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Patent Searching and Data


Title:
PNEUMATIC TIRE AND VEHICLE WITH PNEUMATIC TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078431
Kind Code:
A1
Abstract:
A side-reinforced run-flat tire having increased run-flat durability and riding comfort is easily press-molded by a normal bladder. The side-reinforced run-flat tire has a tread part (2), shoulder parts (3), side wall parts (4), and bead parts (5). A bead core (6) and a bead filler (7) are installed in the bead parts (5). A carcass ply (8) is constructed from a body part (8a) and a folded part (8b), and its each lateral end is extended from a crown part (9) to the bead parts (5) through the inner sides of the shoulder part (3) and the side wall part (4), folded back around the outer surfaces of the bead cores (6) from the lateral inner side to the outer side in the lateral direction of the tire, and turned up to the radial outer side of the tire. Reinforcement rubber layers (11) are formed on the inner sides, in the lateral direction of the tire, of the side wall parts (4). A bead reinforcement layer (12) is formed on that side (on the left side in the figure) of the tire where stress is increased during run-flat traveling. Because those portions of the tire that are constructed from a rubber layer are left-right symmetric with respect to the equator, the side-reinforced run-flat tire can be easily press-molded by the normal bladder.

Inventors:
YAMAURA TSUNEYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/066176
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
August 21, 2007
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
YAMAURA TSUNEYOSHI (JP)
International Classes:
B60C17/00; B60C5/00; B60C15/06
Domestic Patent References:
WO2005072992A12005-08-11
Foreign References:
JP2006176116A2006-07-06
JP2001180234A2001-07-03
JPH10138719A1998-05-26
JP2001180234A2001-07-03
JPS5579707A1980-06-16
JPH06219112A1994-08-09
JPH10138719A1998-05-26
Other References:
See also references of EP 2119576A4
Attorney, Agent or Firm:
NEMOTO, Keiji (Pros Nishi-shimbashi bldg.4F 4-3, Nishi-shimbashi 2-chome, Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
 トレッド部と、そのトレッド部の両側に連なってタイヤ半径方向内側へ延びる左右一対のサイドウォール部と、そのサイドウォール部に連なり、ビードコア及びビードフィラーを有する左右一対のビード部と、前記トレッド部から前記サイドウォール部を経て前記ビード部に延長され、前記ビードコアの外周をタイヤ幅方向内側から外側へと折り返してタイヤ半径方向外側に巻き上げるように設けられたカーカスプライと、前記サイドウォール部のタイヤ幅方向内側に設けられた左右一対の補強ゴム層とを備えた空気入りタイヤにおいて、
 前記左右一対のビード部の一方は、ランフラット走行時のサイドウォール部の撓みを抑制するよう補強されたビード部であることを特徴とする空気入りタイヤ。
 前記補強されたビード部は、そのビード部内においてタイヤ半径方向に配置されたビード補強層によって補強されていることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
 前記ビード補強層のタイヤ半径方向の上端の位置は、タイヤの高さのほぼ30%以上、かつ前記カーカスプライの幅が最大となる部位の高さの80%以下であることを特徴とする請求項2記載の空気入りタイヤ。
 前記ビード補強層のタイヤ半径方向の下端の位置は、前記ビードコアの上端以上、かつタイヤの高さのほぼ15%以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の空気入りタイヤ。
 前記ビード補強層を、前記カーカスプライの折り返した部分の外側、又は前記カーカスプライの折り返した部分と前記ビードフィラーとの間、又は前記ビードフィラーと前記カーカスプライの延長された部分との間のいずれかに配置したことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 前記ビード補強層は、スチールコード又はスチールワイヤを含むプライであることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 前記補強されたビード部は、そのビードフィラーの弾性率を他方のビード部のビードフィラーの弾性率よりも高くすることにより補強されていることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
 前記一方のビードフィラーの弾性率を前記他方のビードフィラーの弾性率の125~150%にしたことを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
 前記一方のビードフィラーのタイヤ半径方向の上端の位置は、タイヤの高さのほぼ50%以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の空気入りタイヤ。
 請求項1ないし9のいずれかに記載の空気入りタイヤを装着した車両であって、
 前記補強されたビード部が、ランフラット走行時に相対的に大きな応力を受ける側に位置するように、前記空気入りタイヤを前記車両に装着したことを特徴とする空気入りタイヤ付き車両。
 ゼロ又は正のキャンバー角を持つ車輪に対しては、前記補強されたビード部が前記車両の外側に位置するように装着したことを特徴とする請求項10記載の空気入りタイヤ付き車両。
 負のキャンバー角を持つ車輪に対しては、前記補強されたビード部が前記車両の内側に位置するように装着したことを特徴とする請求項10又は11に記載の空気入りタイヤ付き車両。
 前輪に対しては、前記補強されたビード部が前記車両の外側に位置するように装着し、後輪に対しては、前記補強されたビード部が前記車両の内側に位置するように装着したことを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載の空気入りタイヤ付き車両。
Description:
空気入りタイヤ及び空気入りタ ヤ付き車両

 本発明は、空気入りタイヤ及びそのタイ を装着した車両に関し、特に、パンク状態 まま継続走行可能なランフラットタイヤ及 それを装着した車両に関する。

 車両に装着される空気入りタイヤにおい 、走行中にパンクが発生した場合、パンク 態のまま所定距離を継続走行可能なランフ ットタイヤが知られている。ランフラット イヤのパンク時の走行可能距離(以下、パン ク状態のまま走行することをランフラット走 行と言い、その走行可能距離をランフラット 耐久性と言う)を延長させるための代表的な 成としては、図4に示すように、タイヤ31の イドウォール部32のタイヤ幅方向内側に、横 断面形状がほぼ三日月状の幅広の補強ゴム層 33を設置して、パンク時にタイヤに作用する 力に対し、サイドウォール32の曲げ剛性を めてタイヤ最大幅部分の撓みを低減する、 わゆるサイド補強ランフラットタイヤがあ (特許文献1)。

 ところで、ランフラット走行中にタイヤ 加わる応力や歪みは車輪(ホイール)のキャ バー角等により非対称となるため、上記従 の対称構造のサイド補強ランフラットタイ ではその耐久性及び乗り心地の点で問題が る。

 例えば、ランフラット走行時に車輪の正 キャンバー角が増加すると、タイヤの車体 側のサイドウォール部にその反対側(車体外 側)のサイドウォール部よりも大きな応力が じ、その結果、タイヤの車体内側のサイド ォール部が早期に破損してしまうことが起 る。そこで、そのような事態を防止するた タイヤ幅方向左右の補強ゴムの内、車両へ 装着時に車体内側となる補強ゴム層を大き したものが知られている(特許文献2)。

 また、サイド補強ランフラットタイヤが ンクすると、タイヤの動負荷半径を減じた に見合う分だけパンクしたタイヤの方向に 体が傾斜するため、パンクしたタイヤにお る車体の外側のサイドウォール部の応力が 体内側のサイドウォール部の応力よりも著 く高まる。このとき、パンクしたタイヤに ける車体外側のサイドウォールにおいて撓 の度合が最大となる位置は、タイヤ最大幅 置からトレッド側(半径方向外側)に大きく っている。ところが、従来の一般的なサイ 補強ランフラットタイヤにおける補強ゴム はタイヤの最大幅位置に対応する位置で最 幅を持っていたため、パンク時に撓曲の度 が最大となる位置における補強ゴム層の厚 が不足し、前述した早期の破損が生じるお れがある。そこで、この問題を解決するた 、車両への装着時に車体外側となるサイド ォール部における補強ゴム層の最大幅位置 、従来の一般的なサイド補強ランフラット イヤのサイドウォール部における補強ゴム の最大幅位置よりもトレッド側に偏らせた のが知られている(特許文献3)。

 更に、車両の前輪と後輪とのキャンバー角 相違により、ランフラット走行時に、前輪 は車体外側となるサイドウォール部に応力 集中して故障が集中し、後輪では車体内側 なるサイドウォール部に応力が集中して故 が集中することを防止するため、サイド補 ランフラットタイヤにおけるタイヤ幅方向 右の補強ゴム層の厚みを異ならせること、 び車両の前輪では補強ゴム層の厚い側が車 外側になるように車両に装着し、後輪では 強ゴム層の厚い側が車体内側になるように 両に装着することも提案されている(特許文 献4)。

特開2001-180234号公報(図3)

特開昭55-79707号公報(第4ページ右下欄第4 ~第5ページ左上欄第17行)

特開平6-219112号公報(段落0024~0028)

特開平10-138719号公報(段落0009~0011、0012~001 4)

 しかしながら、特許文献2ないし4に記載の ンフラットタイヤは、いずれも左右の補強 ム層を赤道に対し幾何学的に左右非対称と ることによりランフラット耐久性の向上を るものであるため、下記(1)、(2)の欠点があ 。
 (1)タイヤの外面形状を赤道に対して対称に 形しようとすると、タイヤの内面形状を赤 に対して非対称にしなければならない。
 (2)カーカスラインの設定及び製造時のコン ロールが困難である。
 これらの欠点により、左右非対称の程度を きくすることは元より、タイヤの製造時に 常のブラダーにより加圧成形することが困 であるため、タイヤを非対称化しかつ非対 化されたタイヤの装着方法を最適化するこ が困難である。このため、サイド補強ラン ラットタイヤのランフラット耐久性や乗り 地の向上についての効果を充分に得ること できないという問題がある。

 本発明は、このような問題点に鑑みてなさ たものであり、その第1の目的は、ランフラ ット耐久性及び乗り心地を向上させたサイド 補強ランフラットタイヤを通常のブラダーで 容易に加圧成形できるようにすることである 。
 また、本発明の第2の目的は、サイド補強ラ ンフラットタイヤを、ランフラット走行中に タイヤに加わる応力や歪みの非対称性を考慮 して車両に最適に装着することである。

 請求項1記載の発明は、トレッド部と、その トレッド部の両側に連なってタイヤ半径方向 内側へ延びる左右一対のサイドウォール部と 、そのサイドウォール部に連なり、ビードコ ア及びビードフィラーを有する左右一対のビ ード部と、前記トレッド部から前記サイドウ ォール部を経て前記ビード部に延長され、前 記ビードコアの外周をタイヤ幅方向内側から 外側へと折り返してタイヤ半径方向外側に巻 き上げるように設けられたカーカスプライと 、前記サイドウォール部のタイヤ幅方向内側 に設けられた左右一対の補強ゴム層とを備え た空気入りタイヤにおいて、前記左右一対の ビード部の一方は、ランフラット走行時のサ イドウォール部の撓みを抑制するよう補強さ れたビード部であることを特徴とする空気入 りタイヤである。
 この構成により、ランフラット走行時のサ ドウォール部の撓みを補強されたビード部 より抑制し、ランフラット耐久性を向上さ ることができる。

 請求項2記載の発明は、請求項1記載の空気 りタイヤにおいて、前記補強されたビード は、そのビード部内においてタイヤ半径方 に配置されたビード補強層によって補強さ ていることを特徴とする空気入りタイヤで る。
 この構成により、ビード部内においてタイ 半径方向に配置されたビード補強層により ランフラット走行時のサイドウォール部の みを抑制することができるので、ランフラ ト耐久性が向上する。

 請求項3記載の発明は、請求項2記載の空気 りタイヤにおいて、前記ビード補強層のタ ヤ半径方向の上端の位置は、タイヤの高さ ほぼ30%以上、かつ前記カーカスプライの幅 最大となる部位の高さの80%以下であること 特徴とする空気入りタイヤである。
 この構成により、通常走行時の乗り心地を なわずにランフラット耐久性を向上させる とができる。

 請求項4記載の発明は、請求項2又は3に記載 空気入りタイヤにおいて、前記ビード補強 のタイヤ半径方向の下端の位置は、前記ビ ドコアの上端以上、かつタイヤの高さのほ 15%以下であることを特徴とする空気入りタ ヤである。
 この構成により、通常走行性能を悪化させ にランフラット耐久性を向上させることが きる。

 請求項5記載の発明は、請求項2ないし4のい れかに記載の空気入りタイヤにおいて、前 ビード補強層を、前記カーカスプライの折 返した部分の外側、又は前記カーカスプラ の折り返した部分と前記ビードフィラーと 間、又は前記ビードフィラーと前記カーカ プライの延長された部分との間のいずれか 配置したことを特徴とする空気入りタイヤ ある。
 この構成により、ビード補強層とカーカス ライとの交錯積層による高剛性効果が得ら るので、ランフラット耐久性が向上する。

 請求項6記載の発明は、請求項2ないし5のい れかに記載の空気入りタイヤにおいて、前 ビード補強層は、スチールコード又はスチ ルワイヤを含むプライであることを特徴と る空気入りタイヤである。
 この構成により、前記ビード補強層は高温 も安定した剛性を発揮するので、高温時の ンフラット耐久性が向上する。

 請求項7記載の発明は、請求項1記載の空 入りタイヤにおいて、前記補強されたビー 部は、そのビードフィラーの弾性率を他方 ビード部のビードフィラーの弾性率よりも くすることにより補強されていることを特 とする空気入りタイヤである。

 請求項8記載の発明は、請求項7記載の空 入りタイヤにおいて、前記一方のビードフ ラーの弾性率を前記他方のビードフィラー 弾性率の125~150%にしたことを特徴とする空気 入りタイヤである。

 請求項7又は8記載の空気入りタイヤによ ば、ランフラット走行時にサイドウォール の撓みを弾性率の高いビードフィラーによ 抑制することができるので、ランフラット 久性が向上する。

 請求項9記載の発明は、請求項7又は8に記載 空気入りタイヤにおいて、前記一方のビー フィラーのタイヤ半径方向の上端の位置は タイヤの高さのほぼ50%以下であることを特 とする空気入りタイヤである。
 この構成により、通常走行時の乗り心地を なわずにランフラット耐久性を向上させる とができる。

 請求項10記載の発明は、請求項1ないし9の いずれかに記載の空気入りタイヤを装着した 車両であって、前記補強されたビード部が、 ランフラット走行時に相対的に大きな応力を 受ける側に位置するように、前記空気入りタ イヤを前記車両に装着したことを特徴とする 空気入りタイヤ付き車両である。

 請求項11記載の発明は、請求項10に記載の 空気入りタイヤ付き車両において、ゼロ又は 正のキャンバー角を持つ車輪に対しては、前 記補強されたビード部が前記車両の外側に位 置するように装着したことを特徴とする空気 入りタイヤ付き車両である。

 請求項12記載の発明は、請求項10又は11に 載の空気入りタイヤ付き車両において、負 キャンバー角を持つ車輪に対しては、前記 強されたビード部が前記車両の内側に位置 るように装着したことを特徴とする空気入 タイヤ付き車両である。

 請求項13記載の発明は、請求項10ないし12 いずれかに記載の空気入りタイヤ付き車両 おいて、前輪に対しては、前記補強された ード部が前記車両の外側に位置するように 着し、後輪に対しては、前記補強されたビ ド部が前記車両の内側に位置するように装 したことを特徴とする空気入りタイヤ付き 両である。

 請求項10ないし13に記載の空気入りタイヤ 付き車両においては、本発明に係る空気入り タイヤを、ランフラット走行中にタイヤに加 わる応力や歪みの性質を考慮して最適に装着 したので、タイヤの性能が有効に発揮される ことになり、その結果、ランフラット耐久性 が向上する。

 本発明に係る空気入りタイヤによれば、補 ゴム層は赤道に対して左右対称とし、左右 対のビード部の一方をランフラット走行時 サイドウォール部の撓みを抑制するための 強されたビード部としたので、タイヤの外 形状を左右対称とするためにその内面形状 左右非対称とする必要はない。したがって ランフラット耐久性及び乗り心地を向上さ たサイド補強ランフラットタイヤを通常の ラダーで容易に加圧成形することができる
 また、本発明に係る空気入りタイヤ付き車 によれば、本発明に係る空気入りタイヤを その補強されたビード部が、ランフラット 行時に相対的に大きな応力を受ける側に位 するように装着したので、タイヤの性能が 効に発揮され、その結果、ランフラット耐 性が向上する。

本発明の第1の実施形態による空気入り タイヤの横断面図である。 本発明の第1の実施形態による空気入り タイヤの横断面図である。 本発明の第1及び第2の実施形態による 気入りタイヤを車両に装着した具体例を示 図である。 従来のサイド補強ランフラットタイヤ 横断面図である。

符号の説明

1,21・・・空気入りタイヤ、2・・・トレッ 部、4・・・サイドウォール部、5・・・ビ ド部、6・・・ビードコア、7・・・ビードフ ィラー、8・・・カーカスプライ、8a・・・本 体部、8b・・・折り返し部、9・・・クラウン 部、11・・・補強ゴム層、12・・・ビード補 層、22・・・高弾性ビードフィラー。

 図面を参照して本発明の実施形態を説明す 。
〔第1の実施形態〕
 図1は本発明の第1の実施形態による空気入 タイヤの横断面図である。この空気入りタ ヤ1は、全体がゴム層により形成されており 路面に接する部分であるトレッド部2と、ト レッド部2の両側からタイヤ1の半径方向内側 即ち図示されていないホイール側に連なる 対のショルダー部3と、ショルダー部3に連 る一対のサイドウォール部4と、サイドウォ ル部4に連なり、ホイールに当接するビード 部5とを備えている。

 ビード部5内には、タイヤ1の空気圧に抗 てホイールにタイヤ1を固定するためのビー コア6及びビード部5の剛性を高めるための ードフィラー7が設けられている。また、本 部8aと折り返し部8bとからなるカーカスプラ イ8が、トレッド部2の半径方向内側に位置す クラウン部9からショルダー部3及びサイド ォール部4の内側を経てビード部5にトロイダ ル状に延長され、ビードコア6の外周をタイ 回転軸方向の内側から外側へと折り返して 径方向外側に巻き上げるように設けられて る。カーカスプライ8によりタイヤ1のゴム層 が補強され、タイヤ全体の形状が形成される 。

 さらに、クラウン部9におけるカーカスプ ライ8のトレッド側には、カーカスプライ8を めつけてトレッド部2の剛性を高めるための 2枚のベルト層からなるベルト10がタイヤ1の 方向に沿って設けられている。また、サイ ウォール4のタイヤ幅方向内側には、横断面 状がほぼ三日月状の幅広の補強ゴム層11が イヤ1の周方向に沿って設けられている。

 以上の構成は従来のサイド補強ランフラ トタイヤと基本的に同じである。本実施の 態の空気入りタイヤ1では、さらに、一対の ビード部5の内の一方(図では左側)のビードフ ィラー7とカーカスプライ8の折り返し部8bと 間にビード補強層12が設けられている。この ビード補強層12により、応力の大きい側のサ ドウォール部(図1では左側)の撓みを抑制す ことができるので、ランフラット耐久性が 上する。また、補強ゴム層11が赤道に対し 左右対称であるため、空気入りタイヤ1の外 形状、特にサイドウォール部4の外面形状、 を赤道に対して左右対称とするためにその内 面形状を赤道に対して左右非対称とする必要 がないので、通常のブラダーで容易に加圧成 形することができる。次にこのビード補強層 12の配置について説明する。

 ビード補強層12のタイヤ1の半径方向にお る位置は、タイヤ1を車両に装着してランフ ラット走行したときの応力が最大となる部位 を含むように設定する。実験によれば、ラン フラット走行時にリムフランジからの突き上 げにより最大剪断応力を受ける半径方向の部 位は、JATMA YEAR BOOK 2006に規定されているタ ヤサイズが245/40R18の場合の実験結果から、 ードベース5aから半径方向外側(図1では上方 向)に20mm±その15%(つまり20mm±3mm)の部位であっ た。したがって、本実施形態では、ビード補 強層12がこの部位を含むように位置設定する とが好適である。つまり、タイヤサイズが2 45/40R18の場合には、タイヤの幅;245mm、偏平率; 40%から、タイヤの高さは245mm×0.4=98mmとなり、 かつ前記20mm、3mmはそれぞれこのタイヤの高 ;98mmのほぼ20%、3%に当たるから、この結果に づき、他のサイズのタイヤにおいても、ビ ド補強層12の設置位置をビードベース5aから のタイヤの高さのほぼ20%±3%の部位を含むよ に設けることが好適と考えられる。

 前述した半径方向の部位は、車輪のキャ バー角が正でも負でも同じである。ただし 正のキャンバー角を持っている車輪の場合 コーナーリング時に車体外側のビード部に 大剪断応力を受け、負のキャンバー角を持 ている車輪の場合は車体内側のビード部に 大剪断応力を受けるので、前者については ード補強層12が車体外側になるように車輪 装着し、後者についてはビード補強層12が車 体内側になるように車輪に装着する。なお、 タイヤ1を車両の四輪に装着した具体例につ ては、後述する第2の実施形態と関連する部 があるため、第2の実施形態の説明後に説明 する。

 また、通常走行時の乗り心地を損なわな ためには、カーカス最大幅よりも半径方向 側の剛性を過剰に高めることは好ましくな 。発明者の実験によれば、ビード補強層12 上端のビードベース5aからの高さh1は、30mm以 上、かつカーカスプライ8の本体部8aの幅が最 大となる部位のビードベース5aからの高さh2 80%以下にすることが好ましいという結果に った。ここで高さ;30mmは、245/40R18のタイヤの 高さ;98mmのほぼ30%であるから、ビードベース5 aからのタイヤの高さのほぼ30%以上、かつカ カスプライ8の本体部8aの幅が最大となる部 の高さの80%以下にすることが好ましいと考 られる。

 ビード補強層12の配置形態としては、イ サート形式、フリッパー形式、チェーファ 形式等が採用可能である。しかし、フリッ ー形式、チェーファー形式等のように補強 下端がビードコア6の下まで回り込む形態の 合、ビード補強層を設けた側と設けてない とでビード部5とリムとの当接状態が異なり 、通常走行性能を悪化させるおそれがあるた め、図1に示すようなインサート形式が好ま く、かつ、その下端のビードベース5aからの 高さh3をビードコア6の上端以上かつ15mm以下 することが好適である。この高さ;15mmは、245 /40R18のタイヤの高さ;98mmのほぼ15%であるから ビード補強層12の下端のビードベース5aから の高さh3をビードコア6の上端以上かつタイヤ の高さのほぼ15%以下にすることが好適と考え られる。

 インサート形式のビード補強層12のホイ ル軸方向(図1の左右方向)の設置位置につい は特に制限は無いが、カーカスプライ8の折 返し部8bの外側、カーカスプライ8の折り返 部8bとビードフィラー7との間(図1はこの設 例である)、ビードフィラー7とカーカスプラ イ8の本体部8aとの間等に設置することが好ま しい。このように設置することで、ビード補 強層とカーカスプライとの交錯積層による高 剛性効果が得られるからである。

 ビード補強層12としては、スチールコー 又はスチールワイヤ又は有機繊維コードを ム中に埋設したプライ、ゴムをコーティン した不織布、硬質ゴム等が適用できる。こ らの内、高温時も安定した剛性を発揮でき 点で、スチールコード又はスチールワイヤ ゴム中に埋設したプライが好ましい。

〔第2の実施形態〕
 図2は、本発明の第2の実施形態による空気 りタイヤの横断面図である。この図の空気 りタイヤ21において、図1と同一又は対応す 部分には、図1で使用した符号と同じ符号を した。本実施形態に係る空気入りタイヤ21 特徴は、一対のビード部5の内の一方(図2で 左側)にビード補強層12を設けず、高弾性ビ ドフィラー22を設けたことである。空気入り タイヤ21のその他の構成要素は、第1の実施、 形態と同じであるため、それらの構成要素に 関する説明は省略する。

 本実施の形態の空気入りタイヤ21によれ 、応力の大きい側のサイドウォール部(図2で は左側)の撓みを高弾性ビードフィラー22によ り抑制することができるので、ランフラット 耐久性が向上する。また、補強ゴム層11が赤 に対して左右対称であるため、空気入りタ ヤ21の外面形状、特にサイドウォール部4の 面形状、を赤道に対して左右対称とするた にその内面形状を赤道に対して左右非対称 する必要がないので、通常のブラダーで容 に加圧成形することができる。

 ここで、高弾性ビードフィラー22の弾性 は、ビードフィラー7の弾性率の125~150%に設 することが好適である。

 高弾性ビードフィラー22の配置について タイヤ21の半径方向、回転軸方向の順に説明 する。まず、タイヤ21の半径方向については 第1の実施形態と同様に、タイヤ21を車両に 着してランフラット走行したときの応力が 大となる部位を含むように設ける。つまり イヤサイズが245/40R18の場合、ビードベース5 aから半径方向外側に20mm±その15%の部位であ 。次に、通常走行時の乗り心地を損なわな ための条件は、高弾性ビードフィラー22のビ ードベース5aからの高さh4をタイヤ21の断面の 高さh5の50%以下にすることが好適である。な 、ビードフィラー7を設ける部位は高弾性ビ ードフィラー22と同じでも異なっても良い。

 次に、第1及び第2の実施形態の空気入りタ ヤを車両の四輪に装着した具体例について 明する。まず、第1及び第2の実施形態の空気 入りタイヤを車両に装着するときは、原則と して、ビード補強層12(第1の実施形態の場合) は高弾性ビードフィラー22(第2の実施形態の 場合)を設けた側のビード部5が、ランフラッ 走行しているときのコーナーリング時に大 な応力がかかる側になるように装着する。
 つまり、(ア)前輪は通常0.5~2°の正のキャン ー角を持っているので、ランフラット走行 ているときのコーナーリング時に大きな応 がかかるのは車体外側である。したがって ビード補強層12又は高弾性ビードフィラー22 を設けた側のビード部5が車体外側に配置さ るように装着する。このように装着するこ で、前輪においてコーナーリング時に大き 応力がかかる側の撓みが抑制されるので、 ンフラット耐久性が向上する。

 (イ)後輪については、0°又は正のキャン ー角を持っている場合、前輪と同様、ラン ラット走行しているときのコーナーリング に大きな応力がかかるのは車体外側である ら、ビード補強層12又は高弾性ビードフィラ ー22を設けた側のビード部5が車体外側に配置 されるように装着する。このように装着する ことで、後輪においてコーナーリング時に大 きな応力がかかる側の撓みが抑制されるので 、ランフラット耐久性が向上する。

 (ウ)後輪が負のキャンバー角を持ってい 場合、ランフラット走行しているときのコ ナーリング時に大きな応力がかかるのは車 内側であるから、ビード補強層12又は高弾性 ビードフィラー22を設けた側のビード部5が車 体内側に配置されるように装着する。このよ うに装着することで、接地圧が高く、応力が 大きい側の撓みが抑制されるので、ランフラ ット耐久性が向上する。

 上記(ア)~(ウ)のいずれの場合も、応力が きい側を重点補強することになるので、そ 反対側の弾性率を従来より小さくしても、 来と同程度のランフラット耐久性を確保す ことができる。このため、タイヤトータル しての縦バネ定数は、ビード部5が対称なも よりも小さく(低く)設定することが可能で り、その分、通常内圧時の乗り心地を更に 善することができる。

 図3は上記(ア)~(ウ)に従って、第1及び第2 実施形態の空気入りタイヤを車両に装着し 具体的実施例を示す図である。図中、実施 1ないし4、及び従来例1、2において、タイヤ イズ(245/40R18)、カーカスプライ(2プライの巻 き上げ)、ベルト(スチールベルト2層とキャッ プ及びレイヤー)は共通であり、前輪が正の ャンバー角を持っていることも共通である 一方、第2の実施形態に係るビード補強層12 、図1と同じくインサート形式の配置形態で カーカスプライ8の折り返し部8bとビードフ ラー7との間に配置したものであり、その材 質はスチールコード又はスチールワイヤをゴ ム中に埋設したプライである。また、第2の 施形態に係る高弾性ビードフィラー22の弾性 率は13MPa(メガ・パスカル)であり、ビードフ ラー7の弾性率は10MPaである。

 図3を参照しながら、従来例1、2、及び実 例1ないし4について詳細に説明する。なお 図3において、装着方法の欄内に記載されて るのは、車両の四輪に装着したタイヤを上 から見た概略図であり、「前」は前方を意 する。また、各タイヤの斜線の部分は補強 ム層、黒べたの部分はビード補強層、網目 部分は高弾性ビードフィラーを表す。

 従来例1は、図4に示すタイヤ31を四輪に装 着した例である。後輪キャンバー角は0~正の 当な角度に設定可能であるが、ここでは0° 場合を示している。補強ゴム層33の厚さは 右共に7mmである。以上の構成を有する従来 1のランフラット耐久性、タイヤ縦バネ定数 乗り心地をそれぞれ100とする。

 従来例2では、後輪キャンバー角は負の適 当な角度に設定可能であるが、ここでは-2° 場合を示している。後輪については、車体 側になる補強ゴム層の厚さを従来例1よりも い6mmとし、車体内側になる補強ゴム層の厚 を従来例1よりも厚い9mmとした。前輪は後輪 と逆に、車体外側になる補強ゴム層の厚さを 従来例1よりも厚い薄い9mmとし、車体内側に る補強ゴム層の厚さを従来例1よりも薄い6mm した。従来例2のランフラット耐久性は従来 例1と同等である。タイヤ縦バネ定数は従来 1より高いので、乗り心地は従来例1よりも悪 くなる。この従来例は特許文献4に記載され ものに相当する。

 実施例1では、後輪のキャンバー角は従来 例2と同じ-2°である。装着したタイヤは第1の 実施形態に係る空気入りタイヤ1である。補 ゴム層11の厚さは左右共に従来例1と同じ7mm ある。前輪及び後輪に対する空気入りタイ 1の装着方法は、前記(ア)、(ウ)に記載したと おりである。実施例1によれば、ランフラッ 耐久性は従来例1より良くなり、タイヤ縦バ 定数及び乗り心地は従来例1と同等である。 つまり、ビード補強層12を設けたことにより 補強ゴム層11を厚くせず、かつ左右対称に て、ランフラット耐久性を向上できたこと なる。

 実施例2では、後輪のキャンバー角は従来 例1と同じ0°である。装着したタイヤは第1の 施形態に係る空気入りタイヤ1である。補強 ゴム層11の厚さは左右共に従来例1と同じ7mmで ある。前輪及び後輪に対する空気入りタイヤ 1の装着方法は、前記(ア)、(イ)に記載したと りである。実施例2によれば、ランフラット 耐久性は従来例1より良くなり、タイヤ縦バ 定数及び乗り心地は従来例1と同等である。 実施例も、実施例1と同様、補強ゴム層11を くせず、かつ左右対称にして、ランフラッ 耐久性を向上できたことになる。

 実施例3では、後輪のキャンバー角は従来 例2と同じ-2°である。装着したタイヤは第2の 実施形態に係る空気入りタイヤ21である。補 ゴム層11の厚さは左右共に従来例1と同じ7mm ある。前輪及び後輪に対する空気入りタイ 21の装着方法は、前記(ア)、(ウ)に記載した おりである。実施例3によれば、ランフラッ ト耐久性は従来例1より良くなり、タイヤ縦 ネ定数及び乗り心地は従来例1と同等である 本実施例は、高弾性ビードフィラー22を設 ることにより、実施例1、2と同様、補強ゴム 層11を厚くせず、かつ左右対称にして、ラン ラット耐久性を向上できたことになる。

 実施例4では、後輪のキャンバー角は従来 例2と同じ-2°である。装着したタイヤは第1の 実施形態に係る空気入りタイヤ1である。補 ゴム層11の厚さは左右共に従来例2の薄い側 同じ6mmである。前輪及び後輪に対する空気 りタイヤ1の装着方法は、前記(ア)、(ウ)に記 載したとおりであり、実施例1と同じである つまり、本実施例は、実施例1において左右 補強ゴム層11の厚さを薄くしたものと言え 。実施例4のランフラット耐久性は従来例1と 同等である。タイヤ縦バネ定数は従来例1よ 低いので、乗り心地は従来例1よりも良くな 。つまり、実施例4は、ビード補強層12を設 たことにより、補強ゴム層11の厚さを従来 2よりも薄く、かつ左右対称にして、従来例2 と同等の性能を実現したものである。

 本発明は、通常のブラダーで容易に加圧 形でき、かつランフラット耐久性が高く、 り心地が優れたランフラットタイヤとして 用である。