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Title:
PHOTOSENSITIVE COMPOSITION FOR FORGERY PREVENTIVE HOLOGRAM AND FORGERY PREVENTIVE HOLOGRAM MEDIUM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119576
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a photosensitive composition for a volume hologram that records an interference pattern by taking advantage of a difference in refractive index between a polymer and inorganic fine particles within a recording layer, particularly a photosensitive composition for a forgery preventive hologram that has been improved for effective prevention of forgery and alteration of the volume hologram recording. Also disclosed is a forgery preventive hologram medium formed from the photosensitive composition. The photosensitive composition for a forgery preventive hologram comprises (a) a liquid polymerizable compound having a viscosity of not less than 5 mPa s and not more than 10,000 mPa s at 25°C, (b) a photopolymerization initiator, and (c) inorganic fine particles. The difference in refractive index between the polymerizable compound (a) and the inorganic fine particles (c) is not less than 0.005 and not more than 0.1.

Inventors:
TOMITA YASUO (JP)
OHMORI KENTARO (JP)
OSHIMA JURO (JP)
HIDAKA MOTOHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055813
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
March 24, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NISSAN CHEMICAL IND LTD (JP)
NAT UNIVERSITY CORP THE UNIVER (JP)
TOMITA YASUO (JP)
OHMORI KENTARO (JP)
OSHIMA JURO (JP)
HIDAKA MOTOHIKO (JP)
International Classes:
G03H1/02; B42D15/10; G03F7/004; G03F7/027
Domestic Patent References:
WO2006101003A12006-09-28
Foreign References:
JP2007206704A2007-08-16
JP2008503780A2008-02-07
JP2005321673A2005-11-17
Attorney, Agent or Firm:
HANABUSA, Tsuneo et al. (JP)
Sepal Tsuneo (JP)
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Claims:
(a)25℃において粘度が5mPa・s以上10,000mPa・s以下である液状重合性化合物、(b)光重合開始剤、(c)無機微粒子を含み、前記重合性化合物(a)と無機微粒子(c)の屈折率差が0.005以上0.1以下である偽造防止ホログラム用感光性組成物。
前記無機微粒子(c)の平均粒径が1nm以上、100nm以下である、請求項1に記載の偽造防止ホログラム用感光性組成物。
前記重合性化合物(a)、光重合開始剤(b)及び無機微粒子(c)の合計体積に占める前記無機微粒子(c)の体積の割合が3体積%乃至50体積%である、請求項1又は請求項2に記載の偽造防止ホログラム用感光性組成物。
前記重合性化合物(a)が、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物である、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の偽造防止ホログラム用感光性組成物。
前記重合性化合物(a)が、分子内に平均で3個以上20個以下の炭素原子数2乃至6のオキシアルキレン基を有する重合性化合物である、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の偽造防止ホログラム用感光性組成物。
前記重合性化合物(a)が、カチオン重合性の部位を有する化合物であり、前記光重合開始剤(b)が光酸発生剤である、請求項1、2、3及び5のうちいずれか1項に記載の偽造防止ホログラム用感光性組成物。
請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の感光性組成物から得られる偽造防止ホログラム層。
請求項7に記載の偽造防止ホログラム層が支持体上に形成され、該ホログラム層が保護材で覆われている偽造防止ホログラム媒体。

                                                                                
Description:
偽造防止ホログラム用感光性組 物及び偽造防止ホログラム媒体

 本発明は、偽造防止ホログラム用感光性 成物及び偽造防止ホログラム媒体に関する 詳細には、干渉パターンを記録層内部の重 物と無機微粒子間の屈折率差で記録する体 ホログラム向けの感光性組成物であって、 にその種のホログラム記録の偽造変造を有 に防止すべく改良された偽造防止ホログラ 用感光性組成物及びそれから得られる偽造 止ホログラム媒体に関する。

 ホログラフィック回折格子(ホログラム)は の明暗(干渉)パターンを感光材料等に屈折率 あるいは吸収率のパターンとして記録したも のであり、光波の波面を記録・操作できるこ とから回折光学素子、ホログラフィック光メ モリ、狭帯域波長フィルター、フォトニック 結晶、光導波路結合器、光インターコネクシ ョン、立体画像ディスプレイ、ヘッドアップ ディスプレイなど、フォトニクスや情報ディ スプレイ等の幅広い分野において数多くの応 用が報告されている。
 従来、セキュリティ分野への応用では、ク ジットカード等で見られる表面レリーフ型( エンボス型)ホログラムの使用が主流である 、近年、ホログラム記録材料の入手が容易 なったことや印刷機が普及したことでホロ ラム記録の偽造品の製造が容易となり、偽 ホログラム記録体が高級ブランド品や部品 著作権を伴うDVDやCDなどに貼られて市場に出 回っていることが問題になっている。そのた め、偽造品の発生防止に有効なICチップ等の 発も進んでいるが、ICチップから情報を読 出す装置が必要であり、また装置導入によ 相当のコスト負担もあることから、その場 視認判断できる安価な次世代の偽造防止ラ ルの提供が要求されている。ここで体積ホ グラムはICチップと異なりその場で視認判断 が可能であり、またエンボス型ホログラムと 異なりレーザ等高度な生産設備や作成技術が 必要とされるため、偽造が困難であり、偽造 防止ラベルの用途に有利である。

 一般に偽造防止のために使用されるホログ ム層は、それを剥がそうとすると容易に破 され、それにより画像の貼り替え等の偽造 有効に防止することができるようにするた に、高い脆弱性並びに透明性を持つことが められる。
 偽造防止ホログラムに関する提案として、 えば特許文献1及び2には、2種の重合物の屈 率差を利用して光干渉パターンを記録する 式の体積ホログラム記録用感光性組成物に いて、体積ホログラム層に脆弱性を与える めの微粒子をさらに含有した組成物が記載 れている。
 一方、これら特許文献1及び2に記載される ログラム記録とは異なる簡単な方式により 積ホログラムを記録する技術として、特許 献3には、1種の重合性モノマーと無機微粒子 を含み、重合時に無機微粒子を移動させて生 じる重合体と無機微粒子との屈折率差を利用 して光干渉パターンを記録する方式の体積ホ ログラム記録用感光性組成物が記載されてい る。

特開2005-3793(全文)

特開2004-139104(全文)

特開2005-99612(特許請求の範囲)

 しかし、上記特許文献1及び2に記載の感光 組成物は、回折格子形成に関与しない微粒 を含有するものであるため、ホログラムの 折率変調(ダイナミックレンジ)が低下すると いう問題がある。
 一方、特許文献3には、その種のホログラム 記録において偽造防止のための脆弱性及び透 明性の改良について記載も示唆も為されてい ない。しかも、特許文献3に記載の感光性組 物は、露光後にホログラム層が白濁化し、 瞭なホログラム記録が得られないことがあ 。

 そこで本発明者らは、鋭意検討した結果、1 種の重合性モノマーと無機微粒子とを含み、 重合時、該微粒子の移動により生じる屈折率 差を利用して干渉パターンを記録する方式の 体積ホログラム記録用感光性組成物において 、適度な粘度の液状重合性化合物、光重合開 始剤、無機微粒子を含み、前記重合性化合物 と無機微粒子の屈折率差を調節した感光性組 成物を用いることによって、形成するホログ ラムが十分に高い回折効率を有するだけでな く、該組成物から得られるホログラム層が偽 造防止用として必要な高い脆弱性及び透明性 を有することを見出し、本発明を完成した。
 すなわち、本発明は、
 第1観点として、(a)25℃において粘度が5mPa・ s以上10,000mPa・s以下である液状重合性化合物 (b)光重合開始剤、(c)無機微粒子を含み、前 重合性化合物(a)と無機微粒子(c)の屈折率差 0.005以上0.1以下である偽造防止ホログラム 感光性組成物に関する。
 第2観点として、前記無機微粒子(c)の平均粒 径が1nm以上、100nm以下である、第1観点に記載 の偽造防止ホログラム用感光性組成物に関す る。
 第3観点として、前記重合性化合物(a)、光重 合開始剤(b)及び無機微粒子(c)の合計体積に占 める無機微粒子(c)の体積の割合が3体積%乃至5 0体積%である、第1観点又は第2観点に記載の 造防止ホログラム用感光性組成物に関する
 第4観点として、前記重合性化合物(a)が、エ チレン性不飽和結合を有する重合性化合物で ある、第1観点乃至第3観点のうちいずれか1つ の偽造防止ホログラム用感光性組成物に関す る。
 第5観点として、前記重合性化合物(a)が、分 子内に平均で3個以上20個以下の炭素原子数2 至6のオキシアルキレン基を有する重合性化 物である、第1観点乃至第4観点のうちいず か1つの偽造防止ホログラム用感光性組成物 関する。
 第6観点として、前記重合性化合物(a)が、カ チオン重合性の部位を有する化合物であり、 前記光重合開始剤が光酸発生剤である、第1 点、第2観点、第3観点及び第5観点のうちい れか1つの偽造防止ホログラム用感光性組成 に関する。
 第7観点として、第1観点乃至第6観点のうち ずれか1つの感光性組成物から得られる偽造 防止ホログラム層に関する。
 第8観点として、第7観点の偽造防止ホログ ム層が支持体上に形成され、該ホログラム が保護材で覆われている偽造防止ホログラ 媒体に関する。

 本発明においては、感光性組成物が、25℃ おいて粘度が5mPa・s以上10,000mPa・s以下であ 液状重合性化合物と無機微粒子とを含み、 つ、前記重合性化合物と無機微粒子の屈折 差が0.005以上0.1以下であるという構成を有す る。これらの構成を有することにより、十分 に高い回折効率を有するホログラムを形成す ることができるだけでなく、該感光性組成物 から形成した偽造防止ホログラム層が偽造防 止用として必要な高い脆弱性及び透明性を有 するものになるという効果が得られる。さら には、重合性化合物が液状で且つ5mPa・s以上1 0,000mPa・s以下という粘度を有するものである ため、支持体への塗布などの操作性がよいと いう利点を有する他、パターン露光の際の無 機微粒子の移動が円滑となり(屈折率差がよ 明瞭に生じるものとなり)、鮮明な画像が得 れ、高感度のホログラム記録が可能となる
 従って本発明の感光性組成物又はホログラ 媒体によれば、高い回折効率、高い感度、 い脆弱性及び透明性を有する偽造防止ホロ ラムラベルを提供することができる。
 また、本発明の組成物により得られるホロ ラムでは、他の光学的な機能性を付与する とが可能である。該ホログラムは光波の波 操作や記録を行う光学素子として、回折光 素子、ホログラフィック光メモリ、狭帯域 長フィルター、フォトニック結晶、光導波 結合器、光インターコネクション、立体画 ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ ど、フォトニクスや情報ディスプレイ、並 にその他の幅広い分野への応用が可能であ 。

 偽造防止のためには明瞭なホログラム像の 成が求められ、このためには、回折格子形 に関与しない希釈用重合性化合物を用いな 材料で透明な重合体を形成し得るという観 より、液体状の重合性化合物を用いるのが ましい。また、一般に、用いられる重合性 合物と無機微粒子との屈折率差が小さすぎ と、該微粒子の移動に伴い生じる露光部と 露光部との屈折率差が殆ど無いものとなり ログラムそれ自体が形成されなくなる。逆 屈折率差が大きすぎると、透明な系の露光 と非露光部との屈折率差が相当大きなもの なり、光散乱による偽造防止ホログラム層 白濁化が目立つようになり、明瞭なホログ ムの形成の点で望ましくない。また、重合 化合物の粘度が低すぎると、感光性組成物 支持体に塗布するとき、ホログラム層の形 に必要な厚さの組成物層を均一に支持体上 形成することが難しくなる。逆に重合性化 物の粘度が高すぎると、感光性組成物を支 体上に円滑且つ均一に塗布することが難し なり、またパターン露光の際に無機微粒子 移動が阻害され、高感度のホログラム記録 鮮明なホログラム像の形成が達成されなく る。
 以上の観点より、本発明の偽造防止ホログ ム用感光性組成物は、25℃において液状且 粘度が5mPa・s以上10,000mPa・s以下という物性 有する重合性化合物及び無機微粒子を含み 且つ該重合性化合物と該無機微粒子の屈折 差が0.005以上0.1以下であるという構成を備え るものとなっている。

 次に、本発明の感光性組成物の成分であ 、(a)重合性化合物、(b)光重合開始剤、(c)無 微粒子について説明する。

(a)重合性化合物
 本発明における重合性化合物は、25℃にお て粘度が5mPa・s以上10,000mPa・s以下の液状で って、光重合開始剤の作用によって重合す 重合性の部位を分子内に一個以上、好まし は一個乃至六個有する化合物であれば特に 限はない。重合性の部位としては、ラジカ 重合性の部位とカチオン重合性の部位とが り、重合性化合物が双方の部位を有するも であってもよい。
 なお、本発明における重合性化合物の意味 るところは、所謂高分子物質でない化合物 ある。従って、狭義の単量体化合物だけで く、二量体、三量体、オリゴマーや反応性 分子をも包含するものである。そのような 合性化合物としては、ラジカル重合性の部 、例えばエチレン性不飽和結合を有する重 性化合物、並びに、カチオン重合性の部位 例えばビニルエーテル構造、ビニルチオエ テル構造、エポキシ環又はオキセタン環と った環状エーテル構造を有する重合性化合 が挙げられる。

 ラジカル重合性の部位を有する重合性化合 としては、エチレン性不飽和結合を有する 合性化合物、例えば、不飽和カルボン酸、 肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボ 酸とのエステル化合物、脂環族ポリヒドロ シ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル 合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽 カルボン酸とのエステル化合物、脂肪族ポ ヒドロキシ化合物及び脂環族ポリヒドロキ 化合物と不飽和カルボン酸とのエステル化 物、脂肪族ポリヒドロキシ化合物及び芳香 ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ 合物と不飽和カルボン酸及び多価カルボン とのエステル化合物、脂肪族ポリアミン化 物と不飽和カルボン酸とのアミド化合物等 挙げることができる。
 このうち、好ましくは、不飽和カルボン酸 脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カル ン酸とのエステル化合物、脂環族ポリヒド キシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステ 化合物、及び芳香族ポリヒドロキシ化合物 不飽和カルボン酸とのエステル化合物が挙 られる。
 また、より好ましくは、エチレン性不飽和 合を有する重合性化合物であって、分子内 3個以上20個以下の炭素原子数2乃至6のオキ アルキレン基をさらに有する重合性化合物 挙げられる。炭素原子数2乃至6のオキシアル キレン基としては、オキシエチレン基、オキ シプロピレン基、オキシブチレン基等が挙げ られ、それらは未置換であっても、またヒド ロキシ基、ハロゲン原子等で置換されていて も良い。

 上記の不飽和カルボン酸としては、アク ル酸、メタクリル酸、2-アクリロイロキシ チルスクシネート、又は2-アクリロイロキシ エチルフタレート等が挙げられる。また、こ れらのアクリル酸エステル化合物のアクリレ ート部分をメタクリレートに代えたメタクリ ル酸エステル化合物、同様にイタコネートに 代えたイタコン酸エステル化合物、クロトネ ートに代えたクロトン酸エステル化合物、マ レエートに代えたマレイン酸エステル化合物 等も挙げられる。

 脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カル ン酸とのエステル化合物としては、トリプ ピレングリコールジアクリレート、トリメ ロールプロパントリアクリレート、トリメ ロールエタントリアクリレート、ジトリメ ロールプロパンテトラアクリレート、1,6-ヘ キサンジオールジアクリレート、ポリブタン ジオールジアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フ ノキシプロピルアクリレート、3-クロロ-2- ドロキシプロピルアクリレート、ペンタエ スリトールジアクリレート、ペンタエリス トールトリアクリレート、ペンタエリスリ ールテトラアクリレート、グリセロールア リレート、ジペンタエリスリトールペンタ クリレート、ジペンタエリスリトールヘキ アクリレート、4,7-ジオキサ-5-メチル-1,2,9,10- デカンテトラオール-1,10-ジアクリレート等が 挙げられる。
 より好ましくは、これら脂肪族ポリヒドロ シ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル 合物のアルコキシ変性物(1分子内のアルコ シ基の平均付加数は1乃至20、好ましくは3乃 20、より好ましくは3乃至10)を挙げることが きる。このようなエステル化合物のアルコ シ変性物として、例えば、エトキシ変性ペ タエリスリトールテトラアクリレート(下記 の式(1)化合物)、プロポキシ変性ペンタエリ リトールテトラアクリレート(下記の式(2)化 物)、エトキシ変性トリメチロールプロパン トリアクリレート(下記の式(3)化合物)を挙げ ことができる。また、これらのアクリル酸 ステル化合物のアクリレート部分をメタク レートに代えたメタクリル酸エステル化合 、同様にイタコネートに代えたイタコン酸 ステル化合物、クロトネートに代えたクロ ン酸エステル化合物、マレエートに代えた レイン酸エステル化合物等も挙げられる。

 脂環族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カル ン酸とのエステル化合物としては、例えば リシクロデカンジメタノールジアクリレー が挙げられる。
 より好ましくは、これら脂環族ポリヒドロ シ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル 合物のアルコキシ変性物(1分子内のアルコ シ基の平均付加数は1乃至20、好ましくは3乃 20、より好ましくは3乃至10)、例えば、エト シ変性水添ビスフェノールAジアクリレート (下記の式(4)化合物)を挙げることができる。 た、これらのアクリル酸エステル化合物の クリレート部分をメタクリレートに代えた タクリル酸エステル化合物、同様にイタコ ートに代えたイタコン酸エステル化合物、 ロトネートに代えたクロトン酸エステル化 物、マレエートに代えたマレイン酸エステ 化合物等も挙げられる。

 芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カル ン酸とのエステル化合物としては、ビスフ ノールAジアクリレート、ビスフェノールF アクリレート、ヒドロキノンジアクリレー 、レゾルシンジアクリレート、ピロガロー トリアクリレート等が挙げられる。
 より好ましくは、これら芳香族ポリヒドロ シ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル 合物のアルコキシ変性物(1分子内のアルコ シ基の平均付加数は1乃至20、好ましくは4乃 20、より好ましくは6乃至20)を挙げることが きる。このようなエステル化合物のアルコ シ変性物として、例えば、エトキシ変性ビ フェノールAジアクリレート(下記の式(5)化 物)、プロポキシ変性ビスフェノールAジアク リレート(下記の式(6)化合物)、エトキシ-プロ ポキシ変性ビスフェノールAジアクリレート( 記の式(7)化合物)、エトキシ変性ビスフェノ ールFジアクリレート(下記の式(8)化合物)、プ ロポキシ変性ビスフェノールFジアクリレー (下記の式(9)化合物)、エトキシ-プロポキシ 性ビスフェノールFジアクリレート(下記の式 (10)化合物)等が挙げられる。また、これらの クリル酸エステル化合物のアクリレート部 をメタクリレートに代えたメタクリル酸エ テル化合物、同様にイタコネートに代えた タコン酸エステル化合物、クロトネートに えたクロトン酸エステル化合物、マレエー に代えたマレイン酸エステル化合物等も挙 られる。

 脂肪族ポリヒドロキシ化合物及び芳香族 リヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化 物と不飽和カルボン酸及び多価カルボン酸 のエステル化合物としては、必ずしも単一 では無いが代表的な具体例を挙げれば、ア リル酸及びフタル酸とエチレングリコール 縮合物、アクリル酸及びマレイン酸とジエ レングリコールの縮合物、アクリル酸及び 息香酸とトリメチロールプロパンの縮合物 アクリル酸及びテレフタル酸とペンタエリ リトール及びジペンタエリスリトールの縮 物、アクリル酸及びアジピン酸とブタンジ ール及びグリセリンの縮合物等が挙げられ 。

 エチレン性不飽和結合を有する重合性化合 のその他の例としては、多価イソシアネー とヒドロキシアルキル不飽和カルボン酸エ テルとの反応によって得ることができるウ タン化合物、多価エポキシ化合物とヒドロ シアルキル不飽和カルボン酸エステルとの 応によって得ることができる化合物、リン 基を有する多価アクリレート及びメタクリ ートを挙げることができる。
 本発明に用いられるエチレン性不飽和結合 有する重合性化合物のさらに他の例として 、また、例えば、エチレンビスアクリルア ド等のアクリルアミド化合物、フタル酸ジ リル等のアリルエステル化合物、ジビニル タレート等のビニル基含有化合物等が有用 ある。

 本発明においては、エチレン性不飽和結合 有する重合性化合物としては、アクリル酸 ステル化合物またはメタクリル酸エステル 合物が特に好ましい。
 これらのエチレン性不飽和結合を有する重 性化合物は単独で用いてもよいし、必要に じて二種以上を混合して用いてもよい。

 以下、式中のacryloylはアクリロイル基を表 、methacryloylはメタクリロイル基を表す。ま 、式中のw、x、y及びzは、1分子内の各部分( )のオキシアルキレン基の付加モル数を表し w+x+y+z、x+y+z、x+yの各数値は1分子内のオキシ アルキレン基の平均付加モル数を表す。

 一方、カチオン重合性の部位を有する化 物のうち、ビニルエーテル構造を有する化 物としては、例えば、ビニル-2-クロロエチ エーテル、ビニル-n-ブチルエーテル、トリ チレングリコールジビニルエーテル、1,4-シ クロヘキサンジメタノールジビニルエーテル 、トリメチロールエタントリビニルエーテル 、ビニルグリシジルエーテル等を挙げること ができる。

 エポキシ環を有する化合物としては、例 ば、ジグリセロールポリジグリシジルエー ル、ペンタエリスリトールポリグリシジル ーテル、1,4-ビス(2,3-エポキシプロポキシパ フルオロイソプロピル)シクロヘキサン、ソ ルビトールポリグリシジルエーテル、トリメ チロールプロパンポリグリシジルエーテル、 レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6-へキ ンジオールジグリシジルエーテル、ポリエ レングリコールジグリシジルエーテル、フ ニルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェ ルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリ ジルエーテル、o-フタル酸ジグリシジルエ テル、ジブロモフェニルグリシジルエーテ 、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,6-ジメチロ ルパーフルオロヘキサンジグリシジルエー ル、4,4’-ビス(2,3-エポキシプロポキシパー ルオロイソプロピル)ジフェニルエーテル、2 ,2-ビス(4-グリシジルオキシフェニル)プロパ 、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’ -エポキシシクロヘキサンカルボキシレート 3,4-エポキシシクロヘキシルオキシラン、2-(3 ,4-エポキシシクロヘキシル)-3’,4’-エポキシ -1,3-ジオキサン-5-スピロシクロヘキサン、1,2- エチレンジオキシビス(3,4-エポキシシクロヘ シルメタン)、4’,5’-エポキシ-2’-メチル クロヘキシルメチル-4,5-エポキシ-2-メチルシ クロヘキサンカルボキシレート、エチレング リコールビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカ ボキシレート)、ビス(3,4-エポキシシクロヘ シルメチル)アジペート、ジ-2,3-エポキシシ ロペンチルエーテル等を挙げることができ 。

 オキセタン環を有する化合物としては、 えば、オキセタン環を一つ有する化合物、3 -エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エ チル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3,3-ジ エチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキ ルオキシメチル)オキセタン、オキセタン環 を二つ以上有する化合物、1,4-ビス{[(3-エチル -3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、 ジ(1-エチル(3-オキセタニル))メチルエーテル ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル- 3-オキセタニルメチル)エーテル等を挙げるこ とができる。

 (b)光重合開始剤
 本発明における光重合開始剤としては、パ ーン露光によって前記重合性化合物の重合 開始することができる機能を有する化合物 あれば特に限定はない。パターン露光の方 としては、フォトマスク露光、フェーズマ ク露光、及び干渉露光等が挙げられる。こ らのうち体積ホログラム記録を行う場合に 干渉露光が好ましい。干渉露光の光源とし は、一般に干渉性の高いレーザー光であり 光重合開始剤に高感度であればよく、例え アルゴンイオンレーザー(458nm、488nm、514.5nm) 、クリプトンイオンレーザー(647.1nm)、Nd:YAGレ ーザー(532nm)、Nd:YVO 4 レーザー(532nm)、InGaNレーザー(405nm)、He-Cdレー ザー(325nm、442nm)等が使用される。

 重合性化合物として前記のエチレン性不飽 結合を有する重合性化合物が使用された場 、光重合開始剤としてはパターン露光時に 性ラジカルを生成する光ラジカル重合開始 が好ましい。
 重合性化合物として前記のカチオン重合性 部位を有する化合物、例えばビニルエーテ 構造、エポキシ環またはオキセタン環を有 る化合物が使用された場合、光重合開始剤 しては干渉露光時にルイス酸あるいはブレ ステッド酸を生成する光酸発生剤が好まし 。

 光ラジカル重合開始剤としては、パター 露光時に活性ラジカルを生成する化合物で れば特に限定されないが、例えば、ベンゾ ン系化合物、α-アミノアルキルフェノン系 合物、チオキサントン系化合物、アゾ系化 物、アジド系化合物、ジアゾ系化合物、o- ノンジアジド系化合物、アシルホスフィン キサイド系化合物、オキシムエステル系化 物、有機過酸化物、ベンゾフェノン類、ビ クマリン、ビスイミダゾール化合物、チタ セン化合物、チオール化合物、ハロゲン化 化水素化合物、トリクロロメチルトリアジ 化合物、あるいはヨードニウム塩化合物、 ルホニウム塩化合物などのオニウム塩化合 等が用いられる。これらのうち、チタノセ 化合物が好ましい。光ラジカル重合開始剤 単独で用いてもよいし、必要に応じて二種 上を混合して用いてもよい。

 チタノセン化合物は、特に限定はされな が、具体的には、ビス(シクロペンタジエニ ル)ジクロロチタニウム、ビス(シクロペンタ エニル)ジフェニルチタニウム、ビス(シク ペンタジエニル)ビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオ フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジ エニル)ビス(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル) タニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビ (2,4,6-トリフルオロフェニル)チタニウム、ビ ス(シクロペンタジエニル)ビス(2,6-ジフルオ フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジ エニル)ビス(2,4-ジフルオロフェニル)チタニ ム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス (2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)チタニウム 、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(2,3 ,5,6-テトラフルオロフェニル)チタニウム、ビ ス(2,6-ジフルオロフェニル)ビス(メチルシク ペンタジエニル)チタニウム、ビス(シクロペ ンタジエニル)ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロ ル-1-イル)フェニル)チタニウム等を挙げるこ とができる。

 ベンゾイン系化合物としては、例えばベ ゾインエチルエーテル、2,2-ジメトキシ-1,2- フェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシク ヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メ チル-1-フェニルプロパン-1-オン等を挙げるこ とができる。

 α-アミノアルキルフェノン系化合物とし は、例えば2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニ ル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジ ル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニ ル)ブタン-1-オン等を挙げることができる。

 チオキサントン系化合物としては、例え チオキサントン、1-クロロチオキサントン 2-クロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポ シチオキサントン、2-メチルチオキサント 、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエ ルチオキサントン等を挙げることができる

 アゾ系化合物としては、2,2’-アゾビス(2- アミノジプロパン)塩酸塩、4,4’-アゾビス(4- アノ吉草酸)、2,2’-アゾビス〔N-(2-カルボキ シエチル)-2-メチルプロピオンアミジン〕、 メチル2,2’-アゾビスイソブチレート、2,2’- アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビ (2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビ (2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス( クロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-ア ビス{2-メチル-N-〔2-(1-ヒドロキシブチル)〕 ロピオンアミド}、2,2’-アゾビス〔2-メチル- N-(2-ヒドロキシエチル)-プロピオンアミド〕 2,2’-アゾビス〔2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2 -イル)プロパン〕塩酸塩、2,2’-アゾビス〔2-( 2-イミダゾリン-2-イル)プロパン〕塩酸塩、2,2 ’-アゾビス〔2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロ ン〕硫酸塩、2,2’-アゾビス〔2-(3,4,5,6-テト ヒドロピリミジン-2-イル)プロパン〕塩酸塩 2,2’-アゾビス{2-〔1-(2-ヒドロキシエチル)-2- イミダゾリン-2-イル〕プロパン}塩酸塩、2,2 -アゾビス〔2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパ 〕等を挙げることができる。

 アジド系化合物としては、例えばp-アジ ベンズアルデヒド、p-アジドアセトフェノン 、p-アジド安息香酸、p-アジドベンザルアセ フェノン、4,4’-ジアジドカルコン、4,4’-ジ アジドジフェニルスルフィド、2,6-ビス(4’- ジドベンザル)-4-メチルシクロヘキサノン、4 ,4’-ジアジドスチルベン等を挙げることがで きる。

 ジアゾ系化合物としては、例えば1-ジア -2,5-ジエトキシ-4-p-トリルメルカプトベンゼ ボロフルオリド、1-ジアゾ-4-(ジメチルアミ )ベンゼンクロリド、1-ジアゾ-4-(ジエチルア ミノ)ベンゼンボロフルオリド等を挙げるこ ができる。

 o-キノンジアジド系化合物としては、例 ば1,2-ナフトキノンジアジド(2)-4-スルホン酸 トリウム塩、1,2-ナフトキノンジアジド(2)-5- スルホン酸エステル、1,2-ナフトキノンジア ド(2)-4-スルホニルクロリド等を挙げること できる。

 アシルホスフィンオキサイド系化合物と ては、例えばビス(2,4,6-トリメチルベンゾイ ル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-ト メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオ サイド等を挙げることができる。

 オキシムエステル系化合物としては、例 ば2-(O-ベンゾイルオキシム)-1-[4-(フェニルチ オ)フェニル]-1,2-オクタンジオン、1-(O-アセチ ルオキシム)-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイ )-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン等を挙げ ことが出来る。

 ベンゾフェノン類としては、例えばベン フェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベン フェノン、1,4-ジベンゾイルベンゼン、10-ブ チル-2-クロロアクリドン、2-ベンゾイルナフ レン、4-ベンゾイルビフェニル、4-ベンゾイ ルジフェニルエーテル、3,3’,4,4’-テトラ(t- チルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン 等を挙げることができる。

 ビスクマリンとしては、例えば3,3’-カル ボニルビス(7-(ジエチルアミノ)-2H-クロメン-2- オン)等が挙げられ、これはみどり化学株式 社でBC(CAS[63226-13-1])として市販されている。

 ビスイミダゾール化合物としては、例え 2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テ ラキス(3,4,5-トリメトキシフェニル)-1,2’-ビ ミダゾール、2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4 ,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾー ル等を挙げることができる。

 光酸発生剤としては、パターン露光時に イス酸あるいはブレンステッド酸を生成す 化合物であれば特に限定されないが、例え 、ジアリールヨードニウム塩化合物、トリ リールスルホン酸塩化合物、ジアゾニウム 化合物などのオニウム塩化合物、及び鉄ア ーン錯体化合物等を挙げることができる。

 ジアリールヨードニウム塩化合物として 、例えば、ジフェニルヨードニウム、4,4’- ジクロロジフェニルヨードニウム、4,4’-ジ トキシジフェニルヨードニウム、4,4’-ジ-ter t-ブチルジフェニルヨードニウム、(4-メチル ェニル)[4-(2-メチルプロピル)フェニル]ヨー ニウム、3,3’-ジニトロフェニルヨードニウ ム等のヨードニウムの、テトラフルオロボレ ート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサ フルオロアルセネート、ヘキサフルオロアン チモネート等が挙げられる。

 トリアリールスルホン酸塩化合物として 、例えば、トリフェニルスルホニウム、4-te rt-ブチルトリフェニルスルホニウム、トリス (4-メチルフェニル)スルホニウム、トリス(4- トキシフェニル)スルホニウム、4-チオフェ ルトリフェニルスルホニウム等のスルホニ ムの、テトラフルオロボレート、ヘキサフ オロホスフェート、ヘキサフルオロアルセ ート、ヘキサフルオロアンチモネート等を げることができる。

 鉄アレーン錯体化合物としては、例えばビ シクロペンタジエニル-(η 6 -イソプロピルベンゼン)-鉄(II)ヘキサフルオ ホスフェート等が挙げられる。光酸発生剤 単独で用いてもよいし、必要に応じて二種 上を混合して用いてもよい。

 本発明の感光性組成物において、重合性 合物としてラジカル重合性の部位であるエ レン性不飽和結合を有する化合物が使用さ た場合には、光重合開始剤としては、基本 には光ラジカル重合開始剤が用いられる。 合性化合物としてカチオン重合性の部位で るビニルエーテル構造、エポキシ環または キセタン環を有する化合物が使用された場 には、光重合開始剤としては、基本的には 酸発生剤が用いられる。光重合開始剤の含 量は、重合性化合物100質量部に対し0.01乃至 10質量部であり、好ましくは0.05乃至5質量部 ある。

(c)無機微粒子
 用いる無機微粒子としては、本発明の目的 達成することができる粒子であれば特に限 されないが、光散乱損失を低減させる必要 あるため、平均粒径がなるべく小さなもの 好ましい。この点から、無機微粒子は、平 粒径が100nm以下である微粒子が望ましい。 り好ましくは、平均粒径が3nm乃至20nmの無機 粒子である。具体的にはシリカ、ジルコニ 、チタニア等の無機酸化物微粒子が好まし 。

 また、無機微粒子の含有量は、多すぎても なすぎても高い回折効率のホログラムを得 ことができない。また、高い脆弱性を有す 偽造防止ホログラム層を得るには、無機微 子の含有量がより多い方がよい。これらの 点から、無機微粒子の含有量は、用いられ 重合性化合物の種類にもよるが、重合性化 物(a)、光重合開始剤(b)及び無機微粒子(c)の 計体積に占める無機微粒子(c)の体積の割合 おおむね3乃至50体積%となる量が好ましく、 より好ましくは、回折効率と脆弱性のバラン スが最も良好な10乃至45体積%となる量である
 また、重合性化合物(a)として、芳香族ポリ ドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエ テル化合物のアルコキシ変性物、例えばエ キシ又はプロポキシ変性物を用いる場合に 、無機微粒子の含有量は重合性化合物(a)、 重合開始剤(b)及び無機微粒子(c)の合計体積 占める無機微粒子(c)の体積の割合が15乃至40 体積%となる量が好ましい。

 用いられる無機微粒子の形態としては粉 状のものでも、水または有機溶媒に分散し ゾルでもよいが、本発明の感光性組成物へ 分散性、安定性の面から有機溶媒に分散し ゾルで用いるのが好ましい。有機溶媒とし は、例えばメタノール、イソプロパノール ブタノール、エチレングリコール、エチレ グリコールモノプロピルエーテル、メチル チルケトン、メチルイソブチルケトン、キ レン、ジメチルアセトアミド、トルエン等 あり、重合性モノマーに均一に分散可能な のであれば、特に限定はされない。

 また、本発明の無機微粒子はカプセル化、 面処理、ハイブリッド化などの手法を用い モノマーへの分散性を高めることが好まし 。中でも表面処理剤を用いた修飾が工業的 も簡便なため好ましい。
 表面処理剤としては無機微粒子表面と親和 があり、かつ重合性化合物中への分散性を めるために表面官能基と疎水基を兼ね備え ものが好ましい。

 表面反応性官能基としては、例えば、メ ルシラン、エチルシランなどのアルキルシ ン、メトキシシラン、エトキシシランなど アルコキシシラン、クロロシランなどのハ ゲン化シランに代表される反応性シラン化 物、メトキシチタン、エトキシチタンなど アルコキシチタンや塩化チタンに代表され 反応性チタン化合物、カルボキシル基、リ 酸基、スルホン酸基、またはそのエステル が挙げられる。

 本発明の偽造防止ホログラム媒体の偽造 止ホログラム層には、重合性化合物(a)、光 合開始剤(b)及び無機微粒子(c)の他、必要に じて、増感剤、連鎖移動剤、可塑剤、着色 等の添加剤が加えられていても良い。また 膜厚の均一性を持たせ、光照射での重合で 成されたホログラムを安定に存在させるた には結合材としてバインダー樹脂を加えて 良い。

 バインダー樹脂は重合性化合物と相溶性 良いものが好ましく、その具体例としては 素化ポリエチレン、ポリメチルメタクリレ ト、メチルメタクリレートと他の(メタ)ア リル酸アルキルエステルの共重合体、ポリ チレン、塩化ビニルとアクリロニトリルの 重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアル ール、ポリビニルホルマール、ポリビニル チラール、ポリビニルピロリドン、エチル ルロース、アセチルセルロース、セルロー アセテートブチレート等が挙げられる。こ で、(メタ)アクリル酸の表記は、アクリル酸 、メタアクリル酸の双方を表す。

 本発明の体積位相型の偽造防止ホログラム 感光性組成物から体積位相型の偽造防止ホ グラム媒体を作るには、例えば以下のよう 行われる。重合性化合物、無機微粒子及び 重合開始剤を、必要に応じて溶剤、増感剤 バインダー樹脂又は添加剤とともに混合す ことにより、偽造防止ホログラム用感光性 成物を得た後、該組成物を支持体上に塗布 、その後乾燥させることにより偽造防止ホ グラム層を形成する。そしてさらに、必要 応じて偽造防止ホログラム層を保護材で覆 ことによって、偽造防止ホログラム媒体を ることができる。
 偽造防止ホログラム層の厚さは、おおむね 1乃至1,000μmであり、好ましくは10乃至500μm あり、より好ましくは15乃至200μmである。
 また、用いられる支持体や保護層は、体積 ログラムを記録及び再生するために光を透 させる場合には、透明な物質である必要が る。

 このような透明支持体としては、透明な ラス板、アクリル板、ポリエチレンテレフ レートフィルム、ポリエチレンフィルムな が用いられる。透明な樹脂フィルムとして ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポ エチレンフィルムなどが用いられる。塗布 法としては、直接滴下する方法に加え、従 公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤー ー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布 ロール塗布、ブレード塗布、及びカーテン 布等を用いることができる。

 保護層としては、酸素による感度低下や 存安定性の劣化等の悪影響を防止するため 公知技術、例えば、水溶性ポリマー等の塗 を用いることもできる。水溶性ポリマーと ては、透明な樹脂フィルムを形成する水溶 ポリマー等が挙げられる。また、保護層と て前記透明支持体を用いることもできる。

 そして、本発明の偽造防止ホログラム用感 性組成物よりパターンを形成するには、感 性組成物から上記のようにして得られた偽 防止ホログラム媒体のホログラム層に対し 、パターン露光することにより行われる。 ターン露光は、パターンを形成することの きる露光方法であれば特に制限はない。パ ーン露光としては、例えば干渉露光が挙げ れる。また、パターン露光としては、適当 マスクを通して露光する方法(フォトマスク 露光及びフェーズマスク露光等)が挙げられ 。
 本発明の感光性組成物は重合性化合物、光 合開始剤、無機微粒子を含んでいる。その め、例えば、マスクを通して露光が行われ と、露光された部分において重合性化合物 重合反応が起こり重合体となる。その結果 露光部分において重合性化合物の化学ポテ シャルが減少し、それを補うように非露光 から露光部へ重合性化合物の移動が起こる 一方、露光部では重合性化合物の減少とと に、光重合に関与しない無機微粒子の化学 テンシャルが増加するため、それを抑える うに無機微粒子は露光部から非露光部へと 動をする。こうした各成分の移動は光重合 完了するまで本質的に継続する。結果とし 、無機微粒子の空間分布は固定され、露光 と非露光部での成分と屈折率差によってパ ーンが形成される。すなわち、本発明の感 性組成物より形成されるパターンは、パタ ン露光によって組成物中の各成分の相互拡 が起こった結果、生じた各成分の空間分布 差を利用したものである。

 次に実施例を挙げて本発明をより具体的 説明するが、本発明はこれらに限定される のではない。

実施例1
 シリカゾル(メチルエチルケトン分散、微粒 子濃度30質量%)(日産化学工業株式会社製、商 名MEK-ST)1.40gに光重合開始剤であるビス(η 5 -2,4-シク
ロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3 -(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム(チ バ・ジャパン株式会社製、商品名Irgacure784)0.0 1gを溶解した分散液に、下記式(11)の構造(オ シプロピレン基の平均付加モル数:4)を有す 重合性モノマーのプロポキシ化ペンタエリ リトールテトラアクリレート(新中村化学工 株式会社製、商品名ATM-4P、25℃における粘 :230mPa・s):
2gを溶解し、偽造防止ホログラム用感光性組 物を調製した。シリカ微粒子の密度は2.1g/cm 3 であるから、その体積は1.40×0.3/2.1=0.20cm 3 である。重合性化合物であるプロポキシ化ペ ンタエリスリトールテトラアクリレートの密 度は1.09g/cm 3 であるから、その体積は2/1.09=1.83cm 3 である。従ってシリカ微粒子と重合性化合物 であるプロポキシ化ペンタエリスリトールテ トラアクリレートの体積に占めるシリカ微粒 子の割合は、0.20/(0.20+1.83)=0.1、すなわち10体 %であった。使用したシリカゾル中のシリカ 粒子の平均粒径は13nm(BET法)であった。シリ 微粒子の屈折率は1.46、重合性化合物である プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラア クリレートの屈折率は1.465であり、両者の屈 率差は0.005であった。スライドガラスの両 部にスペーサとして厚さ50μmのポリエチレン テレフタレートフィルムを貼り、スライドガ ラス中央(スペーサに挟まれた領域)に上記感 性組成物を滴下し、80℃で約30分間乾燥し、 偽造防止ホログラム層を形成した。その後、 スライドガラスをかぶせ、体積位相型の偽造 防止ホログラム媒体を調製した。
 この偽造防止ホログラム媒体に対し、図1に 示す装置によって、二光束干渉露光を行い体 積ホログラムの記録を試みた。偽造防止ホロ グラム媒体に対し、波長532nmのNd:YVO 4 レーザーを用いて、露光パワー密度100mW/cm 2 で二光束干渉露光(格子間隔1μm)を行った。Nd: YVO 4 レーザーから出射した光はハーフミラーで2 に分割され、それぞれミラーを経て偽造防 ホログラム媒体に照射され、両光の干渉縞 記録されホログラムが形成される。
 同時に、偽造防止ホログラム媒体が感光し い波長632.8nmのヘリウムネオン(He-Ne)レーザ を偽造防止ホログラム媒体に照射し回折光 光検出器で検出することによりホログラム 成過程をモニターし、回折効率(=回折光強度 /入射光強度)を評価した。また、露光後の偽 防止ホログラム媒体のホログラム層の透明 を目視にて3段階で評価した。結果を表1に す。

実施例2
 シリカゾル(メチルエチルケトン分散、微粒 子濃度30質量%)(日産化学工業株式会社製、商 名MEK-ST)1.35gに光重合開始剤であるビス(η 5 -2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフ ルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタ ウム(チバ・ジャパン株式会社製、商品名Irga cure784)0.01gを溶解した分散液に、重合性化合 として下記式(12)の構造を有するジペンタエ スリトールペンタアクリレートとジペンタ リスリトールヘキサアクリレートの混合物( Aldrich社製、25℃における粘度6,600mPa・s):
2gを溶解し、偽造防止ホログラム用感光性組 物を調製した。シリカ微粒子の密度は2.1g/cm 3 であるから、その体積は1.35×0.3/2.1=0.19cm 3 である。重合性化合物であるジペンタエリス リトールペンタアクリレートとジペンタエリ スリトールヘキサアクリレートの混合物の密 度は1.15g/cm 3 であるから、その体積は2/1.15=1.74cm 3 である。従ってシリカ微粒子と重合性化合物 であるジペンタエリスリトールペンタアクリ レートとジペンタエリスリトールヘキサアク リレートの混合物の体積に占めるシリカ微粒 子の割合は、0.19/(0.19+1.74)=0.1、すなわち10体 %であった。使用したシリカゾル中のコロイ ルシリカ粒子の平均粒径は13nm(BET法)であっ 。シリカ微粒子の屈折率は1.46、重合性化合 物であるジペンタエリスリトールペンタアク リレートとジペンタエリスリトールヘキサア クリレート混合物の屈折率は1.489であり、両 の屈折率差は0.029であった。その後、実施 1と同様にして偽造防止ホログラム媒体を得 ホログラム記録時の回折効率の測定及び透 性の評価は実施例1と同様の方法で行った。 結果を表1に示す。

実施例3
 シリカゾル(メチルエチルケトン分散、微粒 子濃度30質量%)(日産化学工業株式会社製、商 名MEK-ST)1.31gに光重合開始剤であるビス(η 5 -2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフ ルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタ ウム(チバ・ジャパン株式会社製、商品名Irga cure784)0.01gを溶解した分散液に、重合性化合 として下記式(13)の構造を有するプロピレン リコールジグリシジルエーテルのアクリル 付加物(共栄社化学株式会社製、商品名エポ キシエステル70PA、25℃における粘度1,400mPa・s ):
2gを溶解し、偽造防止ホログラム用感光性組 物を調製した。シリカ微粒子の密度は2.1g/cm 3 であるから、その体積は1.31×0.3/2.1=0.19cm 3 である。重合性化合物であるプロピレングリ コールジグリシジルエーテルのアクリル酸付 加物の密度は1.19g/cm 3 であるから、その体積は2/1.19=1.68cm 3 である。従ってシリカ微粒子と重合性化合物 であるプロピレングリコールジグリシジルエ ーテルのアクリル酸付加物の体積に占めるシ リカ微粒子の割合は、0.19/(0.19+1.68)=0.1、すな ち10体積%であった。使用したシリカゾル中 シリカ微粒子の平均粒径は13nm(BET法)であっ 。シリカ微粒子の屈折率は1.46、重合性化合 物であるプロピレングリコールジグリシジル エーテルのアクリル酸付加物の屈折率は1.48 あり、両者の屈折率差は0.02であった。その 、実施例1と同様にして偽造防止ホログラム 媒体を得、ホログラム記録時の回折効率の測 定及び透明性の評価は実施例1と同様の方法 行った。結果を表1に示す。

実施例4
 シリカゾル(メチルエチルケトン分散、微粒 子濃度30質量%)(日産化学工業株式会社製、商 名MEK-ST)1.38gに光重合開始剤であるビス(η 5 -2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフ ルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタ ウム(チバ・ジャパン株式会社製、商品名Irga cure784)0.01gを溶解した分散液に、重合性化合 として下記式(14)の構造(オキシエチレン基の 平均付加モル数:10)を有するエトキシ変性ビ フェノールAジアクリレート(新中村化学工業 株式会社製、商品名NKエステルA-BPE-10、25℃に おける粘度550mPa・s):
2gを溶解し、偽造防止ホログラム用感光性組 物を調製した。シリカ微粒子の密度は2.1g/cm 3 であるから、その体積は1.38×0.3/2.1=0.20cm 3 である。重合性化合物であるエトキシ変性ビ スフェノールAジアクリレートの密度は1.13g/cm 3 であるから、その体積は2/1.13=1.77cm 3 である。従ってシリカ微粒子と重合性化合物 であるエトキシ変性ビスフェノールAジアク レートの体積に占めるシリカ微粒子の割合 、0.20/(0.20+1.77)=0.1、すなわち10体積%であった 。使用したシリカゾル中のシリカ微粒子の平 均粒径は13nm(BET法)であった。シリカ微粒子の 屈折率は1.46、重合性化合物であるエトキシ 性ビスフェノールAジアクリレートの屈折率 1.52であり、両者の屈折率差は0.06であった その後、実施例1と同様にして偽造防止ホロ ラム媒体を得、ホログラム記録時の回折効 の測定及び透明性の評価は実施例1と同様の 方法で行った。結果を表1に示す。
 また、この体積位相型の偽造防止ホログラ 媒体にメタルハライドランプを15mW/cm 2 の照度で、30分間光照射を行い、光硬化した 硬化後に、スライドガラスの片側を剥離す ことで、偽造防止ホログラム層の脆弱性を 定し3段階で評価した。結果を表2に示す。

実施例5、6、7、8(最適シリカ微粒子濃度の評 )
 シリカ微粒子の体積分率を20%(実施例5)、30%( 実施例6)、40%(実施例7)、50%(実施例8)とした以 は、実施例4と同様にして体積位相型の偽造 防止ホログラム媒体を作成し、回折効率と透 明性を評価した。ホログラム記録時の回折効 率の測定と透明性の評価は実施例1と同様の 法で行った。また、実施例4と同様にして、 られた偽造防止ホログラム層の脆弱性を測 し3段階で評価した。これら結果を表2に示 。

比較例1
 シリカゾル(メチルエチルケトン分散、微粒 子濃度30質量%)(日産化学工業株式会社製、商 名MEK-ST)6.38gに光重合開始剤であるビス(η 5 -2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフ ルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタ ウム(チバ・ジャパン株式会社製、商品名Irga cure784)0.02gを溶解した分散液に、重合性モノ ーとして下記式(15)の構造を有するp-ビス(β- タクリロイルオキシエチルチオ)キシリレン (25℃における粘度90mPa・s):
2gを溶解し、感光性組成物を調製した。シリ 微粒子の密度は2.1g/cm 3 であるから、その体積は6.38×0.3/2.1=0.91cm 3 である。重合性化合物であるp-ビス(β-メタク リロイルオキシエチルチオ)キシリレンの密 は1.13g/cm 3 であるから、その体積は2/1.13=1.77cm 3 である。従ってシリカ微粒子と重合性化合物 であるp-ビス(β-メタクリロイルオキシエチル チオ)キシリレンの体積に占めるシリカ微粒 の割合は、0.91/(0.91+1.77)=0.34、すなわち34体積 %であった。なお、このシリカ微粒子体積濃 が最大の回折効率を示した。使用したシリ ゾル中のシリカ微粒子の平均粒径は13nm(BET法 )であった。シリカ微粒子の屈折率は1.46、重 性化合物であるp-ビス(β-メタクリロイルオ シエチルチオ)キシリレンの屈折率は1.59で り、両者の屈折率差は0.13であった。ホログ ム記録時の回折効率の測定及び透明性の評 は実施例1と同様の方法で行った。また、脆 弱性を実施例4と同様に評価した。結果を表2 示す。

体積位相型ホログラム記録媒体に対す 二光束干渉露光の概念図である。

符号の説明

 1 ホログラム記録媒体  2Nd:YVO 4 レーザー 3 ビームエキスパンダ
 4 He-Neレーザー  5,6,7,8,9,10,11 ミラー
 12 ビームサンプラー  13 ハーフミラー 14 ,15 半波長板
 16,17 偏光プリズム 18,19,20 光検出器
                                                                                  




 
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