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Patent Searching and Data


Title:
POLYUREA RESIN COMPOSITION, ORGANIC PIEZOELECTRIC AND PYROELECTRIC FILM, METHOD FOR FORMATION OF THE FILM, ULTRASONIC VIBRATOR, ULTRASONIC PROBE, AND ULTRASONIC MEDICAL DIAGNOSTIC IMAGING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/037920
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a polyurea resin composition for forming an organic piezoelectric and pyroelectric film having excellent piezoelectric and pyroelectric properties. Also disclosed is an organic piezoelectric and pyroelectric film formed by using the polyurea resin composition. Further disclosed is a method for producing the organic piezoelectric and pyroelectric film. The polyurea resin composition comprises a polyurea compound having a dipole-constituting moiety or moieties in the molecule, wherein the dipole moment (D) of the dipole-constituting moiety or moieties and the molecular weight (Ma) per one dipole-constituting moiety meet the relationship represented by the formula (1): Formula (1): D/Ma ≥ 0.02; wherein Ma = M/N wherein M represents an average molecular weight of the polyurea resin composition; and N represents an average number of the dipole-constituting moiety or moieties contained in one molecule of the polyurea compound.

Inventors:
MORITA KIYOKAZU (JP)
NISHIKUBO YUICHI (JP)
FUKUSAKA KIYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063402
Publication Date:
March 26, 2009
Filing Date:
July 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA MED & GRAPHIC (JP)
MORITA KIYOKAZU (JP)
NISHIKUBO YUICHI (JP)
FUKUSAKA KIYOSHI (JP)
International Classes:
C08G18/32; A61B8/00; H01L37/02; H01L41/193; H01L41/45
Foreign References:
JPH07258370A1995-10-09
JP2006225565A2006-08-31
JPH05311399A1993-11-22
JPH02284485A1990-11-21
JPH06216422A1994-08-05
JP2002105226A2002-04-10
JPH11276478A1999-10-12
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Claims:
分子中に双極子構成部を有するポリウレア化合物を含有するポリウレア樹脂組成物であって、前記双極子構成部の双極子モーメント(D)と双極子構成部1個当たりの分子量Maが下記関係式(1)で表される関係を満たす範囲にあることを特徴とするポリウレア樹脂組成物。
関係式(1):D/Ma≧0.02;但し、Ma=M/N
[Mはポリウレア樹脂組成物の平均分子量、Nはポリウレア化合物1分子中に含有される双極子構成部の平均個数を表す。]
前記ポリウレア樹脂組成物が、下記一般式(2)で表される構造を有する化合物を重合して得られる化合物を含有していることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のポリウレア樹脂組成物。
一般式(2):R1-J1-X1-J2-R2
(J1及びJ2は、それぞれ2価の連結基を表し、同じでも異なっていても良い。X1は極性を持つ2価の基を表し、-CO-、-NHCO-、-COO-、-SO 2 NH-、-SO 3 -、-SO 2 -、-SO-、-NHCOO-、-NHCONH-を表す。R1及びR2は、それぞれ官能基を表し、-NH 2 、又は-NCOを表す。)
前記ポリウレア樹脂組成物を構成する樹脂が、芳香族縮環構造を有することを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載のポリウレア樹脂組成物。
請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一項に記載のポリウレア樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とする有機圧焦電体膜。
請求の範囲第4項に記載の有機圧焦電体膜の形成方法であって、請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一項に記載のポリウレア樹脂組成物を用いて形成したポリウレア樹脂膜に分極処理を施すことを特徴とする有機圧焦電体膜の形成方法。
請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一項に記載のポリウレア樹脂組成物を用いて形成された有機圧焦電体膜を用いたことを特徴とする超音波振動子。
超音波送信用振動子と超音波受信用振動子を具備する超音波探触子であって、請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一項に記載のポリウレア樹脂組成物を用いて形成された有機圧焦電体膜を用いた超音波振動子を超音波受信用振動子として具備したことを特徴とする超音波探触子。
電気信号を発生する手段と、前記電気信号を受けて超音波を被検体に向けて送信し、前記被検体から受けた反射波に応じた受信信号を生成する複数の振動子が配置された超音波探触子と、前記超音波探触子が生成した前記受信信号に応じて、前記被検体の画像を生成する画像処理手段とを有する超音波医用画像診断装置において、前記超音波探触子が、請求の範囲第7項に記載の超音波探触子であることを特徴とする超音波医用画像診断装置。
Description:
ポリウレア樹脂組成物、有機圧 電体膜、その形成方法、超音波振動子、超 波探触子、及び超音波医用画像診断装置

 本発明は、ポリウレア樹脂組成物、有機 焦電体膜、その形成方法、それを用いた超 波振動子、超音波探触子、及び超音波医用 像診断装置に関する。

 詳しくは、例えば、マイクロホン、スピ カー用の振動板等の音響機器、各種熱セン ー、圧力センサー、赤外性検出器等の測定 器、超音波探蝕子、遺伝子やタンパク等の 異を高感度に検出する振動センサー等、熱 機械刺激を電気エネルギーに変換するため 用いることができる圧電性や焦電性を持つ 機圧電材料に関する。

 圧焦電体としては、水晶、LiNbO 3 、LiTaO 3 、KNbO 3 などの単結晶、ZnO、AlNなどの薄膜、Pb(Zr,Ti)O 3 系などの焼結体を分極処理した、いわゆる無 機圧電材料が広く利用されている。しかしな がら、これら無機材質の圧電材料は、弾性ス ティフネスが高く、機械的損失係数が高い、 密度が高く誘電率も高いなどの特徴を持って いる。

 一方でポリフッ化ビニリデン(以下「PVDF と略す。)、ポリシアノビニリデン(以下「PVD CN」と略す。)等の有機圧電材料も開発されて いる(特許文献1参照)。この有機圧電材料は、 薄膜化、大面積化等の加工性に優れ、任意の 形状、形態の物が作ることができ、弾性率が 低い、誘電率が低い等の特徴を持つため、セ ンサーとしての使用を考えたときに、高感度 な検出を可能とする特徴を持っている。一方 で有機圧電材料は、耐熱性が低く高い温度で はその圧焦電特性を失うほか、弾性スティフ ネスなどの物性も大きく減じるため使用でき る温度域に限界があった。

 このような限界に対して、ウレイン基か 構成されるポリウレア樹脂組成物は、ウレ ン基の双極子モーメントが大きく、樹脂と ての温度特性に優れるため、有機圧電材料 して種々の検討が行われてきた。例えば、4 ,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI) ようなジイソシアネート化合物と4,4’-ジア ミノジフェニルメタン(MDA)のようなジアミン 合物を同時に蒸発させてポリ尿素膜を形成 る、いわゆる蒸着重合法が開示されている( 特許文献2及び文献3)。しかしながら、これら に記載されている蒸着重合法で作製するポリ ウレア樹脂組成物は、生成するオリゴマー又 は高分子量体の分子量が不均一であるため、 分極処理を施しながら高分子量化を行った場 合、配向が十分でない状態でポリウレア樹脂 組成物が形成される。このため、ウレア結合 の双極子モーメントを十分に活用でき無い。 一方で、これらのポリウレア樹脂組成物は、 分子内の双極子モーメントが十分に大きくな い、分子サイズも大きい等の課題があり、極 性を持つウレア基当たりの分子容が大きいた めに、思わしい有機圧電材料が得られないこ とがあり、有機圧電材料としては、更なる改 善が求められていた。

 このような問題に対し、特許文献3及び4 開示されている方法の場合、蒸着重合時に 場や磁場を利用することで、蒸着分子を配 させながら重合を行い、形成される樹脂の 極子を配向させ、良好な有機圧電材料を得 方法が開示されているが、未だ不十分であ た。

 ところで超音波は、通常、16000Hz以上の音 波を総称して言われ、非破壊及び無害でその 内部を調べることが可能なことから、欠陥の 検査や疾患の診断などの様々な分野に応用さ れている。その一つに、被検体内を超音波で 走査し、被検体内からの超音波の反射波(エ ー)から生成した受信信号に基づいて当該被 体内の内部状態を画像化する超音波診断装 がある。この超音波診断装置では、被検体 対して超音波を送受信する超音波探触子が いられている。この超音波探触子としては 送信信号に基づいて機械振動して超音波を 生し、被検体内部で音響インピーダンスの いによって生じる超音波の反射波を受けて 信信号を生成する振動子を備えて構成され 超音波送受信素子が用いられる。

 そして、近年では、超音波探触子から被 体内へ送信された超音波の周波数(基本周波 数)成分ではなく、その高調波周波数成分に って被検体内の内部状態の画像を形成する ーモニックイメージング(Harmonic Imaging)技術 研究、開発されている。このハーモニック メージング技術は、(1)基本周波数成分のレ ルに比較してサイドローブレベルが小さく S/N比(signal to noise ratio)が良くなってコン ラスト分解能が向上すること、(2)周波数が くなることによってビーム幅が細くなって 方向分解能が向上すること、(3)近距離では 圧が小さくて音圧の変動が少ないために多 反射が抑制されること、及び(4)焦点以遠の 衰が基本波並みであり高周波を基本波とす 場合に較べて深速度を大きく取れることな の様々な利点を有している。このハーモニ クイメージング用の超音波探触子は、基本 の周波数から高調波の周波数までの広い周 数帯域が必要とされ、その低周波側の周波 領域が基本波を送信するための送信用に利 される。一方、その高周波側の周波数領域 高調波を受信するための受信用に利用され (例えば特許文献5参照)。

 この特許文献5に開示されている超音波探 触子は、被検体にあてがわれて当該被検体内 に超音波を送信し当該被検体内で反射して戻 ってきた超音波を受信する超音波探触子であ る。この超音波探触子は、所定の第1の音響 ンピーダンスを有する配列された複数の第1 圧電素子からなる、所定の中心周波数の超 波からなる基本波の、被検体内に向けた送 、および当該被検体内で反射して戻ってき 超音波のうちの基本波の受信を担う第1圧電 層を備えている。また、前記第1の音響イン ーダンスよりも小さい所定の第2の音響イン ーダンスを有する配列された複数の第2の圧 電素子からなる、前記被検体内で反射して戻 ってきた超音波のうちの高調波の受信を担う 第2圧電層を備えている。なお、当該第2圧電 は、前記第1圧電層の、この超音波探触子が 被検体にあてがわれる側の全面に重ねられて いる。したがって、当該超音波探触子は、こ のような構成によって広い周波数帯域で超音 波を送受信することができる。

 ハーモニックイメージングにおける基本 は、出来る限り狭い帯域巾を有する音波が い。それを担う圧電体には、無機圧電体が く利用されている。一方で高周波側の受信 を検知する圧電素子には、より広い帯域巾 感度が必要でこれらの無機材料は適さない

 高周波、広帯域に適した圧電素子としては 有機系高分子物質を利用した有機圧電体が られている。しかしながら感度としては十 で無く、高周波を高感度に受信することは きなかった。

特開平6-216422号公報

特開平2-284485号公報

特開平5-311399号公報

特開2006-225565号公報

特開平11-276478号公報

 本発明は、上記問題・状況に鑑みてなさ たものであり、その解決課題は、優れた圧 性及び焦電性を有する有機圧焦電体膜を形 するためのポリウレア樹脂組成物を提供す ことである。また、当該ポリウレア樹脂組 物を用いて形成された有機圧焦電体膜及び の形成方法を提供することである。

 更に、高周波を高感度に受信することが 能でハーモニックイメージング技術に適し 超音波振動子、超音波探触子、及び超音波 用画像診断装置を提供することである。

 本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意 討した結果、ポリウレア樹脂組成物を構成 る成分分子の分極密度が、圧電性及び焦電 等の特性を改良するための重要な制御因子 あることを見出し、更に、当該分極密度を げるための手段として、(i)分子のダイポー を最大化すること、(ii)ダイポールを持つ部 分構造の分子容を最小化すること、等が重要 であることを見出し、本発明に至った。

 すなわち、本発明に係る上記課題は、以 の手段により解決される。

 1.分子中に双極子構成部を有するポリウレ 化合物を含有するポリウレア樹脂組成物で って、前記双極子構成部の双極子モーメン (D)と双極子構成部1個当たりの分子量Maが下 関係式(1)で表される関係を満たす範囲にあ ことを特徴とするポリウレア樹脂組成物。
関係式(1):D/Ma≧0.02;但し、Ma=M/N
[Mはポリウレア樹脂組成物の平均分子量、Nは ポリウレア化合物1分子中に含有される双極 構成部の平均個数を表す。]
 2.前記ポリウレア樹脂組成物が、下記一般 (2)で表される構造を有する化合物を重合し 得られる化合物を含有していることを特徴 する前記1に記載のポリウレア樹脂組成物。
一般式(2):R1-J1-X1-J2-R2
(J1及びJ2は、それぞれ2価の連結基を表し、同 じでも異なっていても良い。X1は極性を持つ2 価の基を表し、-CO-、-NHCO-、-COO-、-SO 2 NH-、-SO 3 -、-SO 2 -、-SO-、-NHCOO-、-NHCONH-を表す。R1及びR2は、そ れぞれ官能基を表し、-NH 2 、又は-NCOを表す。)
 3.前記ポリウレア樹脂組成物を構成する樹 が、芳香族縮環構造を有することを特徴と る前記1又は2に記載のポリウレア樹脂組成物 。

 4.前記1乃至3のいずれか一項に記載のポリ ウレア樹脂組成物を用いて形成されたことを 特徴とする有機圧焦電体膜。

 5.前記4に記載の有機圧焦電体膜の形成方 であって、前記1乃至3のいずれか一項に記 のポリウレア樹脂組成物を用いて形成した リウレア樹脂膜に分極処理を施すことを特 とする有機圧焦電体膜の形成方法。

 6.前記1乃至3のいずれか一項に記載のポリ ウレア樹脂組成物を用いて形成された有機圧 焦電体膜を用いたことを特徴とする超音波振 動子。

 7.超音波送信用振動子と超音波受信用振 子を具備する超音波探触子であって、前記1 至3のいずれか一項に記載のポリウレア樹脂 組成物を用いて形成された有機圧焦電体膜を 用いた超音波振動子を超音波受信用振動子と して具備したことを特徴とする超音波探触子 。

 8.電気信号を発生する手段と、前記電気 号を受けて超音波を被検体に向けて送信し 前記被検体から受けた反射波に応じた受信 号を生成する複数の振動子が配置された超 波探触子と、前記超音波探触子が生成した 記受信信号に応じて、前記被検体の画像を 成する画像処理手段とを有する超音波医用 像診断装置において、前記超音波探触子が 前記7に記載の超音波探触子であることを特 とする超音波医用画像診断装置。

 本発明の上記手段により、優れた圧電性 び焦電性を有する有機圧焦電体膜を形成す ためのポリウレア樹脂組成物を提供するこ ができる。また、当該ポリウレア樹脂組成 を用いて形成された有機圧焦電体膜及びそ 形成方法を提供することができる。

 更に、高周波を高感度に受信することが 能でハーモニックイメージング技術に適し 超音波振動子、超音波探触子、及び超音波 用画像診断装置を提供することができる。

超音波医用画像診断装置の主要部の構 を示す概念図

符号の説明

 1 受信用圧電材料(膜)
 2 支持体
 3 送信用圧電材料(膜)
 4 バッキング層
 5 電極
 6 音響レンズ

 本発明のポリウレア樹脂組成物は、分子中 ダイポール構成部を有するポリウレア化合 を含有するポリウレア樹脂組成物であって 前記ダイポール構成部のダイポールモーメ ト(D)とダイポール構成部1個当たりの分子量 Maが下記関係式(1)で表される関係を満たす範 にあることを特徴とする。
関係式(1):D/Ma≧0.02;但し、Ma=M/N
[Mはポリウレア樹脂組成物の平均分子量、Nは ポリウレア化合物1分子中に含有されるダイ ール構成部の平均個数を表す。]
 上記特徴は、請求の範囲第1項乃至第8項に る発明に共通する技術的特徴である。

 なお、「ダイポール構成部」とは、ポリ レア化合物(樹脂)の繰り返し構造単位であ て、当該構造単位内に存在する極性基に起 して当該構造単位全体内に生じた電子分布 偏りに基づき発生するダイポール(「双極子 ともいう。)の構成部分をいう。よってDは り返し単位当たりのダイポールモーメント 示し、Maは繰り返し単位当たりの分子量を示 す。なお、同一繰り返し構造単位内に複数の 極性基が存在してもよい。

 本発明に係るダイポール構成部は、極性基 一つ以上持つことが好ましく、極性基とし は、それ自体のダイポールモーメントが2D 上であることが好ましい。そのような極性 としては、-CO-、-NHCO-、-COO-、-SO 2 NH-、-SO 3 -、-SO 2 -、-SO-、-NHCOO-、-NHCONH-等を挙げることができ 。

 ダイポール構成部のダイポールモーメン Dの値は、分子軌道法による計算値を利用し てもよい。具体的な値としては、MOPAC ver.3の PM3パラメータを用いた構造最適化計算による 計算値を用いることができる。したがって、 計算結果に基づき、官能基の選択、分子量の 調整等により上記関係式(1)で表される関係を 満たす範囲とすることができる。

 以下、本発明とその構成要素、及び発明 実施するための最良の形態・態様等につい 詳細な説明をする。

 (ポリウレア樹脂組成物構成成分)
 本発明のポリウレア樹脂組成物は、上記特 を有することを要することから、当該ポリ レア樹脂組成物は、下記一般式(2)で表され 構造を有する化合物を重合して得られる化 物を含有することが好ましい。
一般式(2):R1-J1-X1-J2-R2
(J1及びJ2は、それぞれ2価の連結基を表し、同 じでも異なっていても良い。X1は極性を持つ2 価の基を表し、-CO-、-NHCO-、-COO-、-SO 2 NH-、-SO 3 -、-SO 2 -、-SO-、-NHCOO-、-NHCONH-を表す。R1及びR2は、そ れぞれ官能基を表し、-NH 2 、又は-NCOを表す。)
 以下に、具体例を示すが、これらに限定さ るものではない。

 〈芳香族縮環構造〉
 本発明においては、ポリウレア樹脂組成物 配向性を向上させるために、当該ポリウレ 樹脂組成物を構成する樹脂が、部分構造と て、芳香族縮環構造を有することが好まし 。

 芳香族縮環構造としては、例えば、ナフ レン構造、キノリン構造、アントラセン構 、フェナンスレン構造、ピレン構造、トリ ェニレン構造、ペリレン構造、フルオラン ン構造、インダセン構造、アセナフチレン 造、フルオレン構造、フルオレン-9-オン構 、カルバゾール構造、テトラフェニレン構 、及び、これらの構造にさらに縮環した構 (例えば、アクリジン構造、ベンゾアントラ セン構造、ベンゾピレン構造、ペンタセン構 造、コロネン構造、クリセン構造等)等が挙 られる。

 好ましい芳香族縮環構造としては、下記 般式(ACR1)~(ACR4)の構造が挙げられる。

 一般式(ACR1)において、R 11 及びR 12 は、各々独立に水素原子、又は置換基を表し 、置換基としては、例えば炭素数1~25のアル ル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イ プロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、 キシル基、シクロヘキシル基等)、シクロア キル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル 基等)、アリール基(フェニル基等)、複素環基 (ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル 、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基 ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジ ル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、 ペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリ 基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ 基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、 シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基 、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオ シ基(フェノキシ基等)、アシルオキシ基(ア チルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、 ルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボ ニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチル オキシカルボニル基等)、アリールオキシカ ボニル基(フェニルオキシカルボニル基等)、 スルホンアミド基(メタンスルホンアミド基 エタンスルホンアミド基、ブタンスルホン ミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シク ヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスル ンアミド基等)、カルバモイル基(アミノカル ボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメ チルアミノカルボニル基、プロピルアミノカ ルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、 シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニ ルアミノカルボニル基、2-ピリジルアミノカ ボニル基等)、カルボキシル基、ヒドロキシ ル基等を挙げることができる。好ましくは、 水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基 、アルコキシ基、アシルオキシ基又はアルキ ル基であり、更に好ましくは、水素原子、ア ルキル基、ヒドロキシル基又アシルオキシ基 であり、特に好ましくは水素原子又はアルキ ル基である。

 なお、アスタリスク(*)は、結合点を表す

 一般式(ACR2)において、X 2 は、酸素原子、N-R 23 、C-R 24 を表し、R 23 としては、水素原子、ヒドロキシル基、アル コキシ基、アルキル基、アミノ基を表し、好 ましくはヒドロキシル基又はアルコキシ基で ある。R 24 は、アルキル基、アリール基又は複素環基を 表すが、好ましくはアルキル基又はアリール 基であり、特に好ましくは、アルキル基であ る。

 なお、アスタリスク(*)は、結合点を表す

 一般式(ACR3)において、X 3 は、窒素原子又はN + -R 33 を表し、R 33 は、アルキル基又はアリール基を表す。X 3 がN + の場合は、電荷を中和するためのカウンター イオンを有していても良く、カウンターイオ ンとしては、Cl - 、Br - 、I - 、BF 4 - 等が挙げられる。

 なお、アスタリスク(*)は、結合点を表す

 一般式(ACR4)において、アスタリスク(*)は 結合点を表す。

 これらの芳香族縮環構造は、置換基を有 ても良く、置換基としては、ハロゲン原子 炭素数1~25のアルキル基(メチル基、エチル 、プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル 基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシ ル基等)、ハロゲン化アルキル基(トリフルオ メチル基、パーフルオロオクチル基等)、シ クロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロ ンチル基等)、アルキニル基(プロパルギル基 等)、グリシジル基、アクリレート基、メタ リレート基、アリール基(フェニル基等)、複 素環基(ピリジル基、チアゾリル基、オキサ リル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロ ル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピ ダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニ 基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テト ゾリル基等)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素 原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコ シ基(メトキシ基、エトキシ基、プロピルオ シ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチル キシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシ オキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキ 基等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキ シカルボニル基、エチルオキシカルボニル基 、ブチルオキシカルボニル基等)、アリール キシカルボニル基(フェニルオキシカルボニ 基等)、スルホンアミド基(メタンスルホン ミド基、エタンスルホンアミド基、ブタン ルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド 、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベン ンスルホンアミド基等)、スルファモイル基( アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニ ル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチル アミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホ ニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基 、フェニルアミノスルホニル基、2-ピリジル ミノスルホニル基等)、ウレタン基(メチル レイド基、エチルウレイド基、ペンチルウ イド基、シクロヘキシルウレイド基、フェ ルウレイド基、2-ピリジルウレイド基等)、 シル基(アセチル基、プロピオニル基、ブタ イル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノ ル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、 カルバモイル基(アミノカルボニル基、メチ アミノカルボニル基、ジメチルアミノカル ニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペ チルアミノカルボニル基、シクロヘキシル ミノカルボニル基、フェニルアミノカルボ ル基、2-ピリジルアミノカルボニル基等)、 ミド基(アセトアミド基、プロピオンアミド 、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベ ズアミド基等)、スルホニル基(メチルスル ニル基、エチルスルホニル基、ブチルスル ニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フ ニルスルホニル基、2-ピリジルスルホニル基 等)、アミノ基(アミノ基、エチルアミノ基、 メチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロ ンチルアミノ基、アニリノ基、2-ピリジル ミノ基等)、シアノ基、カルボキシル基、ヒ ロキシル基等を挙げることができる。又こ らの基は更にこれらの基で置換されていて よい。又、置換基が複数ある場合、同じで 異なっていても良く、互いに結合して縮環 造を形成しても良い。好ましくは、水素原 、ハロゲン原子、アミド基、アルキル基又 アリール基であり、更に好ましくは、水素 子、ハロゲン原子、アミド基又はアルキル であり、特に好ましくは水素原子、ハロゲ 原子又はアルキル基である。

 以下に、好ましい芳香族縮環構造の具体 を挙げるが、本発明はこれに限定されない

 上記芳香族縮環構造を導入する手段とし は、重合する際に第3成分として縮環系構造 を有する置換もしくは無置換のジアミンもし くはジイソシアネートを添加しても良いし、 または、縮環系構造を持つ本発明の化合物を 重合する等の手段(方法)を挙げることができ 。

 なお、本発明のポリウレア樹脂組成物は 上記構成成分が溶媒中に溶解された状態、 は分散された状態であってもよい。また、 の樹脂組成物には、目的に応じて当該樹脂 外の添加剤(化合物)を含有させても良い。

 (溶媒)
 本発明で使用し得る溶媒としては、例えば 非プロトン性溶媒であるジメチルスルホキ ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ アミド、N-メチルピロリドン等のアミド系 媒、エチルエーテル、テトラヒドロフラン のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチ ケトン等のようなケトン系溶媒、塩化メチ ン、クロロホルム等のような塩素系溶媒、 の他、酢酸エチル、トルエン、キシレン、 キサン、酢酸、ピリジン等を挙げることが きる。ジアミン化合物とカルボニル基又は オカルボニル基を2つ以上有する化合物との 方を溶解させられる溶媒なら特に限定はな 。

 (有機圧焦電体膜)
 本発明のポリウレア樹脂組成物は、これを いてポリウレア膜を形成することにより、 いは、ポリウレア膜を更に分極処理を施す とにより、有機圧焦電体膜を形成すること できる。

 本発明に係る有機圧焦電体膜は、当該圧 電体膜に応力が加わると、それに比例して 該当該圧焦電体膜の両端面に反対符号の電 が現れる。すなわち、電気分極という現象 生じ、逆に該圧電材料を伝場に入れる(電界 を加える)ことで、それに比例した歪みを生 るという性質(圧電性能)を有する。特に本発 明のポリウレアよりなる有機圧焦電体膜にあ っては、高分子の主鎖や側鎖の双極子モーメ ントの配向凍結による分極により大きな圧電 効果が生じる。

 一方、当該圧焦電体膜にエネルギー(熱) 加わると、それに対応して当該圧焦電体膜 部の自発分極の大きさが変化する。このと 、当該圧焦電体膜表面に自発分極を中和す ように存在する表面電荷は、上記自発分極 どにすばやくエネルギー変化に対応できな ことから、短時間の間ではあるが、圧焦電 膜表面には自発分極の変化分だけ電荷が存 することになる。このエネルギー変化に伴 電気の発生を焦電性というが、特に本発明 ポリウレアよりなる有機圧焦電体膜にあっ は、高分子の主鎖や側鎖の双極子モーメン の配向凍結による分極により大きな焦電性 が生じる。

 〈有機圧焦電体膜の形成方法〉
 本発明に係るポリウレア膜を形成する方法 しては、従来公知の蒸着重合法や溶液重合 布法などを採用することができる。

 蒸着重合法の具体的方法・条件について 、特開平7-258370号公報、特開平5-311399号公報 、及び特開2006-49418号公報に開示されている 法等が参考となる。

 溶液重合塗布法の具体的方法・条件につ ては、従来公知の種々の方法等に従って行 ことができる。好ましい態様としては、本 明のポリウレア樹脂組成物(例えば原料の当 量混合溶液)を基板上に塗布し、減圧条件下 ある程度乾燥後(溶媒を除去した後)、加熱し 、熱重合と分極処理を同時進行させながら有 機圧電体膜を形成する方法が好ましい。

 なお、本発明においては、熱重合と後述 る分極処理を同時進行させてもよい。この 合の温度は、-50~250℃であることが好ましい 。より好ましくは、-50~200℃であることが好 しい。また場合によっては、熱重合と分極 理の同時進行中に、上述の温度範囲で、温 を徐々に上げる、もしくは温度を徐々に下 る、というような途中で温度を変化させる とも好ましい。

 〈分極処理〉
 本発明に係る分極処理における分極処理方 としては、従来公知の種々の方法が適用さ 得る。

 例えば、コロナ放電処理法による場合に 、コロナ放電処理は、市販の高電圧電源と 極からなる装置を使用して処理することが きる。

 放電条件は、機器や処理環境により異な ので適宜条件を選択することが好ましいが 高電圧電源の電圧としては-1~-20kV、電流と ては1~80mA、電極間距離としては、1~10cmが好 しく、印加電圧は、0.5~2.0MV/mであることが好 ましい。

 電極としては、従来から用いられている 状電極、線状電極(ワイヤー電極)、網状電 が好ましいが、本発明ではこれらに限定さ るものではない。

 またコロナ放電中に加熱を行うので、本 明により作製した基板が接触している電極 下部に絶縁体を介して、ヒーターを設置す 必要がある。

 なお、本発明において前記原料溶液の溶 が残留している状態で、分極処理としてコ ナ放電処理をする場合には、引火爆発など 危険性を避けるために溶媒の揮発成分が除 されるように十分換気しながら行うことが 全上必要である。

 (基板)
 基板としては、本発明の有機圧電体膜の用 ・使用方法等により基板の選択は異なる。 リイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエ レンナフタレート(PEN)、ポリメタクリル酸メ チル(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、シクロオ レフィンポリマーのようなプラスチック板又 はフィルムでもよい。また、これらの素材の 表面をアルミニウム、金、銅、マグネシウム 、珪素等で覆ったものでもよい。またアルミ ニウム、金、銅、マグネシウム、珪素単体、 希土類のハロゲン化物の単結晶の板又はフィ ルムでもかまわない。

 更に複層圧電素子の上に形成してもよい。 電素子を積相する複層の使用方法において 、セラミック圧電素子の上に本発明の有機 電体膜を電極を介して、重畳層する方法が る。セラミック圧電素子としては、PZTが使 されているが、近年は鉛を含まないものが 奨されている。PZTは、Pb(Zr 1-X Ti X )O 3 (0.47≦X≦1)の式の範囲以内であることが好ま く、脱鉛としては、天然又は人工の水晶、 オブ酸リチウム(LiNbO 3 )、ニオブサンタンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O 3 ]、チタン酸バリウム(BaTiO 3 )、タンタル酸リチウム(LiTaO 3 )、又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO 3 )等である。各種セラミック材料はその使用 能において組成を適宜選択することができ 。

 (蒸着重合)
 蒸着重合法は、通常、1.33×10 -2 ~1.33×10 -3 Pa程度の圧力下で二つの蒸発源からそれぞれ 種類のモノマーを蒸発させて被蒸着面上で 合反応を起こさせ、被蒸着面上に重合体薄 を形成する方法である。蒸着重合法では、 記圧力下で被蒸着面上に到達したモノマー 士をそれぞれのモノマーに固有の蒸気圧に って定まる一定の滞留時間内に反応させる 要がある。この滞留時間は一般的に非常に いため、それぞれのモノマーは反応性が極 て高いことが望まれる。蒸着重合法によっ 2種類のモノマーを重付加してポリウレア樹 脂組成物を形成する際には、蒸着装置本体の チャンバー内側上部に、被蒸着面を下側に向 けて被蒸着基板がセットされる。チャンバー 内側下部にはタングステンボードなどの容器 が2つあり、それぞれの容器の底部には抵抗 熱器などの加熱手段が付設され、2つの容器 それぞれ収容された蒸着源を加熱できるよ になっている。

 (溶液重合)
 ポリウレア樹脂組成物を製造する方法はい れの方法であってもよい。すなわち、溶融 合法でも溶液重合法のいずれでもよい。し し、より好ましいのは溶液重合法である。 液重合法の場合は、ポリウレア樹脂組成物 ゲルなどの異物の発生が少なく仕込み比に り重合度を制御することで、ポリウレア樹 組成物の重合度を制御する事ができ、溶解 や物性を制御することが可能である。また 溶液重合法の場合、溶液にする労が省け、 産効率の観点からも好ましい。ポリウレア 脂組成物の重量平均分子量は、1000~1000000で ることが、好ましく特に、好ましくは10000~5 0000であることが好ましい。

 ポリウレア樹脂組成物の合成方法として 、本発明の一般式(2)記載の化合物を、ジメ ルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、 メチルスルホキシド、N-メチルピロリドン どやこれらを主成分とする溶剤に溶解し、 応応せしめ、ポリウレア樹脂組成物溶液と る方法等が好ましい。

 (電子線照射)
 本発明においては、ウレア樹脂組成物の強 を改良するために、分子配列が揃った状態 、当該材料について電子線照射による分子 架橋を行っても良い。適切な量の電子線を 射すると分子内に開裂が起こり、分子間架 反応を起こすことができる。なお、分子間 橋反応を補助する形で2官能以上の多官能の 架橋剤を添加することもできる。当該架橋剤 としては、例えば、イソシアネート等の官能 基を有するトリアリルイソシアネート等を使 用することができる。一般的に電子線照射で は、線量が多すぎると分子開裂が主に起こり 、樹脂としての強度が低下してしまう。本発 明においては、分極処理をする前の分子配列 状態において、0.1~50kGyの電子線量を照射する ことでフィルムの物性を損ねることなく強度 を向上することもできる。

 (超音波振動子)
 本発明に係る超音波振動子は、本発明のポ ウレア樹脂組成物を用いて形成した有機圧 電体膜を用いたことを特徴とする。当該超 波振動子は、超音波送信用振動子と超音波 信用振動子を具備する超音波医用画像診断 置用探触子(プローブ)に用いられる超音波 信用振動子とすることが好ましい。

 なお、一般に、超音波振動子は膜状の圧 材料からなる層(又は膜)(「圧電膜」、「圧 体膜」、又は「圧電体層」ともいう。)を挟 んで一対の電極を配設して構成され、複数の 振動子を例えば1次元配列して超音波探触子 構成される。

 そして、複数の振動子が配列された長軸 向の所定数の振動子を口径として設定し、 の口径に属する複数の振動子を駆動して被 体内の計測部位に超音波ビームを収束させ 照射すると共に、その口径に属する複数の 動子により被検体から発する超音波の反射 コー等を受信して電気信号に変換する機能 有している。

 以下、本発明に係る超音波受信用振動子 超音波送信用振動子それぞれについて詳細 説明する。

 〈超音波受信用振動子〉
 本発明に係る超音波受信用振動子は、超音 医用画像診断装置用探触子に用いられる振 子であって、それを構成する圧電材料とし 、本発明のポリウレア樹脂組成物を用いて 成した有機圧焦電体膜を用いたことを特徴 する。

 なお、超音波受信用振動子に用いる有機圧 電体膜は、厚み共振周波数における比誘電 が10~50であることが好ましい。比誘電率の 整は、当該有機圧電材料を構成する化合物 有する、CF 2 基、CN基のような極性官能基の数量、組成、 合度等の調整、及び上記の分極処理によっ 行うことができる。

 〈超音波送信用振動子〉
 本発明に係る超音波送信用振動子は、上記 音波受信用振動子との関係で適切な比誘電 を有する圧電体材料により構成されること 好ましい。また、耐熱性・耐電圧性に優れ 圧電材料を用いることが好ましい。

 超音波送信用振動子構成用材料としては 公知の種々の有機圧電材料及び無機圧電材 を用いることができる。

 有機圧電材料としては、上記超音波受信 振動子構成用有機圧電材料と同様の高分子 料を用いることできる。

 無機材料としては、水晶、ニオブ酸リチウ (LiNbO 3 )、ニオブ酸タンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O 3 ]、チタン酸バリウム(BaTiO 3 )、タンタル酸リチウム(LiTaO 3 )、又はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸 ストロンチウム(SrTiO 3 )、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)等を 用いることができる。尚、PZTはPb(Zr 1-n Ti n )O 3 (0.47≦n≦1)が好ましい。

 〈電極〉
 本発明に係る圧電(体)振動子は、圧電体膜( )の両面上又は片面上に電極を形成し、その 圧電体膜を分極処理することによって作製さ れるものである。当該電極は、金(Au)、白金(P t)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、ニッケル( Ni)、スズ(Sn)などを主体とした電極材料を用 て形成する。

 電極の形成に際しては、まず、チタン(Ti) やクロム(Cr)などの下地金属をスパッタ法に り0.02~1.0μmの厚さに形成した後、上記金属元 素を主体とする金属及びそれらの合金からな る金属材料、さらには必要に応じ一部絶縁材 料をスパッタ法、その他の適当な方法で1~10μ mの厚さに形成する。これらの電極形成はス ッタ法以外でも微粉末の金属粉末と低融点 ラスを混合した導電ペーストをスクリーン 刷やディッピング法、溶射法で形成するこ もできる。

 さらに、圧電体膜の両面に形成した電極 に、所定の電圧を供給し、圧電体膜を分極 ることで圧電素子が得られる。

 (超音波探触子)
 本発明に係る超音波探触子は、超音波送信 振動子と超音波受信用振動子を具備する超 波画像診断装置用探触子(プローブ)であり 受信用振動子として、本発明に係る上記超 波受信用振動子を用いることを特徴とする

 本発明においては、超音波の送受信の両 をひとつの振動子で担ってもよいが、より ましくは、送信用と受信用で振動子は分け 探触子内に構成される。

 送信用振動子を構成する圧電材料として 、従来公知のセラミックス無機圧電材料で 、有機圧電材料でもよい。

 本発明に係る超音波探触子においては、 信用振動子の上もしくは並列に本発明に係 超音波受信用振動子を配置することができ 。

 より好ましい実施形態としては、超音波 信用振動子の上に本発明の超音波受信用振 子を積層する構造が良く、その際には、本 明の超音波受信用振動子は他の高分子材料( 支持体として上記の比誘電率が比較的低い高 分子(樹脂)フィルム、例えば、ポリエステル ィルム)の上に添合した形で送信用振動子の 上に積層してもよい。その際の受信用振動子 と他の高分子材料と合わせた膜厚は、探触子 の設計上好ましい受信周波数帯域に合わせる ことが好ましい。実用的な超音波医用画像診 断装置および生体情報収集に現実的な周波数 帯から鑑みると、その膜厚は、40~150μmである ことが好ましい。

 なお、当該探触子には、バッキング層、 響整合層、音響レンズなどを設けても良い また、多数の圧電材料を有する振動子を2次 元に並べた探触子とすることもできる。複数 の2次元配列した探触子を順次走査して、画 化するスキャナーとして構成させることも きる。

 (超音波医用画像診断装置)
 本発明に係る上記超音波探触子は、種々の 様の超音波診断装置に用いることができる 例えば、図1に示すような超音波医用画像診 断装置において好適に使用することができる 。

 図1は、本発明の実施形態の超音波医用画 像診断装置の主要部の構成を示す概念図であ る。この超音波医用画像診断装置は、患者な どの被検体に対して超音波を送信し、被検体 で反射した超音波をエコー信号として受信す る圧電体振動子が配列されている超音波探触 子(プローブ)を備えている。また当該超音波 触子に電気信号を供給して超音波を発生さ るとともに、当該超音波探触子の各圧電体 動子が受信したエコー信号を受信する送受 回路と、送受信回路の送受信制御を行う送 信制御回路を備えている。

 更に、送受信回路が受信したエコー信号 被検体の超音波画像データに変換する画像 ータ変換回路を備えている。また当該画像 ータ変換回路によって変換された超音波画 データでモニタを制御して表示する表示制 回路と、超音波医用画像診断装置全体の制 を行う制御回路を備えている。

 制御回路には、送受信制御回路、画像デ タ変換回路、表示制御回路が接続されてお 、制御回路はこれら各部の動作を制御して る。そして、超音波探触子の各圧電体振動 に電気信号を印加して被検体に対して超音 を送信し、被検体内部で音響インピーダン の不整合によって生じる反射波を超音波探 子で受信する。

 なお、上記送受信回路が「電気信号を発 する手段」に相当し、画像データ変換回路 「画像処理手段」に相当する。

 上記のような超音波診断装置によれば、 発明の圧電特性及び耐熱性に優れかつ高周 ・広帯域に適した超音波受信用振動子の特 を生かして、従来技術と比較して画質とそ 再現・安定性が向上した超音波像を得るこ ができる。

 以下、実施例を挙げて本発明を説明する 、本発明はこれらに限定されない。

 実施例1
 還流式冷却器、攪拌機を具備し、予め窒素 換した容器で、化合物-1をジメチルスルホ シド中にて、窒素気流下、40℃で溶解した。 次いで、4,4’-ジフェニルメタンジイソシア ート(比較化合物-1)のジメチルスルホキシド 液をモル比で1:1となるように、-10℃まで冷 した後に、2時間かけてゆっくり滴下をおこ ない、ポリウレア樹脂液-1を作製した。上記 同様に、表1に示すようにポリウレア樹脂液 -2~5,7を作製した。GPCにて測定した重量平均分 子量を示す。

 続いて、あらかじめ表面にアルミ蒸着済 の25μmのポリアミドフィルムに、1%の重合度 500のポリビニルアルコールのメタノール溶液 を乾燥膜圧が0.1μmに成るように塗布乾燥を行 った基盤場に、乾燥膜圧が7μmになるように 布乾燥を行った。

 次に、このようにしてポリウレア膜の形 された基板の表面にアルミ電極を蒸着で取 付けたあとで、高圧電源装置HARB-20R60(松定 レシジョン(株)製)を用いて、100MV/mの電場を 加した。この状態で、200℃まで5℃/minの割 で上昇し、200℃で15分間保持したあとで電圧 は印加したままで室温まで徐冷し、ポーリン グ処理を施しポリウレア樹脂組成物膜-1~5を 製した。

 なお、本実施例において、重量平均分子 (Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は下記の要領で、 ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC) により算出した。測定条件は以下の通りであ る。

 溶媒   :30mMLiBr in N-メチルピロリドン
 装置   :HLC-8220GPC(東ソー(株)製)
 カラム  :TSKgel SuperAWM-H×2本(東ソー(株)製)
 カラム温度:40℃
 試料濃度 :1.0g/L
 注入量  :40μl
 流量   :0.5ml/min
 校正曲線 :標準ポリスチレン:PS-1(Polymer Labo ratories社製)Mw=580~2,560,000までの9サンプルによ 校正曲線を使用した。

 実施例-2
 真空処理室内に前述のポリイミド基盤を取 付け、蒸発用容器の一方に化合物-1と、他 に比較化合物-1を夫々充填し、シャッターを 閉じた状態で処理室内の全圧を真空排気系で 1.33×10 -3 Pa(1×10 -5 Torr)に設定した。化合物-1を温度190±2℃に、 た、比較化合物-1を温度70±2℃に夫々加熱し ポリイミド基板上に蒸着重合を行い、7μmま で蒸着を行った。続いてポリウレア膜の形成 された基板を取り出し、上記高圧電源装置と 針状電極を用いて0.6MV/mになるように電圧を えながら、200℃まで5℃毎分の割合で昇温し 。200℃で15分間保持したあとで電圧は印加 たままで室温まで徐冷し、ポーリング処理 施し、ポリウレア樹脂組成物膜-6を作製した 。

 比較例-1
 真空処理室内に前述のポリイミド基盤を取 付け、蒸発用容器の一方に4,4’-ジアミノジ フェニルメタン(比較化合物-2)と、他方に比 化合物-1を夫々充填した。シャッターを閉じ た状態で処理室内の全圧を真空排気系で1.33× 10 -1 Pa(1×10 -3 Torr)に設定した。比較化合物-1を温度70±2℃に 、また、比較化合物-2を温度110±2℃に加熱し ポリイミド基板上に蒸着重合を行い、7μmま で蒸着を行った。このようにしてポリウレア 膜の形成された基板を取り出し、高圧電源装 置HARB-20R60(松定プレシジョン(株)製)と針状電 を用いて0.2MV/mになるように電圧を加えた。 この状態で、180℃まで5℃毎分の割合で昇温 、180℃で15分間保持したあとで電圧は印下し たままで室温まで徐冷し、ポーリング処理を 施し、比較-1を作製した。

 実施例-3
 上記のようにして得られた電極付の試料の 面の電極にリード線を付け、アジレントテ ノロジー社製インピーダンスアナライザ4294 Aを用いて、25℃雰囲気下と100℃まで加熱した 状態において、厚み共振波長を用いて圧電性 の評価を行った。その結果を表1に示す。な 圧電特性は、PVDF膜の室温で測定した時の値 100%とした相対値として示す。

 インピーダンスアナライザを用いて厚み 振周波数から電気機械結合定数を求める方 としては、電子情報技術産業協会規格JEITA  EM-4501(旧EMAS-6100)圧電セラミック振動子の電気 的試験方法に記載の円盤状振動子の厚みたて 振動に4.2.6項に準拠している。得られたポリ レア樹脂組成物よりなる膜を、共振法にて 電性の評価を室温と、100℃まで加熱した状 で行った。

 実施例-4
 得られたポリウレア樹脂組成物よりなる膜 、2cm平方に切り出し焦電性を、摂氏-100度か ら150度まで温度が可変の温度槽にセットし温 度上昇率を変えて発生する電荷を微小電流計 により観測し焦電率を測定した。なお焦電率 は、PVDF膜の値を100%として相対値で示した。

 表1に示した結果から明らかなように、本 発明のポリウレア樹脂組成物より形成された 有機圧焦電体膜の圧焦電特性は、比較例に比 べ優れていることが分かる。

 実施例-5
 (超音波探触子の作製と評価)
 〈送信用圧電材料の作製〉
 成分原料であるCaCO 3 、La 2 O 3 、Bi 2 O 3 とTiO 2 、及び副成分原料であるMnOを準備し、成分原 料については、成分の最終組成が(Ca 0.97 La 0.03 )Bi 4.01 Ti 4 O 15 となるように秤量した。次に、純水を添加し 、純水中でジルコニア製メディアを入れたボ ールミルにて8時間混合し、十分に乾燥を行 、混合粉体を得た。得られた混合粉体を、 成形し、空気中、800℃で2時間仮焼を行い仮 物を作製した。次に、得られた仮焼物に純 を添加し、純水中でジルコニア製メディア 入れたボールミルにて微粉砕を行い、乾燥 ることにより圧電セラミックス原料粉末を 製した。微粉砕においては、微粉砕を行う 間および粉砕条件を変えることにより、そ ぞれ粒子径100nmの圧電セラミックス原料粉 を得た。それぞれ粒子径の異なる各圧電セ ミックス原料粉末にバインダーとして純水 6質量%添加し、プレス成形して、厚み100μmの 板状仮成形体とし、この板状仮成形体を真空 パックした後、235MPaの圧力でプレスにより成 形した。次に、上記の成形体を焼成した。最 終焼結体の厚さは20μmの焼結体を得た。なお 焼成温度は、それぞれ1100℃であった。1.5×E c(MV/m)以上の電界を1分間印加して分極処理を した。

 (受信用積層振動子の作製)
 前記実施例1において合成した溶液を表面を シラン化合物(東レ・ダウコーニング製Z-6582  n-ヘキシルトリメトキシシラン)にて処理した ガラス基盤上に乾燥膜厚40μになるように塗 し、乾燥後剥離してポリウレア樹脂組成物 を作製した。

 このように作製したポリウレア樹脂組成 膜の両面にアルミ電極を蒸着にて取り付け あとで、高圧電源装置HARB-20R60(松定プレシ ョン(株)製)を用いて、100MV/mの電場を印加し 状態で、200℃まで5℃/minの割合で上昇し、20 0℃で15分間保持したあとで電圧は印加したま まで室温まで徐冷し、ポーリング処理を施し ポリウレア樹脂組成物膜-5を作製した。作製 たポリウレア樹脂組物膜-1(有機圧電体膜)常 法に従って、上記の送信用圧電材料の上に受 信用積層振動子を積層し、かつバッキング層 と音響整合層を設置し超音波探触子を試作し た。

 なお、比較例として、上記ポリウレア樹 組成物膜-5よりなる受信用積層振動子の代 りに、ポリフッ化ビニリデンのフィルム(有 圧電体膜)のみを用いた受信用積層振動子を 上記受信用積層振動子に積層した以外、上記 超音波探触子と同様の探触子を作製した。次 いで、上記2種の超音波探触子について受信 度と絶縁破壊強度の測定を環境温度60℃の温 度にて評価した。

 なお、受信感度については、5MHzの基本周 波数f1を発信させ、受信2次高調波f2として10MH z、3次高調波として15MHz、4次高調波として20MH zの受信相対感度を求めた。受信相対感度は ソノーラメディカルシステム社(Sonora Medical System,Inc:2021Miller Drive Longmont,Colorado(0501 USA)) の音響強度測定システムModel805(1~50MHz)を使用 た。絶縁破壊強度の測定は、負荷電力Pを5 にして、10時間試験した後、負荷電力を基準 に戻して、相対受信感度を評価した。感度の 低下が負荷試験前の1%以内のときを良、1%を え10%未満を可、10%以上を不良として評価し 。

 上記評価において、本発明に係る受信用 電(体)積層振動子を具備した探触子は、比 例に対して1.5倍の相対受信感度を有してお 、かつ絶縁破壊強度は良好であることを確 した。すなわち、本発明の超音波受信用振 子は、図1に示したような超音波医用画像診 装置に用いる探触子にも好適に使用できる とが確認された。