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Patent Searching and Data


Title:
PHOTOSENSITIZING ELEMENT AND SOLAR BATTERY USING THE PHOTOSENSITIZING ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116511
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are a photosensitizing element that can realize a high photoelectric conversion efficiency and has a prolonged durability life, and a solar battery using the photosensitizing element. A solar battery (1) comprises a semiconductor electrode (10) including a substrate (18) with an electroconductive film (16) formed on a surface thereof and a porous semiconductor layer (20) provided on the substrate (18). The solar battery (1) further comprises a counter electrode (12) including a substrate (30) with an electroconductive film (28) formed on a surface thereof, and an electroconductive material-containing carrier transport layer (14) held between the semiconductor electrode (10) and the counter electrode (12). An optical absorber (22) containing an inorganic material (24) bearing an organic molecule (26) as an aromatic ring-containing molecule is supported on the surface of the porous semiconductor layer (20).

Inventors:
HAN LIYUAN
FUKE NOBUHIRO
KOIDE NAOKI
ASHRAFUL ISLAM
FUKUI ATSUSHI
Application Number:
JP2009/055121
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 17, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SHARP KK (JP)
HAN LIYUAN
FUKE NOBUHIRO
KOIDE NAOKI
ASHRAFUL ISLAM
FUKUI ATSUSHI
International Classes:
H01M14/00; H01L31/04
Foreign References:
JP2004087148A2004-03-18
JP2006024495A2006-01-26
JP2006139961A2006-06-01
JP2003086257A2003-03-20
JP2007103310A2007-04-19
JP2007234580A2007-09-13
JP2005129259A2005-05-19
JP2006310186A2006-11-09
JP2664194B21997-10-15
JP2007273984A2007-10-18
US20070137998A12007-06-21
Other References:
See also references of EP 2259377A4
R. D. SHALLER: "Physical Review Letters, (US)", vol. 92, 2004, AMERICAN PHYSICAL SOCIETY, pages: 186601
R. D. SHALLER, NATURE PHYSICS, vol. 1, 2005, pages 189 - 194
A. BOULESBAA: "Journal of the American Chemical Society", vol. 129, 2007, AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, pages: 15132 - 15133
P. YU: "The Journal of Physical Chemistry B, (US)", vol. 110, 2006, AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, pages: 25451 - 25454
Y. TACHIBANA: "Chemistry Letters", vol. 36, 2007, THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN, pages: 88 - 89
JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, (US), AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 115, 1993, pages 8706 - 8715
THE JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY A, (US), AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 98, 1994, pages 3183
JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, (US), AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 123, 2001, pages 183 - 184
THE JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY A, (US), AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 107, 2003, pages 14154
THE JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY B, (US), AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 103, 1999, pages 3065
THE JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY B, (US), AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 106, 2002, pages 10634
JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, (US), AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 126, 2004, pages 11752
THE JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY B, (US), AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 110, 2006, pages 25451 - 25454
JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY (US), AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 115, 1993, pages 8706 - 8715
Attorney, Agent or Firm:
SHIMIZU, SATOSHI (JP)
Spring water 敏 (JP)
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Claims:
 芳香環を有する分子である有機分子が担持された無機材料を含むことを特徴とする光増感素子。
 前記有機分子は、前記無機材料と物理的及び電気的に結合する機能を持つインターロック基を有することを特徴とする請求項1に記載の光増感度素子。
 前記有機分子の分子量は、500以下であることを特徴とする請求項1に記載の光増感素子。
 前記無機材料及び前記有機分子は、前記有機分子の最低空分子軌道のエネルギー準位が、前記無機材料の伝導帯の基底エネルギー準位よりも高くなるように選ばれることを特徴とする請求項1に記載の光増感素子。
 前記無機材料及び前記有機分子は、前記有機分子の最高被占分子軌道のエネルギー準位が、前記無機材料の価電子帯の最高次のエネルギー準位よりも高くなるように選ばれることを特徴とする請求項1に記載の光増感素子。
 前記有機分子は、塩基性複素環又は電子供与基、及び、酸性複素環又は電子吸引基を有していることを特徴とする請求項1に記載の光増感素子。
 前記無機材料は、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、硫化鉛、セレン化鉛、硫化アンチモン、セレン化アンチモン、ヒ化インジウム及びインジウムガリウムヒ素からなるグループから選択されることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか1つに記載の光増感素子。
 表面に形成された第1の導電膜を有する第1の基板と、当該第1の基板上に形成された多孔性半導体層とを含む半導体電極と、
 表面に形成された第2の導電膜を有する第2の基板を含む対電極と、
 前記半導体電極と前記対電極との間に挟持され、導電性材料を含むキャリア輸送層とを備え、
 前記多孔性半導体層の表面には、請求項1に記載の光増感素子が担持されることを特徴とする太陽電池。
 前記有機分子の最高被占分子軌道のエネルギー準位は、前記導電性材料の酸化還元電位又はフェルミ準位よりも小さいことを特徴とする請求項8に記載の太陽電池。
 前記多孔性半導体層は、金属酸化物半導体化合物からなることを特徴とする請求項8に記載の太陽電池。
 前記有機分子の最高被占分子軌道のエネルギー準位と最低空分子軌道のエネルギー準位との差は、前記金属酸化物半導体化合物の伝導帯の基底エネルギー準位と価電子帯の最高次のエネルギー準位との差よりも大きいことを特徴とする請求項10に記載の太陽電池。
 前記金属酸化物半導体化合物は、酸化チタンであることを特徴とする請求項10に記載の太陽電池。
Description:
光増感素子及びそれを用いた太 電池

 本発明は、光増感素子及びそれを用いた 陽電池に関し、特に、光電変換効率を向上 せた光増感素子及びそれを用いた太陽電池 関する。

 近年、化石燃料に代わるエネルギー源と て、太陽光による光エネルギーを電気エネ ギーに変換できる太陽電池が注目されてお 、結晶系シリコン基板又は薄膜シリコンを いた太陽電池が実用化され始めている。し し、結晶系シリコン基板又は薄膜シリコン 製造コストが非常に高く、これらを用いた 陽電池は非常に高価なものになってしまう いう問題がある。このような太陽電池にお ては、製造に費やしたコストを回収するた に、光電変換効率の高効率化による発電出 あたりのコストを低減する努力が続けられ いるが、充分な光電変換効率が得られてい いのが現状である。

 そこで、新しいタイプの太陽電池として 金属錯体又は感光色素等からなる光増感素 の光誘起電子移動を応用した湿式太陽電池 提案されている(例えば、特許文献1参照。) 光増感素子を用いた湿式太陽電池は、表面 電極が形成された透明基板上に光電変換材 である半導体層が形成された半導体電極と 表面に電極が形成された基板からなる対電 と、これらの間に挟持され、酸化還元種を むキャリア輸送層とを含む。半導体層の表 には、可視光領域に吸収スペクトルを有す 光増感素子が担持される。

 このような湿式太陽電池に対して太陽光 照射されると、半導体層表面の光増感素子 光を吸収し、これにより光増感素子中の電 が励起される。励起された電子は、半導体 に移動した後、半導体電極の電極から電気 路(図示せず。)を通って対電極の電極に移 し、移動した電子はキャリア輸送層中の酸 還元種を還元する。還元された酸化還元種 、半導体層に電子を移動させることによっ 酸化された光増感素子を還元する。このよ な過程を繰返すことによって、電子の流れ 介して光エネルギーから連続的に変換され 電気エネルギーを得ることができる。

 感光色素、フォトクロミック分子又はワ ドギャップ半導体等からなる光増感素子は 光センサ、太陽電池又は光触媒等に利用で るため、近年の環境保全及び省エネルギー 問題に対する関心の高まりから非常に注目 れている。これらの光増感素子の中でも、 に写真技術に用いられる感光色素は、研究 び開発の歴史が長く、シアニン色素、メロ アニン色素、スクアリウム酸色素又はフタ シアニン色素等の高性能な色素が開発され いる。光増感素子として感光色素を用いる 合、感光色素と酸化還元種との電荷交換反 速度が速いために、高い光電変換効率を得 ことができる。

 また近年、大きさが数十Åの無機材料から るナノクラスターを形成し、エネルギーギ ップをナノクラスターサイズで制御するこ で光吸収波長を制御可能な量子ドットと呼 れる光増感素子が開発されており(例えば、 非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3参 照。)、このような量子ドットを光増感素子 して用いた太陽電池も提案されている(例え 、特許文献2、特許文献3、非特許文献4及び 特許文献5参照。)。特許文献2には、硫化ア チモン(Sb 2 S 3 )からなる量子ドットを用いた太陽電池につ て開示されており、特許文献3には、半導体 らなる量子ドットと触媒とが化学的に結合 れた光触媒分子を光増感素子として用いる 陽電池について開示されている。

先行技術文献

アール・ディー シャラー(R.D.SCHALLER)ら 物理学総説誌(Physical Review Letters)、(アメリ 合衆国)、アメリカ物理学会、2004年、第92巻 、p.186601 アール・ディー シャラー(R.D.SCHALLER)ら 自然物理学1(Nature Physics 1)、2005年、p.189-p.19 4 エイ ブーレスバー(A.BOULESBAA)ら、米国化 学会誌(Journal of the American Chemical Society)、( アメリカ合衆国)、アメリカ化学会、2007年、 129巻、p.15132-p.15133 ピー ユ(P.Yu)ら、物理化学誌B(The Journal  of Physical Chemistry B)、(アメリカ合衆国)、ア リカ化学会、2006年、第11巻、p.25451-p.25454 ワイ タチバナ(Y.Tachibana)ら、日本化学会 速報誌(Chemstry Letters)、日本化学会、2007年、 36巻、p.88-p.89

特許第2664194号明細書

特開2007-273984号公報

米国特許出願公開第2007/0137998号明細書

 特許文献2、特許文献3、非特許文献4及び 特許文献5等に開示される従来の太陽電池に おいて用いられる量子ドットは、高い光吸光 係数を有し、価電子帯中の電子が伝導帯へ遷 移しやすく光を吸収しやすい反面、伝導帯中 の電子が価電子帯へ遷移しやすく光を放出し やすいため、励起された電子(以下、単に「 起電子」と記す。)の寿命が短いという問題 ある。したがって、光増感素子として量子 ットを用いる光センサ及び太陽電池の耐久 命も短くなってしまうおそれがある。また 量子ドットと酸化還元種との電荷交換反応 度は遅く、充分な光電変換効率を得ること できないという問題がある。

 本発明は、上述の問題に鑑みてなされた のであり、その目的は、高い光電変換効率 達成でき、耐久寿命の長い光増感素子及び れを用いた太陽電池を提供することである

 本発明の第1の局面に係る光増感素子は、 芳香環を有する分子である有機分子が担持さ れた無機材料を含む。このように、有機分子 が芳香環を有することによって、無機材料の 価電子帯における正孔がより還元されやすく なるので、電子と正孔とが確実に分離されて 電荷の再結合を防ぐことができる。そのため 、無機材料内の励起電子の寿命を長くできる とともに、無機材料への電子注入がエネルギ ー収支的に効率よく行なわれるようになる。 したがって、このような有機分子が担持され た無機材料を含む光増感素子は、耐久寿命が 長く、高い光電変換効率を得ることができる 。

 好ましくは、有機分子は、無機材料と物 的及び電気的に結合する機能を持つインタ ロック基を有する。有機分子は、インター ック基を介して無機材料に物理的に結合す ことで、無機材料に強固に担持される。ま 、インターロック基は、無機材料と有機分 との間における励起電子の移動を容易にす 電気的結合を提供するので、有機分子から 機材料への電子注入がより効率的に行なわ るようになる。

 更に好ましくは、有機分子の分子量は、5 00以下である。これにより、有機分子のサイ が1nmより小さくなり、1つの無機材料に担持 される有機分子の数が好ましい範囲内になる ので、有機分子から無機材料への電子注入が より一層効率的に行なわれるようになる。

 更に好ましくは、無機材料及び有機分子 、有機分子の最低空分子軌道のエネルギー 位が、無機材料の伝導帯の基底エネルギー 位よりも高くなるように選ばれる。これに り、無機材料内で励起された電子の有機分 への遷移が抑制されるので、励起電子の寿 を長くすることができる。

 更に好ましくは、無機材料及び有機分子 、有機分子の最高被占分子軌道のエネルギ 準位が、無機材料の価電子帯の最高次のエ ルギー準位よりも高くなるように選ばれる これにより、有機分子から無機材料への電 注入がより効率的に行なわれるようになり 無機材料の価電子帯における正孔が有機分 によってより還元されやすくなる。したが て、電子と正孔との分離が確実になり、電 の再結合を防ぐことができるので、無機材 内の励起電子の寿命をより一層長くするこ ができる。

 更に好ましくは、有機分子は、塩基性複 環又は電子供与基、及び、酸性複素環又は 子吸引基を有している。これにより、有機 子から無機材料への電子注入がより効率的 行なわれるようになるので、より高い光電 換効率を得ることができるようになる。

 更に好ましくは、無機材料は、硫化カド ウム、セレン化カドミウム、硫化鉛、セレ 化鉛、硫化アンチモン、セレン化アンチモ 、ヒ化インジウム及びインジウムガリウム 素からなるグループから選択される。これ より、励起状態の有機分子から多孔性半導 層への電子注入がより効率的に行なわれる うになるので、より効率的に光電変換を行 ことができるようになる。

 本発明の第2の局面に係る太陽電池は、表 面に形成された第1の導電膜を有する第1の基 と、当該第1の基板上に形成された多孔性半 導体層とを含む半導体電極と、表面に形成さ れた第2の導電膜を有する第2の基板を含む対 極と、半導体電極と対電極との間に挟持さ 、導電性材料を含むキャリア輸送層とを備 、多孔性半導体層の表面には、上述の光増 素子が担持される。このように、上述の光 感素子を有するので、光電変換効率が高く 耐久寿命の長い安価な太陽電池を得ること できる。

 好ましくは、有機分子の最高被占分子軌 のエネルギー準位は、導電性材料の酸化還 電位又はフェルミ準位よりも小さい。これ より、酸化状態の有機分子への電子注入を り効率よく行うことができ、光増感素子と 化還元種との電荷交換反応速度をより速く ることができる。

 更に好ましくは、多孔性半導体層は、金 酸化物半導体化合物からなる。これにより 安定性および安全性に優れた太陽電池を得 ことができる。

 更に好ましくは、有機分子の最高被占分 軌道のエネルギー準位と最低空分子軌道の ネルギー準位との差は、金属酸化物半導体 合物の伝導帯の基底エネルギー準位と価電 帯の最高次のエネルギー準位との差よりも きい。これにより、多孔性半導体層に吸収 れる光が有機分子に吸収されてしまうこと 抑制できるので、より効率的に光電変換を うことができるようになる。

 更に好ましくは、金属酸化物半導体化合 は、酸化チタンである。これにより、安定 および安全性により優れ、光増感素子をよ 増感させやすい太陽電池を得ることができ 。

 本発明の光増感素子は、芳香環を有する 子である有機分子が担持された無機材料を む。このように、有機分子が芳香環を有す ことによって、無機材料の価電子帯におけ 正孔がより還元されやすくなるので、電子 正孔とが確実に分離されて電荷の再結合を ぐことができる。そのため、無機材料内の 起電子の寿命を長くできるとともに、無機 料への電子注入がエネルギー収支的に効率 く行なわれるようになる。したがって、こ ような有機分子が担持された無機材料を含 光増感素子は、耐久寿命が長く、高い光電 換効率を得ることができる。

本発明の一実施の形態に係る太陽電池 構成を示す断面図及びその一部拡大図であ 。

符号の説明

 1 太陽電池、5 半導体微粒子、10 半導体 電極、12 対電極、14 キャリア輸送層、16,28  導電膜、18,30 基板、20 多孔性半導体層、32  触媒層、22 光吸収体、24 無機材料、26 有機 分子

 以下、図面を参照しつつ本発明の実施の 態について説明する。以下の説明及び図面 おいては、同一の部品には同一の参照符号 び名称を付してある。それらの機能も同様 ある。したがって、それらについての詳細 説明をその都度繰返すことはしない。

 〈構成〉
 図1(A)は、本発明の一実施の形態に係る太陽 電池1の構成を示す断面図であり、図1(B)は、 の一部(図1における円50の部分)の拡大図で る。図1を参照して、太陽電池1は、半導体電 極10と、対電極12と、これらの間に挟持され キャリア輸送層14とを含む。半導体電極10は 表面に形成された導電膜16を有する基板18と 、基板18上に形成された多孔性半導体層20と 含む。多孔性半導体層20表面、すなわち半導 体微粒子5の表面には、光増感素子である光 収体22として、無機材料24及び有機分子26が 持される。対電極12は、表面に形成された導 電膜28を有する基板30と、基板30上に形成され た触媒層32とを含む。

 以下、太陽電池1を構成する半導体電極10 対電極12及びキャリア輸送層14について詳細 に説明する。

 [半導体電極10]
 半導体電極10は、表面に形成された導電膜16 を有する基板18と、基板18上に形成された多 性半導体層20とを含む。

 基板18としては、実質的に透明であり太陽 池1の各部を支持し得るものであれば特に限 されるものではないが、ソーダ石灰フロー ガラス若しくは石英ガラス等のガラス、又 セラミック等の耐熱性材料からなる基板を 用できる。基板18の厚みとしては、太陽電 1に適当な機械的強度を付与できる程度であ ば特に限定されるものではないが、0.5mm~8mm あることが好ましい。導電膜16としては、 明導電性材料からなる膜であれば特に限定 れるものではなく、インジウム-スズ複合酸 物(ITO)、酸化スズ(SnO 2 )、フッ素ドープされた酸化スズ(FTO)、ヨウ化 銅(CuI)又は酸化亜鉛(ZnO)等からなる膜を使用 きる。導電膜16の膜厚としては、0.02μm~5μmで あることが好ましい。また、導電膜16の表面 抗は低いことが好ましく、特には、40ω/sq以 下であることが好ましい。導電膜16は、スパ タ法又はスプレー法等の公知の方法によっ 基板18上に形成できる。基板18及び導電膜16 しては、FTOからなる導電膜16をソーダ石灰 ロートガラスからなる基板18上に積層したも の(例えば、日本板硝子株式会社製の市販品 )を使用することが好ましい。

 多孔性半導体層20の構成材料としては、当 分野において一般的に光電変換材料として 用されるものであれば特に限定されるもの はなく、酸化チタン(TiO 2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO 2 )、酸化鉄(Fe 2 O 3 )、酸化ニオブ(Nb 2 O 5 )、酸化セリウム(CeO 2 )、酸化タングステン(WO 3 )、チタン酸バリウム(BaTiO 3 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO 3 )、銅アルミニウム酸化物(CuAlO 2 )若しくはストロンチウム銅酸化物(SrCu 2 O 3 )等の金属酸化物半導体化合物、又は、硫化 ドミウム(CdS)、硫化鉛(PbS)、硫化亜鉛(ZnS)、 ン化インジウム(InP)若しくは銅-インジウム 化物(CuInS 2 )等の半導体化合物を単独又は組合せて使用 きる。これらの中でも、安定性及び安全性 点から、金属酸化物半導体化合物であるこ が好ましく、更には酸化チタンであること 好ましい。酸化チタンとしては、アナター 型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定 酸化チタン、メタチタン酸若しくはオルソ タン酸等の各種の狭義の酸化チタン、水酸 チタン又は含水酸化チタン等を単独又は混 物として使用できる。アナターゼ型及びル ル型の2種類の結晶系酸化チタンは、その製 又は熱履歴によりいずれの形態もとり得る 、アナターゼ型が一般的である。アナター 型酸化チタンは、ルチル型酸化チタンより 光吸収の長波端波長が短いため、紫外光に る光電変換効率の低下を起こす度合いが小 く、光吸収体22をより一層増感させやすい そのため、光吸収体22の増感に関しては、ア ナターゼ型酸化チタンの含有率の高いものが 好ましく、特には、80%以上アナターゼ型酸化 チタンを含むものが好ましい。

 多孔性半導体層20は、上述の構成材料の 粒子(以下、「半導体微粒子」と記す。)5を いて形成される多孔質状の膜である。半導 微粒子5の形態としては、単結晶又は多結晶 うちのいずれの結晶系であってもよいが、 定性、結晶成長の容易さ、及び、製造コス が低い等の観点から、多結晶である方が好 しい。また、ナノからマイクロスケールの 結晶微粒子の形態であることが特に好まし 。半導体微粒子5の平均粒径は10nm~500nmであ ことが好ましい。ここで、平均粒径とは、 積平均粒径のことを示す。

 半導体微粒子5は、2種類以上の粒子サイ の異なる微粒子を上述の平均粒径の範囲に るように混合して用いることが好ましい。 子サイズの異なる半導体微粒子5を使用する 合、粒子サイズの大きい半導体微粒子5と小 さい半導体微粒子5との平均粒径の比率は、10 倍以上の差がある方が好ましい。具体的には 、粒子サイズの大きい半導体微粒子5の平均 径は100nm~500nmであり、粒子サイズの小さい半 導体微粒子5の平均粒径は5nm~50nmであることが 好ましい。粒子サイズの大きい半導体微粒子 5は、入射光を散乱させ光捕捉率の向上に寄 し、粒子サイズの小さい半導体微粒子5は、 吸収体22の吸着点をより多くして光吸収体22 の吸着量の向上に寄与する。また、異なる材 料からなる半導体微粒子5を混合する場合、 着作用の強い材料を粒子サイズの小さい半 体微粒子5に用いた方が効果的である。最も ましい構成材料である酸化チタンからなる 導体微粒子5は、気相法又は液相法(水熱合 法又は硫酸法)等の各種文献等に記載されて る公知の方法に準じて製造できる。また、D egussa社が開発した塩化物(商品名:P25)を高温加 水分解する方法によっても製造できる。

 多孔性半導体層20表面には、光増感素子 ある光吸収体22として、無機材料24及び有機 子26が担持される。より具体的には、有機 子26が担持された無機材料24が多孔性半導体 20表面に担持される。

 無機材料24の構成材料としては、当該分野 おいて一般的に光電変換材料として使用さ るものであれば特に限定されるものではな 、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム (CdSe)、硫化鉛(PbS)、セレン化鉛(PbSe)、硫化ア チモン(Sb 2 S 3 )、セレン化アンチモン(SbSe)、ヒ化インジウ (InAs)、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)及びテ ルル化カドミウム(CdTe)等からなるグループか ら選択される材料を使用できる。無機材料24 構成材料として上述のような材料を用いる とにより、有機分子26から多孔性半導体層20 への電子注入がより効率的に行なわれるよう になるので、より効率的に光電変換を行うこ とができるようになる。

 無機材料24は、上述の構成材料からなる 子ドットとして使用される。量子ドットの イズとしては、0.5nm~5nmが好ましい。これに って、光電変換可能な波長の領域が長波長 まで広がるので、広領域の可視光を電気に 換することができるようになる。量子ドッ のサイズが0.5nmより小さいと、無機材料のバ ンドギャップ(禁制帯)が大きくなるために短 長側の光しか吸収できなくなるおそれがあ 。また量子ドットのサイズが5nmより大きい 、量子ドットにおけるエネルギー準位が離 化されなくなり、量子効果が発現しなくな おそれがある。ここで、量子ドットのサイ とは、量子ドットの直径のことを示し、透 型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope) 等を用いて測定することができる。また、バ ンドギャップとは、伝導帯の基底エネルギー 準位と価電子帯の最高次のエネルギー準位と の差を示し、伝導帯とは、バンドギャップの ある系においてバンドギャップの頂上にある 空のバンドのことを示し、価電子帯とは、絶 縁体や半導体において価電子によって満たさ れたエネルギーバンドのことを示す。量子効 果とは、電子をナノメートルサイズの量子ド ット内に閉じ込めることで、波動としての性 質が顕著に現れるようになる効果を示す。

 このような量子ドットは、各種文献等に記 される公知の方法により製造することがで る。例えば、硫化カドミウム(CdS)からなる 子ドットは、米国化学会誌(Journal of the Amer ican Chemical Society)、(アメリカ合衆国)、アメ カ化学会、1993年、第115巻、p.8706-p.8715に記 の方法、物理化学誌A(The Journal of Physical Ch emistry A)、(アメリカ合衆国)、アメリカ化学 、1994年、第98巻、p.3183に記載の方法、米国 学会誌(Journal of the American Chemical Society、( アメリカ合衆国)、アメリカ化学会、2001年、 123巻、p.183-p.184に記載の方法、又は、物理 学誌A(The Journal of Physical Chemistry A)、(アメ リカ合衆国)、アメリカ化学会、2003年、第107 、p.14154に記載の方法に従って製造できる。 セレン化カドミウム(CdSe)からなる量子ドット は、物理化学誌B(The Journal of Physical Chemistry  B)、(アメリカ合衆国)、アメリカ化学会、199 9年、第103巻、p.3065に記載の方法、又は、米 化学会誌(Journal of the American Chemical Society) 、(アメリカ合衆国)、アメリカ化学会、1993年 、第115巻、p.8706-p.8715に記載の方法に従って 造できる。硫化鉛(PbS)又はセレン化鉛(PbSe)か らなる量子ドットは、物理化学誌B(The Journal of Physical Chemistry B)、(アメリカ合衆国)、ア メリカ化学会、2002年、第106巻、p.10634に記載 方法、又は、米国化学会誌(Journal of the Ame rican Chemical Society)、(アメリカ合衆国)、アメ リカ化学会、2004年、第126巻、p.11752に記載の 法に従って製造できる。硫化アンチモン(Sb 2 S 3 )からなる量子ドットは、特開2007-273984号公報 記載の方法に従って製造できる。ヒ化インジ ウム(InAs)からなる量子ドットは、物理化学誌 B(The Journal of Physical Chemistry B)、(アメリカ 衆国)、アメリカ化学会、2006年、第110巻、p. 25453-p.254451に記載の方法に従って製造できる

 無機材料24の量子ドットは、多孔性半導 層20と物理的及び電気的に結合する機能を持 つ官能基であるインターロック基を有する分 子を含むことが好ましい。インターロック基 を有する分子としては、例えば、カルボキシ ル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、スル ホン酸基、エステル基、メルカプト基又はホ スホニル基等のインターロック基を2つ有す もの等がある。具体的には、マロン酸、リ ゴ酸又はマレイン酸等のジカルボン酸、並 に、カルボン酸及びメルカプト基を有する ルカプト酢酸等がある。無機材料24の量子ド ットは、これらの分子が有するインターロッ ク基を介して多孔性半導体層20表面に物理的 結合することで、多孔性半導体層20に強固 担持される。また、これらの分子が有する ンターロック基は、励起状態の有機分子26と 多孔性半導体層20の伝導帯との間における励 電子の移動を容易にする電気的結合を提供 るので、励起状態の有機分子26から多孔性 導体層20への電子注入がより効率的に行なわ れるようになる。

 以下、テーブル1に代表的な無機材料24か なる量子ドットにおける最高被占分子軌道( 以下「HOMO(highest occupied molecular orbital)」と す。)及び最低空分子軌道(以下「LUMO(Lowest un occupied molecular orbital)と記す。」のエネルギ 準位を示す。ここで、HOMOとは、分子軌道に エネルギー準位の低い方から順に電子を割り 当てた際に、電子が入った最もエネルギー準 位の高い分子軌道のことであり、LUMOとは、 子軌道にエネルギー準位の低い方から順に 子を割り当てた際に、電子が詰まっていな 最もエネルギー準位の低い分子軌道のこと ある。本明細書におけるHOMO及びLUMOのエネル ギー準位の値は、AC-3(商品名、理研計器株式 社製)及び吸光度測定装置(商品名:UV-2000、株 式会社島津製作所製)によって測定された値 ある。

 有機分子26は、芳香環を有する。ここで 芳香環とは、環状不飽和有機化合物のこと 示し、炭化水素のみからなる芳香族炭化水 、又は、環構造に炭素以外の元素を含む複 芳香族化合物のことである。芳香族炭化水 としては、ベンゼン環、及び、ナフタレン 又はピレン環等の縮合ベンゼン環等がある 複素芳香族化合物としては、ピリジン環又 ピロール環等の芳香族複素環等がある。ま 、ピリジン又はフラン等のように、ベンゼ 環又はナフタレン環等の環構造における炭 原子をヘテロ原子と置換したもの等もある

 このように、有機分子26がπ結合が存在す る芳香環を有することによって、有機分子26 HOMOのエネルギー準位が、芳香環を有しない 分子に比べて真空準位に近くなるので、無機 材料24からなる量子ドット内の価電子帯中の 孔がより還元されやすくなる。そのため、 子と正孔とが確実に分離されるので電荷の 結合を防ぐことができるようになる。した って、無機材料24内の励起電子の寿命を長 できるとともに、無機材料24への電子注入が エネルギー収支的に効率よく行なわれるよう になる。たとえば、特許文献3に記載の量子 ットにはトリオクチルホスフィンオキシド 配位子として担持されているが、トリオク ルホスフィンオキシドのHOMOのエネルギー準 は約-6.5eVである。これに対して芳香環を有 る有機分子26のHOMOのエネルギー準位は、約- 6.2eV~-5.0eVであるので、トリオクチルホスフィ ンオキシドを用いる場合よりも有機分子26を いた場合の方が、無機材料24への電子注入 エネルギー収支的により効率よく行なわれ ようになることが判る。

 有機分子26は、水素、ホウ素、炭素、窒 、酸素、ハロゲン族元素、ケイ素、リン又 硫黄等の金属元素以外の元素を構成元素と て含む分子であることが好ましい。有機分 26が金属元素以外の元素を構成元素として含 む分子であることによって、高い光電変換効 率を得ることができる。また、合成が難しく 高価である有機金属分子又は有機金属錯体を 用いる場合と比較して、安価で簡便に光増感 素子である光吸収体22を製造できるようにな 。有機分子26が金属元素を含み、かつ、芳 環を有する場合には、有機分子26は有機金属 錯体であることが多い。このような有機金属 錯体は、金属の配位数だけ配位子を有するた め一般的に分子量が大きくなる。そのため、 有機分子26内のLUMOのエネルギー準位が低くな り、光吸収で励起された無機材料24内の電子 有機金属錯体へ移動しやすくなるため、電 が外部に取出せなくなり光電変換効率が低 するおそれがある。

 有機分子26は、無機材料24と物理的及び電 気的に結合する機能を持つ官能基であるイン ターロック基を分子内に有することが好まし い。インターロック基としては、カルボキシ ル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、スル ホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホス ホニル基又はアミノ基等がある。有機分子26 、インターロック基を介して無機材料24表 に物理的に結合することで、無機材料24に強 固に担持される。また、インターロック基は 、無機材料24と有機分子26との間における励 電子の移動を容易にする電気的結合を提供 るので、有機分子26から無機材料24への電子 入がより効率的に行なわれるようになる。

 有機分子26は、塩基性複素環又は電子供 基、及び、酸性複素環又は電子吸引基を有 ることが好ましく、更には、酸性複素環又 電子吸引基が無機材料24と結合していること が好ましい。ここで、塩基性複素環とは、電 子供与性の大きい複素環のことであり、ベン ゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾ イミダゾール、インドレニン又はキノリン等 がある。また電子供与基とは、水素原子より も電子供与性の大きい官能基のことであり、 ヒドロキシル基、エステル基、アミノ基又は メチル基等がある。一方、酸性複素環とは、 電子吸引性の大きい複素環のことであり、ロ ーダニン、チオオキサゾリドン、チオヒダン トイン又はチオバルビツール酸等がある。ま た電子吸引基とは、水素原子よりも電子吸引 性の大きい官能基のことであり、トリフルオ ロメチル基、トリクロロメチル基、ニトロ基 、シアノ基、アルデヒド基、カルボキシル基 又はスルホン基等がある。

 このように、有機分子26が塩基性複素環 は電子供与基、及び、酸性複素環又は電子 引基を有し、更には酸性複素環又は電子吸 基が無機材料24と結合していることによって 、有機分子26から無機材料24への電子注入が り効率的に行なわれるようになるので、よ 高い光電変換効率を得ることができるよう なる。これは、塩基性複素環又は電子供与 にHOMOの電子雲が局在し、酸性複素環又は電 吸引基にLUMOの電子雲が局在しており、これ らの軌道が空間的に分離しているためである 。すなわち、光吸収による電子励起は、HOMO らLUMOへの電子遷移が主であるため、分子内 HOMOの電子雲とLUMOの電子雲とが空間的に分 している有機分子は、光吸収による分子内 荷移動が効率よく起こりやすく、光増感素 として高い性能を示すためである。

 有機分子26の分子量は、500以下であるこ が好ましい。これにより、有機分子26のサイ ズが1nmより小さくなり、1つの無機材料24に担 持される有機分子26の数が好ましい範囲内に るので、有機分子26から無機材料24への電子 注入がより一層効率的に行なわれるようにな る。有機分子26の分子量が500より大きいと、 機分子26のサイズが1nm以上となり無機材料24 のサイズとほぼ同じサイズになるため、1つ 無機材料24に担持される有機分子26の数が減 してしまうおそれがある。

 以下、有機分子26の代表的なものについて 体的な構造を記す。
例示化合物(1)

 例示化合物(2)

 例示化合物(3)

 例示化合物(4)

 例示化合物(5)

 例示化合物(6)

 例示化合物(7)

 例示化合物(8)

 
 例示化合物(9)

 例示化合物(10)

 例示化合物(11)

(式中、X - は陰イオンを示す。)
 例示化合物(12)

 例示化合物(13)

 例示化合物(14)

 例示化合物(15)

 例示化合物(16)

 例示化合物(17)

 例示化合物(18)

 例示化合物(19)

 例示化合物(20)

 例示化合物(21)

 例示化合物(22)

 例示化合物(23)

 例示化合物(24)

 例示化合物(25)

 以下、テーブル2に、上述の例示化合物の うち代表的なものにおけるHOMO及びLUMOのエネ ギー準位、並びに分子量を示す。

 無機材料24及び有機分子26の組合せとして は、有機分子26のLUMOのエネルギー準位が、無 機材料24の伝導帯の基底エネルギー準位より 高くなるように選ばれることが好ましく、 には、有機分子26のHOMOのエネルギー準位が 無機材料24の価電子帯の最高次のエネルギ 準位よりも高くなるように選ばれることが ましい。この場合、無機材料24の伝導帯の基 底エネルギー準位は、無機材料24のLUMOのエネ ルギー準位に相当し、無機材料24の価電子帯 最高次のエネルギー準位は、無機材料24のHO MOのエネルギー準位に相当する。

 このように、有機分子26のLUMOのエネルギ 準位が、無機材料24の伝導帯の基底エネル ー準位よりも高くなるように選ばれた無機 料24及び有機分子26の組合せからなる光吸収 22では、無機材料24内で励起された電子の有 機分子26への遷移が抑制されるので、励起電 の寿命を長くすることができる。更に、有 分子26のHOMOのエネルギー準位が、無機材料2 4の価電子帯の最高次のエネルギー準位より 高くなるように選ばれた無機材料24及び有機 分子26の組合せからなる光吸収体22において 、有機分子26から無機材料24への電子注入が り効率的に行なわれるようになり、無機材 24の価電子帯における正孔が有機分子26によ ってより還元されやすくなる。したがって、 電子と正孔との分離が確実になり、電荷の再 結合を防ぐことができるので、無機材料24内 励起電子の寿命をより一層長くすることが きる。

 更に、有機分子26は、有機分子26のHOMOの ネルギー準位とLUMOのエネルギー準位との差 、多孔性半導体層20の構成材料である半導 化合物のバンドギャップよりも大きくなる うに選ばれたものであることが好ましい。 れにより、多孔性半導体層20に吸収される光 が有機分子26に吸収されてしまうことを抑制 きるので、より効率的に光電変換を行うこ ができるようになる。

 〔多孔性半導体層20の作製方法〕
 多孔性半導体層20は、公知の方法によって 電膜16上に形成することができる。例えば、 半導体微粒子5を含有する懸濁液を導電膜16上 に塗布し、少なくとも乾燥又は焼成のいずれ か一方を行う方法がある。この方法では、ま ず、半導体微粒子5を適当な溶剤に懸濁して 濁液を得る。このような溶剤としては、エ レングリコールモノメチルエーテル等のグ イム系溶剤、イソプロピルアルコール等の ルコール類、イソプロピルアルコール/トル ン等のアルコール系混合溶剤又は水等があ 。また、上記懸濁液の代わりとして、市販 である酸化チタンペースト(以下いずれも商 品名:Ti-nanoxideシリーズ D/SP,D,T/SP又はD/DP、Sora ronix社製)を使用することもできる。次いで、 ドクターブレード法、スキージ法、スピンコ ート法又はスクリーン印刷法等の公知の方法 によって、懸濁液又は酸化チタンペーストを 導電膜16上に塗布し、塗布液に対して少なく も乾燥又は焼成のいずれか一方を行うこと よって、多孔質状の膜である多孔性半導体 20を作製できる。乾燥又は焼成に必要な温 、時間及び雰囲気等は、導電膜16の構成材料 及び半導体微粒子5の種類に応じて適宜設定 き、例えば、大気雰囲気下又は不活性ガス 囲気下において、50℃~800℃の温度範囲で10秒 ~12時間行う。乾燥又は焼成は、単一の温度で 1回のみ行なってもよいし、温度を変化させ 2回以上行なってもよい。多孔性半導体層20 複数の層で構成される場合には、異なる半 体微粒子5の懸濁液を所望の種類だけ調製し 塗布、及び、少なくとも乾燥又は焼成のい れか一方を行う上記の工程を懸濁液の種類 分だけ繰返して行なうことによって多孔性 導体層20を形成する。このようにして作製 れる多孔性半導体層20の厚みとしては、特に 限定されるものではないが、0.1μm~100μmであ ことが好ましい。また、多孔性半導体層20の 表面積としては、大きい方がより好ましく、 特には、10m 2 /g~200m 2 /gであることが好ましい。また、無機材料24 量子ドットの担持処理に先立って、半導体 粒子5同士の電気的接続の向上、多孔性半導 層20の表面積の増加又は半導体微粒子5にお る欠陥準位の低減等を目的として多孔性半 体層20の表面を活性化するための処理を行 こともできる。この活性化処理としては、 えば、多孔性半導体層20が酸化チタン(TiO 2 )膜からなる場合には、四塩化チタン水溶液 浸漬させる方法等がある。

 次いで、上述のようにして作製した多孔 半導体層20に無機材料24の量子ドットを担持 させる。多孔性半導体層20に無機材料24の量 ドットを担持させる方法としては、当該分 において一般的な方法であれば特に限定さ るものではないが、例えば、多孔性半導体 20を無機材料24の量子ドットを分散させた溶 (以下「量子ドット分散溶液」と記す。)に 漬する方法、量子ドット分散溶液を多孔性 導体層20表面に塗布する方法、又は、特開200 7-273984号公報に記載される量子ドットを直接 孔性半導体層20上に形成する方法等がある 上記浸漬する方法を用いる場合には、量子 ット分散溶液を多孔性半導体層20の微細孔奥 部まで浸透させるために、量子ドット分散溶 液を加熱することが好ましい。

 量子ドット分散溶液において量子ドット 分散させる溶剤としては、当該分野におい 一般的に使用されるものであれば特に限定 れるものではなく、アルコール、トルエン アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF) クロロホルム若しくはジメチルホルムアミ 、又は、これらの2種類以上を混合した混合 剤等がある。これらの溶剤は、蒸留又は乾 等の公知の精製方法に従って精製された、 り純度の高いものであることが好ましい。 子ドット分散溶液中の量子ドットの濃度と ては、使用する量子ドット、溶剤の種類及 量子ドット担持方法等の各条件に応じて適 設定することができるが、例えば、0.01mmol/L 以上であることが好ましく、更には0.1mmol/L~1m ol/Lであることが好ましい。浸漬時間又は浸 回数等は、担持処理の条件に応じて適宜設 されればよいが、例えば0.2時間~168時間程度 1回~5回行うことが好ましい。

 担持されなかった量子ドットは、担持処 後に洗浄により除去することが好ましい。 浄溶剤としては、量子ドットが溶解しない のであれば特に限定されず、エタノール等 低級アルコール等を使用できる。これらの でも、沸点が低く乾燥しやすい溶剤である とがより好ましい。

 次いで、上述のようにして多孔性半導体 20に担持させた無機材料24の量子ドットに有 機分子26を担持させる。

 量子ドットに有機分子26を担持させる方 としては、当該分野において一般的な方法 あれば特に限定されるものではないが、例 ば、量子ドットが担持された多孔性半導体 20を、有機分子26を溶解した溶液(有機分子吸 着用溶液)に浸漬する方法、又は、有機分子 着用溶液を量子ドットが担持された多孔性 導体層20表面に塗布する方法等がある。有機 分子吸着用溶液を調製する場合には、有機分 子26の溶解性を向上させるために、有機分子 着溶液を加熱して行うことが好ましい。

 有機分子吸着用溶液において有機分子26 溶解させる溶剤としては、当該分野におい 一般的に使用されるものであれば特に限定 れるものではなく、エタノール等の低級ア コール、エーテル若しくはアセトン、又は これらの2種類以上を混合した混合溶剤等が る。これらの溶剤は、蒸留又は乾燥等の公 の精製方法に従って精製された、より純度 高いものであることが好ましい。有機分子 着用溶液中の有機分子の濃度としては、使 する有機分子26、溶剤の種類及び有機分子 持方法等の各条件に応じて適宜設定するこ ができるが、例えば、0.01mmol/L以上であるこ が好ましく、更には0.1mmol/L~1mol/Lであること が好ましい。浸漬時間又は浸漬回数等は、担 持処理の条件に応じて適宜設定されればよい が、例えば0.5時間~168時間程度で1回~10回行う とが好ましい。

 担持されなかった有機分子26は、担持処 後に洗浄により除去することが好ましい。 浄溶剤としては特に限定されず、エタノー 等の低級アルコール等を使用できる。これ の中でも、沸点が低く乾燥しやすい溶剤で ることがより好ましい。

[対電極12]
 対電極12は、表面に形成された導電膜28を有 する基板30と、基板30上に形成された触媒層32 とを含み、半導体電極10とともに一対の電極 構成する。

 基板30としては、実質的に透明であり当該 野において太陽電池1に一般的に使用される のであれば特に限定されるものではなく、 ーダ石灰フロートガラス若しくは石英ガラ 等のガラス、又はセラミック等の耐熱性材 からなる基板を使用できる。基板30の厚み しては、太陽電池1に適当な機械的強度を付 できる程度であれば特に限定されるもので ないが、0.5mm~8mmであることが好ましい。導 膜28としては、透明導電性材料からなる膜 あれば特に限定されるものではなく、イン ウム-スズ複合酸化物(ITO)、酸化スズ(SnO 2 )、フッ素ドープされた酸化スズ(FTO)、ヨウ化 銅(CuI)又は酸化亜鉛(ZnO)等からなる膜を使用 きる。導電膜28の膜厚としては、0.1μm~5μm程 であることが好ましく、スパッタ法又はス レー法等の公知の方法によって基板30上に 成される。基板30及び導電膜28としては、FTO らなる導電膜28をソーダ石灰フロートガラ からなる基板30上に積層したもの(例えば、 本板硝子株式会社製の市販品等)を使用する とが好ましい。

 触媒層32は、当該分野で一般的に使用さ るものであれば特に限定されず、白金、カ ボンブラック、ケッチェンブラック、カー ンナノチューブ又はフラーレン等からなる 等がある。触媒層32として白金からなる膜を 用いる場合には、蒸着法、スパッタ法、塩化 白金酸の熱分解又は電着等の公知の方法によ って、導電膜28が形成された基板30上に触媒 32である白金膜を形成することができる。触 媒層32としてカーボンブラック、ケッチェン ラック、カーボンナノチューブ又はフラー ン等のカーボンからなる膜を用いる場合に 、溶媒に分散してペースト状にしたカーボ をスクリーン印刷法等より塗布することに って、導電膜28が形成された基板30上に触媒 層32であるカーボン膜を形成することができ 。触媒層32の膜厚としては、特に限定され ものではないが、0.5nm~1000nmであることが好 しい。触媒層32の形態としては、特に限定さ れるものではないが、緻密な膜状、多孔質膜 状又はクラスター状の膜状等の形態であるこ とが好ましい。

 [キャリア輸送層14]
 キャリア輸送層14は、電子、ホール(正孔)又 はイオンを輸送できる導電性材料を含む。導 電性材料としては、酸化還元種を含む電解質 若しくは高分子電解質等のイオン導電体、ポ リビニルカルバゾール若しくはトリフェニル アミン等のホール輸送材料、フラーレン誘導 体若しくはテトラニトロフロレノン等の電子 輸送材料、ポリチオフェン若しくはポリピロ ール等の導電性ポリマー、又は、ヨウ化銅、 チオシアン酸銅若しくは酸化ニッケル等の無 機p型半導体等を使用できる。

 これらの導電性材料の中でも、イオン導電 を使用することが好ましく、更には酸化還 種を含む電解質を使用することが特に好ま い。酸化還元種としては、一般的に電池又 太陽電池等において使用することができる のであれば特に限定されず、I - /I 3- 系、Br 2- /Br 3- 系、Fe 2+ /Fe 3+ 系、Na 2 S x /Na 2 S系、(SCN) 2 /SCN - 系、(SeCN) 2 /SeCN - 系、Co 2+ /Co 3+ 系、又は、キノン/ハイドロキノン系のもの がある。

 上述の酸化還元種のうち代表的なものとし 、具体的には、I - /I 3- 系の場合には、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化 トリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)又はヨウ カルシウム(CaI 2 )等の金属ヨウ化物とヨウ素(I 2 )との組合せ、並びに、テトラエチルアンモ ウムアイオダイド(TEAI)、テトラプロピルア モニウムアイオダイド(TPAI)、テトラブチル ンモニウムアイオダイド(TBAI)、テトラヘキ ルアンモニウムアイオダイド(THAI)等のテト アルキルアンモニウム塩とヨウ素(I 2 )との組合せ等を使用できる。Br 2- /Br 3- 系の場合には、臭化リチウム(LiBr)、臭化ナト リウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシ ム(CaBr 2 )等の金属臭化物と臭素(Br 2 )との組合せ等を使用できる。Fe 2+ /Fe 3+ 系の場合には、塩化鉄(II)(FeCl 2 )と塩化鉄(III)(FeCl 3 )との組合せ、又は、ヘキサシアノ鉄(II)酸カ ウム(K 4 [Fe(CN) 6 ])とヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(K 3 [Fe(CN) 6 ])との組合せ等を使用できる。Na 2 S x /Na 2 S系の場合には、硫化ナトリウム(Na 2 S)と硫黄(S)との組合せ等を使用できる。(SCN) 2 /SCN - 系の場合には、チオシアン酸鉛(Pb(SCN) 2 )とチオシアン酸ナトリウム(NaSCN)との組合せ がある。これらの中でも、特にヨウ化リチ ム(LiI)とヨウ素(I 2 )との組合せ、又は、硫化ナトリウム(Na 2 S)と硫黄(S)との組合せを使用することが、よ 高い光電変換効率を得る点で好ましい。

 これらの酸化還元種は、有機分子26のHOMO エネルギー準位が、酸化還元種の酸化還元 位又はフェルミ準位よりも小さいことが好 しい。これにより、酸化状態の有機分子26 の電子注入をより効率よく行うことができ 光吸収体22と酸化還元種との電荷交換反応速 度をより速くすることができる。ここでフェ ルミ準位とは、統計学的に電子数が1/2となる 準位のことを示す。

 酸化還元種を含む電解質は、必要に応じ 添加剤を含む。添加剤としては、t-ブチル リジン(TBP)等の含窒素芳香族化合物、又は、 ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド (DMPII)、メチルプロピルイミダゾールアイオ イド(MPII)、エチルメチルイミダゾールアイ ダイド(EMII)、エチルイミダゾールアイオダ ド(EII)若しくはヘキシルメチルイミダゾール アイオダイド(HMII)等のイミダゾール塩等があ る。酸化還元種を含む電解質は、このような 添加剤を含むことによって、酸化還元種の移 動速度の向上効果等を得ることができる。

 導電性材料として上述の酸化還元種を含 電解質を使用する際には、電解質を溶解す ための溶剤が使用されて電解液が調製され 。溶剤としては、プロピレンカーボネート のカーボネート化合物、アセトニトリル等 ニトリル化合物、エタノール等のアルコー 類、水、又は非プロトン極性物質等を使用 きる。これらの中でも、カーボネート化合 又はニトリル化合物を使用することが好ま い。これらの溶剤は2種類以上を混合して使 用することもできる。電解液中の酸化還元種 の濃度としては、0.001mol/L~1.5mol/Lの範囲であ ことが好ましく、特には0.01mol/L~0.7mol/Lの範 であることが特に好ましい。

 以下、テーブル3に、上述の電解液のうち 代表的なものにおける酸化還元電位を示す。

 なお、半導体電極10と対電極12と間には、 それぞれの電極同士の接触による短絡を防止 するために、スぺーサが設けられることが好 ましい。スぺーサとしてはポリエチレン等の 高分子フイルム等を使用できる。このフイル ムの膜厚としては、特に限定されるものでは ないが、10μm~50μmであることが好ましい。

 〈動作〉
 本実施の形態に係る太陽電池1は、以下のよ うに動作する。太陽電池1に対して太陽光が 射されると、多孔性半導体層20表面上の光吸 収体22における有機分子26が光を吸収し、こ により有機分子26中の電子が励起される。励 起された電子は、無機材料24からなる量子ド トを介して多孔性半導体層20に移動した後 導電膜16から電気回路(図示せず。)を通って 電膜28に移動する。導電膜28に移動した電子 は、キャリア輸送層14中の酸化還元種を還元 、還元された酸化還元種は、多孔性半導体 20に電子を移動させることによって酸化さ た有機分子26を還元する。このような過程を 繰返すことによって、電子の流れを介して光 エネルギーから連続的に変換される電気エネ ルギーを得る。

 〈作用・効果〉
 本実施の形態によれば、光増感素子である 吸収体22は、芳香環を有する分子である有 分子26が担持された無機材料24を含む。この うに、有機分子26が芳香環を有することに って、無機材料24の価電子帯における正孔が より還元されやすくなるので、電子と正孔と が確実に分離されて電荷の再結合を防ぐこと ができる。そのため、無機材料24内の励起電 の寿命を長くできるとともに、無機材料24 の電子注入がエネルギー収支的に効率よく なわれるようになる。したがって、このよ な有機分子26が担持された無機材料24を含む 増感素子である光吸収体22は、耐久寿命が く、高い光電変換効率を得ることができる

 また本実施の形態によれば、太陽電池1は 、表面に形成された導電膜16を有する基板18 、基板18上に形成された多孔性半導体層20と 含む半導体電極10と、表面に形成された導 膜28を有する基板30を含む対電極12と、半導 電極10と対電極12との間に挟持され、導電性 料を含むキャリア輸送層14とを備え、多孔 半導体層20の表面には、前述の光吸収体22が 持される。このように、上述の光吸収体22 有するので、光電変換効率が高く、耐久寿 の長い安価な太陽電池1を得ることができる

 上記実施の形態においては、基板18,30と ていずれも透明な基板を使用したが、特に れに限定されるものではなく、光の入射方 を考慮して、いずれか一方が不透明な基板 あってもよい。この場合、導電膜16,28は、対 応する基板18,30の透光性と一致した透明又は 透明な導電性材料からなる膜を使用すれば い。例えば、基板30が不透明である場合、 れに対応する導電膜28は、不透明な導電性材 料からなる膜を使用でき、例えば、N型若し はP型の元素半導体(シリコン若しくはゲルマ ニウム等)、ガリウムヒ素(GaAs)、リン化イン ウム(InP)、セレン化亜鉛(ZnSe)若しくは硫化セ シウム(CsS)等の化合物半導体、金、白金、銀 銅若しくはアルミニウム等の金属、又は、 タン、タンタル若しくはタングステン等の 融点金属等からなる膜を使用できる。

 今回開示された実施の形態は単に例示で って、本発明が上記した実施の形態のみに 限されるわけではない。本発明の範囲は、 明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特 請求の範囲の各請求項によって示され、そ に記載された文言と均等の意味及び範囲内 の全ての変更を含む。

 以下に上記実施の形態を実施例および比 例を用いて具体的に説明するが、上記実施 形態はその要旨を超えない限り特に本実施 に限定されるものではない。なお、以下特 断りのない限り、実施例及び比較例におけ 各層の膜厚は、サーフコム1400A(商品名、株 会社東京精密製)を使用して測定した値であ り、HOMO及びLUMOのエネルギー準位は、AC-3(商 名、理研計器株式会社製)及び吸光度測定装 (商品名:UV-2000、株式会社島津製作所製)を使 用して測定した値であり、酸化還元電位は、 サイクリックボルタンメトリー(商品名:PGス ッド12、Autolab社製)を使用して測定した値で る。

(実施例1)
[太陽電池の製造]
(半導体電極の作製)
 市販の酸化チタンペースト(商品名:Ti-Nanoxide  D/SP、Soraronix社製、平均粒径:13nm)を、ドクタ ーブレード法により、導電膜としてフッ素ド ープされた酸化スズ(FTO)膜が成膜された基板 あるガラス基板(日本板硝子株式会社製)上 塗布した。次いで、このガラス基板を300℃ て30分間予備乾燥した後、500℃にて40分間焼 し、この予備乾燥及び焼成を再度繰返した これによって、膜厚12μmの酸化チタン膜か なる多孔性半導体層をガラス基板上に作製 た。

 米国化学会誌(Journal of the American Chemical  Society)、(アメリカ合衆国)、アメリカ化学会 、1993年、第115巻、p.8706-p.8715に記載の方法に って、無機材料として使用する硫化カドミ ム(CdS)からなる量子ドットを製造した。こ 量子ドットのHOMOのエネルギー準位は-6.4Vで り、LUMOのエネルギー準位は-3.1Vであった。

 上述のようにして製造した硫化カドミウ (CdS)からなる量子ドットを0.5mmol/Lの濃度と るようにエタノールに分散させ、量子ドッ 分散溶液を調製した。この量子ドット分散 液に対して、上述のようにして作製した酸 チタン膜からなる多孔性半導体層が形成さ たガラス基板を12時間浸漬させることで量子 ドットを多孔性半導体層に担持させた。その 後、量子ドット分散溶液からガラス基板を取 出し、エタノール(Aldrich Chemical社製)で洗浄 た後、乾燥させることで量子ドットが担持 れた多孔性半導体層を形成した。

 次いで、例示化合物(14)に示される有機分 子(Aldrich Chemical社製)を0.2mmol/Lの濃度となる うにエタノールに溶解し、有機分子吸着用 液を調製した。この有機分子吸着用溶液に して、上述のようにして作製した量子ドッ が担持された多孔性半導体層が形成された ラス基板を12時間浸漬させることで、有機分 子を量子ドットに担持させた。その後、有機 分子吸着用溶液からガラス基板を取出し、エ タノールで洗浄した後、乾燥させることで有 機分子及び量子ドットが担持された多孔性半 導体層を形成した。なお、例示化合物(14)に される有機分子のHOMOのエネルギー準位は-6.2 3Vであり、LUMOのエネルギー準位は-2.86Vであっ た。

 (対電極の作製)
 蒸着装置(商品名:ei-5、株式会社アルバック )を用い、導電膜としてフッ素ドープされた 酸化スズ(FTO)膜が成膜された基板であるガラ 基板(日本板硝子株式会社製)上に、0.1Å/sec 白金を蒸着することで、膜厚1μmの白金膜か らなる触媒層が形成された対電極を作製した 。

 (I - /I 3- 系電解液の調製)
 アセトニトリル(Aldrich Chemical社製)1Lに対し 、ヨウ化リチウム(LiI、Aldrich Chemical社製)0.1 mol、ヨウ素(I 2 、Aldrich Chemical社製)0.03mol、t-ブチルピリジン (TBP、Aldrich Chemical社製)0.5mol及びジメチルプ ピルイミダゾールアイオダイド(DMPII、四国 成工業株式会社製)0.3molをそれぞれ加えて、 ャリア輸送層として使用するI - /I 3- 系電解液を調製した。このI - /I 3- 系電解液の酸化還元電位は-5.10Vであった。

 (太陽電池の作製)
 上述のようにして作製した半導体電極と対 極とを短絡防止のためのスペーサを介して ねた後、各電極の間隙からI - /I 3- 系電解液を注入した。次いで、側面を樹脂( 品名:31X-101C、株式会社スリーボンド製)でシ ルした後、各電極にリード線を取付けるこ で、実施例1の太陽電池を製造した。

 (実施例2)
 有機分子として例示化合物(16)を使用した以 外は、実施例1と同様にして実施例2の太陽電 を製造した。

 (実施例3)
 有機分子として例示化合物(17)を使用した以 外は、実施例1と同様にして実施例3の太陽電 を製造した。

 (実施例4)
 有機分子として例示化合物(21)を使用した以 外は、実施例1と同様にして実施例4の太陽電 を製造した。

 (実施例5)
 以下のようにして調整したNa 2 S x /Na 2 S系電解液をキャリア輸送層として使用した 外は実施例1と同様にして、実施例5の太陽電 池を製造した。

 (Na 2 S x /Na 2 S系電解液の調製)
 純水1Lに対して、硫化ナトリウム(Na 2 S、Aldrich Chemical社製)2mol及び硫黄(Aldrich Chemic al社製)3molをそれぞれ加えて、キャリア輸送 として使用するNa 2 S x /Na 2 S系電解液を調製した。このNa 2 S x /Na 2 S系電解液の酸化還元電位は-4.35Vであった。

 (実施例6)
 有機分子として例示化合物(16)に示されるも のを使用し、キャリア輸送層としてNa 2 S x /Na 2 S系電解液を使用した以外は、実施例1と同様 して実施例6の太陽電池を製造した。

 (実施例7)
 有機分子として例示化合物(17)に示されるも のを使用し、キャリア輸送層としてNa 2 S x /Na 2 S系電解液を使用した以外は、実施例1と同様 して実施例7の太陽電池を製造した。

 (実施例8)
 有機分子として例示化合物(21)に示されるも のを使用し、キャリア輸送層としてNa 2 S x /Na 2 S系電解液を使用した以外は、実施例1と同様 して実施例8の太陽電池を製造した。

 (実施例9)
 米国化学会誌(Journal of the American Chemical S ociety)、(アメリカ合衆国)、アメリカ化学会、 1993年、第115巻、p.8706-p.8715に記載の方法に従 て製造したセレン化カドミウム(CdSe)からな 量子ドットを無機材料として使用し、有機 子として例示化合物(2)に示されるものを使 した以外は、実施例1と同様にして実施例9 太陽電池を製造した。この量子ドットのHOMO エネルギー準位は-6.0Vであり、LUMOのエネル ー準位は-3.4Vであった。

 (実施例10)
 上述のようにして製造したセレン化カドミ ム(CdSe)からなる量子ドットを無機材料とし 使用し、有機分子として例示化合物(8)に示 れるものを使用した以外は、実施例1と同様 にして実施例10の太陽電池を製造した。

 (実施例11)
 上述のようにして製造したセレン化カドミ ム(CdSe)からなる量子ドットを無機材料とし 使用し、有機分子として例示化合物(9)に示 れるものを使用した以外は、実施例1と同様 にして実施例11の太陽電池を製造した。

 (実施例12)
 上述のようにして製造したセレン化カドミ ム(CdSe)からなる量子ドットを無機材料とし 使用し、有機分子として例示化合物(21)に示 されるものを使用した以外は、実施例1と同 にして実施例12の太陽電池を製造した。

 (実施例13)
 上述のようにして製造したセレン化カドミ ム(CdSe)からなる量子ドットを無機材料とし 使用し、有機分子として例示化合物(2)に示 れるものを使用し、キャリア輸送層としてN a 2 S x /Na 2 S系酸化還元性電解液を使用した以外は、実 例1と同様にして実施例13の太陽電池を製造 た。

 (実施例14)
 上述のようにして製造したセレン化カドミ ム(CdSe)からなる量子ドットを無機材料とし 使用し、有機分子として例示化合物(8)に示 れるものを使用し、キャリア輸送層としてN a 2 S x /Na 2 S系酸化還元性電解液を使用した以外は、実 例1と同様にして実施例14の太陽電池を製造 た。

 (実施例15)
 上述のようにして製造したセレン化カドミ ム(CdSe)からなる量子ドットを無機材料とし 使用し、有機分子として例示化合物(9)に示 れるものを使用し、キャリア輸送層としてN a 2 S x /Na 2 S系酸化還元性電解液を使用した以外は、実 例1と同様にして実施例15の太陽電池を製造 た。

 (実施例16)
 上述のようにして製造したセレン化カドミ ム(CdSe)からなる量子ドットを無機材料とし 使用し、有機分子として例示化合物(21)に示 されるものを使用し、キャリア輸送層として Na 2 S x /Na 2 S系酸化還元性電解液を使用した以外は、実 例1と同様にして実施例16の太陽電池を製造 た。

 (実施例17)
 有機分子の代わりに、下記の例示化合物(26) に示される有機金属分子(分子量:705.64)を使用 した以外は、実施例1と同様にして実施例17の 太陽電池を製造した。
 例示化合物(26)

 (実施例18)
 以下のようにして調整した(SCN) 2 /SCN - 系電解液をキャリア輸送層として使用し、上 述のようにして製造したセレン化カドミウム (CdSe)からなる量子ドットを無機材料として使 用し、有機分子として例示化合物(21)に示さ るものを使用した以外は実施例1と同様にし 、実施例18の太陽電池を製造した。

 ((SCN) 2 /SCN - 系電解液の調製)
 アセトニトリル(Aldrich Chemical社製)50mLに対 て、チオシアン酸鉛(Pb(SCN) 2 、Aldrich Chemical社製)2.5mmolを加えた後、0℃ま 冷却した。この溶液に対して、アセトニト ル25mLに対して臭素(Br 2 、Aldrich Chemical社製)2.5mmolを加えて調製した 液を、臭素による着色が脱色されるまで少 ずつ加えて混合させた。次いで、溶液を混 する際に生じた臭化鉛(PbBr 2 )を濾過により取除いた後、得られた濾液に して、アセトニトリル25mLに対してチオシア 酸ナトリウム(NaSCN、Alfa-Aesar社製)10mmolを加 て調整した溶液を加えて、キャリア輸送層 して使用する(SCN) 2 /SCN - 系電解液を調製した。この(SCN) 2 /SCN - 系電解液の酸化還元電位は-5.56Vであった。

 (実施例19)
 上述のようにして製造したセレン化カドミ ム(CdSe)からなる量子ドットを無機材料とし 使用し、有機分子として例示化合物(7)に示 れるものを使用した以外は、実施例1と同様 にして実施例19の太陽電池を製造した。

 (実施例20)
 上述のようにして製造したセレン化カドミ ム(CdSe)からなる量子ドットを無機材料とし 使用し、有機分子として例示化合物(10)に示 されるものを使用した以外は、実施例1と同 にして実施例20の太陽電池を製造した。

 (比較例1)
 有機分子として、トリオクチルホスフィン キシド(TOPO、分子量:386.63)を使用した以外は 、実施例1と同様にして比較例1の太陽電池を 造した。

 (比較例2)
 有機分子を無機材料の量子ドットに担持さ なかった以外は、実施例1と同様にして比較 例2の太陽電池を製造した。

 実施例1~20及び比較例1,2の太陽電池におけ る、有機分子の各特性(種類、分子量、並び 、HOMO及びLUMOのエネルギー準位)と、無機材 の各特性(種類、並びに、HOMO及びLUMOのエネ ギー準位)と、酸化還元性電解液の各特性(種 類及び酸化還元電位)とについてテーブル4に す。

 [評価]
 実施例1~20及び比較例1,2の太陽電池に対して 、AM1.5(1kW/m 2 )の強度の疑似太陽光をソーラーシミュレー (商品名:WXS-155S、WACOM社製)にて照射して、発 した電気量(短絡電流密度(電圧V=0における 流値、Jsc)、開放電圧(電流I=0における電圧値 、Voc)、フィルファクター(FF))を電流-電圧測 装置(商品名:CEP-2000、分光計器株式会社製)に て測定した。更に、得られた測定結果から光 電変換効率(Jsc、Voc及びFFの積)を求めた。結 をテーブル5に示す。

 テーブル5に示した結果から、本発明にお ける実施例1~20の太陽電池は、比較例1,2の太 電池と比較して以下のように優れているこ が明らかである。

 実施例1~20の太陽電池における多孔性半導 体層は、芳香環を有する分子である有機分子 が担持された無機材料が担持されているので 高い光電変換効率が得られた。

 一方、例えば、比較例1の太陽電池におけ る多孔性半導体層は、芳香環を有しない分子 であるTOPOが担持された無機材料が担持され いるので、光電変換効率が低下した。

 また比較例2の太陽電池における多孔性半 導体層は、無機材料のみが担持されているの で、光電変換効率が低下した。

 この発明は、高い光電変換効率を達成で 、かつ、耐久寿命の長い光増感素子及びそ を用いた太陽電池の製造、利用及び貸出等 行なう電池関連産業において利用すること できる。