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Patent Searching and Data


Title:
PHOTOTHERMAL CONVERSION MEASURING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/117563
Kind Code:
A1
Abstract:
Photothermal conversion is measured in a plurality of measuring regions by using a common light source at the same time. As means for such measurement, a photothermal conversion measuring apparatus is provided with an exciting light inputting optical system (18), a light source (10) for measurement, an optical system (12) for measurement, and a plurality of light receiving elements (24). The exciting light inputting optical system (18) inputs exciting light into a plurality of measuring regions in a sample container (16). The optical system (12) for measurement includes an element (26), which splits light emitted from the light source (10), and an element (38), which spreads such light, and the optical system transmits the split or spread light to the measuring regions at the same time as measuring light and has the light receiving elements (24) receive the light.

Inventors:
KATAYAMA RYO
TAKAMATSU HIROYUKI
TAKAHASHI EIJI
Application Number:
PCT/JP2008/051369
Publication Date:
October 02, 2008
Filing Date:
January 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KOBE STEEL LTD (JP)
KATAYAMA RYO
TAKAMATSU HIROYUKI
TAKAHASHI EIJI
International Classes:
G01N25/16; G01N21/45
Foreign References:
JP2006084431A2006-03-30
JPH03225259A1991-10-04
JP2002526773A2002-08-20
JP2003130852A2003-05-08
Attorney, Agent or Firm:
KOTANI, Etsuji et al. (2-2 Nakanoshima 2-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 試料が存在しかつ当該試料に光熱効果を生じさせるための励起光が当該試料に照射される複数の測定域に前記励起光とは別の測定光をそれぞれ透過させることにより、前記各測定域での前記光熱効果による前記試料の発熱量を測定するための光熱変換測定装置であって、
 前記各測定域に前記励起光を入射するための励起光入射光学系と、
 前記励起光とは別の光を発する測定用光源と、
 前記測定用光源から発せられた光を前記各測定域に前記測定光として導き、当該測定域を透過させるための測定用光学系と、
 前記各測定域を透過した後の前記測定光を受光してその位相変化をそれぞれ測定するための複数の受光素子と、を備え、
 前記測定用光学系は、前記測定用光源から発せられた光を、前記各測定域を同時に透過することが可能な光に変換するための光変換素子を含み、この光変換素子により変換された光を前記各測定域に前記測定光として導くものである。
 請求項1記載の光熱変換測定装置において、
 前記測定用光学系は、前記光変換素子として、前記測定用光源から発せられた光を、前記各測定域をそれぞれ透過することが可能な複数の光に分割するための分割素子を含む。
 請求項2記載の光熱変換測定装置において、
 前記測定用光学系は、前記測定用光源から発せられた光を前記測定光と参照光とに分光する分光素子と、前記参照光を前記測定域を透過する測定光と干渉させる干渉用光学系を含み、
 前記各受光素子は、前記干渉後の前記各測定光の強度をそれぞれ検出する。
 請求項3記載の光熱変換測定装置において、
 前記分光素子及び前記干渉用光学系は、前記分割素子により分割された後の複数の光についてそれぞれ設けられる。
 請求項3または4記載の光熱変換測定装置において、
 前記干渉用光学系は、前記分割素子として、分光された測定光をさらに複数の測定光に分割するための測定光用分割素子と、分光された干渉光をさらに複数の干渉光に分割するための干渉光用分割素子とを含み、その分割された複数の干渉光を、分割された複数の前記測定光のうち対応する測定光にそれぞれ干渉させる。
 請求項2~5のいずれかに記載の光熱変換測定装置において、
 前記測定用光学系は、前記分割素子としてビームスプリッタを含む。
 請求項2~6のいずれかに記載の光熱変換測定装置において、
 前記測定用光学系は、前記分割素子として、前記測定用光源から発せられた光を回折させるための音響光学変調器と、この音響光学変調器から出る特定の複数の光をそれぞれ特定方向に向けて反射する反射素子とを含む。
 請求項2~7のいずれかに記載の光熱変換測定装置において、
 前記測定用光学系は、前記分割素子により分割された光のうちの少なくとも一部の光を拡大する光拡大素子を含み、この光拡大素子により拡大された後の光を複数の測定域に同時に透過させるものである。
 請求項1記載の光熱変換測定装置において、
 前記測定用光学系は、前記光変換素子として、前記測定用光源から発せられた光を拡大する光拡大素子を含み、この光拡大素子により拡大された後の光を複数の測定域に同時に透過させるものである。
 請求項9記載の光熱変換測定装置において、
 前記測定用光源から発せられた光を前記測定光と参照光とに分光する分光素子と、その分光された測定光と参照光とを合成するための合成素子と、合成された測定光及び参照光のうちの測定光を前記測定域に透過させてその透過した測定光と参照光とを干渉させる干渉用光学系を含み、
 前記光拡大素子は、前記合成素子により合成された前記測定光及び前記干渉光を同時に拡大して前記干渉用光学系に導く。
 請求項1~10のいずれかに記載の光熱変換測定装置において、
 前記測定域ごとに互いに異なる複数の試料を収容するための試料収容器を備える。
 請求項1~10のいずれかに記載の光熱変換測定装置において、
 複数の測定域に跨る領域で連続する試料を収容するための試料収容器を備える。
 請求項12記載の光熱変換測定装置において、
 前記励起光入射光学系は、前記試料に含まれる全ての測定域に対し均一な周波数をもつ励起光を入射する。
 請求項12記載の光熱変換測定装置において、
 前記励起光入射光学系は、前記試料に含まれる測定域毎に互いに異なる励起光を照射する。
Description:
光熱変換測定装置

 本発明は、各種試料の含有物質の分析等 用いられる光熱変換測定装置に関するもの ある。

 従来、各種試料の含有物質の分析等を行 手段として、光熱効果、すなわち、試料に 起光を照射したときにその照射部位が前記 起光を吸収して発熱する効果を利用した光 変換測定が知られている。

 例えば、下記特許文献1には、液体の試料 に励起光を照射して前記光熱効果を生じさせ るとともに、その発熱量を光学的な測定装置 により測定するものが開示されている。この 測定装置は、前記の液体試料に前記励起光と は別の測定光を透過させ、この測定光の屈折 率の変化から前記光熱効果による発熱量を測 定するものである。ここで、前記屈折率は前 記測定光の位相変化から求められ、その位相 変化は光干渉法により測定される。

 しかし、前記の光熱変換測定装置では、一 の装置で同時に一つの測定しか行うことが きない。換言すれば、複数の測定を同時に うためには、それぞれが光源をもつ複数の 置を併用しなければならず、設備の著しい ストアップは免れ得ない。

特開2004-301520号公報

 本発明は、前記のような事情に鑑み、共 の光源を用いて複数の測定域についての測 を同時に行うことが可能な装置の提供を目 とする。

 その目的を達成するための手段として、 発明は、試料が存在しかつ当該試料に光熱 果を生じさせるための励起光が当該試料に 射される複数の測定域に前記励起光とは別 測定光をそれぞれ透過させることにより、 記各測定域での前記光熱効果による前記試 の発熱量を測定するための光熱変換測定装 であって、前記各測定域に前記励起光を入 するための励起光入射光学系と、前記励起 とは別の光を発する測定用光源と、前記測 用光源から発せられた光を前記各測定域に 記測定光として導き、当該測定域を透過さ るための測定用光学系と、前記各測定域を 過した後の前記測定光を受光してその位相 化をそれぞれ測定するための複数の受光素 と、を備える。さらに、前記測定用光学系 、前記測定用光源から発せられた光を、前 各測定域を同時に透過することが可能な光 変換するための光変換素子を含み、この光 換素子により変換された光を前記各測定域 前記測定光として導く。

 この装置では、前記光変換素子により変 された光が測定光として複数の測定域を同 に透過する。このことは、共通の測定用光 を用いながら各測定域での測定を同時に行 ことを可能にする。このような共通光源に る複数域での同時測定は、装置のコストア プを抑えながら測定効率を高めることを可 にする。

本発明の第1の実施の形態に係る光熱変 換測定装置の全体構成図である。 前記光熱変換測定装置に含まれる分割 子の変形例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光熱変 換測定装置の要部の構成を示す図である。 本発明に係る試料収容器の例を示す平 図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光熱変 換測定装置の要部の構成を示す図である。

 本発明の好ましい実施の形態を、図面を 照しながら説明する。

 図1は、本発明の第1の実施の形態に係る 熱変換測定装置の例を示す。この装置は、 一の測定用光源10と、複数の測定部14と、前 測定用光源10から発せられる光を測定光と て各測定部14に導くための測定用光学系12と 備える。

 なお、この実施の形態に係る装置は4つの 測定部14を具備するが、図1では便宜上、2つ 測定部14のみが図示される。

 前記各測定部14は、試料収容器16と、励起 光入射光学系18と、受光素子アレイ20と、信 処理装置22とを備える。

 前記試料収容器16は、同一平面上に並ぶ 数の(図例では6つの)測定域を含む領域に試 (例えば色素水溶液やエタノール)を収容する ためのものであり、例えば石英やPDMS(ポリジ チルシロサキン)のような透光材(特に紫外 透過性の高い材料)からなる。

 前記励起光入射光学系18は、前記各測定 に励起光を下から入射するためのものであ 、図略の励起光源と、適当な分光機構及び 調機構を含む。前記励起光源には、例えば 色光を出力するキセノンランプが用いられ 。前記分光機構は、前記励起光源から発せ れる光を分光し、前記変調機構は、その分 された光を周期的に変調して光熱効果の測 に好適な励起光を生成する。この励起光は 前記試料収容器16内の試料に照射されること により、当該試料に周期的な光熱効果を生じ させる。すなわち、前記励起光が照射された 試料は当該励起光を吸収することにより周期 的に発熱する。この発熱による温度変化が当 該試料の屈折率を周期的に変化させる。

 前記受光素子アレイ20は、前記各測定域 対応する複数の(図例では6個の)受光素子24を 有する。これらの受光素子24は、前記各測定 を透過した測定光をそれぞれ個別に受光す ことが可能な位置に配列され、その測定光 強度に対応する電気信号を出力する。

 信号処理装置22は、励起光入射光学系18に おける励起光の変調周期と、前記各受光素子 24が受光する測定光の強度変化とに基づき、 記試料の屈折率の変化を演算し(ロックイン 検出)、その演算結果を図略の表示装置に表 させる。

 前記測定用光源10は、前記試料の屈折率 変化を測定するための測定光の源となる光 発するものである。この測定用光源10には、 例えば出力1mWのHe-Neレーザ発生器が用いられ 。

 前記測定用光学系12は、前記測定用光源10 から発せられた光を分割するための分割素子 であるビームスプリッタ26と、このビームス リッタ26により分割された光をそれぞれ各 定部14に導くための2つの分岐光学系30とを備 える。

 前記ビームスプリッタ26は、前記測定用 源10から発せられる光を、90°反射される反 光と、そのまま透過する透過光とに分割す 。前記反射光は、一方の分岐光学系30によっ てさらに2つに分割され、前記4つの測定部14 うち図示されている2つの測定部14に導かれ 。前記透過光は別のビームスプリッタ28によ って反射されてから他方の分岐光学系30によ て同様に図略の2つの測定部14に導かれる。

 前記各分岐光学系30は、分光素子である ームスプリッタ32と、測定光用光学系34M及び 参照光用光学系34Rと、各測定部14に対応した 向ビームスプリッタ36と、ビームエキスパ ダ38と、干渉用光学系40とを備える。

 前記ビームスプリッタ32は、前記ビームス リッタ26から導かれる光を測定光と参
照光とに分光する。

 前記測定光用光学系34Mは、前記測定光を らに2つの測定光に分割するための測定光用 分割素子42Mと、その分割された測定光をそれ ぞれ前記各偏向ビームスプリッタ36に反射す ためのミラー44Mと、これらのミラー44Mがそ ぞれ反射した光の偏向面を回転させるため λ/2波長板46Mとを備える。同様に、前記参照 光用光学系36は、前記参照光をさらに2つの参 照光に分割するための参照光用分割素子42Rと 、その分割された測定光をそれぞれ前記各偏 向ビームスプリッタ36に反射するためのミラ 44Rと、これらのミラー44Rがそれぞれ反射し 光の偏向面を回転させるためのλ/2波長板46R とを備える。

 前記測定光用分割素子42M及び参照光用分 素子42Rは、いずれも、AOM(音響光学変調器)48 と、プリズム50と、一対のミラー52とを含む

 前記AOM48は、前記ビームスプリッタ32で分 光された光を回折させ、適当な周波数に変換 する。その回折光のうち、+1次光と-1次光と 測定光(または参照光)として採用される。

 前記プリズム50は、前記+1次光及び前記-1 光をそれぞれ両外側に反射する2枚の反射面 を有する。各反射面は前記プリズム50に適当 コーティングを施すことにより形成される 前記各ミラー52は、前記プリズム50により反 射された+1次光及び-1次光をそれぞれ前記AOM48 への入光方向と平行な方向に反射する。これ により、周波数f1をもつ2本の測定光、及び周 波数f2をもつ2本の参照光が生成される。

 前記AOM48による回折光のうち、測定光あ いは参照光として採用される回折光はラマ ナース効果による±n次光に限られない。例 ば1次光と2次光がそれぞれ採用されてもよい 。

 前記プリズム50に対する前記各ミラー52の 配置は適宜設定可能である。例えば図2に示 れるように前記プリズム50及び前記各ミラー 52が前記AOM48からの光を多重反射するもので ってもよい。

 前記各偏向ビームスプリッタ36は、合成 子に相当するもので、前記測定光用光学系34 Mにより導かれる測定光と前記参照光用光学 34Rにより導かれる参照光とを合成し、前記 ビームエキスパンダ38に導く。詳しくは、一 方の偏向ビームスプリッタ36により合成され 光はそのまま一方のビームエキスパンダ38 導かれ、他方の偏向ビームスプリッタ36によ り合成された光はミラー53,54で反射されるこ により他方のビームエキスパンダ38に導か る。

 前記各ビームエキスパンダ38は、光拡大 子に相当するもので、前記偏向ビームスプ ッタ36から入射される測定光及び参照光を構 成するビームの口径を拡大する。その拡大率 は、拡大後の測定光が前記試料収容器16にお る全ての測定域を通過することが可能とな 程度に設定される。

 前記各干渉用光学系40は、前記ビームエ スパンダ38により拡大された測定光及び参照 光のうちの測定光のみを前記測定域に透過さ せ、かつ、その透過後の測定光を前記参照光 と干渉させてから前記受光素子アレイ20に導 ためのものであり、偏向ビームスプリッタ5 6と、測定光用λ/4波長板58Mと、測定光用ミラ 60Mと、参照光用λ/4波長板58Rと、参照光用ミ ラー60Rとを備える。

 前記偏向ビームスプリッタ56は、前記ビ ムエキスパンダ38と前記試料収容器16との間 かつ前記受光素子アレイ20の各受光素子24に 対向する位置に設けられ、前記測定光をその まま透過させて前記試料収容器16に導く一方 前記参照光を前記受光素子アレイ20と反対 側(図1では左側)に90°反射させる。

 前記測定光用λ/4波長板58Mは、前記偏向ビ ームスプリッタ56と前記試料収容器16との間 介在し、この測定光用λ/4波長板58Mを前記測 光が通過する度に当該測定光の偏向面を45° 回転させる。前記測定光用ミラー60Mは、前記 試料収容器16を挟んで前記測定光用λ/4波長板 58Mと反対の側に配置され、前記励起光の透過 は許容する一方、前記試料収容器16における 測定域を透過した測定光を180°反射するこ により当該試料収容器16及び前記測定光用λ/ 4波長板58Mを往復させる。

 前記参照光用λ/4波長板58Rは、前記偏向ビ ームスプリッタ56で前記参照光が反射される に配置され、この参照光が通過する度に当 参照光の偏向面を45°回転させる。前記参照 光用ミラー60Rは、前記試料収容器16を挟んで 記参照光用λ/4波長板58Rと反対の側に配置さ れ、前記参照光用λ/4波長板58Rを通過した参 光を180°反射することにより当該参照光用λ/ 4波長板58Rを往復させる。

 前記偏向ビームスプリッタ56は、後述の うに、前記測定光用ミラー60Mにより反射さ て前記試料収容器16を往復した測定光と前記 参照光用ミラー60Rにより反射された参照光と を干渉させ、その干渉光を前記受光素子アレ イ20の各受光素子24に受光させる。

 この光熱変換測定装置の具体的作用は次 とおりである。

 4つの測定部14においては、それぞれ、試 収容器16に収容された試料に含まれる全て 測定域(図では1つの測定部14あたりに6つの測 定域)に対し、励起光入射光学系18が周期的に 変調した励起光を試料に入射する。試料は、 この励起光を吸収することにより発熱する( 熱効果)。この発熱による試料の温度変化は 記変調の周期に対応するので、当該周期で 該試料の屈折率が変化する。この試料の屈 率の変化が、前記測定光と前記参照光との 渉を利用して計測される。

 具体的に、前記測定用光源10は、4つの測 部14に導かれる測定光及び参照光の源とな 光(ビーム)を発する。この光は、まず、分割 素子であるビームスプリッタ26により2つの光 に分割される。具体的には、当該ビームスプ リッタ26により90°反射される反射光と、当該 ビームスプリッタ26を透過する透過光とに分 される。前記反射光はそのまま一方の分岐 学系30に導かれ、前記透過光はビームスプ ッタ28により90°反射されてから他方の分岐 学系30に導かれる。

 各分岐光学系30では、まず、前記ビーム プリッタ26から導かれる光が分光素子である ビームスプリッタ32により測定光と参照光と 分光される。このうち測定光は、測定光用 割素子42MのAOM48により周波数変換(周波数f1 変換)されながらさらに2つの測定光に分割さ れる。これらの測定光はそれぞれミラー44Mで 反射され、さらにλ/2波長板46Mにより偏向面 調節を受けてから、対応する偏向ビームス リッタ36にそれぞれ導かれる。

 同様に、参照光は参照光用分割素子42RのA OM48により周波数変換(周波数f2に変換)されな ら前記各測定光に対応する2つの参照光に分 割される。これらの参照光はそれぞれミラー 44Rで反射され、さらにλ/2波長板46Rにより偏 面の調節を受けてから、対応する偏向ビー スプリッタ36にそれぞれ導かれる。

 前記各偏向ビームスプリッタ36は、この 向ビームスプリッタ36に入射される前記測定 光及び前記参照光を合成し、光拡大素子であ るビームエキスパンダ38に導く。ビームエキ パンダ38は、前記測定光及び前記参照光の 径を同時に拡大する。その拡大後の測定光 び参照光は干渉用光学系40の偏向ビームスプ リッタ56に入射される。

 偏向ビームスプリッタ56は、前記合成光 うちの参照光を受光素子アレイ20と反対の側 に90°反射する。この参照光は、参照光用ミ ー60Rによって180°反射されることにより、参 照光用λ/4波長板58Rを往復してから前記偏向 ームスプリッタ56に戻る。この参照光が前記 参照光用λ/4波長板58Rを往復する際、当該参 光の偏向面が計90°回転するために、前記偏 ビームスプリッタ56に戻った参照光はその ま当該偏向ビームスプリッタ56を透過する。

 一方、前記偏向ビームスプリッタ56は、 記測定光をそのまま透過させて測定光用λ/4 長板58M及び試料収容器16に導く。この測定 は、前記試料収容器16に収容される試料に含 まれる全ての測定域を通過した後、測定光用 ミラー60Mによって180°反射される。この反射 より、前記測定光は前記測定光用λ/4波長板 58M及び前記試料収容器16を往復してから前記 向ビームスプリッタ56に戻る。

 このとき、前記測定光の位相は、前記各 定域における試料の屈折率の変化分だけ、 化する。さらに、この測定光の偏向面は、 該測定光が前記測定光用λ/4波長板58Mを往復 することによって計90°回転する。このため 当該測定光は前記偏向ビームスプリッタ56に て90°反射され、前記参照光と干渉しながら 記受光素子アレイ20の各受光素子24に受光さ る。

 前記各受光素子24は、前記干渉光を受光 、その強度に対応する電気信号を信号処理 置22に出力する。この電気信号は、前記測定 光と前記参照光の周波数差(=|f1-f2|)に相当す うねり周波数をもつ信号となる。信号処理 置22は、前記電気信号と、前記励起光入射光 学系18における励起光の変調周期とに基づき 前記測定光の位相変化を演算する。すなわ 、光干渉法による位相変化の測定を実行す 。

 具体的に、前記干渉光の強度S1は、次の(1) で表される。
 S1=C1+C2・cos(2π・fb・t+φ) …(1)

 同式において、C1、C2は前記偏光ビームス プリッタ等の光学素子の特性や試料の透過率 により定まる定数、φは前記測定光と前記参 光の光路長差による位相差、fbは前記測定 と前記参照光の周波数差(=f1-f2)である。この (1)式は、干渉後の測定光の強度S1の変化(前記 励起光を照射しないとき或いはその光強度が 小さいときとその光強度が大きいときとの差 )から、前記位相差φの変化を求めることが可 能であることを示している。信号処理装置22 、この(1)式を利用して前記位相差φの変化 算出する。

 例えば、前記励起光Leの強度がチョッパ 回転により周波数fで周期的に強度変調され 場合、試料の屈折率も前記周波数fで変化す る。測定光の光路長も前記周波数fで変化し( 照光の光路長は一定)、前記位相差φも周波 fで変化する。従って、前記位相差φの変化 前記周波数fの成分(前記励起信号の強度変 周期と同周期成分)について測定(算出)する とが、周波数fの成分を有しないノイズの影 を除去しつつ試料の屈折率変化のみを精度 く測定することを可能にする。すなわち、 の測定は、前記位相差φの測定のS/N比を向 させる。

 以上示した光熱変換測定装置では、測定 光学系12に含まれる分割素子(ビームスプリ タ26並びに測定光用分割素子42M及び参照光 分割素子42R)が、測定用光源10から発する光 分割することにより、単一の測定用光源10を 用いて計4つの試料収容器16に収容される試料 の測定を同時に行うことを可能にする。この ことは、装置のコストアップを抑えながら効 率の高い測定を行うことを可能にする。

 さらに、前記測定用光学系12に含まれる 拡大素子であるビームエキスパンダ38は、分 割された後の各測定光及び各参照光を拡大す ることにより、当該測定光が各試料に含まれ る複数の測定域を同時に透過することを可能 にする。そして、それぞれの測定域を透過し た測定光の干渉後の強度が各受光素子24によ 個別に検出される。従って、前記試料収容 16が全ての測定域に跨って連続するように 料を収容するものである場合、前記励起光 射光学系18が前記試料に含まれる全ての測定 域に対し均一な周波数をもつ励起光を入射す ることにより、前記試料における光熱効果の 分布特性を測定することを可能にする。この 場合、各受光素子24が当該受光素子24に対応 る測定域についての位置情報を含んでおれ よい。

 励起光入射光学系18は、例えば第2の実施 形態として図3に示すように、光源からの光 を互いに波長の異なる複数の励起光に分光す る機能を有しており、それぞれの励起光を試 料収容器16内の各測定域に照射するものであ てもよい。このような複数種の励起光の照 は、前記試料の吸収スペクトルを速やかに 定することを可能にする。

 前記試料収容器16は、例えば図4に示され ように測定域ごとに区画された複数の試料 容部16aを有するものであってもよい。これ の試料収容部16aにそれぞれ異なる試料が個 に収容された状態で全試料収容部16aを拡大 の測定光が透過すると、当該測定光すなわ 共通の測定光を用いて複数の試料の測定を 時に行うことが可能である。

 本発明では、前記分割素子、前記光拡大 子の一方が省略されてもよい。また、分割 子を具備する場合、第3の実施の形態として 図5に示されるように、試料収容器16の直前で 測定光及び参照光がそれぞれ分割されてもよ い。

 この第3の実施の形態に係る装置は、共通 の光源から発せられる光を測定光と参照光と に分割する分光素子であるビームスプリッタ 32と、測定光周波数変換用のAOM49M及び参照光 波数変換用のAOM49Rのほか、前記分割のため ビームスプリッタユニット70を備える。

 前記ビームスプリッタユニット70は、前 AOM49Mにより周波数変換された測定光を分割 るための測定光分割部72Mと、前記AOM49Mによ 周波数変換された参照光を分割するための 照光分割部72Rとを併有する。各分割部72M,72R は測定域の個数(図では4個)と同数のビーム プリッタ74が直列に配される。

 測定光分割部72Mにより分割された各測定 は、互いに平行な状態を維持しながら試料 容器16における各測定域を透過した後、干 用光学系40を構成する偏向ビームスプリッタ 76によってそれぞれ90°反射され、レンズ78に って受光素子アレイ20に集光される。参照 分割部72Rにより分割された各参照光は、互 に平行なままミラー80で90°反射され、前記 偏向ビームスプリッタ76を透過した後にレン ズ78によって受光素子アレイ20に集光される

 従って、この装置においても、各測定域 対応して測定光及び参照光が分割され、各 定光は対応する測定域を透過した後に対応 る参照光と干渉させられる。この干渉が、 記測定光の位相変化の検出を可能にする。

 以上説明したように、本発明は、試料が 在しかつ当該試料に光熱効果を生じさせる めの励起光が当該試料に照射される複数の 定域に前記励起光とは別の測定光をそれぞ 透過させることにより、前記各測定域での 記光熱効果による前記試料の発熱量を測定 るための光熱変換測定装置であって、前記 測定域に前記励起光を入射するための励起 入射光学系と、前記励起光とは別の光を発 る測定用光源と、前記測定用光源から発せ れた光を前記各測定域に前記測定光として き、当該測定域を透過させるための測定用 学系と、前記各測定域を透過した後の前記 定光を受光してその位相変化をそれぞれ測 するための複数の受光素子と、を備える。 らに、前記測定用光学系は、前記測定用光 から発せられた光を、前記各測定域を同時 透過することが可能な光に変換するための 変換素子を含み、この光変換素子により変 された光を前記各測定域に前記測定光とし 導く。

 この装置では、前記光変換素子により変 された光が測定光として複数の測定域を同 に透過する。このことは、共通の測定用光 を用いながら各測定域での測定を同時に行 ことを可能にする。このような共通光源に る複数域での同時測定は、装置のコストア プを抑えながら測定効率を高めることを可 にする。

 前記測定用光学系は、前記光変換素子と て、前記測定用光源から発せられた光を、 記各測定域をそれぞれ透過することが可能 複数の光に分割するための分割素子を含む のが、好適である。この分割素子は、前記 定用光源からの光を分割するだけの簡単な 成でありながら、前記各測定域での同時測 を実現可能にする。

 前記分割素子としては、例えば、ビーム プリッタや、前記測定用光源から発せられ 光を回折させるための音響光学変調器及び の音響光学変調器から出る特定の複数の光 それぞれ特定方向に向けて反射する反射素 を含むものが、好適である。

 前記測定光の位相変化は、例えば光干渉 により測定することが可能である。そのた の構成として、前記測定用光学系は、前記 定用光源から発せられた光を前記測定光と 照光とに分光する分光素子と、前記参照光 前記測定域を透過する測定光と干渉させる 渉用光学系を含み、前記各受光素子は、前 干渉後の前記各測定光の強度をそれぞれ検 するものが、好適である。

 その場合、前記分光素子及び前記干渉用 学系は、前記分割素子により分割された後 複数の光についてそれぞれ設けられるもの もよいし、前記干渉用光学系は、前記分割 子として、分光された測定光をさらに複数 測定光に分割するための測定光用分割素子 、分光された干渉光をさらに複数の干渉光 分割するための干渉光用分割素子とを含み その分割された複数の干渉光を、分割され 複数の前記測定光のうち対応する測定光に れぞれ干渉させるものであってもよい。

 また、前記測定用光学系は、前記光変換 子として、前記測定用光源から発せられた を拡大する光拡大素子を含み、この光拡大 子により拡大された後の光を複数の測定域 同時に透過させるものであってもよい。こ 光拡大素子は、前記測定用光源から発せら る光を拡大するだけの簡単な構成で、当該 が測定光として複数の測定域を同時に透過 ることを可能にする。

 この装置においても、光干渉法による測 が可能である。具体的には、前記測定用光 から発せられた光を前記測定光と参照光と 分光する分光素子と、その分光された測定 と参照光とを合成するための合成素子と、 成された測定光及び参照光のうちの測定光 前記測定域に透過させてその透過した測定 と参照光とを干渉させる干渉用光学系を含 、前記光拡大素子は、前記合成素子により 成された前記測定光及び前記干渉光を同時 拡大して前記干渉用光学系に導くものが、 適である。

 この装置において、前記合成素子は、前 測定光及び参照光を合成してから前記光拡 素子に導くことにより、この光拡大素子が 記測定光及び参照光をまとめて拡大するこ を可能にし、その結果、拡大後の測定光が 記参照光と干渉することを可能にする。

 本発明では、前記測定域ごとに互いに異 る複数の試料を収容するための試料収容器 備えてもよいし、複数の測定域に跨る領域 連続する試料を収容するための試料収容器 備えてもよい。前者の試料収容器は、互い 異なる試料の光熱効果の同時測定を可能に る。これに対し、後者の試料収容器は、共 の試料内の各部位における光熱効果の同時 定を可能にする。例えば、前記励起光入射 学系が、前記試料に含まれる全ての測定域 対し均一な周波数をもつ励起光を入射する のであれば、当該試料における光熱効果の 布特性を測定することが可能であり、前記 起光入射光学系が、前記試料に含まれる測 域毎に互いに異なる励起光を照射するもの あれば、当該試料の吸収スペクトルを速や に測定することが可能である。