Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
PNEUMATIC TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123175
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a pneumatic tire, the uniformity of which is improved although a puncture-preventing layer is arranged on the inner side of a tread portion. A gel sheet (5), which is so made of a silicone compound, an urethane compound, a styrene compound or an ethylene compound as to have a penetration of 50 or more, after set, and an ASKER C hardness of 40 or less, is arranged as a puncture-preventing layer on the inner side of an inner liner (4) in the region corresponding to the tread portion (1).

Inventors:
SEKIGUCHI TAKUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055375
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 24, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
YOKOHAMA RUBBER CO LTD (JP)
SEKIGUCHI TAKUMI (JP)
International Classes:
B60C19/12; B29C73/10; B29L30/00
Domestic Patent References:
WO2005009763A12005-02-03
Foreign References:
JPH1134606A1999-02-09
JP2003183623A2003-07-03
JP2003326926A2003-11-19
JP2003159917A2003-06-03
JP2005528272A2005-09-22
JP2003183623A2003-07-03
JP2003326926A2003-11-19
Attorney, Agent or Firm:
OGAWA, Shin-ichi et al. (37 Kowa Building4-5, Tsukiji 1-chom, Chuo-ku Tokyo 45, JP)
Download PDF:
Claims:
 トレッド部に対応する領域におけるインナーライナーの内側にパンク防止層として、硬化後の針入度が50以上で、かつアスカーC硬度が40以下のシリコーン系化合物、ウレタン系化合物、スチレン系化合物又はエチレン系化合物からなるゲルシートを配置した空気入りタイヤ。
 前記ゲルシートの圧縮永久歪み率が20%以下である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記ゲルシートの厚さが2mm以上6mm以下である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
 前記インナーライナーと前記ゲルシートとの間に樹脂フィルムからなるバリアシートを介在させた請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ 
 前記ゲルシートの内面を樹脂フィルムからなる保護シートで被覆した請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
Description:
空気入りタイヤ

 本発明は、空気入りタイヤに関し、更に しくは、トレッド部の内側にパンク防止層 配置したタイヤでありながら、ユニフォミ ィーを向上させるようにした空気入りタイ に関するものである。

 走行中にタイヤが釘などを踏んだ場合の 両の安全性を確保するために、トレッド部 内側にパンク防止層として粘着性シーラン を配置しておき、釘踏みによってパンクが 生した場合、その釘が遠心力によって抜け した後のパンク孔に粘着性シーラントを流 込ませることによって、空気圧の急激な低 を回避するようにした空気入りタイヤが数 く提案されている(例えば、特許文献1参照)  

 しかし、この種の空気入りタイヤでは、 速走行時の遠心力により粘着性シーラント タイヤ内壁内を流動してタイヤ幅方向の中 域に集中したり、トレッドの繰り返し変形 よってタイヤ内面の特定範囲に偏在したり るため、タイヤのユニフォミティーが悪化 て、振動発生の原因になるという問題があ た。 

 上記問題を改善する手段として、シーラン の動き(流動性)を抑えるために、スポンジ シーラントを含浸させる試みも提案されて る(特許文献2参照)。スポンジにシーラント 含浸させる場合も、通常架橋していないシ ラントを使用するため、走行中の流動はあ 程度の改善は得られるが十分な対策とまで 至っていない。

日本国特開2003-183623号公報

日本国特開2003-326926号公報

 本発明の目的は、上述する従来の問題点 解消するもので、トレッド部の内側にパン 防止層を配置したタイヤでありながら、ユ フォミティーを向上させるようにした空気 りタイヤを提供することにある。 

 上記目的を達成するための本発明の空気 りタイヤは、トレッド部に対応する領域に けるインナーライナーの内側にパンク防止 として、硬化後の針入度が50以上で、かつ スカーC硬度が40以下のシリコーン系化合物 ウレタン系化合物、スチレン系化合物又は チレン系化合物からなるゲルシートを配置 たことを特徴とするものである。

 さらに、上述する構成において、以下(1)~ (4)に記載するように構成することが好ましい 。 

(1)前記ゲルシートの圧縮永久歪み率を20%以下 にする。 
(2)前記ゲルシートの厚さを2mm以上6mm以下にす る。 
(3)前記インナーライナーと前記ゲルシートと の間に樹脂フィルムからなるバリアシートを 介在させる。 
(4)前記ゲルシートの内面を樹脂フィルムから なる保護シートで被覆する。

 本発明によれば、トレッド部に対応する 域におけるインナーライナーの内側にパン 防止層として、硬化後の針入度が50以上で かつアスカーC硬度が40以下のシリコーン系 合物、ウレタン系化合物、スチレン系化合 又はエチレン系化合物からなるゲルシート 配置したので、ゲルシートを貫通するパン 孔が生じた場合には、釘などの異物が抜け した後において、パンク孔の周辺のゲルシ トが収縮してパンク孔を封鎖するため、タ ヤ空気圧の急激な低下を防止することがで る。

 しかも、上述するゲルシートは、実質的 流動性を有しないので、タイヤが高速回転 た場合であっても、ゲルシートがタイヤ幅 向の中央域に集中したり、偏在したりする とがないために、タイヤのユニフォミティ を悪化させることがない。

図1は本発明の実施形態による空気入り タイヤを示す断面図である。 図2は本発明の他の実施形態による空気 入りタイヤの要部を示す断面図である。 図3は本発明のさらに他の実施形態によ る空気入りタイヤの要部を示す断面図である 。

符号の説明

 1 トレッド部 
 4 インナーライナー 
 5 ゲルシート 
 7 バリアシート 
 8 保護シート 

 以下、本発明の構成について添付の図面 参照しながら詳細に説明する。

 図1は本発明の実施形態による空気入りタ イヤを示す断面図である。 図1において、空 気入りタイヤTはトレッド部1と、左右一対の ード部2、2と、トレッド部1とビード部2、2 を互いに連接するサイドウォール部3、3と、 を備えている。トレッド部1に対応する領域 おけるインナーライナー4の内側には、パン 防止層として硬化後の針入度が50以上で、 つアスカーC硬度が40以下のシリコーン系化 物、ウレタン系化合物、スチレン系化合物 はエチレン系化合物からなる、実質的に流 性を有しないゲルシート5を配置している。

 そして、本発明では、このゲルシート5を 、硬化後の針入度が50以上、好ましくは50以 150以下、最も好ましくは50以上80以下、アス ーC硬度が40以下、好ましくは0以上40以下、 も好ましくは0以上30以下となるように設定 ている。

 これにより、ゲルシート5を貫通するパン ク孔が生じた場合には、釘などの異物が抜け 出した後において、パンク孔の周辺のゲルシ ート5が収縮してパンク孔を封鎖するため、 イヤ空気圧の急激な低下を防止することが きる。

 しかも、ゲルシート5は、実質的に流動性 を有しないので、タイヤが高速回転した場合 であっても、ゲルシート5がタイヤ幅方向の 央域に集中したり、偏在したりすることが いために、タイヤのユニフォミティーを悪 させることがない。

 ゲルシート5を構成するシリコーン系樹脂 、ウレタン系樹脂又はスチレン系樹脂からな るゲル材料は、液体と固体の中間の性状であ り、粘着性を備えると共に器物の表面に対す る密着性に優れた性質を有し、成形後にはそ の形状を維持できる屈曲性に富んだ柔らかい 物質からなるため、特に釘などの異物が抜け 出した後におけるパンク孔に対する収縮性に 優れた特性を有する。さらに、これらゲル材 料は、電子線、ガンマ線、紫外線などの活性 線を所望の条件下で照射して架橋させること によって、ゲル材料自体の粘着性や密着性、 さらにはその物性を適宜調整することができ る特性を有している。

 本発明において、硬化後のゲルシート5の 物性が上記の範囲から逸脱すると、釘などの 異物が抜け出た後に、パンク孔の周辺のゲル シート5の収縮力が十分には得られなくなり シール性が低下することになる。

 なお、本発明におけるゲルシート5の針入 度とは、JIS K2207に準拠して、荷重を50g、測 時間を5秒として測定したときの値をいう。 た、アスカーC硬度とは、日本ゴム協会標準 規格(SRIS)0101に準拠して測定したときの値を う。

 このように構成された本発明の空気入り イヤTは、90km/hで8時間にわたり連続走行さ た場合であっても、ゲルシート5のタイヤ幅 向の移動(偏在)を10mm以下に抑えることがで る。これにより、パンク孔の閉鎖効果に影 を及ぼすことなく、ユニフォミティーの悪 を確実に防止することができる。

 上述するように、本発明のゲルシート5は 、器物の表面に対して優れた密着性を有する ため、ゲルシート5をインナーライナー4の内 に配置するに際して、ゲルシート5をインナ ーライナー4の内側に直接密着させることが きる。しかし、パンク時における異物の貫 によりゲルシート5が移動したり、タイヤ内 において偏在したりすることのないように 好ましくは、ゲルシート5を接着剤によりイ ンナーライナー4の内側に固定するようにす とよい。接着剤としてはシアノアクリレー 系(瞬間接着剤)・ウレタン系・SBR系・SBS系・ イソブチレン系などの有機系接着剤などが好 適に用いられる。その場合の接着剤の厚さは 1mm以下に設定するとよい。

 このように通常のタイヤに容易に後から ルシートを貼り付けることができるため、 用性に優れ、ゲージの均一性も保たれ、ユ フォミティーを向上させることができる。

 なお、ゲルシート5を構成するシリコーン 系化合物としては、例えばジオルガノポリシ ロキサンやオルガノハイドロジエンポリシロ キサンが挙げられる。また、ウレタン系化合 物としては、例えばポリイソシアネートと活 性水素をもった化合物が挙げられ、ポリイソ シアネートにはトリレンジイソシアネート、 ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメ チレンポリフェニルポリイソシアネート、ヘ キサメチレンジイソシアネート、キシリレン イソシアネートなどが挙げられ、活性水素を もった化合物にはポリエーテルポリオール、 ポリエステルポリオール、アクリルポリオー ルなどが挙げられる。

 また、スチレン系化合物としては、例え スチレンーエチレンープロピレンースチレ ブロック共重合体、スチレンーエチレンー チレンースチレン共重合体、スチレンーブ ジエンゴムの水素添加物などが挙げられる さらに、エチレン系化合物としては、例え エチレンとスチレンの共重合体が挙げられ 。

 なお、ゲルシート5のアスカーC硬度を調 するには、上述する化合物における架橋密 を調整することにより行うとよく、具体的 は架橋点となる官能基の数や架橋剤の添加 を調整することにより行うとよい。さらに 、上述する化合物にパラフィン系オイルや フテン系オイルなどのオイル材料を配合す ことにより、アスカーC硬度の調整を行うこ ができる。

 本発明において、上述するゲルシート5の 圧縮永久歪み率を20%以下とする。この圧縮永 久歪み率は、好ましくは5%以上20%以下、最も ましくは5%以上10%以下となるように調整す とよい。これにより、高速走行時のゲルシ ト5のタイヤ内面における偏在を確実に防止 ることができる。

 上述するゲルシート5の諸物性は、空気入 りタイヤTからゲルシート5を直接取り出した 、このゲルシート5を試料として、それぞれ 測定するとよい。針入度についてはJIS K2207 準拠(条件:荷重50g、測定時間5秒)して、アス ーC硬度については日本ゴム協会標準規格(SR IS)0101に準拠して、圧縮永久歪み率について JIS K6262に準拠して測定を行なう。 

 本発明において、上述するゲルシート5の 厚さを2mm以上6mm以下に設定するとよい。ゲル シート5の厚さが2mm未満ではパンク孔の閉鎖 果が十分に得られなくなる場合があり、厚 が6mm超になるとパンク孔の閉鎖効果は充足 れるものの、タイヤの重量を増加させる原 になる。

 さらに好ましくは、インナーライナー4と ゲルシート5との間には、図2に示すように、 脂フィルムからなるバリアシート7を介在さ せるとよい。このようにバリアシート7を介 させることにより、インナーライナー4から 散媒や溶剤がゲルシート5側に移行するのを 遮断して、ゲルシート5の物性の低下を防ぎ 長期にわたり優れたシール効果を持続させ ことができる。

 上述するバリアシート7を構成する樹脂フ ィルムの材料は、特に限定されるものではな いが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ 塩化ビニリデンなどを使用するとよい。さら に、バリアシート7の介在に際しては、バリ シート7とゲルシート5との接着性を高めるた めに、ゲルシート5の成形時においてバリア ート7とゲルシート5とを接合一体化するよう にするとよい。

 本発明において、さらに好ましくは、図3 に示すように、ゲルシート5の内面を樹脂フ ルムからなる保護シート8で被覆するとよい これにより、ゲルシート5の劣化を抑制して 長期にわたり優れたシール効果を持続させる ことができる。保護シート8を構成する樹脂 ィルムの材料は、特に限定されるものでは いが、透過性の悪い素材(ポリエチレンやポ 塩化ビニリデンなど)を使用するとよい。

 上述するように、本発明の空気入りタイ は、トレッド部の内側に配置するパンク防 層を、流動性を有する粘着シーラントに代 て、所定の物性を有するゲルシートにする とにより、良好なシール効果を維持しなが 、高速走行時におけるパンク防止層の偏在 防いで、タイヤのユニフォミティーを向上 せるようにしたもので、簡単な構成であり がら、優れた作用効果を奏することから、 ンク時におけるシール機能を備えた空気入 タイヤとして幅広く適用される。

 タイヤサイズを205/65R15、タイヤ構造を図1 に示した構造として、パンク防止層を粘着シ ーラントとした従来タイヤ(日本国特開2003-183 623号公報の実施例1に相当)と、ゲルシートと た本発明タイヤとをそれぞれ作製した。な 、各タイヤにおいて、パンク防止層の厚さ それぞれ5mmに設定すると共に、本発明タイ におけるゲルシートとして、エチレンース レン共重合体を主成分とするゲルシート(針 入度:60、アスカーC硬度:15、圧縮永久歪み率8% )を使用した。

 各タイヤをリム組みした後、空気圧210kPa 充填し、室内ドラム試験機により、速度90km /hで8時間にわたり連続走行させた後、走行後 のタイヤ内面におけるパンク防止層の左右両 端部の偏在(移動)状況を調べた。

 その結果、従来タイヤでは、走行後にお るパンク防止層の幅が、走行前のパンク防 層の幅よりも18mm縮小していたのに対して、 本発明タイヤでは、走行前後においてパンク 防止層の幅の変化がゼロであった。

 この結果から、パンク防止層として粘着 ーラントを配置した従来タイヤでは、高速 行時においてパンク防止層が移動して、タ ヤ内面における偏在が大きくなるのに対し 、パンク防止層としてゲルシートを配置し 本発明では、パンク防止層の移動および偏 が全く見られず、タイヤのユニフォミティ が向上することを確認できた。