大陽日酸株式会社 (〒58 東京都品川区小山一丁目3番26号 Tokyo, 14285, JP)
| タングステン電極の周囲にインサートチップを配し、このインサートチップの周囲にシールドキャップを配し、タングステン電極の先端部がインサートチップの先端部よりも内側に位置し、タングステン電極とインサートチップとの間隙に不活性ガスからなるセンターガスを流し、インサートチップとシールドキャップとの間隙にアウターガスを流すようにしたプラズマ溶接トーチを用い、ステンレス鋼のプラズマ溶接を行う際に用いられるプラズマ溶接用アウターガスであって、 このアウターガスが、炭酸ガス0.5~2vol%、残部不活性ガスの混合ガスであるプラズマ溶接用アウターガス。 |
| タングステン電極の周囲にインサートチップを配し、このインサートチップの周囲にシールドキャップを配し、タングステン電極の先端部がインサートチップの先端部よりも内側に位置し、タングステン電極とインサートチップとの間隙にセンターガスを流し、インサートチップとシールドキャップとの間隙にアウターガスを流すようにしたプラズマ溶接トーチを用いて、ステンレス鋼のプラズマ溶接を行う工程を有し、 前記プラズマ溶接を行う際に、センターガスに不活性ガスを用い、アウターガスに炭酸ガス0.5~2vol%、残部不活性ガスの混合ガスを用いるプラズマ溶接法。 |
| プラズマ溶接時に、被溶接材に裏当金を当てない請求項2に記載のプラズマ溶接法。 |
| タングステン電極の周囲にインサートチップを配し、このインサートチップの周囲にシールドキャップを配し、タングステン電極の先端部がインサートチップの先端部よりも内側に位置し、タングステン電極とインサートチップとの間隙に不活性ガスからなるセンターガスを流し、インサートチップとシールドキャップとの間隙にアウターガスを流すようにしたプラズマ溶接トーチを用い、炭素鋼のプラズマキーホール溶接を行う際に用いられるプラズマ溶接用アウターガスであって、 このアウターガスが、炭酸ガス0.5~2vol%、残部アルゴンの混合ガスであるプラズマ溶接用アウターガス。 |
| タングステン電極の周囲にインサートチップを配し、このインサートチップの周囲にシールドキャップを配し、タングステン電極の先端部がインサートチップの先端部よりも内側に位置し、タングステン電極とインサートチップとの間隙に不活性ガスからなるセンターガスを流し、インサートチップとシールドキャップとの間隙にアウターガスを流すようにしたプラズマ溶接トーチを用い、炭素鋼のプラズマキーホール溶接を行う際に用いられるプラズマ溶接用アウターガスであって、 このアウターガスが、酸素0.5~6vol%、残部アルゴンの混合ガスであるプラズマ溶接用アウターガス。 |
| タングステン電極の周囲にインサートチップを配し、このインサートチップの周囲にシールドキャップを配し、タングステン電極の先端部がインサートチップの先端部よりも内側に位置し、タングステン電極とインサートチップとの間隙にセンターガスを流し、インサートチップとシールドキャップとの間隙にアウターガスを流すようにしたプラズマ溶接トーチを用いて、炭素鋼のプラズマキーホール溶接を行う工程を有し、 前記プラズマキーホール溶接を行う際に、センターガスに不活性ガスを用い、アウターガスに炭酸ガス0.5~2vol%、残部アルゴンの混合ガスを用いるプラズマ溶接法。 |
| タングステン電極の周囲にインサートチップを配し、このインサートチップの周囲にシールドキャップを配し、タングステン電極の先端部がインサートチップの先端部よりも内側に位置し、タングステン電極とインサートチップとの間隙にセンターガスを流し、インサートチップとシールドキャップとの間隙にアウターガスを流すようにしたプラズマ溶接トーチを用いて、炭素鋼のプラズマキーホール溶接を行う工程を有し、 前記プラズマキーホール溶接を行う際に、センターガスに不活性ガスを用い、アウターガスに酸素0.5~6vol%、残部アルゴンの混合ガスを用いるプラズマ溶接法。 |
| プラズマキーホール溶接時に、被溶接材に裏当金を当てない請求項6又は7に記載のプラズマ溶接法。 |
この発明は、プラズマ溶接法およびこのプ
ズマ溶接法に用いられるアウターガスに関
、詳しくは厚肉の被溶接材であっても安定
裏ビードが形成できるプラズマ溶接法及び
ウターガスに関する。
本願は、2008年3月26日に日本に出願された特
願2008-080650号及び2009年2月6日に日本に出願さ
た特願2009-026121号に基づき優先権を主張し
その内容をここに援用する。
プラズマ溶接法は、TIG溶接法とともに非消
電極式溶接法に分類されるものである。プ
ズマ溶接法は、TIG溶接法に比べ、熱集中性
優れているため、ビード幅を狭く、高速に
接することができ、しかも歪が少なく溶接
ることができる。
また、プラズマ溶接法は、エネルギー密度
高いプラズマアークを利用して片面裏波溶
法であるキーホール溶接を行うことができ
。
TIG溶接法の例は、特許文献1~3に記載されて
る。
キーホール溶接は、プラズマアークが溶融
属を押し退けて母材を貫通し、キーホール
形成する。このキーホールは溶接が進行す
に連れ、溶融金属がその壁面を伝わり後方
移動して溶融池を形成し、溶接ビードとな
ものである。
このため、I型開先(square groove)の突合せの
ンパス片面溶接が可能な板厚は、炭素鋼板
約0.6から6mm、ステンレス鋼板で約0.1から8mm
なっている。
図1は、このようなプラズマ溶接法に用いら
れる溶接トーチの一例を模式的に示すもので
ある。
図1中符号1は、タングステン電極を示す。
のタングステン電極1は、タングステンある
は酸化ランタンなどの希土類元素酸化物を
量含むタングステンからなる棒状のもので
る。
このタングステン電極1はインサートチッ プ2によって包囲されている。このインサー チップ2はパイプ状のもので、タングステン 極1に対して間隙を配し、かつ同軸に設けら れている。また、図示しないが、冷却水がそ の内部を循環し、インサートチップ2が冷却 れるようになっている。
インサートチップ2はさらにシールドキャ ップ3によって包囲されている。このシール キャップ3はパイプ状のもので、インサート ップ2に対して間隔を配し、かつ同軸に設け られている。
タングステン電極1とインサートチップ2と
間隙にはアルゴン、ヘリウムなどの不活性
スからなるセンターガスが流れ、インサー
チップ2とシールドキャップ3との間隙にはア
ルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスに水素を
3~7vol%添加した混合ガスからなるアウターガ
が流れるように構成されている。
センターガスはプラズマガスとして機能し
アウターガスはシールドガスとして機能す
。
また、パイロットアーク電源4からの電流 がタングステン電極1とインサートチップ2と 印加されて予備プラズマが点火され、つい メインアーク電源5からの電流がタングステ ン電極1と被溶接材6とに印加されて、プラズ アークがタングステン電極1から被溶接材6 流れるように構成されている。
さらに、タングステン電極1の先端部は、イ
ンサートチップ2の先端部よりも内側の位置
配され、インサートチップ2の先端部分より
外側に突出していない状態となっている。
これにより、タングステン電極1は不活性ガ
スからなるセンターガスに包まれ、酸化性ガ
スに曝されることがない状態となって、溶接
に際しても酸化、消耗することがない。また
、スパッタが発生せず、長時間高品質の溶接
が可能で、しかもランニングコストを安価に
することができる。
このため、プラズマ溶接法は、主に圧力容
、配管や継手の製作の溶接施工において広
使われている。
しかしながら、従来のプラズマ溶接法にあ
ては、板厚8mm以上のステンレス鋼および板
6mm以上の炭素鋼の溶接において、安定的に
ビードを形成することが難しく、重力の影
により溶融金属の自らの重さに耐えきれな
なることで裏ビードの形状が安定しない問
がある。そのため、溶接部の裏側に裏当金
当てて溶接する事が行われている。
また、裏ビードが安定しないことで、表ビ
ドの仕上がりに影響し、手直しが必要にな
などの不都合がある。
よって、この発明における課題は、プラ マ溶接法により、板厚8mm以上のステンレス 材又は板厚6mm以上の炭素鋼材を、安定に、 つ、良好な裏ビードが形成されるように溶 することにある。
かかる課題を解決するため、
本発明の第1の態様は、タングステン電極の
周囲にインサートチップを配し、このインサ
ートチップの周囲にシールドキャップを配し
、タングステン電極の先端部がインサートチ
ップの先端部よりも内側に位置し、タングス
テン電極とインサートチップとの間隙に不活
性ガスからなるセンターガスを流し、インサ
ートチップとシールドキャップとの間隙にア
ウターガスを流すようにしたプラズマ溶接ト
ーチを用い、ステンレス鋼のプラズマ溶接を
行う際に用いられるプラズマ溶接用アウター
ガスであって、
このアウターガスが、炭酸ガス0.5~2vol%、残
不活性ガスの混合ガスであるプラズマ溶接
アウターガスである。
本発明の第2の態様は、タングステン電極の
周囲にインサートチップを配し、このインサ
ートチップの周囲にシールドキャップを配し
、タングステン電極の先端部がインサートチ
ップの先端部よりも内側に位置し、タングス
テン電極とインサートチップとの間隙にセン
ターガスを流し、インサートチップとシール
ドキャップとの間隙にアウターガスを流すよ
うにしたプラズマ溶接トーチを用いて、ステ
ンレス鋼のプラズマ溶接を行う工程を有し、
前記プラズマ溶接を行う際に、センターガ
に不活性ガスを用い、アウターガスに炭酸
ス0.5~2vol%、残部不活性ガスの混合ガスを用
るプラズマ溶接法である。
本発明においては、プラズマ溶接時に、 溶接材に裏当金(backing metal)を当てないこと が好ましい。
本発明の第3の態様は、タングステン電極の
周囲にインサートチップを配し、このインサ
ートチップの周囲にシールドキャップを配し
、タングステン電極の先端部がインサートチ
ップの先端部よりも内側に位置し、タングス
テン電極とインサートチップとの間隙に不活
性ガスからなるセンターガスを流し、インサ
ートチップとシールドキャップとの間隙にア
ウターガスを流すようにしたプラズマ溶接ト
ーチを用い、炭素鋼のプラズマキーホール溶
接を行う際に用いられるプラズマ溶接用アウ
ターガスであって、
このアウターガスが、炭酸ガス0.5~2vol%、残
アルゴンの混合ガスであるプラズマ溶接用
ウターガスである。
本発明の第4の態様は、タングステン電極の
周囲にインサートチップを配し、このインサ
ートチップの周囲にシールドキャップを配し
、タングステン電極の先端部がインサートチ
ップの先端部よりも内側に位置し、タングス
テン電極とインサートチップとの間隙に不活
性ガスからなるセンターガスを流し、インサ
ートチップとシールドキャップとの間隙にア
ウターガスを流すようにしたプラズマ溶接ト
ーチを用い、炭素鋼のプラズマキーホール溶
接を行う際に用いられるプラズマ溶接用アウ
ターガスであって、
このアウターガスが、酸素0.5~6vol%、残部ア
ゴンの混合ガスであるプラズマ溶接用アウ
ーガスである。
本発明の第5の態様は、タングステン電極の
周囲にインサートチップを配し、このインサ
ートチップの周囲にシールドキャップを配し
、タングステン電極の先端部がインサートチ
ップの先端部よりも内側に位置し、タングス
テン電極とインサートチップとの間隙にセン
ターガスを流し、インサートチップとシール
ドキャップとの間隙にアウターガスを流すよ
うにしたプラズマ溶接トーチを用いて、炭素
鋼のプラズマキーホール溶接を行う工程を有
し、
前記プラズマキーホール溶接を行う際に、
ンターガスに不活性ガスを用い、アウター
スに炭酸ガス0.5~2vol%、残部アルゴンの混合
スを用いるプラズマ溶接法である。
本発明の第6の態様は、タングステン電極の
周囲にインサートチップを配し、このインサ
ートチップの周囲にシールドキャップを配し
、タングステン電極の先端部がインサートチ
ップの先端部よりも内側に位置し、タングス
テン電極とインサートチップとの間隙にセン
ターガスを流し、インサートチップとシール
ドキャップとの間隙にアウターガスを流すよ
うにしたプラズマ溶接トーチを用いて、炭素
鋼のプラズマキーホール溶接を行う工程を有
し、
前記プラズマキーホール溶接を行う際に、
ンターガスに不活性ガスを用い、アウター
スに酸素0.5~6vol%、残部アルゴンの混合ガス
用いるプラズマ溶接法である。
本発明においては、プラズマキーホール 接時に、被溶接材に裏当金を当てないこと 好ましい。
本発明の第1及び第2の態様によれば、溶接
ーチに不活性ガスからなるセンターガスを
し、かつ不活性ガスに炭酸ガスを0.5~2vol%混
した混合ガスをアウターガスとして流して
テンレス鋼のプラズマ溶接することで、深
溶け込みが得られ、裏ビードを安定させる
とができる。このため、裏当金を当てる必
なく、板厚8mm~12mmのステンレス鋼材を溶接加
工できる。結果、裏当金(銅製)の製作や設置
コストを要しない。また、配管や容器など
裏当金を用いることができない被溶接物に
いても容易に良好な溶接を行うことができ
。
本発明の第3~第6の態様によれば、溶接トー
に不活性ガスからなるセンターガスを流し
かつアルゴンに炭酸ガスを0.5~2vol%混合した
合ガスあるいはアルゴンに酸素0.5~6vol%混合
た混合ガスをアウターガスとして流して炭
鋼のプラズマ溶接することで、深い溶け込
が得られ、キーホール溶接ができ、裏ビー
を安定させることができる。このため、裏
金を当てる必要なく、板厚6mm~10mmの炭素鋼
を溶接加工できる。結果、裏当金(銅製)の製
作や設置にコストを要しない。また、配管や
容器など、裏当金を用いることができない被
溶接物においても容易に良好な溶接を行うこ
とができる。
1・・・タングステン電極、2・・・イン ートチップ、3・・・シールドキャップ
[本発明の第1及び第2の実施形態]
本発明の第1及び第2の実施形態では、例え
図1に示したプラズマ溶接トーチを用いてプ
ズマ溶接する際、タングステン電極1とイン
サートチップ2との間隙にアルゴン、ヘリウ
などの不活性ガスまたはこれらの混合ガス
らなるセンターガスを流し、インサートチ
プ2とシールドキャップ3との間隙に炭酸ガス
0.5~2vol%、好ましくは0.6~2vol%と、アルゴン、ヘ
リウムまたはアルゴンとヘリウムの混合ガス
などの不活性ガス98~99.5vol%、好ましくは98~99.4
vol%との混合ガスからなるアウターガスを流
。
なお、第1及び第2の実施形態は、上述の第1
び第2の態様に対応している。
本発明の第1及び第2の実施形態では、この
うなセンターガスとアウターガスとの組み
わせにより、深い溶け込みが得られ、裏ビ
ドを安定させることができる効果が得られ
。
アウターガス中の炭酸ガス濃度が0.5vol%未満
の場合および2vol%を越える場合には、ともに
ビードの幅が不揃いで、ビードの蛇行、凹
が生じ、ビードが不安定になる。
また、アウターガスとして、不活性ガスと
素との混合ガスを用いた場合、あるいは不
性ガスと水素との混合ガスを用いた場合に
いても、裏ビードの幅が不揃いで、ビード
蛇行、凹凸が生じ、ビードが不安定になる
プラズマ溶接におけるセンターガスに不活
ガスを用いる点は公知であるが、アウター
スに炭酸ガス0.5~2vol%と不活性ガス98~99.5vol%
の混合ガスを用いる点は知られていない。
TIG溶接では、このような混合ガスをシール
ガスに用いることが提案されているが、溶
原理が相違し、溶接トーチの構造も異なる
で、作用効果も相違するものである。
TIG溶接において、シールドガスとしてアル
ンに0.5vol%以下の炭酸ガスを混合した混合ガ
スを用いることがあるが、この場合の炭酸ガ
スの機能は、溶融池の対流を内向対流とし、
溶け込みを深くするものである。
一方、本発明の第1及び第2の実施形態にお
て、アウターガスとして前記混合ガスを用
る場合の炭酸ガスの機能は十分解明されて
ないが、溶融池の表面張力を低下させ、こ
により溶融池全体の溶融金属の粘性が低下
、キーホールがスムースに形成され、裏ビ
ドに良好に影響するのではないかと推察さ
る。
前記センターガスの流量は、溶接条件、 溶接材の種類などによって異なるが、通常0 .1~5リットル/分程度とするのが好ましい。ま 、アウターガスの流量も溶接条件、被溶接 の種類などによって異なるが、通常5~20リッ トル/分程度とするのが好ましい。
溶接電流には、直流が用いられるが、パル
電流の方が好ましい。パルス電流としては
電流波形が矩形波であって、パルス周波数2
0~100Hz、ベース電流30~80A、ピーク電流30~200A、
ーク期間とベース期間との比率(パルス幅)1:
05~1:5とすることが望ましいが、この範囲に限
定されることはない。
ピーク電流を高くすると、発生するプラズ
アークの拡がりが絞り込まれ、キーホール
生成しやすくなって、板厚が厚いステンレ
鋼材の溶接に好適になる。
溶接速度の好適範囲は、被溶接材の種類、
さなどによって異なるが、通常3~10cm/分程度
とされる。
溶接姿勢は、下向き、上向き、立向き(vertic
al position)のいずれでもよい。上向きおよび
向き姿勢ではパルス電流の周波数を低くす
と、溶融金属の垂れ防止、裏ビード形成に
利である。
トーチの傾斜角は、0~30度程度とすることが
望ましい。
溶接トーチのインサートチップ2の先端部の
内径は、生成するプラズマアークの拡がりに
影響を与えるので重要であり、5mm以下、好ま
しくは2mm程度とすることが適切である。
また、被溶接材には、特に限定されないが
通常のステンレス鋼材が用いられる。キー
ールが良好に形成されるので、板厚が厚い
テンレス鋼材、例えば厚さ8~12mmのステンレ
鋼材に適用することができる。
また、本発明の第1及び第2の実施形態の 接においては、溶接時に被溶接材の裏側に 当金を必ずしも当てる必要はない。これは ビードが安定して形成されるためである。 のため、配管や容器などの裏当金を当てる とのできない被溶接材に対しても良好な溶 を行うことができることになる。
[本発明の第3~第6の実施形態]
本発明の第3~第6の実施形態では、例えば図1
に示したプラズマ溶接トーチを用いて、炭素
鋼を被溶接材としてプラズマ溶接する際、タ
ングステン電極1とインサートチップ2との間
にアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスま
はこれらの混合ガスからなるセンターガス
流し、インサートチップ2とシールドキャッ
プ3との間隙に流すアウターガスとして以下
2種の混合ガスを用いるものである。
1)炭酸ガス0.5~2vol%、好ましくは0.5~1vol%、残
アルゴンの混合ガス、
2)酸素0.5~6vol%、好ましくは0.5~3vol%、残部ア
ゴンの混合ガス。
なお、第3~第6の実施形態は、上述の第3~第6
態様に対応している。
本発明の第3~第6の実施形態では、このよう
センターガスとアウターガスとの組み合わ
により、深い溶け込みが得られ、キーホー
溶接ができ、裏ビードを安定させることが
きる効果が得られる。
アウターガス中の炭酸ガス濃度が0.5vol%未満
の場合および2vol%を越える場合には、あるい
酸素濃度0.5vol%未満の場合および6vol%を越え
場合には、ともに裏ビードの幅が不揃いで
ビードの蛇行、凹凸が生じ、ビードが不安
になる。
また、アウターガスとして、不活性ガスと
素との混合ガスを用いた場合においても、
ビードの幅が不揃いで、ビードの蛇行、凹
が生じ、ビードが不安定になる。
炭素鋼のプラズマ溶接におけるセンターガ
に不活性ガスを用いる点は公知であるが、
ウターガスに前記2種の混合ガスを用いる点
は知られていない。
TIG溶接では、このような混合ガスをシール
ガスに用いることが提案されているが、溶
原理が相違し、溶接トーチの構造も異なる
で、作用効果も相違するものである。
上述の通り、TIG溶接において、シールドガ
としてアルゴンに0.5vol%以下の炭酸ガスを混
合した混合ガスを用いることがあるが、この
場合の炭酸ガスの機能は、溶融池の対流を内
向対流とし、溶け込みを深くするものである
。
一方、本発明の第3~第6の実施形態において
アウターガスとして前記混合ガスを用いる
合の炭酸ガスの機能は十分解明されていな
が、溶融池の表面張力を低下させ、これに
り溶融池全体の溶融金属の粘性が低下し、
ーホールがスムースに形成され、裏ビード
良好に影響するのではないかと推察される
前記センターガスの流量は、溶接条件、 溶接材の種類などによって異なるが、通常0 .1~5リットル/分程度とするのが好ましい。ま 、アウターガスの流量も溶接条件、被溶接 の種類などによって異なるが、通常5~20リッ トル/分程度とするのが好ましい。
溶接電流には、直流が用いられるが、パル
電流であってもよい。電流値は被溶接材の
さ、種類、溶接速度などの要因によって左
されるが、通常100~300Aの範囲とされる。
溶接速度は、炭素鋼材の種類、厚さなどに
って好適範囲が異なるが、通常3~10cm/分程度
とされる。
溶接姿勢は、下向き、上向き、立向きのい
れでもよい。上向きおよび立向き姿勢では
ルス電流の周波数を低くすると、溶融金属
垂れ防止、裏ビード形成に有利である。
トーチの傾斜角は、0~30度程度とすることが
望ましい。
溶接トーチのインサートチップ2の先端部の
内径は、生成するプラズマアークの拡がりに
影響を与えるので重要であり、5mm以下、好ま
しくは3.2mm程度とすることが適切である。
また、被溶接材には、通常の炭素鋼材が用
られ、キーホールが良好に形成されるので
板厚が厚い、例えば厚さ6~10mmの炭素鋼に適
できる。V型、U型の開先を設ける場合は、
ート面を10mm以下とした時には板厚の制限は
い。
また、本発明の第3~第6の実施形態の溶接 おいては、溶接時に被溶接材の裏側に裏当 を必ずしも当てる必要はない。これは裏ビ ドが安定して形成されるためである。この め、配管や容器などの裏当金を当てること できない被溶接材に対しても良好な溶接を うことができることになる。
以下、本発明における効果を確認するため
以下の試験例によって特性の確認試験を行
た。
(試験例1)
以下の溶接条件にて、ステンレス鋼板の板
8mmを用いて、ビードオンプレート(bead-on-plat
e)によるプラズマ溶接を行い、裏ビードの安
性を調べた。
<溶接条件>
溶接方式:プラズマ溶接(非消耗式電極溶接)
溶接母材:SUS304(板厚8mm)
溶接方法:プラズマ溶接法(下向姿勢)
電極:2%酸化ランタン入りタングステン φ4.8
mm
センターノズル母材間距離:3.5mm
トーチ傾斜角度:前進角20度
溶接電流:ピーク電流=120A ベース電流=50A
溶接速度:6cm/min
パルス幅:50%
パルス周波数:50Hz
ノズル内径:2mm
裏当金:なし
使用したセンターガスとアウターガスとの
み合わせは、以下の1)~4)に記載の通りであ
た。%はすべて容積基準である。
1)センターガス:100%Ar;アウターガス:97~99.5%Ar
0.5~3%CO 2
との混合ガス
2)センターガス:100%Ar;アウターガス:100%Ar
3)センターガス:100%Ar;アウターガス:99~99.5%Ar
0.5~1%O 2
との混合ガス
4)センターガス:93%Arと7%H 2
との混合ガス;アウターガス:93%Arと7%H 2
との混合ガス
1)に記載のガスの組み合わせは本発明の第1
び第2の態様に該当するものであり、2)~4)に
載のガスの組み合わせは比較用であった。
た、流量は、すべてセンターガス1.6リット
/分、アウターガス10リットル/分とした。
結果を図2に示す。図2には、表ビードと裏
ードとの外観を撮影した写真を示し、その
観から、合否を判断した。
○:合 格(裏ビードの幅が揃っており、蛇行
や凹凸がなく安定している。)
×:不合格(裏ビードの幅が不揃いであり、蛇
行や凹凸があり不安定である。)
図2の結果から、アウターガスとして、アル
ゴン98~99.5%と炭酸ガス0.5~2%の混合ガスを用い
ものが、安定した裏ビードを形成できるこ
がわかった。
(試験例2)
以下の溶接条件にて、ステンレス鋼板の板
12mmを用いて、ビードオンプレートによるプ
ラズマ溶接を行い、裏ビードの安定性を調べ
た。その結果、12mmの板厚のステンレス鋼板
も、安定した裏ビードが形成されることが
認された。
<溶接条件>
溶接方式:プラズマ溶接(非消耗式電極溶接)
溶接母材:SUS304(板厚12mm)
溶接方法:プラズマ溶接法(下向姿勢)
電極:2%酸化ランタン入りタングステン φ4.8
mm
センターノズル母材間距離:5mm
トーチ傾斜角度:前進角10度
溶接電流:ピーク電流=150A ベース電流=100A
溶接速度:6cm/min
パルス幅:20%
パルス周波数:20Hz
ノズル内径:2mm
裏当金:なし
センターガス:100%Ar
アウターガス:Ar-1%CO 2
センターガス流量:1.7リットル/分
アウターガス流量:15リットル/分
(試験例3)
以下の溶接条件にて、炭素鋼板の板厚9mmを
いて、ビードオンプレートによるプラズマ
接を行い、裏ビードの安定性を調べた。
<溶接条件>
溶接方式:プラズマ溶接(非消耗式電極溶接)
溶接母材:SS400(板厚9mm)
溶接方法:プラズマ溶接法(下向姿勢)
電極:2%酸化ランタン入りタングステン φ4.8
mm
センターノズル母材間距離:5mm
トーチ傾斜角度:前進角4度
溶接電流:220A
溶接速度:15cm/min
ノズル内径:3.2mm
裏当金:なし
アウターガスとしては、以下の1)~10)に記載
ものを用いた。%はすべて容積基準である。
なお、センターガスは、すべて100%Arであった
。
1)Ar(従来品)
・酸素混合アウターガス
2)Ar+0.5%O 2
3)Ar+1.0%O 2
4)Ar+2.0%O 2
5)Ar+3.0%O 2
6)Ar+4.0%O 2
7)Ar+5.0%O 2
8)Ar+6.0%O 2
9)Ar+7.0%O 2
・炭酸ガス混合アウターガス
10)Ar+0.5%CO 2
11)Ar+1.0%CO 2
12)Ar+2.0%CO 2
13)Ar+3.0%CO 2
流量は、すべてセンターガス2.22リットル/
、アウターガス15リットル/分とした。
結果を図3、図4に示す。図3、図4には、裏ビ
ードの外観を撮影した写真を示し、その外観
から、合否を判断している。
○:合 格(裏ビードの幅が揃っており、蛇行
や凹凸がなく安定している。)
×:不合格(裏ビードの幅が不揃いであり、蛇
行や凹凸があり不安定である。)
図3、図4の結果から、アウターガスとして
アルゴンに0.5~6vol%の酸素を添加したガスあ
いはアルゴンに0.5~2vol%の炭酸ガスを添加し
ガスが、安定した裏ビードを形成できるこ
がわかった。
