トヨタ自動車株式会社 (〒71 愛知県豊田市トヨタ町1番地 Aichi, 〒4718571, JP)
| 分子中にスルホン酸基とスルホニルハライド基を有するポリマーを塩基の存在下で0℃以下に維持する第1工程と、第1工程で作製したポリマーと、ジスルホニルアミド基、ジアミン基、ジオール基及びジチオール基から選択される1種以上の官能基を有する架橋剤とを有機溶媒中で架橋反応させる第2工程とを含む高分子電解質合成方法。 |
| 前記第1工程で、弱塩基の存在下で0℃以下に維持し、200ml/min以上の速度で減圧濾過することを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質合成方法。 |
| 前記第1工程で、脱気することを特徴とする請求項1又は2に記載の高分子電解質合成方法。 |
| 前記分子中にスルホン酸基とスルホニルハライド基を有するポリマーが芳香族系主鎖を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高分子電解質合成方法。 |
| 前記分子中にスルホン酸基とスルホニルハライド基を有するポリマーが、ポリマーをハロスルホン剤で処理して得られたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の高分子電解質合成方法。 |
| 請求項1乃至5のいずれかに記載の方法で合成された高分子電解質からなる固体高分子電解質膜。 |
| 請求項1乃至5のいずれかに記載の方法で合成された高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池。 |
| 請求項1乃至5のいずれかに記載の方法で合成された高分子電解質からなる高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池。 |
本発明は、架橋点が均一で、副反応が少 く、高イオン交換容量を有する高分子電解 の合成方法、該高分子電解質からなる高分 電解質膜、及び固体高分子型燃料電池に関 る。
固体高分子電解質は、高分子鎖中にスル ン酸基等の電解質基を有する固体高分子材 であり、特定のイオンと強固に結合したり 陽イオン又は陰イオンを選択的に透過する 質を有していることから、粒子、繊維、あ いは膜状に成形し、電気透析、拡散透析、 池隔膜等、各種の用途に利用されているも である。
例えば、燃料電池は、電池内で水素やメ ノール等の燃料を電気化学的に酸化するこ により、燃料の化学エネルギーを直接電気 ネルギーに変換して取り出すものであり、 年、クリーンな電気エネルギー供給源とし 注目されている。特にプロトン交換膜を電 質として用いる固体高分子型燃料電池は、 出力密度が得られ、低温作動が可能なこと ら電気自動車用電源として期待されている
ところで、パーフルオロスルホン酸膜に 表されるフッ素系電解質は、C-F結合を有し いるために化学的安定性が非常に高く、上 した燃料電池用、水電解用、あるいは食塩 解用の固体高分子電解質膜の他、ハロゲン 水素酸電解用の固体高分子電解質膜として 用いられ、更にはプロトン伝導性を利用し 、湿度センサ、ガスセンサ、酸素濃縮器等 も広く応用されているものである。
燃料電池の電解質膜としては、パーフル ロアルキレンを主骨格とし、一部にパーフ オロビニルエーテル側鎖の末端にスルホン 基、カルボン酸基等のイオン交換基を有す フッ素系膜が主として用いられている。パ フルオロスルホン酸膜に代表されるフッ素 電解質膜は、化学的安定性が非常に高いこ から、過酷な条件下で使用される電解質膜 して賞用されている。この様なフッ素系電 質膜としては、Nafion膜(登録商標、Du Pont社) 、Dow膜(Dow Chemical社)、Aciplex膜(登録商標、旭 成工業(株)社)、Flemion膜(登録商標、旭硝子( )社)等が知られている。
しかし、従来提案されているパーフルオ スルホン酸系の固体電解質膜は製造が困難 、非常に高価であるという欠点があるとと に、パーフルオロスルホン酸系電解質は耐 性、耐薬品性、イオン伝導性が十分ではな 、燃料電池等の高温動作に十分対応出来な 等の問題があった。
そのため、パーフルオロスルホン酸系電 質に代わるイオン伝導性・イオン交換性材 の開発が望まれていた。例えば、燃料電池 高分子電解質には高イオン交換容量である とが要求されるが、高イオン交換容量であ と水に対して膨潤するか可溶化してしまう め、ポリマーを架橋させることによって水 の膨潤・可溶化を防ぐことが考えられた。
下記特許文献1には、i)1つ以上の酸ハロゲン 化物基に結合する架橋剤との反応により、ペ ンダントの酸ハロゲン化物基を有するポリマ ーを架橋して、pKa<5を有する1つ以上の基を 与えるステップ、又はii)1つ以上のアミド基 結合する架橋剤により、ペンダントのアミ 基を有するポリマーを架橋して、pKa<5を有 する1つ以上の基を与えるステップを含む架 ポリマーの製造方法が開示されている。具 的には、ステップi)の架橋剤として、アンモ ニア、アンモニウム、NH 2 SO 2 RSO 2 NH 2 (式中、Rは置換されたまたは置換されていな アルキル、置換されたまたは置換されてい いアリール、あるいは置換されたまたは置 されていないヘテロ原子官能基である。)、 NH 2 SO 2 (CF 2 ) 4 SO 2 NH 2 、およびNH 2 SO 2 (C 6 H 4 Cl 2 )SO 2 NH 2 が開示され、ステップii)の架橋剤として、式 、XSO 2 RSO 2 X(式中、Xはハロゲンであり、Rは置換された たは置換されていないアルキル、置換され または置換されていないアリール、あるい 置換されたまたは置換されていないヘテロ 子官能基である)が開示されている。
特許文献1に示される、好ましい一実施態様 では、均質なフィルムがPEEK-SO 2 Clまたはポリスルホン-SO 2 Clと架橋剤NH 2 SO 2 CF 2 CF 2 CF 2 CF 2 SO 2 NH 2 との混合物のTHF溶液からキャストされる。PEE K-SO 2 Clまたはポリスルホン-SO 2 Clは、PEEKまたはポリスルホンのクロロスルホ ン化によって得られる。トリエチルアミンま たはNaOH水溶液などの塩基性溶液中に膜を浸 することで、スルホンアミドおよび塩化ス ホニル間に反応が起きて、強酸ビス(スルホ ル)イミンが形成する。さらに架橋剤と反応 しない塩化スルホニル基はスルホン酸基に加 水分解される。
このように、スルホニルハライド基を導 したPEEKポリマーにつき、フィルム形成後に ジスルホニルアミド形成反応で架橋すること によりゲル化すると下記のような問題点が生 じる。
1)高酸密度では脆性が高く、フィルム化が 難なため、フィルム化できないような高酸 度(>2.5mmol/g)材料には適用出来ない。
2)本反応に必要なポリマー溶解用の溶媒に し、塩基剤の溶解度が低いため、均一なゲ の形成が困難(攪拌又は長時間の静置が必要 +フィルム外部と内部で架橋度が変わる)。
3)プロトン伝導基(前駆体)を架橋反応の分 け消費するため、高酸密度系で他に適用し る架橋方法では酸密度が下がる。
又、下記特許文献2には、耐熱性、耐酸化 性、及び導電性に優れた高耐熱性高分子電解 質を得ることを目的として、強酸性架橋基と なりうる官能基を備えたパーフルオロ系高分 子化合物同士、あるいは、このようなパーフ ルオロ系高分子化合物に、分子の末端にスル ホンアミド等の強酸性架橋基となりうる官能 基を備えた架橋剤を加え、これらを架橋反応 させることにより、パーフルオロ系高分子化 合物を強酸性架橋基で架橋することが開示さ れている。ここで、強酸性架橋基として、ビ ススルホニルイミド、スルホニルカルボニル イミド、ビスカルボニルイミド、ビススルホ ニルメチレンが例示されている。
特許文献2に記載の高分子電解質では、固体
状のポリマーに対して架橋するため、架橋点
を均一にすることが困難であった。
上記特許文献1及び2に開示された高分子 解質の製造方法の問題点に鑑み、高イオン 換容量の高分子電解質の製造に適用可能で 従来法に比べ均一な架橋点を有することで イオン伝導率を向上させることを目的とす 。又、該高分子電解質を用いて優れた固体 分子電解質型燃料電池を実現することを目 とする。
本発明者は鋭意研究した結果、架橋を溶 反応の工程中に行うことにより上記課題が 決されることを見出し、本発明に到達した
即ち、第1に、本発明は、分子中にスルホ ン酸基とスルホニルハライド基を有するポリ マーを塩基の存在下で0℃以下に維持する第1 程と、第1工程で作製したポリマーと、ジス ルホニルアミド基、ジアミン基、ジオール基 及びジチオール基から選択される1種以上の 能基を有する架橋剤とを有機溶媒中で架橋 応させる第2工程とを含む高分子電解質合成 法である。
第1工程にてスルホン酸基とスルホニルハ ライド基を有するポリマーを塩基下で維持す ることで、スルホン酸基がスルホン酸塩基へ と変化する。スルホン酸基は有機溶媒に対し て溶けにくく、第2工程で架橋ポイントにバ ツキが生じ、均一な電解質(ゲル)を作成する ことが困難であるが、本発明により、スルホ ン酸基が有機溶媒に対し可溶なスルホン酸塩 基に変換するため、架橋ポイントにバラツキ が生じにくく均一な電解質(ゲル)を作成する とができる。
また、0℃以下に維持することで、第2工程 架橋ポイントとなるスルホニルハライド基 架橋ポイントとならないスルホン酸塩基へ 反応することを防止できる。単に0℃以下に ると、副生成物(例えば、HClやH 2 SO 4 等)が中和せずにポリマーに残ってしまい、 れを電解質として使用すると残った副生成 により耐久性能が悪化するため、塩基下で0 以下に維持する。
上記第1工程を経ることで、スルホン酸基 (10~20%)とスルホニルハライド基(80~90%)とを有 るポリマー(有機溶剤:不溶)を、スルホン酸 基(20~30%)とスルホニルハライド基(70~80%)とを するポリマー(有機溶剤:可溶)へとすること できる。
さらに、第2工程で、スルホン酸塩基とス ルホニルハライド基とを有するポリマーと、 ジスルホニルアミド基、ジアミン基、ジオー ル基、ジチオール基のいずれかを有する架橋 剤とを有機溶媒中で架橋する。スルホニルハ ライド基はスルホン酸塩基よりも反応性が高 いため、前記架橋剤はスルホニルハライド基 と選択的に架橋反応する。このとき、スルホ ニルハライド基はプロトン伝導を付与するス ルホン基を消費せずに架橋することができる ため、架橋しつつも高プロトン伝導性を付与 することができる。
又、第2工程は有機溶媒中で行うことで、 架橋反応が行われる。水を含むと、架橋ポイ ントであるスルホニルハライド基と水とが接 近するため、架橋剤がスルホニルハライド基 に近づけなくなり架橋反応が起こらなくなる ためである。
以上より、第1及び第2工程を経ることで 均一に架橋しつつも高イオン交換容量を有 る電解質を得ることができる。
本発明では、前記第1工程で、弱塩基の存 在下で0℃以下に維持し、200ml/min以上の速度 減圧濾過することが好ましい。これにより 副生成物をすばやく分離することができる
本発明では、前記第1工程で、脱気するこ とが好ましい。これにより、ガス化した副生 成物を除去することができる。
本発明では、前記分子中にスルホン酸基 スルホニルハライド基を有するポリマーが 香族系主鎖を有する非フッ素系ポリマーで ることが好ましい。従来、高酸密度化、可 化及び架橋化が困難であったポリフェニレ 構造など芳香族系主鎖を有することで、苛 な作動条件にも耐えることができる電解質 得ることができる。
又、前記分子中にスルホン酸基とスルホ ルハライド基を有するポリマーは、ポリマ をハロスルホン剤で処理して得ることが可 である。ハロスルホン剤としては、クロロ 酸、クロロ硫酸+塩化チオニルが好ましく例 示される。
第2に、本発明は、上記の方法で合成され た高分子電解質からなる固体高分子電解質膜 である。本発明の固体高分子電解質膜は、耐 久性と高いイオン交換能が要求される各種用 途に使用できる。具体的には、燃料電池、水 電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸 素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等に好適 に用いられる。
第3に、本発明は、上記の高分子固体電解 質及び/又は高分子電解質膜を用いた固体高 子型燃料電池である。本発明の高分子固体 解質及び/又は高分子固体電解質膜を燃料電 に用いることで、耐久性とイオン伝導性に れた燃料電池を得ることが出来る。
本明細書は本願の優先権の基礎である日 国特許出願2008-272141号の明細書および/また 図面に記載される内容を包含する。
本発明の合成法は、従来法に比べ、均一 の反応であるため合成された高分子電解質 均一な架橋点を有する。これにより、イオ 伝導率が向上する。又、従来法が適用でき かった高酸密度電解質でも溶媒中で架橋で る。
図1に、本発明の反応スキームの一例を示 す。
第1工程の前に、ポリマー中のスルホン酸基
(アルカリ金属置換)の一部をクロロスルホン
を用いてスルホニルハライド基に変換する
第1工程の反応の前後で、概略、
-SO 2
Cl:-SO 3
H=80~90:20~10
であったものが、
-SO 2
Cl:-SO 3
Na=70~80:30~20
となる。
(弱)アルカリとすることで、-SO 3 H⇒-SO 3 Naに変換するとともに、且つHClやH 2 SO 4 などの電解質材料に付着している耐久性を悪 化させるコンタミ類を中和して無害化するこ とができる。ここで、-SO 3 H基はプロトン伝導性はあるものの、有機溶 に不溶であり、且つ第2工程で架橋点とはな ない。反応後に生じた-SO 3 Naはプロトン伝導性を有し、架橋点とはなら いものの、有機溶媒に可溶である。第2工程 で架橋点となる-SO 2 Clの分解を防ぐ。架橋点となる-SO 2 Clが多いことで水に対して不溶となり、耐久 が向上する。
この結果、従来の電解質膜の2倍以上の酸 密度を実現でき、燃料電池性能の向上に繋が るとともに、高酸密度でありながら水に対し 不溶性の電解質を形成できる前駆体の合成が 可能になる。
図1では、芳香族ポリエーテルスルホンを 主鎖の例に用いたが、本発明で用いる官能基 を有するポリマーの主鎖としては、公知の耐 熱性高分子を広く用いることが出来る。具体 的には、ポリフェニレン、ポリナフタレン、 芳香族ポリエーテル、芳香族ポリチオエーテ ル、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリエーテ ルスルホン、アルキレン基で連結された芳香 族、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル 、芳香族ポリイミド、芳香族ポリエーテルイ ミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリ ケトン、芳香族ポリエーテルエーテルケトン 、芳香族ポリヒドラジド、芳香族ポリイミン 、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾオキサ ゾール、ポリベンゾイミダゾール、これらの アルキル置換化合物、これらの水酸基置換化 合物の群から選択される1種以上が好ましく 示される。
官能基を有するポリマーの主鎖には芳香族 以外の連結基が、存在しなくても良いが、 在した方が、主鎖の耐熱性を確保する。具 的には、連結基として、エーテル基、カル ニル基、チオエーテル基、スルホン基、ア ド基、ビススルホンイミド基(-SO 2 NHSO 2 -)、スルホンカルボンイミド基(-SO 2 NHCO-)、ビスカルボンイミド基(-CONHCO-)、アル レン基の群から選択される1種以上が好まし 例示される。
本発明で用いられる有機溶媒としては、 状炭化水素、環状エーテル、環状ケトンな が好ましく例示される。
以下に実施例及び比較例を掲げて本発明 更に詳しく説明する。
[実施例1]
図1に示されるポリエーテルスルホン系スル
ホン酸化ポリマーを、ナカライテスク製クロ
ロ硫酸50mlを入れた100mlナスフラスコ中へ0℃
保ちながら、少量ずつ投入してから、室温
で戻し、全て解けたことを確認してから、11
0℃に昇温した。6時間後に70℃に下げて維持
た状態で、ナカライテスク製塩化チオニル10
mlを加え、還流させながら1時間保持した。
室温まで冷却後、大量の氷水と10wt%重曹 に滴下し、再沈殿させ、すべて滴下し終わ た後に、適量の重曹を再度添加してpHを7~8の 弱アルカリ性に維持し、残留する酸を完全に 除去した。素早く大量の氷水で洗浄しながら 、減圧濾過で分離し、80℃、12時間で真空乾 して白色の沈殿物を得た。
DMF-GPCで測定した分子量は1.71×10 4 、分散値1.75であった。これを1.0g測り取り、 キサフルオロプロピルジスルホニルアミド( H 2 NSO 2 (CF 2 ) 3 SO 2 NH 2 )0.01gと共に10mlの脱水シクロヘプタノン中に 解させ、平滑なガラス板上にキャストし乾 させた後、ナカライテスク製トリエチルア ン中に浸した。5~20分でゲル化が完了した。
これを10wt%水酸化ナトリウム水溶液中で10時 間洗浄後、ゲルのみ取り出し4N塩酸溶液で12 間洗浄し、-SO 3 Hへの置換を行ってから、純水で12時間洗浄し て、80℃、12時間で真空乾燥し、厚さ120μmの 色透明のゲルを得た。これを切り取り所定 形にして対向電極にセットし、ESPEC社製恒温 槽内へ入れ、80℃、10%RHで12時間保持し測定し た。この時のプロトン伝導率は8.01×10 -4 S/cmだった(イオン交換容量:4.97mmo1/g)。
[実施例2]
Diels-Alder反応により合成したポリフェニレ
を基幹構造としたポリマー(数平均分子量;240
00)をガラス製攪拌子を入れた50mlナスフラス
に1g入れ、関東化学製高純度濃硫酸(>98%)20m
lを投入し、マントルヒータを用い290℃まで
温した。3時間反応、室温に冷却しN 2
雰囲気下で-10℃に冷却した関東化学製脱水ジ
エチルエーテル200m1中へ滴下し、再沈澱を行
た。3時間後、粉末を減圧濾過で回収した後
、N 2
雰囲気下で脱水ジエチルエーテル+同脱水ア
トニトリル200ml(体積比7:3)中へ再度投入し、
浄した。
2時間後、減圧濾過し、60℃で真空乾燥し 茶褐色の粉末(収率:>90%)を中和滴定により 得た。
これを実施例1と同条件にて-SO 2 Cl化し、同様の手法で厚み105μmのゲルを得た 同様の手法で伝導率を測定し、この時のプ トン伝導率は9.21×10 -5 S/cmだった(イオン交換容量:3.81mmo1/g)。
[比較例1]
実施例1で使用したポリマーを50mlナスフラ
コ中の発煙硫酸(30wt%)20ml中へ投入後、60℃に
温して2時間保持し、室温まで冷却後、-30℃
の関東化学製脱水ジエチルエーテル500ml中へ
しく攪拌しながら滴下した。減圧濾過で沈
物を回収後、再度脱水ジエチルエーテルと
水アセトニトリル混合物(体積比8:2)で洗浄
、再度減圧濾過で白色の沈殿物を回収した
これを80℃、12時間で真空乾燥した。粉末は
溶性でフィルム化しても非常に脆く、伝導
の測定は不可能だった(イオン交換容量:4.89m
mo1/g)。
[比較例2]
実施例2で合成したポリマーを比較例1の手
により処理し、茶褐色の沈澱物を回収、80℃
、12時間で真空乾燥した。粉末は水溶性でフ
ルム化できず、粉状態のままであり伝導率
定が不可能だった(イオン交換容量:3.79mmo1/g)
。
[比較例3]
住友化学製スミカエクセル(3600P)4.00gを50mlナ
スフラスコ中の発煙硫酸(30wt%)20ml中へ攪拌し
がら投入後、60℃に昇温して2時間保持し、
温まで冷却後、-30℃に冷やした関東化学製
水ジエチルエーテル500ml中へ激しく攪拌し
がら滴下した。減圧濾過で沈殿物を回収後
再度脱水ジエチルエーテルと脱水アセトニ
リル混合物(体積比8:2)で洗浄し、再度減圧濾
過で白色の沈殿物を回収した。これを80℃、1
2時間で真空乾燥し、純水に溶かした後、平
なガラス板上にキャストし、乾燥させたま
対向電極にセットして、ESPEC社製恒温槽内へ
入れ、80℃、10%RHに12時間保持し、伝導率を測
定した。このときの伝導率は1.03×10 -6
S/cmだった(イオン交換容量:2.61mmo1/g)。
[比較例4]
実施例2で得たポリマーを攪拌子入り50ml三
ナスフラスコ(滴下漏斗付)に1g入れ、アルゴ
置換してナカライテスク製脱水塩化メチレ
20mlを投入し3時間攪拌して均一溶液とした
、-30℃まで冷却した。クロロ硫酸1.17ml(3.0mmo1
/g狙い)をナカライテスク製脱水クロロホルム
に5wt%で溶解させ、攪拌しながらゆっくり滴
した。滴下中にポリマーは液中で沈澱物と
て析出した。これを減圧濾過で取り出した
、10wt%水酸化ナトリウム水溶液100mlで洗浄し
。純水で十分洗浄した後真空乾燥した。こ
をナカライテスク製DMAcに15wt%の比率で溶か
、平滑なガラス板ヘキャストした後に1N塩
で酸処理した結果、黄色の透明なフィルム
得た。これを対向電極にセットして、ESPEC社
製恒温槽内へ入れ、80℃、10%RHに12時間保持し
伝導率を測定した。このときの伝導率は9.67×
10 -7
S/cmだった(イオン交換容量:1.96mmo1/g)。
下記表1に、実施例と比較例で得られた各サ
ンプルの物性を示す。
本発明の方法によって合成される高分子 解質は、均一な架橋点を有し、イオン伝導 が向上している。又、従来法が適用できな った高酸密度電解質でも溶媒中で架橋でき 。これにより、本発明によって合成される 分子電解質からなる電解質膜は、燃料電池 水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解 酸素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等に く用いることが出来る。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許 よび特許出願をそのまま参考として本明細 にとり入れるものとする。
Next Patent: TOILET SEAT
