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Patent Searching and Data


Title:
POLYELECTROLYTE AND PROCESS FOR PRODUCING THE POLYELECTROLYTE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116446
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an electrolyte that has a high conductivity even under high temperature and low humidity conditions (for example, 20 to 50%RH at 100 to 120°C) and can realize a higher performance fuel cell. The fluorinated polyelectrolyte is characterized by having an equivalent weight (EW) of not less than 250 and not more than 700 and a proton conductivity of 0.10 S/cm or more under conditions of a temperature of 110°C and a relative humidity of 50%RH, and comprising a monomer unit containing a COOZ group or SO3Z group, wherein Z represents an alkali metal, an alkali earth metal, hydrogen, or NR1R2R3R4 wherein R1, R2, R3, and R4 each independently represent an alkyl group having 1 to 3 carbon atoms or hydrogen.

Inventors:
KITA, Kohei (1-105 Kanda Jinbocho Chiyoda-k, Tokyo 01, 10181, JP)
北孝平 (〒01 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地 旭化成ケミカルズ株式会社内 Tokyo, 10181, JP)
MURAI, Takahiko (1-105 Kanda Jinbocho Chiyoda-k, Tokyo 01, 10181, JP)
村井隆彦 (〒01 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地 旭化成ケミカルズ株式会社内 Tokyo, 10181, JP)
SAKAMOTO, Naoki (1-105 Kanda Jinbocho Chiyoda-k, Tokyo 01, 10181, JP)
坂本直紀 (〒01 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地 旭化成ケミカルズ株式会社内 Tokyo, 10181, JP)
MIYAKE, Naoto (1-105 Kanda Jinbocho Chiyoda-k, Tokyo 01, 10181, JP)
三宅直人 (〒01 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地 旭化成ケミカルズ株式会社内 Tokyo, 10181, JP)
INO, Tadashi (Yodogawa Plant, 1-1, Nishihitotsuya, Settsu-sh, Osaka 85, 56685, JP)
Application Number:
JP2009/054746
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 12, 2009
Export Citation:
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Assignee:
Asahi Kasei E-materials Corporation (1-105 Kanda Jinbocho, Chiyoda-ku Tokyo, 01, 10181, JP)
旭化成イーマテリアルズ株式会社 (〒01 東京都千代田区神田神保町1丁目105番地 Tokyo, 10181, JP)
DAIKIN INDUSTRIES, LTD. (Umeda Center Building, 4-12 Nakazaki-Nishi 2-Chome, Kita-ku, Osaka-Sh, Osaka 23, 53083, JP)
ダイキン工業株式会社 (〒23 大阪府大阪市北区中崎西2丁目4番12号 梅田センタービル Osaka, 53083, JP)
KITA, Kohei (1-105 Kanda Jinbocho Chiyoda-k, Tokyo 01, 10181, JP)
北孝平 (〒01 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地 旭化成ケミカルズ株式会社内 Tokyo, 10181, JP)
MURAI, Takahiko (1-105 Kanda Jinbocho Chiyoda-k, Tokyo 01, 10181, JP)
村井隆彦 (〒01 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地 旭化成ケミカルズ株式会社内 Tokyo, 10181, JP)
SAKAMOTO, Naoki (1-105 Kanda Jinbocho Chiyoda-k, Tokyo 01, 10181, JP)
坂本直紀 (〒01 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地 旭化成ケミカルズ株式会社内 Tokyo, 10181, JP)
MIYAKE, Naoto (1-105 Kanda Jinbocho Chiyoda-k, Tokyo 01, 10181, JP)
International Classes:
H01B1/06; C08F8/12; C08F14/26; C08F16/30; H01B13/00; H01M8/02
Domestic Patent References:
WO2005103161A12005-11-03
WO2002096983A12002-12-05
WO2002096983A12002-12-05
Foreign References:
JP2007112907A2007-05-10
JP2007112906A2007-05-10
JP2006277984A2006-10-12
JPH06322034A1994-11-22
JPH04366137A1992-12-18
JP2002352819A2002-12-06
JP2006173098A2006-06-29
JPH06322034A1994-11-22
JPH04366137A1992-12-18
JP2002352819A2002-12-06
JPS63297406A1988-12-05
JP2006173093A2006-06-29
JPS6462132A1989-03-08
JPS53149881A1978-12-27
JPS6361337B21988-11-29
Other References:
See also references of EP 2270818A4
H. GASTEIGER; M. MATHIAS: "In Proton Conducting Membrane Fuel Cells", 2002, THE ELECTROCHEMICAL SOCIETY PROCEEDINGS SERIES, pages: 1 - 22
GIERKE, T. D.; MUNN, G. E.; WILSON, F. C., J. POLYMER SCI. POLYMER PHYS., vol. 19, 1981, pages 1687
Attorney, Agent or Firm:
YASUTOMI & Associates (5-36, Miyahara 3-chomeYodogawa-ku, Osaka-shi, Osaka 03, 53200, JP)
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Claims:
当量重量(EW)が250以上700以下であり、110℃相対湿度50%RHにおけるプロトン伝導度が0.10S/cm以上であり、COOZ基又はSO 3 Z基(Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水素、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は水素を表す。)含有モノマー単位を有することを特徴とするフッ素系高分子電解質。
下記一般式(I)
CF 2 =CF(CF 2 ) k -O l -(CF 2 CFY 1 -O) n -(CFY 2 ) m -A 1  (I)
(式中、Y 1 は、F、Cl又はパーフルオロアルキル基を表す。kは0~2の整数、lは0又は1、nは、0~8の整数を表し、n個のY 1 は、同一でも異なっていてもよい。Y 2 はF又はClを表す。mは0~6の整数を表す。ただし、m=0の場合は、l=0、n=0である。m個のY 2 は、同一でも異なっていてもよい。A 1 はCOOZ又はSO 3 Z、Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水素、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は水素を表す。)で表されるCOOZ基又はSO 3 Z基含有モノマーに由来する繰り返し単位(α)と、前記COOZ基又はSO 3 Z基含有モノマーと共重合可能なエチレン性フルオロモノマーに由来する繰り返し単位(β)とを含み、
繰り返し単位(α)が10~95モル%、繰り返し単位(β)が5~90モル%、繰り返し単位(α)と繰り返し単位(β)との和が95~100モル%である
請求項1記載のフッ素系高分子電解質。
kが0であり、lが1であり、Y 1 がFであり、nが0又は1であり、Y 2 がFであり、mが2又は4であり、A 1 が-SO 3 Hである請求項2記載のフッ素系高分子電解質。
nが0であり、mが2である請求項3記載のフッ素系高分子電解質。
小角X線測定を行い下記式(1)から算出される、25℃相対湿度50%RHにおけるイオンクラスター間距離が0.1nm以上2.6nm以下である請求項1、2、3又は4記載のフッ素系高分子電解質。
d=λ/2/sin(θm)   (1)
(式中、dはイオンクラスター間距離、λは小角X線測定に用いる入射X線波長、θmはピークを示すブラッグ角を表す。)
フッ素系高分子電解質前駆体を化学処理して得られ、
前記フッ素系高分子電解質前駆体は、前記化学処理によってCOOZ又はSO 3 Z(Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水素、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は水素を表す。)に変換される基を有し、溶融流動可能であり、メルトフローレートが0.01~100g/10分である請求項1、2、3、4又は5記載のフッ素系高分子電解質。
化学処理は、塩基性反応液体に浸漬する処理である請求項6記載のフッ素系高分子電解質。
請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のフッ素系高分子電解質から構成されることを特徴とする電解質膜。
請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のフッ素系高分子電解質を含有することを特徴とする電解質溶液。
請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のフッ素系高分子電解質を備えることを特徴とする膜電極接合体。
請求項10記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
乳化重合によりフッ素系高分子電解質前駆体を得る工程(1)、及び、
前記フッ素系高分子電解質前駆体を化学処理してフッ素系高分子電解質を得る工程(2)を含み、
前記フッ素系高分子電解質は、当量重量(EW)が250以上700以下であり、110℃相対湿度50%RHにおけるプロトン伝導度が0.10S/cm以上であり、COOZ基又はSO 3 Z基(Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水素、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は水素を表す。)含有モノマー単位を有することを特徴とするフッ素系高分子電解質の製造方法。
工程(1)は、0℃以上40℃以下で乳化重合を行うものである請求項12記載の製造方法。
フッ素系高分子電解質前駆体は、化学処理によってCOOZ又はSO 3 Z(Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水素、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は水素を表す。)に変換される基を有し、溶融流動可能であり、メルトフローレートが0.01~100g/10分以下である請求項12又は13記載の製造方法。
Description:
高分子電解質及びその製造方法

本発明は、固体高分子電解質型燃料電池用 の電解質膜として好適な、高分子電解質及び その製造方法等に関するものである。

燃料電池は、電池内で、水素、メタノール 等を電気化学的に酸化することにより、燃料 の化学エネルギーを、直接、電気エネルギー に変換して取り出すものであり、クリーンな 電気エネルギー供給源として注目されている 。特に、固体高分子電解質型燃料電池は、他 と比較して低温で作動することから、自動車 代替動力源、家庭用コージェネレーションシ ステム、携帯用発電機等として期待されてい る。

このような固体高分子電解質型燃料電池は 、電極触媒層とガス拡散層とが積層されたガ ス拡散電極が電解質膜の両面に接合された膜 電極接合体を少なくとも備えている。ここで いう電解質膜は、高分子鎖中にスルホン酸基 、カルボン酸基等の強酸性基を有し、プロト ンを選択的に透過する性質を有する材料であ る。このような電解質膜としては、化学的安 定性の高いナフィオン(登録商標、デュポン 製)に代表されるパーフルオロ系プロトン交 膜が好適に用いられる。

燃料電池の運転時においては、アノード側 のガス拡散電極に燃料(例えば、水素)、カソ ド側のガス拡散電極に酸化剤(例えば、酸素 や空気)がそれぞれ供給され、両電極間が外 回路で接続されることにより、燃料電池の 動が実現される。具体的には、水素を燃料 した場合、アノード触媒上で水素が酸化さ てプロトンが生じる。このプロトンは、ア ード触媒層内の電解質バインダーを通った 、電解質膜内を移動し、カソード触媒層内 電解質バインダーを通ってカソード触媒上 達する。一方、水素の酸化によりプロトン 同時に生じた電子は、外部回路を通ってカ ード側ガス拡散電極に到達する。カソード 媒上では、上記プロトンと酸化剤中の酸素 が反応して水が生成される。そして、この き電気エネルギーが取り出される。

固体高分子電解質型燃料電池は、低環境負 荷でエネルギー変換効率が高いという特徴か ら、定置用コージェネレーションシステム用 途や車載用電源として期待されている。自動 車用途では、現状80℃近辺で運転されるのが 常である。しかしながら、燃料電池車を普 させるには、ラジエーターの小型化、加湿 の簡素化を行い、コストダウンする必要が る。そのためには高温低加湿条件下(運転温 度100~120℃で、湿度20~50%RHに相当)での運転に 用可能で、かつ幅広い運転環境(室温~120℃/20 ~100%RH)で高性能を示す電解質膜が望まれてい 。具体的には、非特許文献1に示されるよう に、運転温度100℃を可能にするには、50%RHに いてプロトン伝導度が0.10S/cm以上、運転温 120℃を可能にするには、20%RHにおいてプロト ン伝導度が0.10S/cm以上である必要がある。

ところが、従来のパーフルオロ系プロトン 交換膜の伝導度は、湿度に大きく依存し、特 に50%RH以下では著しく低下してしまう。そこ 、特許文献1~3には、当量重量(EW)、つまりプ ロトン交換基1当量当たりの乾燥重量であるEW (g/eq)が670~776のフッ素系電解質膜が開示され いる。このように、EW値を下げる、つまりプ ロトン交換容量を増加させることで伝導度を 向上できる。また、特許文献4に低EWでも熱水 溶解しにくい電解質膜が開示されており、EW6 98の電解質膜が例示されている。特許文献5に はEW564の高分子電解質の製造例が開示されて る。

また、パーフルオロ系プロトン交換膜は、 長期間使用することにより劣化することが知 られており、様々な安定化方法が提案されて いる。例えば、特許文献6には、分子量が450 上の含フッ素化合物からなるラジカル重合 始剤を用い、0~35℃の重合温度で共重合させ 重合工程を経て得られた含フッ素高分子電 質が示されている。

特開平6-322034号公報

特開平4-366137号公報

国際公開第2002/096983号パンフレット

特開2002-352819号公報

特開昭63-297406号公報

特開2006-173098号公報 H.Gasteiger and M. Mathias, In Proton Conducting  Membrane Fuel Cells, PV2002-31, pp.1-22, The Electro chemical Society Proceedings Series (2002)

しかしながら、上記特許文献1~6に開示され た電解質膜の伝導度は、50%RH以下では依然低 、0.10S/cmとはほど遠かった。本発明の目的 、高温低加湿条件下でも高伝導度を有する 解質を提供し、より高性能な燃料電池を可 にすることにある。

本発明者らは、上記課題を解決するために 鋭意検討した結果、特殊な方法により重合さ れたフッ素系電解質前駆体を用いる事で、フ ッ素系電解質において形成されるイオンクラ スター構造を制御することができること、電 解質膜のイオンクラスター構造を制御するこ とによって、低湿度でも高伝導性を発現でき ることを見出し、本発明を完成した。

即ち本発明は、以下の高分子電解質膜、そ の製造方法、膜電極接合体、及び固体高分子 電解質型燃料電池を提供する。

(1)当量重量(EW)が250以上700以下であり、110℃ 対湿度50%RHにおけるプロトン伝導度が0.10S/cm 上であり、COOZ基又はSO 3 Z基(Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水 素、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は 水素を表す。)含有モノマー単位を有するこ を特徴とするフッ素系高分子電解質。

(2)下記一般式(I)
CF 2 =CF(CF 2 ) k -O l -(CF 2 CFY 1 -O) n -(CFY 2 ) m -A 1  (I)
(式中、Y 1 は、F、Cl又はパーフルオロアルキル基を表す 。kは0~2の整数、lは0又は1、nは、0~8の整数を し、n個のY 1 は、同一でも異なっていてもよい。Y 2 はF又はClを表す。mは0~6の整数を表す。ただ 、m=0の場合は、l=0、n=0である。m個のY 2 は、同一でも異なっていてもよい。A 1 はCOOZ又はSO 3 Z、Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水 、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は 水素を表す。)で表されるCOOZ基又はSO 3 Z基含有モノマーに由来する繰り返し単位(α) 、上記COOZ基又はSO 3 Z基含有モノマーと共重合可能なエチレン性 ルオロモノマーに由来する繰り返し単位(β) を含み、
繰り返し単位(α)が10~95モル%、繰り返し単位( )が5~90モル%、繰り返し単位(α)と繰り返し単 (β)との和が95~100モル%である
(1)記載のフッ素系高分子電解質。

(3)kが0であり、lが1であり、Y 1 がFであり、nが0又は1であり、Y 2 がFであり、mが2又は4であり、A 1 が-SO 3 Hである(2)記載のフッ素系高分子電解質。

(4)nが0であり、mが2である(3)記載のフッ素 高分子電解質。

(5)小角X線測定を行い下記式(1)から算出され 、25℃相対湿度50%RHにおけるイオンクラスタ 間距離が0.1nm以上2.6nm以下である(1)、(2)、(3) 又は(4)記載のフッ素系高分子電解質。
d=λ/2/sin(θm)   (1)
(式中、dはイオンクラスター間距離、λは小 X線測定に用いる入射X線波長、θmはピークを 示すブラッグ角を表す。)

(6)フッ素系高分子電解質前駆体を化学処理し て得られ、
上記フッ素系高分子電解質前駆体は、上記化 学処理によってCOOZ又はSO 3 Z(Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水素 、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は 水素を表す。)に変換される基を有し、溶融 動可能であり、メルトフローレートが0.01~100 g/10分である(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)記載のフ 素系高分子電解質。

(7)化学処理は、塩基性反応液体に浸漬する 処理である(6)記載のフッ素系高分子電解質。

(8) (1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)又は(7)記載の ッ素系高分子電解質から構成されることを 徴とする電解質膜。

(9) (1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)又は(7)記載の ッ素系高分子電解質を含有することを特徴 する電解質溶液。

(10) (1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)又は(7)記載の フッ素系高分子電解質を備えることを特徴と する膜電極接合体。

(11) (10)記載の膜電極接合体を備えること 特徴とする固体高分子型燃料電池。

(12)乳化重合によりフッ素系高分子電解質前 体を得る工程(1)、及び、上記フッ素系高分 電解質前駆体を化学処理してフッ素系高分 電解質を得る工程(2)を含み、上記フッ素系 分子電解質は、当量重量(EW)が250以上700以下 あり、110℃相対湿度50%RHにおけるプロトン 導度が0.10S/cm以上であり、COOZ基又はSO 3 Z基(Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水 素、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は 水素を表す。)含有モノマー単位を有するこ を特徴とするフッ素系高分子電解質の製造 法。

(13)工程(1)は、0℃以上40℃以下で乳化重合 行うものである(12)記載の製造方法。

(14)フッ素系高分子電解質前駆体は、化学処 によってCOOZ又はSO 3 Z(Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水素 、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は 水素を表す。)に変換される基を有し、溶融 動可能であり、メルトフローレートが0.01~100 g/10分以下である(12)又は(13)記載の製造方法。

本発明のフッ素系高分子電解質は低湿度下 でも高いプロトン伝導性を有し、良好な性能 を有する燃料電池を提供できる。

以下、本発明を実施するための最良の形態 (以下、発明の実施の形態)について詳細に説 する。尚、本発明は、以下の実施の形態に 定されるものではなく、その要旨の範囲内 種々変形して実施することができる。

本発明のフッ素系高分子電解質は、当量重 量(EW)、つまりイオン交換基1当量当たりの乾 重量が250以上700以下である。EWの上限は、 ましくは650であり、より好ましくは600であ 、更により好ましくは550である。EWの下限は 、好ましくは300であり、より好ましくは350で あり、更により好ましくは400である。EWが小 い方が、伝導度が高くなり好ましい反面、 水への溶解性が大きくなる場合があるため 上記のような適切な範囲であることが望ま い。

また、本発明のフッ素系高分子電解質は、 110℃相対湿度50%RHにおけるプロトン伝導度が0 .10S/cm以上である。好ましくは40%RHにおけるプ ロトン伝導度が0.10S/cm以上、より好ましくは3 0%RHにおけるプロトン伝導度が0.10S/cm以上、更 により好ましくは20%RHにおけるプロトン伝導 が0.10S/cm以上である。本発明のフッ素系高 子電界質のプロトン伝導度は高いほどよい 、例えば、110℃相対湿度50%RHにおけるプロト ン伝導度が1.0S/cm以下であってもよい。

さらに、本発明のフッ素系高分子電解質は特 殊なイオンクラスター構造を有する。つまり 、本発明のフッ素系高分子電解質の25℃50%RH おけるイオンクラスター間距離は、0.1nm以上 2.6nm以下であることが好ましい。図1は、横軸 をクラスター間距離、縦軸を高温低加湿条件 でのイオン伝導度として、後述する実施例及 び比較例の結果をプロットしたグラフである が、イオンクラスター間距離が2.6nm以下にな と伝導度が急激に立ち上がることがわかる
イオンクラスター間距離の上限は、より好ま しくは2.5nmである。イオンクラスター間距離 下限は、より好ましくは0.5nm、さらに好ま くは1.0nm、特に好ましくは2.0nmである。

イオンクラスターとは、複数のプロトン交 換基が集合し形成されたイオンチャンネルで あり、ナフィオンに代表されるパーフルオロ 系プロトン交換膜もこのようなイオンクラス ター構造を有すると考えられている(例えば Gierke.T.D.,Munn.G.E.,Wilson.F.C. J.Polymer Sci. Polymer  Phys, 1981, 19, 1687参照。)。

イオンクラスター間距離dは、以下の方法 測定し、算出することができる。

製膜したフッ素系高分子電解質に対し、25℃5 0%RHの雰囲気で小角X線散乱測定を実施する。 られた散乱強度をブラッグ角θに対してプ ットし、通常2θ>1°に現れるクラスター構 由来のピーク位置におけるブラッグ角θmを 出する。θmから下記式(1)によりイオンクラ ター間距離dを算出する。
d=λ/2/sin(θm)   (1)
(式中λは入射X線波長)

なお、この測定の際、膜をキャスト法により 製膜した場合は事前に160℃でアニールする。 また、フッ素系高分子電解質のCOOZ基又はSO 3 Z基で表される末端基がCOOH又はSO 3 Hになるよう処理する。試料膜は測定前に30分 以上25℃50%RHの雰囲気に保持した後、測定を 施する。

本発明のフッ素系高分子電解質は、イオン クラスター間の距離が短いため、プロトンが イオンクラスター間を移動しやすいと推測さ れ、低湿度下でも高い伝導度を有する。

本発明におけるフッ素系高分子電解質は、COO Z基又はSO 3 Z基(Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水 素、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は 水素を表す。)含有モノマー単位を有するも である。

上記フッ素系高分子電解質において、COOZ基 はSO 3 Z基含有モノマー単位は、全単量体単位の10~95 モル%であることが好ましい。ここで「全単 体単位」とは、フッ素系高分子電解質の分 構造上、モノマーに由来する部分の全てを す。

上記COOZ基又はSO 3 Z基含有モノマー単位は、一般に、下記一般 (I)
CF 2 =CF(CF 2 ) k -O l -(CF 2 CFY 1 -O) n -(CFY 2 ) m -A 1  (I)
(式中、Y 1 は、F、Cl又はパーフルオロアルキル基を表す 。kは0~2の整数、lは0又は1、nは、0~8の整数を し、n個のY 1 は、同一でも異なっていてもよい。Y 2 はF又はClを表す。mは0~6の整数を表す。ただ 、m=0の場合は、l=0、n=0となる。m個のY 2 は、同一でも異なっていてもよい。A 1 はCOOZ又はSO 3 Z、Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水 、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は 水素を表す。)で表されるCOOZ基又はSO 3 Z基含有モノマーに由来するものである。

上記一般式(I)において、合成面及び操作性の 観点から、kは0であることがより好ましく、l は1であることがより好ましく、nは0又は1で ることがより好ましく、nは0であることが更 に好ましく、また、Y 2 はFであり、mは2~6の整数であることがより好 しく、Y 2 はFであり、mは2又は4であることが更に好ま く、Y 2 はFであり、mは2であることが特に好ましい。

上記フッ素系高分子電解質において、上記COO Z基又はSO 3 Z基含有モノマーは、1種又は2種以上を組み合 わせて用いることができる。

本発明のフッ素系高分子電解質は、上記COOZ 又はSO 3 Z基含有モノマーに由来する繰り返し単位(α) 、COOZ基又はSO 3 Z基含有モノマーと共重合可能なエチレン性 ルオロモノマーに由来する繰り返し単位(β) を含む共重合体であることが好ましい。

上記繰り返し単位(β)を構成することとな エチレン性フルオロモノマーは、エーテル 酸素〔-O-〕を有さず、ビニル基を有するモ マーであるが、ビニル基はフッ素原子によ 水素原子の一部又は全部が置換されていて よい。

本明細書において、「エーテル性酸素」と は、モノマー分子を構成する-O-構造を意味す る。

上記エチレン性フルオロモノマーとしては、 例えば、下記一般式(II)
CF 2 =CF-Rf 1   (II)
(式中、Rf 1 は、F、Cl又は炭素数1~9の直鎖状又は分岐状の フルオロアルキル基を表す。)
で表されるハロエチレン性フルオロモノマー 、あるいは下記一般式(III)
CHY 3 =CFY 4        (III)
(式中、Y 3 はH又はFを表し、Y 4 はH、F、Cl又は炭素数1~9の直鎖状又は分岐状 フルオロアルキル基を表す。)
で表される水素含有フルオロエチレン性フル オロモノマー等が挙げられる。

上記エチレン性フルオロモノマーとしては 、例えば、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、 ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、クロロト リフルオロエチレン〔CTFE〕、フッ化ビニル フッ化ビニリデン〔VDF〕、トリフルオロエ レン、ヘキサフルオロイソブチレン、パー ルオロブチルエチレン等が挙げられるが、TF E、VDF、CTFE、トリフルオロエチレン、フッ化 ニル、HFPであることが好ましく、TFE、CTFE、 HFPがより好ましく、TFE、HFPが更に好ましく、 TFEが特に好ましい。上記エチレン性フルオロ モノマーとしては、1種又は2種以上を用いる とができる。

本発明のフッ素系高分子電解質は、COOZ基又 SO 3 Z基含有モノマーに由来する繰り返し単位(α) 10~95モル%、エチレン性フルオロモノマーに 来する繰り返し単位(β)が5~90モル%、繰り返 単位(α)と繰り返し単位(β)との和が95~100モ %である共重合体であることが好ましい。

上記COOZ基又はSO 3 Z基含有モノマーに由来する繰り返し単位(α) 、より好ましい下限が15モル%、更に好まし 下限が20モル%、より好ましい上限が60モル% 更に好ましい上限が50モル%である。

上記エチレン性フルオロモノマーに由来す る繰り返し単位(β)は、より好ましい下限が35 モル%、更に好ましい下限が45モル%、より好 しい上限が85モル%、更に好ましい上限が80モ ル%である。

本発明におけるフッ素系高分子電解質は、上 記以外の第3成分モノマーに由来する繰り返 単位として、COOZ基又はSO 3 Z基含有モノマー以外のビニルエーテルに由 する繰り返し単位(γ)を、好ましくは0~5モル% 、より好ましくは4モル%以下、更に好ましく 3モル%以下有するものであっても差し支え い。
なお、フッ素系高分子電解質のポリマー組成 は、例えば、300℃における溶融NMRの測定値か ら算出することができる。

繰り返し単位(γ)を構成することとなるCOOZ基 はSO 3 Z基含有モノマー以外のビニルエーテルとし は、COOZ基又はSO 3 Z基を含有しないものであれば特に限定され 、例えば、下記一般式(IV)
CF 2 =CF-O-Rf 2       (IV)
(式中、Rf 2 は、炭素数1~9のフルオロアルキル基又は炭素 数1~9のフルオロポリエーテル基を表す。)
で表されるフルオロビニルエーテル、より好 ましくはパーフルオロビニルエーテル、ある いは下記一般式(V)
CHY 5 =CF-O-Rf 3   (V)
(式中、Y 5 は、H又はFを表し、Rf 3 は、炭素数1~9のエーテル基を有していてもよ い直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基を 表す。)
で表される水素含有ビニルエーテル等が挙げ られる。上記ビニルエーテルとしては、1種 は2種以上を用いることができる。

本発明のフッ素系高分子電解質を電解質膜 として用いる場合、その厚みとしては1μm以 500μm以下である事が好ましく、より好まし は2μm以上100μm以下、更により好ましくは5μm 以上50μm以下である。膜厚が薄いと発電時の 流抵抗を小さくできる一方、ガス透過量が くなるおそれがあるため、上記のような適 な範囲であることが望ましい。また、特開 8-162132号公報記載のようにPTFE膜を延伸処理 た多孔質膜や、特開昭53-149881号公報及び特 昭63-61337号公報に示されるフィブリル化繊 を有している場合もある。

また、本発明のフッ素系高分子電解質は、電 極触媒層中の電解質バインダーとして用いる こともできる。このような場合、本発明のフ ッ素系高分子電解質を溶媒中に分散させたフ ッ素系高分子電解質溶液を準備し、そこへPt 持カーボン等の電極触媒を添加し混合して 製した電極インクを塗布、乾燥する事によ て、電極触媒層を得ることが好ましい。電 面積に対するフッ素系高分子電解質の担持 としては、電極触媒層を形成した状態で、 ましくは0.001~10mg/cm 2 、より好ましくは0.01~5mg/cm 2 、更に好ましくは0.1~1mg/cm 2 である。

電解質膜の両面にアノードとカソードの2 類の電極触媒層が接合したユニットは、膜 極接合体(以下「MEA」と略称することがある) と呼ばれる。電極触媒層のさらに外側に一対 のガス拡散層を対向するように接合したもの についても、MEAと呼ばれる場合がある。

電極触媒層は、触媒金属の微粒子とこれを 担持した導電剤とから構成され、必要に応じ て撥水剤が含まれる。電極に使用される触媒 としては、水素の酸化反応及び酸素の還元反 応を促進する金属であればよく、白金、金、 銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ル テニウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム 、タングステン、マンガン、バナジウム、お よびこれらの合金等が挙げられ、その中では 、主として白金が用いられる。

電極面積に対する電極触媒の担持量としては 、電極触媒層を形成した状態で、好ましくは 0.001~10mg/cm 2 、より好ましくは0.01~5mg/cm 2 、最も好ましくは0.1~1mg/cm 2 である。

上記で得られたMEA、場合によっては更に一 対のガス拡散電極が対向した構造のMEAは、更 にバイポーラプレートやバッキングプレート 等の一般的な固体高分子電解質型燃料電池に 用いられる構成成分と組み合わされて、固体 高分子電解質型燃料電池が構成される。

バイポーラプレートとは、その表面に燃料 や酸化剤等のガスを流すための溝を形成させ たグラファイトと樹脂との複合材料、または 金属製のプレート等を意味する。バイポーラ プレートは、電子を外部負荷回路へ伝達する 機能の他、燃料や酸化剤を電極触媒近傍に供 給する流路としての機能を持っている。こう したバイポーラプレートの間にMEAを挿入して 複数積み重ねることにより、燃料電池が製造 される。

次に、本発明のフッ素系高分子電解質の製 造方法を以下に説明する。

(フッ素系高分子電解質の製造方法)
本発明のフッ素系高分子電解質は、例えば、 後述する重合方法によりフッ素系高分子電解 質前駆体を得る工程(1)、及び、上記フッ素系 高分子電解質前駆体を化学処理してフッ素系 高分子電解質を得る工程(2)を含む製造方法に よって製造することができる。

上記フッ素系高分子電解質前駆体は、化学処 理によってCOOZ又はSO 3 Z(Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水素 、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は 水素を表す。)に変換される基を有すること 好ましい。

上記工程(1)は、エチレン性フルオロモノマー と、化学処理によってCOOZ又はSO 3 Z(Zはアルカリ金属、アルカリ土類金属、水素 、又は、NR 1 R 2 R 3 R 4 を表す。R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基又は 水素を表す。)に変換される基を有するフッ ビニル化合物(以下単にフッ化ビニル化合物 記載)と、を共重合させることによりフッ素 系高分子電解質前駆体を得るものであること が好ましい。

上記フッ化ビニル化合物としては、下記一般 式(VI)
CF 2 =CF(CF 2 ) k -O l -(CF 2 CFY 1 -O) n -(CFY 2 ) m -A 2  (VI)
(式中、Y 1 は、F、Cl又はパーフルオロアルキル基を表す 。kは0~2の整数、lは0又は1、nは、0~8の整数を し、n個のY 1 は、同一でも異なっていてもよい。Y 2 はF又はClを表す。mは0~6の整数を表す。ただ 、m=0の場合は、l=0、n=0となる。m個のY 2 は、同一でも異なっていてもよい。A 2 はSO 2 Z 1 又はCOZ 2 を表し、Z 1 はハロゲン元素を表し、Z 2 は炭素数1~3のアルコキシ基、又はハロゲン元 素を表す。)で表されるフッ化ビニル化合物 好ましい。

上記一般式(VI)において、合成面及び操作性 観点から、kは0であることが好ましく、lは1 あることが好ましい。EWを小さくするため は、nは0又は1であることがより好ましく、n 0であることが更に好ましい。また、Y 2 はFであり、mは2~6の整数であることがより好 しく、Y 2 はFであり、mは2又は4であることが更に好ま く、Y 2 はFであり、mは2であることが特に好ましい。

上記一般式(VI)で表されるフッ化ビニル化合 の具体例としては、
CF 2 =CFO(CF 2 ) P -SO 2 F,
CF 2 =CFOCF 2 CF(CF 3 )O(CF 2 ) P -SO 2 F,
CF 2 =CF(CF 2 ) P-1 -SO 2 F,
CF 2 =CF(OCF 2 CF(CF 3 )) P -(CF 2 ) P-1 -SO 2 F,
CF 2 =CFO(CF 2 ) P -CO 2 R,
CF 2 =CFOCF 2 CF(CF 3 )O(CF 2 ) P -CO 2 R,
CF 2 =CF(CF 2 ) P -CO 2 R,
CF 2 =CF(OCF 2 CF(CF 3 )) P -(CF 2 ) 2 -CO 2 R
(式中、Pは1~8の整数、Rは炭素数1~3のアルキル 基を表す。)等が挙げられる。

上記工程(1)において、上記フッ化ビニル化 合物は、1種又は2種以上を組み合わせて用い ことができる。

上記エチレン性フルオロモノマーとしては 、上述したものが挙げられる。また、所望に よりエチレン性フルオロモノマー及びフッ化 ビニル化合物以外の第3成分モノマーを重合 るものであってよい。

工程(1)における重合方法としては、以下の 重合方法が挙げられる。

(i)含フッ素炭化水素などの重合溶媒を使用 し、この重合溶媒に充填溶解した状態でフッ 化ビニル化合物とエチレン性フルオロモノマ ーのガスとを反応させて重合が行われる方法 (溶液重合)。上記含フッ素炭化水素としては 例えば、トリクロロトリフルオロエタン、1 ,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフロロペンタンなど、「 ロン」と総称される化合物群を好適に使用 ることができる。

(ii)含フッ素炭化水素などの溶媒を使用せ 、フッ化ビニル化合物そのものを重合溶剤 して用いてフッ化ビニル化合物の重合が行 れる方法(塊状重合)。

(iii)界面活性剤の水溶液を重合溶媒として い、この重合溶媒に充填溶解した状態でフ 化ビニル化合物とエチレン性フルオロモノ ーのガスとを反応させて重合が行われる方 (乳化重合)。

上記乳化重合は、界面活性剤およびアルコ ールなどの助乳化剤の水溶液を用い、この水 溶液に充填乳化した状態でフッ化ビニル化合 物とエチレン性フルオロモノマーのガスとを 反応させて重合が行われる方法(ミニエマル ョン重合、マイクロエマルジョン重合)であ てもよい。

(iv)懸濁安定剤の水溶液を用い、この水溶 に充填懸濁した状態でフッ化ビニル化合物 エチレン性フルオロモノマーのガスとを反 させて重合が行われる方法(懸濁重合)。

中でも、当量重量(EW)が250以上700以下のポ マーを効率的に得るためには、(iii)乳化重合 が好ましい。

EWを250以上700以下とするためには、上記フ 化ビニル化合物の組成を大きくした方がよ が、通常フッ化ビニルの反応性は、エチレ 性フルオロモノマーに対して著しく小さい め、反応が遅くなり重合に長大な時間がか るおそれがある。

通常、ラジカル重合反応では、2個のラジ ルのカップリングによる停止機構が存在す 。上記(i)、(ii)、(iv)に挙げた重合方法では、 このカップリングにより分子量が制限される おそれがあり、分子量を大きくするためには 、ラジカル濃度を極端に小さくしなければな らない場合があり、そうなると、さらに反応 速度が小さくなり、実質上目的のポリマーを 製造することが困難になる。

一方、上記乳化重合(ミニエマルジョン重 及びマイクロエマルジョン重合を含む)は、 合場が微小な粒子であり、通常2個以上のラ ジカルが同一の重合場に存在する確率は低い と考えられている。それゆえ、他の重合方法 に対して、単位体積あたりの成長ラジカル数 を大きくすることが可能であるため、見掛け の重合速度を大きくすることができる。

工程(1)は、0℃以上40℃以下の重合温度で上 記(iii)の方法によりフッ素系高分子電解質前 体を得るものであることが好ましい。理由 明確ではないが、上記重合温度で重合反応 おこなうと、フッ素系高分子電解質前駆体 イオンクラスター間距離を上述した特定の 囲に制御することができ、低湿度でも高伝 性を発現することができる。上記重合温度 5℃以上であることがより好ましく、35℃以 であることがより好ましい。

上記乳化重合は、圧力容器に界面活性剤の 水溶液中で、フッ化ビニル化合物とガス状の エチレン性フルオロモノマーを、重合開始剤 から発生したラジカルによってラジカル共重 合させるものであることが好ましい。ここで 、フッ化ビニル化合物は界面活性剤およびア ルコールなどの助乳化剤とともに強いせん断 力を加えて充填乳化したしたものであっても よい。

生成する高分子の組成を制御するために、 ガス状エチレン性フルオロモノマーに由来す る圧力を制御する方法が望ましい。上記圧力 は、-0.05MPaG以上2.0MPaG以下が好ましい。ここ 上記圧力(MPaG)は、大気圧を0MPaとした圧力ゲ ジの値(ゲージ圧力)である。通常EWを低くす るためには、圧力は低い方が好ましいが、低 すぎると重合時間が長くなり、非効率になる おそれがある。より好ましい下限は0.0MPaGで り、さらに好ましい下限は0.1MPaGである。よ 好ましい上限は1.0MPaGであり、さらに好まし い上限は0.7MPaGである。

また、通常、重合反応の進行によりガス状 エチレン性フルオロモノマーが消費されて圧 力が低下するので、適宜ガス状エチレン性フ ルオロモノマーを追加することが好ましい。 また、同時に消費されるフッ化ビニル化合物 を追加供給する方法も好ましく用いられる。 追加されるフッ化ビニル化合物は、界面活性 剤およびアルコールなどの助乳化剤とともに 強いせん断力を加えて充填乳化したしたもの であってもよい。フッ化ビニル化合物が液状 である場合には、定量ポンプで圧入する方法 や、不活性ガス等で加圧して圧入する方法等 が用いられる。

上記フッ素系高分子電解質前駆体は、溶融 流動可能であることが好ましい。本実施の形 態においては、フッ素系高分子電解質前駆体 の重合度の指標としてメルトフローレート( 下「MFR」と略称する)を使用することができ 。本実施の形態において、フッ素系高分子 解質前駆体のMFRは、0.01以上が好ましく、0.1 以上がより好ましく、0.3以上が更に好ましい 。MFRの上限は100以下が好ましく、20以下がよ 好ましく、16以下が更に好ましく、10以下が 特に好ましい。MFRが0.01よりも小さいと、成 等の成型加工が不良になるおそれがある。 た、MFRが100よりも大きいと、これを成形し 得られた膜の強度が小さくなるおそれがあ 、燃料電池に使用したときの耐久性も低下 るおそれがある。

MFRを0.01以上100以下とするためには、0℃以 40℃以下の温度で乳化重合することが好ま い。40℃よりも高いと、ポリマー末端のラジ カルがβ転位して重合が停止する不均化反応 速度が大きくなり、分子量の高いポリマー 得ることができないおそれがある。より好 しくは、35℃以下であり、さらに好ましく 30℃以下である。一方、0℃よりも低いと重 が非常に遅くなり、生産性が非常に悪くな おそれがある。より好ましくは5℃以上であ 、さらに好ましくは10℃以上である。

工程(1)において使用する重合開始剤は水溶 性のものが好ましく、例えば、過硫酸化合物 、過ホウ酸化合物、過塩素酸化合物、過リン 酸化合物、過炭酸化合物等の無機過酸化物; サクシニルパーオキサイド、t-ブチルパーマ レエート、t-ブチルハイドロパーオキサイド の有機過酸化物;等が挙げられる。上記無機 過酸化物は、例えば、アンモニウム塩、ナト リウム塩、カリウム塩等であってもよい

上記水溶性重合開始剤と、還元剤を組み合 わせた所謂レドックス系開始剤も好適に用い られる。還元剤としては、例えば亜硫酸塩、 亜硫酸水素塩、鉄、銅、コバルト等の低次の イオンの塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩、N,N ,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン等の 機アミン、更にはアルドース、ケトース等 還元糖などをあげることができる。特に、 合温度が30℃以下の場合には、レドックス 開始剤を使用することが好ましい。

アゾ化合物も本発明において最も好ましい 開始剤であり、2,2’-アゾビス-2-メチルプロ オンアミジン塩酸塩、2,2’-アゾビス-2,4-ジ チルバレロニトリル、2,2’-アゾビス-N,N’- メチレンイソブチルアミジン塩酸塩、2,2’- ゾビス-2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-プ ピオンアミド、2,2’-アゾビス-2-(2-イミダゾ ン-2-イル)-プロパン及びその塩、4,4’-アゾ ス-4-シアノ吉草酸及びその塩等を使用する とができる。更に、上記した重合開始剤を2 種以上併用することも可能である。重合開始 剤の量は、概ねモノマーに対し0.001~5質量%で る。

重合開始剤は、エチレン性フルオロモノマ ーを導入する前に圧力容器内に仕込んでいて もよいし、エチレン性フルオロモノマー導入 後に水溶液として圧入してもよい。

また、レドックス系開始剤を用いる場合に は、重合開始剤と還元剤の両者又は何れか一 方を逐次的に追加仕込みする方法が好ましい 。

工程(1)において使用できる乳化剤は特に限定 されないが、連鎖移動性の小さいものが好ま しく用いられ、例えば、RfZ 3 で表される乳化剤が用いられる。ここで、Rf 、炭素数4~20のアルキル基であり、水素原子 の一部又は全部がフッ素で置き換えられてお り、エーテル性の酸素を含んでもよく、エチ レン性フルオロモノマーと共重合可能な不飽 和結合を有していてもよい。Z 3 は解離性の極性基を表し、-COO B + 、又は-SO 3 B + が好ましく用いられる。ここで、B + はアルカリ金属イオン、又はアンモニウムイ オン、水素イオン等の一価カチオンである。

RfZ 3 で表される乳化剤としては、例えば、Y(CF 2 ) n COO B + (nは4~20の整数を表し、Yはフッ素又は水素を す。)、CF 3 -OCF 2 CF 2 -OCF 2 CF 2 COO B + 、CF 3 -(OCF(CF 3 )CF 2 ) n COO B + (nは1~3の整数を表す。)等を挙げることができ る。

乳化剤の使用量は特に限定されないが、水 溶液として0.01質量%以上、10質量%以下が好適 ある。乳化剤が多いほど、重合粒子の数が くなり、見掛けの重合速度が大きくなる傾 がある。0.01質量%よりも少ないと、乳化粒 を安定に維持できないおそれがある。10質量 %よりも多いと、後工程での洗浄が困難にな 。より好ましい下限は0.05質量%であり、さら に好ましい下限は、0.1質量%である。より好 しい上限は5質量%であり、さらに好ましい上 限は3質量%である。

工程(1)において、重合粒子の数を増やすた めに、多量の乳化剤を用いて重合し得られた ディスパージョンを希釈し、引き続き重合を 継続する、所謂「シード重合」を行うことも できる。

重合時間は特に限定はないが、概ね1~48時 である。重合pHも特に限定はないが、必要に 応じpH調整して重合を行ってもよい。その場 使用可能なpH調整剤として水酸化ナトリウ 、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカ 化剤、リン酸、硫酸、塩酸等の鉱酸、ギ酸 酢酸等の有機酸等が挙げられる。

また、分子量や分子量分布の調整のために 、連鎖移動剤を使用することもできる。好ま しい連鎖移動剤としては、エタン、ペンタン 等のガス状炭化水素、メタノール等の水溶性 化合物、ヨウ素化合物等を挙げることができ る。特にヨウ素化合物は、所謂ヨウ素移動重 合により、ブロックポリマーを製造すること ができる点で好適である。

フッ素系高分子電解質の分子量を大きくす ることにより、耐久性を向上することができ るという観点からは、工程(1)において連鎖移 動剤を使用しないことが好ましい。

本発明の製造方法により得られるフッ素系 高分子電解質の耐久性を改善するために、工 程(1)により得られたフッ素系高分子電解質前 駆体の不安定末端基を安定化処理してもよい 。フッ素系高分子電解質前駆体が有する不安 定末端基は、カルボン酸、カルボン酸塩、カ ルボン酸エステル、カーボネート、炭化水素 、メチロール等があり、重合方法や開始剤、 連鎖移動剤、重合停止剤の種類等によって変 わる。

重合方法として乳化重合を選択し、連鎖移 動剤を使用しない場合には、不安定末端基は そのほとんどがカルボン酸である。

上記フッ素系高分子電解質前駆体が有する不 安定末端基を安定化する方法としては、特に 限定されるものではないが、フッ素化剤で処 理して-CF 3 として安定化する方法、加熱脱炭酸して-CF 2 Hとして安定化する方法等を挙げることがで る。

フッ素化剤で処理して-CF 3 として安定化する方法としては、取り扱いが 容易な点でガス状フッ素化剤を用いることが 好ましく、F 2 、NF 3 、PF 5 、SF 4 、IF 5 、ClF、ClF 3 等が挙げられる。これらのフッ素化剤は、窒 素などの不活性ガスで希釈して用いてもよい 。処理温度は、0℃以上300℃以下が好ましく 50℃以上200℃以下がより好ましく、80℃以上1 50℃以下がさらに好ましい。処理の圧力は、 ージ表示で-0.05MPaG以上、1MPaG以下が好まし 、-0.02MPaG以上、0.5MPaG以下がさらに好ましい

本発明の製造方法は、工程(1)により得られ たフッ素系高分子電解質前駆体を化学処理し てフッ素系高分子電解質を得る工程(2)を含む ことが好ましい。上記化学処理としては、加 水分解処理、酸処理等が挙げられ、加水分解 処理としては、塩基性反応液体に浸漬する処 理が挙げられる。

上記塩基性反応液体としては、特に限定され るものではないが、水酸化ナトリウム、水酸 化カリウム等のアルカリ金属またはアルカリ 土類金属の水酸化物の水溶液が好ましい。ア ルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化 物の含有量は限定されないが、10~30質量%であ る事が好ましい。上記反応液体は、メチルア ルコール、エチルアルコール、アセトン、DMS O、DMAC、DMF等の膨潤性有機化合物を含有する が好ましい。また膨潤性の有機化合物の含 率は、1~50質量%であることが好ましい。処 温度は溶媒種、溶媒組成などによって異な が、高くするほど、処理時間は短くできる 処理温度が高すぎると高分子電解質前駆体 溶解するおそれがあり、そのような場合、 り扱いが難しくなるため、20~160℃で行われ 事が好ましい。また、高い伝導度を得る上 、加水分解によりSO 3 Hに転換しうる官能基を全て加水分解処理す ことが好ましい。従って、処理時間は長い ど好ましい。しかし、長すぎると生産性が 下する場合があるため、0.5~48hrが好ましい。

上記工程(2)において、上記加水分解処理後 、所望により温水などで充分に水洗し、その 後、酸処理することによりプロトン化された フッ素系高分子電解質を得ることも好ましい 。酸処理に使用する酸は、塩酸、硫酸、硝酸 等の鉱酸類やシュウ酸、酢酸、ギ酸、トリフ ルオロ酢酸等の有機酸類であれば、特に限定 されない。

フッ素系電解質前駆体がフィルム状に成形 されていた場合、上記のような加水分解処理 と酸処理を施された後、フッ素系電解質膜と して燃料電池に使用することができる。

(高分子電解質溶液)
本発明のフッ素系高分子電解質は、適切な溶 媒(樹脂との親和性が良好な溶媒)に溶解又は 濁させることできる。適切な溶媒としては 例えば、水やエタノール、メタノール、n- ロパノール、イソプロピルアルコール、ブ ノール、グリセリンなどのプロトン性有機 媒や、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチ ルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの プロトン性溶媒等が挙げられる。これらは1 種を単独で、又は2種以上を併用することが きる。特に、1種の溶媒を用いる場合、水単 が好ましい。また、2種類以上を併用する場 合、水とプロトン性有機溶媒との混合溶媒が 特に好ましい。

溶解又は懸濁する方法は、特に限定されな い。例えば、まず、総固形分濃度が1~50質量% なるような条件下、高分子電解質を、例え 、水とプロトン性有機溶媒との混合溶媒に える。次に、この組成物を必要に応じてガ ス製内筒を有するオートクレーブ中に入れ 窒素などの不活性気体で内部の空気を置換 た後、内温が50℃~250℃の条件下、1~12hr加熱 攪拌する。これにより、溶解液又は懸濁液 得られる。なお、この際の総固形分濃度は いほど収率上好ましいが、濃度を高めると 溶解物が生じるおそれがあるため、1~50質量 %が好ましく、より好ましくは3~40質量%、さら に好ましくは5~30質量%である。

プロトン性有機溶媒を用いる場合、水とプ ロトン性有機溶媒の混合比は、溶解方法、溶 解条件、高分子電解質の種類、総固形分濃度 、溶解温度、攪拌速度等に応じて適宜選択で きる。水に対するプロトン性有機溶媒の質量 の比率は、水1に対してプロトン性有機溶媒0. 1~10が好ましく、特に好ましくは水1に対して 機溶媒0.1~5である。

なお、このような溶液又は懸濁液には、乳 濁液(液体中に液体粒子がコロイド粒子ある はそれより粗大な粒子として分散して乳状 なすもの)、懸濁液(液体中に固体粒子がコロ イド粒子あるいは顕微鏡で見える程度の粒子 として分散したもの)、コロイド状液体(巨大 子が分散した状態)、ミセル状液体(多数の 分子が分子間力で会合して出来た親液コロ ド分散系)等の1種又は2種以上が含まれる。

また、このような溶液又は懸濁液は、濃縮 することが可能である。濃縮の方法としては 特に限定されない。例えば、加熱し、溶媒を 蒸発させる方法や、減圧濃縮する方法等があ る。その結果得られる塗工溶液の固形分率は 、高すぎると粘度が上昇して取り扱い難くな るおそれがあり、また低すぎると生産性が低 下する場合があるため、最終的な塗工溶液の 固形分率は0.5~50質量%が好ましい。

以上により得られた溶液又は懸濁液は、粗 大粒子成分を除去する観点から、濾過される ことがより好ましい。濾過方法は、特に限定 されず、従来行われている一般的な方法が適 用できる。例えば、通常使用されている定格 濾過精度を有する濾材を加工したフィルター を用いて、加圧濾過する方法が代表的に挙げ られる。フィルターについては、90%捕集粒子 径が粒子の平均粒子径の10倍~100倍の濾材を使 用することが好ましい。この濾材は濾紙でも よいし、金属焼結フィルターのような濾材で もよい。特に濾紙の場合は、90%捕集粒子径が 粒子の平均粒子径の10~50倍であることが好ま い。金属焼結フィルターの場合は、90%捕集 子径が粒子の平均粒子径の50~100倍であるこ が好ましい。当該90%捕集粒子径を平均粒径 10倍以上に設定することは、送液するとき 必要な圧力が高くなりすぎることを抑制し り、フィルターが短期間で閉塞してしまう とを抑制し得る。一方、平均粒子径の100倍 下に設定することは、フィルムで異物の原 となるような粒子の凝集物や樹脂の未溶解 を良好に除去する観点から好ましい。

このようにして得られたフッ素系高分子電 解質溶液は、上述のように電極触媒層の作製 や、溶剤キャスト法によってフッ素系電解質 膜の製膜に用いることができる。

以下、本実施の形態を実施例によりさらに 具体的に説明するが、本実施の形態はこれら の実施例のみに限定されるものではない。

尚、本実施の形態に用いられる評価法およ び測定法は以下のとおりである。

(EW測定)
イオン交換基の対イオンがプロトンの状態と なっている高分子電解質膜、およそ2~20cm 2 を、25℃、飽和NaCl水溶液30mlに浸漬し、攪拌 ながら30分間放置した。次いで、飽和NaCl水 液中のプロトンを、フェノールフタレイン 指示薬として0.01N水酸化ナトリウム水溶液を 用いて中和滴定した。中和後に得られた、イ オン交換基の対イオンがナトリウムイオンの 状態となっている高分子電解質膜を、純水で すすぎ、更に真空乾燥して秤量した。中和に 要した水酸化ナトリウムの物質量をM(mmol)、 オン交換基の対イオンがナトリウムイオン 高分子電解質膜の重量をW(mg)とし、下記式(2) より当量重量EW(g/eq)を求めた。
EW=(W/M)-22    (2)

(クラスター間距離の算出)
高分子電解質膜を厚みが0.25mm程度になるよう 重ね、湿度制御可能な小角X線用セルにセッ した。25℃50%RHの条件で30分保持した後、こ に対してX線を入射し、散乱を測定した。測 条件は、X線波長λ0.154nm、カメラ長515mmで、 出器にはイメージングプレートを用いた。 メージングプレートにより得られた2次元散 乱パターンに対しては、空セル散乱補正、検 出器由来のバックグラウンド補正を施した後 、円環平均を行うことで、1次元散乱プロフ ールを得た。散乱強度をブラッグ角θに対し てプロットした散乱プロフィールにおいて、 2θ>1°に存在するクラスター構造由来のピ ク位置におけるブラッグ角θmを読み取り、 記式(1)によりイオンクラスター間距離dを算 した。
d=λ/2/sin(θm)   (1)

(伝導度測定)
日本ベル株式会社製高分子膜水分量試験装置 MSB-AD-V-FCを用いて以下のとおり測定した。50μ mの厚みで製膜した高分子電解質膜を幅1cm、 さ3cmに切り出し、伝導度測定用セルにセッ する。次いで、伝導度測定用セルを上記試 装置のチャンバー内にセットし、チャンバ 内を110℃、1%RH未満に調整する。次いで、チ ンバー内にイオン交換水を用いて生成した 蒸気を導入し10%RH、30%RH、50%RH、70%RH、90%RH、 95%RHの順序でチャンバー内を加湿しながら上 各湿度での伝導度を測定した。

0.10S/cmにおける湿度Hの算出は下記式(3)に基づ いて行った。
H=(H2-H1)/(σ2-σ1)×(0.1-σ1)+H1    (3)
(ただし、H2、σ2は、それぞれ伝導度が0.10S/cm 超える最初の測定点の相対湿度と伝導度で り、H1、σ1はそれぞれ伝導度が0.10S/cmを超え ない最高の相対湿度とその際の伝導度である 。)

(メルトフローレート〔MFR〕の測定方法)
フルオロポリマーのMFRの測定は、JIS K 7210に 従って270℃、荷重2.16kgの条件下で、MELT INDEXE R TYPE C-5059D(日本国東洋精機社製)を用いて測 定した。押し出されたポリマーの質量を10分 あたりのグラム数で表した。

(ポリマー組成)
ポリマー組成は、300℃における溶融NMRの測定 値から算出した。NMRは、ブルカー社製 フー エ変換核磁気共鳴装置(FT-NMR) AC300Pを用いた 。算出には、テトラフルオロエチレンとビニ ルエーテルに由来する-120ppm付近のピーク強 と、ビニルエーテルに由来する-80ppm付近の ーク強度を用いて、それぞれのピークの積 値から、ポリマーの組成を計算した。

[実施例1]
CF 2 =CF 2 及びCF 2 =CF-O-(CF 2 ) 2 -SO 3 Hに由来する繰り返し単位を含み、EWが527のフ ッ素系電解質を以下のように作製した。

攪拌翼と温調用ジャケットを備えた内容積6 ットルのSUS-316製耐圧容器に、逆浸透膜水2980 g、C 7 F 15 COONH 4  60g、及びCF 2 =CFOCF 2 CF 2 SO 2 F 943gを仕込み、系内を窒素で置換した後真 とし、その後TFEを内圧が0.2MPaGになるまで導 した。400rpmで攪拌しながら、内温が38℃に るように温調を行い、爆発防止材としてのCF 4 を0.1MPaG導入した後、内圧が0.5MPaGとなるよう 更にTFEを導入した。(NH 4 ) 2 S 2 O 8  6gを20gの水に溶解させたものを系内に導入 、重合を開始した。その後、内圧が0.51MPaGを 維持するようにTFEを追加した。

重合開始から408分後、追加でTFEを381g導入 た時点でTFEを放圧し、重合を停止した。得 れた重合液4260gに水4400gを追加し、硝酸を加 て凝析させた。凝析したポリマーを濾過し 後、水の再分散と濾過を3回繰り返し、熱風 乾燥器で90℃で12時間、引き続き120℃で12時間 乾燥し、893gのポリマーを得た。

得られたポリマーのMFRは16g/10分であり、SO 3 H基含有モノマーの繰り返し単位は29mol%であ た。

このようにして得られたフッ素系電解質前 駆体を、水酸化カリウム(15質量%)とメチルア コール(50質量%)を溶解した水溶液中に、80℃ で20時間接触させて、加水分解処理を行った その後、60℃水中に5時間浸漬した。次に60 の2N塩酸水溶液に1時間浸漬させる処理を、 回塩酸水溶液を更新して5回繰り返した後、 オン交換水で水洗、乾燥し、フッ素系高分 電解質を得た。

このフッ素系高分子電解質をエタノール水 溶液(水:エタノール=50.0:50.0(質量比))とともに 5Lオートクレーブ中に入れて密閉し、翼で攪 しながら160℃まで昇温して5時間保持した。 その後、オートクレーブを自然冷却して、固 形分濃度5質量%の均一なフッ素系高分子電解 溶液を作製した。

このフッ素系高分子溶液を80℃にて減圧濃 して得た固形分濃度20質量%のキャスト溶液 テトラフルオロエチレンフィルム上にドク ーブレードを用いて、キャストした。次に オーブンに入れて60℃で30分予備乾燥した後 、80℃で30分乾燥させて溶媒を除去し、さら 160℃で1時間熱処理を行い、膜厚約50μmのフ 素系高分子電解質膜を得た。

このフッ素系高分子電解質膜のEWは527、イ ンクラスター間距離は2.4nmであった。また このフッ素系高分子電解質膜の110℃30%RHにお ける伝導度を測定したところ0.10S/cmであり、1 10℃50%RHにおける伝導度を測定したところ0.14S /cmと高い伝導度が得られた。

[実施例2]
CF 2 =CF 2 及びCF 2 =CF-O-(CF 2 ) 2 -SO 3 Hに由来する繰り返し単位を含み、EWが578の本 発明のフッ素系電解質を以下のように作製し た。

攪拌翼と温調用ジャケットを備えた内容積6 ットルのSUS-316製耐圧容器に、逆浸透膜水2980 g、C 7 F 15 COONH 4  60g、及びCF 2 =CFOCF 2 CF 2 SO 2 F 490gを仕込み、系内を窒素で置換した後真 とし、その後TFEを内圧が0.2MPaGになるまで導 した。400rpmで攪拌しながら、内温が38℃に るように温調を行い、爆発防止材としてのCF 4 を0.1MPaG導入した後、内圧が0.59MPaGとなるよう に更にTFEを導入した。(NH 4 ) 2 S 2 O 8  6gを20gの水に溶解させたものを系内に導入 、重合を開始した。その後、内圧が0.59MPaGを 維持するようにTFEを追加した。

重合開始から97分後、追加でTFEを179g導入し た時点でTFEを放圧し、重合を停止した。得ら れた重合液3500gに水3500gを追加し、硝酸を加 て凝析させた。凝析したポリマーを濾過し 後、水の再分散と濾過を3回繰り返し、熱風 燥器で90℃で12時間、引き続き120℃で12時間 燥し、350gのポリマーを得た。

得られたポリマーのMFRは2.3g/10分であり、SO 3 H基含有モノマーの繰り返し単位は25mol%であ た。

このようにして得られたフッ素系電解質前 駆体を用いた事以外は、実施例1と同じ方法 フッ素系高分子電解質、フッ素系高分子電 質溶液及びフッ素系高分子電解質膜を作製 、EW測定、イオンクラスター間距離及び伝導 度測定を行った。その結果、EWは578であり、 オンクラスター間距離は2.5nmであった。110 40%RHで0.10S/cm、110℃50%RHで0.12S/cmと高い伝導度 が得られた。

[実施例3]
CF 2 =CF 2 及びCF 2 =CF-O-(CF 2 ) 2 -SO 3 Hに由来する繰り返し単位を含み、EWが662の本 発明のフッ素系電解質を以下のように作製し た。

攪拌翼と温調用ジャケットを備えた内容積189 リットルのSUS-316製耐圧容器に、逆浸透膜水90 .6kg、C 7 F 15 COONH 4  1.89g、及びCF 2 =CFOCF 2 CF 2 SO 2 F 28.4kgを仕込み、系内を窒素で置換した後真 空とし、その後TFEを内圧が0.2MPaGになるまで 入した。189rpmで攪拌しながら、内温が34℃に なるように温調を行い、爆発防止材としての CF 4 を0.1MPaG導入した後、内圧が0.65MPaGとなるよう に更にTFEを導入した。(NH 4 ) 2 S 2 O 8  189gを3Lの水に溶解させたものを系内に導入 、重合を開始した。その後、内圧が0.65MPaG 維持するようにTFEを追加した。

重合開始から188分後、追加でTFEを20kg導入 た時点でTFEを放圧し、重合を停止した。得 れた重合液132kgに水200kgを追加し、硝酸を加 て凝析させた。凝析したポリマーを遠心分 し、イオン交換水を流通させて洗浄した後 熱風乾燥器で90℃で24時間、引き続き150℃で 24時間乾燥し、27kgのポリマーを得た。

上記ポリマーを、素早く50Lのハステロイ製振 動反応器(大河原製作所製)に仕込み、真空排 しながら、振動数50rpmで振動させつつ100℃ 昇温した。その後、窒素をゲージ圧-0.05MPaG で導入した。引き続き、F 2 ガスを窒素ガスで20質量%に希釈し得られたガ ス状ハロゲン化剤をゲージ圧が0.0MPaGになる で導入して、30分保持した。

反応器内のガス状ハロゲン化剤を排気し、真 空引きした後、F 2 ガスを窒素ガスで20質量%に希釈し得られたガ ス状ハロゲン化剤をゲージ圧が0.0MPaGになる で導入して、3時間保持した。

その後、室温まで冷却し、反応器内のガス 状ハロゲン化剤を排気し、真空、窒素置換を 3回繰り返した後、オートクレーブを開放し 27kgのポリマーを得た。

得られたポリマーのMFRは0.71g/10分であり、SO 3 H基含有モノマーの繰り返し単位は21mol%であ た。

このようにして得られたフッ素系電解質前 駆体を用いた事以外は、実施例1と同じ方法 フッ素系高分子電解質、フッ素系高分子電 質溶液及びフッ素系高分子電解質膜を作製 、EW測定、イオンクラスター間距離及び伝導 度測定を行った。その結果、EWは662であり、 オンクラスター間距離は2.6nmであった。110 50%RHで0.10S/cmと高い伝導度が得られた。

[実施例4]
CF 2 =CF 2 及びCF 2 =CF-O-(CF 2 ) 2 -SO 3 Hに由来する繰り返し単位を含み、EWが512のフ ッ素系電解質を以下のように作製した。

攪拌翼と温調用ジャケットを備えた内容積6 ットルのSUS-316製耐圧容器に、逆浸透膜水2950 g、C 7 F 15 COONH 4  60g、及びCF 2 =CFOCF 2 CF 2 SO 2 F 920gを仕込み、系内を窒素で置換した後真 とし、その後TFEを内圧が0.2MPaGになるまで導 した。400rpmで攪拌しながら、内温が30℃に るように温調を行い、爆発防止材としてのCF 4 を0.1MPaG導入した後、内圧が0.46MPaGとなるよう に更にTFEを導入した。(NH 4 ) 2 S 2 O 8  6gを20gの水に溶解させたものを系内に導入 、さらにNa 2 SO 3 0.6gを水10gに溶解させたものを圧入して重合 開始した。その後、内圧が0.46MPaGを維持する ようにTFEを追加した。重合開始から120分後、 及び240分後にそれぞれ、Na 2 SO 3 0.6gを水10gに溶解させたものを圧入して重合 継続した。

重合開始から360分後、追加でTFEを321g導入 た時点でTFEを放圧し、重合を停止した。得 れた重合液4020gに水4400gを追加し、硝酸を加 て凝析させた。凝析したポリマーを濾過し 後、水の再分散と濾過を3回繰り返し、熱風 乾燥器で90℃で12時間、引き続き120℃で12時間 乾燥し、643gのポリマーを得た。

得られたポリマーのMFRは2.9g/10分であり、SO 3 H基含有モノマーの繰り返し単位は30mol%であ た。

このようにして得られたフッ素系電解質前 駆体を用いた事以外は、実施例1と同じ方法 フッ素系高分子電解質、フッ素系高分子電 質溶液及びフッ素系高分子電解質膜を作製 、EW測定、イオンクラスター間距離及び伝導 度測定を行った。その結果、EWは512であり、 オンクラスター間距離は2.4nmであった。110 30%RHで0.10S/cm、110℃50%RHで0.16S/cmと高い伝導度 が得られた。

[実施例5]
CF 2 =CF 2 及びCF 2 =CF-O-(CF 2 ) 2 -SO 3 Hに由来する繰り返し単位を含み、EWが559のフ ッ素系電解質を以下のように作製した。

攪拌翼と温調用ジャケットを備えた内容積6 ットルのSUS-316製耐圧容器に、逆浸透膜水2950 g、C 7 F 15 COONH 4  60g、及びCF 2 =CFOCF 2 CF 2 SO 2 F 920gを仕込み、系内を窒素で置換した後真 とし、その後TFEを内圧が0.2MPaGになるまで導 した。400rpmで攪拌しながら、内温が25℃に るように温調を行い、爆発防止材としてのCF 4 を0.1MPaG導入した後、内圧が0.56MPaGとなるよう に更にTFEを導入した。(NH 4 ) 2 S 2 O 8  6gを20gの水に溶解させたものを系内に導入 、さらにNa 2 SO 3 0.6gを水10gに溶解させたものを圧入して重合 開始した。その後、内圧が0.46MPaGを維持する ようにTFEを追加した。重合開始から120分後、 及び240分後にそれぞれ、Na 2 SO 3 0.6gを水10gに溶解させたものを圧入して重合 継続した。

重合開始から360分後、追加でTFEを350g導入 た時点でTFEを放圧し、重合を停止した。得 れた重合液4020gに水4400gを追加し、硝酸を加 て凝析させた。凝析したポリマーを濾過し 後、水の再分散と濾過を3回繰り返し、熱風 乾燥器で90℃で12時間、引き続き120℃で12時間 乾燥し、680gのポリマーを得た。

得られたポリマーのMFRは0.91g/10分であり、SO 3 H基含有モノマーの繰り返し単位は26mol%であ た。

このようにして得られたフッ素系電解質前 駆体を用いた事以外は、実施例1と同じ方法 フッ素系高分子電解質、フッ素系高分子電 質溶液及びフッ素系高分子電解質膜を作製 、EW測定、イオンクラスター間距離及び伝導 度測定を行った。その結果、EWは559であり、 オンクラスター間距離は2.4nmであった。110 40%RHで0.10S/cm、110℃50%RHで0.13S/cmと高い伝導度 が得られた。

[比較例1]
CF 2 =CF 2 及びCF 2 =CF-O-(CF 2 ) 2 -SO 3 Hに由来する繰り返し単位を含み、EWが720のフ ッ素系電解質を以下のように作製した。

攪拌翼と温調用ジャケットを備えた内容積189 リットルのSUS-316製耐圧容器に、逆浸透膜水90 .5kg、C 7 F 15 COONH 4  0.945g、及びCF 2 =CFOCF 2 CF 2 SO 2 F 5.68kgを仕込み、系内を窒素で置換した後真 空とし、その後TFEを内圧が0.2MPaGになるまで 入した。189rpmで攪拌しながら、内温が47℃に なるように温調を行い、爆発防止材としての CF 4 を0.1MPaG導入した後、内圧が0.70MPaGとなるよう に更にTFEを導入した。(NH 4 ) 2 S 2 O 8  47gを3Lの水に溶解させたものを系内に導入 、重合を開始した。その後、内圧が0.7MPaGを 持するようにTFEを追加した。TFEを1kg供給す 毎に、CF 2 =CFOCF 2 CF 2 SO 2 Fを0.7kg供給して重合を継続した。

重合開始から360分後、追加でTFEを24kg導入 た時点でTFEを放圧し、重合を停止した。得 れた重合液140kgに水200kgを追加し、硝酸を加 て凝析させた。凝析したポリマーを遠心分 し、イオン交換水を流通させて洗浄した後 熱風乾燥器で90℃で24時間、引き続き150℃で 24時間乾燥し、34kgのポリマーを得た。

上記ポリマーの28kgを、素早く50Lのハステロ 製振動反応器(大河原製作所製)に仕込み、真 空排気しながら、振動数50rpmで振動させつつ1 00℃に昇温した。その後、窒素をゲージ圧-0.0 5MPaGまで導入した。引き続き、F 2 ガスを窒素ガスで20質量%に希釈し得られたガ ス状ハロゲン化剤をゲージ圧が0.0MPaGになる で導入して、30分保持した。

反応器内のガス状ハロゲン化剤を排気し、真 空引きした後、F 2 ガスを窒素ガスで20質量%に希釈し得られたガ ス状ハロゲン化剤をゲージ圧が0.0MPaGになる で導入して、3時間保持した。

その後、室温まで冷却し、反応器内のガス 状ハロゲン化剤を排気し、真空、窒素置換を 3回繰り返した後、反応器を開放し、28kgのポ マーを得た。

得られたポリマーのMFRは3.0g/10分であり、SO 3 H基含有モノマーの繰り返し単位は18mol%であ た。

このフッ素系高分子電解質を用いた事以外 は、実施例1と同じ方法でフッ素系高分子電 質溶液及びフッ素系高分子電解質膜を作製 、EW測定、イオンクラスター間距離及び伝導 度測定を行った。その結果、EWは720、イオン ラスター間距離は3.1nmであった。110℃50%RHで 0.06S/cmであり、目標とする高い伝導度が得ら なかった。

[比較例2]
CF 2 =CF 2 及びCF 2 =CFOCF 2 CF(CF 3 )O(CF 2 ) 2 -SO 3 Hに由来する繰り返し単位を含み、EWが910のフ ッ素系電解質を以下のように作製した

初めに次の様にして、フッ素系イオン交換樹 脂前駆体である、CF 2 =CF 2 (以下、TFE)とCF 2 =CFOCF 2 CF(CF 3 )O(CF 2 ) 2 -SO 2 F(以下、Sモノマー)とのフルオロカーボン共 合体を重合した。

1リットルのステンレス製オートクレーブに CF 2 ClCFCl 2 (以下、CFC113) 580g、CF 2 =CFOCF 2 CF(CF 3 )O(CF 2 ) 2 -SO 2 F 280gを仕込んだ後、窒素でパージし、続い TFEでパージした。温度を35℃とし、TFEの圧力 を0.157MPaGとした後、(n-C 3 F 7 COO-) 2 を5wt%含むCFC113溶液を0.55g添加し、約3時間半 合を実施した。この間、TFE圧力が一定とな ように、系外からTFEをフィードした。得ら た重合液からTFEをパージした後、90℃、常圧 でCFC113を留去し、続いて、90℃、減圧下に残 するSモノマーを留去した。更に、150℃で2 間、減圧乾燥し、10.5gのフッ素系イオン交換 樹脂前駆体を得た。

得られたポリマーのMFRは20g/10分であり、SO 3 H基含有モノマーの繰り返し単位は18mol%であ た。

このフッ素系高分子電解質を用いた事以外 は、実施例1と同じ方法でフッ素系高分子電 質溶液及びフッ素系高分子電解質膜を作製 、EW測定、イオンクラスター間距離及び伝導 度測定を行った。その結果、EWは910、イオン ラスター間距離は3.1nmであった。110℃50%RHで 0.04S/cmであり、目標とする高い伝導度が得ら なかった。

[比較例3]
CF 2 =CF 2 及びCF 2 =CF-O-(CF 2 ) 2 -SO 3 Hに由来する繰り返し単位を含み、EWが705のフ ッ素系電解質を以下のように作製した。

攪拌翼と温調用ジャケットを備えた内容積6 ットルのSUS-316製耐圧容器に、逆浸透膜水2950 g、C 7 F 15 COONH 4  60g、及びCF 2 =CFOCF 2 CF 2 SO 2 F 180gを仕込み、系内を窒素で置換した後真 とし、その後TFEを内圧が0.2MPaGになるまで導 した。400rpmで攪拌しながら、内温が48℃に るように温調を行い、爆発防止材としてのCF 4 を0.1MPaG導入した後、内圧が0.70MPaGとなるよう に更にTFEを導入した。(NH 4 ) 2 S 2 O 8  1.5gを20gの水に溶解させたものを圧入して重 合を開始した。その後、内圧が0.70MPaGを維持 るようにTFEを追加した。TFEを10g追加する毎 、CF 2 =CFOCF 2 CF 2 SO 2 Fを6.5g追加して重合を継続した。

重合開始から218分後、追加でTFEを774g導入 た時点でTFEを放圧し、重合を停止した。得 れた重合液4400gに水4400gを追加し、硝酸を加 て凝析させた。凝析したポリマーを濾過し 後、水の再分散と濾過を3回繰り返し、熱風 乾燥器で90℃で12時間、引き続き120℃で12時間 乾燥し、1200gのポリマーを得た。

得られたポリマーのMFRは3.5g/10分であり、SO 3 H基含有モノマーの繰り返し単位は19mol%であ た。

このフッ素系高分子電解質を用いた事以外 は、実施例1と同じ方法でフッ素系高分子電 質溶液及びフッ素系高分子電解質膜を作製 、EW測定、イオンクラスター間距離及び伝導 度測定を行った。その結果、EWは705、イオン ラスター間距離は2.7nmであった。110℃50%RHで 0.08S/cmであり、目標とする高い伝導度が得ら なかった。

[実施例6]
CF 2 =CF 2 及びCF 2 =CF-O-(CF 2 ) 2 -SO 3 Hに由来する繰り返し単位を含み、EWが455のフ ッ素系電解質を以下のように作製した。

攪拌翼と温調用ジャケットを備えた内容積6 ットルのSUS-316製耐圧容器に、逆浸透膜水2850 g、C 7 F 15 COONH 4  150g、及びCF 2 =CFOCF 2 CF 2 SO 2 F 1150gを仕込み、系内を窒素で置換した後真 とし、その後TFEを内圧が0.07MPaGになるまで 入した。400rpmで攪拌しながら、内温が10℃に なるように温調を行した。(NH 4 ) 2 S 2 O 8  6gを20gの水に溶解させたものを圧入し、さ にNa 2 SO 3  0.6gを10gの水に溶解させたものを圧入して重 合を開始した。その後、内圧が0.07MPaGを維持 るようにTFEを追加して重合を継続した。ま 、Na 2 SO 3  0.6gを10gの水に溶解させたものは、1時間お に圧入した。

重合開始から11時間後、追加でTFEを400g導入 した時点でTFEを放圧し、重合を停止した。得 られた重合液のうち、200gに水250gを追加し、 酸を加えて凝析させた。凝析したポリマー 濾過した後、水の再分散と濾過を3回繰り返 し、熱風乾燥器で90℃で24時間、引き続き120 で5時間乾燥し、44.3gのポリマーを得た。

得られたポリマーのMFRは0.4g/10分であり、SO 3 H基含有モノマーの繰り返し単位は34mol%であ た。

このようにして得られたフッ素系電解質前 駆体を用いた事以外は、実施例1と同じ方法 フッ素系高分子電解質、フッ素系高分子電 質溶液及びフッ素系高分子電解質膜を作製 、EW測定、イオンクラスター間距離及び伝導 度測定を行った。その結果、EWは455であり、 オンクラスター間距離は2.3nmであった。110 25%RHで0.10S/cm、110℃50%RHで0.20S/cmと高い伝導度 が得られた。

上記実施例1~6及び比較例1~3におけるイオン クラスター間距離と50%RH伝導度の関係を図1に 示す。図1は、横軸をイオンクラスター間距 、縦軸を50%RH伝導度として実施例1~6及び比較 例1~3の結果をプロットしたグラフである。図 1からわかるように、イオンクラスター間距 が2.6以下になると、50%RH伝導度が急激に上昇 していることがわかる。

本発明の高伝導性フッ素系高分子電解質に より、高温低加湿条件でも高い性能を有する 燃料電池を提供することが可能となった。本 発明のフッ素系高分子電解質は、ダイレクト メタノール型燃料電池を含めた各種燃料電池 、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解 、酸素濃縮器、湿度センサー、ガスセンサー 等に用いることが可能である。

横軸をイオンクラスター間距離、縦軸 50%RH伝導度として実施例1~6及び比較例1~3の 果をプロットしたグラフである。