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Title:
PIGMENT SENSITIZING PHOTOELECTRIC CONVERSION ELEMENT, AND ITS MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/050995
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a pigment sensitizing photoelectric conversion element manufacturing method, which can manufacture such a pigment sensitizing photoelectric conversion element by a simple manufacturing process as is excellent in strength and durability but has no protrusion, because it needs no end seal. The pigment sensitizing photoelectric conversion element has an electrolyte between a pigment sensitizing semiconductor layer and a counter electrode and has a first sheath member on the outer side of the pigment sensitizing semiconductor layer and a second sheath member on the outer side of the counter electrode. When the pigment sensitizing photoelectric conversion element is manufactured, a sealer and the electrolyte are formed at predetermined portions of the first sheath member and/or the second sheath member. After this, the first sheath member and the second sheath member are bonded under a pressure of the atmospheric pressure or lower and the vapor pressure of the electrolyte or higher while sandwiching the sealer and the electrolyte there between, and are adhered to each other by the sealer.

Inventors:
MOROOKA MASAHIRO (JP)
SUZUKI YUSUKE (JP)
YONEYA REIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067409
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
September 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SONY CORP (JP)
MOROOKA MASAHIRO (JP)
SUZUKI YUSUKE (JP)
YONEYA REIKO (JP)
International Classes:
H01M14/00; H01L31/04
Domestic Patent References:
WO2007046499A12007-04-26
Foreign References:
JP2007220608A2007-08-30
JP2000030767A2000-01-28
JP2005172591A2005-06-30
JP2008243623A2008-10-09
Other References:
NATURE, vol. 353, 1991, pages 737 - 740
Attorney, Agent or Firm:
IWASAKI, Sachikuni et al. (Toranomon Kotohira Tower2-8, Toranomon 1-chom, Minato-ku Tokyo 01, JP)
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Claims:
 色素増感半導体層と対極との間に電解質を有し、上記色素増感半導体層の外側に第1の外装材が設けられ、上記対極の外側に第2の外装材が設けられた色素増感光電変換素子の製造方法において、
 上記第1の外装材および上記第2の外装材のうちの一方または両方の所定の部位に封止材および上記電解質を形成する工程と、
 上記第1の外装材と上記第2の外装材とをそれらの間に上記封止材および上記電解質を挟んだ状態で大気圧以下、上記電解質の蒸気圧以上の気圧下で貼り合わせて上記封止材により接着する工程とを有する
 ことを特徴とする色素増感光電変換素子の製造方法。
 上記第1の外装材は透明導電性基板であることを特徴とする請求項1記載の色素増感光電変換素子の製造方法。
 上記透明導電性基板上に上記色素増感半導体層が形成されていることを特徴とする請求項2記載の色素増感光電変換素子の製造方法。
 上記電解質の蒸気圧は20℃下で100Pa以下であることを特徴とする請求項1記載の色素増感光電変換素子の製造方法。
 上記電解質はゲル状電解質であることを特徴とする請求項1記載の色素増感光電変換素子の製造方法。
 上記封止材は紫外線硬化型接着剤であることを特徴とする請求項1記載の色素増感光電変換素子の製造方法。
 上記第1の外装材と上記第2の外装材とを不活性ガス雰囲気中で貼り合わせることを特徴とする請求項1記載の色素増感光電変換素子の製造方法。
 色素増感半導体層と対極との間に電解質を有し、上記色素増感半導体層の外側に第1の外装材が設けられ、上記対極の外側に第2の外装材が設けられた色素増感光電変換素子であって、
 上記第1の外装材および上記第2の外装材のうちの一方または両方の所定の部位に封止材および上記電解質を形成する工程と、
 上記第1の外装材と上記第2の外装材とをそれらの間に上記封止材および上記電解質を挟んだ状態で大気圧以下、上記電解質の蒸気圧以上の気圧下で貼り合わせて上記封止材により接着する工程とを順次行うことにより製造される
 ことを特徴とする色素増感光電変換素子。
Description:
色素増感光電変換素子およびそ 製造方法

 この発明は、色素増感光電変換素子およ その製造方法に関し、例えば、色素を担持 た半導体微粒子からなる色素増感半導体層 用いた色素増感太陽電池に適用して好適な のである。

 エネルギー源として石炭や石油などの化 燃料を使用する場合、その結果発生する二 化炭素のために、地球の温暖化をもたらす 言われている。また、原子力エネルギーを 用する場合には、放射線による汚染の危険 が伴う。環境問題が取り沙汰される現在、 れらのエネルギーに依存していくことは大 問題が多い。

 一方、太陽光を電気エネルギーに変換す 光電変換素子である太陽電池は太陽光をエ ルギー源としているため、地球環境に対す 影響が極めて少なく、より一層の普及が期 されている。

 太陽電池の材質としては様々なものがあ が、シリコンを用いたものが多数市販され おり、これらは大別して単結晶または多結 のシリコンを用いた結晶シリコン系太陽電 と、非晶質(アモルファス)シリコン系太陽 池とに分けられる。従来、太陽電池には、 結晶または多結晶のシリコン、すなわち結 シリコンが多く用いられてきた。

 しかしながら、結晶シリコン系太陽電池 は、光(太陽)エネルギーを電気エネルギー 変換する性能を表す光電変換効率が、アモ ファスシリコン系太陽電池に比べて高いも の、結晶成長に多くのエネルギーと時間と 要するため生産性が低く、コスト面で不利 あった。

 また、アモルファスシリコン系太陽電池 、結晶シリコン系太陽電池と比べて光吸収 が高く、基板の選択範囲が広い、大面積化 容易であるなどの特徴があるが、光電変換 率が結晶シリコン系太陽電池より低い。さ に、アモルファスシリコン系太陽電池は、 産性は結晶シリコン系太陽電池に比べて高 が、結晶シリコン系太陽電池と同様に製造 真空プロセスが必要であり、設備面での負 は未だに大きい。

 一方、太陽電池のより一層の低コスト化 向けて、シリコン系材料に代えて有機材料 用いた太陽電池が多く研究されてきた。し しながら、この太陽電池の光電変換効率は1 %以下と非常に低く、耐久性にも問題があっ 。

 こうした中で、色素によって増感された 導体微粒子を用いた安価な太陽電池が報告 れた(Nature,353,p.737-740,1991参照。)。この太陽 池は、増感色素にルテニウム錯体を用いて 光増感した酸化チタン多孔質薄膜を光電極 する湿式太陽電池、すなわち電気化学光電 である。この色素増感太陽電池の利点は、 価な酸化チタンを用いることができ、増感 素の光吸収が800nmまでの幅広い可視光波長 にわたっていること、光電変換の量子効率 高く、高いエネルギー変換効率を実現でき ことである。また、製造に真空プロセスが 要ないため、大型の設備なども必要ない。

 従来の色素増感太陽電池は2枚の基板の間 に液体の電解質を充填した構造を有する。そ して、この色素増感太陽電池の製造には、一 般的には一方の基板に電解質注入用の注液口 を準備し、その注液口から電解質溶液を減圧 注入し、最終的にその注液口を封止する(エ ドシール)方法が良く用いられている。この 法は液晶セルの組み立てにも用いられる方 である。

 しかしながら、上述の従来の色素増感太 電池は、エンドシール部分の強度や耐久性 問題があるほか、エンドシール部分による 起が発生してしまうなどの形状的なデメリ トがある。

 そこで、この発明が解決しようとする課 は、エンドシールが不要であることにより 強度および耐久性に優れ、突起もない色素 感光電変換素子を簡単な製造工程で製造す ことができる色素増感光電変換素子の製造 法およびこの製造方法により製造される色 増感光電変換素子を提供することである。

 上記課題を解決するために、第1の発明は、
 色素増感半導体層と対極との間に電解質を し、上記色素増感半導体層の外側に第1の外 装材が設けられ、上記対極の外側に第2の外 材が設けられた色素増感光電変換素子の製 方法において、
 上記第1の外装材および上記第2の外装材の ちの一方または両方の所定の部位に封止材 よび上記電解質を形成する工程と、
 上記第1の外装材と上記第2の外装材とをそ らの間に上記封止材および上記電解質を挟 だ状態で大気圧以下、上記電解質の蒸気圧 上の気圧下で貼り合わせて上記封止材によ 接着する工程とを有する
 ことを特徴とするものである。

 第2の発明は、
 色素増感半導体層と対極との間に電解質を し、上記色素増感半導体層の外側に第1の外 装材が設けられ、上記対極の外側に第2の外 材が設けられた色素増感光電変換素子であ て、
 上記第1の外装材および上記第2の外装材の ちの一方または両方の所定の部位に封止材 よび上記電解質を形成する工程と、
 上記第1の外装材と上記第2の外装材とをそ らの間に上記封止材および上記電解質を挟 だ状態で大気圧以下、上記電解質の蒸気圧 上の気圧下で貼り合わせて上記封止材によ 接着する工程とを順次行うことにより製造 れる
 ことを特徴とするものである。

 第1および第2の発明において、第1の外装材 よび第2の外装材の材料および構成は必要に 応じて選ばれる。第1の外装材は透明導電性 板、例えば透明導電層を有する透明基板で ることが好ましく、典型的にはこの透明導 性基板上に色素増感半導体層が形成される この色素増感半導体層上にはさらに、対極 直接または多孔質絶縁層を介して設けられ こともある。第2の外装材に特に制限はない 、例えばガラス基板や石英基板などの基板 に対極が形成されたものであってもよいし 金属板であってもよい。第1の外装材に色素 増感半導体層および対極が設けられる場合に は、第2の外装材はガスバリア性のある材料 あれば特に制限はない。このガスバリア性 ある材料は、例えば、酸素透過度が100(cc/m /day/atm)以下、水蒸気透過度が(g/m /day)以下のものを用いる。第1の外装材と第2 外装材との貼り合わせ時の気圧は、大気圧 下、電解質の蒸気圧以上である以外は制限 なく、蒸気圧がある電解液の場合は沸騰す 程度まで気圧を下げることができる。また 減圧時、系内の雰囲気を事前に不活性ガス より置換しておき、不活性ガス雰囲気中で り合せを行うのが好ましい。貼り合わせ圧 に制限はないが、適度に加圧しながら封止 を硬化させると封止強度が高まる。ただし 大気圧に戻した際に第1の外装材および第2の 外装材の外部から大気圧がかかるため、必ず しも加圧を行う必要はない。第1の外装材と 2の外装材との間に導入される電解質の蒸気 は20℃下で100Pa以下であることが好ましい。 これは、蒸気圧が100Paよりも高い電解質は減 に耐えられず、揮発してしまうためである 従って、電解質に溶媒を含む場合は注意を する。また、この電解質はゲル状であるこ が好ましい。電解質がゲル状のようにある 度の粘度を有していると第1の外装材または 第2の外装材上に塗設した際に型崩れせず、 止材と混じり合うことを避けることができ 。封止材は特に制限はないが、紫外線硬化 接着剤を用いるのが好ましい。封止材およ 電解質を形成する方法は、これらが液状の 合は、各種印刷法やディスペンス、ブレー コーティングなど公知の湿式塗布法を用い ことができる。中でも、高い精度で塗布量 塗布パターンとを制御することができるス リーン印刷やディスペンサーによる塗布が ましい。電解質に高分子などのゲルマトリ スを含む場合は、必要に応じて可塑剤など 希釈し、塗布後に可塑剤を蒸発除去しても い。封止材および電解質を形成するのは第1 外装材および第2の外装材のどちら側でも構 わない。封止材および電解質を第1の外装材 に形成してもよいし、第2の外装材上に形成 てもよいし、封止材および電解質の一方を 1の外装材または第2の外装材上に形成し、 方を第2の外装材または第1の外装材上に形成 して第1の外装材と第2の外装材とを貼り合わ てもよい。また、例えば、第1の外装材が透 明導電性基板であり、その上に色素増感半導 体層および対極層が全て積層されたモノリシ ック構造を有する色素増感光電変換素子の場 合は、第2の外装材はプラスチックなどから るフィルムであってもよい。

 色素増感半導体層は、典型的には透明導 性基板上に設けられる。この透明導電性基 は、導電性または非導電性の透明支持基板 に透明導電膜を形成したものであっても、 体が導電性の透明基板であってもよい。こ 透明支持基板の材質は特に制限されず、透 であれば種々の基材を用いることができる この透明支持基板は、色素増感光電変換素 外部から侵入する水分やガスの遮断性、耐 剤性、耐候性などに優れているものが好ま く、具体的には、石英、サファイア、ガラ などの透明無機基板、ポリエチレンテレフ レート、ポリエチレンナフタレート、ポリ ーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファ ド、ポリフッ化ビニリデン、テトラアセチ セルロース、ブロム化フェノキシ、アラミ 類、ポリイミド類、ポリスチレン類、ポリ リレート類、ポリスルフォン類、ポリオレ ィン類などの透明プラスチック基板が挙げ れ、これらの中でも特に可視光領域の透過 が高い基板を用いるのが好ましいが、これ に限定されるものではない。この透明支持 板としては、加工性、軽量性などを考慮す と透明プラスチック基板を用いるのが好ま い。また、この透明支持基板の厚さは特に 限されず、光の透過率、色素増感光電変換 子の内部と外部との遮断性などによって自 に選択することができる。

 透明導電性基板の表面抵抗(シート抵抗)は いほど好ましい。具体的には、透明導電性 板の表面抵抗は500ω/□以下が好ましく、100ω /□がさらに好ましい。透明支持基板上に透 導電膜を形成する場合、この透明導電膜の 料としては公知のものを使用可能であり、 体的には、インジウム-スズ複合酸化物(ITO) フッ素ドープSnO (FTO)、アンチモンドープSnO (ATO)、SnO 、ZnO、インジウム-亜鉛複合酸化物(IZO)などが 挙げられるが、これらに限定されるものでは なく、また、これらを2種類以上組み合わせ 用いることもできる。また、透明導電性基 の表面抵抗を低減し、集電効率を向上させ 目的で、透明導電性基板上に、導電性の高 金属などやカーボンなどの導電材料からな 配線を別途設けてもよい。この配線に用い 導電材料に特に制限はないが、耐食性、耐 化性が高く、導電材料自体の漏れ電流が低 ことが望ましい。ただし、耐食性が低い導 材料でも、金属酸化物などからなる保護層 別途設けることで使用可能となる。また、 の配線を腐食などから保護する目的で、配 は透明導電性基板と保護層との間に設置す ことが好ましい。

 色素増感半導体層は、典型的には色素を担 した半導体微粒子からなる。この半導体微 子の材料としては、シリコンに代表される 素半導体のほかに、各種の化合物半導体、 ロブスカイト構造を有する化合物などを使 することができる。これらの半導体は、光 起下で伝導帯電子がキャリアーとなり、ア ード電流を与えるn型半導体であることが好 ましい。これらの半導体は、具体的に例示す ると、TiO 、ZnO、WO 、Nb O 、TiSrO 、SnO などであり、これらの中でもアナターゼ型の TiO が特に好ましい。半導体の種類はこれらに限 定されるものではなく、また、これらを2種 以上混合して用いることもできる。さらに 半導体微粒子は粒子状、チューブ状、棒状 ど必要に応じて様々な形態を取ることが可 である。

 半導体微粒子の粒径に特に制限はないが 一次粒子の平均粒径で1~200nmが好ましく、特 に好ましくは5~100nmである。また、この平均 径の半導体微粒子にこの平均粒径より大き 平均粒径の半導体微粒子を混合し、平均粒 の大きい半導体微粒子により入射光を散乱 せ、量子収率を向上させることも可能であ 。この場合、別途混合する半導体微粒子の 均粒径は20~500nmであることが好ましい。

 半導体微粒子からなる半導体層の作製方 に特に制限はないが、物性、利便性、製造 ストなどを考慮した場合には湿式製膜法が ましく、半導体微粒子の粉末あるいはゾル 水や有機溶媒などの溶媒に均一分散したペ ストを調製し、透明導電性基板上に塗布す 方法が好ましい。塗布は、その方法に特に 限はなく、公知の方法に従って行うことが き、例えば、ディップ法、スプレー法、ワ ヤーバー法、スピンコート法、ローラーコ ト法、ブレードコート法、グラビアコート 、また、湿式印刷方法としては、例えば、 版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版 スクリーン印刷など様々な方法により行う とができる。半導体微粒子の材料として結 酸化チタンを用いる場合、その結晶型はア ターゼ型が光触媒活性の点から好ましい。 ナターゼ型酸化チタンは市販の粉末、ゾル スラリーでもよいし、あるいは、酸化チタ アルコキシドを加水分解するなどの公知の 法によって所定の粒径のものを作ってもよ 。市販の粉末を使用する際には粒子の二次 集を解消することが好ましく、塗布液調製 に乳鉢やボールミルや超音波分散装置など 使用して粒子の分散を行うことが好ましい このとき、二次凝集が解かれた粒子が再度 集するのを防ぐため、アセチルアセトン、 酸、硝酸、界面活性剤、キレート剤などを 加することができる。また、増粘の目的で リエチレンオキシドやポリビニルアルコー などの高分子、セルロース系の増粘剤など 各種の増粘剤を添加することもできる。

 半導体微粒子からなる半導体層、言い換 ると半導体微粒子層は多くの増感色素を吸 することができるように、表面積の大きい のが好ましい。このため、半導体微粒子層 支持体上に塗設した状態での表面積は、投 面積に対して10倍以上であることが好まし 、100倍以上であることがより好ましい。こ 上限に特に制限はないが、通常1000倍程度で る。半導体微粒子層は一般に、その厚さが 大するほど単位投影面積当たりの担持色素 が増えるため光の捕獲率が高くなるが、注 した電子の拡散距離が増すため電荷再結合 よるロスも大きくなる。従って、半導体微 子層には好ましい厚さが存在するが、その さは一般的には0.1~100μmであり、1~50μmであ ことがより好ましく、3~30μmであることが特 好ましい。半導体微粒子層は支持体に塗布 た後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ 膜強度の向上や基板との密着性を向上させ ために、焼成することが好ましい。焼成温 の範囲に特に制限はないが、温度を上げ過 ると基板の抵抗が高くなってしまい、溶融 ることもあるため、通常は40~700℃であり、 り好ましくは40~650℃である。また、焼成時 も特に制限はないが、通常は10分~10時間程 である。焼成後、半導体微粒子層の表面積 増大させたり、半導体微粒子間のネッキン を高めたりする目的で、例えば四塩化チタ 水溶液を用いた化学めっきや三塩化チタン 溶液を用いたネッキング処理や直径10nm以下 半導体超微粒子ゾルのディップ処理などを ってもよい。透明導電性基板の支持体にプ スチック基板を用いる場合は、結着剤を含 ペーストを基板上に塗布し、加熱プレスに る基板への圧着を行うことも可能である。

 半導体層に担持させる色素としては、増 作用を示すものであれば特に制限はないが 例えば、ローダミンB、ローズベンガル、エ オシン、エリスロシンなどのキサンテン系色 素、メロシアニン、キノシアニン、クリプト シアニンなどのシアニン系色素、フェノサフ ラニン、カブリブルー、チオシン、メチレン ブルーなどの塩基性染料、クロロフィル、亜 鉛ポルフィリン、マグネシウムポルフィリン などのポルフィリン系化合物が挙げられ、そ の他のものとしてはアゾ色素、フタロシアニ ン化合物、クマリン系化合物、Ruビピリジン 化合物、Ruターピリジン錯化合物、アント キノン系色素、多環キノン系色素、スクア リウムなどが挙げられる。これらの中でも Ruビピリジン錯化合物は量子収率が高く特に 好ましい。ただし、増感色素はこれらのもの に限定されるものではなく、また、これらの 増感色素を2種類以上混合して用いてもよい

 色素の半導体層への吸着方法に特に制限 ないが、上記の増感色素を例えばアルコー 類、ニトリル類、ニトロメタン、ハロゲン 炭化水素、エーテル類、ジメチルスルホキ ド、アミド類、N-メチルピロリドン、1,3-ジ チルイミダゾリジノン、3-メチルオキサゾ ジノン、エステル類、炭酸エステル類、ケ ン類、炭化水素、水などの溶媒に溶解させ これに半導体層を浸漬させたり、色素溶液 半導体層上に塗布したりすることができる また、酸性度の高い色素を用いる場合には 色素分子同士の会合を低減する目的でデオ シコール酸などを添加してもよい。

 増感色素を吸着させた後に、過剰に吸着 た増感色素の除去を促進する目的で、アミ 類を用いて半導体電極の表面を処理しても い。アミン類の例としてはピリジン、4-tert- ブチルピリジン、ポリビニルピリジンなどが 挙げられ、これらが液体の場合はそのまま用 いてもよいし、有機溶媒に溶解して用いても よい。

 電解質は、ヨウ素(I )と金属ヨウ化物もしくは有機ヨウ化物との み合わせ、臭素(Br )と金属臭化物あるいは有機臭化物との組み わせのほか、フェロシアン酸塩/フェリシア 酸塩やフェロセン/フェリシニウムイオンな どの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキ ルチオール/アルキルジスルフィドなどのイ ウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン/ ノンなどを用いることができる。上記金属 合物のカチオンとしてはLi、Na、K、Mg、Ca、C sなど、上記有機化合物のカチオンとしては トラアルキルアンモニウム類、ピリジニウ 類、イミダゾリウム類などの4級アンモニウ 化合物が好ましいが、これらに限定される のではなく、また、これらを2種類以上混合 して用いることもできる。この中でも、I とLiI、NaIやイミダゾリウムヨーダイドなどの 4級アンモニウム化合物とを組み合わせた電 質が好ましい。電解質塩の濃度は溶媒に対 て0.05~5Mが好ましく、さらに好ましくは0.2~3M ある。I やBr の濃度は0.0005~1Mが好ましく、さらに好ましく は0.001~0.3Mである。また、開放電圧を向上さ る目的で4-tert-ブチルピリジンに代表される ミン系化合物からなる添加剤を加えてもよ 。

 上記電解質組成物を構成する溶媒として 、アルコール類、エーテル類、エステル類 炭酸エステル類、ラクトン類、カルボン酸 ステル類、リン酸トリエステル類、複素環 合物類、ニトリル類、ケトン類、アミド類 ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素、ジメ ルスルホキシド、スルフォラン、N-メチル ロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、3 -メチルオキサゾリジノン、炭化水素などが げられるが、これらに限定されるものでは く、また、これらを2種類以上混合して用い こともできる。さらに、溶媒としてテトラ ルキル系、ピリジニウム系、イミダゾリウ 系4級アンモニウム塩のイオン液体を用いる ことも可能である。

 色素増感光電変換素子の漏液、電解質の 発を低減する目的で、上記電解質組成物へ ル化剤、ポリマー、架橋モノマーなどを溶 させるほか、無機セラミック粒子を分散さ てゲル状電解質として使用することも可能 ある。ゲルマトリクスと電解質組成物との 率は、電解質組成物が多ければイオン導電 は高くなるが、機械的強度は低下し、逆に 解質組成物が少なすぎると機械的強度は大 いがイオン導電率は低下するため、電解質 成物はゲル状電解質の50~99wt%が望ましく、80 ~97wt%がより好ましい。また、上記電解質と可 塑剤とをポリマーに溶解させ、可塑剤を揮発 除去することで全固体型の色素増感光電変換 素子を実現することも可能である。

 対極は導電性物質であれば任意のものを いることができるが、絶縁性の物質でも色 増感半導体層に面している側に導電性の触 層が設置されていれば、これも使用可能で る。ただし、対極の材料としては電気化学 に安定である材料を用いることが好ましく 具体的には、白金、金、カーボン、導電性 リマーなどを用いることが望ましい。また 酸化還元の触媒効果を向上させる目的で、 素増感半導体層に面している側は微細構造 表面積が増大していることが好ましく、例 ば、白金であれば白金黒状態に、カーボン あれば多孔質状態になっていることが望ま る。白金黒状態は白金の陽極酸化法、白金 合物の還元処理などによって、また多孔質 態のカーボンは、カーボン微粒子の焼結や 機ポリマーの焼成などの方法により形成す ことができる。また、透明導電性基板上に 金など酸化還元触媒効果の高い金属を配線 るか、表面に白金化合物を還元処理するこ により、透明な対極として使用することも きる。

 色素増感光電変換素子が一枚の透明基板 に積層されたいわゆるモノリシック構造で って多孔質絶縁層を設ける場合、その材料 導電性を持たない材料であれば特に制限は いが、特にジルコニア、アルミナ、チタニ 、シリカが好適である。多孔質絶縁層はこ ら酸化物の粒子から構成され、空孔率は10% 上であることが好ましい。空孔率の上限に 限はないが、絶縁層の物理的強度の観点か 通常は10~80%程度が好ましい。空孔率が10%以 であると、電解質の拡散に影響を及ぼし、 ル特性を著しく低下させてしまう。また、 孔径は1~1000nmが好ましい。1nm以下であると 電解質の拡散や色素の含浸に影響を及ぼし セル特性を低下させてしまう。さらに、1000n m以上であると絶縁層中に触媒電極層の触媒 子が侵入するためショートする恐れが生じ 。この多孔質絶縁層の製造方法に制限はな が、上記酸化物粒子の焼結体であることが ましい。

 色素増感光電変換素子の製造方法は特に 定されないが、例えば電解質組成物が液状 もしくは光電変換素子内部でゲル化させる とが可能であり、導入前は液状の電解質組 物の場合、色素増感半導体層と対極とを向 い合わせ、これらの電極が接しないように 素増感半導体層が形成されていない基板部 を封止する。このとき、色素増感半導体層 対極との隙間の大きさに特に制限はないが 通常1~100μmであり、より好ましくは1~50μmで る。この電極間の距離が長すぎると、導電 の低下から光電流が減少してしまう。封止 法は特に制限されないが、耐光性、絶縁性 防湿性を備えた材料を用いることが好まし 、エポキシ樹脂、紫外線硬化樹脂、アクリ 系接着剤、EVA(エチレンビニルアセテート)  、アイオノマー樹脂、セラミック、各種熱融 着フィルムなどを用いることができ、また、 種々の溶接法を用いることができる。また、 電解質組成物の溶液の注液方法に特に制限は ないが、外周が予め封止され、溶液の注入口 を開けられた上記セルの内部に減圧下で注液 を行う方法が好ましい。この場合、注入口に 溶液を数滴垂らし、毛細管現象により注液す る方法が簡便である。また、必要に応じて減 圧もしくは加熱下で注液の操作を行うことも できる。完全に溶液が注入された後、注入口 に残った溶液を除去し、注入口を封止する。 この封止方法にも特に制限はないが、必要で あればガラス板やプラスチック基板を封止剤 で貼り付けて封止することもできる。また、 この方法以外にも、液晶パネルの液晶滴下注 入(ODF;One Drop Filling)工程のように、電解液を 基板上に滴下して減圧下で貼り合わせて封止 することもできる。また、ポリマーなどを用 いたゲル状電解質や全固体型の電解質の場合 、色素増感半導体層上で電解質組成物と可塑 剤とを含むポリマー溶液をキャスト法により 揮発除去させる。可塑剤を完全に除去した後 、上記方法と同様に封止を行う。この封止は 真空シーラーなどを用いて、不活性ガス雰囲 気下、もしくは減圧中で行うことが好ましい 。封止を行った後、電解質を色素増感半導体 層へ十分に含漬させるため、必要に応じて加 熱、加圧の操作を行うことも可能である。

 色素増感光電変換素子はその用途に応じ 様々な形状で作製することが可能であり、 の形状は特に限定されない。

 色素増感光電変換素子は、最も典型的に 、色素増感太陽電池として構成される。た し、色素増感光電変換素子は、色素増感太 電池以外のもの、例えば色素増感光センサ などであってもよい。

 この色素増感光電変換素子は、例えば各 の電子機器に用いることができる。電子機 は、基本的にはどのようなものであっても く、携帯型のものと据え置き型のものとの 方を含むが、具体例を挙げると、携帯電話 モバイル機器、ロボット、パーソナルコン ュータ、車載機器、各種家庭電気製品など ある。この場合、色素増感光電変換素子は 例えばこれらの電子機器の電源として用い れる色素増感太陽電池である。

 上述のように構成されたこの発明によれ 、従来の色素増感光電変換素子において電 質を充填するために必要であったエンドシ ル工程が不要となり、基板に電解質の注液 を設ける必要もないため注液口を設けるこ による強度および耐久性の低下を防止する とができ、さらにエンドシール部分がない め突起が発生する問題もない。

 この発明によれば、強度および耐久性に れ、突起もない色素増感光電変換素子を簡 な製造工程で製造することができる。

図1は、この発明の第1の実施形態によ 色素増感光電変換素子の断面図である。 図2は、この発明の第1の実施形態によ 色素増感光電変換素子の平面図である。 図3は、この発明の第1の実施形態によ 色素増感光電変換素子の断面図である。 図4は、この発明の第1の実施形態によ 色素増感光電変換素子の製造方法を説明す ための断面図である。 図5は、この発明の第1の実施形態によ 色素増感光電変換素子の製造方法を説明す ための平面図である。 図6は、この発明の第2の実施形態によ 色素増感光電変換素子モジュールの要部の 面図である。 図7は、この発明の第2の実施形態によ 色素増感光電変換素子モジュールの要部の 面図である。 図8は、この発明の第2の実施形態によ 色素増感光電変換素子モジュールの製造方 を説明するための断面図である。 図9は、この発明の第3の実施形態によ 色素増感光電変換素子モジュールの要部の 面図である。 図10は、この発明の第3の実施形態によ る色素増感光電変換素子モジュールの要部の 平面図である。 図11は、この発明の第3の実施形態によ る色素増感光電変換素子モジュールの断面図 である。

 以下、この発明の実施形態について図面 参照しながら説明する。なお、以下の実施 態においては、同一または対応する部分に 同一の符号を付す。

 図1はこの発明の第1の実施形態による色 増感光電変換素子を示す断面図である。こ 色素増感光電変換素子の平面形状が正方形 ある場合の平面図を図2に示す。図1は図2のX- X線に沿っての断面図に相当する。

 図1および図2に示すように、この色素増 光電変換素子においては、例えば透明導電 基板1上に色素増感半導体層2が形成されたも のと、少なくともその表面が対極を構成する 導電性基板3とが、それらの色素増感半導体 2および導電性基板3が所定の間隔をおいて互 いに対向するように配置されており、それら の間の空間に電解質層4が封入されている。 の電解質層4に用いる電解質の蒸気圧は、好 には20℃下で100Pa以下である。色素増感半導 体層2としては、半導体微粒子層に色素を担 させたものが用いられる。電解質層4は封止 5により封止されている。封止材5としては UV硬化型接着剤などを用いる。

 図3に、特に、透明導電性基板1が透明基 1a上に透明電極1bを形成したものであり、導 性基板3が透明または不透明の基板3a上に対 3bを形成したものである場合の色素増感光 変換素子を示す。

 透明導電性基板1(あるいは透明基板1aおよ び透明電極1b)、色素増感半導体層2および導 性基板3(あるいは基板3aおよび対極3b)として 、すでに挙げたものの中から、必要に応じ 選択することができる。

 次に、この色素増感光電変換素子の製造 法について説明する。

 まず、透明導電性基板1を用意する。次に 、この透明導電性基板1上に、半導体微粒子 分散されたペーストを所定のギャップ(厚さ) に塗布する。次に、この透明導電性基板1を 定温度に加熱して半導体微粒子を焼結する 次に、この半導体微粒子が焼結された透明 電性基板1を色素溶液に浸漬するなどして半 体微粒子に増感用の色素を担持させる。こ して色素増感半導体層2が形成される。

 次に、図4のAに示すように、色素増感半 体層2上の所定部位に所定パターンでゲル状 解質からなる電解質層4を形成する。

 一方、導電性基板3を別途用意する。そし て、図4のBに示すように、この導電性基板3上 の外周部の所定部位に所定パターンで封止材 5を形成し、この導電性基板3を透明導電性基 1と対向させる。この導電性基板3の平面図 図5に示す。電解質層4は封止材5の内部の空 に収まる大きさとする。

 次に、図4のBに示すように、透明導電性 板1と導電性基板3とをそれらの間に封止材5 よび電解質層4を挟んだ状態で、大気圧以下 電解質層4に用いる電解質の蒸気圧以上の気 圧下で貼り合わせて封止材5により接着する 封止材5としてUV硬化型接着剤を用いる場合 UV光を照射することにより硬化させる。この 貼り合わせは、好適には、窒素ガスやアルゴ ンガスなどの不活性ガス雰囲気中で行う。

 以上のようにして、図1および図2に示す 素増感光電変換素子が製造される。

 次に、この色素増感光電変換素子の動作 ついて説明する。

 透明導電性基板1側からこの透明導電性基 板1を透過して入射した光は、色素増感半導 層2の色素を励起して電子を発生する。この 子は、速やかに色素から色素増感半導体層2 の半導体微粒子に渡される。一方、電子を失 った色素は、電解質層4のイオンから電子を け取り、電子を渡した分子は、再び導電性 板3の表面で電子を受け取る。この一連の反 により、色素増感半導体層2と電気的に接続 された透明導電性基板1と導電性基板3との間 起電力が発生する。こうして光電変換が行 れる。

 以上のように、この第1の実施形態によれ ば、透明導電性基板1上に色素増感半導体層2 形成し、その上の所定の部位に電解質層4を 形成するとともに、少なくとも表面が対極を 構成する導電性基板3上の所定の部位に封止 5を設け、これらの透明導電性基板1と導電性 基板3とをそれらの間に電解質層4および封止 5を挟んだ状態で大気圧以下、電解質層4に いる電解質の蒸気圧以上の気圧下で貼り合 せて封止材5により接着するようにしている とにより、従来の色素増感光電変換素子に いて電解質を充填するために必要であった ンドシール工程が不要となり、基板に電解 の注液口を設ける必要もないため注液口を けることによる強度および耐久性の低下を 止することができ、さらにエンドシール部 がないため突起が発生する問題もなく、強 および耐久性に優れ、突起もない色素増感 電変換素子を簡単な製造工程で製造するこ ができる。

 色素増感光電変換素子の実施例について 明する。

  実施例1
 透明導電性基板は次のように準備した。日 板硝子製アモルファス太陽電池用FTO基板(シ ート抵抗10ω/□)を25mm×25mm×t(厚さ)1.1mmのサイ に加工し、アセトン、アルコール、アルカ 系洗浄液、超純水を順に用いて超音波洗浄 行い、十分に乾燥させた。

 このFTO基板上へ直径5mmの形状のスクリーン スクを用い、Solaronix 製酸化チタンペース をスクリーン印刷機で塗布した。ペースト FTO基板側より透明なTi-Nanoxide TSPペーストを さ7μm、散乱粒子を含むTi-Nanoxide DSPを厚さ13 μmで順次積層させ、合計20μmの厚さの多孔質 化チタン膜を得た。この多孔質酸化チタン を500℃で30分間電気炉で焼成し、放冷後、0. 1mol/LのTiCl 水溶液中に浸漬させ、70℃で30分間保持し、 分に純水およびエタノールで洗浄し、乾燥 、再び500℃で30分間電気炉で焼成した。こう してTiO 焼結体を作製した。

 次に、0.5mMシス-ビス(イソチオシアナート)-N ,N-ビス(2,2' -ジピリジル-4,4' -ジカルボン酸)- ルテニウム(II)ジテトラブチルアンモニウム (N719色素)のtert-ブチルアルコール/アセトニ リル混合溶媒(体積比1:1)に室温下、48時間浸 させて色素を担持させた。この電極をアセ ニトリルで洗浄し、暗所で乾燥させた。こ して色素増感TiO 焼結体を作製した。

 25mm×25mm×t1.1mmのガラス基板上にCrを厚さ50 nm、Ptを厚さ100nmに順次スパッタした対極を準 備した。

 上記対極へ外形20mm×20mm、幅2mmのサイズで 集電部分を残すように封止材としてUV硬化型 着剤をスクリーン印刷にて塗布した。

 プロピレンカーボネート3gにヨウ化ナトリ ム(NaI)0.045g、1-プロピル-2.3-ジメチルイミダ リウムヨーダイド1.11g、ヨウ素(I )0.11g、4-tert-ブチルピリジン0.081gを溶解させ 電解質組成物を調製した。

 上記電解質組成物0.9gに対し、0.1gのシリカ ノ粉末を加え、自転公転型ミキサーにて十 に撹拌し、ゲル状電解質を得た。このゲル 電解質をFTO基板上の色素増感TiO 焼結体上へディスペンサーにより塗布し、上 記対極とともにアルゴン置換したチャンバー 内に導入し、FTO基板上に形成された色素増感 TiO 焼結体とガラス基板上に形成された対極のPt とを対向させ、ロータリーポンプにてチャ バー内を100Paまで減圧し、1kg/cm の圧力にてプレスし、加圧したままUVランプ てUV光の照射を行ってUV硬化型接着剤を硬化 させ、その後チャンバー内を大気圧に戻した 。こうして、色素増感TiO 焼結体と対極のPt面との間にゲル状電解質が 填され、その周囲がUV硬化型接着剤により 止された色素増感光電変換素子を得た。

  比較例1
 25mm×25mm×t1.1mmで直径0.5mmの穴が開けられた ラス基板上にCrを厚さ50nm、Ptを厚さ100nmに順 スパッタした対極を準備した。

 ゲル状電解質を塗布せずにFTO基板と対極 を貼り合わせ、予め準備した直径0.5mmの注 口からシリカを加えない電解質溶液を減圧 でそのまま注入し、次いで、注液口をガラ 基板とUV硬化接着剤で封止したこと以外は実 施例1と同様に色素増感光電変換素子を作製 た。

 以上のように作製した実施例1および比較例 1の色素増感光電変換素子において、作製直 の光電変換効率を100として、60℃下1000時間 存後の擬似太陽光(AM1.5、100mW/cm )照射下における光電変換効率の維持率を表1 示す。

 表1から実施例1の色素増感光電変換素子 比較例1の色素増感光電変換素子に比べて光 変換効率の維持率が約2倍であり、耐久性が 優れていることが分かる。

 次に、この発明の第2の実施形態による色 素増感光電変換素子モジュールについて説明 する。図6はこの色素増感光電変換素子モジ ールを示す断面図である。この色素増感光 変換素子モジュールの平面形状が長方形で る場合の平面図を図7に示す。図6は図7のY-Y に沿っての拡大断面図に相当する。

 図6および図7に示すように、この色素増 光電変換素子モジュールにおいては、外装 としてのガラス基板などの非導電性の透明 板6上に複数のストライプ状の透明導電層7が 互いに平行に形成され、各透明導電層7上に の透明導電層7と同一方向に延在するストラ プ状の色素増感半導体層2が形成され、色素 増感半導体層2の間の部分の透明導電層7上に トライプ状の集電電極層8が形成されたもの と、非導電性の基板9上にストライプ状の集 電極層10が形成され、この集電電極層10上の 色素増感半導体層2に対応する位置にストラ イプ状の触媒電極層11(対極)が形成され、ま 、この集電電極層10上の、集電電極層8に対 する位置にストライプ状の集電電極層12が形 成されたものとが、それらの色素増感半導体 層2および触媒電極層11が所定の間隔をおいて 互いに対向するように配置されており、それ らの間の空間に電解質層4が封入されている この電解質層4に用いる電解質の蒸気圧は、 適には20℃下で100Pa以下である。色素増感半 導体層2としては、半導体微粒子層に色素を 持させたものが用いられる。電解質層4は封 材5により各色素増感光電変換素子毎に封止 されている。封止材5としては、UV硬化型接着 剤などを用いる。

 色素増感半導体層2、透明基板6、透明導 層7および基板9は、すでに挙げたものの中か ら、必要に応じて選択することができる。

 次に、この色素増感光電変換素子の製造 法について説明する。

 まず、図8に示すように、透明基板6を用 し、この透明基板6の全面に透明導電層7を形 成した後、この透明導電層7をエッチングに りストライプ状にパターニングする。

 次に、各透明導電層7上に、半導体微粒子 が分散されたペーストを所定のギャップに塗 布する。次に、透明基板6を所定温度に加熱 て半導体微粒子を焼結し、半導体微粒子焼 体からなる半導体層を形成する。次に、こ 半導体層の間の部分の透明導電層7上に集電 極層8を形成する。次に、半導体微粒子焼結 体からなる半導体層および集電電極層8が形 された透明基板6を色素溶液に浸漬するなど て半導体微粒子に増感用の色素を担持させ 。こうして各透明導電層7上に色素増感半導 体層2が形成される。

 次に、色素増感半導体層2上に所定パター ンでゲル状電解質からなる電解質層4を形成 る。

 一方、基板9を別途用意する。そして、図 8に示すように、この基板9上に集電電極層10 形成し、さらにこの集電電極層10上に触媒電 極層11および集電電極層12を形成する。そし 、この基板9上の外周部ならびに触媒電極層1 1以外の部位に封止材5を形成し、この基板9を 透明基板6と対向させる。電解質層4は封止材5 の内部の空間に収まる大きさとする。

 次に、透明基板6と基板9とをそれらの間 封止材5および電解質層4を挟んだ状態で、大 気圧以下、電解質層4に用いる電解質の蒸気 以上の気圧下で貼り合わせて封止材5により 着する。封止材5としてUV硬化型接着剤を用 る場合はUV光を照射することにより硬化さ る。この貼り合わせは、好適には、窒素ガ やアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中 行う。

 以上のようにして、図6および図7に示す 素増感光電変換素子モジュールが製造され 。

 この第2の実施形態によれば、色素増感光 電変換素子モジュールにおいて、第1の実施 態と同様な利点を得ることができる。

  実施例2
 ガラス基板上にFTO膜を形成した後、このFTO をエッチングによりパターニングして、間 0.5mm幅の隙間が形成されるように8本のスト イプ状のパターンを形成した。その後、ア トン、アルコール、アルカリ系洗浄液、超 水を順に用いて超音波洗浄を行い、十分に 燥させた。

 このガラス基板上へSolaronix 製酸化チタン ーストを5mm幅、長さ40mmのストライプ状で8本 (総面積16cm )、スクリーン印刷機で塗布した。ペースト ガラス基板側より透明なTi-Nanoxide TSPペース を厚さ7μm、散乱粒子を含むTi-Nanoxide DSPを さ13μmで順次積層させ、合計20μmの厚さの多 質TiO 膜を得た。この多孔質TiO 膜を500℃で30分間電気炉で焼成し、放冷後、0 .1mol/LのTiCl 水溶液中に浸漬させ、70℃で30分間保持し、 分に純水およびエタノールで洗浄し、乾燥 、再び500℃で30分間電気炉で焼成した。こう してTiO 焼結体を作製した。

 次に、厚膜用の市販の銀ペーストを用い、 記TiO 焼結体の間に位置合わせし、スクリーン印刷 にて0.5mm幅の集電電極層を塗布した。乾燥後 乾燥雰囲気下で500℃で30分間電気炉で焼成 た後、集電電極層に遮光マスクを被せ、TiO 焼結体にのみエキシマランプによりUV光を照 し、吸着した不純物を除去した。焼成後の 電電極層の厚さは40μmであった。

 次に、0.5mMシス-ビス(イソチオシアナート)-N ,N-ビス(2,2' -ジピリジル-4,4' -ジカルボン酸)- ルテニウム(II)ジテトラブチルアンモニウム (N719色素)のtert-ブチルアルコール/アセトニ リル混合溶媒(体積比1:1)に室温下、48時間浸 させて色素を担持させた。こうして色素を 持させたTiO 焼結体をアセトニトリルで洗浄し、暗所で乾 燥させた。こうして色素増感TiO 焼結体を作製した。

 対極基板は石英基板を用い、ガラス基板 のFTO膜と同じパターンの集電電極層を市販 白金ペーストを用いてスクリーン印刷機で 成し、さらに市販の白金ペーストでガラス 板上の酸化チタンペーストと同じ位置関係 触媒電極層を形成するとともに、ガラス基 上の集電電極層と同じ位置関係で集電電極 を形成し、これらを1000℃で焼結した。焼成 後の触媒電極層および集電電極層の厚さは5μ mであった。

 上記石英基板上の触媒電極層以外の部分 よび基板外周部分へスクリーン印刷にて封 材としてUV硬化型接着剤を塗布した。

 プロピレンカーボネート3gにヨウ化ナトリ ム(NaI)0.045g、1-プロピル-2.3-ジメチルイミダ リウムヨーダイド1.11g、ヨウ素(I )0.11g、4-tert-ブチルピリジン0.081gを溶解させ 電解質組成物を調製した。

 上記電解質組成物0.9gに対し、0.1gのシリカ ノ粉末を加え、自転公転型ミキサーにて十 に撹拌し、ゲル状電解質を得た。このゲル 電解質をガラス基板上の色素増感TiO 焼結体上へディスペンサーにより塗布し、ガ ラス基板側より色素増感TiO 焼結体に遮光マスクを被せ、上記対極ととも にアルゴン置換したチャンバー内に導入し、 ガラス基板上に形成された色素増感TiO 焼結体と石英基板上に形成された対極のPt面 を対向させ、ロータリーポンプにてチャン ー内を100Paまで減圧し、1kg/cm の圧力にてプレスし、加圧したままUVランプ よるUV光を照射してUV硬化接着剤を硬化させ 、チャンバー内を大気圧に戻した。

 こうして、色素増感TiO 焼結体と対極のPt面との間にゲル状電解質が 填され、その周囲がUV硬化型接着剤により 止された色素増感光電変換素子モジュール 得た。

  比較例2
 対極基板として各色素増感光電変換素子に 応した部分にそれぞれ直径0.5mmの穴が開け れた石英基板を用い、ゲル状電解質を塗布 ずにガラス基板と対極基板とを貼り合わせ 予め準備した直径0.5mmの注液口からシリカを 加えない電解質溶液を減圧下でそのまま注入 し、次いで、注液口を石英基板とUV硬化型接 剤で封止したこと以外は実施例2と同様に色 素増感光電変換素子モジュールを作製した。

 以上のように作製した実施例2および比較例 2の色素増感光電変換素子モジュールにおい 、作製直後の光電変換効率を100として、60℃ 下1000時間保存後の擬似太陽光(AM1.5、100mW/cm )照射下における光電変換効率の維持率を表1 示す。

 表1から実施例2の色素増感光電変換素子 ジュールは比較例2の色素増感光電変換素子 ジュールに比べて光電変換効率の維持率が2 倍以上であり、耐久性が優れていることが分 かる。

 次に、この発明の第3の実施形態による色 素増感光電変換素子モジュールについて説明 する。図9はこの色素増感光電変換素子モジ ールを示す断面図である。この色素増感光 変換素子モジュールの平面形状が長方形で る場合の平面図を図10に示す。図9は図10のZ-Z 線に沿っての断面図に相当する。

 図9および図10に示すように、この色素増 光電変換素子モジュールにおいては、外装 としてのガラス基板などの非導電性の透明 板6上に複数のストライプ状の透明導電層7 互いに平行に設けられている。各透明導電 7上には、それぞれこの透明導電層7と同一方 向に延在するストライプ状の色素増感半導体 層2、多孔質絶縁層13および対極層14が順次積 されている。色素増感半導体層2としては、 半導体微粒子層に色素を担持させたものが用 いられる。色素増感半導体層2、多孔質絶縁 13および対極層14の全体に電解質が含浸され いる。この電解質の蒸気圧は、好適には20 下で100Pa以下である。この場合、色素増感半 導体層2の幅は透明導電層7よりも小さく、透 導電層7の長手方向の1辺に隣接する部分が 出している。多孔質絶縁層13の幅は色素増感 半導体層2の幅よりも大きく、色素増感半導 層2の全体を覆うように設けられている。多 質絶縁層13の一端は透明基板6と接しており 他端は透明導電層7と接している。1つの色 増感光電変換素子の対極層14の一端は隣接す る色素増感光電変換素子の透明導電層7と接 されている。

 1つの各色素増感光電変換素子の対極層14 隣接する色素増感光電変換素子の多孔質絶 層13との間の部分および基板の外周部に封 材5が設けられており、この封止材5により各 色素増感光電変換素子毎に封止されている。 封止材5としてはUV硬化型接着剤などを用いる 。また、この封止材5により外装材15が接着さ れている。

 色素増感半導体層2、透明基板6、透明導 層7、多孔質絶縁層13、対極層14および外装材 15は、すでに挙げたものの中から、必要に応 て選択することができる。

 次に、この色素増感光電変換素子モジュ ルの製造方法について説明する。

 まず、図11に示すように、透明基板6を用 し、この透明基板6の全面に透明導電層7を 成した後、この透明導電層7をエッチングに りストライプ状にパターニングする。

 次に、各透明導電層7上に、半導体微粒子 が分散されたペーストを所定のギャップに塗 布する。次に、透明基板6を所定温度に加熱 て半導体微粒子を焼結し、半導体微粒子焼 体からなる半導体層を形成する。次に、こ 半導体層上に多孔質絶縁層13を形成する。次 に、半導体微粒子焼結体からなる半導体層お よび多孔質絶縁層13が形成された透明基板6を 色素溶液に浸漬するなどして半導体微粒子に 増感用の色素を担持させる。こうして各透明 導電層7上に色素増感半導体層2が形成される

 次に、各多孔質絶縁層13上に対極層14を形 成する。

 次に、対極層14上の所定の部位に所定の ターンにゲル状電解質16を形成する。

 次に、透明基板6上の互いに隣接する多孔 質絶縁層13と対極層14との間の部分および基 の外周部に封止材5を形成する。

 次に、透明基板6と外装材15とをそれらの に封止材5およびゲル状電解質16を挟み、大 圧以下、ゲル状電解質16に用いる電解質の 気圧以上の気圧下で貼り合わせて封止材5に り接着するとともに、色素増感半導体層2、 多孔質絶縁層13および対極層14に電解質を含 させる。封止材5としては、例えばUV硬化型 着剤を用いる。封止材5としてUV硬化型接着 を用いる場合はUV光を照射することにより硬 化させる。この貼り合わせは、好適には、窒 素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲 気中で行う。

 以上のようにして、図9および図10に示す 素増感光電変換素子モジュールが製造され 。

 この第3の実施形態によれば、色素増感光 電変換素子モジュールにおいて、第1の実施 態と同様な利点を得ることができる。

  実施例3
 ガラス基板上にFTO膜を形成した後、このFTO をエッチングによりパターニングして8本の ストライプ状のパターンを形成した。その後 、アセトン、アルコール、アルカリ系洗浄液 、超純水を順に用いて超音波洗浄を行い、十 分に乾燥させた。

 このガラス基板上へSolaronix 製酸化チタン ーストを5mm幅、長さ40mmのストライプ状で8本 (総面積16cm )、スクリーン印刷機で塗布した。ペースト ガラス基板側より透明なTi-Nanoxide TSPペース を厚さ7μm、散乱粒子を含むTi-Nanoxide DSPを さ13μmで順次積層させ、合計20μmの厚さの多 質酸化チタン膜を得た。この多孔質酸化チ ン膜を500℃で30分間電気炉で焼成し、放冷 、0.1mol/LのTiCl 水溶液中に浸漬させ、70℃で30分間保持し、 分に純水およびエタノールで洗浄し、乾燥 、再び500℃で30分間電気炉で焼成した。こう してTiO 焼結体を作製した。

 次に絶縁層として、市販の酸化チタン粒子( 粒径200nm)、テルピネオール、エチルセルロー スから調製したスクリーン印刷用ペーストを 長さ41mm、5.5mm幅、厚さ10μmで上記TiO 焼結体上に塗布した。乾燥後、対極層として 市販のカーボンブラックとグラファイト粒子 、テルピネオール、エチルセルロースから調 製したスクリーン印刷用ペーストを長さ40mm 6mm幅、厚さ30μmで上記絶縁層上に塗布し、450 ℃で30分間電気炉で焼成した。こうして多孔 絶縁層および対極層が形成された。

 次に、0.5mMシス-ビス(イソチオシアナート)-N ,N-ビス(2,2' -ジピリジル-4,4' -ジカルボン酸)- ルテニウム(II)ジテトラブチルアンモニウム (N719色素)のtert-ブチルアルコール/アセトニ リル混合溶媒(体積比1:1)に室温下、48時間浸 させてTiO 焼結体に色素を担持させた。こうして色素を 担持させたTiO 焼結体をアセトニトリルで洗浄し、暗所で乾 燥させた。こうして色素増感TiO 焼結体を作製した。

 上記ガラス基板上の各色素増感光電変換 子以外の部分および基板の外周部にスクリ ン印刷にてUV硬化型接着剤を塗布し、各色 増感光電変換素子をUV硬化型接着剤により区 画した。

 プロピレンカーボネート3gにヨウ化ナトリ ム(NaI)0.045g、1-プロピル-2.3-ジメチルイミダ リウムヨーダイド1.11g、ヨウ素(I )0.11g、4-tert-ブチルピリジン0.081gを溶解させ 電解質組成物を調製した。

 上記電解質組成物0.9gに対し、0.1gのシリカ ノ粉末を加え、自転公転型ミキサーにて十 に撹拌し、ゲル状電解質を得た。このゲル 電解質をガラス基板の色素増感TiO 焼結体上の多孔質Pt層へディスペンサーによ 塗布し、ガラス基板側より色素増感TiO 焼結体に遮光マスクを被せ、カバーガラスと ともにアルゴン置換したチャンバー内に導入 し、ガラス基板上に形成されたゲル状電解質 とカバーガラスとを対向させ、ロータリーポ ンプにてチャンバー内を100Paまで減圧し、1kg/ cm の圧力にてプレスし、加圧したままUVランプ よるUV光の照射によりUV硬化樹脂を硬化させ 、チャンバー内を大気圧に戻した。

 こうして、色素増感TiO 焼結体、多孔質絶縁層および対極層に電解質 が含浸され、これらの周囲がUV硬化型接着剤 より封止された色素増感光電変換素子モジ ールを得た。

  比較例3
 カバーガラスとして各色素増感光電変換素 に対応した部分にそれぞれ直径0.5mmの穴が けられたガラス基板を用い、ゲル状電解質 塗布せずにガラス基板とカバーガラスとを り合わせ、予め準備した直径0.5mmの注液口か らシリカを加えない電解質溶液を減圧下でそ のまま注入し、次いで、注液口をガラス基板 とUV硬化接着剤で封止したこと以外は実施例3 と同様に色素増感光電変換素子モジュールを 作製した。

 以上のように作製した実施例3および比較例 3の色素増感光電変換素子モジュールにおい 、作製直後の光電変換効率を100として、60℃ 下1000時間保存後の擬似太陽光(AM1.5、100mW/cm )照射下における光電変換効率の維持率を表1 示す。

 表1から実施例3の色素増感光電変換素子 比較例3の色素増感光電変換素子に比べて光 変換効率の維持率が約2倍であり、耐久性が 優れていることが分かる。

 次に、この発明の第4の実施形態による色 素増感光電変換素子について説明する。

 この色素増感光電変換素子においては、 1の実施形態による色素増感光電変換素子に おいて、電解質層4が、ヨウ素を含み、かつ ソシアネート基(-NCO)を少なくとも1つ有する 合物を含み、好適にはさらに、この化合物 同じ分子内にイソシアネート基以外に窒素 有官能基を少なくとも1つ以上含み、あるい は、この化合物以外に窒素含有官能基を少な くとも1つ以上有する化合物をさらに含む電 質組成物からなる。イソシアネート基(-NCO) 少なくとも1つ以上有する化合物に特に制限 ないが、電解質の溶媒や電解質塩、その他 添加剤と相溶していることが好ましい。窒 含有官能基を少なくとも1つ以上有する化合 物は、好適には、アミン系化合物であるが、 これに限定されるものではない。このアミン 系化合物に特に制限はないが、電解質の溶媒 や電解質塩、その他の添加剤と相溶している ことが好ましい。このようにイソシアネート 基を少なくとも1つ以上有する化合物に窒素 有官能基を共存させると、特に色素増感光 変換素子の開放電圧の増加に大きく寄与す 。イソシアネート基を少なくとも1つ以上有 る化合物は、具体的には、例えば、イソシ ン酸フェニル、イソシアン酸2-クロロエチ 、イソシアン酸m-クロロフェニル、イソシア ン酸シクロヘキシル、イソシアン酸o-トリル イソシアン酸p-トリル、イソシアン酸n-ヘキ シル、2,4-ジイソシアン酸トリレン、ジイソ アン酸ヘキサメチレン、4,4’-ジイソシアン メチレンジフェニルなどであるが、これに 定されるものではない。また、アミン系化 物は、具体的には、例えば、4-tert-ブチルピ リジン、アニリン、N,N-ジメチルアニリン、N- メチルベンズイミダゾールなどであるが、こ れに限定されるものではない。

 上記以外のことは、第1の実施形態による 色素増感光電変換素子と同様である。

 この第4の実施形態によれば、第1の実施 態と同様な利点に加えて、電解質層4が、イ シアネート基を少なくとも1つ以上有する化 合物を含む電解質組成物からなることにより 、短絡電流および開放電圧の双方を増加させ ることができ、これによって光電変換効率が 極めて高い色素増感光電変換素子を得ること ができるという利点を得ることができる。

  実施例4
 実施例1において、電解質組成物の調製に際 し、プロピレンカーボネート3gにヨウ化ナト ウム(NaI)0.045g、1-プロピル-2.3-ジメチルイミ ゾリウムヨーダイド1.11g、ヨウ素(I )0.11g、4-tert-ブチルピリジン0.081gに加えてイ シアン酸フェニル0.071g(0.2mol/L)を溶解させる その他は実施例1と同様にして色素増感光電 変換素子を得た。

 以上、この発明の実施形態および実施例 ついて具体的に説明したが、この発明は、 述の実施形態および実施例に限定されるも ではなく、この発明の技術的思想に基づく 種の変形が可能である。

 例えば、上述の実施形態および実施例に いて挙げた数値、構造、形状、材料、原料 プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必 に応じてこれらと異なる数値、構造、形状 材料、原料、プロセスなどを用いてもよい