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Patent Searching and Data


Title:
PHOTOSENSITIVE ADHESIVE COMPOSITION, FILMY ADHESIVE, ADHESIVE SHEET, ADHESIVE PATTERN, SEMICONDUCTOR WAFER WITH ADHESIVE LAYER, SEMICONDUCTOR DEVICE, AND PROCESS FOR PRODUCING SEMICONDUCTOR DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/090922
Kind Code:
A1
Abstract:
A photosensitive adhesive composition which comprises (A) a resin having carboxy groups and/or hydroxy groups, (B) a thermosetting resin, (C) a radiation-polymerizable compound, and (D) photoinitiators and in which the mixture of all photoinitiators in the composition has a 3% weight loss temperature of 200°C or higher.

Inventors:
MITSUKURA KAZUYUKI (JP)
KAWAMORI TAKASHI (JP)
MASUKO TAKASHI (JP)
KATOGI SHIGEKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050235
Publication Date:
July 23, 2009
Filing Date:
January 09, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI CHEMICAL CO LTD (JP)
MITSUKURA KAZUYUKI (JP)
KAWAMORI TAKASHI (JP)
MASUKO TAKASHI (JP)
KATOGI SHIGEKI (JP)
International Classes:
C09J201/00; C09J4/02; C09J7/20; C09J11/06; C09J163/00; C09J179/08; C09J201/06; H01L21/02; H01L21/52
Domestic Patent References:
WO2007004569A12007-01-11
WO2008123110A12008-10-16
WO2008149625A12008-12-11
Foreign References:
JP2004534797A2004-11-18
JP2008260907A2008-10-30
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg.10-6, Ginza 1-chom, Chuo-ku Tokyo 61, JP)
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Claims:
 (A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する樹脂と、
 (B)熱硬化性樹脂と、
 (C)放射線重合性化合物と、
 (D)光開始剤と、を含有し、
 組成物中の全光開始剤混合物の3%重量減少温度が200℃以上である、感光性接着剤組成物。
 前記(D)光開始剤が、波長365nmの光に対する分子吸光係数が1000ml/g・cm以上である化合物を含む、請求項1に記載の感光性接着剤組成物。
 前記(D)光開始剤が、カルバゾール基を有する化合物を含む、請求項1に記載の感光性接着剤組成物。
 前記(D)光開始剤が、オキシムエステル基を有する化合物を含む、請求項1に記載の感光性接着剤組成物。
 前記(D)光開始剤が、下記構造式(1)で表わされる化合物を含む、請求項1に記載の感光性接着剤組成物。
 前記(B)熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である、請求項1に記載の感光性接着剤組成物。
 前記(A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する樹脂のガラス転移温度が150℃以下であり、重量平均分子量が5000~300000である、請求項1に記載の感光性接着剤組成物。
 前記(A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する樹脂が、アルカリ可溶性樹脂である、請求項1に記載の感光性接着剤組成物。
 前記(A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する樹脂が、ポリイミド樹脂である、請求項1に記載の感光性接着剤組成物。
 前記ポリイミド樹脂が、テトラカルボン酸二無水物と、分子中にカルボキシル基及び/又は水酸基を有するジアミンを含むジアミン成分と、を反応させて得られるポリイミド樹脂である、請求項9に記載の感光性接着剤組成物。
 前記ポリイミド樹脂が、テトラカルボン酸二無水物と、下記構造式(2)で表わされる芳香族ジアミン及び/又は下記構造式(3)で表される芳香族ジアミンと、を反応させて得られるポリイミド樹脂である、請求項9に記載の感光性接着剤組成物。
 前記ジアミン成分が、更に、下記一般式(4)で表される脂肪族エーテルジアミンをジアミン成分全体の10~90モル%含む、請求項10に記載の感光性接着剤組成物。
[式中、Q 1 、Q 2 及びQ 3 は各々独立に、炭素数1~10のアルキレン基を示し、bは1~80の整数を示す。]
 前記ジアミン成分が、更に、下記一般式(5)で表されるシロキサンジアミンをジアミン成分全体の1~20モル%含む、請求項10に記載の感光性接着剤組成物。
[式中、Q 4 及びQ 9 は各々独立に、炭素数1~5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、Q 5 、Q 6 、Q 7 及びQ 8 は各々独立に、炭素数1~5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、dは1~5の整数を示す。]
 前記ポリイミド樹脂が、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド樹脂であり、
 前記テトラカルボン酸二無水物が、下記一般式(6)で表されるテトラカルボン酸二無水物を前記テトラカルボン酸二無水物全体の40モル%以上含む、請求項9に記載の感光性接着剤組成物。
 請求項1~14のいずれか一項に記載の感光性接着剤組成物からなる、フィルム状接着剤。
 基材と、該基材の一面上に設けられた請求項1~14のいずれか一項に記載の感光性接着剤組成物からなる接着剤層と、を備える、接着シート。
 請求項15に記載のフィルム状接着剤とダイシングシートとを有し、
 前記フィルム状接着剤と前記ダイシングシートとが積層されている、接着シート。
 請求項1~14に記載の感光性接着剤組成物からなる接着剤層を被着体上に形成し、該接着剤層をフォトマスクを介して露光し、露光後の前記接着剤層をアルカリ現像液により現像処理することにより形成される、接着剤パターン。
 半導体ウェハと、該半導体ウェハの一面上に設けられた請求項1~14のいずれか一項に記載の感光性接着剤組成物からなる接着剤層と、を備える、接着剤層付半導体ウェハ。
 支持部材と、該支持部材に搭載された半導体素子と、前記支持部材と前記半導体素子との間に介在する接着剤層と、を備え、前記接着剤層が請求項1~14のいずれか一項に記載の感光性接着剤組成物によって形成されている、半導体装置。
 請求項1~14のいずれか一項に記載の感光性接着剤組成物を用いて、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材とを接着する工程を有する、半導体装置の製造方法。
Description:
感光性接着剤組成物、フィルム 接着剤、接着シート、接着剤パターン、接 剤層付半導体ウェハ、半導体装置、及び、 導体装置の製造方法

 本発明は、感光性接着剤組成物、フィル 状接着剤、接着シート、接着剤パターン、 着剤層付半導体ウェハ、半導体装置、及び 半導体装置の製造方法に関する。

 半導体パッケージなどの半導体装置の製 において、半導体素子と半導体素子搭載用 持基材との接合には接着剤が従来より使用 れている。この接着剤には、半導体装置の 頼性の点から、耐はんだリフロー性を十分 保するための耐熱性や耐湿信頼性が要求さ る。また、半導体ウエハなどにフィルム状 接着剤を貼付ける工程を経て接合を行う方 があり、この場合には、被着体への熱的ダ ージを少なくするために低温貼付性が要求 れる。近年、電子部品の高性能化、高機能 に伴い、種々の形態を有する半導体パッケ ジが提案されるようになり、半導体装置の 能、形態及び組み立てプロセスの簡略化の 法によっては、上記の特性に加えてパター 形成能を備えた接着剤が求められている。 着剤パターンを形成できるものとして、感 性の機能を備えた感光性接着剤が知られて る。感光性とは光を照射した部分が化学的 変化し、水溶液や有機溶剤に不溶化又は可 化する機能である。この感光性を有する感 性接着剤を用いると、フォトマスクを介し 露光し、現像液によってパターン形成させ ことにより、高精細な接着剤パターンを形 することが可能となる。

 このようなパターン形成機能を持つ感光 接着剤を構成する材料としては、これまで 耐熱性を考慮して、ポリイミド樹脂前駆体( ポリアミド酸)あるいはポリイミド樹脂をベ スとした材料が使用されていた(例えば、特 文献1~3参照)。

特開2000-290501号公報

特開2001-329233号公報

特開平11-24257号公報

 しかし、上記の材料は耐熱性の点で優れ いるが、前者のポリアミド酸を用いた場合 熱閉環イミド化時に、後者のポリイミド樹 を用いた場合は加工時に、それぞれ300℃以 の高温を要するため、周辺材料への熱的ダ ージが大きく、また、熱応力が発生しやす などの問題があった。

 なお、ポリイミド樹脂などを含む接着剤 熱硬化性樹脂を配合して架橋することによ 、低温加工性及びはんだ耐熱性を改良する とが試みられている。しかし、このような 法では、アルカリ現像液によるパターン形 性及び被着体への低温貼付性の両方につい 同時に高いレベルを達成することは困難で った。また、上記従来の材料は、パターン 成後の再熱圧着性及び硬化後に十分に高い 着力を達成することが困難であった。また パターニング性についても、感度が低いた に露光量を多くする必要があるという問題 あった。

 本発明は、上記従来技術の有する課題に みてなされたものであり、パターン形成性 パターン形成後の接着性、接着後の耐熱性 優れ、フィルム状に形成した場合には低温 付性にも優れた感光性接着剤組成物、これ 用いたフィルム状接着剤、接着シート、接 剤パターン、接着剤層付半導体ウェハ、半 体装置、及び、半導体装置の製造方法を提 することを目的とする。

 上記目的を達成するために、本発明は、( A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する樹 脂と、(B)熱硬化性樹脂と、(C)放射線重合性化 合物と、(D)光開始剤と、を含有し、組成物中 の全光開始剤混合物の3%重量減少温度が200℃ 上である、感光性接着剤組成物を提供する

 ここで、3%重量減少温度とは、熱重量分 による初期状態からの重量減少率が3%となる 温度を意味しており、光開始剤を示差熱熱重 量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノ ジー製:TG/DTA6300)を用いて、昇温速度10℃/min 窒素フロー(400ml/min)下で測定したときの3%重 減少温度である。

 本発明の感光性接着剤組成物によれば、 記構成を有することにより、パターン形成 、パターン形成後の接着性、接着後の耐熱 、及び、フィルム状に形成した場合には低 貼付性のすべてを満足することができる。

 なお、本発明の感光性接着剤組成物によ 上記の効果が奏される理由としては、保存 定性がよく、接着後の熱処理によるアウト スが少ないため、並びに、フィルム状に形 した場合には、塗工乾燥温度によって反応 進行しないためであると本発明者らは考え いる。

 また、本発明によれば、上記(A)、(B)、(C) び(D)成分の組み合わせにより、上記の効果 奏しつつ室温での貯蔵安定性にも優れた感 性接着剤組成物を実現することができる。 下、室温とは、特に断りがない限り25℃で る。

 本発明の感光性接着剤組成物においては パターン形成性の感度向上等の観点から、( D)光開始剤が、波長365nmの光に対する分子吸 係数が1000ml/g・cm以上である化合物を含むこ が好ましい。

 本発明の感光性接着剤組成物においては 耐熱性向上等の観点から、(D)光開始剤が、 ルバゾール基を有する化合物を含むことが ましい。

 本発明の感光性接着剤組成物においては 耐熱性向上等の観点から、(D)光開始剤が、 キシムエステル基を有する化合物を含むこ が好ましい。

 本発明の感光性接着剤組成物において、放 線照射に対して少量で効率よく反応し、ま 光分解した後のフラグメントが昇華、分解 にくいため、(D)光開始剤が、下記構造式(1) 表わされる化合物を含むことが特に好まし 。

 また、保存安定性、高温接着性及び耐熱 の点から、(B)熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂 あることが好ましい。

 (A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有す る樹脂のガラス転移温度が150℃以下であり、 重量平均分子量が5000~300000であることが好ま い。また、前記樹脂は、アルカリ可溶性樹 であることが好ましい。更に、前記樹脂は ポリイミド樹脂であることが好ましい。

 ポリイミド樹脂が、テトラカルボン酸二無 物と、分子中にカルボキシル基及び/又は水 酸基を有するジアミンを含むジアミン成分と 、を反応させて得られるポリイミド樹脂であ ることが好ましい。また、ポリイミド樹脂が 、テトラカルボン酸二無水物と、下記構造式 (2)で表わされる芳香族ジアミン及び/又は下 構造式(3)で表される芳香族ジアミンと、を 応させて得られるポリイミド樹脂であるこ が好ましい。

 また、ジアミン成分が、更に、下記一般式( 4)で表される脂肪族エーテルジアミンをジア ン成分全体の10~90モル%含むことが好ましい これにより、ポリイミド樹脂のガラス転移 度を低下させることができ、またアルカリ 溶性、溶剤可溶性及び他の配合成分との相 性を付与することができる。
[式中、Q 1 、Q 2 及びQ 3 は各々独立に、炭素数1~10のアルキレン基を し、bは1~80の整数を示す。]

 また、良好な接着性を付与できる点で、ジ ミン成分が、更に、下記一般式(5)で表され シロキサンジアミンをジアミン成分全体の1 ~20モル%含むことが好ましい。
[式中、Q 4 及びQ 9 は各々独立に、炭素数1~5のアルキレン基又は 置換基を有してもよいフェニレン基を示し、 Q 5 、Q 6 、Q 7 及びQ 8 は各々独立に、炭素数1~5のアルキル基、フェ ニル基又はフェノキシ基を示し、dは1~5の整 を示す。]

 また、光透過性及び低温貼付性の点で、ポ イミド樹脂が、テトラカルボン酸二無水物 、ジアミン成分とを反応させて得られるポ イミド樹脂であり、テトラカルボン酸二無 物が、下記一般式(6)で表されるテトラカル ン酸二無水物をテトラカルボン酸二無水物 体の40モル%以上含むことが好ましい。

 本発明の接着フィルムは、上記本発明の 光性接着剤組成物からなる。本発明のフィ ム状接着剤によれば、本発明の感光性接着 組成物からなることにより、パターン形成 、パターン形成後の接着性、接着後の耐熱 、及び、低温貼付性のすべてを満足するこ ができ、半導体装置の組み立てプロセスの 率化及び半導体装置の信頼性向上を図るこ が可能となる。

 本発明の接着シートは、基材と、これの 面上に設けられた本発明に係る感光性接着 組成物からなる接着剤層とを備える。本発 の接着シートによれば、本発明の感光性接 剤組成物からなる接着剤層を有することに り、パターン形成性、パターン形成後の接 性、接着後の耐熱性、及び、低温貼付性の べてを満足することができ、半導体装置の み立てプロセスの効率化及び半導体装置の 頼性向上を図ることが可能となる。

 本発明の接着シートは、本発明のフィル 状接着剤とダイシングシートとを有し、フ ルム状接着剤とダイシングシートとが積層 れていてもよい。前記の接着シートによれ 、上記構造を有することにより、パターン 成性、パターン形成後の接着性、接着後の 熱性、及び、低温貼付性のすべてを満足す ことができるダイボンディングダイシング ートが実現可能となる。これにより、半導 装置の組み立てプロセスの効率化及び半導 装置の信頼性向上を図ることが可能となる

 本発明の接着剤パターンは、本発明の上 感光性接着剤組成物からなる接着剤層を被 体上に形成し、該接着剤層をフォトマスク 介して露光し、露光後の接着剤層をアルカ 水溶液により現像処理することにより形成 れるものである。また、本発明の接着剤パ ーンは、本発明の上記感光性接着剤組成物 らなる接着剤層を被着体上に形成し、該接 剤層に直接描画露光技術を用いて直接パタ ンを描画露光し、露光後の接着剤層をアル リ水溶液により現像処理することにより形 されるものでもよい。上記本発明の感光性 着剤組成物がパターン形成性に優れている め、本発明の接着剤パターンは、本発明の 光性接着剤組成物から形成されることによ 高精細なパターンを有することが可能であ 、また、露光後の再接着性に優れる。本発 の接着剤パターンは、更に、接着後におい は優れた耐熱性を得ることができる。

 本発明の接着剤層付半導体ウェハは、半 体ウェハと、該半導体ウェハの一面上に設 られた本発明の上記感光性接着剤組成物か なる接着剤層と、を備える。本発明の接着 層付半導体ウェハによれば、本発明の感光 接着剤組成物からなる接着剤層を備えるこ により、接着剤層のパターン形成が可能で るとともに、パターン形成後の接着性、接 後の耐熱性に優れることから、半導体装置 組み立てプロセスの効率化及び半導体装置 信頼性向上を図ることが可能となる。

 発明に係る半導体装置は、支持部材と、 支持部材に搭載された半導体素子と、支持 材と半導体素子との間に介在する接着剤層 、を備え、接着剤層が上記本発明の感光性 着剤組成物によって形成されている。本発 の半導体装置は、半導体素子と支持部材と 、パターン形成性、パターン形成後の接着 及び接着後の耐熱性(すなわち、高温接着性 )に優れる本発明の感光性接着剤組成物によ 接合されていることから、製造プロセスの 略化にも十分対応可能であり、且つ優れた 頼性を具備することができる。

 本発明の半導体装置の製造方法は、本発 の上記感光性接着剤組成物を用いて、半導 素子と半導体素子搭載用支持部材とを接着 る工程を有する。本発明の半導体装置の製 方法によれば、本発明の感光性接着剤組成 を用いているため、優れた信頼性を有する 導体装置を提供することができる。また、 発明の半導体装置の製造方法によれば、種 の機能、形態を有する半導体装置を信頼性 く製造することができる。

 本発明によれば、パターン形成性、感度 パターン形成後の接着性、接着後の耐熱性 耐湿信頼性に優れ、フィルム状に形成した 合には低温貼付性にも優れた感光性接着剤 成物、これを用いたフィルム状接着剤、接 シート、接着剤パターン、接着剤層付半導 ウェハ、半導体装置、及び、半導体装置の 造方法を提供することができる。更に、パ ーン形成後の基板、ガラス、半導体素子等 被着体との再熱圧着性を有すると共に、熱 化後の優れた耐熱性を有するため、半導体 子、光学素子、又は個体撮像素子等の保護 用途、又は微細な接着領域が求められる接 剤及び/又はバッファーコート用途に好適に 使用でき、さらにこれらを有する装置の信頼 性を向上できる樹脂組成物を提供することが できる。

本発明に係るフィルム状接着剤の一実 形態を示す模式断面図である。 本発明に係る接着シートの一実施形態 示す模式断面図である。 本発明に係る接着シートの他の一実施 態を示す模式断面図である。 本発明に係る接着シートの他の一実施 態を示す模式断面図である。 本発明に係る接着剤層付半導体ウェハ 一実施形態を示す上面図である。 図5のVI-VI線に沿った端面図である。 本発明に係る接着剤パターンの一実施 態を示す上面図である。 図7のVIII-VIII線に沿った端面図である。 本発明に係る接着剤パターンの一実施 態を示す上面図であ 図9のX-X線に沿った端面図である。 本発明の半導体装置の一実施形態を示 す模式断面図である。 本発明の半導体装置の他の一実施形態 を示す模式断面図である。 ピール強度測定装置を示す概略図であ る。

符号の説明

 1…フィルム状接着剤(接着剤層)、1a,1b… 着剤パターン、2…カバーフィルム、3…基材 フィルム(基材)、6…粘着剤層、7…基材フィ ム、8…半導体ウェハ、12,12a,12b…半導体素子 、13…半導体素子搭載用支持部材、14…ワイ 、15…封止材、16…端子、20,20a,20b…接着剤層 付半導体ウェハ、100,110,120…接着シート、210 半導体装置。

 以下、場合により図面を参照しつつ本発 の好適な実施形態について詳細に説明する なお、図面中、同一又は相当部分には同一 号を付し、重複する説明は省略する。また 上下左右等の位置関係は、特に断らない限 、図面に示す位置関係に基づくものとする 更に、図面の寸法比率は図示の比率に限ら るものではない。

 本発明の感光性接着剤組成物は、(A)カル キシル基及び/又は水酸基を有する樹脂と、 (B)熱硬化性樹脂と、(C)放射線重合性化合物と 、(D)光開始剤と、を含有する。

 本発明に係る感光性接着剤組成物を構成 る(A)成分としては、熱可塑性樹脂が好まし 。(A)成分としては、以下の樹脂単体もしく これらの樹脂側鎖にカルボキシル基及び/又 は水酸基を付与した樹脂が挙げられる。例え ば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ アミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂 、ポリウレタンイミド樹脂、ポリウレタンア ミドイミド樹脂、シロキサンポリイミド樹脂 、ポリエステルイミド樹脂、又はそれらの共 重合体、それらの前駆体(ポリアミド酸)の他 ポリウレタン樹脂、ポリベンゾオキサゾー 樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂 ポリエ-テルスルホン樹脂、ポリフェニレン サルファイド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ エ-テル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ -テルケトン樹脂、重量平均分子量が1万~100 の(メタ)アクリル共重合体、フェノールノボ ラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フ ェノール樹脂などが挙げられる。これらは1 を単独で又は2種以上を組み合わせて用いる とができる。

 (A)成分としては、良好な現像性が得られ 点で、カルボキシル基を有する樹脂が好ま く、その樹脂がアルカリ可溶性であること 好ましい。また、アルカリ可溶性樹脂のア カリ可溶性基が水酸基である場合、フェノ ル性水酸基が好ましい。

 後述する本発明のフィルム状接着剤のウ ハ裏面への貼り付け温度は、半導体ウェハ 反りを抑えるという観点から、20℃以上で ることが好ましく、20~150℃であることがよ 好ましく、25~100℃であることが特に好まし 。上記温度での貼り付けを可能にするため は、(A)成分のガラス転移温度(Tg)は、150℃以 であることが好ましい。(A)成分のTgが150℃ 超えると、ウェハ裏面への貼り付け温度が15 0℃を超える可能性が高くなり、ウェハ裏面 の貼合せ後の反りが発生し易くなる傾向に り、Tgが-20℃未満であると、Bステージ状態 のフィルム表面のタック性が強くなり過ぎ 、取り扱い性が悪くなる傾向にある。後述 るポリイミド樹脂の組成を決定する際には そのTgが150℃以下となるように設計すること が好ましい。

 また、(A)成分の重量平均分子量は、5000~30 0000の範囲内で制御されていることが好まし 、5000~150000であることがより好ましく、10000~ 100000であることが更に好ましく、10000~80000で ることが最も好ましい。重量平均分子量が5 000~300000の範囲内にあると、感光性接着剤組 物をシート状又はフィルム状としたときの 度、可とう性、及びタック性が良好なもの なり、また、熱時流動性が良好となるため 基板表面の配線段差への良好な埋込性を確 することが可能となる。なお、上記重量平 分子量が5000未満であると、フィルム形成性 悪くなる傾向があり、300000を超えると、熱 の流動性が悪くなり、基板上の凹凸に対す 埋め込み性が低下する傾向があり、また、 脂組成物のアルカリ現像液に対する溶解性 低下する傾向がある。

 (A)成分のTg及び重量平均分子量を上記の 囲内とすることにより、ウェハ裏面への貼 付け温度を低く抑えることができるととも 、半導体素子を半導体素子搭載用支持部材 接着固定する際の加熱温度(ダイボンディン 温度)も低くすることができ、半導体素子の 反りの増大を抑制することができる。また、 本発明の特徴であるダイボンディング時の流 動性や現像性を有効に付与することができる 。

 なお、上記のTgとは、(A)成分をフィルム したときの主分散ピーク温度であり、レオ トリックス社製粘弾性アナライザー「RSA-2」 (商品名)を用いて、昇温速度5℃/min、周波数1H z、測定温度-150~300℃の条件で測定し、Tg付近 tanδピーク温度を測定し、これを主分散温 とした。また、上記の重量平均分子量とは 島津製作所社製高速液体クロマトグラフィ 「C-R4A」(商品名)を用いて、ポリスチレン換 で測定したときの重量平均分子量である。

 また、(A)成分は、耐熱性、接着性の点で ポリイミド樹脂であることが好ましい。ポ イミド樹脂は、例えば、テトラカルボン酸 無水物とジアミン成分とを公知の方法で縮 反応させて得ることができる。すなわち、 機溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物と アミン成分とを等モルで、又は、必要に応 てテトラカルボン酸二無水物の合計1.0molに して、ジアミン成分の合計を好ましくは0.5~ 2.0mol、より好ましくは0.8~1.0molの範囲で組成 を調整(各成分の添加順序は任意)し、反応温 度80℃以下、好ましくは0~60℃で付加反応させ る。反応が進行するにつれ反応液の粘度が徐 々に上昇し、ポリイミド樹脂の前駆体である ポリアミド酸が生成する。なお、接着剤組成 物の諸特性の低下を抑えるため、上記のテト ラカルボン酸二無水物は無水酢酸で再結晶精 製処理したものであることが好ましい。

 なお、上記縮合反応におけるテトラカル ン酸二無水物とジアミン成分との組成比に いては、テトラカルボン酸二無水物の合計1 .0molに対して、ジアミン成分の合計が2.0molを えると、得られるポリイミド樹脂中に、ア ン末端のポリイミドオリゴマーの量が多く る傾向があり、ポリイミド樹脂の重量平均 子量が低くなり、接着剤組成物の耐熱性を む種々の特性が低下する傾向がある。一方 ジアミン成分の合計が0.5mol未満であると、 末端のポリイミドオリゴマーの量が多くな 傾向があり、ポリイミド樹脂の重量平均分 量が低くなり、接着剤組成物の耐熱性を含 種々の特性が低下する傾向がある。

 ポリイミド樹脂は、上記反応物(ポリアミ ド酸)を脱水閉環させて得ることができる。 水閉環は、加熱処理する熱閉環法、脱水剤 使用する化学閉環法等で行うことができる

 ポリイミド樹脂の原料として用いられる トラカルボン酸二無水物としては特に制限 無く、例えば、ピロメリット酸二無水物、3 ,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無 物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸 二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル )プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキ フェニル)プロパン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジ ルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビ (3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物 ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無 物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン 無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ス ホン二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカル ン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニ ル)エーテル二無水物、ベンゼン-1,2,3,4-テト カルボン酸二無水物、3,4,3’,4’-ベンゾフェ ノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’- ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3 ,3,3’,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸 無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸 二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン 二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボ 酸二無水物、1,2,4,5-ナフタレンテトラカルボ ン酸二無水物、2,6-ジクロロナフタレン-1,4,5,8 -テトラカルボン酸二無水物、2,7-ジクロロナ タレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2 ,3,6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラ ルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,8,9,10- トラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6- トラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,5, 6-テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビ ェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4 -ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3 ,2’,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水 、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジメチル ラン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェ ル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4 -ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二 水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェニルジ チルシリル)ベンゼン二無水物、1,3-ビス(3,4- ジカルボキシフェニル)-1,1,3,3-テトラメチル シクロヘキサン二無水物、p-フェニレンビス (トリメリテート無水物)、エチレンテトラカ ボン酸二無水物、1,2,3,4-ブタンテトラカル ン酸二無水物、デカヒドロナフタレン-1,4,5,8 -テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2 ,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラ カルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4- テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4 ,5-テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロ タンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキ ソ-ビシクロ[2,2,1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸 無水物、ビシクロ-[2,2,2]-オクト-7-エン-2,3,5,6 -テトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジ ルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビ ス[4-(3,4-ジカルボキシフェニル)フェニル]プ パン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフ ニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2- ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェニル)フェニル] キサフルオロプロパン二無水物、4,4’-ビス( 3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスル ィド二無水物、1,4-ビス(2-ヒドロキシヘキサ フルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメ ット酸無水物)、1,3-ビス(2-ヒドロキシヘキ フルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメ リット酸無水物)、5-(2,5-ジオキソテトラヒド フリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカ ボン酸二無水物、テトラヒドロフラン-2,3,4, 5-テトラカルボン酸二無水物、下記一般式(7) 表されるテトラカルボン酸二無水物等が挙 られる。

[式中、aは2~20の整数を示す。]

 上記一般式(7)で表されるテトラカルボン 二無水物は、例えば、無水トリメリット酸 ノクロライド及び対応するジオールから合 することができ、具体的には1,2-(エチレン) ス(トリメリテート無水物)、1,3-(トリメチレ ン)ビス(トリメリテート無水物)、1,4-(テトラ チレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,5-( ンタメチレン)ビス(トリメリテート無水物) 1,6-(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート無 物)、1,7-(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテ ト無水物)、1,8-(オクタメチレン)ビス(トリメ リテート無水物)、1,9-(ノナメチレン)ビス(ト メリテート無水物)、1,10-(デカメチレン)ビ (トリメリテート無水物)、1,12-(ドデカメチレ ン)ビス(トリメリテート無水物)、1,16-(ヘキサ デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、 1,18-(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテー 無水物)等が挙げられる。

 また、テトラカルボン酸二無水物として 、溶剤への良好な溶解性及び耐湿信頼性、3 65nm光に対する透明性を付与する観点から、 記一般式(6)又は(8)で表されるテトラカルボ 酸二無水物を含むことが好ましい。下記一 式(6)で表されるテトラカルボン酸二無水物 、テトラカルボン酸二無水物全体の40モル% 上含まれることが好ましい。

 以上のようなテトラカルボン酸二無水物 、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせ 使用することができる。

 上記ポリイミド樹脂の原料として用いら るジアミン成分としては、分子中にカルボ シル基及び/又は水酸基を有するジアミンを 含むことが好ましく、下記一般式(2)、(3)、(9) 又は(10)で表される芳香族ジアミンを含むこ が好ましい。これら下記一般式(2)、(3)、(9) は(10)で表されるジアミンは、全ジアミン成 の1~100モル%とすることが好ましく、3~80モル %とすることが更に好ましく、5~50モル%とする ことが最も好ましい。

 上記ポリイミド樹脂の原料として用いら るその他のジアミン成分としては特に制限 なく、例えば、o-フェニレンジアミン、m-フ ェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3 ,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジ ミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジ ェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニル メタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4, 4’-ジアミノジフェニルエーテメタン、ビス( 4-アミノ-3,5-ジメチルフェニル)メタン、ビス( 4-アミノ-3,5-ジイソプロピルフェニル)メタン 3,3’-ジアミノジフェニルジフルオロメタン 、3,4’-ジアミノジフェニルジフルオロメタ 、4,4’-ジアミノジフェニルジフルオロメタ 、3,3’-ジアミノジフェニルスルフォン、3,4 ’-ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’-ジ ミノジフェニルスルフォン、3,3’-ジアミノ ジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフ ニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニル ルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルケトン 、3,4’-ジアミノジフェニルケトン、4,4’-ジ ミノジフェニルケトン、2,2-ビス(3-アミノフ ェニル)プロパン、2,2’-(3,4’-ジアミノジフ ニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル) ロパン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)ヘキサフ ルオロプロパン、2,2-(3,4’-ジアミノジフェニ ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミ フェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3-ビ (3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-ア ミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ ェノキシ)ベンゼン、3,3’-(1,4-フェニレンビ ス(1-メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’- (1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン))ビ アニリン、4,4’-(1,4-フェニレンビス(1-メチ エチリデン))ビスアニリン、2,2-ビス(4-(3-ア ノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4 -(3-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオ ロプロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ) ェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-(3- アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、ビス( 4-(4-アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、 ス(4-(3-アミノエノキシ)フェニル)スルフォン 、ビス(4-(4-アミノエノキシ)フェニル)スルフ ン、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノビフ ニル、3,5-ジアミノ安息香酸等の芳香族ジア ミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン 、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロ ン、下記一般式(4)で表される脂肪族エーテ ジアミン、下記一般式(11)で表される脂肪族 ジアミン、下記一般式(5)で表されるシロキサ ンジアミン等が挙げられる。

[式中、Q 1 、Q 2 及びQ 3 は各々独立に、炭素数1~10のアルキレン基を し、bは1~80の整数を示す。]

[式中、cは5~20の整数を示す。]

[式中、Q 4 及びQ 9 は各々独立に、炭素数1~5のアルキレン基又は 置換基を有してもよいフェニレン基を示し、 Q 5 、Q 6 、Q 7 及びQ 8 は各々独立に、炭素数1~5のアルキル基、フェ ニル基又はフェノキシ基を示し、dは1~5の整 を示す。]

 上記一般式(4)で表される脂肪族エーテルジ ミンとして具体的には、下記一般式;
で表される脂肪族ジアミンの他、下記一般式 (12)で表される脂肪族エーテルジアミンが挙 られる。

[式中、eは0~80の整数を示す。]

 上記一般式(4)で表される脂肪族エーテル アミンは、ジアミン成分全体の10~90モル%含 れることが好ましい。

 また、上述したように、ポリイミド樹脂 組成を決定する際には、そのTgが150℃以下 なるように設計することが好ましく、ポリ ミド樹脂の原料であるジアミン成分として 上記一般式(12)で表される脂肪族エーテルジ ミンを用いることが好ましい。上記一般式( 12)で表される脂肪族エーテルジアミンとして 具体的には、サンテクノケミカル(株)製ジェ ァーミンD-230,D-400,D-0,D-4000,ED-600,ED-900,ED-0,EDR- 148、BASF(製)ポリエーテルアミンD-230,D-400,D-0等 のポリオキシアルキレンジアミン等の脂肪族 ジアミンが挙げられる。これらのジアミンは 、全ジアミン成分の1~80モル%であることが好 しく、5~60モル%であることがより好ましい この量が1モル%未満であると、低温接着性、 熱時流動性の付与が困難になる傾向にあり、 一方、80モル%を超えると、ポリイミド樹脂の Tgが低くなり過ぎて、フィルムの自己支持性 損なわれる傾向にある。

 上記一般式(11)で表される脂肪族ジアミン として具体的には、1,2-ジアミノエタン、1,3- アミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5- アミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7- ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1, 9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11- ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン 1,2-ジアミノシクロヘキサン等が挙げられる 。

 上記一般式(5)で表されるシロキサンジア ンとして具体的には、式(5)中のdが1のもの して、1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ビス(4-アミノ ェニル)ジシロキサン、1,1,3,3-テトラフェノ シ-1,3-ビス(4-アミノエチル)ジシロキサン、1 ,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ビス(2-アミノエチル )ジシロキサン、1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ビ (3-アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3-テ ラメチル-1,3-ビス(2-アミノエチル)ジシロキ ン、1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ビス(3-アミノプ ロピル)ジシロキサン、1,1,3,3-テトラメチル-1, 3-ビス(3-アミノブチル)ジシロキサン、1,3-ジ チル-1,3-ジメトキシ-1,3-ビス(4-アミノブチル) ジシロキサン等が挙げられ、dが2のものとし 、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ビス(4-アミノ ェニル)トリシロキサン、1,1,5,5-テトラフェ ル-3,3-ジメチル-1,5-ビス(3-アミノプロピル)ト リシロキサン、1,1,5,5-テトラフェニル-3,3-ジ トキシ-1,5-ビス(4-アミノブチル)トリシロキ ン、1,1,5,5-テトラフェニル-3,3-ジメトキシ-1,5 -ビス(5-アミノペンチル)トリシロキサン、1,1, 5,5-テトラメチル-3,3-ジメトキシ-1,5-ビス(2-ア ノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5-テトラメ ル-3,3-ジメトキシ-1,5-ビス(4-アミノブチル) リシロキサン、1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジメ キシ-1,5-ビス(5-アミノペンチル)トリシロキ ン、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ビス(3-アミ プロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ チル-1,5-ビス(3-アミノプロピル)トリシロキ ン、1,1,3,3,5,5-ヘキサプロピル-1,5-ビス(3-ア ノプロピル)トリシロキサン等が挙げられる

 上記一般式(5)で表される脂肪族エーテル アミンは、ジアミン成分全体の1~20モル%含 れることが好ましい。

 上述したジアミン成分は、1種を単独で又 は2種以上を組み合わせて使用することがで る。

 また、上記ポリイミド樹脂は、1種を単独 で又は必要に応じて2種以上を混合(ブレンド) して用いることができる。

 本発明の感光性接着剤組成物において、( A)成分の含有量は、感光性接着剤組成物の固 分全量を基準として5~90質量%であることが ましく、20~80質量%であることがより好まし 。この含有量が5質量%未満であると、パター ン形成性が損なわれる傾向があり、90質量%を 超えると、パターン形成性及び接着性が低下 する傾向がある。

 (A)成分のアルカリへの溶解性が乏しいも くは溶解しない場合、溶解助剤として、カ ボキシル基及び/又は水酸基を有する樹脂も しくは化合物を添加しても良い。

 本発明に用いられる(B)成分は、熱硬化性 脂(但し、(A)成分を除く)である。(B)成分と ては、エポキシ樹脂が好ましい。(B)成分と ては、分子内に少なくとも2個以上のエポキ 基を含むものが好ましく、硬化性や硬化物 性の点からフェノールのグリシジルエーテ 型のエポキシ樹脂がより好ましい。このよ な樹脂としては、例えば、ビスフェノールA 型(又はAD型、S型、F型)のグリシジルエーテル 、水添加ビスフェノールA型のグリシジルエ テル、エチレンオキシド付加体ビスフェノ ルA型のグリシジルエーテル、プロピレンオ シド付加体ビスフェノールA型のグリシジル エーテル、フェノールノボラック樹脂のグリ シジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂 のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノ ラック樹脂のグリシジルエーテル、ナフタ ン樹脂のグリシジルエーテル、3官能型(又は 4官能型)のグリシジルエーテル、ジシクロペ タジエンフェノール樹脂のグリシジルエー ル、ダイマー酸のグリシジルエステル、3官 能型(又は4官能型)のグリシジルアミン、ナフ タレン樹脂のグリシジルアミン等が挙げられ る。これらは単独で又は二種類以上を組み合 わせて使用することができる。

 また、(B)成分は、不純物イオンである、 ルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオ 、ハロゲンイオン、特には塩素イオンや加 分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度 を用いることが、エレクトロマイグレーシ ン防止や金属導体回路の腐食防止の観点か 好ましい。

 本発明の感光性接着剤組成物において、( B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0 .1~100質量部であることが好ましく、2~50質量 であることがより好ましい。この含有量が10 0質量部を超えると、アルカリ水溶液への溶 性が低下し、パターン形成性が低下する傾 がある。一方、上記含有量が0.1質量部未満 あると、高温接着性が低くなる傾向がある

 本発明の感光性接着剤組成物には、必要 応じて、熱硬化性樹脂の硬化剤を含有させ ことができる。この硬化剤としては、例え 、フェノール系化合物、脂肪族アミン、脂 族アミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド 脂肪族酸無水物、脂環族酸無水物、芳香族 無水物、ジシアンジアミド、有機酸ジヒド ジド、三フッ化ホウ素アミン錯体、イミダ ール類、第3級アミン等が挙げられる。これ らの中でもフェノール系化合物が好ましく、 分子中に少なくとも2個以上のフェノール性 酸基を有するフェノール系化合物がより好 しい。このような化合物としては、例えば ェノールノボラック、クレゾールノボラッ 、t-ブチルフェノールノボラック、ジシクロ ペンタジエンクレゾールノボラック、ジシク ロペンタジエンフェノールノボラック、キシ リレン変性フェノールノボラック、ナフトー ル系化合物、トリスフェノール系化合物、テ トラキスフェノールノボラック、ビスフェノ ールAノボラック、ポリ-p-ビニルフェノール フェノールアラルキル樹脂等が挙げられる これらの中でも、数平均分子量が400~4000の範 囲内のものが好ましい。これにより、半導体 装置組立加熱時に、半導体素子又は装置等の 汚染の原因となる加熱時のアウトガスを抑制 できる。

 更に、本発明の感光性接着剤組成物には 必要に応じて、硬化促進剤を含有させるこ ができる。この硬化促進剤としては、熱硬 性樹脂を硬化させるものであれば特に制限 なく、例えば、イミダゾール類、ジシアン アミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド トリフェニルホスフィン、テトラフェニル スホニウムテトラフェニルボレート、2-エ ル-4-メチルイミダゾール-テトラフェニルボ ート、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7 -テトラフェニルボレート、また加熱によっ 塩基を生成するウレタン系塩基発生剤等が げられる。感光性接着剤組成物における硬 促進剤の含有量は、熱硬化性樹脂100質量部 対して0.01~50質量部が好ましい。

 また、本発明の感光性接着剤組成物に含 れる(C)放射線重合性化合物としては、アク レート及び/又はメタクリレート化合物が好 ましい。アクリレート及び/又はメタクリレ ト化合物としては、特に制限はしないが、 クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ア リル酸エチル、メタクリル酸エチル、アク ル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリ 酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチル キシル、ペンテニルアクリレート、テトラ ドロフルフリルアクリレート、テトラヒド フルフリルメタクリレート、ジエチレング コールジアクリレート、トリエチレングリ ールジアクリレート、テトラエチレングリ ールジアクリレート、ジエチレングリコー ジメタクリレート、トリエチレングリコー ジメタクリレート、テトラエチレングリコ ルジメタクリレート、トリメチロールプロ ンジアクリレート、トリメチロールプロパ トリアクリレート、トリメチロールプロパ ジメタクリレート、トリメチロールプロパ トリメタクリレート、1,4-ブタンジオールジ アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアク レート、1,4-ブタンジオールジメタクリレー 、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、 ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペ ンタエリスリトールテトラアクリレート、ペ ンタエリスリトールトリメタクリレート、ペ ンタエリスリトールテトラメタクリレート、 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレ ート、スチレン、ジビニルベンゼン、4-ビニ トルエン、4-ビニルピリジン、N-ビニルピロ リドン、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2 -ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3-アク ロイルオキシ-2-ヒドロキシプロパン、1,2-メ タクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロパン、 メチレンビスアクリルアミド、N,N-ジメチル クリルアミド、N-メチロールアクリルアミド 、トリス(β-ヒドロキシエチル)イソシアヌレ トのトリアクリレート、下記一般式(13)で表 される化合物、ウレタンアクリレート若しく はウレタンメタクリレート、及び尿素アクリ レート等が挙げられる。

[式中、R 41 及びR 42 は各々独立に、水素原子又はメチル基を示し 、f及びgは各々独立に、1以上の整数を示す。 ]

 以上のような化合物の他、(C)成分には、 能基を含むビニル共重合体に、少なくとも1 個のエチレン性不飽和基と、オキシラン環、 イソシアネート基、水酸基、及びカルボキシ ル基等の官能基とを有する化合物を付加反応 させて得られる、側鎖にエチレン性不飽和基 を有する放射線重合性共重合体等を使用する ことができる。

 これらの放射線重合性化合物は、1種を単 独で又は2種類以上を組み合わせて使用する とができる。中でも、上記一般式(13)で示さ るグリコール骨格を有する放射線重合性化 物は、アルカリ可溶性、硬化後の耐溶剤性 十分に付与できる点で好ましく、ウレタン クリレート及びメタクリレート、イソシア ル酸変性ジ/トリアクリレート及びメタクリ レートは硬化後の高接着性を十分に付与でき る点で好ましい。

 本発明の感光性接着剤組成物において、( C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して2 0~200質量部であることが好ましく、30~100質量 であることがより好ましい。この含有量が2 00質量部を超えると、重合により熱溶融時の 動性が低下し、熱圧着時の接着性が低下す 傾向にある。一方、20質量部未満であると 露光による光硬化後の耐溶剤性が低くなり パターンを形成するのが困難となる傾向に る。

 また、(C)成分は、不純物イオンである、 ルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオ 、ハロゲンイオン、特には塩素イオンや加 分解性塩素等を1000ppm以下に低減した高純度 品を用いることが、エレクトロマイグレーシ ョン防止や金属導体回路の腐食防止の観点か ら好ましい。

 (D)光開始剤は、感度向上といった点で、 長365nmの光に対する分子吸光係数が1000ml/g・ cm以上の化合物を含むことが好ましく、2000ml/ g・cm以上の化合物を含むことがより好ましい 。なお、分子吸光係数は、サンプルの0.001質 %アセトニトリル溶液を調製し、この溶液に ついて分光光度計(日立ハイテクノロジーズ 製、「U-3310」(商品名))を用いて吸光度を測 することにより求められる。

 更に、感光性接着剤組成物中の全光開始 混合物の3%重量減少温度は、200℃以上であ 。これを満たすには、(D1)3%重量減少温度が20 0℃以上の光開始剤を添加する必要がある。(D 1)成分の配合量は、全光開始剤混合物の3%重 減少温度が200℃以上であることを満たせば に限定はしないが、アウトガス低減及び高 接着性向上の点で、全光開始剤混合物の20質 量%以上であることが好ましく、30質量%以上 あることがより好ましく、50質量%以上であ ことが更に好ましい。光開始剤の3%重量減少 温度は、サンプルを示差熱熱重量同時測定装 置(エスアイアイ・ナノテクノロジー製:TG/DTA6 300)を用いて、昇温速度10℃/min、窒素フロー(4 00ml/min)下で測定したときの3%重量減少温度で る。

 このような光開始剤としては、特に限定 しないが、例えば、上記構造式(1)で表わさ る化合物の他、2,4,6-トリメチルベンゾイル- ジフェニル-フォスフィンオキサイド、2-ベン ジル-2-ジメチルアミノー1-(4-モルフォリノフ ニル)-ブタノン-1、2ジメチルアミノー2-(4-メ チルーベンジル)-1-(4-モリフォリンー4-イルー フェニル)-ブタンー1-オン、2,4―ジメトキシ 1,2-ジフェニルエタンー1-オン、等が挙げら る。

 (D)成分は、カルバゾール基を有する化合 を含むことが好ましい。カルバゾール基を する化合物としては、例えば、エタノン,1-[ 9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾ ル-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム) 、3,6-ビ -(2メチル-2モルホリノ-プロピオニル)-9-N-オ チルカルバゾール、3,6-ビス(2-メチル-2-モル リノプロピオニル)-9-ベンゾイルカルバゾー ル、3,6-ビス(2-メチル-2-モルホリノプロピオ ル)-9-n-ブチルカルバゾール、3,6-ビス(2-メチ -2-モルホリノプロピオニル)-9-n-オクチルカ バゾール、3,6-ビス(2-メチル-2-モルホリノプ ロピオニル)-9-n-ドデシルカルバゾール、2-(N-n -ブチル-3’-カルバゾリル)-4,6-ビス(トリクロ メチル)-s-トリアジン、2-(N-n-オクチル-3’- ルバゾリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-ト リアジン、2-(N-2”-フェノキシエチル)-3’-カ バゾリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-ト アジン等が挙げられる。

 (D)成分は、オキシムエステル基を有する 合物を含むことが好ましい。オキシムエス ル基を有する化合物としては、例えば、2,4 ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1, 2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)―,2-(O- ンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6- (2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル] -,1-(O-アセチルオキシム)、1-フェニルー1,2-プ パンジオン-2-O-ベンゾイルオキシム、及び1- フェニルー1,2-プロパンジオン-2-(O-エトキシ ルボニル)オキシムが挙げられる。

 なお、(D)成分は、感光性接着剤組成物中 全光開始剤混合物の3%重量減少温度が200℃ 上であれば、他の光開始剤を併用してもよ 。他の光開始剤としては、特に限定はしな が、例えば、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイ )-フェニルフォスフィンオキサイド等が挙 られる。

 感光性接着剤組成物を膜厚30μm以上の接 剤層とする場合には、上記他の光開始剤と ては、感度向上、内部硬化性向上の観点か 、光照射によってブリーチングするものが り好ましい。このような光開始剤としては 特に限定はしないが、例えば、2-ベンジル-2- ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブ ノン-1、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタ -1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェ ル-ケトン、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェ ル)-2-モルフォリノプロパノン-1、2,4-ジエチ チオキサントン、ベンジルジメチルケター 等のベンジル誘導体、ビス(2,6-ジメトキシ ンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォス ィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベン イル)-フェニルフォスフィンオキサイド等 ビスアシルフォスフィンオキサイドなどの ちUV照射によって退色する化合物が挙げられ る。これらは単独で又は二種類以上を組み合 わせて使用することができる。

 本発明の感光性接着剤組成物において、( B)成分としてエポキシ樹脂を用いた場合、放 線の照射により前記エポキシ樹脂の重合を 進する機能を発現する光開始剤を含有して てもよい。放射線照射により前記エポキシ 脂の重合を促進する機能を発現する光開始 としては、例えば、放射線照射によって塩 を発生する光塩基発生剤、放射線照射によ て酸を発生する光酸発生剤などが挙げられ 。

 本発明の感光性接着剤組成物においては 更に光塩基発生剤を用いることが好ましい この場合、感光性接着剤組成物の被着体へ 高温接着性及び耐湿信頼性を更に向上させ ことができる。この理由としては、上記化 物から生成した塩基がエポキシ樹脂の硬化 媒として効率よく作用することにより、架 密度をより一層高めることができるため、 た生成した硬化触媒が基板などを腐食する とが少ないためと考えられる。

 また、感光性接着剤組成物に光塩基発生 を含有させることにより、架橋密度を向上 せることができ、高温放置時のアウトガス より低減させることができる。また、硬化 ロセス温度を低温化、短時間化させること できると考えられる。

 また、感光性接着剤組成物に含有される( A)成分のカルボキシル基及び/又は水酸基の含 有割合が高くなると、硬化後の吸湿率の上昇 及び吸湿後の接着力が低下する場合がある。 これに対して、上記の感光性接着剤組成物に よれば、放射線の照射により塩基を発生する 化合物が配合されることにより、上記のカル ボキシル基及び/又は水酸基とエポキシ樹脂 の反応後に残存するカルボキシル基及び/又 水酸基を低減させることができ、耐湿信頼 及び接着性とパターン形成性とをより高水 で両立することが可能となる。

 また、光塩基発生剤は、放射線照射時に 基を発生する化合物であれば特に制限は受 ず用いることができる。発生する塩基とし は、反応性、硬化速度の点から強塩基性化 物が好ましい。一般的には、塩基性の指標 して酸解離定数の対数であるpKa値が使用さ 、水溶液中でのpKa値が7以上の塩基が好まし く、更に8以上の塩基がより好ましい。

 このような放射線照射時に発生する塩基 しては、例えば、イミダゾール、2,4-ジメチ ルイミダゾール、1-メチルイミダゾール等の ミダゾール誘導体、ピペラジン、2,5-ジメチ ルピペラジン等のピペラジン誘導体、ピペリ ジン、1,2-ジメチルピペリジン等のピペリジ 誘導体、プロリン誘導体、トリメチルアミ 、トリエチルアミン、トリエタノールアミ 等のトリアルキルアミン誘導体、4-メチルア ミノピリジン、4-ジメチルアミノピリジン等 4位にアミノ基またはアルキルアミノ基が置 換したピリジン誘導体、ピロリジン、n-メチ ピロリジン等のピロリジン誘導体、ジヒド ピリジン誘導体、トリエチレンジアミン、1 ,8-ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン-1(DBU)等 脂環式アミン誘導体、ベンジルメチルアミ 、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエ ルアミン等のベンジルアミン誘導体、モル リン誘導体、1級アルキルアミン等が挙げら れる。

 上記のような塩基を放射線照射によって 生する光塩基発生剤としては、例えば、Jour nal of Photopolymer Science and Technology 12巻、313 ~314項(1999年)やChemistry of Materials 11巻、170~176 項(1999年)等に記載されている4級アンモニウ 塩誘導体を用いることができる。これらは 活性光線の照射により高塩基性のトリアル ルアミンを生成するため、エポキシ樹脂の 化には最適である。

 また、光塩基発生剤としては、Journal of  American ChemicalSociety 118巻 12925頁(1996年)やPolym er Journal 28巻 795頁(1996年)等に記載されてい カルバミン酸誘導体、ジメトキシベンジル レタン系化合物、ベンゾイン系化合物、オ トニトロベンジルウレタン化合物を用いる とができる。

 また、活性光線の照射により1級のアミノ 基を発生するオキシム誘導体、光ラジカル発 生剤として市販されている2-メチル-1-(4-(メチ ルチオ)フェニル)-2-モルフォリノプロパン-1- ン(チバ スペシャリティ ケミカルズ社製 イルガキュア907)、2-ベンジル-2-ジメチルア ノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1(チ バ スペシャリティ ケミカルズ社製、イル キュア369)、3,6-ビス-(2メチル-2モルホリノ-プ ロピオニル)-9-N-オクチルカルバゾール(ADEKA社 製、オプトマーN―1414)、ヘキサアリールビス イミダゾール誘導体(ハロゲン、アルコキシ 、ニトロ基、シアノ基等の置換基がフェニ 基に置換されていてもよい)、ベンゾイソオ サゾロン誘導体等を用いることができる。

 光塩基発生剤は、高分子の主鎖及び/又は 側鎖に塩基を発生する基を導入した化合物を 用いても良い。この場合の分子量としては、 接着剤としての接着性、流動性の観点から重 量平均分子量1,000~100,000が好ましく、5,000~30,00 0であることがより好ましい。

 上記の光塩基発生剤は、室温で放射線を 射しない状態ではエポキシ樹脂と反応性を さないため、室温での貯蔵安定性は非常に れているという特徴を持つ。

更に、これらの光塩基発生剤を使用する場 合、波長365nmの光に対する分子吸光係数が100m l/g・cm以上、且つ、3%重量減少温度が120℃以 の化合物であることがより好ましく、波長36 5nmの光に対する分子吸光係数が300ml/g・cm以上 、且つ、3%重量減少温度が150℃以上の化合物 あることが更に好ましい。なお、分子吸光 数は、サンプルの0.001質量%アセトニトリル 液を調製し、この溶液について分光光度計( 日立ハイテクノロジーズ社製、「U-3310」(商 名))を用いて吸光度を測定することにより求 められる。光開始剤の3%重量減少温度は、サ プルを示差熱熱重量同時測定装置(エスアイ アイ・ナノテクノロジー製:TG/DTA6300)を用いて 、昇温速度10℃/min、窒素フロー(400ml/min)下で 定したときの3%重量減少温度である。

 これらの光塩基発生剤を使用する場合の 開始剤の含有量は、特に制限はないが、(B) 分100質量部に対して、0.01~50質量部が好まし い。

 本発明の感光性接着剤組成物は、必要に じて増感剤を併用することができる。この 感剤としては、例えば、カンファーキノン ベンジル、ジアセチル、ベンジルジメチル タール、ベンジルジエチルケタール、ベン ルジ(2-メトキシエチル)ケタール、4,4’-ジ チルベンジル-ジメチルケタール、アントラ ノン、1-クロロアントラキノン、2-クロロア ントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、1- ヒドロキシアントラキノン、1-メチルアント キノン、2-エチルアントラキノン、1-ブロモ アントラキノン、チオキサントン、2-イソプ ピルチオキサントン、2-ニトロチオキサン ン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチル オキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン 2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロ -7-トリフルオロメチルチオキサントン、チ キサントン-10,10-ジオキシド、チオキサント ン-10-オキサイド、ベンゾインメチルエーテ 、ベンゾインエチルエーテル、イソプロピ エーテル、ベンゾインイソブチルエーテル ベンゾフェノン、ビス(4-ジメチルアミノフ ニル)ケトン、4,4’-ビスジエチルアミノベン ゾフェノン、アジド基を含む化合物などが挙 げられる。これらは単独で又は2種類以上併 して使用することができる。

 更に、本発明の感光性接着剤組成物にお ては、低吸湿性、低透湿性を付与するため 、フィラーを使用することもできる。上記 ィラーとしては、例えば、銀粉、金粉、銅 、ニッケル粉等の金属フィラー、アルミナ 水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム 炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カ シウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニ ム、窒化アルミニウム、結晶性シリカ、非 性シリカ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス 酸化鉄、セラミック等の無機フィラー、カ ボン、ゴム系フィラー等の有機フィラー等 挙げられ、種類・形状等にかかわらず特に 限なく使用することができる。

 上記フィラーは所望する機能に応じて使 分けることができる。例えば、金属フィラ は、感光性接着剤組成物に導電性、熱伝導 、チキソ性等を付与する目的で添加され、 金属無機フィラーは、接着剤層に熱伝導性 低熱膨張性、低吸湿性等を付与する目的で 加され、有機フィラーは接着剤層に靭性等 付与する目的で添加される。これら金属フ ラー、無機フィラー又は有機フィラーは、1 種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使 することができる。中でも、半導体装置用 着材料に求められる、導電性、熱伝導性、 吸湿特性、絶縁性等を付与できる点で、金 フィラー、無機フィラー、又は絶縁性のフ ラーが好ましく、無機フィラー、又は絶縁 フィラーの中では、樹脂ワニスに対する分 性が良好でかつ、フィルム形成時のチキソ 、熱時の高い接着力を付与できる点でシリ フィラー及び/又はアルミナフィラーがより ましい。

 上記フィラーは、平均粒子径が10μm以下 最大粒子径が30μm以下であることが好ましく 、平均粒子径が5μm以下、最大粒子径が20μm以 下であることがより好ましい。平均粒子径が 10μmを超え、かつ最大粒子径が30μmを超える 、破壊靭性向上の効果が得られ難い傾向が る。下限は特に制限はないが、通常、どち も0.001μmである。

 上記フィラーは、平均粒子径10μm以下、 大粒子径は30μm以下の両方を満たすことが好 ましい。最大粒子径が30μm以下であるが平均 子径が10μmを超えるフィラーを使用すると 高い接着強度が得られ難くなる傾向がある また、平均粒子径は10μm以下であるが最大粒 子径が30μmを超えるフィラーを使用すると、 径分布が広くなり接着強度にばらつきが出 すくなる傾向があるとともに、感光性接着 組成物を薄膜フィルム状に加工して使用す 際、表面が粗くなり接着力が低下する傾向 ある。

 上記フィラーの平均粒子径及び最大粒子 の測定方法としては、例えば、走査型電子 微鏡(SEM)を用いて、個程度のフィラーの粒 を測定する方法等が挙げられる。SEMを用い 測定方法としては、例えば、接着剤層を用 て半導体素子と半導体搭載用支持部材とを 着した後、加熱硬化(好ましくは150~180℃で1~1 0時間)させたサンプルを作製し、このサンプ の中心部分を切断して、その断面をSEMで観 する方法等が挙げられる。このとき、粒子 30μm以下のフィラーの存在確率が全フィラ の80%以上であることが好ましい。

 本発明の感光性接着剤組成物において、 記フィラーの含有量は、付与する特性、又 機能に応じて決められるが、樹脂成分とフ ラーとの合計に対して1~50質量%が好ましく 2~40質量%がより好ましく、5~30質量%が更に好 しい。フィラーを増量させることにより、 弾性率化が図れ、ダイシング性(ダイサー刃 による切断性)、ワイヤボンディング性(超音 効率)、熱時の接着強度を有効に向上できる 。フィラーを必要以上に増量させると、熱圧 着性が損なわれる傾向にあるため、フィラー の含有量は上記の範囲内に収めることが好ま しい。求められる特性のバランスをとるべく 、最適フィラー含有量を決定する。フィラー を用いた場合の混合・混練は、通常の攪拌機 、らいかい機、三本ロール、ボールミル等の 分散機を適宜、組み合わせて行うことができ る。

 本発明の感光性接着剤組成物には、異種 料間の界面結合を良くするために、各種カ プリング剤を添加することもできる。カッ リング剤としては、例えば、シラン系、チ ン系、アルミニウム系等が挙げられ、中で 効果が高い点で、シラン系カップリング剤 好ましい。上記カップリング剤の使用量は その効果や耐熱性及びコストの面から、使 する(A)成分100質量部に対して、0.01~20質量部 とすることが好ましい。

 本発明の感光性接着剤組成物には、イオ 性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性 良くするために、さらにイオン捕捉剤を添 することもできる。このようなイオン捕捉 としては、特に制限はなく、例えば、トリ ジンチオール化合物、フェノール系還元剤 の銅がイオン化して溶け出すのを防止する めの銅害防止剤として知られる化合物、粉 状のビスマス系、アンチモン系、マグネシ ム系、アルミニウム系、ジルコニウム系、 ルシウム系、チタン系、ズズ系及びこれら 混合系等の無機化合物が挙げられる。具体 としては、特に限定はしないが東亜合成(株 )製の無機イオン捕捉剤、商品名、IXE-300(アン チモン系)、IXE-500(ビスマス系)、IXE-600(アンチ モン、ビスマス混合系)、IXE-700(マグネシウム 、アルミニウム混合系)、IXE-800(ジルコニウム 系)、IXE-1100(カルシウム系)等がある。これら 単独あるいは2種以上混合して用いることが できる。上記イオン捕捉剤の使用量は、添加 による効果や耐熱性、コスト等の点から、(A) 成分100質量部に対して、0.01~10質量部が好ま い。

 本発明の感光性接着剤組成物には、保存 定性やエレクトロマイグレーション防止、 属導体回路の腐食防止のために、酸化防止 を添加することもできる。このような酸化 止剤としては、特に制限はなく、例えばベ ゾフェノン系、ベンゾエート系、ヒンダー アミン系、ベンゾトリアゾール系、フェノ ル系酸化防止剤などが挙げられる。上記酸 防止剤の使用量は、添加による効果や耐熱 、コスト等の点から、(A)成分100質量部に対 て、0.01~10質量部が好ましい。

 図1は、本発明に係るフィルム状接着剤の 一実施形態を示す模式断面図である。図1に すフィルム状接着剤(接着フィルム)1は、上 感光性接着剤組成物をフィルム状に成形し ものである。図2は、本発明に係る接着シー の一実施形態を示す模式断面図である。図2 に示す接着シート100は、基材3と、これの一 面上に設けられたフィルム状接着剤1からな 接着剤層とから構成される。図3は、本発明 に係る接着シートの他の一実施形態を示す模 式断面図である。図3に示す接着シート110は 基材3と、これの一方面上に設けられたフィ ム状接着剤1からなる接着剤層とカバーフィ ルム2とから構成される。

 フィルム状接着剤1は、(A)カルボキシル基 及び/又は水酸基を有する樹脂、(B)熱硬化性 脂、(C)放射線重合性化合物、及び(D)光開始 、並びに、必要に応じて添加される他の成 を有機溶媒中で混合し、混合液を混練して ニスを調製し、基材3上にこのワニスの層を 成させ、加熱によりワニス層を乾燥した後 基材3を除去する方法で得ることができる。 このとき、基材3を除去せずに、接着シート10 0、110の状態で保存及び使用することもでき 。

 上記の混合及び混練は、通常の攪拌機、 いかい機、三本ロール、ボールミル等の分 機を適宜組み合わせて行うことができる。 お、乾燥中に(B)熱硬化性樹脂が十分には反 しない温度で、かつ、溶媒が充分に揮散す 条件で乾燥する。具体的には、通常60~180℃ 、0.1~90分間加熱することによりワニス層を 燥する。乾燥前の上記ワニス層の好ましい みは1~100μmである。この厚みが1μm未満であ と、接着固定機能が損なわれる傾向にあり 100μmを超えると、後述する残存揮発分が多 なる傾向にある。

 得られたワニス層の好ましい残存揮発分 10質量%以下である。この残存揮発分が10質 %を超えると、組立加熱時の溶媒揮発による 泡が原因で、接着剤層内部にボイドが残存 易くなり、耐湿信頼性が損なわれる傾向に り、また、加熱時に発生する揮発成分によ 周辺材料、あるいは部材を汚染する可能性 高くなる傾向がある。なお、上記の残存揮 成分の測定条件は次の通りである。すなわ 、50mm×50mmサイズに切断したフィルム状接着 剤について、初期の質量をM1とし、このフィ ム状接着剤を160℃のオーブン中で3時間加熱 した後の質量をM2とし、〔(M2-M1)/M1〕×100=残存 揮発分(%)とした時の値である。

 また、上記の熱硬化性樹脂が十分には反 しない温度とは、具体的には、DSC(例えば、 パーキンエルマー社製「DSC-7型」(商品名))を いて、サンプル量:10mg、昇温速度:5℃/min、 定雰囲気:空気、の条件で測定したときの反 熱のピーク温度以下の温度である。

 ワニスの調製に用いる有機溶媒、すなわ ワニス溶剤は、材料を均一に溶解又は分散 きるものであれば、特に制限はない。例え 、ジメチルホルムアミド、トルエン、ベン ン、キシレン、メチルエチルケトン、テト ヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチル ロソルブアセテート、ジオキサン、シクロ キサノン、酢酸エチル、及びN-メチル-ピロ ジノンが挙げられる。

 基材3は、上記の乾燥条件に耐えるもので あれば特に限定されるものではない。例えば 、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフ ィルム、ポリエチレンテレフタレートフィル ム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミ ドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィ ルム、メチルペンテンフィルムを基材3とし 用いることができる。基材3としてのフィル は2種以上組み合わせた多層フィルムであっ てもよく、表面がシリコーン系、シリカ系等 の離型剤などで処理されたものであってもよ い。

 また、本発明のフィルム状接着剤1とダイ シングシートとを積層し、接着シートとする こともできる。上記ダイシングシートは、基 材上に粘着剤層を設けたシートであり、上記 の粘着剤層は、感圧型又は放射線硬化型のど ちらでも良い。また、上記の基材はエキスパ ンド可能な基材が好ましい。このような接着 シートとすることにより、ダイボンドフィル ムとしての機能とダイシングシートとしての 機能を併せ持つダイシング・ダイボンド一体 型接着シートが得られる。

 上記のダイシング・ダイボンド一体型接 シートとして具体的には、図4に示すように 、基材フィルム7、粘着剤層6及び本発明のフ ルム状接着剤1がこの順に形成されてなる接 着シート120が挙げられる。

 図5は、本発明に係る接着剤層付半導体ウ ェハの一実施形態を示す上面図であり、図6 図5のVI-VI線に沿った端面図である。図5、6に 示す接着剤層付半導体ウェハ20は、半導体ウ ハ8と、これの一方面上に設けられた上記感 光性接着剤組成物からなるフィルム状接着剤 (接着剤層)1と、を備える。

 接着剤層付半導体ウェハ20は、半導体ウ ハ8上に、フィルム状接着剤1を加熱しながら ラミネートすることにより得られる。フィル ム状接着剤1は、上記感光性接着剤組成物か なるフィルムであるため、例えば、室温(25 )~150℃程度の低温で半導体ウェハ8に貼付け ことが可能である。

 図7、図9は、本発明に係る接着剤パター の一実施形態を示す上面図であり、図8は図7 のVIII-VIII線に沿った端面図であり、図10は図9 のX―X線に沿った端面図である。図7、8、9、1 0に示す接着剤パターン1a及び1bは、被着体と ての半導体ウェハ8上において、略正方形の 辺に沿ったパターン又は正方形のパターンを 有するように形成されている。

 接着剤パターン1a及び1bは、感光性接着剤 組成物からなるフィルム状接着剤1を被着体 しての半導体ウェハ8上に形成して接着剤層 半導体ウェハ20を得、フィルム状接着剤1を ォトマスクを介して露光し、露光後のフィ ム状接着剤1をアルカリ現像液により現像処 理することにより形成される。また、これに より、接着剤パターン1a,1bが形成された接着 層付半導体ウェハ20a,20bが得られる。

 本発明のフィルム状接着剤の用途として フィルム状接着剤を備える半導体装置につ て図面を用いて具体的に説明する。なお、 年は様々な構造の半導体装置が提案されて り、本発明のフィルム状接着剤の用途は、 下に説明する構造の半導体装置に限定され ものではない。

 図11は、本発明の半導体装置の一実施形 を示す模式断面図である。図11に示す半導体 装置200において、半導体素子12は本発明のフ ルム状接着剤1を介して半導体素子搭載用支 持部材13に接着され、半導体素子12の接続端 (図示せず)はワイヤ14を介して外部接続端子( 図示せず)と電気的に接続され、封止材15によ って封止されている。

 また、図12は、本発明の半導体装置の他 一実施形態を示す模式断面図である。図12に 示す半導体装置210において、一段目の半導体 素子12aは本発明のフィルム状接着剤1を介し 、端子16が形成された半導体素子搭載用支持 部材13に接着され、一段目の半導体素子12aの に更に本発明のフィルム状接着剤1を介して 二段目の半導体素子12bが接着されている。一 段目の半導体素子12a及び二段目の半導体素子 12bの接続端子(図示せず)は、ワイヤ14を介し 外部接続端子と電気的に接続され、封止材15 によって封止されている。このように、本発 明のフィルム状接着剤は、半導体素子を複数 重ねる構造の半導体装置にも好適に使用でき る。

 図11及び図12に示す半導体装置(半導体パ ケージ)200,210は、例えば、図9に示す接着剤 付半導体ウェハ20bを破線Dに沿ってダイシン し、ダイシング後のフィルム状接着剤付き 導体素子を半導体素子搭載用支持部材13に 熱圧着して両者を接着させ、その後、ワイ ボンディング工程、必要に応じて封止材に る封止工程等の工程を経ることにより得る とができる。上記加熱圧着における加熱温 は、通常、20~250℃であり、荷重は、通常、0. 01~20kgfであり、加熱時間は、通常、0.1~300秒間 である。

 以下、実施例及び比較例に基づいて本発 をより具体的に説明するが、本発明は以下 実施例に限定されるものではない。

(ポリイミドPI-1の合成)
 攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素置換装 を備えたフラスコ内に、3,5-ジアミノ安息香 酸(分子量152.2、以下「DABA」と略す)1.89g、脂 族エーテルジアミン(BASF社製「D-400」(商品名 )、分子量452.4)15.21g、1,1,3,3-テトラメチル-1,3- ス(4-アミノフェニル)ジシロキサン(信越化 製「LP-7100」(商品名)、分子量248.5)0.39g、及び 、N-メチル-2-ピロリジノン(以下「NMP」と略す )116gを仕込んだ。

 次いで、4,4’-オキシジフタル酸二無水物 (分子量326.3、以下「ODPA」と略す)16.88gを、上 フラスコを氷浴中で冷却しながら、該フラ コ内に少量ずつ添加した。添加終了後、更 室温(25℃)で5時間攪拌した。

 次に、上記フラスコに水分受容器付の還 冷却器を取り付け、キシレン70gを加え、窒 ガスを吹き込みながら180℃に昇温させてそ 温度を5時間保持し、水と共にキシレンを共 沸除去した。こうして得られた溶液を室温ま で冷却した後、蒸留水中に投じて再沈殿させ た。得られた沈殿物を真空乾燥機で乾燥し、 ポリイミド樹脂(以下「ポリイミドPI-1」とい )を得た。得られたポリイミド樹脂のGPCを測 定したところ、ポリスチレン換算で、Mw=33000 あった。また、得られたポリイミド樹脂のT gは55℃であった。

(ポリイミドPI―2の合成)
 攪拌機、温度計、及び窒素置換装置を備え フラスコ内に、5,5’-メチレン-ビス(アント ニリックアシッド)(分子量286.3、以下「MBAA と略す)2.16g、脂肪族エーテルジアミン(「D-40 0」)15.13g、1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ビス(4-アミ ノフェニル)ジシロキサン(「LP-7100」)1.63g、及 び、NMP115gを仕込んだ。

 次いで、ODPA16.51gを、上記フラスコを氷浴 中で冷却しながら、該フラスコ内に少量ずつ 添加した。添加終了後、更に室温で5時間攪 した。次に、該フラスコに水分受容器付の 流冷却器を取り付け、キシレン81gを加え、 素ガスを吹き込みながら180℃に昇温させて の温度を5時間保持し、水と共にキシレンを 沸除去した。こうして得られた溶液を室温 で冷却した後、蒸留水中に投じて再沈殿さ 、ポリイミド樹脂(以下「ポリイミドPI-2」 いう)を得た。得られたポリイミド樹脂のGPC 測定したところ、ポリスチレン換算で、Mw=3 0000であった。また、得られたポリイミド樹 のTgは31℃であった。

(ポリイミドPI-3の合成)
 攪拌機、温度計、及び窒素置換装置を備え フラスコ内に、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキ シ)フェニル)プロパン(分子量410.5、以下「BAPP 」と略す)20.5g、及び、NMP101gを仕込んだ。

 次いで、1,2-(エチレン)ビス(トリメリテー ト無水物)(分子量410.3、以下「EBTA」と略す。) 20.5gを、上記フラスコを氷浴中で冷却しなが 、該フラスコ内に少量ずつ添加した。添加 了後、更に室温で5時間攪拌した。次に、該 フラスコに水分受容器付の還流冷却器を取り 付け、キシレン67gを加え、窒素ガスを吹き込 みながら180℃に昇温させてその温度を5時間 持し、水と共にキシレンを共沸除去した。 うして得られた溶液を室温まで冷却した後 蒸留水中に投じて再沈殿させ、ポリイミド 脂(以下「ポリイミドPI-3」という。)を得た 得られたポリイミド樹脂のGPCを測定したと ろ、ポリスチレン換算で、Mw=98000であった。 また、得られたポリイミド樹脂のTgは180℃で った。

 上記のポリイミドPI-1~3をそれぞれ用い、 記表1,2に示す組成比(単位:質量部)にて各成 を配合し、感光性接着剤組成物(接着剤層形 成用ワニス)を得た。

 なお、表1,2中の各成分の記号は下記のもの 意味する。
 BPE-100:新中村化学工業社製、エトキシ化ビ フェノールAジメタクリレート。
 M―313:東亜合成社製、イソシアヌル酸EO変性 トリ/ジアクリレート。
 VG-3101:プリンテック、3官能エポキシ樹脂。
 BEO-60E:新日本理化社製、ビスフェノールAビ (トリエチレングリコールグリシジルエーテ ル)。
 TrisP-PA:本州化学社製、トリスフェノール化 物(α,α’,α”-トリス(4-ヒドロキシフェニル )-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン)。
 R972:日本アエロジル社製、疎水性フューム シリカ(平均粒径:約16nm)。
 I-OXE01:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ 製、2,4―ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタンー 1-オン、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチ )―,2-(O-ベンゾイルオキシム)] 、オキシムエ ステル基含有化合物(3%重量減少温度:210℃、36 5nmでの分子吸光係数:7000ml/g・cm)。
 I-OXE02:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ 製、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾ ル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオ シム) 、カルバゾール基及びオキシムエス ル基含有化合物(3%重量減少温度:365℃、365nm の分子吸光係数:7700ml/g・cm)。
 N-1919:ADEKA社製、構造未開示、オキシムエス ル基含有化合物(3%重量減少温度:270℃、365nm の分子吸光係数:4500ml/g・cm)。
 N-1414:ADEKA社製、3,6-ビス-(2メチル-2モルホリ -プロピオニル)-9-N-オクチルカルバゾール、 カルバゾール基含有化合物、(3%重量減少温度 :370℃、365nmでの分子吸光係数:2000ml/g・cm)
 D-1173:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社 製、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパ ン-1-オン(3%重量減少温度:90℃、365nmでの分子 光係数:50ml/g・cm)。
 I―651:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ 製、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1- ン(3%重量減少温度:140℃、365nmでの分子吸光 数:350ml/g・cm)。
 I-819:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社 、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニ フォスフィンオキサイド(3%重量減少温度:190 ℃、365nmでの分子吸光係数:2300ml/g・cm)。
 D―TPO:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ 製、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル- フォスフィンオキサイド(3%重量減少温度:230 、365nmでの分子吸光係数:400ml/g・cm)。
 I―379EG:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ 社製、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルーベンジ )-1-(4-モリフォリンー4-イル-フェニル)-ブタ ー1-オン(3%重量減少温度:230℃、365nmでの分 吸光係数:7000ml/g・cm)。
 NMP:関東化学社製、N-メチル-2-ピロリジノン

 なお、3%重量減少温度は、示差熱熱重量 時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジ 社製、「TG/DTA 6300」(商品名))を用いて、窒 フロー:400ml/minの条件下で測定した値である 。

 得られた接着剤層形成用ワニスを、乾燥 の膜厚が40μmとなるように、それぞれ基材( 離剤処理PETフィルム)上に塗布し、オーブン 中にて80℃で20分間、続いて、120℃で20分間加 熱し、基材上に接着剤層が形成されてなる実 施例1~8及び比較例1~5の接着シートを得た。

 <低温貼付性の評価>
 支持台上に載せたシリコンウェハ(6インチ 、厚さ400μm)の裏面(支持台と反対側の面)に 実施例1~8及び比較例1~5で得られた接着シー を、接着剤層をシリコンウェハ側にしてロ ル(温度100℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で 加圧することにより積層した。次いで、基材 (PETフィルム)を剥がし、接着剤層上に、厚み8 0μm、幅10mm、長さ40mmのポリイミドフィルム( 部興産社製、「ユーピレックス」(商品名)) 上記と同様の条件でロールにより加圧して 層した。このようにして準備したサンプル ついて、レオメータ(東洋製機製作所社製、 ストログラフE-S」(商品名))を用いて、室温 90°ピール試験を行って、接着剤層-ユーピ ックス間のピール強度を測定した。その測 結果に基づいて、ピール強度が2N/cm以上のサ ンプルをA、2N/cm未満のサンプルをBとして評 した。その結果を表1,2に示す。

<パターン形成性の評価>
 接着シートを、シリコンウェハ(6インチ径 厚さ400μm)上に、実施例1~8及び比較例2~5の接 シートは温度100℃で、比較例1の接着シート は温度300℃で、接着剤層をシリコンウェハ側 にしてロールで加圧(線圧4kgf/cm、送り速度0.5m /分)することにより積層した。

 次いで、基材(PETフィルム)上にネガ型パタ ン用マスク(日立化成社製、「No.G-2」(商品名 ))を載せ、高精度平行露光機(オーク製作所製 、「EXM-1172-B-∞」(商品名))で500mJ/cm 2 で露光し、80℃のホットプレート上で約30秒 放置した。

 その後、基材(PETフィルム)を取り除き、 ンベア現像機(ヤコー社製)を用いて、テトラ メチルアンモニウムハイドライド(TMAH)2.38質 %溶液を現像液とし、温度28℃、スプレー圧0. 18MPaの条件でスプレー現像した後、温度23℃ 純水にてスプレー圧0.02MPaの条件で水洗した 現像後、ライン幅/スペース幅=400μm/400μmの ターンが形成されているかを目視にて確認 、パターン形成されていた場合をA、パター ン形成されていなかった場合をBとして評価 た。その結果を表1,2に示す。

<感度の評価>
 接着シートを、シリコンウェハ(6インチ径 厚さ400μm)上に、実施例1~8及び比較例2~5の接 シートは温度100℃で、比較例1の接着シート は温度300℃で、接着剤層をシリコンウェハ側 にしてロールで加圧(線圧4kgf/cm、送り速度0.5m /分)することにより積層した。

 次いで、基材(PETフィルム)上に、ネガ型パ ーン用フォトマスクとして段階的に光透過 が減少していく通称ステップタブレットと ばれるフォトマスク(日立化成工業社製、「 ォテック 41ステップデンシティタブレット 」(商品名)を載せ、高精度平行露光機(オーク 製作所製、「EXM-1172-B-∞」(商品名))で500mJ/cm 2 で露光し、80℃のホットプレート上で約30秒 放置した。

 その後、基材(PETフィルム)を取り除き、 ンベア現像機(ヤコー社製)を用いて、テトラ メチルアンモニウムハイドライド(TMAH)2.38質 %溶液を現像液とし、温度28℃、スプレー圧0. 18MPaの条件でスプレー現像した後、温度23℃ 純水にてスプレー圧0.02MPaの条件で水洗した 現像後、そして、シリコンウェハ上に形成 れた硬化膜のステップタブレットの段数を 定することにより、接着シートの光感度を 価した。その測定結果に基づいて残存段数 評価した。その結果を表1,2に示す。

<260℃ピール強度の測定(高温時の接着性の 価)>
 シリコンウェハ(6インチ径、厚さ400μm)を、5 mm×5mmの大きさで深さ180μmまでハーフカット た。その後、接着シートを、ハーフカット 理したシリコンウェハ上に、実施例1~8及び 較例2~5の接着シートは温度100℃で、比較例1 接着シートは温度300℃で、接着剤層をシリ ンウェハ側にしてロールで加圧(線圧4kgf/cm 送り速度0.5m/分)することにより積層した。 して、得られたサンプルを高精度平行露光 (オーク製作所製、「EXM-1172-B-∞」(商品名)) 500mJ/cm 2 で露光し、80℃のホットプレート上で約30秒 放置した。その後、基材(PETフィルム)を除去 し、サンプルを5mm×5mmに個片化した。

 個片化した接着剤層付きシリコンウェハ 、ガラス基板(10mm×10mm×0.55mm)上に、接着剤 をガラス基板側にして載せ、2kgfで加圧しな ら、実施例1~8及び比較例2~5の接着シートは 度150℃で、比較例1の接着シートは温度300℃ で10秒間圧着した。こうして得られた試験片 、オーブン中で120℃、3時間の条件で加熱硬 化した。比較例1については180℃で1時間硬化 た。その後、試験片を260℃の熱盤上で10秒 加熱し、図13に示すピール強度測定装置を用 いて、測定速度:0.5mm/secの条件で260℃でのシ コンウェハの引き剥がし強度を測定し、こ ときの値を260℃ピール強度とした。それら 結果を表1、2に示す。


 なお、図13に示すピール強度測定装置300に いては、プッシュプルゲージ31に取り付けら れたロッドの先端に、取っ手32が支点33の周 で角度可変に設けられている。そして、260 ピール強度の測定は、突起部を有するシリ ンウェハ34とガラス基板35とがフィルム状接 剤1を介して接着された試験片を260℃の熱盤 36上に載置し、シリコンウェハ34の突起部に っ手32を引っ掛けた状態で、取っ手32を0.5mm/ で移動させたときの剥離応力をプッシュプ ゲージ31で測定することにより行った。

<接着剤層の3%重量減少温度の測定>
 接着シートを、シリコンウェハ(6インチ径 厚さ400μm)上に、実施例1~8、比較例2~5の接着 ートは温度100℃で、比較例1の接着シートは 温度300℃で、接着剤層をシリコンウェハ側に してロールで加圧(線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/ )することにより積層した。

 そして、得られたサンプルを高精度平行露 機(オーク製作所製、商品名「EXM-1172-B-∞」) で500mJ/cm 2 で露光し、80℃のホットプレート上で約30秒 放置した。その後、基材(PETフィルム)を除去 し、オーブン中で120℃、3時間の条件で加熱 化した後、シリコンウェハ上の接着剤層を り取り、示差熱熱重量同時測定装置(エスア アイ・ナノテクノロジー社製、商品名「TG/D TA6300」)を用いて、窒素フロー(400ml/分)下で3% 量減少温度を測定した。その結果を表1,2に す。

*塗工時の加熱乾燥により、光開始剤が分解 、アクリレートが重合したため低温貼付性 パターン形成性はBとした。