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Title:
POLISHING COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/014191
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a polishing composition which enables to realize a high polishing rate, while improving flatness. Specifically disclosed is a polishing composition suitable for a metal film, particularly for a copper (Cu) film. This polishing composition contains a basic compound containing an ammonium group, an alkylbenzene sulfonate having an alkyl group with 9-18 carbon atoms, hydrogen peroxide and the balance of water. Ammonium hydroxide can be used as the basic compound, and dodecylbenzene sulfonate or the like can be used as the alkylbenzene sulfonate.

Inventors:
MATSUMURA YOSHIYUKI (JP)
NITTA HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063322
Publication Date:
January 29, 2009
Filing Date:
July 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NITTA HAAS INC (JP)
MATSUMURA YOSHIYUKI (JP)
NITTA HIROSHI (JP)
International Classes:
H01L21/304; B24B37/00; C09K3/14
Foreign References:
JP2004179294A2004-06-24
JP2006202892A2006-08-03
JP2007157841A2007-06-21
JP2007088424A2007-04-05
Attorney, Agent or Firm:
SAIKYO, Keiichiro et al. (2-6 Bingomachi 3-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 51, JP)
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Claims:
 アンモニウム基を含む塩基性化合物、炭素数9~18のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩および過酸化水素を含むことを特徴とする研磨組成物。
 pHが8~12であることを特徴とする請求項1記載の研磨組成物。
 アンモニウム基を含む塩基性化合物が、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、二硫酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、ペルオキソ酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、ピロリン酸アンモニウムおよびアジピン酸アンモニウムから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の研磨組成物。
 アルキルベンゼンスルホン酸塩の有するアルキル基の炭素数が10~16であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の研磨組成物。
 砥粒を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の研磨組成物。
 酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、エチレンジアミン四酢酸、シュウ酸、マロン酸、ニコチン酸、吉草酸、アスコルビン酸、アジピン酸、ピルビン酸、グリシン、コハク酸およびフマル酸から選ばれる1種または2種以上である有機酸を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の研磨組成物。
Description:
研磨組成物

 本発明は、金属膜研磨用、特に銅膜研磨 の研磨組成物に関する。

 半導体集積回路(LSI)の高集積化および小型 への要求に応えるため、メモリ機能、ロジ ク機能などの種々の機能を有する複数の半 体素子を一つの基板上に3次元的に搭載する システムインパッケージ(SIP)と呼ばれる手 が開発されている。これに伴い、基板上に 成される配線数およびバンプ数が増加し、 配線の径が小さくなり従来工法のビルドア プ法および機械研削では微細な配線形成が 難になってきている。
 このため、従来から配線材料として用いら てきたアルミニウムに代えて、アルミニウ よりも電気抵抗の低い銅、銅合金などが代 利用される。ところが、銅は、その特性上 アルミニウムのようなドライエッチングに る配線形成が困難であるため、ダマシン法 呼ばれる配線形成法が確立されている。
 半導体プロセスに用いられるダマシン法に れば、たとえば、二酸化シリコン膜で被覆 れた基板表面に、形成しようとする配線パ ーンに対応する溝および形成しようとする ラグ(基板内部の配線との電気的接続部分) 対応する孔を形成した後、溝および孔の内 面にチタン、窒化チタン、タンタル、窒化 ンタル、タングステンなどからなるバリア タル膜(絶縁膜)を形成し、次いでめっきなど により基板表面の全面に銅膜を被覆して溝お よび孔に銅を埋め込み、さらに溝および孔以 外の領域の余分な銅膜を化学的機械的研磨法 (CMP、chemical mechanical polishing)によって除去す ることにより、基板表面に配線およびプラグ が形成される。
 同様にして、SIPにもダマシン法およびCMPを 用できるが、基板表面に被覆された銅膜な の金属膜の膜厚が5μm以上にも及ぶため、CMP による加工時間の増加及び大幅な生産性悪化 が懸念される。
 金属層に対するCMPにおいては、酸性領域に いて化学反応により金属表面に生じた化合 を研磨砥粒によって研磨するといったプロ スで研磨が進行していると考えられること ら、金属層に対するCMPに用いられるスラリ は通常酸性である。
 しかし、酸性スラリーは、研磨枚数が増加 るにつれて研磨速度が低下する傾向にあり また、研磨後に砥粒を除去するためのアル リ性洗浄液を使用すると、pHショックによ て砥粒が凝集してしまうことなどから、酸 スラリーに代わって高速研磨可能なアルカ 性スラリーが望まれている。
 また、pH8~12のアルカリ性で用いられるスラ ーとして、研磨砥粒、過硫酸アンモニウム シュウ酸、ベンゾトリアゾール、ドデシル ンゼンスルホン酸および/またはドデシルベ ンゼンスルホン酸の塩、ポリビニルピロリド ンおよび水溶性塩基性化合物であるpH調整剤 含有するCMP用研磨組成物が開示されている( 特開2007-13059号公報参照)。
 このような構成により、充分な銅の研磨速 を有し、かつバリア層との研磨速度の差が きい研磨組成物を実現できるとしている。
 特開2007-13059号公報記載の研磨組成物は、充 分な銅の研磨速度を有するものと記載されて いるが、実施例1~3に記載されるように、銅の 研磨速度は0.210~0.260μm程度であり、1μm/minに 満たない。また、比較例4では過酸化水素を いているが、研磨速度は全く向上していな 。
 さらに、本件発明者らが、特開2007-13059号公 報記載の組成において、研磨速度の向上が最 も見込まれる組成として過硫酸アンモニウム を、その好適範囲の最大量である10質量%添加 した研磨組成物を作製し、研磨速度を測定し た。その結果、ドデシルベンゼンスルホン酸 を含む場合で研磨速度は0.9μm/min(荷重210hPa)で あり、ドデシルベンゼンスルホン酸を含まな い場合で研磨速度は3.0μm/min(荷重210hPa)であっ た。
 このように、従来の研磨組成物では、十分 銅の研磨速度は未だ得られず、また平坦性 向上していないことから、より高速な研磨 度を達成するとともに、平坦性を向上させ ことができる研磨組成物が望まれている。

 本発明の目的は、高速な研磨速度を達成し かつ、平坦性を向上させることのできる研 組成物を提供することである。
 本発明は、アンモニウム基を含む塩基性化 物、炭素数9~18のアルキル基を有するアルキ ルベンゼンスルホン酸塩および過酸化水素を 含むことを特徴とする研磨組成物である。
 また本発明は、pHが8~12であることを特徴と る。
 また本発明は、アンモニウム基を含む塩基 化合物が、水酸化アンモニウム、塩化アン ニウム、炭酸アンモニウム、硝酸アンモニ ム、硫酸アンモニウム、二硫酸アンモニウ 、亜硝酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウ 、炭酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウ 、シュウ酸アンモニウム、ペルオキソ酸ア モニウム、リン酸アンモニウム、ピロリン アンモニウムおよびアジピン酸アンモニウ から選ばれる1種または2種以上であること 特徴とする。
 また本発明は、アルキルベンゼンスルホン 塩の有するアルキル基の炭素数が10~16であ ことを特徴とする。
 また本発明は、砥粒を含むことを特徴とす 。
 また本発明は、酒石酸、クエン酸、リンゴ 、エチレンジアミン四酢酸、シュウ酸、マ ン酸、ニコチン酸、吉草酸、アスコルビン 、アジピン酸、ピルビン酸、グリシン、コ ク酸およびフマル酸から選ばれる1種または 2種以上である有機酸を含むことを特徴とす 。

 本発明の目的、特色、および利点は、下記 詳細な説明と図面とからより明確になるで ろう。
研磨速度に対するドデシルベンゼンス ホン酸アミン塩の含有量が及ぼす影響を示 グラフである。 実施例2~4および比較例2,3の研磨速度比 示すグラフである。

 以下図面を参考にして本発明の好適な実施 態を詳細に説明する。
 本発明の研磨組成物は、金属膜、特に銅(Cu) 膜に好適な研磨組成物であって、アンモニウ ム基を含む塩基性化合物、炭素数9~18のアル ル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸 および過酸化水素を含み、残部が水である これらを含むことで、高速な研磨速度を達 し、かつ、平坦性を向上させることのでき 研磨組成物を実現することができる。
 以下、本発明の研磨組成物について詳細に 明する。
 本発明の研磨組成物に含まれるアンモニウ 基を含む塩基性化合物としては、水酸化ア モニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモ ウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウ 、二硫酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウ 、亜硫酸アンモニウム、炭酸水素アンモニ ム、酢酸アンモニウム、シュウ酸アンモニ ム、ペルオキソ酸アンモニウム、リン酸ア モニウム、ピロリン酸アンモニウムおよび ジピン酸アンモニウムなどがあげられる。 れらの中でも水酸化アンモニウムが好まし 。
 本発明の研磨組成物におけるアンモニウム を含む塩基性化合物の含有量は、研磨組成 全量の1~20重量%であり、好ましくは2~14重量% である。アンモニウム基を含む塩基性化合物 の含有量が1重量%未満だと、十分な研磨速度 得られない。含有量が20重量%を超えると、p Hの制御が困難となったり、溶解している有 酸が析出してしまう。また、含有量が20重量 %で研磨速度としてはほぼ最大となり、20重量 %を超えて添加しても速度向上は望めないの 、コスト的観点からみても上限としては20重 量%となる。
 本発明の研磨組成物に含まれるアルキルベ ゼンスルホン酸塩は、アルキル基の炭素数9 ~18であることが好ましく、具体的には、ノニ ルベンゼンスルホン酸塩(C9)、デシルベンゼ スルホン酸塩(C10)、ウンデシルベンゼンスル ホン酸塩(C11)、ドデシルベンゼンスルホン酸 (C12)、トリデシルベンゼンスルホン酸塩(C13) 、テトラデシルベンゼンスルホン酸塩(C14)、 ンタデシルベンゼンスルホン酸塩(C15)、ヘ サデシルベンゼンスルホン酸塩(C16)、ヘプタ デシルベンゼンスルホン酸塩(C17)、オクタデ ルベンゼンスルホン酸塩(C18)のうちの1種ま は2種以上を用いることができる。これらの 中でもドデシルベンゼンスルホン酸塩、およ び炭素数10~16の混合物がより好ましい。
 また、塩としては、ナトリウム塩、カリウ 塩、アミン塩などが好ましく、ナトリウム およびアミン塩がより好ましい。
 アルカリ領域では、アンモニウム基(NH 4 + )は、Cuに対する錯化剤および酸化剤として働 き、(1)式のように反応して錯体を形成する。
   Cu + 4NH 4 +  → [Cu(NH 3 ) 4 ] 2+      …(1)
 銅膜のCMPでは、このテトラアンミン銅錯体 研磨パッドとの接触によって除去され、研 が促進すると考えられている。
 さらに研磨組成物中に炭素数9~18のアルキル 基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩が 存在すると、テトラアンミン銅錯体の周りを アルキルベンゼンスルホン酸塩が取り囲むよ うに配位し、一種の保護膜が形成される。
 この保護膜によって、銅のエッチングが抑 され、ディッシングなどの抑制、段差解消 の向上が実現される。また保護膜は低荷重 研磨では除去されにくく低荷重での研磨速 を抑制するとともに、荷重が高くなると容 に除去され、テトラアンミン銅錯体による 磨促進効果が発揮される。
 このように、低荷重では研磨速度を低く、 荷重では研磨速度を高くすることで、荷重 存性を発現させ、配線部分での段差解消性 向上させて、平坦性を向上させることがで る。
 アルキルベンゼンスルホン酸塩の炭素数に いては、炭素数が8以下のアルキル基を有す る場合、低荷重(たとえば5hPa)でも研磨速度が 高くなり、平坦性が悪化する。炭素数が19以 のアルキル基を有する場合、銅膜表面にア キルベンゼンスルホン酸塩が付着してしま 、テトラアンミン銅錯体が形成されにくく ることで研磨速度が低下したり、テトラア ミン銅錯体に配位しにくくなり保護膜が形 されず、低荷重での研磨速度が高くなって まう。
 また、本発明の研磨組成物におけるアルキ ベンゼンスルホン酸塩の含有量は、研磨組 物全量の0.1~2重量%であり、より好ましくは0 .25~1重量%である。アルキルベンゼンスルホン 酸塩の含有量が増加するとともに、研磨速度 は低下することになるが、アルキルベンゼン スルホン酸塩の含有量と研磨速度との相関性 が直線性を有していれば、研磨組成物の最適 化などが容易になり、研磨組成物として扱い やすく優れている。アルキルベンゼンスルホ ン酸塩が0.1重量%未満では、含有量と研磨速 との相関性が崩れるために好ましくない。 た、含有量が2重量%を越えると、十分な研磨 速度が得られなくなる。
 さらに、アルキルベンゼンスルホン酸塩の 有量が、より好ましい0.25~1重量%の範囲では 、低荷重での研磨速度が低く抑えられ、高荷 重での研磨速度は十分高くすることができる 。
 本発明は、過酸化水素を含むことで、さら 高速な研磨速度を実現することができる。 発明の研磨組成物における過酸化水素の含 量は、研磨組成物全量の0.1~5.0重量%であり 好ましくは0.5~4.0重量%である。過酸化水素の 含有量が0.1重量%未満では、十分な効果が得 れず、5.0重量%を越えると、銅などとの酸化 応が過剰になるなど、研磨制御が困難とな 好ましくない。
 酸化剤としては、過酸化水素以外に、たと ば、過酸化水素、硫酸、塩酸、硝酸、ヨウ 酸、ヨウ素酸塩(ヨウ素酸カリウムなど)、 ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩(過ヨウ素酸カリウ など)、過硫酸塩、次亜塩素酸、オゾン水な どを用いることができる。酸化剤は、これら の1種を単独で使用できまたは2種以上を併用 きる。
 本発明の研磨組成物に含まれる有機酸とし は、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、エチレ ジアミン四酢酸、シュウ酸、マロン酸、ニ チン酸、吉草酸、アスコルビン酸、アジピ 酸、ピルビン酸、グリシン、コハク酸およ フマル酸から選ばれる1種または2種以上で る。これらの中でも、酒石酸が好ましい。
 本発明の研磨組成物における有機酸の含有 は、研磨組成物全量の1.0~10重量%であり、好 ましくは3.0~8.0重量%である。アミノ酸の含有 が1.0重量%未満および10重量%を超えると、研 磨速度の向上がほとんど見られない。
 本発明の研磨組成物において、そのpHはア カリ性で8~12の範囲であればよく、好ましく 9~10.5である。
 本発明の研磨組成物においては、砥粒を含 ずとも十分な効果が発揮されるが、本発明 好ましい特性を損なわない範囲で、砥粒を んでいてもよい。砥粒を含むことでより研 速度を向上させることができる。
 砥粒としては、この分野で常用されるもの 使用でき、たとえば、コロイダルシリカ、 ュームドシリカ、コロイダルアルミナ、ヒ ームドアルミナおよびセリアなどが挙げら る。
 本発明の研磨組成物における砥粒の含有量 、研磨組成物全量の0.01~10重量%である。
 本発明の研磨組成物には、上記の組成に加 てさらに、pH調整剤などを含んでいてもよ 。
 pH調整剤としては、酸性成分として硝酸(HNO 3 )、硫酸、塩酸、酢酸、乳酸などが挙げられ アルカリ性成分として水酸化カリウム(KOH)、 水酸化カルシウム、水酸化リチウムなどが挙 げられる。
 本発明の研磨組成物は、その好ましい特性 損なわない範囲で、従来からこの分野の研 用組成物に常用される各種の添加剤の1種ま たは2種以上を含むことができる。
 本発明の研磨組成物で用いられる水として 特に制限はないが、半導体デバイスなどの 造工程での使用を考慮すると、たとえば、 水、超純水、イオン交換水、蒸留水などが ましい。
 本発明の研磨組成物の製造方法について説 する。
 研磨組成物が、砥粒を含まず、アンモニウ 基を含む塩基性化合物、アルキルベンゼン ルホン酸塩および過酸化水素および水溶性 他の添加剤のみからなる場合は、これらの 合物をそれぞれ適量、さらに全量が100重量% になる量の水を用い、これらの成分を一般的 な手順に従って、所望のpHとなるように水中 均一に溶解または分散させることによって 造することができる。
 本発明の研磨組成物は、LSI製造工程におけ 各種金属膜の研磨に好適に使用することが き、特にダマシン法によって金属配線を形 する際のCMP工程において、金属膜を研磨す ための研磨スラリーとして好適に使用でき 。より具体的には、SIPにおいてLSIチップを 層するための金属配線、半導体デバイスの 層銅配線(この銅配線の形成には膜厚5μm以 の銅膜を研磨する必要がある)などを形成す 際の金属膜研磨スラリーとして非常に好適 使用できる。すなわち、本発明の組成物は ダマシン法によるCMP工程用金属膜研磨組成 として特に有用である。
 また、ここで研磨対象になる金属膜として 、基板表面に被覆される銅、銅合金などの 属膜、タンタル、窒化タンタル、チタン、 化チタン、タングステンなどが挙げられる この中でも、特に銅の金属膜が好ましい。

 以下では、本発明の実施例および比較例に いて説明する。
 本発明の実施例および比較例を、それぞれ 下のような組成で作製した。
(実施例1)
 アンモニア                 5重量%
 ドデシルベンゼンスルホン酸アミン塩     0.5重量%
 過酸化水素                 2重量%
 水                     残部
(比較例1)
 アンモニア                 5重量%
 過酸化水素                 2重量%
 水                     残部
 実施例1、比較例1のpHは、pH調整剤(硫酸)を 量添加して10に調整した。
 比較例は、ドデシルベンゼンスルホン酸ア ン塩を含んでないこと以外は、実施例1と同 じ組成である。
 上記の実施例1および比較例1を用いて、研 速度を測定した。研磨条件、および研磨速 の評価方法は以下に示す通りである。
[研磨条件]
  被研磨基板:φ100mm銅めっき基板
  研磨装置:ECOMET4(BUEHLER社製)
  研磨パッド:MHパッド(ニッタ・ハース株式 社製)
  研磨定盤回転速度:100rpm
  キャリア回転速度:65rpm
  研磨荷重面圧:5,140hPa
  半導体研磨用組成物の流量:30ml/min
  研磨時間:60秒間
[研磨速度]
 研磨速度は、単位時間当たりに研磨によっ 除去されたウエハの厚み(μm/min)で表される 研磨によって除去されたウエハの厚みは、 エハ重量の減少量を測定し、ウエハの研磨 の面積で割ることで算出した。結果を表1に 示す。
 表1に示す結果からわかるように、実施例1 、研磨荷重が5hPaと低いと研磨速度が上昇せ 、140hPaまで高くすると研磨速度も上昇した 比較例1は、研磨荷重が低くても研磨速度が 高くなってしまい、140hPaに高めても研磨速度 はあまり上昇しなかった。
[アルキルベンゼンスルホン酸塩含有量]
 アルキルベンゼンスルホン酸塩の好適な含 量を検討するために、ドデシルベンゼンス ホン酸塩の濃度を以下のように変化させ、 磨速度を測定した。
 (検討例1)
 アンモニア                 5重量%
 ドデシルベンゼンスルホン酸アミン塩     0~2重量%
 過酸化水素                 2重量%
 有機酸:酒石酸               5重量%
 pH調整剤:水酸化カリウム         適量
 水                     残部
 pHは、pH調整剤(水酸化カリウム)を適量添加 て10に調整した。
 研磨条件および研磨速度の評価方法は上記 同じである。結果を図1に示す。
 図1は、研磨速度に対するドデシルベンゼン スルホン酸アミン塩の含有量が及ぼす影響を 示すグラフである。
 横軸はドデシルベンゼンスルホン酸アミン の含有量[重量%]を示し、縦軸は研磨速度[μm /min]を示す。プロット1は荷重が5hPaの場合を し、プロット2は荷重が140hPaの場合を示して る。なお、プロット2については、ドデシル ベンゼンスルホン酸塩が0.1重量%未満での測 値における近似直線と、0.1重量%以上での測 値における近似直線とを記載した。
 図1からわかるように、荷重が140hPaの場合、 ドデシルベンゼンスルホン酸塩が0.1重量%未 と、0.1重量%以上とでは、近似直線の傾きが きく異なり、0.1重量%未満では含有量に対す る研磨速度の変化が急激で研磨速度が不安定 になりやすく、含有量と研磨速度との相関性 が崩れるために好ましくない。また、含有量 が2重量%を越えると、十分な研磨速度が得ら なくなる。
 さらに、ドデシルベンゼンスルホン酸塩の 有量が、0.25重量%以上となると、低荷重で 研磨速度が低く抑えられ、高荷重での研磨 度は十分高くなる、換言すれば研磨速度比 非常に大きくなった。
 有機酸をさらに含むことで、本発明の研磨 成物はさらに研磨速度を向上させることが きる。
 以下では、有機酸として酒石酸を含む構成 ついてさらに検討を行った。
(実施例2)
 アンモニア                 5重量%
 ドデシルベンゼンスルホン酸アミン塩     0.5重量%
 過酸化水素                 2重量%
 有機酸:酒石酸               5重量%
 水                     残部
(実施例3)
 砥粒:コロイダルシリカ           3重 %
 アンモニア                 5重量%
 ドデシルベンゼンスルホン酸アミン塩     0.5重量%
 過酸化水素                 2重量%
 有機酸:酒石酸               5重量%
 水                     残部
(実施例4)
 砥粒:コロイダルシリカ           3重 %
 アンモニア                 5重量%
 C10-16アルキルベンゼンスルホン酸Na塩0.5重 %
 過酸化水素                 2重量%
 有機酸:酒石酸               5重量%
 水                     残部
 C10-16アルキルベンゼンスルホン酸Na塩は、 素数が10~16のアルキルベンゼンスルホン酸Na の混合物である。
(比較例2)
 アンモニア                 5重量%
 過酸化水素                 2重量%
 有機酸:酒石酸               5重量%
 水                     残部
(比較例3)
 アンモニア                 5重量%
 オクチルベンゼンスルホン酸アミン塩     0.5重量%
 過酸化水素                 2重量%
 有機酸:酒石酸               5重量%
 水                     残部
 実施例2~4および比較例2,3のpHは、pH調整剤( 酸化カリウム)を適量添加して10に調整した
 比較例2は、ドデシルベンゼンスルホン酸ア ミン塩を含んでないこと以外は、実施例2と じ組成である。比較例3は、ドデシルベンゼ スルホン酸アミン塩の代わりにオクチルベ ゼンスルホン酸アミン塩を含んでいること 外は、実施例2と同じ組成である。
 実施例3は、砥粒としてコロイダルシリカを 含んでいること以外は、実施例2と同じ組成 あり、実施例4は、ドデシルベンゼンスルホ 酸アミン塩の代わりに炭素数が10~16のアル ルベンゼンスルホン酸Na塩の混合物を含んで いること以外は、実施例3と同じ組成である
 上記の実施例2~4および比較例2,3を用いて、 磨速度を測定した。研磨条件、および研磨 度の評価方法は上記と同じである。結果を 2および図2に示す。
 表2からわかるように、比較例2,3では、5hPa 荷重が低い条件でも研磨速度が高く、荷重 140,210hPaの条件との差がほとんどなかったの 対し、実施例2~4はいずれも荷重が5hPaの条件 では研磨速度が非常に低く抑えられており、 荷重が140,210hPaの条件では研磨速度が向上し いることがわかった。
 また、実施例としては、砥粒を含む実施例3 、炭素数の異なるアルキル基を有するベンゼ ンスルホン酸塩の混合物を含む実施例4でさ に研磨速度の向上が見られた。
 さらに、低荷重での研磨速度と高荷重での 磨速度との比である研磨速度比についての 果を以下に示す。
 図2は、実施例2~4および比較例2,3の研磨速度 比を示すグラフである。
 縦軸は、荷重5hPaでの研磨速度と荷重140hPaで の研磨速度との比(グラフ3)、および荷重5hPa の研磨速度と荷重210hPaでの研磨速度との比( ラフ4)である研磨速度比[-]を示す。
 比較例2,3については、低荷重(5hPa)での研磨 度が高いため、研磨速度比としては1.1また 1.4程度と小さく、荷重依存性が見られなか た。実施例2~4は、低荷重(5hPa)での研磨速度 低いため、研磨速度比としても少なくとも1 0倍以上と大きく、荷重依存性が見られた。
 荷重依存性は、段差解消性に大きく影響し 荷重依存性が大きいほど(研磨速度比が大き いほど)段差解消性に優れ、平坦性が向上す ことがわかっている。したがって、本発明 研磨組成物は、研磨速度を向上させるとと に、平坦性も向上させることがわかった。
 さらに、アンモニウム基を含む塩基性化合 として、水酸化アンモニウム以外の化合物 用いた構成について検討を行った。
 実施例5~11は、それぞれアンモニウム基を含 む塩基性化合物として水酸化アンモニウムの 代わりに、塩化アンモニウムを含むこと(実 例5)、炭酸アンモニウムを含むこと(実施例6) 、硝酸アンモニウムを含むこと(実施例7)、硫 酸アンモニウムを含むこと(実施例8)、炭酸水 素アンモニウムを含むこと(実施例9)、りん酸 アンモニウムを含むこと(実施例10)、ピロリ 酸アンモニウムを含むこと(実施例11)以外は 実施例1と同じ組成である。
 このような実施例5~11を用いて、研磨速度を 測定した。研磨条件、および研磨速度の評価 方法は上記と同じである。結果を表3に示す
 実施例5~11はいずれも荷重が5hPaの条件では 磨速度が非常に低く抑えられており、荷重 140hPaの条件では研磨速度が向上しているこ がわかった。
 これにより、種々のアンモニウム塩を用い 場合にも本発明の研磨組成物は荷重依存性 有し、研磨速度を向上させるとともに、平 性も向上させることがわかった。
 さらに、有機酸として、酒石酸以外の化合 を用いた構成について検討を行った。
 実施例12~18は、それぞれ有機酸として酒石 の代わりに、クエン酸を含むこと(実施例12) リンゴ酸を含むこと(実施例13)、シュウ酸を 含むこと(実施例14)、マロン酸を含むこと(実 例15)、グリシンを含むこと(実施例16)、コハ ク酸を含むこと(実施例17)、フマル酸を含む と(実施例18)以外は、実施例3と同じ組成であ る。
 このような実施例12~18を用いて、研磨速度 測定した。研磨条件、および研磨速度の評 方法は上記と同じである。結果を表4に示す
 実施例12~18はいずれも荷重が5hPaの条件では 磨速度が非常に低く抑えられており、荷重 140hPaの条件では研磨速度が向上しているこ がわかった。
 これにより、種々の有機酸を用いた場合に 本発明の研磨組成物は荷重依存性を有し、 磨速度を向上させるとともに、平坦性も向 させることがわかった。
 次に、アルキルベンゼンスルホン酸塩の含 量を変化させたときのディッシング量の変 について検討を行った。
 実施例19~24は、それぞれアルキルベンゼン ルホン酸塩の含有量を、0.5重量%に代えて、0 .05重量%としたこと(実施例19)、0.25重量%とし こと(実施例20)、0.75重量%としたこと(実施例2 1)、1.0重量%としたこと(実施例22)、1.5重量%と たこと(実施例23)、2.0重量%としたこと(実施 24)以外は、実施例4と同じ組成である。
 比較例4は、アルキルベンゼンスルホン酸塩 を含有しないこと以外は、実施例4と同じ組 である。
 このような実施例4,19~24および比較例4を用 て、ディッシング量を測定した。研磨条件 上記と同じである。なお、研磨荷重面圧は14 0hPaであり、被研磨基板であるφ100mm銅めっき 板は、配線幅100μmで深さが5000nmの銅配線が けられ、厚みが10μmの銅めっき膜が全面に 成されたものである。
[ディッシング量]
 被研磨基板であるφ100mm銅めっき基板を研磨 し、銅配線の露出に要した時間の30%に相当す る時間を追加研磨時間として、銅配線が露出 したことを確認した後、追加研磨時間だけさ らに研磨を行った。追加研磨時間が終了した 後、銅配線の表面に形成された凹みの深さを 触針式プロファイラー(商品名 P12、KLA Tencor 製)によって測定し、測定結果をディッシン グ量とする。測定結果を表5に示す。
 アルキルベンゼンスルホン酸塩を含有しな 比較例4は、ディッシング量が5000nmであり、 大きなディッシングが発生していたのに対し て、アルキルベンゼンスルホン酸塩を含有す る実施例4,19~24は、ディッシング量が小さく ィッシングの発生が抑えられていることが かった。アルキルベンゼンスルホン酸塩の 有量が増加するに従ってディッシング量は さくなり、1.0~2.0重量%ではほとんど変化がな くなった。
 次に、エッチング速度について、実施例2と 比較例2を用いて評価を行った。エッチング 度の評価方法は以下に示す通りである。
[エッチング速度]
 評価したエッチング速度は、サンプルを研 組成物内で振盪させた場合の、いわゆる動 エッチング速度である。
 サンプルは、30mm×30mmの銅プリント基板を用 い、振幅23mm、周波数2.2Hzの振盪条件で、実施 例2および比較例2の研磨組成物に液中浸漬時 60秒間で浸漬した。
 研磨組成物への浸漬前の銅箔厚みと、浸漬 の銅箔厚みとからエッチングによる厚みの 少分を算出した。
 比較例2のエッチング速度が6.5μm/minであっ のに対し、実施例2は2.2μm/minとエッチング速 度が抑制されたことがわかった。
 また、他の評価として表面平滑性について 実施例1~24、比較例1~3を用いて評価を行った 。
 表面平滑性は、それぞれの研磨組成物を用 て上記の研磨条件で研磨したあとの銅箔表 を目視することで評価を行った。
 比較例1~3は、全て研磨後の銅箔表面が曇っ 状態で鏡面部分は見られなかった。これに し、実施例1~24は、全て研磨後の銅箔表面が 鏡面状態であり、十分に平滑化されているこ とがわかった。
 本発明は、その精神または主要な特徴から 脱することなく、他のいろいろな形態で実 できる。したがって、前述の実施形態はあ ゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範 は特許請求の範囲に示すものであって、明 書本文には何ら拘束されない。さらに、特 請求の範囲に属する変形や変更は全て本発 の範囲内のものである。

 本発明によれば、アンモニウム基を含む塩 性化合物、炭素数9~18のアルキル基を有する アルキルベンゼンスルホン酸塩および過酸化 水素を含むことを特徴とする研磨組成物であ る。
 低荷重での研磨速度が低く、高荷重での研 速度が高く、それぞれの研磨速度の比が大 くなるにつれて、すなわち荷重依存性が大 くなるにつれて、配線部分での段差解消性 優れ、平坦性が向上する。
 本発明では、上記のような組成とすること 、高速な研磨速度を達成するだけでなく、 重依存性を大きくすることができ、これに って平坦性を向上させることができる。
 また本発明によれば、pHが8~12であり、アル リ性で用いられることが好ましい。pHが8よ 小さいと研磨速度が低下してしまい、pHが12 を超えると銅のエッチング速度が高くなり、 平坦性が悪化する。
 また本発明によれば、アンモニウム基を含 塩基性化合物が、水酸化アンモニウム、塩 アンモニウム、炭酸アンモニウム、硝酸ア モニウム、硫酸アンモニウム、二硫酸アン ニウム、亜硝酸アンモニウム、亜硫酸アン ニウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸アン ニウム、シュウ酸アンモニウム、ペルオキ 酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、ピ リン酸アンモニウムおよびアジピン酸アン ニウムから選ばれる1種または2種以上を用 ることができる。
 また本発明によれば、アルキルベンゼンス ホン酸塩の有するアルキル基の炭素数が10~1 6であることがより好ましい。
 また本発明によれば、砥粒を含むことで研 速度をさらに向上することができる。
 また本発明によれば、酒石酸、クエン酸、 ンゴ酸、エチレンジアミン四酢酸、シュウ 、マロン酸、ニコチン酸、吉草酸、アスコ ビン酸、アジピン酸、ピルビン酸、グリシ 、コハク酸およびフマル酸から選ばれる1種 または2種以上である有機酸を含むことでさ に向上することができる。