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Title:
PETROLEUM-BASED AROMATICS-CONTAINING OIL, RUBBER COMPOSITION, TIRE, AND METHOD FOR PRODUCING TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175512
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a petroleum-based aromatics-containing oil having a saturates content by the clay-gel method of not more than 40 mass%, a proportion for a bicyclic aromatics fraction, as fractionated using HPLC, of 10 mass% to 30 mass% with reference to 100 mass% for an aromatics fraction, a benzo(a)pyrene content of not more than 1 mass-ppm, and a total content of following specific aromatic compounds 1) through 8) of not more 10 mass-ppm: 1) benzo(a)pyrene, 2) benzo(e)pyrene, 3) benzo(a)anthracene, 4) chrysene, 5) benzo(b)fluoranthene, 6) benzo(j)fluoranthene, 7) benzo(k)fluoranthene, and 8) dibenzo(a, h)anthracene.

Inventors:
ITO TAKASHI (JP)
SHIMPO HIROKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/007603
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 26, 2020
Export Citation:
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Assignee:
JXTG NIPPON OIL & ENERGY CORP (JP)
International Classes:
B60C1/00; C08L21/00; C08L91/00
Domestic Patent References:
WO2010110144A12010-09-30
WO2010110093A12010-09-30
WO2014057641A12014-04-17
Attorney, Agent or Firm:
TANAI Sumio et al. (JP)
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Claims:
〇 2020/175512 36 卩(:170? 2020 /007603

請求の範囲

[請求項 1 ] クレイゲル法による飽和分の割合が、 4 0質量%以下であり、

! ! !_(3を用いて分画される 2環芳香族分の割合が、 クレイゲル法 による芳香族分 1 〇〇質量%に対し、 1 〇質量%以上 3 0質量%以下 であり、

ベンゾ (8) ピレンの含有量が 1質量 111以下であり、 下記 1) 〜 8) の特定芳香族化合物の含有量の合計が 1 〇質量 以下である、 石油系芳香族含有油。

1) ベンゾ (3) ピレン

2) ベンゾ (6) ピレン

3) ベンゾ (3) アントラセン

4) クリセン

5) ベンゾ (13) フルオランテン

6) ベンゾ (」) フルオランテン

7) ベンゾ (1<) フルオランテン

8) ジベンゾ (3 , 11) アントラセン。

[請求項 2] 前記クレイゲル法による飽和分の割合が、 2 0質量%以上である、 請求項 1 に記載の石油系芳香族含有油。

[請求項 3] 前記 ! ! ? 1_(3を用いて分画される 2環芳香族分の割合が、 前記芳香 族分 1 0 0質量%に対し、 2 8質量%以下である、 請求項 1又は 2に 記載の石油系芳香族含有油。

[請求項 4] 前記クレイゲル法による飽和分の割合が、 3 5質量%以下である、 請求項 1〜 3のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油。

[請求項 5] 前記 ! ! ? 1_(3を用いて分画される 2環芳香族分の割合が、 前記芳香 族分 1 0 0質量%に対し、 2 0質量%以上である、 請求項 1〜 4のい ずれか一項に記載の石油系芳香族含有油。

[請求項 6] 前記クレイゲル法による飽和分の割合が、 3 0質量%以下である、 請求項 1〜 5のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油。 〇 2020/175512 37 卩(:170? 2020 /007603

[請求項 7] 前記 1~1 ? 1_ (3を用いて分画される 2環芳香族分の割合が、 前記芳香 族分 1 0 0質量%に対し、 2 5質量%以下である、 請求項 1〜 6のい ずれか一項に記載の石油系芳香族含有油。

[請求項 8] 前記 ! ! ? !_ (3を用いて分画される 2環芳香族分の割合が、 前記芳香 族分 1 0 0質量%に対し、 2 4 . 5質量%以下である、 請求項 1〜 7 のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油。

[請求項 9] ゴムに混合されて用いられるエキステンダーオイル又はプロセスオ イルである、 請求項 1〜 8のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有 油。

[請求項 10] 請求項 1〜 9のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油と、 ゴム とを含有する、 ゴム組成物。

[請求項 1 1 ] 請求項 1〜 9のいずれか _項に記載の石油系芳香族含有油を含有す る、 タイヤ。

[請求項 12] ゴムと、 請求項 1〜 9のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油 と、 を配合して加硫することを含む、 請求項 1 1 に記載のタイヤの製 造方法。

Description:
\¥0 2020/175512 1 ?<:17 2020 /007603 明 細 書

発明の名称 :

石油系芳香族含有油、 ゴム組成物、 タイヤ及びタイヤの製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、 石油系芳香族含有油、 ゴム組成物、 タイヤ及びタイヤの製造方 法に関する。

本願は、 2 0 1 9年 2月 2 8日に、 日本に出願された特願 2 0 1 9— 0 3 5 8 3 6号に基づき優先権を主張し、 その内容をここに援用する。

背景技術

[0002] 一般にゴム製品には、 ゴム組成物の加工性や軟化性を改善するため にプロ セスオイルが配合されることが多い。 たとえば 3巳 (スチレンブタジエン 共重合体ゴム) 等の合成ゴムには、 その合成時に伸展油 (エキステンダーオ イル) が配合されている (ゴム配合油) 。 また、 タイヤ等のゴム加工製品に は、 その加工性やゴム加工製品の品質を改善する ために加工油 (プロセスオ イル) が配合されている。 ここでは伸展油と加工油とで表現を分けてい るが 、 これらは総称してプロセスオイルと呼ばれる ことがある。

—方で、 欧州においては、 ゴム配合油に特定の発ガン性多環芳香族化合 物 を特定量以上含有するものを、 タイヤ又はタイヤ部品の製造に使用してはな らないとの規制 ([¾巳八〇1 ~ 1規則) が 2 0 1 0年より適用されている。 その ため、 巳八〇 1 ~ 1規則に合致するゴム配合油が求められ いる。

[0003] 自動車分野における省燃費化の動向は非常に 注目されており、 タイヤの省 燃費化についてもさらなる改良が要求されて いる。 タイヤには、 2 0 1 0年 1月からタイヤラベリング制度が開始される 伴い、 省燃費性を示す 「転が り抵抗性能」 とブレーキ性能を示す 「ウエッ トグリップ性能」 の向上が強く 求められている。 しかしながら、 一般に転がり抵抗性能とウエッ トグリップ 性能とは背反の関係にあり、 これらの高次元での両立が課題となっている 。 [0004] タイヤの転がり抵抗性能の向上には、 空気抵抗の低減や、 トレッ ドバター 〇 2020/175512 卩(:170? 2020 /007603

ンの工夫などの他、 ゴム組成すなわちトレッ ドコンパウンド自身のヒステリ シスロスを抑制する手法がある。 近年、 タイヤ処方のひとつである補強材と して、 シリカを配合するコンパウンドが普及してき ている。 シリカは、 単に 配合するだけではコンパウンド中でシリカ同 士が凝集して、 ゴム変形時にシ リカ分子同士が擦れてエネルギーロスを生じ やすい。 これに対し、 ウエッ ト グリップ性能を保ちつつ、 転がり抵抗性能を改良するという狙いから、 末端 変性シリカやシランカップリング剤を適用す ることで、 シリカの存在形態を コントロールする手法が提案されている。

特許文献 1 によれば、 ゴム成分と、 含水炭酸カルシウムと、 シランカップ リング剤とを混練する第ーベース練り工程と 、 前記第ーベース練り工程によ り得られた混練物と、 シリカとを混練する第二べース練り工程とを 含む製造 方法により得られるタイヤ用ゴム組成物が開 示されている。 これによれば、 シリカの分散性に優れ、 省燃費性、 ウエッ トグリップ性能、 耐摩耗性をバラ ンス良く向上できるタイヤ用ゴム組成物が得 られるという。

先行技術文献

特許文献

[0005] 特許文献 1 :特開 2 0 1 2 - 1 5 3 7 8 7号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] しかしながら、 タイヤには、 さらなる 「転がり抵抗性能」 及び 「ウエッ ト グリップ性能」 の向上と、 これらの両立が求められている。 かかる要求に対 し、 シリカやシランカップリング剤以外のゴム部 材からの様々なアプローチ が期待される。

[0007] 本発明は、 上記のような問題点を解消するためになされ 、 転がり抵抗性能 及びウエツ トグリツプ性能に優れたゴム組成物を製造可 能とし、 巳 〇 1 ~ 1 規則を満たす石油系芳香族含有油を提供する ことを目的とする。

また、 本発明は、 〇 2020/175512 3 卩(:170? 2020 /007603

転がり抵抗性能及びウェッ トグリップ性能に優れた、 ゴム組成物を提供する ことを目的とする。

また、 本発明は、 前記石油系芳香族含有油を含有するタイヤ、 及び前記夕 イヤの製造方法を提供することを目的とする 。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明者らは、 上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、 飽和分と、 芳香 族分のなかでも特に 2環芳香族分と、 を下記の特定量で含む油を配合するこ とで、 転がり抵抗性能及びウェッ トグリップ性能に優れるゴム組成物を製造 可能であることを見出し、 本発明を完成するに至った。

すなわち、 本発明の一態様は、 下記の石油系芳香族含有油、 ゴム組成物、 タイヤ、 及びタイヤの製造方法である。

[0009] (1) クレイゲル法による飽和分の割合が、 4 0質量%以下であり、

! ! !_(3を用いて分画される 2環芳香族分の割合が、 前記芳香族分 1 0 0 質量%に対し、 1 〇質量%以上 3 0質量%以下であり、

ベンゾ (8) ピレンの含有量が 1質量 111以下であり、

下記 1) 〜 8) の特定芳香族化合物の含有量の合計が 1 0質量 111以下 である、 石油系芳香族含有油。

1 ) ベンゾ (3) ピレン (巳 3 )

2) ベンゾ (6) ピレン (巳 6 )

3) ベンゾ (3) アントラセン (巳 3八)

4) クリセン (〇 1 ~ 1 [¾)

5) ベンゾ (匕) フルオランテン (巳匕 八)

6) ベンゾ ) フルオランテン (巳 」 八)

7) ベンゾ (1<) フルオランテン (巳 1< 八)

8) ジベンゾ (3 , ) アントラセン (〇巳八 八) 。

(2) 前記クレイゲル法による飽和分の割合が、 2 0質量%以上である、 前 記 ( 1) に記載の石油系芳香族含有油。

(3) 前記 ! ! !_(3を用いて分画される 2環芳香族分の割合が、 前記芳香族 〇 2020/175512 4 卩(:170? 2020 /007603

分 1 0 0質量%に対し、 2 8質量%以下である、 前記 (1) 又は (2) に記 載の石油系芳香族含有油。

(4) 前記クレイゲル法による飽和分の割合が、 3 5質量%以下である、 前 記 (1) 〜 (3) のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油 。

(5) 前記 ! ! !_(3を用いて分画される 2環芳香族分の割合が、 前記芳香族 分 1 0 0質量%に対し、 2 0質量%以上である、 前記 (1) 〜 (4) のいず れか一つに記載の石油系芳香族含有油。

(6) 前記クレイゲル法による飽和分の割合が、 3 0質量%以下である、 前 記 (1) 〜 (5) のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油 。

(7) 前記 ! ! !_(3を用いて分画される 2環芳香族分の割合が、 前記芳香族 分 1 0 0質量%に対し、 2 5質量%以下である、 前記 (1) 〜 (6) のいず れか一つに記載の石油系芳香族含有油。

(8) 前記 ! ! !_(3を用いて分画される 2環芳香族分の割合が、 前記芳香族 分 1 0 0質量%に対し、 2 4 . 5質量%以下である、 前記 (1) 〜 (7) の いずれか一つに記載の石油系芳香族含有油。

(9) ゴムに混合されて用いられるエキステンダー オイル又はプロセスオイ ルである、 前記 (1) 〜 (8) のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油

(1 〇) 前記 (1) 〜 (9) のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油 と 、 ゴムとを含有する、 ゴム組成物。

(1 1) 前記 (1) 〜 (9) のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油 を 含有する、 タイヤ。

(1 2) ゴムと、 前記 (1) 〜 (9) のいずれか一つに記載の石油系芳香族 含有油と、 を配合して加硫することを含む、 前記 (1 1) に記載のタイヤの 製造方法。

発明の効果

[0010] 本発明によれば、 転がり抵抗性能及びウェッ トグリップ性能に優れたゴム 組成物を製造可能とし、 できる。

また、 本発明によれば、 R EACH規則を満たす石油系芳香族含有油を含 有し、 転がり抵抗性能及びウエッ トグリップ性能に優れた、 ゴム組成物を提 供できる。

また、 本発明によれば、 前記石油系芳香族含有油を含有するタイヤ、 及び 前記タイヤの製造方法を提供できる。

図面の簡単な説明

[0011] [図 1]本発明の一実施形態の石油系芳香族含有 の製造方法の一例を説明する 工程図である。

[図 2A]本発明の一実施形態のタイヤ組成物を調 する過程の一例を説明する 工程図である。

[図 2B]本発明の一実施形態のタイヤ組成物を調 する過程の一例を説明する 工程図である。

発明を実施するための形態

[0012] 以下、 本発明の石油系芳香族含有油、 ゴム組成物、 タイヤ、 及びタイヤの 製造方法の実施形態を説明する。

[0013] 《石油系芳香族含有油》

実施形態の石油系芳香族含有油においては、 クレイゲル法による飽和分の 割合、 H P LCを用いて分画される 2環芳香族分の割合、 ベンゾ (a) ピレ ンの含有量、 及び特定芳香族化合物の含有量が、 特定の数値範囲を満たす。 これらの項目について下記数値範囲を満たす 石油系芳香族含有油を含有する ゴム組成物又はタイヤは、 t a n 5 (50 ° C) 及び t a n S (0 ° C) の値が 好ましくなり、 ウエッ トグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立さ れる。 [0014] ここで、 「ウエッ トグリップ性能」 とは、 いわゆるブレーキ性能のことで 、 動的粘弾性試験によって得られる t a n S (0 ° C) がその指標となる。 「 転がり抵抗性能」 とは、 いわゆる省燃費性能のことで、 動的粘弾性試験によ って得られる t a n 5 (50 ° C) がその指標となる。

[0015] 上記 「石油系」 とは、 石油由来 (Petroleum-Derived) の炭化水素油を含有 〇 2020/175512 6 卩(:170? 2020 /007603

することを意味する。 上記 「芳香族含有油」 とは、 クレイゲル法による飽和 分の割合、 及び 1 1 1_(3を用いて分画される 2環芳香族分の割合が、 下記数 値範囲を満たすことを意味する。

実施形態の石油系芳香族含有油は、 上記各項目の数値範囲を満たせば、 製 法や分類は特に制限されず、 例えば、 常圧蒸留残渣、 常圧蒸留留分、 減圧蒸 留留分、 減圧蒸留残渣、 脱れき油、 溶剤抽出ラフィネート、 水素化精製油、 脱蝋油、 溶剤抽出エキストラクト等が挙げられ、 後述の石油系芳香族含有油 の製造方法で製造された油を含有することが 好ましい。 石油系芳香族含有油 における石油由来の炭化水素油の含有割合は 、 5 0質量%以上であってよく 、 8 0質量%以上であってよく、 9 5質量%以上であってよい。

[0016] 以下、 実施形態の石油系芳香族含有油の性状に係る 各項目について説明す る。

[0017] 石油系油の成分はクレイゲル法によって、 飽和分、 芳香族分、 極成分 (質 量%) に分類可能である。 以下のクレイゲル法による飽和分、 芳香族分、 又 は極成分 (質量%) の値は、 飽和分、 芳香族分、 及び極成分の総量 1 〇〇質 量%に対する値である。

[0018] 実施形態の石油系芳香族含有油は、 クレイゲル法による飽和分の割合が、 4 0質量%以下であり、 3 5質量%以下であることが好ましく、 3 0質量% 以下であることがより好ましい。 実施形態の石油系芳香族含有油は、 クレイ ゲル法による飽和分の割合が、 5質量%以上であることが好ましく、 2 0質 量%以上であることがより好ましく、 2 2質量%以上であることがさらに好 ましい。 上記数値の数値範囲の一例としては、 実施形態の石油系芳香族含有 油は、 クレイゲル法による飽和分の割合が、 5質量%以上 4 0質量%以下で あってもよく、 2 0質量%以上 3 5質量%以下であってもよく、 2 2質量% 以上 3 0質量%以下であってもよい。

上記の飽和分の割合が上記数値を満たすこと で、 前記油を含有するゴム組 成物又はタイヤの t a n 5 (5 0 °〇) 及び t a n S (0 °〇) の値が好ましく なり、 ウエッ トグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立さ れる。 〇 2020/175512 7 卩(:170? 2020 /007603

このことは、 飽和分が炭化水素の極性として適度なバラン スであり、 ゴム に一定の親和性を示すとともに、 ゴムの配合剤にも一定の親和性を示すため 、 上記の飽和分の割合が上記範囲内にあること で、 製造されるゴム組成物又 はタイヤの物理特性を好適となるためと考え られる。

[0019] 実施形態の石油系芳香族含有油は、 クレイゲル法による芳香族分の割合が 、 5 0質量%以上であることが好ましく、 5 1質量%以上であることがより 好ましく、 5 8質量%以上であることがさらに好ましい。 実施形態の石油系 芳香族含有油は、 クレイゲル法による芳香族分の割合が、 7 4質量%以下で あることが好ましく、 7 0質量%以下であることがより好ましく、 6 6質量 %以下であることがさらに好ましい。 上記数値の数値範囲の一例としては、 実施形態の石油系芳香族含有油は、 クレイゲル法による芳香族分の割合が、

5 0質量%以上 7 4質量%以下であってもよく、 5 1質量%以上 7 0質量% 以下であってもよく、 5 8質量%以上 6 6質量%以下であってもよい。 上記の芳香族分の割合が上記数値を満たすこ とで、 前記油を含有するゴム 組成物又はタイヤの 1 a n 8 (5 0 °〇) 及び I 3 n 5 (0 °〇 の値が好まし くなり、 ウエッ トグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立さ れる。

このことは、 芳香族分がゴムに高い親和性を示すため、 上記の芳香族分の 割合が上記範囲内にあることで、 製造されるゴム組成物又はタイヤの物理特 性を好適となるためと考えられる。

[0020] 実施形態の石油系芳香族含有油は、 クレイゲル法による極成分の割合が、

3質量%以上であることが好ましく、 4質量%以上であることがより好まし く、 5質量%以上であることがさらに好ましい。 実施形態の石油系芳香族含 有油は、 クレイゲル法による極成分の割合が、 1 2質量%以下であることが 好ましく、 1 1質量%以下であることがより好ましく、 1 0質量%以下であ ることがさらに好ましい。 上記数値の数値範囲の一例としては、 実施形態の 石油系芳香族含有油は、 クレイゲル法による極成分の割合が、 3質量%以上 1 2質量%以下であってもよく、 4質量%以上 1 1質量%以下であってもよ く、 5質量%以上 1 0質量%以下であってもよい。 上記の極成分の割合は、 上記の飽和分及び芳香族分の割合と相反関係 とな り、 上記の極成分の割合が、 上記数値を満たすことで、 前記油を含有するゴ ム組成物又はタイヤの t a n 5 (50°C) 及び t a n S (0°C) の値が好ま しくなり、 ウエッ トグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立さ れる。

[0021] クレイゲル法による飽和分、 芳香族分、 及び極成分の割合 (質量%) は、

ASTM D 2007— 1 1 Standard Test Method for Character istic Gr oups in Rubber Extender and Processing Oils and Other Petroleum-Deriv ed Oi Is by the Clay-Gel Absorption Chromatograph i c Methodの規定により 求めることができる。

[0022] 実施形態の石油系芳香族含有油は、 H P LCを用いて分画される 2環芳香 族分の割合が、 前記芳香族分 1 〇〇質量%に対し、 1 0質量%以上であり、 1 6質量%以上であることが好ましく、 20質量%以上であることがより好 ましく、 22質量%以上であることがさらに好ましく、 23質量%以上であ ることが特に好ましい。 実施形態の石油系芳香族含有油は、 H P LCを用い て分画される 2環芳香族分の割合が、 前記芳香族分 1 00質量%に対し、 3 〇質量%以下であり、 28質量%以下であることが好ましく、 26質量%以 下であることがより好ましく、 25質量%以下であることがさらに好ましく 、 24. 5質量%以下であることが特に好ましい。 上記数値の数値範囲の一 例としては、 実施形態の石油系芳香族含有油は、 H P LCを用いて分画され る 2環芳香族分の割合が、 前記芳香族分 1 〇〇質量%に対し、 1 0質量%以 上 30質量%以下であってもよく、 1 6質量%以上 28質量%以下であって もよく、 20質量%以上 26質量%以下であってもよく、 22質量%以上 2 5質量%以下であってもよく、 23質量%以上 24. 5質量%以下であって もよい。 ここで、 上記の 2環芳香族分の割合が上記数値を満たすこと 、 前 記油を含有するゴム組成物又はタイヤの t a n 5 (50°C) 及び t a n 5 ( 〇 ° C) の値が好ましくなり、 ウエッ トグリップ性能及び転がり抵抗性能が両 立される。

このことは、 後述の実施例に示すデータから検討されるに 、 芳香族分の中 〇 2020/175512 9 卩(:170? 2020 /007603

でも 2環以上の芳香族分の割合が、 ウエッ トグリップ性能及び転がり抵抗性 能の両立に大きく寄与する。 そのなかで、 2環芳香族分は、 ウエッ トグリッ プ性能及び転がり抵抗性能の向上に加え、 さらに 巳 0 1 ~ 1規則を満たすと の観点からも良好な性質を有する。

[0023] 実施形態の石油系芳香族含有油は、 1 ~ 1 !_(3を用いて分画される 1環芳香 族分の割合が、 前記芳香族分 1 〇〇質量%に対し、 4 8質量%以上であるこ とが好ましく、 5 0質量%以上であることがより好ましく、 5 2質量%以上 であることがさらに好ましい。 実施形態の石油系芳香族含有油は、 1 ~ 1 !_〇 を用いて分画される 1環芳香族分の割合が、 前記芳香族分 1 〇〇質量%に対 し、 6 4質量%以下であることが好ましく、 6 2質量%以下であることがよ り好ましく、 6 0質量%以下であることがさらに好ましい。 上記数値の数値 範囲の一例としては、 実施形態の石油系芳香族含有油は、 を用いて 分画される 1環芳香族分の割合が、 前記芳香族分 1 0 0質量%に対し、 4 8 質量%以上 6 4質量%以下であってもよく、 5 0質量%以上 6 2質量%以下 であってもよく、 5 2質量%以上 6 0質量%以下であってもよい。

上記の 1環芳香族分の割合は、 上記の 2環以上の芳香族分の割合と相反関 係となり、 上記の 1環芳香族分の割合が、 上記数値を満たすことで、 前記油 を含有するゴム組成物又はタイヤの 1 a n 8 (5 0 °〇) 及び I 3 n 5 (0 °〇 ) の値が好ましくなり、 ウエッ トグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立さ れる。

[0024] 実施形態の石油系芳香族含有油は、 1 ~ 1 1_(3を用いて分画される 3環以上 の芳香族分の割合が、 前記芳香族分 1 〇〇質量%に対し、 1 〇質量%以上で あることが好ましく、 1 2質量%以上であることがより好ましく、 1 4質量 %以上であることがさらに好ましく、 1 6質量%以上であることが特に好ま しい。 実施形態の石油系芳香族含有油は、 1 ~ 1 !_(3を用いて分画される 3環 以上の芳香族分の割合が、 前記芳香族分 1 〇〇質量%に対し、 2 8質量%以 下であることが好ましく、 2 6質量%以下であることがより好ましく、 2 4 質量%以下であることがさらに好ましく、 2 3質量%以下であることが特に 〇 2020/175512 10 卩(:170? 2020 /007603

好ましい。 上記数値の数値範囲の一例としては、 実施形態の石油系芳香族含 有油は、 1 ~ 1 1_(3を用いて分画される 3環以上の芳香族分の割合が、 前記芳 香族分 1 〇〇質量%に対し、 1 〇質量%以上 2 8質量%以下であってもよく 、 1 2質量%以上 2 6質量%以下であってもよく、 1 4質量%以上 2 4質量 %以下であってもよく、 1 6質量%以上 2 3質量%以下であってもよい。 上記の 3環以上の芳香族分の割合が、 上記数値を満たすことで、 前記油を 含有するゴム組成物又はタイヤの I a n 8 (5 0 °〇) 及び I 3 n 5 (0 °〇 の値が好ましくなり、 ウエッ トグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立さ れ 、 さらに 巳 A C H規則を満たす点からも良好となる。

[0025] ! ! ? !_(3を用いた芳香族分の分画は、 後述の実施例に記載の測定条件によ り求めることができる。

[0026] 実施形態の石油系芳香族含有油は、

ベンゾ (8) ピレンの含有量が 1質量 111以下であり、

下記 1) 〜 8) の特定芳香族化合物 (? 1 ~ 1 3 ) の含有量の合計が 1 0質 量 01以下である。

1) ベンゾ (3) ピレン (巳 3 )

2) ベンゾ (6) ピレン (巳 6 )

3) ベンゾ (3) アントラセン (巳 3八)

4) クリセン (〇 1 ~ 1 [¾)

5) ベンゾ (匕) フルオランテン (巳匕 八)

6) ベンゾ ) フルオランテン (巳」 八)

7) ベンゾ (1<) フルオランテン (巳 1< 八)

8) ジベンゾ (3 , ) アントラセン (〇巳八 八) 。

[0027] これらべンゾ ( 3 ) ピレン及び上記特定芳香族化合物 ( 1 ~ 1 3 ) の含有 量が上記範囲内であることで、 巳八〇 1 ~ 1規則におけるエキステンダーオイ ルへの含有規制に順守した、 より安全性の高いゴム配合油とすることがで き る。

[0028] これらの化合物の含有量は、 対象成分を分離 ·濃縮した後、 内部標準物質 を添加した試料を調製して、 G C _M S分析により定量分析することで取得 できる。

ベンゾ (a) ピレン及び特定芳香族化合物 (PAH s) の含有量は、 欧州 規格 E N 1 6 1 43 : 201 3 Petroleum products - Determination of content of Benzo(a)pyrene (BaPJ and selected polycyclic aromatic hydr ocarbons (PAH) in extender oils -Procedure using double LC cleaning a nd GC/MS ana lysisの規定により求めることができる。

[0029] 実施形態の石油系芳香族含有油は、 1 00 ° Cにおける動粘度が、 25 mm 2 / s以上であることが好ましく、 27 mmVs以上であることがより好ましく 、 28 mm Vs以上であることがさらに好ましい。 実施形態の石油系芳香族 含有油は、 1 0〇°Cにおける動粘度が、 75 mm Vs以下であることが好ま しく、 58 m m 2 / s以下であることがより好ましく、 50mm 2 /s以下であ ることがさらに好ましい。 上記数値の数値範囲の一例としては、 実施形態の 石油系芳香族含有油は、 1 0〇 ° Cにおける動粘度が、 25 m m V s以上 75 m m 2 / s以下の範囲であつてもよく、 27 mm 2 /s以上 58 m m 2 / s以下の 範囲であつてもよく、 28mm 2 /s以上 50 m m 2 / s以下の範囲であつても よい。 上記動粘度の値が上記数値を満たすと、 石油系芳香族含有油を含有す るゴム組成物又はタイヤの粘度が好ましくな ることから、 t a n 5 (50 ° C ) 及び t a n S (0 ° C) の値がより一層好ましくなり、 ウエッ トグリップ性 能及び転がり抵抗性能の両立がより一層好ま しくなる。 さらに、 上記動粘度 の値が上記上限値以下であると、 石油系芳香族含有油をゴムへ配合するため の移送や作業性が良好となる。

[0030] 1 00°Cにおける動粘度は、 J I S K 2283 : 2000の規定により 求めることができる。

[0031] 実施形態の石油系芳香族含有油は、 アニリン点が 60 ° C以上であることが 好ましく、 65 °C以上であることがより好ましく、 70 °C以上であることが さらに好ましい。 実施形態の石油系芳香族含有油は、 アニリン点が 1 00 ° C 以下であることが好ましく、 95 ° C以下であることがより好ましく、 90 ° C 以下であることがさらに好ましい。 上記数値の数値範囲の一例としては、 実 施形態の石油系芳香族含有油は、 アニリン点が 60 ° C以上 1 00 ° C以下の範 囲であってもよく、 65 ° C以上 95 ° C以下の範囲であってもよく、 70 ° C以 上 90°C以下の範囲であってもよい。 アニリン点は、 等量のアニリンと油と が混じる温度のことで、 ゴム相溶性の指標となる。 アニリン点が上記上限値 以下であると、 過度な加温をせずとも油がアニリンと溶け合 うということで あり、 ゴム相溶性が高く好ましい。 即ち、 アニリン点の値が上記数値を満た すと、 石油系芳香族含有油のゴムに対する親和性が 良好となり、 製造される ゴム組成物又はタイヤの物理特性が、 より一層好ましくなる。

[0032] アニリン点は、 ASTM D 6 1 1 - 1 2 Standard Test Methods for A n i line Point and Mixed Am line Point of Petroleum Products and Hydroc arbon So Iventsの規定により求めることができる。

[0033] 実施形態の石油系芳香族含有油は、 ガラス転移点 (T g) が、 _58 ° C以 上であることが好ましく、 _ 56 ° C以上であることがより好ましく、 一54 °C以上であることがさらに好ましい。 実施形態の石油系芳香族含有油は、 ガ ラス転移点 ( T g) が、 一44 ° C以下であることが好ましく、 一46 ° C以下 であることがより好ましく、 _ 48 ° C以下であることがさらに好ましい。 上 記数値の数値範囲の一例としては、 実施形態の石油系芳香族含有油は、 ガラ ス転移点 (T g) が、 _58°C以上一 44°C以下の範囲であってもよく、 一 56°C以上一 46°C以下の範囲であってもよく、 一 54 °C以上一 48°C以下 の範囲であってもよい。 ガラス転移点が上記数値を満たすと、 製造されるゴ ム組成物又はタイヤの物理特性が、 より一層好ましくなり、 ウエッ トグリッ プ性能及び転がり抵抗性能の向上に重要とな る。

[0034] ガラス転移点は、 後述の実施例に記載の測定条件により求める ことができ る。

[0035] 実施形態の石油系芳香族含有油は、 粘度比重定数 (VGC) が、 0. 84 以上であることが好ましく、 0. 85以上であることがより好ましく、 0.

86以上であることがさらに好ましい。 実施形態の石油系芳香族含有油は、 粘度比重定数 (VGC) が、 0. 92以下であることが好ましく、 0. 90 以下であることがより好ましく、 0. 89以下であることがさらに好ましい 。 上記数値の数値範囲の一例としては、 実施形態の石油系芳香族含有油は、 粘度比重定数 (VGC) が、 0. 84以上0. 92以下であってもよく、 0 . 85以上0. 90以下であってもよく、 0. 86以上0. 89以下であっ てもよい。 粘度比重定数は油の組成を表現する指数であ り、 一般的に、 パラ フィン性が高くなると値が低くなり、 アロマ性が高いと値は高くなる傾向に ある。 上記粘度比重定数の値が上記数値を満たすと 、 石油系芳香族含有油を 含有するゴム組成物又はタイヤの物理特性が 好ましくなることから、 t a n 8 (50°C) t a n 5 (0°〇 の値がより一層好ましくなり、 ウエッ ト グリップ性能及び転がり抵抗性能の両立がよ り一層好ましくなる。

[0036] 粘度比重定数 (VGC) は、 ASTM D 2 1 40— 08 Standard Prac 11 ce for Calculating Carbon-Type Composition of Insulating 01 Is of Pe tro leum Originの規定により求めることができる。

[0037] 実施形態の石油系芳香族含有油は、 環分析による% C Aが 1 2以上である ことが好ましく、 1 4以上であることがより好ましく、 1 6以上であること がさらに好ましい。 実施形態の石油系芳香族含有油は、 環分析による% C A が 30以下であることが好ましく、 28以下であることがより好ましく、 2 6以下であることがさらに好ましい。 上記数値の数値範囲の一例としては、 実施形態の石油系芳香族含有油は、 環分析による% C Aが 1 2以上 30以下 でであってもよく、 1 4以上 28以下であってもよく、 1 6以上 26以下で あってもよい。

上記% C Aが上記数値を満たすと、 発ガン性の高い多環芳香族量が抑制さ れ、 同時にゴムとの相溶性を向上させるアロマ性 を帯びてくる傾向にあり、 前記油を含有するゴム組成物又はタイヤの t a n 5 (50°C) 及び t a n 5 (〇 ° C) の値が好ましくなり、 ウエッ トグリップ性能及び転がり抵抗性能の 両立がより _層好ましくなる。

[0038] %CAは、 ASTM D 2 1 40 -08 Standard Practice for Calcula t i ng Carbon-Type Compos i t i on of Insu Lat i ng O i Ls of Pet ro Leum Or i g i nの 規定により求めることができる。

[0039] 実施形態の石油系芳香族含有油は、 ゴムに混合されて用いられるエキステ ンダーオイル又はプロセスオイルとして好適 に使用される。

[0040] [石油系芳香族含有油の製造方法]

以下、 実施形態の石油系芳香族含有油の製造方法に ついて説明する。 前記 方法によれば、 本発明の石油系芳香族含有油を製造可能であ る。 本発明の石 油系芳香族含有油は、 下記実施形態の石油系芳香族含有油の製造方 法により 製造されたものに限定されない。

[0041 ] 実施形態の石油系芳香族含有油の製造方法は 、

溶剤抽出によりエキストラクトを得る工程、 又は、

溶剤抽出して得られたエキストラクトと、 ラフィネート又はラフィネート を精製した基油とを混合する工程を含む。

溶剤抽出の対象物としては、 原油を常圧蒸留した残渣を減圧蒸留した減圧 蒸留残渣の脱れきによって得られる脱れき油 留分や、 原油を常圧蒸留した残 渣を減圧蒸留した減圧蒸留留分が挙げられる 。 溶剤抽出において、 エキスト ラクトは、 溶剤抽出の対象物を芳香族炭化水素に対して 親和性を有する溶剤 で抽出処理し、 溶剤と抽出物 (エキストラクト) とを分離回収することによ り得られる。 出発原料の原油は、 パラフィン系原油、 ナフテン系原油など種 々の原油を、 単独あるいは混合して用いることができるが 、 特にはパラフィ ン系原油を用いることが好ましい。

[0042] 図 1は、 実施形態の石油系芳香族含有油の製造方法の 一例を説明する工程 図である。 原油は、 まず常圧蒸留装置 (不図示) で処理されることで、 常圧 蒸留残渣が得られる。 常圧蒸留残渣は、 減圧蒸留装置 1 〇へと送られて減圧 蒸留され、 減圧蒸留残渣 1 2が得られる。 減圧蒸留残渣 1 2は脱れき抽出装 置 2 0にて処理され、 脱れき油 2 2となる。 その後、 脱れき油 2 2は溶剤抽 出装置 3 0へと送られる。 溶剤抽出装置 3 0では、 脱れき油 2 2をラフィネ —卜 3 2とエキストラクト 3 4とに分離する。 ラフィネート 3 2は水素化精 〇 2020/175512 15 卩(:170? 2020 /007603

製装置 4 0で水素化精製され水素化精製油 4 2となり、 さらに脱ろう装置 5 〇で脱ろうされ、 脱ろう油 5 2が得られる。 得られた脱ろう油 5 2とエキス トラクト 3 4とを混合して石油系芳香族含有油 6 2を得ることができる。

[0043] ここでは、 脱ろう油 5 2とエキストラクト 3 4とを混合して石油系芳香族 含有油 6 2を得る場合を説明したが、 脱ろう油 5 2に代えて、 ラフイネート 3 2又は水素化精製油 4 2を、 エキストラクト 3 4と混合してもよい。

[0044] また、 別途、 減圧蒸留装置 1 0から分留される減圧蒸留留分 1 1は、 溶剤 抽出装置 3 0で処理され、 ラフイネート 3 1 とエキストラクト 3 3に分離す る。 ラフイネート 3 1は水素化精製装置 4 0で水素化精製され水素化精製油 4 1 となり、 さらに脱ろう装置 5 0で脱ろうされ、 脱ろう油 5 1が得られる 。 得られた脱ろう油 5 1 とエキストラクト 3 4とを混合して石油系芳香族含 有油 6 2を得ることができる。

ここでは、 脱ろう油 5 1 とエキストラクト 3 4とを混合して石油系芳香族 含有油 6 2を得る場合を説明したが、 脱ろう油 5 1 に代えて、 ラフイネート 3 1又は水素化精製油 4 1 と、 エキストラクト 3 4と混合してもよい。

[0045] また、 ここでは、 脱ろう油 5 1 , 5 2等とエキストラクト 3 4とを混合し て石油系芳香族含有油 6 2を得る場合を説明したが、 エキストラクト 3 4に 代えて、 脱ろう油 5 1 , 5 2等と、 エキストラクト 3 3とを混合してもよい

[0046] また、 エキストラクト 3 3 , 3 4を石油系芳香族含有油 6 2としてもよい

[0047] 減圧蒸留は、 留出油の終点が常圧換算 5 8 0 °〇以上となる条件あるいは残 渣の初留点が 4 5 0 °〇以上となる条件にて行うことが、 得られるエキストラ クト中の芳香族含有量を所定の範囲に容易に 調整できるため、 好ましい。 脱れきは、 塔頂温度:好ましくは 4 0〜 1 2 0 ° 〇、 より好ましくは 5 0〜 1 0〇 ° 〇、 塔底温度:好ましくは 3 0〜 1 0 0 ° 〇、 より好ましくは 4 0〜 9 〇 ° 〇、 溶剤比:好ましくは 1〜 1 〇、 より好ましくは 1〜 9、 となる条件に て行うことができる。 20/175512 16 卩(:170? 2020 /007603

溶剤抽出は、 エキストラクト 3 3 , 3 4を得るため、 得られた脱れき油を 芳香族炭化水素に選択的親和性を有する溶剤 で抽出する処理を行うことが好 ましい。 芳香族炭化水素に選択的親和性を有する溶剤 としては、 極性溶媒で あってよく、 フルフラール、 フエノール及び 1\1—メチルー 2—ピロリ ドンか らなる群より選択される 1つあるいはそれ以上を用いることができる エキ ストラクト収率を上記の範囲とするための具 体的な抽出条件は、 脱れき油組 成にもよるため一義的に決めることはできな いが、 溶剤比、 圧力、 温度等を 適宜選定することにより可能である。 一般的には、 塔頂温度:好ましくは 1 0 0〜 1 5 5 °〇、 より好ましくは 1 0 0〜 1 4 0 °〇、 塔底温度:好ましくは 4 0〜 1 2 0 °〇、 より好ましくは 5 0〜 1 1 0 °〇、 油 1 に対する溶剤比:好 ましくは 2〜 5、 より好ましくは 3 ~ 4 . 5で溶剤と接触させるとよい。 一方、 ラフィネート 3 1 , 3 2を得るため、 常圧換算沸点が 3 0 0〜 7 0 〇°〇の減圧蒸留留分を芳香族炭化水素に親 性を有する溶剤で抽出する溶剤 精製処理を行うことが好ましい。 芳香族炭化水素に選択的親和性を有する溶 剤としては、 フルフラール、 フエノール及び 1\]—メチルー 2—ピロリ ドンか ら 1つあるいはそれ以上を選択して用いること できる。 この溶剤精製工程 においては、 通常の潤滑油基油を精製する条件、 例えば、 フルフラールを柚 出溶媒として用いる場合、 塔頂温度:好ましくは 9 0〜 1 5 0 ° 〇、 より好ま しくは 1 0 0〜 1 4 0 °〇、 塔底温度:好ましくは 4 0〜 9 0 °〇、 より好まし くは 5 0〜 8 0 ° 〇、 油 1 に対する溶剤比:好ましくは〇. 5〜 4、 より好ま しくは 1〜 3、 で溶剤と接触させるとよい。

その他所望により、 ラフィネートを水素化精製及び/又は溶剤脱 ウある いは水素化脱ロウ処理により、 脱ロウすることにより、 より好ましい基油が 得られる。 前記水素化精製は、 ニッケル、 コバルト、 モリブデン等の活性金 属 1種以上をアルミナやシリカーアルミナ等の 体に担持した触媒の存在下 に、 水素圧 温度 2 5 0 ~ 4 0 0 °〇、 液空間速度 (!_ 1 ~ 1 3 ) 1〜 5 1^ - 1 の条件で行うとよい。 また、 前記溶剤脱ロウは、 例えば、 メチ ルエチルケトン/トルエンの混合溶媒下に、 溶媒/油比 (容積比) = 1 / 1 〇 2020/175512 17 卩(:170? 2020 /007603

〜 5 / 1、 温度一 1 0〜一 4 0 ° 〇で行うとよく、 また、 水素化脱ロウは、 ゼ オライ ト触媒の存在下に、 水素圧 温度 3 0 0〜 4 0 0 ° 〇、 L H S V 1 ~ 5 H 「一 1の条件で行うとよい。

水素化精製は、 触媒存在下、 高温高圧の水素と原料油を接触させることで 、 硫黄分、 窒素分など、 プロセスオイルの使用、 保存などに悪影響をおよぼ す不純物を水素化軽質反応物として除去する ことができ、 結果として安定性 や色相などを向上することができる。 溶剤脱ろうはアセトン、 メチルエチル ケトン、 ベンゼン、 トルエンからなる群より選択される 1つあるいはそれ以 上の溶剤を用いて原料油に混合し、 その後冷却工程を経てノルマルパラフイ ンをはじめとするワックス留分を析出させ、 これをフイルタにてろ過して分 離除去することで低温流動性の向上を図るこ とができる。

以上のようにして得られたエキストラクトと 基油とを質量比で 9 5 / 5〜 5 / 9 5、 特に好ましくは、 8 0 / 2 0〜 2 0 / 8 0の割合で混合すること により実施形態の石油系芳香族含有油を製造 することができる。

[0048] 《ゴム組成物》

以下、 実施形態のゴム組成物について説明する。 本発明のゴム組成物は、 下記ゴム組成物に限定されない。

図 2 及び巳は、 原料ゴムからタイヤ組成物を調製する過程の 一例を説明 する工程図である。 タイヤ原料となるタイヤ組成物は、 原料ゴム、 及び各種 配合剤が配合されている。 合成ゴムは、 その合成時にエキステンダーオイル が配合されることがあり、 原料ゴムとして、 予めエキステンダーオイルを含 有するゴム組成物 (油展ゴムともいわれる) が使用されてもよい (図 2八参 照) 。 又はエキステンダーオイルを含有しない原料 ゴム (非油展ゴムともい われる) が使用されてもよい (図 2巳参照) 。 原料ゴムには、 プロセスオイ ル及び各種配合剤が添加される (図 2 及び巳参照) 。

油展ゴムである原料ゴム (ゴム組成物) は、 単量体を重合反応に供するこ とで得ることができ、 その過程でエキステンダーオイルを添加して 製造する ことができる。 例えば、 原料ゴムのゴム原料である単量体とエキステ ンダー 〇 2020/175512 18 卩(:170? 2020 /007603

オイルとを含む反応液を重合反応に供する 方法や、 原料ゴムのゴム原料であ る単量体を含む反応液を重合反応させた後、 重合体溶液にェキステンダーオ イルを添加する方法により、 油展ゴムを製造することができる (図 2八) 。 タイヤ組成物 (ゴム組成物) は、 前記原料ゴム、 本発明に係る石油系芳香 族含有油、 及び配合剤を、 例えば、 公知のゴム用混練機、 例えば、 口ール、 ミキサー、 二ーダーなどで混練し、 製造することができる。 タイヤ組成物は 任意の条件で加硫することができる。

本明細書においては、 原料ゴム及び実施形態の石油系芳香族含有油 (ェキ ステンダーオイル又はプロセスオイル) を含有するものをゴム組成物という 実施形態のゴム組成物は、 タイヤの製造に用いられるタイヤ用ゴム組成 物 として好適である。 一実施形態として、 本発明は、 原料ゴム、 本発明に係る 石油系芳香族含有油、 及び配合剤を含有する、 タイヤ組成物を提供する。 夕 イヤ組成物は、 実施形態のゴム組成物に包含される概念とす る。 タイヤ組成 物 (ゴム組成物) は加硫されていてもよく、 未加硫であってもよい。

ここではェキステンダーオイルとプロセスオ イルとで表現を分けているが 、 これらは総称してプロセスオイルと呼ばれる ことがある。

[0049] 以下、 ゴム組成物及びタイヤ組成物の組成について 説明する。

[0050] 原料ゴムとしては、 ェラストマー性ポリマーを用いることができ 、 例えば 、 天然ゴム、 イソプレンゴム、 ブタジェンゴム、 1 , 2—ブタジェンゴム、 ス チレンーブタジェンゴム、 イソプレンーブタジェンゴム、 スチレンーイソプ レンーブタジェンゴム、 ェチレンープロピレンージェンゴム、 ハロゲン化ブ チルゴム、 ハロゲン化イソプレンゴム、 ハロゲン化イソプチレンコポリマー 、 クロロプレンゴム、 プチルゴムおよびハロゲン化イソプチレンー _メチ ルスチレンゴム、 二トリルゴム、 クロロプレンゴムなどのジェン系ゴム、 ブ チルゴム、 ェチレンープロピレン系ゴム (巳 0 1\/1、 巳 1\/1) 、 ェチレンー ブテンゴム (巳巳1\/1) 、 クロロスルホン化ポリェチレン、 アクリルゴム、 フ ッ素ゴムなどのオレフィン系ゴム、 ェピクロロヒドリンゴム、 多硫化ゴム、 〇 2020/175512 19 卩(:170? 2020 /007603

シリコーンゴム、 ウレタンゴムなどを挙げることができ、 また、 水添されて いてもよいポリスチレン系エラストマー性ポ リマー (3巳 3、 3 1 3 , 3 £ 巳3) 、 ポリオレフィン系エラストマー性ポリマー、 ポリ塩化ビニル系エラ ストマー性ポリマー、 ポリウレタン系エラストマー性ポリマー、 ポリエステ ル系エラストマー性ポリマーまたはポリアミ ド系エラストマー性ポリマーな どの熱可塑性エラストマーでもよい。 これらは単独、 または任意のブレンド として使用することができる。

石油系芳香族含有油との相溶性の観点からは 、 エラストマー性ポリマーは 、 天然ゴム、 イソプレンゴム、 スチレンーブタジエンゴム、 ブタジエンゴム 、 プチルゴム、 クロロプレンゴム、 及びアクリルニトリルゴムからなる群か ら選択される少なくとも一種であることが好 ましい。 さらに、 タイヤ性能と して、 転がり抵抗性能及びウヱッ トグリップ性能を発揮するトレッ ド部に好 適に使用可能であるとの観点から、 エラストマー性ポリマーは、 天然ゴム、 イソプレンゴム、 スチレンブタジエンゴム、 ブタジエンゴムからなる群から 選択される少なくとも一種であることが好ま しい。

[0051 ] エキステンダーオイル、 又はプロセスオイルとしては、 実施形態に係る石 油系芳香族含有油を用いることができる。

[0052] 配合剤としては、 充填剤、 老化防止剤、 酸化防止剤、 架橋剤 (加硫剤) 、 架橋促進剤、 樹脂、 可塑材、 加硫促進剤、 加硫促進助剤 (加硫助剤) 等が挙 げられる。

[0053] 充填剤としては、 力ーボンブラック、 シリカ、 シラン化合物 (シランカッ プリング剤) 等が挙げられ、 シリカ及び/又はシランカップリング剤が好 しい。

力ーボンブラックは粒子径に基づいて、 ハードカーボンとソフトカーボン とに分類される。 ソフトカーボンはゴムに対する補強性が低く 、 ハードカー ボンはゴムに対する補強性が強い。 実施形態のゴム組成物が力ーボンブラッ クを含有する場合には、 特に補強性の強いハードカーボンを用いるの が好ま しい。 力ーボンブラックは、 エラストマー性ポリマー 1 0 0質量部に対して 〇 2020/175512 20 卩(:170? 2020 /007603

1 0〜 2 5 0質量部配合されていることが好ましく、 2 0〜 2 0 0質量部配 合されていることがより好ましく、 3 0〜 5 0質量部配合されていることが さらに好ましい。

シリカとしては、 特に限定されないが、 例えば、 乾式法ホワイ トカーボン 、 湿式法ホワイ トカーボン、 コロイダルシリカ、 および沈降シリカなどが挙 げられる。 これらの中でも、 含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイ トカー ボンが好ましい。 これらのシリカはそれぞれ単独あるいは 2種以上を組み合 わせて用いることができる。 これらシリカの比表面積は、 特に制限されない が、 窒素吸着比表面積 (巳巳丁法) で通常 1 0〜 4 0 好ましくは 2 0〜 3 0 0〇! 2 / 、 更に好ましくは 1 2 0 ~ 1 9 0〇1 2 / の範囲であると きに、 補強性、 耐摩耗性および発熱性等の改善に対し好適で ある。 ここで、 窒素吸着比表面積は、 八3丁1\/1 0 3 0 3 7— 8 1 に準じ、 巳巳丁法で測定さ れる値である。

シラン化合物としては、 特に制限されないが、 硫黄含有シランカップリン グ剤が好ましく、 ビス ( 3—トリエトキシシリルプロピル) ジスルフィ ドが より好ましい。

[0054] 架橋剤 (加硫剤) としては、 粉末硫黄、 沈降性硫黄、 高分散性硫黄、 表面 処理硫黄、 不溶性硫黄などが挙げられる。

[0055] 加硫促進剤としては、 テトラメチルチウラムジスルフィ ド (丁 1\/1丁0) 、 テトラエチルチウラムジスルフィ ド (丁巳丁〇) などのチウラム系、 へキサ メチレンテトラミンなどのアルデヒド · アンモニア系、 ジフエニルグアニジ ンなどのグアニジン系、 ジベンゾチアジルジサルファイ ド (口 IV!) などのチ アゾール系、 1\1-シクロヘキシル- 2 -ベンゾチアゾリルスルフエンアミ ドなど のシクロヘキシルべンゾチアジルスルフエン アマイ ド系などが挙げられる。

[0056] 加硫促進助剤としては、 アセチル酸、 プロピオン酸、 ブタン酸、 ステアリ ン酸、 アクリル酸、 マレイン酸などの脂肪酸、 アセチル酸亜鉛、 プロピオン 酸亜鉛、 ブタン酸亜鉛、 ステアリン酸亜鉛、 アクリル酸亜鉛、 マレイン酸亜 鉛などの脂肪酸亜鉛、 亜鉛華などが挙げられる。 〇 2020/175512 21 卩(:170? 2020 /007603

[0057] これら原料ゴム、 本発明に係る石油系芳香族含有油、 及び配合剤の配合量 は、 本発明の目的に反しない限り、 一般的な配合量とすることができる。

[0058] 一例として、 エラストマー性ポリマー 1 0 0質量部に対して、 充填剤: 3 〇〜 1 0 0質量部、 石油系芳香族含有油: 8 0質量部以下、 老化防止剤: 0 . 5〜 5質量部、 架橋剤: 1〜 1 0質量部、 樹脂: 〇〜 2 0質量部、 加硫促 進剤: 〇. 5〜 5質量部、 加硫促進助剤: 1〜 1 0質量部の配合を例示でき る。

充填剤として、 シリカ及び/又はシランカップリング剤が用 られる場合 、 シリカ及び/又はシランカップリング剤は、 エラストマー性ポリマー 1 0 〇質量部に対して、 1 0〜 3 0 0質量部配合されていることが好ましく、 5 〇〜 1 5 0質量部配合されていることがより好ましく 7 0〜 1 0 0質量部 配合されていることがさらに好ましい。 シラン化合物 (シランカップリング 剤) の含有量は、 エラストマー性ポリマー 1 〇〇質量部に対し、 〇. 1〜 3 〇質量部であることが好ましく、 1〜 2 0質量部であることがより好ましい 石油系芳香族含有油は、 エラストマー性ポリマー 1 0 0質量部に対して、 〇. 5〜 8 0質量部配合されていることが好ましく、 1 0〜 5 0質量部配合 されていることがより好ましく、 2 0〜 4 0質量部配合されていることがさ らに好ましい。

[0059] 実施形態のゴム組成物によれば、 転がり抵抗性能及びウェッ トグリップ性 能に優れたゴム組成物を提供できる。

[0060] 《タイヤ ·タイヤの製造方法》

実施形態のタイヤは、 上記の実施形態に係る石油系芳香族含有油を 含有す る。

実施形態のタイヤは、 ゴムと、 実施形態の石油系芳香族含有油と、 を配合 して加硫することで、 製造することができる。

言い換えると、 実施形態のタイヤは、 上記タイヤ組成物 (ゴム組成物) を 含んでよく、 タイヤ組成物に対し、 加硫を行うことにより製造することがで 〇 2020/175512 22 卩(:170? 2020 /007603 きる。 具体的には、 例えば、 上記タイヤ組成物を加硫成形して、 タイヤを製 造することができる。 より具体的には、 例えば、 上記タイヤ組成物を加熱溶 融し、 加熱溶融したタイヤ組成物を押し出し、 次いで、 タイヤ成型機を用い て成形した後、 加硫機を用いて加熱 ·加圧することにより、 タイヤを製造す ることができる。

[0061 ] タイヤは、 一例として、 トレッ ド、 力ーカス、 サイ ドウォール、 インナー ライナー、 アンダートレッ ド、 ベルト部などのタイヤ各部から構成される。 実施形態のタイヤは、 上記の実施形態に係る石油系芳香族含有油を 、 トレッ ド部に含有することが好ましい。 実施形態のタイヤは、 実施形態のタイヤ組 成物からなるタイヤトレッ ドを有することが好ましい。 石油系芳香族含有油 が、 接地面となるトレッ ド部に含有されることで、 転がり抵抗性能及びウエ ッ トグリップ性能が好適に発揮される。

[0062] 実施形態のタイヤ及びタイヤの製造方法によ れば、 転がり抵抗性能及びゥ エッ トグリップ性能に優れたタイヤを提供できる 。

[0063] 実施形態の石油系芳香族含有油が、 なぜタイヤ組成物 (ゴム組成物) のゥ エッ トグリップ性能と転がり抵抗性能の両立に効 果を発揮するのかについて は、 以下のように推定される。

両性能は二律背反であるため、 一方を損なうことなく、 もう一方を高めら れれば結果として両立ができる。 通常、 省燃費タイヤと呼ばれているものに はシリカを配合することで両立、 特に省燃費性能を志向されているが、 シリ 力は表面に親水基が多く、 ゴムポリマーとはなじみにくいため、 シリカどう しで凝集してしまう傾向がある。 その場合、 タイヤが走行中に変形した際に 、 シリカ同士が擦れるなどして発熱してしまい 、 余計なエネルギーロスが生 じる。 したがって、 シリカをゴムポリマー中でいかに分散させる かがポイン 卜となる。 上述の特定成分を特定量で含む石油系芳香族 含有油は、 シリカを 含め各種配合剤の分散や溶解に作用し、 それらのゴムポリマー中での挙動が 各物理特性に好ましい影響を与え、 結果として背反性能の両立に繫がると考 えられる。 〇 2020/175512 23 卩(:170? 2020 /007603

実施例

[0064] 次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説 明するが、 本発明は以下の実 施例に限定されない。

[0065] 1. プロセスオイルの製造

<実施例 1 _ 1 >

中東原油を常圧蒸留装置に供し、 得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に 供し、 得られた減圧蒸留残渣を圧縮液化したプロパ ンによる脱れき抽出装置 (運転条件:塔頂温度 60〜 90 ° 0、 塔底温度 50〜 80 ° 0、 溶剤比 1. 5 〜 6. 0の範囲で調整) に供し、 得られた脱れき油をフルフラール抽出装置 (運転条件:塔頂温度 1 30〜 1 40 ° 0、 塔底温度 80〜 1 00 ° 0、 溶剤比 3. 〇〜 4. 0の範囲で調整) に供し、 得られたエキストラクト留分をエキ ストラクト (八) とした。

中東原油を常圧蒸留装置に供し、 得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に 供し、 得られた 500 !\1相当の減圧蒸留留分をフルフラール抽出装 置 (運転 条件:塔頂温度 1 1 0〜 1 30 ° 0、 塔底温度 60〜 80 ° 0、 溶剤比 1. 0〜 3. 0の範囲で調整) に供し、 得られたラフィネート留分を水素化精製装置 (運転条件:貴金属系触媒を用いて、 液空間速度 1. 〇〜 2. 0 _ 1 、 反応 温度 27〇〜 330°0、 水素オイル比 1 500〜 2500 !_/!_、 水素分 圧 4. 〇〜 6. の範囲で調整) に供し、 得られた水素化精製油を溶 剤脱蝋装置 (運転条件: メチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤、 一次溶 剤比 2. 0、 二次溶剤比 0. 8、 脱蝋温度一 1 5〜一 25°◦の範囲で調整) に供し、 得られた脱蝋油を脱蝋油 (巳) とした。

エキストラクト (八) /脱蝋油 (巳) を質量比で 60/40に混合して、 実施例 1のプロセスオイルを得た。

[0066] <実施例 2- 1 >

中東原油を常圧蒸留装置に供し、 得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に 供し、 得られた減圧蒸留残渣を圧縮液化したプロパ ンによる脱れき抽出装置 (運転条件:塔頂温度 50〜 80°0、 塔底温度 40〜 70°0、 溶剤比 5. 0 〇 2020/175512 24 卩(:170? 2020 /007603

〜 8. 0の範囲で調整) に供し、 得られた脱れき油をフルフラール抽出装置 (運転条件:塔頂温度 1 00〜 1 20 ° 0、 塔底温度 50〜 70 ° 0、 溶剤比 3 . 5〜 4. 5の範囲で調整) に供し、 得られたエキストラクト留分をエキス トラクト (〇) とした。

中東原油を常圧蒸留装置に供し、 得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に 供し、 得られた 500 !\1相当の減圧蒸留留分をフルフラール抽出装 置 (運転 条件:塔頂温度 1 〇〇〜 1 20 ° 0、 塔底温度 50〜 70 ° 0、 溶剤比 1. 0〜 3. 0の範囲で調整) に供し、 得られたラフィネート留分を水素化精製装置 (運転条件:貴金属系触媒を用いて、 液空間速度 1. 〇〜 2. 0 _ 1 、 反応 温度 32〇〜 370°0、 水素オイル比 1 500〜 2500 !_/!_、 水素分 圧 8. 〇〜 1 0. の範囲で調整) に供し、 得られた水素化精製油を 溶剤脱蝋装置 (運転条件: メチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤、 一次 溶剤比 1. 3、 二次溶剤比 1. 3、 脱蝋温度一 1 5〜一 25°◦の範囲で調整 ) に供し、 得られた脱蝋油を脱蝋油 (口) とした。

エキストラクト (〇 /脱蝋油 (口) を質量比で 70/30に混合して、 実施例 2のプロセスオイルを得た。

[0067] <実施例 3_ 1 >

中東原油を常圧蒸留装置に供し、 得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に 供し、 得られた減圧蒸留残渣を圧縮液化したプロパ ンによる脱れき抽出装置 (運転条件:塔頂温度 55〜 85 ° 0、 塔底温度 45〜 75 ° 0、 溶剤比 1. 0 〜 4. 0の範囲で調整) に供し、 得られた脱れき油をフルフラール抽出装置 (運転条件:塔頂温度 1 1 0〜 1 30 ° 0、 塔底温度 60〜 80 ° 0、 溶剤比 3 . 〇〜 4. 0の範囲で調整) に供し、 得られたエキストラクト留分をエキス トラクト (巳) とした。

中東原油を常圧蒸留装置に供し、 得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に 供し、 得られた 500 !\1相当の減圧蒸留留分をフルフラール抽出装 置 (運転 条件:塔頂温度 1 〇 5〜 1 25 ° 0、 塔底温度 55〜 75 ° 0、 溶剤比 1. 2〜 2. 8の範囲で調整) に供し、 得られたラフィネート留分を水素化精製装置 〇 2020/175512 25 卩(:170? 2020 /007603

(運転条件:貴金属系触媒を用いて、 液空間速度 2. 〇〜 3. 0 _ 1 、 反応 温度 3 1 〇〜 360°0、 水素オイル比 1 500〜 2500 !_/!_、 水素分 圧 8. 5〜 1 2. の範囲で調整) に供し、 得られた水素化精製油を 溶剤脱蝋装置 (運転条件: メチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤、 一次 溶剤比 1. 〇〜 2. 0、 二次溶剤比 0. 5〜 1. 4、 脱蝋温度— 1 5〜— 2 5°〇の範囲で調整) に供し、 得られた脱蝋油を脱蝋油 ( ) とした。

エキストラクト (巳) /脱蝋油 ( ) を質量比で 62/38に混合して、 実施例 3のプロセスオイルを得た。

[0068] <実施例 4_ 1 >

ナフテン原油を常圧蒸留装置に供し、 得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装 置に供し、 得られた 1 000 !\1相当の減圧蒸留留分を水素化精製装置 (運転 条件:貴金属系触媒を用いて、 液空間速度 1. 〇〜 3. 011- 1 、 反応温度 2 70°〇〜340°0, 水素オイル比 1 400〜 2800 !_/!_、 水素分圧 3 . 〇〜 9. の範囲で調整) に供し、 得られた水素化精製油を水素化 精製油 (<) とした。

ナフテン原油を常圧蒸留装置に供し、 得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装 置に供し、 得られた減圧蒸留残渣を減圧蒸留残渣 (!_) とした。

水素化精製油 (<) と減圧蒸留残渣 (!_) を 1 00°◦の動粘度が 5500^ / 近傍となるよう混合して、 実施例 4のプロセスオイルを得た。

[0069] <実施例 5- 1 >

上記エキストラクト (巳) を、 実施例 5のプロセスオイルとした。

[0070] <実施例 6- 1 >

上記エキストラクト (〇) を、 実施例 6のプロセスオイルとした。

[0071] <比較例 1 _ 1 >

中東原油を常圧蒸留装置に供し、 得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に 供し、 得られた 500 !\1相当の減圧蒸留留分をフルフラール抽出装 置 (運転 条件:塔頂温度 1 〇〇〜 1 30°0、 塔底温度 50〜 80°0、 溶剤比 1. 0〜 3. 0の範囲で調整) に供し、 得られたラフィネート留分を水素化精製装置 〇 2020/175512 26 卩(:170? 2020 /007603

(運転条件:貴金属系触媒を用いて、 液空間速度 1. 〇〜 3. 011- 1 、 反応 温度 280〜340°0、 水素オイル比 1 500〜 25001\1 !_/!_、 水素分 圧 6. 〇〜 1 0. の範囲で調整) に供し、 得られた水素化精製油を 溶剤脱蝋装置 (運転条件: メチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤、 一次 溶剤比 1. 〇〜 2. 0、 二次溶剤比 0. 5〜 1. 4、 脱蝋温度— 1 5〜— 2 5°〇の範囲で調整) に供し、 得られた脱蝋油を脱蝋油 (◦) とした。

中東原油を常圧蒸留装置に供し、 得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に 供し、 得られた減圧蒸留残渣を減圧蒸留残渣 (!!) とした。

ナフテン原油を常圧蒸留装置に供し、 得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装 置に供し、 得られた 1 000 !\1相当の減圧蒸留留分を水素化精製装置 (運転 条件:貴金属系触媒を用いて、 液空間速度 1. 〇〜 3. 01^- 1 、 反応温度 2 70°〇〜340°0, 水素オイル比 1 400〜 2800 !_/!_、 水素分圧 3 . 〇〜 9. の範囲で調整) に供し、 得られた水素化精製油を水素化 精製油 (丨) とした。

ナフテン原油を常圧蒸留装置に供し、 得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装 置に供し、 得られた減圧蒸留残渣を減圧蒸留残渣 (」) とした。

脱蝋油 (◦) /減圧蒸留残渣 (!!) を質量比で 50/50に混合し、 水素 化精製油 (丨) /減圧蒸留残渣 (」) を質量比で 50/50に混合し、 両者 を 1 00°〇の動粘度が 30 〇 1 2 / 3 近傍となるよう混合して、 比較例 1のプ ロセスオイルを得た。

[0072] <比較例 2- 1 >

ナフテン原油を常圧蒸留装置に供し、 得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装 置に供し、 得られた 2000 !\1相当の減圧蒸留留分を水素化精製装置 (運転 条件:貴金属系触媒を用いて、 液空間速度 1. 〇〜 3. 01^- 1 、 反応温度 2 70°〇〜340°0, 水素オイル比 1 400〜 2800 !_/!_、 水素分圧 3 . 〇〜 9. の範囲で調整) に供し、 得られた水素化精製油を、 比較 例 2のプロセスオイルとした。

[0073] <比較例 3- 1 > 上記脱蝋油 (F) を、 比較例 3のプロセスオイルとした。

[0074] <比較例 4一 1 >

上記エキストラクト (E) /脱蝋油 (F) を質量比で 80/20に混合し て、 比較例 4のプロセスオイルを得た。

[0075] 2. プロセスオイルの性状測定

上記実施例及び比較例で得られたプロセスオ イルを試料とし、 下記項目の 測定を行った。

[0076] [クレイゲル法]

クレイゲル法 (クレイゲルカラムクロマト) : ASTM D 2007— 1 1 StandardTest Method for Characteristic Groups m Rubber Extender a nd Processing Oils and Other Petroleum-Derived Oils by the Clay-Gel A bsorpt ion Chromatographic Methodにより、 芳香族分、 飽和分、 極成分 (質 量%) を求めた。

[0077] [H P LCを用いた芳香族分の分画]

H P LC (高圧液体クロマトグラフィー) を用いた芳香族分の分画は、 ( 既報: Ana lyt i ca I Chemistry, 1983, 55, p.1375-1379) に掲載されている 「 Separation of aromatic and polar compounds in fossil fuel liquids by liquid chromatography」 を参考とし、 以下の手順で実施した。

試料をヘキサンで 5倍に希釈することにより前処理を行った。 カラムは、 ウォーターズ社製 S p h e r i s o r b A5 Y 250X4. 6mmを用い 、 流量は 2. 5 mL/分とし、 検出器には UV検出器を使用し、 波長 270 n mで測定した。 溶離液は、 試料導入からの時間が〇〜 1 0. 0分まではへ キサンを用い、 1 0. 〇〜 30. 0分まではヘキサン 1 00質量%からジク ロロメタン 40質量%とヘキサン 60質量%の混合溶液に直線的にジクロロ メタン含有量を増大させた。 試料導入からの時間が 30. 〇〜 30. 1分の 間にジクロロメタン 40質量%とヘキサン 60質量%の混合溶液をジクロロ メタン 1 00質量%に変更し、 30. 1分以降はジクロロメタン 1 00質量 %を用いた。 得られたピーク面積から以下の式により環別 の芳香族炭化水素の含有量 ( 質量%) を求めた。 ここで、 1環面積は、 ベンゼンのピークからナフタレン の直前のピークまでのピーク面積の合計であ り、 2環面積は、 ナフタレンの ピークからアントラセンの直前のピークまで のピーク面積の合計であり、 ま た、 3環以上面積は、 アントラセンのピーク以降のピーク面積の合 計である 〇

1環芳香族分 (質量%) = ( 1環面積/ ( 1環面積 + 0. 1 X2環面積 + 0 . 025 X3環以上面積) ) X 1 00 ;

2環芳香族分 (質量%) = (0. 1 X2環面積/ (1環面積 +0. 1 X2環 面積 +0. 025 X3環以上面積) ) X 1 00 ;

3環以上の芳香族分 (質量%) = (0. 025 X3環面積/ (1環面積+0 . 1 X2環面積 + 0. 025 X3環以上面積) ) X 1 00

[0078] [動粘度 (1 00°C) ]

J I S K 2283 : 2000の規定により測定した。

[0079] [アニリン点]

ASTM D 6 1 1 — 1 2 Standard Test Methods for Aniline Point a nd Mixed Am line Point of Petroleum Products and Hydrocarbon Solvents の規定により測定した。

[0080] [ガラス転移点 (T g) ]

DSC (示差走査熱量計) にて一定の昇温速度で昇温した際に測定され る 、 ガラス転移領域における熱量変化ピークから 得られたガラス転移点とした 。 初期温度は、 通常予期ガラス転移点より 30 ° C〜 50 ° C程度又はそれより 低い温度とし、 前記初期温度で一定時間保持した後、 昇温を開始した。 具体 的には、 以下の条件で測定した。

装置: 日立ハイテクサイエンス製 DSC 7020

初期温度: _ 90 ° C、 1 0分間保持

昇温速度: 1 〇 ° C/分

終了温度: 30 ° C、 5分間保持 [0081] [粘度比重定数 (VGC) ]

A S T M D 2 1 40— 08 Standard Practice for Ca leu lat i ng Car bo n-Type Composition of Insulating Oi Is of Petroleum Originの規定により 測定した。

[0082] [%C A]

A S T M D 2 1 40— 08 Standard Practice for Ca leu lat i ng Car bo n-Type Composition of Insulating Oi Is of Petroleum Originの規定により 測定した。

[0083] [ベンゾ (a) ピレン及び特定芳香族化合物 (P A H s) の含有量]

欧州規格 E N 1 6 1 43 : 20 1 3 Petroleum products - Determi nat i on of content of Benzo(a)pyrene (BaP) and selected po lycyc l i c aromat i c hydrocarbons (PAH) in extender oi ls - Procedure using double LC c le aning and GC/MS ana lysisの規定により測定した。

P A H sとは以下を意味する。

1 ) ベンゾ (a) ピレン (B a P)

2) ベンゾ (e) ピレン (B e P)

3) ベンゾ (a) アントラセン (B a A)

4) クリセン (C H R)

5) ベンゾ (b) フルオランテン (B b F A)

6) ベンゾ ( j) フルオランテン (B j F A)

7) ベンゾ (k) フルオランテン (B k F A)

8) ジベンゾ (a, h) アントラセン (D BA h A)

[0084] 3. ゴム組成物の製造

<実施例 1 _ 2 〜 実施例 6 _ 2 >

ゴムポリマーと、 上記の実施例 1 - 1 〜 6 - 1で製造したプロセスオイル と、 その他の各配合剤 (シリカ、 シランカップリング剤、 老化防止剤、 加硫 助剤、 酸化亜鉛、 硫黄、 加硫促進剤) とを、 下記配合にて調製した後、 混練 りを行い、 未加硫のゴム組成物を得た後、 1 60 °Cにてプレス加硫成形した 〇 2020/175512 30 卩(:170? 2020 /007603

[0085] <比較例 1 _ 2 〜 比較例 4 - 2 >

ゴムポリマーと、 上記の比較例 1 - 1〜 4 - 1で製造したプロセスオイル と、 その他の各配合剤 (同上) とを、 下記配合にて調製した後、 混練りを行 い、 未加硫のゴム組成物を得た後、 1 6 0 ° 〇にてプレス加硫成形した。

[0086] タイヤ組成物の配合を下記表 1 に示す。 表中の II 「は、 ゴムポリマー 1 〇〇質量部に対する各種配合剤の質量部を表 す。

[0087] [表 1 ]

[0088] ゴムポリマー ランクセス製 31_4526

シリカ : エボニック製 1]1_丁(^311_7000〇[¾

シランカップリング剤:エボニック製 _175

-老化防止剤: 大内新興化学工業製 ノクラック 6(: 加硫助剤: 日油製 ステアリン酸

酸化亜鉛: 東邦亜鉛製 酸化亜鉛 3号

プロセスオイル: 実施例および比較例で製造した各プロセスオ イル 硫黄: 市販加硫用硫黄

加硫促進剤八 : 大内新興化学工業製 ノクセラ

大内新興化学工業製 ノクセラー

[0089] ゴムの混練り方法:下記に示す二段練りとし た。

(-段目) 〇 2020/175512 卩(:170? 2020 /007603

試験機: 東洋精機製作所製ラボプラストミル 600

試験機容積: 600〇〇

充填率: 70%(質量比)

回転数: 100「卩111

温度: 100°〇開始で上限 155°〇とした

練り時間: 約 9分

に段目)

-試験機: 池田機械工業製電気加熱式高温口ール機 サイズ: 6 インチ ø 16インチ

-回転数: 前口ール 25「卩111

-回転比: 前後比 1 : 1 . 22

温度: 23± 10 °

[0090] 4 . ゴム組成物の物性測定

上記実施例及び比較例のプレス加硫成形後の ゴム練り片から、 8111111 ø X 10111111 の試験片を作製し、 前記試験片に対して、 下記項目の測定を行った。

[0091 ] [tan 5(0°〇]

を用いて、 ねじりモードで、 周波数 10 、 測定温度範囲一 50°〇〜100°〇、 昇温速度 204、 動的ひずみ 0. 1 %で測定 を行った。 得られた温度可変 tan 5より、 0 ° 〇の値を抜粋した。

士3门 5(0 ° 〇)は、 ウエッ トグリップ性能の指標であり、 この値が大きいほど ウエッ トグリップ性能に優れることを意味する。

[0092] [士3门5(50°〇]

を用いて、 ねじりモードで、 周波数 10 、 測定温度範囲一 50°〇〜100°〇、 昇温速度 204、 動的ひずみ 0. 1 %で測定 を行った。 得られた温度可変 tan 5より、 50 ° 〇の値を抜粋した。

tan S(50 ° C)は、 転がり抵抗性能の指標であり、 この値が小さいほど転がり 抵抗性能に優れることを意味する。

[0093] 5 . 結果 〇 2020/175512 32 卩(:170? 2020 /007603

上記の測定結果を以下に示す。 上記の実施例 1 _ 1及び実施例 1 _ 2は、 実施例 1 と略記する。 他の実施例及び比較例についても同様に略記 する。

[0094] 各項目の測定結果を下記の表 2に示す。 tanS(0°C)及び tanS(50°C)の値は 、 実施例 6の実数値 (それぞれ 0.814、 0.118) を 1 とした相対値で表記した

[0095]

プロセスオイルの各項目 :下線は、 実施形態にて規定の範囲外であることを表す 。

6 0 [8] : 〇は、 含有量が 1 111未満 (1¾八01規則基準値内) であることを表す。

卩八¾ 8物質合計: 〇は、 含有量が 10 111未満 (1^ (:11規則基準値内) であることを表す。

3 1! 6(0°〇 : 下線は、数値が 1を下回る (ウェットグリ ップ性能に劣る) ものを意味する。

»諸 »諸 ^ 〔 1 / 雛酣 ^67 ^ 87. 1 498 ロ〇〇 0096 — 6 1 「〜+}};· 1 \¥0 2020/175512 34 卩(:17 2020 /007603

る飽和分の割合」 、 及び 「1 ~ 1 !_(3を用いて分画される 2環芳香族分の割合 」 の範囲を満たし、 前記プロセルオイルを配合して得られた実施 例 1〜 6の ゴム組成物は、 ウエッ トグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立さ れており 、 非常に優れていた。

特に、 「クレイゲル法による芳香族分の割合」 が実施形態に規定の範囲を 満たすプロセスオイルを配合して得られた実 施例 1〜 3のゴム組成物は、 ウ エッ トグリップ性能及び転がり抵抗性能が、 良好な数値にて両立されている ことがわかる。

また、 実施例及び比較例のいずれのプロセスオイル も、 ベンゾ (3) ピレ ン及び特定芳香族化合物 ( 1 ~ | 3 ) の含有量が、 規則を満たす ことが確認できた。

[0097] 以上、 各実施形態における各構成及びそれらの組み 合わせ等は一例であり 、 本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、 構成の付加、 省略、 置換、 およびその 他の変更が可能である。 また、 本発明は各実施形態によって限定されること はなく、 請求項 (クレーム) の範囲によってのみ限定される。

産業上の利用可能性

[0098] 転がり抵抗性能及びウエッ トグリップ性能に優れたゴム組成物を製造可 能 符号の説明

[0099] 1 0 減圧蒸留装置

1 1 減圧蒸留留分

1 2 減圧蒸留残渣

2 0 脱れき抽出装置

2 2 脱れき油

3 0 溶剤抽出装置

3 1 , 3 2 ラフイネート

3 3 , 3 4 エキストラクト 5512 35 卩(:170? 2020 /007603

水素化精製装置

1 , 42 水素化精製油

脱ろう装置

1 , 52 脱ろう油

石油系芳香族含有油