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Patent Searching and Data


Title:
POLISHING SHEET AND METHOD FOR PRODUCING POLISHING SHEET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/066710
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a polishing sheet suitable for precise polishing, wherein polishing material particles are arranged as a single particle layer in a polishing layer of the polishing sheet and planarity of the polishing material particles arranged in the polishing sheet is improved, thereby reducing scratches, recesses and projections formed in the surface of a polished object. Also disclosed is a polishing sheet. Specifically disclosed is a polishing sheet (30) comprising a base sheet (31) and a polishing layer (34) formed on the surface of the base sheet (31). The polishing sheet (30) is characterized in that the polishing layer (34) is composed of polishing particles (32) and a binder resin (33) fixing the polishing particles (32), and the polishing particles (32) are arranged as a single particle layer. The polishing sheet (30) is also characterized in that the polishing particles (32) partially project from the surface of the binder resin (33), or partially project from the surface of the binder resin (33), while being covered with a thin film of the binder resin (33).

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Inventors:
WATANABE NOBUYOSHI (JP)
TANI KAZUNORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071070
Publication Date:
May 28, 2009
Filing Date:
November 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIHON MICROCOATING CO LTD (JP)
WATANABE NOBUYOSHI (JP)
TANI KAZUNORI (JP)
International Classes:
B24D3/00; B24D3/28; B24D11/00
Foreign References:
JP2003340730A2003-12-02
JPH01274966A1989-11-02
JP2002172563A2002-06-18
JPH07237126A1995-09-12
Attorney, Agent or Firm:
HORI, Akihiko et al. (Zentoku Roppongi building 7-27, Roppongi 1-chome, Minatok, Tokyo 32, JP)
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Claims:
 基材シートの表面に形成される、研磨層に含まれる研磨材粒子が単一層に配置される研磨シートの製造方法であって、
 前記研磨層に前記研磨材粒子を固定するためのバインダー樹脂を前記基材シートの表面に塗布する塗布工程と、
 一定量の研磨材粒子を、同一極性に帯電させる研磨材帯電工程と、
 帯電した研磨材粒子を搬送し、バインダー樹脂が塗布された前記基材シートに静電散布する静電散布工程と、
 研磨材が散布された前記基材シート上のバインダー樹脂を硬化させる硬化工程とを備えてなり、
 基材シートの表面に塗布するバインダー樹脂の厚さを、前記研磨材粒子の平均粒径以下とすることを特徴とする研磨シートの製造方法。
 前記基材シートの表面に塗布される前記バインダー樹脂の厚さは、前記研磨粒子の平均粒径の3分の2以下、10分の1以上の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の研磨シートの製造方法。
 前記研磨粒子は、あらかじめ用途に応じて分級されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨シートの製造方法。
 研磨材帯電工程は、前記研磨材粒子を金属製配管に送り込み、該研磨材粒子を摩擦帯電によって同一極性の帯電粒子を形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の研磨シートの製造方法。
 前記静電散布工程における、研磨材粒子の帯電量(静電電位)を1kV~20kVの範囲とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の研磨シートの製造方法。
 前記静電散布工程において、散布後の研磨材粒子の一部を前記バインダー樹脂表面から露呈させ、該研磨粒子の一部が切刃としてバインダー樹脂表面から露呈していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の研磨シートの製造方法。
 研磨シート表面における、前記研磨材粒子の面積密度が30%~95%の範囲とすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の研磨シートの製造方法。
 前記研磨材粒子として乾燥粉が使用され、該研磨材粒子の水分率が5%以下であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の研磨シートの製造方法。
 前記バインダー樹脂として、紫外線(UV)硬化樹脂が使用されてなることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の研磨シートの製造方法。
 基材シートと、該基材シートの表面に形成される研磨層とを備えた研磨シートであって、
 前記研磨層は、研磨粒子と該研磨粒子を固定するバインダー樹脂とで形成されるとともに、前記研磨粒子が単一層に配置されるとともに、前記バインダー樹脂の表面よりその一部を突出してなり、又は前記バインダー樹脂の表面よりその一部を前記バインダー樹脂の薄膜で被覆された状態で突出してなる、ことを特徴とする研磨シート。
Description:
研磨シート及び研磨シートの製 方法

 本発明は、金属、セラミックス、ガラス び単結晶等の素材研磨、研削、又は磁気ハ ドディスク及び半導体基板表面の鏡面研磨 又は磁気ヘッド、レンズ等の表面の精密仕 げ研磨、又は光ファイバー端面研磨、又は 体等の表面仕上げ研磨等、粗研磨から超精 研磨にわたる研磨に使用するための、テー 状、ディスク状等に切断される研磨シート びその製造方法に関するものである。

 一般に、研磨シートは、プラスチックシ ト、織布、不織布、紙等の可撓性の基材シ トの表面に、研磨材粒子を含む研磨層を形 したものであり、研磨の目的や形態に応じ 、テープ状、ディスク状又はその他の形状 適宜切断されて使用される。

 研磨層は、研磨材粒子とバインダー接着 との混合物であるスラリーを基材シート表 に塗布、乾燥、そして硬化させることによ 製造される。又は、基材シート表面にバイ ダー接着剤を塗布し、研磨材粒子を帯電さ た後にバインダー塗布面に電着法等によっ 散布し、乾燥させて形成される。

 これら従来実用化されている研磨テープ 、その研磨層の砥粒が多層構造を有してお 、粒子同士が密に接触した表面構造からな ている。しかし、微視的に見ると決して一 ではなくて、多数の箇所で砥粒の凝集塊が 磨層の表面から突き出している。このため い傷とかスクラッチを生じる原因となって る。

 高精度研磨には粒度分布の揃った微細な 磨材粒子の使用が必要となる。ところが研 材の粒子径が小さくなると粒子は凝集し易 研磨剤を樹脂中に均一に分散させることが 難となる。砥粒が凝集状態で塗布された場 、研磨テープの表面粗さが不揃いになり、 研磨物の表面に傷が発生する。また、研磨 ラを生ずる原因となる。特に磁気ハードデ スク及び半導体基板表面の鏡面研磨、又は 気ヘッド、レンズ等の表面の精密仕上げ研 、又は光ファイバー端面研磨など、製品性 の向上が著しい部品については、益々各製 プロセスにおけるデバイス表面の平滑性並 に平坦性の向上が要求される。

 しかしながら、従来の研磨テープでは、 の要求に十分対応できない状況になってき いる。また、微小砥粒による研磨において 、上記のように砥粒の凝集塊による傷のほ 、砥粒の表面にバインダー樹脂が覆ってい 研磨層と被研磨物との間の接触面積が大き なり被研磨物との摩擦が大きくバインダー 脂の溶着や、研磨屑の排出排除が困難なた 目詰まりを生じ研磨フィルムの寿命が短く る原因となっている。

 従来から、このような問題を解決するた に、バインダー樹脂中に研磨材粒子を分散 せる方法を用い、溶剤、分散剤、それらの 合比、塗布手段、塗布量等を調節すること よって、シート上に実質的に重畳しない粒 として単層構造で接着して研磨層を形成す 方法が提案されている(例えば、特許文献1 照)。

 しかし、この方法では、研磨材粒子を均 に分散させ塗布することが困難である。ま 、研磨材粒子の切刃をバインダー樹脂表面 露出することができない。

 一方、研磨材粒子の一部を研磨層から露 する方法として、研磨材粒子をバインダー 脂とともに塗布し、バインダーを固化した 、研磨層表面に紫外線(UV)を照射して、研磨 材粒子を被覆しているバインダーを除去して 、研磨材粒子を研磨層表面に露出する方法が 提案されている(例えば、特許文献2参照)。

 しかし、この方法では、表面のバインダ 樹脂を十分に除去するためには非常に長時 を要し、量産性が悪い。また、紫外線の長 間照射によって、バインダー樹脂表面が変 して研磨材粒子の脱落が起こるという問題 あった。

 また、別な方法として、予め基材表面に インダー樹脂を塗布しておき、該基材周辺 電界を形成し、研磨材粒子を帯電させた後 この研磨材を電界中に搬送することにより 磨材粒子に電界から静電力を発生させて基 表面上に付着する方法がある。

 しかしながら、このように電極と基材と 間に形成される電界によって研磨材粒子を 電させる方法では、微粒子(10μm以下)の場合 、凝集粒子として帯電する問題があり、単一 粒子散布が困難となる(例えば、特許文献3参 )。

特開平1-234169号公報

特開平2-243271号公報

特開2003-340730号公報

 したがって、本発明の目的は、研磨シー の研磨層に研磨材粒子を単一粒子層に配置 、研磨シートに配置した研磨材粒子の平坦 を向上させ、被研磨物表面にスクラッチや 凸を減少させた、精密な研磨に適した研磨 ートの製造方法及び研磨シートを提供する とにある。

 前記目的を達成するために本発明が提案 るものは、基材シートの表面に形成される 研磨層に含まれる研磨材粒子が単一層に配 される研磨シートの製造方法であって、前 研磨層に前記研磨材粒子を固定するための インダー樹脂を前記基材シートの表面に塗 する塗布工程と、一定量の研磨材粒子を、 一極性に帯電させる研磨材帯電工程と、帯 した研磨材粒子を搬送し、バインダー樹脂 塗布された前記基材シートに静電散布する 電散布工程と、研磨材が散布された前記基 シート上のバインダー樹脂を硬化させる硬 工程とを備えてなり、基材シートの表面に 布するバインダー樹脂の厚さを、前記研磨 粒子の平均粒径以下とすることを特徴とす 研磨シートの製造方法である。

 この製造方法によれば、基材表面に研磨 粒子が均一散布され、しかも必要な粒子密 を容易に制御が可能であることが判明した また、基材シートの表面に塗布するバイン ー樹脂の厚さを、前記研磨材粒子の平均粒 以下とするので、研磨材粒子が均一な単一 配置でき、研磨効率が高く、微細なスクラ チや凹凸の発生を抑えることができる。

 また前記基材シートの表面に塗布される 記バインダー樹脂の厚さは、前記研磨粒子 平均粒径の3分の2以下、10分の1以上の範囲 あることが好ましい。

 2/3以下としたのは研磨材粒子がバインダ 樹脂の中に埋もれないようにするためであ 。また、1/10以上としたのは、1/10以下にな とバインダー樹脂の量が不足し、研磨材粒 がバインダー樹脂からの脱落が起こるから ある。

 さらに前記研磨粒子は、あらかじめ用途 応じて分級されたものであることが好まし 。均一で単一層の研磨層を形成させるため ある。

 この製造方法にあっては、前記研磨材粒 を圧縮ガスによって金属製配管に送り込み 該金属製配管の内壁との接触によって、該 磨材粒子を摩擦帯電させて同一極性の帯電 子を形成することが好ましい。

 また、前記静電散布工程における、研磨 粒子の帯電量(静電電位)を1kV以上、20kV以下 範囲とすることが好ましい。帯電量が1kV以 では、粒子同士の反発力が弱く、単一層の 布が困難となる。20kV以上では、バインダー 樹脂の飛散や表面にダメージが生じるので好 ましくないからである。

 更にまた、前記研磨材粒子の散布工程に いて、散布後の研磨材粒子の一部を前記バ ンダー樹脂表面から露呈させ、該研磨粒子 一部が切刃としてバインダー樹脂表面から 呈させることができる。このようにすれば 研磨粒子の切刃が表面に露出し、加工速度 さらに向上する。

 更にまた、研磨シート表面における、前 研磨粒子の面密度が30%~95%の範囲とすること が好ましい。本発明法によれば、研磨材粒子 の散布回数によって、小量ロットでも任意に 調整できる。

 更にまた、前記研磨材粒子として乾燥粉 使用され、該研磨材粒子の水分率が5%以下 あることが好ましく、さらに1%以下であれば より好ましい。このようにすれば研磨材粒子 の帯電量が安定する。また、微細粒子での凝 集を低減できる。

 前記バインダー樹脂として、紫外外線(UV) 硬化型樹脂を使用することが好ましい。さら に、研磨材粒子を強固に固定するためには、 バインダー樹脂としてエポキシ系樹脂が好適 である。

 更にまた本発明が提案するものは、基材 ートと、該基材シートの表面に形成される 磨層とを備えた研磨シートであって、前記 磨層は、研磨粒子と該研磨粒子を固定する インダー樹脂とで形成されるとともに、前 研磨粒子が単一層に配置されるとともに、 記バインダー樹脂の表面よりその一部を突 してなり、又は前記バインダー樹脂の表面 りその一部を前記バインダー樹脂の薄膜で 覆された状態で突出してなることを特徴と る研磨シートである。

 研磨粒子が単一層に配置されるとともに バインダー樹脂に研磨粒子が埋もれないの 、効率の良い仕上げ研磨ができ、さらに研 シートの寿命をも長くできる。

 以上のような本発明によって製造された 磨テープよれば、光ファイバー端面や半導 基板表面などの被研磨物の表面にスクラッ を形成させずに、異種物質の構成に対して 段差を低減し、平坦で平滑な表面を得る、 いう効果を奏する。

 また、粒径の揃った研磨材粒子を使用す ことによって、単一粒子層に配置された研 層が形成され、個々の研磨材粒子が効率よ 被研磨物に作用するため、研磨速度を大幅 向上できる。

 さらに、研磨材粒子が単一粒子層で構成 れているため、従来のような多層構造の研 シートに比べ、研磨材粒子の使用量が節約 き、コストの低減に効果がある。

 更にまた、本発明は、予め基材表面にバ ンダー樹脂を所定量塗布した上に研磨材粒 を一定量帯電させながら散布するため小量 ットの生産が可能である。また、用途に応 て粒子の面積密度も任意に調整きる、とい 効果を奏する。

図1(a)及び図2(b)は、本発明に係る研磨 ートの断面模式図である。

本発明に係る研磨シートを製造するた の帯電散布装置の概略断面構成図である。

図3(a)、図3(b)及び図3(c)はそれぞれ本発 による研磨材粒子の散布状態を示す顕微鏡 面写真図である。

図4は本発明に係る実施例で製造した研 磨シート表面のSEM像である。

図5比較例で製造した研磨シート表面の SEM像である。

図6は本発明に係る研磨シートを使用す る試験片加工装置の概略斜視図である。

 以下、添付図面を参照して本発明の好ま い実施形態を説明する。

 図1の(a)及び(b)は、本発明に係る研磨シー トの断面模式図、図2は本発明に係る研磨シ トを製造するための帯電散布装置の概略断 構成図、図3の(a)(b)(c)はそれぞれ本発明によ 研磨材粒子の散布状態を示す顕微鏡平面写 図、図4は本発明に係る実施例で製造した研 磨シート表面のSEM像、図5は比較例で製造し 研磨シート表面のSEM像、図6は本発明に係る 磨シートを使用する試験片加工装置の概略 視図である。

<研磨テープ>
 図1に示すように、本発明の研磨シート30は 合成樹脂製の基材シート31と、及びこの基 シート31の表面に形成した研磨層34とから構 されている。研磨層34は、研磨材粒子32が単 一層に並び、そしてこの研磨材粒子32はバイ ダー樹脂33によってその位置が固定されて る。

 図1(a)は、本発明の研磨シートの第1の形 を示し、単一粒子層に配置された研磨材粒 32の表面が薄くバインダー樹脂33の皮膜によ て覆われている。これはバインダー樹脂の 面張力によって形成されたもので、研磨材 子32が強固に固定され研磨材粒子32の脱落が ない構造となっている。なお、研磨材粒子先 端のバインダー樹脂33の皮膜は極めて薄く、 研磨物の研磨において、初期の接触で剥離 るため研磨効率が大幅に向上すると共に、 研磨物表面にバインダー樹脂の付着が回避 きる。

 図1(b)は、本発明の研磨シートの第2の形 を示し、研磨材粒子32の切刃がバインダー樹 脂33から露出した構造となっているため加工 率がさらに向上することができる。

 すなわち、バインダー樹脂33の塗布厚み び樹脂濃度を調整することによって、前記 インダー樹脂33の表面から前記研磨材粒子32 一部の切刃(樹脂皮膜が無い部分)が現れる うになる。それには、切刃高さの揃った構 とすることが好ましい。そのため研磨材の 径は、分級して粒径の揃ったものを使用さ る。これを実現するためには、バインダー 脂33の塗布厚みを研磨材粒子32の平均粒径の2 /3以下、1/10以上の範囲とするのが好ましい。 2/3以上にするとバインダー樹脂33の皮膜によ て研磨材粒子32の50%以上が覆われ、皮膜の みが増加するため加工効率が低下する。

 また、研磨材粒子の散布面積密度は、30% 上、95%以下が好ましい。30%以下なると研磨 率が低下する。一方、95%以上になると、粒 の重なりが起こり、単一層に配置すること 困難となる。

 なお図1(a)(b)のように区分けできる場合も あるが、(a)(b)に示す研磨粒子が混在する場合 もある。すなわち研磨材粒子32の切刃がバイ ダー樹脂33から露出した構造と、研磨材粒 32の表面が薄くバインダー樹脂33の皮膜によ て覆われている構造のものとが併存してい 場合である。

 基材シート31としては、その使用中に作用 る機械的な力による破断や変形などの製造 の熱による変形などに対する耐性(高強度、 熱性)を有し、さらに柔軟性を有する必要性 から合成樹脂からなるプラスチックフィルム が使用される。ただし、用途によっては、紙 、皮革、ゴムなども使用できる。形状として は、特に制限が無く、シート状、板
状そして表面がフラット又は凸面、凹面でも 可能である。

 上記のようなプラスチック基材としては 例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポ ブチレンテレフタレート、ポリエチレンナ タレート等のポリエステル系樹脂、ポリエ レン、ポリプロピレン等のポリオレフィン 樹脂、ポリスチレン、塩化ビニール、ポリ ニルアルコール又はメタアクリルアルコー を主成分とするアクリル樹脂、ポリカーボ ート等からなるフィルムが使用できる。

 実用的には、研磨シートを製造するフィ ムの取り扱いが容易であるため、ポリエチ ンテレフタレートからなるプラスチックフ ルムを基材フィルムとして使用するのが好 しい。

 基材シートの厚さは、特に限定しないが 5μm以上、100μm以下の範囲、好適には10μm以 、75μm以下の範囲にあることが望ましい。

 研磨層に研磨材粒子を固定するためのバ ンダー樹脂としては、特に制限するもので なく、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹 、可視光線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、熱 塑性樹脂やこれらの混合物が使用される。

 特に、本発明の単一粒子層構造の研磨層 形成するためには、硬化工程で研磨材粒子 移動が起こらないようにするためには発熱 加熱温度の低い紫外線硬化型樹脂、可視光 硬化型樹脂が適している。

 バインダー樹脂が紫外線硬化型樹脂であ ときは、光開始剤、増感剤含む、エポキシ 、ポリエステル系、ウレタン系、エポキシ クリレート、ポリエステルアクリレート、 レタンアクリレート、若しくはシリコンア リレート又はこれらの混合物が好適である

 本発明に使用される研磨材粒子としては、 に限定されず、例えば、無機粒子として:ア ルミナ(Al 2 O 3 )、シリカ(SiO 2 )、ダイヤモンド(単結晶、多結晶)、窒化硼素 (cBN)、炭化珪素(SiC)、有機粒子として:架橋ア リル樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミ 樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿 樹脂、ポリカーボネート樹脂などが使用で る。

 無機粒子及び有機粒子の使用は、研磨対 物の種類、表面仕上精度の程度又は除去す 突起及び突起の形状によって適当に選択さ る。

 なお、これら研磨材粒子の粒径は、特に 定するものではないが、0.1μm以上、200μm以 の範囲が使用されるが、0.5μm以上、50μm以 がより好ましい。0.1μm未満であると研磨材 子を単一層で保持することが困難となる。 方、200μm以上になると研磨層表面の凹凸が しくなり、スクラッチが増加し、精密研磨 は向かないものとなる。

 研磨材粒子の粒径は、研磨層の切刃高さ 揃えるために分級によって粒度分布を揃え ものを用いるのが好ましい。より平坦な研 粒子の単一層を形成できるからである。

<研磨テープの製造方法>
 以下研磨テープの製造方法について、研磨 粒子散布の原理、帯電散布装置を含めて説 する。

 本発明の研磨材粒子の単一粒子層配置は 図2の帯電散布装置によって製造される。

<研磨材粒子散布の原理>
 予めバインダー樹脂を塗布した基材シート 面に一定量の研磨材粒子を均一に散布する めに、該研磨材粒子を帯電散布装置を通し 同一極性に帯電させて散布する。この帯電 子はお互いに反発分離するため基材シート 面に散布すると凝集などしないように適当 距離をもってバインダー樹脂上に付着する 帯電した粒子は、付着してもすぐには放電 ないのでバインダー樹脂上では、再凝集す ことなく一定距離を保っている。このよう 帯電散布装置を以下に示す。なお、粒子の 電極性は粒子材料によって不又は正に帯電 る。

<研磨材粒子の帯電散布装置>
 本発明の乾式研磨材粒子の帯電散布装置(以 下、散布装置という)の一例を、図2を参照し 説明する。図2は、散布装置の概要を示す断 面図である。散布装置は、静電散布チャンバ 20と研磨材粒子供給ユニット10、とによって 成されている。

 散布チャンバの天井部には散布ノズル21 取り付けられており、この散布ノズル21は、 研磨材粒子圧送配管(金属製パイプ)16を介し 、研磨材粒子供給ユニット10内の研磨材粒子 調整チャンバ11に連結されている。

 また、静電散布チャンバ内の下方には、 磨材粒子を散布するための基板ステージ22 設け、基材23が配置されている。さらに、基 板ステージ22の下方側には、排気口24が設け れている。また散布により基材23に付着しな かった研磨粒子32を回収する回収口(図示せず )が設けられている。

 一方、研磨材粒子供給ユニット10には、 磨材粒子散布チャンバ11、研磨材粒子量制御 ボックス13が配置されており、更に、研磨材 子散布チャンバ11内には、研磨材粒子供給 ッパ12から供給される研磨材粒子の収容と圧 送配管16へ送り出される研磨材粒子量を制御 るフィーダーユニット(図示せず)が収容さ ており、研磨剤粒子は、研磨材粒子圧送管16 を通って散布チャンバ20の散布ノズル21に導 れる。

 ここで、研磨材粒子32は、前記圧送管内 内壁との接触(摩擦)によって帯電し、研磨材 粒子の帯電粒子が形成される。この帯電粒子 は、負又は正の同一極性を持っているため帯 電粒子同士が反発し合い、再凝集することが ない。

 圧送管の内壁との摩擦を促進するための 法として、圧送管内の圧力損失を防止する めに、(a)圧送管の途中に補給ガス(ドライエ アー、窒素ガス等)供給機能を付加する、(b) 送管内を負圧にする機構、(c)複数の分岐圧 管を付加し、摩擦効率を高める方法が使用 れる。

 次に、散布チャンバ20の散布ノズル21に導 かれた帯電粒子は、散布ノズル21の周囲に配 された散布ノズルから排出される圧縮ガス ともに基材23上に帯電した研磨材粒子が吹 付けられる。

 圧縮ガスは、通常の圧縮ボンベガスが使 され、ドライエアー、窒素ガス等が使用さ る。

 散布ノズル21は、ちょうどスプレーガン 吹き付けるように基材23上に均一に散布され る構造となっている。なお、散布ノズルは、 複数個設けて、それぞれ角度を変えて配置し 、同時又は順次開閉し散布することができる 。散布ノズル21から出た研磨材粒子は、散布 ャンバ20内空間では再凝集されることなく 材ステージ22に置かれた基材上に向かって吹 き付けられ、帯電した研磨材粒子は、基材23 で研磨材粒子同士が反発し合い、凝集する となく一定間隔を保って付着する。

 一方、散布される研磨材粒子量の制御は 研磨材粒子供給ユニット10内の研磨材粒子 送配管16の近傍には、送出研磨材粒子量を検 出するための帯電センサ15が配置され、更に 研磨材粒子供給ユニット10内の下方側には 装置全体を制御する電源、CPUなどが収容さ た制御部14が配置されている。すなわち、帯 電センサ15により散布された研磨材粒子の帯 量をモニタリングするとともにその帯電量 フィードバックして研磨剤粒子の散布量が 御されるようになっている。

 したがって、基材シート23の表面の研磨 粒子密度は、一度の散布量を確認して散布 数によって決められる。また、研磨材粒子 帯電量は研磨剤の種類、粒径、形状などに ってことなるので、予め確認して調整され 。

 このように静電散布された研磨材粒子は 一極性に帯電しているので、研磨材粒子同 が重なることなく、一定距離を保って単一 子層にバインダー樹脂上に付着する。

 なお、基材上への研磨材粒子の散布密度は 一度の散布量と散布回数で調整される。
基材の形状は、特に限定されることなく、板 材、シート、テープの上に散布することがで きる。例えば、テープ状のものならテープを 走行しながら連続的に製造することができる 。

 本発明に係る実施例の研磨シートを以下の うにして製造した。
(1)基材としては、ポリエチレンテレフタレー ト(PET)の厚さ75μmを使用した。研磨材粒子と ては、平均粒径5μmのAl 2 O 3 及びダイヤモンドを使用した。
(2)バインダー樹脂
  バインダー樹脂としての塗布溶液は、エ キシ系UV樹脂として、アデカHCX200-25(樹脂:PGM 17重量%)を使用した。
(3)研磨材粒子は、平均粒径5μmの多結晶ダイ モンド粒子を使用した。

 <塗布方法>
 前記調整した塗布溶液をバーコータ法によ て基材表面に塗布した。塗布厚みは、平均 径の50%(2.5μm)とした。

 <静電散布>
 研磨材粒子の静電散布は、前述の図3の散布 装置を使用した。研磨材粒子の一回の散布量 を0.4g/minとし、散布回数によって研磨材粒子 面積密度を調整した。

 図3は散布回数によって(a)低密度、(b)中密 度、(c)高密度に散布された平均粒径5μmのダ ヤモンド粒子の散布状態の一例を示す。図4 示すように均一に散布されていることがわ る。

 以下の研磨評価に使用した研磨シートの 磨粒子の面積密度は、約50%(図4(b))とした。

 散布条件は、散布ノズル径を5mmとして、キ リアーガス3kg/cm 2 で、5秒間排出させ、この排出を10回繰り返し た。このときの帯電量は5kVであった。

 <バインダー樹脂の硬化方法>
 UV照射装置は、株式会社ジャテック製、J-cur e 1500を使用した。

 照射条件は、出力:1kW,波長;365nm(ピーク)、 積算光量;600mJ/min、照射時間;0.5m/min(ベルト送 )であった。

 その後、ポストキュア:130℃、30分(恒温槽 )を行って研磨シートを製造した。

 図4は、上記実施例の条件で製造した研磨 シート表面を走査型電子顕微鏡で観察した画 像を示す。図4で明らかのように、研磨材粒 の切刃が単一粒子層に配置され、粒子の切 が薄いバインダー樹脂層に覆われているが バインダー樹脂表面から現れている。

(比較例)
 比較例の研磨シートは、実施例で使用した 一仕様の研磨粒子を使用し、従来の製造方 (研磨材粒子とバインダー樹脂を混煉した塗 布溶液を基材に塗布)で製造した。

 図5は、上記比較例の条件で製造した研磨 シート表面を走査型電子顕微鏡で観察した画 像を示す。

<研磨比較評価>
 上記実施例及び比較例の研磨シートを使用 て、ベアリングボール加工試験を行い、一 時間による研磨量、中心線平均表面粗さ(Ra) 及び最大表面粗さ(Rmax)について比較した。

 研磨テープの加工試験は、試験片として ールベアリング(玉軸受け)の鋼球(SUJ-2)、直 4mmを用いて、図6の加工試験用研磨装置(ベ リングボール加工試験)で研磨した。加工試 用研磨装置40は、回転可能な定盤42の上に本 発明の研磨シート43を貼り、加工試験片とし 前記鋼球44を治具45に固定し、主軸46に設置 た研磨ヘッド41の上部より規定の荷重47が加 えられるようになっている。

 加工試験は、研磨シート43を貼り付けた 定盤42を回転し、鋼球44を固定した研磨ヘッ 41を定盤42上に貼り付けた研磨シート43の表 に一定荷重で接触させ、定盤42の中央部か 外周へ一定速度、一定距離移動させて研磨 行った。なお、試験片の加工開始、終了は 支点49で支えたアーム48の上下によって自動 に行われる。加工終了後、鋼球44を治具45か ら外し、重量を量り鋼球44の重量の減量を研 量とした。研磨試験は、鋼球5個の平均で評 価した。

 研磨条件を以下に示す。

 1)荷重:500g
 2)定盤の直径:8インチ
 3)定盤の回転速度:300rpm
 4)中心から外周への移動距離:100mm
 5)研磨時間:12秒
 一方、研磨後の鋼球の研磨面の平均表面粗 Ra,及び最大表面粗さRmaxは、表面粗さ計(東 精密株式会社製、SURFCON 480Aで測定した。

 <比較結果> 比較結果を下記表1に示 。

 上記表1に示すように、本発明に係る実施例 の研磨シートによる研磨効果は、比較例と比 較すると、一定時間の研磨において、平均表 面粗さ(Ra)及び最大表面粗さ(Rmax)で顕著な効 を有している。また、表面粗さが低く仕上 る上に高い研磨量が得られる、という効果 有している。

 また、上記実施例に使用される研磨材粒 の使用量は、上記比較例に対して1/50以下で 済むため、大幅な材料費低減(コストダウン) 果がある。

符号の説明

 10   研磨材粒子供給ユニット
 11   研磨材粒子散布チャンバ
 12   研磨材粒子供給ホッパ
 13   研磨材粒子量制御ボックス
 14   制御部
 15   帯電センサ
 16   研磨材粒子圧送管
 20   静電散布チャンバ
 21   散布ノズル
 22   基板ステージ
 23   基板(被研磨材)
 24   排気口
 30   研磨シート
 31   基材シート
 32   研磨材粒子
 33   バインダー樹脂
 34   研磨層