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Title:
PHASE CONTROL SWITCH AND SWITCHING POLE CONTROL METHOD IN PHASE CONTROL SWITCH
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/136071
Kind Code:
A1
Abstract:
To suppress the occurrence of a transient energizing inrush current in a transformer connected to a power system through a switch for power such as a breaker. A residual magnetic flux operation processing section (50a) comprises a voltage change rate detecting section (52a) for detecting a transformer voltage change rate for each phase, a breaker switching state discriminating section (51) for detecting the switching state of the breaker and a residual magnetic flux detecting section (53) for detecting residual magnetic flux remained in the transformer (30). The residual magnetic flux detecting section (53) determines whether or not residual magnetic flux is to be recalculated based on the transformer voltage change rate detected during the period when it is discriminated that the breaker (10) is in a pole-opening state, and recalculates the residual magnetic flux when recalculation of the residual magnetic flux is determined to be necessary and sets the residual magnetic flux recalculated as new residual magnetic flux.

Inventors:
KINOSHITA SADAYUKI (JP)
KAMEI KENJI (JP)
KOYAMA HARUHIKO (JP)
MORI TOMOHITO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/058624
Publication Date:
November 13, 2008
Filing Date:
April 20, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
KINOSHITA SADAYUKI (JP)
KAMEI KENJI (JP)
KOYAMA HARUHIKO (JP)
MORI TOMOHITO (JP)
International Classes:
H01H33/59; H02H7/045; H02H3/02
Foreign References:
JPH02179220A1990-07-12
JP2006284261A2006-10-19
JP2003232840A2003-08-22
JP2001218354A2001-08-10
JP2005204368A2005-07-28
Other References:
See also references of EP 2141780A4
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Hiroaki (Kasumigaseki Building2-5, Kasumigaseki 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 20, JP)
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Claims:
 電力系統と変圧器との間に接続され、該変圧器の遮断および励磁を行うために開閉制御される遮断器と、前記遮断器と前記変圧器との間の各相電圧を計測する電圧計測部と、前記電圧計測部が計測した変圧器電圧に基づいて前記変圧器に残留する残留磁束を検出する残留磁束検出部を含む残留磁束演算処理部と、前記残留磁束検出部が検出した残留磁束に基づいて前記遮断器の開閉タイミングを制御する制御部と、を備えた位相制御開閉装置において、
 前記残留磁束演算処理部は、
 前記電圧計測部によって計測された各相電圧を時間微分して得られる各相ごとの変圧器電圧変化率を検出する電圧変化率検出部と、
 前記遮断器の開閉状態を検出する遮断器開閉状態識別部と、
 を備え、
 前記残留磁束検出部は、
 前記遮断器開閉状態識別部によって前記遮断器が開極状態であると識別されている期間に、前記電圧変化率検出部が検出した変圧器電圧変化率に基づいて前記残留磁束を再計算する否かを判定し、再計算を行ったときの残留磁束を新たな残留磁束として設定することを特徴とする位相制御開閉装置。
 前記残留磁束検出部は、前記残留磁束の再計算を行う時刻を検出時刻として検出するとともに、前記電圧計測部によって計測された各相電圧の前記検出時刻前後の所定期間における計測データを用いて、前記残留磁束を算出することを特徴とする請求項1に記載の位相制御開閉装置。
 電力系統と変圧器との間に接続され、該変圧器の遮断および励磁を行うために開閉制御される遮断器と、前記遮断器と前記変圧器との間の各相電圧を計測する電圧計測部と、前記電圧計測部が計測した変圧器電圧に基づいて前記変圧器に残留する残留磁束を検出する残留磁束検出部を含む残留磁束演算処理部と、前記残留磁束検出部が検出した残留磁束に基づいて前記遮断器の開閉タイミングを制御する制御部と、を備えた位相制御開閉装置において、
 前記残留磁束演算処理部は、前記電圧計測部によって計測された各相電圧を時間微分して得られる各相ごとの変圧器電圧変化率の1周期平均値を検出する電圧変化率検出部を備え、
 前記残留磁束検出部は、
 前記電圧変化率検出部が検出した変圧器電圧変化率の1周期平均値および所定第1の閾値に基づいて前記遮断器の開閉状態を閾値判定するとともに、前記遮断器が開極状態であると判定された場合に、前記電圧変化率検出部が検出した変圧器電圧変化率および前記所定第1の閾値とは異なる所定第2の閾値に基づいて前記残留磁束の再計算する否かを閾値判定し、再計算を行ったときの残留磁束を新たな残留磁束として設定することを特徴とする位相制御開閉装置。
 前記残留磁束検出部は、前記残留磁束の再計算を行う時刻を検出時刻として検出するとともに、前記電圧計測部によって計測された各相電圧の前記検出時刻前後の所定期間における計測データを用いて、前記残留磁束を算出することを特徴とする請求項3に記載の位相制御開閉装置。
 前記残留磁束演算処理部は、前記電圧変化率検出部が検出した変圧器電圧変化率、または前記電圧変化率検出部が検出した変圧器電圧変化率の1周期平均値の少なくとも一方が、所定期間において略一定値となる定常状態に移行した場合には、当該略一定値となった前記変圧器電圧変化率、または前記変圧器電圧変化率の1周期平均値のいずれか一方を基準値として同一の値に設定するとともに、該基準値をx倍(x>1を満たす実数)した値を、前記第1の閾値および前記第2の閾値として設定し直すことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の位相制御開閉装置。
 電力系統と変圧器との間に接続され、該変圧器の遮断および励磁を行うために開閉制御される遮断器と、前記遮断器と前記変圧器との間の各相電圧を計測する電圧計測部と、前記電圧計測部が計測した変圧器電圧に基づいて前記変圧器に残留する残留磁束を演算する残留磁束演算処理部と、前記残留磁束演算処理部が演算した残留磁束に基づいて前記遮断器の開閉タイミングを制御する制御部と、を備えた位相制御開閉装置における開閉極制御方法であって、
 前記残留磁束演算処理部は、
 前記電圧計測部によって計測された各相電圧を時間微分して得られる各相ごとの変圧器電圧変化率を検出する第1のステップと、
 前記遮断器の開閉状態を判定する第2のステップと、
 前記第2ステップによって前記遮断器が開極状態であると判定された場合に、前記第1ステップによって検出された変圧器電圧変化率に基づいて前記残留磁束を再計算する否かを判定する第3ステップと、
 前記第3ステップによって前記残留磁束の再計算が必要と判定されたときに、該再計算された残留磁束を新たな残留磁束として設定する第4ステップと、
 を含むことを特徴とする位相制御開閉装置における開閉極制御方法。
 電力系統と変圧器との間に接続され、該変圧器の遮断および励磁を行うために開閉制御される遮断器と、前記遮断器と前記変圧器との間の各相電圧を計測する電圧計測部と、前記電圧計測部が計測した変圧器電圧に基づいて前記変圧器に残留する残留磁束を演算する残留磁束演算処理部と、前記残留磁束演算処理部が演算した残留磁束に基づいて前記遮断器の開閉タイミングを制御する制御部と、を備えた位相制御開閉装置における開閉極制御方法であって、
 前記残留磁束演算処理部は、
 前記電圧計測部によって計測された各相電圧を時間微分して得られる各相ごとの変圧器電圧変化率の1周期平均値を検出する第1のステップと、
 前記第1のステップによって算出された変圧器電圧変化率の1周期平均値および所定第1の閾値に基づいて前記遮断器の開閉状態を閾値判定する第2のステップと、
 前記第2ステップによって前記遮断器が開極状態であると判定された場合に、前記第1ステップによって検出された変圧器電圧変化率の1周期平均値および前記所定第1の閾値とは異なる所定第2の閾値に基づいて前記残留磁束を再計算する否かを閾値判定する第3ステップと、
 前記第3ステップによって前記残留磁束の再計算が必要と判定されたときに、該再計算された残留磁束を新たな残留磁束として設定する第4ステップと、
 を含むことを特徴とする位相制御開閉装置における開閉極制御方法。
 前記残留磁束演算処理部は、
 前記第1のステップによって検出された変圧器電圧変化率、または第1のステップによって検出された変圧器電圧変化率の1周期平均値の少なくとも一方が、所定期間において略一定値となる定常状態に移行した場合には、当該略一定値となった前記変圧器電圧変化率、または前記変圧器電圧変化率の1周期平均値のいずれか一方を基準値として設定するステップと、
 前記基準値をx倍(x>1を満たす実数)した値を、前記第1の閾値および前記第2の閾値として同一の値に設定し直すステップと、
 を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の位相制御開閉装置における開閉極制御方法。
Description:
位相制御開閉装置および位相制 開閉装置における開閉極制御方法

 本発明は、遮断器などの電力用開閉機器 介して電力系統に接続された変圧器におけ 過渡的な励磁突入電流の発生を抑制する位 制御開閉装置および位相制御開閉装置にお る開閉極制御方法に関するものである。

 従来、遮断器を介して電力系統に接続さ た三相変圧器において、三相変圧器の遮断 序に基づいて変圧器各相の残留磁束を予測 るとともに、その予測残留磁束に応じた最 なタイミングで遮断器を閉極動作させるこ により、過渡的な電圧、電流の発生を最小 に抑制するようにした位相制御開閉装置が った(例えば下記特許文献1)。

 また、遮断器が開極指令を受けた場合に この開極指令をトリガにして、開極指令を けた前後の各相の遮断器の変圧器側に設け れた電圧計測部より計測された電圧値に基 いて変圧器各相の残留磁束を計算するとと に、その残留磁束に応じた最適なタイミン で遮断器を閉極動作させることにより、過 的な電圧、電流の発生を最小限に抑制する うにした位相制御開閉装置があった(例えば 下記特許文献2)。

特開2001-218354号公報(図1、図4等)

特開2005-204368号公報(図1、図2等)

 上記した従来の位相制御開閉装置は、三 変圧器を遮断した時の残留磁束のみに着目 て遮断器の閉極位相を制御している。しか ながら、変圧器用遮断器が極間コンデンサ 装備している場合には、たとえ変圧器用遮 器が開放状態であっても、例えば系統事故 が発生して電源電圧に大きな変動が生じた きに、極間コンデンサを介して変圧器電圧 よび変圧器磁束が変動することがあった。 のため、従来の位相制御開閉装置では、遮 時に予測した残留磁束に応じた最適なタイ ングで遮断器を閉極動作させても、過渡的 電圧、電流の発生を最小限に抑制できない 合があるという問題点があった。

 本発明は、上記に鑑みてなされたもので って、変圧器用遮断器が極間コンデンサを 備したものであっても、遮断器投入時にお る励磁突入電流の発生を抑制可能とする閉 位相制御装置および位相制御開閉装置にお る開閉極制御方法を提供することを目的と る。

 上述した課題を解決し、目的を達成する め、本発明にかかる位相制御開閉装置は、 力系統と変圧器との間に接続され、該変圧 の遮断および励磁を行うために開閉制御さ る遮断器と、前記遮断器と前記変圧器との の各相電圧を計測する電圧計測部と、前記 圧計測部が計測した変圧器電圧に基づいて 記変圧器に残留する残留磁束を検出する残 磁束検出部を含む残留磁束演算処理部と、 記残留磁束検出部が検出した残留磁束に基 いて前記遮断器の開閉タイミングを制御す 制御部と、を備えた位相制御開閉装置にお て、前記残留磁束演算処理部は、前記電圧 測部によって計測された各相電圧を時間微 して得られる各相ごとの変圧器電圧変化率 検出する電圧変化率検出部と、前記遮断器 開閉状態を検出する遮断器開閉状態識別部 、を備え、前記残留磁束検出部は、前記遮 器開閉状態識別部によって前記遮断器が開 状態にあると識別されている期間に、前記 圧変化率検出部が検出した変圧器電圧変化 に基づいて前記残留磁束を再計算する否か 判定し、再計算を行ったときの残留磁束を たな残留磁束として設定することを特徴と る。

 本発明にかかる位相制御開閉装置によれ 、電圧計測部によって計測された各相電圧 時間微分して得られる各相ごとの変圧器電 変化率が検出され、遮断器が開極状態であ と判定された場合に、電圧変化率検出部が 出した変圧器電圧変化率に基づいて残留磁 を再計算する否かが判定され、残留磁束の 計算が必要と判定されたときに、再計算さ た残留磁束を新たな残留磁束として設定す ようにしているので、電力系統に接続され 変圧器における過渡的な励磁突入電流の発 を抑制することができるという効果が得ら る。

図1は、本発明の実施の形態1にかかる 相制御開閉装置の主要部の構成を示す図で る。 図2は、実施の形態1にかかる残留磁束 算処理を説明するためのフローチャートで る。 図3は、実施の形態1にかかる残留磁束 算処理の説明に必要な要部波形図である。 図4は、図3に示した変圧器磁束波形上 部分拡大図である。 図5は、本発明の実施の形態2にかかる 相制御開閉装置の主要部の構成を示す図で る。 図6は、実施の形態2にかかる残留磁束 算処理を説明するためのフローチャートで る。 図7は、実施の形態2にかかる残留磁束 算処理の説明に必要な要部波形図である。

符号の説明

 10 遮断器
 12 接触子
 20 極間コンデンサ
 30 変圧器
 35 電圧計測部
 50a,50b 残留磁束演算処理部
 51 遮断器開閉状態識別部
 52a,52b 電圧変化率検出部
 53 残留磁束検出部
 55 演算・動作制御部

 以下に、本発明にかかる位相制御開閉装 の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細 説明する。なお、以下の実施の形態により 発明が限定されるものではない。

実施の形態1.
(装置の構成)
 図1は、本発明の実施の形態1にかかる位相 御開閉装置の主要部の構成を示す図である 同図に示す位相制御開閉装置は、遮断器10、 演算・動作制御部55、残留磁束演算処理部50a 備えて構成される。三相開閉装置である遮 器10は、同図左方側に示される変圧器30と同 図右方側に示される電力系統ライン(R相,S相,T 相)との間に接続されている。遮断器10は、各 相毎に独立して開閉動作可能な接触子12と、 触子12の極間に設けられた極間コンデンサ20 とを具備している。遮断器10の変圧器30側に 、各相の電圧を計測する電圧計測部35が設け られている。

 残留磁束演算処理部50aは、変圧器30に残 する磁束量(以下「残留磁束」という)の演算 機能を有する構成部であり、電圧計測部35の 力に基づいて変圧器電圧の変化率を検出す 電圧変化率検出部52aと、電圧計測部35が計 した変圧器電圧に基づいて変圧器30の残留磁 束を検出する残留磁束検出部53と、遮断器10 ら残留磁束演算処理部50aに対して入力され 開閉極接点信号(開閉極補助接点信号等でも わない)に基づいて動作する遮断器開閉状態 識別部51と、を備えて構成される。演算・動 制御部55は、残留磁束演算処理部50aが演算 た残留磁束に基づいて遮断器10に対する開閉 タイミングなどを制御する機能を有する構成 部である。なお、これらの残留磁束演算処理 部50aおよび演算・動作制御部55は、例えばマ コンや制御プロセッサ等を用いて個々に、 るいは一体的に構成することができる。

(装置の動作)
 つぎに、図1に示した位相制御開閉装置の動 作について図1~図4の各図面を参照して説明す る。ここで、図2は、実施の形態1にかかる残 磁束演算処理を説明するためのフローチャ トであり、図3は、実施の形態1にかかる残 磁束演算処理の説明に必要な要部波形図で り、図4は、図3に示した変圧器磁束波形上の 部分拡大図である。なお、実際の動作は各相 毎に行われるが、説明の簡素化のため、一相 分の動作説明のみを行い、他2相の動作説明 ついては省略する。

 まず、図3に示す各部の波形について説明 する。図3(c)は電圧計測部35から出力された変 圧器電圧を示す波形であり、図3(d)は電圧計 部35から出力され、残留磁束検出部53に取り まれた変圧器電圧を時間積分して得られた 圧器磁束を示す波形であり、図3(e)は電圧計 測部35から出力され、電圧変化率検出部52aに り込まれた変圧器電圧を時間微分して得ら た変圧器電圧変化率(dv/dt)を示す波形である 。また、図3(f)は、遮断器10から遮断器開閉状 態識別部51に出力される各相の開閉極接点信 、つまり遮断器10の開閉極状態を示す波形 である。なお、本実施の形態の位相制御開 装置にかかる動作理解を容易とするため、 えば電力系統側にて地絡事故が発生した場 を想定し、地絡事故が発生した場合の系統 圧および事故電流の各波形を、それぞれ図3( a)および図3(b)として示している。

 つぎに、残留磁束演算処理部50aの動作に いて、図2のフローチャートを中心に説明す る。

 まず、電圧計測部35は、変圧器電圧をモ タし(ステップS101)、モニタされた電圧は、 留磁束演算処理部50a内の所定メモリ(図示省 )に蓄積される(ステップS102)。遮断器開閉状 態識別部51は、遮断器10から出力される開閉 接点信号または開閉極補助接点信号のオン/ フ信号に基づいて遮断器10が開極状態であ か否か判定する(ステップS103)。

 遮断器10が開極状態ではない場合、つま 遮断器10が閉極状態の場合には(ステップS103, No)、ステップS108に移行し、上述したステッ S101,S102と同様に、変圧器電圧のモニタ(ステ プS108)およびモニタ電圧のメモリへの蓄積 理(ステップS109)が継続されるとともに、本 テップS103の判定処理が実行される。また、 断器10が開極状態に移行した場合には(ステ プS103,Yes、遮断器開局時刻A(図2(f)参照))、残 留磁束検出部53は、変圧器磁束(残留磁束)を 算する(ステップS104)。なお、残留磁束を計 するためのデータ幅(残留磁束計算期間(図3 照))は任意であり、残留磁束の計算は、遮断 器開局時刻A前後の所定期間におけるメモリ 積データに基づいて行われる。また、計算 れた残留磁束は、次回遮断器投入時におい 、励磁突入電流が最小となるような最適投 時刻を決定するための制御データとしてメ リに記憶される。

 ここで、電力系統側で地絡事故が発生し 図3(b)に示すような事故電流が流れた場合を 考える。この場合、たとえ遮断器10が開極状 であっても、事故発生から事故電流遮断後 しばらくの期間は、図3(a)に示すような系統 電圧に大きな変動が発生して、図3(c)に示す うな遮断器10の極間コンデンサ20(図1参照)を した変圧器電圧の変動および図3(d)に示すよ うな変圧器磁束の変動が生ずる。例えば、図 4は、事故発生から事故電流遮断後の所定期 (P部)における変圧器磁束の拡大波形を示し いるが、事故電流遮断前後において、変圧 磁束のピーク値は、約70%低下(0.30PU→0.22PU)し ており、変圧器磁束の大きな変動が生じてい る。そこで、この変圧器電圧の変動を検出し て、常に最新の変圧器磁束を残留磁束値とし て記憶しておくための処理として、以下のス テップS105~S107の処理が行われる。

 すなわち、電圧変化率検出部52は、無負 変圧器遮断時の各相の残留磁束の計算が完 した時刻以降に電圧計測部35より計測された 電圧値を時間微分して得られる変圧器電圧変 化率(dv/dt)を算出するとともに(ステップS105) 電圧変化率(dv/dt)が予め定められた閾値を超 たか否か検出する(ステップS106)。このとき 電圧変化率(dv/dt)が閾値を超えた時刻も併せ て検出される(図2(f)の検出時刻B)。電圧変化 (dv/dt)が予め定められた閾値を超えている場 には(ステップS106,Yes)、その検出時刻が残留 磁束検出部53に伝達され、残留磁束検出部53 、当該検出時刻前後の変圧器電圧に基づい 各相の残留磁束を再計算するとともに、再 算した残留磁束値を新たな残留磁束値とし メモリに記憶する(ステップS107)。一方、電 変化率(dv/dt)が予め定められた閾値を超えて ない場合には(ステップS106,No)、残留磁束の 計算処理(ステップS107)を行わずにステップS 108に移行する。

 上記のように、この実施の形態の位相制 開閉装置によれば、残留磁束演算処理部は 変圧器電圧の変化率(dv/dt)が予め設定した閾 値を超えたか否かを検出し、当該変化率(dv/dt )が閾値を超えた場合に、変圧器の各相にお る残留磁束を再計算するようにしているの 、変圧器用遮断器が極間コンデンサを装備 たものであっても、遮断器投入時における 磁突入電流の抑制が可能となる。

 なお、上記図2のフローでは、遮断器が開 極状態に移行した後に、変圧器電圧変化率(dv /dt)を算出するようにしているが、遮断器が 極状態にあるか否かに関わらず、変圧器電 変化率(dv/dt)を算出するようにしてもよい。

実施の形態2.
(装置の構成)
 図5は、本発明の実施の形態2にかかる位相 御開閉装置の主要部の構成を示す図である 同図に示す位相制御開閉装置は、遮断器10、 演算・動作制御部55、残留磁束演算処理部50b 備えて構成される。同図において、実施の 態2にかかる位相制御開閉装置の残留磁束演 算処理部50bでは、図1に示す実施の形態1の構 から、遮断器開閉状態識別部51を省略する ともに、実施の形態1とは異なる機能を有す 電圧変化率検出部52bを備える構成としたも である。すなわち、本実施の形態にかかる 留磁束演算処理部50bは、遮断器10から入力 れていた開閉極接点信号を必要としない構 としている。なお、その他の構成について 、実施の形態1の構成と同一あるいは同等で り、それらの各構成部には同一符号を付し 示し、その説明を省略する。

(装置の動作)
 つぎに、図5に示した位相制御開閉装置の動 作について図5~図7の各図面を参照して説明す る。ここで、図6は、実施の形態2にかかる残 磁束演算処理を説明するためのフローチャ トであり、図7は、実施の形態2にかかる残 磁束演算処理の説明に必要な要部波形図で る。なお、実際の動作は各相毎に行われる 、説明の簡素化のため、一相分の動作説明 みを行い、他2相の動作説明については省略 る。

 まず、図7に示す各部の波形について説明 する。図7(c)は電圧計測部35から出力された変 圧器電圧を示す波形であり、図7(d)は電圧計 部35から出力され、残留磁束検出部53に取り まれた変圧器電圧を時間積分して得られた 圧器磁束を示す波形であり、図7(e)は電圧計 測部35から出力され、電圧変化率検出部52aに り込まれた変圧器電圧を時間微分して得ら た変圧器電圧変化率(dv/dt)の1周期間の平均 を示す波形である。図3(e)に示す波形が変圧 電圧変化率(dv/dt)であるのに対し、図7(e)に す波形が変圧器電圧変化率(dv/dt)の1周期間の 平均値である点が相違している。なお、本実 施の形態の位相制御開閉装置にかかる動作理 解を容易とするため、例えば電力系統側にて 地絡事故が発生した場合を想定し、地絡事故 が発生した場合の系統電圧および事故電流の 各波形を、それぞれ図7(a)および図7(b)として している。

 つぎに、残留磁束演算処理部50bの動作に いて、図6のフローチャートを中心に説明す る。

 まず、電圧計測部35は、変圧器電圧をモ タし(ステップS201)、モニタされた電圧は、 留磁束演算処理部50a内の所定メモリ(図示省 )に蓄積される(ステップS202)。電圧変化率検 出部52は、電圧計測部35より計測された電圧 を時間微分して得られる変圧器電圧変化率(d v/dt)および、その1周期期間の平均値(以下、[A VG(dv/dt)]と表記)を算出するとともに(ステップ S203,S204)、[AVG(dv/dt)]が予め定められた閾値1(第 1の閾値)を超えたか否か検出する(ステップS20 5)。

 [AVG(dv/dt)]が閾値1を超えていない場合には (ステップS205,No)、遮断器10が閉極状態にはな と判定され、ステップS201の処理に戻り、上 述したステップS201~S205の処理が継続される。 一方、[AVG(dv/dt)]が閾値1を超えている場合に (ステップS205,Yes)、遮断器10が開極状態に移 したと判定され(検出時刻C(図7(e)参照))、残 磁束検出部53は、変圧器磁束(残留磁束)を計 する(ステップS206)。なお、残留磁束を計算 るためのデータ幅(残留磁束計算期間(図7参 ))は任意であり、残留磁束の計算は、検出 刻C前後の所定期間におけるメモリ蓄積デー に基づいて行われる。また、計算された残 磁束は、次回遮断器投入時において、励磁 入電流が最小となるような最適投入時刻を 定するための制御データとしてメモリに記 される。

 ここで、電力系統側で地絡事故が発生し 図7(b)に示すような事故電流が流れた場合を 考える。この場合、たとえ遮断器10が開極状 であっても、事故発生から事故電流遮断後 しばらくの期間は、図7(a)に示すような系統 電圧に大きな変動が発生して、図7(c)に示す うな遮断器10の極間コンデンサ20(図5参照)を した変圧器電圧の変動および図7(d)に示すよ うな変圧器磁束の変動が生ずる。例えば、図 4で説明したように、変圧器磁束のピーク値 、約70%低下(0.30PU→0.22PU)しており、変圧器磁 束の大きな変動が生じている。そこで、この 変圧器電圧の変動を検出して、常に最新の変 圧器磁束を残留磁束値として記憶しておくた めの処理として、以下のステップS207~S212の処 理が行われる。

 すなわち、電圧変化率検出部52は、[AVG(dv/ dt)]が予め定められた閾値2(第2の閾値)を超え か否か検出する(ステップS207)。[AVG(dv/dt)]が 値2を超えている場合には(ステップS207,Yes) その検出時刻(検出時刻D(図7(e)参照)が残留磁 束検出部53に伝達され、残留磁束検出部53は 当該検出時刻前後の変圧器電圧に基づいて 相の残留磁束を再計算するとともに、再計 した残留磁束値を新たな残留磁束値として モリに記憶する(ステップS208)。一方、[AVG(dv/ dt)]が閾値2を超えていない場合には(ステップ S207,No)、残留磁束の再計算処理(ステップS107) 行わずにステップS209に移行し、上述したス テップS201~S204と同様に、変圧器電圧のモニタ (ステップS209)、モニタ電圧のメモリへの蓄積 処理(ステップS210)、変圧器電圧の算出処理( テップS209)、[AVG(dv/dt)]の算出処理、および本 ステップS207の判定処理が継続して行われる

 上記のように、この実施の形態の位相制 開閉装置によれば、残留磁束演算処理部は 変圧器電圧の変化率(dv/dt)の平均値([AVG(dv/dt) ])が予め設定した閾値1を超えたか否かを検出 し、当該[AVG(dv/dt)]が閾値1を超えた場合に遮 器が開極状態に移行したと判定するととも 、さらに当該[AVG(dv/dt)]が閾値2を超えた場合 、変圧器の各相における残留磁束を再計算 るようにしているので、変圧器用遮断器が 間コンデンサを装備したものであっても、 断器投入時における励磁突入電流の抑制が 能となる。

 また、この実施の形態の位相制御開閉装 では、実施の形態1とは異なり、遮断器10か の開閉極接点信号または開閉極補助接点信 のオン/オフ信号を必要としないので、装置 の構成を簡素化することができる。

 なお、閾値1および閾値2は、それぞれ独 に設定することができる。例えば、閾値1は 遮断器の閉極状態おける[AVG(dv/dt)]として予 される振幅値をm倍(m>1を満たす実数)した として設定することができ、閾値2は、遮断 器の開極状態おける[AVG(dv/dt)]として予想され る振幅値をn倍(n>1を満たす実数)した値とし て設定することができる。

 一方、(dv/dt)の振幅値と[AVG(dv/dt)]の振幅値 とが、ある期間継続して略一定値となる定常 状態になった場合には、これらの略一定とな る振幅値を基準値として設定するとともに、 この基準値をx倍(x>1を満たす実数)した値を 、閾値1および閾値2として設定しなおすこと できる。なお、閾値1および閾値2を同一の に設定することにより、所定の検出精度を 持しつつ、検出感度を向上させることがで る。

 また、この実施の形態では、遮断器が開 状態あるか否かの判定および残留磁束を再 算するか否かの判定を、変圧器電圧変化率( dv/dt)の1周期平均値に基づいて判定するよう しているが、実施の形態1と同様に変圧器電 変化率(dv/dt)を用いて判定するようにしても よい。ただし、変圧器電圧変化率(dv/dt)を用 て判定する場合には、遮断器が開極状態あ か否かを判定するためのマージンが小さい で、第1の閾値を適切な値のものに設定する 要がある。

 なお、遮断器が開極状態あるか否かの判 に変圧器電圧変化率(dv/dt)の1周期平均値を いる一方で、残留磁束を再計算するか否か 判定に変圧器電圧変化率(dv/dt)を用いるよう 判定手法を用いることも可能である。また 遮断器が開極状態あるか否かの判定に変圧 磁束の変化率を用いて判定することも可能 ある。

 また、変圧器電圧変化率(dv/dt)または変圧 器電圧変化率の1周期平均値[AVG(dv/dt)]の少な とも一方が、所定期間において略一定値と る定常状態に移行した場合には、当該略一 値となった(dv/dt)または[AVG(dv/dt)]を基準値と て設定するとともに、この基準値をx倍(x> 1を満たす実数)した値を、閾値1および閾値2 して同一の値に設定し直すようにしてもよ 。この場合、図6の処理フローに代えて図2の 処理フローを行えばよく、また、閾値判定処 理では当該略一定値となった(dv/dt)または[AVG( dv/dt)]のいずれか一方を用いればよい。例え (dv/dt)を用いる場合には、図2に示す処理フロ ーを実施すればよい。また、[AVG(dv/dt)]を用い る場合には、図2のステップS105の処理の際に 変圧器電圧変化率の1周期平均値[AVG(dv/dt)]を 算出するとともに、ステップS106において、 出した[AVG(dv/dt)]による閾値判定処理を行え よい。

 以上のように、本発明にかかる位相制御 閉装置および位相制御開閉装置における開 極制御方法は、遮断器などの電力用開閉機 を介して電力系統に接続された変圧器に対 、過渡的な励磁突入電流の発生を抑制する とができる発明として有用である。