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Patent Searching and Data


Title:
PIEZOELECTRIC VIBRATOR MANUFACTURING METHOD, FIXING JIG, PIEZOELECTRIC VIBRATOR, OSCILLATOR, ELECTRONIC DEVICE, AND RADIO-CONTROLLED WATCH
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104309
Kind Code:
A1
Abstract:
This piezoelectric vibrator comprises a base substrate, a lid substrate having a recess for a cavity and joined to the base substrate with the recess being opposed to the base substrate, a piezoelectric vibrating reed so joined to the upper face of the base substrate as is housed in the cavity formed between the base substrate and the lid substrate by making use of the recess, external electrodes formed on the lower face of the base substrate, through electrodes formed through the base substrate while keeping the cavity inside gas-tight and connected electrically with the external electrodes, and routing electrodes formed on the upper face of the base substrate for connecting the through electrodes electrically with the joined piezoelectric vibrating reed. The through electrodes include cylindrical members, which are formed of a glass material into a cylindrical shape having two flat ends and a thickness substantially equal to that of the base substrate and which are buried in through holes extending through the base substrate, and electrically conductive core portions having two flat ends and a thickness substantially equal to that of the base substrate and inserted into the center holes of the cylindrical members. The through holes, the cylindrical members and the core portions are integrally fixed by sintering them.

Inventors:
NUMATA MASASHI (JP)
ARATAKE KIYOSHI (JP)
ONITSUKA OSAMU (JP)
FUKUDA JUNYA (JP)
SUGAMA KAZUYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069850
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
October 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SEIKO INSTR INC (JP)
NUMATA MASASHI (JP)
ARATAKE KIYOSHI (JP)
ONITSUKA OSAMU (JP)
FUKUDA JUNYA (JP)
SUGAMA KAZUYOSHI (JP)
International Classes:
H03H9/02; H03B5/32; H03H3/02
Foreign References:
JP2003209198A2003-07-25
JP2006148280A2006-06-08
JP2002124845A2002-04-26
JP2003163562A2003-06-06
JP2003324166A2003-11-14
JPH0629049A1994-02-04
JP2007013636A2007-01-18
Attorney, Agent or Firm:
MATSUSHITA, YOSHIHARU (JP)
Matsushita Yoshiharu (JP)
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Claims:
 互いに接合されたベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子を、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用して一度に複数製造する方法であって、
 前記リッド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わされたときに前記キャビティを形成するキャビティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程と;
 前記ベース基板用ウエハに、平板状の土台部と、前記土台部上から前記土台部の表面に略直交する方向に沿って延在する芯材部と、を有する導電性の鋲体を利用して、前記ウエハを貫通する貫通電極を複数形成する貫通電極形成工程と;
 前記ベース基板用ウエハの上面に、前記貫通電極に対して電気的に接続された引き回し電極を複数形成する引き回し電極形成工程と;
 複数の前記圧電振動片を、前記引き回し電極を介して前記ベース基板用ウエハの上面に接合するマウント工程と;
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせて、前記凹部と両ウエハとで囲まれる前記キャビティ内に前記圧電振動片を収納する重ね合わせ工程と;
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを接合し、前記圧電振動片を前記キャビティ内に封止する接合工程と;
 前記ベース基板用ウエハの下面に、前記貫通電極に電気的に接続された外部電極を複数形成する外部電極形成工程と;
 接合された前記両ウエハを切断して、複数の前記圧電振動子に小片化する切断工程と;を備え、
 前記貫通電極形成工程は、
 前記ベース基板用ウエハに前記ウエハを貫通する貫通孔を複数形成する貫通孔形成工程と;
 これら複数の貫通孔内に、前記土台部が前記ベース基板用ウエハと接触するまで前記鋲体の芯材部を挿入すると共に、前記芯材部と前記貫通孔との間にガラス材料からなる連結材を配置するセット工程と;
 前記連結材を所定の温度で焼成して、前記貫通孔と前記連結材と前記鋲体とを一体的に固定させる焼成工程と;
 焼成後に、少なくとも前記ベース基板用ウエハの上下面のうちの前記土台部が配置された面を研磨して、前記土台部を除去すると共に前記ベース基板用ウエハの上下両面に前記芯材部を露出させる研磨工程と;
 を備えていることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記芯材部として、前記ベース基板用ウエハと略同じ厚みだけ延在すると共に、先端が平坦に形成されたものを用い;
 前記連結材として、両端が平坦で且つ前記ベース基板用ウエハと略同じ厚みに形成された筒体を用い;
 前記セット工程の際、前記複数の貫通孔内に前記筒体を埋め込むと共に、前記筒体の中心孔内に前記鋲体の芯材部を、土台部がベース基板用ウエハと接触するまで挿入し;
 前記研磨工程の際、前記土台部を研磨して除去する。
 請求項2に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記筒体として、前記焼成前に予め仮焼成されているものを用いる。
 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記連結材として、ペースト状のガラスフリットを用い;
 前記セット工程の際、前記複数の貫通孔に、前記鋲体の芯材部を配置すると共に、前記ベース基板用ウエハの上下面のうちの前記土台部が配置された面と反対側の面に前記ガラスフリットを塗布し、前記貫通孔と前記鋲体の芯材部との間隙に前記ガラスフリットを充填し;
 前記研磨工程の際、前記ベース基板用ウエハの上下面のうちの前記土台部が配置された面を研磨して前記土台部を除去すると共に、前記ベース基板用ウエハの前記反対側の面を研磨して前記芯材部を露出させ;
 前記研磨工程前の前記芯材部の長さが、前記ベース基板用ウエハの厚みより短く形成されている。
 請求項4に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記セット工程は、前記反対側の面に余分に塗布された前記ガラスフリットをスキージにより除去するガラスフリット除去工程を更に有し;
 前記ガラスフリット除去工程において、前記スキージと前記鋲体の芯材部とが接触しないように前記芯材部の長さが設定されている。
 請求項5に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記芯材部の長さが、前記ベース基板用ウエハの厚みよりも0.02mm以上短く形成されている。
 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記連結材として、ガラスフリットを用い;
 前記セット工程は、
 前記ベース基板用ウエハに形成された複数の前記貫通孔それぞれの内部に、前記鋲体の芯材部を、前記ベース基板用ウエハの一方側から挿入する芯材部挿入工程と;
 前記ベース基板用ウエハに前記芯材部が挿入された状態の前記鋲体の土台部を前記ベース基板用ウエハとの間に挟み込んで前記鋲体の姿勢を規制する固定治具を、前記ベース基板用ウエハの前記一方側に配置する固定治具配置工程と;
 前記貫通孔の内周壁と前記鋲体との間を塞ぐように前記ガラスフリットを充填するフリット充填工程と;
 前記固定治具と前記ベース基板用ウエハとを相互に密接させる押さえ治具によって、前記ベース基板用ウエハと前記固定治具との間に前記鋲体の土台部を挟みこませることで、前記土台部の表面を前記ベース基板用ウエハに当接させ、前記鋲体の芯材部の軸線と前記貫通孔の軸線とが互いに平行になるように前記鋲体の姿勢を規制する挟み込み工程と;
 を備え、
 前記焼成工程の際、前記押さえ治具によって前記ベース基板用ウエハと前記固定治具との間に前記鋲体の土台部を挟み込ませた状態で焼成し;
 前記研磨工程の際、前記鋲体の土台部を研磨して除去すると共に、前記ベース基板用ウエハの両面を研磨する。
 請求項7に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記挟み込み工程の際、前記押さえ治具によって、互いに重ね合わせられた前記固定治具及び前記ベース基板用ウエハを、それぞれの外側表面で挟持する。
 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記連結材として、ガラスフリットを用い;
 前記セット工程の際、前記複数の貫通孔それぞれの内部に、前記鋲体の芯材部を、前記土台部が前記基板用ウエハと接触するまで挿入すると共に、前記貫通孔の内周壁と前記鋲体との間を塞ぐように前記ガラスフリットを充填し;
 前記研磨工程の際、前記鋲体の土台部を研磨して除去すると共に、前記ベース基板用ウエハの両面を研磨し;
 前記貫通電極形成工程は、前記研磨工程の後に前記ガラスフリットの上面の凹部に埋込材を埋め込むと共に、前記ガラスフリットの上面側に平坦面を形成する平坦面形成工程を備えている。
 請求項9に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記埋込材として、導電性材料を用いる。
 請求項9に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記平坦面形成工程は、
 前記ガラスフリットの上面の凹部に埋込材を埋め込む埋込工程と;
 前記埋込材を研磨して、前記埋込材の表面と前記ガラスフリットの上面とで、前記ベース基板用ウエハの上面と面一であるような前記平坦面を形成する平坦化工程と;
 を備える。
 請求項9に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記埋込材として、熱膨張係数が前記ガラスフリットと略等しいものを用いる。
 請求項9に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記埋込材として、融点が前記ガラスフリットより低いものを用いる。
 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記ベース基板用ウエハ及び前記芯材部として、熱膨張係数が前記連結材と略等しいものをそれぞれ用いる。
 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記ベース基板用ウエハとして、前記連結材と同じガラス材料からなるものを使用し;
 前記芯材部として、熱膨張係数が前記連結材と略等しいものを用いる。
 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記マウント工程前に、前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせたときに、前記凹部の周囲を囲む接合膜をベース基板用ウエハの上面に形成する接合膜形成工程を備え;
 前記接合工程の際、前記接合膜を介して前記両ウエハを陽極接合する。
 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記マウント工程の際、導電性のバンプを利用して前記圧電振動片をバンプ接合する。
 請求項1から17のいずれか1項に記載の圧電振動子の製造方法の実施に使用する固定治具であって、
 板状の固定治具本体と;
 前記固定治具本体の表面に対して前記ベース基板用ウエハを位置決めする位置決め部と;
 前記固定治具本体の表面において、前記位置決め部によって位置決めされた前記ベース基板用ウエハの各前記貫通孔と対向する位置に、底面が平坦で、深さが前記鋲体の土台部の厚みと略等しく、且つ前記底面側における内周壁の内径が前記土台部の外径と略等しく形成された複数の鋲用凹部と;
 を備えることを特徴とする固定治具。
 請求項18に記載の固定治具であって、
 前記鋲用凹部は、開口端部が前記鋲用凹部の底面側に向かうに従って漸次縮径するテーパ状に形成されている。
 ベース基板と;
 キャビティ用の凹部が形成され、前記凹部を前記ベース基板に対向させた状態で前記ベース基板に接合されたリッド基板と;
 前記凹部を利用して前記ベース基板と前記リッド基板との間に形成されたキャビティ内に収納された状態で、前記ベース基板の上面に接合された圧電振動片と;
 前記ベース基板の下面に形成された外部電極と;
 前記ベース基板を貫通するように形成され、前記キャビティ内の気密を維持すると共に、前記外部電極に対して電気的に接続された貫通電極と;
 前記ベース基板の上面に形成され、接合された前記圧電振動片に対して前記貫通電極を電気的に接続させる引き回し電極と;を備え、
 前記貫通電極は、ガラス材料により両端が平坦で且つ前記ベース基板と略同じ厚みの筒状に形成され、前記ベース基板を貫通する貫通孔内に埋め込まれた筒体と;両端が平坦で且つ前記ベース基板と略同じ厚みに形成され、前記筒体の中心孔に挿入された導電性の芯材部と;で形成され、焼成によって前記貫通孔と前記筒体と前記芯材部とが一体的に固定されていることを特徴とする圧電振動子。
 請求項20に記載の圧電振動子であって、
 前記筒体は、前記焼成前に予め仮焼されている。
 請求項20に記載の圧電振動子であって、
 前記ベース基板及び前記芯材部は、それぞれの熱膨張係数が前記筒体と略等しい。
 請求項20に記載の圧電振動子であって、
 前記ベース基板は、前記筒体と同じガラス材料により形成され、
 前記芯材部は、熱膨張係数が前記筒体と略等しい。
 ベース基板と;
 キャビティ用の凹部が形成され、前記凹部を前記ベース基板に対向させた状態で前記ベース基板に接合されたリッド基板と;
 前記凹部を利用して前記ベース基板と前記リッド基板との間に形成されたキャビティ内に収納された状態で、前記ベース基板の上面に接合された圧電振動片と;
 前記ベース基板の下面に形成された外部電極と;
 前記ベース基板を上下方向に貫通する貫通孔内に、前記ベース基板を貫通するように形成され、前記外部電極に対して電気的に接続された貫通電極と;
 前記ベース基板の上面に形成され、接合された前記圧電振動片に対して前記貫通電極を電気的に接続させる引き回し電極と;を備える圧電振動子であって、
 前記ベース基板に形成された前記貫通孔の内周壁と、前記貫通電極との間を塞ぐように充填されると共に、上面に凹部が形成されたガラスフリットと;
 前記ガラスフリットの上面の凹部に埋め込まれると共に、前記ガラスフリットの上面側に平坦面を形成する埋込材と;
 を備えていることを特徴とする圧電振動子。
 請求項24に記載の圧電振動子であって、
 前記埋込材は、導電性材料である。
 請求項24に記載の圧電振動子であって、
 前記埋込材は、前記埋込材の表面と前記ガラスフリットの上面とで、前記ベース基板の上面と面一であるような前記平坦面を形成している。
 請求項24のいずれか1項に記載の圧電振動子であって、
 前記埋込材は、熱膨張係数が前記ガラスフリットと略等しい。
 請求項24に記載の圧電振動子であって、
 前記埋込材は、融点が前記ガラスフリットより低い。
 請求項20又は24に記載の圧電振動子であって、
 前記ベース基板及び前記リッド基板は、前記凹部の周囲を囲むように両基板の間に形成された接合膜を介して陽極接合されている。
 請求項20又は24に記載の圧電振動子であって、
 前記圧電振動片は、導電性のバンプによりバンプ接合されている。
 請求項20から30のいずれか1項に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されている;ことを特徴とする発振器。
 請求項20から30のいずれか1項に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されている;ことを特徴とする電子機器。
 請求項20から30のいずれか1項に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されている;ことを特徴とする電波時計。
Description:
圧電振動子の製造方法、固定治 、並びに圧電振動子、発振器、電子機器及 電波時計

 本発明は、接合された2枚の基板の間に形成 されたキャビティ内に圧電振動片が封止され た表面実装型(SMD)の圧電振動子、この圧電振 子を有する発振器、電子機器及び電波時計 並びにこの圧電振動子を製造する圧電振動 の製造方法及びこの方法に用いる固定治具 関するものである。
 本出願は、特願2008-036422号と、特願2008-164661 号と、特願2008-169961号と、特願2008-174497号と を基礎出願とし、その内容を取り込むもの する。

 近年、携帯電話や携帯情報端末機器には 時刻源や制御信号等のタイミング源、リフ レンス信号源等として水晶等を利用した圧 振動子が用いられている。この種の圧電振 子は、様々なものが知られているが、その1 つとして、表面実装型の圧電振動子が知られ ている。この種の圧電振動子としては、一般 的に圧電振動片が形成された圧電基板を、ベ ース基板とリッド基板とで上下から挟み込む ように接合した3層構造タイプのものが知ら ている。この場合、圧電振動子は、ベース 板とリッド基板との間に形成されたキャビ ィ(密閉室)内に収納されている。また、近年 では、上述した3層構造タイプのものではな 、2層構造タイプのものも開発されている。

 このタイプの圧電振動子は、ベース基板 リッド基板とが直接接合されることで2層構 造になっており、両基板の間に形成されたキ ャビティ内に圧電振動片が収納されている。 この2層構造タイプの圧電振動子は、3層構造 ものに比べて薄型化を図ることができる等 点において優れており、好適に使用されて る。このような2層構造タイプの圧電振動子 の1つとして、ベース基板を貫通するように 成された導電部材を利用して、圧電振動片 ベース基板に形成された外部電極とを導通 せた圧電振動子が知られている(特許文献1及 び特許文献2参照)。

 この圧電振動子600は、図97及び図98に示すよ うに、接合膜607を介して互いに陽極接合され たベース基板601及びリッド基板602と、両基板 601、602の間に形成されたキャビティC内に封 された圧電振動片603と、を備えている。圧 振動片603は、例えば音叉型の振動片であっ 、キャビティC内においてベース基板601の上 に導電性接着剤Eを介してマウントされてい る。
 ベース基板601及びリッド基板602は、例えば ラミックやガラス等からなる絶縁基板であ 。両基板601、602のうちベース基板601には、 のベース基板601を貫通するスルーホール604 形成されている。そして、スルーホール604 には、このスルーホール604を塞ぐように導 部材605が埋め込まれている。この導電部材6 05は、ベース基板601の下面に形成された外部 極606に電気的に接続されていると共に、キ ビティC内にマウントされている圧電振動片 603に電気的に接続されている。

特開2002-124845号公報

特開2006-279872号公報

 ところで、上述した2層構造タイプの圧電 振動子において、導電部材605は、スルーホー ル604を塞いでキャビティC内の気密を維持す と共に、圧電振動片603と外部電極606とを導 させるという2つの大きな役割を担っている 特に、スルーホール604との密着が不十分で ると、キャビティC内の気密が損なわれてし まう恐れがあり、また、導電性接着剤E或い 外部電極606との接触が不十分であると、圧 振動片603の作動不良を招いてしまう。従っ 、このような不具合をなくす為にも、スル ホール604の内面に強固に密着した状態でこ スルーホール604を完全に塞ぎ、しかも、表 に凹み等がない状態で導電部材605を形成す 必要がある。

 しかしながら、特許文献1及び特許文献2に 、導電部材605を導電ペースト(AgペーストやAu -Snペースト等)にて形成する点は記載されて るものの、実際にどのように形成するか等 具体的な製造方法については何ら記載され いない。
 一般的に導電ペーストを使用する場合には 焼成して硬化させる必要がある。つまり、 ルーホール604内に導電ペーストを埋め込ん 後、焼成を行って硬化させる必要がある。 ころが、焼成を行うと、導電ペーストに含 れる有機物が蒸発により消失してしまうの 、通常、焼成後の体積が焼成前に比べて減 してしまう(例えば、導電ペーストとしてAg ーストを用いた場合には、体積が略20%程度 少してしまう)。そのため、導電ペーストを 利用して導電部材605を形成したとしても、表 面に凹みが発生してしまったり、酷い場合に は貫通孔が中心に開いてしまったりする恐れ がある。
 その結果、キャビティC内の気密が損なわれ たり、圧電振動片603と外部電極606との導通性 が損なわれたりする可能性があった。

 本発明は、このような事情に考慮してな れたもので、その目的は、キャビティ内の 密を確実に維持すると共に、圧電振動片と 部電極との安定した導通性を確保した高品 な2層構造式表面実装型の圧電振動子を提供 することである。また、この圧電振動子を、 一度に効率良く製造する圧電振動子の製造方 法、圧電振動子を有する発振器、電子機器、 電波時計を提供することである。

 本発明は、前記課題を解決して係る目的を 成するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係る圧電振動子の製造方法は、互 いに接合されたベース基板とリッド基板との 間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が 封止された圧電振動子を、ベース基板用ウエ ハとリッド基板用ウエハとを利用して一度に 複数製造する方法であって、前記リッド基板 用ウエハに、両ウエハが重ね合わされたとき に前記キャビティを形成するキャビティ用の 凹部を複数形成する凹部形成工程と;前記ベ ス基板用ウエハに、平板状の土台部と、前 土台部上から前記土台部の表面に略直交す 方向に沿って延在する芯材部と、を有する 電性の鋲体を利用して、前記ウエハを貫通 る貫通電極を複数形成する貫通電極形成工 と;前記ベース基板用ウエハの上面に、前記 通電極に対して電気的に接続された引き回 電極を複数形成する引き回し電極形成工程 ;複数の前記圧電振動片を、前記引き回し電 極を介して前記ベース基板用ウエハの上面に 接合するマウント工程と;前記ベース基板用 エハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合 せて、前記凹部と両ウエハとで囲まれる前 キャビティ内に前記圧電振動片を収納する ね合わせ工程と;前記ベース基板用ウエハと 記リッド基板用ウエハとを接合し、前記圧 振動片を前記キャビティ内に封止する接合 程と;前記ベース基板用ウエハの下面に、前 記貫通電極に電気的に接続された外部電極を 複数形成する外部電極形成工程と;接合され 前記両ウエハを切断して、複数の前記圧電 動子に小片化する切断工程と;を備え、前記 通電極形成工程は;前記ベース基板用ウエハ に前記ウエハを貫通する貫通孔を複数形成す る貫通孔形成工程と;これら複数の貫通孔内 、前記土台部が前記ベース基板用ウエハと 触するまで前記鋲体の芯材部を挿入すると に、前記芯材部と前記貫通孔との間にガラ 材料からなる連結材を配置するセット工程 ;前記連結材を所定の温度で焼成して、前記 通孔と前記連結材と前記鋲体とを一体的に 定させる焼成工程と;焼成後に、少なくとも 前記ベース基板用ウエハの上下面のうちの前 記土台部が配置された面を研磨して、前記土 台部を除去すると共に前記ベース基板用ウエ ハの上下両面に前記芯材部を露出させる研磨 工程と;を備えている。

 この発明に係る圧電振動子の製造方法に れば、貫通電極形成工程の際、導電ペース を利用するのではなく、前記鋲体及び前記 結材を利用しているので、キャビティ内の 密を確実に維持することができると共に、 電振動片と外部電極との安定した導通性を 保した高品質な2層構造式表面実装型の圧電 振動子を製造することができる。また、ベー ス基板用ウエハ及びリッド基板用ウエハを用 いているので、この圧電振動子を一度に効率 良く製造し、低コスト化を図ることができる 。

(2)前記芯材部として、前記ベース基板用ウ エハと略同じ厚みだけ延在すると共に、先端 が平坦に形成されたものを用い;前記連結材 して、両端が平坦で且つ前記ベース基板用 エハと略同じ厚みに形成された筒体を用い; 記セット工程の際、前記複数の貫通孔内に 記筒体を埋め込むと共に、前記筒体の中心 内に前記鋲体の芯材部を、土台部がベース 板用ウエハと接触するまで挿入し;前記研磨 工程の際、前記土台部を研磨して除去しても 良い。

 この場合、まずリッド基板用ウエハに、キ ビティ用の凹部を複数形成する凹部形成工 を行う。これら凹部は、後に両ウエハを重 合わせた際に、キャビティとなる凹部であ 。
 また、上記工程と同時或いは前後のタイミ グで、ベース基板用ウエハに貫通電極を複 形成する貫通電極形成工程を行う。この際 後に両ウエハを重ね合わせたときに、リッ 基板用ウエハに形成した凹部内に収まるよ に貫通電極を複数形成する。

 この貫通電極形成工程について、詳細に説 すると、まずベース基板用ウエハにこのウ ハを貫通する貫通孔を複数形成する貫通孔 成工程を行う。続いて、これら複数の貫通 内にガラス材料からなる筒体を押し込んで め込むと共に、筒体の中心孔に鋲体の芯材 を挿入するセット工程を行う。この際、鋲 の土台部がベース基板用ウエハに接触する で、芯材部を挿入する。そのため、芯材部 両端を、ベース基板用ウエハの表面に対し ほぼ面一な状態にすることができる。
 仮に土台部がない単なる芯材部を中心孔に 入する場合には、芯材部の両端がベース基 用ウエハの表面に対して面一になるように 置調整する必要がある。しかしながら、土 部上に芯材部が形成された鋲体を利用する で、土台部をベース基板用ウエハに接触さ るまで押し込むだけの簡単な作業で、芯材 の両端をベース基板用ウエハの表面に対し 容易且つ確実に面一にすることができる。 って、セット工程時における作業性を向上 ることができる。

 しかも、土台部をベース基板用ウエハの表 に接触させることで、鋲体よりも先に押し んで埋め込んだ筒体の位置調整を同時に行 ことができる。よって、筒体の両端をベー 基板用ウエハの表面に対してほぼ面一にす ことができる。
 このように、セット工程の際に、筒体及び 材部の両端を、共にベース基板用ウエハの 面に対して容易且つ確実にほぼ面一な状態 することができる。
 更に、土台部は、平板状に形成されている で、セット工程後、次に行う焼成工程まで 間に、ベース基板用ウエハを机上等の平面 に載置したとしても、がたつき等がなく、 定する。この点においても、作業性の向上 図ることができる。

 続いて、埋め込んだ筒体を所定の温度で焼 する焼成工程を行う。これにより、貫通孔 、貫通孔内に埋め込まれた筒体と、筒体に 入された鋲体と、が互いに固着し合う。こ 焼成を行う際に、土台部ごと焼成するので 筒体及び芯材部の両端を、共にベース基板 ウエハの表面に対してほぼ面一な状態にし まま、両者を一体的に固定することができ 。続いて、焼成後に鋲体の土台部を研磨し 除去する研磨工程を行う。これにより、筒 及び芯材部を位置決めさせる役割を果たし いた土台部を除去することができ、芯材部 みを筒体の内部に取り残すことができる。
 その結果、筒体と芯材部とが一体的に固定 れた貫通電極を複数得ることができる。

 特に、貫通電極を形成するにあたって、従 のものとは異なり、ペーストを使用せずに ラス材料からなる筒体と、導電性の芯材部 で貫通電極を形成している。仮にペースト 利用した場合には、焼成時にペースト内に まれる有機物が蒸発してしまうので、ペー トの体積が焼成前に比べて顕著に減少して まう。そのため、仮にペーストだけを貫通 内に埋め込んだ場合には、焼成後にペース の表面に大きな凹みが生じてしまう。
 しかしながら、上述したようにペーストを いずに、筒体と鋲体とを利用するので、焼 後に表面に大きな凹みが現れる恐れがない なお、焼成によって筒体は若干体積が減少 る可能性があるが、ペーストとは違い、目 つ凹みとなって現れるほど顕著なものでは く無視できる範囲である。
 従って、上述したように、ベース基板用ウ ハの表面と、筒体及び芯材部の両端とは、 ぼ面一な状態となる。つまり、ベース基板 ウエハの表面と貫通電極の表面とを、ほぼ 一な状態とすることができる。

 次に、ベース基板用ウエハの上面に導電性 料をパターニングして、各貫通電極に対し それぞれ電気的に接続された引き回し電極 複数形成する引き回し電極形成工程を行う この際、後に両ウエハを重ね合わせたとき 、リッド基板用ウエハに形成した凹部内に まるように引き回し電極を形成する。
 特に、筒体及び芯材部からなる貫通電極は 上述したようにベース基板用ウエハの上面 対してほぼ面一な状態となっている。その め、ベース基板用ウエハの上面にパターニ グされた引き回し電極は、間に隙間等を発 させることなく貫通電極に対して密着した 態で接する。これにより、引き回し電極と 通電極との導通性を確実なものにすること できる。

 次に、複数の圧電振動片を、それぞれ引き し電極を介してベース基板用ウエハの上面 接合するマウント工程を行う。これにより 接合された各圧電振動片は、引き回し電極 介して貫通電極に対して導通した状態とな 。マウント終了後、ベース基板用ウエハと ッド基板用ウエハとを重ね合わせる重ね合 せ工程を行う。これにより、接合された複 の圧電振動片は、凹部と両ウエハとで囲ま るキャビティ内に収納された状態となる。
 次に、重ね合わせた両ウエハを接合する接 工程を行う。これにより、両ウエハが強固 密着するので、圧電振動片をキャビティ内 封止することができる。この際、ベース基 用ウエハに形成された貫通孔は、貫通電極 よって塞がれているので、キャビティ内の 密が貫通孔を通じて損なわれることがない 特に、焼成によって筒体と芯材部とが一体 に固定されていると共に、これらが貫通孔 対して強固に固着されているので、キャビ ィ内の気密を確実に維持することができる

 次に、ベース基板用ウエハの下面に導電性 料をパターニングして、各貫通電極にそれ れ電気的に接続された外部電極を複数形成 る外部電極形成工程を行う。この場合も引 回し電極の形成時と同様に、ベース基板用 エハの下面に対して貫通電極がほぼ面一な 態となっているので、パターニングされた 部電極は、間に隙間等を発生させることな 貫通電極に対して密着した状態で接する。 れにより、外部電極と貫通電極との導通性 確実なものにすることができる。この工程 より、外部電極を利用して、キャビティ内 封止された圧電振動片を作動させることが きる。
 最後に、接合されたベース基板用ウエハ及 リッド基板用ウエハを切断して、複数の圧 振動子に小片化する切断工程を行う。

 その結果、互いに接合されたベース基板と ッド基板との間に形成されたキャビティ内 圧電振動片が封止された2層構造式表面実装 型の圧電振動子を一度に複数製造することが できる。
 特に、ベース基板に対してほぼ面一な状態 貫通電極を形成できるので、貫通電極を、 き回し電極及び外部電極に対して確実に密 させることができる。その結果、圧電振動 と外部電極とのより安定した導通性を確保 ることができ、作動性能の信頼性を向上し 、高品質化を図ることができる。しかも、 電性の芯材部を利用して貫通電極を構成す ので、非常に安定した導通性を得ることが きる。
 また、キャビティ内の気密に関しても確実 維持することができるので、この点におい も高品質化を図ることができる。

(3)前記筒体として、前記焼成前に予め仮焼 成されているものを用いても良い。

 この場合、筒体が予め仮焼成されている で、その後に焼成を行った際に変形や体積 少等が生じ難い。そのため、より高品質な 通電極を形成することができ、キャビティ の気密をより確実にすることができる。そ 結果、圧電振動子の更なる高品質化を図る とができる。

(4)前記連結材として、ペースト状のガラス フリットを用い;前記セット工程の際、前記 数の貫通孔に、前記鋲体の芯材部を配置す と共に、前記ベース基板用ウエハの上下面 うちの前記土台部が配置された面と反対側 面に前記ガラスフリットを塗布し、前記貫 孔と前記鋲体の芯材部との間隙に前記ガラ フリットを充填し;前記研磨工程の際、前記 ース基板用ウエハの上下面のうちの前記土 部が配置された面を研磨して前記土台部を 去すると共に、前記ベース基板用ウエハの 記反対側の面を研磨して前記芯材部を露出 せ;前記研磨工程前の前記芯材部の長さが、 前記ベース基板用ウエハの厚みより短く形成 されていても良い。

 この場合、ベース基板用ウエハに貫通電 を形成する際に、貫通電極の厚さよりも長 が短い芯材部を有する鋲体を用いるため、 ラスフリットを焼成して、貫通孔とガラス リットと鋲体の芯材部とを一体的に固定す までの間に、芯材部が何かに接触するなど て傾いてしまうことを抑制し、圧電振動片 外部電極との安定した導通性を確保するこ ができるとともに、歩留まりを向上させる とができる。

(5)前記セット工程は、前記反対側の面に余 分に塗布された前記ガラスフリットをスキー ジにより除去するガラスフリット除去工程を 更に有し;前記ガラスフリット除去工程にお て、前記スキージと前記鋲体の芯材部とが 触しないように前記芯材部の長さが設定さ ていても良い。

 通常、ペースト状のガラスフリットを貫 孔に充填すると、貫通孔内に充填しきれな ったガラスフリットがベース基板用ウエハ 上下面のうちの土台部が配置された面と反 側の面に漏出するため、焼成前に余分なガ スフリットを除去することが好ましいが、 の場合、スキージを用いて、ガラスフリッ の充填および除去をすることができる。ま 、鋲体の芯材部の長さをベース基板用ウエ の厚さよりも短くし、かつ、スキージと接 しない長さに設定することにより、ガラス リット除去工程において芯材部が傾いてし うのを確実に抑制することができる。した って、圧電振動片と外部電極との安定した 通性を確保することができるとともに、歩 まりを向上させることができる。

(6)前記芯材部の長さが、前記ベース基板用 ウエハの厚みよりも0.02mm以上短く形成されて いても良い。

 この場合、ガラスフリット除去工程にお てスキージと芯材部とが接触するのをより 層確実に抑制することができる。

(7)前記連結材として、ガラスフリットを用 い;前記セット工程は、前記ベース基板用ウ ハに形成された複数の前記貫通孔それぞれ 内部に、前記鋲体の芯材部を、前記ベース 板用ウエハの一方側から挿入する芯材部挿 工程と;前記ベース基板用ウエハに前記芯材 が挿入された状態の前記鋲体の土台部を前 ベース基板用ウエハとの間に挟み込んで前 鋲体の姿勢を規制する固定治具を、前記ベ ス基板用ウエハの前記一方側に配置する固 治具配置工程と;前記貫通孔の内周壁と前記 鋲体との間を塞ぐように前記ガラスフリット を充填するフリット充填工程と;前記固定治 と前記ベース基板用ウエハとを相互に密接 せる押さえ治具によって、前記ベース基板 ウエハと前記固定治具との間に前記鋲体の 台部を挟みこませることで、前記土台部の 面を前記ベース基板用ウエハに当接させ、 記鋲体の芯材部の軸線と前記貫通孔の軸線 が互いに平行になるように前記鋲体の姿勢 規制する挟み込み工程と;を備え、前記焼成 程の際、前記押さえ治具によって前記ベー 基板用ウエハと前記固定治具との間に前記 体の土台部を挟み込ませた状態で焼成し;前 記研磨工程の際、前記鋲体の土台部を研磨し て除去すると共に、前記ベース基板用ウエハ の両面を研磨しても良い。

 この場合、セット工程の際に、まずベース 板用ウエハに形成された複数の貫通孔それ れの内部に、鋲体の芯材部をベース基板用 エハの一方側から挿入する芯材部挿入工程 行う。
 芯材部挿入工程の前後或いは同時のタイミ グで、固定治具をベース基板用ウエハの前 一方側に配置する固定治具配置工程を行う

 次に、貫通孔の内周壁と鋲体との間を塞ぐ うにガラスフリットを充填するフリット充 工程を行う。
 フリット充填工程の前後のタイミングで、 さえ治具によって、ベース基板用ウエハと 定治具との間に鋲体の土台部を挟み込ませ 挟み込み工程を行う。これにより、土台部 表面をベース基板用ウエハに当接させ、鋲 の芯材部の軸線と貫通孔の軸線とが互いに 行になるように鋲体の姿勢を規制すること できる。

 次に、ガラスフリットを加熱して焼成する 成工程を行う。これにより、貫通孔と鋲体 ガラスフリットとを一体的に固定させるこ ができる。
 特に、固定治具とベース基板用ウエハとを 互に密接させる押さえ治具によってベース 板用ウエハと固定治具との間に鋲体の土台 を挟み込ませた状態で焼成しているので、 実に鋲体の土台部を挟み込んだ状態を確保 ることができる。

 このため、鋲体の土台部の表面がベース基 用ウエハに当接された状態で焼成され、土 部がベース基板用ウエハに傾くことなく固 される。
 また、鋲体の芯材部の軸線と貫通孔の軸線 が互いに平行になった状態で焼成され、芯 部の軸線が貫通孔の軸線に対して傾くこと く固定される。従って、貫通孔内の空間が 材部によって不均一に区画されることがな 、広い空間にガラスフリットが充填される とがないので、焼成することでガラスフリ トの表面に凹部が形成されることや、ガラ フリットの内部に中空部が形成されるのを 制することができる。

 次に、鋲体の土台部を研磨して除去する 共に、ベース基板用ウエハの両面を研磨す 研磨工程を行う。

 特に、鋲体の土台部がベース基板用ウエ に対して傾くことなく固定されているので ベース基板用ウエハと鋲体との接触面積が く、土台部を研磨して除去するときにベー 基板用ウエハに作用する力が局所的に集中 ることがない。そのため、ベース基板用ウ ハにクラックが生じるのを抑制することが きる。

 また、ガラスフリットに凹部や中空部が形 されるのを抑制しているので、研磨工程後 ガラスフリットの表面に残る段部を極めて さく抑え、ガラスフリットをベース基板用 エハに対してほぼ面一な状態にすることが きる。このため、ガラスフリットの表面に 成される引き回し電極の厚みがばらついて 所的に薄くなることを抑制し、引き回し電 の信頼性を向上することができる。これに り、圧電振動片と貫通電極との安定した導 性を確保することが可能となり、圧電振動 と外部電極とのより安定した導通性を確保 ることができる。
 加えて、鋲体の芯材部の軸線が貫通孔の軸 に対して傾いていないので、研磨工程を経 芯材部を露出させた後であっても、ベース 板用ウエハに必要な厚みを確実に確保する とができる。

(8)前記挟み込み工程の際、前記押さえ治具 によって、互いに重ね合わせられた前記固定 治具及び前記ベース基板用ウエハを、それぞ れの外側表面で挟持しても良い。

 この場合、押さえ治具によって、単に互 に重ね合わせられた固定治具及びベース基 用ウエハを、それぞれの外側表面で挟持す だけで、両者を相互に密接させることがで る。

(9)前記連結材として、ガラスフリットを用 い;前記セット工程の際、前記複数の貫通孔 れぞれの内部に、前記鋲体の芯材部を、前 土台部が前記基板用ウエハと接触するまで 入すると共に、前記貫通孔の内周壁と前記 体との間を塞ぐように前記ガラスフリット 充填し、;前記研磨工程の際、前記鋲体の土 部を研磨して除去すると共に、前記ベース 板用ウエハの両面を研磨し;前記貫通電極形 成工程は、前記研磨工程の後に前記ガラスフ リットの上面の凹部に埋込材を埋め込むと共 に、前記ガラスフリットの上面側に平坦面を 形成する平坦面形成工程を備えていても良い 。

 この場合、まずリッド基板用ウエハに、キ ビティ用の凹部を複数形成する凹部形成工 を行う。これら凹部は、後に両ウエハを重 合わせた際に、キャビティとなる凹部であ 。
 また、上記工程と同時或いは前後のタイミ グで、ベース基板用ウエハに貫通電極を複 形成する貫通電極形成工程を行う。この際 後に両ウエハを重ね合わせたときに、リッ 基板用ウエハに形成した凹部内に収まるよ に貫通電極を複数形成する。

 この貫通電極形成工程について、詳細に 明すると、まずベース基板用ウエハにこの エハを上下方向に貫通する貫通孔を複数形 する貫通孔形成工程を行う。次に、これら 数の貫通孔それぞれの内部に、鋲体の芯材 を挿入すると共に、貫通孔の内周壁と鋲体 の間を塞ぐようにガラスフリットを充填す セット工程を行う。この際、鋲体の土台部 ベース基板用ウエハに接触するまで、芯材 を挿入する。

 次に、埋め込んだガラスフリットを焼成 る焼成工程を行う。これにより、貫通孔と 体とガラスフリットとが互いに固着し合う 次に、焼成後に鋲体の土台部を研磨して除 すると共に、鋲体の芯材部が露出するまで ベース基板用ウエハの両面を研磨する研磨 程を行う。この結果、芯材部は、ベース基 用ウエハを貫通するように形成された貫通 極として作用する。この貫通電極は、導電 の芯材部により形成されており、安定した 通性を確保することができる。

 ここで、研磨工程を行うことで、焼成され ガラスフリット内部で気泡を囲うように硬 した部分が、微小な凹部として表面に露出 てしまうことがある。そこで、次に、ガラ フリットの上面の凹部に埋込材を埋め込む 共に、ガラスフリットの上面側に平坦面を 成する平坦面形成工程を行う。
 以上で貫通電極形成工程が終了する。

 次に、ベース基板用ウエハの上面に、貫 電極に対して電気的に接続された引き回し 極を複数形成する引き回し電極形成工程を う。この際、後に両ウエハを重ね合わせた きに、リッド基板用ウエハに形成した凹部 に収まるように引き回し電極を形成する。

 次に、複数の圧電振動片を、それぞれ引 回し電極を介してベース基板用ウエハの上 に接合するマウント工程を行う。これによ 、接合された各圧電振動片は、引き回し電 を介して貫通電極に対して導通した状態と る。マウント終了後、ベース基板用ウエハ リッド基板用ウエハとを重ね合わせる重ね わせ工程を行う。これにより、接合された 数の圧電振動片は、凹部と両ウエハとで囲 れるキャビティ内に収納された状態となる 次に、重ね合わせた両ウエハを接合する接 工程を行う。これにより、圧電振動片をキ ビティ内に封止することができる。

 次に、ベース基板用ウエハの下面に、貫通 極に電気的に接続された外部電極を複数形 する外部電極形成工程を行う。この工程に り、外部電極を利用して、キャビティ内に 止された圧電振動片を動作させることがで る。
 最後に、接合されたベース基板用ウエハ及 リッド基板用ウエハを切断して、複数の圧 振動子に小片化する切断工程を行う。

 この結果、互いに接合されたベース基板と ッド基板との間に形成されたキャビティ内 圧電振動片が封止された2層構造式表面実装 型の圧電振動子を一度に複数製造することが できる。
 特に、ガラスフリットの上面に微小な凹部 形成されていたとしても、平坦面形成工程 行うことで、ガラスフリットの上面側に平 面が形成されるので、引き回し電極を均一 厚みで形成することができる。従って、経 劣化等により引き回し電極が局所的に断線 る可能性を極めて小さくすることができ、 の結果、圧電振動片と外部電極とのより安 した導通性を確保することができる。これ より、圧電振動子の信頼性を高めることが きる。

(10)前記埋込材として、導電性材料を用い も良い。

 この場合、埋込材として導電性材料を用 るので、仮に貫通電極と引き回し電極との に埋込材が配置されたとしても、両電極間 導通性を維持することができる。よって、 坦面形成工程の際に、貫通電極を埋込材で うようにして平坦面を形成したとしても、 述した導通性を確保することができる。つ り、ガラスフリットの上面の凹部だけを狙 て埋込材を埋め込む必要がないので、平坦 形成工程を容易に行うことができる。

(11)前記平坦面形成工程は、前記ガラスフ ットの上面の凹部に埋込材を埋め込む埋込 程と;前記埋込材を研磨して、前記埋込材の 面と前記ガラスフリットの上面とで、前記 ース基板用ウエハの上面と面一であるよう 前記平坦面を形成する平坦化工程と;を備え ていても良い。

 この場合、平坦面形成工程として、まず ラスフリットの上面の凹部に埋込材を埋め む埋込工程を行う。次に、埋込材を研磨す 平坦化工程を行う。この際、埋込材の表面 ガラスフリットの上面とで、ベース基板用 エハの上面と面一であるような平坦面を形 する。つまり、埋込材の表面と、ガラスフ ットの上面と、ベース基板用ウエハの上面 、を面一にする。

 特に、平坦化工程の際に、埋込材を研磨 て、埋込材の表面とガラスフリットの上面 で平坦面を形成する。よって、埋込工程に いて、ガラスフリットの上面の凹部に埋込 を埋め込む際に、貫通電極を覆うようにし 埋め込んだとしても、貫通電極を覆う部分 平坦化工程の際に除去することができるの 、貫通電極と引き回し電極との導通性を確 することができる。つまり、ガラスフリッ の上面の凹部だけを狙って埋込材を埋め込 必要がないので、平坦面形成工程を容易に うことができる。

(12)前記埋込材として、熱膨張係数が前記 ラスフリットと略等しいものを用いても良 。

 この場合、埋込材及びガラスフリットの 膨張係数が略等しいので、仮に圧電振動片 接合する際等に埋込材及びガラスフリット 加熱する場合であっても、両者の密着状態 安定して維持することができる。従って、 き回し電極と貫通電極との密着状態を維持 、両者の導通性を確実に確保することがで る。

(13)前記埋込材として、融点が前記ガラス リットより低いものを用いても良い。

 この場合、埋込材としてガラスフリット り融点が低いものを用いるので、平坦面形 工程においてガラスフリットの上面の凹部 埋込材を埋め込む際に、融解させた埋込材 用いたとしても、ガラスフリットを融解さ ることなく凹部を埋め込むことができる。

(14)前記ベース基板用ウエハ及び前記芯材 として、熱膨張係数が前記連結材と略等し ものをそれぞれ用いても良い。

 この場合、ベース基板用ウエハ及び芯材 として、熱膨張係数が連結材と略等しいも をそれぞれ用いているので、焼成を行う際 3つがそれぞれ同じように熱膨張する。従っ て、より高品質な貫通電極を形成することが でき、その結果、圧電振動子の更なる高品質 化を図ることができる。

(15)前記ベース基板用ウエハとして、前記 結材と同じガラス材料からなるものを使用 ;前記芯材部として、熱膨張係数が前記連結 と略等しいものを用いても良い。

 この場合、ベース基板用ウエハとして連 材と同じガラス材料からなるものを用いる 共に、芯材部として連結材と熱膨張係数が 等しいものを用いているので、焼成を行う に3つがそれぞれ同じように熱膨張する。従 って、より高品質な貫通電極を形成すること ができ、その結果、圧電振動子の更なる高品 質化を図ることができる。

(16)前記マウント工程前に、前記ベース基 用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重 合わせたときに、前記凹部の周囲を囲む接 膜をベース基板用ウエハの上面に形成する 合膜形成工程を備え;前記接合工程の際、前 接合膜を介して前記両ウエハを陽極接合し も良い。

 この場合、接合膜を介してベース基板用 エハとリッド基板用ウエハとを陽極接合で るので、両ウエハをより強固に接合してキ ビティ内の気密性を高めることができる。 って、圧電振動片をさらに高精度に振動さ ることができ、更なる高品質化を図ること できる。

(17)前記マウント工程の際、導電性のバン を利用して前記圧電振動片をバンプ接合し も良い。

 この場合、圧電振動片をバンプ接合する で、バンプの厚み分だけ圧電振動片をベー 基板の上面から浮かすことができる。その め、圧電振動片の振動に必要な最低限の振 ギャップを自然と確保することができる。 って、圧電振動子の作動性能の信頼性をさ に向上することができる。

(18)また、本発明に係る固定治具は、上記(1 )から(17)のいずれか1項に記載の圧電振動子の 製造方法の実施に使用する固定治具であって ;板状の固定治具本体と;前記固定治具本体の 面に対して前記ベース基板用ウエハを位置 めする位置決め部と;前記固定治具本体の表 面において、前記位置決め部によって位置決 めされた前記ベース基板用ウエハの各前記貫 通孔と対向する位置に、底面が平坦で、深さ が前記鋲体の土台部の厚みと略等しく、且つ 前記底面側における内周壁の内径が前記土台 部の外径と略等しく形成された複数の鋲用凹 部と;を備える。

 本発明に係る固定治具によれば、位置決め を有する固定治具本体を用いているので、 定治具に対するベース基板用ウエハの位置 めを容易に行うことができる。
 また、鋲用凹部は、位置決め部によって位 決めされたベース基板用ウエハの各貫通孔 対向する位置に形成されているので、鋲用 部に鋲体の土台部を配置した状態で固定治 に対してベース基板用ウエハを位置決めす ことで、鋲体の芯材部を各貫通孔内に容易 配置することができる。
 加えて、鋲用凹部は、底面が平坦で、深さ 鋲体の土台部の厚みと略等しいので、鋲用 部に鋲体の土台部を配置した状態で固定治 とベース基板用ウエハとを相互に密接させ ことで、鋲体の土台部の表面をベース基板 ウエハに容易に当接させることができる。
 更に、鋲用凹部は、底面側における内周壁 内径が土台部の外径と略等しく形成されて るので、鋲用凹部に鋲体の土台部を配置す ことで、鋲用凹部の底面側における内周壁 よって鋲体の土台部の周面を保持すること できる。これにより、仮に鋲体に対して外 が加わってしまった場合であっても、鋲体 姿勢が変化するのを抑制することができる

(19)前記鋲用凹部は、開口端部が前記鋲用 部の底面側に向かうに従って漸次縮径する ーパ状に形成されていても良い。

 この場合、固定治具として、鋲用凹部の 口端部が、この鋲用凹部の底面側に向かう 従って漸次縮径するテーパ状に形成されて るものを用いるので、鋲体の土台部を鋲用 部に円滑に挿入させることができる。その め、土台部を鋲用凹部に挿入させる際に土 部が傾くことがないので、鋲体の姿勢をよ 安定して規制することができる。

(20)また、本発明に係る圧電振動子は、ベー 基板と;キャビティ用の凹部が形成され、前 凹部を前記ベース基板に対向させた状態で 記ベース基板に接合されたリッド基板と;前 記凹部を利用して前記ベース基板と前記リッ ド基板との間に形成されたキャビティ内に収 納された状態で、前記ベース基板の上面に接 合された圧電振動片と;前記ベース基板の下 に形成された外部電極と;前記ベース基板を 通するように形成され、前記キャビティ内 気密を維持すると共に、前記外部電極に対 て電気的に接続された貫通電極と;前記ベー ス基板の上面に形成され、接合された前記圧 電振動片に対して前記貫通電極を電気的に接 続させる引き回し電極と;を備え、前記貫通 極は、ガラス材料により両端が平坦で且つ 記ベース基板と略同じ厚みの筒状に形成さ 、前記ベース基板を貫通する貫通孔内に埋 込まれた筒体と;両端が平坦で且つ前記ベー 基板と略同じ厚みに形成され、前記筒体の 心孔に挿入された導電性の芯材部と;で形成 され、焼成によって前記貫通孔と前記筒体と 前記芯材部とが一体的に固定されている。
 本発明に係る圧電振動子によれば、上記(1) 記載の圧電振動子の製造方法と同様の作用 果を奏することができる。

(21)前記筒体は、前記焼成前に予め仮焼され いても良い。
 この場合、上記(3)に記載の圧電振動子の製 方法と同様の作用効果を奏することができ 。

(22)前記ベース基板及び前記芯材部は、それ れの熱膨張係数が前記筒体と略等しくても い。
 この場合、上記(14)に記載の圧電振動子の製 造方法と同様の作用効果を奏することができ る。

(23)前記ベース基板は、前記筒体と同じガラ 材料により形成され;前記芯材部は、熱膨張 数が前記筒体と略等しくても良い。
 この場合、上記(15)に記載の圧電振動子の製 造方法と同様の作用効果を奏することができ る。

(24)また、本発明に係る圧電振動子は、ベー 基板と;キャビティ用の凹部が形成され、前 凹部を前記ベース基板に対向させた状態で 記ベース基板に接合されたリッド基板と;前 記凹部を利用して前記ベース基板と前記リッ ド基板との間に形成されたキャビティ内に収 納された状態で、前記ベース基板の上面に接 合された圧電振動片と;前記ベース基板の下 に形成された外部電極と;前記ベース基板を 下方向に貫通する貫通孔内に、前記ベース 板を貫通するように形成され、前記外部電 に対して電気的に接続された貫通電極と;前 記ベース基板の上面に形成され、接合された 前記圧電振動片に対して前記貫通電極を電気 的に接続させる引き回し電極と;を備える圧 振動子であって、前記ベース基板に形成さ た前記貫通孔の内周壁と、前記貫通電極と 間を塞ぐように充填されると共に、上面に 部が形成されたガラスフリットと;前記ガラ フリットの上面の凹部に埋め込まれると共 、前記ガラスフリットの上面側に平坦面を 成する埋込材と;を備えている。
 本発明に係る圧電振動子によれば、上記(9) 記載の圧電振動子の製造方法と同様の作用 果を奏することができる。

(25)前記埋込材は、導電性材料であっても良 。
 この場合、上記(10)に記載の圧電振動子の製 造方法と同様の作用効果を奏することができ る。

(26)前記埋込材は、前記埋込材の表面と前記 ラスフリットの上面とで、前記ベース基板 上面と面一であるような前記平坦面を形成 ても良い。
 この場合、上記(11)に記載の圧電振動子の製 造方法と同様の作用効果を奏することができ る。

(27)前記埋込材は、熱膨張係数が前記ガラス リットと略等しくても良い。
 この場合、上記(12)に記載の圧電振動子の製 造方法と同様の作用効果を奏することができ る。

(28)前記埋込材は、融点が前記ガラスフリッ より低くても良い。
 この場合、上記(13)に記載の圧電振動子の製 造方法と同様の作用効果を奏することができ る。

(29)前記ベース基板及び前記リッド基板は、 記凹部の周囲を囲むように両基板の間に形 された接合膜を介して陽極接合されていて 良い。
 この場合、上記(16)に記載の圧電振動子の製 造方法と同様の作用効果を奏することができ る。

(30)前記圧電振動片は、導電性のバンプによ バンプ接合されていても良い。
 この場合、上記(17)に記載の圧電振動子の製 造方法と同様の作用効果を奏することができ る。

(31)また、本発明に係る発振器は、上記(20) ら(30)のいずれか1項に記載の圧電振動子が 発振子として集積回路に電気的に接続され いる。

(32)また、本発明に係る電子機器は、上記(2 0)から(30)のいずれか1項に記載の圧電振動子 、計時部に電気的に接続されている。

(33)また、本発明に係る電波時計は、上記(2 0)から(30)のいずれか1項に記載の圧電振動子 、フィルタ部に電気的に接続されている。

 上記発振器、電子機器及び電波時計によ ば、キャビティ内の気密が確実で、作動の 頼性が向上した高品質な圧電振動子を備え いるので、同様に作動の信頼性を高めて高 質化を図ることができる。

 本発明に係る圧電振動子によれば、キャビ ィ内の気密を確実に維持することができる 共に、圧電振動片と外部電極との安定した 通性を確保した高品質な2層構造式表面実装 型の圧電振動子とすることができる。
 また、本発明に係る圧電振動子の製造方法 よれば、上述した圧電振動子を一度に効率 く製造することができ、低コスト化を図る とができる。
 また、本発明に係る固定治具によれば、前 した製造方法を確実に実施することができ 。
 また、本発明に係る発振器、電子機器及び 波時計によれば、上述した圧電振動子を備 ているので、同様に作動の信頼性を高めて 品質化を図ることができる。

図1は、本発明に係る圧電振動子の第1 施形態を示す外観斜視図である。 図2は、図1に示す圧電振動子の内部構 図であって、リッド基板を取り外した状態 圧電振動子を上方から見た図である。 図3は、図2に示すA-A線に沿った圧電振 子の断面図である。 図4は、図1に示す圧電振動子の分解斜 図である。 図5は、図1に示す圧電振動子を構成す 圧電振動片の上面図である。 図6は、図5に示す圧電振動片の下面図 ある。 図7は、図5に示す断面矢視B-B図である 図8は、図3に示す貫通電極を構成する 体の斜視図である。 図9は、図1に示す圧電振動子を製造す 際の流れを示すフローチャートである。 図10は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、リッド基板の元となるリッド基 板用ウエハに複数の凹部を形成した状態を示 す図である。 図11は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、ベース基板の元となるベース基 板用ウエハに一対のスルーホールを形成した 状態を示す図である。 図12は、図11に示す状態をベース基板 ウエハの断面から見た図である。 図13は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際に利用する鋲体 の斜視図である。 図14は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、図12に示す状態の後、スルーホ ル内に筒体を埋め込むと共に、筒体の中心 に鋲体の芯材部を挿入した状態を示す図で る。 図15は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、図14に示す状態の後、筒体を焼 した状態を示す図である。 図16は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、図15に示す状態の後、鋲体の土 部を研磨した状態を示す図である。 図17は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、図16に示す状態の後、ベース基 用ウエハの上面に接合膜及び引き回し電極 パターニングした状態を示す図である。 図18は、図17に示す状態のベース基板 ウエハの全体図である。 図19は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、圧電振動片をキャビティ内に収 容した状態でベース基板用ウエハとリッド基 板用ウエハとが陽極接合されたウエハ体の分 解斜視図である。 図20は、本発明に係る圧電振動子の第2 実施形態を示す外観斜視図である。 図21は、図20に示す圧電振動子の内部 成図であって、リッド基板を取り外した状 で圧電振動子を上方から見た図である。 図22は、図21に示すC-C線に沿った圧電 動子の断面図である。 図23は、図20に示す圧電振動子の分解 視図である。 図24は、図20に示す圧電振動子を構成 る圧電振動片の上面図である。 図25は、図24に示す圧電振動片の下面 である。 図26は、図24に示す断面矢視D-D図であ 。 図27は、図22に示す貫通電極を構成す 筒体の斜視図である。 図28は、図20に示す圧電振動子を製造 る際の流れを示すフローチャートである。 図29は、図28に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、リッド基板の元となるリッド 板用ウエハに複数の凹部を形成した状態を す図である。 図30は、図28に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、ベース基板の元となるベース 板用ウエハに一対のスルーホールを形成し 状態を示す図である。 図31は、図30に示す状態をベース基板 ウエハの断面から見た図である。 図32は、図28に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際に利用する鋲 の斜視図である。 図33は、図28に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、スルーホール内に鋲体を配置 ると共に、ガラスフリットを充填した状態 示す図である。 図34は、図28に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、余分なガラスフリットを除去 る状態を示す図である。 図35は、図28に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、余分なガラスフリットを除去 た状態を示す図である。 図36は、図28に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図35に示す状態の後、ガラスフ リットを焼成した状態を示す図である。 図37は、図28に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図36に示す状態の後、鋲体の土 台部を研磨した状態を示す図である。 図38は、図28に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図37に示す状態の後、ベース基 板用ウエハの上面に接合膜及び引き回し電極 をパターニングした状態を示す図である。 図39は、図38に示す状態のベース基板 ウエハの全体図である。 図40は、図28に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、圧電振動片をキャビティ内に 容した状態でベース基板用ウエハとリッド 板用ウエハとが陽極接合されたウエハ体の 解斜視図である。 図41は、本発明に係る圧電振動子の第3 実施形態を示す外観斜視図である。 図42は、図41に示す圧電振動子の内部 成図であって、リッド基板を取り外した状 で圧電振動子を上方から見た図である。 図43は、図22に示すE-E線に沿った圧電 動子の断面図である。 図44は、図41に示す圧電振動子の分解 視図である。 図45は、図41に示す圧電振動子を構成 る圧電振動片の上面図である。 図46は、図45に示す圧電振動片の下面 である。 図47は、図45に示す断面矢視F-F図であ 。 図48は、本実施形態の圧電振動子の製 方法で利用するベース基板用ウエハの平面 である。 図49は、本実施形態の圧電振動子の製 方法で利用する鋲体の斜視図である。 図50は、本発明に係る圧電振動子の製 方法で利用する固定治具の平面図である。 図51は、図50に示す断面矢視G-G図であ 。 図52は、本発明に係る圧電振動子の製 方法で利用する押さえ治具の側面図である 図53は、図41に示す圧電振動子を製造 る際の流れを示すフローチャートである。 図54は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、リッド基板の元となるリッド 板用ウエハに複数の凹部を形成した状態を す図である。 図55は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、ベース基板の元となるベース 板用ウエハに一対のスルーホールを形成し 状態を示す図である。 図56は、図55に示す状態をベース基板 ウエハの断面から見た図である。 図57は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図56に示す状態の後、スルーホ ール内に鋲体の芯材部を挿入した状態を示す 図である。 図58は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図57に示す状態の後、ベース基 板用ウエハの上面側に固定治具を配置した状 態を示す図である。 図59は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図58に示す状態の後、スルーホ ール内にガラスフリットを充填した状態を示 す図である。 図60は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図59に示す状態の後、ベース基 板用ウエハの周縁部に押さえ治具を配置した 状態を、平面視した様子を示す図である。 図61は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図59に示す状態の後、ベース基 板用ウエハの周縁部に押さえ治具を配置した 状態を示す図である。 図62は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図61に示す状態の後、ガラスフ リットを焼成した状態を示す図である。 図63は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図62に示す状態の後、鋲体の土 台部を研磨する状態を示す図である。 図64は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図63に示す状態の後、ベース基 板用ウエハの上面に接合膜及び引き回し電極 をパターニングした状態を示す図である。 図65は、図64に示す状態のベース基板 ウエハの全体図である。 図66は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、圧電振動片をキャビティ内に 容した状態でベース基板用ウエハとリッド 板用ウエハとが陽極接合されたウエハ体の 解斜視図である。 図67は、本発明に係る圧電振動子の第4 実施形態を示す外観斜視図である。 図68は、図67に示す圧電振動子の内部 成図であって、リッド基板を取り外した状 で圧電振動片を上方から見た図である。 図69は、図68に示すH-H線に沿った圧電 動子の断面図である。 図70は、図69に示すX部拡大図である。 図71は、図67に示す圧電振動子の分解 視図である。 図72は、図67に示す圧電振動子を構成 る圧電振動片の上面図である。 図73は、図72に示す圧電振動片の下面 である。 図74は、図72に示す断面矢視I-I図であ 。 図75は、図67に示す圧電振動子を製造 る際の流れを示すフローチャートである。 図76は、図75に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、リッド基板の元となるリッド 板用ウエハに複数の凹部を形成した状態を す図である。 図77は、図75に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、ベース基板の元となるベース 板用ウエハに一対のスルーホールを形成し 状態を示す図である。 図78は、図77に示す状態をベース基板 ウエハの断面から見た図である。 図79は、図75に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際に利用する鋲 の斜視図である。 図80は、図75に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図78に示す状態の後、スルーホ ール内に鋲体の芯材部を挿入した状態を示す 図である。 図81は、図75に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図80に示す状態の後、スルーホ ール内にガラスフリットを埋め込んだ状態を 示す図である。 図82は、図75に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図81に示す状態の後、ガラスフ リットを焼成した状態を示す図である。 図83は、図75に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図82に示す状態の後、鋲体の土 台部を研磨した状態を示す図である。 図84は、図75に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図83に示す状態の後、ガラスフ リットの上面の凹部に埋込材を埋め込んだ状 態を示す図である。 図85は、図75に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図84に示す状態の後、ベース基 板用ウエハの上面に接合膜及び引き回し電極 をパターニングした状態を示す図である。 図86は、図85に示す状態のベース基板 ウエハの全体図である。 図87は、図75に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、圧電振動片をキャビティ内に 容した状態でベース基板用ウエハとリッド 板用ウエハとが陽極接合されたウエハ体の 解斜視図である。 図88は、本発明に係る圧電振動子の第5 実施形態を示す断面図である。 図89は、図88に示すY部拡大図である。 図90は、図88に示す圧電振動子を製造 る際の流れを示すフローチャートである。 図91は、図90に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図83に示す状態の後、ガラスフ リットの上面の凹部に埋込材を埋め込んだ状 態を示す図である。 図92は、図90に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図91に示す状態の後、埋込材を 研磨する状態を示す図である。 図93は、図90に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図92に示す状態の後、埋込材を 研磨した状態を示す図である。 図94は、本発明に係る発振器の一実施 態を示す構成図である。 図95は、本発明に係る電子機器の一実 形態を示す構成図である。 図96は、本発明に係る電波時計の一実 形態を示す構成図である。 図97は、従来の圧電振動子の内部構成 であって、リッド基板を取り外した状態で 電振動子を上方から見た図である。 図98は、図23に示す圧電振動子の断面 である。

符号の説明

 1、101、201、401、470 圧電振動子
 2、102、202、402 ベース基板
 3、103、203、403 リッド基板
 3a、103a、203a、403a キャビティ用の凹部
 4、104、204、404 圧電振動片
 6、106 筒体
 6a、106c 筒体の中心孔
 106a ペースト状のガラスフリット
 206、406 ガラスフリット
 7、107、207、407 芯材部
 8、108、208、408 土台部
 9、109、209、409 鋲体
 30、31、130、131、230、231、430、431 スルーホ ル(貫通孔)
 32、33、132、133、232、233、432、433 貫通電極
 35、135、235、435 接合膜
 36、37、136、137、236、237、436、437 引き回し 極
 38、39、138、139、238、239、438、439 外部電極
 40、140、240、440 ベース基板用ウエハ
 50、150、250、450 リッド基板用ウエハ
 145 スキージ
 405、471 埋込材
 405a、471a 平坦面
 406a、406b ガラスフリットの凹部
 500 発振器
 501 発振器の集積回路
 510 携帯情報機器(電子機器)
 513 電子機器の計時部
 530 電波時計
 531 電波時計のフィルタ部
 A 固定治具
 A1 固定治具本体
 A2 位置決め凹部(位置決め部)
 A3 鋲用凹部
 A31 開口端部
 A32 底面
 B 押さえ治具
 C キャビティ
 P バンプ

(第1実施形態)
 以下、本発明に係る圧電振動子の製造方法 びこの製造方法で製造される圧電振動子の 1実施形態を、図1から図19を参照して説明す る。
 本実施形態の圧電振動子1は、図1から図4に すように、ベース基板2とリッド基板3とで2 に積層された箱状に形成されており、内部 キャビティC内に圧電振動片4が収納された 面実装型の圧電振動子である。
 なお、図4においては、図面を見易くするた めに後述する励振電極15、引き出し電極19、20 、マウント電極16、17及び重り金属膜21の図示 を省略している。

 圧電振動片4は、図5から図7に示すように、 晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウ 等の圧電材料から形成された音叉型の振動 であり、所定の電圧が印加されたときに振 するものである。
 この圧電振動片4は、平行に配置された一対 の振動腕部10、11と、一対の振動腕部10、11の 端側を一体的に固定する基部12と、一対の 動腕部10、11の外表面上に形成されて一対の 動腕部10、11を振動させる第1の励振電極13と 第2の励振電極14とからなる励振電極15と、第1 の励振電極13及び第2の励振電極14に電気的に 続されたマウント電極16、17とを有している 。
 また、本実施形態の圧電振動片4は、一対の 振動腕部10、11の両主面上に、振動腕部10、11 長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝部1 8を備えている。この溝部18は、振動腕部10、1 1の基端側から略中間付近まで形成されてい 。

 第1の励振電極13と第2の励振電極14とから る励振電極15は、一対の振動腕部10、11を互 に接近又は離間する方向に所定の共振周波 で振動させる電極であり、一対の振動腕部1 0、11の外表面に、それぞれ電気的に切り離さ れた状態でパターニングされて形成されてい る。具体的には、図7に示すように、第1の励 電極13が、一方の振動腕部10の溝部18上と他 の振動腕部11の両側面上とに主に形成され 第2の励振電極14が、一方の振動腕部10の両側 面上と他方の振動腕部11の溝部18上とに主に 成されている。

 また、第1の励振電極13及び第2の励振電極14 、図5及び図6に示すように、基部12の両主面 上において、それぞれ引き出し電極19、20を してマウント電極16、17に電気的に接続され いる。そして圧電振動片4は、このマウント 電極16、17を介して電圧が印加されるように っている。
 なお、上述した励振電極15、マウント電極16 、17及び引き出し電極19、20は、例えば、クロ ム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)やチタ ン(Ti)等の導電性膜の被膜により形成された のである。

 また、一対の振動腕部10、11の先端には、 自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振 動するように調整(周波数調整)を行うための り金属膜21が被膜されている。なお、この り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使 用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使 用される微調膜21bとに分かれている。これら 粗調膜21a及び微調膜21bを利用して周波数調整 を行うことで、一対の振動腕部10、11の周波 をデバイスの公称周波数の範囲内に収める とができる。

 このように構成された圧電振動片4は、図 3及び図4に示すように、金等のバンプPを利用 して、ベース基板2の上面にバンプ接合され いる。より具体的には、ベース基板2の上面 パターニングされた後述する引き回し電極3 6、37上に形成された2つのバンプP上に、一対 マウント電極16、17がそれぞれ接触した状態 でバンプ接合されている。これにより、圧電 振動片4は、ベース基板2の上面から浮いた状 で支持されると共に、マウント電極16、17と 引き回し電極36、37とがそれぞれ電気的に接 された状態となっている。

 上記リッド基板3は、ガラス材料、例えば ソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板で あり、図1、図3及び図4に示すように、板状に 形成されている。そして、ベース基板2が接 される接合面側には、圧電振動片4が収まる 形状の凹部3aが形成されている。この凹部3a は、両基板2、3が重ね合わされたときに、圧 振動片4を収容するキャビティCとなるキャ ティ用の凹部である。そして、リッド基板3 、この凹部3aをベース基板2側に対向させた 態でベース基板2に対して陽極接合されてい る。

 上記ベース基板2は、リッド基板3と同様に ラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからな 透明な絶縁基板であり、図1から図4に示すよ うに、リッド基板3に対して重ね合わせ可能 大きさで板状に形成されている。
 このベース基板2には、ベース基板2を貫通 る一対のスルーホール(貫通孔)30、31が形成 れている。この際、一対のスルーホール30、 31は、キャビティC内に収まるように形成され ている。より詳しく説明すると、本実施形態 のスルーホール30、31は、マウントされた圧 振動片4の基部12側に一方のスルーホール30が 位置し、振動腕部10、11の先端側に他方のス ーホール31が位置するように形成されている 。なお、本実施形態では、ベース基板2を真 直ぐに貫通するストレート形状のスルーホ ルを例に挙げて説明するが、この場合に限 れず、ベース基板2の下面に向かって漸次径 縮径した断面テーパ状のスルーホールでも わない。いずれにしても、ベース基板2を貫 通していれば良い。

 そして、これら一対のスルーホール30、31 には、スルーホール30、31を埋めるように形 された一対の貫通電極32、33が形成されてい 。これら貫通電極32、33は、図3に示すよう 、焼成によってスルーホール30、31に対して 体的に固定された筒体(連結材)6及び芯材部7 によって形成されたものであり、スルーホー ル30、31を完全に塞いでキャビティC内の気密 維持していると共に、後述する外部電極38 39と引き回し電極36、37とを導通させる役割 担っている。

 上記筒体6は、ベース基板2と同じガラス 料によって予め仮焼成されたものであり、 8に示すように、両端が平坦で且つベース基 2と略同じ厚みの円筒状に形成されている。 つまり、筒体6の中心には、筒体6を貫通する 心孔6aが形成されている。しかも、本実施 態ではスルーホール30、31の形状に合わせて 筒体6の外形が円筒状(ストレート形状)とな ように形成されている。そして、この筒体6 は、図3に示すように、スルーホール30、31内 埋め込まれた状態で焼成されており、スル ホール30、31に対して強固に固着されている 。

 上記芯材部7は、金属材料により円柱状に 形成された導電性の芯材であり、筒体6と同 に両端が平坦で且つベース基板2の厚みと略 じ厚みとなるように形成されている。そし 、この芯材部7は、筒体6の中心孔6aに挿入さ れており、筒体6の焼成によって筒体6に対し 強固に固着されている。なお、貫通電極32 33は、導電性の芯材部7を通して電気導通性 確保されている。

 ベース基板2の上面側(リッド基板3が接合 れる接合面側)には、図1から図4に示すよう 、導電性材料(例えば、アルミニウム)によ 、陽極接合用の接合膜35と、一対の引き回し 電極36、37とがパターニングされている。こ うち接合膜35は、リッド基板3に形成された 部3aの周囲を囲むようにベース基板2の周縁 沿って形成されている。

 また、一対の引き回し電極36、37は、一対の 貫通電極32、33のうち、一方の貫通電極32と圧 電振動片4の一方のマウント電極16とを電気的 に接続すると共に、他方の貫通電極33と圧電 動片4の他方のマウント電極17とを電気的に 続するようにパターニングされている。
 より詳しく説明すると、一方の引き回し電 36は、圧電振動片4の基部12の真下に位置す ように一方の貫通電極32の真上に形成されて いる。また、他方の引き回し電極37は、一方 引き回し電極36に隣接した位置から、振動 部10、11に沿ってこの振動腕部10、11の先端側 に引き回しされた後、他方の貫通電極33の真 に位置するように形成されている。
 そして、これら一対の引き回し電極36、37上 にそれぞれバンプPが形成されており、この ンプPを利用して圧電振動片4がマウントされ ている。これにより、圧電振動片4の一方の ウント電極16が、一方の引き回し電極36を介 て一方の貫通電極32に導通し、他方のマウ ト電極17が、他方の引き回し電極37を介して 方の貫通電極33に導通するようになってい 。

 また、ベース基板2の下面には、図1、図3 び図4に示すように、一対の貫通電極32、33 対してそれぞれ電気的に接続される外部電 38、39が形成されている。つまり、一方の外 電極38は、一方の貫通電極32及び一方の引き 回し電極36を介して圧電振動片4の第1の励振 極13に電気的に接続されている。また、他方 の外部電極39は、他方の貫通電極33及び他方 引き回し電極37を介して、圧電振動片4の第2 励振電極14に電気的に接続されている。

 このように構成された圧電振動子1を作動 させる場合には、ベース基板2に形成された 部電極38、39に対して、所定の駆動電圧を印 する。これにより、圧電振動片4の第1の励 電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極 15に電流を流すことができ、一対の振動腕部1 0、11を接近・離間させる方向に所定の周波数 で振動させることができる。そして、この一 対の振動腕部10、11の振動を利用して、時刻 、制御信号のタイミング源やリファレンス 号源等として利用することができる。

 次に、上述した圧電振動子1を、図9に示 フローチャートを参照しながら、ベース基 用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とを利用 て一度に複数製造する製造方法について以 に説明する。

 初めに、圧電振動片作製工程を行って図5 から図7に示す圧電振動片4を作製する(S10)。 体的には、まず、水晶のランバート原石を 定の角度でスライスして一定の厚みのウエ とする。続いて、このウエハをラッピング て粗加工した後、加工変質層をエッチング 取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨 工を行って、所定の厚みのウエハとする。 いて、ウエハに洗浄等の適切な処理を施し 後、ウエハをフォトリソ技術によって圧電 動片4の外形形状でパターニングすると共に 金属膜の成膜及びパターニングを行って、 振電極15、引き出し電極19、20、マウント電 16、17、重り金属膜21を形成する。これによ 、複数の圧電振動片4を作製することができ る。

 また、圧電振動片4を作製した後、共振周 波数の粗調を行っておく。これは、重り金属 膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を 発させ、重量を変化させることで行う。な 、共振周波数をより高精度に調整する微調 関しては、マウント後に行う。これについ は、後に説明する。

 次に、後にリッド基板3となるリッド基板 用ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態ま 作製する第1のウエハ作製工程を行う(S20)。 ず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研 加工して洗浄した後に、図10に示すように エッチング等により最表面の加工変質層を 去した円板状のリッド基板用ウエハ50を形成 する(S21)。次いで、リッド基板用ウエハ50の 合面に、エッチング等により行列方向にキ ビティ用の凹部3aを複数形成する凹部形成工 程を行う(S22)。この時点で、第1のウエハ作製 工程が終了する。

 次に、上記工程と同時或いは前後のタイ ングで、後にベース基板2となるベース基板 用ウエハ40を、陽極接合を行う直前の状態ま 作製する第2のウエハ作製工程を行う(S30)。 ず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研 加工して洗浄した後に、エッチング等によ 最表面の加工変質層を除去した円板状のベ ス基板用ウエハ40を形成する(S31)。次いで、 ベース基板用ウエハ40に一対の貫通電極32、33 を複数形成する貫通電極形成工程を行う(S30A) 。ここで、この貫通電極形成工程について、 詳細に説明する。

 まず、図11に示すように、ベース基板用 エハ40を貫通する一対のスルーホール30、31 複数形成する貫通孔形成工程(S32)を行う。な お、図11に示す点線Mは、後に行う切断工程で 切断する切断線を図示している。この工程を 行う際、ベース基板用ウエハ40の上面側から 例えばサンドブラスト法で行う。これによ 、図12に示すように、ベース基板用ウエハ40 を真っ直ぐに貫通するストレート形状のスル ーホール30、31を形成することができる。ま 、後に両ウエハ40、50を重ね合わせたときに リッド基板用ウエハ50に形成された凹部3a内 に収まるように一対のスルーホール30、31を 数形成する。しかも、一方のスルーホール30 が圧電振動片4の基部12側に位置し、他方のス ルーホール31が振動腕部10、11の先端側に位置 するように形成する。

 続いて、これら複数のスルーホール30、31内 にガラス材料からなる筒体6を押し込んで埋 込むと共に、筒体6の中心孔6aに鋲体9の芯材 7を挿入するセット工程を行う(S33)。この際 鋲体9として、図13に示すように、平板状の 台部8と、土台部8上から土台部8の表面に略 交する方向に沿ってベース基板用ウエハ40 略同じ厚みだけ延在すると共に、先端が平 に形成された芯材部7と、を有する導電性の 体を用いる。更に、図14に示すように、こ 鋲体9の土台部8がベース基板用ウエハ40に接 するまで、芯材部7を挿入する。これにより 、芯材部7の両端を、ベース基板用ウエハ40の 表面に対してほぼ面一な状態にすることがで きる。
 仮に土台部8がない単なる芯材部7を中心孔6a に挿入する場合には、芯材部7の両端がベー 基板用ウエハ40の表面に対して面一になるよ うに位置調整する必要がある。しかしながら 、土台部8上に芯材部7が形成された鋲体9を利 用するので、土台部8をベース基板用ウエハ40 に接触させるまで押し込むだけの簡単な作業 で、芯材部7の両端をベース基板用ウエハ40の 表面に対して容易且つ確実に面一にすること ができる。従って、セット工程時における作 業性を向上することができる。

 しかも、土台部8をベース基板用ウエハ40の 面に接触させることで、鋲体9よりも先に押 し込んで埋め込んだ筒体6の位置調整を同時 行うことができる。よって、筒体6の両端を ース基板用ウエハ40の表面に対してほぼ面 にすることができる。
 このように、セット工程の際に、筒体6及び 芯材部7の両端を、共にベース基板用ウエハ40 の表面に対して容易且つ確実にほぼ面一な状 態にすることができる。
 更に、土台部8は、平板状に形成されている ので、セット工程後、次に行う焼成工程まで の間に、ベース基板用ウエハ40を机上等の平 上に載置したとしても、がたつき等がなく 安定する。この点においても、作業性の向 を図ることができる。

 続いて、埋め込んだ筒体6を所定の温度で焼 成する焼成工程を行う(S34)。これにより、ス ーホール30、31と、スルーホール30、31内に め込まれた筒体6と、筒体6に挿入された鋲体 9と、が互いに固着し合う。この焼成を行う に、土台部8ごと焼成するので、筒体6及び芯 材部7の両端を、共にベース基板用ウエハ40の 表面に対してほぼ面一な状態にしたまま、両 者を一体的に固定することができる。続いて 、図15に示すように、焼成後に鋲体9の土台部 8を研磨して除去する研磨工程を行う(S37)。こ れにより、筒体6及び芯材部7を位置決めさせ 役割を果たしていた土台部8を除去すること ができ、芯材部7のみを筒体6の内部に取り残 ことができる。
 その結果、図16に示すように、筒体6と芯材 7とが一体的に固定された一対の貫通電極32 33を複数得ることができる。

 特に、貫通電極32、33を形成するにあたって 、従来のものとは異なり、ペーストを使用せ ずにガラス材料からなる筒体6と、導電性の 材部7とで貫通電極32、33を形成している。仮 にペーストを利用した場合には、焼成時にペ ースト内に含まれる有機物が蒸発してしまう ので、ペーストの体積が焼成前に比べて顕著 に減少してしまう。そのため、仮にペースト だけをスルーホール30、31内に埋め込んだ場 には、焼成後にペーストの表面に大きな凹 が生じてしまう。
 しかしながら、上述したようにペーストを いずに、筒体6と鋲体9とを利用するので、 成後に表面に大きな凹みが現れる恐れがな 。なお、焼成によって筒体6は若干体積が減 する可能性があるが、ペーストとは違い、 立つ凹みとなって現れるほど顕著なもので なく無視できる範囲である。
 従って、上述したように、ベース基板用ウ ハ40の表面と、筒体6及び芯材部7の両端とは 、ほぼ面一な状態となる。つまり、ベース基 板用ウエハ40の表面と貫通電極32、33の表面と を、ほぼ面一な状態とすることができる。な お、研磨工程を行った時点で、貫通電極形成 工程が終了する。

 次に、ベース基板用ウエハ40の上面に導電 材料をパターニングして、図17及び図18に示 ように、接合膜35を形成する接合膜形成工 を行う(S36)と共に、各一対の貫通電極32、33 それぞれ電気的に接続された引き回し電極36 、37を複数形成する引き回し電極形成工程を う(S37)。なお、図17及び図18に示す点線Mは、 後に行う切断工程で切断する切断線を図示し ている。
 特に、貫通電極32、33は、上述したようにベ ース基板用ウエハ40の上面に対してほぼ面一 状態となっている。そのため、ベース基板 ウエハ40の上面にパターニングされた引き し電極36、37は、間に隙間等を発生させるこ なく貫通電極32、33に対して密着した状態で 接する。これにより、一方の引き回し電極36 一方の貫通電極32との導通性、並びに、他 の引き回し電極37と他方の貫通電極33との導 性を確実なものにすることができる。この 点で第2のウエハ作製工程が終了する。

 ところで、図9では、接合膜形成工程(S36) 後に、引き回し電極形成工程(S37)を行う工 順序としているが、これとは逆に、引き回 電極形成工程(S37)の後に、接合膜形成工程(S3 6)を行っても構わないし、両工程を同時に行 ても構わない。いずれの工程順序であって 、同一の作用効果を奏することができる。 って、必要に応じて適宜、工程順序を変更 て構わない。

 次に、作製した複数の圧電振動片4を、それ ぞれ引き回し電極36、37を介してベース基板 ウエハ40の上面に接合するマウント工程を行 う(S40)。まず、一対の引き回し電極36、37上に それぞれ金等のバンプPを形成する。そして 圧電振動片4の基部12をバンプP上に載置した 、バンプPを所定温度に加熱しながら圧電振 動片4をバンプPに押し付ける。これにより、 電振動片4は、バンプPに機械的に支持され と共に、マウント電極16、17と引き回し電極3 6、37とが電気的に接続された状態となる。よ って、この時点で圧電振動片4の一対の励振 極15は、一対の貫通電極32、33に対してそれ れ導通した状態となる。
 特に、圧電振動片4は、バンプ接合されるの で、ベース基板用ウエハ40の上面から浮いた 態で支持される。

 圧電振動片4のマウントが終了した後、ベ ース基板用ウエハ40に対してリッド基板用ウ ハ50を重ね合わせる重ね合わせ工程を行う(S 50)。具体的には、図示しない基準マーク等を 指標としながら、両ウエハ40、50を正しい位 にアライメントする。これにより、マウン された圧電振動片4が、ベース基板用ウエハ4 0に形成された凹部3aと両ウエハ40、50とで囲 れるキャビティC内に収容された状態となる

 重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウ エハ40、50を図示しない陽極接合装置に入れ 所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して 極接合する接合工程を行う(S60)。具体的には 、接合膜35とリッド基板用ウエハ50との間に 定の電圧を印加する。すると、接合膜35とリ ッド基板用ウエハ50との界面に電気化学的な 応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して 極接合される。これにより、圧電振動片4を キャビティC内に封止することができ、ベー 基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが 合した図19に示すウエハ体60を得ることがで きる。なお、図19においては、図面を見易く るために、ウエハ体60を分解した状態を図 しており、ベース基板用ウエハ40から接合膜 35の図示を省略している。また、図19に示す 線Mは、後に行う切断工程で切断する切断線 図示している。

 ところで、陽極接合を行う際、ベース基 用ウエハ40に形成されたスルーホール30、31 、貫通電極32、33によって完全に塞がれてい るので、キャビティC内の気密がスルーホー 30、31を通じて損なわれることがない。特に 焼成によって筒体6と芯材部7とが一定的に 定されていると共に、これらがスルーホー 30、31に対して強固に固着されているので、 ャビティC内の気密を確実に維持することが できる。

 そして、上述した陽極接合が終了した後、 ース基板用ウエハ40の下面に導電性材料を ターニングして、一対の貫通電極32、33にそ ぞれ電気的に接続された一対の外部電極38 39を複数形成する外部電極形成工程を行う(S7 0)。この工程により、外部電極38、39を利用し てキャビティC内に封止された圧電振動片4を 動させることができる。
 特に、この工程を行う場合も引き回し電極3 6、37の形成時と同様に、ベース基板用ウエハ 40の下面に対して貫通電極32、33がほぼ面一な 状態となっているので、パターニングされた 外部電極38、39は、間に隙間等を発生させる となく貫通電極32、33に対して密着した状態 接する。これにより、外部電極38、39と貫通 電極32、33との導通性を確実なものにするこ ができる。

 次に、ウエハ体60の状態で、キャビティC に封止された個々の圧電振動片4の周波数を 微調整して所定の範囲内に収める微調工程を 行う(S80)。具体的に説明すると、ベース基板 ウエハ40の下面に形成された一対の外部電 38、39に電圧を印加して圧電振動片4を振動さ せる。そして、周波数を計測しながらリッド 基板用ウエハ50を通して外部からレーザ光を 射し、重り金属膜21の微調膜21bを蒸発させ 。これにより、一対の振動腕部10、11の先端 の重量が変化するので、圧電振動片4の周波 数を、公称周波数の所定範囲内に収まるよう に微調整することができる。

 周波数の微調が終了後、接合されたウエハ 60を図19に示す切断線Mに沿って切断して小 化する切断工程を行う(S90)。その結果、互い に接合されたベース基板2とリッド基板3との に形成されたキャビティC内に圧電振動片4 封止された図1に示す2層構造式表面実装型の 圧電振動子1を一度に複数製造することがで る。
 なお、切断工程(S90)を行って個々の圧電振 子1に小片化した後に、微調工程(S80)を行う 程順序でも構わない。但し、上述したよう 、微調工程(S80)を先に行うことで、ウエハ体 60の状態で微調を行うことができるので、複 の圧電振動子1をより効率良く微調すること ができる。よって、スループットの向上化を 図ることができるので好ましい。

 その後、内部の電気特性検査を行う(S100) 即ち、圧電振動片4の共振周波数、共振抵抗 値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共 抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェ クする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチ ックする。そして、最後に圧電振動子1の外 観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチ ェックする。これをもって圧電振動子1の製 が終了する。

 特に、本実施形態の圧電振動子1は、ベー ス基板2に対してほぼ面一な状態で貫通電極32 、33を形成できるので、貫通電極32、33を、引 き回し電極36、37及び外部電極38、39に対して 実に密着させることができる。その結果、 電振動片4と外部電極38、39との安定した導 性を確保することができ、作動性能の信頼 を向上して高性能化を図ることができる。 かも、導電性の芯材部7を利用して貫通電極3 2、33を構成しているので、非常に安定した導 通性を得ることができる。

 また、キャビティC内の気密に関しても確実 に維持することができるので、この点におい ても高品質化を図ることができる。特に、本 実施形態の筒体6は、焼成前に予め仮焼成さ ているので、その後の焼成時の段階で変形 体積減少等が生じ難い。そのため、高品質 貫通電極32、33を形成することができ、キャ ティC内の気密をより確実にすることができ る。よって、圧電振動子1の高品質化を図り すい。
 また、本実施形態の製造方法によれば、上 圧電振動子1を一度に複数製造することがで きるので、低コスト化を図ることができる。 更に、研磨工程の際、単に土台部8を除去す だけで良いので、ベース基板用ウエハ40の両 面を研磨する場合に比べて研磨工程を短時間 で実施することができる。

 なお、本実施形態では、筒体6を外形が円筒 状になるように構成したが、この形状に限定 されるものではなく、例えば、外径が一端か ら他端に向けて漸次縮径する円錐状に形成し ても構わない。この場合であっても、同様の 作用効果を奏することができる。但し、この 場合には、スルーホール30、31の形状を、ス レート形状ではなく断面テーパ状にする必 ある。つまり、筒体6の形状は、芯材部7を挿 入可能な筒状に形成されていれば制限がなく 、スルーホール30、31の形状に合わせて、外 を適宜変更して構わない。
 また、筒体6の中心孔6aは、ストレートでは く断面角状に形成されていても構わない。 の場合には、芯材部7の形状を上述した円柱 状ではなく、角柱にすれば良い。この場合で あっても、やはり同様の作用効果を奏するこ とができる。

 また、本実施形態に示したように、ベース 板2(ベース基板用ウエハ40)として、筒体6の 膨張係数と略等しいものを用いること、若 くは筒体6と同じガラス材料を用いることが 好ましい。具体的には、ベース基板2(ベース 板用ウエハ40)にソータ石灰ガラスを用いて 筒体6に低融点ガラスを用いること、若しく は両者ともソーダ石灰ガラスを用いること等 が好ましい。更に、この場合には、芯材部7 して、熱膨張係数がベース基板2(ベース基板 用ウエハ40)及び筒体6と略等しいものを用い ことが好ましい。
 この場合には、焼成を行う際に、ベース基 用ウエハ40、筒体6及び芯材部7の3つが、そ ぞれ同じように熱膨張する。従って、熱膨 係数の違いによって、ベース基板用ウエハ40 や筒体6に過度に圧力が作用してクラック等 発生する恐れや、筒体6とスルーホール30、31 との間及び筒体6と芯材部7との間に隙間が開 てしまう恐れがない。そのため、より高品 な貫通電極32、33を形成することができ、そ の結果、圧電振動子1の更なる高品質化を図 ことができる。
 また、ベース基板2(ベース基板用ウエハ40) 筒体6と同じガラス材料で形成した場合には 熱膨張係数が略等しい、コバール、Fe-Ni、 ュメット線等を芯材部7の材料として用いる とが好ましい。

(第2実施形態)
 以下、本発明に係る圧電振動子の製造方法 びこの製造方法で製造される圧電振動子の 2実施形態を、図20から図40を参照して説明 る。
 図20から図23に示すように、本実施形態の圧 電振動子101は、ベース基板102とリッド基板103 とで2層に積層された箱状に形成されており 内部のキャビティC内に圧電振動片104が収納 れた表面実装型の圧電振動子である。なお 図23においては、図面を見易くするために 述する励振電極115、引き出し電極119、120、 ウント電極116、117及び重り金属膜121の図示 省略している。

 図24から図26に示すように、圧電振動片104は 、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチ ウム等の圧電材料から形成された音叉型の振 動片であり、所定の電圧が印加されたときに 振動するものである。
 この圧電振動片104は、平行に配置された一 の振動腕部110、111と、一対の振動腕部110、1 11の基端側を一体的に固定する基部112と、一 の振動腕部110、111の外表面上に形成されて 対の振動腕部110、111を振動させる第1の励振 電極113と第2の励振電極114とからなる励振電 115と、第1の励振電極113及び第2の励振電極114 に電気的に接続されたマウント電極116、117と を有している。
 また、本実施形態の圧電振動片104は、一対 振動腕部110、111の両主面上に、振動腕部110 111の長手方向に沿ってそれぞれ形成された 部118を備えている。この溝部118は、振動腕 110、111の基端側から略中間付近まで形成さ ている。

 第1の励振電極113と第2の励振電極114とか なる励振電極115は、一対の振動腕部110、111 互いに接近又は離間する方向に所定の共振 波数で振動させる電極であり、一対の振動 部110、111の外表面に、それぞれ電気的に切 離された状態でパターニングされて形成さ ている。具体的には、第1の励振電極113が、 方の振動腕部110の溝部118上と他方の振動腕 111の両側面上とに主に形成され、第2の励振 電極114が、一方の振動腕部110の両側面上と他 方の振動腕部111の溝部118上とに主に形成され ている。

 また、第1の励振電極113及び第2の励振電極11 4は、基部112の両主面上において、それぞれ き出し電極119、120を介してマウント電極116 117に電気的に接続されている。そして圧電 動片104は、このマウント電極116、117を介し 電圧が印加されるようになっている。
 なお、上述した励振電極115、マウント電極1 16、117及び引き出し電極119、120は、例えば、 ロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)や タン(Ti)等の導電性膜の被膜により形成され たものである。

 また、一対の振動腕部110、111の先端には 自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で 動するように調整(周波数調整)を行うため 重り金属膜121が被膜されている。なお、こ 重り金属膜121は、周波数を粗く調整する際 使用される粗調膜121aと、微小に調整する際 使用される微調膜121bとに分かれている。こ れら粗調膜121a及び微調膜121bを利用して周波 調整を行うことで、一対の振動腕部110、111 周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に めることができる。

 このように構成された圧電振動片104は、 22及び図23に示すように、金等のバンプPを 用して、ベース基板102の上面にバンプ接合 れている。より具体的には、ベース基板102 上面にパターニングされた後述する引き回 電極136、137上に形成された2つのバンプP上に 、一対のマウント電極116、117がそれぞれ接触 した状態でバンプ接合されている。これによ り、圧電振動片104は、ベース基板102の上面か ら浮いた状態で支持されると共に、マウント 電極116、117と引き回し電極136、137とがそれぞ れ電気的に接続された状態となっている。

 上記リッド基板103は、ガラス材料、例えば ーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板で り、図20、図22及び図23に示すように、板状 形成されている。そして、ベース基板102が 合される接合面側には、圧電振動片104が収 る矩形状の凹部103aが形成されている。
この凹部103aは、両基板102、103が重ね合わさ たときに、圧電振動片104を収容するキャビ ィCとなるキャビティ用の凹部である。そし 、リッド基板103は、この凹部103aをベース基 板102側に対向させた状態でベース基板102に対 して陽極接合されている。

 上記ベース基板102は、リッド基板103と同様 ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスから る透明な絶縁基板であり、図20から図23に示 すように、リッド基板103に対して重ね合わせ 可能な大きさで板状に形成されている。
 このベース基板102には、ベース基板102を貫 する一対のスルーホール(貫通孔)130,131が形 されている。この際、一対のスルーホール1 30、131は、キャビティC内に収まるように形成 されている。より詳しく説明すると、本実施 形態のスルーホール130、131は、マウントされ た圧電振動片104の基部112側に対応した位置に 一方のスルーホール130が形成され、振動腕部 110、111の先端側に対応した位置に他方のスル ーホール131が形成されている。また、本実施 形態では、ベース基板102の下面から上面に向 かって漸次径が縮径した断面テーパ状のスル ーホールを例に挙げて説明するが、この場合 に限られず、ベース基板102を真っ直ぐに貫通 するスルーホールでも構わない。いずれにし ても、ベース基板102を貫通していれば良い。

 そして、これら一対のスルーホール130、1 31には、スルーホール130、131を埋めるように 成された一対の貫通電極132、133が形成され いる。これら貫通電極132、133は、図22に示 ように、焼成によってスルーホール130、131 対して一体的に固定された筒体106及び芯材 107によって形成されたものであり、スルー ール130、131を完全に塞いでキャビティC内の 密を維持しているとともに、後述する外部 極138、139と引き回し電極136、137とを導通さ る役割を担っている。

 図27に示すように、上記筒体106は、ペー ト状のガラスフリット(連結材)106aが焼成さ たものである。筒体106は、両端が平坦で且 ベース基板102と略同じ厚みの円筒状に形成 れている。そして、筒体106の中心には、芯 部107が筒体106を貫通するように配されてい 。また、本実施形態ではスルーホール130、13 1の形状に合わせて、筒体106の外形が円錐状( 面テーパ状)となるように形成されている。 そして、この筒体106は、図22に示すように、 ルーホール130、131内に埋め込まれた状態で 成されており、スルーホール130、131に対し 強固に固着されている。

 上記芯材部107は、金属材料により円柱状に 成された導電性の芯材であり、筒体106と同 に両端が平坦で且つベース基板102の厚みと 同じ厚さとなるように形成されている。な 、図22に示すように、貫通電極132、133が完 品として形成された場合には、上述したよ に芯材部107は、ベース基板102の厚みと略同 厚さとなるように形成されているが、製造 程では、芯材部107の長さは、製造過程の当 のベース基板102の厚さよりも0.02mmだけ短い さのものを採用している(後に製造方法の説 で詳述する。)。そして、この芯材部107は、 筒体106の中心孔106cに位置しており、筒体106 焼成によって筒体106に対して強固に固着さ ている。
 なお、貫通電極132、133は、導電性の芯材部1 07を通して電気導通性が確保されている。

 ベース基板102の上面側(リッド基板103が接 合される接合面側)には、図20から図23に示す うに、導電性材料(例えば、アルミニウム) より、陽極接合用の接合膜135と、一対の引 回し電極136、137とがパターニングされてい 。このうち接合膜135は、リッド基板103に形 された凹部103aの周囲を囲むようにベース基 102の周縁に沿って形成されている。

 また、一対の引き回し電極136、137は、一対 貫通電極132、133のうち、一方の貫通電極132 圧電振動片104の一方のマウント電極116とを 気的に接続すると共に、他方の貫通電極133 圧電振動片104の他方のマウント電極117とを 気的に接続するようにパターニングされて る。
 より詳しく説明すると、一方の引き回し電 136は、圧電振動片104の基部112の真下に位置 るように一方の貫通電極132の真上に形成さ ている。また、他方の引き回し電極137は、 方の引き回し電極136に隣接した位置から、 動腕部110、111に沿ってこの振動腕部110、111 先端側に引き回しされた後、他方の貫通電 133の真上に位置するように形成されている
 そして、これら一対の引き回し電極136、137 にそれぞれバンプPが形成されており、バン プPを利用して圧電振動片104がマウントされ いる。これにより、圧電振動片104の一方の ウント電極116が、一方の引き回し電極136を して一方の貫通電極132に導通し、他方のマ ント電極117が、他方の引き回し電極137を介 て他方の貫通電極133に導通するようになっ いる。

 また、ベース基板102の下面には、図20、 22及び図23に示すように、一対の貫通電極132 133に対してそれぞれ電気的に接続される外 電極138、139が形成されている。つまり、一 の外部電極138は、一方の貫通電極132及び一 の引き回し電極136を介して圧電振動片104の 1の励振電極113に電気的に接続されている。 また、他方の外部電極139は、他方の貫通電極 133及び他方の引き回し電極137を介して、圧電 振動片104の第2の励振電極114に電気的に接続 れている。

 このように構成された圧電振動子101を作 させる場合には、ベース基板102に形成され 外部電極138、139に対して、所定の駆動電圧 印加する。これにより、圧電振動片104の第1 の励振電極113及び第2の励振電極114からなる 振電極115に電流を流すことができ、一対の 動腕部110、111を接近・離間させる方向に所 の周波数で振動させることができる。そし 、この一対の振動腕部110、111の振動を利用 て、時刻源、制御信号のタイミング源やリ ァレンス信号源等として利用することがで る。

 次に、上述した圧電振動子101を、図28に すフローチャートを参照しながら、ベース 板用ウエハ140とリッド基板用ウエハ150とを 用して一度に複数製造する製造方法につい 以下に説明する。

 始めに、圧電振動片作製工程を行って図2 4から図26に示す圧電振動片104を作製する(S110) 。具体的には、まず、水晶のランバート原石 を所定の角度でスライスして一定の厚みのウ エハとする。続いて、このウエハをラッピン グして粗加工した後、加工変質層をエッチン グで取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研 磨加工を行って、所定の厚みのウエハとする 。続いて、ウエハに洗浄等の適切な処理を施 した後、ウエハをフォトリソ技術によって圧 電振動片104の外形形状でパターニングすると 共に、金属膜の成膜及びパターニングを行っ て、励振電極115、引き出し電極119、120、マウ ント電極116、117、重り金属膜121を形成する。 これにより、複数の圧電振動片104を作製する ことができる。

 また、圧電振動片104を作製した後、共振 波数の粗調を行っておく。これは、重り金 膜121の粗調膜121aにレーザ光を照射して一部 を蒸発させ、重量を変化させることで行う。 なお、共振周波数をより高精度に調整する微 調に関しては、マウント後に行う。これにつ いては、後に説明する。

 次に、後にリッド基板103となるリッド基 用ウエハ150を、陽極接合を行う直前の状態 で作製する第1のウエハ作製工程を行う(S120) 。まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで 研磨加工して洗浄した後に、図29に示すよう 、エッチング等により最表面の加工変質層 除去した円板状のリッド基板用ウエハ150を 成する(S121)。次いで、リッド基板用ウエハ1 50の接合面に、エッチング等により行列方向 キャビティ用の凹部103aを複数形成する凹部 形成工程を行う(S122)。この時点で、第1のウ ハ作製工程が終了する。

 次に、上記工程と同時或いは前後のタイ ングで、後にベース基板102となるベース基 用ウエハ140を、陽極接合を行う直前の状態 で作製する第2のウエハ作製工程を行う(S130) 。まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで 研磨加工して洗浄した後に、エッチング等に より最表面の加工変質層を除去した円板状の ベース基板用ウエハ140を形成する(S131)。次い で、ベース基板用ウエハ140に一対の貫通電極 132、133を複数形成する貫通電極形成工程を行 う(S130A)。ここで、この貫通電極形成工程に いて、詳細に説明する。

 まず、図30に示すように、ベース基板用 エハ140を貫通する一対のスルーホール130、13 1を複数形成する貫通孔形成工程(S132)を行う なお、図30に示す点線Mは、後に行う切断工 で切断する切断線を図示している。この工 を行う際、ベース基板用ウエハ140の下面側 ら、例えばサンドブラスト法で行う。これ より、図31に示すように、ベース基板用ウエ ハ140の下面から上面に向かって漸次径が縮径 する断面テーパ状のスルーホール130、131を形 成することができる。また、後に両ウエハ140 、150を重ね合わせたときに、リッド基板用ウ エハ150に形成された凹部103a内に収まるよう 一対のスルーホール130、131を複数形成する しかも、一方のスルーホール130が圧電振動 104の基部112側に位置し、他方のスルーホー 131が振動腕部110、111の先端側に位置するよ に形成する。

 続いて、これら複数のスルーホール130、131 に、鋲体109の芯材部107を配置するとともに ガラス材料からなるペースト状のガラスフ ット106aをスルーホール130、131内に充填する セット工程を行う(S133)。この際、鋲体109とし て、図32に示すように、平板状の土台部108と 土台部108上から土台部108の表面に略直交す 方向に沿ってベース基板用ウエハ140の厚さ りも0.02mmだけ短い長さで形成されるととも 、先端が平坦に形成された芯材部107と、を する導電性の鋲体109を用いる。さらに、図3 3に示すように、この鋲体109の土台部108がベ ス基板用ウエハ140に接触するまで、芯材部10 7を挿入する。
 ここで、芯材部107の軸方向とスルーホール1 30、131の軸方向とが略一致するように鋲体109 配置する必要がある。しかしながら、土台 108上に芯材部107が形成された鋲体109を利用 るため、土台部108をベース基板用ウエハ140 接触させるまで押し込むだけの簡単な作業 、芯材部107の軸方向とスルーホール130、131 軸方向とを略一致させることができる。し がって、セット工程時における作業性を向 することができる。

 しかも、土台部108をベース基板用ウエハ140 表面に接触させることで、ペースト状のガ スフリットを確実にスルーホール130、131内 充填させることができる。
 更に、土台部108は、平板状に形成されてい ため、セット工程後、後に行う焼成工程ま の間に、ベース基板用ウエハ140を机上等の 面上に載置したとしても、がたつき等がな 、安定する。この点においても、作業性の 上を図ることができる。

 また、ガラスフリット106aをスルーホール 130、131内に充填する際には、スルーホール130 、131内に確実にガラスフリット106aが充填さ るように多めに塗布する。したがって、ベ ス基板用ウエハ140の表面にもガラスフリッ 106aが塗布されている。この状態でガラスフ ット106aを焼成すると、後の研磨工程に要す る時間が多くなるため、焼成前に余分なガラ スフリット106aを除去するガラスフリット除 工程を行う(S134)。図34に示すように、このガ ラスフリット除去工程では、例えば樹脂製の スキージ145を用い、スキージ145の先端145aを ース基板用ウエハ140の表面に当接させつつ その表面に沿って移動させることによりガ スフリット106aを除去する。このようにする とで、図35に示すように、簡易な作業で確 に余分なガラスフリット106aを除去すること できる。そして、本実施形態では鋲体109の 材部107の長さをベース基板用ウエハ140の厚 よりも0.02mm短くしたため、スキージ145がス ーホール130、131の上部を通過する際に、ス ージ145の先端145aと芯材部107の先端とが接触 することがなく、芯材部107が傾いてしまうこ とを抑制することができる。

 続いて、埋め込んだ充填材を所定の温度で 成する焼成工程を行う(S135)。これにより、 ルーホール130、131と、スルーホール130、131 に埋め込まれたガラスフリット106aと、ガラ スフリット106a内に配置された鋲体109と、が いに固着し合う。この焼成を行う際に、土 部108ごと焼成するため、芯材部107の軸方向 スルーホール130、131の軸方向とを略一致さ た状態にしたまま、両者を一体的に固定す ことができる。ガラスフリット106aが焼成さ ると筒体106として固化する。続いて、図36 示すように、焼成後に鋲体109の土台部108を 磨して除去する研磨工程を行う(S136)。これ より、筒体106及び芯材部107を位置決めさせ 役割を果たしていた土台部108を除去するこ ができ、芯材部107のみを筒体106の内部に取 残すことができる。
 また、同時にベース基板用ウエハ140の裏面( 鋲体109の土台部108が配置された面と反対側の 面)を研磨して平坦面になるようにする。そ て、芯材部107の先端が露出するまで研磨す 。その結果、図37に示すように、筒体106と芯 材部107とが一体的に固定された一対の貫通電 極132、133を複数得ることができる。

 なお、貫通電極132、133を形成するにあた て、従来のものとは異なり、導電部にペー トを使用せずに、ガラス材料からなる筒体1 06と、導電性の芯材部107とで貫通電極132、133 形成している。仮に導電部にペーストを利 した場合には、焼成時にペースト内に含ま る有機物が蒸発してしまうため、ペースト 体積が焼成前に比べて顕著に減少してしま 。そのため、仮にペーストだけをスルーホ ル130、131内に埋め込んだ場合には、焼成後 ペーストの表面に大きな凹みが生じてしま 。しかしながら、本実施形態では導電部に 属製の芯材部107を用いたため、導電部の体 減少を無くすことができる。

 上述したように、ベース基板用ウエハ140 表面と、筒体106および芯材部107の両端とは 略面一な状態となる。つまり、ベース基板 ウエハ140の表面と貫通電極132、133の表面と 、略面一な状態とすることができる。なお 研磨工程を行った時点で、貫通電極形成工 が終了する。

 次に、ベース基板用ウエハ140の上面に導電 材料をパターニングして、図38、図39に示す ように、接合膜135を形成する接合膜形成工程 を行う(S137)と共に、各一対の貫通電極132、133 にそれぞれ電気的に接続された引き回し電極 136、137を複数形成する引き回し電極形成工程 を行う(S138)。なお、図38、図39に示す点線Mは 後に行う切断工程で切断する切断線を図示 ている。
 特に、貫通電極132、133は、上述したように ース基板用ウエハ140の上面に対して略面一 状態となっている。そのため、ベース基板 ウエハ140の上面にパターニングされた引き し電極136、137は、間に隙間等を発生させる となく貫通電極132、133に対して密着した状 で接する。これにより、一方の引き回し電 136と一方の貫通電極132との導通性、並びに 他方の引き回し電極137と他方の貫通電極133 の導通性を確実なものにすることができる この時点で第2のウエハ作製工程が終了する 。

 ところで、図28では、接合膜形成工程(S137 )の後に、引き回し電極形成工程(S138)を行う 程順序としているが、これとは逆に、引き し電極形成工程(S138)の後に、接合膜形成工 (S137)を行っても構わないし、両工程を同時 行っても構わない。いずれの工程順序であ ても、同一の作用効果を奏することができ 。よって、必要に応じて適宜、工程順序を 更して構わない。

 次に、作製した複数の圧電振動片104を、そ ぞれ引き回し電極136、137を介してベース基 用ウエハ140の上面に接合するマウント工程 行う(S140)。まず、一対の引き回し電極136、1 37上にそれぞれ金等のバンプPを形成する。そ して、圧電振動片104の基部112をバンプP上に 置した後、バンプPを所定温度に加熱しなが 圧電振動片104をバンプPに押し付ける。これ により、圧電振動片104は、バンプPに機械的 支持されると共に、マウント電極116、117と き回し電極136、137とが電気的に接続された 態となる。よって、この時点で圧電振動片10 4の一対の励振電極115は、一対の貫通電極132 133に対してそれぞれ導通した状態となる。
 特に、圧電振動片104は、バンプ接合される め、ベース基板用ウエハ140の上面から浮い 状態で支持される。

 圧電振動片104のマウントが終了した後、 ース基板用ウエハ140に対してリッド基板用 エハ150を重ね合わせる重ね合わせ工程を行 (S150)。具体的には、図示しない基準マーク を指標としながら、両ウエハ140、150を正し 位置にアライメントする。これにより、マ ントされた圧電振動片104が、ベース基板用 エハ140に形成された凹部103aと両ウエハ140、 150とで囲まれるキャビティC内に収容された 態となる。

 重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウ エハ140、150を図示しない陽極接合装置に入れ 、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して 陽極接合する接合工程を行う(S160)。具体的に は、接合膜135とリッド基板用ウエハ150との間 に所定の電圧を印加する。すると、接合膜135 とリッド基板用ウエハ150との界面に電気化学 的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着 して陽極接合される。これにより、圧電振動 片104をキャビティC内に封止することができ ベース基板用ウエハ140とリッド基板用ウエ 150とが接合した図40に示すウエハ体160を得る ことができる。なお、図40においては、図面 見易くするために、ウエハ体160を分解した 態を図示しており、ベース基板用ウエハ140 ら接合膜135の図示を省略している。なお、 40に示す点線Mは、後に行う切断工程で切断 る切断線を図示している。

 ところで、陽極接合を行う際、ベース基 用ウエハ140に形成されたスルーホール130、1 31は、貫通電極132、133によって完全に塞がれ いるため、キャビティC内の気密がスルーホ ール130、131を通じて損なわれることがない。 特に、焼成によって筒体106と芯材部107とが一 定的に固定されていると共に、これらがスル ーホール130、131に対して強固に固着されてい るため、キャビティC内の気密を確実に維持 ることができる。

 そして、上述した陽極接合が終了した後、 ース基板用ウエハ140の下面に導電性材料を ターニングして、一対の貫通電極132、133に れぞれ電気的に接続された一対の外部電極1 38、139を複数形成する外部電極形成工程を行 (S170)。この工程により、外部電極138、139を 用してキャビティC内に封止された圧電振動 片104を作動させることができる。
 特に、この工程を行う場合も引き回し電極1 36、137の形成時と同様に、ベース基板用ウエ 140の下面に対して貫通電極132、133が略面一 状態となっているため、パターニングされ 外部電極138、139は、間に隙間等を発生させ ことなく貫通電極132、133に対して密着した 態で接する。これにより、外部電極138、139 貫通電極132、133との導通性を確実なものに ることができる。

 次に、ウエハ体160の状態で、キャビティC 内に封止された個々の圧電振動子101の周波数 を微調整して所定の範囲内に収める微調工程 を行う(S180)。具体的に説明すると、ベース基 板用ウエハ140の下面に形成された一対の外部 電極138、139に電圧を印加して圧電振動片104を 振動させる。そして、周波数を計測しながら リッド基板用ウエハ150を通して外部からレー ザ光を照射し、重り金属膜121の微調膜121bを 発させる。これにより、一対の振動腕部110 111の先端側の重量が変化するため、圧電振 片104の周波数を、公称周波数の所定範囲内 収まるように微調整することができる。

 周波数の微調が終了後、接合されたウエハ 160を図40に示す切断線Mに沿って切断して小 化する切断工程を行う(S190)。その結果、互 に陽極接合されたベース基板102とリッド基 103との間に形成されたキャビティC内に圧電 振動片104が封止された、図20に示す2層構造式 表面実装型の圧電振動子101を一度に複数製造 することができる。
 なお、切断工程(S190)を行って個々の圧電振 子101に小片化した後に、微調工程(S180)を行 工程順序でも構わない。但し、上述したよ に、微調工程(S180)を先に行うことで、ウエ 体160の状態で微調を行うことができるため 複数の圧電振動子101をより効率良く微調す ことができる。よって、スループットの向 化を図ることができるため好ましい。

 その後、内部の電気特性検査を行う(S200) 即ち、圧電振動片104の共振周波数、共振抵 値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共 振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチ ックする。また、絶縁抵抗特性等を併せて ェックする。そして、最後に圧電振動子101 外観検査を行って、寸法や品質等を最終的 チェックする。これをもって圧電振動子101 製造が終了する。

 特に、本実施形態の圧電振動子101は、表面 凹みがなく、ベース基板102に対して略面一 状態で貫通電極132、133を形成できるため、 通電極132、133を、引き回し電極136、137及び 部電極138、139に対して確実に密着させるこ ができる。その結果、圧電振動片104と外部 極138、139との安定した導通性を確保するこ ができ、作動性能の信頼性を向上して高性 化を図ることができる。しかも、導通性の 材部107を利用して貫通電極132、133を構成し いるため、非常に安定した導通性を得るこ ができる。
 また、キャビティC内の気密に関しても確実 に維持することができるため、この点におい ても高品質化を図ることができる。
 また、本実施形態の製造方法によれば、上 圧電振動子101を一度に複数製造することが きるため、低コスト化を図ることができる

 さらに、本実施形態では、ベース基板用 エハ140に貫通電極132、133を形成する際に、 ース基板用ウエハ140の厚さよりも0.02mm短い 材部107を有する鋲体109を用いたため、ガラ フリット106aを焼成して、スルーホール130、 131とガラスフリット106aと鋲体109の芯材部107 を一体的に固定するまでの間に、芯材部107 何かに接触するなどして傾いてしまうのを 制することができる。

 具体的には、本実施形態では、ガラスフ ット充填工程において、ペースト状のガラ フリット106aをスルーホール130、131に充填す ると、スルーホール130、131内に充填しきれな かったガラスフリット106aがベース基板用ウ ハ140の表面に漏出するため、焼成前に余分 ガラスフリット106aを、スキージ145を用いて 去している。ここで、芯材部107の長さを上 のように好適に設定することにより、その 分なガラスフリット106aを除去する際に、ス キージ145の先端145aと芯材部107の先端との接 を抑えつつ、ガラスフリット106aを確実に除 することができる。したがって、ガラスフ ット除去工程において芯材部107が傾いてし うのを確実に抑制することができる。

 このように、芯材部107が傾くのを抑制す ことで、焼成後の研磨工程時においてベー 基板用ウエハ140へのクラックの発生も抑制 ることができる。したがって、圧電振動片1 04と外部電極138、139との安定した導通性を確 することができるとともに、歩留まりを向 させることができる。

 なお、本実施形態では、芯材部107の形状 円柱状で形成した場合の説明をしたが、角 にしてもよい。この場合であっても、やは 同様の作用効果を奏することができる。

 また、本実施形態において、芯材部107とし 、熱膨張係数がベース基板102(ベース基板用 ウエハ140)及び筒体106(ガラスフリット106a)と 等しいものを用いることが好ましい。
 この場合には、焼成を行う際に、ベース基 用ウエハ140、筒体106及び芯材部107の3つが、 それぞれ同じように熱膨張する。従って、熱 膨張係数の違いによって、ベース基板用ウエ ハ140や筒体106に過度に圧力が作用してクラッ ク等が発生する恐れや、筒体106とスルーホー ル130、131との間及び筒体106と芯材部107との間 に隙間が開いてしまう恐れがない。そのため 、より高品質な貫通電極を形成することがで き、その結果、圧電振動子101のさらなる高品 質化を図ることができる。

 また、本実施形態では、芯材部107の長さを ース基板用ウエハ140の厚さより0.02mm短い長 で設定した場合の説明をしたが、長さは自 に設定可能であり、スキージ145で余分なガ スフリット106aを除去する際にスキージ145と 芯材部107とが接触しない構成であればよい。
 そして、本実施形態では、研磨工程前の芯 部107の先端が平坦面で形成された鋲体109を いて説明をしたが、先端は平坦面でなくて よく、鋲体109をスルーホール130、131に配置 たときに芯材部107の長さがベース基板用ウ ハ140の厚さよりも短ければよい。

(第3実施形態)
 以下、本発明に係る圧電振動子の製造方法 びこの製造方法で製造される圧電振動子の 3実施形態を、図41から図66を参照して説明 る。
 本実施形態の圧電振動子201は、図41から図44 に示すように、ベース基板202とリッド基板203 とで2層に積層された箱状に形成されており 内部のキャビティC内に圧電振動片204が収納 れた表面実装型の圧電振動子である。
 なお、ベース基板202及びリッド基板203のそ ぞれの厚みは、例えば150μm~200μmとなってい る。また、図44においては、図面を見易くす ために後述する励振電極215、引き出し電極2 19、220、マウント電極216、217及び重り金属膜2 21の図示を省略している。

 圧電振動片204は、図45から図47に示すように 、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチ ウム等の圧電材料から形成された音叉型の振 動片であり、所定の電圧が印加されたときに 振動するものである。
 この圧電振動片204は、平行に配置された一 の振動腕部210、211と、一対の振動腕部210、2 11の基端側を一体的に固定する基部212と、一 の振動腕部210、211の外表面上に形成されて 対の振動腕部210、211を振動させる第1の励振 電極213と第2の励振電極214とからなる励振電 215と、第1の励振電極213及び第2の励振電極214 に電気的に接続されたマウント電極216、217と を有している。
 また、本実施形態の圧電振動片204は、一対 振動腕部210、211の両主面上に、振動腕部210 211の長手方向に沿ってそれぞれ形成された 部218を備えている。この溝部218は、振動腕 210、211の基端側から略中間付近まで形成さ ている。

 第1の励振電極213と第2の励振電極214とか なる励振電極215は、一対の振動腕部210、211 互いに接近又は離間する方向に所定の共振 波数で振動させる電極であり、一対の振動 部210、211の外表面に、それぞれ電気的に切 離された状態でパターニングされて形成さ ている。具体的には、図47に示すように、第 1の励振電極213が、一方の振動腕部210の溝部21 8上と他方の振動腕部211の両側面上とに主に 成され、第2の励振電極214が、一方の振動腕 210の両側面上と他方の振動腕部211の溝部218 とに主に形成されている。

 また、第1の励振電極213及び第2の励振電極21 4は、図45及び図46に示すように、基部212の両 面上において、それぞれ引き出し電極219、2 20を介してマウント電極216、217に電気的に接 されている。そして圧電振動片204は、この ウント電極216、217を介して電圧が印加され ようになっている。
 なお、上述した励振電極215、マウント電極2 16、217及び引き出し電極219、220は、例えば、 ロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)や タン(Ti)等の導電性膜の被膜により形成され たものである。

 また、一対の振動腕部210、211の先端には 自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で 動するように調整(周波数調整)を行うため 重り金属膜221が被膜されている。なお、こ 重り金属膜221は、周波数を粗く調整する際 使用される粗調膜221aと、微小に調整する際 使用される微調膜221bとに分かれている。こ れら粗調膜221a及び微調膜221bを利用して周波 調整を行うことで、一対の振動腕部210、211 周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に めることができる。

 このように構成された圧電振動片204は、 43及び図44に示すように、金等のバンプPを 用して、ベース基板202の上面にバンプ接合 れている。詳しく説明すると、ベース基板20 2の上面にパターニングされた後述する引き し電極236、237上にそれぞれ2つずつ形成され 2組のバンプP上に、一対のマウント電極216 217がそれぞれ接触した状態でバンプ接合さ ている。これにより、圧電振動片204は、ベ ス基板202の上面から浮いた状態で支持され と共に、マウント電極216、217と引き回し電 236、237とがそれぞれ電気的に接続された状 となっている。

 上記リッド基板203は、ガラス材料、例え ソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板 あり、図41、図43及び図44に示すように、板 に形成されている。そして、ベース基板202 接合される接合面側には、圧電振動片204が まる矩形状の凹部203aが形成されている。こ の凹部203aは、両基板202、303が重ね合わされ ときに、圧電振動片204を収容するキャビテ Cとなるキャビティ用の凹部である。そして リッド基板203は、この凹部203aをベース基板 202側に対向させた状態でベース基板202に対し て陽極接合されている。

 上記ベース基板202は、リッド基板203と同様 ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスから る透明な絶縁基板であり、図41から図44に示 すように、リッド基板203に対して重ね合わせ 可能な大きさで板状に形成されている。
 このベース基板202には、ベース基板202を上 方向に貫通する一対のスルーホール(貫通孔 )230、231が形成されている。一対のスルーホ ル230、231は、キャビティC内に収まるように 成されている。より詳しく説明すると、本 施形態のスルーホール230、231は、マウント れた圧電振動片204の基部212側に一方のスル ホール230が位置し、振動腕部210、211の先端 に他方のスルーホール231が位置するように 成されている。また、本実施形態では、ベ ス基板202の下面に向かって漸次拡径した断 テーパ状のスルーホールを例に挙げて説明 るが、この場合に限られず、ベース基板202 真っ直ぐに貫通するストレート形状のスル ホールでも構わない。いずれにしても、ベ ス基板202を貫通していれば良い。

 そして、これら一対のスルーホール230、231 内部には、ベース基板202を貫通するように 成された一対の貫通電極232、233と、スルー ール230、231の内周壁と、貫通電極232、233と 間を塞ぐように充填されたガラスフリット2 06と、が配置されている。
 これら貫通電極232、233及びガラスフリット2 06は、スルーホール230、231を完全に塞いでキ ビティC内の気密を維持していると共に、後 述する外部電極238、239と引き回し電極236、237 とを導通させる役割を担っている。

 なお、本実施形態での貫通電極232、233は 上述した第1実施形態及び第2実施形態にお る貫通電極32、33、132、133と異なり、第1実施 形態及び第2実施形態における芯材部7、107を 味している。更に、第1実施形態及び第2実 形態における貫通電極32、33、132、133、即ち ース基板202を貫通するように形成され、キ ビティC内の気密を維持すると共に、外部電 極238、239に対して電気的に接続された貫通電 極は、本実施形態における貫通電極232、233と ガラスフリット(筒体)206と、によって構成さ る。

 貫通電極232、233は、図43に示すように、 属材料により円柱状に形成された導電性の 材であり、両端が平坦で且つベース基板202 厚みと略同じ厚みとなるように形成されて る。貫通電極232、233は、ガラスフリット206 焼成によってガラスフリット206に対して強 に固着されている。貫通電極232、233は、例 ばコバール、ジュメット線、Fe-Ni等で形成さ れ、その熱膨張係数がガラスフリット206と略 等しくなっている。

 ガラスフリット206は、スルーホール230、2 31内に埋め込まれた状態で焼成されており、 ルーホール230、231の内周壁に対して強固に 着されている。ガラスフリット206の融点は 例えば430℃前後となっている。また、ガラ フリット206の硬度は、ベース基板202及びリ ド基板203を形成するガラス材料の硬度より くなっている。更に、ガラスフリット206の 膨張係数は、ベース基板202及びリッド基板2 03それぞれの熱膨張係数と略等しくなってい 。そして、ガラスフリット206は筒状に形成 れており、その中心孔に貫通電極232、233が 入されている。

 ベース基板202の上面側(リッド基板203が接 合される接合面側)には、図41から図44に示す うに、導電性材料(例えば、アルミニウム) より、陽極接合用の接合膜235と、一対の引 回し電極236、237とがパターニングされてい 。このうち接合膜235は、リッド基板203に形 された凹部203aの周囲を囲むようにベース基 202の周縁に沿って形成されている。

 引き回し電極236、237は、例えばクロムを 層、金を上層とする二層構造の電極膜であ 、その厚みが例えば2000Åとなっている。ま た、一対の引き回し電極236、237は、一対の貫 通電極232、233のうち、一方の貫通電極232と圧 電振動片204の一方のマウント電極216とを電気 的に接続すると共に、他方の貫通電極233と圧 電振動片204の他方のマウント電極217とを電気 的に接続するようにパターニングされている 。より詳しく説明すると、一方の引き回し電 極236は、圧電振動片204の基部212の真下に位置 するように一方の貫通電極232の真上に形成さ れている。また、他方の引き回し電極237は、 一方の引き回し電極236に隣接した位置から、 振動腕部210、211に沿ってこの振動腕部210、211 の先端側に引き回しされた後、他方の貫通電 極233の真上に位置するように形成されている 。

 そして、これら一対の引き回し電極236、2 37上にそれぞれバンプPが形成されており、バ ンプPを利用して圧電振動片204がマウントさ ている。これにより、圧電振動片204の一方 マウント電極216が、一方の引き回し電極236 介して一方の貫通電極232に導通し、他方の ウント電極217が、他方の引き回し電極237を して他方の貫通電極233に導通するようにな ている。

 また、ベース基板202の下面には、図41、 43及び図44に示すように、一対の貫通電極232 233に対してそれぞれ電気的に接続される外 電極238、239が形成されている。つまり、一 の外部電極238は、一方の貫通電極232及び一 の引き回し電極236を介して圧電振動片204の 1の励振電極213に電気的に接続されている。 また、他方の外部電極239は、他方の貫通電極 233及び他方の引き回し電極237を介して、圧電 振動片204の第2の励振電極214に電気的に接続 れている。

 このように構成された圧電振動子201を動 させる場合には、ベース基板202に形成され 外部電極238、239に対して、所定の駆動電圧 印加する。これにより、圧電振動片204の第1 の励振電極213及び第2の励振電極214からなる 振電極215に電流を流すことができ、一対の 動腕部210、211を接近・離間させる方向に所 の周波数で振動させることができる。そし 、この一対の振動腕部210、211の振動を利用 て、時刻源、制御信号のタイミング源やリ ァレンス信号源等として利用することがで る。

 次に、上述した圧電振動子201の製造方法の 明の前に、この製造方法において利用する ース基板用ウエハ240、リッド基板用ウエハ2 50、鋲体209、固定治具A及び押さえ治具Bにつ て説明する。
 ベース基板用ウエハ240及びリッド基板用ウ ハ250は、図48に示すように、平面視で、円 の周縁部の一部が切り落とされた平板状の エハである。両ウエハ240、250とも、例えば ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加 して洗浄した後に、エッチング等により最 面の加工変質層を除去して形成することが きる。

 鋲体209は、図49に示すように、平板状の 台部208及び土台部208の表面上から延在する 材部207を有する導電性のものである。本実 形態では、芯材部207は、土台部208上からこ 土台部208の表面に略直交する方向に沿って ース基板用ウエハ240と略同じ厚みだけ延在 ると共に、先端が平坦に形成されている。 体209の土台部208は、スルーホール230、231に ける上面側の開口端よりも平面視で大きく 成されている。また、鋲体209は、例えばコ ール、ジュメット線、Fe-Ni等で形成され、そ の熱膨張係数がガラスフリット206と略等しく なっている。また、図示の例では、芯材部207 は円柱状に形成され、土台部208は円板状に形 成されている。

 固定治具Aは、図50及び図51に示すように ベース基板用ウエハ240に芯材部207が挿入さ た状態の鋲体209の土台部208を、ベース基板 ウエハ240との間に挟み込んで鋲体209の姿勢 規制するものである。本実施形態では、固 治具Aは、板状の固定治具本体A1と、固定治 本体A1の表面に対してベース基板用ウエハ240 を位置決めする位置決め凹部(位置決め部)A2 、固定治具本体A1の表面において、位置決め 凹部A2によって位置決めされたベース基板用 エハ240の各スルーホール230、231と対向する 置に、底面A32が平坦で、深さが鋲体209の土 部208の厚みと略等しく、且つ底面A32側にお る内周壁の内径が土台部208の外径と略等し 形成された複数の鋲用凹部A3と、を備えて る。

 固定治具本体A1は、平面視でベース基板 ウエハ240よりも大きく形成されている。固 治具本体A1には、例えばカーボンを用いても よい。この場合、固定治具Aにガラス材料が 着することがなく、焼成後に固定治具Aから ース基板用ウエハ240を確実に剥離させるこ ができる。

 位置決め凹部A2は、固定治具本体A1の表面 にベース基板用ウエハ240の大きさと等しい大 きさで、固定治具本体A1の厚み方向に真直に 成された凹部であり、その深さがベース基 用ウエハ240の厚さの略半分となっている。 置決め凹部A2の底面には、鋲用凹部A3が形成 されている。

 鋲用凹部A3は、その開口端部A31が、鋲用 部A3の底面A32側に向かうに従って漸次縮径す るテーパ状に形成されている。図示の例では 、鋲用凹部A3の開口端の内径が鋲体209の土台 208の外径より大きく、固定治具本体A1の厚 方向において、前記開口端と底面A32との中 に位置する部分である中間部の内径が土台 208の外径と等しく、前記開口端から前記中 部までの部分である開口端部A31が前述した ーパ状に形成されている。そして、前記中 部から底面A32までは内径が等しいストレー 形状に形成されている。

 押さえ治具Bは、図52に示すように、固定 具Aとベース基板用ウエハ240とを相互に密接 させるものである。本実施形態では、押さえ 治具Bは、互いに重ね合わせられた固定治具A びベース基板用ウエハ240を、それぞれの外 表面で挟持する一対の挟持端部B1を備えて る。図示の例では、更に、押さえ治具Bは、 対の挟持端部B1による固定治具Aとベース基 用ウエハ240との挟持を解除する一対の挟持 除部B2を備えている。

 一対の挟持端部B1は、互いに近接する方 に図示しない捻りコイルバネ等で付勢され いる。一対の挟持端部B1には、一対の挟持解 除部B2が組みつけられており、この一対の挟 解除部B2を互いに近接させることで、一対 挟持端部B1が離間するようになっている。な お、一対の挟持端部B1及び一対の挟持解除部B 2は、例えばステンレスで形成してもよく、 の場合、錆を防止して長期間利用すること できる。

 次に、上述した圧電振動子201を、図53に すフローチャートを参照して、ベース基板 ウエハ240、リッド基板用ウエハ250、鋲体209 固定治具A及び押さえ治具Bを利用して一度に 複数製造する製造方法について以下に説明す る。

 始めに、圧電振動片作製工程を行って図4 5から図47に示す圧電振動片204を作製する(S210) 。具体的には、まず、水晶のランバート原石 を所定の角度でスライスして一定の厚みのウ エハとする。次に、このウエハをラッピング して粗加工した後、加工変質層をエッチング で取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨 加工を行って、所定の厚みのウエハとする。 次に、ウエハに洗浄等の適切な処理を施した 後、ウエハをフォトリソ技術によって圧電振 動片204の外形形状でパターニングすると共に 、金属膜の成膜及びパターニングを行って、 励振電極215、引き出し電極219、220、マウント 電極216、217、重り金属膜221を形成する。これ により、複数の圧電振動片204を作製すること ができる。

 また、圧電振動片204を作製した後、共振 波数の粗調を行っておく。これは、重り金 膜221の粗調膜221aにレーザ光を照射して一部 を蒸発させ、重量を変化させることで行う。 なお、共振周波数をより高精度に調整する微 調に関しては、マウント後に行う。これにつ いては、後に説明する。

 次に、後にリッド基板203となるリッド基 用ウエハ250を、陽極接合を行う直前の状態 で作製する第1のウエハ作製工程を行う(S220) 。まず、前述したように、ソーダ石灰ガラス からリッド基板用ウエハ250を形成する(S221)。 次いで、図54に示すように、リッド基板用ウ ハ250の接合面に、エッチング等により行列 向にキャビティ用の凹部203aを複数形成する 凹部形成工程を行う(S222)。この時点で、第1 ウエハ作製工程が終了する。

 次に、上記工程と同時或いは前後のタイ ングで、後にベース基板202となるベース基 用ウエハ240を、陽極接合を行う直前の状態 で作製する第2のウエハ作製工程を行う(S230) 。まず、前述したように、ソーダ石灰ガラス からベース基板用ウエハ240を形成する(S231)。 次いで、ベース基板用ウエハ240に一対の貫通 電極232、233を複数形成する貫通電極形成工程 を行う(S230A)。ここで、この貫通電極形成工 について、詳細に説明する。

 まず、図55に示すように、ベース基板用 エハ240を貫通する一対のスルーホール230、23 1を複数形成する貫通孔形成工程(S232)を行う なお、図55に示す点線Mは、後に行う切断工 で切断する切断線を図示している。この工 を行う際、例えばサンドブラスト法やプレ 加工等で行う。これにより、図56に示すよう に、ベース基板用ウエハ240を貫通し、その上 面から下面に向かうに従って漸次拡径した断 面テーパ状のスルーホール230、231を形成する ことができる。また、後に両ウエハ240、250を 重ね合わせたときに、リッド基板用ウエハ250 に形成された凹部203a内に収まるように一対 スルーホール230、231を複数形成する。しか 、一方のスルーホール230が圧電振動片204の 部212側に位置し、他方のスルーホール231が 動腕部210、211の先端側に位置するように形 する。なお、図56及び以下に示すベース基板 用ウエハ240の各断面図は、図面の見易さのた めに模式的に示しており、スルーホール230と ベース基板用ウエハ240の周面との距離、及び 隣接するスルーホール230間の距離は、図示の 例に限られるものではない。

 次に、土台部208がベース基板用ウエハ240 接触するまで鋲体209の芯材部207を挿入する 共に、芯材部207とスルーホール230、231との に連結材であるガラスフリット206を配置す セット工程を行う(S230B)。このセット工程に ついて詳しく説明すると、まず、図57に示す うに、これら複数のスルーホール230、231そ ぞれの内部に、鋲体209の芯材部207をベース 板用ウエハ240の一方側から挿入する芯材部 入工程を行う(S233)。本実施形態では、鋲体2 09の芯材部207をベース基板用ウエハ240の上面 から挿入する。この工程は、例えば、ベー 基板用ウエハ240の上面に必要数以上の鋲体2 09を無造作に載置すると共にベース基板用ウ ハ240の下面にマグネットシートを配置し、 ース基板用ウエハ240を振動させることで行 (振り込みする)。

 この際、芯材部207が土台部208の表面上か 延在していると共に、土台部208がスルーホ ル230、231の上面側の開口端よりも大きく形 されているので、前述したような振り込み 業を行うことで、芯材部207がスルーホール2 30、231内に挿入されたときに土台部208の表面 ベース基板用ウエハ240の上面に接触し、鋲 209がスルーホール230、231に引っ掛かった状 になる。鋲体209を利用することで、このよ な簡単な作業で芯材部207をスルーホール230 231内に配置することができ、作業性を向上 ることができる。

 次に、図58に示すように、固定治具Aをベ ス基板用ウエハ240の上面側に配置する固定 具配置工程を行う(S234)。この際、ベース基 用ウエハ240を位置決め凹部A2内に配置し、 ース基板用ウエハ240が固定治具Aに対して位 決めされるように、固定治具Aを配置する。

 特に、固定治具Aには位置決め凹部A2が形成 れているので、位置決め凹部A2内にベース 板用ウエハ240を配置するだけで、固定治具A 対してベース基板用ウエハ240の位置決めを 易に行うことができる。
 しかも、鋲用凹部A3は、位置決め凹部A2によ って位置決めされたベース基板用ウエハ240の 各スルーホール230、231に対向する位置に形成 されているので、鋲用凹部A3に鋲体209の土台 208を配置した状態で固定治具Aに対してベー ス基板用ウエハ240を位置決めすることで、鋲 体209の芯材部207を各スルーホール230、231内に 容易に配置することができる。

 また、固定治具Aとして、鋲用凹部A3の開口 部A31が、この鋲用凹部A3の底面A32側に向か に従って漸次縮径するテーパ状に形成され いるものを用いるので、鋲体209の土台部208 鋲用凹部A3に円滑に挿入させることができる 。そのため、土台部208を鋲用凹部A3に挿入さ る際に土台部208が傾くことがないので、鋲 209の姿勢をより安定して規制することがで る。
 更に、鋲用凹部A3は、底面A32側における内 壁の内径が土台部208の外径と略等しく形成 れているので、鋲用凹部A3に鋲体209の土台部 208を配置することで、鋲用凹部A3の底面A32側 おける内周壁によって鋲体209の土台部208の 面を保持することができる。これにより、 に鋲体209に対して外力が加わってしまった 合であっても、鋲体209の姿勢が変化するの 抑制することができる。

 次に、ベース基板用ウエハ240及び固定治 Aをベース基板用ウエハ240の上面側に配置し た状態で上下反転させた後、図59に示すよう 、スルーホール230、231の内周壁と鋲体209と 間を塞ぐようにガラスフリット206を充填す フリット充填工程を行う(S235)。この工程は 例えば、ガラスフリット206としてペースト のガラスフリット206を用い、このガラスフ ット206を図示しないスキージでスルーホー 230、231内に埋め込むことで行う。なお、ガ スフリット206は、ペースト状でなくても良 、例えば粉状であっても良い。

 次に、図60及び図61に示すように、押さえ 治具Bによって、ベース基板用ウエハ240と固 治具Aとの間に鋲体209の土台部208を挟み込ま る挟み込み工程を行う(S236)。この際、ベー 基板用ウエハ240の周縁部に押さえ治具Bを配 置する。図示の例では、押さえ治具Bを、ベ ス基板用ウエハ240の中央部を中心として90度 毎に1個、ベース基板用ウエハ240の周縁部が り落とされている部分を除いて合計3個配設 ている。なお、図60では、図面を見易くす ため、ベース基板用ウエハ240に形成された ルーホール230、231の図示を省略している。 た、図61は、図面を見易くするため模式的に 示しており、ベース基板用ウエハ240及び固定 治具Aと、押さえ治具Bと、の大きさの関係は 図示の例に限られるものではない。

 押さえ治具Bを配置する際、まず、一対の挟 持解除部B2を近接させて、一対の挟持端部B1 、互いに重ね合わせられたベース基板用ウ ハ240及び固定治具Aの厚みより広く離間させ 。その後、一対の挟持端部B1の間に前述し ベース基板用ウエハ240及び固定治具Aを配置 、一対の挟持解除部B2を離間させることで 一対の挟持端部B1によって固定治具Aとベー 基板用ウエハ240とを密接させるように挟持 ることができる。
 これにより、鋲用凹部A3に鋲体209の土台部20 8を配置した状態で固定治具Aとベース基板用 エハ240とを相互に密接させることができる

 特に、鋲用凹部A3は、底面A32が平坦で、深 が鋲体209の土台部208の厚みと略等しいので 鋲用凹部A3に鋲体209の土台部208を配置した状 態で固定治具Aとベース基板用ウエハ240とを 互に密接させることで、鋲体209の土台部208 表面をベース基板用ウエハ240に容易に当接 せることができる。
 更に、鋲体209の芯材部207は、鋲体209の土台 208の表面上から表面に略直交する方向に延 しているので、鋲体209の土台部208の表面を ース基板用ウエハ240に当接させることで鋲 209の芯材部207の軸線とスルーホール230、231 軸線とが互いに平行になるように鋲体209の 勢を規制することができる。

 ところで、図53では、フリット充填工程(S235 )の後に、挟み込み工程(S236)を行う工程順序 しているが、これとは逆に、挟み込み工程(S 236)の後に、フリット充填工程(S235)を行って 構わない。いずれの工程順序であっても、 一の作用効果を奏することができる。よっ 、必要に応じて適宜、工程順序を変更して わない。
 以上でセット工程が終了する。

 次に、図62に示すように、ガラスフリッ 206を加熱して焼成する焼成工程を行う(S237) これにより、スルーホール230、231と鋲体209 ガラスフリット206とを一体的に固定させる とができる。

 特に、固定治具Aとベース基板用ウエハ240 とを相互に密接させる押さえ治具Bによって ース基板用ウエハ240と固定治具Aとの間に鋲 209の土台部208を挟み込ませた状態で焼成し いるので、ベース基板用ウエハ240の変形等 関わらず、ベース基板用ウエハ240と固定治 Aとの間に確実に鋲体209の土台部208を挟み込 んだ状態を確保することができる。また、押 さえ治具Bがベース基板用ウエハ240の周縁部 配置されているので、ベース基板用ウエハ24 0の周縁部が反ろうとする場合であっても、 み込んだ状態を維持することができる。

 このため、鋲体209の土台部208の表面がベー 基板用ウエハ240に当接された状態で焼成さ 、土台部208がベース基板用ウエハ240に傾く となく固定される。
 また、鋲体209の芯材部207の軸線とスルーホ ル230、231の軸線とが互いに平行になった状 で焼成され、芯材部207の軸線がスルーホー 230、231の軸線に対して傾くことなく固定さ る。従って、スルーホール230、231内の空間 芯材部207によって不均一に区画されること ない。つまり、芯材部207の外周面とスルー ール230、231の内周面との間に筒状空間が形 され、スルーホール230、231内に局所的に広 空間が画成されることがない。よって、広 空間にガラスフリット206が充填されること ないので、焼成することでガラスフリット2 06の表面に凹部が形成されることや、ガラス リット206の内部に中空部が形成されるのを 実に抑制することができる。

 なお、ペースト状のガラスフリット206の 部には、そのガラスフリット206の体積に応 た量の気泡が含まれている。この気泡は微 であるものの、広い空間に充填されたガラ フリット206を焼成した場合には、そのガラ フリット206内部の気泡が蒸発してガラスフ ット206の体積が減少し、硬化したガラスフ ット206の表面に微小な凹部が形成され易く 或いは焼成してもこの気泡が内部に残って 硬化したガラスフリット206内に部分的に微 な中空部が形成され易い。

 焼成工程の後、押さえ治具Bによる挟持を一 対の挟持解除部B2を近接させて解除してベー 基板用ウエハ240から押さえ治具Bを取り外し 、その後、図63に示すように、鋲体209の土台 208を研磨して除去すると共に、ベース基板 ウエハ240の両面を所定の厚み研磨する研磨 程を行う(S238)。本実施形態の研磨工程では ベース基板用ウエハ240の上面側において土 部208を除去する第1研磨工程と、ベース基板 用ウエハ240の下面側においてスルーホール230 、231にガラスフリット206を充填する際に芯材 部207の表面に付着したガラスフリット206を除 去する第2研磨工程を行う。この結果、芯材 207は、貫通電極232、233として作用する。こ 貫通電極232、233は、導電性の芯材部207によ 形成されており、安定した導通性を確保す ことができる。
 なお、芯材部207の表面にガラスフリット206 付着していなければ、第2研磨工程を行わな くてもよい。
 以上で貫通電極形成工程が終了する。

 次に、ベース基板用ウエハ240の上面に導電 材料をパターニングして、図64及び図65に示 すように、接合膜235を形成する接合膜形成工 程を行う(S239)と共に、各一対の貫通電極232、 233にそれぞれ電気的に接続された引き回し電 極236、237を複数形成する引き回し電極形成工 程を行う(S240)。なお、図64及び図65に示す点 Mは、後に行う切断工程で切断する切断線を 示している。
 この時点で第2のウエハ作製工程が終了する 。

 ところで、図53では、接合膜形成工程(S239 )の後に、引き回し電極形成工程(S240)を行う 程順序としているが、これとは逆に、引き し電極形成工程(S240)の後に、接合膜形成工 (S239)を行っても構わないし、両工程を同時 行っても構わない。いずれの工程順序であ ても、同一の作用効果を奏することができ 。よって、必要に応じて適宜、工程順序を 更して構わない。

 次に、作製した複数の圧電振動片204を、そ ぞれ引き回し電極236、237を介してベース基 用ウエハ240の上面に接合するマウント工程 行う(S250)。まず、一対の引き回し電極236、2 37上にそれぞれ金等のバンプPを形成する。そ して、圧電振動片204の基部212をバンプP上に 置した後、バンプPを所定温度(例えば300℃) 加熱しながら圧電振動片204をバンプPに押し ける。これにより、圧電振動片204は、バン Pに機械的に支持されると共に、マウント電 極216、217と引き回し電極236、237とが電気的に 接続された状態となる。よって、この時点で 圧電振動片204の一対の励振電極215は、一対の 貫通電極232、233に対してそれぞれ導通した状 態となる。
 特に、圧電振動片204は、バンプ接合される で、ベース基板用ウエハ240の上面から浮い 状態で支持される。また、ガラスフリット2 06の融点は、マウント工程の際に加熱される 定温度より高くなっているので、両者が融 することがなく、スルーホール230、231は確 に塞がれた状態を維持することができる。

 圧電振動片204のマウントが終了した後、 ース基板用ウエハ240に対してリッド基板用 エハ250を重ね合わせる重ね合わせ工程を行 (S260)。具体的には、図示しない基準マーク を指標としながら、両ウエハ240、250を正し 位置にアライメントする。これにより、マ ントされた圧電振動片204が、ベース基板用 エハ240に形成された凹部203aと両ウエハ240、 250とで囲まれるキャビティC内に収容された 態となる。

 重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウ エハ240、250を図示しない陽極接合装置に入れ 、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して 陽極接合する接合工程を行う(S270)。具体的に は、接合膜235とリッド基板用ウエハ250との間 に所定の電圧を印加する。すると、接合膜235 とリッド基板用ウエハ250との界面に電気化学 的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着 して陽極接合される。これにより、圧電振動 片204をキャビティC内に封止することができ ベース基板用ウエハ240とリッド基板用ウエ 250とが接合した図66に示すウエハ体260を得る ことができる。なお、図66においては、図面 見易くするために、ウエハ体260を分解した 態を図示しており、ベース基板用ウエハ240 ら接合膜235の図示を省略している。なお、 66に示す点線Mは、後に行う切断工程で切断 る切断線を図示している。

 ところで、陽極接合を行う際、ベース基 用ウエハ240に形成されたスルーホール230、2 31は、貫通電極232、233及びガラスフリット206 よって完全に塞がれているので、キャビテ C内の気密がスルーホール230、231を通じて損 なわれることがない。特に、焼成によって貫 通電極232、233及びガラスフリット206が一定的 に固定されていると共に、これらがスルーホ ール230、231に対して強固に固着されているの で、キャビティC内の気密を確実に維持する とができる。

 そして、上述した陽極接合が終了した後 ベース基板用ウエハ240の下面に導電性材料 パターニングして、一対の貫通電極232、233 それぞれ電気的に接続された一対の外部電 238、239を複数形成する外部電極形成工程を う(S280)。この工程により、外部電極238、239 利用してキャビティC内に封止された圧電振 動片204を動作させることができる。

 次に、ウエハ体260の状態で、キャビティC 内に封止された個々の圧電振動片204の周波数 を微調整して所定の範囲内に収める微調工程 を行う(S290)。具体的に説明すると、ベース基 板用ウエハ240の下面に形成された一対の外部 電極238、239に電圧を印加して圧電振動片204を 振動させる。そして、周波数を計測しながら リッド基板用ウエハ250を通して外部からレー ザ光を照射し、重り金属膜221の微調膜221bを 発させる。これにより、一対の振動腕部210 211の先端側の重量が変化するので、圧電振 片204の周波数を、公称周波数の所定範囲内 収まるように微調整することができる。

 周波数の微調が終了した後、接合されたウ ハ体260を図66に示す切断線Mに沿って切断し 小片化する切断工程を行う(S300)。その結果 互いに接合されたベース基板202とリッド基 203との間に形成されたキャビティC内に圧電 振動片204が封止された、図41に示す2層構造式 表面実装型の圧電振動子201を一度に複数製造 することができる。
 なお、切断工程(S300)を行って個々の圧電振 子201に小片化した後に、微調工程(S290)を行 工程順序でも構わない。但し、上述したよ に、微調工程(S290)を先に行うことで、ウエ 体260の状態で微調を行うことができるので 複数の圧電振動子201をより効率良く微調す ことができる。よって、スループットの向 化を図ることができるので好ましい。

 その後、内部の電気特性検査を行う(S310) 即ち、圧電振動片204の共振周波数、共振抵 値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共 振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチ ックする。また、絶縁抵抗特性等を併せて ェックする。そして、最後に圧電振動子201 外観検査を行って、寸法や品質等を最終的 チェックする。これをもって圧電振動子201 製造が終了する。

 特に、鋲体209の土台部208がベース基板用 エハ240に対して傾くことなく固定されてい ので、ベース基板用ウエハ240と鋲体209との 触面積が広く、土台部208を研磨して除去す ときにベース基板用ウエハ240に作用する力 局所的に集中することがない。そのため、 ース基板用ウエハ240にクラックが生じるの 抑制することができる。

 また、ガラスフリット206に凹部や中空部 形成されるのを抑制しているので、研磨工 後ガラスフリット206の表面に残る段部を極 て小さく抑え、ガラスフリット206をベース 板用ウエハ240に対してほぼ面一な状態にす ことができる。このため、ガラスフリット2 06の表面に形成される引き回し電極236、237の みがばらついて局所的に薄くなることがな 、引き回し電極236、237の信頼性を向上する とができる。これにより、圧電振動片204と 通電極232、233との安定した導通性を確保す ことが可能となり、圧電振動片204と外部電 238、239との安定した導通性を確保すること できる。この結果、作動性能の信頼性を向 して高性能化を図ることができる。

 加えて、鋲体209の芯材部207の軸線がスルー ール230、231の軸線に対して傾いていないの 、研磨工程を経て芯材部207を露出させた後 あっても、ベース基板用ウエハ240に必要な みを確保することができる。
 また、キャビティC内の気密に関しても確実 に維持することができるので、圧電振動子201 の高品質化を図ることができる。
 また、本実施形態の製造方法によれば、上 圧電振動子201を一度に複数製造することが きるので、低コスト化を図ることができる

 なお、本実施形態では、ベース基板用ウエ 240(ベース基板202)、ガラスフリット206及び 体209(貫通電極232、233)として、それぞれ熱膨 張係数が略等しいものを用いたが、異なるも のを用いてもよい。
 また、本実施形態では、芯材部挿入工程の に固定治具配置工程を行ったが、固定治具A の鋲用凹部A3内に鋲体209の土台部208を配置し 状態の固定治具Aをベース基板用ウエハ240に 配置することで、両工程を同時に行っても構 わない。

 また、本実施形態では、固定治具Aとして 、鋲用凹部A3の開口端部A31がテーパ状のもの 用いたが、開口端部A31が断面視ストレート 状のものを用いても構わない。更に、固定 具Aに対してベース基板用ウエハ240を位置決 めするための位置決め部として位置決め凹部 A2を形成したが、例えば位置決めピンによっ 前記位置決め部としても構わない。

 また、本実施形態では、押さえ治具Bとして 、一対の挟持端部B1を備えるものを用いたが 例えば、固定治具A及びベース基板用ウエハ 240を他の土台上に載置し、載置された両者の 上側から押さえつけるような押さえ治具とし ても構わない。
 また、鋲体209は、本実施形態に示した形状 限られるものではなく、例えば第1実施形態 及び第2実施形態に示した鋲体9、109のように 土台部が矩形状であっても良い。また、芯 部207の長さ及び先端の形状についても本実 形態に示したものに限られないが、その長 は研磨工程前のベース基板用ウエハ240の厚 と同等もしくは前記厚みより短いほうが好 しい。

(第4実施形態)
 以下、本発明に係る圧電振動子の製造方法 びこの製造方法で製造される圧電振動子の 4実施形態を、図67から図87を参照して説明 る。
 本実施形態の圧電振動子401は、図67から図71 に示すように、ベース基板402とリッド基板403 とで2層に積層された箱状に形成されており 内部のキャビティC内に圧電振動片404が収納 れた表面実装型の圧電振動子である。
 なお、ベース基板402及びリッド基板403のそ ぞれの厚みは、例えば150μm~200μmとなってい る。また、図71においては、図面を見易くす ために後述する励振電極415、引き出し電極4 19、420、マウント電極416、417及び重り金属膜4 21の図示を省略している。

 圧電振動片404は、図72から図74に示すように 、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチ ウム等の圧電材料から形成された音叉型の振 動片であり、所定の電圧が印加されたときに 振動するものである。
 この圧電振動片404は、平行に配置された一 の振動腕部410、411と、一対の振動腕部410、4 11の基端側を一体的に固定する基部412と、一 の振動腕部410、411の外表面上に形成されて 対の振動腕部410、411を振動させる第1の励振 電極413と第2の励振電極414とからなる励振電 415と、第1の励振電極413及び第2の励振電極414 に電気的に接続されたマウント電極416、417と を有している。
 また、本実施形態の圧電振動片404は、一対 振動腕部410、411の両主面上に、振動腕部410 411の長手方向に沿ってそれぞれ形成された 部418を備えている。この溝部418は、振動腕 410、411の基端側から略中間付近まで形成さ ている。

 第1の励振電極413と第2の励振電極414とか なる励振電極415は、一対の振動腕部410、411 互いに接近又は離間する方向に所定の共振 波数で振動させる電極であり、一対の振動 部410、411の外表面に、それぞれ電気的に切 離された状態でパターニングされて形成さ ている。具体的には、図74に示すように、第 1の励振電極413が、一方の振動腕部410の溝部41 8上と他方の振動腕部411の両側面上とに主に 成され、第2の励振電極414が、一方の振動腕 410の両側面上と他方の振動腕部411の溝部418 とに主に形成されている。

 また、第1の励振電極413及び第2の励振電極41 4は、図72及び図73に示すように、基部412の両 面上において、それぞれ引き出し電極419、4 20を介してマウント電極416、417に電気的に接 されている。そして圧電振動片404は、この ウント電極416、417を介して電圧が印加され ようになっている。
 なお、上述した励振電極415、マウント電極4 16、417及び引き出し電極419、420は、例えば、 ロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)や タン(Ti)等の導電性膜の被膜により形成され たものである。

 また、一対の振動腕部410、411の先端には 自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で 動するように調整(周波数調整)を行うため 重り金属膜421が被膜されている。なお、こ 重り金属膜421は、周波数を粗く調整する際 使用される粗調膜421aと、微小に調整する際 使用される微調膜421bとに分かれている。こ れら粗調膜421a及び微調膜421bを利用して周波 調整を行うことで、一対の振動腕部410、411 周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に めることができる。

 このように構成された圧電振動片404は、 69から図71に示すように、金等のバンプPを 用して、ベース基板402の上面にバンプ接合 れている。詳しく説明すると、ベース基板40 2の上面にパターニングされた後述する引き し電極436、437上にそれぞれ2つずつ形成され 2組のバンプP上に、一対のマウント電極416 417がそれぞれ接触した状態でバンプ接合さ ている。これにより、圧電振動片404は、ベ ス基板402の上面から浮いた状態で支持され と共に、マウント電極416、417と引き回し電 436、437とがそれぞれ電気的に接続された状 となっている。

 上記リッド基板403は、ガラス材料、例え ソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板 あり、図67、図69から図71に示すように、板 に形成されている。そして、ベース基板402 接合される接合面側には、圧電振動片404が まる矩形状の凹部403aが形成されている。こ の凹部403aは、両基板402、403が重ね合わされ ときに、圧電振動片404を収容するキャビテ Cとなるキャビティ用の凹部である。そして リッド基板403は、この凹部403aをベース基板 402側に対向させた状態でベース基板402に対し て陽極接合されている。

 上記ベース基板402は、リッド基板403と同様 ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスから る透明な絶縁基板であり、図67から図71に示 すように、リッド基板403に対して重ね合わせ 可能な大きさで板状に形成されている。
 このベース基板402には、ベース基板402を上 方向に貫通する一対のスルーホール(貫通孔 )430、431が形成されている。一対のスルーホ ル430、431は、キャビティC内に収まるように 成されている。より詳しく説明すると、本 施形態のスルーホール430、431は、マウント れた圧電振動片404の基部412側に一方のスル ホール430が位置し、振動腕部410、411の先端 に他方のスルーホール431が位置するように 成されている。また、本実施形態では、ベ ス基板402の下面に向かって漸次拡径した断 テーパ状のスルーホールを例に挙げて説明 るが、この場合に限られず、ベース基板402 真っ直ぐに貫通するストレート形状のスル ホールでも構わない。いずれにしても、ベ ス基板402を貫通していれば良い。

 そして、これら一対のスルーホール430、431 内部には、ベース基板402を貫通するように 成された一対の貫通電極432、433と、スルー ール430、431の内周壁と、貫通電極432、433と 間を塞ぐように充填されたガラスフリット4 06と、が配置されている。
 これら貫通電極432、433及びガラスフリット4 06は、スルーホール430、431を完全に塞いでキ ビティC内の気密を維持していると共に、後 述する外部電極438、439と引き回し電極436、437 とを導通させる役割を担っている。

 貫通電極432、433は、図69及び図70に示すよ うに、金属材料により円柱状に形成された導 電性の芯材であり、両端が平坦で且つベース 基板402の厚みと略同じ厚みとなるように形成 されている。貫通電極432、433は、ガラスフリ ット406の焼成によってガラスフリット406に対 して強固に固着されている。貫通電極432、433 は、例えばコバール、ジュメット線、Fe-Ni等 形成され、その熱膨張係数がガラスフリッ 406と略等しくなっている。

 ガラスフリット406は、スルーホール430、4 31内に埋め込まれた状態で焼成されており、 ルーホール430、431の内周壁に対して強固に 着されている。ガラスフリット406の融点は 例えば430℃前後となっている。また、ガラ フリット406の硬度は、ベース基板402及びリ ド基板403を形成するガラス材料より低くな ている。更に、ガラスフリット406の熱膨張 数は、ベース基板402及びリッド基板403と略 しくなっている。

 ガラスフリット406の上面及び下面には、 70に示すように、凹部406a、406bがそれぞれ形 成されている。この凹部406a、406bは、圧電振 子401の製造の過程で、例えばガラスフリッ 406の焼成時に、後述する鋲体409の土台部408 ガラスフリット406との間、或いはガラスフ ット406の表面近傍に残った気泡を囲うよう 硬化したガラスフリット406が表面に露出し ものである。

 凹部406a、406bの上下方向の深さは、最も深 部分が例えば6000~10000Åとなっている。なお 図示の例では、図面をわかり易くするため 、凹部406a、406bを他の構成要素と比較して きく示している。
 そして、ガラスフリット406の上面に形成さ た凹部406aには、ガラスフリット406の上面側 に平坦面405aを形成する埋込材405が埋め込ま ている。

 埋込材405は、例えばコバール、Fe-Ni等、 電性で且つ貫通電極432、433と硬度及び熱膨 係数が略等しい材料で形成されている。ま 、埋込材405の融点は、例えば350℃以上とな ている。埋込材405は、スルーホール430、431 塞ぐガラスフリット406及び貫通電極432、433 上面を覆うと共に、その上面が平坦面405aと るように設けられている。つまり、埋込材4 05は、貫通電極432、433と電気的に接続され、 坦面405aは、ガラスフリット406及び貫通電極 432、433の上面全体を覆うように形成され、貫 通電極432、433と導通している。

 ベース基板402の上面側(リッド基板403が接 合される接合面側)には、図67から図71に示す うに、導電性材料(例えば、アルミニウム) より、陽極接合用の接合膜435と、一対の引 回し電極436、437とがパターニングされてい 。このうち接合膜435は、リッド基板403に形 された凹部403aの周囲を囲むようにベース基 402の周縁に沿って形成されている。

 引き回し電極436、437は、例えばクロムを 層、金を上層とする二層構造の電極膜であ 、その厚みが例えば2000Åとなっている。ま た、一対の引き回し電極436、437は、一対の貫 通電極432、433のうち、一方の貫通電極432と圧 電振動片404の一方のマウント電極416とを電気 的に接続すると共に、他方の貫通電極433と圧 電振動片404の他方のマウント電極417とを電気 的に接続するようにパターニングされている 。より詳しく説明すると、一方の引き回し電 極436は、圧電振動片404の基部412の真下に位置 するように一方の貫通電極432の真上に形成さ れている。また、他方の引き回し電極437は、 一方の引き回し電極436に隣接した位置から、 振動腕部410、411に沿ってこの振動腕部410、411 の先端側に引き回しされた後、他方の貫通電 極433の真上に位置するように形成されている 。また、図69及び図70に示すように、各引き し電極436、437において、対応する貫通電極43 2、433の真上に位置する部分は、この各部分 対応する埋込材405を覆うように形成されて る。

 そして、図67から図71に示すように、これ ら一対の引き回し電極436、437上にそれぞれバ ンプPが形成されており、バンプPを利用して 電振動片404がマウントされている。これに り、圧電振動片404の一方のマウント電極416 、一方の引き回し電極436を介して一方の貫 電極432に導通し、他方のマウント電極417が 他方の引き回し電極437を介して他方の貫通 極433に導通するようになっている。

 また、ベース基板402の下面には、図67、 69から図71に示すように、一対の貫通電極432 433に対してそれぞれ電気的に接続される外 電極438、439が形成されている。つまり、一 の外部電極438は、一方の貫通電極432及び一 の引き回し電極436を介して圧電振動片404の 1の励振電極413に電気的に接続されている。 また、他方の外部電極439は、他方の貫通電極 433及び他方の引き回し電極437を介して、圧電 振動片404の第2の励振電極414に電気的に接続 れている。また、各外部電極438、439は、凹 406bを埋め込むと共に、その下面が略平坦に 成されている。なお、この外部電極438、439 、圧電振動子401の表面に形成されているの 、その厚みを十分厚く形成することができ 。このため、外部電極438、439が、凹部406bの 影響を受けて極端に薄く形成されることがな い。

 このように構成された圧電振動子401を動 させる場合には、ベース基板402に形成され 外部電極438、439に対して、所定の駆動電圧 印加する。これにより、圧電振動片404の第1 の励振電極413及び第2の励振電極414からなる 振電極415に電流を流すことができ、一対の 動腕部410、411を接近・離間させる方向に所 の周波数で振動させることができる。そし 、この一対の振動腕部410、411の振動を利用 て、時刻源、制御信号のタイミング源やリ ァレンス信号源等として利用することがで る。

 次に、上述した圧電振動子401を、図75に すフローチャートを参照して、ベース基板 ウエハ440とリッド基板用ウエハ450とを利用 て一度に複数製造する製造方法について以 に説明する。

 始めに、圧電振動片作製工程を行って図7 2から図74に示す圧電振動片404を作製する(S410) 。具体的には、まず、水晶のランバート原石 を所定の角度でスライスして一定の厚みのウ エハとする。次に、このウエハをラッピング して粗加工した後、加工変質層をエッチング で取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨 加工を行って、所定の厚みのウエハとする。 次に、ウエハに洗浄等の適切な処理を施した 後、ウエハをフォトリソ技術によって圧電振 動片404の外形形状でパターニングすると共に 、金属膜の成膜及びパターニングを行って、 励振電極415、引き出し電極419、420、マウント 電極416、417、重り金属膜421を形成する。これ により、複数の圧電振動片404を作製すること ができる。

 また、圧電振動片404を作製した後、共振 波数の粗調を行っておく。これは、重り金 膜421の粗調膜421aにレーザ光を照射して一部 を蒸発させ、重量を変化させることで行う。 なお、共振周波数をより高精度に調整する微 調に関しては、マウント後に行う。これにつ いては、後に説明する。

 次に、後にリッド基板403となるリッド基 用ウエハ450を、陽極接合を行う直前の状態 で作製する第1のウエハ作製工程を行う(S420) 。まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで 研磨加工して洗浄した後に、エッチング等に より最表面の加工変質層を除去した円板状の リッド基板用ウエハ450を形成する(S421)。次い で、図76に示すように、リッド基板用ウエハ4 50の接合面に、エッチング等により行列方向 キャビティ用の凹部403aを複数形成する凹部 形成工程を行う(S422)。この時点で、第1のウ ハ作製工程が終了する。

 次に、上記工程と同時或いは前後のタイ ングで、後にベース基板402となるベース基 用ウエハ440を、陽極接合を行う直前の状態 で作製する第2のウエハ作製工程を行う(S430) 。まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで 研磨加工して洗浄した後に、エッチング等に より最表面の加工変質層を除去した円板状の ベース基板用ウエハ440を形成する(S431)。次い で、ベース基板用ウエハ440に一対の貫通電極 432、433を複数形成する貫通電極形成工程を行 う(S430A)。ここで、この貫通電極形成工程に いて、詳細に説明する。

 まず、図77に示すように、ベース基板用 エハ440を貫通する一対のスルーホール430、43 1を複数形成する貫通孔形成工程(S432)を行う なお、図77に示す点線Mは、後に行う切断工 で切断する切断線を図示している。この工 を行う際、例えばサンドブラスト法やプレ 加工等で行う。これにより、図78に示すよう に、ベース基板用ウエハ440を貫通し、その上 面から下面に向かうに従って漸次拡径した断 面テーパ状のスルーホール430、431を形成する ことができる。また、後に両ウエハ440、450を 重ね合わせたときに、リッド基板用ウエハ450 に形成された凹部403a内に収まるように一対 スルーホール430、431を複数形成する。しか 、一方のスルーホール430が圧電振動片404の 部412側に位置し、他方のスルーホール431が 動腕部410、411の先端側に位置するように形 する。

 次に、これら複数のスルーホール430、431そ ぞれの内部に、鋲体409の芯材部407を挿入す と共に、スルーホール430、431の内周壁と鋲 409との間を塞ぐようにガラスフリット406を 填するセット工程を行う(S433)。
 ここで、本実施形態では、鋲体409として、 79に示すように、平板状の土台部408及び土 部408上から延在する芯材部407を有する導電 のものを用いる。図示の例では、芯材部407 、土台部408上からこの土台部408の表面に略 交する方向に沿ってベース基板用ウエハ440 略同じ厚みだけ延在すると共に、先端が平 に形成されている。鋲体409の土台部408は、 ルーホール430、431における上面側の開口よ も平面視で大きく形成されている。また、 体409は、例えばコバール、ジュメット線、Fe -Ni等で形成され、その熱膨張係数がガラスフ リット406と略等しくなっている。

 セット工程の際、図80に示すように、ま 、この鋲体409の土台部408がベース基板用ウ ハ440に接触するまで、芯材部407をベース基 用ウエハ440の上面側から挿入する。次に、 示しない治具等で鋲体409をベース基板用ウ ハ440に対して固定させた後、ベース基板用 エハ440の上下面を反転させる。その後、図81 に示すように、各スルーホール430、431におけ る下面側の開口よりペースト状のガラスフリ ット(連結材)406を流し込む。なお、このガラ フリット406は、脱泡処理されているものを 用しても良く、この場合、後述する気泡の 生を少なくすることができる。また、ガラ フリット406は、ペースト状のものでなくて 良く、例えば粉状であっても良い。

 この際、芯材部407が、土台部408上から土 部408の表面に略直交する方向に沿ってベー 基板用ウエハ440と略同じ厚みだけ延在する 共に、先端が平坦に形成されているので、 台部408をベース基板用ウエハ440に接触させ まで押し込むだけの簡単な作業で、芯材部4 07の両端をベース基板用ウエハ440の表面に対 て容易且つ確実に面一にすることができる 従って、セット工程時における作業性を向 することができる。

 次に、埋め込んだガラスフリット406を所定 温度で焼成する焼成工程を行う(S434)。これ より、スルーホール430、431と鋲体409とガラ フリット406とが互いに固着し合う。この焼 を行う際に、土台部408ごと焼成するので、 材部407の両端をベース基板用ウエハ440の表 に対してほぼ面一な状態にしたまま固着さ ることができる。
 なお、焼成工程の後、ベース基板用ウエハ4 40の上下面を反転させてもよい。以下では、 下面を反転させた場合を例にして説明する

 次に、図82に示すように、焼成後に鋲体409 土台部408を研磨して除去すると共に、鋲体 芯材部が露出するまでベース基板用ウエハ 両面を研磨する研磨工程を行う(S435)。本実 形態の研磨工程では、ベース基板用ウエハ44 0の上面側においては土台部408を除去し、ベ ス基板用ウエハ440の下面側においては、ス ーホール430、431にガラスフリット406を充填 る際に芯材部407の表面に付着したガラスフ ット406を除去する。この結果、芯材部407は 貫通電極432、433として作用する。この貫通 極432、433は、導電性の芯材部407により形成 れており、安定した導通性を確保すること できる。
 なお、芯材部407の表面にガラスフリット406 付着していなければ、ベース基板用ウエハ4 40の下面は研磨しなくても構わない。

 ここで、研磨工程を行うことで、図83に示 ように、焼成されたガラスフリット406内部 気泡を囲うように硬化した部分が、微小な 部406a、406bとして表面に露出してしまう。
 そこで、図84に示すように、ガラスフリッ 406の上面の凹部406aに埋込材405を埋め込むと に、ガラスフリット406の上面側に平坦面405a を形成する平坦面形成工程を行う(S436)。この 際、埋込材405を、スルーホール430、431を塞ぐ ガラスフリット406及び貫通電極432、433を覆う と共に、その上面が平坦面405aとなるように め込む。この工程は、例えば埋込材405をス ッタリングや蒸着等によって凹部406aに埋め むことで行う。なお、必要に応じて埋込材4 05を肉厚に埋め込んだ後、埋込材405の表面を 磨する等して平坦面405aを形成してもよい。
 以上で貫通電極形成工程が終了する。

 次に、ベース基板用ウエハ440の上面に導電 材料をパターニングして、図85及び図86に示 すように、接合膜435を形成する接合膜形成工 程を行う(S437)と共に、各一対の貫通電極432、 433にそれぞれ電気的に接続された引き回し電 極436、437を複数形成する引き回し電極形成工 程を行う(S438)。この際、引き回し電極436、437 を、ベース基板用ウエハ440上に配置されてい る各埋込材405を覆うように形成する。なお、 図85及び図86に示す点線Mは、後に行う切断工 で切断する切断線を図示している。
 特に、ガラスフリット406の上面側に平坦面4 05aが形成されるので、引き回し電極形成工程 の際、引き回し電極436、437が凹部406a上に形 されることがなく、引き回し電極436、437を 実に均一な厚みで形成することができる。
 この時点で第2のウエハ作製工程が終了する 。

 ところで、図75では、接合膜形成工程(S436 )の後に、引き回し電極形成工程(S437)を行う 程順序としているが、これとは逆に、引き し電極形成工程(S437)の後に、接合膜形成工 (S436)を行っても構わないし、両工程を同時 行っても構わない。いずれの工程順序であ ても、同一の作用効果を奏することができ 。よって、必要に応じて適宜、工程順序を 更して構わない。

 次に、作製した複数の圧電振動片404を、そ ぞれ引き回し電極436、437を介してベース基 用ウエハ440の上面に接合するマウント工程 行う(S440)。まず、一対の引き回し電極436、4 37上にそれぞれ金等のバンプPを形成する。そ して、圧電振動片404の基部412をバンプP上に 置した後、バンプPを所定温度(例えば300℃) 加熱しながら圧電振動片404をバンプPに押し ける。これにより、圧電振動片404は、バン Pに機械的に支持されると共に、マウント電 極416、417と引き回し電極436、437とが電気的に 接続された状態となる。よって、この時点で 圧電振動片404の一対の励振電極415は、一対の 貫通電極432、433に対してそれぞれ導通した状 態となる。
 特に、圧電振動片404は、バンプ接合される で、ベース基板用ウエハ440の上面から浮い 状態で支持される。また、埋込材405及びガ スフリット406の融点は、マウント工程の際 加熱される所定温度より高くなっているの 、両者が融解することがなく、スルーホー 430、431は確実に塞がれた状態を維持するこ ができる。

 圧電振動片404のマウントが終了した後、 ース基板用ウエハ440に対してリッド基板用 エハ450を重ね合わせる重ね合わせ工程を行 (S450)。具体的には、図示しない基準マーク を指標としながら、両ウエハ440、450を正し 位置にアライメントする。これにより、マ ントされた圧電振動片404が、ベース基板用 エハ440に形成された凹部403aと両ウエハ440、 450とで囲まれるキャビティC内に収容された 態となる。

 重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウ エハ440、450を図示しない陽極接合装置に入れ 、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して 陽極接合する接合工程を行う(S460)。具体的に は、接合膜435とリッド基板用ウエハ450との間 に所定の電圧を印加する。すると、接合膜435 とリッド基板用ウエハ450との界面に電気化学 的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着 して陽極接合される。これにより、圧電振動 片404をキャビティC内に封止することができ ベース基板用ウエハ440とリッド基板用ウエ 450とが接合した図87に示すウエハ体460を得る ことができる。なお、図87においては、図面 見易くするために、ウエハ体460を分解した 態を図示しており、ベース基板用ウエハ440 ら接合膜435の図示を省略している。なお、 87に示す点線Mは、後に行う切断工程で切断 る切断線を図示している。

 ところで、陽極接合を行う際、ベース基 用ウエハ440に形成されたスルーホール430、4 31は、貫通電極432、433及びガラスフリット406 よって完全に塞がれているので、キャビテ C内の気密がスルーホール430、431を通じて損 なわれることがない。特に、焼成によって貫 通電極432、433及びガラスフリット406が一定的 に固定されていると共に、これらがスルーホ ール430、431に対して強固に固着されているの で、キャビティC内の気密を確実に維持する とができる。

 そして、上述した陽極接合が終了した後 ベース基板用ウエハ440の下面に導電性材料 パターニングして、一対の貫通電極432、433 それぞれ電気的に接続された一対の外部電 438、439を複数形成する外部電極形成工程を う(S470)。この工程により、外部電極438、439 利用してキャビティC内に封止された圧電振 動片404を動作させることができる。

 次に、ウエハ体460の状態で、キャビティC 内に封止された個々の圧電振動片404の周波数 を微調整して所定の範囲内に収める微調工程 を行う(S480)。具体的に説明すると、ベース基 板用ウエハ440の下面に形成された一対の外部 電極438、439に電圧を印加して圧電振動片404を 振動させる。そして、周波数を計測しながら リッド基板用ウエハ450を通して外部からレー ザ光を照射し、重り金属膜421の微調膜421bを 発させる。これにより、一対の振動腕部410 411の先端側の重量が変化するので、圧電振 片404の周波数を、公称周波数の所定範囲内 収まるように微調整することができる。

 周波数の微調が終了した後、接合されたウ ハ体460を図87に示す切断線Mに沿って切断し 小片化する切断工程を行う(S490)。その結果 互いに接合されたベース基板402とリッド基 403との間に形成されたキャビティC内に圧電 振動片404が封止された、図67に示す2層構造式 表面実装型の圧電振動子401を一度に複数製造 することができる。
 なお、切断工程(S490)を行って個々の圧電振 子401に小片化した後に、微調工程(S480)を行 工程順序でも構わない。但し、上述したよ に、微調工程(S480)を先に行うことで、ウエ 体460の状態で微調を行うことができるので 複数の圧電振動子401をより効率良く微調す ことができる。よって、スループットの向 化を図ることができるので好ましい。

 その後、内部の電気特性検査を行う(S500) 即ち、圧電振動片404の共振周波数、共振抵 値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共 振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチ ックする。また、絶縁抵抗特性等を併せて ェックする。そして、最後に圧電振動子401 外観検査を行って、寸法や品質等を最終的 チェックする。これをもって圧電振動子401 製造が終了する。

 特に、本実施形態の圧電振動子401は、引 回し電極436、437がより均一な厚みで形成さ ているので、経時劣化等により引き回し電 436、437が局所的に断線する可能性を極めて さくすることができる。その結果、貫通電 432、433と圧電振動片404との導通性を安定し ものとし、圧電振動片404と外部電極438、439 の安定した導通性を確保することができる これにより、圧電振動子401の作動性能の信 性を向上して高性能化を図ることができる

 また、埋込材405及びガラスフリット406の 膨張係数が略等しいので、マウント工程の に圧電振動片404を接合するためにバンプPを 加熱することで、埋込材405及びガラスフリッ ト406を間接的に加熱する場合であっても、両 者の密着状態を安定して維持することができ る。従って、引き回し電極436、437と貫通電極 432、433との密着状態を維持し、両者の導通性 を確実に確保することができる。

 また、埋込材405として導電性材料を用い ので、貫通電極432、433と引き回し電極436、4 37との間に埋込材405が配置されたとしても、 電極間の導通性を維持することができる。 って、平坦面形成工程の際に、貫通電極432 433を覆うように平坦面405aを形成した場合で あっても、前述した導通性を確保することが できる。つまり、ガラスフリット406の上面の 凹部406aだけを狙って埋込材405を埋め込む必 がないので、平坦面形成工程を容易に行う とができる。

 また、キャビティC内の気密に関しても確実 に維持することができるので、圧電振動子401 の高品質化を図ることができる。
 また、本実施形態の製造方法によれば、上 圧電振動子401を一度に複数製造することが きるので、低コスト化を図ることができる

 なお、本実施形態では、芯材部407の基端側 ガラスフリット406の表面を上面として、埋 材405を埋め込んだが、これに限らず、芯材 407の先端側のガラスフリット406の表面を上 としても構わない。
 また、本実施形態では、ベース基板用ウエ 440(ベース基板402)、ガラスフリット406及び 体409(貫通電極432、433)として、それぞれ熱膨 張係数が略等しいものを用いたが、異なるも のを用いてもよい。更に、埋込材405とガラス フリット406の熱膨張係数が略等しいとしたが 、異なっていても良い。

 また、鋲体409は、本実施形態に示した形 に限られるものではなく、例えば第1実施形 態及び第2実施形態に示した鋲体9、109のよう 、土台部が矩形状であっても良い。また、 材部207の長さ及び先端の形状についても本 施形態に示したものに限られないが、その さは研磨工程前のベース基板用ウエハ240の みと同等若しくは前記厚みより短いほうが ましい。

(第5実施形態)
 次に、本発明に係る圧電振動子の製造方法 びこの製造方法で製造される圧電振動子の 5実施形態を、図88から図93を参照して説明 る。なお、この第5実施形態においては、第4 実施形態における構成要素と同一の部分につ いては、同一の符号を付しその説明を省略し 、異なる点についてのみ説明する。

 本実施形態に係る圧電振動子470において 、図88及び図89に示すように、埋込材471は、 埋込材471の表面とガラスフリット406の上面と で、ベース基板402の上面と面一であるような 平坦面471aを形成している。つまり、埋込材47 1は、ガラスフリット406の上面の凹部406aの内 にのみ埋め込まれている。これにより、埋 材471の表面と、ガラスフリット406の上面と ベース基板402の上面と、が面一になってい 。更に、図示の例では、平坦面471aは、貫通 電極432、433とも面一であり、即ち貫通電極432 、433と導通している。

 埋込材471は、例えばガラス材料で形成さ 、その熱膨張係数及びその硬度がガラスフ ット406と略等しくなっている。また、埋込 471の融点は、ガラスフリット406の融点より く、例えば350℃~400℃となっている。

 次に、本実施形態に係る圧電振動子470の 造方法を図90のフローチャートに示す。以 では、このフローチャートを参照して、本 施形態に係る貫通電極形成工程(S430B)につい 説明する。

 本実施形態の貫通電極形成工程において、 磨工程(S435)までは第4実施形態と同様に行い 、研磨工程終了後、本実施形態に係る平坦面 形成工程を行う(S439)。
 平坦面形成工程として、図91に示すように まず、ガラスフリット406の上面の凹部406aに 込材471を埋め込む埋込工程を行う(S439a)。図 示の例では、埋込材471を、スルーホール430、 431を塞ぐガラスフリット406及び貫通電極432、 433を覆うように形成する。この工程は、例え ば埋込材471を融解し、ガラスフリット406の凹 部406aに対して溶着させることで行うことが きる。この場合、埋込材471としてガラスフ ット406より融点が低いものを用いるので、 解させた埋込材471を用いたとしても、ガラ フリット406を融解させることなく凹部406aを め込むことができる。
 なお、埋込材471を埋め込んだ後に、凹部406a 内にのみ埋込材471が残るように、スキージ( ら)等を用いて、ベース基板用ウエハ440上の 分な埋込材471をすり切るように除去しても い。

 次に、図92に示すように、埋込材471を研磨 る平坦化工程を行う(S439b)。これにより、図9 3に示すように、埋込材471の表面と、ガラス リット406の上面と、ベース基板402の上面と を面一にすることができる。また、図示の では、前記各面に併せて、貫通電極432、433 上面も併せて面一にすることができる。
 この平坦化工程を行うことで、貫通電極形 工程が終了する。

 本実施形態の製造方法によれば、第4実施 形態に示した作用効果を奏する上に、埋込材 471の表面と、ガラスフリット406の上面と、ベ ース基板402の上面と、が面一に形成されるの で、引き回し電極436、437を段部上に形成する ことがなく、引き回し電極436、437をより確実 に均一な厚みに形成することができる。

 また、平坦化工程の際に、埋込材471を研 して、埋込材471の表面とガラスフリット406 上面とで平坦面471aを形成する。よって、埋 込工程において、ガラスフリット406の上面の 凹部406aに埋込材471を埋め込む際に、貫通電 432、433を覆うようにして埋め込んだとして 、貫通電極432、433を覆う部分を平坦化工程 際に除去することができるので、埋込材471 してガラス部材を用いた場合であっても、 通電極432、433と引き回し電極437、438との導 性を確保することができる。つまり、ガラ フリット406の上面の凹部406aだけを狙って埋 材471を埋め込む必要がないので、平坦面形 工程を容易に行うことができる。

 なお、本実施形態では、埋込材471は、ガラ 部材からなるものとしたが、例えば、第1実 施形態で示した材料でも良く、また、樹脂材 料でもよい。
 埋込材471として樹脂材料を用いる場合は、 可塑性で、且つ耐熱タイプの樹脂材料であ ことが好ましい。この場合、圧電振動子401 製造過程或いは使用時に埋込材471が加熱さ た場合であっても、樹脂材料からガスが発 することが無い。このような樹脂材料の具 例としては、例えばポリミド系の樹脂材料 挙げられる。

 また、本実施形態では、埋込工程を、埋込 471を融解してガラスフリット406の凹部406aに 対して溶着させることで行ったが、例えば埋 込材471を印刷することで行っても構わない。
 また、本実施形態では、埋込材471の融点は ガラスフリット406の融点より低いものとし が、これに限られない。

(発振器)
 次に、本発明に係る発振器の一実施形態に いて、図94を参照しながら説明する。
 本実施形態の発振器500は、図94に示すよう 、第1実施形態で示した圧電振動子1が、集積 回路501に電気的に接続された発振子として構 成したものである。
 この発振器500は、コンデンサ等の電子部品5 02が実装された基板503を備えている。基板503 は、発振器用の上記集積回路501が実装され おり、この集積回路501の近傍に、圧電振動 1が実装されている。これら電子部品502、集 積回路501及び圧電振動子1は、図示しない配 パターンによってそれぞれ電気的に接続さ ている。なお、各構成部品は、図示しない 脂によりモールドされている。

 このように構成された発振器500において、 電振動子1に電圧を印加すると、この圧電振 動子1内の圧電振動片4が振動する。この振動 、圧電振動片4が有する圧電特性により電気 信号に変換されて、集積回路501に電気信号と して入力される。入力された電気信号は、集 積回路501によって各種処理がなされ、周波数 信号として出力される。これにより、圧電振 動子1が発振子として機能する。
 また、集積回路501の構成を、例えば、RTC(リ アルタイムクロック)モジュール等を要求に じて選択的に設定することで、時計用単機 発振器等の他、当該機器や外部機器の動作 や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等 提供したりする機能を付加することができ 。

 上述したように、本実施形態の発振器500に れば、キャビティC内の気密が確実で、作動 の信頼性が向上した高品質な圧電振動子1を えているので、発振器500自体も同様に作動 信頼性を高めて高品質化を図ることができ 。さらにこれに加え、長期にわたって安定 た高精度な周波数信号を得ることができる
 なお、本実施形態では、圧電振動子として 1実施形態で示した圧電振動子1を用いる場 を示したが、他の実施形態で示した圧電振 子101、201、401、470を用いても同様の作用効 を奏することができる。

(電子機器)
 次に、本発明に係る電子機器の一実施形態 ついて、図95を参照して説明する。なお電 機器として、第1実施形態で示した圧電振動 1を有する携帯情報機器510を例にして説明す る。始めに本実施形態の携帯情報機器510は、 例えば、携帯電話に代表されるものであり、 従来技術における腕時計を発展、改良したも のである。外観は腕時計に類似し、文字盤に 相当する部分に液晶ディスプレイを配し、こ の画面上に現在の時刻等を表示させることが できるものである。また、通信機として利用 する場合には、手首から外し、バンドの内側 部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォ ンによって、従来技術の携帯電話と同様の通 信を行うことが可能である。しかしながら、 従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及 び軽量化されている。

 次に、本実施形態の携帯情報機器510の構 について説明する。この携帯情報機器510は 図95に示すように、圧電振動子1と、電力を 給するための電源部511とを備えている。電 部511は、例えば、リチウム二次電池からな ている。この電源部511には、各種制御を行 制御部512と、時刻等のカウントを行う計時 513と、外部との通信を行う通信部514と、各 情報を表示する表示部515と、それぞれの機 部の電圧を検出する電圧検出部516とが並列 接続されている。そして、電源部511によっ 、各機能部に電力が供給されるようになっ いる。

 制御部512は、各機能部を制御して音声デ タの送信及び受信、現在時刻の計測や表示 、システム全体の動作制御を行う。また、 御部512は、予めプログラムが書き込まれたR OMと、ROMに書き込まれたプログラムを読み出 て実行するCPUと、CPUのワークエリアとして 用されるRAM等とを備えている。

 計時部513は、発振回路、レジスタ回路、 ウンタ回路及びインターフェース回路等を 蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えて いる。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電 動片4が振動し、この振動が水晶の有する圧 特性により電気信号に変換されて、発振回 に電気信号として入力される。発振回路の 力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ 路とにより計数される。そして、インター ェース回路を介して、制御部512と信号の送 信が行われ、表示部515に、現在時刻や現在 付或いはカレンダー情報等が表示される。

 通信部514は、従来の携帯電話と同様の機能 有し、無線部517、音声処理部518、切替部519 増幅部520、音声入出力部521、電話番号入力 522、着信音発生部523及び呼制御メモリ部524 備えている。
 無線部517は、音声データ等の各種データを アンテナ525を介して基地局と送受信のやり りを行う。音声処理部518は、無線部517又は 幅部520から入力された音声信号を符号化及 複号化する。増幅部520は、音声処理部518又 音声入出力部521から入力された信号を、所 のレベルまで増幅する。音声入出力部521は スピーカやマイクロフォン等からなり、着 音や受話音声を拡声したり、音声を集音し りする。

 また、着信音発生部523は、基地局からの呼 出しに応じて着信音を生成する。切替部519 、着信時に限って、音声処理部518に接続さ ている増幅部520を着信音発生部523に切り替 ることによって、着信音発生部523において 成された着信音が増幅部520を介して音声入 力部521に出力される。
 なお、呼制御メモリ部524は、通信の発着呼 御に係るプログラムを格納する。また、電 番号入力部522は、例えば、0から9の番号キ 及びその他のキーを備えており、これら番 キー等を押下することにより、通話先の電 番号等が入力される。

 電圧検出部516は、電源部511によって制御 512等の各機能部に対して加えられている電 が、所定の値を下回った場合に、その電圧 下を検出して制御部512に通知する。このと の所定の電圧値は、通信部514を安定して動 させるために必要な最低限の電圧として予 設定されている値であり、例えば、3V程度 なる。電圧検出部516から電圧降下の通知を けた制御部512は、無線部517、音声処理部518 切替部519及び着信音発生部523の動作を禁止 る。特に、消費電力の大きな無線部517の動 停止は、必須となる。更に、表示部515に、 信部514が電池残量の不足により使用不能に った旨が表示される。

 即ち、電圧検出部516と制御部512とによって 通信部514の動作を禁止し、その旨を表示部5 15に表示することができる。この表示は、文 メッセージであっても良いが、より直感的 表示として、表示部515の表示面の上部に表 された電話アイコンに、×(バツ)印を付ける ようにしても良い。
 なお、通信部514の機能に係る部分の電源と て、選択的に遮断することができる電源遮 部526を備えることで、通信部514の機能をよ 確実に停止することができる。

 上述したように、本実施形態の携帯情報機 510によれば、キャビティC内の気密が確実で 、作動の信頼性が向上した高品質な圧電振動 子1を備えているので、携帯情報機器自体も 様に作動の信頼性を高めて高品質化を図る とができる。さらにこれに加え、長期にわ って安定した高精度な時計情報を表示する とができる。
 なお、本実施形態では、圧電振動子として 1実施形態で示した圧電振動子1を用いる場 を示したが、他の実施形態で示した圧電振 子101、201、401、470を用いても同様の作用効 を奏することができる。

(電波時計)
 次に、本発明に係る電波時計の一実施形態 ついて、図96を参照して説明する。
 本実施形態の電波時計530は、図96に示すよ に、フィルタ部531に電気的に接続された圧 振動子1を備えたものであり、時計情報を含 標準の電波を受信して、正確な時刻に自動 正して表示する機能を備えた時計である。
 日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz) に、標準の電波を送信する送信所(送信局)が あり、それぞれ標準電波を送信している。40k Hz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播 る性質と、電離層と地表とを反射しながら 播する性質とを併せもつため、伝播範囲が く、上述した2つの送信所で日本国内を全て 羅している。

 以下、電波時計530の機能的構成について詳 に説明する。
 アンテナ532は、40kHz若しくは60kHzの長波の標 準電波を受信する。長波の標準電波は、タイ ムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しく 60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。 受信された長波の標準電波は、アンプ533によ って増幅され、複数の圧電振動子1を有する ィルタ部531によって濾波、同調される。
 本実施形態における圧電振動子1は、上記搬 送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数 有する水晶振動子部538、539をそれぞれ備え いる。

 更に、濾波された所定周波数の信号は、検 、整流回路534により検波復調される。続い 、波形整形回路535を介してタイムコードが り出され、CPU536でカウントされる。CPU536で 、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報 読み取る。読み取られた情報は、RTC537に反 され、正確な時刻情報が表示される。
 搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水 晶振動子部538、539は、上述した音叉型の構造 を持つ振動子が好適である。

 なお、上述の説明は、日本国内の例で示 たが、長波の標準電波の周波数は、海外で 異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの 標準電波が用いられている。従って、海外で も対応可能な電波時計530を携帯機器に組み込 む場合には、さらに日本の場合とは異なる周 波数の圧電振動子1を必要とする。

 上述したように、本実施形態の電波時計530 よれば、キャビティC内の気密が確実で、作 動の信頼性が向上した高品質な圧電振動子1 備えているので、電波時計自体も同様に作 の信頼性を高めて高品質化を図ることがで る。さらにこれに加え、長期にわたって安 して高精度に時刻をカウントすることがで る。
 なお、本実施形態では、圧電振動子として 1実施形態で示した圧電振動子1を用いる場 を示したが、他の実施形態で示した圧電振 子101、201、401、470を用いても同様の作用効 を奏することができる。

 なお、本発明の技術範囲は上記実施の形 に限定されるものではなく、本発明の趣旨 逸脱しない範囲において種々の変更を加え ことが可能である。

 例えば、上記各実施形態では、圧電振動片 一例として振動腕部10、11、110、111、210、211 、410、411の両面に溝部18、118、218、418が形成 れた溝付きの圧電振動片4、104、204、404を例 に挙げて説明したが、溝部18、118、218、418が いタイプの圧電振動片でも構わない。但し 溝部18、118、218、418を形成することで、一 の励振電極15、115、215、415に所定の電圧を印 加させたときに、一対の励振電極15、115、215 415間における電界効率を上げることができ ので、振動損失をより抑えて振動特性をさ に向上することができる。つまり、CI値(Crys tal Impedance)をさらに低くすることができ、圧 電振動片4、104、204、404の更なる高性能化を ることができる。この点において、溝部18、 118、218、418を形成する方が好ましい。
 また、上記各実施形態では、音叉型の圧電 動片4、104、204、404を例に挙げて説明したが 、音叉型に限られるものではない。例えば、 厚み滑り振動片としても構わない。

 また、上記各実施形態では、ベース基板2、 102、202、402とリッド基板3、103、203、403とを 合膜35、135、235、435を介して陽極接合したが 、陽極接合に限定されるものではない。但し 、陽極接合することで、両基板2、102、202、40 2、3、103、203、403を強固に接合できるので好 しい。
 また、上記各実施形態では、圧電振動片4、 104、204、404をバンプ接合したが、バンプ接合 に限定されるものではない。例えば、導電性 接着剤により圧電振動片4、104、204、404を接 しても構わない。但し、バンプ接合するこ で、圧電振動片4、104、204、404をベース基板2 、102、202、402の上面から浮かすことができ、 振動に必要な最低限の振動ギャップを自然と 確保することができる。よって、バンプ接合 することが好ましい。

 また、上記各実施形態では、各圧電振動 1、101、201、401、470は、貫通電極を一対備え るものとしたが、前述のように形成された貫 通電極は1つでも良く、また3つ以上でも構わ い。つまり、1つ以上の外部電極を備える圧 電振動子において、各外部電極と、圧電振動 片と、をそれぞれ電気的に接続させる接続電 極のうち、少なくとも一つが前述のように形 成された貫通電極であれば良い。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、平板状の土台部、及び土台部上から土 部の表面に略直交する方向に沿って延在す 芯材部を有する導電性の鋲体と、ガラス材 からなる連結材とを利用して貫通電極形成 程を行えば、上記各実施形態に示したもの 限られない。例えば、連結材として、ガラ 材料からなる筒体と、ペースト状のガラス リットを併せて利用しても良い。

 その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲 、上記実施形態における構成要素を周知の 成要素に置き換えることは適宜可能であり また、上記した変形例を適宜組み合わせて よい。




 
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