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Patent Searching and Data


Title:
PHOTOSENSITIVE COMPOSITION, SOLDER RESIST AND PHOTOSENSITIVE DRY FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/108357
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a photosensitive composition containing a halogen-free flame retardant and having excellent resolution and storage stability. A cured product of such a photosensitive composition is excellent in flame retardancy, heat resistance, flexibility and electrical insulation. Specifically disclosed is a photosensitive composition containing a compound (A) having a skeleton derived from an epoxy compound and containing a carboxyl group and a radically polymerizable group, a urethane acrylate (B), a polymerizable compound (C) other than the compounds (A) and (B) which has a radically polymerizable group, a filler (D) containing a phosphorus atom and a photopolymerization initiator (E).

Inventors:
HIRAKAWA MAKOTO (JP)
TAKEI MASAO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053827
Publication Date:
September 12, 2008
Filing Date:
March 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOAGOSEI CO LTD (JP)
HIRAKAWA MAKOTO (JP)
TAKEI MASAO (JP)
International Classes:
G03F7/004; G03F7/027; H05K3/00
Domestic Patent References:
WO2007015423A12007-02-08
Foreign References:
JP2004012810A2004-01-15
JP2004062057A2004-02-26
JP2006011395A2006-01-12
JP2000128957A2000-05-09
JP2006220804A2006-08-24
JP2003301013A2003-10-21
JP2003177515A2003-06-27
JP2006084857A2006-03-30
JP2002265567A2002-09-18
JP2002105340A2002-04-10
JP2006316234A2006-11-24
JP2005173577A2005-06-30
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Claims:
 エポキシ化合物に由来する骨格を有しカルボキシル基およびラジカル重合性基を備える化合物(A)、ウレタンアクリレート(B)、ラジカル重合性基を有する(A)および(B)以外の重合性化合物(C)、リン原子を含むフィラー(D)および光重合開始剤(E)を含有する感光性組成物。
 成分(A)および成分(B)の合計量100質量部を基準として、成分(A)を20~90質量部、成分(B)を10~80質量部、成分(C)を5~50質量部含有する請求項1に記載の感光性組成物。
 成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計量100質量部を基準として、成分(D)を1~150質量部含有する請求項1に記載の感光性組成物。
 エポキシ化合物に由来する骨格を有しカルボキシル基およびラジカル重合性基を備える化合物(A)は、エポキシ化合物に不飽和モノカルボン酸が付加反応され、生成した水酸基に多塩基酸無水物が付加反応されて得られる化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
 ウレタンアクリレート(B)は、ポリカーボネートポリオール骨格を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
 ウレタンアクリレート(B)は、カルボキシル基を有しないポリカーボネートポリオール骨格を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
 カルボキシル基を有しないポリカーボネートポリオール骨格を有する化合物であるウレタンアクリレート(B)の質量平均分子量は、2,000~50,000であることを特徴とする請求項6に記載の感光性組成物。
 ラジカル重合性基を有する(A)および(B)以外の重合性化合物(C)は、(メタ)アクリロイル基を1分子中に3個以上有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
 リン原子を含むフィラー(D)は、リンのオキソ酸の金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
 リン原子を含むフィラー(D)は、ホスフィン酸類の金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
 リン原子を含むフィラー(D)は、ホスフィン酸類のアルミニウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
 リン原子を含むフィラー(D)以外のリン化合物(F)をも含有する請求項1に記載の感光性組成物。
 請求項1~12のいずれかに記載の感光性組成物を含有するソルダーレジスト。
 請求項1~12のいずれかに記載の感光性組成物を含有する被膜が支持フィルム上に形成された感光性ドライフィルム。
Description:
感光性組成物、ソルダーレジス および感光性ドライフィルム

 本発明は、露光、現像によって微細なパ ーン形成することもできる感光性組成物、 れを用いたソルダーレジストおよび感光性 ライフィルムに関するものである。くわし は、難燃性、柔軟性、耐熱性、金属との密 性および電気絶縁性が優れた硬化物を与え 感光性組成物、それを用いたソルダーレジ トおよび感光性ドライフィルムに関する。 発明の感光性組成物は、レジスト材料とし 、特にプリント配線板の絶縁材料およびソ ダーレジスト材料等として有用であり、電 ・電子材料分野で有用なものである。

 最近の電子機器への多機能化、高集積化 薄型化および小型軽量化の要求に伴い、プ ント配線板における配線パターンの高密度 が進むと共に、薄くて折り曲げ可能なフレ シブル配線板(以下FPCという)の需要も拡大 ている。それに伴い、配線板製造に使われ レジスト材料等には、よりいっそうの高解 度および高信頼性が要求されるのに加え、FP Cに対応するためにレジスト自体が柔軟性を つことが必要となっている。

 さらに電子機器に用いられる部品の多く 安全性確保のためUL規格等による難燃性の 与が義務付けられている。特にFPCの場合は ジッド配線板と比較して基板の消火作用が さいので、FPCに用いるレジスト自体が高い 燃性を有する事を求められる。

 プリント配線板の製造に用いられる難燃 を有するソルダーレジストとしては、臭素 エポキシ化合物とアンチモン化合物を難燃 として用いたもの(特許文献1)等がこれまで 提案されている。

 しかしながら、臭素等のハロゲンを含む 成物は高い難燃効果を示す一方で、燃焼時 有害なダイオキシン化合物が発生する懸念 あることから、近年、材料の非ハロゲン化 求められている。

 非ハロゲン系の難燃性組成物としては無機 酸化物(特許文献2)、リン酸エステルからな リン系難燃剤(特許文献3)および水和金属化 物と窒素化合物との併用(特許文献4)が知ら ている。しかしながら、無機水酸化物(水和 金属化合物)のような無機フィラー成分は難 効果がハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤等 比較して低い為、十分な難燃効果が得られ 量配合しようとすると絶縁信頼性等が低下 ることがある。また、特にFPC用途に用いる 合はフィラー成分が多いと硬化物の柔軟性 失われて基板の反り等が発生する。一方、 ン酸エステルからなるリン系難燃剤の難燃 果は比較的高く、一般に無機水酸化物より ない配合量で十分な難燃性が得られる。し し、リン酸エステル等の難燃剤も耐熱性や 縁信頼性を低下させることがある。また、 に露光現像時の解像性が大きく低下すると う問題がある。
 リン系難燃剤としてはホスフィン酸塩も知 れている(特許文献5)。

特開平11-242331号公報

特開2006-194968号公報

特開2001-183819号公報

特開2004-12810号公報

特開2003-301013号公報

 上記のように、従来のソルダーレジスト組 物は、難燃性を保持しつつ薄型のプリント 線板やFPCに適用するには問題があった。
 本発明者らは、十分な難燃性を有しながら 像性および保存安定性に優れ、その硬化物 耐熱性および電気絶縁性といったソルダー ジストとして必須の特性を維持しつつ、さ に柔軟性にも優れる、薄型のプリント配線 やFPC基板にも使用可能な非ハロゲン系難燃 を含む感光性組成物を見出すため鋭意検討 行ったのである。

 上記課題を解決するため、請求項1に記載の 発明の感光性組成物は、エポキシ化合物に由 来する骨格を有しカルボキシル基およびラジ カル重合性基を備える化合物(A)、ウレタンア クリレート(B)、ラジカル重合性基を有する(A) および(B)以外の重合性化合物(C)、リン原子を 含むフィラー(D)および光重合開始剤(E)を含有 するものである。
 請求項2に記載の発明の感光性組成物は、請 求項1に記載の発明において、成分(A)および 分(B)の合計量100質量部を基準として、成分(A )を20~90質量部、成分(B)を10~80質量部、成分(C) 5~50質量部含有することを特徴とする。
 請求項3に記載の発明の感光性組成物は、請 求項1に記載の発明において、成分(A)、成分(B )および成分(C)の合計量100質量部を基準とし 、成分(D)を1~150質量部含有することを特徴と する。
 請求項4に記載の発明の感光性組成物は、請 求項1に記載の発明において、エポキシ化合 に由来する骨格を有しカルボキシル基およ ラジカル重合性基を備える化合物(A)は、エ キシ化合物に不飽和モノカルボン酸が付加 応され、生成した水酸基に多塩基酸無水物 付加反応されて得られる化合物であること 特徴とする。
 請求項5に記載の発明の感光性組成物は、請 求項1に記載の発明において、ウレタンアク レート(B)は、ポリカーボネートポリオール 格を有する化合物であることを特徴とする
 請求項6に記載の発明の感光性組成物は、請 求項1に記載の発明において、ウレタンアク レート(B)は、カルボキシル基を有しないポ カーボネートポリオール骨格を有する化合 であることを特徴とする。
 請求項7に記載の発明の感光性組成物は、請 求項6に記載の発明において、カルボキシル を有しないポリカーボネートポリオール骨 を有する化合物であるウレタンアクリレー (B)の質量平均分子量は、2,000~50,000であるこ を特徴とする。
 請求項8に記載の発明の感光性組成物は、請 求項1に記載の発明において、ラジカル重合 基を有する(A)および(B)以外の重合性化合物(C )は、(メタ)アクリロイル基を1分子中に3個以 有する化合物であることを特徴とする。
 請求項9に記載の発明の感光性組成物は、請 求項1に記載の発明において、リン原子を含 フィラー(D)は、リンのオキソ酸類の金属塩 あることを特徴とする。
 請求項10に記載の発明の感光性組成物は、 求項1に記載の発明において、リン原子を含 フィラー(D)は、ホスフィン酸の金属塩であ ことを特徴とする。
 請求項11に記載の発明の感光性組成物は、 求項1に記載の発明において、リン原子を含 フィラー(D)は、ホスフィン酸のアルミニウ 塩であることを特徴とする。
 請求項12に記載の発明の感光性組成物は、 求項1に記載の発明において、リン原子を含 フィラー(D)以外のリン化合物(F)をも含有す ことを特徴とする。
 請求項13に記載の発明のソルダーレジスト 、請求項1~12のいずれかに記載の感光性組成 を含有することを特徴とする。
 請求項14に記載の発明の感光性ドライフィ ムは、請求項1~12のいずれかに記載の感光性 成物を含有する被膜が支持フィルム上に形 されていることを特徴とする。
 以下に、本発明を詳細に説明する。
 尚、本明細書においては、アクリレートお びメタクリレートを合わせて(メタ)アクリ ートという。またアクリルおよびメタクリ を合わせて(メタ)アクリルという。

 本発明によれば、ハロゲン原子を含有する 燃剤を使用することなく、難燃性、柔軟性 耐熱性、電気絶縁性に優れる硬化物を与え 、解像性および保存安定性の良好な感光性 成物が得られた。
 また、成分(A)および成分(B)の合計量100質量 を基準として、成分(A)を20~90質量部、成分(B )を10~80質量部、成分(C)を5~50質量部含有する 合は、アルカリ水溶液による現像性が十分 あり、かつ硬化塗膜の柔軟性が十分な感光 組成物とすることができる。
 さらに、成分(A)、成分(B)および成分(C)の合 量100質量部を基準として、成分(D)を1~150質 部含有する場合は、難燃性向上効果が十分 あり、硬化物被膜の柔軟性や絶縁信頼性等 物性を低下させることのない感光性組成物 することができる。
 また、エポキシ化合物に由来する骨格を有 カルボキシル基およびラジカル重合性基を える化合物(A)が、エポキシ化合物に不飽和 ノカルボン酸が付加反応され、生成した水 基に多塩基酸無水物が付加反応されて得ら る化合物である場合は、解像性と硬化物の 軟性が優れる感光性組成物とすることがで る。
 さらに、ウレタンアクリレート(B)が、ポリ ーボネートポリオール骨格を有する化合物 ある場合は、硬化物の絶縁信頼性に優れる 光性組成物とすることができる。
 また、ウレタンアクリレート(B)が、カルボ シル基を有しないポリカーボネートポリオ ル骨格を有する化合物である場合は、硬化 の耐水性および絶縁信頼性に優れる感光性 成物とすることができる。
 さらに、カルボキシル基を有しないポリカ ボネートポリオール骨格を有する化合物で るウレタンアクリレート(B)の質量平均分子 が、2,000~50,000である場合は、解像性と硬化 の柔軟性が優れる感光性組成物とすること できる。
 また、ラジカル重合性基を有する(A)および( B)以外の重合性化合物(C)が、(メタ)アクリロ ル基を1分子中に3個以上有する化合物である 場合は、硬化物が高い絶縁信頼性を有する感 光性組成物とすることができる。
 さらに、リン原子を含むフィラー(D)が、リ のオキソ酸の金属塩である場合は、解像性 優れ、硬化物が高い難燃性および絶縁信頼 を有する感光性組成物とすることができる
 また、リン原子を含むフィラー(D)が、ホス ィン酸類の金属塩である場合は、より解像 に優れ、硬化物がより高い難燃性及び絶縁 頼性を有する感光性組成物とすることがで る。
 さらに、リン原子を含むフィラー(D)が、ホ フィン酸類のアルミニウム塩である場合は 解像性に特に優れ、硬化物が特に高い難燃 および絶縁信頼性を有する感光性組成物と ることができる。
 また、リン原子を含むフィラー(D)以外のリ 化合物(F)をも含有する場合は、より効果的 難燃性が高められた硬化物が得られる感光 組成物とすることができる。
 本発明のソルダーレジストは、薄型のプリ ト配線板やFPC基板の加工にも使用可能であ 。
 本発明の感光性ドライフィルムは、電子材 として好ましく使用できる。

1.(A)成分
 (A)成分は、エポキシ化合物に由来する骨格 有しカルボキシル基およびラジカル重合性 を備える化合物である。
 (A)成分としては、種々の化合物が使用でき 好ましい具体例としては、例えばエポキシ 合物(エポキシ樹脂)と不飽和モノカルボン を反応させ水酸基を有する化合物を製造し この水酸基を有する化合物の水酸基の一部 は全部に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物( 下単に多塩基酸無水物という)を付加させた 反応物等が挙げられる。

 その場合に用いられるエポキシ樹脂の例と ては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ スフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノ ルS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ キシ樹脂およびポリフェノール型エポキシ 脂等が挙げられる。
 不飽和モノカルボン酸の例としては、アク ル酸、メタクリル酸、クロトン酸およびケ 皮酸等がある。
 多塩基酸無水物としては、無水マレイン酸 無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタ 酸、テトラヒドロ無水フタル酸および無水 リメリット酸等がある。

 水酸基を有する化合物に対する多塩基酸無 物の反応割合は特に限定されるものではな が、水酸基を有する化合物の水酸基1モルに 対し、多塩基酸無水物を好ましくは0.1~1.0モ 、更に好ましくは0.2~0.9モルである。この割 が0.1モル未満の場合はアルカリ液への溶解 が不十分となるため、感光性組成物のアル リ現像性が低下することがある。一方、こ 割合が1.0モルを越えると、未反応の多塩基 無水物が残ることになり、未反応の多塩基 無水物が結晶化する恐れがあり、或いは多 の場合、残留する水酸基と未反応の多塩基 無水物の反応が保存中に起こるため、組成 の保存安定性が低下する恐れがある。
 (A)成分は、上記した中でも、解像性と硬化 の柔軟性が優れるものとなるため、カルボ シル基を有するビスフェノール型のエポキ (メタ)アクリレートであることが好ましい エポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ 化合物に(メタ)アクリル酸が付加反応されて られる構造を有する化合物である。

2.(B)成分
 (B)成分は、ウレタン(メタ)アクリレート化 物である。
 (B)成分としては各種市販品も使用できるし 例えばポリオールと多価イソシアネートと 酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物等 挙げられる。
 (B)成分は、上記した中でも、硬化物の絶縁 頼性に優れるものとなるため、ポリカーボ ートポリオール骨格を有するウレタン(メタ )アクリレートであることが好ましい。

 ポリカーボネートポリオール骨格を有する レタン(メタ)アクリレートとしては各種市 品も使用できるし、例えばポリカーボネー ポリオールと多価イソシアネートと水酸基 有(メタ)アクリレートとの反応物等も使用で きる。
 ポリカーボネートポリオールの例としては アルキレン基、アルキル基、芳香族系炭化 素基、シクロパラフィン系炭化水素基等を する炭酸エステルとアルキレン基、アルキ 基、芳香族系炭化水素基、シクロパラフィ 系炭化水素基等を有するポリオールを反応 せることによって得られるポリカーボネー ポリオールが挙げられる。
 炭酸エステルの好ましい具体例は、ジメチ カーボネート,ジエチルカーボネート,ジフ ニルカーボネート,エチレンカーボネート,プ ロピレンカーボネートおよびジシクロヘキシ ルカーボネート等である。
 また、ポリオールの好ましい具体例は、1,6- ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメ ノール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,5- ペンタンジオール、ポリオキシエチレンジオ ール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリ オキシブチレンジオール、ポリカプロラクト ンジオール、トリメチルヘキサンジオール、 および1,4-ブタンジオール等である。
 これら、炭酸エステルおよびポリオールと て、1種、或いは分子量又は組成の異なる2 以上を併用しても良い。
 好ましい多価イソシアネートとしては、ト レンジイソシアネート、ジフェニルメタン イソシアネート、イソホロンジイソシアネ ト、ヘキサメチレンジイソシアネートおよ 水添ジフェニルメタンジイソシアネート等 ある。
 好ましい水酸基含有(メタ)アクリレートと ては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート およびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー 等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー がある。

 (B)成分としては、上記した中でも、硬化物 耐水性および絶縁信頼性に優れるものとな ため、カルボキシル基を有しないウレタン( メタ)アクリレートが好ましい。
 好ましい(B)成分、すなわちカルボキシル基 有しないウレタン(メタ)アクリレートにお て、質量平均分子量は、好ましくは2,000~50,00 0であり、より好ましくは5,000~20,000である。 量平均分子量が2,000未満であると、硬化物の 柔軟性が不十分となる場合があり、一方、50, 000を越えると解像度が低下するため好ましく ない。

 (A)成分、(B)成分の好ましい配合割合は、( A)成分と(B)成分の合計を100質量部として、(A) 分が20~90質量部となる範囲である。20質量部 未満の場合はアルカリ水溶液による現像性が 十分ではなく、90質量部を越える場合は硬化 の柔軟性が十分でなく好ましくない。更に ましい範囲は、40~80質量部である。

3.(C)成分
 (C)成分は、ラジカル重合性基を有する(A)お び(B)以外の重合性化合物である。
 (C)成分が有するラジカル重合性基としては ジカル重合性の炭素-炭素二重結合が好まし いものであり、アクリロイル基、メタクリロ イル基、アリル基またはビニル基等が特に好 ましいものとして挙げられる。
 ラジカル重合性基を1個有する重合性化合物 (C)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレ ト、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘ キシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチ (メタ)アクリレートおよびヒドロキシプロ ル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アク レート;スチレン等のビニル基を有する化合 物;並びにアリルフェノール等のアリル基を する化合物等が挙げられる。

 ラジカル重合性基を2個有する重合性化合 物(C)の具体例としては、1,3-ブタンジオール (メタ)アクリレート、ジエチレングリコール ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ ルジ(メタ)アクリレートおよびポリプロピ ングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ( タ)アクリレート;ジビニルベンゼン等のビニ ル化合物;並びにジアリルフタレート等のア ル化合物等が挙げられる。

 ラジカル重合性基を3個以上有する重合性 化合物(C)の具体例としては、トリメチロール プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエ スルトールトリ(メタ)アクリレート、ジペ タエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート およびトリアリルイソシアヌーレート等が挙 げられる。

 (C)成分としては、硬化物が高い絶縁信頼 を有するものとなるため、ラジカル重合性 を3個以上有する化合物を使用することが好 ましい。(メタ)アクリロイル基を1分子中に3 以上有する化合物がより好ましい。

 (C)成分の好ましい配合割合は、(A)成分お び(B)成分の合計100質量部に対して5~50質量部 、特に5~20質量部となる範囲である。この割 が5質量部未満の場合は、硬化物の架橋密度 不十分となりはんだ耐熱性や絶縁信頼性が 下することがあり、50質量部を越える場合 硬化物の柔軟性が低下することがある。

4.(D)成分
 (D)成分は、リン原子を含むフィラーである 本発明においてフィラーとは感光性組成物 で溶解することなく分散される、常温(10~30 )で固体のものを意味する。成分(D)は組成物 に難燃性を付与するための成分である。
 難燃成分としてリン原子を含むフィラーの うに組成物中の樹脂成分、有機溶剤等に相 しない微粒子を用いる事により、樹脂[成分 (A)、(B)、(C)]に由来する組成物または硬化物 物性、特に感光性や現像液に対する溶解性 の悪影響を小さくでき、レジストとして用 たときに高い解像性を発現可能となる。さ にリン原子を含むことで無機水酸化物のよ なフィラーと比較して低配合量で高い難燃 が得られる。
 リン原子を含むフィラーの具体例としては ホスフィン酸塩化合物、ジエチルホスフィ 酸塩化合物、ジブチルホスフィン酸塩化合 、ジヒドロキシメチル酸塩化合物、ポリリ 酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、リ 酸グアニジン等が挙げられる。

 (D)成分としては、感光性組成物が高い解像 を有し、硬化物が高い難燃性および絶縁信 性を有するものとなるため、リンのオキソ の金属塩が好ましく、ホスフィン酸類の金 塩がより好ましい。本発明においてホスフ ン酸類とは、ホスフィン酸およびホスフィ 酸のリン原子に結合する水素原子の1個また は2個がアルキル基、アリール基またはハロ ン原子により置換された化合物を合わせた 合物群を意味する。上記アルキル基および リール基は水酸基、アルコキシル基などの 換基を有していてもよい。
 ホスフィン酸類の例としては、ホスフィン 、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホス ィン酸、メチルホスフィン酸、ジメチルホ フィン酸、エチルホスフィン酸、ジエチル スフィン酸、ブチルホスフィン酸、ジブチ ホスフィン酸、フェニルクロロホスフィン 、ジヒドロキシメチルホスフィン酸などが げられる。
 リンのオキソ酸の例としては、上記ホスフ ン酸類のほか、ホスホン酸、ジホスホン酸 リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ペルオ ソ一リン酸、ペルオキソ二リン酸、二リン 、ジチオリン酸、フェニルホスホン酸、メ ルホスホン酸、エチルホスホン酸、ヒドロ シメチルホスホン酸等が挙げられる。
 また、金属塩を構成する元素としてはナト ウム等のアルカリ金属、マグネシウム等の ルカリ土類金属、周期表13族に属するアル ニウム等の金属元素、および周期表8族に属 る鉄等の遷移金属元素などが挙げられ、金 塩としては特にアルミニウム塩が高い解像 を有する組成物、および高い難燃性、絶縁 頼性を有する硬化物となりやすいため好ま い。ホスフィン酸アルミニウム塩は最も好 しいものである。

 (D)成分としては、平均粒子径が0.5~15μm、 に1~5μmであるものが好ましい。平均粒子径 15μmを越えると柔軟性等を悪化させる場合 ある。また、特に膜厚が50μm以下の薄膜の感 光性ドライフィルムとして用いたときにフィ ルムの表面状態を悪化させる場合がある。一 方、平均粒子径が0.5μm未満であるとリン原子 を含むフィラーの嵩比重が小さくなることか ら、リン原子を含むフィラーを他の成分に分 散させることが困難になる場合がある。

 (D)成分の配合量は、(A)成分、(B)成分およ (C)成分の合計100質量部を基準として1~150質 部が好ましく、10~100質量部がより好ましい 1質量部未満であると難燃性向上効果が不十 となる場合があり、一方、150質量部を越え と硬化物の柔軟性や絶縁信頼性等の物性を 下させることがある。

5.(E)成分
 (E)成分は、光重合開始剤である。
 (E)成分は、紫外線等の照射によりラジカル 合を開始させることが出来るものであり、 体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチル ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン インイソプロピルエーテル等のベンゾイン よびベンゾインアルキルエーテル類;アセト フェノン、2,2-ジメトキシ-2-アセトフェノン 2,2-ジエトキシ-2-アセトフェノン、1,1-ジクロ ロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2-メ チルアントラキノン、2-エチルアントラキノ 、2-ターシャリーブチルアントラキノン、1- クロロアントラキノン、2-アミルアントラキ ン等のアントラキノン類;チオキサントン、 2-クロルチオキサントン、2-アルキルチオチ キサントン、2,4-ジアルキルチオキサントン のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4-ク ルベンゾフェノン、4,4'-ジクロルベンゾフ ノン、4,4'-ビスジメチルアミノベンゾフェノ ン等のベンゾフェノン類等が挙げられる。
 (E)成分の配合量は、(A)成分、(B)成分および( C)成分の合計を100質量部として、0.5~10質量部 特に1~5質量部が好ましい。0.5質量部未満で 反応が十分開始されず、露光により得られ 塗膜の機械的強度が弱くなり、現像工程に いて硬化塗膜が剥離したりパターンが蛇行 ることがある。一方、10質量部を越えると 光時に使われなかった光重合開始剤が多量 塗膜中に残り、硬化塗膜の耐熱性等の物性 低下させることがある。

 本発明においては、上記の(E)成分と共に増 剤を併用するのが好ましい。
 増感剤としては、N,N-ジメチルアミノ安息香 酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息 酸イソアミルエステル、トリエチルアミン ジエチルチオキサントンおよびトリエタノ ルアミン等が挙げられる。増感剤は市販さ ており、例えば、新日曹化工社製の商品名 ニッソキュアEPA、EMA、IAMA」等、日本化薬社 の商品名「カヤキュアEPA、DETX、DMBI」等、 阪有機社製の商品名「DABA」等がある。
 これら増感剤の配合量は、(A)成分、(B)成分 よび(C)成分の合計を100質量部として、0.5~10 量部が好ましい。0.5質量部未満では紫外線 による硬化の反応速度が十分に向上しない とがあり、10質量部を越えると反応が速く り感光性組成物の保存安定性を悪化させる とがある。

6.(F)成分
 本発明の感光性組成物は、リン原子を含む ィラー(D)以外のリン化合物(F)が添加された のであってもよい。当該化合物は、リン原 を含むフィラー(D)と異なり、組成物中に溶 して存在するリン化合物である。
 (F)成分も難燃性向上を目的として配合され 難燃性付与を担う必須成分である(D)成分と 相乗作用により、より効果的に組成物の難 性を高める働きをする。
 (F)成分の例としては、トリフェニルフォス ェート、トリクレジルフォスフェート、ト キシレニルフォスフェート、トリエチルフ スフェート、クレジルフェニルフォスフェ ト、キシリルジフェニルフォスフェート等 リン酸エステル類、レゾルシノールビス(ジ フェニル)フォスフェート、ビスフェノールA ス(ジフェニル)フォスフェート、ビスフェ ールAビス(ジクレジル)フォスフェート、レ ルシノールビス(ジ2,6キシレニル)フォスフェ ート等の縮合型リン酸エステル類、およびプ ロポキシフォスファゼン、フェノキシフォス ファゼン、アミノフォスファゼン等のフォス ファゼン化合物等が挙げられる。

 特に好ましい(F)成分は、縮合型リン酸エ テル類、フォスファゼン化合物である。

 (F)成分を添加する場合の配合量は、(A)成分 (B)成分および(C)成分の合計100質量部を基準 して、1~50質量部が好ましく、1~30質量部で ることがより好ましく、1~25質量部であるこ が更に好ましい。1質量部未満であると添加 による難燃性向上効果が不十分であり、一方 、50質量部を越えると塗膜を露光現像により ターン形成するときの解像性や硬化塗膜の 縁信頼性等の物性を低下させることがある
 上記解像性や絶縁信頼性への悪影響を抑え ため、(F)成分の配合量は、(D)成分の配合量 同量以下であることが好ましく、2/3以下で ることがより好ましく、1/2以下であること 更に好ましい。

7.(G)成分
 本発明の感光性組成物は、加熱によりラジ ルを発生する熱重合開始剤(G)が添加された のであってもよい。
 (G)成分としては、例えば、有機過酸化物、 ゾビス構造を有する開始剤などが挙げられ 。分解開始温度が高いために保存安定性が い点と、分解した時に低分子量の揮発成分 発生が少ない点から、ジアルキルパーオキ イドが好ましく、具体的にはジクミルパー キサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド 2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキ ンおよび2,5-ジメチル-2,5-(t-ブチルパーオキ )ヘキシン等が挙げられる。
 また、(G)成分を添加する場合の配合量は、( A)成分、(B)成分および(C)成分の合計100質量部 基準として0.5~10質量部が好ましい。0.5質量 未満では添加効果が不十分となり、10質量 を越えると組成物の保存安定性が悪化しや くなると共に開始剤の分解物の量が多く発 するために硬化物の耐熱性が損なわれる恐 がある。

 本発明の感光性組成物は、エポキシ基を する化合物(以下、エポキシ化合物という) 実質的に含まないものであることが好まし 。組成物がエポキシ化合物を含有すると組 物の保存安定性が悪くなる場合があり、使 が制限される。

 但し、高度な保存安定性が要求されず、硬 物の耐熱性および耐薬品性をさらに向上さ る必要がある場合には、必要に応じて感光 組成物にエポキシ化合物が添加されてもよ 。この場合は、使用前に混合する二液型の 成物としての利用が推奨される。
 エポキシ化合物の具体例としては、クレゾ ルノボラックエポキシ樹脂、フェノールノ ラックエポキシ樹脂、イソシアヌール酸骨 を有するエポキシ樹脂およびビスフェノー A型エポキシ樹脂等が挙げられる。
 エポキシ化合物としては、2個以上のエポキ シ基を有する化合物が好ましい。
 エポキシ化合物を使用する場合には、通常 アミン系硬化剤、酸系硬化剤および酸無水 系硬化剤等を併用することが好ましい。

8.感光性組成物
 本発明の感光性組成物は、前記必須成分(A)~ (E)成分、および必要に応じて(F)、(G)成分、そ の他の成分を、常法に従い撹拌・混合するこ とにより製造することができる。

 本発明の感光性組成物の使用方法として 、コーティング剤、接着剤またはレジスト として使用する場合は、例えば、基材に組 物を塗布した後、活性エネルギー線を照射 、その後、加熱する方法等が挙げられる。

 基材としてはポリカーボネート、ポリメ ルメタクリレートおよびポリ塩化ビニル等 成形樹脂加工品(プラスチック)、金属、ガ ス、セラミックス、コンクリート、自然の 材および合成木材等の木材、石材並びに紙 が挙げられる。

 活性エネルギーとしては、電子線、紫外線 よび可視光線が挙げられる。可視光線およ 紫外線を照射する場合の光源としては、使 する光重合開始剤に応じて適宜選択すれば く、高圧水銀ランプおよびメタルハライド ンプ等を挙げることができる。活性エネル ー照射条件等は、使用する成分および目的 応じて適宜設定すれば良い。
 前記加熱における、加熱方法および条件は 法に従えば良い。

 本発明の感光性組成物は種々の用途に使用 能である。具体的には、塗料等のコーティ グ剤、インキ、レジストおよび成形材等が げられ、レジストとして好ましく使用でき 特にソルダーレジストとしてより好ましく 用できる。
 以下、本発明の組成物をレジストとして使 する場合について説明する。

 本発明の感光性組成物をレジストとして いる場合、レジストに通常配合される、無 充填剤、レベリング剤、消泡剤、顔料およ イオン捕捉剤等の添加剤が必要に応じて添 されてもよい。無機充填剤としては、タル 、クレー、無機水酸化物およびシリカ等が げられる。顔料としては、フタロシアニン ルー、フタロシアニングリーンおよびカー ンブラック等が挙げられる。これらの配合 は、組成物の解像性および保存安定性、硬 物の耐熱性、柔軟性および電気絶縁性など 性能を損なわない範囲で調整される。

 本発明の感光性組成物をレジストとして 用する場合、液状レジストの形態でもドラ フィルムレジストの形態でも使用すること できる。

 液状レジストとして使用する場合には、 要に応じて本発明の感光性組成物に高沸点 剤を添加すると良い。その場合に用いられ 高沸点溶剤の例としては、エチルセロソル 、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール エチルセロソルブアセテート、ブチルセロ ルブアセテート、エチルカルビトールアセ ートおよびブチルカルビトールアセテート が挙げられる。

 本発明の感光性組成物を液状レジストと て使用する場合の使用方法としては、基材 組成物を塗布又は印刷し、加熱により塗膜 乾燥させ、これに紫外線などの活性エネル ー線を照射し、さらに加熱する方法等が挙 られる。

 基材に組成物を塗布する場合の塗布装置と ては、スピンコーター、ロールコーターお びカーテンコーター等が挙げられる。膜厚 しては、目的に応じて適宜設定すれば良い 、1~100μm、特に5~50μmが好ましい。
 基材としては、シリコン、アルミニウム、 、ニッケルおよび銅等の金属;ガラス;ポリ チレンテレフタレート、ポリイミドおよび リカーボネート等のプラスチックなどの基 ;並びにガラスエポキシ基板等の複合基材な が挙げられる。

 レジストをプリント配線板上に形成する には、銅表面を研磨後、銅箔表面に酸化皮 が形成されない内に、レジストを形成する 、より高い密着性が得られるので好ましい また、銅表面酸化処理や粗面処理を行ない 凸を形成した後にレジストを形成すれば更 密着性が良くなる。

 感光性組成物が溶剤を含む場合、組成物 塗布又は印刷した後、加熱により組成物中 溶剤を蒸発させる。この場合の加熱装置と ては、オーブンおよびホットプレート等が げられる。加熱条件としては、使用する組 物の種類および目的に応じて適宜設定すれ 良く、好ましい加熱温度としては、70℃~120 、好ましい加熱時間としては、5~30分である 。

 前記で得られた塗膜上に、特定パターンを 成したフォトマスク等を通じて活性エネル ー線を照射する。
 組成物の硬化に使用する活性エネルギー線 しては、電子線および紫外線等が挙げられ 安価な装置を使用できることから、紫外線 使用することが好ましい。
 活性エネルギー線の照射条件としては、常 に従えば良い。照射条件としては、使用す 感光性組成物の種類および目的に応じて適 設定すれば良く、好ましくは10~5,000mJ/cm 2 、より好ましくは50~500mJ/cm 2 である。

 前記活性エネルギー線の照射の後、未硬化 分をアルカリ現像する。
 現像で使用する希アルカリ水溶液としては 使用する感光性組成物の種類および目的に じて適宜選択すれば良い。例えば、0.5~2%炭 ソーダ水溶液等が挙げられる。
 現像条件としては、使用する感光性組成物 種類および目的に応じて適宜設定すれば良 、現像温度としては、15~50℃、特に20~40℃が 好ましく、現像時間としては、15~180秒、特に 30~120秒が好ましい。

 本発明の感光性組成物は、ソルダーレジス として、特にアルカリ現像タイプの写真法 ルダーレジストとして好ましく使用できる
 この場合、活性エネルギー線を照射し、現 した後、更に諸物性向上のために、加熱又 活性エネルギー線照射により十分な硬化を う事ができる。この加熱方法および条件と ては、使用する組成物の種類および目的に じて適宜設定すれば良く、加熱温度として 、100~250℃、特に130~230℃が好ましく、加熱 間としては、5分~5時間、特に30分~2時間が好 しい。活性エネルギー線の照射条件として 、常法に従えば良い。照射条件としては、 用する組成物の種類および目的に応じて適 設定すれば良く、好ましくは10~5,000mJ/cm 2 、より好ましくは500~3,000mJ/cm 2 である。

 本発明の感光性組成物をドライフィルムの 光層として使用する場合、ドライフィルム 製造方法としては、ポリエチレンテレフタ ート等の支持フィルムに、本発明の組成物 塗布し、溶剤を加熱乾燥により除去した後 ポリプロピレン等のポリオレフィンフィル などをカバーフィルムとして重ね合わせる 法等が挙げられる。組成物塗膜(レジスト層 )の厚さとしては、1~200μm、特に5~50μmが好ま い。
 この場合、使用する支持フィルムの塗工に した溶剤を添加しても良い。組成物中の溶 は、フィルム塗工後に該組成物が重合しな 程度の加熱の温度と時間で揮発させる必要 ある。そのための溶剤例としては、メチル チルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メ ノールおよびエタノール等の比較的低沸点 ものが挙げられる。

 以下、実施例および比較例を示し、本発明 より具体的に説明する。
 以下の実施例および比較例において、「部 とは質量部を意味し、「%」とは質量%を意 する。

〇合成例1〔(A)成分の製造〕
 温度計、攪拌機および冷却器を具備した4口 フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹 〔油化シェルエポキ社製、商品名「エピコ ト828」〕を950g(5.0エポキシ当量)と溶剤であ トルエン450gを入れ、110℃に加熱して均一な 液を得た。この溶液に重合禁止剤としてフ ノチアジン0.50g、触媒としてテトラブチル ンモニウムブロマイド10gおよびアクリル酸36 0g(5.0カルボキシル当量)を加え、空気を吹き みながら110℃で反応させてアクリロイル基 よび水酸基を含有する化合物(エポキシアク レート)を製造した。酸価から計算されるア クリル酸消費率はほぼ100%になった。
 上記生成物の溶液に、無水フタル酸220g(1.5 ル)を加え、110℃に加熱し無水フタル酸が完 に溶解した後、さらに3時間反応させた。こ の溶液にブチルセルソルブ1040gを加えた後、 圧下でトルエンを300g除去することにより、 カルボキシル基を有するエポキシアクリレー ト(a-1)を固形分60%の溶液として得た。

〇合成例2〔(B)成分の製造〕
 温度計、攪拌機および冷却器を具備した4口 フラスコに、トリレンジイソシアネート64gお よびジラウリル酸ジブチルスズ200ppmを入れ、 70℃に維持しながら、ポリカーボネートジオ ル〔東亞合成社製、エチレンカーボネート 1,6-ヘキサンジオールの反応物であるカーボ ネートジオール〕390gを攪拌下で徐々に加え 1時間攪拌して反応させた。この溶液にジラ リル酸ジブチルスズ50ppmを加え、更に2-ヒド ロキシエチルアクリレート48gを攪拌下でかつ 70℃に維持しながら徐々に加えて反応させ、 外吸収スペクトルで反応生成物を分析し、- NCO基の特性吸収が消失するのが確認されるま で反応を継続した。
 その結果、カルボキシル基を有しないポリ ーボネートポリオール骨格のウレタンアク レート(b-1)をゴム状固形物として500g得た。

〇合成例3〔(B)成分の製造〕
 温度計、攪拌機および冷却器を具備した4口 フラスコに、トリレンジイソシアネート72gお よびジラウリル酸ジブチルスズ50ppmを入れ、7 0℃に維持しながら、ポリカーボネートジオ ル〔旭化成ケミカルズ社製、商品名「PCDL T6 001」〕280gとジメチロールプロピオン酸12gを 拌下で徐々に加え、1時間攪拌して反応させ 。この溶液にジラウリル酸ジブチルスズ50pp mを加え、更に2-ヒドロキシエチルアクリレー ト17gを攪拌下でかつ70℃に維持しながら徐々 加えて反応させ、赤外吸収スペクトルで反 生成物を分析し、-NCO基の特性吸収が消失す るのが確認されるまで反応を継続した。
 その結果、カルボキシル基を有するポリカ ボネートポリオール骨格のウレタンアクリ ート(b-3)をゴム状固形物として380g得た。

〇合成例4〔(B)成分の製造〕
 温度計、攪拌機および冷却器を具備した4口 フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネー ト33gおよびジラウリル酸ジブチルスズ50ppmを れ、70℃に維持しながら、ポリカーボネー ジオール〔旭化成ケミカルズ社製、商品名 PCDL T5650J」〕100gを攪拌下で徐々に加え、30 攪拌して反応させた。この溶液にジラウリ 酸ジブチルスズ50ppmを加え、更に2-ヒドロキ エチルアクリレート24gを攪拌下でかつ70℃ 維持しながら徐々に加えて反応させ、赤外 収スペクトルで反応生成物を分析し、-NCO基 特性吸収が消失するのが確認されるまで反 を継続した。
 その結果、カルボキシル基を有しないポリ ーボネートポリオール骨格のウレタンアク レート(b-4)をゴム状固形物として156g得た。

〇合成例5〔(B)成分の製造〕
 温度計、攪拌機および冷却器を具備した4口 フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネー ト34gおよびジラウリル酸ジブチルスズを50ppm れ、70℃に維持しながら、ポリエステルジ ール〔東亞合成社製、商品名「PES-360」〕1000 gとポリカーボネートジオール〔旭化成ケミ ルズ社製、商品名「PCDL T5652」〕200gを攪拌 で徐々に加え、1時間攪拌して反応させた。 の溶液にジラウリル酸ジブチルスズ50ppmを え、更に2-ヒドロキシエチルアクリレート13g を攪拌下でかつ70℃に維持しながら徐々に加 て反応させ、赤外吸収スペクトルで反応生 物を分析し、-NCO基の特性吸収が消失するの が確認されるまで反応を継続した。
 その結果、カルボキシル基を有しないポリ ーボネートポリオール骨格のウレタンアク レート(b-5)をゴム状固形物として1246g得た。

〇実施例1~11、比較例1~7
 2,4-ジエチルチオキサントン(増感剤)1部およ びメチルエチルケトン(溶剤)と、下記に示す( A)成分~(J)成分をそれぞれ固形分比率で下記表 1および表2に示す配合比率に従い使用し、こ らを三本ロールで練ることにより、固形分6 5%の組成物を調製した。

 表1および表2における各成分の欄の数値は 質量部を意味する。又、各成分の略号の意 は、下記のとおりである。
(a-1):合成例1で得たカルボキシル基を有する ポキシアクリレート
(b-1):合成例2で得たカルボキシル基を有しな ポリカーボネートポリオール骨格のウレタ アクリレート〔質量平均分子量8000〕
(b-2):ポリエステルポリオール型ウレタンアク リレート〔新中村化学(株)製「U-200AX」、数平 均分子量13000〕〕
(b-3):合成例3で得たカルボキシル基を有する リカーボネートポリオール骨格のウレタン クリレート〔質量平均分子量10000〕
(b-4):合成例4で得たカルボキシル基を有しな ポリカーボネートポリオール骨格のウレタ アクリレート〔質量平均分子量1800〕
(b-5):合成例5で得たカルボキシル基を有しな ポリカーボネートポリオール骨格のウレタ アクリレート〔質量平均分子量60000〕
(c-1):ジペンタエリスリトール〔ペンタアクリ レートとジペンタエリスリトールヘキサアク リレートからなる組成物(東亞合成社製、商 名「アロニックスM-400」〕
(c-2)ペンタエリスリトールジアクリレートモ ステアレート〔東亞合成社製、商品名「ア ニックスM-233」〕
(d-1):ジエチルホスフィン酸アルミニウム〔ク ラリアントジャパン社製、商品名「EXOLIT OP-9 30」、平均粒子径約5μm、P含有量23%〕
(d-2):ポリリン酸メラミン〔三和ケミカル社製 、商品名「MPP-B」、平均粒子径12μm、P含有量1 3%〕
(d-3):ポリリン酸アンモニウム〔鈴祐化学社製 、商品名「FCP-720」、平均粒子径20μm、P含有 13%〕
(e-1):光重合開始剤、2-メチル-〔4-(メチルチオ )フェニル〕-2-モリフォリノ-1-プロパノン〔 バ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商 名「イルガキュア907」〕
(f-1):芳香族縮合リン酸エステル〔大八化学社 製、商品名「PX-200」、P含有量14%〕
(f-2):ポリフォスファゼン〔大塚化学社製、商 品名「SPB-100」、P含有量13%〕
(g-1):熱重合触媒、ジクミルパーオキサイド〔 日本油脂社製、商品名「パークミルD」〕
(h-1):ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔油化 ェルエポキシ社製、商品名「エピコート828 〕
(i-1):メラミン〔上記(h-1)エポキシ樹脂の硬化 〕
(j-1):水酸化マグネシウム〔無機水酸化物系難 燃剤、協和化学工業社製、商品名「キスマ5A 、平均粒子径1μm〕

 厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート フィルム(ベースフィルム)上に、上記感光性 組成物を塗工し、100℃で10分間加熱して揮発 成分を蒸発させ、感光性組成物の被膜(厚さ 約30μm)を形成した。その後、該被膜の上に厚 さ25μmポリエチレン製フィルム(カバーフィル ム)を貼り合わせてドライフィルムを作成し 。

 ドライフィルムの評価にあたりカバーフィ ムを剥がした。カバーフィルムを剥がした ライフィルムを70℃に加温しながら、感光 組成物の被膜(以下、感光層ともいう。)が後 述する基板に付着するように、ラミネーター を用いてラミネートした。このようにして得 られた感光層つき基板は、基板の上に感光層 が形成され、その上にベースフィルムが被覆 されたものである。
 この感光層つき基板について、解像度、保 安定性、難燃性、基板反り、耐屈曲性、は だ耐熱および絶縁信頼性を、以下の方法に い評価した。評価結果を表3および表4に示 。

(解像度・保存安定性)
 基板としてFR-4基板〔住友ベークライト社製 、銅箔厚さ18μm〕を使用した。作成した感光 つき基板の感光層に、60μm、80μm、100μmおよ び200μmのライン幅のパターンを持つフォトマ スクを用いて250mJ/cm 2 の光量で露光した。上記フォトマスクはベー スフィルム上に置かれ、感光層への露光は、 フォトマスクおよびベースフィルムを通して なされた。露光後、ベースフィルムを剥がし 、液温が30℃で濃度1%の炭酸ナトリウム水溶 を、1.5kg/cm 2 の圧力で60秒間スプレーし、感光層の未露光 を除去することによりアルカリ現像を行っ 試験片を得た。得られた試験片を顕微鏡で 察し、感光層硬化膜の状態について、次の3 段階で評価した。
〇・・・異常なかった。
△・・・一部に異常(残渣、剥離、蛇行等)が られた。
×・・・全面的に異常(残渣、剥離、蛇行等) みられた。
 保存安定性の評価は、ドライフィルムを15 で1ヶ月保存した後に、上記と同様に感光層 き基板を作成し、露光、現像した試験片に いて解像度を評価したものである。

(難燃性)
 基板として25μm厚ポリイミドフィルム〔東 ・デュポン社製、商品名「カプトン」〕を 用した。感光層つき基板に1000mJ/cm 2 の光量で露光した。ついでベースフィルムを 剥がし、160℃で30分間ポストキュアし試験片 得た。
 上記試験片を用い、UL-94規格の薄手材料垂 燃焼試験方法に準じて難燃性を評価した。

(基板反り)
 基板として25μm厚ポリイミドフィルム〔東 ・デュポン社製、商品名「カプトン」〕を 用した。感光層つき基板に1000mJ/cm 2 の光量で露光した。ついでベースフィルムを 剥がし、160℃で30分間ポストキュアし、100mm にカットして試験片を得た。
 試験片を水平な床の上において、各試験片 角の床からの高さをmm単位で測定し、その 均値を反りの大きさとして評価した。
×・・・完全にカールするため反りが測定で なかった。

(耐屈曲性)
 基板として25μm厚ポリイミドフィルム〔東 ・デュポン社製、商品名「カプトン」〕を 用した。感光層つき基板に1000mJ/cm 2 の光量で露光した。ついでベースフィルムを 剥がし、160℃で30分間ポストキュアし、100mm にカットして試験片を得た。
 試験片の感光層が外側になるように90°また は180°に折り曲げ、感光層のクラック等の損 を目視により観察し、次の3段階で評価した 。
〇・・・感光層に異常はなかった。
△・・・感光層表面に異常(クラック等)があ た。
×・・・感光層の下面までクラックが達して た。

(はんだ耐熱)
 基板としてFR-4基板〔住友ベークライト社製 、銅箔厚さ18μm〕を使用した。感光層つき基 に1000mJ/cm 2 の光量で露光した。ついでベースフィルムを 剥がし、160℃で30分間ポストキュアし試験片 得た。試験片を280℃の溶融はんだ浴に10秒 浸漬させることを1サイクルとして、5サイク ル行なった後に硬化膜の状態を目視により観 察し、次の3段階で評価した。
〇・・・感光層の剥れはなかった。
△・・・感光層の一部が剥れた。
×・・・感光層の大部分が剥れ又は完全剥離 た。

(絶縁信頼性)
 FR-4基板〔住友ベークライト社製、銅箔厚さ 18μm〕から作成されたくし型テストパターン( 線幅100μm、線間100μm)基板を用い、感光層つ 基板に1000mJ/cm 2 の光量で露光した。ついでベースフィルムを 剥がし、160℃で30分間ポストキュアし試験片 得た。得られた試験片に温度85℃、相対湿 85%の雰囲気中で直流50Vを印加した状態で250 間、500時間、1000時間放置後の絶縁抵抗値を 定した。
×・・・配線間が短絡し、抵抗値測定不可。

 表3によれば、実施例1~8では、解像度、保 存安定性、難燃性、基板の反り、耐屈曲性及 びはんだ耐熱のいずれの結果も良好であり、 絶縁信頼性も、1000時間保存後にやや抵抗が 下することもあるが、実用上、何ら問題の い範囲であり、優れていることが分かる。 た、カルボキシル基を有するポリカーボネ トポリオール骨格のウレタンアクリレート 用いた実施例9では、絶縁信頼性が少し低下 る傾向にある。更に、カルボキシル基を有 ないポリカーボネートポリオール骨格のウ タンアクリレートを用いているものの、そ 質量平均分子量が小さい実施例10では、基 反りおよび耐屈曲性がやや低下し、質量平 分子量が大きい実施例11では、解像度が低下 する傾向にある。

 一方、表4によれば、比較例1~7では、複数 の評価項目において劣っていることが分かる 。特に、解像度は全ての比較例で劣っており 、絶縁信頼性も比較例6を除いて大きく劣っ おり、比較例6の絶縁信頼性も優れていると いえない。

 本発明の感光性組成物は、例えばフィルム 持体上に被膜形成されて、感光性ドライフ ルムを提供するほか、レジスト、特にソル ーレジストなどの電子材料として好ましく 用でき、薄型のプリント配線板やFPC基板の 工にも使用可能である。
 また、塗料等のコーティング剤、インキと ても使用することができる。