磯崎 敏夫 (〒93 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 Chiba, 2990193, JP)
SATOU, Kouji (1-1 Anesakikaigan, Ichihara-shi Chiba, 93, 2990193, JP)
出光興産株式会社 (〒21 東京都千代田区丸の内三丁目1番1号 Tokyo, 1008321, JP)
ISOZAKI, Toshio (1-1 Anesakikaigan, Ichihara-shi Chiba, 93, 2990193, JP)
磯崎 敏夫 (〒93 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 Chiba, 2990193, JP)
| (A)芳香族ポリカーボネート樹脂60~90質量部と(B)前記芳香族ポリカーボネート樹脂との屈折率の差が0.002以下のガラスフィラー40~10質量部とからなる組成物100質量部に対して、(C-1)平均粒径が10μm以上50μm未満である光沢粒子0.005~3.0質量部、(C-2)平均粒径が50~300μmである光沢粒子0.005~2.0質量部、(D)反応性官能基を有するシリコーン化合物0.01~3.0質量部、及び(E)有機アルカリ金属塩化合物及び/又は有機アルカリ土類金属塩化合物0.03~1.0質量部を含むポリカーボネート樹脂組成物。 |
| 前記(B)成分のガラスフィラーがガラス繊維である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。 |
| 前記(B)成分のガラスフィラーが屈折率1.583~1.587である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。 |
| 前記(C)成分の光沢粒子が、マイカ、金属粒子、金属硫化物粒子、表面が金属又は金属酸化物で被覆された粒子、表面が金属又は金属酸化物で被覆されたガラスフレークからなる群より選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。 |
| 前記(A)成分と(B)成分とからなる組成物100質量部に対して、さらに(F)着色剤0.0001~1質量部を含む請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。 |
| 請求項1に記載のポリカーボネ-ト樹脂組成物を成形してなるポリカーボネート樹脂成形品。 |
| 金型温度120℃以上で射出成形してなる請求項6に記載のポリカーボネート樹脂成形品。 |
| UL94に準拠した難燃性評価法で1.5mmV-0である請求項6に記載のポリカーボネート樹脂成形品。 |
| 請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物を金型温度120℃以上で射出成形することを特徴とするポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。 |
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物 それを用いたポリカーボネート樹脂成形品 及びその製造方法に関する。さらに詳しく 、本発明はガラスフィラーを含有し、銀河 外観(全体が夜空に星を散りばめたようにキ ラめく外観)またはメタリック調外観などに れ、かつ、難燃性を有するポリカーボネー 樹脂組成物、この樹脂組成物を成形してな ポリカーボネート樹脂成形品、及びその製 方法に関する。
ポリカーボネート樹脂成形品は、透明性及
機械特性に優れていることから、電気・電
分野、機械分野、自動車分野などにおける
業用透明材料として、また、レンズや光学
ィスクなどの光学用材料等として幅広く用
られているが、さらに高い機械特性が必要
場合には、ガラスフィラーなどを添加する
とにより強化して用いられる。
このガラスフィラーとしては、一般にEガラ
スと呼ばれているガラスから構成されたガラ
ス繊維が使用されているが、ポリカーボネー
ト樹脂のナトリウムD線に対する屈折率(nD、
下単に屈折率とする)が1.580~1.590であるのに
し、Eガラスの屈折率は1.555程度と若干小さ
、機械特性を向上させるために必要な量の
ラスフィラーを添加すると、この屈折率の
によって、Eガラス強化ポリカーボネート樹
組成物では、透明性が得られず、光沢粒子
添加しても、成形品の表面近傍の光沢粒子
か見えず、メタリック調外観や銀河調外観
得られにくい。
このような問題を解決するために、ポリカ
ボネート樹脂の改良による樹脂側の屈折率
低下や、ガラスフィラー組成の改良による
ラスフィラー側の屈折率の増大などが検討
れている。
例えば、(1)末端停止剤として、ヒドロキシ
ラルキルアルコールとラクトンとの反応生
物を用いたポリカーボネート樹脂組成物と
該ポリカーボネート樹脂組成物との屈折率
差が0.01以下であるガラスフィラーを含む樹
脂組成物(特許文献1参照)、(2)ポリカーボネー
ト樹脂と、該ポリカーボネート樹脂との屈折
率の差が0.015以下であるガラスフィラー及び
リカプロラクトンからなる樹脂組成物(特許
文献2参照)、(3)ガラスフィラー組成物中にZrO 2
、TiO 2
、BaO、ZnOなどを特定の割合で含有させ、屈折
率をポリカーボネート樹脂に近づけたガラス
組成物(特許文献3参照)などが提案されている
。
しかしながら、特許文献1における樹脂組成
物の場合には、寸法安定性や機械特性を向上
させるために必要な量のガラスフィラーを添
加する際、この程度の屈折率の差では不十分
であり、かつポリカーボネート樹脂の製造に
用いる原料としても高価であるため、実用的
ではない。
特許文献2のポリカーボネート樹脂組成物に
おいては、屈折率を低下させるために添加す
るポリカプロラクトンの軟化温度が低いため
に、ポリカーボネート樹脂との屈折率差が0.0
15以下のガラスフィラーでも透明性は維持で
るものの、耐熱性や機械特性が低下するの
免れないという問題がある。
特許文献3のガラス組成物においては、ZrO 2
、TiO 2
、BaO、ZnOそれぞれの含有量を適切に調整しな
いとガラスフィラー自身が失透してしまい、
屈折率がポリカーボネート樹脂と近接してい
ても、それを含むポリカーボネート樹脂組成
物は、透明性が得られない場合がある。加え
てガラスフィラー自身の比重も大きくなるの
で、軽量化という意味でガラスフィラー強化
ポリカーボネート樹脂組成物を用いる意義が
薄れてしまう。加えて特許文献1~3の場合には
、ウェルドライン及び光沢粒子の配向の低減
という課題については何ら記載がない。
また、光沢粒子を含むポリカーボネート樹
組成物の場合、この樹脂組成物を成形する
、溶けた樹脂組成物同士が合流して溶着す
部分でウェルドラインが発生し、結果とし
ウェルドラインの左右において、明度差が
じてしまう。
この現象により、光沢粒子による光の反射
乱され、その結果、ウェルドライン近傍で
黒ずんで見えるようになる。そうなると、
脂成形品の商品価値は低下するので、これ
防止する方策もいろいろ提案されている。
例えば、光沢粒子として、(4)平均粒子径10~3
00μm、アスペクト比1/8~1の形状を有する粒子
含む樹脂組成物(特許文献4参照)、(5)四角形
一角に切り欠きを設けた金属微粒子を含む
脂組成物(特許文献5参照)が提案されており
それら光沢粒子自身の形状によってウェル
ラインの形成防止と光沢粒子の配向の低減
果を謳っている。
しかしながら、特許文献4および5の場合に
、ガラスフィラーを添加する場合のことは
載がなく、当然のことながら、ガラスフィ
ーにより光沢粒子の配向を低減できるよう
記載はない。加えて難燃性についても記載
なく、難燃性を付与しないと使用できる分
が限られる。
なお、(6)メタリック調外観を有するガラス
ィラー強化ポリカーボネート樹脂組成物(特
許文献6参照)も提案されているが、この場合
は、ウェルドラインにおける光沢粒子の配
低減という課題については記載がない。加
て難燃性についても記載がなく、難燃性を
与しないと使用できる分野が限られる。
さらに、(7)成形物において、ウェルドライ
、ウェルド二色性等の外観不良を起こさな
ようにするため、光沢を有する鱗片状微粒
の存在下、ポリカーボネート系樹脂等の沈
重合を行ない、不定形ポリマー粒子を鱗片
微粒子に付着させることが開示されている(
特許文献7参照)。
さらにまた、(8)ポリカーボネート樹脂と、
種金属の酸化物を添加した特定のガラスを
加して屈折率を向上させ、該ポリカーボネ
ト樹脂との屈折率の差を0.001以下にしたポ
カーボネート樹脂組成物(特許文献8参照)が
案されている。
しかしながら特許文献7の場合は、不定形ポ
リマーとして実施例、比較例等に具体的に記
載されているのはAAS樹脂のみであり、ポリカ
ーボネート樹脂に関する記載はない。加えて
ガラスフィラーを添加する場合のことも記載
がなく、当然のことながら、ガラスフィラー
により光沢粒子の配向を低減できるような記
載もない。加えて難燃性についても記載がな
く、難燃性を付与しないと使用できる分野が
限られる。特許文献8のポリカーボネート樹
組成物においては、ウェルドラインにおけ
光沢粒子の配向低減という課題については
載がない上、難燃性についても言及されて
らず、難燃性を付与しないと使用できる分
が限られる。
本発明は、このような状況下で、限られ 特定量のガラスフィラーを含有させること より、ウェルドラインの左右において、明 差が視認されず、良好なメタリック調外観 銀河調外観が得られ、機械特性及び物理特 に優れ、かつ高い難燃性が付与されたポリ ーボネート樹脂組成物、この樹脂組成物を 形してなるポリカーボネート樹脂成形品、 びその製造方法を提供することを目的とす ものである。
本発明者らは、前記目的を達成するため 鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリカーボ ート樹脂と異なる粒子径範囲を有する光沢 子を2種類含み、かつ前記樹脂との屈折率の 差が0.002以下であるガラスフィラーの配合量 前記樹脂に対して特定量とし、さらに、反 性官能基を有するシリコーン化合物および 機アルカリ金属塩化合物及び/又は有機アル カリ土類金属塩化合物を、それぞれ所定割合 で含む優れた難燃性を有するポリカーボネー ト樹脂組成物、及びこの樹脂組成物を成形し てなるポリカーボネート樹脂成形品により、 その目的を達成し得ることを見出した。本発 明は、かかる知見に基づいて完成されたもの である。
すなわち、本発明は、
(1)(A)芳香族ポリカーボネート樹脂60~90質量部
(B)前記芳香族ポリカーボネート樹脂との屈
率の差が0.002以下のガラスフィラー40~10質量
部とからなる組成物100質量部に対して、(C-1)
均粒径が10μm以上50μm未満である光沢粒子0.0
05~3.0質量部、(C-2)平均粒径が50~300μmである光
粒子0.005~2.0質量部、(D)反応性官能基を有す
シリコーン化合物0.01~3.0質量部、及び(E)有
アルカリ金属塩化合物及び/又は有機アルカ
土類金属塩化合物0.03~1.0質量部を含むポリ
ーボネート樹脂組成物、
(2)前記(B)成分のガラスフィラーがガラス繊維
である上記(1)に記載のポリカーボネート樹脂
組成物、
(3)前記(B)成分のガラスフィラーが屈折率1.583~
1.587である上記(1)に記載のポリカーボネート
脂組成物、
(4)前記(C)成分の光沢粒子が、マイカ、金属粒
子、金属硫化物粒子、表面が金属又は金属酸
化物で被覆された粒子、表面が金属又は金属
酸化物で被覆されたガラスフレークからなる
群より選ばれる1種又は2種以上である上記(1)
記載のポリカーボネート樹脂組成物、
(5)前記(A)成分と(B)成分とからなる組成物100質
量部に対して、さらに(F)着色剤0.0001~1質量部
含む上記(1)に記載のポリカーボネート樹脂
成物、
(6)上記(1)に記載のポリカーボネ-ト樹脂組成
を成形してなるポリカーボネート樹脂成形
、
(7)金型温度120℃以上で射出成形してなる上記
(6)に記載のポリカーボネート樹脂成形品、
(8)UL94に準拠した難燃性評価法で1.5mmV-0である
上記(6)に記載のポリカーボネート樹脂成形品
、および
(9)上記(1)に記載のポリカーボネート樹脂組成
物を金型温度120℃以上で射出成形することを
特徴とするポリカーボネート樹脂成形品の製
造方法を提供するものである。
本発明によれば、透明性、強度及び耐熱 に優れると共に、高い難燃性が付与された リカーボネート樹脂組成物および銀河調外 やメタリック調外観に優れたポリカーボネ ト樹脂成形品が提供される。さらに、銀河 外観やメタリック調外観に優れたポリカー ネート樹脂成形品の製造方法が提供される
本発明のポリカーボネート樹脂(以下、PC 脂と略記する場合がある)組成物は、(A)芳香 族ポリカーボネート樹脂、(B)前記芳香族ポリ カーボネート樹脂との屈折率の差が0.002以下 ガラスフィラー、(C-1)平均粒径が10μm以上50 m未満である光沢粒子、(C-2)平均粒径が50~300μ mである光沢粒子、(D)反応性官能基を有する リコーン化合物、及び(E)有機アルカリ金属 化合物及び/又は有機アルカリ土類金属塩化 物を必須成分として含む。
本発明のPC樹脂組成物においては、(A)成分
芳香族PC樹脂として、具体的には、二価フェ
ノールとカーボネート前駆体との反応により
製造される芳香族PC樹脂を用いることができ
。
当該(A)成分の芳香族PC樹脂は、その製造方
に特に制限はなく、従来の各種方法により
造されたものを用いることができる。例え
、二価フェノールとカーボネート前駆体と
溶液法(界面重縮合法)又は溶融法(エステル
換法)により製造されたもの、すなわち、末
停止剤の存在下に、二価フェノールとホス
ンを反応させる界面重縮合法、又は末端停
剤の存在下に、二価フェノールとジフェニ
カーボネートなどとのエステル交換法など
より反応させて製造されたものを用いるこ
ができる。
二価フェノールとしては、様々なものを挙
ることができるが、特に2,2-ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、ビ
(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロ
シ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、4,4’-ジ
ヒドロキシジフェニル、ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)シクロアルカン、ビス(4-ヒドロキシ
ェニル)オキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニ
)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)
ルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホ
シド及びビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン
等を挙げることができる。この他、ハイドロ
キノン、レゾルシン及びカテコール等を挙げ
ることもできる。これらは、それぞれ単独で
用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用
いてもよいが、これらの中で、ビス(ヒドロ
シフェニル)アルカン系のものが好ましく、
にビスフェノールAが好適である。
一方、カーボネート前駆体としては、カル
ニルハライド、カルボニルエステル、又は
ロホルメート等であり、具体的にはホスゲ
、二価フェノールのジハロホーメート、ジ
ェニルカーボネート、ジメチルカーボネー
及びジエチルカーボネート等である。
なお、この芳香族PC樹脂は、分岐構造を有
ていてもよく、分岐剤としては、1,1,1-トリ
(4-ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α’
-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリイ
プロピルベンゼン、フロログリシン、トリ
リット酸及びイサチンビス(o-クレゾール)等
ある。
本発明において、(A)成分として用いられる
香族PC樹脂の粘度平均分子量は(Mv)は、通常1
0,000~50,000、好ましくは13,000~35,000、さらに好
しくは15,000~20,000である。
この粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘
度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶
の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求
め、次式にて算出するものである。
[η]=1.23×10 -5
Mv 0.83
当該(A)成分の芳香族PC樹脂における分子末
基については特に制限はなく、従来公知の
端停止剤である一価のフェノール由来の基
あってもよいが、炭素数が10~35のアルキル基
を有する一価のフェノール由来の基であるこ
とが好ましい。分子末端が、炭素数10以上の
ルキル基を有するフェノール由来の基であ
ば、得られるPC樹脂組成物は良好な流動性
有し、また、炭素数35以下のアルキル基を有
するフェノール由来の基であれば、得られる
PC樹脂組成物は耐熱性及び耐衝撃性が良好な
のとなる。
炭素数10~35のアルキル基を有する一価のフ
ノールとしては、例えばデシルフェノール
ウンデシルフェノール、ドデシルフェノー
、トリデシルフェノール、テトラデシルフ
ノール、ペンタデシルフェノール、ヘキサ
シルフェノール、ヘプタデシルフェノール
オクタデシルフェノール、ノナデシルフェ
ール、イコシルフェノール、ドコシルフェ
ール、テトラコシルフェノール、ヘキサコ
ルフェノール、オクタコシルフェノール、
リアコンチルフェノール、ドトリアコンチ
フェノール及びペンタトリアコンチルフェ
ール等が挙げられる。
これらのアルキルフェノールのアルキル基
、水酸基に対して、o-、m-、p-のいずれの位
であってもよいが、p-の位置が好ましい。
た、アルキル基は、直鎖状、分岐状又はこ
らの混合物であってもよい。
この置換基としては、少なくとも1個が前記
の炭素数10~35のアルキル基であればよく、他
4個は特に制限はなく、炭素数1~9のアルキル
基、炭素数6~20のアリール基、ハロゲン原子
は無置換であってもよい。
炭素数が10~35のアルキル基を有する一価の
ェノールによる末端封止は、片末端及び両
端のいずれでもよく、また、末端変性率は
得られるPC樹脂組成物の高流動化の観点から
、全末端に対して20%以上であることが好まし
く、50%以上であることがより好ましい。すな
わち、他の末端は、水酸基末端、又は下記の
他の末端停止剤を用いて封止された末端であ
ってもよい。
ここで、他の末端停止剤としては、芳香族P
C樹脂の製造で常用されているフェノール、p-
クレゾ-ル、p-tert-ブチルフェノール、p-tert-オ
クチルフェノール、p-クミルフェノール、p-
ニルフェノール、p-tert-アミルフェノール、
ロモフェノール、トリブロモフェノール、
びペンタブロモフェノール等を挙げること
できる。中でも、環境問題からハロゲンを
まない化合物が好ましい。
本発明のPC樹脂組成物においては、(A)成分
芳香族PC樹脂は、前記の芳香族PC樹脂以外に
本発明の目的が損なわれない範囲で、テレ
タル酸等の2官能性カルボン酸、又はそのエ
ステル形成誘導体等のエステル前駆体の存在
下でポリカーボネートの重合を行うことによ
って得られるポリエステル-ポリカーボネー
樹脂等の共重合樹脂、あるいはその他のポ
カーボネート樹脂を適宣含有することがで
る。
本発明のPC樹脂組成物において、(B)成分と
て用いられるガラスフィラーは、その屈折
と前記(A)成分である芳香族PC樹脂の屈折率と
の差が0.002以下であること、及びPC樹脂とガ
スフィラーの組成物100重量部中、芳香族PC樹
脂の含有量が60~90質量部、ガラスフィラーの
有量が40~10質量部であることが必要がある
ガラスフィラーと芳香族PC樹脂の屈折率差が
0.002を超えると、PC樹脂組成物を用いて得ら
た成形品の透明性が不充分となる。該屈折
差は、好ましくは0.001以下であり、特にガラ
スフィラーの屈折率と、(A)成分として用いる
芳香族PC樹脂の屈折率とが同じであることが
ましい。このようなガラスフィラーとして
屈折率が1.583~1.587であるものを使用するこ
が好ましい。
本発明のPC樹脂組成物においては、前記の(A
)成分である芳香族ポリカーボネート樹脂と(B
)成分であるガラスフィラーとの含有割合は
それらの合計量100質量部に基づき、(A)成分
60~90質量部で、(B)成分が40~10質量部であるこ
を要する。(B)成分の含有量が10質量部未満
は剛性の向上効果が充分に発揮されず、ま
40質量部を超えると比重が大きくなると共に
、耐衝撃性が低下する。剛性、耐衝撃性及び
比重などの観点から、前記(A)成分と(B)成分と
の含有割合は、(A)成分が70~90質量部で、(B)成
が30~10質量部であることが好ましい。
上記のようなガラスフィラーを構成するガ
スとしては、以下に示す組成を有する「ガ
スI」及び「ガラスII」を挙げることができ
。
「ガラスI」は、二酸化ケイ素(SiO 2
)50~60質量%、酸化アルミニウム(Al 2
O 3
)10~15質量%、酸化カルシウム(CaO)15~25質量%、酸
化チタン(TiO 2
)2~10質量%、酸化ホウ素(B 2
O 3
)2~8質量%、酸化マグネシウム(MgO)0~5質量%、酸
亜鉛(ZnO)0~5質量%、酸化バリウム(BaO)0~5質量%
酸化ジルコニウム(ZrO 2
)0~5質量%、酸化リチウム(Li 2
O)0~2質量%、酸化ナトリウム(Na 2
O)0~2質量%、酸化カリウム(K 2
O)0~2質量%を含有し、かつ、前記酸化リチウム
(Li 2
O)と前記酸化ナトリウム(Na 2
O)と前記酸化カリウム(K 2
O)との合計が0~2質量%である組成からなるもの
が好ましい。
一方、「ガラスII」は、二酸化ケイ素(SiO 2 )50~60質量%、酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )10~15質量%、酸化カルシウム(CaO)15~25質量%、酸 化チタン(TiO 2 )2~5質量%、酸化マグネシウム(MgO)0~5質量%、酸 亜鉛(ZnO)0~5質量%、酸化バリウム(BaO)0~5質量% 酸化ジルコニウム(ZrO 2 )2~5質量%、酸化リチウム(Li 2 O)0~2質量%、酸化ナトリウム(Na 2 O)0~2質量%、酸化カリウム(K 2 O)0~2質量%を含有し、酸化ホウ素(B 2 O 3 )を実質的に含有せず、かつ、前記酸化リチ ム(Li 2 O)と前記酸化ナトリウム(Na 2 O)と前記酸化カリウム(K 2 O)との合計が0~2質量%である組成からなるもの が好ましい。
前記「ガラスI及びII」において、SiO 2
の含有量は、ガラスフィラーの強度及びガラ
ス製造時の溶解性の観点から、50~60質量%であ
ることが好ましい。Al 2
O 3
の含有量は、耐水性などの化学的耐久性及び
ガラス製造時の溶解性の観点から、10~15質量%
であることが好ましい。CaOの含有量は、ガラ
ス製造時の溶解性及び結晶化抑制の観点から
、15~25質量%であることが好ましい。
「ガラスI」においては、Eガラスのように
B 2
O 3
を2~8質量%含有することができる。この場合
TiO 2
の含有量は、屈折率の向上効果及び失透抑制
などの観点から、2~10質量%であることが好ま
い。
また、「ガラスII」においては、耐酸性や
アルカリ性に優れるECRガラス組成のように
B 2
O 3
を実質的に含有しないことが好ましい。この
場合、TiO 2
の含有量は、屈折率の調整の観点から、2~5質
量%であることが好ましい。また、ZrO 2
の含有量は、屈折率の増大、化学的耐久性の
向上及びガラス製造時の溶解性の観点から、
2~5質量%であることが好ましい。
「ガラスI及びII」において、MgOは任意成分
あり、引張り強度などの耐久性の向上及び
ラス製造時の溶解性の観点から、0~5質量%程
度含有させることができる。また、ZnO及びBaO
は任意成分であり、屈折率の増大、失透の抑
制の観点から、それぞれ0~5質量%程度含有さ
ることができる。
「ガラスI」においては、ZrO 2
は任意成分であり、屈折率の増大及びガラス
製造時の溶解性の観点から、0~5質量%程度含
させることができる。
「ガラスI及びII」において、アルカリ成分
あるLi 2
O、Na 2
O、K 2
Oは任意成分であり、それぞれ0~2質量%程度含
させることができ、かつそれらの合計含有
は0~2質量%であることが好ましい。この合計
含有量が2質量%以下であれば、耐水性の低下
抑制することができる。
このように、「ガラスI及びII」は、アルカ
成分が少ないので、(A)成分の芳香族PC樹脂
分解による分子量低下を抑制し、成形品の
性低下を防止することができる。
当該「ガラスI及びII」においては、前記の
ラス成分以外に、紡糸性、耐水性等に悪影
を及ばさない範囲で、例えば、ガラスの屈
率を上げる成分として、ランタン(La)、イッ
トリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、ビスマス(Bi)
アンチモン(Sb)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)又
タングステン(W)等の元素を含む酸化物を含
でもよい。また、ガラスの黄色を消色する
分として、コバルト(Co)、銅(Cu)又はネオジ
ム(Nd)等の元素を含む酸化物を含んでもよい
また、「ガラスI及びII」の製造に使用され
ガラス原料には、着色を抑えるために、不
物として、酸化物基準でFe 2
O 3
含有量が、ガラス全体に対して0.01質量%未満
あることが好ましい。
本発明のPC樹脂組成物における(B)成分の ラスフィラーは、前記のガラス組成を有す 「ガラスI及びII」の中から、使用する(A)成 の芳香族PC樹脂の屈折率との差が0.002以下で るものを適宜選択し、所望の形態のものを 製することにより、得ることができる。当 ガラスフィラーの形態に特に制限はないが ウェルドラインの左右において明度差を視 できないくらいに低減させるには、ガラス ィラーとしては、ガラス繊維が好適である
ガラス繊維は、従来公知のガラス長繊維の
糸方法を用いて得ることができる。例えば
溶融炉でガラス原料を連続的にガラス化し
フォアハースに導き、フォアハースの底部
ブッシングを取り付けて紡糸するダイレク
メルト(DM)法、又は、溶融したガラスをマー
ブル、カレット、棒状に加工してから再溶融
して紡糸する再溶融法等の各種の方法を用い
てガラスを繊維化することができる。
ガラス繊維の径に特に制限はないが、通常3
~25μm程度のものが好ましく用いられる。径が
3μm以上であれば、乱反射を抑制して成形品
透明性の低下を防止することができ、また
25μm以下であれば、良好な強度を有する成形
品を得ることができる。
ガラス繊維の平均長さは300μm以上、好まし
は350μm以上である。ガラス繊維長の平均長
が300μm未満であると、ウェルドライン左右
の明度差を低減する効果が得られにくくな
傾向が出てくる。なお、平均長さは、樹脂
成物、ペレット又は成形品の一部を電気炉
空気中600℃、2時間焼却し、燃焼残渣を顕微
鏡観察などにより測定することができる。
前記ガラスフィラーは、(A)成分である芳 族PC樹脂との親和性を高め、密着性を向上 せて、空隙形成による成形品の透明性や強 の低下を抑制するために、カップリング剤 より表面処理することが好ましい。カップ ング剤としては、シラン系カップリング剤 ボラン系カップリング剤、アルミネート系 ップリング剤又はチタネート系カップリン 剤等を使用することができる。特に芳香族PC 樹脂とガラスとの接着性が良好である点から シラン系カップリング剤を用いるのが好まし い。
このシラン系カップリング剤の具体例とし
は、トリエトキシシラン、ビニルトリス(β-
メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロキ
プロピルトリメトキシシシラン、γ-グリシ
キシプロピルトリメトキシシラン、β-(1,1-エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシ
ラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチ
トリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-
アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(ア
ミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメト
シシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシ
ラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメ
キシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメ
キシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキ
シラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシ
ン、γ-アミノプロピルトリス(2-メトキシ-エ
トキシ)シラン、N-メチル-γ-アミノプロピル
リメトキシシラン、N-ビニルベンジル-γ-ア
ノプロピルトリエトキシシラン、トリアミ
プロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプ
ロピルトリメトキシシラン、3-(4,5-ジヒドロ
ミダゾリル)プロピルトリエトキシシラン、
キサメチルジシラザン、N,O-(ビストリメチ
シリル)アミド、N,N-ビス(トリメチルシリル)
レア等が挙げられる。これらの中で好まし
のは、γ-アミノプロピルトリメトキシシラ
、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルト
メトキシシラン、γ-グリシドキシプロピル
リメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン等のアミ
シラン、エポキシシランである。
このようなカップリング剤を用いて前記ガ
スフィラーの表面処理を行うには、通常の
知の方法で行うことができ、特に制限はな
。例えば、上記カップリング剤の有機溶媒
液あるいは懸濁液をいわゆるサイジング剤
してガラスフィラーに塗布するサイジング
理法、あるいはヘンシェルミキサー、スー
ーミキサー、レーディゲミキサー、V型ブレ
ンダーなどを用いての乾式混合法、スプレー
法、インテグラルブレンド法、ドライコンセ
ントレート法など、ガスフィラーの形状によ
り適宣な方法にて行うことができるが、サイ
ジング処理法、乾式混合法、スプレー法によ
り行うことが望ましい。
次に、本発明のPC樹脂組成物における(C-1)成
分および(C-2)成分である光沢粒子について述
る。
光沢粒子としては、マイカ、金属粒子、金
硫化物粒子、表面を金属又は金属酸化物で
覆された粒子、表面を金属又は金属酸化物
被覆されたガラスフレークを挙げることが
きる。
金属粒子の具体例としては、アルミニウム
金、銀、銅、ニッケル、チタン、ステンレ
等の金属粉末、表面を金属又は金属酸化物
被覆された粒子の具体例としては、酸化チ
ンで被覆された雲母チタン、三塩化ビスマ
で被覆された雲母のような金属酸化被膜雲
系のもの、金属硫化物粒子の具体例として
、硫化ニッケル、硫化コバルト、硫化マン
ン、等の金属硫化物粉末、及び表面を金属
は金属酸化物で被覆したガラスフレークに
いられる金属としては、金、銀、白金、パ
ジウム、ニッケル、銅、クロム、錫、チタ
、ケイ素などを、それぞれ挙げることがで
る。
(C-1)成分である光沢粒子の平均粒径は10μm~50μ
m未満であり、(C-2)成分である光沢粒子の平均
粒径は50μm~300μmである。
一般に、平均粒径が小さい光沢粒子の場合
配向は目立たないがメタリック感に劣ると
う特性を有している。これに対して、平均
径が大きい光沢粒子の場合、メタリック感
優れているが配向が目立つという特性を有
ている。本発明におけるように、平均粒径
囲の異なる2種類の光沢粒子を特定の配合量
で併用することにより、メタリック感を出す
とともに光沢粒子自体の配向を低減させるこ
とができる。
平均粒径は、たとえば、レーザー回折粒度
布測定装置(MALVERN社製、MASTER SIZER 2000)を用
いて、光沢粒子濃度0.1質量%のケロシン系溶
にて、粒度分布を測定し、その結果から平
粒径を求めることができる。
上記(C-1)成分である光沢粒子の配合量は、
記(A)成分と(B)成分とからなる組成物100質量
に対して、0.005~3.0質量部、好ましくは0.01~2.5
質量部、より好ましくは0.1~2.0質量部である
(C-2)成分である光沢粒子の配合量は、前記(A)
成分と(B)成分とからなる組成物100質量部に対
して、0.005~2.0質量部、好ましくは0.01~1.5質量
、より、好ましくは0.1~1.2質量部である。
(C-1)成分および(C-2)成分を0.005質量部以上と
ることにより、銀河調外観やメタリック調
観が形成され、(C-1)成分を3.0質量部以下と
、(C-2)成分を2.0質量部以下とすることにより
、光沢粒子自身が成形物の表面に浮き出る量
が多くなるのを防止し、前記外観が損なわれ
ず、かつ、難燃性が低下するのを防止する。
本発明のPC樹脂組成物においては、難燃性
向上などの目的で(D)成分として反応性官能
を有するシリコーン化合物がさらに添加さ
る。
反応性官能基を有するシリコーン化合物(以
下、反応性官能基含有シリコーン化合物と称
することがある。)としては、例えば一般式(1
)
R 1 a
R 2 b
SiO (4-a-b)/2
(1)
で表される基本構造を有するポリオルガノシ
ロキサン重合体及び/又は共重合体を挙げる
とができる。
前記一般式(1)において、R 1
は反応性官能基を示す。この反応性官能基と
しては、例えば、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、ポリオキシアルキレン基、水素基、
水酸基、カルボキシ基、シラノール基、アミ
ノ基、メルカプト基、エポキシ基及びビニル
基等が挙げられる。これらの中で、アルコキ
シ基、水酸基、水素基、エポキシ基及びビニ
ル基が好ましい。
R 2
は炭素数1~12の炭化水素基を示す。この炭化
素基としては、直鎖状若しくは分岐状の炭
数1~12のアルキル基、炭素数5~12のシクロアル
キル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数7~12
アラルキル基などが挙げられ、具体的には
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ
ロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基
各種ヘキシル基、各種オクチル基、シクロ
ンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基
トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェ
チル基などを挙げることができる。
a及びbは、0<a≦3、0<b≦3、0<a+b≦3の関
係を満たす数を示す。R 1
が複数ある場合、複数のR 1
は同一でも異なっていてもよく、R 2
が複数ある場合、複数のR 2
は同一でも異なっていてもよい。
本発明においては、同一の反応性官能基を
数有するポリオルガノシロキサン重合体及
/又は共重合樹脂、並びに異なる反応性官能
基を複数有するポリオルガノシロキサン重合
体及び/又は共重合体を併用することもでき
。
一般式(1)で表される基本構造を有するポリ
ルガノシロキサン重合体及び/又は共重合体
は、その反応性官能基(R 1
)数/炭化水素基(R 2
)数の比が、通常0.1~3、好ましくは0.3~2程度の
のが好ましい。
これらの反応性官能基含有シリコーン化合
は液状物、パウダー等であるが、溶融混練
おいて分散性の良好なものが好ましい。例
ば、室温での粘度が10~500,000mm 2
/s程度の液状のものを例示することができる
本発明のPC樹脂組成物において、反応性官
基含有シリコーン化合物が液状であっても
組成物に均一に分散するとともに、成形時
は成形品の表面にブリードすることが少な
特徴がある。
本発明のPC樹脂組成物において、この(D)成
の反応性官能基含有シリコーン化合物は、
記(A)成分と(B)成分とからなる組成物100質量
に対して、0.01~3.0質量部を含有させる。
前記(D)成分の含有量が0.01質量部未満では、
燃焼時における溶融滴下(ドリッピング)防止
果が不充分であり、また、3.0質量部を超え
と混練時にスクリューの滑りが発生してフ
ードがうまくできず、生産能力が低下する
溶融滴下防止、及び生産性の観点から、前
(D)成分の好ましい含有量は0.1~1.5質量部であ
り、より好ましい含有量は0.5~1.0質量部であ
。また、これらの反応性官能基含有シリコ
ン化合物は、添加時の透光性を保持するた
に、屈折率が1.45~1.65、好ましくは1.48~1.60で
る。
本発明のPC樹脂組成物においては、さらに
難燃性の付与などの目的で(E)成分として有
アルカリ金属塩化合物及び/又は有機アルカ
土類金属塩化合物が添加される。有機アル
リ金属塩化合物及び/又は有機アルカリ土類
金属塩化合物としては、種々のものが挙げら
れるが、少なくとも一つの炭素原子を有する
有機酸又は有機酸エステルのアルカリ金属塩
やアルカリ土類金属塩である。
ここで、有機酸又は有機酸エステルとして
、有機スルホン酸、有機カルボン酸、ポリ
チレンスルホン酸などが挙げられる。一方
アルカリ金属としては、ナトリウム、カリ
ム、リチウム及びセシウムなどが挙げられ
。アルカリ土類金属としては、マグネシウ
、カルシウム、ストロンチウム及びバリウ
などが挙げられる。中でも、ナトリウム、
リウム及びセシウムの塩が好ましく用いら
る。また、その有機酸の塩は、フッ素、塩
及び臭素のようなハロゲン原子で置換され
いてもよい。
前記各種の有機アルカリ金属塩化合物及び/
又は有機アルカリ土類金属塩化合物のうちの
有機スルホン酸としては、一般式(2)
(C c
F 2c+1
SO 3
) d
M (2)
で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸
のアルカリ金属塩化合物やアルカリ土類金属
塩化合物が好ましく用いられる。これらの化
合物としては、例えば、特公昭47-40445号公報
記載されているものが該当する。一般式(2)
、cは1~10の整数を示し、Mはリチウム、ナト
ウム、カリウム及びセシウム等のアリカリ
属、又はマグネシウム、カルシウム、スト
ンチウム及びバリウム等のアルカリ土類金
を示し、dはMの原子価を示す。
一般式(2)において、パーフルオロアルカン
ルホン酸としては、例えば、パーフルオロ
タンスルホン酸、パーフルオロエタンスル
ン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸、
ーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオ
メチルブタンスルホン酸、パーフルオロヘ
サンスルホン酸、パーフルオロヘプタンス
ホン酸及びパーフルオロオクタンスルホン
等を挙げることができる。特に、これらの
リウム塩が好ましく用いられる。
その他、アルキルスルホン酸、ベンゼンス
ホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ジ
ェニルスルホン酸、ナフタレンスルホン酸
2,5-ジクロロベンゼンスルホン酸、2,4,5-トリ
クロロベンゼンスルホン酸、ジフェニルスル
ホン-3-スルホン酸、ジフェニルスルホン-3,3'-
ジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸及
びこれらのフッ素置換体並びにポリスチレン
スルホン酸等の有機スルホン酸のアルカリ金
属塩やアルカリ土類金属塩等を挙げることが
できる。特に、有機スルホン酸としては、パ
ーフルオロアルカンスルホン酸及びジフェニ
ルスルホン酸が好ましい。
次に、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ
属塩化合物及び/又アルカリ土類金属塩化合
物としては、一般式(3)
〔式中、Xはスルホン酸塩基を示し、mは1~5を
す。Yは水素原子又は炭素数1~10の炭化水素
を示す。nはモル分率を示し、0<n≦1である
〕で表わされるスルホン酸塩基含有芳香族ビ
ニル系樹脂を挙げることができる。
ここで、スルホン酸塩基はスルホン酸のア
カリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩で
あり、金属としては、ナトリウム、カリウム
、リチウム、ルビジウム、セシウム、ベリリ
ウム、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウム及びバリウムなどが挙げられる。
なお、Yは水素原子又は炭素数1~10の炭化水
基であり、好ましくは水素原子又はメチル
である。mは1~5であり、nは、0<n≦1の関係
ある。すなわち、スルホン酸塩基(X)は、芳
環に対して、全置換したものであっても、
分置換したもの、又は無置換のものを含ん
ものであってもよい。
本発明のPC樹脂組成物が難燃性の効果を得
ためには、スルホン酸塩基の置換比率は、
ルホン酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂の含
量等を考慮して決定され、特に制限はない
、一般的には10~100%置換のものが用いられる
なお、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ
属塩及び/又アルカリ土類金属塩において、
スルホン酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂は、
前記一般式(3)のスルホン酸塩基含有芳香族ビ
ニル系樹脂に限定されるものではなく、スチ
レン系単量体と共重合可能な他の単量体との
共重合体であってもよい。
ここで、酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂の
造方法としては、(a)前記のスルホン酸基等
有する芳香族ビニル系単量体、又はこれら
共重合可能な他の単量体とを重合又は共重
する方法、(b)芳香族ビニル系重合体、又は
香族ビニル系単量体と他の共重合可能な単
体との共重合体、又はこれらの混合重合体
スルホン化し、アルカリ金属及び/又アルカ
リ土類金属で中和する方法がある。
例えば、(b)の方法としては、ポリスチレ 樹脂の1,2-ジクロロエタン溶液に濃硫酸と無 水酢酸の混合液を加えて加熱し、数時間反応 することにより、ポリスチレンスルホン酸化 物を製造する。次いで、スルホン酸基と当モ ル量の水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム で中和することによりポリスチレンスルホン 酸カリウム塩又はナトリウム塩を得ることが できる。前述のスルホン酸塩基含有芳香族ビ ニル系樹脂の重量平均分子量としては、1,000~ 300,000、好ましくは2,000~200,000程度である。な 、重量平均分子量は、ゲルパーミエーショ クロマトグラフィ(GPC)法で測定することが きる。
有機カルボン酸としては、例えば、パーフ
オロカルボン酸、パーフルオロメタンカル
ン酸、パーフルオロエタンカルボン酸、パ
フルオロプロパンカルボン酸、パーフルオ
ブタンカルボン酸、パーフルオロメチルブ
ンカルボン酸、パーフルオロヘキサンカル
ン酸、パーフルオロヘプタンカルボン酸及
パーフルオロオクタンカルボン酸等を挙げ
ことができ、これら有機カルボン酸のアル
リ金属塩やアルカリ土類金属塩が用いられ
。アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩は
記と同じである。
有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ
土類塩において、スルホン酸アルカリ金属塩
、スルホン酸アルカリ土類金属塩、ポリスチ
レンスルホン酸アルカリ金属塩及びポリスチ
レンスルホン酸アルカリ土類金属塩が好まし
い。
有機アルカリ金属塩化合物及び/又は有機ア
ルカリ土類塩化合物は一種を用いてもよく、
二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のPC樹脂組成物においては、この(E)
分である有機アルカリ金属塩化合物及び/又
有機アルカリ土類金属塩化合物は、(A)成分
芳香族PC樹脂と(B)成分のガラスフィラーと
らなる組成物100質量部に対して、0.03~1.0質量
部を含有させることを要す。当該(E)成分の含
有量が0.03質量部未満では、難燃性の発現が
充分であり、また、1.0質量部を超えると、
明性を維持することが困難となる。難燃性
発現及び透明性の維持の観点から、当該(E)
分の好ましい含有量は0.05~0.4質量部であり、
より好ましい含有量は0.1~0.3質量部である。
本発明においては、着色した成形品が所望
れる場合には、(F)成分である着色剤を添加
ることが出来る。
このような上記(F)成分の着色剤としては、
蔽性を持たないものがよく、例えばメチン
染料、ピラゾロン系染料、ペリノン系染料
アゾ系染料、キノフタロン系染料、アンス
キノン系染料などが挙げられる。中でも、
熱性、耐久性等の観点からアンスラキノン
のオレンジ染料やグリーン染料を単独で、
たは混合して使用するのが好ましい。
着色剤の配合量は、(A)成分の芳香族PC樹脂
(B)成分のガラスフィラーとからなる組成物10
0質量部に対して、0.0001~1質量部、好ましくは
0.1~1質量部である。0.0001質量部未満であると
所望の色調が得られなく、1質量部を超える
と、隠蔽性が高まり、メタリック調外観が得
られなくなる。
本発明のPC樹脂組成物には、前記の成分 外に、本発明の目的が損なわれない範囲で 必要に応じ、離型剤、安定化剤(酸化防止剤) 、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、蛍光 増白剤、及びシランカップリング剤(ガラス ィラーの表面処理を乾式混合法で行う場合) どを適宜含有させることができる。
必要に応じて添加される離型剤としては、
価又は多価アルコールの高級脂肪酸エステ
を挙げることができる。このような高級脂
酸エステルとしては、炭素数1~20の一価又は
多価アルコールと炭素数10~30の飽和脂肪酸と
部分エステル又は完全エステルであるもの
好ましい。一価又は多価アルコールと飽和
肪酸との部分エステル又は完全エステルと
ては、ステアリン酸モノグリセリド、ステ
リン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノ
リセリド、ペンタエリスリトールモノステ
レート、ペンタエリスリトールテトラステ
レート、プロピレングリコールモノステア
ート、ステアリルステアレート、パルミチ
パルミテート、ブチルステアレート、メチ
ラウレート、イソプロピルパルミテート、2
-エチルヘキシルステアレートなどが挙げら
、なかでもステアリン酸モノグリセリド、
ンタエリスリトールテトラステアレートが
ましく用いられる。
これらの離型剤は一種を単独で用いてもよ
、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
た、その添加量は、前記(A)成分と(B)成分と
らなる組成物100質量部に対して、通常0.1~5.0
質量部程度である。
必要に応じて添加される安定化剤(酸化防止
剤)としては、フェノール系酸化防止剤及び
ン系酸化防止剤が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば
リエチレングリコール-ビス[3-(3-tert-ブチル-
5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-tert-
チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート
]、ペンタエリスリトール-テトラキス[3-(3,5-
-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオ
ート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-
ドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5-ト
リメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒド
ロキシベンジル)ベンゼン、N,N-ヘキサメチレ
ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロ
ンナマイド)、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキ
-ベンジルホスホネートジエチルエステル、
リス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジ
)イソシアヌレート、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[
β-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニ
)プロピオニルオキシ]エチル]-2,4,8,10-テトラ
オキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる
リン系酸化防止剤としては、例えばトリフ
ニルホスファイト、トリスノニルフェニル
スファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェ
ル)ホスファイト、トリデシルホスファイト
トリオクチルホスファイト、トリオクタデ
ルホスファイト、ジデシルモノフェニルホ
ファイト、ジオクチルモノフェニルホスフ
イト、ジイソプロピルモノフェニルホスフ
イト、モノブチルジフェニルホスファイト
モノデシルジフェニルホスファイト、モノ
クチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6-
-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリス
トールジホスファイト、2,2-メチレンビス(4,
6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイ
ト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリト
ルジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル
ェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
、ジステアリルペンタエリスリトールジホ
ファイトなどが挙げられる。
これらの酸化防止剤は、一種を単独で用い
もよく、二種以上を組み合わせて用いても
い。その添加量は、前記(A)成分の芳香族PC
脂と(B)成分のガラスフィラーとからなる組
物100質量部に対して、通常0.05~1.0質量部程度
である。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収
、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤又はベ
ゾフェノン系紫外線吸収剤などを用いるこ
ができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
、例えば2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェ
ル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3
’-(3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミドメチル)-
5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(
2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニ
)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’
-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール
2-(3’-tert-ブチル-5’-メチル-2’-ヒドロキシ
ェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2,2’
-メチレンビス(4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-
6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール)
2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ビス(α,α-ジメチ
ベンジル)フェニル)-2H-ベンゾトリアゾール
2-(3’,5’-ジ-tert-アミル-2’-ヒドロキシフェ
ル)ベンゾトリアゾール、5-トリフルオロメ
ル-2-(2-ヒドロキシ-3-(4-メトキシ-α-クミル)-5
-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール
が挙げられる。中でも2-(2’-ヒドロキシ-5’
-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール
好ましい。
トリアジン系の紫外線吸収剤としては、ヒ
ロキシフェニルトリアジン系の例えば商品
チヌビン400(チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ(株)製)が好ましい。
ベンゾオキサジン系の紫外線吸収剤として
、2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-
チル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-フェニ
ル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-(1-又は2-ナ
フチル)-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-(4-ビ
ェニル)-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2,2’-
ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-p-フ
ェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、
2,2’-m-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-
4-オン)、2,2’-(4,4’-ジフェニレン)ビス(3,1-ベ
ンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(2,6又は1,5-ナ
タレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、1
,3,5-トリス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イ
)ベンゼンなどが挙げられるが、中でも2,2’-
p-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オ
)が好ましい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2
-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒ
ドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-
ドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾ
ェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2
,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン
等が挙げられ、なかでも2-ヒドロキシ-4-n-オ
トキシベンゾフェノンが好ましい。
これらの紫外線吸収剤は、一種を単独で用
てもよく、二種以上を組み合わせて用いて
よい。その添加量は、前記(A)成分と(B)成分
からなる組成物100質量部に対して、通常0.05
~2.0質量部程度である。
帯電防止剤としては、例えば炭素数14~30の
肪酸のモノグリセリド、具体的にはステア
ン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグ
セリドなどを、あるいはポリアミドポリエ
テルブロック共重合体などを用いることが
きる。
蛍光増白剤としては、例えばスチルベン系
ベンズイミタゾール系、ナフタルイミド系
ローダミン系、クマリン系、オキサジン系
合物等が挙げられる。具体的には、ユビテ
ク(商品名 チバ・スペシャルティ・ケミカ
ズ(株)製)、OB-1(商品名 イーストマンケミカ
ル社製)、TBO(商品名 住友精化(株)製)、ケイ
ール(商品名 日本曹達(株)製)、カヤライト(
品名 日本化薬(株)製)、リューコプアEGM(商
名 クラリアントジャパン(株)製)などの市
品を用いることができる。
なお、シランカップリング剤としては、前
で例示した化合物を用いることができる
本発明のPC樹脂組成物の調製方法に特に制
はなく、従来公知の方法を採用することが
きる。具体的には、前記の(A)成分の芳香族PC
樹脂、(B)成分のガラスフィラー、(C)成分の光
沢粒子、(D)成分の反応性官能基含有シリコー
ン化合物、(E)有機アルカリ金属塩化合物及び
/又は有機アルカリ土類金属塩化合物、及び
要に応じて、着色剤等前記各種任意成分を
それぞれ所定の割合で配合し、混練するこ
により調製することができる。
配合及び混練は、通常用いられている機器
例えば、リボンブレンダー、ドラムタンブ
ーなどで予備混合して、ヘンシェルミキサ
、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押
機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュ
押出機及びコニーダ等を用いる方法で行う
とができる。混練の際の加熱温度は、通常2
40~300℃の範囲で適宜選定される。
なお、芳香族PC樹脂以外の含有成分は、あ
かじめ、該芳香族PC樹脂の一部と溶融混練し
たもの、すなわち、マスターバッチとして添
加することもできる。
このようにして調製された本発明のPC樹脂
成物は、芳香族PC樹脂の屈折率と屈折率が同
じか、又は近似したガラスフィラー、及び光
沢粒子を含有し、透明性、機械強度、耐衝撃
性及び耐熱性などに優れると共に、反応性官
能基を有するシリコーン化合物および有機ア
ルカリ金属塩化合物及び/又は有機アルカリ
類金属塩化合物を含むので、高い難燃性が
られる。そして、このPC樹脂組成物を用いて
得られた本発明のPC樹脂成形品は、メタリッ
調外観や銀河調外観に加えて、透明性、難
性、機械強度、耐衝撃性及び耐熱性などに
れている。さらに、UL94に準拠した難燃性評
価で、1.5mmV-0であり、優れた難燃性を有して
る。なお、難燃性評価試験については後で
明する。
次に、本発明のPC樹脂成形品について説明
る。
本発明のPC樹脂成形品は、前述の本発明のPC
樹脂組成物を射出成形法等の方法で成形して
なるものである。その際、PC成形品の厚さは
ましくは0.3~10mm程度とし、該成形品の用途
よって、前記範囲から適宜選定される。
本発明のPC樹脂成形品の製造方法に特に制
はなく、従来公知の各種成形方法、例えば
出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、
ロー成形法、プレス成形法、真空成形法及
発泡成形法などを用いることができるが、
型温度120℃以上、好ましくは120℃~140℃で射
成形することが好ましい。この際、射出成
における樹脂温度は、通常240~300℃程度、好
ましくは260~280℃である。
金型温度120℃以上、好ましくは120℃~140℃で
射出成形することにより、ガラスフィラーが
沈み、良好な外観が得られるなどのメリット
が得られる。より好ましい金型温度は、125℃
以上140℃以下であり、さらに好ましくは130℃
~140℃である。成形原料である本発明のPC樹脂
組成物は、前記溶融混練方法により、ペレッ
ト状にして使用することが好ましい。なお、
射出成形方法としては、外観のヒケ防止のた
め、又は軽量化のためのガス注入成形を採用
することができる。
このようにして得られた本発明のPC樹脂成
品では、ウェルドラインができたとしても
その左右における明度差を視認できず、成
品の表面全体に良好なメタリック調外観ま
は銀河調外観が得られる。
なお、ウェルドラインの左右における明度
の測定方法については後で説明する。
また、このようにして得られた本発明のPC
脂成形品の光学特性は、可視光に対する全
線透過率が40%以上、好ましくは42%以上であ
。なお、光学特性の測定方法については後
説明する。
本発明はまた、前述の本発明のPC樹脂組成
を、金型温度120℃以上、好ましくは120℃~140
で射出成形し、好ましくは厚さ0.3~10mmの成
品を作製することを特徴とするPC樹脂成形品
の製造方法を提供する。
本発明のPC樹脂組成物は、芳香族PC樹脂の屈
折率と、屈折率が同じか又は近似したガラス
フィラー、及び光沢粒子を含有し、透明性、
機械強度、耐衝撃性及び耐熱性などに優れる
と共に、反応性官能基を有するシリコーン化
合物と、有機アルカリ金属塩化合物及び/又
有機アルカリ土類金属化合物を含むので、
い難燃性が得られる。そして、この組成物
用いて得られた本発明のPC樹脂成形品は、メ
タリック調外観や銀河調外観に加えて、難燃
性、機械強度、耐衝撃性及び耐熱性などに優
れている。
本発明のPC樹脂成形品は、例えば、
(1)テレビ、ラジオカセット、ビデオカメラ、
ビデオテープレコーダ、オーディオプレーヤ
ー、DVDプレーヤー、エアコンディショナ、携
帯電話、ディスプレイ、コンピュータ、レジ
スター、電卓、複写機、プリンター、ファク
シミリ等の各種部品、外板及びハウジング材
等の電気・電子機器用部品、
(2)PDA、カメラ、スライドプロジェクター、時
計、計測器、表示器械等の精密機械などのケ
ース及びカバー類等の精密機器用部品、
(3)インスツルメントパネル、アッパーガーニ
ッシュ、ラジエータグリル、スピーカーグリ
ル、ホイールカバー、サンルーフ、ヘッドラ
ンプリフレクター、ドアバイザー、スポイラ
ー、リアウィンド、サイドウィンド等の自動
車内装材、外装品及び車体部品等の自動車用
部品、
(4)イス、テーブル、机、ブラインド、照明カ
バー、インテリア器具類等の家具用部品
などとして好適に用いることができる。
次に、本発明を実施例と比較例により、さ
に詳細に説明するが、本発明はこれらによ
てなんら限定されるものではない。
なお、下記の実施例と比較例で得られたPC
脂組成物のペレットを用い、以下のように
て試験片を成形して、諸特性を評価した。
(1)機械特性
ペレットを100t射出成形機[東芝機械(株)製、
機種名「IS100E」]を用いて、金型温度130℃、
脂温度280℃で射出成形し、所定形状の各試
片を作製した。各試験片について、引張特
(破断強度、伸び)を、ASTM D638に準拠して測
し、曲げ特性(強度、弾性率)を、ASTM 790に準
拠して測定した。
またIzod衝撃強度をASTM D256に準拠して測定
た。
(2)物理特性(荷重撓み温度、比重)
PC樹脂組成物のペレットを100t射出成形機[東
芝機械(株)製、機種名「IS100E」]を用いて金型
温度130℃、樹脂温度280℃で射出成形し、所定
形状の各試験片を作製した。
各試験片について、荷重撓み温度をASTM D648
に準拠して測定して耐熱性の指標とした。比
重はASTM D792に準拠して測定した。
(3)光学特性(光沢粒子配向の有無および全光
透過率)
また、PC樹脂組成物のペレットを100t射出成
機[住友重機械工業(株)製、機種名「SG100M-HP
]を用いて、2点ゲートを有する金型で、金
温度130℃で射出成形し、ウェルドラインを
する80×80×2mmの試験片を作製した。こうして
得られた試験片に斜め45°からデイライトを
射し、ウェルドラインの左右で光沢粒子の
度差が視認できるかどうかを測定した。
同試験片について、380~780nmの可視光領域の
光線透過率を、分光光度計[株日立製作所製
、機種名「U-4100」]を用いて、JIS K 7105に準
して測定した。
(4)外観
上記光学特性測定用の試験片を用いて表面
観を目視観察して本発明の目的とする銀河
またはメタリック調外観であるかそうでな
(石目調)かを区別した。
(5)難燃性
PC樹脂組成物のペレットを45t射出成形機[東
機械(株)製、機種名「IS45PV」]を用いて、金
温度130℃、樹脂温度280℃で射出成形し、127
12.7×1.5mmの試験片を作製した。この試験片に
ついて、難燃性をUL94(アンダーライターズラ
ラトリー・サブジェクト94)に準拠して測定
た。
PC樹脂組成物のペレット作製に用いた各成
を以下に示す。
(1)PC1〔成分(A)〕:粘度平均分子量19000であるビ
スフェノールAポリカーボネート[出光興産(株
)製、商品名「タフロンFN1900A」、屈折率1.585]
(2)屈折率改良GF1〔成分(B)〕:φ13μm×3mmのチョ
プドストランドからなるガラス繊維[旭ファ
バーグラス(株)製、ガラス組成(質量%):SiO 2
(52.6)、Al 2
O 3
(13.3)、CaO(21.8)、TiO 2
(5.9)、B 2
O 3
(5.9)、MgO(0.5)、屈折率1.585、比重2.70]
(3)屈折率改良GF2〔成分(B)〕:φ13μm×3mmのチョ
プドストランドからなるガラス繊維[旭ファ
バーグラス(株)製、ガラス組成(質量%):SiO 2
(57.5)、Al 2
O 3
(12.0)、CaO(21.0)、TiO 2
(5.0)、MgO(2.5)、ZnO(1.5)、Na 2
O+K 2
O+Li 2
O(0.5)、屈折率1.584、比重2.69]
(4)GF1〔成分(B)との比較用〕:Eガラス製のφ13μm
×3mmのチョップドストランドからなるガラス
維[旭ファイバーグラス(株)製、商品名「03MA
409C」、ガラス組成(質量%):SiO 2
(55.4)、Al 2
O 3
(14.1)、CaO(23.2)、B 2
O 3
(6.0)、MgO(0.4)、Na 2
O+K 2
O+Li 2
O(0.7)、Fe 2
O 3
(0.2)、F 2
(0.6)、屈折率1.555、比重2.54]
(5)GF2〔成分(B)との比較用〕:ECRガラス製のφ13
m×3mmのチョップドストランドからなるガラ
繊維[旭ファイバーグラス(株)製、ガラス組
(質量%):SiO 2
(58.0)、Al 2
O 3
(11.4)、CaO(22.0)、TiO 2
(2.2)、MgO(2.7)、ZnO(2.7)、Na 2
O+K 2
O+Li 2
O(0.8)、Fe 2
O 3
(0.2)、屈折率1.579、比重2.72]
(6)光沢粒子1〔成分(C-1)〕:酸化チタンをコー
ィングした平均粒径30μmのガラスフレーク[
本板硝子(株)製、商品名「MC1030RS」]
(7)光沢粒子2〔成分(C-2)〕:酸化チタンをコー
ィングした平均粒径90μmのガラスフレーク[
本板硝子(株)製、MC5090RS]
(8)光沢粒子3〔成分(C-1)〕:着色材をコーティ
グした平均粒径40μmのアルミニウム箔[日本
湿工業(株)製、商品名「アストロフレーク#0
]
光沢粒子1~3の平均粒径は、レーザー回折粒
分布測定装置(MALVERN社製、MASTER SIZER 2000)を
用いて、光沢粒子濃度0.1質量%のケロシン系
液にて、粒度分布を測定し、その結果から
均粒径を求めた。
(9)難燃助剤1〔成分(D)〕:屈折率が1.51であり、
官能基としてビニル基及びメトキシ基を含有
する反応性シリコーン化合物[信越化学工業(
)製、商品名「KR-219」]
(10)難燃助剤2〔成分(D)〕:屈折率が1.49であり
官能基としてビニル基及びメトキシ基を含
する反応性シリコーン化合物[東レ・ダウコ
ニング(株)製、商品名「DC3037」]
(11)難燃助剤3〔成分(D)との比較用〕:ポリテト
ラフルオロエチレン樹脂[旭フロロポリマー(
)製、商品名「CD076」]
(12)難燃剤1〔成分(E)〕:パーフルオロブタンス
ルホン酸カリウム[大日本インキ化学工業(株)
製、商品名「メガファックF114」]
(13)難燃剤2〔成分(E)〕:重量平均分子量が20000
あり、かつスルホン化率が100%であるポリス
チレンスルホン酸ナトリウムの濃度30質量%の
水溶液[ライオン(株)製、商品名「レオスタッ
ド FRPSS-NA30」]
(14)離型剤1:ペンタエリスリトールテトラステ
アレート[理研ビタミン(株)製、商品名「EW440A
」]
(15)安定化剤1:酸化防止剤[オクタデシル3-(3,5-
-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株)製、商品名「Irganox 1076」]
(16)安定化剤2:酸化防止剤、[トリス(2,4-ジ-tert-
ブチルフェニル)ホスファイト、チバ・スペ
ャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名「Irgafo
s 168」]
(17)着色剤1:アンスラキノン系オレンジ染料[
菱化学(株)製、商品名「ダイヤ
レジンオレンジHS」]
(18)着色剤2:アンスラキノン系グリーン染料[
友化学(株)製、商品名「スミプ
ラストグリーンG」]
実施例1~5及び比較例1~10
表1に示す配合割合で、各成分を混合し、2
押出し機[東芝機械(株)製、機種名「TEM-35B」]
を用い、280℃にて溶融混練することにより、
各PC樹脂組成物ペレットを作製した。この各
レットを用い、前述したように試験片を成
して、機械特性、物理特性、光学特性及び
燃性を求めた。その結果を併せて表1に示す
。
表1から、以下のことが分かる。
各実施例から明らかなように、所定量の芳
族PC樹脂と該PC樹脂との屈折率の差が0.002以
の所定量のガラスフィラー、所定量の光沢
子2種類、所定量の反応性官能基を有するシ
リコーン化合物および所定量の有機アルカリ
金属塩化合物及び/又は有機アルカリ土類金
塩化合物を配合して得られたPC樹脂組成物を
成形することにより、成形品のウェルドライ
ン左右における明度差が視認できず、良好な
メタリック調または銀河調外観を有するPC樹
成形品が得られる。
さらに機械特性、耐熱性および全光線透過
を維持したまま、優れた難燃性を付与する
とができる。
さらに、表1から、以下のことが分かる。
比較例1から、光沢粒子として平均粒子径30
mの(C-1)を1種類だけ、しかも、3.0質量部を超
る5質量部用いた場合、他の条件が実施例の
場合と同じでもウェルド左右の明度差を視認
できることと、難燃性にも劣ることが明らか
である。
比較例2から、光沢粒子として平均粒子径90
mの(C-2)を1種類だけ用いた場合、他の条件が
施例の場合と同じでもウェルド左右の明度
を視認できることが明らかである。
比較例3から、難燃助剤1または2、すなわち
(D)成分〔反応性官能基を有するシリコーン
合物〕を用いずに比較用の難燃助剤3を用い
た場合、他の条件が実施例の場合と同じでも
外観が石目調となり目的とする銀河調または
メタリック調のものが得られず、かつ、全光
線透過率も低いことが明らかである。
比較例4、5から、PC樹脂との屈折率の差が0.0
02より大きいガラスフィラーを用いた場合、
の条件が実施例の場合と同じでも外観が石
調となり目的とする銀河調またはメタリッ
調のものが得られず、かつ、全光線透過率
低いことが明らかである。
比較例6から、PC樹脂との屈折率の差が0.002
下のガラスフィラーの添加量が少ないと、
の条件が実施例の場合と同じでも機械特性
物理特性が低下し、かつ、ウェルド左右の
度差を視認できるようになることが明らか
ある。
比較例7、8から、光沢粒子として平均粒子
30μmの(C-1)または平均粒子径90μmの(C-2)を1種
だけ用いた場合、他の条件が実施例の場合
同じでもウェルド左右の明度差を視認でき
ことが明らかである。
比較例9、10におけるように、光沢粒子とし
平均粒子径30μmの(C-1)または平均粒子径90μm
(C-2)を1種類だけ用いた場合、他の条件が実
例の場合と同じでも外観が銀河調またはメ
リック調と認識できるものが得られないこ
が明らかである。
本発明のPC樹脂組成物は、芳香族PC樹脂の屈
折率と屈折率が同じか、又は近似したガラス
フィラー、光沢粒子、反応性シリコーン化合
物および有機アルカリ金属塩化合物及び/又
有機アルカリ土類金属塩化合物を含有する
のであって、このPC樹脂組成物を原料として
成形することにより、成形物にウェルドライ
ンが生成しても、ウェルドラインの左右にお
ける明度差が視認されない。また、高い難燃
性が付与されており、このPC樹脂組成物を用
て得られた本発明のPC樹脂成形品は様々な
野における用途に好適に用いられる。
