Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
PHYSICAL QUANTITY DETECTION CIRCUIT, PHYSICAL QUANTITY SENSOR DEVICE, AND PHYSICAL QUANTITY DETECTION METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/122636
Kind Code:
A1
Abstract:
A physical quantity detection circuit (12) is used for a physical quantity sensor (10) that outputs a sensor signal in response to a physical quantity given from the outside. A phase adjustment circuit (100) is provided with a reference clock (CKref), operates in synchronization with an operation clock (CKa), and delays a transition edge of the reference clock by a predetermined number of pulses of the operation clock. A detection circuit (104) detects a physical quantity signal from a sensor signal (Ssnc) with reference to a transition edge of a clock (SSS) outputted from the phase adjustment circuit (100).

Inventors:
INUKAI FUMIHITO
MUROYA SEIICHI
KAINO YOICHI
Application Number:
PCT/JP2009/000304
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
January 27, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
INUKAI FUMIHITO
MUROYA SEIICHI
KAINO YOICHI
International Classes:
G01C19/56; G01C19/5614; G01C19/5776; G01P15/125
Foreign References:
JP2008014932A2008-01-24
JPH0814916A1996-01-19
JPH07146151A1995-06-06
JP2004212111A2004-07-29
JPH07332986A1995-12-22
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (JP)
Hiroshi Maeda (JP)
Download PDF:
Claims:
 外部から与えられた物理量に応じてセンサ信号を出力する物理量センサに用いられる物理量検出回路であって、
 前記センサ信号の周波数に対応する周波数を有する基準クロックが供給されるとともに前記基準クロックの周波数よりも高い周波数を有する第1の動作クロックに同期して動作し、前記基準クロックの遷移エッジを前記第1の動作クロックの所定のパルス数だけ遅延させる第1の位相調整回路と、
 前記第1の位相調整回路によって遅延された基準クロックの遷移エッジを基準として前記センサ信号から前記物理量に対応する物理量信号を検波する検波回路とを備える
ことを特徴とする物理量検出回路。
 請求項1において、
 前記第1の位相調整回路は、
  前記第1の動作クロックに同期して前記基準クロックを順次シフトさせることにより複数の遅延クロックを生成するシフトレジスタと、
  前記シフトレジスタによって生成された複数の遅延クロックのうちいずれか1つを選択するセレクタとを含み、
 前記検波回路は、前記セレクタによって選択された遅延クロックの遷移エッジを基準として前記センサ信号から前記物理量信号を検波する
ことを特徴とする物理量検出回路。
 請求項2において、
 前記検波回路は、
  前記センサ信号をデジタルセンサ信号に変換するアナログ/デジタル変換回路と、
  前記セレクタによって選択された遅延信号の遷移エッジに応答して正弦波信号に対応するデジタル検波信号を生成する検波信号生成回路と、
  前記アナログ/デジタル変換回路によって得られたデジタルセンサ信号に前記検波信号生成回路によって生成されたデジタル検波信号を乗算することによって前記物理量信号を検波する乗算回路とを含む
ことを特徴とする物理量検出回路。
 請求項2において、
 前記検波回路は、前記セレクタによって選択された遅延クロックを用いて前記センサ信号から前記物理量信号を検波する
ことを特徴とする物理量検出回路。
 請求項1において、
 前記第1の位相調整回路は、
  前記基準クロックの遷移エッジに応答して前記第1の動作クロックの発生パルス数の計数を開始し、発生パルス数が所定値に到達するとタイミング信号を生成する位相調整カウンタを含み、
 前記検波回路は、前記位相調整カウンタによって生成されたタイミング信号の遷移エッジを基準として前記センサ信号から前記物理量信号を検波する
ことを特徴とする物理量検出回路。
 請求項5において、
 前記検波回路は、
  前記センサ信号をデジタルセンサ信号に変換するアナログ/デジタル変換回路と、
  前記位相調整カウンタによって生成されたタイミング信号の遷移エッジに応答して正弦波信号に対応するデジタル検波信号を生成する検波信号生成回路と、
  前記アナログ/デジタル変換回路によって得られたデジタルセンサ信号に前記検波信号生成回路によって生成されたデジタル検波信号を乗算することによって前記物理量信号を検波する乗算回路とを含む
ことを特徴とする物理量検出回路。
 請求項6において、
 前記第1の位相調整回路は、
  前記位相調整カウンタによって生成されたタイミング信号の遷移エッジに応答して前記検波信号生成回路の動作クロックを生成するクロック生成回路をさらに含む
ことを特徴とする物理量検出回路。
 請求項5において、
 前記第1の位相調整回路は、
  前記位相調整カウンタによって生成されたタイミング信号の遷移エッジに応答して前記第1の動作クロックを分周することによってアナログ検波信号を生成する分周回路をさらに含み、
 前記検波回路は、前記分周回路によって生成されたアナログ検波信号を用いて前記センサ信号から前記物理量信号を検波する
ことを特徴とする物理量検出回路。
 請求項3,6,7のいずれか1項において、
 前記アナログ/デジタル変換回路によって得られたデジタルセンサ信号が供給されるとともに前記基準クロックの周波数よりも高い周波数を有する第2の動作クロックに同期して動作し、前記デジタルセンサ信号を前記第2の動作クロックの所定のパルス数だけ遅延させる第2の位相調整回路をさらに備え、
 前記乗算回路は、前記第2の位相調整回路によって遅延されたデジタルセンサ信号に前記デジタル検波信号を乗算する
ことを特徴とする物理量検出回路。
 請求項9において、
 前記第1の動作クロックの周波数は、前記第2の動作クロックの周波数よりも低い
ことを特徴とする物理量検出回路。
 請求項9において、
 前記第2の位相調整回路における遅延時間を定める第2の動作クロックのパルス数は、変更可能である
ことを特徴とする物理量検出回路。
 請求項1において、
 前記第1の位相調整回路における遅延時間を定める第1の動作クロックのパルス数は、変更可能である
ことを特徴とする物理量検出回路。
 外部から与えられた物理量に応じてセンサ信号を出力する物理量センサに用いられる物理量検出回路であって、
 前記センサ信号をデジタルセンサ信号に変換するアナログ/デジタル変換回路と、
 前記センサ信号の周波数に対応する周波数を有する基準クロックの遷移エッジに応答して正弦波信号に対応するデジタル検波信号を生成する検波信号生成回路と、
 前記アナログ/デジタル変換回路によって得られたデジタルセンサ信号が供給されるとともに前記基準クロックの周波数よりも高い周波数を有する動作クロックに同期して動作し、前記デジタルセンサ信号を前記動作クロックの所定のパルス数だけ遅延させる位相調整回路と、
 前記位相調整回路によって遅延されたデジタルセンサ信号に前記検波信号生成回路によって生成されたデジタル検波信号を乗算することによって前記物理量に対応する物理量信号を検波する乗算回路とを備える
ことを特徴とする物理量検出回路。
 請求項1または13に記載の物理量検出回路と、
 前記物理量センサと、
 所定周波数を有する駆動信号を前記物理量センサに供給する駆動回路とを備え、
 前記センサ信号の周波数および前記基準クロックの周波数は、前記駆動信号の周波数に対応する
ことを特徴とする物理量センサ装置。
 外部から与えられた物理量を検知する物理量センサのセンサ信号から前記物理量に対応する物理量信号を検波する方法であって、
 前記センサ信号の周波数よりも高い周波数を有する動作クロックの所定のパルス数だけ前記センサ信号および前記センサ信号に対応する検波信号のうち少なくとも一方を遅延させ、
 少なくとも一方が遅延された前記センサ信号および前記検波信号を用いて前記物理量信号を検波する
ことを特徴とする物理量検出方法。
Description:
物理量検出回路、物理量センサ 置、物理量検出方法

 この発明は、外部から与えられた物理量 検知する物理量センサに用いられる物理量 出回路およびそれを備える物理量センサ装 に関し、さらに詳しくは、センサ信号と検 信号との位相関係を調整する技術に関する

 従来より、物理量(例えば、角速度や加速 度など)を検出可能な物理量センサ装置は、 ジタルカメラの手ぶれ検出,移動体(航空機, 動車,ロボット,船舶など)の姿勢制御,ミサイ や宇宙船の誘導などの多種多様な技術分野 おいて利用されている。一般的に、物理量 ンサ装置は、外部から与えられた物理量に じてセンサ信号を出力する物理量センサと 検波信号(センサ信号の周波数に対応する周 波数を有する信号)を用いてセンサ信号から 理量信号(物理量に対応する信号)を検波する 物理量検出回路とを備える。このような物理 量検出回路では、製造ばらつき(抵抗やコン ンサの拡散ばらつき等)や周辺環境の変動(例 えば、温度変化など)が原因となって、セン 信号と検波信号との間に意図しない位相ず が発生することもある。そのため、センサ 号と検波信号とが同期するようにセンサ信 と検波信号との位相関係を調整することが 要である。

 そこで、特許文献1には、感温素子(所定の 度特性を有する素子)を含む位相補正回路を えることにより、温度変化に起因する位相 れを補正する振動ジャイロが開示されてい 。

特開平8-14916号公報

 しかしながら、製造ばらつきにより位相 正回路の温度特性が所望の温度特性になる は限らないので、位相調整回路における位 補正量を精密に設定することが困難であっ 。このように、従来ではセンサ信号と検波 号との位相関係を精密に調整できないので 検波精度を向上させることが困難であった

 そこで、この発明は、センサ信号と検波 号との位相関係を精密に調整することを目 とする。

 この発明の1つの局面に従うと、物理量検 出回路は、外部から与えられた物理量に応じ てセンサ信号を出力する物理量センサに用い られる物理量検出回路であって、上記センサ 信号の周波数に対応する周波数を有する基準 クロックが供給されるとともに上記基準クロ ックの周波数よりも高い周波数を有する第1 動作クロックに同期して動作し、上記基準 ロックの遷移エッジを上記第1の動作クロッ の所定のパルス数だけ遅延させる第1の位相 調整回路と、上記第1の位相調整回路によっ 遅延された基準クロックの遷移エッジを基 として上記センサ信号から上記物理量に対 する物理量信号を検波する検波回路とを備 る。上記物理量検出回路では、第1の動作ク ックの周期を単位として基準クロックの遷 エッジの位相(すなわち、検波信号の位相) 設定できる。また、第1の動作クロックの周 数が高い程、基準クロックの遷移エッジの 相を精密に設定できる。これにより、従来 りもセンサ信号と検波信号との位相関係を 密に調整でき、検波精度を向上させること できる。

 上記第1の位相調整回路は、上記第1の動 クロックに同期して上記基準クロックを順 シフトさせることにより複数の遅延クロッ を生成するシフトレジスタと、上記シフト ジスタによって生成された複数の遅延クロ クのうちいずれか1つを選択するセレクタと 含んでいても良い。上記検波回路は、上記 レクタによって選択された遅延クロックの 移エッジを基準として上記センサ信号から 記物理量信号を検波しても良い。このよう 構成することにより、基準クロックの遷移 ッジを第1の動作クロックの所定のパルス数 だけ遅延させることができる。

 上記検波回路は、上記センサ信号をデジ ルセンサ信号に変換するアナログ/デジタル 変換回路と、上記セレクタによって選択され た遅延信号の遷移エッジに応答して正弦波信 号に対応するデジタル検波信号を生成する検 波信号生成回路と、上記アナログ/デジタル 換回路によって得られたデジタルセンサ信 に上記検波信号生成回路によって生成され デジタル検波信号を乗算することによって 記物理量信号を検波する乗算回路とを含ん いても良い。このように物理量検出回路を ジタル化することにより、製造ばらつきや 辺環境の変動(例えば、電源電圧の変動や温 変化など)に対する耐性を強化することがで きる。

 また、上記第1の位相調整回路は、上記基 準クロックの遷移エッジに応答して上記第1 動作クロックの発生パルス数の計数を開始 、発生パルス数が所定値に到達するとタイ ング信号を生成する位相調整カウンタを含 でいても良い。上記検波回路は、上記位相 整カウンタによって生成されたタイミング 号の遷移エッジを基準として上記センサ信 から上記物理量信号を検波しても良い。こ ように構成することにより、基準クロック 遷移エッジを第1の動作クロックの所定のパ ス数だけ遅延させることができる。

 上記検波回路は、上記センサ信号をデジ ルセンサ信号に変換するアナログ/デジタル 変換回路と、上記位相調整カウンタによって 生成されたタイミング信号の遷移エッジに応 答して正弦波信号に対応するデジタル検波信 号を生成する検波信号生成回路と、上記アナ ログ/デジタル変換回路によって得られたデ タルセンサ信号に上記検波信号生成回路に って生成されたデジタル検波信号を乗算す ことによって上記物理量信号を検波する乗 回路とを含んでいても良い。このように物 量検出回路をデジタル化することにより、 造ばらつきや周辺環境の変動に対する耐性 強化することができる。

 好ましくは、上記物理量検出回路は、上 アナログ/デジタル変換回路によって得られ たデジタルセンサ信号が供給されるとともに 上記基準クロックの周波数よりも高い周波数 を有する第2の動作クロックに同期して動作 、上記デジタルセンサ信号を上記第2の動作 ロックの所定のパルス数だけ遅延させる第2 の位相調整回路をさらに備える。上記乗算回 路は、上記第2の位相調整回路によって遅延 れたデジタルセンサ信号に上記デジタル検 信号を乗算する。上記物理量検出回路では センサ信号および検波信号の両方の位相を 定可能にすることにより、センサ信号の位 遅れおよび検波信号の位相遅れの両方を補 できる。

 好ましくは、上記第1の動作クロックの周 波数は、上記第2の動作クロックの周波数よ も低い。このように設定することにより、 1の位相調整回路の位相調整の精度は、第2の 位相調整回路の位相調整の精度よりも低くな る。このように、位相調整の精度が異なる第 1および第2の位相調整回路に位相調整処理を 担させることにより、位相調整処理に要す 回路規模および消費電力を低減することが きる。

 この発明の別の局面に従うと、物理量検 回路は、外部から与えられた物理量に応じ センサ信号を出力する物理量センサに用い れる物理量検出回路であって、上記センサ 号をデジタルセンサ信号に変換するアナロ /デジタル変換回路と、上記センサ信号の周 波数に対応する周波数を有する基準クロック の遷移エッジに応答して正弦波信号に対応す るデジタル検波信号を生成する検波信号生成 回路と、上記アナログ/デジタル変換回路に って得られたデジタルセンサ信号が供給さ るとともに上記基準クロックの周波数より 高い周波数を有するクロックに同期して動 し、上記デジタルセンサ信号を上記クロッ の所定のパルス数だけ遅延させる位相調整 路と、上記位相調整回路によって遅延され デジタルセンサ信号に上記検波信号生成回 によって生成されたデジタル検波信号を乗 することによって上記物理量に対応する物 量信号を検波する乗算回路とを備える。上 物理量検出回路では、基準クロックの周波 よりも高い周波数を有するクロックの周期 単位としてセンサ信号(デジタルセンサ信号) の位相を設定できる。また、そのクロックの 周波数が高い程、デジタルセンサ信号の位相 を精密に設定できる。これにより、従来より もセンサ信号と検波信号との位相関係を精密 に調整でき、検波精度を向上させることがで きる。

 この発明のさらに別の局面に従うと、物 量検出方法は、外部から与えられた物理量 検知する物理量センサのセンサ信号から上 物理量に対応する物理量信号を検波する方 であって、上記センサ信号の周波数よりも い周波数を有する動作クロックの所定のパ ス数だけ上記センサ信号および上記センサ 号に対応する検波信号のうち少なくとも一 を遅延させ、少なくとも一方が遅延された 記センサ信号および上記検波信号を用いて 記物理量信号を検波する。上記物理量検出 法では、基準クロックの周波数よりも高い 波数を有する信号の周期を単位としてセン 信号と検波信号との位相関係を調整できる

 以上のように、センサ信号と検波信号と 位相関係を精密に調整できる。

図1は、実施形態1による物理量センサ 置の構成例を示す図である。 図2は、図1に示した物理量検出回路に る動作について説明するためのタイミング ャートである。 図3は、図1に示した物理量検出回路の 形例を示す図である。 図4Aは、図3に示した検波信号生成器の 成例を示す図である。図4Bは、図4Aの検波信 号生成器におけるカウント値と正弦波データ との対応関係の例を示す図である。 図5は、図3に示した物理量検出回路に る動作について説明するためのタイミング ャートである。 図6Aは、図3に示した検波信号生成器の の構成例を示す図である。図6Bは、図6Aの検 波信号生成器におけるカウント値と正弦波デ ータとの対応関係の例を示す図である。 図7は、実施形態2による物理量センサ 置の構成例を示す図である。 図8は、図7に示した物理量検出回路に る動作について説明するためのタイミング ャートである。 図9は、図7に示した物理量検出回路の 形例1を示す図である。 図10は、図9に示した物理量検出回路に よる動作について説明するためのタイミング チャートである。 図11は、図7に示した物理量検出回路の 変形例2を示す図である。 図12は、実施形態3による物理量センサ 装置の構成例を示す図である。 図13は、図12に示した物理量検出回路 よる動作について説明するためのタイミン チャートである。 図14は、図12に示した物理量検出回路 変形例1を示す図である。 図15は、図14に示した物理量検出回路 よる動作について説明するためのタイミン チャートである。 図16は、図12に示した物理量検出回路 変形例2を示す図である。 図17は、図12に示した物理量検出回路 変形例3を示す図である。 図18は、図17に示した物理量検出回路 よる動作について説明するためのタイミン チャートである。 図19は、図12に示した物理量検出回路 変形例4を示す図である。 図20は、物理量センサの変形例につい 説明するための図である。

符号の説明

 10  物理量センサ
 11  駆動回路
 12,12a,22,22a,22b,32,32a~32d  物理量検出回路
 101  波形整形回路
 102  逓倍回路
 103  入力アンプ
 104  同期検波回路
 105  ローパスフィルタ
 106  出力アンプ
 100,200,300,100a  位相調整回路
 100R,300R  シフトレジスタ
 100S,300S  セレクタ
 111  入力アンプ
 112  アナログ/デジタル変換器
 113  デジタル信号生成器
 114  乗算器
 115  デジタルフィルタ
 116  デシメーションフィルタ
 121  リングカウンタ
 122  データ格納部
 123  データ読出部
 201,201a  位相調整カウンタ
 202,202p,311a,311b  分周回路

 以下、この発明の実施の形態を図面を参 して詳しく説明する。なお、図中同一また 相当部分には同一の符号を付しその説明は り返さない。

 (実施形態1)
 図1は、この発明の実施形態1による物理量 ンサ装置の構成例を示す。物理量センサ装 は、物理量センサ10と、駆動回路11と、物理 検出回路12とを備える。

  〔物理量センサ〕
 物理量センサ10は、所定周波数を有する駆 信号Sdrvが駆動回路11から供給されるととも 、外部から与えられた物理量(例えば、角速 ,加速度など)に応じてセンサ信号S10を出力 る。センサ信号S10の周波数は、駆動信号Sdrv 周波数に対応する。例えば、センサ信号S10 中心周波数(搬送周波数)は、駆動信号Sdrvの 波数に相当する。なお、ここでは、物理量 ンサ10は、音叉型角速度センサであるもの する。物理量センサ10は、音叉本体10aと、駆 動圧電素子Pdrvと、振動検出圧電素子Poscと、 速度検出圧電素子PDa,PDbとを有する。音叉本 体10aは、それぞれが中央部で直角にねじられ た一対の音叉片と、音叉片の各々の一端を連 結する連結部と、回転軸となるように連結部 に設けられた支持ピンとを有する。駆動圧電 素子Pdrvは、駆動回路11からの駆動信号Sdrvの 波数および振幅に応じて一方の音叉片を振 させる。これにより、2つの音叉片が互いに 振する。この音叉振動によって、振動検出 電素子Poscには電荷が発生する(すなわち、 動信号Soscが発生する)。また、回転角速度が 発生すると、角速度検出圧電素子PDa,PDbには 転角速度(コリオリ力)に応じた電荷が発生す る(すなわち、センサ信号S10が発生する)。

  〔駆動回路〕
 駆動回路11は、駆動信号Sdrvを物理量センサ1 0に供給する。また、駆動回路11は、物理量セ ンサ10からの振動信号Soscに応じて駆動信号Sdr vの周波数および振幅を調整する。駆動回路11 では、モニタアンプ11aは、物理量センサ10か の振動信号Soscを電圧に変換し、自動利得制 御増幅器(AGC)11bは、モニタアンプ11aの出力を 幅または減衰させるものであり、駆動アン 11cに供給される電圧が一定値になるように 自己の増幅利得を変化させる。駆動アンプ1 1cは、自動利得制御増幅器11bの出力に応じて 動信号Sdrvの周波数および振幅を制御する。 このように、振動信号Soscに応じて駆動信号Sd rvが調整されることにより、物理量センサ10 最大振動振幅および振動周波数が一定に保 れる。

  〔物理量検出回路〕
 物理量検出回路12は、物理量センサ10からの センサ信号S10に基づいて物理量を検出する。 物理量検出回路12は、波形整形回路101と、逓 回路102と、位相調整回路100と、入力アンプ1 03と、同期検波回路104と、ローパスフィルタ1 05と、出力アンプ106とを含む。

 波形整形回路101は、駆動信号Sdrvを方形波 に変換し、基準クロックCKrefとして出力する 例えば、波形整形回路101は、コンパレータ インバータによって構成される。基準クロ クCKrefの周波数は、駆動信号Sdrvの周波数(す なわち、センサ信号S10の周波数)と実質的に 一である。逓倍回路102は、基準クロックCKref を逓倍し、基準クロックCKrefの周波数よりも い周波数を有する動作クロックCKaを生成す 。例えば、逓倍回路102はPLL(Phase Locked Loop) よって構成される。

 位相調整回路100は、シフトレジスタ100Rと 、セレクタ100Sとを含む。シフトレジスタ100R 、逓倍回路102からの動作クロックCKaに同期 て波形整形回路101からの基準クロックCKref 順次シフトさせることにより、位相が所定 ずつずれたn個(nは2以上の整数)の遅延クロッ クCK1,CK2,・・CKnを生成する。例えば、シフト ジスタ100Rは、縦続接続された複数のフリッ プフロップによって構成される。セレクタ100 Sは、外部制御により設定された設定値SETに じて、遅延クロックCK1,CK2,・・・,CKnのいず か1つを選択し、選択した遅延クロックを選 クロックSSSとして出力する。設定値SETは、 相調整回路100の遅延時間を設定するための であり、動作クロックCKaのパルス数を示す 例えば、設定値SETが“3”に設定されると、 セレクタ100Sは、第3番目の遅延クロックCK3を 択する。これにより、位相調整回路100の遅 時間は、動作クロックCKaの3パルスに対応す る時間に設定される。

 入力アンプ103は、物理量センサ10からの ンサ信号S10を電圧に変換し、アナログセン 信号Ssncとして出力する。同期検波回路104は 位相調整回路100からの選択クロックSSSを用 て入力アンプ103によって得られたアナログ ンサ信号Ssncから物理量信号(物理量センサ10 によって検知された物理量に対応する信号) 検波する。ローパスフィルタ105は、ノイズ 去等のために同期検波回路104によって検波 れた物理量信号のうち低周波数成分のみを 過させる。出力アンプ106は、ローパスフィ タ105によって処理された物理量信号を増幅 、アナログ検出信号Sphyとして出力する。

  〔動作〕
 次に、図2を参照しつつ、図1に示した物理 検出回路12による動作について説明する。な お、ここでは、動作クロックCKaの周期を“t とし、アナログセンサ信号Ssncの位相は、駆 信号Sdrvの位相(すなわち、基準クロックCKref の位相)よりも“3t”だけ遅れているものとす る。

 波形整形回路101は、駆動信号Sdrvを基準ク ロックCKrefに変換し、逓倍回路102は、基準ク ックCKrefに基づいて動作クロックCKaを生成 、シフトレジスタ100Rは、複数の遅延クロッ CK1,CK2,・・・,CKn(図2では5個)を生成する。こ こで、設定値SETが「3」に設定されると、セ クタ100Sは、3番目の遅延クロックCK3を選択ク ロックSSSとして選択する。これにより、選択 クロックSSSの位相をアナログセンサ信号Ssnc 位相に一致させることができる。また、選 クロックSSSの周波数は基準クロックCKrefの周 波数と同一であるので、同期検波回路104は、 位相調整回路100からの選択クロックSSSをその ままアナログセンサ信号Ssncに乗算して物理 信号(アナログ値)を検出する。このように、 同期検波回路104は、選択クロックSSSの遷移エ ッジ(ここでは、立ち上がりエッジ)を基準と て物理量信号の検波を開始する。また、選 クロックSSSの遷移エッジは、基準クロックC Krefの遷移エッジよりも“3t”だけ遅延してい る。すなわち、位相調整回路100は、基準クロ ックCKrefの遷移エッジを動作クロックCKaの3パ ルスに対応する時間だけ遅延させる。

 以上のように、動作クロックCKaの周期を 位として検波信号(選択クロックSSS)の位相 設定できる。また、動作クロックCKaの周波 が高い程、選択クロックSSSの位相を精密に 定できる。これにより、従来よりもセンサ 号と検波信号との位相関係を精密に調整で 、検波精度を向上させることができる。

 また、位相調整回路100をデジタル回路に って構成することにより、従来よりも製造 らつきや周辺環境の変動(例えば、電源電圧 の変動や温度変化など)に対する耐性を強化 ることができる。すなわち、製造ばらつき 周辺環境の変動に起因する遅延時間(位相調 回路100の遅延時間)の誤差を少なくすること ができる。

 (実施形態1の変形例)
 また、図3のように、位相調整回路100は、デ ジタル化された物理量検出回路にも適用可能 である。図3に示した物理量検出回路12aは、 力アンプ111と、アナログ/デジタル変換器(A/D )112と、検波信号生成器113と、乗算器114と、 ジタルフィルタ115と、図1に示した波形整形 路101,逓倍回路102,位相調整回路100とを含む

 入力アンプ111は、物理量センサ10からの ンサ信号S10を電圧に変換し、アナログセン 信号Ssncとして出力する。アナログ/デジタル 変換器112は、動作クロックCKaに同期してアナ ログセンサ信号Ssncをサンプリングし、サン リングしたアナログ値(振幅値)をデジタル値 に変換する。これにより、アナログセンサ信 号Ssncは、複数のデジタル値によって構成さ たデジタルセンサ信号Dsncに変換される。

 検波信号生成器113は、位相調整回路100か の選択クロックSSSの遷移エッジ(ここでは、 立ち上がりエッジ)に応答して、正弦波信号 対応するデジタル検波信号Ddetを生成する。 ジタル検波信号Ddetは、複数の正弦波データ によって構成される。複数の正弦波データは 、それぞれ、所定クロック(例えば、動作ク ックCKa)に同期して所定周波数の正弦波信号( 例えば、駆動信号Sdrv)をサンプリングするこ によって得られる複数のアナログ値(振幅値 )に対応する(図4B参照)。例えば、複数の正弦 データは、正弦関数で表現される理想的な 幅値を示す。

 乗算器114は、アナログ/デジタル変換器112 によって得られたデジタル信号Dsncに検波信 生成器113によって生成されたデジタル検波 号Ddetを乗算する。これにより、物理量信号( デジタル値)が検波される。デジタルフィル 115は、動作クロックCKaに同期して動作し、 イズ除去等のために乗算器114によって検波 れた物理量信号のうち低周波数成分のみを ジタル検出信号Dphyとして通過させる。

  〔検波信号生成器〕
 図4Aのように、検波信号生成器113は、リン カウンタ121と、データ格納部122と、データ 出部123とを含む。リングカウンタ121,データ 出部123は、動作クロックCKaに同期して動作 る。リングカウンタ121は、選択クロックSSS 遷移エッジに応答してカウント値CNTのイン リメントを開始し、カウント値CNTが所定の 大値に到達するとカウント値CNTを“0”にリ セットする。データ格納部122は、デジタル検 波信号Ddetの元となる複数の正弦波データDATA 格納する。データ読出部123は、予め設定さ たカウント値CNTと正弦波データDATAとの対応 関係(図4B)に基づいて、リングカウンタ121の ウント値CNTに対応する正弦波データDATAを読 出して出力する。このようにして、正弦波 ータD0,D1,D2,・・・,D15を順番に出力するによ って、正弦波信号に対応するデジタル検波信 号Ddetが生成される。

  〔動作〕
 次に、図5を参照しつつ、図3に示した物理 検出回路12aによる動作について説明する。 お、ここでは、アナログセンサ信号Ssncの位 は、基準クロックCKrefの位相よりも“3t”だ け遅れているものとする。

 アナログ/デジタル変換器112は、動作クロ ックCKaに同期してアナログセンサ信号Ssncを ジタル値P0,P1,P2,・・・・に変換する。ここ 、設定値SETが“3”に設定されると、位相調 回路100は、基準クロックCKrefを動作クロッ CKaの3パルスに対応する時間“3t”だけ遅延 せ、選択クロックSSSとして出力する。検波 号生成器113は、位相調整回路100からの選択 ロックSSSの遷移エッジに応答して正弦波デ タD0,D1,D2・・・を順番に出力する。これによ り、デジタル検波信号Ddetの位相をアナログ ンサ信号Ssncの位相に一致させることができ 。乗算器114は、アナログ/デジタル変換器112 によって得られたデジタル値P0,P1,P2,・・・に 検波信号生成器113からの正弦波データD0,D1,D2, ・・・をそれぞれ乗算する。このように、デ ジタル検波信号Ddetの位相は、選択クロックSS Sの遷移エッジによって規定される。すなわ 、乗算器114は、選択クロックSSSの遷移エッ を基準として物理量信号の検波を開始する

 以上のように、位相調整回路100は、デジ ル化された物理量検出回路にも適用可能で る。また、物理量検出回路をデジタル化す ことにより、製造ばらつきや周辺環境の変 に対する耐性を強化することができ、検波 度をさらに向上させることができる。

 なお、基準クロックCKrefの周波数よりも い周波数を有する別の動作クロック(動作ク ックCKaとは異なる周波数を有するクロック) を位相調整回路100に供給しても良い。

  〔検波信号生成器の変形例〕
 また、図6Aのように、リングカウンタ121が 準クロックCKrefの遷移エッジに応答してカウ ント値CNTのインクリメントを開始するように 構成しても良い。この場合、データ読出部123 におけるカウント値CNTと正弦波データDATAと 対応関係は、外部制御CTRLによって設定可能 ある。データ読出部123は、選択クロックSSS 遷移エッジに応答して、カウント値CNTに対 する正弦波データDATAの読み出しを開始する 。例えば、位相調整回路100の設定値SETが“3 に設定されると、カウント値CNTと正弦波デ タDATAとの対応関係は、図6Bのように設定さ る。このように設定することにより、検波 号生成器113は、選択クロックSSSの遷移エッ に応答して正弦波データD0,D1,D2,・・・を順 に出力することができる。

 (実施形態2)
 図7は、この発明の実施形態2による物理量 ンサ装置の構成例を示す。この物理量セン 装置は、図1に示した物理量検出回路12に代 て、物理量検出回路22を備える。物理量検出 回路22は、図1に示した位相調整回路100に代え て、位相調整回路200を含む。その他の構成は 、図1と同様である。

 位相調整回路200は、位相調整カウンタ201 、分周回路202とを含む。位相調整カウンタ2 01は、基準クロックCKrefの遷移エッジ(ここで 、立ち上がりエッジ)に応答して動作クロッ クCKaの発生パルス数の計数を開始し、そのカ ウント値が外部制御によって設定された設定 値SETに到達するとタイミング信号TTTを出力す る。例えば、位相調整カウンタ201は、複数の フリップフロップや論理演算素子によって構 成される。分周回路202は、位相調整カウンタ 201からのタイミング信号TTTの遷移エッジに応 答して分周処理を開始する(例えば、分周回 202の出力が初期状態にリセットされる。)。 して、分周回路202は、動作クロックCKaを分 し、基準クロックCKrefの周波数と同一の周 数を有するアナログ検波信号Sdetを生成する 例えば、動作クロックCKaの周波数が基準ク ックCKrefの周波数の16倍である場合、分周回 路202は、動作クロックCKaの周波数の1/16に分 する。

  〔動作〕
 次に、図8を参照しつつ、図7に示した物理 検出回路22による動作について説明する。な お、ここでは、アナログセンサ信号Ssncの位 は、基準クロックCKrefの位相よりも“3t”だ 遅れているものとする。また、動作クロッ CKaの周波数を1/16に分周するために、分周回 路202を5ビットカウンタによって構成し、そ 5ビットカウンタの5出力のうちMSB(Most Signific ant Bit)に対応する出力をアナログ検波信号Sde tとして供給するものとする。

 位相調整カウンタ201は、基準クロックCKre fの遷移エッジに応答して動作クロックCKaの 生パルス数の計数を開始する。ここで、設 値SETが“3”に設定されると、位相調整カウ タ201は、カウント値が“3”に到達するとタ イミング信号TTTを出力する。分周回路202は、 位相調整カウンタ201からのタイミング信号TTT の遷移エッジに応答して、予め設定された初 期値(ここでは、8)からカウントを開始し、カ ウント値が最大値(ここでは、15)に到達する カウント値を“0”にリセットする。分周回 202のMSB出力は、分周回路202のカウント値が8 ~15のいずれかである場合には“1”になり、 周回路202のカウント値が0~7のいずれかであ 場合には“0”になる。これにより、アナロ 検波信号Sdetの位相をアナログセンサ信号Ssn cの位相に一致させることができる。このよ に、アナログ検波信号Sdetの位相は、タイミ グ信号TTTの遷移エッジによって規定される すなわち、同期検波回路104は、タイミング 号TTTの遷移エッジを基準として物理量信号 検波を開始する。

 以上のように、動作クロックCKaの周期を 位としてアナログ検波信号Sdetの位相を設定 できる。また、動作クロックCKaの周波数が高 い程、アナログ検波信号Sdetの位相を精密に 定できる。これにより、従来よりもセンサ 号S10と検波信号との位相関係を精密に調整 き、検波精度を向上させることができる。

 また、位相調整回路200をデジタル回路に って構成することにより、従来よりも製造 らつきや周辺環境の変化に対する耐性を強 することができる。

 なお、分周回路202は、基準クロックCKref 周波数よりも高い周波数を有する別の動作 ロック(動作クロックCKaとは異なる周波数を するクロック)を分周し、アナログ検波信号 Sdetを生成しても良い。

 (実施形態2の変形例1)
 また、図9のように、位相調整カウンタ201は 、デジタル化された物理量検出回路にも適用 可能である。図9に示した物理量検出回路22a 、図3に示した位相調整回路100に代えて、図7 に示した位相調整カウンタ201を含む。検波信 号生成器113は、位相調整カウンタ201からのタ イミング信号TTTの遷移エッジに応答してデジ タル検波信号Ddetの生成を開始する。その他 構成は、図3と同様である。

 図10のように、設定値SETが“3”に設定さ ると、位相調整カウンタ201は、基準クロッ CKrefの遷移エッジから動作クロックCKaの3パ スに対応する時間“3t”の経過後にタイミ グ信号TTTを出力する。検波信号生成器113は 位相調整カウンタ201からのタイミング信号TT Tの遷移エッジに応答して、正弦波データD0,D1 ,D2,・・・を順番に出力する。これにより、 ジタル検波信号Ddetの位相をアナログセンサ 号Ssncの位相に一致させることができる。

 なお、位相調整カウンタ201は、基準クロ クCKrefの周波数よりも高い周波数を有する の動作クロック(動作クロックCKaとは異なる 波数を有するクロック)に同期して動作して も良い。

 (実施形態2の変形例2)
 なお、図11のように、位相調整カウンタ201 らのタイミング信号TTTの遷移エッジに応答 て、別の動作クロックCKpを生成しても良い 図11に示した物理量検出回路22bは、図9に示 た構成に加えて、分周回路202p(クロック生成 回路)と、デシメーションフィルタ116とを備 る。

 分周回路202pは、位相調整カウンタ201から のタイミング信号TTTの遷移エッジに応答して 分周処理を開始し、動作クロックCKaを分周し て動作クロックCKaの周波数よりも低い周波数 を有する動作クロックCKpを生成する。これに より、動作クロックCKpの位相をアナログセン サ信号Ssncに一致させることができる。アナ グ/デジタル変換器112,デシメーションフィル タ116,位相調整カウンタ201は、逓倍回路102か の動作クロックCKaに同期して動作する一方 検波信号生成器113,デジタルフィルタ115は、 周回路202pからの動作クロックCKpに同期して 動作する。このように、デシメーションフィ ルタ116の前後で動作周波数が異なる。デシメ ーションフィルタ116は、デジタルセンサ信号 Dsncにデシメーション処理(サンプリング周波 の変換やデジタル値の間引き等)を実行する ことにより、動作クロックCKaに対応するデジ タルセンサ信号Dsncを動作クロックCKpに対応 るデジタルセンサ信号Ddcに変換する。

 このように構成することにより、位相調 カウンタ201の動作クロックCKaが検波信号生 器113の動作クロックCKpと異なっている場合 も、動作クロックCKaの周期を単位としてデ タル検波信号Ddetの位相を調整できる。

 (実施形態3)
 図12は、この発明の実施形態3による物理量 ンサ装置の構成例を示す。この物理量セン 装置は、図3に示した物理量検出回路12aに代 えて、物理量検出回路32を備える。物理量検 回路32は、図3に示した位相調整回路100に代 て、デジタルセンサ信号Dsncの位相を調整す るための位相調整回路300を備える。その他の 構成は、図3と同様である。

 位相調整回路300は、シフトレジスタ300Rと 、セレクタ300Sとを含む。シフトレジスタ300R 、逓倍回路102からの動作クロックCKaに同期 てデジタルセンサ信号Dsncを順次シフトさせ ることにより、位相が所定量ずつずれたm個(m は2以上の整数)の遅延信号D1,D2,・・・,Dmを生 する。例えば、シフトレジスタ300Rは、縦続 接続された複数のフリップフロップによって 構成される。セレクタ300Sは、外部制御によ 設定された設定値SET1に応じて遅延信号D1,D2, ・・,Dmのいずれか1つを選択し、選択した遅 延信号を遅延デジタルセンサ信号DDsncとして 力する。設定値SET1は、位相調整回路300の遅 延時間を設定するための値であり、動作クロ ックCKaのパルス数を示す。検波信号生成器113 は、基準クロックCKrefの遷移エッジに応答し デジタル検波信号Ddetの生成を開始する。乗 算器114は、位相調整回路300からの遅延デジタ ルセンサ信号DDsncに検波信号生成器113からの ジタル検波信号Ddetを乗算する。

  〔動作〕
 次に、図13を参照しつつ、図12に示した物理 量検出回路32による動作について説明する。 お、ここでは、アナログセンサ信号Ssncの位 相は、基準クロックCKrefの位相よりも“3t” け進んでいるものとする。

 アナログ/デジタル変換器112は、アナログ センサ信号Ssncをデジタルセンサ信号Dsncに変 する。ここで、設定値SET1が“3”に設定さ ると、シフトレジスタ300Rは、3番目の遅延信 号D3を遅延デジタルセンサ信号DDsncとして選 する。すなわち、位相調整回路300は、デジ ルセンサ信号Dsncを動作クロックCKaの3パルス に対応する時間“3t”だけ遅延させる。これ より、遅延デジタルセンサ信号DDsncの位相 基準クロックCKrefの位相(すなわち、デジタ 検波信号Ddetの位相)に一致させることができ る。

 以上のように、動作クロックCKaの周期を 位としてセンサ信号(遅延デジタルセンサ信 号DDsnc)の位相を設定できる。また、動作クロ ックCKaの周波数が高い程、遅延デジタルセン サ信号DDsncの位相を精密に設定できる。これ より、従来よりもセンサ信号と検波信号と 位相関係を精密に調整できるので、検波精 を向上させることができる。

 また、位相調整回路300をデジタル回路に って構成することにより、従来よりも製造 らつきや周辺環境の変動に対する耐性を強 することができる。

 なお、位相調整回路300は、基準クロックC Krefよりも高い周波数を有する別のクロック( 作クロックCKaとは異なる周波数を有するク ック)に同期して動作しても良い。

 (実施形態3の変形例1)
 また、図14のように、2つの位相調整回路を いて、センサ信号(デジタルセンサ信号DDsnc) の位相および検波信号(デジタル検波信号Ddet) の位相をそれぞれ調整しても良い。図14に示 た物理量検出回路32aは、図12に示した構成 加えて、分周回路311bと、デシメーションフ ルタ116と、図3に示した位相調整回路100を含 む。

 分周回路311bは、逓倍回路102からの動作ク ロックCKaを分周し、動作クロックCKaの周波数 よりも低い周波数を有する動作クロックCKbを 生成する。アナログ/デジタル変換器112,位相 整回路300,デシメーションフィルタ116は、逓 倍回路102からの動作クロックCKaに同期して動 作する一方、位相調整回路100,検波信号生成 113,デジタルフィルタ115は、分周回路311bから の動作クロックCKbに同期して動作する。この ように、デシメーションフィルタ116の前後で 動作周波数が異なる。デシメーションフィル タ116は、動作クロックCKaに対応する遅延デジ タルセンサ信号DDsncを動作クロックCKbに対応 るデジタルセンサ信号Ddcに変換する。

  〔動作〕
 次に、図15を参照しつつ、図14に示した物理 量検出回路32aによる動作について説明する。 なお、ここでは、アナログセンサ信号Ssncの 相は、基準クロックCKrefの位相よりも“5t” け遅れているものとする。また、デシメー ョンフィルタ116は、遅延デジタルセンサ信 DDsncを動作クロックCKbの周波数(動作クロッ CKaの周波数の1/2)に対応させるために、遅延 デジタルセンサ信号DDsncからデジタル値を1つ おきに間引くものとする。

 位相調整回路300の設定値SET1が“1”に設 されると、位相調整回路300は、デジタルセ サ信号Dsncを動作クロックCKaの1パルスに対応 する時間“t“だけ遅延させる。これにより 基準クロックCKrefと遅延デジタルセンサ信号 DDsncとの位相差は“6t”になる。また、基準 ロックCKrefとデシメーションフィルタ116によ って得られたデジタルセンサ信号Ddcとの位相 差も“6t”になる。一方、位相調整回路100の 定値SETが“3”に設定されると、位相調整回 路100は、基準クロックCKrefを動作クロックCKb 3パルスに対応する時間“6t”だけ遅延させ 、選択クロックSSSとして出力する。これに り、基準クロックCKrefとデジタル検波信号Dd etとの位相差は“6t”になるので、デジタル ンサ信号Ddcの位相とデジタル検波信号Ddetの 相とを互いに一致させることができる。

 以上のように、センサ信号(遅延デジタル センサ信号DDsnc)および検波信号(デジタル検 信号Ddet)の両方の位相を設定可能にすること により、センサ信号の位相遅れおよび検波信 号の位相遅れの両方を補正できる。

 また、動作クロックCKbは動作クロックCKa りも周波数が低いので、位相調整回路100の 相調整の精度は、位相調整回路300の位相調 の精度よりも低い。このように、位相調整 精度がそれぞれ異なる位相調整回路100,300に 位相調整処理を分担させることにより、位相 調整処理に要する回路規模および消費電力を 低減することができる。例えば、動作クロッ クCKaの周期“t”を単位として最大遅延時間 “16t”に設定できるように構成する場合、 3に示した物理量検出回路12aでは位相調整回 100に16個のフリップフロップを設ける必要 あるが、図14に示した物理量検出回路32aでは 位相調整回路100,300にフリップフロップを4個 つ設ければ良い。

 (実施形態3の変形例2)
 また、図16に示した物理量検出回路32bのよ に、図14に示した位相調整回路100を図9に示 た位相調整カウンタ201に置き換えても良い 位相調整カウンタ201は、動作クロックCKaよ も周波数が低い動作クロックCKbに同期して 作する。このように構成した場合も、図14の 場合と同様の効果を得ることができる。

 (実施形態3の変形例3)
 さらに、図17のように、3つの位相調整回路 用いて、アナログ/デジタル変換器112のサン プリングクロックCKspの位相,センサ信号(遅延 デジタルセンサ信号DDsnc)の位相,検波信号(デ タル検波信号Ddet)の位相をそれぞれ調整し も良い。図17に示した物理量検出回路32cは、 図14に示した構成に加えて、分周回路311a,位 調整回路100aを含む。

 逓倍回路102は、基準クロックCKrefを逓倍 、逓倍クロックCKxを生成する。分周回路311a 、逓倍回路102からの逓倍クロックCKxを分周 、アナログ/デジタル変換器112に要求される サンプリング周波数を同一の周波数を有する 動作クロックCKaを生成する。分周回路311bは 分周回路311aからの動作クロックCKaを分周し 動作クロックCKbを生成する。

 位相調整回路100aは、位相調整回路100と同 様の構成である。位相調整回路100aのシフト ジスタは、逓倍クロックCKxに同期して動作 ロックCKaを順次シフトさせることにより、 相が所定量ずつずれた複数の遅延クロック 生成する。位相調整回路100aのセレクタは、 部制御により設定された設定値SET2に応じて シフトレジスタによって生成された複数の遅 延クロックのいずれか1つを選択し、選択し 遅延クロックをサンプリングクロックCKspと て出力する。設定値SET2は、位相調整回路100 aの遅延時間を設定するための値であり、逓 クロックCKxのパルス数を示す。

  〔動作〕
 次に、図18を参照しつつ、図17に示した物理 量検出回路32cによる動作について説明する。 なお、ここでは、逓倍クロックCKxの周期を“ t”とし、アナログセンサ信号Ssncの位相は、 準クロックCKrefの位相よりも“11t”だけ遅 ているものとする。また、動作クロックCKa( ンプリングクロックCKsp)の周波数,動作クロ クCKbの周波数は、それぞれ、逓倍クロックC Kxの周波数の“1/4”,“1/8”であるものとする 。

 動作クロックCKa(位相調整される前のサン プリングクロック)の遷移エッジは、アナロ センサ信号Ssncの所望のサンプリングポイン SP0,SP1,SP2,・・・・(例えば、正弦波データD0, D1,D2,・・・に対応するポイント)に一致して ない。ここで、位相調整回路100aの設定値SET2 が“3”に設定されると、位相調整回路100aは 動作クロックCKaを逓倍クロックCKxの3パルス に対応する時間“3t”だけ遅延させてサンプ ングクロックCKspとして出力する。これによ り、サンプリングクロックCKspの遷移エッジ 所望サンプリングポイントSP1,SP2,・・・・に それぞれ一致させることができる。

 また、位相調整回路300の設定値SET1を“1 に設定すると、位相調整回路300は、デジタ センサ信号Dsncを動作クロックCKaの1パルスに 対応する時間“4t”だけ遅延させ、遅延デジ ルセンサ信号DDsncとして出力する。ここで 、動作クロックCKaはサンプリングクロックCK spに対して位相が“t”だけずれているので、 基準クロックCKrefと遅延デジタルセンサ信号D Dsncとの位相差は“16t(=3t+8t+t+4t)”になる。ま 、基準クロックCKrefとデシメーションフィ タ105からのデジタルセンサ信号Ddcとの位相 も“16t”になる。

 さらに、位相調整回路100の設定値SETを“2 ”に設定すると、位相調整回路100は、基準ク ロックCKrefを動作クロックCKbの2パルスに対応 する時間“16t”だけ遅延させ、選択クロック SSSとして出力する。これにより、基準クロッ クCKrefとデジタル検波信号Ddetとの位相差は“ 16t”になる。

 以上のように、逓倍クロックCKxの周期を 位としてアナログ/デジタル変換器112のサン プリングクロックCKspの位相を設定すること できる。また、サンプリングクロックCKspの 相を調整することにより、サンプリングポ ント(サンプリングクロックCKspの遷移エッ の位置)を移動させることができ、その結果 デジタルセンサ信号Dsncの位相を変更するこ とができる。これにより、アナログ/デジタ 変換器112のサンプリング周波数の増大を抑 しつつ位相調整の精度を向上させることが きる。また、サンプリングクロックの遷移 ッジを所望サンプリングポイントSP0,SP1,SP2, ・・・に一致させる(または近づける)ことが できるので、アナログ/デジタル変換の精度 向上させることができる。

 なお、分周回路311bは、位相調整回路100a らのサンプリングクロックCKspを分周して動 クロックCKbを生成しても良い。

 (実施形態3の変形例4)
 また、図19のように、位相調整カウンタを いて、アナログ/デジタル変換器112のサンプ ングクロックCKspの位相を調整しても良い。 図19に示した物理量検出回路32dは、図17に示 た位相調整回路100aに代えて、位相調整カウ タ201a,分周回路202aを含む。その他の構成は 図17と同様である。位相調整カウンタ201aは 基準クロックCKrefの遷移エッジに応答して 倍クロックCKxの発生パルス数の計数を開始 、そのカウント値が外部制御によって設定 れた設定値SET2に到達するとタイミング信号S TRを出力する。分周回路202aは、位相調整カウ ンタ201aからのタイミング信号STRの遷移エッ に応答して分周処理を開始し、逓倍回路102 らの逓倍クロックCKxを分周して所定のサン リング周波数を有するサンプリングクロッ CKspを生成する。また、図17,図19に示した位 調整回路100を図9に示した位相調整カウンタ2 01に置き換えた場合も、図17の場合と同様の 果を得ることができる。

 (その他の実施形態)
 なお、以上の各実施形態における物理セン 10は、音叉型に限らず、円柱型,正三角柱型, 正四角柱型,リング型や、その他の形状であ ても良い。また、図20のように、物理量セン サ10は、静電容量式加速度センサであっても い。物理量センサ10は、固定部10bと、可動 10cと、可動電極Pma,Pmbと、検出電極Pfa,Pfbと、 差動増幅器10dとを有する。可動部10cは、加速 度に応じて変位するように固定部10bに連結さ れる。可動電極Pma,Pmbは、可動部10cに配置さ る。検出電極Pfa,Pfbは、それぞれ、可動電極P ma,Pmbに対向するように、固定部10bに配置され る。すなわち、可動電極Pma,検出電極Pfaによ て容量素子Caが構成され、可動電極Pmb,検出 極Pfbによって容量素子Cbが構成される。また 、容量素子Ca,Cbには、それぞれ、発振回路11d らの駆動信号Sdrvが供給される。差動増幅器 10dは、検出電極Pfa,Pfbのそれぞれに発生する 荷量の差に対応するセンサ信号S10を出力す 。加速度が発生すると、可動部10cの変位に 因して容量素子Caの静電容量および容量素子 Cbの静電容量のうち一方が増加し他方が減少 る。これにより、検出電極Pfa,Pfbのそれぞれ における電荷量に差が生じ、この差に対応す るセンサ信号S10が出力される。

 また、以上の各実施形態において設定値S ET,SET1,SET2は変更可能な値として説明したが、 設定値SET,SET1,SET2は固定値であっても良い。

 この発明は、センサ信号と検波信号との 相関係を精密に調整できるので、移動体,携 帯電話,デジタルカメラ,ゲーム機などに用い れる物理量センサ(例えば、音叉型角速度セ ンサや静電容量式加速度センサなど)に好適 ある。