渡邉恵理子 (〒12 埼玉県川口市本町4丁目1番8号独立行政法人科学技術振興機構内 Saitama, 33200, JP)
独立行政法人科学技術振興機構 (〒12 埼玉県川口市本町4丁目1番8号 Saitama, 33200, JP)
WATANABE, Eriko (1-8 Honcho 4-chome, Kawaguchi-sh, Saitama 12, 33200, JP)
| 光に位相変化を与える位相物体を識別するための位相物体識別装置であって、 光源と、 識別対象の位相物体を保持する試料保持手段と、 参照光と既知の位相物体によって位相が変調された物体光との干渉により形成されたホログラムが記録されたホログラフィック記録媒体と、 光検出器とを有し、 前記光源から射出された光の位相を前記識別対象の位相物体によって変調して試料光を生成し、前記試料光を前記ホログラフィック記録媒体の前記ホログラムに照射し、前記ホログラフィック記録媒体の前記ホログラムから再生された再生光を前記光検出器によって検出することを特徴とする位相物体識別装置。 |
| 前記識別対象の位相物体の実像が入射瞳面に位置するように配置された対物レンズによって、前記試料光を前記ホログラフィック記録媒体の前記ホログラムに照射することを特徴とする請求項1に記載の位相物体識別装置。 |
| 前記ホログラフィック記録媒体には、複数の既知の位相物体によって形成された複数のホログラムが記録されており、 前記ホログラフィック記録媒体における前記試料光の照射位置を移動させる照射位置移動手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の位相物体識別装置。 |
| 前記試料保持手段に保持された識別対象の位相物体を観察する観察光学系を有し、 前記観察光学系は、試料側対物レンズと、結像レンズまたは接眼レンズとを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の位相物体識別装置。 |
| 前記試料保持手段は、保持された識別対象の位相物体を前記観察光学系によって観察するために、光軸方向に識別対象の位相物体を移動させる焦点調節手段または光軸に対して直交する平面方向に識別対象の位相物体を移動させる試料位置調整手段を有することを特徴とする請求項4に記載の位相物体識別装置。 |
| 前記試料保持手段に複数の識別対象の位相物体を順次搬送する試料搬送手段を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の位相物体識別装置。 |
| 前記識別対象の位相物体は、生体細胞または細菌であり、生体細胞または細菌内の細胞核の有無を識別することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の位相物体識別装置。 |
| 前記既知の位相物体は、規格の範囲内の標本であり、前記識別対象の位相物体が規格に該当するか否かを識別することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の位相物体識別装置。 |
| 参照光を生成する参照光生成手段を有し、 前記試料保持手段は既知の位相物体を保持することができ、 前記光源から射出された光の位相を前記既知の位相物体によって変調して物体光を生成し、前記参照光生成手段によって参照光を生成し、前記物体光及び前記参照光を前記ホログラフィック記録媒体に照射し、前記物体光と前記参照光との干渉により形成されたホログラムを前記ホログラフィック記録媒体に記録することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の位相物体識別装置。 |
| 前記参照光生成手段は、前記試料保持手段に形成された開口であることを特徴とする請求項9に記載の位相物体識別装置。 |
| 光に位相変化を与える位相物体を識別するための位相物体識別方法であって、 光源から射出された光の位相を識別対象の位相物体によって変調して試料光を生成し、 参照光と既知の位相物体によって位相が変調された物体光との干渉により形成されたホログラムが記録されたホログラフィック記録媒体に前記試料光を照射し、 前記ホログラフィック記録媒体の前記ホログラムから再生された再生光を光検出器によって検出し、 前記光検出器によって検出された前記再生光の強度がしきい値よりも大きい場合は、前記識別対象の位相物体が、前記既知の位相物体と相関があると識別し、前記再生光の強度がしきい値よりも小さい場合は、前記識別対象の位相物体が、前記既知の位相物体と相関がないと識別することを特徴とする位相物体識別方法。 |
本発明は、光に位相変化を与える物体(以 下「位相物体」という)を識別する位相物体 別装置及び方法に関し、特にホログラフィ 用いて識別対象の位相物体を識別する位相 体識別装置及び方法に関するものであり、 た位相物体識別装置及び方法を用いた新た 用途にも関するものである。
最も簡便な物体の観察手法は、肉眼によ 観察であるが、肉眼は、光の強度変化を検 するものであるから、光の強度を変化させ い物体や変化が小さい物体の観察には適し いない。この点は、一般的な写真や撮像素 も、光の強度変化を検出するものであるか 同じである。例えば、生体細胞、細菌、グ ーティング、導波路、物体表面の微小な段 、同一色の構造物等は、光の強度を変化さ ない又はその変化の程度が小さいため、形 の観察が難しかった。特に、生体細胞は、 くの細胞内構成物が透明で無色のため、そ 形状及び細胞内構成物を観察することが非 に困難であった。
このため、従来では、生体細胞に前処理 施して染色し、その形状を可視化したり、 色の度合いによって各細胞内構成物を特定 たりしていた。生体細胞であれば、染色す ことで可視化できるが、対象によっては、 色の技法が利用できない場合もある。また 染色の前処理は、生体細胞の固定化などに 間が必要であり、簡便な観察手法ではなか た。さらに、染色することにより、生体細 が死んでしまったり、変質してしまうこと あり、本来の状態の生体細胞を観察できず また、その後の試料の利用が制限されてし うという問題があった。
ところで、光の強度を変化させない物体で
っても、屈折率や光路差の違いにより、光
位相を変化させる場合が多い。上で述べた
体細胞、細菌、グレーティング、導波路、
体表面の微小な段差、同一色の構造物等も
光の位相を変調させる位相物体の一つであ
。このような位相物体の場合、位相差顕微
、微分干渉顕微鏡などによって、相対的な
相情報を強度に変換して観察することが可
である。また、非特許文献1に記載のように
、位相物体の絶対的な位相情報を計測する技
術も研究開発されている。非特許文献1では
マッハツェンダー型干渉計に閉ループフィ
ドバック技術を導入し、無色透明な位相物
の微小領域の位相変化を高精度に測定でき
位相計測システムによって、位相物体の全
を走査することで、無色透明な位相物体の
対的な位相情報を計測している。
近年、胚性幹細胞(Embryonic Stem cell:ES細胞 )の発見により、更なる再生医療の可能性が がり、様々な研究開発が活発に行われてい 。ES細胞は、動物の初期胚から樹立される多 能性幹細胞であり、すべての細胞へと分化す る可能性のある細胞である。そして、ES細胞 、分化多能性を維持したまま培養、増殖さ ることができるので、目的とする細胞、器 、組織を作り出して治療に利用することが 待されている。皮膚移植や骨髄移植、臓器 植といった生きた細胞を使った細胞移植に 、ドナー不足や拒絶反応といった大きな問 があるが、ES細胞の発見により解決の兆し 見えている。
また、病変部より採取、培養した細胞を 微鏡で観察し、異常細胞、ガン細胞等を検 することにより、病変の有無や病変部の診 を行う細胞診断は、比較的容易で患者の負 も少ないため頻繁に行われている。
これらの細胞培養技術において、核の有 が重要となる。つまり、最初に細胞内に核 なければ細胞分裂は起こらず、細胞を作り すことができない。このため、細胞内の核 有無を検査する必要があった。上で述べた うに、染色した細胞の観察は、時間がかか こと及び生体細胞が死んでしまったり、変 してしまうため、検査に向いていない。ま 、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡などによ 観察は、生きた細胞を観察できるが、肉眼 よる検査であり、観察者の技量や経験によ 、検査の精度が大きく左右される。位相計 システムによって計測する場合は、計測に 間がかかるという問題があった。
本発明は、従来の位相物体の観察方法ま は計測方法とは全く異なる方法で、位相物 を識別できる位相物体識別装置及び方法を 供することを目的とする。また位相物体識 装置及び方法を用いた新たな用途を提供す ことも目的とする。かかる用途の一つとし 、上で述べた生体細胞の核の検査装置及び 査方法を提供することを目的の一つとする
上記問題を解決するため、本発明の光に 相変化を与える位相物体を識別するための 相物体識別装置は、光源と、識別対象の位 物体を保持する試料保持手段と、参照光と 知の位相物体によって位相が変調された物 光との干渉により形成されたホログラムが 録されたホログラフィック記録媒体と、光 出器とを有し、前記光源から射出された光 位相を前記識別対象の位相物体によって変 して試料光を生成し、前記試料光を前記ホ グラフィック記録媒体の前記ホログラムに 射し、前記ホログラフィック記録媒体の前 ホログラムから再生された再生光を前記光 出器によって検出することを特徴とする。
また、上記位相物体識別装置において、 記識別対象の位相物体の実像が入射瞳面に 置するように配置された対物レンズによっ 、前記試料光を前記ホログラフィック記録 体の前記ホログラムに照射することが好ま い。
また、上記位相物体識別装置において、 記ホログラフィック記録媒体には、複数の 知の位相物体によって形成された複数のホ グラムが記録されており、前記ホログラフ ック記録媒体における前記試料光の照射位 を移動させる照射位置移動手段を有するこ が好ましい。
また、上記位相物体識別装置において、 記試料保持手段に保持された識別対象の位 物体を観察する観察光学系を有し、前記観 光学系は、試料側対物レンズと、結像レン または接眼レンズとを有することが好まし 。さらに、前記試料保持手段は、保持され 識別対象の位相物体を前記観察光学系によ て観察するために、光軸方向に識別対象の 相物体を移動させる焦点調節手段または光 に対して直交する平面方向に識別対象の位 物体を移動させる試料位置調整手段を有す ことが好ましい。
また、上記位相物体識別装置において、 記試料保持手段に複数の識別対象の位相物 を順次搬送する試料搬送手段を有していて よい。
また、上記位相物体識別装置において、 記識別対象の位相物体は、生体細胞または 菌であり、生体細胞または細菌内の細胞核 有無を識別してもよいし、前記既知の位相 体は、規格の範囲内の標本であり、前記識 対象の位相物体が規格に該当するか否かを 別してもよい。
また、上記位相物体識別装置において、 照光を生成する参照光生成手段を有し、前 試料保持手段は既知の位相物体を保持する とができ、前記光源から射出された光の位 を前記既知の位相物体によって変調して物 光を生成し、前記参照光生成手段によって 照光を生成し、前記物体光及び前記参照光 前記ホログラフィック記録媒体に照射し、 記物体光と前記参照光との干渉により形成 れたホログラムを前記ホログラフィック記 媒体に記録することが好ましい。さらに、 記参照光生成手段は、前記試料保持手段に 成された開口であってもよい。
本発明の位相物体識別方法は、光に位相 化を与える位相物体を識別するための位相 体識別方法であって、光源から射出された の位相を識別対象の位相物体によって変調 て試料光を生成し、参照光と既知の位相物 によって位相が変調された物体光との干渉 より形成されたホログラムが記録されたホ グラフィック記録媒体に前記試料光を照射 、前記ホログラフィック記録媒体の前記ホ グラムから再生された再生光を光検出器に って検出し、前記光検出器によって検出さ た前記再生光の強度がしきい値よりも大き 場合は、前記識別対象の位相物体が、前記 知の位相物体と相関があると識別し、前記 生光の強度がしきい値よりも小さい場合は 前記識別対象の位相物体が、前記既知の位 物体と相関がないと識別することを特徴と る。
本発明の位相物体識別装置及び方法では 識別対象の位相物体による光の位相変化を の強度変化に変換することにより位相物体 位相変調パターンそれ自体を識別していた 来技術とは本質的に技術思想が異なり、既 の位相物体との相関を検出して識別対象の 相物体を識別するものである。さらに、本 明の位相物体識別装置及び方法では、ホロ ラフィを利用した光相関演算によって、識 対象の位相物体との相関を検出する点にも きな特徴がある。
ホログラフィは、光の振幅(強度)と位相 記録できる技術であり、既知の位相物体の 相情報をそのままホログラムとして記録す ことが可能である。すなわち、既知の位相 体によって位相が変調された物体光と、参 光とを記録媒体のホログラム記録層で重な ように照射することにより、物体光と参照 との干渉により形成されたホログラムによ て、ホログラム記録層内の感光性材料に光 応を生じさせ、ホログラム記録層にホログ ムを定着させることができる。
こうして記録された記録媒体のホログラ に対し、当該既知の位相物体によって位相 変調された物体光を記録時と同じ条件で照 すると、物体光がホログラムによって回折 れて参照光に相当する再生光が発生する。 らに、かかるホログラムは、当該既知の位 物体ではなく、これと相関のある位相物体 よって位相が変調された光が記録時と同じ 件で照射されても、その光と干渉し、相関 (類似の程度)に応じて再生光が発生する特 がある。したがって、再生光の有無を検出 ることにより、識別対象の位相物体と既知 位相物体との相関の有無を識別することが きる。つまり、記録時と同じ条件で試料光 照射してホログラムから再生光が発生しな れば、識別対象の位相物体が既知の位相物 と相関のないものであると識別することが き、再生光が発生すれば、識別対象の位相 体が既知の位相物体と相関のあるものであ と識別することができる。さらに、再生光 強度も検出することにより、相関の程度も 別することが可能である。その他の本発明 位相物体識別装置及び位相物体識別方法の 果については、以下の実施の形態において 載する。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照 て説明するが、本発明は下記例に限定され ものではない。図1(A)は、本発明の位相物体 識別装置及び方法の基本原理を説明するため の模式図である。図1(A)において、位相物体 別装置1は、光源2と、識別対象の位相物体31( 以下、試料ともよぶ)が保持されている試料 持手段3と、ホログラム41が記録されたホロ ラフィック記録媒体4と、光検出器5とを有し ている。なお、図1(B)は、位相物体識別装置1 おけるホログラフィック記録媒体4にホログ ラム41を記録する記録装置6及び方法の基本原 理を説明するための模式図である。なお、本 明細書における各種のレンズには、単一のレ ンズも、複数のレンズが組み合わされたレン ズ群も含まれる。
光源2は、位相の揃ったコヒーレント光を 射出するものであり、光源2としてレーザー 源を利用することが好ましい。光源2から射 された光21は、図示しない光学系によって 試料31よりも大きな断面積を有する平面波に 加工される。
試料保持手段3は、位相物体識別装置1内 試料31を配置するためのものであり、試料31 応じた種々の保持手段を選択できる。例え 、単に試料31を試料保持手段3上に載置する けでもよいし、真空吸着や固定器具などに って試料保持手段3に固定してもよい。ゴミ や埃の付着を減らすためには、固定した試料 31を垂直方向に配置したり、試料保持手段3の 下面に配置したりすることが好ましい。また 、試料31は、クリップなどによって挟持して よいし、試料31が薄片状の場合は保持手段 設けられたスリットに挿嵌する構成等も採 できる。試料31をそのまま試料保持手段3に 持してもよいが、容器や取付け器具等の補 具を介して試料31を試料保持手段3に保持さ てもよい。たとえば、試料31を入れたマイク ロプレートやプレパラートを試料保持手段3 保持させてもよい。
識別対象の位相物体31は、少なくとも光 位相を変化させるものであればよく、光の 度を変化させないものでも、光の強度を変 させるものでもよい。例えば、識別対象の 相物体31としては、生体細胞、細菌、グレー ティング、導波路、物体表面の微小な段差、 同一色の構造物等を用いることができる。ま た、固体に限定されるものではなく、例えば 液晶の配向構造なども含まれる。
試料保持手段3及びそれに保持されている 試料31は、光源2から射出された光21の少なく も位相を変調して試料光22を生成する試料 生成手段となる。試料31は、少なくとも光の 位相を変調する位相物体であるが、さらに光 の強度を変調するものであってもよい。図1(A )のように、光源からの光21が試料31及び試料 持手段3を透過して試料光22を生成する透過 の試料光生成手段の場合には、少なくとも 料保持手段3の試料31が位置する部位は、光 遮光されないように構成されている必要が る。たとえば、試料保持手段3の試料31が位 する部位に透明な材料を使用したり、透明 容器や取付け器具に試料31を配置し、試料 持手段3で透明な容器や取付け器具を保持し 試料保持手段3の試料31が位置する部位を開 にすればよい。このような透過型の試料光 成手段における試料保持手段3は、後述する 記録装置6における物体光24及び参照光25を生 するためのマスクとして利用することもで る。なお、反射型の試料光生成手段とする 合は、試料保持手段3の表面を鏡面加工し、 試料31を透過した光を反射させて、試料光22 生成する。反射型の試料光生成手段の場合 、試料保持手段3に照射される光源からの光2 1と試料光22とを分離するビームスプリッタ等 の光学系が必要となる。
ホログラフィック記録媒体4は、参照光25 既知の位相物体によって位相が変調された 体光24との干渉により形成されたホログラ 41が記録されている(物体光24と参照光25は図1 (B)参照)。ホログラフィック記録媒体4として 、透過型と反射型とがあり、図1(A)では透過 型のホログラフィック記録媒体を示している 。図1(A)のホログラフィック記録媒体4は、一 の透光性の基板42及び44の間にホログラム記 録層43が挟持された構成である。ホログラフ ック記録媒体を反射型とする場合には、ホ グラフィック記録媒体に光が入射する面を として、ホログラム記録層43より裏側に反 層を設ければよい。例えば、図1(A)の基板44 表面または裏面に反射層を設ければ、反射 のホログラフィック記録媒体とすることが きる。
既知の位相物体としては、少なくとも一 の情報または特徴が判明している位相物体 ある。例えば、位相変調パターンが判明し いる位相物体や位相パターン、名称の判明 ている生体細胞や細菌、活性反応が判明し いる生体細胞や細菌、細胞核の位相パター 、規格の範囲内(寸法公差内)の位相物体(微 な段差を有する製品や同一色の構造物)の標 本、間隔が判明しているグレーティングなど が挙げられる。
試料光22が、ホログラフィック記録媒体4 ホログラム41に照射されると、試料光22とホ ログラム41との干渉の程度に応じて再生光23 再生する。再生光23は、ホログラム41を記録 る時に照射された参照光25に相当する光で り、再生光23の断面形状や進行方向は、参照 光25の断面形状や進行方向が反映される。干 の程度は、ホログラム41を記録した物体光 既知の位相物体と、識別対象の位相物体で る試料31との相関値(類似の程度)に対応する したがって、試料31が、既知の位相物体と じものであった場合には、自己相関である ら相関値は最高となり、強い再生光が再生 る。試料31が、既知の位相物体と異なるが類 似している場合は、類似の程度に応じた強度 の再生光が再生する。さらに、試料31が、既 の位相物体と全く異なる場合は再生光は再 しない。なお、ホログラフィック記録媒体4 を通過した試料光22(図1(A)では点線で示す)は 図示しないマスクまたは分離光学系によっ 遮光または再生光23と分離され、光検出器5 は到達しないようにされている。
光検出器5は、ホログラフィック記録媒体 4のホログラム41から再生された再生光23を検 するものであり、光強度を検出できること 好ましい。光検出器5として、光電子倍増管 (photomultiplier tube:PMT)やアバランシェフォトダ イオード(Avalanche Photo Diode)のような非常に 度の高い光検出素子、安価で小型な半導体 出器、例えばピンフォトダイオード、CMOSセ サ、CCDセンサ等を利用することができる。 生光23の断面形状が、光検出器5の受光領域 りも小さい場合は、光検出素子が一つの光 出器をそのまま利用することができるが、 検出器5の受光領域よりも大きい場合は、集 光レンズによって集光することで、光検出素 子が一つの光検出器を利用することができる 。また、光検出素子が複数の光検出器5を利 することもでき、全ての光検出素子の強度 総和することで再生光の光強度を検出する ともできる。再生光23の断面形状が光検出器 5の受光領域よりも小さい場合であっても、 光レンズを利用すれば信頼性を高めること できる。なお、再生光23の断面形状は、記録 時の参照光の断面形状によって決定される。
このように、再生光23の有無を検出する とにより、識別対象の位相物体31と既知の位 相物体との相関の有無を識別することができ る。つまり、記録時と同じ条件で試料光を照 射してホログラムから再生光が発生しなけれ ば、識別対象の位相物体が既知の位相物体と 相関のないものであると識別することができ 、再生光が発生すれば、識別対象の位相物体 が既知の位相物体と相関のあるものであると 識別することができる。さらに、再生光の強 度も検出することにより、相関の程度も識別 することが可能である。
たとえば、相関の有無を識別するだけで っても、既知の位相物体として、細胞核を する既知の生体細胞または細菌を使用し、 別対象の位相物体として、採取、培養した 体細胞または細菌を使用することで、採取 培養した生体細胞または細菌に細胞核が有 のか無いのかを識別する検査に利用できる 他にも、既知の位相物体として、規格の範 内の標本を使用して、生産された製品を識 対象の位相物体として、識別することで、 産された製品が規格に該当するか否かを識 できる。例えば、グレーティング素子の回 格子周期の誤差や同一色彩の構造物におけ 三次元形状などの検査に利用することがで る。これらの検査において、試料を連続的 つ大量に検査するために、試料保持手段3に 試料31を順次搬送する試料搬送手段を設ける とが好ましい。
また、試料光22を複数のホログラム41に照 射して、複数の既知の位相物体との相関の有 無を識別することにより、さらに試料31を特 することが可能である。試料光22を複数の ログラム41に照射するためには、ホログラフ ィック記録媒体4自体を取り替えて、別のホ グラフィック記録媒体4に記録されたホログ ム41に試料光22を照射させてもよいが、ホロ グラフィック記録媒体4に複数の既知の位相 体によって形成された複数のホログラム41を 記録しておき、ホログラフィック記録媒体4 おける試料光22の照射位置を移動させる照射 位置移動手段を設けることがより好ましい。
照射位置移動手段としては、試料光22を 動する方式、ホログラフィック記録媒体4を 動する方式及び両方を移動する方式がある 、移動に伴う振動などによる光学系の位置 れを防ぐため、試料光22を固定し、ホログ フィック記録媒体4を移動する方式が好まし 。例えば、XYステージによってホログラフ ック記録媒体4を光軸に対して直交する平面 向に移動させたり、モーターによってホロ ラフィック記録媒体4を回転させたりすれば よい。
図1(B)の記録装置6は、位相物体識別装置1 利用されるホログラフィック記録媒体4を製 造するものであり、ホログラフィック記録媒 体4に物体光24と参照光25とを照射して、それ の干渉により形成されたホログラム41をホ グラフィック記録媒体4に記録する。ここで 記録装置6でホログラフィック記録媒体4に 録されたホログラム41は、位相物体識別装置 1において試料光22と干渉して再生光23を発生 せるものでなければならない。このために 、試料光22と同じ波長の光を同じ照射条件( 射角度、倍率、焦点など)で物体光24をホロ ラフィック記録媒体4に照射する必要がある 。最も簡便な手法としては、位相物体識別装 置1の試料光22を生成し照射する構成と記録装 置6の物体光24を生成し照射する構成を同じに すればよい。このことは、位相物体識別装置 1及び記録装置6の両方の機能を備えた装置を 造できることを意味している。ただし、位 物体識別装置1には再生光を検出する光検出 器5が別途必要であり、記録装置6には、参照 を生成するための参照光生成手段が別途必 となる。本明細書において、位相物体識別 置1または記録装置6の各構成についての説 は、基本的に他方の装置の共通する構成に いても援用される。
図1(B)の記録装置6は、図1(A)の試料光22を 成し照射する構成と同じ構成(同じ符号で示 )を同じ配置で使用している。すなわち、図 1(B)の記録装置6は、光源2と、試料保持手段3 、ホログラフィック記録媒体4とを有してい 。しかし、記録装置6では、試料保持手段3 は、既知の位相物体32が保持されており、試 料保持手段3及び既知の位相物体32は、光源2 らの光21によって物体光24を生成する物体光 成手段となる。また、図示しない参照光生 手段によって生成された参照光25がホログ フィック記録媒体4に照射される。物体光24 参照光25との干渉により形成されたホログラ ムによって、ホログラム記録層43内の感光性 料に光反応を生じさせ、ホログラム記録層4 3にホログラム41を定着させることができる。
ホログラフィック記録媒体4に複数のホロ グラム41を記録する場合は、照射位置移動手 によって、ホログラフィック記録媒体にお る物体光24及び参照光25の照射位置を移動さ せ、別の位置に別の既知の位相物体32による 体光24と参照光25とを照射して別のホログラ ム41を記録すればよい。
物体光生成手段としては、既知の位相物 32を利用する方法以外にも、位相空間光変 器を利用することもできる。位相空間光変 器として、例えば位相変調型の液晶表示装 を採用することができ、位相変調型の液晶 示装置に既知の位相物体の位相パターンを 示すればよい。位相空間光変調器を利用し 場合は、複数のホログラム41を記録する場合 に、位相空間光変調器の表示を変更するだけ で、別の物体光を生成できるので好ましい。
参照光生成手段は、光源1からの光11を利 して参照光25を生成することが好ましいが 物体光24と干渉性を有する他の光源の光を利 用してもよい。参照光25は、ホログラフィッ 記録媒体4において、物体光24と交差するよ に照射される。参照光は、物体光に比べて さい領域の発散光や、空間的に離間した複 の光線の束を利用することができる。物体 24の光軸と参照光25の光軸が異なる二光束干 渉型の光学系を利用することもできるが、コ リニア方式の光学系を利用してホログラム41 記録することが好ましい。コリニア方式の 学系については、図2において詳細に説明す る。
図1(A)及び(B)では、基本原理を説明するた め、最低限必要な構成を用いて発明を説明し たが、かかる構成のみのものに限定されるも のではなく、求める効果に応じて更に多くの 構成を付加することができる。例えば、ホロ グラム41として、既知の位相物体32の実像を 録するのではなく、フーリエ像を記録する とが好ましい。このために、試料光22及び物 体光24の実像が入射瞳面に位置するように配 された対物レンズを採用し、対物レンズに って試料光22及び物体光24をホログラフィッ ク記録媒体に照射するように構成してもよい 。フーリエ像は、位相パターンの形状ではな く、位相パターンの空間周波数分布であるか ら、単純な形状の相関ではなく、パターンの 傾向の相関を識別することができる。
また、試料31や既知の位相物体32を観察す る観察光学系を備えていることも好ましい。 さらに、連続的に複数の試料を識別するため には、試料保持手段3に複数の試料31を順次搬 送する試料搬送手段を有することが好ましい 。
図2は、コリニア方式の光学系を利用して ホログラム41を記録する記録装置6としても利 用可能な位相物体識別装置1の一実施態様を す概略構成図である。図2の位相物体識別装 1は、さらに試料または既知の位相物体(以 、試料と既知の位相物体を併せて「試料等 という)を観察するための観察光学系7及び観 察用撮像素子71も備えている。なお、図2の位 相物体識別装置1では、反射型のホログラフ ック記録媒体4を使用している。
位相物体識別装置1は、光源2、試料保持 段3、ホログラフィック記録媒体4及び光検出 器5に加えて、試料光を生成し、ホログラフ ック記録媒体4に照射し、再生光を検出する 学系を有しており、かかる光学系には、試 等を観察するための観察光学系7も含まれて いる。光学系は、ビーム成形光学系51、一対 ミラー52、試料側対物レンズ53、結像レンズ 54、ビームスプリッタ55、マスク56、偏光ビー ムスプリッタ57、第1のリレーレンズ58、第2の リレーレンズ59、四分の一波長板60、対物レ ズ61、アパーチャー62、集光レンズ63を有し いる。
光源2は、ホログラムを記録するための物 体光及び参照光の光源となり、また、試料31 識別するための試料光の光源となるもので る。さらに、図2においては、観察光学系7 試料等を観察するための光源としても利用 れている。ただし、観察光学系の光源とし は、光源2ではなく、観察に適した光源を別 用意することが好ましい。光源2としては、 例えば、532nmのYVO4レーザーを使用することが できる。なお、光源2としては、ホログラフ ック記録媒体4のホログラム記録層43内の感 材料が感度を示す波長の光を選択する。
ビーム成形光学系51は、光源2から射出さ た光の形状を加工するために必要に応じて けられるものであり、たとえば発散光を平 光に加工するコリメータレンズや、ビーム 口径を大きくするビームエキスパンダーな が含まれる。
一対のミラー52は、光源2から射出された の進行方向を試料等に向けるためのもので る。図2では、一対のミラー52によって光源2 から射出された光の進行方向を180°変更して 置を小型化している。光の進行方向を試料 に向ける手段は、一対のミラー52という構 に限定されるものではなく、光学系の構成 応じて適当な構成が採用される。たとえば ミラーではなく、プリズムや偏向素子など 使用することもできるし、光源2から射出さ た光の進行方向が、直接試料等に向いてい ば、光の進行方向を試料等に向ける手段は もそも必要ない。
試料保持手段3は、試料等を保持するため のものである。図2においては、試料保持手 3は、光の照射される領域は開口となってお 、開口の領域に試料31が保持されている。 2の位相物体識別装置1は、試料保持手段3に 持された試料等は、観察光学系7及び観察用 像素子71によって観察することができる。
観察光学系7は、試料等を観察用撮像素子 71の受光面並びにそれと共役な面33(マスク56 配置される位置)及び対物レンズの入射瞳面3 5において結像させるものであり、各種顕微 の光学系を利用することが可能である。図2 おいては、観察光学系7は、試料側対物レン ズ53と結像レンズ54とを有しており、試料等 明視野により観察することができる。試料 が小さい場合、試料側対物レンズ53及び結像 レンズ54によって、試料等を拡大できること 好ましい。また、試料側対物レンズ53は、 察を容易にするために、倍率の異なる複数 レンズを切替えられることが好ましい。ま 、結像レンズ54と併せて、または結像レンズ 54に代えて、肉眼で観察するための接眼レン を設けてもよい。
さらに、図2のように観察光学系7を有し いる場合、試料保持手段3は、試料等の焦点 調整する焦点調節手段36または/及び試料等 位置を調整する試料位置調整手段37を有し いることが好ましい。焦点調節手段36は、光 軸方向に識別対象の位相物体(試料31)や既知 位相物体32を移動させる手段であり、試料等 を結像面(観察用撮像素子71の受光面、位置33 位置35)において結像させるために設けられ いる。焦点調節手段36によって、試料31等を 手動または電動で光軸方向(Z軸方向)に移動さ せる。また、試料位置調整手段37は、光軸に して直交する平面方向に識別対象の位相物 (試料31)や既知の位相物体32を移動させる手 であり、試料31等を観察視野内に配置する めに設けられている。試料位置調整手段37に よって、試料31等を手動または電動で光軸に して直交する平面方向(X軸方向及びY軸方向) に移動させる。焦点調節手段36及び試料位置 整手段37としては、種々の移動機構を利用 ることができ、たとえば微動用の調整機構 備えたXYZ駆動ステージ等を利用できる。
観察用撮像素子71としては、CCDやCOMSセン ーなどを利用することができる。観察用撮 素子71は、図示されていないモニターや記 媒体に接続されており、観察用撮像素子71に よって取得した画像をモニターに表示したり 、記録媒体に記録したりできる。観察用撮像 素子71で観察しながら、焦点調節手段36や試 位置調整手段37によって試料等が光軸の中心 で結像するように調整すれば、識別の精度を 格段に向上させることができる。また、観察 光学系7によって、試料等の倍率を調整する とで、物体光及び試料光の基礎となる位相 体の大きさを規格化することができる。観 光学系7によって、観察用撮像素子71の受光 に結像した像と同じ像が位置33に結像され、 位置33における像が試料光及び物体光として ログラフィック記録媒体4に照射されること になるので、位置33における像(観察用撮像素 子71で観察される画像)を同じ大きさとするこ とで、試料等の大きさの違いを補正すること ができる。
試料31等を観察するための観察光学系7、 料保持手段3、焦点調節手段36、試料位置調 手段37及び観察用撮像素子71は、従来の光学 顕微鏡の構成を転用することが可能である。 明視野での観察は、試料等が光の強度を変調 させない場合または強度差が小さい場合は、 観察が困難であるので、暗視野での観察や位 相差顕微鏡または微分干渉顕微鏡としても観 察可能な構成とすることが好ましい。
ビームスプリッタ55は、入射した光の一 を反射し、他の一部を透過させる光学素子 あり、試料等からの光を観察用撮像素子71に 向かう光とホログラフィック記録媒体4に向 う光とを生成している。ビームスプリッタ55 では、光が分割されるが、光の進行方向を切 替える光学素子が設けられていてもよい。た とえば、ビームスプリッタ55の代わりに移動 能なミラーを設け、試料等を観察する場合 、試料等からの光を観察用撮像素子71に向 て反射させ、試料等を識別する場合は、ミ ーを光軸外に移動させて、試料等からの光 ホログラフィック記録媒体4に向けて進行さ ることもできる。
マスク56は、観察光学系7によって試料等 結像する結像面または試料保持手段の位置 配置されるものであり、識別時には試料光 輪郭を成形するマスクが配置され、記録時 は物体光の輪郭を成形し、且つ参照光の強 パターンを生成する別のマスクが配置され 。マスク56は、位置33ではなく、試料等の位 置(すなわち、試料保持手段3)または他の結像 面(対物レンズの入射瞳面35)に配置されても い。たとえば、試料保持手段3の開口をマス 56として、試料光の輪郭や物体光の輪郭及 参照光の強度パターンを成形してもよいし 対物レンズの入射瞳面35にマスク56を配置し もよい。なお、試料光及び物体光それ自体 、試料等によって変調されることで生成さ 、マスク56は、その輪郭を成形するもので る。
図3(A)は、識別時における試料光の輪郭を 成形するためのマスク56の一例であり、図3(B) は記録時における物体光の輪郭及び参照光の 強度パターンを生成するためのマスク56の一 である。図3(A)において、マスク56は、中央 円形の開口56aが設けられており、マスク56 通過させることで試料光の輪郭を円形に成 することができる。図3(B)において、マスク5 6は、中央に円形の開口56bと、その周囲に放 状に12個の小さい円形の開口56cとが設けられ ており、マスク56を通過させることで開口56b よって物体光の輪郭を円形に成形すること でき、開口56cによって物体光の周囲に放射 に配置された12個の小さい円形からなるパ ーンの参照光を生成することができる。マ ク56としては、光源2からの光を遮断できる 材で形成されている。なお、記録時のマス と識別時のマスクは、切替えスイッチ等で れ替わる構成とすることもできるし、56cの 口にシャッターを設けて識別時にはシャッ ーを閉じる構成とすることもできる。
偏光ビームスプリッタ57は、直交する偏 方向の一方を透過し、他方を反射するもの あり、ホログラフィック記録媒体4に向かう 料光、物体光及び参照光とホログラフィッ 記録媒体4から再生された再生光とを分離す るために、四分の一波長板60と共に設けられ 。図2においては、ホログラフィック記録媒 体4に向かう試料光、物体光及び参照光を透 し、ホログラフィック記録媒体4から再生さ た再生光を光検出器5に向けて反射する。光 学系の構成によっては、試料光、物体光及び 参照光をホログラフィック記録媒体4に向け 反射し、光検出器5に向かう再生光を透過さ る構成であってもよい。
第1のリレーレンズ58及び第2のリレーレン ズ59は、位置33に結像された試料等の像を対 レンズ61の入射瞳面35に結像させるための光 系の一例である。第1のリレーレンズ58は、 置33から第1のリレーレンズ58までの間隔及 第1のリレーレンズ58からフーリエ面34までの 間隔が第1のリレーレンズ58の焦点距離となる ように配置される。また、第2のリレーレン 59は、フーリエ面34から第2のリレーレンズ59 での間隔及び第2のリレーレンズ59から入射 面35までの間隔が第2のリレーレンズ59の焦 距離となるように配置される。かかる光学 は、第1及び第2のリレーレンズ58、59という 成に限定されるものではなく、種々の結像 学系を利用することができる。
四分の一波長板60は、直線偏光を円偏光 変換するものであり、2回通過させることで 線偏光を90度回転させることができる。試 光が照射されることによってホログラム41か ら再生する再生光は、記録時の参照光に相当 するものであり、参照光はホログラム41を記 する際に、四分の一波長板60を1回通過して るので、再度、四分の一波長板60を通過す ことにより、記録時の四分の一波長板60を通 過する前の参照光と比べて直交する偏光方向 の直線偏光となり、偏光ビームスプリッタ57 よって分離することができる。
対物レンズ61は、試料光、物体光及び参 光をフーリエ変換してホログラフィック記 媒体4に照射するものである。また、図2のよ うに反射型のホログラフィック記録媒体4を 用した場合は、ホログラム41から再生した再 生光を射出瞳面に結像させる。試料光、物体 光及び参照光をフーリエ変換させるために、 結像光学系53,54,58,59を使用して、対物レンズ6 1の入射瞳面35に試料等の像または参照光の強 度パターンを結像させる。
図2のホログラフィック記録媒体4は、透 な基板42と反射層を有する基板44との間にホ グラム記録層43が狭持された反射型の構造 ある。位相物体識別装置1が、記録装置6とし て機能する時には、物体光及び参照光がホロ グラフィック記録媒体4に照射され、ホログ ム記録層43にホログラム41が記録される。ま 、位相物体識別装置1が位相物体を識別する 際には、試料光がホログラフィック記録媒体 4に照射され、試料光は、ホログラム41から再 生された再生光と共に、ホログラフィック記 録媒体4の入射面側から射出される。
ホログラフィック記録媒体4は、ホログラ フィック記録媒体4を移動する記録媒体移動 段45に保持されている。記録媒体移動手段45 、光軸に対して直交する方向において、ホ グラフィック記録媒体4を移動または回転さ せることができ、ホログラフィック記録媒体 4における試料光、物体光及び参照光の照射 置を移動させて、ホログラフィック記録媒 4に複数のホログラムを記録したり、ホログ フィック記録媒体4の複数のホログラム41と 料光とを光相関演算させることができる。
アパーチャー62は、反射型のホログラフ ック記録媒体4で反射された試料光を遮光し 再生された再生光のみを光検出器5に通過さ せる開口を有している。アパーチャー62は、 光ビームスプリッタ57から集光レンズ63まで の間に配置されるが、試料光の回折光による ノイズを低減するため、試料光の結像面、た とえば第1のリレーレンズ58の焦点面(位置33と 共役な位置)に配置することが好ましい。図3( C)は、アパーチャー62の一例であり、図3(B)に す記録時のマスク56における開口56cに対応 る放射状に配置された12個の小さい円形の開 口62aが設けられている。
集光レンズ63は、再生光を光検出器5の受 領域に集光させるために設けられており、 検出素子が一つの光検出器5でも利用可能と されている。
光検出器5は、再生された再生光の光強度 を検出するものである。再生光が集光レンズ 63によって小さい領域に集光されるので、光 出素子が一つのものも利用することができ 。
次に、図2の位相物体識別装置1における 処理の動作を簡単に説明する。まず試料等 観察する場合、光源2から照射された光は、 ーム成形光学系51によって必要な口径及び 行光とされ、一対のミラー52によって反射さ れ、試料等に照射され、試料側対物レンズ53 び結像レンズ54を通過し、ビームスプリッ 55によって反射され、観察用撮像素子71に到 する。試料等の像は、試料側対物レンズ53 び結像レンズ54によって観察用撮像素子71の 光面に結像する。そして、試料等が、観察 撮像素子71の受光面において、中心に配置 れるように試料位置調整手段37で試料等の位 置を調整し、受光面に試料等の焦点が合うよ うに焦点調節手段36で調整する。このように 料等を観察した状態であれば、結像面33に いても、試料等の像が中心に配置され、且 焦点が合った状態となり、識別処理や記録 理を続けて行うことで、識別の信頼性及び 録の均一性を保つことができる。
図2の位相物体識別装置1で試料31を識別す る場合、光源2から照射された光は、ビーム 形光学系51によって必要な口径及び平行光と され、一対のミラー52によって反射され、試 31に照射される。試料31によって少なくとも 光の位相が空間的に変調され、試料側対物レ ンズ53及び結像レンズ54によって位置33に試料 31の像が結像する。位置33には、図3(A)のマス 56が配置されており、輪郭が円形の試料光 生成する。そして、試料光は、偏光ビーム プリッタ57を透過し、第1及び第2のリレーレ ズ58、59によって対物レンズ61の入射瞳面に 像され、四分の一波長板60によって円偏光 変換され、対物レンズ61によってフーリエ変 換されてホログラフィック記録媒体4のホロ ラム記録層43に記録されたホログラム41に照 される。この結果、ホログラム41と試料光 が干渉して、相関があれば記録時の参照光 相当する再生光が再生される。
反射層で反射された試料光及び再生光は ホログラフィック記録媒体4から射出され、 照射時とは反対方向に、対物レンズ61、四分 一波長板60、第2のリレーレンズ59及び第1の レーレンズ58を経て、偏光ビームスプリッ 57に入射する。再生光は、記録時の参照光に 相当するものであり、参照光はホログラフィ ック記録媒体4に照射される際に四分の一波 板60を通過して円偏光に変換されていたので 、再度、再生光として四分の一波長板60を通 することにより、再生光は、参照光とは直 する偏光方向の直線偏光となっている。こ ため、再生光は、参照光を透過した偏光ビ ムスプリッタ57によって反射され、アパー ャー62を通過し、集光レンズ63によって光検 器5に集光される。なお、反射層で反射され た試料光は、ホログラフィック記録媒体4か 射出され、再生光と同様の光学系を経て偏 ビームスプリッタ57によって反射されるが、 アパーチャー62によって遮光される。
さらに、複数のホログラム41に識別させ ためには、試料光を連続的またはパルス状 照射したまま、記録媒体移動手段45によって 、ホログラフィック記録媒体4を移動または 転させる。すると、ホログラフィック記録 体4に記録された複数のホログラム41に対し 試料光を連続的または断続的に照射するこ ができ、再生光も連続的または断続的に検 することができる。
再生光の光強度は、ホログラム41を記録 たときの物体光と試料光との相関値(類似度) に応じて変化し、光強度の値が大きいほど物 体光と試料光とが類似していることになる。 したがって、再生光の光強度が、予め実験等 によって定めたしきい値を超えた場合に、試 料31は、かかる再生光を再生したホログラム4 1を記録した既知の位相物体と一致または類 する位相物体であると識別することができ 。また、しきい値を超えた再生光が検出さ なかった場合には、試料31は、ホログラフィ ック記録媒体4にホログラム41として記録され た既知の位相物体と一致または類似していな いと識別することができる。なお、複数の再 生光の光強度がしきい値を超えた場合には、 光強度の大きなものから類似する識別結果と して出力することが好ましい。
図2の位相物体識別装置1で既知の位相物 を記録する場合、試料保持手段3に既知の位 物体を保持させる。光源2から照射された光 は、ビーム成形光学系51によって必要な口径 び平行光とされ、一対のミラー52によって 射され、既知の位相物体に照射される。既 の位相物体によって少なくとも光の位相が 間的に変調され、試料側対物レンズ53及び結 像レンズ54によって位置33に既知の位相物体 像が結像する。位置33には、図3(B)のマスク56 が配置されており、輪郭が円形の物体光及び 物体光の周囲に配置された12本の小さい円形 参照光を生成する。そして、物体光及び参 光は、偏光ビームスプリッタ57を透過し、 1及び第2のリレーレンズ58、59によって対物 ンズ61の入射瞳面に結像され、四分の一波長 板60によって円偏光に変換され、対物レンズ6 1によってフーリエ変換されてホログラフィ ク記録媒体4のホログラム記録層43に照射さ る。この結果、ホログラフィック記録媒体4 ホログラム記録層43に物体光と参照光との 渉により形成されたホログラム41が記録され る。
図4は、試料保持手段3の変形例であり、 料保持手段3にマスク56の機能を付加したも である。図4(A)は、記録時における試料保持 段3の断面図であり、図4(B)は、(A)の平面図 あり、図4(C)は、識別時における試料保持手 3の断面図である。図4(A)において、試料保 手段3は、遮光性の一対の板状部材3a及び3bを 有し、一対の板状部材3a及び3bの間には、内 に既知の位相物質32が封入されたスライドガ ラス38aとカバーガラス38bが配置されており、 クリップ3cによって、一対の板状部材3a、3bを 狭持して、既知の位相物質32をスライドガラ 38a及びカバーガラス38bを介して保持してい 。一対の板状部材3a及び3bには、図4(B)に示 ような開口56b、56cが設けられている。なお 図4(A)は図4(B)のA-A断面であり、図4(A)では開 部分を点線で示す。中央の円形の開口56bの 域には、既知の位相物質32が配置されており 、光源からの光の位相を変調して物体光が生 成される。また、周囲に放射状に配置された 開口56cによって物体光の周囲に放射状に配置 された12個の小さい円形からなるパターンの 照光が生成される。図4(A)の構成では、既知 の位相物体32を封入したスライドガラス38a及 カバーガラス38bといった透明補助具(色付き の透明を含む)が、物体光を生成するための 口56bにも、参照光を生成するための開口56c も存在するため、補助具による位相や強度 変化を相殺して、既知の位相物質32に基づく 位相の変化のみを記録することができる。
識別時においては、図4(C)に示すように、 既知の位相物体32の代わりに識別対象の位相 体31をスライドガラス38aとカバーガラス38b 間に封入し、一対の板状部材3a及び3bに、さ に図3(A)のマスク56のように、中央にのみ開 56aが設けられた遮光部材3dを重ねた状態で リップ3cによって狭持する。開口56aの領域に 識別対象の位相物体31を配置することで、光 からの光によって、参照光を生成させずに 料光を生成させることができる。なお、参 光の強度パターンは、図3(B)や図4(B)の開口56 cのような形状及び数量に限定されるもので なく、少なくとも一つの開口によって参照 が生成されればよい。
試料保持手段3に試料31を順次搬送する試 搬送手段を設けると、試料の識別を連続し 大量に実施することができる。図5は、試料 搬送手段の一例である。図5(A)及び(B)は、ベ トコンベア式の試料搬送手段39a、39bの断面 及び平面図であり、図5(C)及び(D)は、搬送ロ ットアーム式の試料搬送手段40a、40bの断面 及び平面図である。図5(A)及び(B)においては 、試料31の上下端近傍が並行するベルトコン ア39a、39bに保持されており、ベルトコンベ 39a、39bを移動させることで試料31を試料側 物レンズ53の下方に順次搬送する。図5(A)及 (B)では、ベルトコンベア39a、39bが試料保持 段3であるとともに試料搬送手段でもある。 お、図示しないが図5のベルトコンベア39a、 39bの右側には、ベルトコンベア39a、39b上に試 料31をロードする搬送手段が、ベルトコンベ 39a、39bの左側には、ベルトコンベア39a、39b の試料31をアンロードする搬送手段がそれ れ設けられる。
図5(C)及び(D)においては、搬送ロボットア ーム40a、40bは何れも回動可能な支柱に3段階 アーム部分が上下動及び伸縮自在に設けら ており、3段目のアーム部分の先端は、試料3 1を載置するように幅広に構成されている。 料保持手段3には、図の左右方向において凹 3eが設けられており、搬送ロボットアーム40 a、40bの試料31を載置する幅広のアーム部分の 先端が試料31の下方に挿入可能とされている 搬送ロボットアーム40aは、試料保持手段3に 試料31を搬送するものであり、搬送ロボット ーム40bは、試料保持手段3の試料31を搬出す ものである。なお、図5(D)において、試料保 持手段3の試料31の下方には、光を透過するた めの透光部材による窓56aが設けられており、 光源からの光が試料31に照射され、試料側対 レンズ53に入射されるように構成されてい 。
図6は、物体光生成手段の一部に位相空間 光変調器を採用したホログラフィック記録媒 体4にホログラム41を記録する記録装置80の一 施形態であり、さらに記録装置80は、再生 を検出する構成も付加したことにより、位 物体識別装置としても機能する。記録装置80 は、光源81、コリメータレンズ82、ビームス リッタ83、位相空間光変調器84、情報処理装 85、第1のリレーレンズ86、ミラー87、第2の レーレンズ88、マスク89、偏光ビームスプリ タ90、四分の一波長板91、対物レンズ92、ア ーチャー93、ミラー94、集光レンズ95、光検 器96を有している。図6も、ホログラフィッ 記録媒体4が反射型の場合である。
光源81から射出された光は、コリメータ ンズ82によって略平行光とされ、ビームスプ リッタ83によって反射され、位相空間光変調 84に入射する。位相空間光変調器84は、複数 の画素を有し、各画素毎に入射した光の位相 を変化させることができ、光の位相を空間的 に変調することができる。図6においては反 型であり、情報処理装置85から入力された位 相パターンが位相空間光変調器84に表示され 表示された位相パターンによって入射した の位相を変調しつつ反射する。位相空間光 調器84としては、平行配向液晶空間位相変 器(PAL-SLM:Parallel-Aligned Liquid crystal Spatial Lig ht Modulator)等を利用することができる。
位相空間光変調器84によって反射された は、上記の通り、情報処理装置85から入力さ れた位相パターンによって光の位相が変調さ れている。そして、ビームスプリッタ83を透 した光は、第1及び第2のリレーレンズ86、88 よって対物レンズ92の入射瞳面に位相パタ ンが結像するように伝達される。その途中 第1及び第2のリレーレンズ86、88間の焦点位 (フーリエ面)に配置されたミラー87によって 射され進行方向が変更される。マスク89は 物体光97の輪郭及び参照光98の強度パターン 成形するものであり、対物レンズ92の入射 面且つ第1及び第2のリレーレンズ86、88によ 結像面に配置されることが好ましい。なお 図6の構成において、対物レンズ92の焦点距 が短く、マスク89を入射瞳面に配置すること が物理的に困難な場合は、図示しない結像光 学系をさらに組み込み、入射瞳面と共役な位 置に配置すればよい。その後、偏光ビームス プリッタ90を透過し、四分の一波長板91によ て円偏光に変換され、対物レンズ92によって フーリエ変換されてホログラフィック記録媒 体4のホログラム記録層43に照射される。この 結果、ホログラム記録層43には、物体光97と 照光98との干渉によって形成されたホログラ ム41が記録される。
また、図6の記録装置80において、位相空 光変調器84に表示された位相パターンは、 の位相を変化させるものであり、一種の位 物体と言える。そして、位相空間光変調器84 に任意の位相パターンを表示して、識別対象 の位相物体とすれば、マスク89を変更するこ で、ホログラフィック記録媒体4に記録され たホログラム41を用いて識別処理を行うこと できる。この場合には、位相空間光変調器8 4が試料保持手段となる。
図6の記録装置80を位相物体識別装置とし 機能させる場合、光源81から射出された光 、コリメータレンズ82によって略平行光とさ れ、ビームスプリッタ83によって反射され、 相空間光変調器84に入射し、位相空間光変 器84に表示された位相パターンによって光の 位相を変調しつつ反射する。位相空間光変調 器84によって反射された光は、ビームスプリ タ83を透過し、第1及び第2のリレーレンズ86 88によって対物レンズの入射瞳面に位相パ ーンが結像するように伝達される。その途 、第1及び第2のリレーレンズ86、88間の焦点 置(フーリエ面)に配置されたミラー87によっ 反射され進行方向が変更される。マスク89 、試料光の輪郭を成形するものであり、記 時における参照光98を成形するための開口は 遮光する。その後、試料光は、偏光ビームス プリッタ90を透過し、四分の一波長板91によ て円偏光に変換され、対物レンズ92によって フーリエ変換されてホログラフィック記録媒 体4のホログラム記録層43に記録されたホログ ラム41に照射される。この結果、ホログラム4 1と試料光とが干渉して、記録時の参照光に 当する再生光が再生される。
反射層で反射された試料光及び再生光は ホログラフィック記録媒体4から射出され、 照射時とは反対方向に、対物レンズ92、四分 一波長板91を経て、偏光ビームスプリッタ90 に入射する。再生光は、記録時の参照光に相 当するものであり、参照光はホログラフィッ ク記録媒体4に照射される際に四分の一波長 91を通過して円偏光に変換されていたので、 再度、再生光として四分の一波長板91を通過 ることにより、再生光は、参照光とは直交 る偏光方向の直線偏光となっている。この め、再生光は、参照光を透過した偏光ビー スプリッタ90によって反射される。また、 射された試料光も、四分の一波長板91を二回 通過しているので、偏光ビームスプリッタ90 よって反射される。再生光はアパーチャー9 3の開口を通過し、試料光はアパーチャー93に よって遮光される。ミラー94によって反射さ た再生光は、集光レンズ95によって光検出 96に集光される。なお、図6においては、便 上、マスク89の開口が物体光を成形する開口 と参照光を成形する開口を各1つしか示して ないが、参照光の強度パターンは複数であ てもよい。
[実施例1]図6の装置80を利用して、位相物 の識別可能性を実証した。本実施例におい は、光源81として532nmのNd:YVO4レーザーを使 した。マスク89としては、図3(A)及び(B)に示 形状のマスクを使用した。すなわち、識別 のマスクは、中央に試料光を生成するため 円形の開口56aを有するマスクであり、記録 のマスクは、中央に物体光を生成するため 円形の開口56bと、その周囲に放射状に12個の 参照光を生成するための小さい円形の開口56c とを有するマスクである。試料光または物体 光の輪郭となる開口56a、56bは直径1mmの円形で あり、参照光を生成するための開口56cは0.29mm の円形であった。また、対物レンズ92のNAは0. 55であり、焦点距離は4mmであった。
まず、ホログラフィック記録媒体4に4種 のホログラム41を記録する。位相空間光変調 器84の32×32画素の表示領域に、図7(A)~(D)の位 パターンを表示して、それぞれ物体光を生 し、参照光と干渉させてホログラムを記録 た。図7(A)~(D)は、左側に表示面における位相 パターンを示し、右側に一点鎖線または二点 鎖線における断面の位相変調量を示す。図7(A )では、表示領域100に位相変調量π/2の直径32 素の円形のパターン101を表示した。図7(B)で 、表示領域100に、位相変調量π/2の直径32画 の円形のパターン101を表示し、その中心に 相変調量πの直径10画素の円形のパターン102 を表示した。図7(C)では、表示領域100に、位 変調量π/2の直径32画素の円形のパターン101 表示し、その中に位相変調量πの直径10画素 円形のパターン102を2つ表示した。図7(D)で 、表示領域100に、位相変調量π/2の直径32画 の円形のパターン101を表示し、その中に位 変調量πの直径10画素の円形のパターン102を3 つ表示した。なお、図7(D)では、右側にa-a断 とb-b-断面の位相変調量がそれぞれ示されて る。以下、図7(A)~(D)の位相パターンによる ログラムをホログラムA~Dと呼ぶ。
次に、図7(A)の表示領域100に位相変調量π/ 2の直径32画素の円形のパターン101を表示した 位相パターンで光の位相を変調した試料光を 生成し、ホログラムA~Dのそれぞれに対し照射 した。図8は、ホログラムA~Dから再生された 生光の検出結果を示すものであり、縦軸は 己相関の相関値によって規格化した任意単 の相関値(再生光の強度)であり、横軸は各ホ ログラムA~Dである。ホログラムAは、図7(A)の 相パターンの物体光によって記録されてい ため、試料光と同一であり、自己相関とな 。ホログラムBは、図7(B)の位相変調量πの直 径10画素の円形のパターン102が一つ表示され 位相パターンによって記録されており、試 光の図7(A)の位相パターンとは相互相関とな るが、違いが小さいので相関値は63とホログ ムC及びDに比べて高い。ホログラムC及びDで は、それぞれ相関値は48と31であり、試料光 図7(A)の位相パターンとの違い(位相変調量π 直径10画素の円形のパターン102の数)が増え に従って、相関値が小さくなることが確認 きる。このことから、本発明の位相物体識 装置において、細胞の数や細胞核の有無な の識別が可能であることが示唆される。
[実施例2]図6の装置80を利用して、位相の 化による位相物体の識別可能性を実証した 本実施例の装置条件は、実施例1と同じであ る。まず、位相空間光変調器84の32×32画素の 示領域の全画素の位相を0からπ/4ずつ2πま 変化させて、それぞれ物体光を生成し、参 光と干渉させて9個のホログラムを記録した すなわち、表示領域の全画素の位相を0、π/ 4、π/2、3π/4、π、5π/4、3π/2、7π/4及び2πとし た位相パターンの物体光によって、ホログラ ム0、π/4、π/2、3π/4、π、5π/4、3π/2、7π/4及 2πを記録した。
この9個のホログラムに対し、表示領域の 全画素の位相を0とした位相パターンの試料 を生成し、照射した。図9は、ホログラム0、 π/4、π/2、3π/4、π、5π/4、3π/2、7π/4及び2πか ら再生された再生光の検出結果を示すもので あり、縦軸は自己相関の相関値によって規格 化した任意単位の相関値(再生光の強度)であ 、横軸は各ホログラムである。ホログラム0 及びホログラム2πは、全画素の位相を0とし 位相パターンの物体光によって記録されて るため、試料光と同一であり、自己相関と る。相関値は、ホログラム0及びホログラム2 πに近いほど大きく、遠いほど小さくなって り、ホログラムπが最小である。実施例2か 、識別対象の位相物体と既知の位相物体と 位相差を再生光の強度として識別すること できる。そして、これを応用すれば、細胞 振動、核の膨張、動的な位相変化の観察ま は識別が可能であることが示唆される。
1 位相物体識別装置
2 光源
3 試料保持手段
4 ホログラフィック記録媒体
5 光検出器
6 記録装置
21 光源から射出された光
22 試料光
23 再生光
24 物体光
25 参照光
31 識別対象の位相物体(試料)
32 既知の位相物体
41 ホログラム
42 基板
43 ホログラム記録層
44 基板
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