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Title:
PHOTORESPONSIVE GAS-GENERATING MATERIAL, MICROPUMP AND MICROFLUID DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113566
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a photoresponsive gas-generating material, which is to be used in a micropump of a microfluid device wherein a microchannel is formed, capable of efficiently generating a gas upon light irradiation and transporting a microfluid at an improved liquid-transport efficiency. Also provided is a micropump using the photoresponsive gas-generating material as described above. A gas-generating material to be used in a micropump of a microfluid device wherein a microchannel is formed in a substrate, which is a photoresponsive gas-generating material (13) containing a photoacid-generating agent and an acid stimulus-responsive gas-generating agent; and a micropump (10) comprising the above-described photoresponsive gas-generating material (13) stored therein.

Inventors:
FUKUOKA MASATERU (JP)
YAMAMOTO KAZUKI (JP)
AKAGI YOSHINORI (JP)
FUKUI HIROJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054622
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
March 11, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SEKISUI CHEMICAL CO LTD (JP)
FUKUOKA MASATERU (JP)
YAMAMOTO KAZUKI (JP)
AKAGI YOSHINORI (JP)
FUKUI HIROJI (JP)
International Classes:
F04F1/18; B01J7/00; B01J19/00; B81B1/00; F04B9/00; F04F1/06; G01N37/00
Foreign References:
JP2007279069A2007-10-25
JP2006249025A2006-09-21
JP2005314298A2005-11-10
JP2005297155A2005-10-27
JP2003146790A2003-05-21
JP2002363531A2002-12-18
JP2007264502A2007-10-11
JPS5492944A1979-07-23
JP2001132646A2001-05-18
JP2002021715A2002-01-23
JPH1010088A1998-01-16
US3489670A1970-01-13
JP2005297102A2005-10-27
JP2002138076A2002-05-14
Other References:
See also references of EP 2258951A4
Attorney, Agent or Firm:
MIYAZAKI, Chikara et al. (JP)
Miyazaki Chikara (JP)
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Claims:
 基板内に微細流路が形成されているマイクロ流体デバイスのマイクロポンプに用いられる光応答性ガス発生材料であって、
 光酸発生剤と、酸刺激ガス発生剤とを含むことを特徴とする、光応答性ガス発生材料。
 酸刺激ガス発生剤の配合量が、光酸発生剤から発生する酸と化学等量以上の配合量である、請求項1記載の光応答性ガス発生材料。
 バインダー樹脂をさらに含む、請求項1又は2に記載の光応答性ガス発生材料。
 バインダー樹脂100重量部に対して、光酸発生剤10重量部~300重量部、酸刺激ガス発生剤10重量部~300重量部を含有する、請求項3記載の光応答性ガス発生材料。
 基板内に微細流路が形成されているマイクロ流体デバイスのマイクロポンプに用いられる光応答性ガス発生材料であって、
 コバルトアミン系錯体、カルバミン酸o-ニトロベンジル、オキシムエステル、下記の式(1)で表わされる光の照射によりアミンを発生させるカルバモイルオキシイミノ基含有化合物、及び下記の式(2)で表わされるカルボン酸(a1)と塩基性化合物(a2)との塩からなる群から選択された少なくとも1種である光塩基発生剤(A)と、
 塩基増殖剤(B)とを含む、光応答性ガス発生材料。
 式(1)において、R 1 は、n価の有機基であり、R 2 及びR 3 は各々、水素、芳香族もしくは脂肪族基であり、R 2 とR 3 は同じでもよく、異なっていてもよく、nは1以上の整数である。
 塩基増殖剤の配合量が、光塩基発生剤100重量部に対して、50~200重量部の配合量である、請求項5記載の光応答性ガス発生材料。
 アミノアルキル化合物(C)をさらに含む、請求項5又は6に記載の光応答性ガス発生材料。
 バインダー樹脂をさらに含む、請求項5~7のいずれか1項に記載の光応答性ガス発生材料。
 バインダー樹脂100重量部に対して、それぞれ光塩基発生剤(A)20~500重量部、塩基増殖剤(B)10~1000重量部を含有する、請求項6記載の光応答性ガス発生材料。
 錠剤状あるいは微粒子状あるいはフィルム状の形態である請求項1~9記載のいずれか1項記載の光応答性ガス発生材料。
 請求項1~9のいずれか1項に記載の光応答ガス発生材料と、前記光応答ガス発生材料を支持する支持部材とを備える光応答性ガス発生部材。
 基板内に微細流路が形成されているマイクロ流体デバイスに用いられるマイクロポンプであって、
 前記マイクロポンプ内に請求項1~10のいずれか1項に記載の光応答性ガス発生材料、該光応答性ガス発生材料からなる光応答性ガス発生錠剤、該光応答性ガス発生材料からなる光応答性ガス発生微粒子、及び該光応答性ガス発生材料からなる光応答性ガス発生フィルムの内の少なくとも1つが収納されていることを特徴とする、マイクロポンプ。
 前記基板内に前記マイクロポンプを形成するためのガス発生室が形成されており、ガス発生室に臨むように、前記基板の一面に光学窓が設けられており、前記ガス発生室内に、前記光応答性ガス発生材料が収納されている、請求項11に記載のマイクロポンプ。
 請求項1~10のいずれか1項記載の光応答性ガス発生材料が、フィルム状光応答性ガス発生材料であり、前記基板にマイクロポンプを形成するために基板表面に開口しているガス発生部が形成されており、該ガス発生部が前記フィルム状光応答性ガス発生材料により閉成されるように、前記基板の表面に前記フィルム状光応答性ガス発生材料が貼付されている、マイクロポンプ。
 基板内に微細流路が形成されているマイクロ流体デバイスであって、
 前記基板が少なくとも2つの前記マイクロポンプが内蔵されている第1のプレートと、該第1のプレートに積層されており、かつ微細流路を構成するための溝もしくは貫通孔を有する第2のプレートとを有し、前記マイクロポンプが、駆動源として請求項1~10のいずれか1項に記載の光応答性ガス発生材料を有するマイクロ流体デバイス。
 前記微細流路が複数設けられており、平面視において、隣接する前記微細流路の開口相互間に設けられ、前記ガス発生部を遮光する遮光層をさらに備える、請求項13に記載のマイクロ流体デバイス。
Description:
光応答性ガス発生材料、マイク ポンプ及びマイクロ流体デバイス

 本発明は、微細流路が形成されているマ クロ流体デバイスのマイクロポンプに用い れる光応答性ガス発生材料に関し、より詳 には、光の照射によりマイクロ流体を搬送 るためのガスを発生し、マイクロ流体の送 効率を高めることを可能とする光応答性ガ 発生材料、並びに該光応答性ガス発生材料 用いたマイクロポンプ及びマイクロ流体デ イスに関する。

 近年、様々な分野で分析装置の小型化が められている。例えば、医療診断を患者の 傍で行うベッドサイド診断では、結晶検査 器の小型化が強く求められている。また、 気、水、または土壌中の環境汚染物質の分 に際しては、屋外で行う必要があるため、 のような用途においても、分析装置の小型 が強く求められている。

 このようなニーズを満たすものとして、 イクロ流体デバイスが注目されている。マ クロ流体デバイスは、例えば、手で容易に ち運び、取り扱い得る大きさの基板を有す 。この基板内に、試薬、希釈液、及び検体 どを搬送する複数の微細流路が形成されて る。そして、基板内には、上記微細流路に 続される部分として、試薬収納部、検体供 部、希釈液収納部、反応室、混合部等が適 設けられている。

 マイクロ流体デバイスでは、小型化が進め れているため、上記基板の大きさは、通常 平面積が1000cm 2 以下程度であり、基板の厚みは0.5mm~10mm程度 ある。従って、内部に形成される微細流路 径は、通常、5μm~1mm程度と非常に細い。ここ で流路が平坦である場合には、微細流路の径 は平坦流路の断面の狭い方の幅でもって規定 される。

 従って、検体、希釈液、試薬等のマイク 流体は、上記のような非常に小さな径の流 を搬送されるため、通常の液体が送液され 回路と異なり、液体の表面張力や微細流路 壁面の濡れ性などに大きく影響を受ける。 って、従来、このようなマイクロ流体デバ スの様々な部分について、種々の検討がな れている。

 このようなマイクロ流体デバイスの基板内 マイクロポンプを構成する方法が研究され いる。ここで、マイクロポンプとは、上記 ような微細流路にマイクロ流体を送液する 動源であって、典型的には、総体積が1cm 3 以下程度の非常に小さなポンプをいうものと する。例えば、特許文献1には、MEMS加工技術 より、非常に小型化されたダイヤフラム構 を備えたマイクロポンプが開示されている また、下記の特許文献2には、微小ピストン により断続的に送液するマイクロポンプが開 示されている。また、下記の特許文献3には 微細流路上に電気浸透流を発生させる方法 より、送液を行うポンプが開示されている また、下記の特許文献4には、固体電解質を いた水素ポンプからなるマイクロポンプが 示されている。

 他方、下記の特許文献5には、基板内に構成 されたマイクロポンプ室に、熱または光線に よりガスを発生する材料が充填されているマ イクロポンプが開示されている。ここでは、 マイクロポンプ室に配置された熱または光線 によりガスを発生する材料に対し、熱エネル ギーを与えたり、あるいは光を照射すること により、ガスが発生される。そして、この発 生したガスの圧力により、微細流路内のマイ クロ流体が送液される。特許文献5では、熱 たは光線によりガスを発生する材料として 、酸素含有量が15~55重量%のポリオキシアル レン樹脂が示されている。

特開2001-132646号公報

特開2002-021715号公報

特開平10-10088号公報

米国特許第3,489,670号明細書

特開2005-297102号公報

 特許文献1~4に記載の様々なマイクロポン では、構造が複雑であり、小型化が困難で った。特に、ダイヤフラム構造や微小ピス ンを用いた特許文献1,2に記載のポンプでは 機械的な構造を有するため、小型化が困難 あるだけでなく、送液されるマイクロ流体 おいて脈動が生じるという問題があった。

 他方、特許文献4に記載の固体電解質を用 いた水素ポンプでは、組み立てが煩雑であり 、かつ導電線ならびにガス流路等の引き回し の制約が大きく、従って、マイクロ流体デバ イスの基板内に多くのポンプを高密度に実装 することが困難であった。

 これに対して、特許文献5に記載のマイク ロポンプでは、熱または光によりガスを発生 する材料が、光の照射によりガスを発生する ため、複雑な機械的構造を必要とせず、また 導電線も必要としない。従って、マイクロポ ンプの構造の簡略化及び小型化を進め、ポン プを高密度に実装することができる。しかも 、上記光線によりガスを発生する材料を充填 するマイクロポンプ室を形成すればよいだけ であるため、マイクロ流体デバイスの基板へ の加工も容易である。

 しかしながら、特許文献5に記載のマイク ロポンプでは、酸素含有量が15~55重量%のポリ オキシアルキレン樹脂を用いてマイクロポン プが構成されているため、充分なガス圧を得 るために光の照射強度を高くする必要があっ たり、流体駆動までに時間がかかるという問 題があった。

 また、ガスを発生する化合物としてアゾ 合物を用いた場合、光・熱いずれでも分解 るため、保存時に高温になると、意図に反 てガスが発生してしまうなど、保存安定性 悪いという問題もあった。

 本発明の目的は、上述した従来技術の現 に鑑み、微細流路が形成されているマイク 流体デバイスのマイクロポンプに用いられ 光応答性ガス発生材料であって、光が照射 れるとガスを効率的に発生し、マイクロ流 を搬送することができ、しかも送液効率を めることができる光応答性ガス発生材料、 びに該光応答性ガス発生材料を用いたマイ ロポンプ及びマイクロ流体デバイスを提供 ることにある。

 本願の第1の発明によれば、基板内に微細 流路が形成されているマイクロ流体デバイス のマイクロポンプに用いられる光応答性ガス 発生材料であって、光酸発生剤と、酸刺激ガ ス発生剤とを含む、光応答性ガス発生材料が 提供される。

 また、本発明では、上記光酸発生剤とし は、光照射によって酸を発生する様々な化 物を用いることができるが、キノンジアジ 化合物、オニウム塩、スルホン酸エステル 及び有機ハロゲン化合物からなる群から選 れた少なくとも1種が好ましく、キノンジア ジド化合物、スルホン酸オニウム塩、ベンジ ルスルホン酸エステル、ハロゲン化イソシア ヌレート及びビスアリールスルホニルジアゾ メタンからなる群から選ばれた少なくとも1 が特に好ましい。これらの光酸発生剤は、 が照射されると効率的に分解し、スルホン 等の強酸を生じさせる。さらに、発生した は、酸刺激ガス発生剤と効率的に反応する で、ガスの発生効率がより一層高められる

 本発明では、前記酸刺激ガス発生剤とし は、炭酸塩及び/又は重炭酸塩が好ましく、 それによって、酸による刺激が与えられた際 に、ガスがより一層効率よく発生する。

 本願の第2の発明に係る光応答性ガス発生 材料は、基板内に微細流路が形成されている マイクロ流体デバイスのマイクロポンプに用 いられる光応答性ガス発生材料であって、コ バルトアミン系錯体、カルバミン酸o-ニトロ ンジル、オキシムエステル、下記の式(1)で わされる光の照射によりアミンを発生させ カルバモイルオキシイミノ基含有化合物、 び下記の式(2)で表わされるカルボン酸(a1)と 塩基性化合物(a2)との塩からなる群から選択 れた少なくとも1種である光塩基発生剤(A)と 塩基増殖剤(B)とを含む。

 式(1)において、R 1 は、n価の有機基であり、R 2 及びR 3 は各々、水素、芳香族もしくは脂肪族基であ り、R 2 とR 3 は同じでもよく、異なっていてもよく、nは1 上の整数である。

 第2の発明に係る光応答性ガス発生材料は 上記光塩基発生剤(A)と、塩基増殖剤(B)とを含 むため、光が照射されると、ガスを速やかに かつ効率良く発生させる。

 すなわち、光が照射されると、光塩基発 剤(A)が分解し、気体の塩基(以下、「塩基ガ ス」と略称する)と、二酸化炭素と、アルキ ラジカルとを発生させる。従って、2種類の 量のガスが同時に発生するため、速やかに つ効率良くガスが発生する。加えて、上記 基ガスが、塩基増殖剤(B)と反応することに り、連鎖的に塩基ガスが発生する。この塩 増殖剤(B)から反応して生じた塩基ガスは、 己を触媒として、さらに塩基ガスを発生す ので、幾何級数的に塩基ガスが発生する。 えて、同時に二酸化炭素も発生する。従っ 、より一層速やかに大量のガスが発生する

 また、本発明に係るマイクロ流体デバイ は、基板内に微細流路が形成されているマ クロ流体デバイスであって、前記基板が少 くとも2つの前記マイクロポンプが内蔵され ている第1のプレートと、該第1のプレートに 層されており、かつ微細流路を形成する溝 しくは貫通孔を有する第2のプレートとを有 し、前記マイクロポンプが、駆動源として本 発明に従って構成された光応答性ガス発生材 料を有する。

 本発明(第1、第2の発明を総称して、以下 発明とする。)の光応答性ガス発生材料は、 錠剤状、微粒子状、フィルム状などの形態に 加工されていてもよい。

 本発明に係る光応答性ガス発生材料は、 インダー樹脂をさらに含んでいてもよい。 インダー樹脂を含ませることよって、錠剤 、微粒子状、フィルム状などの形態への加 が容易になる。また、バインダー樹脂の形 を強固に固定することができる。

 また、本発明では、上記バインダー樹脂 重量平均分子量は、5万~100万の範囲が好ま い。また、上記バインダー樹脂は、光分解 を有することが好ましい。光分解性を有す 場合には、ガスがより一層効率的に発生す 。

 また、上記バインダー樹脂は、粘接着性 有する樹脂であることが好ましい。その場 には、光応答性ガス発生材料に粘接着性を 与することができるので、例えばマイクロ ンプ構成部分に光応答性ガス発生材料を容 に設置することができる。例えば、フィル 状の光応答性ガス発生材料が粘着性を示す 合、マイクロ流体デバイスの基板面や基板 部の壁面に容易に貼付することができる。

 本発明の光応答性ガス発生材料は、光増 剤をさらに含むことが好ましい。光増感剤 含む場合には、光の照射によりガスがより 層速やかに発生する。

 本発明の光応答性ガス発生材料は、光応 性ガス発生材料を支持する支持部材を有し いてもよい。この場合、光応答性ガス発生 料にバインダー樹脂が含まれていてもよく また含まれていなくてもよい。

 本発明の支持部材は多孔性部材であって よい。この場合、光の照射により発生した スが、多孔性部材の多数の孔を通じて速や に光応答性ガス発生部材から放出される。 って、マイクロポンプ装置の送液効率を効 的に高めることができる。

 また、多孔性部材は、複数の繊維を集合 てなる繊維状部材であってもよい。この場 、繊維状部材の網目状の空間から発生した スが速やかに放出される。上記繊維状部材 、面状部材である場合には、面状部材の面 多数の網目から、発生したガスが速やかに 出される。

 また、上記支持部材は、不織布であって よく、その場合は、不織布の表面に光応答 ガス発生部剤を付着させることができる。 の構成では、不織布の表面に付着した光応 性ガス発生部材からガスが速やかに放出さ るため、光応答性ガス発生樹脂組成物のみ 用いた場合に比べて、内部で発生したガス より速やかに放出される。従って、マイク ポンプの送液効率を高めることができる。

 本発明に係るマイクロポンプは、基板内 微細流路が形成されているマイクロ流体デ イスに用いられ、マイクロポンプ内に本発 の光応答性ガス発生材料が収納されている

 本発明に係るマイクロポンプのある特定 局面では、前記基板内にガス発生室が形成 れており、前記ガス発生室が臨むように前 基板の一面に光学窓が設けられており、前 ガス発生室内に前記光応答性ガス発生材料 収納されている。

 本発明に係るマイクロポンプの他の特定 局面では、前記光応答性ガス発生材料が、 ィルム状光応答性ガス発生材料であり、前 基板にマイクロポンプを形成するために基 表面に開口しているガス発生部が形成され おり、該ガス発生部が前記フィルム状光応 性ガス発生材料により閉成されるように、 記基板の表面に前記フィルム状光応答性ガ 発生材料が貼付されている。

 本発明に係るマイクロポンプのさらに他 特定の局面では、前記基板表面であって、 記フィルム状光応答性ガス発生材料により われる部分に凹凸が形成される。

 本発明に係るマイクロ流体デバイスは、 板内に微細流路が形成されているマイクロ 体デバイスに用いられるマイクロポンプを え、少なくとも2つの前記マイクロポンプが 内蔵されている第1のプレートと、該第1のプ ートに積層されており、かつ微細流路を形 する溝もしくは貫通孔を有する第2のプレー トとを有し、前記マイクロポンプ内に本発明 の光応答性ガス発生材料が収納されている。

 本発明に係るマイクロ流体デバイスのあ 特定の局面では、前記第1のプレート内に少 なくとも2つのガス発生室が形成されており 前記ガス発生室が臨むように前記第1のプレ トの一面に光学窓が設けられており、前記 ス発生室内に前記光応答性ガス発生材料、 記光応答性ガス発生微粒子、及び前記光応 性ガス発生フィルムの内の少なくとも1つが 収納されている。

 本発明に係るマイクロ流体デバイスの他の 定の局面では、前記微細流路が複数設けら ており、平面視において、隣接する前記微 流路の開口相互間に設けられ、前記ガス発 部を遮光する遮光層がさらに備えられてい 。
(発明の効果)

 本願の第1の発明によれば、光応答性ガス 発生材料が、光酸発生剤と酸刺激ガス発生剤 とを含むので、光が照射されると光酸発生剤 が分解し、酸を生じさせる。さらに、該酸が 酸刺激ガス発生剤と反応することにより、酸 刺激ガス発生剤からガスを速やかに発生させ ることができる。よって、マイクロ流体デバ イスのマイクロポンプに、本発明の光応答性 ガス発生材料を用いることにより、マイクロ 流体を搬送することができ、しかも送液効率 を高めることができる。

 本願の第2の発明の光応答性ガス発生材料 によれば、光の照射により、ガスが効率良く 発生する。例えば、1モルの光塩基発生剤を 解するのに必要な光エネルギーを与えるこ により、2モル以上の塩基ガスと2モルの二酸 化炭素とが発生するため、ガス発生効率を高 めることができる。しかも、光応答性ガス発 生材料が光に応答して反応する過程は、連鎖 的に速やかに進行するため、ガスの発生まで の時間を短縮することもできる。

 また、本発明によれば、本願の第1、2の 明の光応答性ガス発生材料は、熱に対して 定なため保存安定性も良好である。

 よって、本発明の上記光応答性ガス発生 料を用いたマイクロポンプでは、送液効率 高めることが可能となる。また、該マイク ポンプが内蔵されたマイクロ流体デバイス おいても、マイクロ流体の搬送効率を高め 分析等の作業を速やかに行うことができる

図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形 に係るマイクロポンプを備えるマイクロ流 デバイスの略図的正面断面図及び該マイク ポンプの構造を拡大して示す部分正面断面 である。 図2は、本発明のマイクロポンプを備え るマイクロポンプ装置の変形例を示す部分正 面断面図である。 図3は、本発明の第2の実施形態に係る イクロ流体デバイスを説明するための略図 正面断面図である。 図4は、本発明の第3の実施形態に係る イクロ流体チップの断面図である。 図5は、本発明の第4の実施形態に係る イクロ流体デバイスを示す正面断面図であ 。 図6は、本発明の第5の実施形態に係る イクロ流体デバイスを示す正面断面図であ 。 図7は、第5の実施形態におけるガス発 層の平面図である。 図8は、第5の実施形態の変形例におけ ガス発生層の平面図である。 図9は、第5の実施形態の他の変形例に るマイクロ流体デバイスの断面図である。 図10は、第5の実施形態のさらに他の変 形例における基板の平面図である。

符号の説明

 1…マイクロ流体デバイス
 2…基板
 3…ベースプレート
 4~6…中間プレート
 4a…貫通孔
 6a…貫通孔
 7…トッププレート
 8,9…微細流路
 10…マイクロポンプ
 11…ガス発生室
 12…光学窓
 13…光応答性ガス発生材料
 14…流路
 17…反射部材
 17a…貫通孔
 18…測定セル
 20…マイクロポンプ
 21…光応答性ガス発生材料
 31…マイクロ流体デバイス
 32…基板
 33…ベースプレート
 33a…貫通孔
 33b,33c…溝
 34…中間プレート
 34a…貫通孔
 34b…溝
 35…トッププレート
 36…光応答性ガス発生部材
 37…ガスバリア層
 38,39…遮光層
 102A…基板
 103A…ベースプレート
 104A~106A…中間プレート
 107A…トッププレート
 108,109…微細流路
 110…マイクロポンプ
 111…ガス発生室
 112…光学窓
 113…光応答性ガス発生材料
 131…マイクロ化学チップ
 210…基板
 210a…表面
 210c…溝
 214…マイクロ流路
 214a…開口
 220…ガス発生層
 220a…連通孔
 220b…溝
 221…バリア層
 221a…外周部

 〔第1の発明の光応答性ガス発生材料〕
 第1の発明の光応答性ガス発生材料は、光酸 発生剤と、酸刺激ガス発生剤とを含む。本発 明の光応答性ガス発生材料は、光酸発生剤及 び酸刺激ガス発生剤を含むので、光が照射さ れると、光酸発生剤から酸を発生し、該酸が 酸刺激ガス発生剤と反応して、ガスを速やか に発生する。

 本発明において、光酸発生剤とは、光が 射されると酸を発生する化合物である。こ ような光酸発生剤は既によく知られており 本発明においては、従来公知の光酸発生剤 適宜用いることができる。

 上記光酸発生剤の具体例として、例えば キノンジアジド化合物、オニウム塩、スル ン酸エステル類、有機ハロゲン化合物等を げることができる。

 中でも、上記光酸発生剤として、キノン ジド化合物、スルホン酸オニウム塩、ベン ルスルホン酸エステル、ハロゲン化イソシ ヌレート及びビスアリールスルホニルジア メタンからなる群から選ばれた少なくとも1 種が特に好ましく用いられる。これらの光酸 発生剤は、光が照射されると効率的に分解し 、スルホン酸等の強酸を発生させる。よって 、これらの光酸発生剤を用いた場合には、ガ スの発生効率がより一層高められる。

 上記キノンジアジド化合物としては、1,2- ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホン酸又は1,2 -ナフトキノン-2-ジアジド-4-スルホン酸と低 子芳香族ヒドロキノン化合物とのエステル 挙げることができる。上記低分子芳香族ヒ ロキノン化合物としては、例えば、1,3,5-ト ヒドロキシベンゼン、2,3,4-トリヒドロキシ ンゾフェノン、2,3,4,4’-テトラヒドロキシベ ンゾフェノン、クレゾール等が挙げられる。 なかでも、1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-5-ス ホン酸-p-クレゾールエステルが好ましく用 られる。

 上記オニウム塩としては、トリフェニル ルホニウムヘキサフルオロアンチモネート トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロ スフェート等を挙げることができる。

 上記スルホン酸エステル類としては、ビ アリールスルホニルジアゾメタン、p-ニト ベンジル9,10-ジメトキシアントラセン-2-スル ホネート、m-ニトロベンジル9,10-ジメトキシ ントラセン-2-スルホネート、m、p-ジニトロ ンジル9,10-ジメトキシアントラセン-2-スルホ ネート、p-シアノベンジル9,10-ジメトキシア トラセン-2-スルホネート、クロロベンジル9, 10-ジメトキシアントラセン-2-スルホネート、 ジメチルアミノナフタレン-5-スルフォネート 、ジフェニルヨードニウム-9,10-ジメトキシア ントラセン-2-スルフォネート、4-メトキシフ ニル-フェニルヨードニウム-9,10-ジメトキシ アントラセン-2-スルフォネート、ビス(4-メト キシフェニル)ヨードニウム-9,10-ジメトキシ ントラセン-2-スルフォネート、ビス(4-t-ブチ ルフェニル)ヨードニウム-9,10-ジメトキシア トラセン-2-スルフォネート、ジフェニルヨ ドニウム-アントラセン-2-スルフォネート、 フェニルヨードニウム-トルフルオロメタン スルフォネート、5-プロピルスルホニルオキ イミノ-5H-チオフェン-2-イリデン)-2-メチル ェニルアセトニトリル等が挙げられる。な でも、光照射による酸の発生効率が高いの 、ジフェニルヨードニウム-9,10-ジメトキシ ントラセン-2-スルフォネート、5-プロピルス ルホニルオキシイミノ-5H-チオフェン-2-イリ ン)-2-メチルフェニルアセトニトリルが好ま い。

 上記酸刺激ガス発生剤としては、酸の刺 すなわち酸の作用によりガスを発生するも であれば特に限定されないが、炭酸塩及び/ 又は重炭酸塩が好適に用いられる。

 上記酸刺激ガス発生剤としては、例えば 炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セ キ炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭 カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシ ム、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられ 。これらは、単独で用いられてもよく、2種 以上が併用されてもよい。安定性に優れてお り、かつガス発生量も多いので、炭酸ナトリ ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム と炭酸水素ナトリウムの混合物がより好適で ある。

 上記酸刺激ガス発生剤の配合量は、光酸 生剤から発生する酸と化学等量以上の配合 であることが望ましい。

 〔第2の発明の光ガス発生材料〕
 光塩基発生剤(A)
 上記光塩基発生剤(A)は、光の照射により分 し、ガス状の塩基を発生するものであり、 バルトアミン系錯体、カルバミン酸o-ニト ベンジル、オキシムエステル、下記の式(1) 表わされる光の照射によりアミンを発生さ るカルバモイルオキシイミノ基含有化合物 及び下記の式(2)で表わされるカルボン酸(a1) 塩基性化合物(a2)との塩からなる群から選択 された少なくとも1種である。

  式(1)において、R 1 は、n価の有機基であり、R 2 及びR 3 は各々、水素、芳香族もしくは脂肪族基であ り、nは1以上の整数である。

 上記式(1)で表わされるカルバモイルオキ イミノ基含有化合物としては、特に限定さ ないが、特開2002-138076号において、下記の うにして製造されることが示されている化 物などを例示することができる。

 ヘキサメチレンジイソシアネート0.05molに 、テトラヒドロフラン(THF)100mlに溶解したア トフェノンオキシム0.1molを添加し、乾燥、 素雰囲気下、50℃で4時間攪拌し反応させた 反応液からテトラヒドロフランを揮発させ と白色の固体が得られた。得られた白色の 体を80℃のメチルエチルケトンに溶解させ、 再結晶により精製し、光照射によりアミンを 発生する化合物を作製した。

 上記カルボン酸(a1)と、塩基性化合物(a2) の塩は、カルボン酸(a1)と、塩基性化合物(a2) とを溶液中で混合するだけで簡単に調製する ことができる。カルボン酸(a1)と、塩基性化 物(a2)とを容器中で混合すると、下記の反応 (S1)で表わされる酸塩基反応が進行し、塩A1 生じる。

 上記式(S1)中、Xは塩基性化合物(a2)であり (A1)は塩である。

 上記のようにして得られる塩は、カルボ 酸(a1)に由来する骨格を有するので、光の照 射により容易に脱炭酸を起こし、下記の反応 式(S2)で表わされる反応が進行する。従って 上記塩は、単独で優れた光分解性能を発現 る。すなわち、上記の塩の分解により、塩 ガスと二酸化炭素とが速やかに発生し、し も十分な量の塩基ガス及び二酸化炭素が発 することとなる。

 上記式(S2)中、Xは塩基性化合物(a2)を示す

 上記塩基性化合物(a2)としては特に限定さ れず、例えば、一級アミン、二級アミン及び 三級アミン等のアミン、ピリジル基を含有す る化合物、ヒドラジン化合物、アミド化合物 、水酸化四級アンモニウム塩、メルカプト化 合物、スルフィド化合物及びホスフィン化合 物などを用いることができる。これらは、複 数用いられても構わない。

 上記塩基性化合物(a2)としては、下記の式 (3)~(8)で表わされる化合物からなる群から選 された少なくとも1種が好適に用いられる。 の場合には、上記塩が光の照射により、よ 一層速やかに分解し、より一層速やかに塩 ガス及び二酸化炭素が発生する。

 上記式(6)中、R 1 は炭素数1~10のアルキレン鎖を表す。塩基ガ も発生するので、好ましくはR 1 は、炭素数1~2のアルキレン鎖である。

 上記式(7)中、R 2 は炭素数1~10のアルキレン鎖を表す。塩基ガ も発生するので、好ましくは、R 2 は炭素数1~2のアルキレン鎖を表す。

 上述した式(6)において、R 1 が炭素数1または2のアルキレン鎖の場合、及 式(7)において、R 2 が炭素数1または2のアルキレン鎖の場合には 加えて、上記塩基ガスが、塩基増殖剤(B)と 応することにより、連鎖的に塩基ガスが発 する。塩基増殖剤(B)が反応して生じた塩基 スは、自己を触媒として、さらに塩基ガス 発生するので、幾何級数的に塩基ガスが発 することとなる。加えて、同時に二酸化炭 も発生する。従って、より一層速やかに大 のガスが発生する。

 他方、式(6)において、R 1 が炭素数3~10のアルキレン鎖の場合、及び式(7 )において、R 2 が炭素数3~10のアルキレン鎖の場合には、分 量が大きいので、塩基増殖剤が塩基ガスを 生しない。しかしながら、これらの塩基増 剤は、側鎖にカルボキシル基を多く含んで るので、二酸化炭素ガスを速やかにかつ効 良く発生させる。

 塩基増殖剤(B)
 本発明では、上記塩基増殖剤(B)が配合され いるため、前述したように、塩基ガスを増 的に発生させることができる。上記塩基増 剤(B)としては、特に限定されないが、好ま くは、9-フルオレニルカルバメート誘導体 用いられる。9-フルオレニルカルバメート誘 導体は、二官能型、球状多官能のオリゴマー 型、直鎖高分子型、またはシロキサン型のい ずれであってもよい。

 上記塩基増殖剤(B)としては、下記式(9)で される塩基増殖性基を有する塩基増殖剤(B1) が好ましい。

 上述した式(9)で表される塩基増殖性基を する塩基増殖剤(B1)は、塩基増殖反応によっ て分解して、新たにアミンを発生する。さら に、発生したアミンが新たな触媒として機能 し、増殖的に多数のアミンを生成する。上記 式(9)で表される塩基増殖性基が分子内に多く 存在するほど、分子内での塩基増殖反応が効 率的に起こる。従って、より一層多くのアミ ノ基が生成する。

 上記式(9)で表される塩基増殖性基を有す 塩基増殖剤(B1)を用いた塩基増殖反応では、 活性な水素原子が塩基によって引き抜かれて 、カルバニオンが形成される。次いで、カル バミン酸が脱離し、さらに分解が進行してア ミノ基と二酸化炭素を生成する。このアミノ 基が触媒となってこの反応を加速する。この 反応を下記反応式(X1)に示す。

上記式(9)で表される塩基増殖性基としては 、下記式(10)で表される塩基増殖性基が好ま い。

 上記式(10)中、Zは置換または無置換のア キレン鎖を示す。

 上記式(10)中、Zの具体例としては、メチ ン鎖、エチレン鎖、プロピレン鎖などが挙 られる。上記塩基増殖反応が効果的に起こ ため、Zは無置換のアルキレン鎖であること 好ましい。なかでも、Zにおける立体障害も 小さくなり、塩基増殖反応がより一層効果的 に起こり易いため、Zはメチレン鎖であるこ がより好ましい。

 上記式(10)で表される塩基増殖性基を有す る塩基増殖剤としては、下記式(11)で表され 塩基増殖剤が好ましい。

 上記式(11)中、Xは水素原子、置換されて るアルキル基、または無置換のアルキル基 示し、Zは置換または無置換のアルキレン鎖 示し、nは1~4の整数を示す。

 上記式(11)中、Xの具体例としては、メチ 基、エチル基、プロピル基などが挙げられ 。塩基増殖反応が効果的に起こるため、Xは 置換のアルキル基であることが好ましい。 かでも、Xにおける立体障害も小さくなり、 塩基増殖反応がより一層効果的に起こり易い ため、Xはエチル基であることがより好まし 。

 上記式(11)中、nは1~4の整数を示す。上記 (11)で表される塩基増殖剤が同一分子内に複 の9-フルオレニルカルバメート基を有する 合には、発生した塩基の触媒作用によって 基増殖反応がより一層効果的に起こり易い よって上記式(11)中、nは3又は4の整数である とが好ましい。

 上記式(11)で表される塩基増殖剤の具体例 としては、下記式(12)で表される塩基増殖剤(F lu3)、下記式(13)で表される塩基増殖剤(Flu4)が げられる。下記式(12)及び式(13)で表される 基増殖剤は、公知の方法によって得ること できる。

 上記式(12)及び式(13)で表される塩基増殖 は、同一分子内に複数の9-フルオレニルカル バメート基を有する。よって、発生した塩基 の触媒作用によって塩基増殖反応が進行し易 い。塩基の発生効率がより一層高められるの で、上記式(12)で表される塩基増殖剤がより ましく、上記式(13)で表される塩基増殖剤が らに好ましい。

 上記式(9),(10)で表される塩基増殖性基を する塩基増殖剤、あるいは上記式(11)~(13)で される塩基増殖剤は、特に限定されないが 例えばフルオレニルメタノールとイソシア ート誘導体との付加反応や、フルオレニル ルバメート基を有するアクリレートモノマ とポリチオール誘導体との付加反応によっ 合成することができる。前者の付加反応に スズ触媒を適切に用い、後者の付加反応に 塩基触媒を適切に用いることにより、合成 簡便に行うことができる。

 上記式(9)で表される塩基増殖性基として 、下記式(14)で表される塩基増殖性基も好ま しい。

 上記式(14)中、Rは水素原子またはメチル を示す。

 上記式(9)で表される塩基増殖性基を有す 塩基増殖剤(B1)としては、上記式(14)で表さ る塩基増殖性基と、下記式(15)で表される不 和基とを有する塩基増殖剤もより好ましく いることができる。

 上記式(15)中、Rは水素原子またはメチル を示す。

 上記式(14)で表される塩基増殖性基と上記 式(15)で表される不飽和基とを有する塩基増 剤もより好ましく用いることができる。

 上記式(14)で表される塩基増殖性基を有す る塩基増殖剤は、例えば、下記反応式(X2)に すように、上記式(15)で表される不飽和基を する化合物と、9-フルオレニルメチルN-(2-メ ルカプトエチル)カルバメートとの付加反応 より得ることができる。なお、この付加反 では、上記式(14)中のRは、上記式(15)で表さ る不飽和基のRに由来する。

 上記式(X2)中、Rは水素原子またはメチル を示す。

 上記式(15)で表される不飽和基を有する化 合物は、アクリレート基あるいはメタクリレ ート基(以下(メタ)アクリレート基として両者 を合わせて表記する)を有する化合物である

 上記式(15)で表される不飽和基を有する化 合物としては、例えば、(メタ)アクリレート モノマーまたはオリゴマーなどを用いるこ ができる。塩基増殖剤が同一分子中にでき だけ多くの上記式(15)で表される塩基増殖性 基を含んでいると、塩基増殖反応が効率よく 起こるため、(メタ)アクリレート基を少なく も2つ有するモノマーあるいはオリゴマーが 好ましい。

 上記多官能性(メタ)アクリレートモノマ または(メタ)アクリレートオリゴマーとして は、具体的には、エチレンジ(メタ)アクリレ ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アク レート、エポキシアクリレート、およびこ らの類似物が挙げられる。

 更には、例えば、ノボラック型の化合物 、公知のデンドリティックな多官能性(メタ )アクリレートも用いることができる。これ は単独で使用してもよいし、混合物として いてもよい。

 塩基増殖剤の同一分子中に、上記式(14)で 表される塩基増殖性基の数を増やすためには 、上記式(15)で表される不飽和基を少なくと 2つ有する化合物を用いればよい。

 上記式(15)で表される不飽和基を少なくと も2つ有する化合物は、例えば、上記式(15)で される不飽和基を有する化合物に、α-チオ リセリンをマイケル付加反応させて、下記 (16)で表されるジオール置換された基に変換 し、ついで、それぞれの水酸基をエステル化 あるいはウレタン化することによって得るこ とができる。この反応によって、例えば1つ 不飽和基を2つあるいは4つの不飽和基に変換 させることができる。

 上記式(16)中Rは、水素原子またはメチル を示す。

 上記式(16)で表される基を有するポリオー ル化合物の水酸基に、不飽和基である(メタ) クリレート基を導入するためには、エステ 化法およびウレタン化法を用いることがで る。

 上記塩基増殖剤(B)の配合割合は、光塩基 生剤(A)100重量部に対して、50~200重量部の範 が好ましい。塩基増殖剤(B)が50重量部未満 あると、塩基増殖剤反応を使った連鎖反応 効率的に起こらない場合がある。塩基増殖 (B)が200重量部を超えると、塩基増殖剤が溶 中に飽和し、塩基増殖剤が析出することが る。また、反応系を連鎖反応が支配し、反 を止めたいときに止めることができず、反 の制御が困難になることがある。

 アミノアルキル化合物(C)
 アミノアルキル化合物(C)は、光塩基発生剤( A)の分解により発生したアルキルラジカルと 応する。この反応によっても塩基ガスが発 する。そのため、アミノアルキル化合物を いることによって、ガスの発生効率をさら 高めることができる。そして、発生した塩 ガスが、塩基増殖剤(B)とさらに反応するこ により、塩基ガスがより一層幾何級数的に 生することとなる。さらに、塩基ガス発生 に、同時に二酸化炭素が発生する。よって 上記塩基増殖剤(B)に加えて、アミノアルキ 化合物(C)をさらに用いることにより、ガス 生効率をより一層高めることができる。

 上記アミノアルキル化合物(C)としては、 に限定されないが、メチルアミン、エチル ミン、ブチルアミン、N-メチル-アミノエチ 、N,N-ジメチルアミノエチル、N,N-ジエチル チレンジアミン及びN-メチルアミノブチルか らなる群から選択された1種の化合物が好適 用いられ、その場合には、ガス発生効率を らに高めることができる。

 第2の発明に係る光応答性ガス発生材料で は、上記光塩基発生剤(A)100重量部に対し、20~ 100重量部の割合でアミノアルキル化合物(C)が さらに含有されていることが好ましい。アミ ノアルキル化合物(C)が20重量部未満では、ア ノアルキル化合物(C)を添加した効果が十分 られないことがある。アミノアルキル化合 (C)が100重量部を越えると、光塩基発生剤か 生じるラジカルは、光塩基発生剤と等量で るため、ラジカルに対してアミノアルキル 合物(C)が過剰となり、未反応のアミノアル ル化合物(C)が残存することとなる。このた 、アミノアルキル化合物(C)は100重量部で十 である。

 第2の発明に係る光応答性ガス発生材料は 、上記光塩基発生剤(A)を含むので、光増感剤 を含有していなくても、少量の光を短時間照 射した場合でも、充分な量の塩基ガスを発生 させる。

 本発明の光応答性ガス発生材料は、通常 存されている温度でガスを発生せず、光照 によりガスを発生する材料であるため、熱 定性も好ましい。

 本発明では、光応答性ガス発生材料は、 剤状、微粒子状、フィルム状などの形態に 工されていてもよい。

 〔バインダー樹脂〕
 本発明では、光応答性ガス発生材料は、バ ンダー樹脂をさらに含んでいてもよい。こ 場合、錠剤状、微粒子状、フィルム状など 形態への光応答性ガス発生材料の加工が容 になる。また、光応答性ガス発生材料の形 を強固に維持することができる。

 上記バインター樹脂としては特に限定さ ず、例えば、ポリ(メタ)アクリル、ポリエ テル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ スチレン、ポリエーテル、ポリウレタン、 リカーボネート、ポリアミド、ポリイミド どの高分子材料を用いることができる。ま 、これらの共重合体を用いてもよく、これ を併用してもよい。なかでも、ガスの発生 率がより一層高められるので、ポリ(メタ)ア クリレートが好ましい。バインダー樹脂の紫 外光吸収帯は、上記光酸発生剤や光増感剤、 光塩基発生剤の紫外光吸収帯よりも短波長で あることが望ましい。

 上記ポリ(メタ)アクリルを得るのに用い れる(メタ)アクリレートモノマーは、鎖状化 合物または環状化合物のいずれであってもよ い。上記鎖状化合物としては、(メタ)アクリ 酸メチル、アクリル酸エチル、(メタ)アク ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-メチルヘキ ル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げら る。上記環状化合物としては、(メタ)アクリ ル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソ ロニル等が挙げられる。なかでも、(メタ) クリル酸メチルが好ましい。

 上記ポリ(メタ)アクリルは、例えば、上 した(メタ)アクリレートモノマーと、該(メ )アクリレートモノマーと共重合可能なビニ 系モノマーとを共重合することにより得ら たものであってもよい。

 上記(メタ)アクリルモノマーと共重合可 なビニル系モノマーとしては特に限定され 、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、 クロトン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマ 酸、カルボキシエチルアクリレート等のカ ボキシアルキル(メタ)アクリレート類等のカ ルボキシル基含有ビニルモノマー;2-ヒドロキ シエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ ロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブ ル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変 (メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー ル(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル ノマー;(メタ)アクリロニトリル、N-ビニル ロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニ ラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモ ホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル( タ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アク リルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリ アミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミ 、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレー などの窒素含有ビニルモノマー等が挙げら る。これらのビニル系モノマーは単独で用 てもよく、2種以上を併用してもよい。

 上記(メタ)アクリレートモノマーと上記 ニル系モノマーとの組合せとしては特に限 されないが、例えば(メタ)アクリル酸メチル と(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチ と(メタ)アクリルアミド、または(メタ)アク ル酸とN-イソプロピル(メタ)アクリルアミド との組合せ等が挙げられる。

 上記(メタ)アクリレートモノマーと上記 ニル系モノマーとの共重合比(重量比)は、98: 2~51:49の範囲が好ましい。

 ガスの発生効率がより一層高められるの 、上記ポリ(メタ)アクリレートとしては、 リメチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリ 酸メチル・(メタ)アクリル酸共重合体及び( タ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリルアミ 共重合体から選ばれた少なくとも1種が好ま しい。また、ガスの発生効率がより一層高め られるので、ポリ(メタ)アクリレートは、ア ノ基あるいはカルボニル基を有することが ましい。

 ガスの発生効率がより一層高められるの 、バインダー樹脂は光分解性を有してもよ 。

 上記バインダー樹脂の重量平均分子量は 5万~100万の範囲が好ましく、より好ましく 10万~50万の範囲である。バインダー樹脂の重 量平均分子量が小さすぎると、バインダー樹 脂自体の凝集力が低くなるため、光酸発生剤 もしくは酸刺激ガス発生剤または光塩基発生 剤もしくは塩基増殖剤を、強固に固めること ができないことがあり、バインダー樹脂の重 量平均分子量が大きすぎると、各種形態への 加工性が低下する。

 また、上記バインダー樹脂は、粘接着性 有する樹脂であることが好ましい。その場 には、光応答性ガス発生材料に粘接着性を 与することができるので、例えばマイクロ ンプに光応答性ガス発生材料を容易に配置 ることができる。例えば、粘着性を有する ィルム状光応答性ガス発生材料は、マイク 流体デバイスの基板面や基板内部の壁面に 易に貼付することができる。

 上記バインダー樹脂を含む場合には、第1 の発明では、バインダー樹脂100重量部に対し て、上記光酸発生剤は10~300重量部の割合で含 有されていることが好ましく、より好ましく は50~200重量部である。また、バインダー樹脂 100重量部に対して、酸刺激ガス発生剤は10~300 重量部の割合で含有さていることがより好ま しく、さらに好ましくは50~200重量部である。 光酸発生剤並びに酸刺激ガス発生剤が少なす ぎると、光の照射によりガスが充分に発生し ないことがあり、多すぎると、光酸発生剤並 びに酸刺激ガス発生剤がバインダー樹脂内に 効率よく分散あるいは付着されずに粉状物を 生じることがあり、マイクロ流路が汚染され ることがある。

 他方、第2の発明では、バインダー樹脂100重 量部に対して、上記光塩基発生剤(A)は、20~500 重量部の割合で含有されていることが好まし く、より好ましくは、100~300重量部である。 塩基発生剤(A)が少なすぎると、光の照射に りガスが充分に発生しないことがあり、光 基発生剤(A)が多すぎると、光塩基発生剤(A) バインダー樹脂内に効率よく分散あるいは 着されずに粉状物を生じることがあり、マ クロ流路が汚染されることがある。
 また、バインダー樹脂100重量部に対して、 記塩基増殖剤(B)は、10~1000重量部の割合で含 有されていることが好ましく、より好ましく は、50~500重量部のである。塩基増殖剤(B)が少 なくすぎると、塩基増殖反応を使った連鎖反 応が効率的に起こらない場合があり、塩基増 殖剤(B)が多すぎると、反応系連鎖反応が支配 し、反応を止めたいときにもとめることがで きず、反応の制御が困難になる。

 本発明の光応答ガス発生材料は、錠剤状 るいは微粒子状あるいはフィルム状の形態 有していることが好ましい。光応答ガス発 材料が錠剤状とされていることが特に好ま く、この場合は、光応答ガス発生材料の取 扱いが容易となる。また、フィルム状とす 場合と比較してバインダー樹脂の量を少な することができるため、高いガス発生効率 実現することができる。

 なお、光応答ガス発生材料を錠剤状に加 する方法としては、例えば、プレス法など 挙げられる。

 上記バインダー樹脂の量は、光応答ガス 生材料が有する形態に応じて適宜決定する とができる。例えば、光応答ガス発生材料 形態が錠剤や微粒子上の場合、バインダー 脂の量は、光応答ガス発生材料の形態が保 できる範囲で少ないことが好ましく、使用 ないことがより好ましい。バインダー樹脂 使用する場合でも結着剤程度の量を用いる とが好ましい。この場合、バインダー樹脂 配合割合は、光酸発生剤と酸刺激ガス発生 、又は光塩基発生剤(A)と上記塩基増殖剤(B) の合計100重量部に対して、好ましくは0~20重 量部、さらに好ましくは、0~10重量部である

 これは光ガス発生材料中のガスを発生す 化合物である光酸発生剤と酸刺激ガス発生 、又は光塩基発生剤(A)と上記塩基増殖剤(B) バインダー樹脂に比べてできるだけ多く含 する方がガス発生量が多くなるためである

 光応答性ガス発生材料からなる光応答性 ス発生微粒子を得るに際しては、光応答性 ス発生材料に配合される各成分を適宜別々 微粒子としてもよく、2種類以上を混合し一 種類の微粒子としても良い。中でも少なくと も光酸発生剤と酸刺激ガス発生剤、光塩基発 生剤と塩基増殖剤とを同一の微粒子とするこ とが好ましい。光応答性ガス発生微粒子を用 いた場合には、光照射後の微粒子からのガス 発生効率を高めることができ、さらに微粒子 間に空間が存在することから発生したガスの 通過が容易になる。光応答性ガス発生微粒子 の粒子径は特に限定されず、好ましくは50μm~ 2mmである。光応答性ガス発生材料を微粒子に するためには上述のバインダー樹脂を使用し て各成分を配合した後に、該配合物を貧溶媒 中に目的とする微粒子径となるように適量ず つスポッティングするなどすれば良い。

 光応答性ガス発生材料がフィルム状やテ プ状である場合には、取扱いが容易である すなわち従来のマイクロポンプシステムで 、基板内にマイクロポンプ室を形成する必 があり、マイクロポンプシステムの製造工 が煩雑となる傾向があったが、フィルム状 テープ状とすることにより、これを基板に 付してマイクロポンプにする等により製造 程の簡素化を図ると共に、さらなる小型化 図ることができる。

 上記光応答性ガス発生材料は、上述のバ ンダー樹脂を使用して、通常の方法により ィルムにすることができる。光応答性ガス 生フィルムの厚みは特に限定されず、好ま くは1~200μmであり、より好ましくは5~100μmで ある。また、光応答性ガス発生フィルムは透 明であることが好ましい。

 〔光増感剤〕
 本発明の光応答性ガス発生材料は、光増感 をさらに含むことが好ましい。光応答性ガ 発生材料が光増感剤を含む場合には、光の 射によりガスをより一層速やかに発生させ ことができる。

 上記光増感剤としては光酸発生剤や光塩 発生剤にエネルギーを移動して光酸発生剤 光塩基発生剤の分解を促進する化合物であ ばよく、特に限定されないが、例えばチオ サントン、ベンゾフェノン、アセトフェノ 類、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイ 、ベンゾインエーテル、ベンジルジメチル タール、ベンゾイルベンジエート、α-アシ キシムエステル、テトラメチルチウラムモ サルファイド、脂肪族アミン、芳香族基を むアミン、ピペリジンのように窒素が環系 一部をなしているもの、アリルチオ尿素、o -トリルチオ尿素、ナトリウムジエチルジチ ホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶 塩、N,N-ジ置換-p-アミノベンゾニトリル系化 物、トリ-n-ブチルフォスフィン、N-ニトロ ヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジ 化合物、テトラヒドロ-1,3-オキサジン化合物 、ホルムアルデヒドかアセトアルデヒドとジ アミンの縮合物、アントラセン(又はその誘 体)、キサンチン、N-フェニルグリシン、フ ロシアニン、ナフトシアニン、チオシアニ 等のシアニン色素類ポルフィリン(又はその 導体)等が挙げられる。これらの光増感剤は 、単独で用いてもよく、2種以上を併用して よい。

 また、上記光増感剤を用いる場合、光増 剤の配合割合は特に限定されないが、増感 用を充分に得るためには、上記光酸発生剤 たは光塩基発生剤100重量部に対して、光増 剤は0.1~100重量部の範囲で含有されることが 好ましい。より好ましくは、1~50重量部、更 好ましくは1~10重量部である。光増感剤が少 すぎると、増感作用を充分に得ることがで ないことがあり、多すぎると、増感作用が 和したり、光酸発生剤や光塩基発生剤の光 解が抑制されたりすることがある。また、 増感剤を配合することにより長波長領域(300 nm以上)の光源を使用することができる。

 本発明において、光応答ガス発生材料は 支持部材に支持されていてもよい。光応答 ス発生材料と、光応答ガス発生材料を支持 る支持部材とを有する光応答ガス発生部材 マイクロポンプに設けてもよい。光応答性 ス発生材料を支持部材に支持させる場合に 、バインダー樹脂は含まれていてもよく、 た含まれていなくてもよい。

 支持部材としては、発生したガスを速や に放出し得る適宜の支持部材を用いること できる。

 支持部材は、例えば、綿などの繊維状部 により構成することができる。支持部材を 維状部材により構成した場合、繊維間の隙 から発生したガスが速やかに外部に放出さ る。なお、支持部材を繊維状部材により構 する場合、光応答ガス発生材料を繊維状部 に含浸させることにより光応答ガス発生材 を支持部材に支持させることができる。

 また、支持部材は、例えば、ガラス繊維 PET(ポリエチレンテレフタレート)やアクリ などの合成繊維、パルプ繊維、金属繊維な が集合し、絡み合っている適宜の繊維状部 であってもよい。

 また、支持部材は、発生したガスが外部 速やかに放出され得るものである限り特に 定されず、様々な多孔性部材を支持部材と て用いることができる。ここで、多孔性部 とは、外表面に連なった多数の孔を有する 材を広く含むものとし、上記綿などのよう 、繊維間の隙間が外部に連なっている部材 また多孔性部材に含めることとする。

 従って、上記繊維状部材以外に、内部か 外表面に連なる多数の孔が形成されている 例えば、スポンジ、破泡処理発泡体、多孔 ゲル、粒子融着体、ガス圧補助拡厚成形体 ハニカム構造体、筒状ビーズ、波折チップ などの多孔性材料も上記支持部材を構成す 多孔性部材として好適に用いることができ 。

 また、上記支持部材の材質は、特に限定 れず、様々な無機材料または有機材料を用 ることができる。このような無機材料とし は、ガラス、セラミック、金属、または金 酸化物、有機材料としては、ポリオレフィ 、ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン セルロース、アセタール樹脂、アクリル、P ET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミ 、またはポリイミドなどを用いることがで る。

 〔他の成分〕
 上記光応答性ガス発生材料は、ガスの発生 補助したり、ガス発生の連鎖を止めたり、 孔性支持体へ浸透を補助する目的で、光分 性のアゾ化合物や過酸化物、ラジカルスカ ンジャー、溶剤等適宜の添加物を含んでい もよい。

 上記アゾ化合物としては、特に限定され いが、アゾアミド系化合物、アゾニトリル 化合物、アゾアミジン系化合物またはサイ リックアゾアミジン化合物等が挙げられる これらのアゾ化合物以外のその他のアゾ化 物を用いてもよい。アゾ化合物は、単独で いてもよく、2種以上を併用してもよい。特 に、ケトン基およびアミド基を多く含むアゾ 化合物を用いた場合には、該アゾ化合物は非 常に極性が大きくバインダー樹脂に静電的結 合し易いので、ガスの発生効率がより一層高 められる。

 上記過酸化物としては特に限定されない 、過酸化ベンゾイル、ジ-t-ブチルペルオキ ド等、その他o-ジメチルアミノ安息香酸イ アミル等、2-エチルアントラキノン、オクタ メチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラ ノン、2,3-ジフェニルアントラキノン等のア トラキノン類、2,4-トリクロロメチル-(4’- トキシフェニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロ ロメチル-(4’-メトキシナフチル)-6-トリアジ 、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリ アジン、2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシ チリル)-6-トリアジン等のトリアジン類、ア ゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパー オキサイド、クメンパーオキシド等が挙げら れる。

 上記ラジカルスカベンジャーとしては特 限定されないが、t-ブチルカテコール、ヒ ドキノン、メチルエーテル、カタラーゼ、 ルタチオンペルオキシダーゼ、スーパーオ シドディスムターゼ系酵素ビタミンC、ビタ ンE、ポリフェノール類、リノレイン酸等が 挙げられる。

 上記溶剤としては、光酸発生剤や酸刺激 ス発生剤や光塩基発生剤や塩基増殖剤やバ ンダー樹脂を溶解させるものであれば特に 限はない。具体的には、ジメトキシエタン エチレングリコールメチルエチルエーテル 2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノー ルなどのグリコールエーテル類、メチルセロ ソルブアセテート、エチルソロソルブアセテ ートなどのエチレングリコールアルキルエー テルアセテート類、ジエチレングリコールモ ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモ ノエチルエーテル、ジエチレングリコールジ メチルエーテル、ジエチレングリコールジエ チルエーテル、ジエチレングリコールモノプ ロピルチルエーテル、ジエチレングリコール ジプロピルエーテル、ジエチレングリコール モノブチルエーテル、ジエチレングリコール ジブチルエーテルなどのジエチレングリコー ル誘導体類、プロピレングリコールメチルエ チルエーテルなどのプロピレングリコール誘 導体類、メチルアミルケトン、シクロヘキサ ノンなどのケトン類、エトキシ酢酸エチル、 ヒドロキシ酢酸エチル、乳酸エチルなどのエ ステル類、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチル アセトアミド、γ-ブチロラクトンなどの非プ ロトン系双極子溶媒類が挙げられる。

 本発明の光応答性ガス発生材料は、必要に じて、従来知られている種々の添加剤をさ に含んでいてもよい。そのような添加剤と ては、例えば、カップリング剤、均添剤、 塑剤、界面活性剤、安定剤等を挙げること できる。
 以下、図面を参照しつつ、本発明のマイク ポンプの具体的な実施形態を説明すること する。

 ガス発生層20に照射される光は、ガス発 剤または増感剤が吸収する波長帯の光であ ば、特に限定されないが、波長が10nm~400nmの 外線及び紫外線に近い400nm~420nmの青色光で ることが好ましく、300nm~400nmの近紫外線であ ることがより好ましい。

 ガス発生層20への光照射に用いられる光 は、特に限定されない。光源の具体例とし は、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高 水銀灯、超高圧水銀灯、発光ダイオード(LED) 、全固体レーザー、ケミカルランプ、ブラッ クライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀 灯、メタルハライドランプ、ナトリウムラン プ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光 灯などが挙げられる。なかでも、光源として は、発熱も少なく安価な発光ダイオード(LED) どの発光素子が好ましく用いられる。

 (第1の実施形態)
 図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に るマイクロポンプを備えるマイクロ流体デ イスの模式的正面断面図及び該マイクロポ プの構造を示す部分切欠拡大正面断面図で る。

 図1(a)に示すように、マイクロ流体デバイ ス1は、複数のプレートを積層してなる基板2 有する。基板2は、ベースプレート3と、ベ スプレート3上に積層された中間プレート4~6 、中間プレート6上に積層されたトッププレ ート7とを有する。なお、基板2の積層構造は れに限定されるものではない。

 上記基板2内に複数の微細流路8,9が設けら れている。微細流路9には、図示しない試薬 留部や検体供給部が接続されている。上記 細流路8に、マイクロポンプ室10が接続され いる。図1(a)及び(b)に示すように、マイクロ ンプ室10は、基板2内に形成されている。よ 具体的には、本実施形態では、ベースプレ ト3の上面に開いたガス発生室11がベースプ ート3に設けられている。ガス発生室11の下 には、光学窓12が設けられている。光学窓12 は、後述する光応答性ガス発生部材に光を照 射した際に、光を発生させるための該光を透 過する材料により構成されている。

 本実施形態では、ベースプレート3が透明 部材からなり、ベースプレート3を構成する 明部材により、光学窓12がベースプレート3 一体に形成されている。このような透明部 としては、ガラスまたは透明性を有する合 樹脂を用いることができ、その材料は特に 定されるものではない。

 上記基板2のベースプレート3以外の中間 レート4~6及びトッププレート7等を構成する 料についても、合成樹脂等の適宜の材料に り形成することができる。

 他方、光学窓12は、ベースプレート3と別 材で形成されていてもよい。すなわち、ベ スプレート3の一部に開口を設け、該開口に 光学窓12を構成する透明部材をガス発生室11 気密封止するように固定してもよい。この うな構成をとる場合、ベースプレートを着 することで迷光を防ぎ、マイクロポンプを 数並べた場合でもひとつひとつを誤動作な 確実に制御できる。

 また、ベースプレート3において、ガス発 生室11が下方に開口しており、ベースプレー 3の下面に透明なプレートをさらに積層して 、光学窓12を形成してもよい。

 このとき、光学窓を形成する透明なプレ トには、光学窓以外を遮光する目的で、塗 もしくはフィルム貼合がなされてもよい。

 ガス発生室11は、ベースプレート3の上面 開口している。そして、ガス発生室11内に 、光応答性ガス発生部材13が収納されている 。

 上記ガス発生室11の平面形状は特に限定 れず、円形または矩形等の適宜の形状とし る。また、ガス発生室11の深さは、光応答性 ガス発生部材13が収納され得る限り、特に限 されるものではない。

 通常、ガス発生室11の大きさは、小型のマ クロポンプを構成する必要があるため、平 積が400mm 2 以下程度、深さが0.5mm~10mm程度とされること 望ましい。更に望ましくは、平面積9mm 2 以下、深さが1mm~1.5mm程度である。特にマイク ロポンプのパワーが必要とされる場合には、 ガス発生室を複数連結して使用することもで きる。

 上記光応答性ガス発生材料13は、光応答 ガス発生材料が付着されている支持部材と 有する。光応答性ガス発生材料13は、例えば 支持部材に光応答性ガス発生材料を含浸させ て暗室にて乾燥させて得ることができる。ま た、光応答性ガス発生材料13では、支持部材 発泡されて多孔質とされているものであっ もよい。支持部材は、一体とされている必 はなく、複数の支持部材がガス発生室に納 られていてもよい。表面積を稼ぐために、 持部材に微粒子を加えてもよい。

 また、上記支持部材は、上記繊維状部材 含む多孔性部材からなることが好ましいが より好ましくは、上記孔が、光学窓12側の 面から光学窓12が設けられている側とは反対 側の面に連なっている連続気孔のようなガス 流路が孔として存在している多孔性部材が望 ましい。その場合には、外部で発生した熱が 、より速やかに、微細流路8側に放出される とになる。

 本実施形態のマイクロポンプ10では、光 答性ガス発生材料13が、上記支持部材に付着 された構成を有するため、光の照射により発 生したガスが、速やかに光応答性ガス発生部 材13の外表面から放出されることとなる。従 て、単に光応答性ガス発生材料の塊を収納 た場合に比べ、ガス発生効率を、例えば10 以上と飛躍的に高めることが可能となる。

 ガスを発生するのに用いられる光は、光 発生剤または光塩基発生剤または光増感剤 吸収をもつ波長であれば、特に限定されず 好ましくは、波長が10~400nmの紫外線および 外線に近い400~420nmの青色光が好ましい。よ 好ましくは、300~400nmの近紫外線であり、光 としては、市販の安価な380nmのLED等の発光素 子を利用できる。

 また、上記光応答性ガス発生材料13にお ては、上記支持部材の表面に光応答性ガス 生材料が付着された形態を有するが、好ま くは、図1(a)に示すように、光応答性ガス発 部材13と光学窓12との間に空気層14が形成さ ることが望ましい。空気層14が形成されて る場合には、発生したガスが、空気層14の空 間を経由して速やかに微細流路8側に排出さ る。より望ましくは、図1(b)に示すように、 学窓12と光応答性ガス発生材料13との間に設 けられた空気層14が中間プレート4に設けられ た貫通孔4aに連なるように、光応答性ガス発 材料13の側面の外側に、ガス流路15が形成さ れる。そのためには、光応答性ガス発生材料 13の平面積は、ガス発生室11の平面積よりも さいことが望ましい。

 また、本実施形態では、上記光応答性ガ 発生材料13の光学窓12側の面には、多数の凹 凸が設けられており、それによって、空気層 14の体積が大きくされている。従って、この うな凹凸を設けることが望ましい。

 また、本実施形態では、上記光応答性ガ 発生材料13の光学窓12とは反対側の面に、反 射部材17が設けられている。反射部材17は、 学窓12から照射されてきた光を反射する適宜 の反射性材料により構成される。このような 反射性材料としては、金属、鏡等を用いるこ とができるが、好ましくは、薄く、マイクロ 流体デバイスの低背化を進め得るため、金属 箔や金属蒸着膜等を用いることができる。好 ましくは、反射性に優れ、安価であるアルミ ニウム箔などの金属箔が好適に用いられる。 また、Alなどの適宜の金属もしくは合金を蒸 することにより、より薄い反射層を形成す ことも可能である。

 上記反射部材17の厚みは特に限定されな が、薄い方が好ましい。金属箔からなる場 、反射部材17の厚みは1μm~500μm程度であり、 着膜などの薄膜形成法により形成された薄 により反射部材17が形成される場合には、1 m以下程度の厚みとすればよい。

 なお、反射部材17には、貫通孔17aを形成 る必要がある。貫通孔17aは、排出孔16に重な り合う位置に設けられている。貫通孔17aを形 成することにより、発生したガスを貫通孔17a を経由して貫通孔4aに排出することができる 貫通孔4aは、中間プレート4に形成されてお 、かつ微細流路8に連なっている。微細流路 8は、中間プレート5に、流路幅に応じた貫通 口部を設けることにより形成されており、 貫通開口部が、下方の中間プレート4及び上 方の中間プレート6により閉成されて、微細 路8が形成されている。該微細流路8は、中間 プレート6に設けられた接続用貫通孔6aに連ね られている。接続用貫通孔6aは、微細流路9に 開口している。接続用貫通孔の大きさは、期 待が通過しうるが流体は通過しない5~20μmが ましい。また赤穂室でしきられても良い。 細流路9は、トッププレート7の下面に、微細 流路9の平面形状に応じた凹部を形成するこ により設けられている。

 前述したように、マイクロ流体デバイス は、微細流路の幅は、通常、5μm~1mm程度と 常に小さく、従って、微細流路を送液され マイクロ流体は、基板2の内面との間の表面 力の影響を大きく受け、毛細管現象の影響 大きく受ける。従って、通常の大きな流路 有する流体回路とは異なる挙動をマイクロ 体が示すこととなる。このようなマイクロ 体デバイス1では、流路の長さ部分の一部に おいて、流路の横断面の全面積を占めるもの の、該流体の前後に空気層が存在する状態で 、すなわちマイクロ流体は液滴の状態で送液 されることができる。このような場合には、 マイクロポンプ10により湧出するガスの排除 積効果により、マイクロ流路中の液滴が速 かに輸送される。そして、この場合、マイ ロポンプ10におけるガスの圧力が急激に高 ることが、マイクロ流体を速やかに送液す 上で望ましい。

 本実施形態のマイクロポンプ10では、上 のように、光応答性ガス発生材料13が、支持 部材に付着した構造を有し、ガスが速やかに 外部に放出されるので、光の照射によりガス を発生させた場合、ガス圧を急激に高めるこ とができる。しかも、上記反射部材17が設け れているので、光が効果的に利用され、そ によっても、マイクロポンプ10の送液効率 高められる。

 よって、同じ量の光応答性ガス発生材料 用いた場合のガス発生効率及び応答性を高 ることができ、ひいてはマイクロポンプ10 小型化を進め、マイクロ流体デバイス1全体 小型化を進めることが可能となる。

 上記実施形態では、光応答性ガス発生材 13は、支持部材表面に付着した形態を有し いた。しかしながら、光応答性ガス発生材 は、必ずしも光応答性ガス発生材料が支持 材に付着されている形態を有する必要はな 。すなわち、上記第1の実施形態のマイクロ ンプ10において、光応答性ガス発生部材13に 代えて、本発明の光応答性ガス発生材料のみ をガス発生室11内に収納してもよい。そして その他の構造は、上記第1の実施形態と同様 とした場合、本発明の第2の実施形態として マイクロポンプを備えるマイクロポンプ装 が構成される。この場合、上記第1実施形態 同様に、反射部材17が、光応答性ガス発生 材の光学窓12とは反対側に配置されているの で、反射部材17の存在により、光が効果的に 用され、それによってマイクロポンプの送 効率が高められる。

 また、支持部材を用いない場合には、光 答性ガス発生材料は、塗布部分、例えばガ 発生室11内に、ジェットディスペンサーや ンクジェットで微小な液滴で塗布されても い。さらに、光応答性ガス発生材料に代え 、あるいは該光応答性発生材料とともに、 記光応答性ガス発生微粒子及び/又は上記光 答性ガス発生フィルムが、ガス発生室11内 収納されていてもよい。

 上記本発明における第1の実施形態の変形 例の説明として、上記第1の実施形態におけ マイクロポンプ10の説明の上記支持部材以外 の構成についての説明を援用することとする 。また、以下の図2を参照して行う変形例の イクロポンプ20の説明及びマイクロ流体デバ イス1の説明についても、本発明の第1の実施 態としてのマイクロポンプの説明に援用す こととする。すなわち、第2の発明の実施形 態も、以下の変形例と同様に変形でき、また 以下のマイクロ流体デバイス1に適用するこ ができる。

 図2は、上記第1の実施形態におけるマイ ロポンプ10の変形例を説明するための模式的 部分切欠正面断面図である。この変形例のマ イクロポンプ20では、光応答性ガス発生部材2 1は、光学窓12に対して、多点接触をしている 。すなわち、本変形例では、光応答性ガス発 生部材21は、光学窓12側において、凹凸を有 、上記第1の実施形態の場合と同様に、多数 山部が連ねられた形状を有する。この多数 山部の頂点が、光学窓12の内面に接触し、 点接触している。従って、光応答性ガス発 部材21は、光学窓12の内面に多点接触してい 。この場合には、複数の山間の谷部におい 、ガスが放出される空間すなわち空気層が 成されているため、発生したガスを速やか 放出することができる。しかも、光応答性 ス発生部材21の上記多数の山が、光学窓12の 内面に点接触的に接触しているので、マイク ロ流体デバイス1を持ち歩いた場合等におい 、振動や外力が加えられたとしても、ガス 生室11内で光応答性ガス発生部材21が移動し いため、上記山部間の空気層を確実に確保 ることができる。また、ガス発生室11内で 光応答性ガス発生部材21が動き難いため、光 応答性ガス発生部材21の移動に伴う変形等も 生じ難い。よって、マイクロポンプ20では 信頼性も高められる。

 上記マイクロ流体デバイス1は、前述のよ うに、マイクロ流体が搬送される微細流路8,9 を基板2の内部に有し、微細流路9に、図1(a)に 破線で示す測定セル18が接続されている。こ 測定セル18内において、微細流路9から送ら てきたマイクロ流体が光学的検出方法や電 化学的検出法等を用いて測定されることに る。このような測定セルとしては、光学的 測定を行うために、液状の検体を収納する ルの他、他の方法により測定セル内の検体 検出する適宜の方法に適した測定セルが形 され得る。

 また、マイクロ流体デバイス1では、上記 測定セルの他、適宜、検体を希釈するための 希釈部や、混合するための混合部等が設けら れる。このような構成は、従来より公知のマ イクロ流体デバイスの公知の構造に従って適 宜変形することができる。

 上記マイクロポンプ10,20では、マイクロポ プに収納されている上記光応答性ガス発生 料に380nmの紫外線を24mW/cm 2 の照射強度で200秒間照射したときに、ガス発 生量は、光応答性ガス発生材料1gあたり1mL以 であることが好ましく、1.5mL以上であるこ がより好ましい。ガス発生量が、光応答性 ス発生材料1gあたり1.0mL以上であると、送液 率がより一層高められ、1.5mL以上であると 送液効率がさらに一層高められる。

 上記マイクロ流体デバイス1では、ベース プレート3に、本発明の光応答性ガス発生材 を含む光応答性ガス発生部材13が収納されて いるマイクロポンプ10が1つ内蔵されていた。 上記ベースプレート3には、複数のマイクロ ンプ10が内蔵されていてもよい。この場合、 複数のマイクロポンプ10にそれぞれ連ねられ 貫通孔4aを中間プレート4に形成することに り、微細流路が連ねられ、マイクロポンプ1 0としての作用を得ることができる。

 (第2の実施形態)
 図3は、本発明の第2の実施形態としてのマ クロ流体デバイスの模式的正面断面図であ 。

 図3に示すように、マイクロ流体デバイス 31は、基板32を有する。基板32は複数のプレー ト33~35を積層することにより形成されている 具体的には、ベースプレート33に、中間プ ート34及びトッププレート35が積層されてい 。基板32を構成しているベースプレート33、 中間プレート34及びトッププレート35につい は、第1の実施形態における基板材料と同様 材料を用いることができる。ベースプレー 33には、貫通孔33aに連なるように、ベース レート33の下面に溝33bが形成されている。貫 通孔33aの上端に連なるように、ベースプレー ト33の上面にも溝33cが形成されている。中間 レート34には、貫通孔34aと、貫通孔34aの上 に連なる溝34bとが形成されている。溝34bは トッププレート35により閉成されている。

 上記基板32の下面すなわちベースプレー 33の下面には、フィルム状光応答性ガス発生 部材36が貼りつけられている。フィルム状光 答性ガス発生部材36は、バインダー樹脂を み粘接着性を示す本発明の光応答性ガス発 材料からなる。従って、ベースプレート33の 下面に、フィルム状光応答性ガス発生部材36 容易に貼付することができる。

 フィルム状光応答性ガス発生部材36と、 ースプレート33の溝33bにより、マイクロポン プが構成されることになる。すなわち、フィ ルム状光応答性ガス発生部材36に光が照射さ ると、ガスが発生する。発生したガスが、 通孔33aを含むマイクロ流路に供給されるこ になる。マイクロ流路は、貫通孔33aに加え 、溝33c、貫通孔34a,溝34bをも含む微細流路部 分である。

 また、上記フィルム状光応答性ガス発生 材36は、単一のフィルムからなるが、複数 フィルム状光応答性ガス発生部材を積層し もよい。上記フィルム状光応答性ガス発生 材36は、基板32の下面に直接成膜されてもよ 。

 上記フィルム状光応答性ガス発生部材36 下面には、ガスバリア層37が積層されている 。ガスバリア層37はフィルム状光応答性ガス 生部材36で発生したガスが下面側から流出 ることを防止するために設けられている。 のように、ガスバリア層37を、ガス供給側と は反対側のフィルム状光応答性ガス発生材料 表面に積層することが好ましい。それによっ て、マイクロ流路へのガス供給量をより一層 高めることができる。

 上記ガスバリア層37は、フィルム状であ てもよく、プレート状であってもよい。ま 、ガスバリア層37は発生したガスを透過させ にくい材料からなることが好ましい。ガスバ リア層37は、ガスを透過させ難い適宜の材料 らなる膜、またはプレートであってもよい ガスバリア層51の材質としては、例えば、 リアクリル、ポリオレフィン、ポリカーボ ート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリエチ ンテレフタレート(PET)、ナイロン、ウレタン 樹脂、ポリイミド及びガラスなどが挙げられ る。

 ガスバリア層37は、好ましくは光透過性 料からなる。特に、フィルム状光応答性ガ 発生部材36の下面側から光を照射する場合に は、上記光酸発生剤や光塩基発生剤(A)を分解 させる光や光増加剤が吸収する光の波長の透 過性に優れていることが望ましい。もっとも 、基板32を透明とした場合には、ガスバリア 37は光不透過性材料であってもよい。その 合には、基板32の上面側から光を透過し、ガ スを発生させてもよい。

 なお、ガスバリア層37の下面から光を照 する場合、上記マイクロポンプを構成して る溝33bの下方部分にのみ光を照射するため 、遮光層38を設けてもよい。遮光層38は、遮 性材料からなり、溝33bが開口している部分 下方に位置している。このような遮光層38,3 9を構成する材料についても、照射される光 遮光し得る、あるいは照射される光を透過 難い適宜の材料を用いることができる。

 (第3の実施形態)
 図4に、本発明の第3の実施形態に係るマイ ロ流体デバイスとしてのマイクロ化学チッ を正面断面図で示す。

 図4に示すマイクロ化学チップ131は、第1 実施形態のマイクロ流体デバイスが2つ並べ れた構造を有する。マイクロ化学チップ131 、2つのマイクロポンプ110が内蔵されている 第1のプレートとしてのベースプレート103Aを する。

 ベースプレート103A内に少なくとも2つの ス発生室111が形成されている。2つのガス発 室111がそれぞれ臨むように、ベースプレー 103Aの一面に光学窓112が設けられている。ま た、2つのガス発生室111内には、光応答性ガ 発生材料113が付着した支持部材が収納され いる。図4に示すマイクロ化学チップ131にお ても、光応答性ガス発生材料に代えて、あ いは該光応答性発生材料とともに、光応答 ガス発生微粒子及び/又は光応答性ガス発生 フィルムが、ガス発生室111内に収納されてい てもよい。

 ベースプレート103Aと、中間プレート104A~1 06Aと、トッププレート107Aとにより、基板102A 構成されている。基板102Aは、複数のマイク ロポンプ110を備え、かつ複数の該マイクロポ ンプ110に連ねられた複数の微細流路108,109及 測定セルが形成されていることを除いては 第1の実施形態における基板と類似した構成 有する。

 図4では、第1の実施形態のマイクロポン が複数設けられていたが、図3に示した第2の 実施形態におけるマイクロポンプもまた、同 様に基板内に複数設けられてもよい。

 上記マイクロ化学チップ131では、ベース レート103Aに2つのマイクロポンプ110が内蔵 れているが、該マイクロポンプ110は少なく も2つ内蔵されていればよく、従って3つ以上 のマイクロポンプ110が内蔵されていてもよい 。

 (第4の実施形態)
 図5は、第4の実施形態に係るマイクロ流体 バイスの断面図である。図5に示すように、 実施形態では、バリア層221は、ガス発生層2 20の外周に位置する外周部221aにおいて、全周 にわたって基板210に接合されている。これに より、基板210とバリア層221との間に実質的に 気密された空間が形成されている。そして、 その気密空間内にガス発生層220が配置されて いる。

 ガス発生層220は、基板210に粘着または接 していてもよく、基板210に粘着及び接着し いなくてもよい。ガス発生層220には、連通 220aが形成されている。連通孔220aは、開口21 4aに連通している。

 例えば、連通孔220aが形成されていない場 合は、ガス発生層220の基板210とは反対側の表 面において発生したガスは、ガス発生層220の 内部を経由してマイクロ流路214に供給される 。このため、マイクロ流路214に対するガスの 供給効率が低くなる傾向にある。それに対し て、本実施形態では、連通孔220aが形成され いるため、ガス発生層220の基板210とは反対 の表面において発生したガスも連通孔220aを してマイクロ流路214に供給される。このた 、マイクロ流路214に効率的にガスを供給す ことができる。従って、例えば、ガス発生 220を小さくすることも可能となる。

 (第5の実施形態)
 図6は、第5の実施形態に係るマイクロ流体 バイスの断面図である。図6に示すように、 口214aに接続された1本または複数本の溝220b ガス発生層220に形成されていてもよい。そ することで、ガス発生層220の開口214aから離 れた部分において発生したガスも効率的にマ イクロ流路214に供給することが可能となる。

 例えば、図7に示すように、開口214aに対 する部分から放射状に延びるように複数の 220bを形成することが好ましい。それによっ 、フィルム状光応答性ガス発生材料のより 域な部分からマイクロ流路214に対してガス 供給することが可能となるからである。

 また、図8に示す変形例のように、放射状 に形成された複数の溝220bを連通させる輪帯 または馬蹄状の溝をさらに形成してもよい 但し、本発明において、溝220bの本数、形状 何ら限定されない。

 なお、溝220bの替わりに、ガス発生層220を 厚さ方向に貫通する開口を形成してもよい。

 また、溝220bや前記開口を形成する替わり に、ガス発生層220の基板210側の表面を粗面に 形成してもよい。その場合であっても、ガス 発生層220の開口214aから離れた部分において 生したガスも効率的にマイクロ流路214に供 することが可能となる。

 また、上記第5の実施形態のように、ガス 発生層220に溝220bを形成する替わりに、図9及 図10に示すように、基板210の表面210aに溝210c を形成してもよい。さらに、ガス発生層220に 溝220bを形成すると共に、基板210の表面210aに 210cを形成してもよい。

 上記のように、複数の溝210c、220bや、開 を形成したり、あるいはフィルム状ガス発 部材に覆われる基板表面を粗面に形成する とにより、言い換えれば、フィルム状光応 性ガス発生材料により被覆される基板表面 凹凸を設けることにより、マイクロ流路に スをより速やかに供給することができる。

 なお、本発明に係るマイクロポンプ及び イクロポンプが設けられるマイクロ流体デ イスは、上述した図示の実施形態に限定さ るものではない。

 以下、本発明の実施例及び比較例を挙げ ことにより、本発明を明らかにする。なお 本発明は以下の実施例に限定されるもので ない。

 〔第1の発明の実験例〕
 (実施例1)
 光酸発生剤としての2,3,4,4’-テトラヒドロ シべンゾフェノン35重量部と、酸刺激ガス発 生剤としての炭酸水素ナトリウム75重量部と 配合した。配合物をプレス法により固め、 剤状光応答性ガス発生材料を得た。

 (実施例2)
実施例1記載の配合に、光増感剤としての2,4- メチルチオキサントン4.8重量部をさらに配 したこと以外は実施例1と同様にして、錠剤 状光応答性ガス発生材料を得た。

 (実施例3)
実施例2記載の配合に、テトラヒドロフラン エタノールとの1:1(重量比)混合溶媒100重量部 に、バインダー樹脂としてのメタクリル酸メ チル・アクリルアミド共重合体(メタクリル メチルとアクリルアミドとを85:15の共重合比 (重量比)で共重合したもの、重量平均分子量6 5500)50重量部をさらに配合した。配合物を乾 させ、錠剤状光応答性ガス発生材料を得た

 (実施例4)
 バインダー樹脂としてのメタクリル酸メチ ・アクリルアミド共重合体(メタクリル酸メ チルとアクリルアミドとを85:15の共重合比(重 量比)で共重合したもの、重量平均分子量65500 )を100重量部としたこと以外は実施例3と同様 して、錠剤状光応答性ガス発生材料を得た

 (実施例5)
 実施例3で得られた光応答性ガス発生材料を 、貧溶媒としてのメタノール中にスポッティ ングし、液滴状となったものを乾燥した後、 メッシュで回収することにより微粒子状光応 答性ガス発生材料を得た。光応答性ガス発生 微粒子の粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)によ 観察した結果、約100μmであった。

 (実施例6)
 実施例3で得られた光応答性ガス発生材料を 、PETフィルム上にキャストにより塗布し、乾 燥することによりフィルム状光応答性ガス発 生材料を得た。乾燥後の光応答性ガス発生フ ィルムの厚みは約100μmであった。

 (比較例1)
 光酸発生剤としての2,3,4,4’-テトラヒドロ シべンゾフェノン35重量部と、酸刺激ガス発 生剤としての炭酸水素ナトリウム75重量部の わりに、光の照射により分解するアゾ化合 として、2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル 110重量部を配合したこと以外は実施例2同様 して、の光応答性ガス発生材料を得た。

 (評価)
 〔ガス発生量評価〕
 紫外線透過性の石英ガラスで密閉されてお 、ガスが通るチューブ及びガス量測定用の スピペットを備えるガス発生定量測定装置 用意した。該ガス発生定量測定装置は、チ ーブの一方から水を流し込み、メスピペッ の基準線まで水を満たした状態を初期状態 して、この初期状態からチャンバーから発 したガスにより変化する水位を計測するも である。

 上記ガス発生定量測定装置のチャンバー内 、実施例1~6及び比較例1で得られた光応答性 ガス発生材料を収納した。光応答性ガス発生 部材料に365nmの紫外線を、高圧水銀灯にて光 射強度24mW/cm 2 (365nm)で照射し、ガス発生量を測定した。紫 線を照射してから200秒経過後に、光酸発生 と酸刺激ガス発生剤の合計量及びアゾ化合 1gあたりのガス発生量を測定し、下記の評価 基準で評価した(初期ガス発生量)。

 〔ガス発生量の評価基準〕
 ◎:1.5mL以上
 ○:1.0mL以上、1.5mL未満
 △:0.5以上、1.0mL未満
 ×:0.5mL未満
 結果を下記の表1に示す。

〔保存安定性評価〕
 実施例1~6及び比較例1で得られた光応答性ガ ス発生材料を、温度60℃に保たれた暗室に1週 間放置した。その後、同様にして、ガス発生 量を測定し、初期ガス発生量と比較した。
 ○:初期ガス発生量と保存安定性評価後のガ ス発生量に変化がなかった。
 ×:初期のガス発生量と比べガス発生量が80% 下となった。

 なお、アゾ系化合物を用いた比較例1では 、加熱保存後のガス発生量が非常に低下し、 光応答性ガス発生材料としての熱安定性が低 いことが分かった。

 実際には、ガス発生量は0.3mLであり、0.5mL 以上のガス発生量を示した実施例1~3に比べて 非常にガス発生量は少なかった。

 〔第2の発明の実験例〕
 光塩基発生剤(A)の合成例
 (合成例1)
 上述した式(2)で表わされるカルボン酸(a1)と してのケトプロフェン(東京化成工業社製)20g 、塩基性化合物(a2)としてのエチルアミン塩 酸塩(和光純薬工業社製、品番:
213743)を7.8gとをエタノール中で混合し、室温 24時間撹拌し、反応させた。なお、上記エ ルアミン塩酸塩の構造は下記の式(17)の通り ある。

 次に、エタノールをエバポレーターで除 した後、得られた粗精製物をエタノール/ヘ キサンを用いて再結晶させ、光塩基発生剤(A) を得た。

 塩基増殖剤(B)の合成例
 (合成例2)
 (塩基増殖剤Flu3の合成)
 上述した式(12)で示される塩基増殖剤Flu3は 記(A)~(C)の順で合成した。

 (A)フルオレニルメタノールの合成
 下記式(18)に従ってフルオレニルメタノール を合成した。

 フルオレン60g(0.36mol)を脱水されたTHF1500mlに かした。しかる後、0℃、アルゴンガス雰囲 気下でブチルリチウム-ヘキサン溶液(1.6M)225ml をゆっくり滴下した。次に、パラホルムアル デヒド12gを加え、室温で5時間撹拌した。攪 後、飽和重曹水600mlを加え、ジエチルエーテ ルで抽出を行い、有機層を飽和食塩水で2回 浄した。次に、無水硫酸マグネシウムを用 て乾燥した後、溶媒を留去した。得られた ースト状の固体をヘキサンとエタノールと 混合溶媒で再結晶することにより、フルオ ニルメタノールの白色針状結晶50gを得た。 られた化合物の構造が上述した式(18)に示す 造であることを、 1 H-NMRを測定することにより確認した。以下融 および 1 H-NMRの測定結果を示す。
 収率71%
 融点 98-101℃
  1 H-NMR(270MHz,CDCl 3 )δ(ppm):1.71(1H,s,OH),3.6-4.3(3H,m,CH,CH 2 ),7.2-7.5(4H,m,ArH),7.54(2H,d,J=7.3Hz,ArH),7.73(2H,d,J=7.3Hz ,ArH).

 (B)アクリレートモノマーの合成
 下記式(19)に従ってアクリレートモノマーを 合成した。

 上述した式(18)に従って合成されたフルオレ ニルメタノール2.08g(10.6mmol)に、脱水ベンゼン 60mlおよび触媒としてジ-n-ブチルチンジラウ レート100mgを加えた。しかる後、還流下で2- ソシアナトエチルアクリレート1.41g(10mmol)と 、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレ ール50mgとを含むベンゼン溶液20mlをゆっくり 滴下した。9時間還流した後、室温まで冷却 て溶媒を留去した。得られた褐色のオイル 少量のジエチルエーテルと大量のヘキサン を加えた。冷凍庫で保存することにより再 晶を行い、アクリレートモノマーの白色結 を得た。得られた化合物の構造が上述した (19)に示す構造であることを、 1 H-NMRを測定することにより確認した。以下融 および 1 H-NMRの測定結果を示す。
 収率 71%
 融点 101-103℃
  1 H-NMR(270MHz,CDCl 3 )δ(ppm):3.3-3.7(2H,m,NH-CH 2 ),4.0-4.6(4H,m,O-CH 2 ),5.06(1H,s,NH),5.85(1H,d,J=10.3Hz,C=CH 2 ),6.0-6.2(1H,m,C=CH),6.44(1H,d,J=17.0Hz,C=CH 2 ),7.1-7.5(4H,m,ArH),7.57(2H,d,J=7.3Hz,ArH),7.76(2H,d,J=7.3Hz ,ArH).

 (C)塩基増殖剤Flu3の合成
 下記式(20)に従って塩基増殖剤Flu3を合成し 。

 上述した式(19)に従って合成されたアクリレ ートモノマー0.36g(1.0mmol)、TMTG(トリチオール 導体)1.0g(3.0mmol)、及び触媒としてトリ-n-ブチ ルアミン19mg(0.1mmol)を脱水ジクロロメタン7ml 溶解させて、室温で4日間撹拌を行った。攪 後、2M塩酸、次いで飽和食塩水で洗浄し、 水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。し る後、溶媒を減圧留去することにより得ら たオイルを、冷凍庫で凍結することによりFl u3を得た。得られた化合物の構造が上述した (12),及び式(20)に示す構造であることを、 1 H-NMRおよびMALDIを測定することにより確認し 。以下、 1 H-NMRおよびMALDIの測定結果を示す。

 〔Flu3〕
 無色オイル
 収率 89%
  1 H-NMR(270MHz,CDCl 3 )δ(ppm):0.8-1.2(3H,m,CH 3 ),1.4-1.6(2H,m,CH 2 ),2.5-2.8(6H,m,CH 2 ),2.8-3.1(6H,m,CH 2 ),3.2-3.6(12H,m,CH 2 ),4.0-4.6(18H,m,CH 2 ),5.2-5.5(3H,m,NH),7.2-7.5(12H,m,ArH),7.58(6H,d,J=7.3Hz,ArH) ,7.74(6H,d,J=7.3Hz,ArH).
 MALDI(m/z):1390.1(M+Na) + ),1406.1(M+K) + ).

 (実施例7)
 合成例1で得た光塩基発生剤(A)100重量部と、 合成例2で得た塩基増殖剤(B)(Flu3)60重量部と、 アミノアルキル化合物(C)としてのN,N-ジエチ エチレンジアミン(シグマアルドリッチ社製 品番:112720
)100重量部とを260重量部のエタノール中で攪 し、光応答性ガス発生材料用組成物を得た 上記組成物を厚さ1mmの不織布(旭化成社製、 品名:ベンコットン)の表面に付着させ、暗 にて乾燥した。乾燥後、不織布ごと平面形 が50×50mmの正方形状に切り抜いた。このよう にして平面形状が正方形状の不織布に光応答 性ガス発生材料が支持されている正方形状の 光応答性ガス発生材料を得た。

 (実施例8)
 また、上記実施例7における光応答性ガス発 生材料用組成物を、プレス法により固め、錠 剤状光応答性ガス発生材料を得た。

 (実施例9)
 光応答性ガス発生材料用組成物を得るにあ り、光増感剤(E)として2,4-ジメチルチオキサ ントン(日本化薬(株)社製、品番:カヤキュア DETX、)4.8重量部をさらに添加したことを除い ては、実施例7と同様にして、光応答性ガス 生材料用組成物を得、同様にして平面形状 50×50mmの正方形の光応答性ガス発生材料を作 製した。

 (実施例10)
 バインダー樹脂(D)として、メタクリル酸メ ル・アクリルアミド共重合体(メタクリル酸 メチルとアクリルアミドとを重量比で60:40で 重合したもの、重量平均分子量65500)50重量 と、光増感剤(E)として、2,4-ジメチルチオキ ントン(日本化薬(株)社製、品番:カヤキュア ーDETX、)4.8重量部と、実施例6の固形成分50重 部とを、テトラヒドロフランとエタノール を重量比1:1で含む混合溶媒100重量部に溶解 せ、光応答性ガス発生材料用組成物を得、 施例7と同様にして、光応答性ガス発生材料 を作製した。

 (実施例11)
 光塩基発生剤(A)としてヘキサアンミンコバ ト(III)塩酸塩(和光純薬工業社製、品番:080-07 362)100重量部と、合成例2で得た塩基増殖剤(B)( Flu3)60重量部と、アミノアルキル化合物(C)と てのメチルアミン塩酸塩(和光純薬社製、品 :P-624N)100重量部と、バインダー(D)としての タクリル酸メチル・アクリルアミド共重合 (重量平均分子量65500)50重量部とを260重量部 エタノール中で攪拌し、光応答性ガス発生 料用組成物を得た。この光応答性ガス発生 料用組成物を用い、以下実施例7と同様にし 、光応答性ガス発生材料を得、評価した。

 (実施例12)
 光塩基発生剤(A)として、以下のようにして 成されたカルバミン酸o-ニトロベンジル100 量部を用いたこと、並びにアミノアルキル 合物(C)として、エチルアミン塩酸塩(和光純 社製、品番:2137)を用いたことを除いては、 施例11と同様にして、光応答性ガス発生材 用組成物を得、実施例7と同様にして光応答 ガス発生材料を得、評価した。

 カルバミン酸o-ニトロベンジルの合成:
 3.90gのo-ニトロベンジルアルコールと0.12gの ブチルチンラウレートを32mLのベンゼンに溶 解し、この溶液に24mLのベンゼンに溶解した2. 92gの3-イソシアネートプロピルトリエトキシ ランの溶液を60℃で攪拌しながら滴下した 滴下終了後、5時間攪拌を続けてから溶媒を 圧留去して淡黄色液体を得た。得られた液 をカラムクロマトグラフィー(充填剤;シリ ゲル、展開溶媒1;ヘキサン:酢酸エチル:TEOS=75 :25:1(v/v)、展開溶媒2;ヘキサン:酢酸エチル=3:1( v/v))により精製し、光塩基発生化合物として N-(3-トリエトキシシリルプロピル)カルバミ 酸o-ニトロベンジルエステル6.67gの淡黄色液 体を得た。

 1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):0.65(2H,t,J=8.1Hz,SiCH2),1.23(9H,t ,J=6.9Hz,Si(OCH2CH3)3),1.66(2H,quin,J=7.4Hz,CH2CH2CH2),3.22( 2H,q,J=6.6Hz,CH2NH),3.83(6H,q,J=6.9Hz,Si(OCH2CH3)3),5.28(1H, t,J=4.8Hz,NHCO),5.50(2H,s,COOCH2),8.09~7.44(4H,m,Ar-H).29Si- NMR(CDCl3)δ(ppm):-45.624。

 IR(neat)(cm-1):3334(N-H),1713(C=O),1527(N-H).元素分 値:C,51.12;H,6.94;N,6.79%.C17H28N2O7Siとしての計算 :C,50.97;H,7.05;N,7.00%.

 (実施例13)
 光塩基発生剤(A)として、前述した式(1)に示 構造を有する光塩基発生剤を用いたこと、 ミノアルキル化合物(C)としてブチルアミン 酸塩(和光純薬工業社製、品番:024-0340)を用 たことを除いては、実施例11と同様にして、 光応答性ガス発生材料用組成物を得、実施例 7と同様にして評価した。

 (実施例14)
 光塩基発生剤(A)として、実施例7と同じもの を用いたこと、及びアミノアルキル化合物(C) として、N,N-ジエチルエチレンジアミン(Cw)を いたことを除いては、実施例11と同様にし 、光応答性ガス発生材料用組成物を得、実 例7と同様にして評価した。

 (実施例15~23)
 下記の表3に示すように、実施例15~実施例17 は塩基増殖剤(B)の配合割合を変更したこと 除いては、実施例14と同様にして、光応答 ガス発生材料用組成物を得、実施例7と同様 して評価した。

 また、下記の表3に示すように、実施例18~ 20では、バインダー(D)としてのメタクリル酸 チル-アクリルアミド共重合体の配合割合を 異ならせたことを除いては、実施例14と同様 して、光応答性ガス発生材料用組成物を得 実施例7と同様にして評価した。

 また、下記の表3に示すように、実施例21~ 23では、バインダー(D)としてのメタクリル酸 チル-アクリルアミド共重合体の平均分子量 を異ならせたことを除いては、実施例14と同 にして、光応答性ガス発生材料用組成物を 、実施例7と同様にして評価した。

 (比較例2)
 加水分解性シリル基含有ポリプロピレング コール(旭硝子社製、商品名:エクセスターES S-2410)100重量部と、ジブチルスズジラウレー (和光純薬社製)2重量部とを均一になるまで 合し光応答性ガス発生材料用組成物を得た 作製された組成物をポリメチルメタクリレ ト(PMMA)で作製した枠内の50mm×50mm×3mmの空間 充填し、空気中で12時間硬化させた。硬化物 を取り出し、ガス発生材料とした。

 (実施例及び比較例の評価)
 作製された光応答性ガス発生材料に、紫外 を照射した際のガス発生量を評価すること 、光応答性ガス発生材料の評価を行った。 ず、紫外線透過性の石英ガラスで囲まれた ス発生室と、ガス発生室で発生したガスを 出するためにガス発生室に接続されたチュ ブと、該チューブに接続されており、発生 たガスの量を測定するためのメスピペット を備えるガス発生量測定装置を用意した。 ス発生室の寸法は、50mm×50mm×3mmとした。上 ガス発生量測定装置において、チューブの 端から水を加え、メスピペットの基準線ま 純水を満たした状態を初期状態とした。し る後、ガス発生室にチューブの上記一端を 続し、ガス発生室において発生したガスに り変化する水位を計測し、発生したガス量 定量した。

 定量に際しては、上記ガス発生室内に、実 例または比較例の光応答性ガス発生材料を 納し、高圧水銀灯を用いて380nmの紫外線を 照射強度24mW/cm 2 となるように照射し、光応答性ガス発生材料 から発生するガス発生量を測定した。上記測 定結果から光応答性ガス発生材料1gあたりの ス発生量を求め下記の透過基準により評価 た。

 ガス発生量評価基準
 ◎:1.5mL以上
 〇:1.0mL以上、1.5mL未満
 △:0.5mL以上、1.0mL未満
 ×:0.5mL未満
 結果を下記の表2及び表3に示す。

 (実施例24)
 マイクロ流体デバイスの実施例
 60mm×20mm×1mmのアクリル系樹脂板に、炭酸レ ザーを用いて微細加工を行い、表面に長さ4 0mm×幅0.2mm×深さ0.2μmのマイクロ流路を形成し た。流路の始点から10mmの位置に、0.5mm×0.5mm× 0.2mmの溶液収納部を形成し、マイクロ流路の 点には直径1mmの円形状の貫通孔を形成した 上記貫通孔が形成されている部分において アクリル樹脂板の上記マイクロ流路が形成 れている側とは反対側の面に、直径20mmの円 形の凹部を形成した。上記マイクロ流路が形 成されている側のアクリル系樹脂板には、別 のアクリル系樹脂板を接着し、マイクロ流路 を封止し、マイクロ流体デバイスを得た。

 実施例9で用意した光応答性ガス発生材料 用組成物の原料に、さらに粘着性を示すバイ ンダー成分として、メタクリル酸メチル(和 純薬社製)を20重量部添加したことを除いて 実施例9と同様にして、光応答性ガス発生材 用組成物を得た。表面がコロナ処理された リエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡 社製、製品名:東洋紡コスモシャインA4100)に アプリケーター(コーティングテスター工業 )を用い、乾燥後の厚みが50μmとなるように 応答性ガス発生材料用組成物を塗工した。 かる後、別途用意された離型処理されたポ エチレンテレフタレートフィルム(リンテッ ク社製、品番:#5011)を保護フィルムとして、 燥後の光応答性ガス発生材料用組成物層の に貼付した。このようにして、二枚のPETフ ルム間に挟まれたフィルム状の光応答性ガ 発生材料を得た。一方の面のPETフィルムを 離して、フィルム状光応答性ガス発生材料 露出させ、該フィルム状光応答性ガス発生 料を上記アクリル系樹脂プレートの円形の 部が形成されている側の面に、円形の凹部 覆うように貼付した。

 (比較例3)
 比較例2の光応答性ガス発生材料に、実施例 24で用いた粘着性バインダー成分としてのメ クリル酸メチルを20重量部配合し、次に、 施例22と同様にしてフィルム状の光応答性ガ ス発生材料を用意し、実施例22と同様に、マ クロ流体デバイスを作製した。

 (実施例24及び比較例3の評価)
 実施例24及び比較例3で得たマイクロ流体デ イスにおいて、フィルム状光応答性ガス発 材料に、LEDを用いて最大波長ピーク380nmの 外線を光照射強度が20mW/cm 2 となるように照射し、ガスを発生させ、マイ クロデバイス内のマイクロ流体の移動状態を 評価した。具体的には、上記光応答性ガス発 生材料をアクリル系樹脂プレートに貼付する 前に、前述した貫通孔から食紅で色が付着さ れたリン酸緩衝液溶液を溶液収納部に完全に みたされるまで添加した。照射開始から、上 記リン酸緩衝溶液が流れ切るまでの様子をビ デオで録画した。録画された動画を、Mostion  DV studio 5.6J LE for DV(Panasonic社製)で解析し 。結果を下記の表4に示す。なお、表4の結果 はサンプル数n=5の場合の結果を示す。

 実施例24では、比較例3に比べて、非常に 時間でガスが発生し、溶液の移動が始まっ いることがわかる。実施例24では、ガスが 率良く発生するため、溶液が移動を始める イミングのばらつきが小さい。比較例3では ガスが効率良く生じないため、溶液が移動 るまでに時間を必要とし、さらに移動を開 するタイミングのばらつきが大きかった。

 上記のように、実施例24では、マイクロ 路が形成されているアクリル樹脂プレート 片面にフィルム状光応答性ガス発生材料を りつけるだけで、簡便に該マイクロ流体デ イスにマイクロポンプを構成することがで ることがわかる。