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Patent Searching and Data


Title:
PHOTODETECTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116496
Kind Code:
A1
Abstract:
An infrared detector (1) having a bolometer element (11) and a reference element (21) is provided with a bolometer thin film (22) supported on a surface of a substrate (10) while spaced apart from the surface of the substrate (10), a metal film (23) for heat dissipation formed on the substrate (10)-side surface of the bolometer thin film (22) through an insulating film (31), and a plurality of metal columns (25) connected thermally with the metal film (23) for heat dissipation and the substrate (10). Since heat generated from a light receiving portion (22a) by infrared rays is dissipated efficiently to the substrate (10) through the insulating film (31), the metal film (23) for heat dissipation, the metal columns (25), and a metal film (24) for heat dissipation on the side of the substrate, only temperature variation caused by variation in use environment can be measured accurately, and downsizing can be achieved while reducing the influence of temperature variation in use environment efficiently.

Inventors:
SUZUKI JUN (JP)
OJIMA FUMIKAZU (JP)
KITAURA RYUSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055064
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HAMAMATSU PHOTONICS KK (JP)
SUZUKI JUN (JP)
OJIMA FUMIKAZU (JP)
KITAURA RYUSUKE (JP)
International Classes:
G01J1/02; G01J1/42; H01L27/14; H01L37/00
Foreign References:
JPH10209418A1998-08-07
JP2001099705A2001-04-13
JPH04274346A1992-09-30
JP2005043381A2005-02-17
JP2008022315A2008-01-31
JPH10185681A1998-07-14
JP2002533668A2002-10-08
JPH10227689A1998-08-25
Other References:
See also references of EP 2261617A4
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (JP)
Yoshiki Hasegawa (JP)
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Claims:
 基板の表面から離間して前記基板の表面上に支持された第1ボロメータ膜と、
 前記基板の表面から離間して前記基板の表面上に支持された第2ボロメータ膜と、
 前記第2ボロメータ膜の前記基板側の表面に絶縁膜を介して形成された第1金属膜と、
 前記第1金属膜及び前記基板と熱的に接続された複数の金属柱と、
を備える光検出器。
 前記基板の表面において前記第2ボロメータ膜と対向する領域には、第2金属膜が形成されており、
 前記金属柱は、前記第1金属膜及び前記第2金属膜と接続されていること、
を特徴とする請求項1に記載の光検出器。
 前記基板の表面において前記第1ボロメータ膜と対向する領域には、第3金属膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光検出器。
 前記第1ボロメータ膜及び前記第2ボロメータ膜は、前記基板の表面と略平行であって略同一の平面上に位置することを特徴とする請求項1に記載の光検出器。
Description:
光検出器

 本発明は、光検出器に関するものである

 従来、光検出器として、温度によって抵抗 が変化する材料を用いて赤外線を検知する いわゆるボロメータ型の赤外線検出器が知 れている。このボロメータ型の赤外線検出 として、例えば特許文献1には、入射された 赤外線を感知するボロメータ素子と、使用環 境の変化により生じる温度変化を検出するリ ファレンス素子とを備え、両者が出力する信 号を用いて、使用環境の変化により生じる温 度変化の影響を除いた信号を算出し、赤外線 を検出するものが開示されている。特許文献 1記載の赤外線検出器は、熱容量体であるシ コン基板上に空洞を介して支持されたボロ ータ薄膜を有するボロメータ素子と、シリ ン基板上に犠牲層を介して形成されたボロ ータ薄膜を有するリファレンス素子とを備 ている。

特開平10-227689号公報

 しかしながら、特許文献1記載の赤外線検 出器にあっては、リファレンス素子の犠牲層 の材料として、熱伝導率が小さくかつ熱容量 が大きいものが用いられるため、使用環境に おける温度変化の影響の低減が不十分となる おそれがある。

 一方、使用環境における温度変化への応 性を向上すべく、リファレンス素子におい 犠牲層を薄くすると、ボロメータ素子とリ ァレンス素子との高さが大きく異なる構成 なるため、例えば露光によるパターニング 際に焦点深度の制御が難しく、微細なパタ ンの形成が困難となり、赤外線検出器の小 化が妨げられるおそれがある。

 そこで本発明は、このような技術課題を 決するためになされたものであって、使用 境における温度変化の影響を十分に低減し つ、小型化を図ることができる光検出器を 供することを目的とする。

 すなわち本発明に係る光検出器は、基板 表面から離間して基板の表面上に支持され 第1ボロメータ膜と、基板の表面から離間し て基板の表面上に支持された第2ボロメータ と、第2ボロメータ膜の基板側の表面に絶縁 を介して形成された第1金属膜と、第1金属 及び基板と熱的に接続された複数の金属柱 、を備えて構成される。

 本発明に係る光検出器においては、絶縁 、第1金属膜及び金属柱を介して第2ボロメ タ膜が基板と接続されている。このため、 2ボロメータ膜をリファレンス素子のボロメ タ膜として採用する場合において、赤外線 より発生した第2ボロメータ膜の熱が絶縁膜 、第1金属膜及び金属柱を介して基板へ効率 く放熱されるので、使用環境の変化によっ 発生する温度変化のみを正確に測定するこ ができる。結果、使用環境における温度変 の影響を効率良く低減することが可能とな 。さらに、リファレンス素子の熱を効率良 基板に放熱するために犠牲層の厚みを薄く る必要性が無くなるため、例えば露光によ パターニングをする場合に焦点深度の制御 容易となり、微細なパターンの形成が容易 なる結果、小型化を図ることが可能となる

 ここで、基板の表面において第2ボロメー タ膜と対向する領域には、第2金属膜が形成 れており、金属柱は、第1金属膜及び第2金属 膜と接続されていることが好適である。

 このように、第2金属膜を金属柱と基板と の間に介在させることで、第2ボロメータ膜 リファレンス素子のボロメータ膜として採 する場合において、金属柱と基板との熱的 接触面積を大きくすることができる。よっ 、入射した赤外線によって第2ボロメータ膜 発生した熱を一層効率良く基板へ放熱する とができる。

 また、基板の表面において第1ボロメータ 膜と対向する領域には、第3金属膜が形成さ ていることが好適であり、このように構成 ることで、第1ボロメータ膜をボロメータ素 のボロメータ膜として採用する場合におい 、第1ボロメータ膜を透過した赤外線を第3 属膜によって第1ボロメータ膜側に反射させ 1ボロメータ膜へ再度入射させることができ るため、赤外線によって発生する熱を効率良 く計測することができる。

 また、第1ボロメータ膜及び第2ボロメー 膜は、基板の表面と略平行であって略同一 平面上に位置することが好適であり、この うに構成することで、例えば露光によるパ ーニングをする場合に焦点深度の制御を一 容易とすることができる。

 本発明によれば、光検出器において、使 環境における温度変化の影響を効率的に低 しつつ、小型化を図ることができる。

本発明に係る光検出器の一実施形態で る赤外線検出器の構成を示す平面図である 図1の赤外線検出器の画素部の一部拡大 平面図である。 図1の赤外線検出器の画素部におけるボ ロメータ素子の斜視図である。 図1の赤外線検出器の画素部におけるボ ロメータ素子の平面図である。 図1の赤外線検出器のリファレンス画素 部におけるリファレンス素子の平面図である 。 図4,5のVI-VI線に沿った組合せ断面図で る。 図1に示す信号処理回路部の回路図であ る。 図1に示す信号処理回路部の回路図であ る。 図6に示すリファレンス素子の基板熱酸 化工程、第1電極形成工程及びSiO2積層工程を す断面図である。 図6に示すリファレンス素子の開口形 工程、第2電極形成工程及び犠牲層塗布工程 示す断面図である。 図6に示すリファレンス素子のダミー 素作成工程、金属柱形成工程及び放熱用金 膜形成工程を示す断面図である。 図6に示すリファレンス素子の絶縁膜 層工程、ボロメータ薄膜積層工程及び電極 金属膜積層工程を示す断面図である。 図6に示すリファレンス素子の上部電 形成工程、開口形成工程及び電極プラグ形 工程を示す断面図である。 図6に示すリファレンス素子の下部電 形成工程及び犠牲層除去工程を示す断面図 ある。 図11に示す金属柱の効果を説明する概 図である。 図1に示す赤外線検出器の変形例であ 。 図1に示す赤外線検出器の変形例であ 。 図1に示す赤外線検出器の変形例であ 。

符号の説明

 1…赤外線検出器(光検出器)、10…基板、15 …ボロメータ薄膜(第1ボロメータ薄膜),22…ボ ロメータ薄膜(第2ボロメータ膜)、20…反射膜( 第3金属膜)、23…放熱用金属膜(第1金属膜)、24 …基板側放熱用金属膜(第2金属膜)、25…金属 。

 以下、添付図面を参照して本発明の実施 態について説明する。なお、図面の説明に いて同一の要素には同一の符号を付し、重 する説明を省略する。

 本発明の実施形態に係る光検出器は、温 によって抵抗値が変化する材料を用いて赤 線を検出する、いわゆるボロメータ型の赤 線検出器であって、赤外イメージャやサー グラフィー等に好適に用いられるものであ 。最初に、本実施形態に係る赤外線検出器 構成を説明する。図1は、本発明に係る光検 出器の一実施形態である赤外線検出器の平面 図、図2は、図1の赤外線検出器の画素部の一 を拡大した平面図、図3は、図1の赤外線検 器の1画素の構成を示す斜視図、図4は、図1 赤外線検出器の画素部における1画素の構成 示す平面図、図5は、図1の赤外線検出器の ファレンス画素部における1画素の構成を示 平面図、図6は、図4のVI-VI線に沿った断面及 び図5のVI-VI線に沿った断面を組み合わせた赤 外線検出器の模式的な断面図である。

 図1に示すように、赤外線検出器1は、赤 線を熱変化により検出する検出器であって 基板10と、基板10上に形成され赤外線受光器 して機能する画素部12と、基板10上に形成さ れ使用環境による影響を計測するリファレン ス画素部13と、及び信号処理回路部14と、を えて構成されている。画素部12及びリファレ ンス画素部13は、それぞれ信号処理回路部14 電気的に接続されている。基板10は、例えば Si基板が用いられる。なお、以下では、Si基 の表面に熱酸化層や下地層が形成される場 には、これらの層も含んだものを基板10と称 する。

 図2に示すように、画素部12は、基板10上 複数の画素(ボロメータ素子11)を2次元アレイ 化することにより形成され、いわゆる表面マ イクロマシンとされている。画素を構成する ボロメータ素子11は、図3,4に示すように、基 10の表面に形成されたROIC(Read Only IC)パッド 16,17と、ROICパッド16,17上にそれぞれ形成され 電極プラグ18,19と、基板10の表面から離間し て配置されたボロメータ薄膜(第1ボロメータ )15とを備えて構成されている。

 ROICパッド16,17は、導電性を有する矩形状 パッドであり、信号処理回路部14と電気的 接続されている。電極プラグ18,19は、ROICパ ド16,17上に積層方向に延びるように略円柱状 に形成され、ROICパッド16,17と電気的に接続さ れている。電極プラグ18,19は、導電性を有す 材料からなり、例えばAlが用いられる。

 ボロメータ薄膜15は、基板10と略平行に配 置された薄膜であって、赤外線を受光する矩 形平面の受光部15aと、受光部15aの角部15b,cに 成された梁部15d,15eとを有している。梁部15d ,15eは、角部15b,cを起点に受光部15aの外周に沿 って延び、対向して形成されている。そして 、受光部15aと梁部15d,15eとの間は、スリット15 f,15gを介してそれぞれ空間的に隔てられてお 、熱的に分離されている。ボロメータ薄膜1 5は、温度変化による抵抗率変化が大きい材 が用いられ、例えば、アモルファスシリコ が用いられる。

 また、ボロメータ薄膜15の梁部15d,15eには 受光部15aと電気的に接続される配線15h,15iが 、梁部15d,15eの形状に沿って設けられている そして、図3,6に示すように、ボロメータ薄 15は、梁部15d,15eのそれぞれの一端部が電極 ラグ18,19と接続することで基板10の表面上に 持されており、ボロメータ薄膜15と基板10と の間には、空隙11aが画成されている。そして 、図4に示すように、梁部15d,15eの配線15h,15iが 電極プラグ18,19にそれぞれ電気的に接続され いる。これにより、配線15h,15iは、電極プラ グ18,19及びROICパッド16,17を介して信号処理回 部14と電気的に接続されている。

 また、図6に示すように、ボロメータ薄膜 15の基板10側の表面には、絶縁膜30が形成され ている。絶縁膜30としては、例えば、TEOS(Tetra ethyl orthosilicate)を原料としたプラズマCVD(Chemi cal Vapor Deposition)法により形成されたシリコ 酸化膜が用いられる。そして、ボロメータ 子11の基板10の表面において、ボロメータ薄 膜15と対向する領域には、反射膜(第3金属膜)2 0が積層されている。この反射膜20は、赤外線 に対する反射率が大きい金属が用いられる。

 このように、ボロメータ素子11は、ボロ ータ薄膜15が基板10の表面から離間して基板1 0と略平行に配置される構成(メンブレン構成) とされ、ボロメータ薄膜15と基板10との間は 空隙11aにより空間的に隔てられて熱的に分 された構成とされている。そして、ボロメ タ薄膜15の受光部15aの温度変化による抵抗率 変化を、配線15h,15i、電極プラグ18,19及びROIC ッド16,17を介して信号処理回路部14で読み取 ことができる構成とされている。

 一方、リファレンス画素部13は、基板10上 に複数の画素(リファレンス素子21)を2次元ア イ化することにより形成され、各画素はい ゆるオプティカルブラックとされている。 素を構成するリファレンス素子21は、図5,6 示すように、ボロメータ素子11とほぼ同様に 構成され、ボロメータ素子11と比べて、放熱 金属膜(第1金属膜)23、基板側放熱用金属膜( 2金属膜)24、及び複数の金属柱25を備える点 相違する。なお、ボロメータ素子11と同一 構成であるROICパッド26,27及び電極プラグ28,29 については、説明を省略する。

 ボロメータ薄膜(第2ボロメータ膜)22は、 ロメータ薄膜15と同一構成の受光部22a、梁部 22d,22e、配線22h,22i及びスリット22f,22gを有して いる。そして、図6に示すように、ボロメー 薄膜22及びボロメータ薄膜15は、基板10の表 と略平行であって略同一の平面上に位置し いる。ここで、略同一の平面とは、積層方 において、後述する放熱用金属膜23の厚さの 差を含む範囲の平面のことであって、例えば ±1μm程度の範囲内の平面をいう。

 また、受光部22aの基板10側の表面には、 形平面状の放熱用金属膜23が絶縁膜31を介し 形成されている。この絶縁膜31は、ボロメ タ素子11の絶縁膜30と同様な材料で構成され いる。また、放熱用金属膜23として、例え Al、Cu又はWが用いられる。

 そして、放熱用金属膜23と基板10との間に は、複数の金属柱25が形成されている。金属 25は、金属からなり積層方向に延びる円柱 あって、積層方向に直交する方向に一定の 隔で離間して形成されている。金属柱25は、 放熱用金属膜23及び基板10と熱的に接続され いる。金属柱25として、例えばAl、Cu又はWが いられる。なお、金属柱25及び放熱用金属 23は、一体形成されていてもよい。また、リ ファレンス素子21の基板10の表面側において ボロメータ薄膜22の受光部22aと対向する領域 には、矩形平面状の基板側放熱用金属膜24が 成されている。基板側放熱用金属膜24は、 数の金属柱25の断面積よりも大きな面積を有 し、金属柱25及び基板10と熱的に接続されて る。基板側放熱用金属膜24は、金属からなり 、例えばAl、Cu又はWが用いられる。

 このように、リファレンス素子21は、ボ メータ薄膜22の赤外線入射に伴う温度変化に よって発生する熱を、絶縁膜31、放熱用金属 23、金属柱25及び基板側放熱用金属膜24を介 て基板10へ放熱することができる構成とさ ている。そして、ボロメータ薄膜22の環境変 化等の温度変化による抵抗率変化を、配線22h ,22i、電極プラグ28,29及びROICパッド26,27を介し て信号処理回路部14で読み取ることができる 成とされている。

 また、図1に示す信号処理回路部14は、基板1 0に設けられた読み出し用の回路であって、 素部12及びリファレンス画素部13の出力信号 読み出して、画素部12の出力信号からリフ レンス画素部13の出力信号を減算する機能を 有している。以下、読み出し回路について図 7,8を用いて具体的に説明する。図7,8は、信号 処理回路部14の読み出し回路を示す回路図で る。最初に、説明理解の容易性を考慮し、 ロメータ素子11及びリファレンス素子21をそ れぞれ一つ備える最小構成の赤外線検出器を 例に説明する。この最小構成の場合、例えば 図7に示す積分回路を用いて、出力電圧Voutを 定する。この出力電圧Voutは、ボロメータ素 子11の受光部15aに流れるボロメータ電流I(Rb) らリファレンス素子21の受光部22aに流れるリ ファレンス抵抗電流I(Rref)を減算したチャー アンプ入力電流をIp、コンデンサの積分容量 をCfとすると、以下式(1)で表される。
Vout-Vinp=-Ip・t/Cf   …(1)

 信号処理回路部14は、式(1)を用いて、抵 値の変化を出力電圧Voutの変化に変換し、こ 電気信号を基に赤外線を検出する。次に、 数のボロメータ素子11及び一つのリファレ ス素子21からなる赤外線検出器の場合を説明 する。この場合には、例えば、図8の回路図 示すように、シフトレジスタSRを用いて、各 ボロメータ電流I(Rbn)(n:整数)に対応するチャ ジアンプ入力電流Ipに基づいた出力電圧Vout 測定する。そして、この電気信号を基に、 外線を検出する。

 次に、上記構成の赤外線検出器1の動作を 説明する。まず、赤外線検出器1に赤外線が 射されると、ボロメータ素子11の受光部15aに おいて赤外線が吸収され熱となる。ここで、 受光部15aは、スリット15f,15g及びボロメータ 膜15と基板10との間に形成された空隙11aによ て熱的に分離されている。このため、受光 15aにおいて発生した熱は、周囲に放熱され ことなく受光部15aの温度を上昇させ、温度 昇に応じて受光部15aの抵抗値を変化させる このような抵抗値の変化は、受光部15aと電 的に接続された配線15h,15i、電極プラグ18,19 びROICパッド16,17を介して信号として信号処 回路部14へ送られる。

 また、ボロメータ薄膜15に入射した赤外 の一部が受光部15aにおいて吸収されず透過 た場合であっても、透過した赤外線は反射 20により反射され、再度、受光部15aへ入射さ れる。再度入射した赤外線は、受光部15aにお いて吸収され熱となる。これにより、効率良 く赤外線の吸収を行うことができる。

 一方、赤外線検出器1に赤外線が入射され ると、ボロメータ素子11と同様にリファレン 素子21にも赤外線が入射され、リファレン 素子21の受光部22aにおいて赤外線が吸収され 熱となる。ここで、受光部22aは、絶縁膜31を して放熱用金属膜23、金属柱25、基板側放熱 用金属膜24及び基板10と熱的に接続されてい 。このため、赤外線の入射により受光部15a おいて発生した熱は、絶縁膜31、放熱用金属 膜23、金属柱25及び基板側放熱用金属膜24の順 に伝導し、基板10へ放熱される。このため、 外線検出器1の環境変化に伴う温度変化によ って発生した熱のみが、受光部22aの抵抗値を 変化させる。このような環境変化に伴う抵抗 値の変化は、受光部22aと電気的に接続された 配線22h,22i、電極プラグ28,29及びROICパッド26,27 を介して信号として信号処理回路部14へ送ら る。

 そして、信号処理回路部14において、受 部15a,22aの抵抗値の変化が電圧変化に変換さ 、この電気信号を基に、赤外線が検出され 。

 このように、赤外線検出器1においては、 リファレンス素子21において、絶縁膜31、放 用金属膜23及び金属柱25を介してボロメータ 膜22が基板10と接続されている。このため、 赤外線により発生したボロメータ薄膜22の受 部22aの熱が絶縁膜31、放熱用金属膜23、複数 の金属柱25、基板側放熱用金属膜24を介して 板10へ効率良く放熱されるので、使用環境の 変化によって発生する温度変化のみを正確に 測定することができる。結果、使用環境にお ける温度変化の影響を効率良く低減すること が可能となる。

 また、リファレンス素子21において、基 側放熱用金属膜24を金属柱25と基板10との間 介在させることで、金属柱25と基板10との熱 な接触面積を大きくすることができる。よ て、入射した赤外線によってボロメータ薄 22に発生した熱を一層効率良く基板10へ放熱 することができる。

 また、リファレンス素子21において、受 部22a及び基板10を熱的に接続する部材が、複 数の柱状体の金属柱25で構成されている。こ ため、受光部22a及び基板10を熱的に接続す 部材を一塊の金属で構成する場合に比べて 受光部22aと金属柱25との間、あるいは基板10 金属柱25との間の熱膨張率差によりボロメ タ薄膜15に応力がかかることを防ぐことがで き、結果、ボロメータ薄膜15にクラックが発 することを防止することができる。

 また、リファレンス素子21において、金 柱25及び放熱用金属膜23が一体的に形成され 場合には、基板10と伝熱体との間の熱膨張 差により発生する応力を分散させることが 能となり、結果、ボロメータ薄膜15にクラッ クが発生することを防止することができる。

 さらに、リファレンス素子21とボロメー 素子11との形状が類似するため、両素子間の 形状相違による抵抗差を少なくすることがで きるので、リファレンス素子として好適に採 用することができる。

 次に、本実施形態に係る赤外線検出器1の 製造方法について説明する。なお、リファレ ンス素子21の製造工程は、ボロメータ素子11 製造工程を含むため、以下ではリファレン 素子21の製造工程を中心に説明する。図9~図1 4は、図1に示す赤外線検出器1におけるリファ レンス素子21の製造工程を示す側断面図であ 。

 まず、図9の(a)に示すように、基板熱酸化 工程を行う。この工程では、Si基板100の表面 酸化して、Si基板100上に熱酸化膜101を形成 る。熱酸化膜101の膜厚は、例えば0.7μmであ 。

 次に、図9の(b)に示すように、第1電極形 工程を行う。この工程では、リファレンス 子21のROICパッド26、27及び電極パッド33を熱 化膜101上に形成する。例えば、Al-Si-Tiを1μm 層し、フォトレジストによるマスク処理後 エッチングによりROICパッド26、27及び電極パ ッド33を形成する。エッチングは、均一性よ 形成するために、好ましくはドライエッチ グ法が用いられる。また、ウェットエッチ グ法で行われてもよい。

 次に、図9の(c)に示すように、SiO 2 積層工程を行う。この工程では、熱酸化膜101 、ROICパッド26、27及び電極パッド33上にSiO 2 膜102を積層する。例えば、プラズマCVDによっ てSiO 2 膜102を1μm積層する。なお、ここでは、Si基板 100、熱酸化膜101及びSiO 2 膜102を基板10としている。

 次に、図10の(d)に示すように、開口形成工 を行う。この工程では、ROICパッド26、27及び 電極パッド33の上部のSiO 2 膜102に、開口102a,102b,102cをそれぞれ形成する 例えば、SiO 2 膜102にフォトレジストによるマスク処理をし 、エッチングによりSiO 2 膜102を除去して開口102a,102b,102cを形成する。

 次に、図10の(e)に示すように、第2電極形成 程を行う。この工程では、ROICパッド26、27 び電極パッド33と同一材料の金属層を形成し 、フォトレジストによるマスク処理後、エッ チングによりパターニングし、ROICパッド26、 27、電極パッド33及び基板側放熱用金属膜24を 形成する。すなわち、第1電極形成工程で形 したROICパッド26、27、電極パッド33と、第2電 極形成工程で形成したROICパッド26、27、電極 ッド33とをそれぞれ一体化すると共に、ROIC ッド26、27、電極パッド33の上面が、開口102a ,102b,102cを介してSiO 2 膜102上に位置するように形成する。そして、 ROICパッド26、27、電極パッド33及び基板側放 用金属膜24の上面が同一平面に位置するよう に形成する。このように、ROICパッド26、27、 極パッド33及び基板側放熱用金属膜24の上面 を同一平面とするように形成することで、リ ファレンス素子21のメンブレン構造が平坦化 れる。

 次に、図10の(f)に示すように、犠牲層塗 工程を行う。この工程では、犠牲層36を塗布 により形成する。犠牲層36として、例えばポ イミドが用いられ、その膜厚は例えば2.5μm ある。

 次に、図11の(g)に示すように、ダミー画素 成工程を行う。この工程では、最初に、開 を形成するための前処理として、保護層34を 積層する。例えば、アモルファスシリコンを 積層して保護層34を形成する。また、TEOS-SiO 2 (TEOSを用いたプラズマCVD装置により形成され SiO 2 膜)を積層して保護層34を形成してもよい。こ の保護層34として、例えば50nm積層する。次に 、フォトレジストによるマスク処理後、エッ チングにより、保護層34及び犠牲層36を貫通 る開口36aを複数形成する。開口36aは、極力 さい内径となるように形成され、例えば内 が2μm、開口36a間のピッチは2~5μmである。そ て、開口36a形成後、犠牲層36を除去する。 えば、犠牲層36としてアモルファスシリコン を用いた場合には、XeF 2 を用いて除去し、犠牲層36としてTEOS-SiO 2 を用いた場合には、HFを用いて除去する。

 次に、図11の(h)に示すように、金属柱形 工程を行う。この工程では、ダミー画素作 工程により形成された開口36aの内部及び犠 層36の上面に、金属膜35を形成する。例えば パッタによりAl、Cu又はWを1μm積層して金属 35を形成する。これにより、開口36aの内部 金属柱25が形成される。金属柱25は、例えば 径が2μmであり、ピッチが2~5μmである。ここ で、ダミー画素作成工程において、開口36aの 内径を極力小さく形成しているため、例えば 、図15の(a)に示すように、金属柱25の外径(す わち、開口36aの内径)が大きい場合に比べて 、図15の(b)に示すように、金属柱25の上部に 続する金属膜35を平坦化できる。これにより 、メンブレン構造を平坦化すべく金属柱形成 工程の後に平坦化工程(エッチバック工程)を る必要がなくなり、製造コストを低減でき 。さらに、金属柱25の外径を小さく形成す ことで、使用する金属も少量で済むため、 料コストを低減することができる。

 次に、図11の(i)に示すように、放熱用金 膜形成工程を行う。この工程では、フォト ジストによるマスク処理及び金属膜35をエッ チングすることによりにより、金属柱25の上 に放熱用金属膜23を形成する。このように 金属柱25及び放熱用金属膜23を一体的に形成 るため、基板10と金属柱25との間の熱膨張率 差により発生する応力を分散させることが可 能となり、結果、ボロメータ薄膜15にクラッ が発生することを防止することができる。

 次に、図12の(j)に示すように、絶縁膜積層 程を行う。この工程では、絶縁膜31として例 えばTEOS-SiO 2 を100nm積層する。その後、図12の(k)に示すよ に、ボロメータ薄膜積層工程を行う。この 程では、ボロメータ薄膜22として例えばアモ ルファスシリコンを100nm積層する。その後、 12の(l)に示すように、電極用金属膜積層工 を行う。この工程では、電極用金属膜38を積 層する。電極用金属膜38として、例えばWSi又 Tiを50nm積層する。なお、電極用金属膜38を10 0nm積層してもよい。

 次に、図13の(m)に示すように、上部電極 成工程を行う。この工程では、電極用金属 38をフォトレジストによるマスク処理後パタ ーニングして上部電極38を形成する。その後 図13の(n)に示すように、開口形成工程を行 。この工程では、ROICパッド26、27の上部の層 に開口39,40をそれぞれ形成し、基板側放熱用 属膜24とROICパッド26、27との間に位置する基 板10上の層に開口41,42をそれぞれ形成し、電 パッド33の上部の層を除去する。

 次に、図13の(o)に示すように、電極プラ 形成工程を行う。この工程では、スパッタ は真空蒸着により金属を積層し、その後、 フトオフにより開口39,40に電極プラグ28,29を れぞれ形成する。例えばAlを用いて電極プ グ28,29を形成する。これにより、上部電極38 び電極プラグ28,29はそれぞれ一体化される

 次に、図14の(p)に示すように、下部電極形 工程を行う。この工程では、電極用金属膜 フォトレジストによるマスク処理後、リフ オフによりパターニングして下部電極32を形 成する。下部電極32には、例えば、ROICパッド 26,27と信号処理回路14とを接続する配線が含 れる。その後、図14の(q)に示すように、犠牲 層除去工程を行う。この工程では、例えばポ リイミドからなる犠牲層36をO 2 によりアッシングする。このように、犠牲層 36を完全に除去することで、プロセスにおけ 熱処理等により、犠牲層36から不要なガス 発生することを防止することができる。

 図9~図14に示す工程を行うことで、赤外線 吸収による熱を好適に基板10に放熱すること できるリファレンス素子21を製造すること できる。なお、ボロメータ素子11を製造する 場合には、ダミー画素作成工程、金属柱形成 工程及び放熱用金属膜形成工程は不要である 。ここで、ボロメータ素子11及びリファレン 素子21は、同一の基板10上に同時に製造可能 である。この場合には、ボロメータ薄膜15及 ボロメータ薄膜22は、基板10の表面と略平行 であって略同一の平面上に位置するため、露 光によるパターニングの際に焦点深度の制御 を容易とすることができ、結果、赤外線検出 器1の小型化を図ることが可能となる。さら 、このように製造する場合には、画素部12及 びリファレンス画素部13における抵抗率の均 性も向上するため、リファレンス素子とし の機能を向上させることができる。そして 独立して製造した信号処理回路部14を、ボ メータ素子11からなる画素部12、及びリファ ンス素子21からなるリファレンス画素部13に 接続して赤外線検出器1が完成する。

 なお、上述した実施形態は、本発明に係 赤外線検出器の一例を示すものである。本 明に係る赤外線検出器は、実施形態に係る 外線検出器に限られるものではなく、実施 態に係る赤外線検出器を変形し、又は他の のに適用したものであってもよい。

 例えば、上記実施形態では、基板側放熱 金属膜24を有するリファレンス素子21を備え た赤外線検出器1を説明したが、図16に示すよ うに、リファレンス素子21に基板側放熱用金 膜24を有さない場合であってもよい。この うに構成した場合には、受光部22aにおいて 外線により発生した熱が、絶縁膜31、放熱用 金属膜23、金属柱25の順に伝導し、基板10へ放 熱される。このため、上記実施例と同様に、 リファレンス素子21が環境変化等による温度 化を正確に検出し、使用環境における温度 化の影響を効率良く低減することができる 共に、小型化を図ることが可能となる。

 また、上記実施形態では、反射膜20を有 るボロメータ素子11を備えた赤外線検出器1 説明したが、図17に示すように、ボロメータ 素子11に反射膜20を有さない場合であっても い。このように構成した場合であっても、 ファレンス素子21の受光部22aにおいて赤外線 により発生した熱が、絶縁膜31、放熱用金属 23、金属柱25、基板側放熱用金属膜24の順に 導し、基板10へ放熱される。このため、上 実施例と同様に、リファレンス素子21が環境 変化等による温度変化を正確に検出し、使用 環境における温度変化の影響を効率良く低減 することができると共に、小型化を図ること が可能となる。

 また、上記実施形態では、基板側放熱用 属膜24を有するリファレンス素子21、及び反 射膜20を有するボロメータ素子11を備えた赤 線検出器1を説明したが、図18に示すように リファレンス素子21に基板側放熱用金属膜24 有さず、ボロメータ素子11に反射膜20を有さ ない場合であってもよい。このように構成し た場合であっても、リファレンス素子21の受 部22aにおいて赤外線により発生した熱が、 縁膜31、放熱用金属膜23、金属柱25の順に伝 し、基板10へ放熱される。このため、上記 施例と同様に、リファレンス素子21が環境変 化等による温度変化を正確に検出し、使用環 境における温度変化の影響を効率良く低減す ることができると共に、小型化を図ることが 可能となる。

 さらに、上記実施形態では、金属柱25が 柱で形成される場合を説明したが、金属柱25 の断面が矩形や三角形となる柱状であっても よく、このような場合であっても、使用環境 における温度変化の影響を効率良く低減する ことができると共に、小型化を図ることが可 能となる。