Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
PERMANENT MAGNET AND PROCESS FOR PRODUCING PERMANENT MAGNET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128458
Kind Code:
A1
Abstract:
A permanent magnet produced through: a step in which an organic compound containing a high-melting metallic element or a precursor for a high-melting ceramic is wet-pulverized in a solvent together with a raw magnet material to pulverize the raw magnet material into fine particles having a particle diameter of 3 µm or smaller and to coat the surface of the pulverized raw magnet material with the organic compound containing a high-melting metallic element or precursor for a high-melting ceramic; a step in which a resin binder is added to the raw magnet material coated with the organic compound containing a high-melting metallic element or precursor for a high-melting ceramic; a step in which the raw magnet material and the resin binder are kneaded together to produce a slurry; a step in which the slurry is formed into a sheet to produce a green sheet; and a step in which the green sheet is sintered.

Inventors:
OZEKI IZUMI
KUME KATSUYA
NAKAYAMA JUNICHI
FUKUDA YUUKI
HOSHINO TOSHINOBU
HORIO TOMOKAZU
Application Number:
PCT/JP2009/057530
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
April 14, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NITTO DENKO CORP (JP)
OZEKI IZUMI
KUME KATSUYA
NAKAYAMA JUNICHI
FUKUDA YUUKI
HOSHINO TOSHINOBU
HORIO TOMOKAZU
International Classes:
H01F41/02; B22F1/102; B22F1/107; B22F1/16; B22F3/00; B22F3/22; C22C38/00; H01F1/053; H01F1/08; H02K15/03
Foreign References:
JPH0314204A1991-01-22
JP2002164239A2002-06-07
JPH01150303A1989-06-13
JPH11307330A1999-11-05
JPS62284002A1987-12-09
JPH0426104A1992-01-29
JP2006286819A2006-10-19
JP2004250781A2004-09-09
JP2008105759A2008-05-08
Other References:
See also references of EP 2273515A4
Attorney, Agent or Firm:
HASHIMOTO, Kimihide et al. (JP)
Kimihide Hashimoto (JP)
Download PDF:
Claims:
 高融点金属元素を含む有機化合物又は高融点セラミックのプリカーサを磁石原料と共に溶媒中で湿式粉砕し、前記磁石原料を粒径が3μm以下の微粒子に粉砕するとともに前記粉砕された磁石原料の表面に前記高融点金属元素を含む有機化合物又は高融点セラミックのプリカーサを被覆する工程と、
 前記高融点金属元素を含む有機化合物又は高融点セラミックのプリカーサが被覆された磁石原料に樹脂バインダーを添加する工程と、
 前記磁石原料と前記樹脂バインダーとを混練することによりスラリーを生成する工程と、
 前記スラリーをシート状に成形し、グリーンシートを作製する工程と、
 前記グリーンシートを焼結する工程と、により製造される永久磁石。
 磁石原料を粒径が3μm以下の微粒子に粉砕する工程と、
 高融点金属元素を含む有機化合物又は高融点セラミックのプリカーサを前記粉砕された磁石原料と共に溶媒中で湿式混合し、前記粉砕された磁石原料の表面に前記高融点金属元素を含む有機化合物又は高融点セラミックのプリカーサを被覆する工程と、
 前記高融点金属元素を含む有機化合物又は高融点セラミックのプリカーサが被覆された磁石原料に樹脂バインダーを添加する工程と、
 前記磁石原料と前記樹脂バインダーとを混練することによりスラリーを生成する工程と、
 前記スラリーをシート状に成形し、グリーンシートを作製する工程と、
 前記グリーンシートを焼結する工程と、により製造される永久磁石。
 前記高融点金属元素を含む有機化合物又は高融点セラミックのプリカーサが、焼結後に前記磁石原料の粒界に偏在している請求項1又は請求項2に記載の永久磁石。
 高融点金属元素を含む有機化合物又は高融点セラミックのプリカーサを磁石原料と共に溶媒中で湿式粉砕し、前記磁石原料を粒径が3μm以下の微粒子に粉砕するとともに前記粉砕された磁石原料の表面に前記高融点金属元素を含む有機化合物又は高融点セラミックのプリカーサを被覆する工程と、
 前記高融点金属元素を含む有機化合物又は高融点セラミックのプリカーサが被覆された磁石原料に樹脂バインダーを添加する工程と、
 前記磁石原料と前記樹脂バインダーとを混練することによりスラリーを生成する工程と、
 前記スラリーをシート状に成形し、グリーンシートを作製する工程と、
 前記グリーンシートを焼結する工程と、を含む永久磁石の製造方法。
 磁石原料を粒径が3μm以下の微粒子に粉砕する工程と、
 高融点金属元素を含む有機化合物又は高融点セラミックのプリカーサを前記粉砕された磁石原料と共に溶媒中で湿式混合し、前記粉砕された磁石原料の表面に前記高融点金属元素を含む有機化合物又は高融点セラミックのプリカーサを被覆する工程と、
 前記高融点金属元素を含む有機化合物又は高融点セラミックのプリカーサが被覆された磁石原料に樹脂バインダーを添加する工程と、
 前記磁石原料と前記樹脂バインダーとを混練することによりスラリーを生成する工程と、
 前記スラリーをシート状に成形し、グリーンシートを作製する工程と、
 前記グリーンシートを焼結する工程と、を含む永久磁石の製造方法。
Description:
永久磁石及び永久磁石の製造方

 本発明は、永久磁石及び永久磁石の製造 法に関する。

 近年、ハイブリッドカーやハードディスク ライブ等に使用される永久磁石モータでは 小型軽量化、高出力化、高効率化が要求さ ている。特に、特許文献1(特開2006-286819号公 報)に示すようなハードディスクドライブの ッド駆動に用いられるボイスコイルモータ( 下、VCMと略す)では、近年のハードディスク ドライブの小型化要求に伴って、更なる小型 化且つ薄型化が要求されている。
 そして、上記VCMにおいて小型化、薄型化を 現するに当たって、VCMに埋設される永久磁 について、薄膜化と更なる磁気特性の向上 求められている。尚、永久磁石としてはフ ライト磁石、Sm-Co系磁石、Nd-Fe-B系磁石、Sm 2 Fe 17 N x 系磁石等があるが、特に保磁力の高いNd-Fe-B 磁石が永久磁石モータ用の永久磁石として いられる。

 ここで、永久磁石モータに用いられる永 磁石の製造方法としては、一般的に粉末焼 法が用いられる。ここで、粉末焼結法は、 5に示すように先ず原材料をジェットミル( 式粉砕)により粉砕した磁石粉末を製造する その後、その磁石粉末を型に入れて、外部 ら磁場を印加しながら所望の形状にプレス 形する。そして、所望形状に成形された固 状の磁石粉末を所定温度(例えばNd-Fe-B系磁 では1100℃)で焼結することにより製造する。

特開2006-286819号公報(第2頁、第3頁、図4)

特開2004-250781号公報(第10~12頁、図2)

 しかしながら、上記した粉末焼結法によ 永久磁石を製造することとすると、以下の 題点があった。即ち、粉末焼結法では磁場 向させる為にプレス成形した磁石粉末に一 の空隙率を確保する必要がある。そして、 定の空隙率を有する磁石粉末を焼結すると 焼結の際に生じる収縮を均一に行わせるこ が難しく、焼結後に反りや凹みなどの変形 生じる。また、磁石粉末のプレス時に圧力 らが生じることから、焼結後の磁石の疎密 できて磁石表面に歪みが発生する。従って 従来では予め磁石表面に歪みができること 想定し、所望する形状より大きめのサイズ 磁石粉末を圧縮成形する必要があった。そ て、焼結後にダイヤモンド切削研磨作業を い、所望の形状へと修正する加工を行って た。その結果、製造工程が増加するととも 、製造される永久磁石の品質が低下する虞 あった。

 また、上記したように特にVCMで用いられ 永久磁石では、薄膜化(例えば厚さ1mm以下) 要求されている。そして、薄膜化された磁 は、厚みのある磁石と比較して、表面を加 した場合に生じる表面の加工劣化層の比率 大きい。従って、上記した粉末焼結法によ 薄膜状の永久磁石を製造することとすると 磁気特性が更に低下する問題も生じていた

 一方、永久磁石の磁気特性は、磁石の磁 特性が単磁区微粒子理論により導かれるた に、焼結体の結晶粒径を微細にすれば磁気 能が基本的に向上することが知られている 一般的には、焼結体の結晶粒径を3μm以下と すれば、磁気性能を十分に向上させることが 可能となる。

 ここで、焼結体の結晶粒径を微細にする めには、焼結前の磁石原料の粒径も微細に る必要がある。しかし、3μm以下の粒径に微 粉砕された磁石原料を成形し、焼結したとし ても、焼結する際に磁石粒子の粒成長が発生 するので、焼結後の焼結体の結晶粒径を3μm 下とすることができなかった。

 そこで、磁石粒子の粒成長を抑える材料( 以下、粒成長抑制剤という)を焼結前の磁石 料に添加する方法が考えられる。この方法 よれば、焼結前の磁石粒子の表面を、例え 焼結温度より高い融点を備える金属化合物 の粒成長抑制剤で被覆することによって、 結時の磁石粒子の粒成長を抑えることが可 となる。例えば、特許文献2では燐(P)を粒成 抑制剤として磁石粉末に添加している。し し、前記特許文献2のように予め粒成長抑制 剤を予め磁石原料のインゴット内に含有させ ることによって磁石粉末に添加することとす ると、焼結後において粒成長抑制剤は磁石粒 子の表面に位置せずに、磁石粒子内に拡散す る。その結果、焼結時における粒成長の抑制 を十分に図ることができず、また、磁石の残 留磁化が低下する原因にもなっていた。

 本発明は前記従来における問題点を解消 るためになされたものであり、グリーンシ ト化することにより焼結による収縮が均一 なるので、焼結後の反りや凹みなどの変形 生じず、また、プレス時の圧力むらが無く ることから、焼結後の修正加工をする必要 なく、製造工程を簡略化することができる ともに、磁石原料の表面に高融点金属元素 含む有機化合物又は高融点セラミックのプ カーサを被覆することによって、焼結時の 石粒子の粒成長を抑制することができるの 、焼結体の結晶粒径を3μm以下とし、磁気性 能を向上させることが可能な永久磁石及び永 久磁石の製造方法を提供することを目的とす る。

 すなわち、本発明は、以下の(1)~(5)に関する 。
(1)高融点金属元素を含む有機化合物又は高融 点セラミックのプリカーサを磁石原料と共に 溶媒中で湿式粉砕し、前記磁石原料を粒径が 3μm以下の微粒子に粉砕するとともに前記粉 された磁石原料の表面に前記高融点金属元 を含む有機化合物又は高融点セラミックの リカーサを被覆する工程と、
 前記高融点金属元素を含む有機化合物又は 融点セラミックのプリカーサが被覆された 石原料に樹脂バインダーを添加する工程と
 前記磁石原料と前記樹脂バインダーとを混 することによりスラリーを生成する工程と
 前記スラリーをシート状に成形し、グリー シートを作製する工程と、
 前記グリーンシートを焼結する工程と、に り製造される永久磁石。
 尚、「高融点金属元素を含む有機化合物」 は、炭素、窒素、酸素、硫黄、燐など、通 の有機化合物が有する原子を介して、イオ 結合、及び又は、共有結合、及び又は、配 結合を形成した高融点金属原子、又は高融 金属イオンを含む化合物をいう。
(2)磁石原料を粒径が3μm以下の微粒子に粉砕 る工程と、
 高融点金属元素を含む有機化合物又は高融 セラミックのプリカーサを前記粉砕された 石原料と共に溶媒中で湿式混合し、前記粉 された磁石原料の表面に前記高融点金属元 を含む有機化合物又は高融点セラミックの リカーサを被覆する工程と、
 前記高融点金属元素を含む有機化合物又は 融点セラミックのプリカーサが被覆された 石原料に樹脂バインダーを添加する工程と
 前記磁石原料と前記樹脂バインダーとを混 することによりスラリーを生成する工程と
 前記スラリーをシート状に成形し、グリー シートを作製する工程と、
 前記グリーンシートを焼結する工程と、に り製造される永久磁石。
(3)前記高融点金属元素を含む有機化合物又は 高融点セラミックのプリカーサが、焼結後に 前記磁石原料の粒界に偏在している(1)又は(2) に記載の永久磁石。
(4)高融点金属元素を含む有機化合物又は高融 点セラミックのプリカーサを磁石原料と共に 溶媒中で湿式粉砕し、前記磁石原料を粒径が 3μm以下の微粒子に粉砕するとともに前記粉 された磁石原料の表面に前記高融点金属元 を含む有機化合物又は高融点セラミックの リカーサを被覆する工程と、
 前記高融点金属元素を含む有機化合物又は 融点セラミックのプリカーサが被覆された 石原料に樹脂バインダーを添加する工程と
 前記磁石原料と前記樹脂バインダーとを混 することによりスラリーを生成する工程と
 前記スラリーをシート状に成形し、グリー シートを作製する工程と、
 前記グリーンシートを焼結する工程と、を む永久磁石の製造方法。
(5)磁石原料を粒径が3μm以下の微粒子に粉砕 る工程と、
 高融点金属元素を含む有機化合物又は高融 セラミックのプリカーサを前記粉砕された 石原料と共に溶媒中で湿式混合し、前記粉 された磁石原料の表面に前記高融点金属元 を含む有機化合物又は高融点セラミックの リカーサを被覆する工程と、
 前記高融点金属元素を含む有機化合物又は 融点セラミックのプリカーサが被覆された 石原料に樹脂バインダーを添加する工程と
 前記磁石原料と前記樹脂バインダーとを混 することによりスラリーを生成する工程と
 前記スラリーをシート状に成形し、グリー シートを作製する工程と、
 前記グリーンシートを焼結する工程と、を む永久磁石の製造方法。

 前記(1)の構成を有する永久磁石によれば、 石原料と樹脂バインダーとを混合、成形し グリーンシートを焼結した磁石により永久 石を構成するので、焼結による収縮が均一 なることにより焼結後の反りや凹みなどの 形が生じず、また、プレス時の圧力むらが くなることから、従来行っていた焼結後の 正加工をする必要がなく、製造工程を簡略 することができる。それにより、高い寸法 度で永久磁石を成形可能となる。また、永 磁石を薄膜化した場合であっても、表面の 工劣化層により磁気特性が低下することが い。
 また、湿式混合を行うことにより、高融点 属元素を含む有機化合物又は高融点セラミ クのプリカーサが粉砕された磁石粒子の表 に被覆するので、焼結時の磁石粒子の粒成 を抑制することができる。従って、焼結体 結晶粒径を3μm以下とし、磁気性能を向上さ せることが可能となる。

 また、前記(2)に記載の永久磁石によれば、 石原料と樹脂バインダーとを混合、成形し グリーンシートを焼結した磁石により永久 石を構成するので、焼結による収縮が均一 なることにより焼結後の反りや凹みなどの 形が生じず、また、プレス時の圧力むらが くなることから、従来行っていた焼結後の 正加工をする必要がなく、製造工程を簡略 することができる。それにより、高い寸法 度で永久磁石を成形可能となる。また、永 磁石を薄膜化した場合であっても、表面の 工劣化層により磁気特性が低下することが い。
 また、湿式混合を行うことにより、高融点 属元素を含む有機化合物又は高融点セラミ クのプリカーサが粉砕された磁石粒子の表 に被覆するので、焼結時の磁石粒子の粒成 を抑制することができる。従って、焼結体 結晶粒径を3μm以下とし、磁気性能を向上さ せることが可能となる。

 また、前記(3)に記載の永久磁石によれば 高融点金属元素を含む有機化合物又は高融 セラミックのプリカーサが、焼結後に磁石 料の粒界に偏在するので、磁石の残留磁化 低下させることなく焼結時の磁石粒子の粒 長を抑制することができる。

 また、前記(4)に記載の永久磁石の製造方法 よれば、磁石原料と樹脂バインダーとを混 、成形したグリーンシートを焼結すること より永久磁石を製造するので、焼結による 縮が均一となることにより焼結後の反りや みなどの変形が生じず、また、プレス時の 力むらが無くなることから、従来行ってい 焼結後の修正加工をする必要がなく、製造 程を簡略化することができる。それにより 高い寸法精度で永久磁石を成形可能となる また、永久磁石を薄膜化した場合であって 、表面の加工劣化層により磁気特性が低下 ることがない。
 また、湿式混合を行うことにより、高融点 属元素を含む有機化合物又は高融点セラミ クのプリカーサが粉砕された磁石粒子の表 に被覆するので、焼結時の磁石粒子の粒成 を抑制することができる。従って、焼結体 結晶粒径を3μm以下とし、磁気性能を向上さ せた永久磁石を製造することが可能となる。

 また、前記(5)に記載の永久磁石の製造方法 よれば、磁石原料と樹脂バインダーとを混 、成形したグリーンシートを焼結すること より永久磁石を製造するので、焼結による 縮が均一となることにより焼結後の反りや みなどの変形が生じず、また、プレス時の 力むらが無くなることから、従来行ってい 焼結後の修正加工をする必要がなく、製造 程を簡略化することができる。それにより 高い寸法精度で永久磁石を成形可能となる また、永久磁石を薄膜化した場合であって 、表面の加工劣化層により磁気特性が低下 ることがない。
 また、湿式混合を行うことにより、高融点 属元素を含む有機化合物又は高融点セラミ クのプリカーサが粉砕された磁石粒子の表 に被覆するので、焼結時の磁石粒子の粒成 を抑制することができる。従って、焼結体 結晶粒径を3μm以下とし、磁気性能を向上さ せた永久磁石を製造することが可能となる。

本実施形態に係る永久磁石を示した全 図である。 永久磁石を構成するNd磁石粒子を拡大 て示した図である。 強磁性体の磁区構造を示した模式図で る。 本実施形態に係る永久磁石の製造工程 示した説明図である。 従来の永久磁石の製造工程を示した説 図である。

 以下、本発明に係る永久磁石及び永久磁 の製造方法について具体化した一実施形態 ついて以下に図面を参照しつつ詳細に説明 る。

[永久磁石の構成]
 先ず、図1~図3を用いて永久磁石1の構成につ いて説明する。尚、本実施形態では特にVCMに 埋設される永久磁石1を例に挙げて説明する
 本実施形態に係る永久磁石1はNd-Fe-B系磁石 ある。また、永久磁石1の焼結時における粒 長を抑制する為の高融点金属元素を含む有 化合物又は高融点セラミックのプリカーサ 添加されている。尚、各成分の含有量はNd:2 7~30wt%、高融点金属元素を含む有機化合物に まれる金属成分(又は高融点セラミックのプ カーサに含まれるセラミック成分):0.01~8wt% B:1~2wt%、Fe(電解鉄):60~70wt%とする。また、永 磁石1は、図1に示すように扇形で且つ薄膜状 の磁石から構成される。図1は本実施形態に る永久磁石1を示した全体図である。

 ここで、永久磁石1は0.1mm~2mmの厚さ(図1で 2mm)を備えた薄膜状の永久磁石である。そし て、後述のようにスラリー状態としたNd磁石 末から成形されたグリーンシートを焼結す ことによって作製される。

 また、本実施形態に係る永久磁石1は、図 2に示すように永久磁石1を構成するNd磁石粒 35の表面に、高融点金属元素を含む有機化合 物又は高融点セラミックのプリカーサの層36( 以下、粒成長抑制層36という)がコーディング されている。また、Nd磁石粒子35の粒径は3μm 下である。図2は永久磁石1を構成するNd磁石 粒子を拡大して示した図である。

 そして、Nd磁石粒子35の表面にコーティン グされた粒成長抑制層36は、焼結時におけるN d磁石粒子35の粒成長を抑制する。以下に、粒 成長抑制層36による永久磁石1の粒成長抑制の 機構について図3を用いて説明する。図3は強 性体の磁区構造を示した模式図である。

 一般的に、結晶と別の結晶との間に残さ た不連続な境界面である粒界は過剰なエネ ギをもつため、高温ではエネルギを低下さ ようとする粒界移動が起こる。従って、高 (例えばNd-Fe-B系磁石では1100℃~1150℃)で磁石 料の焼結を行うと、小さな磁石粒子は収縮 て消失し、残った磁石粒子の平均粒径が増 する所謂粒成長が発生する。

 ここで、本実施形態では後述のように磁石 末を湿式粉砕により微粉砕する際に、微量( 例えば、磁石粉末に対して有機化合物に含ま れる金属又はセラミック成分が0.01~8wt%となる 量)の高融点金属元素を含む有機化合物又は 融点セラミックのプリカーサや分散剤を添 する。それにより、その後において高融点 属元素を含む有機化合物又は高融点セラミ クのプリカーサを添加した磁石粉末を焼結 る際に、湿式分散によりNd磁石粒子35の粒子 面に高融点金属元素を含む有機化合物又は 融点セラミックのプリカーサが均一付着さ 、図2に示す粒成長抑制層36を形成する。更 、高融点金属元素を含む有機化合物又は高 点セラミックのプリカーサの融点は、磁石 料の焼結温度(例えばNd-Fe-B系磁石では1100℃~ 1150℃)より遥かに高温である為、高融点金属 素を含む有機化合物又は高融点セラミック プリカーサが焼結時においてNd磁石粒子35内 に拡散浸透(固溶化)することを防止できる。
 その結果、図3に示すように磁石粒子の界面 に高融点金属元素を含む有機化合物又は高融 点セラミックのプリカーサが偏在化される。 そして、この偏在化された高融点金属元素を 含む有機化合物又は高融点セラミックのプリ カーサにより、高温時に発生する粒界の移動 が妨げられ、粒成長を抑制することができる 。

 一方、永久磁石の磁気特性は、磁石の磁気 性が単磁区微粒子理論により導かれるため 、焼結体の結晶粒径を微細にすれば磁気性 が基本的に向上することが知られている。 般的には、焼結体の結晶粒径を3μm以下とす れば、磁気性能を十分に向上させることが可 能となる。ここで、本実施形態では前記した ように粒成長抑制層36により焼結時のNd磁石 子35の粒成長を抑制することができるので、 焼結前の磁石原料の粒径を3μm以下とすれば 焼結後の永久磁石1のNd磁石粒子35の粒径も3μ m以下とすることができる。
 また、本実施形態では湿式成形により成形 れた磁石粉末を適切な焼成条件で焼成すれ 、前記したように高融点金属元素を含む有 化合物又は高融点セラミックのプリカーサ 磁石粒子35内へと拡散浸透(固溶化)すること を防止できる。ここで、高融点金属元素を含 む有機化合物又は高融点セラミックのプリカ ーサが磁石粒子35内へと拡散浸透すると、そ 磁石の残留磁化(磁場の強さを0にしたとき 磁化)が低下することが知られている。従っ 、本実施形態では、永久磁石1の残留磁化が 低下することを防止できる。
 尚、粒成長抑制層36は高融点金属元素を含 有機化合物又は高融点セラミックのプリカ サのみから構成される層である必要はなく 高融点金属元素を含む有機化合物又は高融 セラミックのプリカーサとNdとの混合体から なる層であっても良い。その場合には、Nd化 物を添加することによって、高融点金属元 を含む有機化合物又は高融点セラミックの リカーサとNd化合物との混合体からなる層 形成する。その結果、Nd磁石粉末の焼結時の 液相焼結を助長することができる。尚、添加 するNd化合物としては、酢酸ネオジム水和物 ネオジム(III)アセチルアセトナート三水和 、2-エチルヘキサン酸ネオジム(III)、ネオジ (III)ヘキサフルオロアセチルアセトナート 水和物、ネオジムイソプロポキシド、リン ネオジニウム(III)n水和物、ネオジムトリフ オロアセチルアセトナート、トリフルオロ タンスルホン酸ネオジム等が望ましい。

[永久磁石の製造方法]
 次に、本実施形態に係る永久磁石1の製造方 法について図4を用いて説明する。図4は本実 形態に係る永久磁石1の製造工程を示した説 明図である。

 先ず、wt%でNd27~30%-Fe60~70%-B1~2%からなる、 ンゴットを製造する。その後、インゴット スタンプミルやクラッシャー等によって200μ m程度の大きさに粗粉砕する。

 次いで、粗粉砕した磁石粉末をビーズミル よる湿式法で3μm以下の平均粒径に微粉砕す るとともに溶液中に磁石粉末を分散させ、ス リップを作製する。尚、湿式粉砕は磁石粉末 5kgに対してトルエン4kgを溶媒として用い、更 に分散剤としてリン酸エステル系分散剤0.05kg を添加する。また、湿式粉砕中に磁石粉末に 対して、含まれる金属成分が0.01~8wt%となる高 融点金属元素を含む有機化合物、又は磁石粉 末に対して、含まれるセラミック成分が0.01~8 wt%となる高融点セラミックのプリカーサを添 加する。それにより、高融点金属元素を含む 有機化合物又は高融点セラミックのプリカー サを磁石粉末と共に溶媒中で分散させる。尚 、詳細な分散条件は以下の通りである。
  ・分散装置:ビーズミル
  ・分散メディア:ジルコニアビーズ

 ここで、添加される高融点金属元素を含む 機化合物又は高融点セラミックのプリカー としては、Ta,Mo,W,Nbの有機化合物、BN,AlNのプ リカーサが用いられ、より具体的には、タン タル(V)エトキシド、タンタル(V)メトキシド、 タンタル(V)テトラエトキシアセチルアセトナ ート、タンタル(V)(テトラエトキシ)[BREW]、タ タル(V)トリフルオロエトキシド、タンタル( V)2,2,2-トリフルオロエトキシド、タンタルト ス(ジエチルアミド)-t-ブチルイミド、タン ステン(VI)エトキシド、ヘキサカルボニルタ グステン、12タングスト(VI)りん酸n水和物、 タングストけい酸n水和物、12タングスト(VI) い酸26水、ニオブn-ブトキシド、塩化ニオブ( IV)テトラヒドロフラン錯体、ニオブ(V)エトキ シド、2-エチルヘキサン酸ニオブ(IV)、ニオブ フェノキシド、酢酸モリブデン(II)ダイマー ビス(アセチルアセトナト)モリブデン(VI)ジ キシド、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5ヘプタ ジオナト)二酸化モリブデン(VI)、2-エチルヘ キサン酸モリブデン、ヘキサカルボニルモリ ブデン、12モリブド(VI)りん酸n水和物、ビス( セチルアセトナト)モルブデン(VI)ジオキサ ド、12モリブドけい酸n水和物等の内、スラ ーの溶媒に可溶なものを適宜選択して用い 。
 また、溶媒に非可溶でも、微粒子に粉砕し 高融点金属元素を含む有機化合物又は高融 セラミックのプリカーサを湿式分散時に添 し、均一分散する事でNd磁石粒子表面に均 付着させることが可能となる。

 また、粉砕に用いる溶媒としては、特に 限はなく、イソプロピルアルコール、エタ ール、メタノールなどのアルコール類、ペ タン、ヘキサンなどの低級炭化水素類、ベ ゼン、トルエン、キシレンなど芳香族類、 トン類、それらの混合物等が使用できるが 特にイソプロピルアルコール等が好ましい

 磁石粉末の分散後、樹脂バインダーを作 したスリップ中に添加混合する。続いて、 石粉末と樹脂バインダーを混練し、スラリ 41を生成する。尚、樹脂バインダーとして いる材料は、特に限定されることはなく、 種熱可塑性樹脂単体または混合物、あるい 各種熱硬化性樹脂単体あるいは混合物であ 、それぞれの物性、性状等も所望の特性が られる範囲のものであれば良い。例えば、 タクリル樹脂がある。

 続いて、生成したスラリー41からグリーン ート42を形成する。グリーンシート42の形成 る方法としては、例えば、生成したスラリ 41を適宜な方式で必要に応じセパレータ等 支持基材上に塗工して乾燥させる方法など より行うことができる。尚、塗工方式は、 クターブレード法等の層厚制御性に優れる 式が好ましい。また、消泡剤を併用するな して展開層中に気泡が残らないよう充分に 泡処理することが好ましい。尚、詳細な塗 条件は以下の通りである。
  ・塗工方式:ドクターブレード
  ・ギャップ:1mm
  ・支持基材:シリコーン処理ポリエステル ィルム
  ・乾燥条件:90℃×10分の後、130℃×30分

 また、支持基材に塗工したグリーンシー 42には、搬送方向に対して交差する方向に ルス磁場をかける。それによって、所望の 向に磁場を配向させる。尚、磁場を配向さ る方向は、グリーンシート42から成形される 永久磁石1に求められる磁場方向を考慮して 定する必要がある。

 次に、スラリー41から形成したグリーン ート42を所望の製品形状(例えば、本実施形 では図1に示す扇形形状)に分割する。その後 、1100~1150℃で約1時間焼結する。尚、焼結は Ar又は真空雰囲気下で行われる。そして、焼 結の結果、シート状磁石からなる永久磁石1 製造される。

 以上説明したように、本実施形態に係る永 磁石1及び永久磁石1の製造方法では、wt%でNd 27~30%-Fe60~70%-B1~2%からなる磁石原料を粒径が3μ m以下の微粉末に湿式粉砕するとともに、湿 粉砕中に磁石粉末に対して含まれる金属成 が0.01~8wt%となる高融点金属元素を含む有機 合物、又は磁石粉末に対して含まれるセラ ック成分が0.01~8wt%となる高融点セラミック プリカーサや分散剤を添加することにより 高融点金属元素を含む有機化合物又は高融 セラミックのプリカーサを磁石原料と共に 媒中で分散させる。その後に溶媒中に樹脂 インダーを添加し、磁石粉末と樹脂バイン ーとを混練することによりスラリー41を生成 する。そして、生成したスラリーをシート状 に成形したグリーンシート42を焼結すること より永久磁石1を製造するので、焼結による 収縮が均一となることにより焼結後の反りや 凹みなどの変形が生じず、また、プレス時の 圧力むらが無くなることから、従来行ってい た焼結後の修正加工をする必要がなく、製造 工程を簡略化することができる。それにより 、高い寸法精度で永久磁石1を成形可能とな 。また、薄膜化した永久磁石1を製造する場 であっても、表面の加工劣化層により永久 石1の磁気特性が低下することがない。
 また、溶媒中で磁石粉末と共に湿式混合さ た高融点金属元素を含む有機化合物又は高 点セラミックのプリカーサが、粉砕された 石粒子の表面に被覆することによって、焼 時の磁石粒子の粒成長を抑制することがで る。従って、焼結体の結晶粒径を3μm以下と し、永久磁石の磁気性能を向上させることが 可能となる。
 また、高融点金属元素を含む有機化合物又 高融点セラミックのプリカーサが、焼結後 磁石原料の粒界に偏在するので、磁石の残 磁化を低下させることなく焼結時の磁石粒 の粒成長を抑制することができる。

 尚、本発明は前記実施例に限定されるもの はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内 種々の改良、変形が可能であることは勿論 ある。
 例えば、本実施形態では磁石粉末や高融点 属元素を含む有機化合物又は高融点セラミ クのプリカーサを溶媒中に分散させる方法 して、図4に示すように粗粉砕した磁石粉末 を、高融点金属元素を含む有機化合物又は高 融点セラミックのプリカーサとともに溶媒中 で湿式粉砕することにより溶媒中で分散させ ているが、以下の方法により行うことも可能 である。
 (1)先ず、粗粉砕した磁石粉末をボールミル ジェットミル等を用いて乾式粉砕により平 粒径が3μm以下の磁石粉末に微粉砕する。
 (2)次に、微粉砕した磁石粉末を溶媒に添加 、溶媒中に均一に分散させる。その際、分 剤や高融点金属元素を含む有機化合物又は 融点セラミックのプリカーサについても溶 中に添加する。
 (3)溶媒中に分散された磁石粉末と樹脂バイ ダーを混練し、スラリー41を生成する。
 以降は、本実施形態と同様の処理を行うこ により、本実施形態と同様の構成を備えた 久磁石を製造することが可能となる。

 また、本実施形態ではVCMに埋設される永 磁石を例に挙げて説明しているが、携帯電 機に搭載される振動モータ、ハイブリッド ーに搭載される駆動モータ、ハードディス ドライブのディスクを回転させるスピンド モータ等の永久磁石モータに埋設される永 磁石に対して適用することも当然に可能で る。

 また、磁石粉末の粉砕条件、混練条件、 結条件などは上記実施例に記載した条件に られるものではない。

 本発明を特定の態様を参照して詳細に説明 たが、本発明の精神と範囲を離れることな 様々な変更および修正が可能であることは 当業者にとって明らかである。
 なお、本出願は、2008年4月15日付けで出願さ れた日本特許出願(特願2008-105759)に基づいて り、その全体が引用により援用される。
 また、ここに引用されるすべての参照は全 として取り込まれる。

 本発明の永久磁石によれば、前記構成す ので、焼結による収縮が均一となることに り焼結後の反りや凹みなどの変形が生じず また、プレス時の圧力むらが無くなること ら、従来行っていた焼結後の修正加工をす 必要がなく、製造工程を簡略化することが きる。それにより、高い寸法精度で永久磁 を成形可能となる。また、永久磁石を薄膜 した場合であっても、表面の加工劣化層に り磁気特性が低下することがない。また、 式混合を行うことにより、高融点金属元素 含む有機化合物又は高融点セラミックのプ カーサが粉砕された磁石粒子の表面に被覆 るので、焼結時の磁石粒子の粒成長を抑制 ることができる。従って、焼結体の結晶粒 を3μm以下とし、磁気性能を向上させること が可能となる。

  1     永久磁石
  35    Nd磁石粒子
  36    粒成長抑制層
  41    スラリー
  42    グリーンシート