久保 雄一郎 (〒21 東京都港区三田三丁目5番27号 日本板硝子株式会社内 Tokyo, 1086321, JP)
日本板硝子株式会社 (〒21 東京都港区三田三丁目5番27号 Tokyo, 1086321, JP)
KUBO, Yuichiro (Limited 5-27, Mita 3-chome, Minato-k, Tokyo 21, 1086321, JP)
| 基材上に、屈折率の互いに異なる2種類以上の層で形成される多層膜を備えるフォトニック結晶構造体において、平板状基板に周期性を有する凹凸構造体を形成した基材であって、前記凹凸構造体の主成分がSiO 2 であり、前記平板状基板の平面方向に平行に、互いに直交するx軸、y軸をとり、平面方向に垂直にz軸をとる場合に、x軸方向には凹凸構造が周期性を有し、y軸方向には凹凸構造が一様であり、前記周期性の周期間隔が80~450nmであり、凹凸構造のz軸方向の高さが、前記周期間隔に対して、0.25~0.75倍の範囲であり、前記高さのばらつきが、前記高さの平均hに対して、0.14h以下である基材を用いることを特徴とする偏光子。 |
| 前記基材のx軸とz軸で形成されるxz断面の形状が、周期性を有する三角形状であることを特徴とする請求項1に記載の偏光子。 |
| 前記凹凸構造体の凹部から前記平板状基板表面までの距離が、前記hに対して、4h以下、かつ500nm以下であることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の偏光子。 |
| 前記凹凸構造体が、金属アルコキシド硬化物を主成分とすることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の偏光子。 |
本発明は、多層周期凹凸構造を有するフ トニック結晶構造体である偏光子に関する
フォトニック結晶は、光の波長程度の周 で屈折率を変化させた構造体で、それによ 光の特性を意図的に変えることができる。 ォトニック結晶に光を入射させたときに得 れる特性の一つとして偏光特性が挙げられ その性質を利用したものとして偏光子があ 。偏光子は特定の伝播方向の光のみを透過 せる素子で、液晶ディスプレイなどに使用 れている。
フォトニック結晶を作製する手段の一つ して、スパッタリングによる成膜とバイア エッチングを組み合わせた自己クローニン 法と呼ばれる方法がある(特許文献1)。この 法では、基材に屈折率の異なる材料を交互 積層することで、2次元または3次元の多層 期凹凸構造体を作製することができる。こ 方法でフォトニック結晶を作製する場合、 膜時に凹凸形状を追随させる周期性を有す 凹凸構造体を形成した基材が必要となる。 の基材を作製する手段としてはフォトリソ ラフィ技術とエッチング技術が用いられる
またインプリント技術により樹脂の凹凸形
層を平板状基板表面に作製することで基材
周期凹凸構造を形成する手法がある(特許文
献2)。これは金型に樹脂を流し込み、硬化、
型することで、平板状基板表面に樹脂の凹
構造を作製する技術で、金型からの転写を
り返し行うことにより、加工コスト、加工
間を抑えることができる。
従来の技術では、設計値どおりの光学特 を有する偏光子を作製することは、多層周 構造体を作製するための理想的な基材の形 が不明であるために困難であった。特に基 に多層成膜する過程で形状が十分に追随し いことが光学特性を劣化させる主要因とな ていた。設計値どおりの光学特性を有する ォトニック結晶の作製を可能とする好適な 凸形状を有する基材が望まれていた。
本発明は、基材上に、屈折率の互いに異な 2種類以上の層で形成される多層膜を備える フォトニック結晶構造体において、平板状基 板に周期性を有する凹凸構造体を形成した基 材であって、前記凹凸構造体の主成分がSiO 2 であり、前記平板状基板の平面方向に平行に 、互いに直交するx軸、y軸をとり、平面方向 垂直にz軸をとる場合に、x軸方向には凹凸 造が周期性を有し、y軸方向には凹凸構造が 様であり、前記周期性の周期間隔が80~450nm あり、凹凸構造のz軸方向の高さが、前記周 間隔に対して、0.25~0.75倍の範囲であり、前 高さのばらつきが、前記高さの平均hに対し て、0.14h以下である基材を用いることを特徴 する偏光子である。この特徴により、基材 に屈折率の互いに異なる2種類以上の層で形 成される多層膜を備えるフォトニック結晶構 造体の作成において、多層成膜する際の形状 劣化を抑え、設計値どおりの光学特性を有す る偏光子を作製することが可能となる。
また本発明は、前記x軸とz軸で形成され xz断面の形状が、周期性を有する三角形状で あることを特徴とする前記基材を用いた偏光 子である。この特徴により、異なる2種類以 の層からなるフォトニック結晶構造体を形 する際に、損失なく正確な三角形状の層を 層され、設計どおりの光学特性を得ること 可能になる。
さらにまた本発明は、前記凹凸構造体の 部から前記平板状基板表面までの距離が、 記hに対して、4h以下、かつ500nm以下である とを特徴とする前記基材を用いた偏光子で る。この特徴により、凹凸形状のz方向の歪 を最小限に抑えることができ、また、凹凸 状の高さのばらつきの発生を容易に0.14h以 に抑制することが可能になる。
さらにまた本発明は、前記凹凸構造体が 金属アルコキシド硬化物を主成分とするこ を特徴とする前記基材を用いた偏光子であ 。この特徴により、前記基材をインプリン プロセスで容易に作成することができる。
本発明によれば、欠陥の少ない多層周期 凸構造体を作製することが基材の周期凹凸 状を規定することによって可能となり、設 どおりの光学特性を有するフォトニック結 の作製が可能となる。
本発明を実施するための最良の形態を示 。
本発明の基材の周期凹凸構造体は平板状 板表面に形成される。平板状基板に平行で いに直交するx軸とy軸を取り、基板表面に 交するようにz軸を取ったとき、平板状基板 面には、y軸に平行でx軸方向に一定周期を つ直線状の凹凸構造体が形成される。その 凸周期は80nm以上であることが好ましい。こ は周期が80nmより小さくなると、リソグラフ ィ技術によって形状を描画すること事体が困 難になるためである。また、インプリントプ ロセスを用いて作製しようとした場合には80n m以下であると転写性の面で十分な形状確保 困難になると考えられる。
一方、周期が大きくなるとそれに伴って 分な凹凸高さが必要になるが、凹凸高さが きくなると膜厚、形状そのものの制御が困 になることから、周期は450nm以下に抑える 要がある。以上のことから凹凸周期は80~450nm の範囲が好ましいが、120~300nmの範囲であると さらに良く、140~250nmの範囲であれば最も理想 的である。
凹凸形状の高さは周期に対して0.2倍以上 あることが望ましく、より正確に多層周期 凸構造体を作製するためには周期に対して0 .25倍以上の高さが必要である。これは周期に 対する凹凸形状の高さが低い場合には多層成 膜していく過程において、十分な形状追随が なされずに徐々に凹凸が平坦になってしまう ためである。
一方、周期に対して高さが大きいものは 成膜時に形状の歪みが生じやすくなるため 凹凸形状の高さは周期に対して0.75倍までに 抑える必要がある。以上のことから凹凸形状 の高さは周期に対して0.25~0.75倍であることが 必要であるが、0.3~0.6倍の範囲に入っている より好ましく、0.35~0.5倍の範囲に入っている とさらに好ましい。この場合の高さはSEM(走 型電子顕微鏡)により測定を行って得られた さの平均を用いて表したものである。その 定方法は以下の通りである。
基材をxz平面で切断し、その断面の凹凸 状をSEMにより観察してその高さを測定する その際、隣り合う凹部最底部と凸部最頂点 の高さの差を求め、得られた差について少 くとも20以上の連続する凹凸形状の高さデー タをとって平均化し、その箇所近傍の凹凸形 状の高さと定義する。
フォトニック結晶を作製するための基材 作製する際に重要なこととして、凹凸構造 高さばらつきを抑えることが挙げられる。 さが均一でない場合には、高さが十分でな 場合と同様に多層成膜時に周期構造の乱れ 平坦化が発生する。ここで、高さを求める きに使用した2次元xz平面データから、凹凸 さhをそれぞれ隣り合う凹部底部と凸部頂点 部の差から求めたときに、その標準偏差をば らつきと定義する。このばらつきは少なくと も20以上の連続する凹凸形状の高さデータか 求める。このばらつきを0.14h以下に抑えた きに成膜後に欠陥の発生を十分に抑えるこ ができる。部分的に0.14hを超えるばらつきの ある箇所とない箇所が混在している場合には 、多層成膜時にばらつきのある箇所に欠陥が 生じる。このばらつきは0.1h以下であるとさ に好ましく、0.08h以下であることがよりいっ そう好ましい。
スパッタ成膜とバイアスエッチングを組 合わせて多層成膜した周期凹凸構造体のxz 面で切断した断面は、三角形が連続した形 となる。基材の周期凹凸構造が三角形状で い場合にも、成膜過程で変形、整形されて 角形状となる。基材の凹凸周期を成膜時に 随させるためには、基材の断面形状は三角 状(図1)、矩形(図2)、台形形状、サインカー 形状のいずれかもしくはそれに類似した形 が好ましい。例えば矩形形状の基材に多層 膜した場合には、形成される各層の断面形 は成膜過程において徐々に矩形から三角形 へと変形する。しかし設計どおりの光学特 を得るためには、損失なく正確な三角形状 成膜過程において積層する必要があるため 基材の周期凹凸形状は三角形状が連続した のであることが最も好ましい。
また、基材の凹凸形状が三角形状である とは、その基材をインプリントプロセスに って作製する場合にも好ましい。その理由 して、三角形状であれば転写する際に型の 部深くまで材料が十分に入り込みやすいこ 、また三角形状の表面は離型の際に基板平 面に対して斜め方向に生じる負荷に強いこ が挙げられる。基材の断面形状を三角形状 形成することによって、インプリントプロ スによって基材を作製する際の高さのばら きの発生を0.14h以内に抑制することが可能 なる。
基材の周期凹凸形状の凹部から平板状基 表面までの距離は4h以下かつ500nm以下に抑え られていることが好ましい。これは膜の厚み が薄いほど、z方向における凹凸形状の歪み 最小限に抑えることができるからである。 た、基材の周期凹凸形状の凹部から平板基 表面までの距離を上記範囲内に抑えること より、凹凸形状の高さのばらつきの発生を0. 14h以内に抑制することが容易になる。
基材をインプリントプロセスで作製する際
用いる材料は、金属アルコキシド硬化物が
ましい。金属アルコキシド硬化物からなる
凸構造体は、金属アルコキシド含有液を用
たインプリントプロセスにより作製される
その方法は以下の通りである。
(1)平板状基板表面に金属アルコキシド含有液
を塗布する工程
(2)金属アルコキシド含有液塗布基板に成形型
を押し当てる工程
(3)成形型を押し当てた状態で金属アルコキシ
ド含有液塗布基板を加熱して金属アルコキシ
ド含有液を硬化し、成形型から形状の転写を
行う工程
(4)金属アルコキシド硬化物層が形成された平
板基板を成形型から引き剥がす工程
(5)金属アルコキシド硬化物層が形成された平
板基板を加熱焼成する工程
この材料を用いることで低温でも容易にSiO 2
を主成分とする周期凹凸形状を形成した基材
を作製することができる。作製した基材は耐
熱性に優れているため成膜時にも形状が歪む
ことなく形状追随性のよい多層成膜構造体の
作製が可能となる。
金属アルコキシド含有液を塗布する工程 おいては、その塗布量の制御が重要になる 金属アルコキシド含有液の塗布量は、同材 塗布基板をそのまま焼成した際に得られる 厚が、500nm以下であるようにすることが好 しい。これは、膜厚が500nmを超えると、イン プリントする際のゲル化反応により揮発した 水分が凹凸形状表面に残って、成膜時に異常 成長の原因となるような欠陥を発生させるた めである。また成形型を押し当てて作製した 周期凹凸構造の形状凹部から平板状基板表面 までの距離が500nm以下であれば、金属アルコ シド硬化膜の厚み分布を均一にすることが きる。
塗布膜厚が薄すぎる場合には、基板と型 凸部が直接に接触して形状に歪みが生じた 、型の凹部に金属アルコキシド材料が十分 入り込まないなどの問題が発生することが る。そのため、塗布膜厚は50nm以上あること が好ましい。
前記範囲内の塗布膜厚であれば、結果と て作製する周期凹凸構造の高さのばらつき 減らすことができる。さらに高さのばらつ を減らすためには、基材の周期凹凸形状の 部から平板状基板表面までの距離が4h以内 抑えられていることが好ましい。
以下に本発明の具体的な実施例を示す。
(実施例1)
周期200nmで凹凸形状の高さが77nm、断面形状
三角形状である凹凸構造体を成形型として
意した。メチルトリエトキシシランとテト
エトキシラン、エタノール、酸水溶液を混
させた溶液を作製し、スピンコーティング
より平板状基板上に塗布を行った。その際
塗布量は、そのまま160℃で焼成した際に90nm
の膜厚みになるような条件であった。次にそ
の塗布基板上に上記成形型を2.55MPa(26kg/cm 2
)の圧力で押し当てた。その後、温度を60℃に
30分間保持して材料を硬化させ、離型を行い
300℃で30分間焼成を行った。その結果得ら
た基材の周期凹凸形状は高さが74nmで高さの
らつきは6nm、凹凸形状凹部から基板表面ま
の距離は45nmであった。
次にバイアススパッタリング法により上記 周期凹凸構造を有する基材に成膜を行い、4 50~500nmの波長範囲において偏光子としての機 を有する多層周期凹凸構造体(フォトニック 結晶)の作製を試みた。SiO 2 ターゲットとTaターゲットを用い、Arガス雰 気中でSiO 2 膜とTa 2 O 5 膜を交互に成膜した。その成膜においては、 450nm~500nmの波長範囲でTM偏光が90%以上透過し TE偏光は膜表面で反射し0.5%以下の透過率に るように設計した結果から求めた必要膜総 を積層した。ここで、電界が溝に垂直に振 する偏光をTM偏光、電界が溝に平行に振動す る偏光をTE偏光とする。成膜の結果得られた 層周期凹凸構造体は、SEM観察によりその表 で正確な周期構造が保たれていることが確 された。その光学特性は、450~500nmの波長範 においてTM偏光の透過率が92.6%、TE偏光の透 率が0.10%であった。これは偏光子としての 能を有することを示すものであり、この多 周期凹凸構造体がフォトニック結晶として 能するための構造を有することを示すもの 考えられる。これらの結果から、基材の周 凹凸構造の高さ、高さのばらつき、凹凸形 凹部から基板表面までの距離について請求 の条件を満たしている場合には周期構造の れが少なく、光学特性を十分に満たした多 凹凸周期構造体である偏光子を作製可能で ることが確認された。
(実施例2)
周期が200nm、凹凸の高さ62nm、高さのばらつ
7nm、凹凸形状凹部から基板表面までの距離1
80nm、断面形状が三角形状の周期凹凸構造を
成した基材に実施例1と同様の条件で膜総数
変更して多層成膜を行ったところ、その光
特性はTM偏光の透過率が91.4%、TE偏光の透過
が0.14%であった。これは偏光子としての機
を有しフォトニック結晶として十分な機能
満たしていると考えられる。この結果から
下地周期凹凸構造体が請求項の条件を満た
ている場合には周期構造の乱れが少なく、
学特性を十分に満たした多層凹凸周期構造
である偏光子を作製可能であることが確認
れた。
(実施例3)
周期が140nm、凹凸の高さ53nm、高さのばらつ
6nm、凹凸形状凹部から基板表面までの距離4
5nm、断面形状が三角形状の周期凹凸構造を形
成した基材に実施例1と同様の条件で膜総数
変更して多層成膜を行ったところ、その光
特性はTM偏光の透過率が91.7%、TE偏光の透過
が0.11%であった。これは偏光子としての機能
を有することを示すものであり、この多層周
期凹凸構造体がフォトニック結晶として機能
するための構造を有することを示すものと考
えられる。この結果からも下地周期凹凸構造
体が請求項の条件を満たしている場合には周
期構造の乱れが少なく、光学特性を十分に満
たした多層凹凸周期構造体である偏光子を作
製可能であることが確認された。
(実施例4)
周期が140nm、凹凸の高さ81nm、高さのばらつ
9nm、凹凸形状凹部から基板表面までの距離2
0nm、断面形状が矩形の周期凹凸構造を形成し
た基材に実施例1と同様の条件で膜総数を変
して多層成膜を行ったところ、その光学特
はTM偏光の透過率が86.5%、TE偏光の透過率が0.
11%であった。これは偏光子としての機能を有
することを示すものであり、この多層周期凹
凸構造体がフォトニック結晶として機能する
ための構造を有することを示すものと考えら
れる。この結果からも下地周期凹凸構造体が
請求項の条件を満たしている場合には周期構
造の乱れが少なく、光学特性を十分に満たし
た多層凹凸周期構造体である偏光子を作製可
能であることが確認された。
(実施例5)
周期が240nm、凹凸の高さ68nm、高さのばらつ
8nm、凹凸形状凹部から基板表面までの距離1
10nm、断面形状が三角形状の周期凹凸構造を
成した基材に実施例1と同様の条件で膜総数
変更して多層成膜を行ったところ、その光
特性はTM偏光の透過率が90.4%、TE偏光の透過
が0.1%であった。これは偏光子としての機能
を有することを示すものであり、この多層周
期凹凸構造体がフォトニック結晶として機能
するための構造を有することを示すものと考
えられる。この結果からも下地周期凹凸構造
体が請求項の条件を満たしている場合には周
期構造の乱れが少なく、光学特性を十分に満
たした多層凹凸周期構造体である偏光子を作
製可能であることが確認された。
(実施例6)
周期が240nm、凹凸の高さ89nm、高さのばらつ
8nm、下地構造体の凹凸形状凹部から基板表
までの距離35nm、断面形状が三角形状の周期
凹凸構造を形成した基材に実施例1と同様の
件で膜総数を変更して多層成膜を行ったと
ろ、その光学特性はTM偏光の透過率が92.1%、T
E偏光の透過率が0.10%であった。これは偏光子
としての機能を有することを示すものであり
、この多層周期凹凸構造体がフォトニック結
晶として機能するための構造を有することを
示すものと考えられる。この結果からも下地
周期凹凸構造体が請求項の条件を満たしてい
る場合には周期構造の乱れが少なく、光学特
性を十分に満たした多層凹凸周期構造体であ
る偏光子を作製可能であることが確認された
。
(実施例7)
周期が400nm、凹凸の高さ115nm、高さのばらつ
き14nm、凹凸形状凹部から基板表面までの距
230nm、断面形状が三角形状の周期凹凸構造を
形成した基材に実施例1と同様の条件で膜総
を変更して多層成膜を行ったところ、その
学特性はTM偏光の透過率が87.7%、TE偏光の透
率が0.08%であった。これは偏光子としての機
能を有することを示すものであり、この多層
周期凹凸構造体がフォトニック結晶として機
能するための構造を有することを示すものと
考えられる。この結果からも下地周期凹凸構
造体が請求項の条件を満たしている場合には
周期構造の乱れが少なく、光学特性を十分に
満たした多層凹凸周期構造体である偏光子を
作製可能であることが確認された。
(比較例1)
周期が200nm、凹凸の高さ58nm、高さのばらつ
12nm、凹凸形状凹部から基板表面までの距離
290nm、断面形状が三角形状の周期凹凸構造を
成した基材に実施例1と同様の条件で膜総数
を変更して多層成膜を行ったところその光学
特性はTM偏光の透過率が80.1%と低く、またTE偏
光の透過率は0.11%であった。これは下地周期
凸構造の凹部から平板状基板表面までの距
が凹凸高さ平均hに対して4h以上になってし
ったために下地周期凹凸構造体の凹凸高さ
らつきが12nmに増大したことが原因と考えら
れる。この結果から、凹凸高さばらつきは多
層成膜時の形状追随性に大きな影響を与えて
おり、本発明の寸法構造の条件を満たさない
範囲では多層成膜時に欠陥が発生して光学特
性が低下することが確認された。
(比較例2)
周期が200nm、凹凸の高さ37nm、高さのばらつ
7nm、凹凸形状凹部から基板表面までの距離5
5nm、断面形状が三角形状の周期凹凸構造を形
成した基材に実施例1と同様の条件で膜総数
変更して多層成膜を行ったところその光学
性はTM偏光の透過率が90.5%であったが、TE偏
の透過率は62.3%と非常に高くなってしまった
。これは下地周期凹凸構造体の周期凹凸構造
の凹凸高さが38nmと小さかったことが原因と
えられる。この結果から、凹凸高さばらつ
は多層成膜時の形状追随性に大きな影響を
えており、本発明の寸法構造の条件を満た
ない範囲では多層成膜時に欠陥が発生して
学特性が低下することが確認された。
(比較例3)
周期140nm、凹凸の高さ95nm、高さのばらつき1
7nm、凹凸形状凹部から基板表面までの距離430
nm、断面形状が三角形状の周期凹凸構造を形
した基材に実施例1と同様の条件で膜総数を
変更して多層成膜を行ったところその光学特
性はTM偏光の透過率が76.6%と低く、またTE偏光
の透過率は0.07%であった。これは下地周期凹
構造体の周期凹凸構造の凹凸高さばらつき
17nmと大きかったことが原因と考えられる。
この結果から、凹凸高さばらつきは多層成膜
時の形状追随性に大きな影響を与えており、
本発明の寸法構造の条件を満たさない範囲で
は多層成膜時に欠陥が発生して光学特性が低
下することが確認された。
(比較例4)
周期140nm、凹凸の高さ126nm、高さのばらつき
16nm、凹凸形状凹部から基板表面までの距離45
nm、断面形状が矩形の周期凹凸構造を形成し
基材に実施例1と同様の条件で膜総数を変更
して多層成膜を行ったところその光学特性は
TM偏光の透過率が77.4%と低く、またTE偏光の透
過率は0.12%であった。これは下地周期凹凸構
体の周期凹凸構造の凹凸高さが126nmと凹凸
期に対して非常に大きかったことが原因と
えられる。この結果から、凹凸高さばらつ
は多層成膜時の形状追随性に大きな影響を
えており、本発明の寸法構造の条件を満た
ない範囲では多層成膜時に欠陥が発生して
学特性が低下することが確認された。
(比較例5)
周期240nm、凹凸の高さ85nm、高さのばらつき2
1nm、凹凸形状凹部から基板表面までの距離170
nm、断面形状が三角形状の周期凹凸構造を形
した基材に実施例1と同様の条件で膜総数を
変更して多層成膜を行ったところその光学特
性はTM偏光の透過率が66.8%と低く、またTE偏光
の透過率は0.12%であった。これは下地周期凹
構造体の周期凹凸構造の凹凸高さばらつき
21nmと凹凸周期に対して非常に大きかったこ
とが原因と考えられる。この結果から、凹凸
高さばらつきは多層成膜時の形状追随性に大
きな影響を与えており、本発明の寸法構造の
条件を満たさない範囲では多層成膜時に欠陥
が発生して光学特性が低下することが確認さ
れた。
(比較例6)
周期400nm、凹凸の高さ103nm、高さのばらつき
18nm、凹凸形状凹部から基板表面までの距離58
5nm、断面形状が三角形状の周期凹凸構造を形
成した基材に実施例1と同様の条件で膜総数
変更して多層成膜を行ったところその光学
性はTM偏光の透過率が76.4%と低く、またTE偏
の透過率は0.10%であった。これは下地周期凹
凸構造の凹部から平板状基板表面までの距離
が凹凸高さが500nm以上になったことが影響し
下地周期凹凸構造体の凹凸高さばらつきが1
8nmまで増大したことが原因と考えられる。こ
の結果から、凹凸高さばらつきは多層成膜時
の形状追随性に大きな影響を与えており、本
発明の寸法構造の条件を満たさない範囲では
多層成膜時に欠陥が発生して光学特性が低下
することが確認された。
(比較例7)
周期が400nm、凹凸の高さ68nm、高さのばらつ
8nm、凹凸形状凹部から基板表面までの距離9
5nm、断面形状が三角形状の周期凹凸構造を形
成した基材に実施例1と同様の条件で膜総数
変更して多層成膜を行ったところその光学
性はTM偏光の透過率が90.8%であったが、TE偏
の透過率は51.6%と非常に高くなってしまった
。これは下地周期凹凸構造体の周期凹凸構造
の凹凸高さが68nmと周期に対して非常に小さ
ったことが原因と考えられる。この結果か
、凹凸高さばらつきは多層成膜時の形状追
性に大きな影響を与えており、本発明の寸
構造の条件を満たさない範囲では多層成膜
に欠陥が発生して光学特性が低下すること
確認された。
以上の実施例、比較例を以下の表1にまと めて示す。表1の記載から、本発明の基材を いることにより、設計した光学特性を示す ォトニック結晶である偏光子が作製可能で ることがわかる。
