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Patent Searching and Data


Title:
PHYSICAL QUANTITY SENSOR AND METHOD OF MANUFACTURING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/099123
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a physical quantity sensor that can increase detection accuracy, especially when constructed with movable parts that move in parallel in the height direction. The sensor possesses a support substrate, movable parts (6), which are positioned above the support substrate and are supported so that they can move in parallel in the height direction, and a first sensor (61) and a second sensor (62) for sensing displacement of the movable parts based on changes in electrostatic capacity. The first sensor (61) and second sensor (62) are both constructed with alternately disposed, parallel movable electrodes and stationary electrodes, wherein the movable electrodes are formed as a unit with the movable parts and the stationary electrodes are formed separated from the aforementioned movable electrodes. In the initial state, the movable electrodes and the stationary electrodes are disposed offset in the height direction, with the direction of offset of the first movable electrodes (59) relative to the first stationary electrodes (57) that constitute the first sensor being opposite the direction of offset of the second movable electrodes (60) relative to the second stationary electrodes (58) that constitute the second sensor.

Inventors:
YAZAWA HISAYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/051933
Publication Date:
August 13, 2009
Filing Date:
February 05, 2009
Export Citation:
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Assignee:
ALPS ELECTRIC CO LTD (JP)
YAZAWA HISAYUKI (JP)
International Classes:
G01P15/125; H01L29/84
Foreign References:
JP2003014778A2003-01-15
JP2006084326A2006-03-30
JP2006266873A2006-10-05
Attorney, Agent or Firm:
NOZAKI, Teruo et al. (1-21-11 Higashi-IkebukuroToshima-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 支持基板と、前記支持基板の上方に位置し高さ方向に平行移動可能に支持された可動部と、前記可動部の変位を静電容量変化に基づき検知するための第1検知部及び第2検出部と、を有しており、
 前記第1検出部及び第2検出部は共に平面的に交互に並設された可動電極と固定電極とで構成され、前記可動電極は前記可動部に一体に形成され、前記固定電極は前記可動電極とは分離して形成されており、
 初期状態では前記可動電極及び前記固定電極の上面あるいは下面の少なくとも一方が高さ方向にずれて配置されており、前記第1検出部を構成する第1固定電極に対する第1可動電極のずれ方向と、前記第2検出部を構成する第2固定電極に対する第2可動電極のずれ方向とが反対方向となっていることを特徴とする物理量センサ。
 初期状態では、前記第1可動電極、前記第1固定電極、前記第2可動電極及び前記第2固定電極の下面は同位置であり、前記第1可動電極と第2固定電極は同じ高さで形成され、一方、前記第1固定電極と前記第2可動電極は、共に同じ高さで且つ前記第1可動電極及び前記第2固定電極と異なる高さで形成されている請求項1記載の物理量センサ。
 初期状態では、前記第1可動電極、前記第1固定電極、前記第2可動電極及び前記第2固定電極の上面は同位置であり、前記第1可動電極と第2固定電極は同じ高さで形成され、一方、前記第1固定電極と前記第2可動電極は、共に同じ高さで且つ前記第1可動電極及び前記第2固定電極と異なる高さで形成されている請求項1記載の物理量センサ。
 前記第1可動電極、前記第1固定電極、前記第2可動電極及び前記第2固定電極は全て同じ高さ寸法で形成され、初期状態では、前記第1可動電極の上面と前記第2固定電極の上面が同位置にあり、第2可動電極の上面と前記第1固定電極の上面とが同位置で且つ前記第1可動電極及び第2固定電極に対して高さ方向にずれて配置されている請求項1記載の物理量センサ。
 前記可動部及び前記検出部を支持する前記支持基板上に固定されたアンカ部が設けられており、前記アンカ部は、前記可動部の最外周を囲んだ領域よりも内側に位置している請求項1ないし4のいずれかに記載の物理量センサ。
 支持基板と、前記支持基板の上方に位置し上下移動可能に支持された可動部と、前記可動部の変位を静電容量変化に基づき検知するための可動電極及び固定電極とが平面的に交互に並設して成る検知部と、を備え、前記可動部と一体に形成される前記可動電極と、前記可動電極とは分離して形成される前記固定電極を以下の工程を有して形成することを特徴とする物理量センサの製造方法。
 シリコン基板の裏面の検知部形成領域に凹凸を形成する工程、
 前記シリコン基板の裏面に酸化絶縁層を形成する工程、
 前記シリコン基板を前記支持基板上に接合する工程、
 前記シリコン基板から不要な部分を除去し、このとき前記シリコン基板の裏面に形成された凹部あるいは凸部に対応した位置に前記可動 電極あるいは前記固定電極を形成する工程、
 前記可動電極と、前記支持基板との間に位置する酸化絶縁層をエッチングにて除去して前記可動電極を前記可動部とともに上下方向に移動可能にする工程。
 前記シリコン基板の上面に前記裏面に凸部が形成された位置には凹部を、前記裏面に凹部が形成された位置には凸部を対応させて形成し、その後、前記シリコン基板から不要な部分を除去して前記可動電極及び前記固定電極を形成する請求項6記載の物理量センサの製造方法。
 前記シリコン基板の裏面に熱酸化により前記酸化絶縁層を形成する請求項6又は7に記載の物理量センサの製造方法。
 高さ方向に平行移動する前記可動部を備え、
 前記シリコン基板の裏面の第1検知部形成領域と、第2検知部形成領域の夫々に凹凸を形成し、
 前記シリコン基板から不要な部分を除去し、このとき前記第1検知部形成領域に形成された凹部(あるいは凸部)と、前記第2検知部形成領域に形成された凹部(あるいは凸部)に対応した位置に、第1検知部の第1可動電極と、第2検知部の第2固定電極を形成し、前記第1検知部形成領域に形成された凸部(あるいは凹部)と、前記第2検知部形成領域に形成された凸部(あるいは凹部)に対応した位置に、第1検知部の第1固定電極と、第2検知部の第2可動電極を形成する請求項6ないし8のいずれかに記載の物理量センサの製造方法。
Description:
物理量センサ及びその製造方法

 本発明は、MEMS(微小電気機械システム:Micr o ElectroMechanical System)技術を用いて形成され 加速度センサ等の物理量センサに関する。

 SOI基板を用いて形成された例えば加速度 ンサは、支持基板の上方に位置するSOI層(活 性層)に、加速度を受けて変位する可動部、 び可動部の変位を測定するための検出部等 設けられる。

 高さ方向(Z方向)への加速度の検知を可能 するために、Z軸方向へ加速度が作用したと きに例えば可動部をシーソー動作させる構造 が知られている。シーソー型では、可動部の 重心からずらした位置で可動部を支持してい る。下記特許文献に示すように、検出部は可 動電極と固定電極とを備えた櫛歯状電極構造 で形成され、静電容量変化により可動部の変 位を検知する。

 しかし下記特許文献には、可動部が高さ 向に平行移動する構造の検知手段について 体的例示が記載されていない。

 また下記特許文献には高さ寸法(膜厚)が異 る可動電極及び固定電極の具体的製造方法 開示されている。しかしながらいずれも、 極幅を可動電極と固定電極とで変え、エッ ング速度差等を利用するもので、特に例え 特許文献1の図12Bから図12Cに至るリリース工 の精度を出すのが非常に難しいものと思わ る。すなわち特許文献の製造方法では、所 の形状の可動電極及び固定電極を高精度に 造できないものと推測される。

特開2006-266873号公報

 そこで本発明は上記従来の課題を解決す ためのものであり、特に、可動部が高さ方 に平行移動する構造のものにおいて、検出 度を高めることが出来る物理量センサを提 することを目的としている。

 また本発明は、可動電極及び固定電極が さ方向にずれた櫛歯状電極構造を簡単且つ 切に形成できる物理量センサの製造方法を 供することを目的としている。

本発明における物理量センサは、支持基板と 、前記支持基板の上方に位置し高さ方向に平 行移動可能に支持された可動部と、前記可動 部の変位を静電容量変化に基づき検知するた めの第1検知部及び第2検出部と、を有してお 、
 前記第1検出部及び第2検出部は共に平面的 交互に並設された可動電極と固定電極とで 成され、前記可動電極は前記可動部に一体 形成され、前記固定電極は前記可動電極と 分離して形成されており、
 初期状態では前記可動電極及び前記固定電 の上面あるいは下面の少なくとも一方が高 方向にずれて配置されており、前記第1検出 部を構成する第1固定電極に対する第1可動電 のずれ方向と、前記第2検出部を構成する第 2固定電極に対する第2可動電極のずれ方向と 反対方向となっていることを特徴とするも である。これにより可動部が高さ方向に平 移動する構造において、第1検出部と第2検 部とで差動出力を適切に得ることができ、 出精度を高めることが出来る。

 本発明では、初期状態では、前記第1可動 電極、前記第1固定電極、前記第2可動電極及 前記第2固定電極の下面は同位置であり、前 記第1可動電極と第2固定電極は同じ高さで形 され、一方、前記第1固定電極と前記第2可 電極は、共に同じ高さで且つ前記第1可動電 及び前記第2固定電極と異なる高さで形成さ れている構成であることが好ましい。これに より、可動電極の可動可能範囲を大きくしや すく、検出精度を向上させることが出来る。

 また本発明では、初期状態では、前記第1 可動電極、前記第1固定電極、前記第2可動電 及び前記第2固定電極の上面は同位置であり 、前記第1可動電極と第2固定電極は同じ高さ 形成され、一方、前記第1固定電極と前記第 2可動電極は、共に同じ高さで且つ前記第1可 電極及び前記第2固定電極と異なる高さで形 成されている構成であってもよい。これによ り、可動電極の可動可能範囲を大きくしやす く、検出精度を向上させることが出来る。

 あるいは本発明では、前記第1可動電極、 前記第1固定電極、前記第2可動電極及び前記 2固定電極は全て同じ高さ寸法で形成され、 初期状態では、前記第1可動電極の上面と前 第2固定電極の上面が同位置にあり、第2可動 電極の上面と前記第1固定電極の上面とが同 置で且つ前記第1可動電極及び第2固定電極に 対して高さ方向にずれて配置されている構成 であることがより好適である。これにより、 可動電極の可動可能範囲を大きくしやすく、 且つ高出力を得ることができ、検出精度をよ り向上させることが出来る。

 また本発明では、前記可動部及び前記検 部を支持する前記支持基板上に固定された ンカ部が設けられており、前記アンカ部は 前記可動部の最外周を囲んだ領域よりも内 に位置していることが好ましい。これによ 支持基板が変形してもアンカ部に接続して る各素子部分に伝播される歪みの影響を小 くでき、検出精度を向上させることができ 。

 また本発明における物理量センサの製造 法は、支持基板と、前記支持基板の上方に 置し上下移動可能に支持された可動部と、 記可動部の変位を静電容量変化に基づき検 するための可動電極及び固定電極とが平面 に交互に並設して成る検知部と、を備え、 記可動部と一体に形成される前記可動電極 、前記可動電極とは分離して形成される前 固定電極を以下の工程を有して形成するこ を特徴とするものである。

 シリコン基板の裏面の検知部形成領域に凹 を形成する工程、
 前記シリコン基板の裏面に酸化絶縁層を形 する工程、
 前記シリコン基板を前記支持基板上に接合 る工程、
 前記シリコン基板から不要な部分を除去し このとき前記シリコン基板の裏面に形成さ た凹部あるいは凸部に対応した位置に前記 動電極あるいは前記固定電極を形成する工 、
 前記可動電極と、前記支持基板との間に位 する酸化絶縁層をエッチングにて除去して 記可動電極を前記可動部とともに上下方向 移動可能にする工程。

 これにより、下面の位置が異なる可動電 及び固定電極を高精度に形成でき、検出精 の高い櫛歯状電極構造の物理量センサを簡 且つ適切に製造できる。

 また本発明では、前記シリコン基板の上 に前記裏面に凸部が形成された位置には凹 を、前記裏面に凹部が形成された位置には 部を対応させて形成し、その後、前記シリ ン基板から不要な部分を除去して前記可動 極及び前記固定電極を形成することが好ま い。これにより、より検出精度に優れた物 量センサを簡単且つ適切に製造できる。

 また本発明では、前記シリコン基板の裏 に熱酸化により前記酸化絶縁層を形成する とが好ましい。これにより、酸化絶縁層を 凸に沿って所定厚に形成でき、シリコン基 を支持基板上に適切に接合することが可能 なる。

 また本発明では、高さ方向に平行移動する 記可動部を備え、
 前記シリコン基板の裏面の第1検知部形成領 域と、第2検知部形成領域の夫々に凹凸を形 し、
 前記シリコン基板から不要な部分を除去し このとき前記第1検知部形成領域に形成され た凹部(あるいは凸部)と、前記第2検知部形成 領域に形成された凹部(あるいは凸部)に対応 た位置に、第1検知部の第1可動電極と、第2 知部の第2固定電極を形成し、前記第1検知 形成領域に形成された凸部(あるいは凹部)と 、前記第2検知部形成領域に形成された凸部( るいは凹部)に対応した位置に、第1検知部 第1固定電極と、第2検知部の第2可動電極を 成することが好ましい。可動部が高さ方向 平行移動する構造の検出部を適切且つ容易 形成できる。

 本発明では、可動部が高さ方向に平行移 する構造の物理量センサにおいて、第1検出 部と第2検出部とで差動出力を適切に得るこ ができ、検出精度を高めることが出来る。

 また本発明の物理量センサの製造方法に れば、可動電極及び固定電極が高さ方向に れた櫛歯状電極構造を簡単且つ適切に形成 きる。

 図1(a)は本実施形態における加速度センサ の平面図、図1(b)は、矢印A方向から見たビー 部の側面図、図1(c)は、高さ方向に加速度が 作用して変位したビーム部及び可動部の側面 図、図2は、ばね部、ビーム部、及び腕部の 部を示す拡大斜視図、図3は図1(a)に示すB-B線 に沿って高さ方向に切断した切断面を矢印方 向から見た部分断面図、である。

 加速度センサ1は、図3に示すようにSOI(Silicon  on Insulator)基板2を用いて形成される。SOI基 2は、シリコン基板で形成された支持基板3 、シリコン基板で形成されたSOI層(活性層)5 、支持基板3とSOI層5の間に位置する例えばSiO 2 で形成された酸化絶縁層4の積層構造である

 図1(a)に示すようにSOI層5には素子部13が形 成される。素子部13には、可動部(錘)6と、可 部6の変位量を検出するための検出部61,62、 び支持部8~11が形成される。可動部6は支持 8~11を介してアンカ部21,23に支持されている 可動部6や検出部61,62の下には図3に示す酸化 縁層4が形成されておらず支持基板3上に浮 ているがアンカ部21~24は支持基板3上に酸化 縁層4を介して固定支持されている。

 図1(a)に示す形態では、可動部6は、その 外周面を囲んだ領域C(図1(a)では点線で示す) 矩形状で形成される。可動部6の左右方向(X1 方向、X2方向)の最外側面6a,6bの幅中心の位置 ら可動部6の中心O方向に向けて窪む凹部7が 成されている。

 そして凹部7の可動部6の中心O寄りの位置 第1アンカ部21と第2アンカ部23が設けられる

 第1アンカ部21からはX2方向に延びる2本の 部25,26が設けられる。一方、第2アンカ部23 らはX1方向に延びる2本の腕部27,28が設けられ る。図1(a)に示すように、第1アンカ部21から びる腕部25,26の間にはY1-Y2方向に所定間隔の リット40が形成されている。また同様に、 2アンカ部23から延びる腕部27,28の間にはY1-Y2 向に所定間隔のスリット41が形成されてい 。

 これら腕部25~28は、支持基板3に酸化絶縁 4を介して支持されていてもよいし、酸化絶 縁層4が除去されて支持基板3上に浮いていて よいが、腕部25~28は支持基板3上から浮いて るほうが、例えば支持基板3が歪んだときに その歪みの影響を小さくでき好適である。

 図1(a)、図2に示すように、各腕部25~28のア ンカ部21,23側と反対側の端部には腕部25~28の 寸法W2よりも細い幅寸法W1を有するアンカ側 ね部29が直線的に連設されている。腕部25~28 はアンカ側ばね部29よりも高剛性である。

 図2に示すようにアンカ側ばね部29は、そ 高さ寸法(厚さ寸法)H1が、幅寸法W1に比べて い形状である。この実施形態では、アンカ ばね部29の高さ寸法H1は腕部25~28の高さ寸法H 2と同じである。また、長さ寸法L2は幅寸法W1 りも大きい。アンカ側ばね部29の幅寸法W1は 0.8~2.0μm、長さ寸法L2は、50~100μm、高さ寸法H1 10~30μm程度である。

 図1(a)に示すように第1アンカ部21に設けら れた腕部25には、アンカ側ばね部29を介して 可動部6の外周面6bの外側にて、Y2方向に平行 に延びる第1ビーム部30が連設されている。ま た図1(a)に示すように、第1アンカ部21に設け れた腕部26には、アンカ側ばね部29を介して 可動部6の外周面6bの外側にて、Y1方向に平 に延びる第2ビーム部31が連設されている。 た図1(a)に示すように第2アンカ部23に設けら た腕部27には、アンカ側ばね部29を介して、 可動部6の外周面6aの外側にて、Y2方向に平行 延びる第3ビーム部32が連設されている。さ に図1(a)に示すように、第2アンカ部23に設け られた腕部28には、アンカ側ばね部29を介し 、可動部6の外周面6aの外側にて、Y1方向に平 行に延びる第4ビーム部33が連設されている。 図1(a)に示すように、各ビーム部30~33の後端部 30b~33b側がアンカ側ばね部29に接続される。

 図1(a)、図2に示すように各ビーム部30~33の 幅寸法W3は、アンカ側ばね部29の幅寸法W1より も大きい。よって各ビーム部30~33は、アンカ ばね部29よりも高剛性である。

 各ビーム部30~33の高さ寸法(厚さ寸法)は、 アンカ側ばね部29の高さ寸法H1、腕部の高さ 法H2と略同一であり、各ビーム部30~33は、支 基板3上で浮いている。この実施形態では、 図1(a)に示すように、各ビーム部30~33の長さ寸 法L1は、各ビーム部30~33の先端部30a~33aが、可 部6の各角とX1-X2方向にてほぼ対向する長さ 形成されている。そして、各ビーム部30~33 先端部30a~33aと可動部6の四つ角近傍間が直線 的に延びる可動部側ばね部34を介して連結さ ている。可動部側ばね部34の幅寸法や高さ 法(厚さ寸法)は、アンカ側ばね部29の幅寸法W 1及び高さ寸法H1とほぼ同じである。ビーム部 30~33の幅寸法W3は10~30μm、長さ寸法L1は、300~600 μm、高さ寸法は10~30μm程度である。

 このように可動部6と第1アンカ部21及び第 2アンカ部23の間は、腕部25~28、アンカ側ばね 29、ビーム部30~33及び可動部側ばね部34より る支持部8~11により連結されている。

 アンカ側ばね部29及び可動部側ばね部34は 、いずれも高さ方向(厚み方向)に撓み難い。 って、図1(b)のように、高さ方向(Z方向)に加 速度が作用していない初期状態では、各ビー ム部30~33はY1-Y2方向に平行であり高さ方向に 位していない。

 図1(b)に示す初期状態から例えば加速度に 伴う力(慣性力)が可動部6に対して下方向に作 用すると、可動部側ばね部34及びアンカ側ば 部29は捩れ、図1(c)に示すように、各ビーム 30~33の後端部30b~33b側を回転中心として、各 ーム部30~33の先端部30a~33bが同じ変位量にて 方向に向けて回動変位する。すなわちビー 部30~33の先端部30a~33aのほうが、後端部30b~33b よりも下方向に変位する。ビーム部30~33の剛 は高いため、ビーム部30~33自体が例えば曲 ったり捩れたりはほとんどせず、ビーム部30 ~33は直方体形状を保ちながら、ばね部29,34の れにより高さ方向に変位する。このように ね部29,34の捩れ、及び、各ビーム部30~33の先 端部30a~33aの高さ方向への変位により、可動 6が、支持基板3の上面3a(図3参照)と平行な状 を維持しつつ下方向に向けて移動する(高さ 方向に平行移動する)。

 図1(a)に示すように、可動部6のY1-Y2方向に 向く最外周面6c,6dの幅中心の位置から可動部6 の中心Oに向けて所定間隔のスリット43,44が設 けられている。スリット43,44よりも内側の可 部には検出部61,62を構成する固定電極57,58を 設置するに必要な大きさの空間19が設けられ いる。

 図1(a)に示すように、空間19には、可動部6 の中心O方向に凹む凹部19aが形成され、この 部19a内に、第3アンカ部22及び第4アンカ部24 設置される。第3アンカ部22からは2本の腕部5 0,51(兼固定電極)がY2方向に延びている。また 第4アンカ部24からは2本の腕部52,53(兼固定電 極)がY1方向に延びている。腕部50,51間、及び 部52,53間には夫々、X1-X2方向に所定間隔のス リット54,55が形成されている。腕部50、51間及 び腕部52,53間に形成された各スリット54,55は 可動部6に形成されたスリット43,44と空間的 連続して可動部6の外側に開放されている。

 図1(a)に示すように、第3アンカ部22から延 びる2本の腕部50,51から、可動部6に形成され 空間19内にて、夫々X1方向、及びX2方向に延 、X1-X2方向に所定の間隔を空けて並設された 櫛歯状の第1固定電極57が形成されている。ま た図1(a)に示すように、第4アンカ部24から延 る2本の腕部52,53から、可動部6に形成された 間19内にて、夫々X1方向及びX2方向に延び、X 1-X2方向に所定の間隔を空けて並設された櫛 状の第2固定電極58が形成されている。なお 歯電極の並びは一例であり、Y1-Y2方向に並設 される構造でもよい。

 図1(a)に示すように、空間19内には、第1固 定電極57と交互に且つ間隔を空けて並設され 第1可動電極59が、可動部6と一体的に形成さ れている。また図1(a)に示すように空間19内に は、第2固定電極58と交互に且つ間隔を空けて 並設された第2可動電極60が、可動部6と一体 に形成されている。

 図1(a)に示す第1固定電極57と第1可動電極59 とで第1検出部61が構成され、図1(a)に示す第2 定電極58と第2可動電極60とで第2検出部62が 成される。

 第1検出部61と第2検出部62の具体的構成及び 出原理を以下で説明する。
 図4、図5、及び図6では、いずれも可動電極5 9、60及び固定電極57、8を高さ方向(膜厚方向) ら切断した断面形状で示しているが、可動 極と固定電極を区別しやすいように可動電 59,60のみを斜線で示している。

 図4に示す実施形態では、初期状態(加速 が作用していない状態)では、第1可動電極59 第1固定電極57、第2可動電極60、第2固定電極 58の下面は同位置(点線で示す基準位置)であ 。また第1可動電極59と第2固定電極58は同じ さで形成され、第1可動電極59の上面と第2固 電極58の上面とは同位置である。一方、第1 定電極57と第2可動電極60は共に同じ高さで 成されるが、上面が第1可動電極59及び第2固 電極58よりも低い位置にある。

 図4(a)に示すように、可動電極59、60が下 向に移動すると、第1検出部61では、第1可動 極59と第1固定電極57との対向面積は変化し いため、静電容量は変化しない。一方、第2 出部62では、第2可動電極60と第2固定電極58 の対向面積が減少するため、静電容量が減 する。

 次に、図4(b)に示すように、可動電極59、6 0が上方向に移動すると、第1検出部61では、 1可動電極59と第1固定電極57との対向面積は 少するため、静電容量は減少する。一方、 2検出部62では、第2可動電極60と第2固定電極5 8との対向面積が変化しないため、静電容量 変化しない。

 図5に示す他の実施形態では、初期状態( 速度が作用していない状態)では、第1可動電 極59、第1固定電極57、第2可動電極60、第2固定 電極58の上面は同位置(点線で示す基準位置) ある。また第1可動電極59と第2固定電極58は じ高さで形成され、第1可動電極59の下面と 2固定電極58の下面とは同位置である。一方 第1固定電極57と第2可動電極60は共に同じ高 で形成されるが、下面が第1可動電極59及び 2固定電極58よりも高い位置にある。

 図5(a)に示すように、可動電極59、60が下 向に移動すると、第1検出部61では、第1可動 極59と第1固定電極57との対向面積は減少す ため、静電容量は減少する。一方、第2検出 62では、第2可動電極60と第2固定電極58との 向面積は変化しないため、静電容量は変化 ない。

 次に、図5(b)に示すように、可動電極59、6 0が上方向に移動すると、第1検出部61では、 1可動電極59と第1固定電極57との対向面積は 化しないため、静電容量は変化しない。一 、第2検出部62では、第2可動電極60と第2固定 極58との対向面積が減少するため、静電容 は減少する。

 次に図6に示す実施形態では、第1可動電 59、第1固定電極57、第2可動電極60及び第2固 電極58は全て同じ高さ寸法(厚さ寸法)で形成 れる。図6(a)(b)に示すように、初期状態では 、第1可動電極59の上面と第2固定電極58の上面 が同位置にあり、第2可動電極60の上面と第1 定電極57の上面とが同位置で且つ第1可動電 59及び第2固定電極58に対して低い位置にずれ て配置されている。

 図6(a)に示すように、可動電極59、60が下 向に移動すると、第1検出部61では、第1可動 極59と第1固定電極57との対向面積は増大す ため、静電容量は増大する。一方、第2検出 62では、第2可動電極60と第2固定電極58との 向面積は減少するため、静電容量は減少す 。

 次に、図6(b)に示すように、可動電極59、6 0が上方向に移動すると、第1検出部61では、 1可動電極59と第1固定電極57との対向面積は 少するため、静電容量は減少する。一方、 2検出部62では、第2可動電極60と第2固定電極5 8との対向面積が増大するため、静電容量は 大する。

 固定電極57、58の電位、及び可動電極59、6 0の電位は、第1アンカ部21、第3アンカ部22及 第4アンカ部24との接続位置から引き出され 配線層70,71,72(図1(a)参照)を介して夫々取り出 され、第1検出部61及び第2検出部62の静電容量 の差動出力を得ることが出来る。この差動出 力に基づき、可動部6の移動距離及び移動方 を知ることができる。

 図1(a)に示すように、配線層70は、第1アン カ部21から延びる2本の腕部25,26間のスリット4 0を通って素子部13の外側に引き出されている 。この実施形態では、図3に示すように配線 70は、第1アンカ部21との接続位置から酸化絶 縁層4上に形成されている。

 また図1(a)に示すように、配線層71は、第3 アンカ部22から延びる2本の腕部50,51間のスリ ト54及び可動部6に形成されたスリット44を って素子部13の外側に引き出されている。こ の配線層71も配線層70と同様にアンカ部との 続位置から例えば酸化絶縁層4上に引き出し 成される。

 また図1(a)に示すように、配線層72は、第4 アンカ部24から延びる2本の腕部52,53間のスリ ト55及び可動部6に形成されたスリット43を って素子部13の外側に引き出されている。こ の配線層72も配線層70と同様にアンカ部との 続位置から例えば酸化絶縁層4上に引き出し 成される。

 また各配線層70~72の下にはスリット内にSO I層が残されたリブ部が形成され、このリブ 上に配線層70~72が形成される構成でもよい。 このようにリブ部を設けることで電気的に安 定して配線層70~72を形成できる。

 次に、図7を用いて、可動電極及び固定電 極の製造方法を説明する。図7は、図6のうち 1検出部61の製造方法を示している。

 図7(a)に示す工程では、SOI層(シリコン基 )5の裏面の第1検出部形成領域に凹凸部80を形 成する。凹凸部80はエッチングにて形成でき 。また、SOI層5の裏面には、凹凸状のアライ メントキー81も形成する。

 次に、SOI層5の裏面に熱酸化により酸化絶縁 層(SiO 2 層)4を形成する。なお、酸化絶縁層4をスパッ タ法やCVD等で形成してもよいが、SOI層5の裏 を凹部の部分を除いてきれいな平坦面とす には、熱酸化により酸化絶縁層4を形成する が好適である。

 次に、図7(b)に示す工程では、SOI層5を酸 絶縁層4を介して支持基板3上に接合する。接 合の方法として熱圧着や常温接合等を用いる ことが出来る。

 図7(b)に示す工程では、必要に応じて、SOI 層5の表面をCMG、あるいはCMP、又は、CMG及びCM Pを施してSOI層5を所定膜厚に調整する。

 次に、図7(c)に示す工程では、アライメン トキー81上に位置するSOI層5をエッチング等で 除去して酸化絶縁層4からなる凹凸状のアラ メントキー81を露出させる。

 続いて、図7(d)に示す工程では、SOI層5の 面に凹凸部82を形成する。凹凸部82をエッチ グにて形成する。図7(d)に示すように、SOI層 の下面に形成された凸部83と厚さ方向にて対 するSOI層5の上面位置に凹部85を形成し、SOI の下面に形成された凹部84と厚さ方向にて 向するSOI層5の上面位置に凸部86を形成する SOI層5の上面に形成された凹凸部82の形成位 は、SOI層5から露出しているアライメントキ 81に基づき高精度に調整できる。

 次に、図7(e)に示す工程では、凹凸間の不 要なSOI層5をディープRIE(Deep RIE)を用いて除去 し、凹凸部82,80に対応する位置のSOI層4の一部 を残して、第1可動電極59及び第1固定電極57を 形成する。またこの工程では、SOI層5から図1( a)に示す可動部6、アンカ部21~24、支持部8~11を 残し、それ以外の不要なSOI層5を除去する。

 そして図7(f)の工程では、第1検出部61と支 持基板3との間にある酸化絶縁層4を、ウエッ エッチングやドライエッチングによる等方 エッチング工程にて除去する。なおこの工 では、可動部6の下にある酸化絶縁層4も除 される必要があるので、可動部6には酸化絶 層4にまで通じる多数の微細孔を形成してお き、微細孔を介して可動部6下の酸化絶縁層4 等方性エッチングで除去されるようにして くことが好ましい。またこの工程では、ア カ部21~24の下にある酸化絶縁層4は残され、 ンカ部21~24は支持基板3上に固定支持された 態を保っている。

 上記では、図6に示す第1検出部61の製造方 法について説明したが、図6に示す第2検出部6 2は、図7(e)の工程で、第2検出部62の第2可動電 極60が符号57に相当する層、第2固定電極58が 号59に相当する層となるように形成すればよ い。

 また、図4及び図5に示す第1検出部61及び 2検出部62の形成も図7に示す製造工程に準じ 行うが、図4に示す第1検出部61及び第2検出 62の製造工程では、図7(a)に示す凹凸部80の形 成を必要としない。また図 5に示す第1検出 61及び第2検出部62の製造工程では、図7(d)に す凹凸部82の形成を必要としない。

 本実施形態の特徴的部分について説明す 。本実施形態では、初期状態(加速度が作用 していない状態)では、第1検出部61を構成す 第1可動電極59と第1固定電極57の上面あるい 下面の少なくとも一方が高さ方向にずれて 置され、第2検出部62を構成する第2可動電極6 0と第2固定電極58の上面あるいは下面の少な とも一方が高さ方向にずれて配置されてい 。また、第1検出部61を構成する第1固定電極5 7に対する第1可動電極59のずれ方向と、第2検 部62を構成する第2固定電極58に対する第2可 電極60のずれ方向とが反対方向となってい 。

 これにより可動部6が高さ方向(Z方向)に平 行移動する構造において、第1検出部61と第2 出部62とで差動出力を適切に得ることができ 、検出精度を高めることが出来る。

 ところで、第1検出部61を構成する第1可動 電極59、第1固定電極57及び第2検出部62を構成 る第2可動電極60、第2固定電極58は同じSOI層5 から形成されたものである。すなわち限られ た膜厚のSOI層5に第1検出部61と第2検出部62を 成して差動出力を得るようにするには、各 出部61,62を構成する可動電極及び固定電極の 高さ寸法(膜厚)及び配置が極めて重要である また可動電極及び固定電極をできる限り簡 な製造方法で且つ高精度に形成できるよう しなければならない。

 図4、図5、図6は、いずれも第1可動電極59 第2固定電極58とが同じ高さ寸法(膜厚)及び 置関係にあり、第2可動電極60と第1固定電極5 7とが同じ高さ寸法(膜厚)及び配置関係にある 。そして第1可動電極59及び第2固定電極58に対 して、第2可動電極60及び第1固定電極57は高さ 方向にずれた配置となっている。例えば第1 動電極、固定電極、第2可動電極の順に上面 び下面が段々とずれる配置では、限られたS OI層5の中で複数段を高精度に形成することが 困難であり、また工程プロセスが複雑になる 。しかも可動部6の変位を差動出力で検知す ために固定電極に対する第1可動電極のずれ と、固定電極に対する第2可動電極のずれ量 の双方を、可動部の変位中、可動電極と固定 電極との間で対向面積が確保され且つ変動す るように考慮しなければならない。一方、本 実施形態では、基本的に可動電極及び固定電 極における上面及び下面の段差は一段しかな く、このような電極配置とすることで、可動 電極59,60の可動可能範囲を大きくでき、すな ち可動部6の変位量を大きくしても適切に変 位検知を行うことができ、検出精度を向上さ せることができる。

 また図6に示す実施形態では、第1検出部61 の静電容量が増大(あるいは減少)したとき、 2検出部62の静電容量は減少(あるいは増大) るので、差動出力を図4、図5に示す構成に比 べて大きくできる。

 また図7に示す製造方法を用いることで、 少なくとも下面の位置が異なる可動電極及び 固定電極を高精度に簡単なプロセスで形成で き、検出精度の高いZ軸検知型センサを適切 製造できる。

 また図1(a)に示すようにアンカ部21~24の全 は可動部6の最外周を囲んだ領域Cよりも内 に位置している。これにより、例えば応力 影響を受けて支持基板3が変形しても、各ア カ部21~24から可動部6や検出部等の各素子部 に伝播される歪みの影響を小さくできる。 って歪みによる可動電極59,60と固定電極57,58 との相対位置の変化を小さくでき検出精度を 向上させることができる。

 特に、素子部13を構成する可動部6下や可 電極下のみならず固定電極や支持部8~11を構 成する腕部25~28、50~53の下にも絶縁層がなく 持基板3上から浮いていることがより効果的 検出精度を向上させる上で好適である。

 図7に示す製造方法は、可動部6が高さ方 に平行移動する構造以外のものにも適用で る。ただし、可動部6が高さ方向に平行移動 る構造であって、図7の製造方法を使用する ことで、第1検出部61を構成する第1固定電極57 に対する第1可動電極59のずれ方向と、第2検 部62を構成する第2固定電極58に対する第2可 電極60のずれ方向とを反対方向とした構造を 適切且つ容易に製造することができる。

 上記した本実施形態の加速度センサはZ軸検 知の1軸型であったが、X軸検知あるいはY軸検 知のセンサ部も設けて、2軸型あるいは3軸型 加速度センサとすることも出来る。
 本実施形態は加速度センサのみならず角速 センサ等にも適用可能である。

図1(a)は本実施形態における加速度セン サの平面図、図1(b)は、矢印A方向から見たビ ム部の側面図、図1(c)は、高さ方向に加速度 が作用して変位したビーム部及び可動部の側 面図、 ばね部、ビーム部、及び腕部の一部を す拡大斜視図、 図1(a)に示すB-B線に沿って高さ方向に切 断した切断面を矢印方向から見た部分断面図 、 第1実施形態における櫛歯状構造の可動 電極と固定電極を高さ方向から切断した断面 図であり、(a)は初期状態と、初期状態から可 動部が下方向に移動したときの図、(b)は初期 状態と、初期状態から可動部が上方向に移動 したときの図、 第2実施形態における櫛歯状構造の可動 電極と固定電極を高さ方向から切断した断面 図であり、(a)は初期状態と、初期状態から可 動部が下方向に移動したときの図、(b)は初期 状態と、初期状態から可動部が上方向に移動 したときの図、 第3実施形態における櫛歯状構造の可動 電極と固定電極を高さ方向から切断した断面 図であり、(a)は初期状態と、初期状態から可 動部が下方向に移動したときの図、(b)は初期 状態と、初期状態から可動部が上方向に移動 したときの図、 図6の第1検出部61の形成方法を示す断面 図、

符号の説明

1 加速度センサ
2 SOI基板
3 支持基板
4 酸化絶縁層
5 SOI層(シリコン基板)
6 可動部
8~11 支持部
13 素子部
21~24 アンカ部
29 アンカ側ばね部
30~33ビーム部
34 可動部側ばね部
40、43、44、54、55 スリット
57、58 固定電極
59、60 可動電極
61 第1検出部
62 第2検出部
70~72 配線層