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Patent Searching and Data


Title:
β-PINENE COPOLYMER AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125784
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are: a highly-transparent β-pinene copolymer having excellent heat-resistance and light-resistance and exhibiting low water absorption; and a molded article comprising the same. The β-pinene copolymer comprises 30 to 80 mass% of β-pinene units and 70 to 20 mass% of aromatic monomer units such as α-methylstyrene, and is obtained by hydrogenating and adding at least 80 mol% of olefinic double bonds and preferably at least 50 mol% of aromatic rings derived from aromatic monomers.

Inventors:
NAKAHARA ATSUHIRO (JP)
TOKUYASU JIN (JP)
HORI TAKASHI (JP)
OHGI HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057174
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
April 08, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KURARAY CO (JP)
NAKAHARA ATSUHIRO (JP)
TOKUYASU JIN (JP)
HORI TAKASHI (JP)
OHGI HIROYUKI (JP)
International Classes:
C08F8/04; C08F210/00; C08F212/08
Domestic Patent References:
WO2008044640A12008-04-17
Foreign References:
JP2008223020A2008-09-25
JP2008220944A2008-09-25
JP2002121231A2002-04-23
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Claims:
 β-ピネン単位30~80質量%及び芳香族系単量体単位70~20質量%からなり、オレフィン性二重結合を80モル%以上水素化添加してなるβ-ピネン系共重合体。
 芳香族性単量体由来の芳香族環が50モル%以上水素化していることを特徴とする請求項1に記載のβ-ピネン系共重合体。
 芳香族系単量体がスチレン、α-メチルスチレンおよびインデンから選ばれる少なくととも1種類である請求項1に記載のβ-ピネン系共重合体。
 オレフィン性二重結合が90モル%以上かつ芳香族性単量体由来の芳香族が80%以上水素化されていることを特徴とする請求項1に記載のβ-ピネン系共重合体。
 請求項1に記載のβ-ピネン系共重合体からなる成形体。
 β-ピネン及び芳香族系単量体を共重合してなる共重合体を、カーボンに固定したパラジウム触媒の存在下で、オレフィン性二重結合および芳香族環を水素化することを特徴とする、請求項1に記載のβ-ピネン系共重合体の製造方法。
Description:
β-ピネン系共重合体及びその製 方法

 本発明は、従来よりも耐熱性が高く、か 耐光性の高い新規なβ-ピネン系共重合体及 それからなる成形体及びその製造法に関す 。

 近年、光学用樹脂への要求はますます高 になり、耐熱性及び耐光性に優れ、吸水性 低く、かつ高い透明性を有する樹脂が求め れている。しかし、従来の光学用樹脂にお てはこれらの要求性能が高い次元でバラン よく備わっておらず、光学用樹脂として種 の欠点を有する。

 例えば、透明性の高い光学用樹脂として 、従来ポリメタクリル酸メチル、ポリカー ネート等が使用されてきた。ポリメタクリ 酸メチルは透明性が高く、複屈折率が小さ 等、光学的な性質は優れているが、吸水性 大きいため寸法が変化し易く、また耐熱性 低いという欠点を有する。一方、ポリカー ネートはガラス転移温度(Tg)が高く耐熱性は 優れているが、吸水性がやや大きく、アルカ リによる加水分解を起こしやすいという欠点 を有する。

 耐熱性が高く、吸水性が小さく、かつ透 性に優れた光学用樹脂としてはノルボルネ 系モノマーの開環重合体水素添加物やノル ルネン系モノマーとエチレンとの付加型共 合体が知られている(特許文献1~4)。しかし がら、ノルボルネン系モノマーとして使用 ているテトラシクロドデセン類の多環モノ ーは、その製造が必ずしも容易ではなく、 合触媒にモリブデン、タングステンの塩化 等のレアメタルを使用する必要がある。

 上記の課題を改善した光学用樹脂として -ピネン系重合体が提案されている(特許文献 5、非特許文献1~2)。β-ピネン系重合体は耐熱 が高く、吸水性が低い材料である。また、 年問題となっている二酸化炭素の排出を抑 る、カーボンニュートラル材料としても注 されている。しかしながら、より高い耐熱 と耐光性を両立するβ-ピネン系重合体はな った。すなわち特許文献5に記載のβ-ピネン とインデンの共重合体(実施例7~12)は、耐熱性 は高いもののβ-ピネン由来のオレフィン性二 重結合やインデン由来の芳香族環が残ってお り、酸化劣化し易いため、光や熱で着色し易 いという問題点を有していた。また非特許文 献1に記載のβ-ピネン系重合体は耐光性の高 例もあるが、その場合耐熱性が不十分であ た。

特開昭64-24826号公報

特開昭60-168708号公報

特開昭61-115912号公報

特開昭61-120816号公報

特開2002-121231号公報

Satoh他、「Biomass-derived heat-resistant alicycl ic hydrocarbon polymers:poly(terpenes) and their hydrog enated derivatives」、Green Chemistry、2006年、第8 、878~882頁 Keszler他、「Synthesis of High Moleculer Weight  Poly(β-Pinene)」、Advances in Polymer Science、1992 年、第100巻、1~9頁

 従って本発明の目的は、耐熱性及び耐光 に優れ、吸水性が低く、高い透明性有する -ピネン系共重合体及びその成形体を提供す ことにある。

 すなわち本発明は、
β-ピネン単位30~80質量%及び芳香族系単量体単 位70~20質量%からなり、オレフィン性二重結合 を80モル%以上水素化添加してなるβ-ピネン系 共重合体、並びに該β-ピネン系共重合体から なる成形体である。

 また本発明は、
β-ピネン及び芳香族系単量体を共重合してな る共重合体を、カーボンに固定したパラジウ ム触媒の存在下で、オレフィン性二重結合お よび芳香族環を水素化することを特徴とする 、上記のβ-ピネン系共重合体の製造方法であ る。

 本発明のβ-ピネン系共重合体は、耐熱性 び耐光性に優れ、吸水性が低く、高い透明 を有するため、特に光学用途に好適である

[I]β-ピネン及び芳香族系単量体からなる共重 合体
 本発明のβ-ピネン系共重合体は、β-ピネン 位および芳香族系単量体単位を構造単位と て含有する共重合体を、水素化してなる重 体である。水素化に供する共重合体は、β- ネンおよび芳香族系単量体を含むモノマー 共重合して得られる。

・β-ピネン
 本発明に用いるβ-ピネンとしては公知のも が利用可能である。すなわち、松等の植物 ら採取されたものや、α-ピネン等、他の原 から合成したβ-ピネン等も利用可能である

・芳香族系単量体
 本発明に用いる芳香族系単量体としては、 香族基を有する重合性の単量体であれば特 制限はないが、例えば、スチレン、α-メチ スチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチ レン、4-エチルスチレン、4-t-ブチルスチレン 、1-ビニルナフタレン、インデン等を挙げる とができる。入手性およびβ-ピネンと共重 し易い点から、スチレン、α-メチルスチレ 、インデンが好ましい。これらの芳香族系 量体は単独で用いても、2種以上を組み合わ せて用いても良い。

 本発明に用いる共重合体は、上記のβ-ピ ンおよび芳香族系単量体を所定の共重合比 組合せて重合した共重合体である。共重合 の具体例としてはβ-ピネン/スチレン共重合 体、β-ピネン/α-メチルスチレン共重合体、β -ピネン/3-メチルスチレン共重合体、β-ピネ /4-メチルスチレン共重合体、β-ピネン/4-エ ルスチレン共重合体、β-ピネン/4-t-ブチルス チレン共重合体、β-ピネン/1-ビニルナフタレ ン共重合体、β-ピネン/インデン共重合体等 挙げられる。

 共重合体の構造は特に制限されず、例え ランダム、ブロックおよびテーパードのい れの共重合体でもよい。共重合体は耐熱性 観点からランダム共重合体が特に好ましい

 本発明に用いる共重合体中のβ-ピネン単 と芳香族系単量体単位との質量比(β-ピネン /芳香族系単量体)は、水素化反応後に得られ 共重合体の耐熱性および機械的な強度の観 から、30/70~80/20の範囲が好ましく、40/60~80/20 の範囲がより好ましい。β-ピネンが少なすぎ ると水素化後に得られる共重合体の耐熱性が 低くなり、β-ピネンが多すぎると水素化後に 得られる共重合体が脆くなってしまう。

・他の共重合単量体
 本発明の共重合体は、β-ピネンおよび芳香 系単量体と共重合可能な他の単量体単位を 成単位として含有していてもよい。共重合 能な単量体はビニル単量体であれば特に制 はなく、具体例としては、(メタ)アクリル 、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア クリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ 酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸系モノマ ー;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸 マレイミド;アクリロニトリル、メタクリロ トリル等のニトリル基含有ビニルモノマー; アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミ ド基含有ビニルモノマー;エチレン、プロピ ン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレ 、ノルボルネン等のオレフィン類;リモネン α-ピネン、ミルセン、カンフェン、カレン のβ-ピネン以外のテレピン油由来の二重結 含有化合物;酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル 、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロ ライド、アリルアルコール等が挙げられる。 また、2官能性の単量体、例えばp-ジビニルベ ンゼン、p-ジイソプロペニルベンゼン、エチ ングリコールジビニルエーテル等を含有す ことも可能である。これらは単独で用いて 、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。

 上記共重合可能な単量体をβ-ピネンおよ 芳香族系単量体と共重合する場合、その共 合量はポリマー中の全モノマー単位あたり0 .001~20モル%が好ましく、0.01~10モル%がより好 しい。共重合量が多すぎると、重合が困難 なる可能性があり、また耐熱性も低下する 合が多い。

・数平均分子量
 本発明で使用するβ-ピネンおよび芳香族系 量体を含有する共重合体の数平均分子量は に限定されないが、水素化後に得られる共 合体の力学的物性や加工性の観点から、約1 万~100万g/モルが好ましい。数平均分子量が小 さすぎると機械的強度が不足し、大きすぎる と成形が困難になる。ここで、数平均分子量 はゲルパーミエーションクロマトグラフィー によるポリスチレン換算の分子量を意味する 。

・水素化物
 水素化に供する共重合体は、β-ピネン単位 由来するシクロヘキセン環のオレフィン性 重結合と、芳香族系単量体由来の芳香族環 有する。

 本発明の水素化された共重合体は、空気中 酸素による劣化防止のため、好ましくはβ- ネン由来のオレフィン性二重結合が、共重 体中のβ-ピネン単位に対し20モル%以下、よ 好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは1 モル%以下、最も好ましくは0.5モル%以下であ 。本発明のβ-ピネン系共重合体は、共重合 により一概には定められないが、その 1 H-NMRスペクトル[テトラメチルシラン(TMS)のプ トンを0ppmとする]における4.5~6ppmのプロトン の積分値の全プロトンの積分値に対する比率 (4.5~6ppmのプロトンの積分値/全プロトンの積 値)が、好ましくは1.1×10 -2 以下であり、より好ましくは5.6×10 -3 以下である。上記比率が大きいと、オレフィ ン性二重結合の量が多くなり劣化しやすい可 能性がある。

 本発明の水素化された共重合体は、耐熱性 上、透過率向上のため、好ましくは芳香族 単量体由来の芳香族環が、共重合体中の芳 族系単量体単位に対し50モル%以下、より好 しくは20モル%以下、さらに好ましくは10モ %以下、最も好ましくは1モル%以下である。 発明のβ-ピネン系共重合体は、共重合比に り一概には定められないが、その 1 H-NMRスペクトル[テトラメチルシラン(TMS)のプ トンを0ppmとする]における6~8ppmのプロトン 積分値の全プロトンの積分値に対する比率(6 ~8ppmのプロトンの積分値/全プロトンの積分値 )が、好ましくは4.3×10 -2 以下であり、より好ましくは2.2×10 -2 以下である。

・ガラス転移温度(Tg)
 本発明のβ-ピネン系共重合体は、β-ピネン 独重合体の水素化物に比べ、また水素化前 共重合体に比べ、Tgが著しく上昇している とが特徴である。Tgは、示差走査熱量測定法 (DSC)により測定することができる。

 Tgは用いる芳香族系単量体の種類および 有量、オレフィン性二重結合の水添率、芳 族環の水添率により一概に規定できないが 135℃~250℃がより好ましく、140℃~240℃がさら に好ましい。Tgが低いと耐熱性が不足し、高 ぎるとβ-ピネン系共重合体が脆くなる。

・全光線透過率
 本発明のβ-ピネン系共重合体は、特に光学 料に使用する場合は全光線透過率が高い方 好ましい。β-ピネン系共重合体の全光線透 率は80%以上が好ましく、85%以上がより好ま い。全光線透過率はJIS-K-7361-1-1997「プラス ック-透明材料の全光線透過率の試験方法-第 1部:ジングルビーム法」に準じて測定される

・耐光性
 本発明のβ-ピネン系共重合体は、耐光性お び耐候性が高い方が好ましい。例えばASTM-G5 3に準じて、UVB光100時間の促進暴露試験を行 、JIS-K-7373に準じ測定したYI(イエロー・イン ックス)の試験前と試験後における黄変度(δ YI)が10以下が好ましく、5以下がより好ましく 、2以下が最も好ましい。

・耐熱性
 本発明によれば5%質量減少温度が高い共重 体を得ることが可能である。本発明のβ-ピ ン系共重合体の5%質量減少温度は300℃以上が 好ましく、320℃以上がより好ましい。5%質量 少温度はJIS-K-7120-1987「プラスチックの熱質 測定法」に準じて、熱天秤(TGA)で測定され 、質量が5%減少した温度を意味する。

[II]β-ピネン系共重合体の製造方法
・重合反応
 β-ピネンおよび芳香族系単量体を構造単位 して含有する共重合体は、カチオン重合、 ジカル重合法、配位重合法等の公知の方法 より得ることができる。工業的に容易に実 でき、高分子量体が得られるという観点か 、特にカチオン重合法が好ましい。

・カチオン重合
 カチオン重合は、溶媒、重合触媒の種類・ 、重合開始剤、電子供与性化合物、反応温 、反応圧力、反応時間等により制御ること 可能である。

・カチオン重合溶媒
 カチオン重合は、非特許文献1、非特許文献 2等に記載の公知の方法により行うことがで る。具体的には、例えば不活性有機溶媒中 おいて、重合触媒を添加または接触させる とにより行う。不活性有機溶媒は、β-ピネ および芳香族系単量体が溶解し、かつ重合 媒に不活性な有機溶媒であれば特に制限な 使用することができる。具体的には、ベン ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水 系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ タン、シクロペンタン、シクロヘキサン、 チルシクロヘキサン、デカリン等の脂肪族 化水素系溶媒;塩化メチル、塩化メチレン、 塩化プロパン、塩化ブタン、1,2-ジクロロエ ン、1,1,2-トリクロロエチレン等のハロゲン 炭化水素系溶媒;エステル、エーテル等の含 素系溶媒等を用いることができる。反応性 考慮すると、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪 炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶 等が好ましい。これらの溶媒は単独で使用 ても、2種類以上を組み合わせて使用しても 良い。

 カチオン重合において不活性有機溶媒を 用する場合、不活性有機溶媒の使用量は特 限定されないが、β-ピネンおよび芳香族系 量体100質量部に対して通常100~10000質量部、 ましくは150~5000質量部、より好ましくは200~3 000質量部である。不活性溶媒量が少ないと共 重合体が生成した場合の粘度が高くなり撹拌 が困難となるため反応が不均一となり、均一 な共重合体が得られなかったり、反応の制御 が困難になる。不活性溶媒量が多いと生産性 が低下してしまう。

・重合触媒
 カチオン重合の重合触媒として酸性化合物 用いることができる。酸性化合物は特に限 されず、例えばルイス酸またはブレンステ ド酸が挙げられる。具体的にはBF 3 、BF 3 OEt 2 、BBr 3 、BBr 3 OEt 2 、AlCl 3 、AlBr 3 、AlI 3 、TiCl 4 、TiBr 4 、TiI 4 、FeCl 3 、FeCl 2 、SnCl 2 、SnCl 4 、WCl 6 、MoCl 5 、SbCl 5 、TeCl 2 、EtMgBr、Et 3 Al、Et 2 AlCl、EtAlCl 2 、Et 3 Al 2 Cl 3 、Bu 3 SnCl等の周期律表IIIA族からVIII族までの金属ハ ロゲン化合物;HF、HCl、HBr等の水素酸;H 2 SO 4 、H 3 BO 3 、HClO 4 、CH 3 COOH、CH 2 ClCOOH、CHCl 2 COOH、CCl 3 COOH、CF 3 COOH、パラトルエンスルホン酸、CF 3 SO 3 H、H 3 PO 4 、P 2 O 5 等のオキソ酸、およびこれらの基を有するイ オン交換樹脂等の高分子化合物;燐モリブデ 酸、燐タングステン酸等のヘテロポリ酸;SiO 2 、Al 2 O 3 、SiO 2 -Al 2 O 3 、MgO-SiO 2 、B 2 O 3 -Al 2 O 3 、WO 3 -Al 2 O 3 、Zr 2 O 3 -SiO 2 、硫酸化ジルコニア、タングステン酸ジルコ ニア、H + または希土類元素と交換したゼオライト、活 性白土、酸性白土、γ-Al 2 O 3 、P 2 O 5 をケイソウ土と担持させた固体燐酸等の固体 酸等が挙げられる。これらの酸性化合物は組 み合わせて用いても良く、また他の化合物等 を添加しても良い。他の化合物等は、例えば それを添加することにより酸性化合物の活性 を向上させることができる化合物等である。 金属ハロゲン化合物の酸性化合物としての活 性を向上させる化合物の例としては、MeLi、Et Li、BuLi、Et 2 Mg、(i-Bu) 3 Al、Et 2 Al(OEt)、Me 4 Sn、Et 4 Sn、Bu 4 Sn等の金属アルキル化合物が例示される。

 カチオン重合で使用する重合触媒の使用 は、重合触媒の種類により触媒能が異なる め、一概に使用量を規定することは難しい 、均一系触媒の場合、その使用量は、β-ピ ンおよび芳香族系単量体100質量部に対し、0 .001~10質量部が好ましく、0.01~5質量部がより ましく、0.01~1質量部が最も好ましい。重合 媒に固体酸やイオン交換樹脂等の不均一触 を使用する場合、その使用量はβ-ピネンお び芳香族系単量体100質量部に対し、0.1~10000 量部が好ましく、1~1000質量部がより好まし 。触媒量が少ないとカチオン重合の進行が く、多いと不経済である。

・開始剤
 カチオン重合を行う場合の重合開始剤は、 合触媒としてよりカチオンを発生させる化 物であれば特に限定されないが、下式に示 官能基を少なくとも1つ有する有機化合物が 好適に使用される。例えば、t-ブチルクロラ ド、t-ブチルメチルエーテル、t-ブチルメチ ルエステル、t-ブタノール、2,5-ジクロロ-2,5- メチルヘキサン、2,5-ジメトキシ-2,5-ジメチ ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオー 、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールジアセ ート、クミルクロライド、クミルメトキシ 、クミルアルコールアセテート、クミルア コール、p-ジクミルクロライド、m-ジクミル クロライド、p-ジクミルメトキシド、p-ジク ルアルコールジアセテート、p-ジクミルアル コール、1,3,5-トリクミルクロライド、1,3,5-ト リクミルメトキシド等を挙げることができる 。

-C(-R 1 )(-R 2 )-X

式中のR 1 は水素、アルキル基、アリール基を、R 2 は水素、アルキル基、アリール基を、Xはハ ゲン、アルコキシ基、アシロキシ基、水酸 を示す。

 カチオン重合で使用する重合開始剤の使 量は、目的とする共重合体の分子量により なるため、一概に使用量を規定することは しいがβ-ピネンおよび芳香族系単量体100質 部に対し、0.001~10質量部が好ましく、0.001~5 量部がより好ましく、0.01~1質量部が最も好 しい。重合開始剤が少ないと、重合反応速 が遅くなったり、不純物から重合が開始し 安定して生産が困難となる。重合開始剤が いと得られる共重合体の分子量が小さくな 、共重合体が脆くなってしまう。

・電子供与性化合物
 本発明において、カチオン重合を行う場合 電子供与性化合物を添加することで重合反 をより制御することが可能である。このよ な電子供与性化合物としては、例えば、ジ チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、 トラヒドロフラン、ジオキサン、アニソー 等のエーテル化合物、炭素数2~10の環状エー テル化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ ステル化合物、メタノール、エタノール、ブ タノール等のアルコール化合物、トリエチル アミン、ジエチルアミン、ピリジン、2-メチ ピリジン、2,6-ジ-t-ブチルピリジン、2,6-ル ジン、N,N-ジメチルアセトアミド、アセトニ リル等の窒素含有化合物、テトラブチルア モニウムクロリド、テトラブチルアンモニ ムブロミド等のアンモニウム塩等が挙げら る。

 電子供与性化合物は、反応系中に、重合 媒100質量部に対し0.01~500質量部が好ましく 0.1~200質量部がより好ましい。電子供与性化 物の量が少なすぎると副反応が多くなる傾 があり、低分子量体が多く生成し得られる 重合体の強度が低下してしまう。逆に電子 与剤が多すぎると重合反応速度が著しく抑 され、カチオン重合反応に長時間を要する ととなり、生産性が低下する。したがって 更に好ましい電子供与性化合物の量は、重 触媒に対し0.1~100質量部である。

 本発明において、カチオン重合を行う場 の反応温度は通常-120℃~60℃が好ましく、-80 ℃~0℃がより好ましく、-40℃~0℃が最も好ま い。反応温度が低すぎると不経済であり、 すぎると反応の制御が困難である。

 本発明において、カチオン重合を行うた の反応圧力は特に限定されないが、0.5~50気 が好ましく、0.7~10気圧がより好ましい。通 1気圧前後でカチオン重合を行う。

 カチオン重合を行う反応時間は、特に限 されず、用いる芳香族系単量体の種類、そ 量、重合触媒の種類や量、反応温度、反応 力等の条件に応じて、反応時間を適宜決め ばよい。通常は0.01時間~24時間、好ましくは 0.1時間~10時間である。

 カチオン重合後の共重合体は、例えば、 沈澱、加熱下での溶媒除去、減圧下での溶 除去、水蒸気による溶媒の除去(スチームス トリッピング)等の、共重合体を溶液から単 する際の通常の操作によって、反応混合物 ら分離、取得することができる。

[III]水素化
 本発明による水素化されたβ-ピネン系共重 体は、水素化反応により得ることができる 、その水素化方法は特別に制限されるもの はなく、公知の任意の方法をとることがで る。

・水素化触媒
 本発明において、水素化反応を行う場合の 媒は、オレフィン化合物や芳香族化合物を 素化可能であるものを使用することが可能 ある。通常、不均一系触媒や均一系触媒が いられる。

・不均一系触媒
 本発明において水素化反応を、不均一系触 を用いて行う場合の触媒は、特に限定され いが、具体例を挙げると、スポンジニッケ 、スポンジコバルト、スポンジ銅などのス ンジメタル触媒;ニッケルシリカ、ニッケル アルミナ、ニッケルゼオライト、ニッケル珪 藻土、パラジウムシリカ、パラジウムアルミ ナ、パラジウムゼオライト、パラジウム珪藻 土、パラジウムカーボン、パラジウム炭酸カ ルシウム、白金シリカ、白金アルミナ、白金 ゼオライト、白金珪藻土、白金カーボン、白 金炭酸カルシウム、ルテニウムシリカ、ルテ ニウムアルミナ、ルテニウムゼオライト、ル テニウム珪藻土、ルテニウムカーボン、ルテ ニウム炭酸カルシウム、イリジウムシリカ、 イリジウムアルミナ、イリジウムゼオライト 、イリジウム珪藻土、イリジウムカーボン、 イリジウム炭酸カルシウム、コバルトシリカ 、コバルトアルミナ、コバルトゼオライト、 コバルト珪藻土、コバルトカーボン、コバル ト炭酸カルシウムなどの担持金属触媒が挙げ られる。
 これらの触媒は、活性向上、選択性向上、 定性を目的に、鉄、モリブデン、マグネシ ムなどで変性されていても良い。また、こ らの触媒は単独で使用しても良いし、複数 混合して用いても構わない。

・均一系触媒
 本発明において水素化反応を、均一系触媒 用いて行う場合の触媒は、特に限定されな が、具体例を挙げると、遷移金属化合物と アルキルアルミニウム又はアルキルリチウ からなる触媒が挙げられる。遷移金属化合 の具体例を挙げると、酢酸ニッケル、オク ル酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナ トなどのニッケル塩、酢酸コバルト、オク ル酸コバルト、コバルトアセチルアセトナ トなどのコバルト塩、チタノセンジクロラ ド、ジルコノセンジクロライドなどが挙げ れる。アルキルアルミニウムの具体例を挙 ると、トリメチルアルミニウム、トリエチ アルミニウム、トリイソブチルアルミニウ 、トリオクチルアルミニウムなどが挙げら る。アルキルリチウムの具体例を挙げると メチルリチウム、エチルリチウム、n-ブチ リチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリ ウムなどが挙げられる。
 均一系触媒は単独で使用しても良いし、複 を混合して用いても構わない。また、不均 系触媒と混合して用いても構わない。
 本発明において水素化反応を行う場合、共 合体を水素化反応するため、低分子化合物 対して反応活性が一般的に低くなる。よっ 、反応条件として比較的高温、高圧条件が ましい場合が多く、熱安定性の高い不均一 媒で行うことが好ましい。水素化活性の面 ら、水素化活性をもつ金属としてニッケル しくはパラジウムを用いることが好ましく パラジウム化合物を用いることがさらに好 しい。また、水素化の最中に進行する望ま くない副反応を抑制するために、炭酸カル ウム、カーボン担体を用いることが好まし 、カーボン担体を用いることがさらに好ま い。

・溶媒
 本発明において水素化反応を行う場合、通 、有機溶媒中で行われる。本発明に用いる とのできる溶媒は、特に限定されるもので ないが、共重合体を容易に溶解させるもの 好ましい。共重合単量体によりその溶媒が なるため、限定することは困難であるが、 体例を挙げるならば、ベンゼン、トルエン キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ペンタ ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロ ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘ キサン、デカリン、トリシクロデカン等の脂 肪族炭化水素系溶媒;塩化メチル、塩化メチ ン、塩化プロパン、塩化ブタン、1,2-ジクロ エタン、1,1,2-トリクロロエチレン等のハロ ン化炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチ ル等のエステル系溶媒;ジオキサン、テトラ ドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプ ピルエーテル、ジブチルエーテル等のエー ル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロ パノール、2-プロパノール、1-ブタノール等 アルコール系溶媒などを用いることができ 。

 本発明において水素化反応を行う場合、 合工程で用いた溶媒をそのまま用いること できるし、一部の溶媒を蒸留などの方法に り除去して用いることもできる。また、重 工程終了後、一旦重合物を前述の方法で取 出した後に用いても構わない。未水添重合 をこれらの方法で水素化工程に導入する場 、重合工程の溶媒をそのままもしくは除去 たのち、別途溶媒で希釈して用いることも きる。

 本発明において水素化反応を行う場合、 機溶媒の使用量は、共重合体の濃度として1 質量%以上、30質量%以下となる量である。1質 %未満でおこなうと、生産性が著しく低下す るし、30質量%以上の場合、溶液粘度が著しく 高まり、混合効率が低下してしまう。

・反応圧力
 本発明において水素化反応を行う場合、水 化反応の圧力は使用する触媒により適切な がことなることがあり、必ずしも規定でき いが、通常、水素化反応の全圧として0.1MPa~ 30MPa、好ましくは0.5MPa~20MPa、より好ましくは1 MPa~15MPaである。一般に水素ガス分圧が高いほ ど、水素化に有利となるが、30MPa以上の場合 昇圧のための設備、耐圧構造を有する設備 ためのコストが大きくなり、望ましくない
 水素化反応は、水素ガスが存在する条件下 実施するが、水素ガスのほかに、水素化反 に不活性であるならば、任意のガスと混合 て実施しても構わない。不活性ガスの具体 として、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸 炭素などが挙げられる。また、反応条件に っては、反応に使用する溶媒がガス成分と て有意な割合で分圧を有することになるが 差し支えない。

・反応温度、反応時間
 本発明において水素化反応を行う場合、水 化反応の温度は使用する触媒により適切な がことなることがあり、必ずしも規定でき いが、通常、10℃~300℃、好ましくは60℃~250 、より好ましくは70℃~220℃である。一般的 不均一系触媒は均一系に比べて、より高い 度で使用出来る場合がある。水素化反応時 は、使用する触媒種、触媒量、反応温度に り異なるため、必ずしも限定できないが、 常、5分~20時間、好ましくは10分~15時間であ 。反応時間が短すぎる場合、所望する水素 率を得ることができない。また、反応時間 長すぎる場合、望まない副反応の進行が顕 になり、所望する物性の水素化重合物が得 れない場合がある。

 ・実施形態
 本発明において水素化反応を行う場合、水 化反応の実施形態は公知の任意の方法をと ことができる。導入する触媒の種類により 適切な反応形態がある場合があるが、例え 、バッチ反応、セミ連続反応、連続反応方 をとることができる。連続反応形式におい 、プラグフロー形式(PFR)、連続流通撹拌形 (CSTR)を取ることができる。また、不均一系 媒を用いる場合固定床反応槽を用いること できる。積極的に混合して反応を行う場合 撹拌により混合する方法、ループ形式にて 素化反応液を循環させて混合する方法など とることができる。この場合、不均一系触 を用いる場合、懸濁床反応となり、気-液-固 の反応場となる。また、均一系触媒を用いる 場合、気-液2相系反応場となる。
 水素化反応を行ったあとの抜き取り液は一 分割し、水素化反応に再び用いることがで る。再び用いることで、水素化にともなう 熱の局所化の回避や、水素化反応率が向上 る場合がある。

 これらの任意の反応形式において、同一 もしくは異なる2つ以上の反応形式を連結し て水素化反応を行うことができる。より高い 水素化反応率を目指す場合、固定床を用い、 プラグフロー形式で反応させる工程を含むこ とが望ましい場合がある。

 使用する水素化触媒の種類、共重合体濃 、反応形式などにより、触媒の使用量は異 るため限定することが困難であるが、一般 、不均一系触媒を用い懸濁床で実施する場 、水素化反応液100質量部あたりの触媒使用 は、通常、0.01~20質量部、好ましくは、0.05~1 5質量部、より好ましくは0.1~10質量部である 使用量が少ない場合、水素化反応に長時間 要となり、また、使用量が多い場合、不均 触媒を混合する動力が多く必要になる。ま 、固定床を用いる場合、反応溶液あたりの 媒使用量を規定することが困難であり、任 の量を使用することができる。また、均一 触媒を使用する場合、遷移金属化合物の水 化反応液中濃度として、0.001ミリモル/リッ ル~100ミリモル/リットル、より好ましくは、 0.01ミリモル/リットル~10ミリモル/リットルで ある。

 使用した水素化触媒は、水素化反応終了後 必要に応じ共重合体と分離することができ 。分離は公知である任意の方法をとること できるが、不均一系触媒を使用した場合、 続もしくはバッチ式濾過、遠心分離、静置 よる沈降・デカンテーションにより分離で る。
 均一系触媒を用いた場合、たとえば、凝集 澱法、吸着法、洗浄法および水相抽出法な を用いることにより触媒と分離できる。

 これらの分離手法を用い、触媒を分離し としても、微量の金属成分が共重合体に残 していることがある。この場合も、金属成 が溶存していることとなるため、前述の通 、凝集沈澱法、吸着法、洗浄法および水相 出法などを用いることにより残留する金属 分離することができる。

 分離により回収された触媒は、一部除去 たり、一部新規触媒を追加するなどの手段 必要によりとった後に、再び水素化反応に 用することができる。

 水素化後のβ-ピネン系共重合体は、例え 、再沈澱、加熱下での溶媒除去、減圧下で 溶媒除去、水蒸気による溶媒の除去(スチー ムストリッピング)等の、共重合体を溶液か 単離する際の通常の操作によって、反応混 物から分離、取得することができる。

 本発明のβ-ピネン系共重合体は、単独で 用することもできるし、ポリアミド、ポリ レタン、ポリエステル、ポリカーボネート ポリオキシメチレン樹脂、アクリル樹脂、 リビニルアルコール、エチレン-ビニルアル コール共重合体、ポリオレフィン、ポリスチ レン、スチレン系ブロック共重合体等の他の 重合体と配合した組成物として使用すること もできる。組成物として使用する場合、安定 剤、滑剤、顔料、耐衝撃性改良剤、加工助剤 、補強剤、着色剤、難燃剤、耐候性改良剤、 紫外線吸収剤、酸化防止剤、防かび剤、抗菌 剤、光安定剤、耐電防止剤、シリコンオイル 、ブロッキング防止剤、離型剤、発泡剤、香 料等の各種添加剤;ガラス繊維、ポリエステ 繊維等の各種繊維;タルク、マイカ、モンモ ロナイト、スメクタイト、シリカ、木粉等 充填剤;各種カップリング剤等の任意成分を 必要に応じて配合することができる。

[IV]成形体
 本発明のβ-ピネン系共重合体の成形体は、 法に従って得ることが可能である。成形方 としては、射出成形法、熱プレス成形法、 出成形法、切削加工法、活性エネルギー線 化型樹脂を用いる方法等の公知の手法が、 宜に採用される。その中でも、生産性の観 から、射出成形法、熱プレス成形法、押出 形法が、好ましく用いられる。

・光学材料
 本発明のβ-ピネン系共重合体は、種々の光 材料に使用可能であり、その範囲は特に限 されないが、耐熱性に優れ、低吸水性およ 高透明性が要求される光学材料に好適であ 。光学材料としては、例えばレンズ、非球 レンズ、フレネルレンズ、銀塩カメラ用レ ズ、デジタル電子カメラ用レンズ、ビデオ メラ用レンズ、プロジェクター用レンズ、 写機用レンズ、携帯電話用カメラレンズ、 ガネ用レンズ、青色発光ダイオードを使用 るデジタル光ディスク装置用非球面ピック ップレンズ、ロッドレンズ、ロッドレンズ レー、マイクロレンズ、マイクロレンズア ー、各種レンズアレー、ステップインデッ ス型、グラジエントインデックス型、シン ルモード型、マルチコア型、偏波面保存型 側面発光型等の光ファイバー、光ファイバ コネクタ、光ファイバー用接着剤、デジタ 光ディスク(コンパクトディスク、光磁気デ ィスク、デジタルディスク、ビデオディスク 、コンピュータディスク、導光体、光拡散性 成形体、液晶用ガラス基板代替フィルム、位 相差フィルム、帯電防止層、反射防止層、ハ ードコート層、透明導電層、アンチグレア層 等の機能性を有する機能性薄膜、フラットパ ネルディスプレー用反射防止フィルム、タッ チパネル用基板、透明導電性フィルム、反射 防止フィルム、防げんフィルム、電子ペーパ ー用基板、有機エレクトロルミネッセンス用 基板、プラズマディスプレー用前面保護板、 プラズマディスプレー用電磁波防止板、フィ ールドエミッションディスプレー用前面保護 板、圧電素子を使用し特定部位の光を前面拡 散させる導光板、偏光子、検光子等を構成す るプリズム、回折格子、内視鏡、高エネルギ ーレーザーを導波する内視鏡、ダハミラーに 代表されるカメラ用ミラーもしくはハーフミ ラー、(自動車用ヘッドライトレンズ、自動 用ヘッドライト用リフレクター等の)車両用 具に使用される透明材、太陽電池用前面保 板、住宅用窓ガラス、移動体(自動車、電車 、船舶、航空機、宇宙船、宇宙基地、人工衛 星等)用窓ガラス、窓ガラス用反射防止フィ ム、半導体露光時の防塵フィルム、電子写 感光材用保護フィルム、紫外光により書き みもしくは書き換え可能な半導体(EPROM等)封 材、発光ダイオード封止材、紫外光発光ダ オード封止材、白色発光ダイオード封止材 SAWフィルター、光学的バンドパスフィルタ 、第二次高調波発生体、カー効果発生体、 スイッチ、光インターコネクション、光ア ソレーター、光導波路、有機エレクトロル ネッセンスを使用した面発光体部材、半導 微粒子を分散させた面発光体部材、蛍光物 を溶解または分散させた蛍光体等が挙げら る。

・導光体
 導光体は、公知の各種の形状において形成 れ得るものであって、例えば板状、ブロッ 状、ロッド状、屈曲形状、湾曲形状等の各 の形態とされ、また少なくとも片面にスク ーン印刷でドットを付けたものや、例えばV 溝のような線状パターン、半球レンズ状の凹 凸、シボパターンを導光体の表面に賦型した ものも、その対象とされる。

・光拡散性成形体
 光拡散性成形体は、上記したβ-ピネン系共 合体に対して、従来と同様な光拡散剤が更 配合されて含有せしめられ、そしてその得 れた光拡散性組成物を用いて、板状、ブロ ク状等の所定の形状の成形体が成形される ととなる。
・機能性薄膜
 β-ピネン系共重合体を用いた基板の少なく も片面に、コーティングによって形成され 機能性薄膜は、特に限定されるものではな が、好ましくは帯電防止層、反射防止層、 ードコート層、透明導電層、アンチグレア 等の機能性を有する薄膜である。

・光学フィルム
 β-ピネン系共重合体を用いた光学用フィル は、特に偏光板保護フィルムに好適となる そのような光学用フィルムを成形する方法 、特に制限されるものではなく、例えば、 液流延法や溶融押出法等の、従来から公知 各種の方法を採用することが出来る。その でも、溶剤を使用しない溶融押出法の方が 地球環境上や作業環境上、或いは製造コス の観点から、好ましく採用される。また、 相差等の光学性能を特に向上させるために 、溶液流延法も、有利に用いられる。

・レンズシート
 レンズシートとは、シート主面の少なくと 一方に形成された1つ又は複数のレンズ形状 によって構成されるレンズ群からなるレンズ 部にて、シートに照射された光線の方向を変 化させ、集光、屈折、反射、分散等の機能を 有するものを指している。そして、そのよう なレンズシートとしては、一般に、プリズム シート、フレネルレンズシート、レンチキュ ラーレンズシート、マイクロレンズアレイシ ート等と称すものが、含まれることとなる。

・プラスチックレンズ
 プラスチックレンズとは、レンズ機能を有 るプラスチック成形体を意味し、特に限定 れるものではないが、眼鏡レンズ、カメラ ンズ、双眼鏡レンズ、顕微鏡レンズ、プロ ェクターレンズ、fθレンズ又はピックアッ レンズ等の各種レンズが、該当する。

・車両用灯具
 車両用灯具の「灯具」とは、光源とランプ バーとを少なくとも有するものとして、用 られており、また「車両」とは、二輪自動 、三輪自動車、四輪自動車、その他の自動 、鉄道車両、フォークリフトその他の産業 車両等々、広義の車両を意味するものとし 、用いられている。そして、「車両灯具」 は、こうした各種車両に装着された照明用 しくは識別用、標識用の灯具を意味し、特 限定はされないが、前照灯(ヘッドランプ) 尾灯(テールランプ)、制動灯(ストップラン )、方向指示灯(所謂ウインカー)、車幅灯、 退灯等が該当する。

・医療機材
 医療用器材としては、例えば、注射用の液 薬品容器、アンプル、プレフィルドシリン 、輸液用バッグ、固形薬品容器、点眼薬容 、点滴薬容器等の、液体又は粉体、固体の 品容器;血液検査用のサンプリング用試験管 、採血管、検体容器等のサンプル容器;メス カンシ(鉗子)、ガーゼ、コンタクトレンズ等 の医療材料等の滅菌容器;注射器等の医療器 ;ビーカー、シャーレ、フラスコ等の医療用 験器具;医療検査用プラスチックレンズ等の 光学部品;医療用輸液チューブ、配管、継ぎ 、バルブ等の配管材料;義歯床、人工心臓、 造歯根等の人工臓器やその部品等が、例示 れる。

 以上、本発明の実施形態について説明し が、本発明は上記の具体例に限定されるも ではない。また、例示した材料は、特に説 がない限り、単独で用いても組み合わせて いてもよい。

 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳 く説明するが、本発明はこれらの実施例に 定されるものではない。

参考例1
 充分乾燥させたガラス製コック付フラスコ 充分に窒素置換した後、これに、脱水したN -ヘキサンの1100質量部と、脱水した塩化メチ ンの1100質量部と、蒸留精製したβ-ピネンの 23質量部と、α-メチルスチレンの20質量部と 脱水したトリエチルアミンの4.5質量部とを え、-78℃の温度に冷却した。更に、-78℃で 拌しながら、二塩化エチルアルミニウムの1. 0mol/Lヘキサン溶液の70質量部を加え、重合を 始した。10分間重合した後、メタノールの10 質量部を添加して、重合を終了させた。その 後、室温にて減圧して塩化メチレンを除いた 後、蒸留水の800質量部にクエン酸の20質量部 添加した水溶液を添加し、30分撹拌した。 層を抜き取り、蒸留水を加えて水層が中性 なるまで洗浄し、触媒を除去した。かくし 得られたメチルシクロヘキサン層をメタノ ル/アセトン(60/30vol%)の混合溶媒の10000質量部 に再沈殿後、充分に乾燥して、β-ピネン/α- チルスチレン共重合体(A1)の39質量部を得た この得られたβ-ピネン/α-メチルスチレン共 合体(A1)の重量平均分子量は33,000、数平均分 子量は20,000、 1 H-NMRから求めたβ-ピネン/α-メチルスチレンユ ニットの質量比は51/49であった。

参考例2
 充分乾燥させたガラス製コック付フラスコ 充分に窒素置換した後、これに、脱水したN -ヘキサンの1100質量部と、脱水した塩化メチ ンの1100質量部と、蒸留精製したβ-ピネンの 37質量部と、α-メチルスチレンの8質量部と、 脱水したトリエチルアミンの4.5質量部とを加 え、-78℃の温度に冷却した。更に、-78℃で撹 拌しながら、二塩化エチルアルミニウムの1.0 mol/Lヘキサン溶液の70質量部を加え、重合を 始した。10分間重合した後、メタノールの10 量部を添加して、重合を終了させた。その 、室温にて減圧して塩化メチレンを除いた 、蒸留水の800質量部にクエン酸の20質量部 添加した水溶液を添加し、30分撹拌した。水 層を抜き取り、蒸留水を加えて水層が中性に なるまで洗浄し、触媒を除去した。かくして 得られたメチルシクロヘキサン層をメタノー ル/アセトン(60/30vol%)の混合溶媒の10000質量部 再沈殿後、充分に乾燥して、β-ピネン/α-メ チルスチレン共重合体(A2)の39質量部を得た。 この得られたβ-ピネン/α-メチルスチレン共 合体(A2)の重量平均分子量は38,000、数平均分 量は22,000、 1 H-NMRから求めたβ-ピネン/α-メチルスチレンユ ニットの質量比は81/19であった。

参考例3
 十分乾燥させたガラス製コック付フラスコ 、十分窒素置換した後、脱水したN-ヘキサ 208質量部、脱水した塩化メチレン240質量部 脱水したジエチルエーテル0.58質量部を加え -78℃に冷却した。さらに-78℃で撹拌しなが 、二塩化エチルアルミニウムの1.0mol/Lヘキ ン溶液8.2質量部を加えた。さらに-78℃に保 した状態でp-ジクミルクロライドの0.1mol/Lヘ サン溶液4.4質量部を加えたところ赤燈色に 化した。ただちに蒸留精製したβ-ピネン38 量部およびα-メチルスチレン8質量部およびp -ジイソプロペニルベンゼン1.6質量部の混合 ノマー溶液を1時間かけて添加したところ次 に濃燈色になり、溶液の粘度が上昇した。 合モノマー溶液の添加終了後、メタノール6 質量部を添加して、反応を終了した。蒸留水 100質量部にクエン酸5質量部を添加した水溶 を添加し、5分撹拌した。水層を抜き取り、 留水を加えて水層が中性になるまで洗浄し アルミ化合物を除去した。得られた有機層 メタノール/アセトン(60/40vol%)の混合溶媒5000 質量部に再沈後、十分に乾燥してβ-ピネン/α -メチルスチレン共重合体(A3)45質量部を得た 得られたβ-ピネン/α-メチルスチレン共重合 (A3)の重量平均分子量は150,000、数平均分子 は39,000、 1 H-NMRから求めたβ-ピネン/α-メチルスチレンユ ニットの質量比は78/22、ガラス転移温度は103 であった。

参考例4
 混合モノマー溶液を蒸留精製したβ-ピネン2 3質量部およびα-メチルスチレン20質量部およ びp-ジイソプロペニルベンゼン1.6質量部であ 混合モノマー溶液に変更した以外は参考例3 と同様にしてβ-ピネン/α-メチルスチレン共 合体(A4)44質量部を得た。得られたβ-ピネン/ -メチルスチレン共重合体(A4)の重量平均分子 量は199,000、数平均分子量は41,000、 1 H-NMRから求めたβ-ピネン/α-メチルスチレンユ ニットの質量比は48/52、ガラス転移温度は133 であった。

参考例5
 混合モノマー溶液を蒸留精製したβ-ピネン2 3質量部およびインデン20質量部である混合モ ノマー溶液に変更した以外は参考例3と同様 してβ-ピネン/インデン共重合体(A5)44質量部 得た。得られたβ-ピネン/インデン共重合体 (A5)の重量平均分子量は59,400、数平均分子量 25,900、 1 H-NMRから求めたβ-ピネン/インデンユニットの 質量比は52/48、ガラス転移温度は140℃であっ 。

実施例1
 次いで、窒素置換した撹拌装置付き耐圧容 内に、シクロヘキサンの123質量部と、上記 得られたβ-ピネン/α-メチルスチレン共重合 体(A1)の30質量部を収容し、撹拌することによ り、β-ピネン/α-メチルスチレン共重合体(A1) 完全に溶解した。その後、水素添加触媒と て、5%パラジウム担持カーボン(品番:E1002NN/W  エボニック デグサ ジャパン株式会社製) 15質量部を加え、撹拌して、充分に分散させ た後、かかる耐圧容器内を充分に水素で置換 し、撹拌しながら、130℃、水素圧力:20MPa で 15時間反応させた後、常圧に戻した。反応 の溶液を0.5μmのテフロン(登録商標)フィルタ ーによりろ過して、触媒を分離除去した後、 メタノール/アセトン(60/40vol%)の混合溶媒の300 0質量部に再沈殿せしめ、その後、充分に乾 して、β-ピネン系共重合体(H1)の29質量部を た。かくして得られたβ-ピネン系共重合体(H 1)の 1 H-NMRを測定したところ、残存するオレフィン 二重結合は0.4モル%、残存する芳香族環は2.3 モル%であった。ガラス転移温度は156℃であ た。また 1 H-NMRにおいて6~8ppmのプロトンの積分値の全プ トンの積分値に対する割合は5.2×10 -3 、また4.5~6ppmのプロトンの積分値の全プロト の積分値に対する割合は2.1×10 -4 であった。この得られたβ-ピネン系共重合体 (H1)の重量平均分子量は31,000、数平均分子量 18,400であった。評価結果を表1に示す。

実施例2
 次いで、β-ピネン/α-メチルスチレン共重合 体(A1)に変えて、β-ピネン/α-メチルスチレン 重合体(A2)を用いた以外は、実施例1と同様 してβ-ピネン系共重合体(H2)を得た。かくし 得られたβ-ピネン系共重合体(H2)の 1 H-NMRを測定したところ、残存するオレフィン 二重結合は1.6モル%、残存する芳香族環は2.5 モル%であった。ガラス転移温度は142℃であ た。また 1 H-NMRにおいて6~8ppmのプロトンの積分値の全プ トンの積分値に対する割合は5.5×10 -3 、また4.5~6ppmのプロトンの積分値の全プロト の積分値に対する割合は9.0×10 -4 であった。この得られたβ-ピネン系共重合体 (H2)の重量平均分子量は36,000、数平均分子量 20,100であった。評価結果を表1に示す。

実施例3
 β-ピネン/α-メチルスチレン共重合体(A1)に えて、β-ピネン/α-メチルスチレン共重合体( A3)を用いた以外は、実施例1と同様にしてβ- ネン系共重合体(H3)を得た。かくして得られ β-ピネン系共重合体(H3)の 1 H-NMRを測定したところ、残存するオレフィン 二重結合は1.9モル%、残存する芳香族環は8.1 モル%であった。ガラス転移温度は144℃であ た。また 1 H-NMRにおいて6~8ppmのプロトンの積分値の全プ トンの積分値に対する割合は5.6×10 -3 、また4.5~6ppmのプロトンの積分値の全プロト の積分値に対する割合は9.1×10 -4 であった。この得られたβ-ピネン系共重合体 (H3)の重量平均分子量は98,000、数平均分子量 29,300であった。評価結果を表1に示す。

実施例4
 β-ピネン/α-メチルスチレン共重合体(A1)に えて、β-ピネン/α-メチルスチレン共重合体( A4)を用いた以外は、実施例1と同様にしてβ- ネン系共重合体(H4)を得た。かくして得られ β-ピネン系共重合体(H4)の 1 H-NMRを測定したところ、残存するオレフィン 二重結合は0.6モル%、残存する芳香族環は2.8 モル%であった。ガラス転移温度は160℃であ た。また 1 H-NMRにおいて6~8ppmのプロトンの積分値の全プ トンの積分値に対する割合は5.2×10 -3 、また4.5~6ppmのプロトンの積分値の全プロト の積分値に対する割合は2.1×10 -4 であった。この得られたβ-ピネン系共重合体 (H4)の重量平均分子量は79,200、数平均分子量 24,300であった。評価結果を表1に示す。

実施例5
 β-ピネン/α-メチルスチレン共重合体(A1)に えて、β-ピネン/インデン共重合体(A5)を用い た以外は、実施例1と同様にしてβ-ピネン系 重合体(H5)を得た。かくして得られたβ-ピネ 系共重合体(H5)の 1 H-NMRを測定したところ、残存するオレフィン 二重結合は2.9モル%、残存する芳香族環は9.8 モル%であった。ガラス転移温度は188℃であ た。また 1 H-NMRにおいて6~8ppmのプロトンの積分値の全プ トンの積分値に対する割合は1.3×10 -2 、また4.5~6ppmのプロトンの積分値の全プロト の積分値に対する割合は9.2×10 -4 であった。この得られたβ-ピネン系共重合体 (H5)の重量平均分子量は41,000、数平均分子量 23,800であった。評価結果を表1に示す。

 なお、上記した各工程で得られる材料につ て、また下記の工程で製造される材料につ
いて、その物性測定は、以下の如くして行っ た。
○成形
 得られたβ-ピネン系共重合体は、プレス成 もしくは射出成形にて試験片を作製した。 レス成形は180℃にて50mm×50mm×3mmtサイズの成 形体を得た。射出成形は、シリンダ温度240℃ 、金型温度60℃、金型は50mm×50mm×3mmtを用いて 実施した。
○分子量
 数平均分子量及び重量平均分子量は、何れ 、ゲル・パーミエーション・クロマトグラ ィー(GPC)による測定に基づき、ポリスチレ 換算値で求められたものである。ここでは GPC装置として、東ソー株式会社製のHLC-8020( 番)を用い、カラムとして、東ソー株式会社 のTSKgel・GMH-Mの2本とG2000Hの1本とを直列に繋 いだものを用いた。
○残存二重結合率
 JEOL製 400MHzマグネットの核磁気共鳴装置を いて室温にて1000回積算にて測定した。得ら れた 1 H-NMRスペクトル(テトラメチルシラン(TMS)のプ トンを0ppmとする)。4.5~6ppmの積分値をβ-ピネ ン由来のオレフィン性二重結合とし、6~8ppmの 積分値を芳香族環とし、残存二重結合率を算 出した。
○ガラス転移温度(Tg)
 充分に乾燥して、溶媒を除去したサンプル 用いて、示差走査熱量測定法(DSC)により測 した。ここでは、測定装置としては、メト ー・トレド株式会社製のDSC30(品番)を用いた
○全光線透過率
 株式会社村上色彩研究所製のHR-100(品番)を いて、JIS-K-7361-1に準拠して、測定した。

○耐光性試験
 ASTM-G53に準じて、100時間の促進暴露試験を い、YI(イエロー・インデックス)の試験前と 験後における黄変度(δYI)を測定した。ここ は、紫外線曝露試験機(株式会社東洋精機製 作所製ATLAS-UVCON)を用いた。YIの測定は、JIS-K-7 373に準じて行った。そして、以下の判定基準 に従って、評価した。
 δYI=(紫外線暴露100時間後のYI)-(紫外線暴露 のYI)
 ○:δYI ≦ 10  長期の耐光性が良好
 ×:10 < δYI  長期の耐光性が不良

比較例1
 充分乾燥させたガラス製コック付フラスコ 充分に窒素置換した後、これに、脱水したN -ヘキサンの1100質量部と、脱水した塩化メチ ンの1100質量部と、蒸留精製したβ-ピネンの 40質量部と、脱水したトリエチルアミンの4.5 量部とを加え、-78℃の温度に冷却した。更 、-78℃で撹拌しながら、二塩化エチルアル ニウムの1.0mol/Lヘキサン溶液の70質量部を加 え、重合を開始した。10分間重合した後、メ ノールの10質量部を添加して、重合を終了 せた。その後、室温にて減圧して塩化メチ ンを除いた後、蒸留水の800質量部にクエン の20質量部を添加した水溶液を添加し、30分 拌した。水層を抜き取り、蒸留水を加えて 層が中性になるまで洗浄し、触媒を除去し 。かくして得られたメチルシクロヘキサン をメタノール/アセトン(60/30vol%)の混合溶媒 10000質量部に再沈殿後、充分に乾燥して、β -ピネン重合体(B1)の39質量部を得た。この得 れたβ-ピネン重合体(B1)の重量平均分子量は5 3,000、数平均分子量は32,000であった。

 窒素置換した撹拌装置付き耐圧容器内に、 クロヘキサンの127質量部と、上記で得られ β-ピネン重合体(B1)の25質量部を収容し、撹 することにより、β-ピネン重合体(A1)を完全 に溶解した。その後、水素添加触媒として、 5%パラジウム担持アルミナ粉末(エヌ・イーケ ムキャット株式会社製)の7.5質量部を加え、 拌して、充分に分散させた後、かかる耐圧 器内を充分に水素で置換し、撹拌しながら 160℃、水素圧力:5MPa で、25時間反応させた 、常圧に戻した。反応後の溶液を0.5μmのテ ロン(登録商標)フィルターによりろ過して、 触媒を分離除去した後、メタノール/アセト (60/40vol%)の混合溶媒の3000質量部に再沈殿せ め、その後、充分に乾燥して、β-ピネン系 合体(B2)の24質量部を得た。かくして得られ β-ピネン系重合体(B2)の 1 H-NMRを測定したところ、残存するオレフィン 二重結合は1.7モル%であった。ガラス転移温 度は129℃であった。また 1 H-NMRにおいて6~8ppmのプロトンの積分値の全プ トンの積分値に対する割合は9.1×10 -4 、また4.5~6ppmのプロトンの積分値の全プロト の積分値に対する割合は9.7×10 -4 であった。この得られたβ-ピネン系重合体(B2 )の重量平均分子量は51,900、数平均分子量は31 ,600であった。評価結果を表2に示す。

比較例2
 参考例1で得られたβ-ピネン/α-メチルスチ ン共重合体(A1)を本比較例とした。

比較例3
 参考例2で得られたβ-ピネン/α-メチルスチ ン共重合体(A2)を本比較例とした。評価結果 表2に示す。

比較例4
 特開2002-121231の実施例12と同様にしてインデ ン/β-ピネン共重合体(B3)を得た。得られたイ デン/β-ピネン共重合体(B3)の重量平均分子 は64,000、数平均分子量は24,300であった。イ デン/β-ピネン共重合体(B3)の評価結果を表2 示す。

比較例5
 混合モノマー溶液を蒸留精製したβ-ピネン4 2質量部およびα-メチルスチレン4質量部であ 混合モノマー溶液に変更した以外は参考例3 と同様にしてβ-ピネン/α-メチルスチレン共 合体(A6)45質量部を得た。得られたβ-ピネン/ -メチルスチレン共重合体(A6)の重量平均分子 量は43,000、数平均分子量は23,700、 1 H-NMRから求めたβ-ピネン/α-メチルスチレンユ ニットの質量比は90/10、ガラス転移温度は97 であった。

比較例6
 β-ピネン/α-メチルスチレン共重合体(A1)に えて、β-ピネン/α-メチルスチレン共重合体( A6)を用いた以外は、実施例1と同様にしてβ- ネン系共重合体(H6)を得た。かくして得られ β-ピネン系共重合体(H6)の 1 H-NMRを測定したところ、残存するオレフィン 二重結合は0.5モル%、残存する芳香族環は3.7 モル%であった。ガラス転移温度は134℃であ た。また 1 H-NMRにおいて6~8ppmのプロトンの積分値の全プ トンの積分値に対する割合は5.2×10 -3 、また4.5~6ppmのプロトンの積分値の全プロト の積分値に対する割合は2.5×10 -4 であった。この得られたβ-ピネン系共重合体 (H6)の重量平均分子量は39,000、数平均分子量 23,500であった。評価結果を表2に示す。

参考例6 [水素添加触媒の調製]
 トリイソブチルアルミニウム(東ソー・ファ インケム株式会社製)をあらかじめシクロヘ サンに20%の濃度で溶解しておいた溶液を、 素置換したガラス製ナスフラスコに窒素気 下で29.2ml添加し、0℃に冷却した。そこに、2 -エチルヘキサン酸ニッケル(キシダ化学株式 社製)のトルエン溶液(ニッケル6%)を窒素気 下で7.4ml添加し、均一系水素添加触媒を調製 した。

比較例7
 窒素置換した撹拌装置付き耐圧容器内に、 クロヘキサンの123質量部と、上記で得られ β-ピネン/α-メチルスチレン共重合体(A1)の30 質量部を収容し、撹拌することにより、β-ピ ネン/α-メチルスチレン共重合体(A1)を完全に 解した。耐圧容器内を十分に水素で置換し 室温下、1000rpmで撹拌しながら、参考例6で 製した水素添加触媒を7質量部添加した。た ちに、水素で1MPaまで加圧し、50℃まで昇温 た。50℃に昇温後、さらに水素添加触媒を7 量部添加し、120℃まで昇温した。120℃で9時 間反応させた後、常圧・室温に戻した。蒸留 水100質量部にクエン酸8.1質量部と30%過酸化水 素水溶液4.8質量部を添加した水溶液を耐圧容 器に添加し、30分撹拌した。水層を抜き取り 蒸留水を加えて水層が中性になるまで洗浄 、触媒を除去した。得られたシクロヘキサ 層をメタノール/アセトン(60/40vol%)の混合溶 の3000質量部に再沈殿せしめ、その後、充分 に乾燥して、β-ピネン系共重合体(H7)の29質量 部を得た。かくして得られたβ-ピネン系共重 合体(H7)の 1 H-NMRを測定したところ、残存するオレフィン 二重結合は50モル%、残存する芳香族環は94 ル%であった。ガラス転移温度は139℃であっ 。また 1 H-NMRにおいて6~8ppmのプロトンの積分値の全プ トンの積分値に対する割合は0.17、また4.5~6p pmのプロトンの積分値の全プロトンの積分値 対する割合は0.019であった。この得られたβ -ピネン系共重合体(H7)の重量平均分子量は29,6 00、数平均分子量は17,100であった。評価結果 表2に示す。

 実施例からβ-ピネン単位30~80質量%及び芳香 系単量体単位70~20質量%からなり、オレフィ 性二重結合を80モル%以上水素化添加してな β-ピネン系共重合体は、耐熱性が高く、か 全光線透過率、耐光性に優れていることが かる。
 実施例および比較例1、比較例5、比較例6か 、芳香族性単量体を含まないもしくは20質 %未満であると耐熱性が低いことがわかる。
 実施例および比較例2、比較例3、比較例4、 較例7から、オレフィン性二重結合を80モル% 以上水素化添加することで耐光性、耐熱性が 改善されることがわかる。
 実施例1および比較例7から、カーボンに固 したパラジウム触媒の存在下で、オレフィ 性二重結合および芳香族環を水素化するこ で、オレフィン性二重結合が90モル%以上か 芳香族性単量体由来の芳香族が80%以上水素 されることがわかる。




 
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