHF 2 、または-OCF 2 CHFCF 3 であり;環B 1 、環B 2 、および環B 3 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、ピリミジン-2,5-ジイル、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、または任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4-フェニレンであり;Z 7 およびZ 8 は独立して、-(CH 2 ) 2 -、-(CH 2 ) 4 -、-COO-、-CF 2 O-、-OCF 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-CH 2 O-、または単結合であり;L 5 およびL 6 は独立して、水素またはフッ素である。
 一般式(5)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を1成分として含有する請求項8に記載の液晶組成物。


これらの式において、R 3 は炭素数1~10のアルキルまたは炭素数2~10のアルケニルであり、アルキルおよびアルケニルにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の-CH 2 -は-O-で置き換えられてもよく;X 3 は-C≡Nまたは-C≡C-C≡Nであり;環C 1 、環C 2 および環C 3 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,4-フェニレン、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4-フェニレン、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、またはピリミジン-2,5-ジイルであり;Z 9 は-(CH 2 ) 2 -、-COO-、-CF 2 O-、-OCF 2 -、-C≡C-、-CH 2 O-、または単結合であり;L 7 およびL 8 は独立して、水素またはフッ素であり;rは0または1であり、sは0または1であり、r+s=0、1または2である。
 一般式(6)、(7)、(8)、(9)および(10)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を1成分として含有する、請求項8に記載の液晶組成物。


これらの式において中、R 4 およびR 5 は独立して、炭素数1~10のアルキルまたは炭素数2~10のアルケニルであり、アルキルおよびアルケニルにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の-CH 2 -は-O-で置き換えられてもよく;環D 1 、環D 2 、環D 3 、および環D 4 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキセニレン、1,4-フェニレン、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4-フェニレン、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、またはデカヒドロナフタレン-2,6-ジイルであり;Z 10 、Z 11 、Z 12 、およびZ 13 は独立して、-(CH 2 ) 2 -、-COO-、-CH 2 O-、-OCF 2 -、-OCF 2 (CH 2 ) 2 -、または単結合であり;L 9 およびL 10 は独立して、フッ素または塩素であり;t、u、x、y、およびzは独立して0または1であり、u+x+y+zは1または2である。
 一般式(11)、(12)および(13)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を1成分として含有する、請求項8に記載の液晶組成物。


これらの式において、R 6 およびR 7 は独立して、炭素数1~10のアルキルまたは炭素数2~10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の-CH 2 -は-O-で置き換えられてもよく;環E 1 、環E 2 、および環E 3 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、ピリミジン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、2-フルオロ-1,4-フェニレン、3-フルオロ-1,4-フェニレン、または2,5-ジフルオロ-1,4-フェニレンであり;Z 14 およびZ 15 は独立して、-C≡C-、-COO-、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、または単結合である。
 請求項10記載の一般式(5)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項9に記載の液晶組成物。
 一般式(11)、(12)および(13)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項9に記載の液晶組成物。
 一般式(11)、(12)および(13)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項10に記載の液晶組成物。
 一般式(11)、(12)および(13)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項11に記載の液晶組成物。
 少なくとも1つの光学活性化合物をさらに含有する、請求項8~16のいずれか1項に記載の液晶組成物。
 少なくとも1つの酸化防止剤および/または紫外線吸収剤を含む請求項8~17のいずれか1項に記載の液晶組成物。
 請求項8~18のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
Description:
CF 2 O結合基を有する5環液晶化合物、液晶組成物 よび液晶表示素子

 本発明は表示素子用の材料として有用な 規液晶化合物、液晶組成物に関する。詳し は液晶相の広い温度範囲、高い透明点を有 、大きな誘電率異方性、屈折率異方性、他 液晶化合物との良好な相溶性を持ち、加え 、液晶表示素子に使用した場合には幅広い 度範囲において使用可能で、低電圧駆動が 能であり、急峻な電気光学特性を得ること できる新規液晶化合物およびこの組成物を 有する液晶表示素子に関する。

 液晶化合物(本願において、液晶化合物な る用語は、液晶相を有する化合物および液晶 相を有さないが液晶組成物の構成成分として 有用である化合物の総称として用いられる。 )を用いた表示素子は、時計、電卓、ワ-プロ どのディスプレイに広く利用されている。 れらの表示素子は液晶化合物の屈折率異方 、誘電率異方性などを利用したものである

 液晶表示素子において、液晶の動作モー に基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、BTN(Bistable twi sted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence )、OCB(opticallycompensated bend)、IPS(in-plane switchin g)、VA(vertical alignment)などである。素子の駆 方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(a ctive matrix)である。PM(passive matrix)はスタティ ック(static)とマルチプレックス(multiplex)など 分類され、AMはTFT(thin film transistor)、MIM(metal  insulator metal)などに分類される。

 これらの液晶表示素子は、適切な物性を有 る液晶組成物を含有する。液晶表示素子の 性を向上させるには、この液晶組成物が適 な物性を有するのが好ましい。液晶組成物 成分である液晶化合物に必要な一般的物性 、次のとおりである。
(1)化学的に安定であること、および物理的に 安定であること、
(2)高い透明点(液晶相-等方相の相転移温度)を 有すること、
(3)液晶相(ネマチック相、スメクチック相等) 下限温度、特にネマチック相の下限温度が いこと、
(4)他の液晶化合物との相溶性に優れること、
(5)適切な大きさの誘電率異方性を有すること 、
(6)適切な大きさの光学異方性を有すること、
である。

 (1)のように化学的、物理的に安定な液晶化 物を含む組成物を表示素子に用いると、電 保持率を高くすることができる。
 また、(2)および(3)のように、高い透明点、 るいは液晶相の低い下限温度を有する液晶 合物を含む組成物ではネマチック相の温度 囲を広げることが可能となり、幅広い温度 囲で表示素子として使用することができる

 液晶化合物は、単一の化合物では発揮す ことが困難な特性を発現させるために、他 多くの液晶化合物と混合して調製した組成 として用いることが一般的である。したが て、表示素子に用いる液晶化合物は、(4)の うに、他の液晶化合物等との相溶性が良好 あることが好ましい。

近年は特に表示性能、例えばコントラスト 、表示容量、応答時間特性等のより高い液晶 表示素子が要求されている。さらに使用され る液晶材料には駆動電圧の低いもの、すなわ ちしきい値電圧の低下を可能とする液晶化合 物およびこれを含む低駆動電圧の液晶組成物 が要求されている。

 しきい値電圧(V th )はよく知られているように、下式により示 れる(H.J.Deuling, et al.,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,27 (1975 )81)。

V th =π(K/ε 0 δε) 1/2

上式において、Kは弾性定数、ε 0 は真空の誘電率である。該式から判るように 、V th を低下させるには、δε(誘電率異方性)の値を 大きくするかまたはKを小さくするかの2通り 方法が考えられる。しかし、現在の技術で 未だ実際にKをコントロールすることは困難 であるため、通常はδεの大きな液晶材料を いて要求に対処しているのが現状である。 のような事情から(5)のように適切な大きさ 誘電率異方性を有する液晶化合物、特に大 な誘電率異方性を有する液晶化合物の開発 盛んに行われている。

 さらに、良好な液晶表示を行うためには れを構成する液晶表示素子のセルの厚みと 用される液晶材料のδn(屈折率異方性)の値 一定であることが好ましい ( E.Jakeman, et al ., Pyhs.Lett., 39A. 69 ( 1972 ) )。また、液晶 示素子の応答速度は用いられるセルの厚み 二乗に反比例する。その為、動画等の表示 も応用できる高速応答可能な液晶表示素子 製造するには、大きな屈折率異方性を有す 液晶組成物を用いなくてはならない。した って(6)のように適切な大きさの屈折率異方 を有する液晶化合物、特に大きな屈折率異 性を有する液晶化合物が要求されている。

 これまでに、大きな誘電率異方性および屈 率異方性を有する液晶化合物が種々合成さ ており、そのうちのいくつかは実用的に用 られている。例えば、特許文献1~6にはCF 2 O結合基を有する4環の化合物が示されている しかし、これらの化合物は透明点が十分に くない為、それを液晶組成物にしたとき表 素子として使用できる温度範囲が十分に広 ない。

 さらに、特許文献7~12には、テトラヒドロピ ラン環を含有した、CF 2 O結合基を有する5環の化合物(化合物(S-1)~(S-3)) が示されている。これらの化合物も透明点が 十分に高くない。また、特許文献11にはテト ヒドロピラン環、およびジオキサン環を含 した化合物(化合物(S-4)~(S-5))が示されている 。しかし、これらの化合物は屈折率異方性が 十分に大きくない。

国際公開第96/11897パンフレット

特開平10-204016号公報

英国特許第2229438号明細書

独国特許出願公開第4023106号明細書

特開平10-251186号公報

国際公開第2004/035710パンフレット

国際公開第2004/048501パンフレット

特開2004-352721公報

国際公開第2005/019378パンフレット

国際公開第2005/019381パンフレット

国際公開第2006/125511パンフレット

国際公開第2006/125530パンフレット

 本発明の第一の目的は、化合物に必要な 般的物性、熱、光などに対する安定性、液 相の広い温度範囲、高い透明点、他の化合 との良好な相溶性、大きな誘電率異方性お び大きな屈折率異方性を有する液晶化合物 あり、特に高い透明点および大きな屈折率 方性を有する液晶化合物を提供することで る。第二の目的は、この化合物を含有し、 晶相の広い温度範囲、小さな粘度、大きな 折率異方性、および低いしきい値電圧を有 る液晶組成物であり、特にネマチック相の い温度範囲を有する液晶組成物を提供する とである。第三の目的は、この組成物を含 し、使用できる広い温度範囲、短い応答時 、小さな消費電力、大きなコントラスト、 よび低い駆動電圧を有する液晶表示素子を 供することである。

 本発明は、以下のような液晶化合物、液 組成物、および液晶組成物を含有する液晶 示素子等を提供する。また、以下に、式(1) 表わされる化合物における末端基、環およ 結合基等に関して好ましい例も述べる。

[1] 式(1)で表される化合物。


式(1)において、R 1 は炭素数1~20のアルキルであり、このアルキ において任意の-CH 2 -は-O-、-S-または-CH=CH-により置き換えられて よく;環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 4 、環A 5 、および環A 6 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,3-ジオ サン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、または任 の水素がハロゲンにより置き換えられた1,4- フェニレンであり;Z 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 、Z 5 、およびZ 6 は独立して、単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CF 2 O-、-OCF 2 -、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-CF=CF-、-(CH 2 ) 4 -、-(CH 2 ) 2 CF 2 O-、-(CH 2 ) 2 OCF 2 -、-CF 2 O(CH 2 ) 2 -、-OCF 2 (CH 2 ) 2 -、-CH=CH-(CH 2 ) 2 -、または-(CH 2 ) 2 -CH=CH-であり;L 1 、L 2 、L 3 、およびL 4 は独立して、水素またはハロゲンであり;X 1 は水素、ハロゲン、-C≡N、-N=C=S、-SF 5 、または炭素数1~10のアルキルであり、この ルキルにおいて任意の-CH 2 -は、-O-、-S-または-CH=CH-により置き換えられ もよく、そして任意の水素はハロゲンによ 置き換えられてもよく;l、m、n、o、p、およ qは独立して、0または1であり、l+m+n+o+p+q=3で ある。

[2] 式(1)において、R 1 が炭素数1~20のアルキル、炭素数2~21のアルケ ル、炭素数1~19のアルコキシ、炭素数2~20の ルケニルオキシ、または炭素数1~19のアルキ チオであり;X 1 が水素、ハロゲン、-C≡N、-N=C=S、-SF 5 、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~11のアルケ ル、炭素数1~9のアルコキシ、炭素数2~10のア ルケニルオキシ、炭素数1~9のチオアルキル、 -CH 2 F、-CHF 2 、-CF 3 、-(CH 2 ) 2 -F、-CF 2 CH 2 F、-CF 2 CHF 2 、-CH 2 CF 3 、-CF 2 CF 3 、-(CH 2 ) 3 -F、-(CF 2 ) 3 -F、-CF 2 CHFCF 3 、-CHFCF 2 CF 3 、-(CH 2 ) 4 -F、-(CF 2 ) 4 -F、-(CH 2 ) 5 -F、-(CF 2 ) 5 -F、-OCH 2 F、-OCHF 2 、-OCF 3 、-O-(CH 2 ) 2 -F、-OCF 2 CH 2 F、-OCF 2 CHF 2 、-OCH 2 CF 3 、-O-(CH 2 ) 3 -F、-O-(CF 2 ) 3 -F、-OCF 2 CHFCF 3 、-OCHFCF 2 CF 3 、-O(CH 2 ) 4 -F、-O-(CF 2 ) 4 -F、-O-(CH 2 ) 5 -F、-O-(CF 2 ) 5 -F、-CH=CHF、-CH=CF 2 、-CF=CHF、-CH=CHCH 2 F、-CH=CHCF 3 、-(CH 2 ) 2 -CH=CF 2 、-CH 2 CH=CHCF 3 、または-CH=CHCF 2 CF 3 である項[1]に記載の化合物。
[3] 式(1)において、Z 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 、Z 5 、およびZ 6 が独立して、単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-CF 2 O-、-CH 2 O-、または-OCH 2 -である項[1]または[2]に記載の化合物。

[4] 式(1-1)~(1-4)のいずれか一つで表される項[1 ]に記載の化合物。


これらの式において、R 1 は炭素数1~15のアルキル、炭素数2~15のアルケ ル、炭素数1~15のアルコキシ、または炭素数 2~15のアルケニルオキシであり;環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 4 、環A 5 、および環A 6 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,3-ジオ サン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、または任 の水素がフッ素により置き換えられた1,4-フ ェニレンであり、それぞれの式において環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 4 、環A 5 、および環A 6 のうち少なくとも1つは1,4-シクロヘキシレン または1,3-ジオキサン-2,5-ジイルであり;Z 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 、Z 5 、およびZ 6 は独立して、単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-CF 2 O-、-CH 2 O-、または-OCH 2 -であり;L 1 、L 2 、L 3 、およびL 4 は独立して、水素またはフッ素であり;X 1 はフッ素、塩素、-C≡N、-CF 3 、-CHF 2 、-CH 2 F、-OCF 3 、-OCHF 2 、または-OCH 2 Fである。

[5] 式(1-5)~(1-8)のいずれか1つで表される項[1] 記載の化合物。


これらの式において、R 1 は炭素数1~15のアルキル、または炭素数2~15の ルケニルであり、;環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 4 、環A 5 、および環A 6 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,3-ジオ サン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、または任 の水素がフッ素により置き換えられた1,4-フ ェニレンであり;L 1 、L 2 、L 3 、およびL 4 は独立して、水素またはフッ素であり;X 1 はフッ素、塩素、-C≡N、-CF 3 、-CHF 2 、-CH 2 F、-OCF 3 、-OCHF 2 、または-OCH 2 Fである。

[6] 式(1-9)~(1-19)のいずれか1つで表される項[1] に記載の化合物。


これらの式において、R 1 は炭素数1~15のアルキルであり;L 1 、L 2 、L 3 、L 4 、Y 1 、Y 2 、Y 3 、Y 4 、およびY 5 は独立して、水素またはフッ素であり;X 1 はフッ素または-OCF 3 である。

[7] 式(1-20)~(1-41)のいずれか1つで表される項[1 ]に記載の化合物。


これらの式において、R 1 は炭素数1~15のアルキルであり;L 1 、L 3 、L 4 、Y 1 、Y 2 、Y 3 、Y 4 、およびY 5 は独立して、水素またはフッ素である。

[8] 項[1]~[7]のいずれか1項に記載の化合物 少なくとも1つ含有することを特徴とする、2 成分以上からなる液晶組成物。

[9] 一般式(2)、(3)および(4)のそれぞれで表さ る化合物の群から選択される少なくとも1つ の化合物を1成分として含有する、項[8]に記 の液晶組成物。


これらの式において、R 2 は炭素数1~10のアルキルまたは炭素数2~10のア ケニルであり、アルキルおよびアルケニル おいて任意の水素はフッ素で置き換えられ もよく、任意の-CH 2 -は-O-で置き換えられてもよく;X 2 はフッ素、塩素、-OCF 3 、-OCHF 2 、-CF 3 、-CHF 2 、-CH 2 F、-OCF 2 CHF 2 、または-OCF 2 CHFCF 3 であり;環B 1 、環B 2 、および環B 3 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,3-ジオ サン-2,5-ジイル、ピリミジン-2,5-ジイル、テ トラヒドロピラン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン 、または任意の水素がフッ素で置き換えられ た1,4-フェニレンであり;Z 7 およびZ 8 は独立して、-(CH 2 ) 2 -、-(CH 2 ) 4 -、-COO-、-CF 2 O-、-OCF 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-CH 2 O-、または単結合であり;L 5 およびL 6 は独立して、水素またはフッ素である。

[10] 一般式(5)で表される化合物の群から選択 される少なくとも1つの化合物を1成分として 有する、項[8]に記載の液晶組成物。


これらの式において、R 3 は炭素数1~10のアルキルまたは炭素数2~10のア ケニルであり、アルキルおよびアルケニル おいて任意の水素はフッ素で置き換えられ もよく、任意の-CH 2 -は-O-で置き換えられてもよく;X 3 は-C≡Nまたは-C≡C-C≡Nであり;環C 1 、環C 2 および環C 3 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,4-フェ レン、任意の水素がフッ素で置き換えられ 1,4-フェニレン、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、 テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、またはピリ ジン-2,5-ジイルであり;Z 9 は-(CH 2 ) 2 -、-COO-、-CF 2 O-、-OCF 2 -、-C≡C-、-CH 2 O-、または単結合であり;L 7 およびL 8 は独立して、水素またはフッ素であり;rは0ま たは1であり、sは0または1であり、r+s=0、1ま は2である。

[11] 一般式(6)、(7)、(8)、(9)および(10)のそれ れで表される化合物の群から選択される少 くとも1つの化合物を1成分として含有する、 項[8]に記載の液晶組成物。


これらの式において中、R 4 およびR 5 は独立して、炭素数1~10のアルキルまたは炭 数2~10のアルケニルであり、アルキルおよび ルケニルにおいて任意の水素はフッ素で置 換えられてもよく、任意の-CH 2 -は-O-で置き換えられてもよく;環D 1 、環D 2 、環D 3 、および環D 4 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,4-シク ヘキセニレン、1,4-フェニレン、任意の水素 がフッ素で置き換えられた1,4-フェニレン、 トラヒドロピラン-2,5-ジイル、またはデカヒ ドロナフタレン-2,6-ジイルであり;Z 10 、Z 11 、Z 12 、およびZ 13 は独立して、-(CH 2 ) 2 -、-COO-、-CH 2 O-、-OCF 2 -、-OCF 2 (CH 2 ) 2 -、または単結合であり;L 9 およびL 10 は独立して、フッ素または塩素であり;t、u、 x、y、およびzは独立して0または1であり、u+x+ y+zは1または2である。

[12] 一般式(11)、(12)および(13)のそれぞれで表 される化合物の群から選択される少なくとも 1つの化合物を1成分として含有する、項[8]に 載の液晶組成物。


これらの式において、R 6 およびR 7 は独立して、炭素数1~10のアルキルまたは炭 数2~10のアルケニルであり、このアルキルお びアルケニルにおいて任意の水素はフッ素 置き換えられてもよく、任意の-CH 2 -は-O-で置き換えられてもよく;環E 1 、環E 2 、および環E 3 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、ピリミ ン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、2-フルオロ-1, 4-フェニレン、3-フルオロ-1,4-フェニレン、ま たは2,5-ジフルオロ-1,4-フェニレンであり;Z 14 およびZ 15 は独立して、-C≡C-、-COO-、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、または単結合である。

[13] 項[10]記載の一般式(5)で表される化合 の群から選択される少なくとも1つの化合物 さらに含有する、項[9]に記載の液晶組成物

[14] 一般式(11)、(12)および(13)のそれぞれで 表される化合物の群から選択される少なくと も1つの化合物をさらに含有する、項[9]に記 の液晶組成物。

[15] 一般式(11)、(12)および(13)のそれぞれで 表される化合物の群から選択される少なくと も1つの化合物をさらに含有する、項[10]に記 の液晶組成物。

[16] 一般式(11)、(12)および(13)のそれぞれで 表される化合物の群から選択される少なくと も1つの化合物をさらに含有する、項[11]に記 の液晶組成物。

[17] 少なくとも1つの光学活性化合物をさ に含有する、項[8]~[16]のいずれか1項に記載 液晶組成物。

[18] 少なくとも1つの酸化防止剤および/ま は紫外線吸収剤を含む項[8]~[17]のいずれか1 に記載の液晶組成物。

[19] 項[8]~[18]のいずれか1項に記載の液晶組 成物を含有する液晶表示素子。

 この明細書における用語の使い方は次のと りである。液晶化合物は、ネマチック相、 メクチック相などの液晶相を有する化合物 よび液晶相を有しないが液晶組成物の成分 して有用な化合物の総称である。液晶化合 、液晶組成物、液晶表示素子をそれぞれ化 物、組成物、素子と略すことがある。液晶 示素子は液晶表示パネルおよび液晶表示モ ュールの総称である。ネマチック相の上限 度はネマチック相-等方相の相転移温度であ り、そして単に透明点または上限温度と略す ことがある。ネマチック相の下限温度を単に 下限温度と略すことがある。式(1)で表わされ る化合物を化合物(1)と略すことがある。この 略記は式(2)などで表される化合物にも適用す ることがある。式(1)から式(13)において、六 形で囲んだB、D、Eなどの記号はそれぞれ環B 環D、環Eなどに対応する。百分率で表した 合物の量は組成物の全重量に基づいた重量 分率(重量%)である。環A 1 、Y 1 、Bなど複数の同じ記号を同一の式または異 った式に記載したが、これらはそれぞれが 一であってもよいし、または異なってもよ 。

 「任意の」は、位置だけでなく個数につい も任意であることを示すが、個数が0である 場合を含まない。任意のAがB、CまたはDで置 換えられてもよいという表現は、任意のAがB で置き換えられる場合、任意のAがCで置き換 られる場合および任意のAがDで置き換えら る場合に加えて、複数のAがB~Dの少なくとも2 つで置き換えられる場合をも含むことを意味 する。例えば、任意の-CH 2 -が-O-または-CH=CH-で置き換えられてもよいア キルには、アルキル、アルケニル、アルコ シ、アルコキシアルキル、アルコキシアル ニル、アルケニルオキシアルキルなどが含 れる。なお、本発明においては、連続する2 つの-CH 2 -が-O-で置き換えられて、-O-O-のようになるこ とは好ましくない。そして、アルキルにおけ る末端の-CH 2 -が-O-で置き換えられることも好ましくない 以下に本発明をさらに説明する。

 本発明の化合物は、化合物に必要な一般 物性、熱、光などに対する安定性、液晶相 広い温度範囲、他の化合物との良好な相溶 、大きな誘電率異方性および屈折率異方性 有する。本発明の液晶組成物は、これらの 合物の少なくとも一つを含有し、そしてネ チック相の高い上限温度、ネマチック相の い下限温度、小さな粘度、大きな屈折率異 性および低いしきい値電圧を有する。本発 の液晶表示素子は、この組成物を含有し、 して使用できる広い温度範囲、短い応答時 、小さな消費電力、大きなコントラスト比 および低い駆動電圧を有する。

1-1 本発明の化合物
 本発明の第1の態様は、式(1)で表される化合 物に関する。

 式(1)においてR 1 は炭素数1~20のアルキルであり、このアルキ において任意の-CH 2 -は-O-、-S-または-CH=CH-により置き換えられて よい。例えば、CH 3 (CH 2 ) 3 -において任意の-CH 2 -を-O-、-S-、または-CH=CH-で置き換えた基の例 、CH 3 (CH 2 ) 2 O-、CH 3 -O-(CH 2 ) 2 -、CH 3 -O-CH 2 -O-、CH 3 (CH 2 ) 2 S-、CH 3 -S-(CH 2 ) 2 -、CH 3 -S-CH 2 -S-、CH 2 =CH-(CH 2 ) 3 -、CH 3 -CH=CH-(CH 2 ) 2 -、CH 3 -CH=CH-CH 2 O-などである。

 このようなR 1 の例は、アルキル、アルコキシ、アルコキシ アルキル、アルコキシアルコキシ、チオアル キル、チオアルキルアルコキシ、アルケニル 、アルケニルオキシ、アルケニルオキシアル キル、アルコキシアルケニル等である。これ らの基において分岐よりも直鎖の方が好まし い。R 1 が分岐の基であっても光学活性であるときは 好ましい。アルケニルにおける-CH=CH-の好ま い立体配置は、二重結合の位置に依存する -CH=CHCH 3 、-CH=CHC 2 H 5 、-CH=CHC 3 H 7 、-CH=CHC 4 H 9 、-C 2 H 4 CH=CHCH 3 、および-C 2 H 4 CH=CHC 2 H 5 のような奇数位に二重結合をもつアルケニル においてはトランス配置が好ましい。-CH 2 CH=CHCH 3 、-CH 2 CH=CHC 2 H 5 、および-CH 2 CH=CHC 3 H 7 のような偶数位に二重結合をもつアルケニル においてはシス配置が好ましい。好ましい立 体配置を有するアルケニル化合物は、高い上 限温度または液晶相の広い温度範囲を有する 。Mol. Cryst. Liq. Cryst., 1985, 131, 109およびMol . Cryst. Liq. Cryst., 1985, 131, 327に詳細な説明 がある。

 アルキルとしては、直鎖でも分岐鎖でもよ 、アルキルの具体的な例は、-CH 3 、-C 2 H 5 、-C 3 H 7 、-C 4 H 9 、-C 5 H 11 、-C 6 H 13 、-C 7 H 15 、-C 8 H 17、 -C 9 H 19 、-C 10 H 21 、-C 11 H 23 、-C 12 H 25 、-C 13 H 27 、-C 14 H 29 、および-C 15 H 31 である。

 アルコキシとしては、直鎖でも分岐鎖でも く、アルコキシの具体的な例は、-OCH 3 、-OC 2 H 5 、-OC 3 H 7 、-OC 4 H 9 、-OC 5 H 11 、-OC 6 H 13 および-OC 7 H 15 、-OC 8 H 17、 -OC 9 H 19 、-OC 10 H 21 、-OC 11 H 23 、-OC 12 H 25 、-OC 13 H 27 、および-OC 14 H 29 である。

 アルコキシアルキルとしては、直鎖でも分 鎖でもよく、アルコキシアルキルの具体的 例は、-CH 2 OCH 3 、-CH 2 OC 2 H 5 、-CH 2 OC 3 H 7 、-(CH 2 ) 2 -OCH 3 、-(CH 2 ) 2 -OC 2 H 5 、-(CH 2 ) 2 -OC 3 H 7 、-(CH 2 ) 3 -OCH 3 、-(CH 2 ) 4 -OCH 3 、および-(CH 2 ) 5 -OCH 3 である。

 アルケニルとしては、直鎖でも分枝鎖でも く、アルケニルの具体的な例は、-CH=CH 2 、-CH=CHCH 3 、-CH 2 CH=CH 2 、-CH=CHC 2 H 5 、-CH 2 CH=CHCH 3 、-(CH 2 ) 2 -CH=CH 2 、-CH=CHC 3 H 7 、-CH 2 CH=CHC 2 H 5 、-(CH 2 ) 2 -CH=CHCH 3 、および-(CH 2 ) 3 -CH=CH 2 である。

 アルケニルオキシとしては、直鎖でも分枝 でもよく、アルケニルオキシの具体的な例 、-OCH 2 CH=CH 2 、-OCH 2 CH=CHCH 3 、および-OCH 2 CH=CHC 2 H 5 である。

 R 1 は、炭素数1~15のアルキル、または炭素数2~15 アルケニルが好ましい。またR 1 の最も好ましい例は、-CH 3 、-C 2 H 5 、-C 3 H 7 、-C 4 H 9 、-C 5 H 11 、-C 6 H 13、 -C 7 H 15 、-C 8 H 17、 -C 9 H 19 、-C 10 H 21 -C 11 H 23 、-C 12 H 25 、-C 13 H 27 、-C 14 H 29 、-C 15 H 31 、-CH=CH 2 、-CH=CHCH 3 、-CH 2 CH=CH 2 、-CH=CHC 2 H 5 、-CH 2 CH=CHCH 3 、-(CH 2 ) 2 -CH=CH 2 、-CH=CHC 3 H 7 、-CH 2 CH=CHC 2 H 5 、-(CH 2 ) 2 -CH=CHCH 3 、および-(CH 2 ) 3 -CH=CH 2 である。

 式(1)において環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 4 、環A 5 、および環A 6 は独立して、1,4-シクロヘキシレン(14-1)、1,3- オキサン-2,5-ジイル(14-2)、1,4-フェニレン(14- 3)、または任意の水素がハロゲンにより置き えられた1,4-フェニレンである。任意の水素 がハロゲンにより置き換えられた1,4-フェニ ンの例は、下記の式(14-4)~(14-20)である。好ま しい例は、式(14-4)~(14-9)で表される基である

 環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 4 、環A 5 、および環A 6 の好ましい例は、1,4-シクロヘキシレン(14-1) 1,3-ジオキサン-2,5-ジイル(14-2)、1,4-フェニレ (14-3)、2-フルオロ-1,4-フェニレン(14-4)(14-5)、 2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン(14-6)、2,5-ジフ オロ-1,4-フェニレン(14-8)、2,6-ジフルオロ-1,4- フェニレン(14-7)(14-9)である。

 環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 4 、環A 5 、および環A 6 の最も好ましい例は、1,4-シクロヘキシレン 1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、2 -フルオロ-1,4-フェニレン、および2,6-ジフル ロ-1,4-フェニレンである。

 式(1)においてZ 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 、Z 5 およびZ 6 は独立して、単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CF 2 O-、-OCF 2 -、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-CF=CF-、-(CH 2 ) 4 -、-(CH 2 ) 2 -CF 2 O-、-(CH 2 ) 2 -OCF 2 -、-CF 2 O-(CH 2 ) 2 -、-OCF 2 (CH 2 ) 2 -、-CH=CH-(CH 2 ) 2 -または-(CH 2 ) 2 -CH=CH-である。

 Z 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 、Z 5 およびZ 6 の好ましい例は、単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-CF 2 O-、-CH 2 O-または-OCH 2 -である。これらの結合において、-CH=CH-、-CF= CF-、-CH=CH-(CH 2 ) 2 -、および-(CH 2 ) 2 -CH=CH-のような結合基の二重結合に関する立 配置はシスよりもトランスが好ましい。最 好ましいZ 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 、Z 5 およびZ 6 は、単結合である。

 式(1)においてL 1 、L 2 、L 3 およびL 4 は独立して、水素またはハロゲンである。ま た、L 1 、L 2 、L 3 およびL 4 は独立して水素またはフッ素であることが好 ましい。

 式(1)においてX 1 は水素、ハロゲン、-C≡N、-N=C=S、-SF 5 、または炭素数1~10のアルキルであり、この ルキルにおいて任意の-CH 2 -は-O-、-S-または-CH=CH-により置き換えられて よく、そして任意の水素はハロゲンにより き換えられてもよい。

 任意の水素がハロゲンにより置き換えられ アルキルの具体的な例は、-CH 2 F、-CHF 2 、-CF 3 、-(CH 2 ) 2 -F、-CF 2 CH 2 F、-CF 2 CHF 2 、-CH 2 CF 3 、-CF 2 CF 3 、-(CH 2 ) 3 -F、-(CF 2 ) 3 -F、-CF 2 CHFCF 3 、-CHFCF 2 CF 3 、-(CH 2 ) 4 -F、-(CF 2 ) 4 -F、-(CH 2 ) 5 -F、および-(CF 2 ) 5 -Fである。

 任意の水素がハロゲンにより置き換えられ アルコキシの具体的な例は、-OCH 2 F、-OCHF 2 、-OCF 3 、-O-(CH 2 ) 2 -F、-OCF 2 CH 2 F、-OCF 2 CHF 2 、-OCH 2 CF 3 、-O-(CH 2 ) 3 -F、-O-(CF 2 ) 3 -F、-OCF 2 CHFCF 3 、-OCHFCF 2 CF 3 、-O(CH 2 ) 4 -F、-O-(CF 2 ) 4 -F、-O-(CH 2 ) 5 -F、および-O-(CF 2 ) 5 -Fである。

 任意の水素がハロゲンにより置き換えられ アルケニルの具体的な例は、-CH=CHF、-CH=CF 2 、-CF=CHF、-CH=CHCH 2 F、-CH=CHCF 3 、-(CH 2 ) 2 -CH=CF 2 、-CH 2 CH=CHCF 3 、および-CH=CHCF 2 CF 3 である。

X 1 の具体的な例は、水素、フッ素、塩素、-C≡N 、-N=C=S、-SF 5 、-CH 3 、-C 2 H 5 、-C 3 H 7 、-C 4 H 9 、-C 5 H 11 、-C 6 H 13 、-C 7 H 15 、-C 8 H 17、 -C 9 H 19 、-C 10 H 21 、-CH 2 F、-CHF 2 、-CF 3 、-(CH 2 ) 2 -F、-CF 2 CH 2 F、-CF 2 CHF 2 、-CH 2 CF 3 、-CF 2 CF 3 、-(CH 2 ) 3 -F、-(CF 2 ) 3 -F、-CF 2 CHFCF 3 、-CHFCF 2 CF 3 、-(CH 2 ) 4 -F、-(CF 2 ) 4 -F、-(CH 2 ) 5 -F、-(CF 2 ) 5 -F、-OCH 3 、-OC 2 H 5 、-OC 3 H 7 、-OC 4 H 9 、-OC 5 H 11 、-OCH 2 F、-OCHF 2 、-OCF 3 、-O-(CH 2 ) 2 -F、-OCF 2 CH 2 F、-OCF 2 CHF 2 、-OCH 2 CF 3 、-O-(CH 2 ) 3 -F、-O-(CF 2 ) 3 -F、-OCF 2 CHFCF 3 、-OCHFCF 2 CF 3 、-O(CH 2 ) 4 -F、-O-(CF 2 ) 4 -F、-O-(CH 2 ) 5 -F、-O-(CF 2 ) 5 -F、-CH=CH 2 、-CH=CHCH 3 、-CH 2 CH=CH 2 、-CH=CHC 2 H 5 、-CH 2 CH=CHCH 3 、-(CH 2 ) 2 -CH=CH 2 、-CH=CHC 3 H 7 、-CH 2 CH=CHC 2 H 5 、-(CH 2 ) 2 -CH=CHCH 3 、-(CH 2 ) 3 -CH=CH 2 、-CH=CHF、-CH=CF 2 、-CF=CHF、-CH=CHCH 2 F、-CH=CHCF 3 、-(CH 2 ) 2 -CH=CF 2 、-CH 2 CH=CHCF 3 、および-CH=CHCF 2 CF 3 である。

 好ましいX 1 の例は、フッ素、塩素、-C≡N、-CF 3 、-CHF 2 、-CH 2 F、-OCF 3 、-OCHF 2 および-OCH 2 Fである。最も好ましいX 1 の例は、フッ素、および-OCF 3 である。

式(1)においてl、m、n、o、pおよびqは独立し て0または1であり、l+m+n+o+p+q=3である。l、m、n 、o、pおよびqの好ましい組み合わせは、(l=o=p =1,m=n=q=0)、(l=m=o=1,n=p=q=0)、および(l=m=n=1,o=p=q=0) である。

1-2 本発明の化合物の性質およびその調整方
 本発明の化合物(1)をさらに詳細に説明する 化合物(1)はCF 2 O結合基を有する5環の液晶化合物である。こ 化合物は、素子が通常使用される条件下に いて物理的および化学的に極めて安定であ 、そして他の液晶化合物との相溶性がよい この化合物を含有する組成物は素子が通常 用される条件下で安定である。この組成物 低い温度で保管しても、この化合物が結晶( またはスメクチック相)として析出すること ない。この化合物は、5環化合物であり液晶 の温度範囲が広く透明点が高い。したがっ 組成物においてネマチック相の温度範囲を げることが可能となり、幅広い温度範囲で 示素子として使用することができる。また この化合物は屈折率異方性が大きい。よっ 高速応答可能な液晶表示素子を製造するの 適している。さらにこの化合物は誘電率異 性が大きい為、組成物のしきい値電圧を下 るための成分として有用である。

 化合物(1)のl、m、n、o、pおよびqの組み合わ と、環A 1 ~A 6 の種類、左末端基R 1 、一番右側のベンゼン環上の基およびその置 換位置(L 1 、L 2 およびX 1 )、あるいは結合基Z 1 ~Z 6 を適切に選択することによって、透明点、屈 折率異方性、誘電率異方性などの物性を任意 に調整することが可能である。l、m、n、o、p よびqの組み合わせ、環A 1 ~A 6 、左末端基R 1 、右末端基X 1 、結合基Z 1 ~Z 6 、L 1 およびL 2 の種類が、化合物(1)の物性に与える効果を以 下に説明する。

 l、m、n、o、pおよびqの組み合わせが(l=m=n= 1,o=p=q=0)であるときは液晶相の温度範囲が広 、透明点が高い。(l=m=o=1,n=p=q=0)であるときは 他の化合物との相溶性が高く、誘電率異方性 が大きい。(l=o=p=1,m=n=q=0)であるときは誘電率 方性が大きい。

 環A 1 ~A 6 が全て1,4-フェニレンであり(l=m=n=1,o=p=q=0)であ るときは化学的に極めて安定であり、屈折率 異方性が特に大きい。環A 1 ~A 6 が全て1,4-フェニレンであり(l=m=o=1,n=p=q=0)であ るときは、他の化合物との相溶性が高く誘電 率異方性が特に大きい。環A 1 が1,4-シクロヘキシレンで、環A 2 、環A 3 が1,4-フェニレン、または任意の水素がハロ ンにより置き換えられた1,4-フェニレンであ (l=m=n=1,o=p=q=0)であるときは透明点が高く、 折率異方性が大きく、他の化合物との相溶 が高い。環A 1 が1,3-ジオキサン-2,5-ジイルで、環A 2 、環A 3 が1,4-フェニレン、または任意の水素がハロ ンにより置き換えられた1,4-フェニレンであ (l=m=n=1,o=p=q=0)であるときは透明点が高く、 電率異方性が大きい。環A 1 が1,3-ジオキサン-2,5-ジイルで、環A 2 、環A 4 が1,4-フェニレン、または任意の水素がハロ ンにより置き換えられた1,4-フェニレンであ (l=m=o=1,n=p=q=0)であるときは誘電率異方性が に大きく、他の化合物との相溶性が高い。

 R 1 が直鎖であるときは液晶相の温度範囲が広く そして粘度が小さい。Rが分岐鎖であるとき 他の液晶化合物との相溶性がよい。R 1 が光学活性基である化合物は、キラルドーパ ントとして有用である。この化合物を組成物 に添加することによって、素子に発生するリ バース・ツイスト・ドメイン(Reverse twisted do main)を防止することができる。R 1 が光学活性基でない化合物は組成物の成分と して有用である。R 1 がアルケニルであるとき、好ましい立体配置 は二重結合の位置に依存する。好ましい立体 配置を有するアルケニル化合物は、高い上限 温度または液晶相の広い温度範囲を有する。

 結合基Z 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 、Z 5 およびZ 6 が単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-CF 2 O-、-OCF 2 -、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-CF=CF-、-(CH 2 ) 3 -O-、-O-(CH 2 ) 3 -、-(CH 2 ) 2 -CF 2 O-、-OCF 2 -(CH 2 ) 2 -、または-(CH 2 ) 4 -であるときは粘度が小さい。結合基が単結 、-(CH 2 ) 2 -、-CF 2 O-、-OCF 2 -、または-CH=CH-であるときは粘度がより小さ 。結合基が-CH=CH-であるときは液晶相の温度 範囲が広く、そして弾性定数比K 33 /K 11 (K 33 :ベンド弾性定数、K 11 :スプレイ弾性定数)が大きい。結合基が-C≡C- のときは光学異方性が大きい。Z 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 、Z 5 およびZ 6 が単結合、-(CH 2 ) 2 -、-CH 2 O-、-CF 2 O-、-OCF 2 -、-(CH 2 ) 4 -であるときは化学的に比較的安定であって 比較的劣化をおこしにくい。

 右末端基X 1 がフッ素、塩素、-C≡N、-N=C=S、-SF 5 、-CF 3 、-CHF 2 、-CH 2 F、-OCF 3 、-OCHF 2 または-OCH 2 Fであるときは誘電率異方性が大きい。X 1 が-C≡N、-N=C=Sまたはアルケニルであるときは 光学異方性が大きい。X 1 がフッ素、-OCF 3 、またはアルキルであるときは、化学的に安 定である。

 L 1 およびL 2 が共にフッ素であり、X 1 がフッ素、塩素、-C≡N、-N=C=S、-SF 5 、-CF 3 、-CHF 2 、-CH 2 F、-OCF 3 、-OCHF 2 または-OCH 2 Fであるときは、誘電率異方性が大きい。L 1 がフッ素でありX 1 が-OCF 3 であるとき、L 1 およびL 2 が共にフッ素でありX 1 が-OCF 3 であるとき、またはL 1 、L 2 およびX 1 が全てフッ素であるときは誘電率異方性値が 大きく、液晶相の温度範囲が広いうえ、化学 的に安定であり劣化を起こしにくい。

 以上のように、環構造、末端基、結合基 どの種類を適当に選択することにより目的 物性を有する化合物を得ることができる。 たがって、化合物(1)はPC、TN、STN、ECB、OCB、 IPS、VAなどの素子に用いられる組成物の成分 して有用である。

1-3 化合物(1)の具体例
 化合物(1)の好ましい例は、項[5]に示した式( 1-5)~(1-8)である。より好ましい例は、項[6]に した式(1-9)~(1-19)である。さらに好ましい例 、項[7]に示した式(1-20)~(1-41)である。 

(これらの式において、R 1 は炭素数1~15のアルキル、または炭素数2~15の ルケニルであり、;環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 4 、環A 5 、および環A 6 は独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,3-ジオ サン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、または任 の水素がフッ素により置き換えられた1,4-フ ェニレンであり;L 1 、L 2 、L 3 、およびL 4 は独立して、水素またはフッ素であり;X 1 はフッ素、塩素、-C≡N、-CF 3 、-CHF 2 、-CH 2 F、-OCF 3 、-OCHF 2 、または-OCH 2 Fである。)



(これらの式において、R 1 は炭素数1~15のアルキルであり;L 1 、L 2 、L 3 、L 4 、Y 1 、Y 2 、Y 3 、Y 4、 およびY 5 は独立して、水素またはフッ素であり;X 1 はフッ素または-OCF 3 である。)


(これらの式において、R 1 は炭素数1~15のアルキルであり;L 1 、L 3 、L 4 、Y 1 、Y 2 、Y 3 、Y 4 、およびY 5 は独立して、水素またはフッ素である。) 

1-4 化合物(1)の合成
 次に、化合物(1)の合成について説明する。 合物(1)は有機合成化学における手法を適切 組み合わせることにより合成できる。出発 に目的の末端基、環および結合基を導入す 方法は、オーガニックシンセシス(Organic Syn theses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニッ ・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley  & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニ ック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに 載されている。

1-4-1 結合基Z 1 ~Z 6 を生成する方法
 化合物(1)における結合基Z 1 ~Z 6 を生成する方法の一例は、下記のスキームの 通りである。このスキームにおいて、MSG 1 またはMSG 2 は少なくとも一つの環を有する1価の有機基 ある。スキームで用いた複数のMSG 1 (またはMSG 2 )は、同一であってもよいし、または異なっ もよい。化合物(1A)~(1J)は、化合物(1)に相当 る。


 次に、化合物(1)における結合基Z 1 ~Z 6 について、各種の結合の生成方法について、 以下の(I)~(XI)項で説明する。

(I)単結合の生成
 アリールホウ酸(15)と公知の方法で合成され る化合物(16)とを、炭酸塩水溶液とテトラキ (トリフェニルホスフィン)パラジウムのよう な触媒の存在下で反応させて化合物(1A)を合 する。この化合物(1A)は、公知の方法で合成 れる化合物(17)にn-ブチルリチウムを、次い 塩化亜鉛を反応させ、ジクロロビス(トリフ ェニルホスフィン)パラジウムのような触媒 存在下で化合物(16)を反応させることによっ も合成される。

(II)-COO-と-OCO-の生成
 化合物(17)にn-ブチルリチウムを、続いて二 化炭素を反応させてカルボン酸(18)を得る。 化合物(18)と、公知の方法で合成されるフェ ール(19)とをDCC(1,3-ジシクロヘキシルカルボ イミド)とDMAP(4-ジメチルアミノピリジン)の 在下で脱水させて-COO-を有する化合物(1B)を 成する。この方法によって-OCO-を有する化合 物も合成する。

(III)-CF 2 O-と-OCF 2 -の生成
 化合物(1B)をローソン試薬のような硫黄化剤 で処理して化合物(20)を得る。化合物(20)をフ 化水素ピリジン錯体とNBS(N-ブロモスクシン ミド)でフッ素化し、-CF 2 O-を有する化合物(1C)を合成する。M. Kuroboshi  et al., Chem. Lett., 1992,827.を参照。化合物(1C) 化合物(20)を(ジエチルアミノ)サルファート フルオリド(DAST)でフッ素化しても合成され 。W. H. Bunnelle et al., J. Org. Chem. 1990, 55,  768.を参照。この方法によって-OCF 2 -を有する化合物も合成する。Peer. Kirsch et a l., Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 1480.に記載の 方法によってこれらの結合基を生成させるこ とも可能である。

(IV)-CH=CH-の生成
 化合物(17)をn-ブチルリチウムで処理した後 N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)などのホルム ミドと反応させてアルデヒド(22)を得る。公 知の方法で合成されるホスホニウム塩(21)を リウムtert-ブトキシドのような塩基で処理し て発生させたリンイリドを、アルデヒド(22) 反応させて化合物(1D)を合成する。反応条件 よってはシス体が生成するので、必要に応 て公知の方法によりシス体をトランス体に 性化する。

(V)-(CH 2 ) 2 -の生成
 化合物(1D)をパラジウム炭素のような触媒の 存在下で水素化することにより、化合物(1E) 合成する。

(VI)-(CH 2 ) 4 -の生成
 ホスホニウム塩(21)の代わりにホスホニウム 塩(23)を用い、項(IV)の方法に従って-(CH 2 ) 2 -CH=CH-を有する化合物を得る。これを接触水 化して化合物(1F)を合成する。

(VII)-C≡C-の生成
 ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触 存在下で、化合物(17)に2-メチル-3-ブチン-2- ールを反応させたのち、塩基性条件下で脱 護して化合物(24)を得る。ジクロロビストリ フェニルホスフィンパラジウムとハロゲン化 銅との触媒存在下、化合物(24)を化合物(16)と 応させて、化合物(1G)を合成する。

(VIII)-CF=CF-の生成
 化合物(17)をn-ブチルリチウムで処理したあ 、テトラフルオロエチレンを反応させて化 物(25)を得る。化合物(16)をn-ブチルリチウム で処理したあと化合物(25)と反応させて化合 (1H)を合成する。

(IX)-CH 2 O-または-OCH 2 -の生成
 化合物(22)を水素化ホウ素ナトリウムなどの 還元剤で還元して化合物(26)を得る。これを 化水素酸などでハロゲン化して化合物(27)を る。炭酸カリウムなどの存在下で、化合物( 27)を化合物(19)と反応させて化合物(1I)を合成 る。

(X)-(CH 2 ) 3 O-または-O(CH 2 ) 3 -の生成
 化合物(22)の代わりに化合物(28)を用いて、 項(IX)と同様な方法にて化合物(1J)を合成する 。

1-4-2 環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 4 、環A 5 および環A 6 を合成する方法
 1,4-シクロヘキシレン、1,3-ジオキサン-2,5-ジ イル、1,4-フェニレン、2-フルオロ-1,4-フェニ ン、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン、2,5-ジフ ルオロ-1,4-フェニレン、2,6-ジフルオロ-1,4-フ ニレン、2,3,5,6-テトラフルオロ-1,4-フェニレ ンなどの環に関しては出発物が市販されてい るか、または合成法がよく知られている。

1-4-3-1 化合物(1)を合成する方法
 式(1)で表される化合物を合成する方法は複 あるが、ここにその例を示す。カルボン酸 導体(31)とアルコール誘導体(32)をDCC、DMAPな の存在下で脱水縮合させてエステル誘導体( 33)に導いた後、ローソン試薬のような硫黄化 剤で処理してチオン-O-エステル誘導体(34)に き、次いでフッ化水素ピリジン錯体とNBSで ッ素化して化合物(1)へと導くことができる


(これらの式において、環A 1 ~A 6 、Z 1 ~Z 6 、L 1 ~L 4 、R 1 、X 1 、l、m、n、o、p、およびqは項[1]と同一の意味 である。)

式(1)で表される化合物のうち、(l=m=n=1,o=p=q=0) ある場合あるいは、o=1で環A 4 が1,4-フェニレン、または任意の水素がフッ により置き換えられた1,4-フェニレンである 合は以下に示す2つの方法でも合成できる。

 US6231785B1に記載された方法に従い、化合 (35)にn-ブチルリチウム、次いでジブロモジ ルオロメタンを反応させて、ブロモジフル ロメタン誘導体(36)を得る。このブロモジフ オロメタン誘導体(36)とフェノール誘導体(37 )とを炭酸カリウムなどの塩基の存在下で反 させて化合物(1)を合成することができる。


(これらの式において、環A 4 は1,4-フェニレン、または任意の水素がフッ により置き換えられた1,4-フェニレンであり 環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 5 、環A 6 、Z 1 ~Z 6 、L 1 ~L 4 、R 1 、X 1 、l、m、n、o、p、およびqは項[1]と同一の意味 である。)

 P. Kirsch et al., Angew. Chem. Int. Ed., 2001, 40 , 1480.に記載された方法に従いカルボン酸誘 体(31)にアルカンジチオールとトリフルオロ メタンスルホン酸を反応させてジチアニリウ ム塩(38)を得る。フェノール誘導体(37)にジチ ニリウム塩(38)、次いでEt 3 N・3HFを反応させ、臭素で処理して化合物(1) 得ることができる。

(これらの式において、環A 4 は1,4-フェニレン、または任意の水素がフッ により置き換えられた1,4-フェニレンであり 環A 1 、環A 2 、環A 3 、環A 5 、環A 6 、Z 1 ~Z 6 、L 1 ~L 4 、R 1 、X 1 、l、m、n、o、p、およびqは項[1]と同一の意味 である。)

1-4-3-2 1,3-ジオキサン-2,5-ジイルを環構造に有 する化合物(1)を合成する方法
 1,3-ジオキサン-2,5-ジイルを環構造に有する 合物(1)は、例えば以下の手法に従って合成 る。プロパンジオール誘導体(39)に対しp-ト エンスルホン酸等の酸触媒の存在下でアル ヒド誘導体(40)を作用させジオキサン環を有 する中間体(41)を合成する。これを化合物(35) 替えて用い、上記の化合物(1)を合成する方 に従って目的物へと導くことができる。

(これらの式において、環A 2 、環A 3 、Z 2 、Z 3 、L 3 、L 4 、R 1 、m、およびnは項[1]と同一の意味である。)

 化合物(1)において環A 2 または環A 3 が1,3-ジオキサン-2,5-ジイルである場合は、以 下の方法に従って合成する。臭化物(42)に対 て、ナトリウムエトキシドの存在下、マロ 酸ジエチルを作用させマロン酸ジエチル誘 体(43)とした後、還元してプロパンジオール 導体(44)に導く。上記と同様の手法によりジ オキサン環を構築した後、目的物へと導くこ とができる。

(これらの式において、環A 1 、環A 2 、Z 1 、Z 2 、L 3 、L 4 、R 1 、l、およびmは項[1]と同一の意味である。)

1-4-3-3 合成原料であるフェノール誘導体(37) 合成する方法
 化合物(1)の合成原料であるフェノール誘導 (37)は、例えば以下の手法に従って合成する 。式(37)において、o=p=q=0である場合はブロモ ンゼン誘導体(47)から調製したグリニャール 試薬にほう酸トリアルキルを作用させ得られ るボロン酸エステル誘導体を過酢酸にて酸化 するか(R.L. Kidwell等、オーガニックシンセシ 、5巻、P918(1973))またはボロン酸エステルの 加水分解にて容易に得られるボロン酸誘導 (48)を過酢酸にて酸化することにより、目的 のフェノール誘導体(37-1)を容易に製造するこ とができる。


(この式において、L 1 、L 2 、およびX 1 は項[1]と同一の意味である。)

 式(37)において、Z 4 、Z 5 およびZ 6 が共に単結合であり、o=p=0、q=1である場合、o =0、p=q=1である場合、またはo=p=q=1である場合 、例えばボロン酸誘導体(48)に対し、テトラ キストリフェニルホスフィンパラジウム(0)を 触媒として塩基存在下アニソール誘導体(49) 作用させ、カップリングすることにより化 物(50)を得る(鈴木章等、有機合成化学協会誌 、第46巻第9号、848(1988))。次いでこのものに 臭化ホウ素を作用させて脱メチル化するこ により、目的のフェノール誘導体(37-2)を合 することができる。


(この式において、環A 4 ~環A 6 、L 1 、L 2 、o、p、q、およびX 1 は前記と同一の意味である。)

 式(37)において、Z 4 、Z 5 およびZ 6 が共に単結合であり、o=p=q=0である場合は、 下の手法によっても合成することができる ベンジルエーテル誘導体(51)に対しn-またはse c-ブチルリチウムをTHF中、-70℃以下で作用さ 、次いでホウ酸トリアルキルを作用させ、 られるホウ酸エステル誘導体またはこのも を酸加水分解して得られるボロン酸誘導体 過酢酸で酸化することによりフェノール誘 体(52)を得て、これを水素化ナトリウムでフ ェノラートとした後フルオロアルキルブロミ ドを作用させエーテル化した後、接触水素還 元に付して脱保護することにより、目的のフ ェノール誘導体(37-3)を合成することができる 。


(式中、L 1 およびL 2 は項[1]と同一の意味を表し、Rfはトリフルオ メチル基を除くフルオロアルキル基を示す )

 化合物(1)のうち、CF 2 O結合基を挟んで右側の部位がビフェニル構 を有する誘導体、例えばl=m=q=1、n=o=p=0でZ 6 が単結合であるもの、ターフェニル構造を有 する誘導体、例えばl=p=q=1でZ 5 およびZ 6 が共に単結合であるもの、クオーターフェニ ル構造を有する誘導体、例えばo=p=q=1でZ 4 、Z 5 およびZ 6 が共に単結合である誘導体(1-33)については、 特に以下に示す方法により合成することがで きる。すなわち、前記の化合物(35)とフェノ ル誘導体(37-1)または(37-2)から一般式(1)で表 れる化合物を製造する方法と同様にして化 物(53)を得、これにn-またはsec-ブチルリチウ を作用させてリチオ化し、次いで塩化亜鉛 添加して有機金属化合物に変換した後、テ ラキストリフェニルホスフィンパラジウム( 0)等の触媒の存在下、前記のブロモベンゼン 導体(47)またはブロモベンゼン誘導体(55)(化 物(54)とフルオロアルキルブロミドのエーテ ル化で得られる)を作用させることにより合 することができる。

(この式において、環A 1 ~環A 5 、Z 1 ~Z 3 、L 1 ~L 4 、R 1 、X 1 は項[1]と同一の意味を表し、Y 1 およびY 2 は水素またはフッ素であり、Rfはトリフルオ メチルを除くフルオロアルキルである。)

2 本発明の組成物
 本発明の第2の態様は、式(1)で表される化合 物を含む組成物であり、好ましくは、液晶材 料に用いることのできる液晶組成物である。 本発明の液晶組成物は、前記本発明の式(1)で 表される化合物を成分Aとして含む必要があ 。この成分Aのみの組成物、または成分Aと本 明細書中で特に成分名を示していないその他 の成分との組成物でもよいが、この成分Aに 下に示す成分B、C、DおよびEから選ばれた成 を加えることにより種々の特性を有する本 明の液晶組成物(a)、(b)、(c)、(d)、(e)などが 供できる。

 成分Aに加える成分として、前記式(2)、(3)お よび(4)からなる群から選ばれた少なくとも1 の化合物からなる成分B、または前記式(5)か なる群から選ばれた少なくとも1種の化合物 からなる成分C、または前記式(6)、(7)、(8)、(9 )、(10)からなる群から選ばれた少なくとも1種 の化合物からなる成分Dを混合したものが好 しい〔前記液晶組成物(b)、(c)および(d)〕。
 さらに式(11)、(12)および(13)からなる群から ばれた少なくとも1種の化合物からなる成分 Eを混合することによりしきい値電圧、液晶 温度範囲、屈折率異方性値、誘電率異方性 および粘度等を調整することができる〔前 液晶組成物(e)〕。

 また、本発明に使用される液晶組成物の 成分は、各元素の同位体元素からなる類縁 でもその物理特性に大きな差異がない。

 上記成分Bのうち、式(2)で表される化合物 の好適例として式(2-1)~(2-16)、式(3)で表される 化合物の好適例として式(3-1)~(3-112)、式(4)で される化合物の好適例として式(4-1)~(4-52)を れぞれ挙げることができる。


(式中、R 2 、X 2 は前記と同じ意味を表す)

 これらの式(2)~(4)で表される化合物すなわち 成分Bは、誘電率異方性値が正であり、熱安 性や化学的安定性が非常に優れているので TFT用の液晶組成物を調製する場合に用いら る。本発明の液晶組成物における成分Bの含 量は、液晶組成物の全重量に対して1~99重量 %の範囲が適するが、好ましくは10~97重量%、 り好ましくは40~95重量%である。また式(11)~(13 )で表される化合物(成分E)をさらに含有させ ことにより粘度調整をすることができる。
 前記、式(5)で表される化合物すなわち成分C のうちの好適例として、式(5-1)~(5-62)を挙げる ことができる。


(これらの式において、R 3 およびX 3 は前記と同じ意味である)

 これらの式(5)で表される化合物すなわち 分Cは、誘電率異方性値が正でその値が非常 に大きいのでSTN,TN用の液晶組成物を調製する 場合に主として用いられる。この成分Cを含 させることにより、組成物のしきい値電圧 小さくすることができる。また、粘度の調 、屈折率異方性値の調整および液晶相温度 囲を広げることができる。さらに急峻性の 良にも利用できる。

 成分Cの含有量は、STNまたはTN用の液晶組 物を調製する場合には、組成物全量に対し 好ましくは0.1~99.9重量%の範囲、より好まし は10~97重量%の範囲、さらに好ましくは40~95 量%の範囲である。また、後述の成分を混合 ることによりしきい値電圧、液晶相温度範 、屈折率異方性値、誘電率異方性値および 度などを調整できる。

 式(6)~(8)および式(10)からなる群から選ば た少なくとも一種の化合物からなる成分Dは 垂直配向モ-ド(VAモ-ド)などに用いられる誘 率異方性が負の本発明の液晶組成物を調製 る場合に、好ましい成分である。

 この式(6)~(8)および式(10)で表される化合 (成分D)の好適例として、それぞれ式(6-1)~(6-5) 、式(7-1)~(7-11)、式(8-1)、および式(10-1)~(10-11) 挙げることができる。


(式中、R 4 ,R 5 は前記と同じ意味を表す)

 これら成分Dの化合物は主として誘電率異 方性の値が負であるVAモ-ド用の液晶組成物に 用いられる。その含有量を増加させると組成 物のしきい値電圧が低くなるが、粘度が大き くなるので、しきい値電圧の要求値を満足し ている限り含有量を少なくすることが好まし い。しかしながら、誘電率異方性値の絶対値 が5程度であるので、含有量が40重量%より少 くなると電圧駆動ができなくなる場合があ 。

 成分Dのうち式(6)で表される化合物は2環 合物であるので、主としてしきい値電圧の 整、粘度調整または屈折率異方性値の調整 効果がある。また、式(7)および式(8)で表さ る化合物は3環化合物であるので透明点を高 する、ネマチックレンジを広くする、しき 値電圧を低くする、屈折率異方性値を大き するなどの効果が得られる。

 成分Dの含有量は、VAモ-ド用の組成物を調 製する場合には、組成物全量に対して好まし くは40重量%以上であり、より好ましくは50~95 量%の範囲である。また、成分Dを混合する とにより、弾性定数をコントロ-ルし、組成 の電圧透過率曲線を制御することが可能と る。成分Dを誘電率異方性値が正である組成 物に混合する場合はその含有量が組成物全量 に対して30重量%以下が好ましい。

 式(11)、(12)および(13)で表わされる化合物( 成分E)の好適例として、それぞれ式(11-1)~(11-11 )、式(12-1)~(12-18)および式(13-1)~(13-6)を挙げる とができる。


(式中、R 6 およびR 7 は前記と同じ意味を表す)

 式(11)~(13)で表される化合物(成分E)は、誘 率異方性値の絶対値が小さく、中性に近い 合物である。式(11)で表される化合物は主と して粘度調整または屈折率異方性値の調整の 効果があり、また式(12)および(13)で表される 合物は透明点を高くするなどのネマチック ンジを広げる効果、または屈折率異方性値 調整の効果がある。

 成分Eで表される化合物の含有量を増加させ ると液晶組成物のしきい値電圧が高くなり、 粘度が低くなるので、液晶組成物のしきい値 電圧の要求値を満たす限り、含有量は多いほ うが望ましい。TFT用の液晶組成物を調製する 場合に、成分Eの含有量は、組成物全量に対 て好ましくは30重量%以上、より好ましくは50 重量%以上である。また、STNまたはTN用の液晶 組成物を調製する場合には、成分Eの含有量 、組成物全量に対して好ましくは30重量%以 、より好ましくは40重量%以上である。
 本発明の液晶組成物は、本発明の式(1)で表 れる化合物の少なくとも1種類を0.1~99重量% 割合で含有することが、優良な特性を発現 しめるために好ましい。

 本発明の液晶組成物の調製は、公知の方 、例えば必要な成分を高温度下で溶解させ 方法などにより一般に調製される。また、 途に応じて当業者によく知られている添加 を添加して、例えばつぎに述べるような光 活性化合物を含む本発明の液晶組成物(e)、 料を添加したGH型用の液晶組成物を調製す ことができる。通常、添加物は当該業者に く知られており、文献などに詳細に記載さ ている。

 本発明の液晶組成物(e)は、前述の本発明の 晶組成物にさらに1種以上の光学活性化合物 を含有する。
 光学活性化合物として、公知のキラルド-プ 剤を添加する。このキラルド-プ剤は液晶の せん構造を誘起して必要なねじれ角を調整 、逆ねじれを防ぐといった効果を有する。 ラルド-プ剤の例として以下の光学活性化合 (Op-1)~(Op-13)を挙げることができる。

本発明の液晶組成物(e)は、通常これらの光 学活性化合物を添加して、ねじれのピッチを 調整する。ねじれのピッチはTFT用およびTN用 液晶組成物であれば40~200μmの範囲に調整す のが好ましい。STN用の液晶組成物であれば6 ~20μmの範囲に調整するのが好ましい。また、 双安定TN(Bistable TN)モ-ド用の場合は、1.5~4μm 範囲に調整するのが好ましい。また、ピッ の温度依存性を調整する目的で2種以上の光 活性化合物を添加しても良い。

 本発明の液晶組成物は、メロシアニン系 スチリル系、アゾ系、アゾメチン系、アゾ シ系、キノフタロン系、アントラキノン系 テトラジン系などの二色性色素を添加すれ 、GH型用の液晶組成物として使用すること できる。

 また、本発明の液晶組成物は、ネマチッ 液晶をマイクロカプセル化して作製したNCAP や、液晶中に三次元網目状高分子を形成して 作製したポリマ-分散型液晶表示素子(PDLCD)例 ばポリマ-ネットワ-ク液晶表示素子(PNLCD)用 はじめ、複屈折制御(ECB)型やDS型用の液晶組 成物としても使用できる。

[[実施例]]
 以下、実施例により本発明をさらに詳しく 明するが、本発明はこれら実施例によって 制限されない。なお特に断りのない限り、 %」は「重量%」を意味する。

 得られた化合物は、 1 H-NMR分析で得られる核磁気共鳴スペクトル、 スクロマトグラフィー(GC)分析で得られるガ スクロマトグラムなどにより同定したので、 まず分析方法について説明をする。

1 H-NMR分析:測定装置は、DRX-500(ブルカーバイオ ピン(株)社製)を用いた。測定は、実施例等 製造したサンプルを、CDCl 3 等のサンプルが可溶な重水素化溶媒に溶解し 、室温で、500MHz、積算回数24回の条件で行っ 。なお、得られた核磁気共鳴スペクトルの 明において、sはシングレット、dはダブレ ト、tはトリプレット、qはカルテット、mは ルチプレットであることを意味する。また 化学シフトδ値のゼロ点の基準物質としては テトラメチルシラン(TMS)を用いた。

 GC分析:測定装置は、島津製作所製のGC-14B ガスクロマトグラフを用いた。カラムは、 津製作所製のキャピラリーカラムCBP1-M25-025( 長さ25m、内径0.22mm、膜厚0.25μm);固定液相はジ メチルポリシロキサン;無極性)を用いた。キ リアーガスとしてはヘリウムを用い、流量 1ml/分に調整した。試料気化室の温度を300℃ 、検出器(FID)部分の温度を300℃に設定した。

試料はトルエンに溶解して、1重量%の溶液と るように調製し、得られた溶液1μlを試料気 化室に注入した。
 記録計としては島津製作所製のC-R6A型Chromato pac、またはその同等品を用いた。得られたガ スクロマトグラムには、成分化合物に対応す るピークの保持時間およびピークの面積値が 示されている。

なお、試料の希釈溶媒としては、例えば、 クロロホルム、ヘキサンを用いてもよい。ま た、カラムとしては、Agilent Technologies Inc.製 のキャピラリカラムDB-1(長さ30m、内径0.32mm、 厚0.25μm)、Agilent Technologies Inc.製のHP-1(長さ 30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、Restek Corporation製 のRtx-1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、SGE In ternational Pty.Ltd製のBP-1(長さ30m、内径0.32mm、 厚0.25μm)などを用いてもよい。

 ガスクロマトグラムにおけるピークの面 比は成分化合物の割合に相当する。一般に 、分析サンプルの成分化合物の重量%は、分 析サンプルの各ピークの面積%と完全に同一 はないが、本発明において上述したカラム 用いる場合には、実質的に補正係数は1であ ので、分析サンプル中の成分化合物の重量% は、分析サンプル中の各ピークの面積%とほ 対応している。成分の液晶化合物における 正係数に大きな差異がないからである。ガ クロマトグラムにより液晶組成物中の液晶 合物の組成比をより正確に求めるには、ガ クロマトグラムによる内部標準法を用いる 一定量正確に秤量された各液晶化合物成分( 検成分)と基準となる液晶化合物(基準物質) 同時にガスクロ測定して、得られた被検成 のピークと基準物質のピークとの面積比の 対強度をあらかじめ算出する。基準物質に する各成分のピーク面積の相対強度を用い 補正すると、液晶組成物中の液晶化合物の 成比をガスクロ分析からより正確に求める とができる。

[液晶化合物等の物性値の測定試料]
 液晶化合物の物性値を測定する試料として 、化合物そのものを試料とする場合、化合 を母液晶と混合して試料とする場合の2種類 がある。

 化合物を母液晶と混合した試料を用いる 者の場合には、以下の方法で測定を行う。 ず、得られた液晶化合物15重量%と母液晶85 量%とを混合して試料を作製する。そして、 られた試料の測定値から、下記式に示す式 基づく外挿法にしたがって、外挿値を計算 る。この外挿値をこの化合物の物性値とす 。

〈外挿値〉=(100×〈試料の測定値〉-〈母液 の重量%〉×〈母液晶の測定値〉)/〈液晶化 物の重量%〉

 液晶化合物と母液晶との割合がこの割合 あっても、スメクチック相、または結晶が2 5℃で析出する場合には、液晶化合物と母液 との割合を10重量%:90重量%、5重量%:95重量%、1 重量%:99重量%の順に変更をしていき、スメク ック相、または結晶が25℃で析出しなくな た組成で試料の物性値を測定し上記式にし がって外挿値を求めて、これを液晶化合物 物性値とする。

 測定に用いる母液晶としては様々な種類が 在するが、例えば、母液晶Aの組成(重量%)は 以下のとおりである。
 母液晶A:

[液晶化合物等の物性値の測定方法]
 物性値の測定は後述する方法で行った。こ ら測定方法の多くは、日本電子機械工業会 格(Standard of Electric Industries Association of J apan)EIAJ・ED-2521Aに記載された方法、またはこ を修飾した方法である。また、測定に用い TN素子には、TFTを取り付けなかった。

 測定値のうち、液晶化合物そのものを試 とした場合は、得られた値を実験データと て記載した。液晶化合物と母液晶との混合 を試料として用いた場合は、外挿法で得ら た値を実験データとして記載した。

 相構造および相転移温度(℃):以下(1)、およ (2)の方法で測定を行った。
(1)偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホット プレート(メトラー社FP-52型ホットステージ) 化合物を置き、3℃/分の速度で加熱しながら 相状態とその変化を偏光顕微鏡で観察し、液 晶相の種類を特定した。
(2)パーキンエルマー社製走査熱量計DSC-7シス ム、またはDiamond DSCシステムを用いて、3℃ /分速度で昇降温し、試料の相変化に伴う吸 ピーク、または発熱ピークの開始点を外挿 より求め(on set)、相転移温度を決定した。

 以下、結晶はCと表し、さらに結晶の区別が つく場合は、それぞれC 1 またはC 2 と表した。また、スメクチック相はS、ネマ ック相はNと表した。液体(アイソトロピック )はIと表した。スメクチック相の中で、スメ チックA相、スメクチックB相、スメクチッ C相、またはスメクチックF相の区別がつく場 合は、それぞれS A 、S B 、S C 、またはS F と表した。相転移温度の表記として、例えば 、「C 50.0 N 100.0 I」とは、結晶からネマチ ク相への相転移温度(CN)が50.0℃であり、ネ チック相から液体への相転移温度(NI)が100.0 であることを示す。他の表記も同様である

 ネマチック相の上限温度(T NI ;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホッ トプレート(メトラー社FP-52型ホットステージ )に、試料(液晶化合物と母液晶との混合物)を 置き、1℃/分の速度で加熱しながら偏光顕微 を観察した。試料の一部がネマチック相か 等方性液体に変化したときの温度をネマチ ク相の上限温度とした。以下、ネマチック の上限温度を、単に「上限温度」と略すこ がある。

 低温相溶性:母液晶と液晶化合物とを、液 晶化合物が、20重量%、15重量%、10重量%、5重 %、3重量%、および1重量%の量となるように混 合した試料を作製し、試料をガラス瓶に入れ る。このガラス瓶を、-10℃または-20℃のフリ ーザー中に一定期間保管したあと、結晶もし くはスメクチック相が析出しているかどうか 観察をした。

 粘度(η;20℃で測定;mPa・s):液晶化合物と母 液晶との混合物を、E型回転粘度計を用いて 定した。

 屈折率異方性(δn):測定は25℃の温度下で 波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り 付けたアッベ屈折計により行なった。主プリ ズムの表面を一方向にラビングしたあと、試 料(液晶化合物と母液晶との混合物)を主プリ ムに滴下した。屈折率(n∥)は偏光の方向が ビングの方向と平行であるときに測定した 屈折率(n⊥)は偏光の方向がラビングの方向 垂直であるときに測定した。屈折率異方性( δn)の値は、δn=n∥-n⊥の式から計算した。

 誘電率異方性(δε;25℃で測定):2枚のガラ 基板の間隔(ギャップ)が約9μm、ツイスト角 80度の液晶セルに試料(液晶化合物と母液晶 の混合物)を入れた。このセルに20ボルトを 加して、液晶分子の長軸方向における誘電 (ε∥)を測定した。0.5ボルトを印加して、液 分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定 した。誘電率異方性の値は、δε=ε∥-ε⊥、 式から計算した。

4-[ジフルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ) チル]-4'''-ペンチル-2',2'',3,5-テトラフルオロ -1,1',4',1'',4'',1'''-クオーターフェニル(No.1-4-5) 合成

[化合物(T-2)の合成]
 窒素雰囲気下、反応器へ1-ブロモ-4-ペンチ ベンゼン(T-1) 50.0g、3-フルオロフェニルボロ ン酸 31.4g、炭酸カリウム 91.2g、Pd(Ph 3 P) 2 Cl 2  4.63g、トルエン  150ml、ソルミックスA-11 15 0mlおよび水 150mlを加え、3時間加熱還流させ 。反応液を25℃まで冷却後、水  500mlおよ トルエン 500mlへ注ぎ込み、混合した。その 、静置して有機層と水層の2層に分離させて 、有機層への抽出操作を行った。得られた有 機層を分取して、水で洗浄し、無水硫酸マグ ネシウムで乾燥した。得られた溶液を減圧下 、濃縮し、残渣をヘプタンを展開溶媒、シリ カゲルを充填剤として用いたカラムクロマト グラフィーによる分取操作で精製した。さら にソルミックスA-11からの再結晶により精製 、乾燥させ、3-フルオロ-4’-ペンチルビフェ ニル(T-2) 45.2gを得た。化合物(T-1)からの収率 85%であった。

[化合物(T-3)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-2) 45.2g THF 300mlとを加えて、-74℃まで冷却した。そ こへ、1.0M sec-ブチルリチウム, シクロヘキ ン,n-ヘキサン溶液 222mlを-74℃から-68℃の温 範囲で滴下し、さらに120分攪拌した。続い ヨウ素 61.7gのTHF 350ml溶液を-75℃から-68℃ 温度範囲で滴下し、さらに60分攪拌した。得 られた反応混合物を25℃に戻した後、氷水 65 0mlに注ぎ込み、混合した。トルエン 500mlを え有機層と水層とに分離させ抽出操作を行 、得られた有機層を分取しチオ硫酸ナトリ ム水溶液、食塩水で順次洗浄して、無水硫 マグネシウムで乾燥した。得られた溶液を 減圧下で濃縮し、残渣をヘプタンを展開溶 、シリカゲルを充填剤として用いたカラム ロマトグラフィーによる分取操作で精製し 。溶媒を留去し乾燥させ、3-フルオロ-4-ヨー ド-4’-ペンチルビフェニル(T-3) 58.7gを得た。 化合物(T-2)からの収率は85%であった。

[化合物(T-4)の合成]
 窒素雰囲気下、反応器へ3-フルオロ-4-ヨー -4’-ペンチルビフェニル(T-3) 30.0g、3-フルオ ロフェニルボロン酸 12.5g、炭酸カリウム 33. 8g、Pd/C(NXタイプ) 0.175g、トルエン 100ml、ソ ミックスA-11 100mlおよび水 100mlを加え、2時 加熱還流させた。反応液を25℃まで冷却後 水  300mlおよびトルエン 200mlへ注ぎ込み、 合した。その後、静置して有機層と水層の2 層に分離させて、有機層への抽出操作を行っ た。得られた有機層を分取して、水で洗浄し 、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られ た溶液を減圧下で濃縮し、残渣をヘプタンを 展開溶媒、シリカゲルを充填剤として用いた カラムクロマトグラフィーによる分取操作で 精製した。さらにヘプタン/ソルミックスA-11 混合溶媒からの再結晶により精製し、乾燥 せ、2',3-ジフルオロ-4''-ペンチル-1,1',4',1''- ーフェニル(T-4) 16.1gを得た。化合物(T-3)から の収率は59%であった。 

[化合物(T-5)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-4) 16.1g THF 200mlとを加えて、-74℃まで冷却した。そ こへ、1.0M sec-ブチルリチウム, シクロヘキ ン,n-ヘキサン溶液  57.5mlを-74℃から-68℃の 度範囲で滴下し、さらに120分攪拌した。続 てヨウ素 15.8gのTHF 100ml溶液を-75℃から-68 の温度範囲で滴下し、さらに60分攪拌した。 得られた反応混合物を25℃に戻した後、氷水 300mlに注ぎ込み、混合した。トルエン 200ml 加え有機層と水層とに分離させ抽出操作を い得られた有機層を分取し、チオ硫酸ナト ウム水溶液、食塩水で順次洗浄して、無水 酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液 、減圧下で濃縮し、残渣をヘプタンを展開 媒、シリカゲルを充填剤として用いたカラ クロマトグラフィーによる分取操作で精製 た。溶媒を留去し乾燥させ、2',3-ジフルオロ -4-ヨード-4''-ペンチル-1,1',4',1''-ターフェニル (T-5) 21.9gを得た。化合物(T-4)からの収率は99% あった。

[化合物(T-6)の合成]
 窒素雰囲気下、反応器へ2',3-ジフルオロ-4- ード-4''-ペンチル-1,1',4',1''-ターフェニル(T-5)  10.0g、3,5-ジフルオロフェニルボロン酸 3.76g 、炭酸カリウム 8.96g、Pd/C(NXタイプ) 0.0460g、 トルエン  70.0ml、ソルミックスA-11 70.0mlお び水 70.0mlを加え、2時間加熱還流させた。 応液を25℃まで冷却後、水  200mlおよびトル エン 200mlへ注ぎ込み、混合した。その後、 置して有機層と水層の2層に分離させて、有 層への抽出操作を行った。得られた有機層 分取して、水で洗浄し、無水硫酸マグネシ ムで乾燥した。得られた溶液を減圧下、濃 し、残渣をヘプタンを展開溶媒、シリカゲ を充填剤として用いたカラムクロマトグラ ィーによる分取操作で精製した。さらにヘ タン/ソルミックスA-11の混合溶媒からの再 晶により精製し、乾燥させ、4'''-ペンチル-2' ,2'',3,5-テトラフルオロ-1,1',4',1'',4'',1'''-クオ ターフェニル(T-6) 6.89gを得た。化合物(T-5)か らの収率は71%であった。

[化合物(T-7)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-6) 5.00g THF 130mlとを加えて、-74℃まで冷却した。そ こへ、1.60M n-ブチルリチウム,n-ヘキサン溶液   9.10mlを-74℃から-70℃の温度範囲で滴下し さらに60分攪拌した。続いてジブロモジフル オロメタン 3.50gのTHF 20.0ml溶液を-75℃から-70 ℃の温度範囲で滴下し、25℃に戻しつつ60分 拌した。得られた反応混合物を氷水 150mlに ぎ込み、混合した。トルエン 150mlを加え有 機層と水層とに分離させ抽出操作を行い得ら れた有機層を分取し、続いて食塩水で洗浄し て、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得ら れた溶液を、減圧下で濃縮し、残渣をヘプタ ンを展開溶媒、シリカゲルを充填剤として用 いたカラムクロマトグラフィーによる分取操 作で精製した。溶媒を留去し乾燥させ、4-ブ モジフルオロメチル-4'''-ペンチル-2',2'',3,5- トラフルオロ-1,1',4',1'',4'',1'''-クオーターフ ェニル(T-7) 5.44gを得た。化合物(T-6)からの収 は85%であった。

[化合物(No.1-4-5)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、3,4,5-トリフルオ フェノール 1.23g、炭酸カリウム 2.87g、N,N- メチルホルムアミド(DMF) 25.0mlを加え、115℃ で30分攪拌した。続いて化合物(T-7) 4.00gのDMF 75.0ml溶液を滴下し115℃で1時間攪拌した。反 混合物を25℃に戻した後、氷水 100mlに注ぎ み混合させ、トルエン 150mlを加え有機層と 水層とに分離させ抽出操作を行い得られた有 機層を分取し、続いて飽和炭酸水素ナトリウ ム水溶液、0.5N水酸化ナトリウム水溶液、食 水で順次洗浄して、無水硫酸マグネシウム 乾燥した。得られた溶液を、減圧下で濃縮 、残渣をヘプタンを展開溶媒、シリカゲル 充填剤として用いたカラムクロマトグラフ ーによる分取操作で精製した。さらにヘプ ン/ソルミックスA-11の混合溶媒からの再結晶 により精製し、乾燥させ、4-[ジフルオロ(3,4,5 -トリフルオロフェノキシ)メチル]-4'''-ペンチ ル-2',2'',3,5-テトラフルオロ-1,1',4',1'',4'',1'''- オーターフェニル(No.1-4-5) 2.06gを得た。化合 物(T-7)からの収率は46%であった。

 得られた化合物(No.1-4-5)の相転移温度は以下 の通りであった。
 相転移温度 :C 87.1 S A  181 N 255 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ(3,4,5- リフルオロフェノキシ)メチル]-4'''-ペンチル -2',2'',3,5-テトラフルオロ-1,1',4',1'',4'',1'''-ク ーターフェニルであることが同定できた。 お、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.58-7.39(m,8H),7.34-7.25(m,4H), 7.07-6.95(m,2H),2.67(t,J=8.00Hz,2H),1.74-1.60(m,2H),1.44-1.3 1(m,4H),0.91(t,J=6.65Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-4-5)の物性]
 前述した母液晶Aとして記載された4つの化 物を混合し、ネマチック相を有する母液晶A 調製した。この母液晶Aの物性は以下のとお りであった。
 上限温度(T NI )=71.7℃;屈折率異方性(δn)=0.137;誘電率異方性( ε)=11.0。

 母液晶A 85重量%と、実施例1で得られた4-[ジ フルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチ ]-4'''-ペンチル-2',2'',3,5-テトラフルオロ-1,1', 4',1'',4'',1'''-クオーターフェニル(No.1-4-5)の15 量%とからなる液晶組成物Bを調製した。得ら れた液晶組成物Bの物性値を測定し、測定値 外挿することで液晶化合物(No.1-4-5 )の物性 外挿値を算出した。その値は以下のとおり あった。
 上限温度(T NI )=169℃;屈折率異方性(δn)=0.257;誘電率異方性(δ ε)=36.7。
 このことから液晶化合物(No.1-4-5)は、上限温 度(T NI )が高く、屈折率異方性(δn)が大きく、誘電率 異方性(δε)が大きい化合物であることがわか った。

4-[ジフルオロ[(2,3',4',5'-テトラフルオロ[1,1'- フェニル]-4-イル)オキシ]メチル]-4''-ペンチ -2',3,5-トリフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(N o.1-3-5)の合成

[化合物(T-8)の合成]
 窒素雰囲気下、反応器へ3-フルオロ-4-ヨー -4’-ペンチルビフェニル(T-3) 64.0g、3,5-ジフ オロフェニルボロン酸 30.3g、炭酸カリウム  73.0g、Pd/C(NXタイプ) 0.372g、トルエン  200ml ソルミックスA-11 200mlおよび水 200mlを加え 2時間加熱還流させた。反応液を25℃まで冷 後、水  600mlおよびトルエン 400mlへ注ぎ込 み、混合した。その後、静置して有機層と水 層の2層に分離させて、有機層への抽出操作 行った。得られた有機層を分取して、水で 浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 られた溶液を減圧下、濃縮し、残渣をヘプ ンを展開溶媒、シリカゲルを充填剤として いたカラムクロマトグラフィーによる分取 作で精製した。さらにヘプタン/ソルミック A-11の混合溶媒からの再結晶により精製し、 乾燥させ、2',3,5-トリフルオロ-4''-ペンチル-1, 1',4',1''-ターフェニル(T-8) 40.2gを得た。化合 (T-3)からの収率は65%であった。

[化合物(T-9)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-8) 5.00g THF 65mlとを加えて、-74℃まで冷却した。そ へ、1.60M n-ブチルリチウム,n-ヘキサン溶液 11.5mlを-74℃から-70℃の温度範囲で滴下し、 らに60分攪拌した。続いてジブロモジフルオ ロメタン 4.45gのTHF 25.0ml溶液を-75℃から-70℃ の温度範囲で滴下し、25℃に戻しつつ60分攪 した。得られた反応混合物を氷水 90.0mlに注 ぎ込み、混合した。トルエン 70mlを加え有機 層と水層とに分離させ抽出操作を行い得られ た有機層を分取し、続いて食塩水で洗浄して 、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られ た溶液を、減圧下で濃縮し、残渣をヘプタン を展開溶媒、シリカゲルを充填剤として用い たカラムクロマトグラフィーによる分取操作 で精製した。溶媒を留去し乾燥させ、4-ブロ ジフルオロメチル-4''-ペンチル-2',3,5-トリフ ルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(T-9) 5.49gを得 。化合物(T-8)からの収率は81%であった。

[化合物(T-11)の合成]
 窒素雰囲気下、反応器へ4-ブロモ-3-フルオ フェノール(T-10) 5.00g、3,4,5-トリフルオロフ ニルボロン酸 5.07g、炭酸カリウム 10.9g、Pd (Ph 3 P) 2 Cl 2  0.552g、2-プロパノールを加え5時間加熱還流 せた。反応液を25℃まで冷却後、水  100ml よびトルエン 100mlへ注ぎ込み、混合した。 の後、静置して有機層と水層の2層に分離さ せて、有機層への抽出操作を行った。得られ た有機層を分取して、水で洗浄し、無水硫酸 マグネシウムで乾燥した。得られた溶液を減 圧下、濃縮し、残渣をトルエンを展開溶媒、 シリカゲルを充填剤として用いたカラムクロ マトグラフィーによる分取操作で精製した。 さらにヘプタン/ソルミックスA-11の混合溶媒 らの再結晶により精製し、乾燥させ、4-ヒ キシ-2,3',4',5'-テトラフルオロ-1,1'-ビフェニ (T-11) 4.79gを得た。化合物(T-1)からの収率は74 %であった。

[化合物(No.1-3-5)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、上記で得られた 化合物(T-11)2.10g、炭酸カリウム 3.00g、N,N-ジ メチルホルムアミド(DMF) 30.0mlを加え、115℃ 30分攪拌した。続いて化合物(T-9) 3.50gのDMF 5 5.0ml溶液を滴下し115℃で1時間攪拌した。反応 混合物を25℃に戻した後、氷水 85.0mlに注ぎ み混合させ、トルエン 100mlを加え有機層と 層とに分離させ抽出操作を行った。得られ 有機層を分取し、続いて飽和炭酸水素ナト ウム水溶液、0.5N水酸化ナトリウム水溶液、 食塩水で順次洗浄して、無水硫酸マグネシウ ムで乾燥した。得られた溶液を、減圧下で濃 縮し、残渣をヘプタンを展開溶媒、シリカゲ ルを充填剤として用いたカラムクロマトグラ フィーによる分取操作で精製した。さらにヘ プタン/ソルミックスA-11の混合溶媒からの再 晶により精製し、乾燥させ、4-[ジフルオロ[ (2,3',4',5'-テトラフルオロ[1,1'-ビフェニル]-4- ル)オキシ]メチル]-4''-ペンチル-2',3,5-トリフ オロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1-3-5) 2.30gを た。化合物(T-9)からの収率は49%であった。

 得られた化合物(No.1-3-5)の相転移温度は以下 の通りであった。
 相転移温度 :C 79.4 S A  138 N 223 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ[(2,3',4' ,5'-テトラフルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)オ キシ]メチル]-4''-ペンチル-2',3,5-トリフルオロ -1,1',4',1''-ターフェニルであることが同定で た。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.58-7.46(m,4H),7.46-7.35(m,2H), 7.32-7.24(m,4H),7.24-7.13(m,4H),2.67(t,J=7.85Hz,2H),1.74-1.6 0(m,2H),1.44-1.31(m,4H),0.91(t,J=6.95Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-3-5)の物性]
 母液晶A 85重量%と、実施例3で得られた4-[ジ フルオロ[(2,3',4',5'-テトラフルオロ[1,1'-ビフ ニル]-4-イル)オキシ]メチル]-4''-ペンチル-2',3 ,5-トリフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1-3- 5)の15重量%とからなる液晶組成物Cを調製した 。得られた液晶組成物Cの物性値を測定し、 定値を外挿することで液晶化合物(No.1-3-5 ) 物性の外挿値を算出した。その値は以下の おりであった。

 上限温度(T NI )=146℃;屈折率異方性(δn)=0.237;誘電率異方性(δ ε)=39.0。
 このことから液晶化合物(No.1-3-5 )は、上限 度(T NI )が高く、屈折率異方性(δn)が大きく、誘電率 異方性(δε)が大きい化合物であることがわか った。

4-[ジフルオロ[(2,3',4',5'-テトラフルオロ[1,1'- フェニル]-4-イル)オキシ]メチル]-4''-プロピ -2',3,5-トリフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(N o.1-3-3)の合成

[化合物(1-3-3)の合成]
 4-ブロモジフルオロメチル-4''-プロピル-2',3, 5-トリフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(T-12) 5 .00gを原料として用い、実施例3の化合物(1-3-5) の合成と同様の手法により、4-[ジフルオロ[(2 ,3',4',5'-テトラフルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イ )オキシ]メチル]-4''-プロピル-2',3,5-トリフル オロ-1,1',4',1''-ターフェニル(1-3-3) 3.26gを得た 。化合物(T-12)からの収率は48%であった。 

 得られた化合物(No.1-3-3)の相転移温度は以下 の通りであった。
 相転移温度 :C 76.2 S A  84.8 N 238 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ[(2,3',4' ,5'-テトラフルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)オ キシ]メチル]-4''-プロピル-2',3,5-トリフルオロ -1,1',4',1''-ターフェニルであることが同定で た。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.58-7.46(m,4H),7.45-7.35(m,2H), 7.32-7.24(m,4H),7.23-7.13(m,4H),2.65(t,J=7.80Hz,2H),1.74-1.6 5(m,2H),0.98(t,J=7.45Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-3-3)の物性]
 母液晶A 85重量%と、実施例5で得られた4-[ジ フルオロ[(2,3',4',5'-テトラフルオロ[1,1'-ビフ ニル]-4-イル)オキシ]メチル]-4''-プロピル-2',3 ,5-トリフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1-3- 3)の15重量%とからなる液晶組成物Dを調製した 。得られた液晶組成物Dの物性値を測定し、 定値を外挿することで液晶化合物(No.1-3-3 ) 物性の外挿値を算出した。その値は以下の おりであった。

 上限温度(T NI )=148℃;屈折率異方性(δn)=0.244;誘電率異方性(δ ε)=45.2。
 このことから液晶化合物(No.1-3-3 )は、上限 度(T NI )が高く、屈折率異方性(δn)が大きく、特に誘 電率異方性(δε)が大きい化合物であることが わかった。

4-[ジフルオロ[(2,3'-ジフルオロ-4'-トリフルオ メトキシ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)オキシ]メ ル]-4''-ペンチル-2',3,5-トリフルオロ-1,1',4',1' '-ターフェニル(No.1-3-70)の合成

[化合物(T-14)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、良く乾燥させた グネシウム 3.05gとTHF 20.0mlとを加えて、55 まで加熱した。そこへ、THF 100mlに溶解した1 -ブロモ-3-フルオロ-4-トリフルオロメトキシ ンゼン (T-13) 25.0gを、47℃から60℃の温度範 でゆっくり滴下し、さらに60分攪拌した。 られたグリニャール試薬を、ホウ酸トリメ ル  14.0gのTHF 100ml溶液に-74℃から-65℃の温 範囲で滴下し、25℃に戻しつつ、さらに180 攪拌した。続いて、反応混合物を-30℃に冷 し、6N塩酸 90mlをゆっくりと滴下し25℃に戻 つつ、さらに180分攪拌した。その後、反応 合物を氷水 250mlに3000mlとが入った容器中に 注ぎ込み、混合した。酢酸エチル300mlを加え 、有機層と水層とに分離させ抽出操作を行 た。得られた有機層を分取し、水、飽和炭 水素ナトリウム水溶液、食塩水で順次洗浄 、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その 、減圧下、溶媒を留去し、3-フルオロ-4-ト フルオロメトキシフェニルボロン酸 (T-14) 1 1.7gを得た。化合物(T-13)からの収率は54%であ た。

[化合物(T-15)の合成]
 上記で得られた化合物(T-14)を用い、実施例3 に示した化合物(T-11)の合成と同様の手法によ り2,3'-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-4'-トリフルオ ロメトキシ-1,1'-ビフェニル (T-15) 9.26gを合成 した。化合物(T-10)からの収率は79%であった。

[化合物(No.1-3-70)の合成]
 上記で得られた化合物(T-15)を用い、実施例3 、化合物(No.1-3-5)の合成と同様の手法により4- [ジフルオロ[(2,3'-ジフルオロ-4'-トリフルオロ メトキシ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)オキシ]メチ ル]-4''-ペンチル-2',3,5-トリフルオロ-1,1',4',1''- ターフェニル (No.1-3-70) 2.86gを得た。化合物( T-9)からの収率は48%であった。

 得られた化合物(No.1-3-70)の相転移温度は以 の通りであった。
 相転移温度 :C 67.9 S A  215 N 248 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ[(2,3'- フルオロ-4'-トリフルオロメトキシ[1,1'-ビフ ニル]-4-イル)オキシ]メチル]-4''-ペンチル-2', 3,5-トリフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニルであ ことが同定できた。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.57-7.46(m,4H),7.46-7.35(m,4H), 7.35-7.25(m,5H),7.24-7.16(m,2H),2.67(t,J=7.70Hz,2H),1.74-1.6 0(m,2H),1.45-1.31(m,4H),0.91(t,J=7.00Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-3-70)の物性]
 母液晶A 85重量%と、実施例7で得られた4-[ジ フルオロ[(2,3'-ジフルオロ-4'-トリフルオロメ キシ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)オキシ]メチル] -4''-ペンチル-2',3,5-トリフルオロ-1,1',4',1''-タ フェニル(No.1-3-70)の15重量%とからなる液晶 成物Eを調製した。得られた液晶組成物Eの物 性値を測定し、測定値を外挿することで液晶 化合物(No.1-3-70 )の物性の外挿値を算出した その値は以下のとおりであった。

 上限温度(T NI )=155℃;屈折率異方性(δn)=0.230;誘電率異方性(δ ε)=30.9。
 このことから液晶化合物(No.1-3-70 )は、上限 温度(T NI )が高く、屈折率異方性(δn)が大きい化合物で あることがわかった。

4-[ジフルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ) チル]-2',2'',3,5,6'-ペンタフルオロ-4'''-ペンチ ル-1,1',4',1'',4'',1'''-クオーターフェニル(化合 No.1-4-13)の合成


[化合物(T-16)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-8) 7.00g THF 85.0mlとを加えて、-74℃まで冷却した。 こへ、1.60M n-ブチルリチウム,n-ヘキサン溶   45.0mlを-74℃から-70℃の温度範囲で滴下し さらに60分攪拌した。続いてヨウ素 6.52gのT HF 45.0ml溶液を-75℃から-70℃の温度範囲で滴 し、さらに60分攪拌した。得られた反応混合 物を25℃に戻した後、氷水 130mlに注ぎ込み、 混合した。トルエン 150mlを加え有機層と水 とに分離させ抽出操作を行い得られた有機 を分取し、チオ硫酸ナトリウム水溶液、食 水で順次洗浄して、無水硫酸マグネシウム 乾燥した。得られた溶液を、減圧下で濃縮 、残渣をヘプタンを展開溶媒、シリカゲル 充填剤として用いたカラムクロマトグラフ ーによる分取操作で精製した。溶媒を留去 乾燥させ、4-ヨード-2',3,5-トリフルオロ-4''- ンチル-1,1',4',1''-ターフェニル(T-16) 9.38gを得 た。化合物(T-8)からの収率は99%であった。

[化合物(T-17)の合成]
 化合物(T-16) 9.38gを原料として用い、実施例 1の化合物(T-6)の合成と同様の手法により、2', 2'',3,5,6'-ペンタフルオロ-4'''-ペンチル-1,1',4',1 '',4'',1'''-クオーターフェニル(T-17) 7.77gを得 。化合物(T-16)からの収率は85%であった。

[化合物(T-18)の合成]
 化合物(T-17) 5.00gを原料として用い、実施例 1の化合物(T-7)の合成と同様の手法により、4- ロモジフルオロメチル-2',2'',3,5,6'-ペンタフ オロ-4'''-ペンチル-1,1',4',1'',4'',1'''-クオータ ーフェニル(T-18)4.56gを得た。化合物(T-17)から 収率は72%であった。

[化合物(No.1-4-13)の合成]
 化合物(T-18) 4.00gを原料として用い、実施例 1の化合物(No.1-4-5)の合成と同様の手法により 4-[ジフルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ )メチル]-2',2'',3,5,6'-ペンタフルオロ-4'''-ペン ル-1,1',4',1'',4'',1'''-クオーターフェニル(No.1- 4-13)1.81gを得た。化合物(T-18)からの収率は41% あった。

得られた化合物(No.1-4-13)の相転移温度は以下 通りであった。
 相転移温度 :C 125 S A  167 N 240 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ(3,4,5- リフルオロフェノキシ)メチル]-2',2'',3,5,6'-ペ ンタフルオロ-4'''-ペンチル-1,1',4',1'',4'',1'''- オーターフェニルであることが同定できた なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.58-7.41(m,5H),7.36-7.26(m,4H), 7.26-7.19(d,J=10.3Hz,2H),7.06-6.98(m,2H),2.67(t,J=8.00Hz,2H) ,1.74-1.60(m,2H),1.45-1.31(m,4H),0.92(t,J=6.80Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-4-13)の物性]
 母液晶A 95重量%と、実施例9で得られた4-[ジ フルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチ ]-2',2'',3,5,6'-ペンタフルオロ-4'''-ペンチル-1, 1',4',1'',4'',1'''-クオーターフェニル(No.1-4-13)の 5重量%とからなる液晶組成物Fを調製した。得 られた液晶組成物Fの物性値を測定し、測定 を外挿することで液晶化合物(No.1-4-13)の物性 の外挿値を算出した。その値は以下のとおり であった。

 上限温度(T NI )=156℃;屈折率異方性(δn)=0.257;誘電率異方性(δ ε)=43.6。
 このことから液晶化合物(No.1-4-13)は、上限 度(T NI )が高く、屈折率異方性(δn)が大きく、特に誘 電率異方性(δε)が大きい化合物であることが わかった。

4-[ジフルオロ[(2,3',3'',4'',5''-ペンタフルオロ[1 ,1',4',1''-ターフェニル]-4-イル)オキシ]メチル] -4'-ペンチル-3,5-ジフルオロ-1,1'-ビフェニル(No .1-2-5)の合成

[化合物(T-19)の合成]
 化合物(T-10)を原料として、4-フルオロフェ ルボロン酸を用い、実施例3に示した化合物( T-11)の合成と同様の手法により2,3'-ジフルオ -4-ヒドロキシ-1,1'-ビフェニル(T-19) 11.6gを合 した。化合物(T-10)からの収率は72%であった

[化合物(T-20)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-19) 11.6g 、炭酸カリウム 23.4g、DMF 100mlを加え、80℃ 30分攪拌した。続いてヨウ化メチル 12.0gのDM F 20.0ml溶液を滴下し80℃で1時間攪拌した。反 応混合物を25℃に戻した後、氷水 100mlに注ぎ 込み混合させ、トルエン 150mlを加え有機層 水層とに分離させ抽出操作を行い得られた 機層を分取し、続いて水で洗浄して、無水 酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液 、減圧下で濃縮し、残渣をトルエンを展開 媒、シリカゲルを充填剤として用いたカラ クロマトグラフィーによる分取操作で精製 て、2,3'-ジフルオロ-4-メトキシ-1,1'-ビフェニ ル(T-20) 12.3gを得た。化合物(T-19)からの収率 99%であった。

[化合物(T-21)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-20) 11.3g とTHF 200mlとを加えて、-74℃まで冷却した。 こへ、1.58M n-ブチルリチウム,n-ヘキサン溶  39.0mlを-74℃から-68℃の温度範囲で滴下し、 さらに60分攪拌した。続いて塩化トリメチル ラン(TMSCl) 8.42mlを-75℃から-73℃の温度範囲 滴下し、終夜で攪拌した。得られた反応混 物を25℃に戻した後、氷水 200mlに注ぎ込み 混合した。トルエン 200mlを加え有機層と水 層とに分離させ抽出操作を行い、得られた有 機層を分取し水で洗浄して、無水硫酸マグネ シウムで乾燥した。得られた溶液を、減圧下 で濃縮し、残渣をトルエンを展開溶媒、シリ カゲルを充填剤として用いたカラムクロマト グラフィーによる分取操作で精製した。溶媒 を留去し乾燥させ、2,3'-ジフルオロ-4-メトキ -3-トリメチルシリル-1,1'-ビフェニル(T-21) 14 .1gを得た。化合物(T-20)からの収率は94%であっ た。

[化合物(T-22)の合成]
 化合物(T-21) 10.0gを原料として用い、実施例 1の化合物(T-3)の合成と同様の手法により、2,3 '-ジフルオロ-4'-ヨード-4-メトキシ-3-トリメチ ルシリル-1,1'-ビフェニル(T-22) 13.7gを得た。 合物(T-21)からの収率は96%であった。

[化合物(T-23)の合成]
 化合物(T-22) 13.7gを原料として、3,4,5-トリフ ルオロフェニルボロン酸を用い、実施例1の 合物(T-4)の合成と同様の手法により、4-メト シ-2,3',3'',4'',5''-ペンタフルオロ-3-トリメチ シリル-1,1',4',1''-ターフェニル(T-23) 11.2gを た。化合物(T-22)からの収率は81%であった。

[化合物(T-24)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-23) 10.0g とTHF 130mlとを加えて、0℃まで冷却した。そ へ、1.00M テトラブチルアンモニウムフルオ リド(TBAF),THF溶液 26.0mlを滴下し、室温に戻し つつ60分間攪拌した。得られた反応混合物を 水 130mlに注ぎ込み、混合した。トルエン 1 30mlを加え有機層と水層とに分離させ抽出操 を行い、得られた有機層を分取し水で洗浄 て、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得 れた溶液を、減圧下で濃縮し、残渣をトル ンを展開溶媒、シリカゲルを充填剤として いたカラムクロマトグラフィーによる分取 作で精製した。さらに酢酸エチル/ソルミッ スA-11の混合溶媒からの再結晶により精製し 、乾燥させ、4-メトキシ-2,3',3'',4'',5''-ペンタ ルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(T-24) 8.18gを た。化合物(T-23)からの収率は99%であった。

[化合物(T-25)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-24) 6.20g とジクロロメタン 6000mlとを加えて、10℃ま 冷却した。そこへ、1.00M 三臭化ホウ素,ジク クロメタン溶液 35.4mlを滴下し、室温に戻し つ終夜で攪拌した。得られた反応混合物を 水 200mlに注ぎ込み、混合した。有機層と水 層とに分離させ抽出操作を行い、得られた有 機層を分取し水で洗浄して、無水硫酸マグネ シウムで乾燥した。得られた溶液を、減圧下 で濃縮し、残渣をトルエンを展開溶媒、シリ カゲルを充填剤として用いたカラムクロマト グラフィーによる分取操作で精製した。さら に酢酸エチル/ヘプタンの混合溶媒からの再 晶により精製し、乾燥させ、4-ヒドロキシ-2, 3',3'',4'',5''-ペンタフルオロ-1,1',4',1''-ターフ ニル(T-25) 5.00gを得た。化合物(T-24)からの収 は84%であった。

[化合物(No.1-2-3)の合成]
 別途調整した4-ブロモジフルオロメチル-3,5- ジフルオロ-4'-ペンチル-1,1'-ビフェニル(T-26)  4.24gを原料として、化合物(T-25) 3.30gを用い、 実施例1の化合物(No.1-4-5)の合成と同様の手法 より、4-[ジフルオロ[(2,3',3'',4'',5''-ペンタフ ルオロ[1,1',4',1''-ターフェニル]-4-イル)オキシ ]メチル]-4'-ペンチル-3,5-ジフルオロ-1,1'-ビフ ニル(No.1-2-3)4.60gを得た。化合物(T-26)からの 率は65%であった。

得られた化合物(No.1-2-3)の相転移温度は以下 通りであった。
 相転移温度 :C 121 N 220 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ[(2,3',3' ',4'',5''-ペンタフルオロ[1,1',4',1''-ターフェニ ]-4-イル)オキシ]メチル]-4'-ペンチル-3,5-ジフ ルオロ-1,1'-ビフェニルであることが同定でき た。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.53-7.43(m,4H),7.43-7.35(m,2H), 7.32-7.28(d,J=8.10Hz,2H),7.27-7.16(m,6H),2.67(t,J=8.00Hz,2H) ,1.74-1.60(m,2H),1.43-1.29(m,4H),0.91(t,J=6.80Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-2-3)の物性]
 母液晶A 90重量%と、実施例11で得られた4-[ フルオロ[(2,3',3'',4'',5''-ペンタフルオロ[1,1',4 ',1''-ターフェニル]-4-イル)オキシ]メチル]-4'- ンチル-3,5-ジフルオロ-1,1'-ビフェニル(No.1-2- 3)の10重量%とからなる液晶組成物Gを調製した 。得られた液晶組成物Gの物性値を測定し、 定値を外挿することで液晶化合物(No.1-2-3 ) 物性の外挿値を算出した。その値は以下の おりであった。

 上限温度(T NI )=139℃;屈折率異方性(δn)=0.227;誘電率異方性(δ ε)=39.7。
 このことから液晶化合物(No.1-2-3)は、屈折率 異方性(δn)が大きく、誘電率異方性(δε)が大 い化合物であることがわかった。

4-[ジフルオロ(3,4-ジフルオロフェノキシ)メチ ル]-2',2'',3,5-テトラフルオロ-4'''-ペンチル-1,1' ,4',1'',4'',1'''-クオーターフェニル(化合物No.1-4 -53)の合成

[化合物No.1-4-53の合成]
 化合物(T-7) 2.37gを原料として用い、実施例1 の化合物(No.1-4-5)の合成と同様の手法により 4-[ジフルオロ(3,4-ジフルオロフェノキシ)メ ル]-2',2'',3,5-テトラフルオロ-4'''-ペンチル-1,1 ',4',1'',4'',1'''-クオーターフェニル(No.1-4-53)0.79 8gを得た。化合物(T-7)からの収率は31%であっ 。

得られた化合物(No.1-4-53)の相転移温度は以下 通りであった。
 相転移温度 :C 79.3 S A  206 N 269 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ(3,4-ジ ルオロフェノキシ)メチル]-2',2'',3,5-テトラ ルオロ-4'''-ペンチル-1,1',4',1'',4'',1'''-クオー ーフェニルであることが同定できた。なお 測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.57-7.40(m,8H),7.32-7.26(m,4H), 7.22-7.15(m,2H),7.10-7.04(m,1H),2.67(t,J=7.85Hz,2H),1.73-1.6 1(m,2H),1.44-1.32(m,4H),0.92(t,J=6.85Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-4-53)の物性]
 母液晶A 95重量%と、実施例13で得られた4-[ フルオロ(3,4-ジフルオロフェノキシ)メチル]- 2',2'',3,5-テトラフルオロ-4'''-ペンチル-1,1',4',1 '',4'',1'''-クオーターフェニル(No.1-4-53)の15重 %とからなる液晶組成物Hを調製した。得られ た液晶組成物Hの物性値を測定し、測定値を 挿することで液晶化合物(No.1-4-53)の物性の外 挿値を算出した。その値は以下のとおりであ った。

 上限温度(T NI )=175℃;屈折率異方性(δn)=0.270;誘電率異方性(δ ε)=26.5。
 このことから液晶化合物(No.1-4-53)は、上限 度(T NI )が高く、誘電率異方性(δε)が大きく、特に 折率異方性(δn)が大きい化合物であることが わかった。

4-[ジフルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ) チル]-4''-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2',2'',3 ,5-テトラフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1 -4-305)の合成

[化合物(T-28)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、良く乾燥させた グネシウム 16.7gとTHF 20.0mlとを加えて、50 まで加熱した。そこへ、THF 100mlに溶解した3 -ブロモフルオロベンゼン(T-27) 100gを、40℃か ら60℃の温度範囲でゆっくり滴下し、さらに6 0分攪拌した。得られたグリニャール試薬に 4-ペンチルシクロヘキサノン 115gのTHF 230ml 液を20℃から30℃の温度範囲で滴下し、さら 180分攪拌した。反応混合物を氷浴下で1N塩 に注ぎ込み混合した後、トルエン800mlを加え て、有機層と水層とに分離させ抽出操作を行 った。得られた有機層を分取して水で洗浄し 、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後 、減圧下、溶媒を留去し、1-(3-フルオロフェ ル)-4-ペンチルシクロヘキサノール(T-28) 168g を得た。

[化合物(T-29)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-28) 168g p-トルエンスルホン酸一水和物 5.04gおよび ルエン 500mlを加え、留去してくる水を除き つつ加熱還流下で120分反応させた。室温まで 冷却した後、反応混合物にトルエン200mlを加 、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水 順次洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾 した。得られた溶液を、減圧下で濃縮し、 渣をヘプタンを展開溶媒、シリカゲルを充 剤として用いたカラムクロマトグラフィー よる分取操作で精製した。溶媒を留去し乾 させ、1-フルオロ-3-(4-ペンチルシクロヘキ ン-1-イル)ベンゼン(T-29) 117gを得た。化合物( T-27)からの収率は84%であった。

[化合物(T-30)の合成]
 反応器へ化合物(T-29) 117g、Pd/C(NXタイプ) 5.8 5g、トルエン 200mlおよびソルミックスA-11 400 mlを加え、水素雰囲気下室温で8時間攪拌した 。濾過により触媒を除去した後、減圧下で濃 縮した。残渣をヘプタンを展開溶媒、シリカ ゲルを充填剤として用いたカラムクロマトグ ラフィーによる分取操作で精製した。さらに ヘプタン/ソルミックスA-11の混合溶媒からの 結晶により精製し、乾燥させ、1-フルオロ-3 -(4-ペンチルシクロヘキシル)ベンゼン(T-30) 80 .3gを得た。化合物(T-29)からの収率は68%であっ た。 

[化合物(T-31)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-30) 50.0g とTHF 300mlとを加えて、-74℃まで冷却した。 こへ、1.0M sec-ブチルリチウム, シクロヘキ ン,n-ヘキサン溶液  237mlを-74℃から-68℃の 度範囲で滴下し、さらに120分攪拌した。続 てヨウ素 66.3gのTHF 350ml溶液を-75℃から-68 の温度範囲で滴下し、さらに60分攪拌した。 得られた反応混合物を25℃に戻した後、氷水 650mlに注ぎ込み、混合した。トルエン 500ml 加え有機層と水層とに分離させ抽出操作を い得られた有機層を分取し、チオ硫酸ナト ウム水溶液、食塩水で順次洗浄して、無水 酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液 、減圧下で濃縮し、残渣をヘプタンを展開 媒、シリカゲルを充填剤として用いたカラ クロマトグラフィーによる分取操作で精製 た。さらにヘプタン/ソルミックスA-11の混合 溶媒からの再結晶により精製し、乾燥させ、 2-フルオロ-1-ヨード-4-(4-ペンチルシクロヘキ ル)ベンゼン(T-31) 69.3gを得た。化合物(T-30) らの収率は92%であった。

[化合物(T-32)の合成]
 窒素雰囲気下、反応器へ化合物(T-31) 20.0g、 3-フルオロフェニルボロン酸 8.20g、炭酸カリ ウム 22.1g、Pd/C(NXタイプ) 0.114g、トルエン   100ml、ソルミックスA-11 100mlおよび水 100mlを え、5時間加熱還流させた。反応液を25℃ま 冷却後、水  300mlおよびトルエン 300mlへ注 ぎ込み、混合した。その後、静置して有機層 と水層の2層に分離させて、有機層への抽出 作を行った。得られた有機層を分取して、 で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し 。得られた溶液を減圧下、濃縮し、残渣を プタンを展開溶媒、シリカゲルを充填剤と て用いたカラムクロマトグラフィーによる 取操作で精製した。さらにヘプタン/ソルミ クスA-11の混合溶媒からの再結晶により精製 し、乾燥させ、2,3'-ジフルオロ-4-(4-ペンチル クロヘキシル)-1,1'-ビフェニル(T-32) 14.2gを た。化合物(T-31)からの収率は78%であった。

[化合物(T-33)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-32) 10.0g とTHF 140mlとを加えて、-74℃まで冷却した。 こへ、1.0M sec-ブチルリチウム, シクロヘキ ン,n-ヘキサン溶液  34.4mlを-74℃から-68℃の 温度範囲で滴下し、さらに120分攪拌した。続 いてヨウ素 9.63gのTHF 60.0ml溶液を-75℃から-68 ℃の温度範囲で滴下し、さらに60分攪拌した 得られた反応混合物を25℃に戻した後、氷  200mlに注ぎ込み、混合した。トルエン 100ml を加え有機層と水層とに分離させ抽出操作を 行い得られた有機層を分取し、チオ硫酸ナト リウム水溶液、食塩水で順次洗浄して、無水 硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液 を、減圧下で濃縮し、残渣をヘプタンを展開 溶媒、シリカゲルを充填剤として用いたカラ ムクロマトグラフィーによる分取操作で精製 した。さらにヘプタン/ソルミックスA-11の混 溶媒からの再結晶により精製し、乾燥させ 2,3'-ジフルオロ-4'-ヨード-4-(4-ペンチルシク ヘキシル)-1,1'-ビフェニル(T-33) 10.2gを得た 化合物(T-32)からの収率は75%であった。

[化合物(T-34)の合成]
 窒素雰囲気下、反応器へ化合物(T-33) 10.0g、 3,5-ジフルオロフェニルボロン酸 3.71g、炭酸 リウム 8.87g、Pd/C(NXタイプ) 0.0455g、トルエ   100ml、ソルミックスA-11 100mlおよび水 100 mlを加え、5時間加熱還流させた。反応液を25 まで冷却後、水  300mlおよびトルエン 300ml へ注ぎ込み、混合した。その後、静置して有 機層と水層の2層に分離させて、有機層への 出操作を行った。得られた有機層を分取し 、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾 した。得られた溶液を減圧下、濃縮し、残 をヘプタンを展開溶媒、シリカゲルを充填 として用いたカラムクロマトグラフィーに る分取操作で精製した。さらにヘプタン/ソ ミックスA-11の混合溶媒からの再結晶により 精製し、乾燥させ、4-(4-ペンチルシクロヘキ ル)-2,3',3'',5''-テトラフルオロ-1,1',4',1''-ター フェニル(T-34) 8.20gを得た。化合物(T-33)から 収率は84%であった。

[化合物(T-35)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-34) 5.00g とTHF 130mlとを加えて、-74℃まで冷却した。 こへ、1.60M n-ブチルリチウム,n-ヘキサン溶  7.00mlを-74℃から-70℃の温度範囲で滴下し、 さらに60分攪拌した。続いてジブロモジフル ロメタン 2.77gのTHF 20.0ml溶液を-75℃から-70 の温度範囲で滴下し、25℃に戻しつつ60分攪 拌した。得られた反応混合物を氷水 150mlに ぎ込み、混合した。トルエン 100mlを加え有 層と水層とに分離させ抽出操作を行い得ら た有機層を分取し、続いて食塩水で洗浄し 、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得ら た溶液を、減圧下で濃縮し、残渣をヘプタ を展開溶媒、シリカゲルを充填剤として用 たカラムクロマトグラフィーによる分取操 で精製した。溶媒を留去し乾燥させ、4-ブ モジフルオロメチル-4''-(4-ペンチルシクロヘ キシル)-2',2'',3,5-テトラフルオロ-1,1',4',1''-タ フェニル(T-35) 6.22gを得た。化合物(T-34)から の収率は97%であった。

[化合物(No.1-4-305)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-35) 6.22g 、3,4,5-トリフルオロフェノール 1.43g、炭酸 リウム 4.44g、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF) 95.0mlを加え、90℃で120分攪拌した。反応混合 物を25℃に戻した後、氷水 100mlに注ぎ込み混 合させ、トルエン 100mlを加え有機層と水層 に分離させ抽出操作を行い得られた有機層 分取し、続いて飽和炭酸水素ナトリウム水 液、0.5N水酸化ナトリウム水溶液、食塩水で 次洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥 た。得られた溶液を、減圧下で濃縮し、残 をヘプタン/酢酸エチルの混合溶媒を展開溶 媒、シリカゲルを充填剤として用いたカラム クロマトグラフィーによる分取操作で精製し た。さらにヘプタン/ソルミックスA-11の混合 媒からの再結晶により精製し、乾燥させ、4 -[ジフルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ) チル]-4''-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2',2'',3, 5-テトラフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1- 4-305) 3.94gを得た。化合物(T-35)からの収率は57 %であった。

 得られた化合物(No.1-4-305)の相転移温度は以 の通りであった。
 相転移温度 :C 78.6 N 255 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ(3,4,5- リフルオロフェノキシ)メチル]-4''-(4-ペンチ シクロヘキシル)-2',2'',3,5-テトラフルオロ-1, 1',4',1''-ターフェニルであることが同定でき 。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.52-7.34(m,4H),7.26(d,J=8.80Hz, 2H),7.09(dd,J=8.05Hz,J=1.45Hz,1H),7.07-6.95(m,3H),2.52(tt,J= 12.1Hz,J=3.15Hz,1H),1.98-1.86(m,4H),1.53-1.41(m,2H),1.39-1.1 9(m,9H),1.14-1.02(m,2H),0.90(t,J=7.20Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-4-305)の物性]
 前述した母液晶Aとして記載された4つの化 物を混合し、ネマチック相を有する母液晶A 調製した。この母液晶Aの物性は以下のとお りであった。
 上限温度(T NI )=71.7℃;誘電率異方性(δε)=11.0;屈折率異方性( n)=0.137。

 母液晶A 85重量%と、実施例15で得られた4-[ フルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチ ル]-4''-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2',2'',3,5- トラフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1-4-5) の15重量%とからなる液晶組成物Iを調製した 得られた液晶組成物Iの物性値を測定し、測 値を外挿することで液晶化合物(No.1-4-305 ) 物性の外挿値を算出した。その値は以下の おりであった。
 上限温度(T NI )=166℃;誘電率異方性(δε)=30.3;屈折率異方性(δ n)=0.204。
 これらのことから液晶化合物(No.1-4-305)は、 の液晶化合物との優れた相溶性を有し、ネ チック相の温度範囲が広く、上限温度(T NI )が高いうえに、誘電率異方性(δε)の大きい 合物であることがわかった。

4-[ジフルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ) チル]-4''-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2',3,5- リフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1-4-319) の合成

[化合物(T-37)の合成]
 1-ヨード-4-(4-ペンチルシクロヘキシル)ベン ン(T-36) 30.0gを原料として用い、実施例1の(T -4)の合成と同様の手法により、3-フルオロ-4'- (4-ペンチルシクロヘキシル)-1,1'-ビフェニル(T -37) 22.6gを得た。化合物(T-36)からの収率は83% あった。 

[化合物(T-38)の合成]
 化合物(T-37) 15.0gを原料として用い、実施例 1の(T-5)の合成と同様の手法により、3-フルオ -4-ヨード-4'-(4-ペンチルシクロヘキシル)-1,1' -ビフェニル(T-38) 20.1gを得た。化合物(T-37)か の収率は97%であった。

[化合物(T-39)の合成]
 化合物(T-38) 10.0gを原料として用い、実施例 1の(T-6)の合成と同様の手法により、4''-(4-ペ チルシクロヘキシル)-2',3,5-トリフルオロ-1,1' ,4',1''-ターフェニル(T-39) 7.47gを得た。化合物 (T-38)からの収率は77%であった。

[化合物(T-40)の合成]
 化合物(T-39) 5.00gを原料として用い、実施例 1の(T-7)の合成と同様の手法により、4-ブロモ フルオロメチル-4''-(4-ペンチルシクロヘキ ル)-2',3,5-トリフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニ (T-40) 5.30gを得た。化合物(T-39)からの収率は 84%であった。

[化合物(No.1-4-319)の合成]
 化合物(T-40) 5.30gを原料として用い、実施例 1の(1-4-5)の合成と同様の手法により、4-[ジフ オロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチル]- 4''-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2',3,5-トリフ オロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1-4-319) 2.65gを 得た。化合物(T-40)からの収率は45%であった。

 得られた化合物(No.1-4-319)の相転移温度は以 の通りであった。
 相転移温度 :C 87.5 N 271 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ(3,4,5- リフルオロフェノキシ)メチル]-4''-(4-ペンチ シクロヘキシル)-2',3,5-トリフルオロ-1,1',4',1 ''-ターフェニルであることが同定できた。な お、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.54(d,J=8.30Hz,2H),7.51-7.45(m, 2H),7.41(d,J=12.2Hz,1H),7.32(d,J=8.20Hz,2H),7.26(d,J=8.10Hz, 2H),7.03-6.95(m,2H),2.53(tt,J=12.1Hz,J=3.00Hz,1H),2.00-1.86( m,4H),1.55-1.44(m,2H),1.40-1.21(m,9H),1.14-1.02(m,2H),0.91(t ,J=7.10Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-4-319)の物性]
 母液晶A 85重量%と、実施例17で得られた4-[ フルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチ ル]-4''-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2',3,5-トリ フルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1-4-319)の15 重量%とからなる液晶組成物Jを調製した。得 れた液晶組成物Jの物性値を測定し、測定値 を外挿することで液晶化合物(No.1-4-319)の物性 の外挿値を算出した。その値は以下のとおり であった。

 上限温度(T NI )=189℃;誘電率異方性(δε)=22.9;屈折率異方性(δ n)=0.210。
 これらのことから液晶化合物(No.1-4-319 )は 他の液晶化合物との優れた相溶性を有し、 マチック相の温度範囲が広く、上限温度(T NI )が高い化合物であることがわかった。

4-[ジフルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ) チル]-4''-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2',2'',3 ,5,6'-ペンタフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル  (No.1-4-333)の合成

[化合物(T-41)の合成]
 窒素雰囲気下、反応器へ化合物(T-31) 30.0g、 3,5-ジフルオロフェニルボロン酸 13.9g、炭酸 リウム 33.3g、Pd/C(NXタイプ) 0.171g、トルエ   150ml、ソルミックスA-11 150mlおよび水 150m lを加え、5時間加熱還流させた。反応液を25 まで冷却後、水  500mlおよびトルエン 300ml 注ぎ込み、混合した。その後、静置して有 層と水層の2層に分離させて、有機層への抽 出操作を行った。得られた有機層を分取して 、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥 した。得られた溶液を減圧下、濃縮し、残渣 をヘプタンを展開溶媒、シリカゲルを充填剤 として用いたカラムクロマトグラフィーによ る分取操作で精製した。さらにソルミックス A-11からの再結晶により精製し、乾燥させ、4' -(4-ペンチルシクロヘキシル)-2',3,5-トリフル ロ-1,1'-ビフェニル(T-41) 25.0gを得た。化合物( T-31)からの収率は87%であった。 

[化合物(T-42)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-41) 7.00g とTHF 85.0mlとを加えて、-74℃まで冷却した。 こへ、1.58M n-ブチルリチウム, n-ヘキサン 液  14.7mlを-74℃から-68℃の温度範囲で滴下 、さらに60分攪拌した。続いてヨウ素 6.40g THF 45.0ml溶液を-75℃から-68℃の温度範囲で 下し、さらに60分攪拌した。得られた反応混 合物を25℃に戻した後、氷水 150mlに注ぎ込み 、混合した。トルエン 75mlを加え有機層と水 層とに分離させ抽出操作を行い得られた有機 層を分取し、チオ硫酸ナトリウム水溶液、食 塩水で順次洗浄して、無水硫酸マグネシウム で乾燥した。得られた溶液を、減圧下で濃縮 し、残渣をヘプタンを展開溶媒、シリカゲル を充填剤として用いたカラムクロマトグラフ ィーによる分取操作で精製し、乾燥させ、4- ード-4'-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2',3,5,- リフルオロ-1,1'-ビフェニル(T-16) 9.36gを得た 化合物(T-41)からの収率は99%であった。

[化合物(T-43)の合成]
 化合物(T-42) 9.36gを原料として用い、実施例 1の(T-6)の合成と同様の手法により、4''-(4-ペ チルシクロヘキシル)-2',2'',3,5,6'-ペンタフル ロ-1,1',4',1''-ターフェニル(T-43) 6.54gを得た 化合物(T-42)からの収率は72%であった。

[化合物(T-44)の合成]
 化合物(T-43) 5.00gを原料として用い、実施例 1の(T-7)の合成と同様の手法により、4-ブロモ フルオロメチル-4''-(4-ペンチルシクロヘキ ル)-2',2'',3,5,6'-ペンタフルオロ-1,1',4',1''-ター フェニル(T-44) 6.12gを得た。化合物(T-43)から 収率は96%であった。

[化合物(No.1-4-333)の合成]
 化合物(T-44) 6.12gを原料として用い、実施例 1の(1-4-5)の合成と同様の手法により、4-[ジフ オロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチル]- 4''-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2',2'',3,5,6'-ペ タフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1-4-333)  3.89gを得た。化合物(T-44)からの収率は57%で った。

 得られた化合物(No.1-4-333)の相転移温度は以 の通りであった。
 相転移温度 :C 116 N 246 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ(3,4,5- リフルオロフェノキシ)メチル]-4''-(4-ペンチ シクロヘキシル)-2',2'',3,5,6'-ペンタフルオロ -1,1',4',1''-ターフェニルであることが同定で た。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.37(dd,J=8.15Hz,J=8.15Hz,1H),7. 27-7.17(m,4H),7.11(dd,J=8.05Hz,J=1.60Hz,1H),7.08-6.97(m,3H), 2.53(tt,J=12.1Hz,J=3.15Hz,1H),1.98-1.86(m,4H),1.53-1.41(m,2H ),1.39-1.20(m,9H),1.14-1.02(m,2H),0.90(t,J=7.35Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-4-333)の物性]
 母液晶A 95重量%と、実施例19で得られた4-[ フルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチ ル]-4''-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2',2'',3,5,6' -ペンタフルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1-4 -333)の5重量%とからなる液晶組成物Kを調製し 。得られた液晶組成物Kの物性値を測定し、 測定値を外挿することで液晶化合物(No.1-4-333) の物性の外挿値を算出した。その値は以下の とおりであった。

 上限温度(T NI )=146℃;誘電率異方性(δε)=39.6;屈折率異方性(δ n)=0.197。
 これらのことから液晶化合物(No.1-4-333)は、 マチック相の温度範囲が広く、上限温度(T NI )が高いうえに、誘電率異方性(δε)の大きい 合物であることがわかった。

4-[ジフルオロ[(2,3',4',5'-テトラフルオロ[1,1'- フェニル]-4-イル)オキシ]メチル]-4'-(4-ペンチ ルシクロヘキシル)-2',3,5-トリフルオロ-1,1'-ビ フェニル(化合物No.1-3-255)の合成


[化合物(T-45)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-41) 8.00g とTHF 140mlとを加えて、-74℃まで冷却した。 こへ、1.58M n-ブチルリチウム,n-ヘキサン溶   14.9mlを-74℃から-70℃の温度範囲で滴下し さらに60分攪拌した。続いてジブロモジフ オロメタン 5.89gのTHF 20.0ml溶液を-75℃から-7 0℃の温度範囲で滴下し、25℃に戻しつつ60分 拌した。得られた反応混合物を氷水 160mlに 注ぎ込み、混合した。トルエン 120mlを加え 機層と水層とに分離させ抽出操作を行い得 れた有機層を分取し、続いて食塩水で洗浄 て、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得 れた溶液を、減圧下で濃縮し、残渣をヘプ ンを展開溶媒、シリカゲルを充填剤として いたカラムクロマトグラフィーによる分取 作で精製した。溶媒を留去し乾燥させ、4-ブ ロモジフルオロメチル-4'-(4-ペンチルシクロ キシル)-2',3,5-トリフルオロ-1,1'-ビフェニル(T -45) 10.0gを得た。化合物(T-41)からの収率は87% あった。

[化合物(No.1-3-255)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-45) 5.00g 、化合物(T-11) 2.23g、炭酸カリウム 4.23g、DMF 75.0mlを加え、90℃で120分攪拌した。反応混合 物を25℃に戻した後、氷水 75.0mlに注ぎ込み 合させ、トルエン 75.0mlを加え有機層と水層 とに分離させ抽出操作を行い得られた有機層 を分取し、続いて飽和炭酸水素ナトリウム水 溶液、0.5N水酸化ナトリウム水溶液、食塩水 順次洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾 した。得られた溶液を、減圧下で濃縮し、 渣をヘプタン/酢酸エチルの混合溶媒を展開 媒、シリカゲルを充填剤として用いたカラ クロマトグラフィーによる分取操作で精製 た。さらにヘプタン/ソルミックスA-11の混 溶媒からの再結晶により精製し、乾燥させ 4-[ジフルオロ[(2,3',4',5'-テトラフルオロ[1,1'- フェニル]-4-イル)オキシ]メチル]-4'-(4-ペン ルシクロヘキシル)-2',3,5-トリフルオロ-1,1'- フェニル(No.1-3-255) 3.90gを得た。化合物(T-45) らの収率は59%であった。

 得られた化合物(No.1-3-255)の相転移温度は以 の通りであった。
 相転移温度 :C 86.9 N 230 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ[(2,3',4' ,5'-テトラフルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)オ キシ]メチル]-4'-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2 ',3,5-トリフルオロ-1,1'-ビフェニルであること が同定できた。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.41-7.31(m,2H),7.25-7.13(m,6H), 7.10(dd,J=8.05Hz,J=1.55Hz,1H),7.04(dd,J=12.2Hz,J=1.20Hz,1H), 2.52(tt,J=12.1Hz,J=3.00Hz,1H),1.97-1.86(m,4H),1.51-1.40(m,2H ),1.38-1.20(m,9H),1.13-1.01(m,2H),0.90(t,J=7.10Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-3-255)の物性]
 母液晶A 85重量%と、実施例21で得られた4-[ フルオロ[(2,3',4',5'-テトラフルオロ[1,1'-ビフ ニル]-4-イル)オキシ]メチル]-4'-(4-ペンチル クロヘキシル)-2',3,5-トリフルオロ-1,1'-ビフ ニル(No.1-3-255)の15重量%とからなる液晶組成 Lを調製した。得られた液晶組成物Lの物性値 を測定し、測定値を外挿することで液晶化合 物(No.1-3-5 )の物性の外挿値を算出した。その 値は以下のとおりであった。

 上限温度(T NI )=146℃;誘電率異方性(δε)=34.3;屈折率異方性(δ n)=0.184。
 これらのことから液晶化合物(No.1-3-255)は、 の液晶化合物との優れた相溶性を有し、ネ チック相の温度範囲が広く、上限温度(T NI )が高いうえに、誘電率異方性(δε)の大きい 合物であることがわかった。

4-[ジフルオロ[(2,3',4',5'-テトラフルオロ[1,1'- フェニル]-4-イル)オキシ]メチル]-4'-(5-ペンチ ル-1,3-ジオキサン-2-イル)-2',3,5-トリフルオロ- 1,1'-ビフェニル(化合物No.1-3-449)の合成

[化合物(T-47)の合成]
2-(3-フルオロ-4-ヨードフェニル)-5-ペンチル-1, 3-ジオキサン(T-46) 6.00gを原料として用い、実 施例5の化合物(T-15)の合成と同様の手法によ 、4'-(5-ペンチル-1,3-ジオキサン-2-イル)-2',3,5- トリフルオロ-1,1'-ビフェニル(T-47) 4.60gを得 。化合物(T-46)からの収率は79%であった。

[化合物(T-48)の合成]
 化合物(T-47) 4.60gを原料として用い、実施例 21の化合物(T-45)の合成と同様の手法により、4 -ブロモジフルオロメチル-4'-(5-ペンチル-1,3- オキサン-2-イル)-2',3,5-トリフルオロ-1,1'-ビ ェニル(T-48) 6.10gを得た。化合物(T-47)からの 率は98%であった。

[化合物(No.1-3-449)の合成]
 化合物(T-48) 6.10gを原料として用い、実施例 21の化合物(No.1-3-255)の合成と同様の手法によ 、4-[ジフルオロ[(2,3',4',5'-テトラフルオロ[1, 1'-ビフェニル]-4-イル)オキシ]メチル]-4'-(5-ペ チル-1,3-ジオキサン-2-イル)-2',3,5-トリフル ロ-1,1'-ビフェニル(No.1-3-449)4.10gを得た。化合 物(T-48)からの収率は48%であった。

得られた化合物(No.1-3-449)の相転移温度は以下 の通りであった。
 相転移温度 :C 72.7 N 203 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ[(2,3',4' ,5'-テトラフルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)オ キシ]メチル]-4'-(5-ペンチル-1,3-ジオキサン-2- ル)-2',3,5-トリフルオロ-1,1'-ビフェニルであ ことが同定できた。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.48-7.33(m,4H),7.25-7.13(m,6H), 5.44(s,1H),4.26(dd,J=11.4Hz,J=4.70Hz,2H),3.55(dd,J=11.4Hz,11 .4Hz,2H),2.22-2.09(m,1H),1.40-1.27(m,6H),1.20-1.08(m,2H),0.9 0(t,J=6.90Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-3-449)の物性]
 母液晶A 85重量%と、実施例23で得られた4-[ フルオロ[(2,3',4',5'-テトラフルオロ[1,1'-ビフ ニル]-4-イル)オキシ]メチル]-4'-(5-ペンチル-1 ,3-ジオキサン-2-イル)-2',3,5-トリフルオロ-1,1'- ビフェニル(No.1-3-449)の15重量%とからなる液晶 組成物Mを調製した。得られた液晶組成物Mの 性値を測定し、測定値を外挿することで液 化合物(No.1-3-449 )の物性の外挿値を算出し 。その値は以下のとおりであった。

 上限温度(T NI )=141℃;誘電率異方性(δε)=44.1;屈折率異方性(δ n)=0.184。
 これらのことから液晶化合物(No.1-3-449 )は 他の液晶化合物との優れた相溶性を有し、 マチック相の温度範囲が広く、上限温度(T NI )が高いうえに、誘電率異方性(δε)の大きい 合物であることがわかった。

4-[ジフルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ) チル]-4''-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2',3-ジ フルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1-4-343)の 成

[化合物(T-50)の合成]
 窒素雰囲気下、反応器へ4-ブロモ-2-フルオ 安息香酸(T-49) 25.0g、イソオクタン 30.0ml、 ルエン 15.0mlを加え、60℃に加熱する。プロ ンジチオール 12.6mlを滴下し、90分間攪拌し た後、トリフルオロメタンスルホン酸をゆっ くりと加え60℃で60分間攪拌した後、110℃で12 0分間攪拌し反応させる。反応液を25℃まで冷 却後、減圧下で濃縮し、残渣をt-ブチルメチ エーテルからの再結晶により精製し、乾燥 せ、ジチアリニウム塩(T-50) 32.4gを得た。化 合物(T-49)からの収率は64%であった。  

[化合物(T-51)の合成]
 窒素雰囲気下、反応器へ3,4,5-トリフルオロ ェノール 13.0g、トリエチルアミン 13.3ml、 クロロメタン 140mlを加えた後、-70℃に冷却 しジチアリニウム塩(T-50)のジクロロメタン280 ml溶液をゆっくりと滴下する。60分間攪拌し 後、フッ化水素トリエチルアミン錯体 36.0ml を滴下し、30分間攪拌する。続いて臭素 20.0m lをゆっくりと加え60分間攪拌する。反応液を 25℃まで戻した後、氷水に注ぎ込みゆっくり 炭酸水素ナトリウムを加え反応液を中和す 。水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水 順次洗浄した後減圧下で濃縮し、残渣をヘ タンを展開溶媒、シリカゲルを充填剤とし 用いたカラムクロマトグラフィーによる分 操作で精製し、乾燥させ、4-[ジフルオロ(3,4 ,5-トリフルオロフェノキシ)メチル]-3-フルオ ブロモベンゼン(T-51) 18.5gを得た。化合物(T- 50)からの収率は68%であった。

[化合物(T-52)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-37) 6.00g とTHF 100mlとを加えて、-74℃まで冷却した。 こへ、1.0M sec-ブチルリチウム, シクロヘキ ン,n-ヘキサン溶液 22.2mlを-74℃から-68℃の 度範囲で滴下し、さらに120分攪拌した。続 てホウ酸トリメチル 2.81gのTHF 25.0ml溶液を-7 5℃から-68℃の温度範囲で滴下し、25℃に戻し つつ終夜で攪拌した。続いて、反応混合物を -30℃に冷却し、6N塩酸 20mlをゆっくりと滴下 25℃に戻しつつ、さらに180分攪拌した。そ 後、反応混合物を氷水 200mlに注ぎ込み、混 した。酢酸エチル200mlを加えて、有機層と 層とに分離させ抽出操作を行った。得られ 有機層を分取し、水、飽和炭酸水素ナトリ ム水溶液、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸 グネシウムで乾燥した。その後、減圧下、 媒を留去し、4-(4-ペンチルシクロヘキシル)- ェニル-2-フルオロフェニルボロン酸(T-52) 5. 41gを得た。化合物(T-37)からの収率は79%であっ た。

[化合物(No.1-4-343)の合成]
 窒素雰囲気下、反応器へ4-[ジフルオロ(3,4,5- トリフルオロフェノキシ)メチル]-3-フルオロ ロモベンゼン(T-51) 1.97g、4-(4-ペンチルシク ヘキシル)-フェニル-2-フルオロフェニルボ ン酸(T-52) 2.00g、テトラキストリフェニルホ フィンパラジウム 0.0627g、炭酸カリウム 2. 21g、トルエン 40.0ml、ソルミックスA-11 40.0ml よび水 40.0mlを加え、2時間加熱還流させた 反応液を25℃まで冷却後、水  80.0mlおよび ルエン 80.0mlへ注ぎ込み、混合した。その 、静置して有機層と水層の2層に分離させて 有機層への抽出操作を行った。得られた有 層を分取して、水で洗浄し、無水硫酸マグ シウムで乾燥した。得られた溶液を減圧下 濃縮し、残渣をヘプタンを展開溶媒、シリ ゲルを充填剤として用いたカラムクロマト ラフィーによる分取操作で精製した。さら ヘプタン/ソルミックスA-11の混合溶媒から 再結晶により精製し、乾燥させ、4-[ジフル ロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチル]-4''- (4-ペンチルシクロヘキシル)-2',3-ジフルオロ-1 ,1',4',1''-ターフェニル(1-4-343) 2.27gを得た。化 合物(T-51)からの収率は69%であった。 

 得られた化合物(No.1-4-343)の相転移温度は以 の通りであった。
 相転移温度 :C 62.0 S C  110 S A  170 N 297 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ(3,4,5- リフルオロフェノキシ)メチル]-4''-(4-ペンチ シクロヘキシル)-2',3-ジフルオロ-1,1',4',1''- ーフェニルであることが同定できた。なお 測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.73(t,J=8.00Hz,1H),7.55(d,J=8.1 5Hz,2H),7.51-7.38(m,5H),7.32(d,J=8.20Hz,2H),7.04-6.95(m,2H), 2.53(tt,J=12.1Hz,J=3.00Hz,1H),2.00-1.86(m,4H),1.55-1.44(m,2H ),1.40-1.21(m,9H),1.14-1.02(m,2H),0.91(t,J=7.10Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-4-343)の物性]
 母液晶A 85重量%と、実施例25で得られた4-[ フルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチ ル]-4''-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2',3-ジフ オロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1-4-343)の15重 %とからなる液晶組成物Nを調製した。得られ た液晶組成物Nの物性値を測定し、測定値を 挿することで液晶化合物(No.1-4-343)の物性の 挿値を算出した。その値は以下のとおりで った。

 上限温度(T NI )=210℃;誘電率異方性(δε)=16.4;屈折率異方性(δ n)=0.217。
 これらのことから液晶化合物(No.1-4-343)は、 マチック相の温度範囲が広く、他の液晶化 物との優れた相溶性を有し、特に上限温度( T NI )が高い化合物であることがわかった。

4-[ジフルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ) チル]-4''-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2'-フ オロ-1,1',4',1''-ターフェニル(No.1-4-348)の合成

[化合物(T-54)の合成]
 4-ブロモ安息香酸(T-53) 25.0gを原料として用 、実施例25の化合物(T-50)の合成と同様の手 により、ジチアリニウム塩(T-54) 34.5gを得た 化合物(T-53)からの収率は66%であった。 

[化合物(T-55)の合成]
 ジチアリニウム塩(T-54) 34.5gを原料として用 い、実施例25の化合物(T-51)の合成と同様の手 により、4-[ジフルオロ(3,4,5-トリフルオロフ ェノキシ)メチル]ブロモベンゼン(T-55) 20.9gを 得た。化合物(T-54)からの収率は73%であった。

[化合物(No.1-4-348)の合成]
 4-[ジフルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ )メチル]ブロモベンゼン(T-55) 3.00g、4-(4-ペン ルシクロヘキシル)-フェニル-2-フルオロフ ニルボロン酸(T-52) 3.19gを原料として用い、 施例25の化合物(No.1-4-343)の合成と同様の手 により、4-[ジフルオロ(3,4,5-トリフルオロフ ノキシ)メチル]-4''-(4-ペンチルシクロヘキシ ル)-2'-フルオロ-1,1',4',1''-ターフェニル(1-4-348)  4.45gを得た。化合物(T-55)からの収率は86%で った。 

 得られた化合物(No.1-4-348)の相転移温度は以 の通りであった。
 相転移温度 :C 81.0 S F  118 S C  143 S A  220 N 305 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ(3,4,5- リフルオロフェノキシ)メチル]-4''-(4-ペンチ シクロヘキシル)-2'-フルオロ-1,1',4',1''-ター ェニルであることが同定できた。なお、測 溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.77(d,J=8.50Hz,2H),7.71(d,J=7.8 5Hz,2H),7.55(d,J=8.20Hz,2H),7.53-7.44(m,2H),7.40(dd,J=12.1Hz ,J=1.35Hz,1H),7.02-6.94(m,2H),2.53(tt,J=9.10Hz,J=3.25Hz,1H), 2.00-1.86(m,4H),1.55-1.44(m,2H),1.40-1.20(m,9H),1.14-1.02(m, 2H),0.91(t,J=7.05Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-4-348)の物性]
 母液晶A 85重量%と、実施例13で得られた4-[ フルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチ ル]-4''-(4-ペンチルシクロヘキシル)-2'-フルオ -1,1',4',1''-ターフェニル(No.1-4-348)の15重量%と からなる液晶組成物Oを調製した。得られた 晶組成物Oの物性値を測定し、測定値を外挿 ることで液晶化合物(No.1-4-348)の物性の外挿 を算出した。その値は以下のとおりであっ 。

 上限温度(T NI )=218℃;誘電率異方性(δε)=11.7;屈折率異方性(δ n)=0.224。
 これらのことから液晶化合物(No.1-4-348)は、 マチック相の温度範囲が広く、他の液晶化 物との優れた相溶性を有し、特に上限温度( T NI )が高い化合物であることがわかった。

4-[ジフルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ) チル]-4''-(5-ペンチル-1,3-ジオキサン-2-イル)- 2',3,5-トリフルオロ-1,1', 4',1煤|ターフェニル( 化合物No.1-4-667)の合成

[化合物(T-56)の合成]
化合物(T-27) 21.8gおよび4-ホルミルフェニルボ ロン酸 25.0gを用い用い、実施例1の化合物(T-2 )の合成と同様の手法により、3-フルオロ-4'- ルミル-1,1'-ビフェニル(T-56) 24.1gを得た。化 物(T-27)からの収率は84%であった。

[化合物(T-57)の合成]
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(T-56) 24.1g 、2-ペンチルプロパンジオール 36.2g、p-トル ンスルホン酸一水和物 3.14gおよびトルエン  120mlを加え、留去してくる水を除きつつ加 還流下で120分反応させた。得られた反応混 物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、 で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾 した。その後、減圧下、溶媒を留去し、残 をトルエンを展開溶媒、シリカゲルを充填 として用いたカラムクロマトグラフィーに る分取操作で精製した。さらに酢酸エチル ソルミックスA-11の混合溶媒からの再結晶に り精製し、乾燥させ、3-フルオロ-4'-(5-ペン ル-1,3-ジオキサン-2-イル)-1,1'-ビフェニル(T-5 7)26.0gを得た。化合物(T-56)からの収率は48%で った。

[化合物(T-58)の合成]
 化合物(T-57) 10.0gを原料として用い、実施例 1の化合物(T-3)の合成と同様の手法により、3- ルオロ-4-ヨード-4'-(5-ペンチル-1,3-ジオキサ -2-イル)-1,1'-ビフェニル(T-58) 10.3gを得た。 合物(T-57)からの収率は75%であった。

[化合物(T-59)の合成]
 化合物(T-58) 10.3gを原料として用い、実施例 1の(T-6)の合成と同様の手法により、4煤|(5-ペ チル-1,3-ジオキサン-2-イル)-2',3,5-トリフル ロ-1,1',4',1煤|ターフェニル(T-59) 8.92gを得た 化合物(T-58)からの収率は89%であった。

[化合物(T-60)の合成]
 化合物(T-59) 4.00gを原料として用い、実施例 1の(T-7)の合成と同様の手法により、4-ブロモ フルオロメチル-4煤|(5-ペンチル-1,3-ジオキ ン-2-イル)-2',3,5-トリフルオロ-1,1',4',1煤|ター フェニル(T-60) 4.82gを得た。化合物(T-59)から 収率は93%であった。

[化合物(No.1-4-667)の合成]
 化合物(T-60) 4.82gを原料として用い、実施例 1の(1-4-5)の合成と同様の手法により、4-[ジフ オロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチル]- 4''-(5-ペンチル-1,3-ジオキサン-2-イル)-2',3,5-ト リフルオロ-1,1', 4',1煤|ターフェニル(No.1-4-667 ) 3.07gを得た。化合物(T-60)からの収率は57%で った。

 得られた化合物(No.1-4-667)の相転移温度は以 の通りであった。
 相転移温度 :C 1  82.4 C 2  95.4 S A  221 N 252 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ(3,4,5- リフルオロフェノキシ)メチル]-4''-(5-ペンチ -1,3-ジオキサン-2-イル)-2',3,5-トリフルオロ-1 ,1', 4',1煤|ターフェニルであることが同定で た。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.65-7.57(m,4H),7.54-7.46(m,2H), 7.43(d,J=12.6Hz,1H),7.26(d,J=9.20Hz,2H),7.00(m,2H),5.48(s,1H ),4.27(dd,J=11.6Hz,J=4.70Hz,2H),3.57(dd,J=11.4Hz,11.4Hz,2H), 2.22-2.10(m,1H),1.38-1.23(m,6H),1.18-1.08(m,2H),0.90(t,J=7.1 0Hz,3H).

[液晶化合物(No.1-4-667)の物性]
 母液晶A 85重量%と、実施例29で得られた4-[ フルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチ ル]-4''-(5-ペンチル-1,3-ジオキサン-2-イル)-2',3, 5-トリフルオロ-1,1', 4',1煤|ターフェニル(No.1- 3-199)の15重量%とからなる液晶組成物Pを調製 た。得られた液晶組成物Pの物性値を測定し 測定値を外挿することで液晶化合物(No.1-4-66 7 )の物性の外挿値を算出した。その値は以 のとおりであった。

 上限温度(T NI )=190℃;誘電率異方性(δε)=27.0;屈折率異方性(δ n)=0.210。
 これらのことから液晶化合物(No.1-4-667 )は ネマチック相の温度範囲が広く、他の液晶 合物との優れた相溶性を有し、上限温度(T NI )が高いうえに、誘電率異方性(δε)の大きい 合物であることがわかった。

 実施例1、3、5、7、9、11,13,15、17、19、21、23 25、27、および29、さらに記載した合成法を とに、以下に示す化合物(No.1-1-1)~(No.1-1-368) (No.1-2-1)~(No.1-2-562)、(No.1-3-1)~(No.1-3-616)および( No.1-4-1)~(No.1-4-838)を合成することができる。 記したデータは前記した手法に従い、求め 値である。相転移温度は化合物自体の測定 である。上限温度(T NI )、誘電率異方性(δε)、および光学異方性(δn) は、実施例2、4、6、8、10、12,14,16、18、20、22 24、26、28、および30に記載したように化合 を母液晶(A)に混合した試料の測定値を、外 法に従って換算した外挿値である。

[比較例1]
 比較例としてWO2005/019378A1に掲載されている テトラヒドロピラン環を含有する5環液晶化 合物の4-[ジフルオロ[(2,3',4',5'-テトラフルオ [1,1'-ビフェニル]-4-イル)オキシ]メチル]-4'-(5- ペンチルテトラヒドロピラン-2-イル)-2',3,5,6'- テトラフルオロ-1,1'-ビフェニル(S-1-1)を合成 た。

 得られた比較例化合物(S-1-1)の相転移温度は 以下の通りであった。
 相転移温度:C  101 N 198 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ[(2,3',4' ,5'-テトラフルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)オ キシ]メチル]-4'-(5-ペンチルテトラヒドロピラ ン-2-イル)-2',3,5,6'-テトラフルオロ-1,1'-ビフェ ニルであることが同定できた。なお、測定溶 媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.38(dd,J=8.65Hz,J=8.40Hz,1H),7. 23-7.11(m,6H),7.08-7.00(m,2H),4.28(dd,J=11.8Hz、J=1.95Hz,1H ),4.10(dq,J=11.2Hz、J=2.00Hz,1H),3.21(t,J=11.2Hz,1H),2.05-1 .98(m,1H),1.95-1.88(m,1H),1.73-1.62(m,1H),1.60-1.48(m,1H),1. 45-1.09(m,5H),0.92(t,J=6.80Hz,3H).

 母液晶A 85重量%と、比較例化合物(S-1-1)の 15重量%とからなる液晶組成物Qを調製した。 られた液晶組成物 Qの物性値を測定し、測 値を外挿することで比較例化合物(S-1-1)の物 の外挿値を算出した。その値は以下のとお であった。

 上限温度(T NI )=118℃;誘電率異方性(δε)=52.3;屈折率異方性(δ n)=0.177。

 比較例化合物(S-1-1)と実施例に示した本発明 の化合物(No.1-4-5、No.1-3-5、No.1-3-3、No.1-3-70、No .1-4-13、No.1-2-3、No.1-4-53、No.1-4-305、No.1-4-319、N o.1-4-333、No.1-3-255、No.1-3-449、No.1-4-343、No.1-4-34 8、およびNo.1-4-667)とを比較する。まず、それ ぞれの相転移温度を比較すると(No.1-4-5、No.1-3 -5、No.1-3-3、No.1-3-70、No.1-4-13、No.1-2-3、No.1-4-53 、No.1-4-305、No.1-4-319、No.1-4-333、No.1-3-255、No.1- 3-449、No.1-4-343、No.1-4-348、およびNo.1-4-667)の方 が液晶相の温度範囲が広い。特に本発明の化 合物は液晶相の下限温度が低く、他の化合物 との相溶性が高い。R 1 が共にプロピルである、比較例化合物(S-1-1) 本発明の化合物(No.1-3-3)とを比較した場合、 合物(No.1-3-3)の方が液晶相の温度範囲が広く 、液晶相の下限温度が低い。

 次に比較例化合物(S-1-1)と本発明の化合物 との物性の外挿値を比較すると、化合物(No.1- 4-5、No.1-3-5、No.1-3-3、No.1-3-70、No.1-4-13、No.1-2-3 、No.1-4-53、No.1-4-305、No.1-4-319、No.1-4-333、No.1-3 -255、No.1-3-449、No.1-4-343、No.1-4-348、およびNo.1- 4-667)の方が高い透明点を有している。よって 化合物(No.1-4-5、No.1-3-5、No.1-3-3、No.1-3-70、No.1- 4-13、No.1-2-3、No.1-4-53、No.1-4-305、No.1-4-319、No.1 -4-333、No.1-3-255、No.1-3-449、No.1-4-343、No.1-4-348 およびNo.1-4-667)の方が幅広い温度領域で使用 可能な優れた液晶化合物であるといえる。

 さらに、比較例化合物(S-1-1)と本発明の化 合物との屈折率異方性を比較すると、化合物 (No.1-4-5、No.1-3-5、No.1-3-3、No.1-3-70、No.1-4-13、No .1-2-3、No.1-4-53、No.1-4-305、No.1-4-319、No.1-4-333、 No.1-3-255、No.1-3-449、No.1-4-343、No.1-4-348、およ No.1-4-667)の方が大きな屈折率異方性を示す。 よって化合物(No.1-4-5、No.1-3-5、No.1-3-3、No.1-3-7 0、No.1-4-13、No.1-2-3、No.1-4-53、No.1-4-305、No.1-4-3 19、No.1-4-333、No.1-3-255、No.1-3-449、No.1-4-343、No. 1-4-348、およびNo.1-4-667)の方が、高速応答可能 な液晶表示素子を製造する為に必要な、大き な屈折率異方性を有する液晶組成物を提供で きる優れた液晶化合物であるといえる。

[比較例2]
さらに比較例としてWO96/11897A1に掲載されてい る、CF 2 O結合基を有する4環の液晶化合物である4-[ジ ルオロ(3,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチ ]-3,5-ジフルオロ-4'-(4-プロピルシクロヘキシ )-1,1'-ビフェニルを合成した。

 得られた比較例化合物(S-6)の相転移温度は 下の通りであった。
 相転移温度:C 82.1 N 141 I 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-[ジフルオロ(3,4,5- リフルオロフェノキシ)メチル]-3,5-ジフルオ -4'-(4-プロピルシクロヘキシル)-1,1'-ビフェ ルであることが同定できた。なお、測定溶 はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.49(d,J=8.23Hz,2H),7.32(d,J=8.2 3Hz,2H),7.20(d,J=10.6Hz,2H),7.03-6.90(m,2H),2.53(tt,J=12.1Hz ,J=3.00Hz,1H),1.97-1.86(m,4H),1.51-1.40(m,2H),1.40-1.18(m,4H ),1.13-1.01(m,2H),0.91(t,J=7.20Hz,3H).

 母液晶A 85重量%と、比較例化合物(S-6)の15 重量%とからなる液晶組成物Rを調製した。得 れた液晶組成物 Rの物性値を測定し、測定 を外挿することで比較例化合物(S-6)の物性 外挿値を算出した。その値は以下のとおり あった。

 上限温度(T NI )=110℃;誘電率異方性(δε)=23.4;屈折率異方性(δ n)=0.157。

 比較例化合物(S-6)と実施例に示した本発 の化合物(No.1-4-5、No.1-3-5、No.1-3-3、No.1-3-70、N o.1-4-13、No.1-2-3、No.1-4-53、No.1-4-305、No.1-4-319、 No.1-4-333、No.1-3-255、No.1-3-449、No.1-4-343、No.1-4-3 48、およびNo.1-4-667)とを比較する。まず、そ ぞれの相転移温度を比較すると(No.1-4-5、No.1- 3-5、No.1-3-3、No.1-3-70、No.1-4-13、No.1-2-3、No.1-4-5 3、No.1-4-305、No.1-4-319、No.1-4-333、No.1-3-255、No.1 -3-449、No.1-4-343、No.1-4-348、およびNo.1-4-667)の が液晶相の温度範囲が広い。特に本発明の 合物は液晶相の上限温度が高い。

 次に比較例化合物(S-6)と本発明の化合物 の物性の外挿値を比較すると、化合物(No.1-4- 5、No.1-3-5、No.1-3-3、No.1-3-70、No.1-4-13、No.1-2-3 No.1-4-53、No.1-4-305、No.1-4-319、No.1-4-333、No.1-3-2 55、No.1-3-449、No.1-4-343、No.1-4-348、およびNo.1-4- 667)の方が高い透明点を有している。よって 合物(No.1-4-5、No.1-3-5、No.1-3-3、No.1-3-70、No.1-4- 13、No.1-2-3、No.1-4-53、No.1-4-305、No.1-4-319、No.1-4 -333、No.1-3-255、No.1-3-449、No.1-4-343、No.1-4-348、 よびNo.1-4-667)の方が幅広い温度領域で使用 能な優れた液晶化合物であるといえる。

さらに、比較例化合物(S-6)と本発明の化合 との屈折率異方性を比較すると、化合物(No. 1-4-5、No.1-3-5、No.1-3-3、No.1-3-70、No.1-4-13、No.1-2 -3、No.1-4-53、No.1-4-305、No.1-4-319、No.1-4-333、No.1 -3-255、No.1-3-449、No.1-4-343、No.1-4-348、およびNo. 1-4-667)の方が大きな屈折率異方性を示す。よ て化合物(No.1-4-5、No.1-3-5、No.1-3-3、No.1-3-70、 No.1-4-13、No.1-2-3、No.1-4-53、No.1-4-305、No.1-4-319 No.1-4-333、No.1-3-255、No.1-3-449、No.1-4-343、No.1-4- 348、およびNo.1-4-667)の方が、高速応答可能な 晶表示素子を製造する為に必要な、大きな 折率異方性を有する液晶組成物を提供でき 優れた液晶化合物であるといえる。

 さらに本発明の代表的な組成物を[組成例 1]~[組成例31]にまとめた。最初に、組成物の 分である化合物とその量(重量%)を示した。 合物は表1の取り決めに従い、左末端基、結 基、環構造、および右末端基の記号によっ 表示した。1,4-シクロヘキシレンおよび1,3- オキサン-2,5-ジイルの立体配置はトランスで ある。末端基の記号がない場合は、末端基が 水素であることを意味する。次に組成物の物 性値を示した。ここでの物性値は測定値その ままの値である。

 特性値の測定は下記の方法にしたがって うことができる。それらの多くは、日本電 機械工業会規格(Standard of Electric Industries  Association of Japan)EIAJ・ED-2521Aに記載された方 、またはこれを修飾した方法である。測定 用いたTN素子には、TFTを取り付けなかった

 ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微 を備えた融点測定装置のホットプレートに 料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料 一部がネマチック相から等方性液体に変化 たときの温度を測定した。ネマチック相の 限温度を「上限温度」と略すことがある。

 ネマチック相の下限温度(T C ;℃):ネマチック相を有する試料を0℃、-10℃ -20℃、-30℃、および-40℃のフリーザー中に10 日間保管したあと、液晶相を観察した。例え ば、試料が-20℃ではネマチック相のままであ り、-30℃では結晶(またはスメクチック相)に 化したとき、T C を≦-20℃と記載する。ネマチック相の下限温 度を「下限温度」と略すことがある。

 粘度(η;20℃で測定;mPa・s):測定にはE型回 粘度計を用いた。

 回転粘度(γ1;25℃で測定;mPa・s):
 1)誘電率異方性が正である試料:測定はM. Ima i et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vo l. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った ツイスト角が0°であり、そして2枚のガラス 板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子 試料を入れた。TN素子に16ボルトから19.5ボル トの範囲で0.5ボルト毎に段階的に印加した。 0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形 ルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰 返した。この印加によって発生した過渡電 (transient current)のピーク電流(peak current)とピ ーク時間(peak time)を測定した。これらの測定 値とM. Imaiらの論文、40頁の計算式(8)とから 転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電 異方性の値は、この回転粘度の測定で使用 た素子にて、下記の誘電率異方性の測定方 で求めた。

 2)誘電率異方性が負である試料:測定はM.  Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従っ 。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20 μmのVA素子に試料を入れた。この素子に30ボ トから50ボルトの範囲で1ボルト毎に段階的 印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの 形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件 印加を繰り返した。この印加によって発生 た過渡電流(transient current)のピーク電流(peak  current)とピーク時間(peak time)を測定した。 れらの測定値とM. Imaiらの論文、40頁の計算 (8)とから回転粘度の値を得た。この計算に 要な誘電率異方性は、下記の誘電率異方性 測定した値を用いた。

 光学異方性(屈折率異方性;δn;25℃で測定): 測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光 を取り付けたアッベ屈折計により行なった 主プリズムの表面を一方向にラビング(rubbin g)したあと、試料を主プリズムに滴下した。 折率(n∥)は偏光の方向がラビングの方向と 行であるときに測定した。屈折率(n⊥)は偏 の方向がラビングの方向と垂直であるとき 測定した。光学異方性の値は、δn=n∥-n⊥、 の式から計算した。試料が組成物のときはこ の方法によって光学異方性を測定した。試料 が化合物のときは、化合物を適切な組成物に 混合したあと光学異方性を測定した。化合物 の光学異方性は外挿値である。

 誘電率異方性(δε;25℃で測定):試料が化合物 のときは、化合物を適切な組成物に混合した あと誘電率異方性を測定した。化合物の誘電 率異方性は外挿値である。
 1)誘電率異方性が正である組成物:2枚のガラ ス基板の間隔(ギャップ)が約9μm、ツイスト角 が80度の液晶セルに試料を入れた。このセル 20ボルトを印加して、液晶分子の長軸方向 おける誘電率(ε∥)を測定した。0.5ボルトを 加して、液晶分子の短軸方向における誘電 (ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、δ =ε∥-ε⊥、の式から計算した。

 2)誘電率異方性が負である組成物:ホメオ ロピック配向に処理した液晶セルに試料を れ、0.5ボルトを印加して誘電率(ε∥)を測定 した。ホモジニアス配向に処理した液晶セル に試料を入れ、0.5ボルトを印加して誘電率(ε ⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、δε=ε -ε⊥、の式から計算した。

 しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):試料が化 物のときは、化合物を適切な組成物に混合 たあとしきい値電圧を測定した。化合物の きい値電圧は外挿値である。1)誘電率異方性 が正である組成物:2枚のガラス基板の間隔(ギ ャップ)が(0.5/δn)μmであり、ツイスト角が80度 である、ノーマリーホワイトモード(normally w hite mode)の液晶表示素子に試料を入れた。δn 上記の方法で測定した光学異方性の値であ 。この素子に周波数が32Hzである矩形波を印 加した。矩形波の電圧を上昇させ、素子を通 過する光の透過率が90%になったときの電圧の 値を測定した。

2)誘電率異方性が負である組成物:2枚のガ ス基板の間隔(ギャップ)が約9μmであり、ホ オトロピック配向に処理したノーマリーブ ックモード(normally black mode)の液晶表示素子 に試料を入れた。この素子に周波数が32Hzで る矩形波を印加した。矩形波の電圧を上昇 せ、素子を通過する光の透過率10%になった きの電圧の値を測定した。

 電圧保持率(VHR;25℃で測定;%):測定に用い TN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2 のガラス基板の間隔(セルギャップ)は6μmで る。この素子は試料を入れたあと紫外線に って重合する接着剤で密閉した。このTN素子 にパルス電圧(5Vで60マイクロ秒)を印加して充 電した。減衰する電圧を高速電圧計で16.7ミ 秒のあいだ測定し、単位周期における電圧 線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減 衰しなかったときの面積である。電圧保持率 は面積Bに対する面積Aの百分率である。

 らせんピッチ(20℃で測定;μm):らせんピッ の測定には、カノのくさび型セル法を用い 。カノのくさび型セルに試料を注入し、セ から観察されるディスクリネーションライ の間隔(a;単位はμm)を測定した。らせんピッ チ(P)は、式P=2・a・tanθから算出した。θは、 さび型セルにおける2枚のガラス板の間の角 度である。

 成分または液晶化合物の割合(百分率)は 液晶化合物の全重量に基づいた重量百分率( 量%)である。組成物は、液晶化合物などの 分の重量を測定してから混合することによ て調製される。したがって、成分の重量%を 出するのは容易である。

[組成例1]
5-BB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      5%
5-BB(F)B(F,F)XB(F)B(F)-OCF3     5%

2-BEB(F)-C                      5%
3-BEB(F)-C                      4%
4-BEB(F)-C                     12%
1V2-BEB(F,F)-C                 12%
3-HB-O2                        10%
3-HH-4                          3%
3-HHB-F                         3%
3-HHB-1                         4%
3-HHB-O1                        4%
3-HBEB-F                        4%
3-HHEB-F                        6%
5-HHEB-F                        6%
3-H2BTB-2                       4%
3-H2BTB-3                       4%
3-H2BTB-4                       4%
3-HB(F)TB-2                     5%
NI=94.4℃;δn=0.154;δε=28.7;Vth=1.02V.

[組成例2]
5-BB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      5%
5-BB(F)B(F)B(F,F)XB(F,F)-F      5%

2-HB-C                          5%
3-HB-C                         10%
3-HB-O2                        15%
2-BTB-1                         3%
3-HHB-F                         4%
3-HHB-1                         8%
3-HHB-O1                        5%
3-HHB-3                         6%
3-HHEB-F                        4%
5-HHEB-F                        4%
2-HHB(F)-F                      7%
3-HHB(F)-F                      7%
5-HHB(F)-F                      7%
3-HHB(F,F)-F                    5%
NI=103.7℃;δn=0.114;δε=8.0;Vth=2.01V.

[組成例3]
5-BB(F,F)XB(F)B(F)B(F,F)-F      5%
5-BB(F)B(F,F)B(F,F)XB(F,F)-F    5%

3-BEB(F)-C                      8%
3-HB-C                          8%
V-HB-C                          8%
1V-HB-C                         8%
3-HB-O2                         3%
3-HH-2V                        11%
3-HH-2V1                        7%
V2-HHB-1                        8%
3-HHB-1                         5%
3-HHEB-F                        7%
3-H2BTB-2                       6%
3-H2BTB-3                       6%
3-H2BTB-4                       5%

[組成例4]
5-BB(F)B(F,F)XB(F)B(F)-OCF3     6%
5-BB(F,F)XB(F)B(F)B(F,F)-F      6%

5-BEB(F)-C                      5%
V-HB-C                         11%
5-PyB-C                         6%
4-BB-3                         11%
3-HH-2V                        10%
5-HH-V                         11%
V-HHB-1                         7%
V2-HHB-1                        9%
3-HHB-1                         9%
1V2-HBB-2                       4%
3-HHEBH-3                       5%

[組成例5]
5-BB(F)B(F)B(F,F)XB(F,F)-F      4%
5-BB(F)B(F,F)B(F,F)XB(F,F)-F    4%

1V2-BEB(F,F)-C                  6%
3-HB-C                         18%
2-BTB-1                        10%
5-HH-VFF                       22%
3-HHB-1                         4%
VFF-HHB-1                       8%
VFF2-HHB-1                     11%
3-H2BTB-2                       5%
3-H2BTB-3                       4%
3-H2BTB-4                       4%

[組成例6]
5-BB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      3%
5-BB(F)B(F,F)XB(F)B(F)-OCF3     3%
5-BB(F)B(F)B(F,F)XB(F,F)-F      3%

5-HB-CL                        19%
3-HH-4                         12%
3-HH-5                          4%
3-HHB-F                         4%
3-HHB-CL                        3%
4-HHB-CL                        4%
3-HHB(F)-F                      6%
4-HHB(F)-F                      6%
5-HHB(F)-F                      6%
7-HHB(F)-F                      6%
5-HBB(F)-F                      4%
1O1-HBBH-5                      3%
3-HHBB(F,F)-F                   2%
4-HHBB(F,F)-F                   3%
5-HHBB(F,F)-F                   3%
3-HH2BB(F,F)-F                  3%
4-HH2BB(F,F)-F                  3%
NI=116.3℃;δn=0.105;δε=6.4;Vth=1.93V.

 上記組成物100部に光学活性化合物(Op-5)を0.25 部添加したときのピッチは61.5μmであった。
   

[組成例7]
5-BB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      5%
5-BB(F,F)XB(F)B(F)B(F,F)-F      5%

3-HHB(F,F)-F                    9%
3-H2HB(F,F)-F                   8%
4-H2HB(F,F)-F                   8%
5-H2HB(F,F)-F                   8%
3-HBB(F,F)-F                   21%
5-HBB(F,F)-F                   15%
3-H2BB(F,F)-F                   5%
5-HHBB(F,F)-F                   3%
5-HHEBB-F                       3%
3-HH2BB(F,F)-F                  2%
1O1-HBBH-4                      4%
1O1-HBBH-5                      4%

[組成例8]
5-BB(F)B(F,F)XB(F)B(F)-OCF3     5%
5-BB(F)B(F,F)B(F,F)XB(F,F)-F    5%

5-HB-F                         12%
6-HB-F                          9%
7-HB-F                          7%
2-HHB-OCF3                      7%
3-HHB-OCF3                      7%
4-HHB-OCF3                      7%
5-HHB-OCF3                      5%
3-HH2B-OCF3                     4%
5-HH2B-OCF3                     4%
3-HHB(F,F)-OCF2H                4%
3-HHB(F,F)-OCF3                 5%
3-HH2B(F)-F                     3%
3-HBB(F)-F                      5%
5-HBB(F)-F                      5%
5-HBBH-3                        3%
3-HB(F)BH-3                     3%

[組成例9]
5-BB(F)B(F)B(F,F)XB(F,F)-F      4%
5-BB(F,F)XB(F)B(F)B(F,F)-F      4%

5-HB-CL                        11%
3-HH-4                          8%
3-HHB-1                         5%
3-HHB(F,F)-F                    8%
3-HBB(F,F)-F                   20%
5-HBB(F,F)-F                    7%
3-HHEB(F,F)-F                  10%
4-HHEB(F,F)-F                   3%
5-HHEB(F,F)-F                   3%
2-HBEB(F,F)-F                   3%
3-HBEB(F,F)-F                   5%
5-HBEB(F,F)-F                   3%
3-HHBB(F,F)-F                   6%

[組成例10]
5-BB(F)B(F,F)B(F,F)XB(F,F)-F    5%

3-HB-CL                         6%
5-HB-CL                         4%
3-HHB-OCF3                      5%
3-H2HB-OCF3                     5%
5-H4HB-OCF3                    15%
V-HHB(F)-F                      5%
3-HHB(F)-F                      5%
5-HHB(F)-F                      5%
3-H4HB(F,F)-CF3                 8%
5-H4HB(F,F)-CF3                10%
5-H2HB(F,F)-F                   5%
5-H4HB(F,F)-F                   7%
2-H2BB(F)-F                     5%
3-H2BB(F)-F                     5%
3-HBEB(F,F)-F                   5%

[組成例11]
5-BB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      5%
5-BB(F)B(F,F)B(F,F)XB(F,F)-F    5%

5-HB-CL                        17%
7-HB(F,F)-F                     3%
3-HH-4                         10%
3-HH-5                          5%
3-HB-O2                        15%
3-HHB-1                         5%
3-HHB-O1                        4%
2-HHB(F)-F                      5%
3-HHB(F)-F                      5%
5-HHB(F)-F                      5%
3-HHB(F,F)-F                    6%
3-H2HB(F,F)-F                   5%
4-H2HB(F,F)-F                   5%

[組成例12]
5-BB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      4%
5-BB(F)B(F,F)XB(F)B(F)-OCF3     4%

5-HB-CL                         3%
7-HB(F)-F                       7%
3-HH-4                          9%
3-HH-EMe                       23%
3-HHEB-F                        6%
5-HHEB-F                        6%
3-HHEB(F,F)-F                  10%
4-HHEB(F,F)-F                   5%
4-HGB(F,F)-F                    5%
5-HGB(F,F)-F                    6%
2-H2GB(F,F)-F                   4%
3-H2GB(F,F)-F                   5%
5-GHB(F,F)-F                    3%
NI=83.7℃;δn=0.077;δε=7.4;Vth=1.40V.

[組成例13]
5-BB(F)B(F)B(F,F)XB(F,F)-F      3%
5-BB(F,F)XB(F)B(F)B(F,F)-F      4%
5-BB(F)B(F,F)B(F,F)XB(F,F)-F    3%

3-HH-4                          8%
3-HHB-1                         6%
3-HHB(F,F)-F                   10%
3-H2HB(F,F)-F                   9%
3-HBB(F,F)-F                   15%
3-BB(F,F)XB(F,F)-F             25%
1O1-HBBH-5                      7%
2-HHBB(F,F)-F                   3%
3-HHBB(F,F)-F                   3%
3-HH2BB(F,F)-F                  4%

[組成例14]
5-BB(F)B(F,F)XB(F)B(F)-OCF3     4%
5-BB(F)B(F)B(F,F)XB(F,F)-F      4%

5-HB-CL                        13%
3-HB-O2                        10%
3-PyB(F)-F                     10%
5-PyB(F)-F                     10%
3-HBB(F,F)-F                    7%
3-PyBB-F                        8%
4-PyBB-F                        7%
5-PyBB-F                        7%
5-HBB(F)B-2                    10%
5-HBB(F)B-3                    10%
NI=100.9℃;δn=0.191;δε=9.4;Vth=1.85V

[組成例15]
5-BB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      5%
5-BB(F)B(F)B(F,F)XB(F)-F        5%

2-BEB(F)-C                      5%
3-BEB(F)-C                      4%
4-BEB(F)-C                     12%
1V2-BEB(F,F)-C                 12%
3-HB-O2                        10%
3-HH-4                          3%
3-HHB-F                         3%
3-HHB-1                         4%
3-HHB-O1                        4%
3-HBEB-F                        4%
3-HHEB-F                        6%
5-HHEB-F                        6%
3-H2BTB-2                       4%
3-H2BTB-3                       4%
3-H2BTB-4                       4%
3-HB(F)TB-2                     5%
NI=95.4℃;δn=0.156;δε=28.4;Vth=1.03V.

[組成例16]
5-HBB(F)B(F,F)XB(F,F)-F         5%
5-HB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      5%

2-BEB(F)-C                      5%
3-BEB(F)-C                      4%
4-BEB(F)-C                     12%
1V2-BEB(F,F)-C                 12%
3-HB-O2                        10%
3-HH-4                          3%
3-HHB-F                         3%
3-HHB-1                         4%
3-HHB-O1                        4%
3-HBEB-F                        4%
3-HHEB-F                        6%
5-HHEB-F                        6%
3-H2BTB-2                       4%
3-H2BTB-3                       4%
3-H2BTB-4                       4%
3-HB(F)TB-2                     5%
NI=96.1℃;δn=0.150;δε=28.0;Vth=1.04V.

[組成例17]
5-HB(F)B(F)B(F,F)-XB(F,F)-F     5%
5-HB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      5%

2-HB-C                          5%
3-HB-C                         10%
3-HB-O2                        15%
2-BTB-1                         3%
3-HHB-F                         4%
3-HHB-1                         8%
3-HHB-O1                        5%
3-HHB-3                         6%
3-HHEB-F                        4%
5-HHEB-F                        4%
2-HHB(F)-F                      7%
3-HHB(F)-F                      7%
5-HHB(F)-F                      7%
3-HHB(F,F)-F                    5%
NI=103.6℃;δn=0.108;δε=7.4;Vth=2.07V.

[組成例18]
5-HB(F)B(F,F)B(F,F)XB(F,F)-F    5%
5-HB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      5%

3-BEB(F)-C                      8%
3-HB-C                          8%
V-HB-C                          8%
1V-HB-C                         8%
3-HB-O2                         3%
3-HH-2V                        11%
3-HH-2V1                        7%
V2-HHB-1                        8%
3-HHB-1                         5%
3-HHEB-F                        7%
3-H2BTB-2                       6%
3-H2BTB-3                       6%
3-H2BTB-4                       5%
NI=100.1℃;δn=0.142;δε=11.8;Vth=1.05V.

[組成例19]
5-HB(F)B(F)B(F,F)-XB(F,F)-F     6%
5-HB(F)B(F)B(F,F)-XB(F)-OCF3    6%

5-BEB(F)-C                      5%
V-HB-C                         11%
5-PyB-C                         6%
4-BB-3                         11%
3-HH-2V                        10%
5-HH-V                         11%
V-HHB-1                         7%
V2-HHB-1                        9%
3-HHB-1                         9%
1V2-HBB-2                       4%
3-HHEBH-3                       5%

[組成例20]
5-HB(F)B(F,F)B(F,F)XB(F,F)-F    4%
5-HB(F)B(F,F)B(F,F)XB(F)-OCF3   4%

1V2-BEB(F,F)-C                  6%
3-HB-C                         18%
2-BTB-1                        10%
5-HH-VFF                       22%
3-HHB-1                         4%
VFF-HHB-1                       8%
VFF2-HHB-1                     11%
3-H2BTB-2                       5%
3-H2BTB-3                       4%
3-H2BTB-4                       4%

[組成例21]
5-HB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      3%
5-HHB(F,F)XB(F)B(F,F)-F         3%
5-HHB(F)XB(F)B(F,F)-F           3%

5-HB-CL                        19%
3-HH-4                         12%
3-HH-5                          4%
3-HHB-F                         4%
3-HHB-CL                        3%
4-HHB-CL                        4%
3-HHB(F)-F                      6%
4-HHB(F)-F                      6%
5-HHB(F)-F                      6%
7-HHB(F)-F                      6%
5-HBB(F)-F                      4%
1O1-HBBH-5                      3%
3-HHBB(F,F)-F                   2%
4-HHBB(F,F)-F                   3%
5-HHBB(F,F)-F                   3%
3-HH2BB(F,F)-F                  3%
4-HH2BB(F,F)-F                  3%

[組成例22]
5-HB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      5%
5-HB(F,F)XB(F)B(F)B(F,F)-F      5%

3-HHB(F,F)-F                    9%
3-H2HB(F,F)-F                   8%
4-H2HB(F,F)-F                   8%
5-H2HB(F,F)-F                   8%
3-HBB(F,F)-F                   21%
5-HBB(F,F)-F                   15%
3-H2BB(F,F)-F                   5%
5-HHBB(F,F)-F                   3%
5-HHEBB-F                       3%
3-HH2BB(F,F)-F                  2%
1O1-HBBH-4                      4%
1O1-HBBH-5                      4%

[組成例23]
5-HB(F)B(F)B(F,F)-XB(F)-OCF3    5%
5-HB(F)B(F,F)B(F,F)XB(F)-OCF3   5%

5-HB-F                         12%
6-HB-F                          9%
7-HB-F                          7%
2-HHB-OCF3                      7%
3-HHB-OCF3                      7%
4-HHB-OCF3                      7%
5-HHB-OCF3                      5%
3-HH2B-OCF3                     4%
5-HH2B-OCF3                     4%
3-HHB(F,F)-OCF2H                4%
3-HHB(F,F)-OCF3                 5%
3-HH2B(F)-F                     3%
3-HBB(F)-F                      5%
5-HBB(F)-F                      5%
5-HBBH-3                        3%
3-HB(F)BH-3                     3%

[組成例24]
5-GB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      4%
5-GBB(F)B(F,F)XB(F,F)-F         4%

5-HB-CL                        11%
3-HH-4                          8%
3-HHB-1                         5%
3-HHB(F,F)-F                    8%
3-HBB(F,F)-F                   20%
5-HBB(F,F)-F                    7%
3-HHEB(F,F)-F                  10%
4-HHEB(F,F)-F                   3%
5-HHEB(F,F)-F                   3%
2-HBEB(F,F)-F                   3%
3-HBEB(F,F)-F                   5%
5-HBEB(F,F)-F                   3%
3-HHBB(F,F)-F                   6%

[組成例25]
5-HHB(F,F)XB(F)B(F,F)-F         5%
5-HHB(F)XB(F)B(F,F)-F           5%

3-HB-CL                         6%
5-HB-CL                         4%
3-HHB-OCF3                      5%
3-H2HB-OCF3                     5%
5-H4HB-OCF3                    15%
V-HHB(F)-F                      5%
3-HHB(F)-F                      5%
5-HHB(F)-F                      5%
3-H4HB(F,F)-CF3                 8%
5-H4HB(F,F)-CF3                10%
5-H2HB(F,F)-F                   5%
5-H4HB(F,F)-F                   7%
2-H2BB(F)-F                     2%
3-H2BB(F)-F                     3%
3-HBEB(F,F)-F                   5%

[組成例26]
5-HBB(F)B(F,F)XB(F,F)-F         5%
5-HB(F)B(F)B(F,F)-XB(F,F)-F     5%
5-HB(F)B(F,F)B(F,F)XB(F,F)-F    5%

5-HB-CL                        17%
7-HB(F,F)-F                     3%
3-HH-4                         10%
3-HH-5                          5%
3-HB-O2                        15%
3-HHB-1                         5%
3-HHB-O1                        4%
2-HHB(F)-F                      4%
3-HHB(F)-F                      3%
5-HHB(F)-F                      3%
3-HHB(F,F)-F                    6%
3-H2HB(F,F)-F                   5%
4-H2HB(F,F)-F                   5%
NI=79.3℃;δn=0.092;δε=6.1;Vth=1.56V.

[組成例27]
5-HBB(F)B(F,F)XB(F,F)-F         4%
5-HB(F)B(F)B(F,F)-XB(F,F)-F     4%
5-HB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      4%

5-HB-CL                         3%
7-HB(F)-F                       7%
3-HH-4                          9%
3-HH-EMe                       23%
3-HHEB-F                        6%
5-HHEB-F                        6%
3-HHEB(F,F)-F                  10%
4-HHEB(F,F)-F                   5%
4-HGB(F,F)-F                    5%
5-HGB(F,F)-F                    6%
2-H2GB(F,F)-F                   2%
3-H2GB(F,F)-F                   3%
5-GHB(F,F)-F                    3%
NI=91.2℃;δn=0.081;δε=7.4;Vth=1.40V.

[組成例28]
5-HB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      3%
5-HB(F)B(F)B(F,F)-XB(F)-OCF3    4%
5-HB(F)B(F,F)B(F,F)XB(F)-OCF3   3%

3-HH-4                          8%
3-HHB-1                         6%
3-HHB(F,F)-F                   10%
3-H2HB(F,F)-F                   9%
3-HBB(F,F)-F                   15%
3-BB(F,F)XB(F,F)-F             25%
1O1-HBBH-5                      7%
2-HHBB(F,F)-F                   3%
3-HHBB(F,F)-F                   3%
3-HH2BB(F,F)-F                  4%

[組成例29]
5-HB(F)B(F)B(F,F)-XB(F,F)-F     4%
5-HB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)-F      4%
5-HB(F,F)XB(F)B(F)B(F,F)-F      4%

5-HB-CL                        13%
3-HB-O2                        10%
3-PyB(F)-F                     10%
5-PyB(F)-F                     10%
3-HBB(F,F)-F                    7%
3-PyBB-F                        6%
4-PyBB-F                        6%
5-PyBB-F                        6%
5-HBB(F)B-2                    10%
5-HBB(F)B-3                    10%

[組成例30]
5-HBB(F)BXB(F,F)-F              5%
5-HBB(F)B(F)XB(F,F)-F           5%

2-BEB(F)-C                      5%
3-BEB(F)-C                      4%
4-BEB(F)-C                     12%
1V2-BEB(F,F)-C                 12%
3-HB-O2                        10%
3-HH-4                          3%
3-HHB-F                         3%
3-HHB-1                         4%
3-HHB-O1                        4%
3-HBEB-F                        4%
3-HHEB-F                        6%
5-HHEB-F                        6%
3-H2BTB-2                       4%
3-H2BTB-3                       4%
3-H2BTB-4                       4%
3-HB(F)TB-2                     5%
NI=100.7℃;δn=0.153;δε=26.6;Vth=1.15V.

[組成例31]
5-HHB(F)B(F,F)XB(F,F)-F         5%
5-HHBB(F)XB(F,F)-F              5%

2-BEB(F)-C                      5%
3-BEB(F)-C                      4%
4-BEB(F)-C                     12%
1V2-BEB(F,F)-C                 12%
3-HB-O2                        10%
3-HH-4                          3%
3-HHB-F                         3%
3-HHB-1                         4%
3-HHB-O1                        4%
3-HBEB-F                        4%
3-HHEB-F                        6%
5-HHEB-F                        6%
3-H2BTB-2                       4%
3-H2BTB-3                       4%
3-H2BTB-4                       4%
3-HB(F)TB-2                     5%
NI=99.8℃;δn=0.147;δε=26.6;Vth=1.15V.

 液晶相の広い温度範囲、高い透明点を有 、大きな誘電率異方性、屈折率異方性、他 液晶化合物との良好な相溶性を持つ新規な 合物であり、組成物として液晶表示素子に 用した場合には幅広い温度範囲において使 可能で、低電圧駆動が可能であり、急峻な 気光学特性を得ることができるので、時計 電卓、ワ-プロなどのディスプレイに広く利 用される。